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ゲームソフト開発短縮 カプコンやバンダイナムコ
ゲームソフト各社は人気ソフトの開発期間を短縮する。カプコンは外部委託を積極化し、新作を投入するまでの期間を従来の4年程度から1~2年早める。バンダイナムコゲームスは高機能携帯電話(スマートフォン)向けに人材を集中して数カ月での開発を可能にするなど柔軟な体制に切り替えた。投入サイクルを縮めて業績の変動を抑え、携帯など多様な端末の登場への対応も急ぐ。
カプコンは「バイオハザード」など人気作品の新作を従来の年2本程度から3~4本に増やす。同社が抱える家庭用ゲームの開発要員は約900人。大型作品の開発には100人以上が必要になるため、年間の開発案件が30~40本に達する現状では、迅速な新作投入が難しい。北米や欧州を中心に外部企業を活用して開発速度を上げる。
カプコンの2010年3月期の連結売上高は前の期比27%減の668億円、純利益は73%減の21億円となった。人気ソフトの端境期にあたっていたことが主因だという。ソフトの投入を増やして収益を安定させる。
携帯端末向けなど新たな市場の開拓も進める。8月には交流サイト(SNS)大手ディー・エヌ・エーの「モバゲータウン」向けに作品を投入し、ソーシャルゲームに参入する。今春には米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」にバイオハザードの配信を始めている。
バンダイナムコゲームスは同じタイトルのソフトでも据え置き型や携帯型など使う端末によって分かれていた開発、販売などの部隊を統合した。例えば、スマートフォン向けに人員を集中し、家庭用ゲーム機向けの場合で2~3年の開発期間を数カ月に短縮することが可能になるという。
コーエーテクモゲームスも携帯端末部門とパソコンなどのオンライン部門の開発部隊を統合するなどし、機動的な開発につなげている。
天満屋、広島八丁堀店に大型書店 今秋「丸善&ジュンク堂」
天満屋(岡山市、伊原木隆太社長)は広島八丁堀店(広島市)の7~8階フロアを改装し10月9日、「丸善&ジュンク堂書店」を開設する。大日本印刷傘下のジュンク堂書店(神戸市)と丸善が共同展開する新ブランドの店舗で、蔵書数120万冊と広島県下では最大規模の店舗になる。八丁堀周辺では唯一の大型書店となり、百貨店の集客力を高める。
店舗面積は約4000平方メートルで、一般書のほか、豊富な専門書をそろえる。運営はジュンク堂書店が担う。7階には「タリーズコーヒー」も新たに出店、午後10時まで営業し、利便性を高める。投資額は約3億円。
改装に伴い婦人衣料品売り場は縮小した。今後は書店と食品や衣料品など他の売り場と連携した販売促進イベントも展開する計画だ。
日産、メキシコで低価格車生産 年30万台
北・中南米向け
日産自動車はメキシコで低価格の新型小型車3車種を年間30万台規模で生産する。2011年初めから小型車「マーチ(海外名マイクラ)」を生産するのを皮切りに、13年までにセダン、多目的車(MPV)を追加する。北米地域や成長が続く中南米諸国にも供給し、メキシコを北・中南米の輸出拠点に位置付ける。新型車の生産に伴う製造設備の入れ替えなどで6億ドル(約520億円)を投資する。
新型3車種の生産は、小型車「ティーダ」など主に4車種を製造している北部のアグアスカリエンテス工場を中心に手がける予定。ピックアップトラックなど3車種を主体とする南部のクエルナバカ工場でも生産を検討する。両工場の年間生産能力はそれぞれ約35万台と約25万台だが、設備入れ替えの投資後も当面は生産能力を大きく変えない見通しで、製造する車種の入れ替えも視野に入れているとみられる。
新たに生産する3車種はコスト競争力の高い新型車台「Vプラットホーム」を採用した戦略車。ハッチバック車の「マーチ」の価格は1万ドル(約90万円)前後で調整する。マーチはタイや日本、インドですでに販売しており受注も好調。メキシコでもセダン、ミニバンと品ぞろえを広げ、多様な市場ニーズに応える。
日産はメキシコを南北アメリカ各国向けの供給拠点に位置付け、ブラジルをはじめ新興国市場で拡大する需要に対応。日本からの輸出に依存しない体制を築く。年間30万台を生産する予定の新型3車種は全体の2割をメキシコ市場で販売し、残りの8割を中南米や北米に輸出する。米国やチリなど周辺国との自由貿易協定を活用してコスト競争力も高める。
これまで中大型車が中心だった米国でも、燃費規制の強化で今後は低燃費小型車の需要が拡大する見通しだ。経済成長で所得水準の向上が見込める中南米では初めて新車を購入する消費者向けの「エントリーカー」として低価格小型車に関心が集まっている。
北・中南米で日産はメキシコのほか米国に2つの完成車工場を持つ。ブラジルでは仏ルノーの工場でピックアップトラックなどを生産している。ただ、米国工場は北米市場に向けた中大型車の生産が主体。ブラジルは生産量が限られている。まずは小型車の生産ノウハウがある既存のメキシコ工場を北・中南米の小型車供給拠点に育てる。
共通車台、世界で導入 小型車、効率生産で先行
日産、メキシコなどに
日産自動車は新興国向けの小型車を中心に、新たに開発した車台「Vプラットホーム」を世界各地で導入する計画を進めている。メキシコのほか、中国、インドなど日本以外の複数国の工場に導入する。この車台は現地で部品を調達することを前提に設計しており、車両の製造コストを約3割下げられる。競争力のある共通車台を素早く世界各地に展開し、需要が膨らむ小型車の分野で先行する。
日産は量販車種「マーチ(海外名マイクラ)」の生産を日本からタイに移管。タイ製マーチを日本に輸入し、今月から販売している。現地調達する部品の仕様にあわせた車台を独自開発して生産コストを下げ、周辺国に大量輸出する戦略に転換した。円高や原材料高騰などで「マーチクラスの小型車を日本で生産・輸出していては採算が合わない」(幹部)ためだ。
2013年までに共通車台を使い生産する台数を世界合計で100万台規模に増やす。中国は主に自国向けとみられるが、タイは日本やオセアニア諸国、インドは欧州や中近東・アフリカなどに輸出する。価格は1万ドル(約90万円)前後を軸に、市場動向や装備により各国ごとに定める。
部品の現地調達率を9割以上に高めて調達コストを削減。輸出を含む大量生産で製造コストも抑える。
自動車各社は新興国向けの小型車開発を急いでいる。「利幅の小さい小型車でいかに稼げるか」(日産幹部)がカギを握るため、各社とも現地生産を加速させている。
NECライティング、伊那工場閉鎖 140人の雇用維持難しく
NECの照明子会社、NECライティング(東京・品川)は26日、11月末で伊那工場(伊那市)を閉鎖すると発表した。同工場には従業員が140人いる。今後は他のNECグループ企業への配置転換などを検討するが、地元採用の従業員が多数を占め、雇用維持は難しい状況だ。
伊那工場は液晶テレビのバックライト光源に使う蛍光ランプを製造するが、パネル製造拠点が中国に集中しているため現地生産の必要性が高まっていた。NECグループへの配置転換や早期希望退職者を募集し、外部企業への再就職を支援する。
伊那工場は長野日本電気(NEC長野、伊那市)の敷地内にあり2005年から操業。NEC長野の生産規模縮小に伴い、08年に85人がNECライティングに移籍した。このためNEC長野では「従業員を受け入れる余裕はない」(経営企画部)としている。
NEC長野とNECライティング伊那工場は会議室や食堂を共有するなどの関係はあるが、閉鎖に伴う業務上の影響はないという。
スパンション日本法人、年内にも会社清算へ
経営再建中の半導体メーカー、スパンション・ジャパン(川崎市)は、2010年内にも会社を清算する方針を固めた。米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)への工場売却が15日に決定。米スパンションからの受託生産事業や残りの債務弁済をTIが引き継ぐことになったためだ。
スパンション・ジャパンは09年2月の経営破綻後、親会社で同時期に破綻した米スパンションと経営や財務を分離。独立系の受託生産会社(ファウンドリー)となり生き残りを目指した。
しかし破綻時に約741億円もあった債務が重荷となった。確実な債務弁済を裏付ける顧客の獲得に失敗。自社工場も売却が決まり、清算を余儀なくされる見通しだ。
TIは日本に新たな生産子会社を設立し、買収する福島県会津若松市の2工場の運営母体とする。TIは会津若松工場の従業員500人の雇用を維持する意向を示している。直径300ミリメートルのシリコンウエハーを使う最先端の生産設備は、TI米国工場の能力増強に活用したり、台湾企業に売却したりする方針。
スパンション・ジャパンが米スパンションなどから長期契約していた受託生産もTIは承継。残りの契約期間中は、小容量データを保持するNOR型フラッシュメモリーを供給する。契約満了後は自動車向けが中心のアナログ半導体工場に転用する。
スパンション・ジャパンは足元で300億円程度とみられる債務の弁済に工場売却代金を充てる。弁済残額はTIが引き受ける。
スパンション・ジャパンの会社清算の背景には、世界の半導体産業の潮流変化もある。金融危機後、国内外の半導体メーカーは固定費負担を減らすため、自前の生産能力を減らす一方で、外部委託への依存度を高めた。
その結果、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)、米国のグローバルファウンドリーズなど、ファウンドリー業界で巨大企業による寡占化が進んだ。スパンション・ジャパンが、低コスト生産を売り物にしたこれら企業に太刀打ちするのは難しく、顧客を確保できなかった。
バイク てこ入れ加速…国内販売、ピーク時の1割
二輪車大手各社が、若者の「バイク離れ」などで低迷する国内販売のてこ入れを進める。ホンダは、国内で販売する二輪車約45車種すべての販売価格を、次期改良時から1~3割程度引き下げるほか、ヤマハ発動機の販売店はレンタルサービスで利用者のすそ野を広げる。二輪車の国内販売台数は景気低迷や都市部の駐車場不足などから、ピーク時の10分の1まで激減しているため、あの手この手で顧客を開拓する。
ホンダは今後3年間で順次、全面改良や一部改良に合わせて販売価格を引き下げる。現在販売中のモデルの価格は維持する。ホンダによると、排ガス規制が強化された06~08年に、燃費性能を高める電子制御式の燃料噴射装置を搭載するなどし、コスト増加分の1~2割を製品価格に転嫁した。低価格の海外製部品の割合を高めるなどし、約10年前の水準まで引き下げたい考えだ。業務用の配送などにも使われる「スーパーカブ50」(排気量50CC)の最廉価モデルは現行20万円強だが、次期モデルは2割程度値下げして16万円前後になる見込みだ。
値下げで収益が圧迫されないよう、先進国でも売れるやや付加価値の高いモデルを生産コストの低い新興国で生産し、世界戦略車と位置付けて国内に逆輸入することも進める。
第1弾として3月末に発売した125CCスクーター「PCX」はタイで生産。信号待ちなどの停車時にエンジンを止めるアイドリング・ストップ機能を同クラスで初めて搭載したにもかかわらず、30万円を切る価格に設定。国内で生産すると40万円以上になると見られ、「市場縮小に歯止めをかけるには価格でアプローチするしかない」(ホンダ幹部)と判断した。伊東孝紳社長も「今後もアジア発の世界戦略二輪車を増やす」と話す。
一方、ヤマハ発動機の東京都内などの12の販売店では7月から順次、二輪車を時間貸しするレンタルサービスを始めている。排気量50CCから1900CC前後の海外専用モデルまでが対象になり、各店舗がそれぞれ5車種以上を用意する。50CCを4時間3100円で貸し出すなど、手軽に二輪車を体験してもらい、顧客のすそ野を広げる考えだ。
ヤマハ発の柳弘之社長も「引き下げというより価格の適正化はありうるが、どのぐらいの線にするかは今後検討する」と述べ、ホンダ同様、値下げによる顧客へのアプローチが不可欠と見る。
スズキは、世界で98まで膨らんだモデル数を54まで絞り込み、部品の設計変更などの際にかかるコストや時間を削減するほか、売れ筋車種を積極的に拡販する。
日本自動車工業会によると、国内の二輪車市場は09年に前年比27.1%減の38万777台で、ピークだった1982年(約329万台)の1割強の水準まで落ち込んでおり、立て直しが急務となっている。
中国、鉄鋼再編を加速 メーカーを4分の1に
【上海=下原口徹】中国政府は鉄鋼業界の再編・淘汰に乗り出す。約800社ある鉄鋼メーカーを4分の1の200社まで削減する。企業規模、高炉の生産能力、環境対応能力などで鉄鋼会社の存続条件を打ち出し、基準に満たない企業を淘汰する。再編を促す新たな通達を近く出す。
中国の鉄鋼業界は生産能力と在庫の「2つの過剰」問題に直面している。鉄鋼メーカーの業績が悪化するなか、ようやく再編が本格化しそうだ。
鉄鋼業界の監督官庁である工業情報化省の陳燕海司長が「連携・再編や立ち遅れた設備廃棄などにより鉄鋼企業数を減らす。800社あるメーカーの再編・淘汰を進め、200社程度にするのを第一目標とする」と語った。同省は鉄鋼メーカーの存続条件として具体的な環境、省エネ基準を盛り込んだガイドラインを定めた。
それによると、鉄鋼メーカーの再編・淘汰を促すため、1社当たりの最低年産規模を100万トン以上、特殊鋼メーカーでは30万トン以上と規定。省エネ面では高炉での生産1トン当たりのエネルギー消費量を標準石炭換算で446キロ以内に抑えるよう要求。環境面でも鉄鋼生産1トン当たりの排出量を汚水は2立方メートル以下、粉じんは1000グラム以下に抑えるよう求めた。
陳司長は「我が国には世界に誇る5000立方メートルを超える巨大な高炉がある一方で、300立方メートルに満たない小さな高炉も淘汰されないまま残っている」と指摘。近く鉄鋼企業の合併、再編を奨励する「鉄鋼企業連携再編加速指導意見」という通達を公表し、具体的な行程表を打ち出す。
中国の鉄鋼メーカー上位5社の粗鋼生産量の合計は全体の30%にも満たない。新たな通達では鉄鋼業界の国際競争力を高めるため2011年までに宝鋼集団、武漢鋼鉄集団など年産能力5000万トン以上で国際的な競争力の高い超大型鉄鋼メーカーを数社、年産能力1000万~3000万トンの大型鉄鋼メーカー数社を育成する計画を実行するよう求める見通し。同一地域内の同業他社との統合加速や中小メーカーの再編に言及する。
中国鋼鉄工業協会によると、中国の鉄鋼各社は価格低下と需要鈍化を受けて赤字転落の危機にある。中国の鉄鋼現物相場は4月後半に年初来高値に達した後、約15%値を下げた。宝鋼集団と武鋼集団は8月に鉄鋼製品価格を一部引き下げる方針。
鋼材在庫も6月末で1600万トンに達し、高止まりしたまま。価格に頭打ちの兆しが出ている不動産や、自動車など鉄鋼の主要産業で需要が減退し、多くの鉄鋼メーカーが減産を余儀なくされている。鉄鋼輸出も今年下半期に大幅に落ち込む可能性が高い。中国の鉄鋼企業の経営基盤が小さいことが、高騰する鉄鉱石の仕入れ交渉で中国が価格決定権を握れない要因のひとつとの見方もあり、再編機運が急速に高まっている。
パナソニック、省エネ家電の機種5割増 消費電力を半減
パナソニックは消費電力を最大で約5割減らせるエアコンなど白物家電の省エネ機種を大幅に増やす。独自のセンサー機能で室温などを検知して電力消費を抑えるタイプで、国内では今夏の商戦で昨年度末比5割増の68機種を投入する。欧州や中国でも順次、発売する計画だ。消費者の関心が強い省エネ性能を強調し、価格競争と一線を画すことをめざす。
拡充する機種には「エコナビ」と呼ぶ独自の省エネ機能を採用している。エアコンではセンサーで気温や間取り、人の動きなどを感知して運転を自動制御し、冷房時の消費電力を最大50%減らせる。価格は20万円台のエアコン上位機種の場合で、数万円高くなる。
今夏はエアコンで昨年度末より5割多い34機種、洗濯機と冷蔵庫を加えた白物家電の主要3品目では4割増の47機種へ品ぞろえを増やす。主要3品目の全機種に占めるエコナビの割合は10ポイント程度増え、約55%になる。高効率給湯器「エコキュート」などでも21機種で同機能を搭載する。
昨春に白物家電に本格参入した欧州での販売も検討。中国の富裕層向けにも投入する計画だ。
家電エコポイント制度の導入後、消費者は価格が高くても年間電力料金を抑えられる省エネ家電を選ぶ傾向が強まっている。高付加価値の白物家電の販売増が寄与し、同社の2010年4~6月期の営業損益は黒字(前年同期は201億円の赤字)に転換する見通し。
白物家電の強化に向けてアフターサービスも充実させる。顧客が修理に出してから最短3日で修理し、返却する。
日経社説
太陽光発電に偏っては困る 太陽光や風力など自然エネルギーでつくった電気の全量を電力会社が買い取る新制度について、経済産業省が案を示した。新しい環境産業を育て、温暖化ガスの大幅削減へ踏み出すのに重要な仕組みだが、太陽光発電の後押しに偏っていないか。
この制度では、電力会社が支払った分は家庭や企業の電気料金に上乗せされる。試算では開始10年目で標準家庭の電気代は月150~200円増す。家庭や企業が不公平感を抱かないように負担増への理解をどう得るか。風力やバイオ発電などもバランスよく後押しするよう、きめ細かな制度設計が必要だ。
昨年11月、家庭の太陽光発電で余った分を1キロワット時48円で買い取る仕組みが始まった。新制度の買い取り価格はこれと同じ程度で、家庭用では収支トントン。一方で事業目的でつくる電気も買い取りの対象に加える。大規模に発電すればコストが安いので利益が見込め、太陽光発電会社の参入を促す効果がある。
家庭の太陽光発電は全部を買い取ると電力会社の支払いが膨らみ、電気料金が大幅に上がる恐れがある。それを防ぐため今と同じ余った電気だけを対象としたのは妥当だろう。
不可解なのは、風力やバイオ燃料、小規模な水力発電などは同15~20円の一律の値で買い取るとした点だ。バイオ発電はコストが同数十円とまだ高く、風力などと同じ条件では不利だ。コストに応じた値で買い取り投資資金を回収しやすくするのが制度の狙いとすれば、発電方式ごとに価格を決めるのが筋である。
電気料金への上乗せでも細心の制度設計が欠かせない。電力を多く使う電炉業界などには軽減措置があってもよい。家庭向けでも、低所得者層への配慮などが必要だろう。
太陽光パネルを取り付けた家庭への補助金は、新制度の導入後も続けるという。だが設置場所がないなどの理由で買えない人からは、購入者を優遇しすぎとの不満も出ている。当面は続けるにしても、いずれは縮小や廃止を考えるべきだ。
政府は2020年までに国内のエネルギー供給の1割を自然エネルギーで賄う目標を掲げる。この制度を上手に使って自然エネルギーの普及に弾みをつけてほしい。
ゲームソフト各社は人気ソフトの開発期間を短縮する。カプコンは外部委託を積極化し、新作を投入するまでの期間を従来の4年程度から1~2年早める。バンダイナムコゲームスは高機能携帯電話(スマートフォン)向けに人材を集中して数カ月での開発を可能にするなど柔軟な体制に切り替えた。投入サイクルを縮めて業績の変動を抑え、携帯など多様な端末の登場への対応も急ぐ。
カプコンは「バイオハザード」など人気作品の新作を従来の年2本程度から3~4本に増やす。同社が抱える家庭用ゲームの開発要員は約900人。大型作品の開発には100人以上が必要になるため、年間の開発案件が30~40本に達する現状では、迅速な新作投入が難しい。北米や欧州を中心に外部企業を活用して開発速度を上げる。
カプコンの2010年3月期の連結売上高は前の期比27%減の668億円、純利益は73%減の21億円となった。人気ソフトの端境期にあたっていたことが主因だという。ソフトの投入を増やして収益を安定させる。
携帯端末向けなど新たな市場の開拓も進める。8月には交流サイト(SNS)大手ディー・エヌ・エーの「モバゲータウン」向けに作品を投入し、ソーシャルゲームに参入する。今春には米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」にバイオハザードの配信を始めている。
バンダイナムコゲームスは同じタイトルのソフトでも据え置き型や携帯型など使う端末によって分かれていた開発、販売などの部隊を統合した。例えば、スマートフォン向けに人員を集中し、家庭用ゲーム機向けの場合で2~3年の開発期間を数カ月に短縮することが可能になるという。
コーエーテクモゲームスも携帯端末部門とパソコンなどのオンライン部門の開発部隊を統合するなどし、機動的な開発につなげている。
天満屋、広島八丁堀店に大型書店 今秋「丸善&ジュンク堂」
天満屋(岡山市、伊原木隆太社長)は広島八丁堀店(広島市)の7~8階フロアを改装し10月9日、「丸善&ジュンク堂書店」を開設する。大日本印刷傘下のジュンク堂書店(神戸市)と丸善が共同展開する新ブランドの店舗で、蔵書数120万冊と広島県下では最大規模の店舗になる。八丁堀周辺では唯一の大型書店となり、百貨店の集客力を高める。
店舗面積は約4000平方メートルで、一般書のほか、豊富な専門書をそろえる。運営はジュンク堂書店が担う。7階には「タリーズコーヒー」も新たに出店、午後10時まで営業し、利便性を高める。投資額は約3億円。
改装に伴い婦人衣料品売り場は縮小した。今後は書店と食品や衣料品など他の売り場と連携した販売促進イベントも展開する計画だ。
日産、メキシコで低価格車生産 年30万台
北・中南米向け
日産自動車はメキシコで低価格の新型小型車3車種を年間30万台規模で生産する。2011年初めから小型車「マーチ(海外名マイクラ)」を生産するのを皮切りに、13年までにセダン、多目的車(MPV)を追加する。北米地域や成長が続く中南米諸国にも供給し、メキシコを北・中南米の輸出拠点に位置付ける。新型車の生産に伴う製造設備の入れ替えなどで6億ドル(約520億円)を投資する。
新型3車種の生産は、小型車「ティーダ」など主に4車種を製造している北部のアグアスカリエンテス工場を中心に手がける予定。ピックアップトラックなど3車種を主体とする南部のクエルナバカ工場でも生産を検討する。両工場の年間生産能力はそれぞれ約35万台と約25万台だが、設備入れ替えの投資後も当面は生産能力を大きく変えない見通しで、製造する車種の入れ替えも視野に入れているとみられる。
新たに生産する3車種はコスト競争力の高い新型車台「Vプラットホーム」を採用した戦略車。ハッチバック車の「マーチ」の価格は1万ドル(約90万円)前後で調整する。マーチはタイや日本、インドですでに販売しており受注も好調。メキシコでもセダン、ミニバンと品ぞろえを広げ、多様な市場ニーズに応える。
日産はメキシコを南北アメリカ各国向けの供給拠点に位置付け、ブラジルをはじめ新興国市場で拡大する需要に対応。日本からの輸出に依存しない体制を築く。年間30万台を生産する予定の新型3車種は全体の2割をメキシコ市場で販売し、残りの8割を中南米や北米に輸出する。米国やチリなど周辺国との自由貿易協定を活用してコスト競争力も高める。
これまで中大型車が中心だった米国でも、燃費規制の強化で今後は低燃費小型車の需要が拡大する見通しだ。経済成長で所得水準の向上が見込める中南米では初めて新車を購入する消費者向けの「エントリーカー」として低価格小型車に関心が集まっている。
北・中南米で日産はメキシコのほか米国に2つの完成車工場を持つ。ブラジルでは仏ルノーの工場でピックアップトラックなどを生産している。ただ、米国工場は北米市場に向けた中大型車の生産が主体。ブラジルは生産量が限られている。まずは小型車の生産ノウハウがある既存のメキシコ工場を北・中南米の小型車供給拠点に育てる。
共通車台、世界で導入 小型車、効率生産で先行
日産、メキシコなどに
日産自動車は新興国向けの小型車を中心に、新たに開発した車台「Vプラットホーム」を世界各地で導入する計画を進めている。メキシコのほか、中国、インドなど日本以外の複数国の工場に導入する。この車台は現地で部品を調達することを前提に設計しており、車両の製造コストを約3割下げられる。競争力のある共通車台を素早く世界各地に展開し、需要が膨らむ小型車の分野で先行する。
日産は量販車種「マーチ(海外名マイクラ)」の生産を日本からタイに移管。タイ製マーチを日本に輸入し、今月から販売している。現地調達する部品の仕様にあわせた車台を独自開発して生産コストを下げ、周辺国に大量輸出する戦略に転換した。円高や原材料高騰などで「マーチクラスの小型車を日本で生産・輸出していては採算が合わない」(幹部)ためだ。
2013年までに共通車台を使い生産する台数を世界合計で100万台規模に増やす。中国は主に自国向けとみられるが、タイは日本やオセアニア諸国、インドは欧州や中近東・アフリカなどに輸出する。価格は1万ドル(約90万円)前後を軸に、市場動向や装備により各国ごとに定める。
部品の現地調達率を9割以上に高めて調達コストを削減。輸出を含む大量生産で製造コストも抑える。
自動車各社は新興国向けの小型車開発を急いでいる。「利幅の小さい小型車でいかに稼げるか」(日産幹部)がカギを握るため、各社とも現地生産を加速させている。
NECライティング、伊那工場閉鎖 140人の雇用維持難しく
NECの照明子会社、NECライティング(東京・品川)は26日、11月末で伊那工場(伊那市)を閉鎖すると発表した。同工場には従業員が140人いる。今後は他のNECグループ企業への配置転換などを検討するが、地元採用の従業員が多数を占め、雇用維持は難しい状況だ。
伊那工場は液晶テレビのバックライト光源に使う蛍光ランプを製造するが、パネル製造拠点が中国に集中しているため現地生産の必要性が高まっていた。NECグループへの配置転換や早期希望退職者を募集し、外部企業への再就職を支援する。
伊那工場は長野日本電気(NEC長野、伊那市)の敷地内にあり2005年から操業。NEC長野の生産規模縮小に伴い、08年に85人がNECライティングに移籍した。このためNEC長野では「従業員を受け入れる余裕はない」(経営企画部)としている。
NEC長野とNECライティング伊那工場は会議室や食堂を共有するなどの関係はあるが、閉鎖に伴う業務上の影響はないという。
スパンション日本法人、年内にも会社清算へ
経営再建中の半導体メーカー、スパンション・ジャパン(川崎市)は、2010年内にも会社を清算する方針を固めた。米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)への工場売却が15日に決定。米スパンションからの受託生産事業や残りの債務弁済をTIが引き継ぐことになったためだ。
スパンション・ジャパンは09年2月の経営破綻後、親会社で同時期に破綻した米スパンションと経営や財務を分離。独立系の受託生産会社(ファウンドリー)となり生き残りを目指した。
しかし破綻時に約741億円もあった債務が重荷となった。確実な債務弁済を裏付ける顧客の獲得に失敗。自社工場も売却が決まり、清算を余儀なくされる見通しだ。
TIは日本に新たな生産子会社を設立し、買収する福島県会津若松市の2工場の運営母体とする。TIは会津若松工場の従業員500人の雇用を維持する意向を示している。直径300ミリメートルのシリコンウエハーを使う最先端の生産設備は、TI米国工場の能力増強に活用したり、台湾企業に売却したりする方針。
スパンション・ジャパンが米スパンションなどから長期契約していた受託生産もTIは承継。残りの契約期間中は、小容量データを保持するNOR型フラッシュメモリーを供給する。契約満了後は自動車向けが中心のアナログ半導体工場に転用する。
スパンション・ジャパンは足元で300億円程度とみられる債務の弁済に工場売却代金を充てる。弁済残額はTIが引き受ける。
スパンション・ジャパンの会社清算の背景には、世界の半導体産業の潮流変化もある。金融危機後、国内外の半導体メーカーは固定費負担を減らすため、自前の生産能力を減らす一方で、外部委託への依存度を高めた。
その結果、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)、米国のグローバルファウンドリーズなど、ファウンドリー業界で巨大企業による寡占化が進んだ。スパンション・ジャパンが、低コスト生産を売り物にしたこれら企業に太刀打ちするのは難しく、顧客を確保できなかった。
バイク てこ入れ加速…国内販売、ピーク時の1割
二輪車大手各社が、若者の「バイク離れ」などで低迷する国内販売のてこ入れを進める。ホンダは、国内で販売する二輪車約45車種すべての販売価格を、次期改良時から1~3割程度引き下げるほか、ヤマハ発動機の販売店はレンタルサービスで利用者のすそ野を広げる。二輪車の国内販売台数は景気低迷や都市部の駐車場不足などから、ピーク時の10分の1まで激減しているため、あの手この手で顧客を開拓する。
ホンダは今後3年間で順次、全面改良や一部改良に合わせて販売価格を引き下げる。現在販売中のモデルの価格は維持する。ホンダによると、排ガス規制が強化された06~08年に、燃費性能を高める電子制御式の燃料噴射装置を搭載するなどし、コスト増加分の1~2割を製品価格に転嫁した。低価格の海外製部品の割合を高めるなどし、約10年前の水準まで引き下げたい考えだ。業務用の配送などにも使われる「スーパーカブ50」(排気量50CC)の最廉価モデルは現行20万円強だが、次期モデルは2割程度値下げして16万円前後になる見込みだ。
値下げで収益が圧迫されないよう、先進国でも売れるやや付加価値の高いモデルを生産コストの低い新興国で生産し、世界戦略車と位置付けて国内に逆輸入することも進める。
第1弾として3月末に発売した125CCスクーター「PCX」はタイで生産。信号待ちなどの停車時にエンジンを止めるアイドリング・ストップ機能を同クラスで初めて搭載したにもかかわらず、30万円を切る価格に設定。国内で生産すると40万円以上になると見られ、「市場縮小に歯止めをかけるには価格でアプローチするしかない」(ホンダ幹部)と判断した。伊東孝紳社長も「今後もアジア発の世界戦略二輪車を増やす」と話す。
一方、ヤマハ発動機の東京都内などの12の販売店では7月から順次、二輪車を時間貸しするレンタルサービスを始めている。排気量50CCから1900CC前後の海外専用モデルまでが対象になり、各店舗がそれぞれ5車種以上を用意する。50CCを4時間3100円で貸し出すなど、手軽に二輪車を体験してもらい、顧客のすそ野を広げる考えだ。
ヤマハ発の柳弘之社長も「引き下げというより価格の適正化はありうるが、どのぐらいの線にするかは今後検討する」と述べ、ホンダ同様、値下げによる顧客へのアプローチが不可欠と見る。
スズキは、世界で98まで膨らんだモデル数を54まで絞り込み、部品の設計変更などの際にかかるコストや時間を削減するほか、売れ筋車種を積極的に拡販する。
日本自動車工業会によると、国内の二輪車市場は09年に前年比27.1%減の38万777台で、ピークだった1982年(約329万台)の1割強の水準まで落ち込んでおり、立て直しが急務となっている。
中国、鉄鋼再編を加速 メーカーを4分の1に
【上海=下原口徹】中国政府は鉄鋼業界の再編・淘汰に乗り出す。約800社ある鉄鋼メーカーを4分の1の200社まで削減する。企業規模、高炉の生産能力、環境対応能力などで鉄鋼会社の存続条件を打ち出し、基準に満たない企業を淘汰する。再編を促す新たな通達を近く出す。
中国の鉄鋼業界は生産能力と在庫の「2つの過剰」問題に直面している。鉄鋼メーカーの業績が悪化するなか、ようやく再編が本格化しそうだ。
鉄鋼業界の監督官庁である工業情報化省の陳燕海司長が「連携・再編や立ち遅れた設備廃棄などにより鉄鋼企業数を減らす。800社あるメーカーの再編・淘汰を進め、200社程度にするのを第一目標とする」と語った。同省は鉄鋼メーカーの存続条件として具体的な環境、省エネ基準を盛り込んだガイドラインを定めた。
それによると、鉄鋼メーカーの再編・淘汰を促すため、1社当たりの最低年産規模を100万トン以上、特殊鋼メーカーでは30万トン以上と規定。省エネ面では高炉での生産1トン当たりのエネルギー消費量を標準石炭換算で446キロ以内に抑えるよう要求。環境面でも鉄鋼生産1トン当たりの排出量を汚水は2立方メートル以下、粉じんは1000グラム以下に抑えるよう求めた。
陳司長は「我が国には世界に誇る5000立方メートルを超える巨大な高炉がある一方で、300立方メートルに満たない小さな高炉も淘汰されないまま残っている」と指摘。近く鉄鋼企業の合併、再編を奨励する「鉄鋼企業連携再編加速指導意見」という通達を公表し、具体的な行程表を打ち出す。
中国の鉄鋼メーカー上位5社の粗鋼生産量の合計は全体の30%にも満たない。新たな通達では鉄鋼業界の国際競争力を高めるため2011年までに宝鋼集団、武漢鋼鉄集団など年産能力5000万トン以上で国際的な競争力の高い超大型鉄鋼メーカーを数社、年産能力1000万~3000万トンの大型鉄鋼メーカー数社を育成する計画を実行するよう求める見通し。同一地域内の同業他社との統合加速や中小メーカーの再編に言及する。
中国鋼鉄工業協会によると、中国の鉄鋼各社は価格低下と需要鈍化を受けて赤字転落の危機にある。中国の鉄鋼現物相場は4月後半に年初来高値に達した後、約15%値を下げた。宝鋼集団と武鋼集団は8月に鉄鋼製品価格を一部引き下げる方針。
鋼材在庫も6月末で1600万トンに達し、高止まりしたまま。価格に頭打ちの兆しが出ている不動産や、自動車など鉄鋼の主要産業で需要が減退し、多くの鉄鋼メーカーが減産を余儀なくされている。鉄鋼輸出も今年下半期に大幅に落ち込む可能性が高い。中国の鉄鋼企業の経営基盤が小さいことが、高騰する鉄鉱石の仕入れ交渉で中国が価格決定権を握れない要因のひとつとの見方もあり、再編機運が急速に高まっている。
パナソニック、省エネ家電の機種5割増 消費電力を半減
パナソニックは消費電力を最大で約5割減らせるエアコンなど白物家電の省エネ機種を大幅に増やす。独自のセンサー機能で室温などを検知して電力消費を抑えるタイプで、国内では今夏の商戦で昨年度末比5割増の68機種を投入する。欧州や中国でも順次、発売する計画だ。消費者の関心が強い省エネ性能を強調し、価格競争と一線を画すことをめざす。
拡充する機種には「エコナビ」と呼ぶ独自の省エネ機能を採用している。エアコンではセンサーで気温や間取り、人の動きなどを感知して運転を自動制御し、冷房時の消費電力を最大50%減らせる。価格は20万円台のエアコン上位機種の場合で、数万円高くなる。
今夏はエアコンで昨年度末より5割多い34機種、洗濯機と冷蔵庫を加えた白物家電の主要3品目では4割増の47機種へ品ぞろえを増やす。主要3品目の全機種に占めるエコナビの割合は10ポイント程度増え、約55%になる。高効率給湯器「エコキュート」などでも21機種で同機能を搭載する。
昨春に白物家電に本格参入した欧州での販売も検討。中国の富裕層向けにも投入する計画だ。
家電エコポイント制度の導入後、消費者は価格が高くても年間電力料金を抑えられる省エネ家電を選ぶ傾向が強まっている。高付加価値の白物家電の販売増が寄与し、同社の2010年4~6月期の営業損益は黒字(前年同期は201億円の赤字)に転換する見通し。
白物家電の強化に向けてアフターサービスも充実させる。顧客が修理に出してから最短3日で修理し、返却する。
日経社説
太陽光発電に偏っては困る 太陽光や風力など自然エネルギーでつくった電気の全量を電力会社が買い取る新制度について、経済産業省が案を示した。新しい環境産業を育て、温暖化ガスの大幅削減へ踏み出すのに重要な仕組みだが、太陽光発電の後押しに偏っていないか。
この制度では、電力会社が支払った分は家庭や企業の電気料金に上乗せされる。試算では開始10年目で標準家庭の電気代は月150~200円増す。家庭や企業が不公平感を抱かないように負担増への理解をどう得るか。風力やバイオ発電などもバランスよく後押しするよう、きめ細かな制度設計が必要だ。
昨年11月、家庭の太陽光発電で余った分を1キロワット時48円で買い取る仕組みが始まった。新制度の買い取り価格はこれと同じ程度で、家庭用では収支トントン。一方で事業目的でつくる電気も買い取りの対象に加える。大規模に発電すればコストが安いので利益が見込め、太陽光発電会社の参入を促す効果がある。
家庭の太陽光発電は全部を買い取ると電力会社の支払いが膨らみ、電気料金が大幅に上がる恐れがある。それを防ぐため今と同じ余った電気だけを対象としたのは妥当だろう。
不可解なのは、風力やバイオ燃料、小規模な水力発電などは同15~20円の一律の値で買い取るとした点だ。バイオ発電はコストが同数十円とまだ高く、風力などと同じ条件では不利だ。コストに応じた値で買い取り投資資金を回収しやすくするのが制度の狙いとすれば、発電方式ごとに価格を決めるのが筋である。
電気料金への上乗せでも細心の制度設計が欠かせない。電力を多く使う電炉業界などには軽減措置があってもよい。家庭向けでも、低所得者層への配慮などが必要だろう。
太陽光パネルを取り付けた家庭への補助金は、新制度の導入後も続けるという。だが設置場所がないなどの理由で買えない人からは、購入者を優遇しすぎとの不満も出ている。当面は続けるにしても、いずれは縮小や廃止を考えるべきだ。
政府は2020年までに国内のエネルギー供給の1割を自然エネルギーで賄う目標を掲げる。この制度を上手に使って自然エネルギーの普及に弾みをつけてほしい。
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