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セブンイレブン、独自コンテンツ店内配信で集客
 コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンは、来店客向けに娯楽関連など独自コンテンツの配信を始める。NTTグループなどと組んで、店舗に公衆無線LAN(構内情報通信網)を整備。スマートフォン(高機能携帯電話)などにゲーム用キャラクターや商品割引券を配信する。店内でのみ手に入れられる情報を発信することで、顧客の来店を促して囲い込みをはかる。
 23日から秋葉原センタープレイス店(東京・千代田)など都内の直営15店で順次、サービスを始める。NTTブロードバンドプラットフォーム(東京・中央)とソフトバンクテレコムの無線LANルーターを店舗に設置。来店客が持ち込んだ無線LAN対応の情報端末でインターネットに接続できる環境を整える。
 任天堂のゲーム機「ニンテンドーDS」向けには人気ゲームソフト「ポケットモンスター」の特別キャラクターなどを配信。1日1個提供するスタンプを集めると景品がもらえるキャンペーンも展開する。
 また、アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の利用者は、一部の食品の値引きクーポンを受け取れるようにする。
 今回の配信は9月半ばまでの期間限定の試み。顧客の利用状況などを見たうえで、全国の約1万3000店へサービスを広げていく方針だ。DSやアイフォーン以外の端末への情報発信や、コンテンツを動画や音楽などへ広げることも検討していく。
 コンビニは日本国内の店舗数が4万店を超え、消費不況のなかで市場の飽和感を強めている。セブンイレブンは、スマートフォンなど高機能端末の普及を背景に、店内でのみ受け取れる独自コンテンツの配信で特徴を出し、顧客の来店動機の多様化につなげる考えだ。



ガラケーTwitterアプリがiPhoneを超えた
 株式会社ネイキッドテクノロジーの携帯電話向けツイッターアプリ「Twittie(ツイッティー)」が、iPhoneに搭載されているツイッターアプリを超えた。
 そんなわけはない、と思われるかもしれない。iPhone向けアプリは、世界中の開発者がしのぎを削る激戦地帯。日本で開発されたアプリが世界を超えるわけがないー。僕もそう思っていた。しかし日本のユーザーにとっては、Twittieのほうが使い勝手がよくなったと思う。
 なぜなら「ふぁぼったー」や「togetter(トゥギャッター)」などといった日本人にとって馴染み深いツイッター関連サービスが、Twittie上で使えるようになったからだ。
 Twittieのことは以前から気になっていた。ツイッターはガラケー、もしくはフィーチャーフォンと呼ばれる日本の一般的な携帯電話のケータイブラウザ上でも、もちろん利用できる。ただフォローしている人数が少ないうちはブラウザ利用でも問題ないんだが、100人以上をフォローすると1つ1つのツイートを丁寧に読んでいられなくなる。次から次へと流し読みしたくなるわけだが、ケータイブラウザだと次のページを読み込むのに若干時間がかかる。これが結構なストレスになる。
 その点Twittieは、アプリなのでいろいろな機能を搭載できる。例えば、ページの途中までスクロールしていけば勝手に次のページを読み込んでくれる。待ち時間なく次々と流し読みができるのだ。
 素晴らしいと思ったのだが、そのころはドコモ向けにしかアプリを出していなかった。Twittieを使うためにドコモに乗り換えることも考えたが、その前にiPhoneを購入してしまった。iPhoneのツイッターアプリは、Twittieでできることは何でもできた。もはやTwittieに用はない。一件落着。そう思っていた。
 ところが今回、Twittieはプラットフォーム戦略に乗り出した。他のツイッター関連サービスをTwittie上で簡単に利用できるようにしたのだ。今回Twittieと提携したのは、ツイッターで引用されたURLを人気順に並べるTwib(ツイブ)や、複数のユーザーのツイートを組み合わせて1つの読み物にするサービス「togetter(トゥギャッター)」、お気に入り登録したツイートのまとめサイト「ふぁぼったー」、ツイッターユーザー同士のQ&Aサイト「Q&Aなう」、今の話題のキーワードを抽出する「buzztter(バズッター)」。
 お気に入りのツイートのランキングや話題キーワード抽出といったサービスは英語圏にもある。iPhoneでも利用できる。ただ日本語に最適化されていない。英語のTweetが混ざるぐらいなら許容範囲だが、日本語がまったく使えないサービスもある。
 上に挙げたサービスはどれも日本語最適化されているので、日本人ユーザーにとっては非常に使い勝手がいい。
 一方でtogetterは英語圏にはないサービス。少なくとも僕は同種のサービスを見かけたことがない。どんなサービスかというと、いろんな人のツイートをドラッグ・アンド・ドロップといった非常に直感的な簡単な操作で集めることができるもの。いろんな人がいろいろなまとめを作っている。ツイッター上で議論しているネット有名人のツイートまとめなどは、非常に面白かった。僕の周りでもユーザーがかなり増えてきているように思う。これが普通のケータイで利用できるようになったのだ。このことだけでも、TwittieはiPhoneアプリを超えたと言っていいと僕は思う。
 こうしたユニークなツイッター関連サービスは、個人が開発した場合が圧倒的に多い。個人運営なので、携帯向けサービスを開発するだけの余裕がない。そこで携帯向けプログラムの共通基幹部分をTwittie側で今回無償で提供、これらのサービスを携帯電話で利用出来るようにしたのだという。
 残念ながらTwittieをダウンロードできるのはドコモとソフトバンクの一部機種だけ。対応機種表で調べてみたら、僕のソフトバンクのガラケーでは利用できなかった。そろそろ機種変更しようかなあ。



音楽CD生産額、4期連続前年割れ 1~6月、11%減
 日本レコード協会が21日発表した2010年1~6月の音楽CD生産額は前年同期比11%減の約1046億円にとどまった。上半期として4期連続の前年割れとなったほか、00年以降で最低となった。娯楽の多様化やネット配信の拡大で「パッケージ離れ」が一段と加速している実態が鮮明になった格好だ。
 生産枚数は約9575万枚と前年同期より3%減少。2期連続で1億枚に届かなかった。00年以降で最も生産額が多かった00年1~6月の約2659億円から10年間で6割減った。
 シングルCDは約177億円と前年同期を1%上回ったものの、生産額全体の8割を占めるアルバムが13%減少したことが響いた。分野別では邦楽が8%減の約854億円、洋楽が22%減の約191億円。カセットテープを含むオーディオ全体の生産額も11%減の1061億円に落ち込んだ。



タワーレコード、新人募集してCD販売
 タワーレコードはミュージシャンをオーディションで発掘し、CDで販売する事業を始める。楽曲を募集した上でCD化、2曲入り100円で販売して売れ行きによって評価を決める。最も売れた音楽家は改めてアルバムCDを制作・発売できる。CD市場の活性化を目指す。
 9月15日まで楽曲を募集し、タワーの社員が10組程度を選定。専用レーベルを立ち上げて秋に1カ月間程度店頭やインターネット通販で販売する。売れ行きをもとに最大3組のミュージシャンを選び、タワーなどが支援して来年2月にもアルバムCDを発売する。
 レコード会社などと契約を結んでいないミュージシャンであれば、国籍、年齢、ジャンルなどによらず参加できる。毎年開催する方針で、約3千組の音楽家が参加する国内最大規模のオーディションに育成したい考え。
 日本レコード協会によると、10年1~6月の音楽CD生産額は前年同期比11%減の1046億円と、上半期として4期連続で前年実績を下回った。レコード会社が担ってきた新人発掘をCD販売店も手がけることで、低迷するCD販売をテコ入れする。



ソフトバンクが「HTC Desire」新モデル発売 ディスプレイがTFT液晶に
 ソフトバンクモバイルは7月22日、HTC製のAndroid 2.1搭載スマートフォン「HTC Desire X06HTII」を9月下旬以降に発売すると発表した。予約受け付けは8月3日から。販売を終了する現行モデル「X06HT」は有機ELディスプレイを搭載しているが、新モデルはTFT液晶を採用する。
 ディスプレイの変更について、同社広報部は「さらなるユーザーエクスペリエンスを提供するため」と説明している。
 HTC Desireの現行・新型モデルの両方で、MMS「S!メール」を利用可能にする専用アプリを9月中旬以降に提供することも同日発表した。



たばこ増税でフィリップモリスも値上げ申請 マールボロは440円に
 フィリップモリスジャパン(東京都千代田区)は22日、財務省に対し、たばこ製品76銘柄の値上げ申請を行ったと発表した。政府が10月から実施するたばこ増税に伴う対応で、10月1日から値上げする。
 主な銘柄では、マールボロやバージニア・スリムが現行の320円から440円に、ラークやフィリップ・モリスが300円から410円に、それぞれ値上げとなる。



毎日放送(MBS)が新館建設へ
 毎日放送は22日、大阪市北区茶屋町の本社本館に隣接する駐車場約2200平方メートルに、平成26年春をめどに新館ビルを建設すると発表した。鉄骨構造で地上15階建て地下1階、延べ床面積約1万7500平方。新館は、分散している一部のスタジオを集約し、3D(立体映像)撮影など最新の機能を備える。来年4月着工予定で、総事業費は約170億円。



女性キャスターにリストラの嵐…テレビ局お寒い事情
 テレビ界で昨年来、吹き荒れているリストラの嵐が、女性キャスターにも及ぼうとしている。厳しい生存競争を勝ち抜くのは誰か。放送事情にくわしい芸能評論家、肥留間正明氏が、ぶった切る。
 田丸美寿々(58)は、16年間キャスターを務めてきたTBS系「報道特集」を9月末に降板することが決まった。
 放送30年目を迎える番組のリニューアルと、田丸の母親介護が理由とされるが、「バブル期から活躍してきたため、ギャラもなかなか下げられない」(肥留間氏)という事情もあったようだ。田丸の年間契約料は推定2000万円ともいわれる。
 TBSは放送事業部門の不振で、2010年3月期の決算では23億円の最終赤字を出した。後任は“社員”の金平茂紀アメリカ総局長が務める。
 肥留間氏は「田丸さんはリポーターからキャスターに出世する一方で、不倫スキャンダルで世間も騒がせた。そんな人が降板するのは一つの時代の終わり。考え方もシャープで、ジャーナリストとしても度胸があった人だけに残念」と語る。
 田丸に続く“リストラ候補”として、名前が取りざたされているのが、同じくTBS系「NEWS23X(クロス)」の膳場貴子(35)だ。
 前身の「NEWS23」のメーンキャスターに昨年3月に昇格。今年3月、TBS記者出身の松原耕二氏(49)らが加わるなどテコ入れして現番組に変ったが、視聴率は6~7%台を推移。ライバルの日本テレビ系「NEWS ZERO」の後塵を拝している。
 年間のギャラは6000万とも8000万ともいわれるが、11日のTBSの参院選特番「乱! 参院選2010」のキャスターの座は、NHK時代の先輩・堀尾正明(55)に奪われた。
 「全体の視聴率で、民放では日テレに続く2位と善戦、堀尾の選択は正解だった」と局関係者。
 田原総一朗(76)が21年続けた「サンデープロジェクト」の後を継ぎ、4月から始まった「サンデーフロントライン」の小宮悦子(52)はどうか。
 12年間続けた平日夕方の「スーパーJチャンネル」から“引っ越し”した背景には、年間1億ともいわれた高額ギャラがあったともいわれる。
 肥留間氏は「田原さんと比べてしまうと、やはりツッコミが弱い」と指摘する一方、「局アナ時代からの功労者。テレ朝も、そう簡単に切るということはない」とみる。
 局との深いつながりといえば、テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」のキャスターを12年間も務める小谷真生子(45)。
 参院選特番でも、池上彰(59)がキャスターを務めた第1部「池上彰の選挙スペシャル」からバトンを受け、第2部の討論形式の「ニッポン戦略会議」を仕切った。
 肥留間氏は「まさにジジ殺し。女を半分捨てて、相手の話を上手に聞き、取り込んでしまう。あの人の代わりはなかなかいない」と語る。
 荒波を乗り越えてきた女性キャスター陣には、何とか踏ん張ってほしい-という視聴者も少なくないのだが…。



食料品も低価格化へ、スーパー売り上げ下降線
 スーパーマーケットで、主力商品である食料品の売り上げ不振が目立っている。
 以前は景気が低迷する中、調理済み食品を家に持ち帰って食べる「中食」ブームが起き、食料品がスーパーの売り上げを支えていた。
 ところが、長引くデフレとともに食料品に対する消費者の節約志向は一層強まり、低価格化に拍車がかかっているとみられる。
 日本チェーンストア協会が22日に発表した全国スーパーの6月の売上高は1兆73億円と、前年同月比で1・4%減(既存店ベース)となった。
 品目別でみると、昨年は対前年比で10%以上落ち込むなど不振だった「衣料品」の売上高が、54か月ぶりにプラスになった。しかし、「食料品」は、1・4%減と17か月連続のマイナスだ。同協会の小笠原荘一常務理事は「中食ブームの効果は1年前から薄れ、節約の対象が衣料品から食品へと向かっている」と説明する。
 東武ストアは21日、3~8月の連結売上高の見通しを、7月7日に発表した予想から5・5%、営業利益を61・1%、それぞれ下方修正した。格安の飲料や加工食品などを多く並べるドラッグストアなどに対抗して食料品を値下げした結果、売り上げが落ち込んだ。
 ダイエーでは、特売日には食品の売上高が前年の同時期より2割ほど増えるが、それ以外は前年割れが続いているという。価格に対する消費者の視線は厳しさを増すばかりのようだ。
 イオンも「食品の販売が厳しい」(村井正平GMS事業最高経営責任者)と危機感を強めており、各社は割安な自主企画商品(PB)に活路を見いだそうとしている。
 イオンは88円の「第3のビール」をPBで発売。PBの売れ筋商品を今年度中に100品目と2009年度と比べて倍増させる計画だ。ダイエーは、肉や野菜などの生鮮品にもPB商品を拡大。低価格品だけでなく、高品質のPBの開発にも注力している。



大王製紙、タイに初の海外工場 紙おむつ生産
 大王製紙はタイに幼児用の紙おむつ工場を建設する。同社初の海外自社工場となり、2011年にも生産を始める予定だ。現地生産でコスト競争力を高め、人口増が見込まれる東南アジアで高級品市場を開拓する。国内市場の伸び悩みを受け、製紙大手の海外展開が本格化してきた。
 新工場はタイのチョンブリ県に建設する。当初の投資額は約30億円で、月間生産能力は1600万~1800万枚程度を想定している。11年初めに着工。同年中にも在庫を確保するための生産を開始し、早ければ12年3月から出荷を始める。
 アジアでの生産に踏み切るのは、需要が本格的に拡大するとみているためだ。輸出を通じ、代理店など販売網も整ったと判断した。東南アジアの幼児用紙おむつの販売量は月間4億~5億枚と、日本(同6億枚)に比べるとやや少ないが、日本など先進国に比べて普及率がまだ低い。経済成長で購買力の向上も見込め「需要は年率10%以上で成長する」(大王製紙)とみている。
 新工場で生産する紙おむつはタイを中心にベトナム、インドネシア、マレーシアなどで販売する。インドなど南アジアの市場開拓も進める。
 販売状況を見ながら、投資額の積み増しを検討する。投資額は120億~130億円、月間生産能力は9000万~1億枚程度まで拡大する可能性がある。
 東南アジア市場には現在、日本からの輸出で高級品を投入しているが、輸送費などがかさみ、採算面では苦戦している。タイで生産すれば、日本から輸出する場合と比べ原料や製造、輸送などのコストを20~25%下げられるという。
 大王製紙は紙おむつなど家庭紙事業(ホーム&パーソナルケア事業)の売上高を、13年3月期に今期計画比2割増の1600億円に増やす目標を立てている。同事業の海外売上高比率は現在約5%だが、海外生産の開始で13年3月期には約13%に高める。
 大王製紙は国内の幼児用紙おむつで約14%と第4位。しかし国内の幼児用紙おむつの市場規模(10年度見通しで約1460億円)は08年度以降頭打ちだ。アジア市場には日本や欧米の紙おむつメーカーが多く参入している。大王製紙も新工場の設立でアジア市場でシェア獲得を狙う。



WTO加盟各国、政府調達を電子入札に
価格下げ狙う 41カ国・地域が導入へ
中国・インドも参加交渉
 【ジュネーブ=藤田剛】世界貿易機関(WTO)加盟各国は政府調達でインターネットを使った電子入札制度を導入する。外国企業の参加を容易にすることで競争を促し、各国政府などが物品やサービスをより安く購入できるようにするのが狙い。現在の政府調達協定の加盟国は日米欧など先進国が中心だが、中国など9カ国との新規加盟交渉も始まった。実現すれば、政府調達市場への参入障壁が多国間で低くなる。日本企業も競争激化に対応を迫られそうだ。
 政府調達の国際的な競争の仕組みを定めた現行の政府調達協定を16年ぶりに改定し、これをもとに各国が電子入札制度を導入する。WTOは日米欧など各国政府が金融・経済危機への対応で財政が悪化していることを背景に「政府調達をさらに開放し、調達価格の引き下げで財政を健全化すべきだ」と要請。現行協定に加盟する41カ国・地域が年内に新協定を作ることで一致した。
 調達価格を下げるため「競り下げ方式」を電子入札の一形態として認めることも特徴だ。これは電子入札の画面上で他社の金額を見ながら、それより安い価格で何度でも入札できるもの。その国に拠点がない外国企業も参加しやすく、より競争原理が働く効果がある。
 日本では公共事業も含めた全体の政府調達は推計で年15兆円程度。政府調達協定の対象となる案件は現在でもほぼインターネットで入札を告示している。しかし、実際の入札まで電子的に受け付けている案件は限定的で、外国企業が落札するケースは物品・サービスでは3%のみ。加盟国の大半も電子入札の規模はほぼ同様の水準にとどまっているもようだ。
 新協定が成立し、各国が電子入札を導入すれば、各政府にとって調達費削減につながる可能性が高い一方で、その国の企業にとっては外国企業との競争を迫られることになる。電子入札の対象となる分野はコンピューターなどIT情報技術)機器などが先行するとみられている。
 中印など新興国も加盟に動き出した。中国は7月中旬、日米などに協定の対象とする具体的な分野を提示し、本格的な加盟交渉に入った。インドも加盟を視野に協定のオブザーバー国に加わった。
 WTOによると、中国の政府調達は拡大し、年8兆円程度に達した。これ以外に協定の対象となる政府系企業の調達があるため、全体はさらに大きくなるという。このため、日米欧など現加盟国・地域は中国に早期の加盟を促している。
 各国政府の調達を外国企業にも開放して貿易全体を活発化することを狙い、1979年に初めて政府調達協定が締結された。当初は国の物品調達だけが対象だったが、94年に成立した現行協定は建設などのサービス、地方自治体や政府系機関の調達も対象に入った。



日経社説
米中が布石打つ電気自動車
 電気自動車の開発競争が激しくなってきた。年末に発売する日産自動車に続き、トヨタ自動車やホンダも2012年の発売を目指して開発を進めていると発表した。
 電気自動車は走行中に二酸化炭素(CO2)を出さない究極の環境技術の1つだ。だが燃料にあたる電池の値段がまだ高く、ガソリン車に比べ走行距離が短い。トヨタもホンダも「当面は電気自動車の前にガソリンと電池の併用で走るハイブリッド車の時代が続く」と考えていた。
 それがここにきて開発を急ぎ出したのは、2つの理由からである。
 1つは米国だ。オバマ政権は12年から従来より大幅に厳しい燃費規制を導入する。自動車メーカーは毎年5%ずつ燃費を改善しCO2排出量を減らす必要がある。できなければ罰金が科されてしまう。
 燃費をよくする切り札がハイブリッド車や電気自動車だが、特に電気自動車は効果的であり、多く売ればそれだけガソリン車も売っていいことになる。米国での成長は電気自動車がカギを握り始めたと言える。
 2つめは中国だ。09年末に発表した「国家重点省エネルギー技術目録」では15年にも電気自動車の生産台数を全体の10%に増やす計画を掲げた。1台6万元(約77万円)を上限とする補助金制度も設けた。
 中国は自動車普及の加速で09年に米国を抜き世界最大のエネルギー消費国になった。自動車の保有台数も20年に1億6000万台と現在の3倍強に達し、石油が大幅に不足する事態が予想されている。つなぎ役とされるハイブリッド車を飛び越え、一気に電気自動車に移行しようと中国政府は考える。
 大きな変革期だ。特に中国は世界最大の自動車市場に成長し、変化のうねりが世界全体に影響を及ぼす。日本企業には好機となる半面、乗り遅れたら世界での存在感を低下させる懸念もあるだろう。
 みずほコーポレート銀行によれば、中国では近く、100万円前後の廉価な電気自動車が数車種登場する見込みだ。変わり目をとらえ主導権を奪いたいのが中国だ。日本のメーカーはそうした思惑も踏まえ、中国などの企業に負けない商品作りをいち早く進める必要がある。
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