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上場企業、3社に1社が減配・無配 今期、総額は9%の小幅減
 上場企業の3社に1社が2009年3月期に株主への配当を前期より減らすかゼロにすることが、日本経済新聞社の集計で分かった。業績悪化で企業は手元資金の確保を優先しており、配当総額は7期ぶりに減少する。ただ連結純利益が8割以上減る見通しのなか、配当総額の減少率は9%減にとどまる。株主配分や株価への配慮から、減益や赤字にもかかわらず増配を予定している企業も168社ある。
 3月期決算の全国上場企業2332社(金融、新興3市場含む)を対象に集計した。今期に減配、無配転落、前期に続き無配――のいずれかを見込む企業は合計890社で、全体の38%に上る。



インテル、次世代半導体生産に6300億円投資 過去最大規模
 半導体世界最大手の米インテルは10日、次世代半導体の生産体制構築に今後2年間で合計70億ドル(約6300億円)を投じると発表した。次世代半導体の立ち上げ投資としては過去最大規模になる。世界景気悪化を背景に半導体業界は厳しい経営環境にあるが、最大手として技術革新を主導し、最先端製品の投入でIT(情報技術)市場の活性化を目指す。
 ワシントンで開かれた講演会でポール・オッテリーニ最高経営責任者(CEO)が表明した。インテルの米国内の生産拠点に全額を投じる。同氏は同日、「インテルと米国の技術革新での最先端の地位を守るために投資する」とのコメントを発表した。
 オレゴン州、アリゾナ州、ニューメキシコ州に構える半導体製造工場を増強し、回路線幅32ナノ(ナノは10億分の1)メートルの次世代MPU(超小型演算処理装置)の量産体制を整える。現行世代の45ナノMPUに比べ消費電力が少なく、処理能力が高いのが特徴で、今年中にデスクトップ型やノート型パソコン向けの量産を始める計画。



<09年1月ゲーム販売>DSiが累計150万台を突破 新作は不振
 ゲーム雑誌大手のエンターブレインが発表した09年1月のゲーム販売ランキング(08年12月29日~09年1月25日の4週間)によると、「ニンテンドーDSi」が約39万台を売り上げ、3カ月連続の首位となり、累計販売台数も167万台と150万台を突破したことが明らかになった。
 「大乱闘スマッシュブラザーズX」(Wii、任天堂)の発売を直前に控えた前年同月と比べ、ゲーム機本体をけん引するソフトに乏しく、市場全体では前年同月比82.6%の535億円にとどまった。
 ソフト部門では、08年12月に発売された「ディシディア ファイナルファンタジー」(PSP、スクウェア・エニックス)が約18万6000本、累計で約84万7000本を売り上げ、前月に続きトップを守った。2位以降も「リズム天国 ゴールド」(DS、任天堂)、「わがままファッション ガールズモード」(同)など昨年発売のゲームが上位を占めた。今年1月発売の新作タイトルで10万本以上を販売したタイトルはなく、約8万6000本を売り上げた「Wiiであそぶ マリオテニスGC」(Wii、任天堂)の14位が最高だった。



富士重や日本製鋼所など、風力発電機事業を拡大
 富士重工業や日本製鋼所など機械関連メーカーが相次ぎ国内向けの風力発電機事業を拡大する。富士重工業は日立製作所と共同で大型機を開発し、まず20基以上を製造する。日本製鋼所も今年度の十数基から80基に大幅増産する。三菱重工業は3年ぶりに国内での受注活動を再開する。景気の低迷で機械関連の市場が軒並み縮小するなかで、風力発電機は数少ない成長分野。今後はメーカー間の競争も激しくなりそうだ。
 富士重と日立が共同開発したのは、出力2000キロワットの大型風力発電機。制御機器などの主要部品を日立が生産し、富士重の工場で羽根などを造り、完成品に組み立てる。国内の風力発電事業者向けに20数基の発電機を2009年度から順次販売する。



ノキアがフィンランド工場で減産へ、開発拠点も閉鎖
 世界最大の携帯電話メーカー、フィンランドのノキアは11日、携帯電話の需要低迷を受け、同国のサロ工場で生産を縮小するほか、ユバスキュラにある開発研究所を閉鎖する方針を発表した。
 ノキアのJuha Putkiranta氏は声明で「市場での需要減を反映し、サロ工場での生産を縮小する。同工場での操業は滞りなく継続する」と述べた。
 閉鎖されるユバスキュラの従業員数は320人。この他にも90人の削減を検討していることを明らかにした。サロ工場でもレイオフを実施する方針を示した。
 また、主要携帯電話部門で年間7億ユーロ(9億0500万ドル)の費用削減を目指すとした。



オリエンタルランド、独自キャラクターの育成から撤退
 東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドは「ディズニー」以外の独自キャラクター開発事業から撤退する。テーマパーク事業に次ぐ収益源の育成を狙ってアニメなどを制作してきたが、採算が合わなかった。赤字事業を切り離し、主力事業に経営資源を集中する。
 キャラクター開発やアニメ制作を手がける子会社のOLC・ライツ・エンタテインメント(東京・中央)の売却を検討しており、売却先が見つからなければ3月末までに解散する方針だ。



日興コーデ、3メガ銀が買収名乗りへ 12日入札手続き開始
 経営再建中の米シティグループによる日興コーディアル証券の売却問題をめぐり、入札手続きが12日から始まることが分かった。三菱UFJ、みずほ、三井住友の三メガバンクグループは買収に名乗りを上げる方針だ。3メガはともに証券業務の強化・拡大を目指し、3大証券の一角である日興コーデの顧客基盤や営業力の獲得を目指すが、不透明要因が山積しており、金融危機下の買収戦は曲折も予想される。
 複数の関係者によると、12日はシティ・日興側の要請に応じ、買収を検討している金融機関がその意向を正式に伝える。



09年の世界石油需要、27年ぶり減少幅 日量8470万バレル
 【パリ=野見山祐史】国際エネルギー機関(IEA)は11日発表した2月の石油市場月報で、今年の世界の石油需要見通しを2008年実績見込み比1.1%減の日量8470万バレルに下方修正した。需要の減少幅は第2次石油危機時の1982年以来、27年ぶりの大きさとなる。消費低迷が日米欧の先進地域から新興国に波及。中国の需要は08年の4.3%増から今年は0.7%増とほぼ横ばいにとどまるとみている。
 予測値を下げるのは昨年6月以来、6カ月連続。国際通貨基金(IMF)の世界経済に関する成長予測の下方修正などを反映した。世界景気の悪化に伴い米国(2.8%減)、日本(6.9%減)などで大きく需要が落ち込むうえ、中・東欧や新興アジア地域、ロシアなども伸び悩む見通し。
 一方で、原油価格の下落に伴い産油国での油田や製油施設などのインフラ投資が遅れていると指摘。将来の原油価格上昇への備えが不十分だと警告した。



英、量的緩和導入を検討 中銀総裁表明、国債を買い入れ
 【ロンドン=吉田ありさ】英国の中央銀行(イングランド銀行)のキング総裁は11日の記者会見で「追加的な金融緩和策として通貨供給量(マネーサプライ)を増やす方策も必要になるだろう」と述べ、量的緩和の導入を検討する方針を表明した。早ければ3月の金融政策委員会で議論した上で、導入したい考えを示した。
 量的緩和の具体策として、英国債などを買い入れる案を示した。英中銀は政府の委託を受け、今週中に社債などの金融資産の買い取りを始めるが、国債もこの買い取り枠(現在500億ポンド)の対象にする。現在の資産買い取り枠の運用では政府が短期国債を発行して資金供給量に影響を及ぼさないよう調整しているが、量的緩和では短期国債を発行せず、英中銀が国債を買った資金を市場に放出することで資金供給量を増やす。
 キング総裁は「英国は現在、深刻な景気後退局面にある」とし、追加的な金融緩和策が必要と強調。「追加策には消費刺激のためマネーサプライを増やす手法も含まれるだろう」と述べた。



「ワークシェア」企業に助成、雇用調整金で…政府・与党方針
 政府・与党は雇用対策として、従業員の労働時間短縮で新たに失業者を雇う形態の「ワークシェアリング」(仕事の分かち合い)を実施する企業に財政支援する方針を固めた。
 この形態は労使双方の慎重意見で導入が進んでいないが、政府は失業者救済に有効な手段だと判断し、財政支援で導入を促すことにした。
 具体的には、時短に伴う賃金の引き下げ分を助成する。これにより、企業は新規雇用を行いながら、実質的に人件費抑制につなげることが可能となる。助成金は、解雇防止のために従業員を休業・出向させた企業に休業手当などを助成する「雇用調整助成金」の適用範囲を拡大して確保する案が有力だ。雇用調整助成金は企業が払う雇用保険の保険料で運営され、資金の残高は2007年度決算で約1兆700億円に上る。適用条件緩和は厚生労働省令の改正で対応でき、法改正は不要で、与党は迅速な対応が可能と見ている。



社説 期待外れだった米国の新金融安定化策(2/12)
 オバマ新政権は、ブッシュ前政権にはできなかった思い切った対策で米国の金融市場を覆う霧を払ってくれるのではないか。ガイトナー財務長官が10日発表した金融安定化策は、そんな期待に応えることはできなかった。肝心の部分があいまいなうえ、大胆さに欠けているためだ。
 市場が求めていたのは、米国の金融システムの中核となる主要金融機関が健全化する道筋がはっきりと見える方策だった。住宅価格の下落や景気悪化を背景に膨らんだ不良資産が切り離され、十分な資本を持つ金融機関が登場しない限り、資金は円滑に流れないからだ。
 新しい金融安定化策には、金融機関から最大1兆ドル規模で不良資産を買い取る官民共同の投資ファンドの創設案が盛り込まれた。このこと自体は一歩前進だ。ただ、明らかにされた内容だけで、大規模に買い取りが進むと期待するのは難しい。
 自己資本が不足した金融機関は、損失拡大につながる時価での不良資産の売却に消極的だ。一方、買い手となる民間の投資家も値下がりリスクを抱えた不良資産の買い取りには二の足を踏む。米政府は買い手への低利融資などで不良資産を買いやすくする見通しだが、その詳細は明らかになっていない。
 新プランでは、やみくもに公的資金による資本注入をするのでなく、金融監督当局が厳格な資産査定をしてどれだけの資本を必要としているかをチェックすることも盛り込んだ。これも正しい一歩といえる。日本のかつての経験に照らしても、厳格な査定なしの資本注入では不良資産の処理が進まないのは明らかだ。
 だが、これにより十分な資本増強が進むかは不透明だ。というのは政府による追加的な資本注入は、市場を通じた増資につなげる呼び水の役割にとどめられているからだ。金融市場が萎縮する中で民間からの資本増強には時間がかかる恐れもある。
 今回の安定化策は、全体として民間の資金や市場の価格判断機能を活用しようとした部分が目立つ。原則論としては正しいが、民間の投資家は政府がよほどの後押しをしない限り、リスクを取ろうとしないのが現実だ。金融安定化には巨額の公的資金の再投入が不可避であることをもっと率直に議会や国民に訴えるべきではないのか。
 金融が安定化しない限り、米国経済の本格回復もありえない。国民負担が一時的に膨らみ、批判を受ける恐れがあっても、成果を出すことを最優先する。新大統領にはそんな指導力が期待されているはずだ。
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