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「ニコニコ動画」「ユーチューブ」 2009年に念願の黒字化達成?(COLUMN)
「ニコニコ動画」は国内会員数が現在1100万人、閲覧数が1日平均5300万という大人気投稿動画サイトだが、赤字が増え続けている。全世界でひと月に3億3000万人以上が利用している「ユーチューブ」も収益面では苦戦が伝えられている。投稿動画サイトはいつ黒字になるのか。
09年は収益向上への転換の年と位置付ける
「ニコニコ動画」を傘下に持つドワンゴは2009年2月5日に第1四半期連結決算(08年10~12月) 決算を発表した。「ニコニコ動画」が事業の大半を占めるポータル事業の売上高は、前年同期比77.9%増の6億3600万円だったが、営業損失は前年の約倍の4億7500万円になった。様々な収益手段を講じたものの、
「登録会員数の増加に伴う設備投資、回線費用の増加及び本格的な収益化に向けての先行投資等により、未だ収益の貢献には至っておりません」
と説明している。
「ニコニコ動画」の赤字はユーザーにも知られており、08年秋にはネット上で「黒字化させる策はないのか」という議論が活発になった。「ニコニコ動画」開発者ブログは08年11月14日付けで、
「黒字化するための本命の収入源はユーザーのみなさんからの直接課金と広告収入ではないかと予想しています。そういう意味では、まだ、ニコニコ動画は本気でお金を稼ごうとはしていません」
とし、ビジネスで勝ち抜いていくためには、現在の収入では全然たりない、などと回答していた。
経営の苦しさは世界最大の投稿動画サイト「ユーチューブ」も同様のようで、06年10月に米グーグルに買収されるまで赤字続き。買収された後も経営は好転せず、ロイター通信電子版が08年10月17日に伝えたところによれば、
「親会社の米グーグルに収入面で貢献できるようになるまで、少なくともあと2年はかかると見られている」
とし、投資家は、同社がいつの段階で事業規模に見合った収入や利益を上げるのか、と心配する声を挙げ始めている、などと書いている。
動画投稿サイトには著作権を害する違法動画投稿が相次ぎ、コメント欄も読むに耐えないものがある。そのため広告主に嫌われ、広告が集まらない、ともいわれていた。また、「ニコニコ動画」にはユーザーに課金する「プレミアム会員」制度があるが、無料会員であっても充分に楽しめるため、課金に応じるユーザーは少ないのではないか、という見方も出ていた。
そうした中で、「ニコニコ動画」も「ユーチューブ」も09年は収益向上の転換の年と捉えているようだ。ドワンゴ広報IR室は取材に対し、これまでの赤字はユーザーの期待に応えられるサイト作りに注力してきた結果と説明する。こうした基盤作りが進んだため、
「08年10月からは広告枠を3.5倍に拡大し、大手のクライアントさんも付いてくれました。ポイントシステムや、有料会員などの新しいサービスも伸びていますので、今年6月には単月黒字化を目指しています」
と意外に強気だ。
「広告を出しにくい」というイメージは払拭されつつある
グーグル日本法人の辻野晃一郎社長は「東洋経済」(09年2月5日付け電子版)とのインタビューで、これまで「ユーチューブ」は著作権問題など解決しなければならない問題が山積し、収益化に向ける力が不足していたものの、
「今年は日本でもユーチューブを利用したマネタイズ(収益化)が非常に重要なテーマとなります」
とし、収益アップに攻勢をかける考えを示している。
ITジャーナリストの井上トシユキさんは、投稿動画サイトが黒字化する可能性は高い、と指摘する。「ニコニコ動画」の場合だと、ジャスラックと提携したり、違法動画排除の姿勢を示したことが企業にも認められ、「投稿動画サイトに広告を出しにくい」というイメージは払拭されつつある、という。
「初期投資が実を結ぶまで3年から5年はかかります。ニコニコ動画もユーチューブも、これまで『赤ちゃん』だったのが『小学生』に成長している段階。これから収益を上げるための様々な仕掛けがでてくるはずです」
と見ている。



13日からG7、資金供給拡充で協調へ 保護主義には警鐘
 日米欧主要7カ国(G7)は13日から2日間の日程で、財務相・中央銀行総裁会議をローマで開く。世界的な金融・経済危機のなかで、米オバマ政権発足後、主要国が対策を議論する最初の国際会議となる。今回の会議では金融システムと実体経済が連鎖して悪化する「負の相乗作用」(白川方明日銀総裁)に歯止めをかけるため、機敏な財政出動や資金供給の拡充策が重要との見解で一致する見通し。保護主義的な政策には、世界貿易を萎縮させるとして警鐘を鳴らす方向だ。
 日本からは中川昭一財務相や白川総裁らが出席する。会議では中央銀行による大量の資金供給や、金融機関の資本増強、金融システムの監督強化など、昨年11月の緊急首脳会合(金融サミット)で合意した危機対策の効果を検証する。金融機関の抱える不良資産を本体から切り離すなど、追加的な施策の必要性も議論する。



米金融機関、政府の経営関与警戒 公的資金、早期返済も
 【ニューヨーク=財満大介】米金融界で、政府の経営関与を警戒する声が強まっている。公的資金を受けた金融機関の報酬制限が強化され、優秀な人材を集めにくくなるなど、経営の自由度がそがれているためだ。複数の金融機関が公的資金の早期返済を唱え出した。高額報酬への国民の批判は根強く、関係者は融資増加の義務付けなど「管理強化」につながる可能性を危ぶんでいる。
 オバマ政権が4日発表した金融機関の支出抑制策は、経営幹部の報酬上限を年50万ドル(約4500万円)とするとともに、高額な退職金の支払いを禁止。社用ジェット機の購入や報奨旅行など「ぜいたく支出」の見直しも義務付けた。



「電子私書箱」で公共料金など通知、4600億円削減効果 政府試算
 政府は7日、年金、医療などの行政情報や電気・ガス料金などの公共サービス情報を一元化し、国民1人ひとりが自らの情報を閲覧できる「電子私書箱」(仮称)の導入で、通知文書の郵送などにかかる年約7000億円の経費を3分の1程度に削減できるとの試算をまとめた。電子私書箱による具体的な費用削減効果を示すのは初めて。9日に開く政府のIT戦略本部の検討会で公表する。
 国民の7割が利用し、通知文書の利用者への郵送をやめた場合を想定。文書の印刷や郵送作業にかかる人件費、郵送料など合計で年4600億円を削減できると試算した。内訳は年金保険や医療保険など社会保障分野が600億円。上下水道や電気・ガスなど公共サービス分野で4000億円。



売れない時間帯は営業短縮、三越がコスト抑制策
 大手百貨店の三越が日本橋本店(東京・日本橋)など一部店舗の営業時間を4月から最大1時間短縮する方向で検討していることが7日、明らかになった。
 売り上げの少ない時間帯の営業時間を短縮し、人件費や光熱費などのコストを抑えることで、店舗の採算を好転させる狙いがある。
 日本橋本店は、通常午後8時の閉店時間を最大1時間早める方向で検討を進めている。その他の店舗についても、朝方や夜間の来店客が少ない店舗の営業時間を短縮する方向だ。
 大手百貨店では、景気低迷の影響で衣料品や宝飾品を中心に売り上げが前年比1割前後減っており、新規出店の中止や閉店などコスト削減の動きが広まっている。



政府「地熱発電」普及促進、3倍拡大目標 新エネ法の対象認定も
 政府は、火山国・日本が豊富に持つ“純国産”のクリーンエネルギーでありながら、ハードルが多く開発が進まない「地熱発電」の普及促進に乗り出す。今春にも発電量を2030(平成42)年までに現在の3倍程度に拡大する目標を打ち出す。また電力会社に地熱発電の電気の買い取りを義務付ける「新エネルギー利用特別措置(RPS)法」の対象に認定することで、開発を後押しする。開発が制限される国立公園内の熱源を公園外からパイプを通して利用する開発手法を認めることも検討していく。
 地熱発電は地下から熱水をくみ上げ、蒸気にしてタービンを回すシステム。発電時に二酸化炭素(CO2)を発生しないうえ、半永久的に利用できるクリーンエネルギーだ。
 国内では昭和41年に岩手県で第1号が稼働。鉱山開発ノウハウを持つ三菱マテリアルなどの非鉄金属会社や九州、東北などの電力会社が参入し、主要施設で全国18カ所にある。ただ、発電能力は計約53万キロワットと、小規模な原子力発電1基分しかない。
 「温泉枯渇」を懸念する熱源近くの地元温泉街による反対のほか、国立公園内に熱源があることや開発コストが高いことなどが普及の障害となっている。



政府、初めて「上場不動産投信」再編呼びかけへ
 国土交通省と金融庁は、金融危機で異常な安値が続く「Jリート(上場不動産投資信託)」について、投資家の信頼を回復するため、運用を行う投資法人同士の合併・再編を促す方針を固めた。国交省が発足させた有識者会議が10日にまとめる中間報告に再編促進を明記する。
 Jリートは平成13年に初登場し、現在は41のリートが上場している。当初は優良物件の組み入れで運用利回りが好調に推移し、人気を集めた。しかし、昨夏の米国発の金融危機以降、国内の不動産市況が急激に悪化し昨年10月には破(は)綻(たん)に追い込まれるリートが出た。
 このため、両省庁では合併によって財務体質や信用力を高めることで、これ以上破綻するリートが増えることを防ぎ、投資家を保護したい考えだ。



ネット暴力 「表現の自由」には責任が伴う(2月8日付・読売社説)
 全く身に覚えのないことを言いふらされ、非難されたら、どれほど嫌な気分だろう。
 インターネット上で他人を中傷する行為は、「表現の自由」をはき違えた卑劣な犯罪だ。
 警視庁は、男性タレントのブログに事実無根の内容を書き込んだとして、17~45歳の18人を名誉棄損容疑で近く書類送検する。殺害予告を書いた別の1人については、脅迫容疑で書類送検した。
 18人は、東京都足立区で20年前に起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件にこの男性タレントが関与したとするでたらめな話を多数書き込み、名誉を傷つけた疑いが持たれている。
 「炎上」と呼ばれるブログなどへの集団攻撃が一斉摘発されるのは、今回が初めてになる。
 悪質な行為を取り締まるのは当然だ。ブログなどを閉鎖に追い込むため、あおる者もいる。警察は今後も厳正に対処すべきだ。
 憲法で保障された「表現の自由」は、健全な社会を守るためにある。匿名に身を隠したネット上での言葉の暴力とは、無関係だ。
 ネットへの書き込みをめぐっては、自分のホームページに不確かな情報を掲載し、飲食店経営会社を中傷したとして、名誉棄損罪に問われた男性被告が、東京高裁で先月末、逆転有罪となった。
 ネットの個人利用者に限って名誉棄損の基準を緩めた1審の無罪判決に対し、高裁は「被害者保護の点で相当ではない」と批判した。妥当な判断である。
 ネットでの中傷被害は増えており、昨年も中高校生が自殺している。警察庁によると、警察への相談は、2007年に過去最高の約8900件に上っている。
 韓国では、事実に反する内容を書かれた有名女優が昨年秋に自殺した。これを受け、与党がサイバー名誉棄損罪などを新設する刑法改正案を国会に提出している。
 日本では青少年保護を目的とした有害サイト規制法が昨年6月に成立し、4月から施行される。
 罰則はないが、施行後3年以内に必要なら見直すことになっている。今回のような事件が相次ぐ場合には、罰則を伴う内容への改正や新たな法整備を検討する必要も出てくるだろう。
 誰でも情報を発信できる時代だが、それには責任も伴う。
 ネット利用者は、使い方次第で自らの手足を縛りかねないことを認識しておかねばならない。子どものころから、家庭や学校で安易な利用の危険性を教えていくことも大切だ。
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