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ドコモ、次世代エクスペリア来春投入、フォーマ端末でも「ドコモマーケット」提供
NTTドコモは今年度末までに新たにスマートフォン(高機能携帯電話)7機種を投入する。看板モデルである英ソニー・エリクソンの「エクスペリア」の後継機を来春に発売するほか、電子書籍型端末の発売も検討している。また、個人が開発するスマートフォン向けのソフトを、既存の携帯電話に転用できるサービスを11月にも始める。
今秋から年末にかけて最新の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)画面を搭載した韓国サムスン電子の「ギャラクシー」のほか、米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」のような電子書籍型端末などを投入する。
2011年春にはスマートフォンの看板製品であるソニー・エリクソンの「エクスペリア」の後継機も発売する予定だ。
また、企業などに限られていた「iモード」を使ったソフトへの参入規制を緩和する。個人の開発者が製作したスマートフォン用ソフトを、「iモード」を搭載した従来型の携帯電話向けにも配信できるようにする。
次世代データ通信で設備投資前倒し、NTTドコモ社長の一問一答
NTTドコモの山田隆持社長は6日、インタビューに応じた。一問一答は次の通り。
--総務省が6月末、SIMロックの解除を求める指針を打ち出した
「来年4月から販売する携帯電話端末は原則、SIMロック解除機能を搭載する方向で準備を進める。夏モデル以降になる」
--「エクスペリア」などのスマートフォン(高機能携帯電話)戦略は
「市場は全体的に拡大していくだろう。ドコモとしてはシェア5割に近づけたい。スマートフォンは冬モデルでこれまで5機種の投入を予定していたが、7機種程度に増やしたい」
--携帯電話でも光回線並みに高速の通信速度が可能となる次世代高速データ通信規格「LTE」について、他社に先駆け12月から商用サービスを始めるが
「5年後に51%のエリアカバー率を目指す。従来は平成22~26年度の5カ年計画で基地局整備に約3500億円投資する考えだったが、これを前倒しし、22~24年度に3千億円程度の投資を行いたい」
--次世代マルチメディア放送の事業免許取得をめぐり、ドコモ陣営とKDDI陣営が争っており、総務省が今月中にもどちらかに与える方針だ
「ドコモ陣営には強みが3つある。放送局も出資しているので優良コンテンツを多く集められるほか、インフラ投資を抑えて手ごろな料金が可能なことや対応端末数が多いことだ」
ドコモ主導権狙う、SIMロックの解除 利用者確保で利害対立
NTTドコモが平成23年4月以降に発売する携帯電話の全機種について、特定の通信会社の回線でしか使えないように制限する「SIMロック」を解除できるようにするのは、他社に先駆けた対応でSIMロック解除への動きを主導する狙いがある。各社が全面的に解除した場合、全国に回線網を持つドコモが有利とされており、ライバルを同じ土俵に上げることで利用者を奪おうとする戦略だ。
総務省が6月、通信各社に対しSIMロック解除を行うよう指針を策定した後も、ドコモは「利用者の要望があれば」と明確な方針を示してこなかった。
それが一転して全機種解除を打ち出すとともに、山田隆持社長が各社の共同歩調を求めたのは、各社がSIMロックを一斉に解除すれば、ドコモが他社の顧客を奪えるという自信があるためだ。その背景には、全国に基地局を設置、携帯の無線ネットワークを構築しているドコモは他社よりも「つながりやすい」といわれている事情がある。
これに対して、周波数や基地局設置で後塵を拝するソフトバンクは解除に消極的とされる。孫正義社長は「端末の値段が4万円以上高くなる」と述べ、解除に対応する端末を2割強にとどめる方針を掲げる。
一方、米クアルコムの規格を採用しているKDDIの端末はドコモやソフトバンクと互換性がなく、SIMロックを解除しても同じ端末を相互に利用することはできない。
ただ、KDDIも次世代の高速データ通信規格をめぐっては、ドコモやソフトバンクと同じ「LTE」の採用を決めており、将来的にはドコモなどと同じ規格に軸足を移し、互換性を得られる可能性もある。その場合、ロック解除への対応の遅れが影響する懸念もある。
大手各社が三者三様の思惑をみせる一方、利用者にとっての恩恵は不透明な面が多い。例えば、ドコモの場合、「iモード」や「iチャネル」など付加価値サービスは、SIMロックを解除しても他社端末で利用できないとされる。
「利用者の利便は当面、同じ端末で海外のサービスが利用しやすくなることぐらい」(通信事業者)といわれ、総務省が掲げる「料金低廉化」や「新規参入促進」などの効果は期待できそうにない。
(ゲーム新時代 台頭する新勢力)(下)ソフト価格崩壊 無料・交流型が急成長
米サンフランシスコ中心部のゲームソフト専門店。随所に「SALE」の文字が踊り、日本で5000円以上する「スーパーマリオ」が半値以下の20ドル(約1800円)で売られていた。
50万種類が稼働
世界最大の市場、米国で横行するソフトの値引き販売には日本のゲームソフト会社も危機感を募らせる。不況の影響もあるが、インターネット上に「無料ゲーム」があふれ消費者がゲームにあまり金を使わなくなった。
その無料ゲーム市場をけん引するのが、設立から2年弱のジンガ(サンフランシスコ)だ。同社の看板ゲーム「ファームビル」は交流サイト「フェースブック」上で利用できる。農場を経営して規模の拡大を目指す内容で、友人同士で情報を交換しながらゲームを進めていく。米国を中心に1億人がこのゲームを楽しんでいる。
5億人の会員を抱えるフェースブックでは「ソーシャルゲーム」と呼ぶこうした交流型のゲームが50万種類以上稼働中。プレー料金はほとんどが無料で、ゲームを有利に進めるためのアイテムの販売で稼ぐ仕組みだ。
低コストで開発
ゲーム制作の手法も従来の家庭用ゲームとは一線を画す。ファームビルは約10人の制作者がほぼ1カ月で開発した。ジンガのマーク・スカッグス商品開発部門長は「とにかく早く制作し利用者の要望に合わせて修正を重ねていく」と説明する。
一方、日本の家庭用ゲームは「ドラゴンクエスト」など大作になると約200人の制作者が5年以上かけてつくる。それでも最も売れた「ドラクエ9」で420万本。ファームビルの利用者の20分の1以下だ。1本数千円なら巨利を得られるが、日本でも高値販売が続けられるとは限らない。
実際、ゲームのソーシャル化は日本にも広がってきた。ディー・エヌ・エー、グリーなどゲームを主力とする交流サイトが急成長。ミクシィも加えた大手3社の会員数は約5800万人と1年で3割増えた。ジンガもソフトバンクと提携し日本市場進出を検討中だ。
ゲームソフト大手ではバンダイナムコゲームス、セガなどが家庭用ゲーム機向けの有力ソフトをミクシィなどで配信。システム開発のドリコムやネット広告のサイバーエージェント子会社など新規参入も相次ぐ。
身軽なベンチャーなら交流型ゲームの開発費は数百万円。それで人気に火が付けばアイテム販売で毎月1億円以上の収入を見込める。だが大手の多くは高コスト体質から抜け出せず「ヒットしても採算が合わない」(大手幹部)のが実情だ。
ゲームの作り方や課金の仕方、利用者の囲い込み方――。すべてが大きく変わりつつある。米国のように数十万種類ものゲームがひしめくようになれば、消費者に知ってもらうのにも工夫がいる。ネット時代の変化のスピードにどうついていくか。世界の市場をけん引してきた日本のゲームソフト会社が岐路に立たされている。
ルネサス、ノキアから携帯中核部品事業を買収
半導体大手のルネサスエレクトロニクスは6日、携帯電話端末世界最大手のノキアから携帯電話に使う通信用中核部品の「ワイヤレスモデム」事業を買収すると発表した。2010年末までに2億ドル(約180億円)で買収して技術者1100人を受け入れる。「LTE」など次世代高速通信サービスに対応した製品開発を加速、海外でモバイル端末向けシステムLSI(大規模集積回路)の拡販体制を整える。
ワイヤレスモデムは携帯電話のデータ信号を通信方式に合わせて変換する部品。これまではルネサスエレがノキアからライセンス供与を受けて、モデムをシステムLSIに搭載してきた。
ノキアが事業再編で同部門のリストラに踏み切るのに対し、海外事業強化を目指すルネサスエレが名乗りを上げた。赤尾泰社長は「海外市場でモバイル分野向けのシステムLSI事業を強化する」と狙いを語った。
ルネサスエレはモデム回路やソフトウエア設計図などIP(知的財産)、評価装置類を引き継ぐ。フィンランド、インド、英国など海外拠点に散らばる同部門の従業員も移る。人件費や開発を合わせて年約100億円の費用負担が発生する。
買収後はノキアから引き継ぐ技術資産と開発陣を活用。モデム、画像処理用システムLSI、電源管理半導体を一体化したチップセットの製品開発スピードを速める。
両社は次世代モデム技術の長期的な共同開発でも合意。「LTE」や「HSPA+」など次世代高速通信サービスに対応したシステムLSI開発にプラスとなりそうだ。
LTE向けでは米クアルコムや欧州半導体大手STエリクソンと競合するが、「あらゆる基本機能を搭載したシステムLSIを提供できる力を得た」(赤尾社長)。15年度に携帯電話を含むモバイル分野の売上高を「09年度の約4倍の4千億円に増やす」計画だ。
ルネサスエレの顧客は従来、NTTドコモ向けに携帯電話端末を供給する国内メーカーが多かった。このため10年に入って海外増販戦略を模索。6月には携帯電話向け基本ソフトで世界最大シェアの「シンビアン」の普及団体、シンビアン・ファンデーションに参加。幅広い海外携帯端末メーカー向けのシステムLSI開発に着手している。
国内電子書籍市場、14年度1300億円超に 民間調べ
調査会社のインプレスR&D(東京・千代田)によると、情報端末で読める小説やマンガなど電子書籍の国内市場(販売額ベース)は、2014年度に1300億円を超える見通しだ。米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」など持ち運びやすい高性能端末がけん引役になり、09年度比で2.3倍に拡大する。
スマートフォン(高機能携帯電話)や電子書籍専用端末も含めた「新型端末」向けの販売額は、09年度の6億円から11年度に約60億円、14年度に600億円以上に急増すると予測している。
一方、09年度に全体の9割を占めた携帯電話向けは、12年度をピークに600億円台後半で需要が頭打ちになる。手軽に読めるマンガや若者向け小説が人気を集めてきたが、「携帯電話からスマートフォンに移行する人が増える」(インプレスR&D)こともあり、14年度に新型端末が追い付く。ソニーが年内にも電子書籍端末を国内投入するなど、国内メーカーから新型端末が相次ぐことも追い風とみている。
09年度実績は前年度比23.7%増の574億円と推計。うち携帯電話向けは513億円。パソコン向けは55億円で2年連続の減少。
西日本スポーツ「電子新聞」を発刊
西日本新聞社は2010年7月14日に、同社が発行する「西日本スポーツ」の電子版「西スポPICK UP」を発刊する。紙面をPDFファイル形式にしたものを、地方紙や専門紙のデジタル版を取り扱うウェブサイト「新聞オンライン.COM」で販売する。
紙面には、プロ野球・福岡ソフトバンクホークスを中心に、Jリーグなど九州のプロ・アマチュアスポーツの情報が掲載される。約10ページの電子新聞として、14日から毎朝6時に配信。利用者はパソコンから「新聞オンライン.COM」にアクセスし、ウェブ上で閲覧する。購読者の対象は、九州(沖縄を除く)以外の全国在住者。購読料は、月額(30日)1575円。
「ニコ動」でライブ、演劇を生中継 主役にはホリエモン起用
動画共有サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴは6日、都内で新事業発表会を開き、音楽ライブや演劇の生中継事業を8月から始めると発表した。実際の会場で見るための「リアルチケット」を一般のプレイガイドで販売する一方で、「ネットチケット」をニコニコ動画で販売。チケットを購入した人だけが生中継を見られるようにする。
生中継するのは、ニコ動ユーザーによる音楽ライブ「ニコニコ大会議」とミュージカル3作品。「ニコニコ大会議」は昨年も開催し、好評だったが、今年も8月から全国各地で開く。一方、ミュージカルは外部から演出家や役者を招き3作品を制作。年末から順次上演し、生中継する計画だ。
生中継では著作権対策も重視。チケットの“席番”のすかしを動画に挿入するなどの方法で、違法コピーが出回った場合でもユーザーを追跡、特定できるようにする。
同社の夏野剛取締役は、今回の試みについて「単なるニコ動のプロモーションではなく、収益化して長い時間システムが回る仕組みにしたい」とその狙いを話した。2003年にミュージカル「テニスの王子様」のプロデュースを手がけた片岡義朗執行役員は、現状の舞台公演は見られる人数が限られている問題点を指摘。公演をネットでライブ中継することによって、チケットの低価格化、視聴機会の増加に加え、「『ネットは無料』という概念の是正に貢献できる」としている。
ニコ動が制作する公演のほかにも、7月に行われるGACKTさんの欧州公演などが同様のチケット販売体制で生中継される予定だが、アマチュアの小劇団やバンドによる利用は「まだ未定」(広報部)という。
今回制作するミュージカル3作品のひとつ、名作「クリスマスキャロル」の主役にはライブドア元社長の堀江貴文氏を起用した。奇しくも拝金主義へのアンチテーゼを描く同作だが、実際に稽古を体験した堀江氏は「IT業界で味わえなかった一体感」と手応えを感じている様子。現在はスキップも満足にできないという体型が気になるが、「体重20キロ減」を公約に掲げて本番に臨む。堀江氏の公演は12月22日~26日、東京・銀座の博品館劇場で行う。
【大相撲中継中止】スポンサー、自治体…影響広がる 受刑者の楽しみも減退
NHKが6日、大相撲名古屋場所(11日初日)の生中継中止を決めた。相撲界に非があるとはいえ、昭和3年のラジオ、28年のテレビ中継開始後、初となる深刻な事態だ。角界だけでなく、ファン、スポンサー、自治体…、多くの人が中継に熱い思いを寄せてきた。「残念」「仕方ない」などの複雑な思いと波紋が広がる。
■PR効果期待組
口蹄(こうてい)疫問題で揺れる宮崎県。昭和61年11月の九州場所から、優勝力士に宮崎牛1頭を贈ってきた。千秋楽で知事が「宮崎牛1頭を贈呈!」と読み上げる場面は、NHKで中継されることで絶大なPR効果を発揮してきた。
県畜産課の担当者は「大相撲中継を通して、落ち込んでいる県の畜産業を奮い立たせるためにも、全国に宮崎牛の良さを伝えたかった」と残念がる。
「口蹄疫問題では角界から多くの支援をいただいており、関係は簡単には切れない」という一方で、中継による宣伝効果を期待してきただけに、表彰自粛も選択肢に入っていることを示唆した。
NHKの放送はCMがないが、懸賞幕や表彰式などで企業名が露出する場面はそのまま中継される。
NHKの決定に歩調を合わせるように、日本コカ・コーラと全国農業協同組合連合会(全農)も6日、優勝力士への記念品贈呈取りやめを決めた。全農は50万円相当のちゃんこ具材など、コカ・コーラは現金40万円を、いずれも30年近くにわたって提供し続けてきた。「不祥事に厳しく対応する」こと以外にも、企業イメージの低下や、中継がないことのデメリットも考慮した末の決断とみられている。
■裏番組
往年の勢いはないとはいえ、NHKの中継は10%前後の視聴率を生み出してきた。中継中止で裏番組の視聴率も影響は必至だ。
視聴者層が重なることから、相撲開催中には視聴率が必ず落ちるといわれているのが、日本テレビの看板番組「笑点」(日曜放送)。日本テレビは「われわれは粛々と自分の番組を放映するだけ。他局の決定にコメントする立場にはない」と慎重だった。
■刑務所
受刑者の自由時間に大相撲中継の視聴を許可している各地の刑務所も影響を受ける。土俵脇に席を取った暴力団がNHKの中継画面に映ることで、獄中の組関係者に存在を誇示していたという問題も発覚した。
法務省の担当者は、「大相撲中継は多くの受刑者からのニーズがある」という。ダイジェスト版については、「各刑務所で判断することになる」(担当者)といい、数少ない楽しみが消える刑務所もありそう。
■日系社会
海外で暮らす日本人にとって大相撲と紅白歌合戦は、祖国を懐かしませる最大の番組だ。
100万人を超える日系人がいるブラジルでは、相撲中継は日系1、2世らを中心に高い人気を誇る。時差の関係で早朝となる中継を早起きして観戦。そのために受信機器を調える人も多いという。
サンパウロにあるブラジル日本商工会議所の平田藤義事務局長は、「場所が中止されるという話もあり、ずっと心配していた。開催されるということだけでもありがたいと思っている」と話す。「すべての放送が無くなるわけではなく、ダイジェスト版が放映されるということを聞いてほっとしている」とも。
名古屋場所ではサンパウロ出身の力士、魁聖が新十両として土俵を踏むだけに、現地では「残念」の声が多く出ているという。
日経社説
レクサスでも陰る品質神話
トヨタ自動車が再びリコール(回収・無償修理)を実施する。国内外を合わせ、27万台が対象だ。
同社では昨秋以降、ハイブリッド車などで不具合が続き、世界で800万台近いリコールを余儀なくされた。だが、今回のリコール対象は8車種のうち7車種が「トヨタ」でなく「レクサス」のブランドだ。
日本の最高品質を象徴するレクサスのリコール問題の影響は大きい。トヨタは1990~2000年代半ば、部品の不良率が100万個作って30個以下と世界最高の水準にあった。そうした勢いを駆ってレクサスでは不良率ゼロを目指し、品質に磨きをかけてきたはずだった。
異常はエンジンの吸排気弁のばねにあった。製造中に異物が混入し、強度が弱いものだと運転中に折れ、エンジンが止まってしまう。
生産したのは部品メーカーだが、トヨタは3年間も不具合を見逃し、使っていた。部品調達の仕組みに問題はなかったか、しっかりと検証し公表する必要がある。
それにしても、今回のリコールはこれまでのものとは異質だ。トヨタが今年に入って実施したリコールは主に2種類だった。1つは原因が海外で調達した部品にあるケース、もう1つは技術の高度化によるケースである。
前者はトヨタが世界に事業を拡大する過程で、品質確保がおろそかになっていたために引き起こされた。後者は自動車の世界でIT(情報技術)を駆使した電子制御やソフトウエア技術の比重が増したために起きたリコールだった。
だが、今回のレクサスのリコールは車のエレクトロニクス化や部品の海外調達とは関係がない。問題を起こしたのはトヨタが長い年月をかけ育ててきた部品メーカーであり、原因は合金や機械加工技術にあった。
問題は意外に根深い可能性がある。トヨタは今回、これまでのリコールの反省に立ち、国土交通省に届け出るまでの手続きを迅速に進めたという。だが、これだけでは不十分であり、国内の部品調達システムを早急に点検し直す必要がある。日本のものづくりが揺らぎかねないというくらいの強い危機感で、原因究明と問題解決に取り組んでほしい。
NTTドコモは今年度末までに新たにスマートフォン(高機能携帯電話)7機種を投入する。看板モデルである英ソニー・エリクソンの「エクスペリア」の後継機を来春に発売するほか、電子書籍型端末の発売も検討している。また、個人が開発するスマートフォン向けのソフトを、既存の携帯電話に転用できるサービスを11月にも始める。
今秋から年末にかけて最新の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)画面を搭載した韓国サムスン電子の「ギャラクシー」のほか、米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」のような電子書籍型端末などを投入する。
2011年春にはスマートフォンの看板製品であるソニー・エリクソンの「エクスペリア」の後継機も発売する予定だ。
また、企業などに限られていた「iモード」を使ったソフトへの参入規制を緩和する。個人の開発者が製作したスマートフォン用ソフトを、「iモード」を搭載した従来型の携帯電話向けにも配信できるようにする。
次世代データ通信で設備投資前倒し、NTTドコモ社長の一問一答
NTTドコモの山田隆持社長は6日、インタビューに応じた。一問一答は次の通り。
--総務省が6月末、SIMロックの解除を求める指針を打ち出した
「来年4月から販売する携帯電話端末は原則、SIMロック解除機能を搭載する方向で準備を進める。夏モデル以降になる」
--「エクスペリア」などのスマートフォン(高機能携帯電話)戦略は
「市場は全体的に拡大していくだろう。ドコモとしてはシェア5割に近づけたい。スマートフォンは冬モデルでこれまで5機種の投入を予定していたが、7機種程度に増やしたい」
--携帯電話でも光回線並みに高速の通信速度が可能となる次世代高速データ通信規格「LTE」について、他社に先駆け12月から商用サービスを始めるが
「5年後に51%のエリアカバー率を目指す。従来は平成22~26年度の5カ年計画で基地局整備に約3500億円投資する考えだったが、これを前倒しし、22~24年度に3千億円程度の投資を行いたい」
--次世代マルチメディア放送の事業免許取得をめぐり、ドコモ陣営とKDDI陣営が争っており、総務省が今月中にもどちらかに与える方針だ
「ドコモ陣営には強みが3つある。放送局も出資しているので優良コンテンツを多く集められるほか、インフラ投資を抑えて手ごろな料金が可能なことや対応端末数が多いことだ」
ドコモ主導権狙う、SIMロックの解除 利用者確保で利害対立
NTTドコモが平成23年4月以降に発売する携帯電話の全機種について、特定の通信会社の回線でしか使えないように制限する「SIMロック」を解除できるようにするのは、他社に先駆けた対応でSIMロック解除への動きを主導する狙いがある。各社が全面的に解除した場合、全国に回線網を持つドコモが有利とされており、ライバルを同じ土俵に上げることで利用者を奪おうとする戦略だ。
総務省が6月、通信各社に対しSIMロック解除を行うよう指針を策定した後も、ドコモは「利用者の要望があれば」と明確な方針を示してこなかった。
それが一転して全機種解除を打ち出すとともに、山田隆持社長が各社の共同歩調を求めたのは、各社がSIMロックを一斉に解除すれば、ドコモが他社の顧客を奪えるという自信があるためだ。その背景には、全国に基地局を設置、携帯の無線ネットワークを構築しているドコモは他社よりも「つながりやすい」といわれている事情がある。
これに対して、周波数や基地局設置で後塵を拝するソフトバンクは解除に消極的とされる。孫正義社長は「端末の値段が4万円以上高くなる」と述べ、解除に対応する端末を2割強にとどめる方針を掲げる。
一方、米クアルコムの規格を採用しているKDDIの端末はドコモやソフトバンクと互換性がなく、SIMロックを解除しても同じ端末を相互に利用することはできない。
ただ、KDDIも次世代の高速データ通信規格をめぐっては、ドコモやソフトバンクと同じ「LTE」の採用を決めており、将来的にはドコモなどと同じ規格に軸足を移し、互換性を得られる可能性もある。その場合、ロック解除への対応の遅れが影響する懸念もある。
大手各社が三者三様の思惑をみせる一方、利用者にとっての恩恵は不透明な面が多い。例えば、ドコモの場合、「iモード」や「iチャネル」など付加価値サービスは、SIMロックを解除しても他社端末で利用できないとされる。
「利用者の利便は当面、同じ端末で海外のサービスが利用しやすくなることぐらい」(通信事業者)といわれ、総務省が掲げる「料金低廉化」や「新規参入促進」などの効果は期待できそうにない。
(ゲーム新時代 台頭する新勢力)(下)ソフト価格崩壊 無料・交流型が急成長
米サンフランシスコ中心部のゲームソフト専門店。随所に「SALE」の文字が踊り、日本で5000円以上する「スーパーマリオ」が半値以下の20ドル(約1800円)で売られていた。
50万種類が稼働
世界最大の市場、米国で横行するソフトの値引き販売には日本のゲームソフト会社も危機感を募らせる。不況の影響もあるが、インターネット上に「無料ゲーム」があふれ消費者がゲームにあまり金を使わなくなった。
その無料ゲーム市場をけん引するのが、設立から2年弱のジンガ(サンフランシスコ)だ。同社の看板ゲーム「ファームビル」は交流サイト「フェースブック」上で利用できる。農場を経営して規模の拡大を目指す内容で、友人同士で情報を交換しながらゲームを進めていく。米国を中心に1億人がこのゲームを楽しんでいる。
5億人の会員を抱えるフェースブックでは「ソーシャルゲーム」と呼ぶこうした交流型のゲームが50万種類以上稼働中。プレー料金はほとんどが無料で、ゲームを有利に進めるためのアイテムの販売で稼ぐ仕組みだ。
低コストで開発
ゲーム制作の手法も従来の家庭用ゲームとは一線を画す。ファームビルは約10人の制作者がほぼ1カ月で開発した。ジンガのマーク・スカッグス商品開発部門長は「とにかく早く制作し利用者の要望に合わせて修正を重ねていく」と説明する。
一方、日本の家庭用ゲームは「ドラゴンクエスト」など大作になると約200人の制作者が5年以上かけてつくる。それでも最も売れた「ドラクエ9」で420万本。ファームビルの利用者の20分の1以下だ。1本数千円なら巨利を得られるが、日本でも高値販売が続けられるとは限らない。
実際、ゲームのソーシャル化は日本にも広がってきた。ディー・エヌ・エー、グリーなどゲームを主力とする交流サイトが急成長。ミクシィも加えた大手3社の会員数は約5800万人と1年で3割増えた。ジンガもソフトバンクと提携し日本市場進出を検討中だ。
ゲームソフト大手ではバンダイナムコゲームス、セガなどが家庭用ゲーム機向けの有力ソフトをミクシィなどで配信。システム開発のドリコムやネット広告のサイバーエージェント子会社など新規参入も相次ぐ。
身軽なベンチャーなら交流型ゲームの開発費は数百万円。それで人気に火が付けばアイテム販売で毎月1億円以上の収入を見込める。だが大手の多くは高コスト体質から抜け出せず「ヒットしても採算が合わない」(大手幹部)のが実情だ。
ゲームの作り方や課金の仕方、利用者の囲い込み方――。すべてが大きく変わりつつある。米国のように数十万種類ものゲームがひしめくようになれば、消費者に知ってもらうのにも工夫がいる。ネット時代の変化のスピードにどうついていくか。世界の市場をけん引してきた日本のゲームソフト会社が岐路に立たされている。
ルネサス、ノキアから携帯中核部品事業を買収
半導体大手のルネサスエレクトロニクスは6日、携帯電話端末世界最大手のノキアから携帯電話に使う通信用中核部品の「ワイヤレスモデム」事業を買収すると発表した。2010年末までに2億ドル(約180億円)で買収して技術者1100人を受け入れる。「LTE」など次世代高速通信サービスに対応した製品開発を加速、海外でモバイル端末向けシステムLSI(大規模集積回路)の拡販体制を整える。
ワイヤレスモデムは携帯電話のデータ信号を通信方式に合わせて変換する部品。これまではルネサスエレがノキアからライセンス供与を受けて、モデムをシステムLSIに搭載してきた。
ノキアが事業再編で同部門のリストラに踏み切るのに対し、海外事業強化を目指すルネサスエレが名乗りを上げた。赤尾泰社長は「海外市場でモバイル分野向けのシステムLSI事業を強化する」と狙いを語った。
ルネサスエレはモデム回路やソフトウエア設計図などIP(知的財産)、評価装置類を引き継ぐ。フィンランド、インド、英国など海外拠点に散らばる同部門の従業員も移る。人件費や開発を合わせて年約100億円の費用負担が発生する。
買収後はノキアから引き継ぐ技術資産と開発陣を活用。モデム、画像処理用システムLSI、電源管理半導体を一体化したチップセットの製品開発スピードを速める。
両社は次世代モデム技術の長期的な共同開発でも合意。「LTE」や「HSPA+」など次世代高速通信サービスに対応したシステムLSI開発にプラスとなりそうだ。
LTE向けでは米クアルコムや欧州半導体大手STエリクソンと競合するが、「あらゆる基本機能を搭載したシステムLSIを提供できる力を得た」(赤尾社長)。15年度に携帯電話を含むモバイル分野の売上高を「09年度の約4倍の4千億円に増やす」計画だ。
ルネサスエレの顧客は従来、NTTドコモ向けに携帯電話端末を供給する国内メーカーが多かった。このため10年に入って海外増販戦略を模索。6月には携帯電話向け基本ソフトで世界最大シェアの「シンビアン」の普及団体、シンビアン・ファンデーションに参加。幅広い海外携帯端末メーカー向けのシステムLSI開発に着手している。
国内電子書籍市場、14年度1300億円超に 民間調べ
調査会社のインプレスR&D(東京・千代田)によると、情報端末で読める小説やマンガなど電子書籍の国内市場(販売額ベース)は、2014年度に1300億円を超える見通しだ。米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」など持ち運びやすい高性能端末がけん引役になり、09年度比で2.3倍に拡大する。
スマートフォン(高機能携帯電話)や電子書籍専用端末も含めた「新型端末」向けの販売額は、09年度の6億円から11年度に約60億円、14年度に600億円以上に急増すると予測している。
一方、09年度に全体の9割を占めた携帯電話向けは、12年度をピークに600億円台後半で需要が頭打ちになる。手軽に読めるマンガや若者向け小説が人気を集めてきたが、「携帯電話からスマートフォンに移行する人が増える」(インプレスR&D)こともあり、14年度に新型端末が追い付く。ソニーが年内にも電子書籍端末を国内投入するなど、国内メーカーから新型端末が相次ぐことも追い風とみている。
09年度実績は前年度比23.7%増の574億円と推計。うち携帯電話向けは513億円。パソコン向けは55億円で2年連続の減少。
西日本スポーツ「電子新聞」を発刊
西日本新聞社は2010年7月14日に、同社が発行する「西日本スポーツ」の電子版「西スポPICK UP」を発刊する。紙面をPDFファイル形式にしたものを、地方紙や専門紙のデジタル版を取り扱うウェブサイト「新聞オンライン.COM」で販売する。
紙面には、プロ野球・福岡ソフトバンクホークスを中心に、Jリーグなど九州のプロ・アマチュアスポーツの情報が掲載される。約10ページの電子新聞として、14日から毎朝6時に配信。利用者はパソコンから「新聞オンライン.COM」にアクセスし、ウェブ上で閲覧する。購読者の対象は、九州(沖縄を除く)以外の全国在住者。購読料は、月額(30日)1575円。
「ニコ動」でライブ、演劇を生中継 主役にはホリエモン起用
動画共有サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴは6日、都内で新事業発表会を開き、音楽ライブや演劇の生中継事業を8月から始めると発表した。実際の会場で見るための「リアルチケット」を一般のプレイガイドで販売する一方で、「ネットチケット」をニコニコ動画で販売。チケットを購入した人だけが生中継を見られるようにする。
生中継するのは、ニコ動ユーザーによる音楽ライブ「ニコニコ大会議」とミュージカル3作品。「ニコニコ大会議」は昨年も開催し、好評だったが、今年も8月から全国各地で開く。一方、ミュージカルは外部から演出家や役者を招き3作品を制作。年末から順次上演し、生中継する計画だ。
生中継では著作権対策も重視。チケットの“席番”のすかしを動画に挿入するなどの方法で、違法コピーが出回った場合でもユーザーを追跡、特定できるようにする。
同社の夏野剛取締役は、今回の試みについて「単なるニコ動のプロモーションではなく、収益化して長い時間システムが回る仕組みにしたい」とその狙いを話した。2003年にミュージカル「テニスの王子様」のプロデュースを手がけた片岡義朗執行役員は、現状の舞台公演は見られる人数が限られている問題点を指摘。公演をネットでライブ中継することによって、チケットの低価格化、視聴機会の増加に加え、「『ネットは無料』という概念の是正に貢献できる」としている。
ニコ動が制作する公演のほかにも、7月に行われるGACKTさんの欧州公演などが同様のチケット販売体制で生中継される予定だが、アマチュアの小劇団やバンドによる利用は「まだ未定」(広報部)という。
今回制作するミュージカル3作品のひとつ、名作「クリスマスキャロル」の主役にはライブドア元社長の堀江貴文氏を起用した。奇しくも拝金主義へのアンチテーゼを描く同作だが、実際に稽古を体験した堀江氏は「IT業界で味わえなかった一体感」と手応えを感じている様子。現在はスキップも満足にできないという体型が気になるが、「体重20キロ減」を公約に掲げて本番に臨む。堀江氏の公演は12月22日~26日、東京・銀座の博品館劇場で行う。
【大相撲中継中止】スポンサー、自治体…影響広がる 受刑者の楽しみも減退
NHKが6日、大相撲名古屋場所(11日初日)の生中継中止を決めた。相撲界に非があるとはいえ、昭和3年のラジオ、28年のテレビ中継開始後、初となる深刻な事態だ。角界だけでなく、ファン、スポンサー、自治体…、多くの人が中継に熱い思いを寄せてきた。「残念」「仕方ない」などの複雑な思いと波紋が広がる。
■PR効果期待組
口蹄(こうてい)疫問題で揺れる宮崎県。昭和61年11月の九州場所から、優勝力士に宮崎牛1頭を贈ってきた。千秋楽で知事が「宮崎牛1頭を贈呈!」と読み上げる場面は、NHKで中継されることで絶大なPR効果を発揮してきた。
県畜産課の担当者は「大相撲中継を通して、落ち込んでいる県の畜産業を奮い立たせるためにも、全国に宮崎牛の良さを伝えたかった」と残念がる。
「口蹄疫問題では角界から多くの支援をいただいており、関係は簡単には切れない」という一方で、中継による宣伝効果を期待してきただけに、表彰自粛も選択肢に入っていることを示唆した。
NHKの放送はCMがないが、懸賞幕や表彰式などで企業名が露出する場面はそのまま中継される。
NHKの決定に歩調を合わせるように、日本コカ・コーラと全国農業協同組合連合会(全農)も6日、優勝力士への記念品贈呈取りやめを決めた。全農は50万円相当のちゃんこ具材など、コカ・コーラは現金40万円を、いずれも30年近くにわたって提供し続けてきた。「不祥事に厳しく対応する」こと以外にも、企業イメージの低下や、中継がないことのデメリットも考慮した末の決断とみられている。
■裏番組
往年の勢いはないとはいえ、NHKの中継は10%前後の視聴率を生み出してきた。中継中止で裏番組の視聴率も影響は必至だ。
視聴者層が重なることから、相撲開催中には視聴率が必ず落ちるといわれているのが、日本テレビの看板番組「笑点」(日曜放送)。日本テレビは「われわれは粛々と自分の番組を放映するだけ。他局の決定にコメントする立場にはない」と慎重だった。
■刑務所
受刑者の自由時間に大相撲中継の視聴を許可している各地の刑務所も影響を受ける。土俵脇に席を取った暴力団がNHKの中継画面に映ることで、獄中の組関係者に存在を誇示していたという問題も発覚した。
法務省の担当者は、「大相撲中継は多くの受刑者からのニーズがある」という。ダイジェスト版については、「各刑務所で判断することになる」(担当者)といい、数少ない楽しみが消える刑務所もありそう。
■日系社会
海外で暮らす日本人にとって大相撲と紅白歌合戦は、祖国を懐かしませる最大の番組だ。
100万人を超える日系人がいるブラジルでは、相撲中継は日系1、2世らを中心に高い人気を誇る。時差の関係で早朝となる中継を早起きして観戦。そのために受信機器を調える人も多いという。
サンパウロにあるブラジル日本商工会議所の平田藤義事務局長は、「場所が中止されるという話もあり、ずっと心配していた。開催されるということだけでもありがたいと思っている」と話す。「すべての放送が無くなるわけではなく、ダイジェスト版が放映されるということを聞いてほっとしている」とも。
名古屋場所ではサンパウロ出身の力士、魁聖が新十両として土俵を踏むだけに、現地では「残念」の声が多く出ているという。
日経社説
レクサスでも陰る品質神話
トヨタ自動車が再びリコール(回収・無償修理)を実施する。国内外を合わせ、27万台が対象だ。
同社では昨秋以降、ハイブリッド車などで不具合が続き、世界で800万台近いリコールを余儀なくされた。だが、今回のリコール対象は8車種のうち7車種が「トヨタ」でなく「レクサス」のブランドだ。
日本の最高品質を象徴するレクサスのリコール問題の影響は大きい。トヨタは1990~2000年代半ば、部品の不良率が100万個作って30個以下と世界最高の水準にあった。そうした勢いを駆ってレクサスでは不良率ゼロを目指し、品質に磨きをかけてきたはずだった。
異常はエンジンの吸排気弁のばねにあった。製造中に異物が混入し、強度が弱いものだと運転中に折れ、エンジンが止まってしまう。
生産したのは部品メーカーだが、トヨタは3年間も不具合を見逃し、使っていた。部品調達の仕組みに問題はなかったか、しっかりと検証し公表する必要がある。
それにしても、今回のリコールはこれまでのものとは異質だ。トヨタが今年に入って実施したリコールは主に2種類だった。1つは原因が海外で調達した部品にあるケース、もう1つは技術の高度化によるケースである。
前者はトヨタが世界に事業を拡大する過程で、品質確保がおろそかになっていたために引き起こされた。後者は自動車の世界でIT(情報技術)を駆使した電子制御やソフトウエア技術の比重が増したために起きたリコールだった。
だが、今回のレクサスのリコールは車のエレクトロニクス化や部品の海外調達とは関係がない。問題を起こしたのはトヨタが長い年月をかけ育ててきた部品メーカーであり、原因は合金や機械加工技術にあった。
問題は意外に根深い可能性がある。トヨタは今回、これまでのリコールの反省に立ち、国土交通省に届け出るまでの手続きを迅速に進めたという。だが、これだけでは不十分であり、国内の部品調達システムを早急に点検し直す必要がある。日本のものづくりが揺らぎかねないというくらいの強い危機感で、原因究明と問題解決に取り組んでほしい。
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