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ドコモ、ARに本腰――PRIMEシリーズ冬モデルにAR機能を搭載
 NTTドコモが冬モデルのPRIMEシリーズ全機種に、AR(拡張現実)機能を搭載する予定であることが分かった。
 NTTドコモ 編成統括部の部長を務める原田由佳氏が、「ケータイコンテンツの取り組み 2010」と題したワイヤレスジャパンの講演の中で明らかにしたもので、冬モデルのPRIMEシリーズ全機種に、携帯電話上で拡張現実サービスを実現するRawImageCaptureという機能を搭載する予定であると説明。RawImageCaptureは、iアプリ経由でカメラを起動すると、リアルタイムにものやアイコンをオーバーレイ表示する機能で、夏モデルの「P-06B」「N-05B」「N-04B」「P-04B」「N-07B」「N-08B」にも搭載されている。
 具体的なサービスについては「コンテンツプロバイダと協力して、サービス開発の準備を進めている」(ドコモ)とし、今冬にも新たなエンターテインメントサービスの提供を目指す考え。具体的なサービスイメージとして原田氏は、インテリアを選ぶ際のシミュレーションや位置情報と連携した街案内、キャラクターの立体表示などを挙げている。
 AR関連のサービスについては、他の通信キャリアも積極的に取り組んでおり、ソフトバンクは頓智ドットのセカイカメラを活用した施設や地域のプロモーションを展開。KDDIは、KDDI研究所が開発した「実空間透視ケータイ」と頓智ドットのセカイカメラを連携させた「セカイカメラZOOM」を期間限定のトライアル版として提供している。



auのAndroidは「約4割が女性ユーザー」――KDDIの上月氏が語る
 「IS01は約4割が女性ユーザー」――KDDI プロダクト企画部の上月勝博氏(オープンプラットフォーム企画グループ グループリーダー)が、「ワイヤレスジャパン2010」の講演の中で、au初のAndroid端末「IS01」のユーザー傾向について話した。
 6月30日に発売されたIS01は、モバイル環境でのインターネットの使いやすさを追求した端末だ。ノートPCのような折りたたみ型のボディにパンタグラフキーを備え、約5インチの大画面液晶を採用。通話機能も備えるが、同社の狙いは従来の携帯電話と併せて利用する“2台目需要”の開拓にある。
 GfK Japanによる携帯電話販売ランキングを参考にすると、IS01は発売後第1週目で全キャリア総合では10位以下、au端末内では4位と、iPhoneやXperiaといったスマートフォンの人気モデルに比べれば販売台数は少ない。しかし、発売前に展示機に対してユーザーが好反応を見せたことなどから、同社は当初の計画の倍の発注に踏み切っている。そして、「ネットでの口コミの広がりもあり、店頭では在庫がほとんどない状態」(上月氏)と、想定以上の好調な出足となっているようだ。
 また、上月氏によれば、購入者は機種変更ではなく新規契約のユーザーがほとんどだという。「ISデビュー割の提供も関係しているが、新規のお客様が8割を超えている」(上月氏)。発売からまだ日が浅くはあるが、狙い通りの2台目ユーザーを獲得していると上月氏はみる。
 こうした販売を女性ユーザーが支えているという上月氏の説明も興味深い。「従来のスマートフォンは女性ユーザーの比率が低かったが、IS01は約4割が女性ユーザー。これが特徴的だと考えている」(上月氏)。同時期に発売されたWindows phone「IS02」は、「男性ユーザーが85%」(上月氏)と、同じIS seriesでもユーザー傾向に違いが出ていることを同氏は説明する。
 女性ユーザーが増えた理由としては、端末のデザインに加え、ブログなどの長文作成やTwitterの利用を意識した商品作りが功を奏していると上月氏は読む。当初は予定していなかったテレビのスポットCMなども展開するなど、宣伝も強化しているという。
 同社が調査した購入者の評価ポイント。「3G回線でも高画質なYouTubeが見られる」「アプリを終話キーで終了し、メモリを解放できる」といった点も好評を得ていると上月氏。また、同社独自のAndroid向けアプリマーケット「au one Market」に関しても、購入者が比較的コンスタントに利用しているという



有害図書を条例で指定 大阪府、改正案を2月議会で提案へ
 18歳未満の青少年を性的対象にした有害図書の指定をめぐり、青少年健全育成条例の改正を検討している大阪府は15日、これまで施行規則で定めてきた有害図書の指定基準を条例で定めるため、改正条例案を2月議会で提案することを明らかにした。また、府内で行った図書類の実態調査結果を公表。雑誌など100点のうち55点に青少年の性描写があったほか、有害図書を販売している店舗のうち3割で現行条例通りに区分陳列などを行っていなかったという。
 府によると、調査は雑誌やDVD、ゲームなどから100点を抽出して実施。性的表現があった55点のうち、すでに府が有害図書指定済の図書が30点。残る25点のうち9点に有害図書に該当する性的表現があったという。
 店舗調査では、書店など355店舗への調査で、250点で有害図書の販売を確認。有害図書は府条例で、区分陳列したり個別包装したりする必要があるが、条例を順守していたのは168店(67・2%)で、約3割が条例に従っていなかった。
 一方、府の担当部局などには、今年3月から今月9日までの間に、府民らから意見などを記した1001件のメールが寄せられているといい、うち8割以上の830件が規制強化に反対する意見だったという。
 実態調査は、東京都が青少年健全育成条例改正案を都議会に提案(その後、否決)したことを受け、橋下徹知事が府内の状況の把握を指示していた。
 府条例は、わいせつ描写のページが一定数を超えると有害図書として規制される内容で、全国的にも厳しい規制があるとされるが、府の場合、有害図書の指定基準が議会議決の必要ない施行規則として定められていたため、橋下知事が「行政が恣意(しい)的に有害図書を指定できる」と指摘していた。



ホンダ、シビックをハイブリッド車に限定
「レジェンド」「エリシオン」開発中止
 ホンダは国内で販売する車種を削減する。主力セダン「シビック」はハイブリッド車(HV)に限定するほか、最高級車「レジェンド」、高級ミニバン「エリシオン」など看板車種の開発を中止した。当初計画では、いずれも2011年以降に全面改良して発売する予定だった。今後は低燃費の小型車や次世代環境車、インドなど新興国向けの超低価格車の開発に経営資源を集中する。
 同社はリーマン・ショック後の需要急減で計画を凍結していた寄居工場(埼玉県)の建設を再開し、13年をメドに稼働させる。三重県に予定していた軽自動車の新工場の建設は白紙に戻す。国内生産体制の見直しに合わせ、車種を絞ることで収益力の改善を狙う。
 シビックのガソリン車は来秋をメドに全面改良して世界各国で投入するが、日本では発売しない。モーターを併用するハイブリッド車モデルの「シビックハイブリッド」のみ全面改良し、来秋以降も国内販売を続ける方針だ。
 シビックはホンダが初の本格的な乗用車として1972年に発売した。国内最後発メーカーとして自動車事業に進出したホンダの経営基盤を築いた。トヨタ自動車の「カローラ」などと並び、日本のモータリゼーションを支えた。近年はセダン離れが進み、低燃費のハイブリッド車や小型車に人気が集まった結果、月間の販売台数が100台程度と低迷していた。
 高級車レジェンドの開発も中止した。ホンダが04年に発売したレジェンドは、世界初の四輪駆動制御技術と300馬力のエンジンを搭載し、ホンダの国内最高級車の位置付けだった。景気低迷で高級車の国内販売不振に拍車がかかっており、環境車などの開発を優先する必要があると判断した。
 ホンダのミニバンで最上位車種に位置付けていたエリシオンについても同様に、開発途中段階で中止した。
 ホンダは現在、国内で約20車種(軽自動車除く)を販売している。小型車の「フィット」や「フリード」、ミニバンの「ステップワゴン」の3車種だけでホンダ車販売全体の約7割を占める。開発資金や技術者など経営資源の分散を避けるため、販売が低迷する国内専用車のレジェンドやエリシオンは開発を中止することにした。現行モデルは今後も販売を続ける。
 ホンダは現在、埼玉製作所(埼玉県)、鈴鹿製作所(三重県)、子会社の八千代工業の四日市製作所(三重県)の3工場で四輪車を生産している。年間生産能力は計130万台。国内需要は減少が見込まれるうえ、海外生産への移管も進むため、将来は70万~80万台程度に削減することを検討している。



日産・ルノー、ロシアで生産 最大手と年30万台
450億円投資 小型車の車台を共通化
 【トリヤッチ(ロシア中部)=金子夏樹】日産自動車と仏ルノーがロシア政府系の自動車最大手アフトワズと共同で小型乗用車を生産する。ルノーの戦略小型車の車台(プラットホーム)を3社が共通化し、アフトワズのトリヤッチ工場で2012年から年30万台を生産する。投資額は3社で4億ユーロ(約450億円)。外資による進出が増えるなか、日産・ルノーは最大手と組むことで、拡大するロシアの自動車市場で攻勢をかける。
 アフトワズのカマロフ社長が日本経済新聞記者に会い、明らかにした。設備投資額4億ユーロのうち日産・ルノーが3億ユーロを負担する。3社は中価格帯を中心に生産。日産は12年9月から年7万5000台、ルノーは13年3月から年15万台を生産し、それぞれのブランドで販売する。アフトワズは「ラーダ」ブランドで7万5000台生産する。

 カマロフ社長とルノーのエステヴェ副社長が15日、トリヤッチで車台共通化のための設備導入に関する技術協力について合意文書に調印した。



米金融規制法案、上院が可決 大統領署名経て成立へ
 【ワシントン=御調昌邦】米上院は15日午後の本会議で金融規制改革法案を賛成多数で可決した。下院は6月下旬に既に同じ法案を可決しており、オバマ大統領が近く署名して成立する見通しだ。米証券リーマン・ブラザーズの破綻から約2年を経て、金融危機の再発防止に向けた法整備がようやく決着する。

 上院本会議での最終採決の結果は賛成60票に対し、反対39票。共和党からも一部議員が賛成に回った。米政府・議会は1930年代以来の包括的な金融規制改革と位置付けており、法案には銀行の高リスク取引の制限や金融の消費者保護強化などを盛り込んだ。

 オバマ大統領は早期成立の必要性を訴え続けてきた。ギブズ大統領報道官は、大統領の署名式は来週になるとの見方を示している。



米メキシコ湾で原油流出止まる、英BP発表 事故後初めて
 【ワシントン=大隅隆】メキシコ湾の原油流出事故で、英石油大手のBPは15日、流出源の油井に新たに設けた密閉用のふたなどを使い、海中への流出を完全に止めたと発表した。まだ試験段階としているが、原油流出が止まったのは4月の事故発生以降初めて。オバマ大統領はホワイトハウスで記者団に「前向きなサインだ」と語った。



ジブリ新作映画の原作、岩波書店が電子書籍で配信
 岩波書店は15日、英作家による児童文学「床下の小人たち」を電子書籍で配信すると発表した。同作品は17日公開のスタジオジブリの新作アニメ映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作。書店で販売を拡大している文庫本に電子書籍を加え、読者層を広げる。

 複数の電子書籍サイトを通じ、携帯電話向けとパソコン向けに配信。価格は588円で文庫本より約2割安い。8月中に米アップルの高機能携帯電話(スマートフォン)「iPhone(アイフォーン)」向けも追加する予定。

 原作者のメアリー・ノートン氏と挿絵家の著作権を管理する英出版社から許諾を得た。権利関係が複雑な海外文学の翻訳版の配信は珍しい。同じ著者による続編4冊も順次配信する。



吉野家、値下げ競争対応へ店舗改革
持ち帰り専門など低コスト化
 吉野家ホールディングス(HD)が店舗運営の改革に乗り出す。牛丼業界の最安値である280円に合わせた新メニューや牛丼の持ち帰り店を展開、2011年2月期中に運営コストを大幅に抑えた店舗の出店も始める。高コスト体質に、「すき家」のゼンショー、松屋フーズの値下げ攻勢が追い打ちをかけ、業績回復のメドは立っていない。グループ企業のリストラは一定の成果を上げつつあるとはいえ、復活に向けた主力の牛丼事業の立て直しが正念場を迎えている。
 新メニューは「牛キムチクッパ」と「牛鍋丼」で、価格は牛丼(並盛)より100円安く、すき家と同じ。約30店(国内店舗数は約1200)でのテスト販売だが、「全国展開するか注目している」(他の外食大手)。東京・日本橋にこのほど出店した牛丼と牛皿の持ち帰り専門店の店舗面積は、通常の3分の1。営業は昼食と夕食時間帯のみで、サラリーマンに照準を絞った。
 吉野家の6月の既存店売上高は前年同月比15.1%減。同月の値下げ効果で快走するゼンショーや松屋フーズに比べて、価格を据え置いた吉野家の劣勢は明らか。
 足元の改革は新型店の本格展開をにらんだ布石だ。厨房(ちゅうぼう)のレイアウト見直しなどで店舗面積を1割程度縮小したり、メニュー看板を簡素にしたりして初期投資を3割減の3500万円前後に抑制。発光ダイオード(LED)照明やオール電化の厨房など省エネも進める。



中国1人っ子政策→女性少なく、男性結婚難
 【北京=佐伯聡士】中国では、19歳以下の男女比が著しく不均衡なことから、2020年には結婚適齢期を迎える男性が女性より約2400万人も多くなり、結婚相手を探すのが極めて困難になることがわかった。
 共産党機関紙「人民日報」が、政府系シンクタンク社会科学院の報告書をもとに伝えた。
 女性の誘拐や売買春などの犯罪行為が増え、社会が不安定化することへの当局の懸念が背景にある。
 人民日報の特集記事(8日付)によると、伝統的な男尊女卑の考え方が依然根強い上、1979年から続く「一人っ子政策」のため、出産前に性別を鑑定し女子なら堕胎するという違法行為が横行していることが男女比不均衡の原因だ。
 男性の結婚難を背景に、女性を誘拐して売り飛ばすなどの犯罪行為が増えており、浙江省では、既婚女性の省外出身者20万人中、3万6000人が誘拐の被害者とわかったという。
 現在、性別鑑定や堕胎などの違法行為に対する罰金は1万~3万元(13万~39万円)程度だが、罰金引き上げや懲役刑などの厳罰を求める声も上がっている。



株反落、読みにくさ増す世界景気
 15日の東京株式市場で日経平均株価は午後にやや下げ渋ったが、方向感に乏しい展開だった。米主要企業の決算や米中の経済指標など今週の主要なイベントはほぼ通過したが、強弱入り交じった内容。インテルの決算でやや明るくなった市場心理も、もとに戻ってしまった感がある。
 前日14日の日経平均はインテルの4~6月期の好決算を受けて258円高と急伸していた。ただ、14日の米国市場でインテル株は1.67%高にとどまり、東京市場ははしごを外された格好。米国では6月の米小売売上高が前月比0.5%減と予想以上に落ち込むなど、ミクロの企業業績とマクロ経済指標がちぐはぐになっている面もあるようだ。
 今週のもうひとつの注目だった中国の主要経済指標も消化難だった。
 15日に発表された4~6月の実質国内総生産(GDP)は10.3%増と、市場予想(10.5%増)とほぼ同水準。同時に発表された6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.9%の上昇と、政府の目標である3%を下回った。
 「成長率は高水準ながら金融引き締めの効果も見えており、金融引き締め懸念は薄らいでいる」(大和証券の山崎政昌投資情報部次長)と、市場では好感されそうな数字で、実際、上海総合指数は統計発表後に上昇に転じる場面もあった。が、景気減速懸念も頭をもたげ、上海株は再び下落。指標の解釈の難しさや先行きの不透明感を改めて印象づけた。
 金融政策に目を転じれば、新興国の一部では利上げを実施する国がある一方で、米連邦準備理事会(FRB)は再び金融緩和に備え始めた。
 最近、市場関係者が口にするキーワードが「QE2」。量的緩和(Quantitative Easing)の頭文字を取り、金融危機後にFRBがバランスシートを膨らませたQEを再度実施するとの見方だ。
 FRBが14日に公表した6月22~23日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、追加緩和策について議論があったことが明らかになり、2010年以降の経済成長率の見通しも下方修正した。米長期金利の低下を通じて円相場には逆風が吹き、15日午後には1ドル=87円台が再び視野に入ってきた。
 日銀は東京銀行間取引金利(TIBOR)が実勢よりも高止まりしているなどと、円高抑制に向けて口先介入を試みているが影響は限定的。そのかたわら、15日の金融政策決定会合ではタイミング悪く10~11年度の成長率を上方修正した。
 世界中で景況感がまだらな状況が、株式相場の先行きを一層読みにくくしている。



日経社説
中国は持続的な成長へ内需拡大に力を
 中国の4~6月の国内総生産(GDP)は前年同期に比べ実質10.3%増えた。3四半期連続の2けた成長だが、1~3月の11.9%増と比べると伸び率は下がり、景気の過熱感はいくらか和らいだ。

 成長の最大の原動力である固定資産投資の伸びがやや鈍った一方、輸出と貿易黒字が急拡大し、消費は比較的高い伸びを保った。そのなかで6月の消費者物価上昇率が2カ月ぶりに政府目標の3%を下回り、インフレ懸念はやや後退した。

 中国では春先まで不動産バブルが膨らんでいるとの見方が広がり、先行きのバブル崩壊を懸念する声もあった。とりあえず4月から不動産融資に対する規制を強化したことなどが奏功し、投機的なマンション開発などは大幅に減っている。
 中国国家統計局の盛来運報道官が指摘したように「中国経済は全体として良好」で、望ましい方向に向かっているといえるのだろう。

 中国が景気の過熱や不動産バブルを回避するのは、世界経済の持続的成長にとっても悪いことではない。ただ、過度の減速で世界景気に冷水を浴びせることにならないよう、微妙なバランスも求められる。

 バブル抑制のため引き締め気味の金融政策を取る一方で、リーマン・ショック後に打ち出した内需刺激策の効果が息切れしないような政策面での配慮が必要だろう。

 中国の貿易黒字は5月から再び急拡大している。米国向け、欧州向け、韓国・台湾など近隣地域向けとも輸出が大幅に伸びた。

 だが、米国では消費の回復に息切れ感が出始めている。中国にとって米国以上の輸出先である欧州連合(EU)諸国は、ギリシャの財政危機を機に緊縮財政に傾き、失業率も高止まりして景気回復の勢いは鈍い。アジアの新興国・地域は、経済運営の軸足を景気回復から過熱防止へと移している。

 中国の輸出の回復、拡大が、これまでのような勢いで続くか、疑問符も付く。何よりも、すでに世界最大の貿易大国である中国が外需にもっぱら頼って高率の成長継続を目指すと、世界経済のひずみが増す。

 中国政府は6月から人民元の対ドル相場を緩やかに切り上げているが、さらに大胆な切り上げを排除すべきではない。

 労働者の賃金が抑えられ社会保障の整備も遅れていたことが、投資に比べた個人消費の伸び悩みと過剰貯蓄を招いていた。中国政府は内需主導の持続的な成長へ向け所得分配や社会保障制度の整備を急ぐべきだ。
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