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ドコモSIMロック解除へ 11年4月から全機種で
ライバル各社の対応焦点
NTTドコモの山田隆持社長は6日、日本経済新聞の取材に応じ、2011年4月以降に出荷するすべての携帯端末について、特定の通信会社でしか使えないように制限している「SIMロック」を解除できるようにすると明らかにした。総務省は同制限を解除する指針を示しており、最大手のドコモがいち早く解除に乗り出すことで通信各社も対応を迫られそうだ。
ドコモは11年4月以降に出荷する端末にソフトでロックを解除できる機能を搭載する。利用者の要望に応じて販売店の窓口で解除を受け付ける方針。
SIMロックの解除により、利用者は契約情報などが入った「SIMカード」を入れ替えれば機種を変えずに通信会社を自由に選べるようになる。例えば同社のスマートフォン(高機能携帯電話)「エクスペリア」などの端末をソフトバンクの通信回線を使って利用できる可能性がある。
ただ、ドコモだけがSIMロックを解除しても、契約者の流出につながるだけになるため、今後はソフトバンクなど他社の動向が焦点となる。ソフトバンクは一部端末で解除を検討する方針を示すにとどまっている。
通信回線の品質で強みを持つドコモは率先して解除に乗り出すことで、他社の解除も促し、米アップルの端末などの人気機種をドコモの回線利用への呼び水としたい考えだ。
ドコモ、端末融通の加速狙う 主戦場はスマートフォン
SIMロック解除
NTTドコモがSIMロックの解除を急ぐのは、いち早く解除に対応することで業界全体の端末融通を加速し、契約者を呼び込むためだ。
総務省は6月に指針(ガイドライン)を示し、通信各社にSIMロック解除を呼びかけた。解除により端末開発の自由化や海外での利用拡大につなげる狙い。ただ、SIMロック解除により、携帯端末を相互に利用できるようになるのは当面はドコモとソフトバンクだけとなる。
国内携帯各社の中で、KDDI(au)のみは違う通信方式を採用しており、各社がロックを解除してもKDDIの端末を他の通信会社の回線でつかうことはできない。このため、KDDIはSIMロックの解除について世界の通信方式が統一される次世代携帯電話サービス「LTE」に移行してからとなる。3社の完全な相互融通が可能になるのは、KDDIがLTEに対応する12年からだ。
また、携帯各社は契約者囲い込みのため「iモード」など通信会社特有の機能を拡大しており、SIMカードを入れ替えるだけではメールなどのサービスを利用できないなどの課題もある。
当面、SIMロック解除による端末の相互利用はスマートフォンなど汎用性の高い端末に限られるとみられる。焦点となるのは、契約者を急速に伸ばしているソフトバンクの「iPhone(アイフォーン)」だが、同社がアイフォーンについては「解除に応じない」としている。
ドコモがSIMロック解除表明でもソフトバンクは「スタンスに変化ない」
NTTドコモがSIMロックを解除する方針を示した7月6日、同じ通信方式を採用するソフトバンクモバイルがCNET Japanの電話取材に応じた。
同社広報室は、大前提としてノーコメントであると回答した上で、従来からのスタンスを変えない方針を明らかにした。ソフトバンクモバイルは従来から「法制度として(SIMロック解除を)強制化されるのは、おかしいのではないか」(同社広報室)という姿勢だ。
「基本的には、SIMロックによって、端末とサービスをお買い求めやすく提供できていると思っている。そのことについてよく検討する必要があるという考え。SIMロックというよりも、携帯端末の普及という点で考えた場合、このスタンスに変化はない」と、同社広報室ではコメントしている。
SCE、320ギガバイトのHDDを搭載したPS3
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は29日、据え置き型ゲーム機「プレイステーション(PS)3」で容量320ギガ(ギガは10億)バイトのハードディスク駆動装置(HDD)を搭載した「CECH―2500B」を発売する。現行機種よりも容量を増やし、デジタルチューナーなどをセットにした周辺機器「トルネ」を接続して地上デジタル放送をより多く録画できるようにした。価格は3万4980円。
HDDの容量が160ギガバイトの「CECH―2500A」も同時に発売する。価格は2万9980円で、本体の色は黒と白の2種類。
MSのモーションコントローラー「Kinect」、年末商戦向けに国内発売へ
マイクロソフトは7月6日、Xbox 360向けモーションコントローラー「Kinect」を日本で年末商戦向けに発売する方針を明らかにした。
Kinectは身振り手振りでゲームを操作できる新コントローラー。米国では11月4日に発売する予定。価格は未定。対応ソフトとして、セガ「ソニック フリーライダーズ」やハドソン「DECA SPORTS FREEDOM」などの発売が予定されている。
7月6日に同社が開いた経営方針説明会の会場でKinectを披露した。国内のXboxビジネスを担当する泉水敬ホーム&エンターテイメント事業本部長が、ボート漕ぎや障害物競争などを楽しめる「Kinect Adventure」を、左右への体の移動やジャンプなどで実際に操作してみせた。
泉水氏も実際にプレイ。体の動きはテレビ上部に設置したセンサーで読み取る。遅延などはないように見えた
同社の樋口泰行社長は「PCやビジネスユースでもいろいろな展開が考えられる」と話していた。
マイクロソフト樋口社長「クラウドに経営資源大きく移す」
マイクロソフト日本法人(東京・渋谷)の樋口泰行社長は6日、2011年6月期の経営方針について記者会見し「(ネットワーク経由でソフトウエアや情報システムを提供する)クラウド・コンピューティング分野に経営資源を大きく移す」と述べ、クラウド事業や企業との連携を強化することで成長を目指す方針を示した。
7月1日付で法人向け事業部門全体で約100人のクラウド専任部隊を設置した。クラウド関連での連携会社を現在の約350社から11年度内に1000社に増やす方針。
また、2011年2月1日付で社名を「日本マイクロソフト」にすると発表した。東京都内の拠点大半を港区の新本社に集約することに伴い社名を変更する。
情報通信「利用は低迷」、10年度版白書 電子行政に遅れ
原口一博総務相は6日、2010年度版の情報通信白書を閣議に提出した。日本はブロードバンド回線や第3世代携帯電話など情報通信のインフラ部門でトップクラスだが、個人や企業、行政での実際の利用は低迷しているとの分析を盛り込んだ。特に電子行政の取り組みが遅れており、利用者の視点に立ったサービスの実現が必要と指摘した。
調査は先進25カ国を対象に実施し、インフラの整備状況や利用状況などを比較した。情報通信技術(ICT)の総合順位は韓国に次いで2位だった。光ファイバーの敷設や第3世代携帯電話への移行割合などインフラ部門でトップだったが、利活用では16位に沈んだ。 白書では、ブロードバンドサービスを全世帯が利用するようになると新たな消費が生まれるなど、12.3兆円の経済効果が見込まれ、名目国内総生産(GDP)を1.5%押し上げると試算した。総務省はインターネット環境の低価格化や個人情報の保護などの取り組みを拡充し、実際の利用を進める必要があると分析している。
イー・モバイル、今秋予定の「42Mbps」サービスのデモを披露
イー・モバイルは6日、今秋開始予定のDC-HSDPA(デュアルセルHSDPA)サービスのデモを披露する説明会を開始した。同社代表取締役社長のエリック・ガン氏、取締役副社長の阿部 基成氏、日本エリクソンバイスプレジデントのモーガン・カービー氏が登壇し、説明を行った。
DC-HSDPAは、同時に隣り合う2つの周波数帯域を受信に用いることで、通信速度を2倍にする技術。現在、イー・モバイルでは、下り最大21MbpsのHSPA+方式によるサービスを提供しているが、理論上は帯域が2倍となることで、通信速度も倍になる。大容量の通信を行っても、従来より短時間で処理できるようになるため、ユーザー全体での通信処理も向上が見込め、スピードが上がったように感じられるという。
3.9Gの実現に向け、昨年6月、通信各社に対して新たな周波数帯が割り当てられている。イー・モバイルに対してはDC-HSDPAとLTEのサービス提供に向け、1.7GHz帯において10MHz幅が割り当てられている。既存の5MHz幅と新帯域のうち5MHz幅、計10MHz幅でDC-HSDPAサービスが提供される計画だ。
サムスン、薄型TV世界販売5000万台 目標を上方修正
W杯効果で需要底上げ ソニーの計画比2倍に
【ソウル=尾島島雄】韓国のサムスン電子は2010年の薄型テレビの世界販売の目標を年初計画の3900万台から少なくとも4500万台(前年比47%増)、最大で5000万台(同63%増)に上方修正する方針を明らかにした。サッカー・ワールドカップ(W杯)による需要の底上げが大きいため拡大戦略を鮮明にする。ソニーの10年度計画の1.8~2倍に相当し、世界市場の占有率で独走する勢いだ。
サムスンは09年に前年比27%増の3068万台の薄型テレビを販売。LED搭載型の液晶テレビを主力品と位置付けて本格投入し、薄型テレビ市場のシェア首位を確実にした。
10年も大幅な販売拡大を見込み、当初は液晶テレビ3500万台、プラズマテレビ400万台を計画していた。上半期を終えた時点で新興国市場の拡大にW杯効果が重なり、想定以上に販売が好調なため、計画の大幅な上積みに踏み切る。
競争激化による価格下落に備え、高級タイプが多いLED搭載型の販売を強化。一方で2月末に他社に先駆け市場投入した3次元(3D)テレビは200万台だった当初目標を260万台に引き上げる。現在は基幹部品である3D用パネルの不足で「注文の8割にしか応じられない」(サムスン幹部)が、内製パネルの増産を急ぎ、8月から出荷ペースを引き上げる。
韓国のLG電子は10年に前年比49%増となる2900万台、ソニーは10年度に前年度比67%増となる2500万台を目指すとしている。米ディスプレイサーチは10年の薄型テレビの世界市場を前年比28%増の2億409万台になると予測している。
大阪府「貸金特区構想」、自見金融相が「適当ではない」
自見庄三郎金融相は6日の閣議後会見で、大阪府が検討している、改正貸金業法による上限金利の引き下げなど、一連の規制強化を一部地域で緩和する「構想改革特区」の設置構想について、「適当ではない」と否定的な見方を示した。
自見金融相は「特定地域での上限金利を上回るような貸し付けが行われ、刑罰の対象から除外することになれば、改正貸金業法で上限金利を引き下げた趣旨を損なう。地域によって刑罰が異なることになり、法の公正性に反する」との見解を示した。
6月に完全施行された改正貸金業法では、個人の借入総額を年収の3分の1までとする「総量規制」や、上限金利を年15%に引き下げる規制強化が実施された。だが主婦やフリーランスなどの個人や、中小零細事業者が借りられなく例が増え、ヤミ金に走るなどの弊害が指摘されていた。
大阪府の「貸金特区構想」は、中小事業者向けの1年以内の融資は、上限金利を改正前の29・2%に戻すほか、返済能力のある個人には総量規制を超えた無担保融資ができるよう緩和する。府内に本店を置く貸金業者が融資する際の適用を想定、顧客は大阪府民以外でも受け入れる。6日に政府に要望書を出す。
「iPhone 4は携帯キャリアの重荷に」とコンサルティング会社
米AppleのiPhone 4はアンテナの問題は別として、批評家や消費者に概ね好評を博しているが、このAppleの最新スマートフォンは携帯電話キャリアにとって、iPhoneのこれまでのモデルと同様の問題を引き起こすだろう――。デンマークの無線通信コンサルティング会社Strand Consultは7月5日付の報告書で、そう指摘している。
Strand ConsultはiPhoneが携帯キャリアに及ぼす影響について、2009年8月にも報告書を発表しているが、今回はその内容を引き継ぐ形で、次のように警告している。「iPhone 4は過去と同様の問題を改めて引き起こすことになるだろう。そして、おそらく業界では再び、新しいiPhone 4の高額な販売奨励金のせいで携帯キャリアが業績の下方修正を余儀なくされる事態が発生するだろう」
そしてStrand Consultは、携帯キャリアが金銭的な観点からiPhone 4を考察する上で着目すべき6つのポイントを指摘している。
まず1つは、iPhone 4の価格はこれまでのモデルと大差ないため、購入を促す追加の要因に欠けているという点だ。2つ目は、iPhone 4の新しいデザインはこれまでのモデルとそれほど大きく異なるものではないため、その点でも、あまり大きな購入の動機にはならないという点。そして3つ目は、iPhone 4の登場によって多くの新規加入者が携帯キャリアの窓口に押し寄せるようなことにはならないと予想される点だ。
「新しいiPhoneを購入するのは、ほとんどが既存のiPhoneユーザーということになるだろう」と報告書は指摘している。
続いて4つ目のポイントは、iPhoneをアップグレードしようという既存の顧客が、iPhoneを初めて購入しようという新規の顧客と比べてはるかに多いという事実が、携帯キャリアにどのような影響を及ぼすかという点だ。「おそらくiPhone 4はマイナスの意味で携帯キャリアの解約を促すことになり、その結果、携帯キャリアが負担する販売奨励金や取扱手数料のコストだけがうなぎ上りで増えることになるだろう」と報告書には記されている。
Strand Consultは前回の報告書においても、iPhoneが携帯キャリアに及ぼすマイナスの影響に言及し、その影響は一部の携帯キャリアだけでなく全体に及ぶものだと指摘している。
「われわれが世界の携帯電話事業者を対象に実施した調査によると、iPhoneの販売を手掛けたことで市場シェアや売上高、収益を伸ばせたという会社は1社もない。それどころか、iPhoneのせいで業績の下方修正を余儀なくされている事業者もあるくらいだ」とStrand Consultの2009年の報告書には記されている。
「ただし、iPhone 4の恩恵を受けることが予想される企業はAppleだけではない」とStrand Consultは指摘している。iPhone 4は従来の携帯キャリアを苦境に陥れる一方で――顧客は最新モデルにアップグレードして、古いモデルを友人や家族に売るなり譲るなりするだろうから――仮想移動体通信事業者(MVNO)には恩恵をもたらすことが予想される。MVNOとは、大手の通信事業者からネットワーク設備を借り受けて、独自ブランドでSIMカードを販売している業者のことだ。
「古いiPhoneを新たに手に入れたユーザーは、音声とデータのサービスをいちばん安価なところから購入することになるだろう。つまり、多くの国では、iPhoneユーザー向けに余分なサービス抜きでSIMオンリーのサービスを販売しているMVNOから、ということになる」と報告書には記されている。
Strand Consultが最後に指摘しているポイントは、Appleは強力なスマートフォン製品を投入し、広く一般からは、この業界の大将のように思われているが、実際のところ、同社に対する注目の高さは同社の市場シェアには不相応なものだという。
「現在、世界のiPhoneユーザーの総数はポーランドの人口と同じくらいだ。世界の携帯電話ユーザー数が11億人増加した間に、Appleは5100万台しか携帯端末を販売していない。同じ期間に、そのほかのメーカーが販売した携帯電話は34億台以上にのぼる」と報告書は指摘している。
「iPhone 4は結局のところ、多くの携帯キャリアにとって“お金のかかる新しい友人”となるのが落ちだ」とさらに報告書は続いている。これは、米国で現在iPhoneを独占販売しているAT&Tにとっては喜ばしいニュースではない。ただし、Verizon Wirelessは今のところ、自由の身だ。Verizon Wirelessは、AT&TのiPhone独占販売契約が期限切れとなる2011年1月にiPhoneの提供を開始するとみられている。
「携帯キャリアにとっては、iPhoneの顧客ベースが大きければ大きいほど、そして古ければ古いほど、iPhone 4によって生じるコストも大きくなるはずだ。今後、Appleの元からの大手のパートナー各社の多くは解約率の増加に見舞われ、向こう数カ月間は、販売奨励金や取扱手数料にかかるコストが業績にマイナスの影響を及ぼすことになるだろう」とStrand Consultは報告書で指摘している。
【東京新聞社説】
オバマ政権 見えぬ新たな米モデル
2010年7月6日
オバマ米大統領から雄弁さが消えて久しい。中間選挙を控え支持率も低迷したままだ。新自由主義路線からの転換を図りながら、新たな政権モデルは未(いま)だ明確ではない。今こそ将来像を語るべきだ。
独立記念日の四日に合わせ、メキシコ湾に面するルイジアナ州ポートサルファーからハリケーン襲来に怯(おび)える米国民の心情を伝えたコラムが目を引いた。
今なお続く原油流出被害がカトリーナ級の暴風雨でさらに広がり、漁業に依存するこの地域に取り返しのつかない惨事をもたらすのではないか。そんな地元民の不安と怒りを、現地式典に出演したバンド「アース・ウインド&ファイアー」(土と風と火)の名に託して記した人気コラムニストの記事だった。米市民の多くが抱く目下最大の懸念を代弁していた。
昨年、米国史上初の黒人大統領の誕生を後押ししたのは二つの大きな危機だった。百年に一度といわれた金融危機と、ブッシュ前政権からの負の遺産といわれたイラクとアフガニスタン、それぞれの戦争の行き詰まりだ。
約八千億ドル規模の緊急経済対策は一定の効果をあげ、当面の景気安定化へ道を開いた。二つの戦争についても、米軍撤退の出口戦略を示すに至った。政権側からすればもっと評価されていい成果かもしれない。しかし、国民の支持率は五割を割ったままだ。
危機の先に来るべき新たな国家像が見えないためだ。支持率低迷は、この春、事実上の国民皆保険に通じる医療改革法の成立以来続いている。自助精神を信条とする建国以来の伝統が崩れ、西欧型福祉国家に近づいているのではないか。国民の間に将来への不安があったとしても不思議ではない。10%近い水準に高止まりする失業率も、欧州の数字と符合する。
イスラム対話でも綻(ほころ)びが目立つ。対イラン核交渉で見せたトルコの調停への否定的対応は国際協調路線との食い違いを露呈し、アフガン政策では指導部批判したマクリスタル司令官の解任というドタバタ劇さえ演じた。
市民組織「茶会」による政府批判を活発化させている共和党陣営は足並みがバラバラだが、敵失に支えられたままの政権は危うい。
発足時のオバマ政権には、誤りは早期に謝罪し、修正する姿勢があった。しかし、再び取り戻せない性質の誤りもある。近づくハリケーン季節への国民の恐怖はそれを端的に物語っている。
ライバル各社の対応焦点
NTTドコモの山田隆持社長は6日、日本経済新聞の取材に応じ、2011年4月以降に出荷するすべての携帯端末について、特定の通信会社でしか使えないように制限している「SIMロック」を解除できるようにすると明らかにした。総務省は同制限を解除する指針を示しており、最大手のドコモがいち早く解除に乗り出すことで通信各社も対応を迫られそうだ。
ドコモは11年4月以降に出荷する端末にソフトでロックを解除できる機能を搭載する。利用者の要望に応じて販売店の窓口で解除を受け付ける方針。
SIMロックの解除により、利用者は契約情報などが入った「SIMカード」を入れ替えれば機種を変えずに通信会社を自由に選べるようになる。例えば同社のスマートフォン(高機能携帯電話)「エクスペリア」などの端末をソフトバンクの通信回線を使って利用できる可能性がある。
ただ、ドコモだけがSIMロックを解除しても、契約者の流出につながるだけになるため、今後はソフトバンクなど他社の動向が焦点となる。ソフトバンクは一部端末で解除を検討する方針を示すにとどまっている。
通信回線の品質で強みを持つドコモは率先して解除に乗り出すことで、他社の解除も促し、米アップルの端末などの人気機種をドコモの回線利用への呼び水としたい考えだ。
ドコモ、端末融通の加速狙う 主戦場はスマートフォン
SIMロック解除
NTTドコモがSIMロックの解除を急ぐのは、いち早く解除に対応することで業界全体の端末融通を加速し、契約者を呼び込むためだ。
総務省は6月に指針(ガイドライン)を示し、通信各社にSIMロック解除を呼びかけた。解除により端末開発の自由化や海外での利用拡大につなげる狙い。ただ、SIMロック解除により、携帯端末を相互に利用できるようになるのは当面はドコモとソフトバンクだけとなる。
国内携帯各社の中で、KDDI(au)のみは違う通信方式を採用しており、各社がロックを解除してもKDDIの端末を他の通信会社の回線でつかうことはできない。このため、KDDIはSIMロックの解除について世界の通信方式が統一される次世代携帯電話サービス「LTE」に移行してからとなる。3社の完全な相互融通が可能になるのは、KDDIがLTEに対応する12年からだ。
また、携帯各社は契約者囲い込みのため「iモード」など通信会社特有の機能を拡大しており、SIMカードを入れ替えるだけではメールなどのサービスを利用できないなどの課題もある。
当面、SIMロック解除による端末の相互利用はスマートフォンなど汎用性の高い端末に限られるとみられる。焦点となるのは、契約者を急速に伸ばしているソフトバンクの「iPhone(アイフォーン)」だが、同社がアイフォーンについては「解除に応じない」としている。
ドコモがSIMロック解除表明でもソフトバンクは「スタンスに変化ない」
NTTドコモがSIMロックを解除する方針を示した7月6日、同じ通信方式を採用するソフトバンクモバイルがCNET Japanの電話取材に応じた。
同社広報室は、大前提としてノーコメントであると回答した上で、従来からのスタンスを変えない方針を明らかにした。ソフトバンクモバイルは従来から「法制度として(SIMロック解除を)強制化されるのは、おかしいのではないか」(同社広報室)という姿勢だ。
「基本的には、SIMロックによって、端末とサービスをお買い求めやすく提供できていると思っている。そのことについてよく検討する必要があるという考え。SIMロックというよりも、携帯端末の普及という点で考えた場合、このスタンスに変化はない」と、同社広報室ではコメントしている。
SCE、320ギガバイトのHDDを搭載したPS3
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は29日、据え置き型ゲーム機「プレイステーション(PS)3」で容量320ギガ(ギガは10億)バイトのハードディスク駆動装置(HDD)を搭載した「CECH―2500B」を発売する。現行機種よりも容量を増やし、デジタルチューナーなどをセットにした周辺機器「トルネ」を接続して地上デジタル放送をより多く録画できるようにした。価格は3万4980円。
HDDの容量が160ギガバイトの「CECH―2500A」も同時に発売する。価格は2万9980円で、本体の色は黒と白の2種類。
MSのモーションコントローラー「Kinect」、年末商戦向けに国内発売へ
マイクロソフトは7月6日、Xbox 360向けモーションコントローラー「Kinect」を日本で年末商戦向けに発売する方針を明らかにした。
Kinectは身振り手振りでゲームを操作できる新コントローラー。米国では11月4日に発売する予定。価格は未定。対応ソフトとして、セガ「ソニック フリーライダーズ」やハドソン「DECA SPORTS FREEDOM」などの発売が予定されている。
7月6日に同社が開いた経営方針説明会の会場でKinectを披露した。国内のXboxビジネスを担当する泉水敬ホーム&エンターテイメント事業本部長が、ボート漕ぎや障害物競争などを楽しめる「Kinect Adventure」を、左右への体の移動やジャンプなどで実際に操作してみせた。
泉水氏も実際にプレイ。体の動きはテレビ上部に設置したセンサーで読み取る。遅延などはないように見えた
同社の樋口泰行社長は「PCやビジネスユースでもいろいろな展開が考えられる」と話していた。
マイクロソフト樋口社長「クラウドに経営資源大きく移す」
マイクロソフト日本法人(東京・渋谷)の樋口泰行社長は6日、2011年6月期の経営方針について記者会見し「(ネットワーク経由でソフトウエアや情報システムを提供する)クラウド・コンピューティング分野に経営資源を大きく移す」と述べ、クラウド事業や企業との連携を強化することで成長を目指す方針を示した。
7月1日付で法人向け事業部門全体で約100人のクラウド専任部隊を設置した。クラウド関連での連携会社を現在の約350社から11年度内に1000社に増やす方針。
また、2011年2月1日付で社名を「日本マイクロソフト」にすると発表した。東京都内の拠点大半を港区の新本社に集約することに伴い社名を変更する。
情報通信「利用は低迷」、10年度版白書 電子行政に遅れ
原口一博総務相は6日、2010年度版の情報通信白書を閣議に提出した。日本はブロードバンド回線や第3世代携帯電話など情報通信のインフラ部門でトップクラスだが、個人や企業、行政での実際の利用は低迷しているとの分析を盛り込んだ。特に電子行政の取り組みが遅れており、利用者の視点に立ったサービスの実現が必要と指摘した。
調査は先進25カ国を対象に実施し、インフラの整備状況や利用状況などを比較した。情報通信技術(ICT)の総合順位は韓国に次いで2位だった。光ファイバーの敷設や第3世代携帯電話への移行割合などインフラ部門でトップだったが、利活用では16位に沈んだ。 白書では、ブロードバンドサービスを全世帯が利用するようになると新たな消費が生まれるなど、12.3兆円の経済効果が見込まれ、名目国内総生産(GDP)を1.5%押し上げると試算した。総務省はインターネット環境の低価格化や個人情報の保護などの取り組みを拡充し、実際の利用を進める必要があると分析している。
イー・モバイル、今秋予定の「42Mbps」サービスのデモを披露
イー・モバイルは6日、今秋開始予定のDC-HSDPA(デュアルセルHSDPA)サービスのデモを披露する説明会を開始した。同社代表取締役社長のエリック・ガン氏、取締役副社長の阿部 基成氏、日本エリクソンバイスプレジデントのモーガン・カービー氏が登壇し、説明を行った。
DC-HSDPAは、同時に隣り合う2つの周波数帯域を受信に用いることで、通信速度を2倍にする技術。現在、イー・モバイルでは、下り最大21MbpsのHSPA+方式によるサービスを提供しているが、理論上は帯域が2倍となることで、通信速度も倍になる。大容量の通信を行っても、従来より短時間で処理できるようになるため、ユーザー全体での通信処理も向上が見込め、スピードが上がったように感じられるという。
3.9Gの実現に向け、昨年6月、通信各社に対して新たな周波数帯が割り当てられている。イー・モバイルに対してはDC-HSDPAとLTEのサービス提供に向け、1.7GHz帯において10MHz幅が割り当てられている。既存の5MHz幅と新帯域のうち5MHz幅、計10MHz幅でDC-HSDPAサービスが提供される計画だ。
サムスン、薄型TV世界販売5000万台 目標を上方修正
W杯効果で需要底上げ ソニーの計画比2倍に
【ソウル=尾島島雄】韓国のサムスン電子は2010年の薄型テレビの世界販売の目標を年初計画の3900万台から少なくとも4500万台(前年比47%増)、最大で5000万台(同63%増)に上方修正する方針を明らかにした。サッカー・ワールドカップ(W杯)による需要の底上げが大きいため拡大戦略を鮮明にする。ソニーの10年度計画の1.8~2倍に相当し、世界市場の占有率で独走する勢いだ。
サムスンは09年に前年比27%増の3068万台の薄型テレビを販売。LED搭載型の液晶テレビを主力品と位置付けて本格投入し、薄型テレビ市場のシェア首位を確実にした。
10年も大幅な販売拡大を見込み、当初は液晶テレビ3500万台、プラズマテレビ400万台を計画していた。上半期を終えた時点で新興国市場の拡大にW杯効果が重なり、想定以上に販売が好調なため、計画の大幅な上積みに踏み切る。
競争激化による価格下落に備え、高級タイプが多いLED搭載型の販売を強化。一方で2月末に他社に先駆け市場投入した3次元(3D)テレビは200万台だった当初目標を260万台に引き上げる。現在は基幹部品である3D用パネルの不足で「注文の8割にしか応じられない」(サムスン幹部)が、内製パネルの増産を急ぎ、8月から出荷ペースを引き上げる。
韓国のLG電子は10年に前年比49%増となる2900万台、ソニーは10年度に前年度比67%増となる2500万台を目指すとしている。米ディスプレイサーチは10年の薄型テレビの世界市場を前年比28%増の2億409万台になると予測している。
大阪府「貸金特区構想」、自見金融相が「適当ではない」
自見庄三郎金融相は6日の閣議後会見で、大阪府が検討している、改正貸金業法による上限金利の引き下げなど、一連の規制強化を一部地域で緩和する「構想改革特区」の設置構想について、「適当ではない」と否定的な見方を示した。
自見金融相は「特定地域での上限金利を上回るような貸し付けが行われ、刑罰の対象から除外することになれば、改正貸金業法で上限金利を引き下げた趣旨を損なう。地域によって刑罰が異なることになり、法の公正性に反する」との見解を示した。
6月に完全施行された改正貸金業法では、個人の借入総額を年収の3分の1までとする「総量規制」や、上限金利を年15%に引き下げる規制強化が実施された。だが主婦やフリーランスなどの個人や、中小零細事業者が借りられなく例が増え、ヤミ金に走るなどの弊害が指摘されていた。
大阪府の「貸金特区構想」は、中小事業者向けの1年以内の融資は、上限金利を改正前の29・2%に戻すほか、返済能力のある個人には総量規制を超えた無担保融資ができるよう緩和する。府内に本店を置く貸金業者が融資する際の適用を想定、顧客は大阪府民以外でも受け入れる。6日に政府に要望書を出す。
「iPhone 4は携帯キャリアの重荷に」とコンサルティング会社
米AppleのiPhone 4はアンテナの問題は別として、批評家や消費者に概ね好評を博しているが、このAppleの最新スマートフォンは携帯電話キャリアにとって、iPhoneのこれまでのモデルと同様の問題を引き起こすだろう――。デンマークの無線通信コンサルティング会社Strand Consultは7月5日付の報告書で、そう指摘している。
Strand ConsultはiPhoneが携帯キャリアに及ぼす影響について、2009年8月にも報告書を発表しているが、今回はその内容を引き継ぐ形で、次のように警告している。「iPhone 4は過去と同様の問題を改めて引き起こすことになるだろう。そして、おそらく業界では再び、新しいiPhone 4の高額な販売奨励金のせいで携帯キャリアが業績の下方修正を余儀なくされる事態が発生するだろう」
そしてStrand Consultは、携帯キャリアが金銭的な観点からiPhone 4を考察する上で着目すべき6つのポイントを指摘している。
まず1つは、iPhone 4の価格はこれまでのモデルと大差ないため、購入を促す追加の要因に欠けているという点だ。2つ目は、iPhone 4の新しいデザインはこれまでのモデルとそれほど大きく異なるものではないため、その点でも、あまり大きな購入の動機にはならないという点。そして3つ目は、iPhone 4の登場によって多くの新規加入者が携帯キャリアの窓口に押し寄せるようなことにはならないと予想される点だ。
「新しいiPhoneを購入するのは、ほとんどが既存のiPhoneユーザーということになるだろう」と報告書は指摘している。
続いて4つ目のポイントは、iPhoneをアップグレードしようという既存の顧客が、iPhoneを初めて購入しようという新規の顧客と比べてはるかに多いという事実が、携帯キャリアにどのような影響を及ぼすかという点だ。「おそらくiPhone 4はマイナスの意味で携帯キャリアの解約を促すことになり、その結果、携帯キャリアが負担する販売奨励金や取扱手数料のコストだけがうなぎ上りで増えることになるだろう」と報告書には記されている。
Strand Consultは前回の報告書においても、iPhoneが携帯キャリアに及ぼすマイナスの影響に言及し、その影響は一部の携帯キャリアだけでなく全体に及ぶものだと指摘している。
「われわれが世界の携帯電話事業者を対象に実施した調査によると、iPhoneの販売を手掛けたことで市場シェアや売上高、収益を伸ばせたという会社は1社もない。それどころか、iPhoneのせいで業績の下方修正を余儀なくされている事業者もあるくらいだ」とStrand Consultの2009年の報告書には記されている。
「ただし、iPhone 4の恩恵を受けることが予想される企業はAppleだけではない」とStrand Consultは指摘している。iPhone 4は従来の携帯キャリアを苦境に陥れる一方で――顧客は最新モデルにアップグレードして、古いモデルを友人や家族に売るなり譲るなりするだろうから――仮想移動体通信事業者(MVNO)には恩恵をもたらすことが予想される。MVNOとは、大手の通信事業者からネットワーク設備を借り受けて、独自ブランドでSIMカードを販売している業者のことだ。
「古いiPhoneを新たに手に入れたユーザーは、音声とデータのサービスをいちばん安価なところから購入することになるだろう。つまり、多くの国では、iPhoneユーザー向けに余分なサービス抜きでSIMオンリーのサービスを販売しているMVNOから、ということになる」と報告書には記されている。
Strand Consultが最後に指摘しているポイントは、Appleは強力なスマートフォン製品を投入し、広く一般からは、この業界の大将のように思われているが、実際のところ、同社に対する注目の高さは同社の市場シェアには不相応なものだという。
「現在、世界のiPhoneユーザーの総数はポーランドの人口と同じくらいだ。世界の携帯電話ユーザー数が11億人増加した間に、Appleは5100万台しか携帯端末を販売していない。同じ期間に、そのほかのメーカーが販売した携帯電話は34億台以上にのぼる」と報告書は指摘している。
「iPhone 4は結局のところ、多くの携帯キャリアにとって“お金のかかる新しい友人”となるのが落ちだ」とさらに報告書は続いている。これは、米国で現在iPhoneを独占販売しているAT&Tにとっては喜ばしいニュースではない。ただし、Verizon Wirelessは今のところ、自由の身だ。Verizon Wirelessは、AT&TのiPhone独占販売契約が期限切れとなる2011年1月にiPhoneの提供を開始するとみられている。
「携帯キャリアにとっては、iPhoneの顧客ベースが大きければ大きいほど、そして古ければ古いほど、iPhone 4によって生じるコストも大きくなるはずだ。今後、Appleの元からの大手のパートナー各社の多くは解約率の増加に見舞われ、向こう数カ月間は、販売奨励金や取扱手数料にかかるコストが業績にマイナスの影響を及ぼすことになるだろう」とStrand Consultは報告書で指摘している。
【東京新聞社説】
オバマ政権 見えぬ新たな米モデル
2010年7月6日
オバマ米大統領から雄弁さが消えて久しい。中間選挙を控え支持率も低迷したままだ。新自由主義路線からの転換を図りながら、新たな政権モデルは未(いま)だ明確ではない。今こそ将来像を語るべきだ。
独立記念日の四日に合わせ、メキシコ湾に面するルイジアナ州ポートサルファーからハリケーン襲来に怯(おび)える米国民の心情を伝えたコラムが目を引いた。
今なお続く原油流出被害がカトリーナ級の暴風雨でさらに広がり、漁業に依存するこの地域に取り返しのつかない惨事をもたらすのではないか。そんな地元民の不安と怒りを、現地式典に出演したバンド「アース・ウインド&ファイアー」(土と風と火)の名に託して記した人気コラムニストの記事だった。米市民の多くが抱く目下最大の懸念を代弁していた。
昨年、米国史上初の黒人大統領の誕生を後押ししたのは二つの大きな危機だった。百年に一度といわれた金融危機と、ブッシュ前政権からの負の遺産といわれたイラクとアフガニスタン、それぞれの戦争の行き詰まりだ。
約八千億ドル規模の緊急経済対策は一定の効果をあげ、当面の景気安定化へ道を開いた。二つの戦争についても、米軍撤退の出口戦略を示すに至った。政権側からすればもっと評価されていい成果かもしれない。しかし、国民の支持率は五割を割ったままだ。
危機の先に来るべき新たな国家像が見えないためだ。支持率低迷は、この春、事実上の国民皆保険に通じる医療改革法の成立以来続いている。自助精神を信条とする建国以来の伝統が崩れ、西欧型福祉国家に近づいているのではないか。国民の間に将来への不安があったとしても不思議ではない。10%近い水準に高止まりする失業率も、欧州の数字と符合する。
イスラム対話でも綻(ほころ)びが目立つ。対イラン核交渉で見せたトルコの調停への否定的対応は国際協調路線との食い違いを露呈し、アフガン政策では指導部批判したマクリスタル司令官の解任というドタバタ劇さえ演じた。
市民組織「茶会」による政府批判を活発化させている共和党陣営は足並みがバラバラだが、敵失に支えられたままの政権は危うい。
発足時のオバマ政権には、誤りは早期に謝罪し、修正する姿勢があった。しかし、再び取り戻せない性質の誤りもある。近づくハリケーン季節への国民の恐怖はそれを端的に物語っている。
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