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マイクロソフトよ、いったい何があったんだ? 独自携帯から突如の撤退、発売から2カ月足らずで
米マイクロソフトが初めて本格的に携帯電話ハードウエアの設計を手がけたという「キン(KIN)」。この5月に米国で発売されたばかりだったが、突如として事業の中止が決まった。
キンは米携帯キャリア1位のベライゾン・ワイヤレスが販売しているが、在庫がなくなり次第販売を中止する。欧州では英ボーダフォン・グループが今秋発売する予定だったが、こちらも計画を取りやめるという。
端末値下げの直後だった
開発に2年の歳月をかけ、膨大な広告費もかけて若者層を狙ったマイクロソフトの独自携帯だったが、発売からわずか48日間、あっけない幕引きとなったと欧米のメディアが伝えている。
この携帯電話は、小型の「KIN ONE」とワイドススクリーンの「KIN TWO」の2モデルがある。いずれもタッチスクリーンとスライド式のキーボードを備えており、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなど若者向けに特化した端末だ。
大規模なキャンペーンを展開したが売れ行きは芳しくなかったようで、ベライゾンは同じ週に端末の大幅値下げを発表していた。
マイクロソフトの動向に詳しい米Windows IT Pro誌のポール・スロット氏によると、ベライゾンはキンに高額なデータプランの加入を義務づけているため、たとえ端末価格を引き下げてもターゲット層の8~19歳には購入できない。
また従来の多機能携帯電話とスマートフォンの中間のような製品で、その位置づけが曖昧なため消費者に訴える力がなく問題を抱えていたと指摘している。
マイクロソフトの消費者部門は混乱している?
米ニューヨーク・タイムズによると、米フォレスター・リサーチのアナリスト、チャールズ・ゴルビン氏は「完全に戦略の失敗だ」と語っている。
同氏によると、マイクロソフトは新製品に執着する企業で、たとえ出足が芳しくなくても何度も改良を重ねていく。それがこれまでの同社のスタイルだという。今回のようなあまりにも素早い撤退は意外だったと同氏は驚いている。
しかしこれは、マイクロソフトの消費者製品部門が混乱していることの表れだとニューヨーク・タイムズの記事は指摘している。
マイクロソフトの消費者部門は、米アップルの携帯メディアプレーヤー「アイポッド(iPad)」に対抗すべく「ズーン(Zune)」を市場投入したが、期待通りの実績が出ていない。
またここ最近は「アイフォーン(iPhone)」や米グーグルの「アンドロイド(Android)」の台頭で苦戦を強いられている。
マイクロソフトは5月に組織再編を発表している。キンや同社のモバイル基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・フォーン7」を担当するモバイルコミュニケーション事業が、7月1日付でスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)の直轄になっている。
恐らく突然の方針転換はバルマー氏の鶴の一声で決まったのではないかと筆者は見ている。
「マイクロソフトのモバイル戦略は支離滅裂」
マイクロソフトは今後、キンの開発チームと、ウィンドウズ・フォーン7の開発チームを統合するとしている。同社はウィンドウズ・フォーン7開発の最終段階にあり、今秋にも同OSを搭載する端末が各メーカーから登場する予定だ。
これについてWindows IT Pro誌のポール・スロット氏は次のように述べている。
「撤退は正しい決断だ。そもそもマイクロソフトが、ウィンドウズ・フォーンと並行して別のOSの携帯電話を手がけていたことが間違いだった」
「マイクロソフトのモバイル戦略は戦略と呼べるのもではなく、支離滅裂そのものだ。これでマイクロソフトは状況改善に一歩近づいた」(同氏)
水ビジネス、アジアで拡大 15年後30兆円市場に
仏など欧米勢先行 域内企業も対抗
【マニラ=遠西俊洋】経済成長や人口増で水不足が続くアジアで、上下水道整備など水関連ビジネスが拡大している。仏GDFスエズなど「水メジャー」が相次ぎ大型商談をまとめ、アジア企業は地元で蓄積したノウハウを生かし対抗し始めた。15年後の年間需要が30兆円超と現在の2倍以上に膨らむとの予想もあり、市場の成長を見越した金融商品も登場した。
スエズは5月、子会社を通じ、中国重慶市で日量約24万立方メートルの工業用水の供給を受注した。30年契約で下水処理も請け負う。中国国営の新華社によると、総事業費は約75億円。中国でのこの種の商談としてはスエズとして過去最大級という。
3月には、インドのバンガロール市で市民300万人への飲料水供給を契約。仏ヴェオリア・ウオーターは2007年、中国天津市の水道事業の契約を更新し、70万人に携帯電話で水の使いすぎまで警告する最新サービスを提供している。
スエズとヴェオリアは合計で世界シェアの約3割を握る水メジャー。両社は次の成長の舞台をアジアに求めている形だ。
日本と違い、海外では水関連事業に民間が関与する例が多い。独シーメンス、米ゼネラル・エレクトリック(GE)も中国で相次ぎ水処理関連ビジネスを受注。シンガポールで2日まで開かれた見本市には旭化成、日東電工、東レなど日本の17社・団体が参加し、水処理技術をアピールした。
アジアの域内企業も事業拡大に動き出した。フィリピン・マニラ東部の水道事業を手掛けるマニラ・ウオーターはベトナムのホーチミン市、インド西部ラジャスタン州で上下水道工事などの事業化調査に入った。
フィリピンでは住民が水を配管から盗む例が多い。1997年に発足した民営のマニラ社はサービス向上を条件に、水を盗んできた住民と正規の給水契約を結ぶ。漏水を含む配水ロスは1~3月期で13.7%と、03年の50%超から大幅に縮小。このノウハウをテコに海外に本格進出する。
シンガポールの大手複合企業セムコープ・インダストリーズは4月、中国広西チワン族自治区で水再処理施設の建設を始めた。水資源が乏しいシンガポールは官民挙げて下水再生や海水淡水化に取り組んでおり、そこで蓄積した技術を生かす。
インド化学大手タタ・ケミカルズは09年12月、井戸水に頼る低所得者層向けの浄水器「タタ・スウォッチ」を発売。容量19リットルの大型水筒タイプで、価格は999ルピー(約1900円)。年間100万台の販売を目指す。
日本の経済産業省の予想では、アジア大洋州の水ビジネスは25年に07年の2.8倍の年間約31兆1000億円まで増える。中国では年率10.7%、インドは同11.7%の急成長が見込まれる。
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【日本の議論】「子供を守る」どこ行った? 大人の都合で“政争の具”へ 漫画児童ポルノ条例をめぐる議論
東京都議会6月定例会が閉会した6月16日。子供を性的対象にした漫画やアニメといった商品の区分陳列など、販売規制を目指す都青少年健全育成条例の改正案が最大会派の民主などの反対多数で否決された。だが、石原慎太郎知事は9月議会への再提出を目指す考えを明言。「表現の自由」と「子供の健全育成」をめぐって交わされた議論は、いつの間にか“政争の具”に発展してしまった。否決を前提として建設的な議論を避けた民主への批判に加え、都議会や関係先への根回しを怠ってきた都最高幹部や担当部局による“不作為”を指摘する声もある。
“汚い花”を断つと植物全体が滅ぶ
都条例の改正案をめぐる議論は3カ月にわたって迷走を続けた。発端は今年3月議会の会期中、改正案に反対する著名漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんらが都庁で記者会見を開いたことだった。
「表現で新しいものが起きるときは色んな種類の花が咲く。スミレなどかれんな花も、ジャングルのラフレシアのような花も、根っこですべて繋がっている。この花は汚いと根を断つと植物群全体が滅ぶ」
ちばさんは、漫画文化を生態系に例えて改正案を批判した。
この会見により反対運動が一気に拡大した。
日本ペンクラブや出版倫理協議会などの各団体の反対表明に加え、反対派によるインターネットでの呼びかけで、都だけでなく民主、自民など各会派にメールやファクスで抗議が殺到した。
議論の焦点は改正案条文の文言の定義と適用範囲だった。規制対象となる漫画などの18歳未満と想定されるキャラクター「非実在青少年」や「青少年性的視覚描写物」など用語の定義のほか、行政による恣意(しい)的な運用を招き、表現の自由を脅かすというのが主な主張だ。
民主幹部は当時、条文について「まるで警察用語。わざと分かりにくくしているのかと思った」とあきれた。その一方で、改正案を提出した都青少年・治安対策本部の幹部は「『非実在青少年』とは『非、実在、青少年』という意味だ。何が分からないのか、分からない」と余裕の笑みを浮かべていた。
しかし、実際には3月議会で改正案の可否を問う集中審議はなく、その余裕も都議会にはなかった。
なぜか-。
当時、都政で最大焦点となっていた築地市場の移転関連予算を盛り込んだ平成22年度の中央卸売市場会計予算案審議が佳境を向かえていたことが理由だ。賛否をめぐるさまざまな思惑が交錯する中で、改正案は結局、全会一致で継続審議となり、結論は6月議会に持ち越されることとなった。
しずかちゃんの裸はOK
一方、都庁内には、継続審議となったことで改正案をまとめた担当局の不手際をなじる声も上がった。都幹部の1人は「舐(な)めてかかっていたのではないか。明らかに業界や都民、議会への根回し、説明不足だ」と眉(まゆ)をひそめた。担当幹部も「正直、ここまで反発が強くなるとは思わなかった。事前の説明不足は否めない」と述べる。
強まる批判に担当者らは巻き返しにやっきとなる。「都民に条例改正の周知が不十分だった」(都担当者)として、「ドラえもんのしずかちゃんの入浴シーンやサザエさんのワカメちゃんのパンチラなどは規制に該当しない」などとする質問回答集を都のHPに掲載。
また、改正案を象徴する用語となった「非実在青少年」についても「年齢、学年の明確な描写やセリフ、ナレーションで明らかに18歳未満に設定されたキャラクター」と規定し、その「性行為がメーンとなっているもの」が規制対象になることを明記した。
しかし、5月初旬に起きたある“事件”が情勢を一変させた。石原知事が定例会見で「「(条文は)説明不足。『非実在青少年』という言葉は何だこれ一体? 幽霊の話か? 役人が作るくだらない言葉は世間に通用しない。誤解を受ける文言が悪い。どんどん変えたらいい」と述べたのだ。
都幹部は「あの発言が条例に反対する民主につけ込む隙(すき)を与えた。記者会見を補佐する知事本局や執行部は、知事答弁の打ち合わせをしていなかったのか…」とため息をつき、公明幹部も「明らかな失言だった」と肩を落とした。
落とし所を失っていた民主は、これに乗じて反対姿勢をさらに強めていった。「まさに、渡りに船とはこのこと。民主も助かったんじゃないか」と、別の野党幹部は苦笑いを浮かべた。
都議会総務委員会の参考人招致で民主は反対派の急先鋒(せんぽう)、宮台真司首都大教授(社会学)らを招致。
宮台教授は「主観だけで何でも規制できる。こんな条例を掲げること自体が東京都の恥」と批判。「非実在青少年」について「設定が問題なら『これは成人コスプレ』と断れば何でもありで、ナンセンスだ」と述べ、都の質問回答集を「法律は条例を含め条文がすべてで無意味だ」と切って捨てた。
これに対し、条例改正に賛成する自公は改正案の条文作成にかかわった前田雅英首都大教授(法学)を招致した。
前田教授は「改正案は子供が見にくい場所に置くことはできないかという提案だ」と改正案の趣旨を説明したが、「条文にあいまいな部分がないわけではないが、法律は素人が分かる言葉でできていない」と主張した。
民主都議の1人は「反対派の主張の方が説得力があった」とニンマリ。「改正案に賛成意見なんて実際はPTAにさえない」と述べるなど、自信をのぞかせる発言が目立つようになっていった。
「民主の方が無責任」?
勝負となった6月議会。民主幹部は代表質問で早速、「自ら責任を持てないものを議会に提出したのは無責任」と知事の発言を非難し、撤回を受け入れない場合は否決する方針を打ち出した。
だが、担当局幹部によると、石原知事サイドを無責任となじった当の民主幹部は、改正案を答申した「都青少年問題協議会」に名を連ねながら、一度も会に出席していなかった事実も発覚。
「最初から関心がなかったことの表れで、どちらが無責任か。一度、議会で受けた議案の撤回要求は責任放棄。民主こそ修正案を出すべきだ」と自民幹部は憤った。また、公明幹部も「民主から民主案について『会派内がまとまらないので今回は出せない』といわれた。これが、最大会派のやることか」と憮然(ぶぜん)とした表情を浮かべた。
自公は早期成立を求める保護者の署名が約4万5千筆集まったとし、対抗措置として独自の修正案を提出した。「非実在青少年」を「描写された青少年」に、また「青少年性的視覚描写物」を「青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類」に変更するなど用語を変えた上で、表現の自由を侵害するとの懸念に対して、付則で「条例施行3年経過後に検討の上、必要な措置を講じる」とした。
ところが、民主幹部は「改正案の文言を変えただけだ。自公が担当局に作らせたに決まっている」と批判、別の幹部は「民主の独自案はできている」と明かしたが、それが白日の下にさらされることは最後までなかった。
都議会で民主と自公がさや当てを行う一方、石原知事は「7、8歳の女の子をセックスの対象にする漫画を子供の目に触れさせないようにすることがなぜいけないのか」と強調。「反対のための反対で都民が迷惑。ばかなことをやっている。抽象論ではなく具体的な対案を出すべきだ。(出さないなら)『現状を認める』と都民の前で言えばいい」と怒号した。
落としどころは…
6月議会閉会後、都議会各会派を回った石原知事。民主の控室で「日本語の解読能力がないな、君らは」とチクリ。これに対して大沢昇幹事長は「自分だってそうじゃないか。言われたくないよ」と言い返す場面もみられた。
改正案に反対する藤本由香里・明治大准教授は「都はエロ漫画に限定しての規制というが、条文では拡大解釈ができるようになっている」と改正案の否決を喜び、賛成派の赤枝恒雄・赤枝六本木診療所院長は「未成年者が漫画の影響でレイプされている現実があることを知るべきだ」と肩を落とした。
都幹部は「条例規制か、それとも自主規制か。議論はそこで平行線をたどっただけ」と総括。結局、着地点を見いだせないまま時間切れになった格好だ。
石原知事は、9月議会への再提出を目指す意向だが、インターバルはわずか。「もっと時間がほしいのが本音。誰もが6月議会で流れは否決といった状況を感じていたはずだが、『俺に任せとけ』と言って問題を抱え込んだものの、民主対策を怠っていたにもかかわらず、知事には耳障りの良い情報しか伝えていなかった担当の最高幹部は責任をどう感じているのか」などの“恨み節”も庁内からは聞こえてくる。
一方、自民幹部も「民主はこの問題を知事選まで引き延ばすつもりだ。再提出は少なくても12月議会まで待った方が良い」とうめいた。
いつの間にか“政争の具”と化した改正案をめぐる議論に、子供を守るという当初の目的が薄れ始めている。文字通り“非実在青少年”化しているようだ。
日経社説
参院選 政策を問う
首相の「増税で成長」論には無理がある
増税をしても使い道を間違わなければ経済成長につながる。菅直人首相がこんな議論を繰り返している。増税した分を医療や介護といった分野に適切に回せば、雇用が生まれ、お金がうまく循環して経済が拡大するという理屈である。
菅首相は参院選で消費税率引き上げの超党派協議を呼びかけている。「増税で成長」の議論は、不人気な増税に対する有権者の反発を抑える思惑もあるのだろう。
一見、もっともな議論に聞こえるが、それで持続的な成長が実現するというのは単純すぎる。
政府は本当に適切な使い道を判断できるのか。より大きな政府は民間企業を締め出さないか。介護や医療といった分野に支出しても、良質な科学技術開発のような生産性を高める「将来に生きるカネ」とはなりにくい。首相や民主党がこれらの疑問に答えられなければ、この議論も説得力を持たない。
首相は消費税などの増税分の使い道として、例えば介護サービスへの支出を1兆円増やす考えだ。賃金水準が仕事の内容に見合っているとはいえない介護士の報酬を引き上げ、担い手が増えれば、介護の潜在需要を伸ばし失業も減るというわけだ。
従来の景気対策や失業対策と同様に一定の効果はあろう。介護を必要とする人にも当然、恩恵が及ぶ。しかし、もし政府が民間企業が担っているような領域にも事業を広げていくようであるならば、かえって経済の活力をそぐことにもなる。
また増税を成長につなげるとしても、社会保障分野に回すのが効率的かという疑問は残る。労働力人口が年に0.7%程度ずつ減っていく日本で1%台の成長を実現するには生産性の向上が極めて重要だ。介護や医療への財政支出は投資としての効果が薄く、経済全体の生産性を押し上げる力は相対的に弱い。
さらに消費税の増税で増える税収のうち、どの程度を社会保障の拡充に充てて、どの程度を現に生じている財政赤字の圧縮に使うかを首相はあいまいにしている。医療、年金、介護に必要な経費のかなりの分は赤字国債で賄っているのが実情だ。
むしろ社会保障が持続できるように早く制度を改革し、必要な部分に増税分を充てる方が、人々の安心を高め消費拡大にもつながる。当然、財政健全化にも役立つ。不確かな議論をするより、実際の効果を重視した政策を示してほしい。
米マイクロソフトが初めて本格的に携帯電話ハードウエアの設計を手がけたという「キン(KIN)」。この5月に米国で発売されたばかりだったが、突如として事業の中止が決まった。
キンは米携帯キャリア1位のベライゾン・ワイヤレスが販売しているが、在庫がなくなり次第販売を中止する。欧州では英ボーダフォン・グループが今秋発売する予定だったが、こちらも計画を取りやめるという。
端末値下げの直後だった
開発に2年の歳月をかけ、膨大な広告費もかけて若者層を狙ったマイクロソフトの独自携帯だったが、発売からわずか48日間、あっけない幕引きとなったと欧米のメディアが伝えている。
この携帯電話は、小型の「KIN ONE」とワイドススクリーンの「KIN TWO」の2モデルがある。いずれもタッチスクリーンとスライド式のキーボードを備えており、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなど若者向けに特化した端末だ。
大規模なキャンペーンを展開したが売れ行きは芳しくなかったようで、ベライゾンは同じ週に端末の大幅値下げを発表していた。
マイクロソフトの動向に詳しい米Windows IT Pro誌のポール・スロット氏によると、ベライゾンはキンに高額なデータプランの加入を義務づけているため、たとえ端末価格を引き下げてもターゲット層の8~19歳には購入できない。
また従来の多機能携帯電話とスマートフォンの中間のような製品で、その位置づけが曖昧なため消費者に訴える力がなく問題を抱えていたと指摘している。
マイクロソフトの消費者部門は混乱している?
米ニューヨーク・タイムズによると、米フォレスター・リサーチのアナリスト、チャールズ・ゴルビン氏は「完全に戦略の失敗だ」と語っている。
同氏によると、マイクロソフトは新製品に執着する企業で、たとえ出足が芳しくなくても何度も改良を重ねていく。それがこれまでの同社のスタイルだという。今回のようなあまりにも素早い撤退は意外だったと同氏は驚いている。
しかしこれは、マイクロソフトの消費者製品部門が混乱していることの表れだとニューヨーク・タイムズの記事は指摘している。
マイクロソフトの消費者部門は、米アップルの携帯メディアプレーヤー「アイポッド(iPad)」に対抗すべく「ズーン(Zune)」を市場投入したが、期待通りの実績が出ていない。
またここ最近は「アイフォーン(iPhone)」や米グーグルの「アンドロイド(Android)」の台頭で苦戦を強いられている。
マイクロソフトは5月に組織再編を発表している。キンや同社のモバイル基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・フォーン7」を担当するモバイルコミュニケーション事業が、7月1日付でスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)の直轄になっている。
恐らく突然の方針転換はバルマー氏の鶴の一声で決まったのではないかと筆者は見ている。
「マイクロソフトのモバイル戦略は支離滅裂」
マイクロソフトは今後、キンの開発チームと、ウィンドウズ・フォーン7の開発チームを統合するとしている。同社はウィンドウズ・フォーン7開発の最終段階にあり、今秋にも同OSを搭載する端末が各メーカーから登場する予定だ。
これについてWindows IT Pro誌のポール・スロット氏は次のように述べている。
「撤退は正しい決断だ。そもそもマイクロソフトが、ウィンドウズ・フォーンと並行して別のOSの携帯電話を手がけていたことが間違いだった」
「マイクロソフトのモバイル戦略は戦略と呼べるのもではなく、支離滅裂そのものだ。これでマイクロソフトは状況改善に一歩近づいた」(同氏)
水ビジネス、アジアで拡大 15年後30兆円市場に
仏など欧米勢先行 域内企業も対抗
【マニラ=遠西俊洋】経済成長や人口増で水不足が続くアジアで、上下水道整備など水関連ビジネスが拡大している。仏GDFスエズなど「水メジャー」が相次ぎ大型商談をまとめ、アジア企業は地元で蓄積したノウハウを生かし対抗し始めた。15年後の年間需要が30兆円超と現在の2倍以上に膨らむとの予想もあり、市場の成長を見越した金融商品も登場した。
スエズは5月、子会社を通じ、中国重慶市で日量約24万立方メートルの工業用水の供給を受注した。30年契約で下水処理も請け負う。中国国営の新華社によると、総事業費は約75億円。中国でのこの種の商談としてはスエズとして過去最大級という。
3月には、インドのバンガロール市で市民300万人への飲料水供給を契約。仏ヴェオリア・ウオーターは2007年、中国天津市の水道事業の契約を更新し、70万人に携帯電話で水の使いすぎまで警告する最新サービスを提供している。
スエズとヴェオリアは合計で世界シェアの約3割を握る水メジャー。両社は次の成長の舞台をアジアに求めている形だ。
日本と違い、海外では水関連事業に民間が関与する例が多い。独シーメンス、米ゼネラル・エレクトリック(GE)も中国で相次ぎ水処理関連ビジネスを受注。シンガポールで2日まで開かれた見本市には旭化成、日東電工、東レなど日本の17社・団体が参加し、水処理技術をアピールした。
アジアの域内企業も事業拡大に動き出した。フィリピン・マニラ東部の水道事業を手掛けるマニラ・ウオーターはベトナムのホーチミン市、インド西部ラジャスタン州で上下水道工事などの事業化調査に入った。
フィリピンでは住民が水を配管から盗む例が多い。1997年に発足した民営のマニラ社はサービス向上を条件に、水を盗んできた住民と正規の給水契約を結ぶ。漏水を含む配水ロスは1~3月期で13.7%と、03年の50%超から大幅に縮小。このノウハウをテコに海外に本格進出する。
シンガポールの大手複合企業セムコープ・インダストリーズは4月、中国広西チワン族自治区で水再処理施設の建設を始めた。水資源が乏しいシンガポールは官民挙げて下水再生や海水淡水化に取り組んでおり、そこで蓄積した技術を生かす。
インド化学大手タタ・ケミカルズは09年12月、井戸水に頼る低所得者層向けの浄水器「タタ・スウォッチ」を発売。容量19リットルの大型水筒タイプで、価格は999ルピー(約1900円)。年間100万台の販売を目指す。
日本の経済産業省の予想では、アジア大洋州の水ビジネスは25年に07年の2.8倍の年間約31兆1000億円まで増える。中国では年率10.7%、インドは同11.7%の急成長が見込まれる。
SNSゲームの配信用サーバー GMOが貸し出し
GMOインターネットは交流サイト(SNS)でのゲーム配信に適したサーバー貸し出しサービスを8月に始める。利用者が集中するゲーム公開から4日間は無料でサーバー20台分を使えるなど、ゲーム提供者の負担を減らす料金体系を採用しているのが特徴。5日から予約を受け付ける。
「GMOアプリクラウド」の名称で展開する。利用者数に応じてサーバーの処理能力を柔軟に増強できる。初期費用は無料。従量料金はサーバー1台分の利用で1日399円から。GMOは中小企業向けサーバーレンタルの国内最大手。
【日本の議論】「子供を守る」どこ行った? 大人の都合で“政争の具”へ 漫画児童ポルノ条例をめぐる議論
東京都議会6月定例会が閉会した6月16日。子供を性的対象にした漫画やアニメといった商品の区分陳列など、販売規制を目指す都青少年健全育成条例の改正案が最大会派の民主などの反対多数で否決された。だが、石原慎太郎知事は9月議会への再提出を目指す考えを明言。「表現の自由」と「子供の健全育成」をめぐって交わされた議論は、いつの間にか“政争の具”に発展してしまった。否決を前提として建設的な議論を避けた民主への批判に加え、都議会や関係先への根回しを怠ってきた都最高幹部や担当部局による“不作為”を指摘する声もある。
“汚い花”を断つと植物全体が滅ぶ
都条例の改正案をめぐる議論は3カ月にわたって迷走を続けた。発端は今年3月議会の会期中、改正案に反対する著名漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんらが都庁で記者会見を開いたことだった。
「表現で新しいものが起きるときは色んな種類の花が咲く。スミレなどかれんな花も、ジャングルのラフレシアのような花も、根っこですべて繋がっている。この花は汚いと根を断つと植物群全体が滅ぶ」
ちばさんは、漫画文化を生態系に例えて改正案を批判した。
この会見により反対運動が一気に拡大した。
日本ペンクラブや出版倫理協議会などの各団体の反対表明に加え、反対派によるインターネットでの呼びかけで、都だけでなく民主、自民など各会派にメールやファクスで抗議が殺到した。
議論の焦点は改正案条文の文言の定義と適用範囲だった。規制対象となる漫画などの18歳未満と想定されるキャラクター「非実在青少年」や「青少年性的視覚描写物」など用語の定義のほか、行政による恣意(しい)的な運用を招き、表現の自由を脅かすというのが主な主張だ。
民主幹部は当時、条文について「まるで警察用語。わざと分かりにくくしているのかと思った」とあきれた。その一方で、改正案を提出した都青少年・治安対策本部の幹部は「『非実在青少年』とは『非、実在、青少年』という意味だ。何が分からないのか、分からない」と余裕の笑みを浮かべていた。
しかし、実際には3月議会で改正案の可否を問う集中審議はなく、その余裕も都議会にはなかった。
なぜか-。
当時、都政で最大焦点となっていた築地市場の移転関連予算を盛り込んだ平成22年度の中央卸売市場会計予算案審議が佳境を向かえていたことが理由だ。賛否をめぐるさまざまな思惑が交錯する中で、改正案は結局、全会一致で継続審議となり、結論は6月議会に持ち越されることとなった。
しずかちゃんの裸はOK
一方、都庁内には、継続審議となったことで改正案をまとめた担当局の不手際をなじる声も上がった。都幹部の1人は「舐(な)めてかかっていたのではないか。明らかに業界や都民、議会への根回し、説明不足だ」と眉(まゆ)をひそめた。担当幹部も「正直、ここまで反発が強くなるとは思わなかった。事前の説明不足は否めない」と述べる。
強まる批判に担当者らは巻き返しにやっきとなる。「都民に条例改正の周知が不十分だった」(都担当者)として、「ドラえもんのしずかちゃんの入浴シーンやサザエさんのワカメちゃんのパンチラなどは規制に該当しない」などとする質問回答集を都のHPに掲載。
また、改正案を象徴する用語となった「非実在青少年」についても「年齢、学年の明確な描写やセリフ、ナレーションで明らかに18歳未満に設定されたキャラクター」と規定し、その「性行為がメーンとなっているもの」が規制対象になることを明記した。
しかし、5月初旬に起きたある“事件”が情勢を一変させた。石原知事が定例会見で「「(条文は)説明不足。『非実在青少年』という言葉は何だこれ一体? 幽霊の話か? 役人が作るくだらない言葉は世間に通用しない。誤解を受ける文言が悪い。どんどん変えたらいい」と述べたのだ。
都幹部は「あの発言が条例に反対する民主につけ込む隙(すき)を与えた。記者会見を補佐する知事本局や執行部は、知事答弁の打ち合わせをしていなかったのか…」とため息をつき、公明幹部も「明らかな失言だった」と肩を落とした。
落とし所を失っていた民主は、これに乗じて反対姿勢をさらに強めていった。「まさに、渡りに船とはこのこと。民主も助かったんじゃないか」と、別の野党幹部は苦笑いを浮かべた。
都議会総務委員会の参考人招致で民主は反対派の急先鋒(せんぽう)、宮台真司首都大教授(社会学)らを招致。
宮台教授は「主観だけで何でも規制できる。こんな条例を掲げること自体が東京都の恥」と批判。「非実在青少年」について「設定が問題なら『これは成人コスプレ』と断れば何でもありで、ナンセンスだ」と述べ、都の質問回答集を「法律は条例を含め条文がすべてで無意味だ」と切って捨てた。
これに対し、条例改正に賛成する自公は改正案の条文作成にかかわった前田雅英首都大教授(法学)を招致した。
前田教授は「改正案は子供が見にくい場所に置くことはできないかという提案だ」と改正案の趣旨を説明したが、「条文にあいまいな部分がないわけではないが、法律は素人が分かる言葉でできていない」と主張した。
民主都議の1人は「反対派の主張の方が説得力があった」とニンマリ。「改正案に賛成意見なんて実際はPTAにさえない」と述べるなど、自信をのぞかせる発言が目立つようになっていった。
「民主の方が無責任」?
勝負となった6月議会。民主幹部は代表質問で早速、「自ら責任を持てないものを議会に提出したのは無責任」と知事の発言を非難し、撤回を受け入れない場合は否決する方針を打ち出した。
だが、担当局幹部によると、石原知事サイドを無責任となじった当の民主幹部は、改正案を答申した「都青少年問題協議会」に名を連ねながら、一度も会に出席していなかった事実も発覚。
「最初から関心がなかったことの表れで、どちらが無責任か。一度、議会で受けた議案の撤回要求は責任放棄。民主こそ修正案を出すべきだ」と自民幹部は憤った。また、公明幹部も「民主から民主案について『会派内がまとまらないので今回は出せない』といわれた。これが、最大会派のやることか」と憮然(ぶぜん)とした表情を浮かべた。
自公は早期成立を求める保護者の署名が約4万5千筆集まったとし、対抗措置として独自の修正案を提出した。「非実在青少年」を「描写された青少年」に、また「青少年性的視覚描写物」を「青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類」に変更するなど用語を変えた上で、表現の自由を侵害するとの懸念に対して、付則で「条例施行3年経過後に検討の上、必要な措置を講じる」とした。
ところが、民主幹部は「改正案の文言を変えただけだ。自公が担当局に作らせたに決まっている」と批判、別の幹部は「民主の独自案はできている」と明かしたが、それが白日の下にさらされることは最後までなかった。
都議会で民主と自公がさや当てを行う一方、石原知事は「7、8歳の女の子をセックスの対象にする漫画を子供の目に触れさせないようにすることがなぜいけないのか」と強調。「反対のための反対で都民が迷惑。ばかなことをやっている。抽象論ではなく具体的な対案を出すべきだ。(出さないなら)『現状を認める』と都民の前で言えばいい」と怒号した。
落としどころは…
6月議会閉会後、都議会各会派を回った石原知事。民主の控室で「日本語の解読能力がないな、君らは」とチクリ。これに対して大沢昇幹事長は「自分だってそうじゃないか。言われたくないよ」と言い返す場面もみられた。
改正案に反対する藤本由香里・明治大准教授は「都はエロ漫画に限定しての規制というが、条文では拡大解釈ができるようになっている」と改正案の否決を喜び、賛成派の赤枝恒雄・赤枝六本木診療所院長は「未成年者が漫画の影響でレイプされている現実があることを知るべきだ」と肩を落とした。
都幹部は「条例規制か、それとも自主規制か。議論はそこで平行線をたどっただけ」と総括。結局、着地点を見いだせないまま時間切れになった格好だ。
石原知事は、9月議会への再提出を目指す意向だが、インターバルはわずか。「もっと時間がほしいのが本音。誰もが6月議会で流れは否決といった状況を感じていたはずだが、『俺に任せとけ』と言って問題を抱え込んだものの、民主対策を怠っていたにもかかわらず、知事には耳障りの良い情報しか伝えていなかった担当の最高幹部は責任をどう感じているのか」などの“恨み節”も庁内からは聞こえてくる。
一方、自民幹部も「民主はこの問題を知事選まで引き延ばすつもりだ。再提出は少なくても12月議会まで待った方が良い」とうめいた。
いつの間にか“政争の具”と化した改正案をめぐる議論に、子供を守るという当初の目的が薄れ始めている。文字通り“非実在青少年”化しているようだ。
日経社説
参院選 政策を問う
首相の「増税で成長」論には無理がある
増税をしても使い道を間違わなければ経済成長につながる。菅直人首相がこんな議論を繰り返している。増税した分を医療や介護といった分野に適切に回せば、雇用が生まれ、お金がうまく循環して経済が拡大するという理屈である。
菅首相は参院選で消費税率引き上げの超党派協議を呼びかけている。「増税で成長」の議論は、不人気な増税に対する有権者の反発を抑える思惑もあるのだろう。
一見、もっともな議論に聞こえるが、それで持続的な成長が実現するというのは単純すぎる。
政府は本当に適切な使い道を判断できるのか。より大きな政府は民間企業を締め出さないか。介護や医療といった分野に支出しても、良質な科学技術開発のような生産性を高める「将来に生きるカネ」とはなりにくい。首相や民主党がこれらの疑問に答えられなければ、この議論も説得力を持たない。
首相は消費税などの増税分の使い道として、例えば介護サービスへの支出を1兆円増やす考えだ。賃金水準が仕事の内容に見合っているとはいえない介護士の報酬を引き上げ、担い手が増えれば、介護の潜在需要を伸ばし失業も減るというわけだ。
従来の景気対策や失業対策と同様に一定の効果はあろう。介護を必要とする人にも当然、恩恵が及ぶ。しかし、もし政府が民間企業が担っているような領域にも事業を広げていくようであるならば、かえって経済の活力をそぐことにもなる。
また増税を成長につなげるとしても、社会保障分野に回すのが効率的かという疑問は残る。労働力人口が年に0.7%程度ずつ減っていく日本で1%台の成長を実現するには生産性の向上が極めて重要だ。介護や医療への財政支出は投資としての効果が薄く、経済全体の生産性を押し上げる力は相対的に弱い。
さらに消費税の増税で増える税収のうち、どの程度を社会保障の拡充に充てて、どの程度を現に生じている財政赤字の圧縮に使うかを首相はあいまいにしている。医療、年金、介護に必要な経費のかなりの分は赤字国債で賄っているのが実情だ。
むしろ社会保障が持続できるように早く制度を改革し、必要な部分に増税分を充てる方が、人々の安心を高め消費拡大にもつながる。当然、財政健全化にも役立つ。不確かな議論をするより、実際の効果を重視した政策を示してほしい。
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