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守る大手出版、間隙突く中堅中小 「iPad革命」の裏側
国内出版業界の本音
 「電子書籍事業は、品ぞろえが重要」。アマゾン日本法人アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は今年6月2日の記者会見で、Kindle Storeの日本での展開についてこう話した。アマゾンジャパンの関係者は「電子書籍事業に参入した07年以降、日本の出版各社とは継続的に話をしているが、時期を明確にできる段階には至っていない」と漏らす。
 ある出版社の社長は、こう話す。「31社の日本電子書籍出版社協会は、言ってみればアマゾンやアップルに対して抜け駆けするなよというようなもの。日本の出版業界は、取次会社のうしろに書店がある。電子書籍市場の立ち上がりで、取次会社も書店も不安を覚えており、そこへの配慮もしながら、慎重に事を進めたいということでは」
 特に国内の出版業界が慎重になっているのが、価格だという。再販制がある日本では出版物の価格を出版社側が決め、維持している。前出の社長は、こう言う。「出版社側が価格をコントロールできるのであれば、アマゾンやアップルへのコンテンツの提供は、やぶさかではない。しかし、アマゾンやアップルの都合で価格を決められるのは許容できない」
 Kindle Storeでは、定価27ドル程度(アマゾンの通販価格は20ドル程度)の単行本であれば、基本的には9.99ドルで販売することがルールとなっている。出版社は10ドル以上の値付けも選択できるが、その場合はアマゾンに支払う手数料が大幅に跳ね上がり、自らの利益を圧迫する羽目になる。
 一方、iBookstoreの価格はベストセラーを含む人気書籍の多くが、12.99ドルから14.99ドル。Kindle Storeよりも高いが、アマゾンの通販よりは安いという戦略的な設定だ。いずれにせよ、書店や取次会社から見れば「価格破壊」であることに違いはない。
 さらにアマゾンとアップルの流通チャネルでは、作家が出版社を「中抜き」して、直接作品を販売することができる。実際に米国では、人気作家のスティーヴン・キングなどが電子書籍向けの作品を書き下ろして販売している。一般に出版社が著者に支払う印税率は10%。アマゾンやアップルの販売チャンネルを利用すれば、それが70%程度に増えることになり、直販に触手を伸ばす作家が増える可能性がある。
 同じことを日本でもされてしまえば、そのインパクトは計り知れない。であれば自分たちのペースで電子書籍市場を築けるよう、独自の販路を準備しておきたいというのが国内出版業界の本音だろう。だから、日本の電子書籍をめぐる大手出版の動きは、電子書籍のプラットフォームまでを包含しているのだ。
官民一体で独自規格
 海の向こうで悠然とたたずむKindle Store、iBookstoreという「黒船」に対し、開国を拒んでいるかのように見える大手出版。「鎖国化」「ガラパゴス化」の動きは、さらに加速している。
 6月8日、総務省、経済産業省、文部科学省は、電子書籍の普及策を検討する懇談会の第2回会合を開催した。懇談会には作家や書店、携帯電話事業者のほか、電書協やシャープも参加した。電書協の電子文庫パブリは、シャープが開発した電子書籍用のファイル形式「XMDF」を採用している。一方、アマゾンやアップルは参加していない。
 ここで、「電子出版日本語フォーマット統一規格会議(仮称)」を立ち上げ、日本語環境に適した電子書籍の独自フォーマットを開発することが決まった。米国など英語圏ではデファクトスタンダードになりつつあり、アップルのiBookstoreも採用している「ePub」形式については、「日本語への対応状況を見極めつつ対応を検討する」としている。
 Kindle Storeが採用する独自形式「AZW」に関しては、ほとんど話題にも上っていない。
 官民が一体となって電子書籍の普及を進めようとしているのは事実だ。だが、見方を変えれば、官民が一体となって日本固有の仕様に基づく市場を作ろうといういつもの構図。その一方で、大手の動きと距離を置きながら虎視眈々と電子出版の環境を整える出版社もある。中堅出版のディスカヴァー・トゥエンティワン(21)もその一社だ。
 「アマゾンについては、英語版の電子書籍を出すつもり。日本語版はいつになるかわからないので様子を見ている。iPadとiPhoneに関しては、iBookstoreの日本版が始まらなくてもアプリで対応できるので、それはやる。グーグルのAndroidを搭載したスマートフォンも同じ」
 勝間和代氏を見出したことで知られるディスカヴァー21の干場弓子社長は、こう早口でまくし立てる。取次会社や書店との縦の関係、出版各社との横の関係をうかがう大手出版のトップは、電子出版の戦略やスケジュールをなかなか明確にはしない。だが干場社長は違う。
 「いちいちあちこちに合わせて作っているとお金がかかるので、一発でぴゅっといろいろなプラットフォームに流せるようなシステムをいま開発してもらっているところ。秋くらいには準備が整うので、当社から出す新刊本は基本的にぜんぶ電子書籍でも購入できるようにする。既刊本も需要がありそうなものはすべて、用意するつもりでいる」
 ディスカヴァー21は、国内では珍しく、取次会社を通さずに全国4000の書店へ直接、書籍を卸している。そのため出版業界の横のつながりを持たず、当初は業界団体の日本書籍出版協会にも加盟していなかったアウトローだ。つまり「抜け駆け」しやすい立場にいる。だが、電子出版への積極的な姿勢は、それだけが理由ではない。
「プラットフォームは版元の仕事じゃない」
 ディスカヴァー21は創業20年と歴史は浅く、社員数も約40人の小規模な出版社だ。にもかかわらず、出版不況下でヒットを飛ばし続け、出版業界での存在感を年々増している。
 “勝間本”の火付け役『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』は20万部突破、婚活ブームを築いた『「婚活」時代』(山田昌弘・白河桃子著)は13万部突破、最近も『超訳 ニーチェの言葉』が3カ月で39万部を突破と、ヒットを挙げれば枚挙に暇がない。初版で終わる書籍が多いなか、ディスカヴァー21は年間80点の新刊本のおよそ75%で増刷を決めているという。つまり、コンテンツの企画力に自信がある。
 好調を維持するディスカヴァー21は昨年12月、独自の電子書籍販売サイト「ディスカヴァー デジタルブックストア」を立ち上げ、一部の新刊本から電子書籍の販売を開始した。配信先はパソコンとiPhoneで、双方ともに独自の閲覧用アプリを開発、自社専用のプラットフォームを構築した。しかし干場社長は「読者の利便性を考えたら、基本的にプラットフォームは版元がやる仕事じゃないと思っている」と語る。
 「日本で電子書籍配信プラットフォームのデファクトがある程度決まってきたら、当社もそれに合わせようと思っている。でもいまは、決まるのを待っていられない。日本語のePub形式だってどうなるかわからない。だから、プラットフォームやフォーマットはとりあえず置いておいて、見え方とか読み方とかの研究を今のうちにしておこうぐらいのつもりで独自のサイトを始めた」
本格システムを新たに立ち上げ
 今年4月には、『電子書籍の衝撃』(佐々木俊尚著)の電子書籍版を書店での発売前に自社サイトで先行発売して話題を呼んだ。1万部限定で「110円」というキャンペーン価格を打ち出したところ、サーバーがダウンするほどアクセスが集中し、ほぼ1万部を売り切った。その後は、電子版を1000円、紙版を1155円で販売している。
 こうした経験を踏まえ、ディスカヴァー21は今秋、本格的な電子出版のシステムを新たに立ち上げる。「どんなフォーマットでも、どんなプラットフォームへも簡単に対応できるよう、できるだけオープンな設計にした」というシステムは、アップルやグーグルが電子書籍配信に採用するePub形式をベースとしたものだ。
 直営店である自社サイトは維持し、自社サイトから購入した読者は、パソコンでもiPadでもiPhoneでもAndroidでも、独自のアプリを通じて自由に閲覧できるようにする。だが直営店は販路の1つ。iBookstoreの日本版が始まれば、「即座に対応する」と言い切る干場社長は、目指す理想像をこう説明する。
 「アパレルメーカーと同じように考えている。直営店でも売るし、デパートにも出店する。顧客はどこで買ってもいい。iBookというアップル製の電子書籍リーダーで読みたい人はiBookstoreで買えばいい。その代わり、iPadやiPhoneでしか読めない。一方、直営店ではiPadやiPhoneでも読めるアプリを提供するし、パソコンでも各種携帯電話でも読める。顧客はどれでも自由に選べる」
 ディスカヴァー21のような動きは、ほかの中堅・中小出版社にも広がりそうだ。
 折りしも官民の懇談会が開かれた6月8日、「これからの電子出版や電子書籍・雑誌に取り組むための団体」と冠がついた「電子書籍を考える出版社の会」が設立された。
 参加企業として名を連ねるのは、インプレスジャパン、技術評論社、翔泳社、ソフトバンク クリエイティブ、日刊工業新聞社、毎日コミュニケーションズなど、専門書や実用書を中心とする出版社。大手中心の電書協はもちろん、官民の懇談会にも参加していない中堅・中小ばかりである。
「来る者は拒まず」で協力しあう
 「電書協とはまだ話をしたことはないが、敵対する組織というわけでもない。ただ、電書協は電子文庫パブリを運営しているように、文庫・文芸書の出版社が集まっている。我々は専門書・実用書が中心で、大手出版とは事情が異なる部分も多い。最適なフォーマットは何なのか、アマゾンやアップルのプラットフォームはいつ始まるのか、情報がないなか、みんな暗中模索になっている。そうした出版社が集まって、情報交換をしましょうというところから始まった」
 代表幹事を務める毎日コミュニケーションズの滝口直樹取締役出版事業本部長は、設立の狙いをこう語る。あくまでも情報交換や意見交換をする任意団体であることを強調し、出版社はもちろん、出版に携わる制作会社や、電子書籍の開発を目指すIT関連企業など、「来る者は拒まず」の基本姿勢で参加社を募るという。さらに、プラットフォームを共同で開発したり、お互いを縛ったりするような組織ではないことも強調する。
 「iPad向けのアプリも、ePub形式の配信も、iBookstoreも、できることがあれば、どんどんやってください。そして、苦労したことや問題点を教えてください、みんなで協力しあって電子書籍市場を盛り上げましょう、というスタンスでいる」
 政府やメーカーなどと組んで「オールジャパン」でデファクト争いに突入しようとしているかに見える大手出版。一方で、身軽な立場を利用して、フォーマットやプラットフォーム競争に左右されない戦略を敷く中堅中小。電子書籍市場は立ち上がったばかりで、その行方は混沌(こんとん)としている。戦略の優劣を判断できる段階ではない。だが、少なくとも読者は、電子書籍のフォーマットが乱立したり、ほしい電子書籍がなかったり、あるいはプラットフォームが分散するような「面倒」な状況を望んではいない。



NTTドコモ株主総会、スマートフォンなどの質問目立つ
 NTTドコモは18日、定時株主総会を開いた。総会では、スマートフォン(高機能携帯電話)に関する質問や、海外展開の強化を求める意見が目立った。スマートフォン利用者のすそ野を広げるために、同社の山田隆持社長は「(商品)ラインアップの拡充や、使いやすい料金にしていく。アプリケーションを取り込みやすいようにもしている」と答えた。
 低迷する株価の理由を問う質問に対しては、「(携帯電話が)成熟市場になってきたのではないか、競争が厳しいのではないかとの危惧がある」との認識を示した。そのうえで「成長戦略をいかに示すかが大切。データ通信料収入の拡大をなんとしても目指したい」と述べた。
 総会は約2時間で終了。2491人(昨年は2189人)が出席し、議案はすべて可決された。役員報酬に関する質問は出なかった。



ソニー株主総会、ストリンガー会長「3Dでテレビ復活」
 ソニーは18日、都内で定時株主総会を開いた。ハワード・ストリンガー会長は、「3次元(3D)テレビがソニーのテレビ復活のきっかけとなり、今後は競争力のある製品を出していける」と株主らに訴えた。3D関連ではテレビやコンテンツに加え、業務用のカメラや映写機なども展開しており、同会長は「3Dは主要施策で、ソニーは幅広い分野で技術に優位性がある。3Dではあらゆる資産をもっている」と強調した。
 総会では、株主から家電やゲームなど主力事業で営業赤字が続いていることを指摘する声が出た。これに対し、大根田伸行副社長兼最高財務責任者(CFO)は「11年3月期は(10年3月期の業績改善に寄与した)金融事業ではなく、家電、ゲームが全体の収益改善のコントリビューター(けん引役)となる」と説明した。
 米グーグルと映像・情報端末の開発で提携したことについては、ストリンガー会長が「ソニーがハードとコンテンツの両方を持っているため提携先として選ばれ、世界に先駆けてインターネットテレビを展開できることになった」と語った。
 議案は取締役の選任と、ストック・オプション付与のための新株予約権の発行の2案だった。株主から「株主に基本情報が与えられていない」との指摘が出たため、ソニーは10年3月期の個別の役員報酬額を開示し、ストリンガー会長に総額4億1000万円を支払うことを明らかにした。
 株主総会は午前10時に始まり、12時18分に終了した。7827人(前年は8329人)が出席し、議案はすべて原案通り可決した。



改正貸金業法の施行知って 副大臣らティッシュ配りPR
 個人向けローンの規制を大幅に厳しくした改正貸金業法が18日、完全施行された。金融庁は同日朝、改正法の周知を目的に大塚耕平金融担当副大臣ら30人ほどがJR新橋駅前で「貸金業法が大きく変わります」と書かれた広報用のティッシュを配布した。
18日午前、街頭でティッシュを配る大塚副大臣 (東京都港区)
 改正貸金業法では、利用者の借入総額を年収の3分の1までに制限する一方、上限金利も29.2%から20%に引き下げた。借金を繰り返して返済に行き詰まる多重債務問題の解消を目指すが、個人の資金繰りなどへの影響も予想される。
 ティッシュ配りに参加した大塚副大臣は「完全施行でどのような状況になるか見極めて、対応すべきことがあれば迅速に対応する」と述べた。通勤途中の会社員(40)からは「若いころはよくローンを利用したが、今後はあまり世話にならない人生を送りたい」との声が聞かれた。



三浦惺NTT社長「高速通信普及へ新組織」
ブロードバンド化、無線もライバルに
 「世界ICT(情報通信技術)サミット2010」(日本経済新聞社・総務省主催)に参加したICT業界の首脳たちにインターネットやモバイル産業の将来像を聞いた。初回の三浦惺NTT社長は「ブロードバンド(高速大容量)サービス普及のために社長直轄組織を立ち上げる」ことを明らかにした。
 ――政府はブロードバンド推進政策を掲げるが現状はどうか。
 「ブロードバンドの利用・活用にはパブリック(公的利用)とプライベート(個人利用)の両方がある。遅れているのは前者だ。電子政府や教育、医療の分野で規制緩和や仕様の統一を進め、ブロードバンド利用の壁を取り払うべきだ」
 ――光ファイバー通信回線の伸びは鈍っている。NTTとしてできることは。
 「NTTグループをあげて光回線の普及を推進するため、社長直轄のブロードバンド推進本部を6月24日に設置することにした。NTT東西地域会社、NTTドコモ、NTTデータ、NTTコミュニケーションズの各グループ5社の副社長クラスをメンバーに加える」
 「私がリーダーシップをとり、新たなサービスの開発や普及策を立案し実行する。電子政府の実現や、地方公共団体の利用促進にも積極的に協力していきたい」
◇   ◇   ◇
 ――ブロードバンド推進本部にはドコモも含まれるのか。
 「当然だ。固定だけではブロードバンドのすべては担えない。どういう形でブロードバンドを普及させるのか、固定通信のユーザーだけでなく携帯の利用者の要望も吸い上げなければならない」
 「NTTは映像サービスや、ベンチャー企業と協力しながらサービス開発に取り組んできた。光回線を使ったテレビ(IPTV)はようやく100万件を超えた。公的利用についても、政府任せにするつもりはない」
 ――司令塔をつくる狙いは。
 「従来はドコモや東西会社が同じような製品をそれぞれ出すケースもあったが、今後は知恵を結集して固定通信と移動通信の融合の時代に備えなければならない」
 「ブロードバンド化は、電話回線から光回線という1つの選択肢だけでなく、電話線から無線へという方向もある。固定回線はいらないという若い世代も増えてきている。利用者ニーズの変化を読み取りながら柔軟な政策を打ち出すべきだ」
 ――公的利用の促進にどう貢献していくのか。
 「教育はブロードバンドの恩恵を最も受ける分野だが、その3分の1はブロードバンドが提供されていない。光回線のような超高速なブロードバンドでなくてもまかなえる部分がある。まずそこから手を付けなければならない」
 「ブロードバンドの普及を広くとらえると、単なる回線の普及だけではない。使う側のITリテラシーの向上も重要なテーマだ。教育の現場や、IT特区に専門家を派遣して、リテラシー向上の相談に乗る取り組みも進める」
 ――光回線シェアは7割を超えるが、競争状況をどうみているか。
 「NTTは赤字を覚悟で光回線の敷設につとめてきた。海外投資家からは『クレイジー』と言われてきたが、人後に落ちない努力と情熱を傾けてきた。従来、CATV会社や電力系通信事業者と競争してきたが、KDDIがCATV最大手のジュピターテレコムに資本参加したことで手ごわい勢力が誕生する」
 「固定回線だけでなく、無線も有力なライバルだ。従来の無線LANや高速無線通信『WiMAX』に加え、年末からは最大スピードが光回線並みになる次世代携帯電話サービス『LTE』も始まる。利用者によりよいサービスを提供するための設備・サービスを含めた競争の土壌は整っている」
 ――政府ではNTTの光回線インフラを分離すべきだとの議論もある。
 「NTTの組織を見直すことがブロードバンドの普及にプラスになるとは思わない。組織を分けることはいろいろな意味でイノベーションを阻害することになると考えている」



緊急特集
消費税10%、市場の見方(10/6/18)
 菅直人首相が消費税率について「自民党が提案している10%を一つの参考にさせていただく」と発言し、株式市場でもにわかに将来の消費税増税への関心が高まってきた。「消費税10%」は自民党が提案しているもので、参院選の結果にかかわらず議論は続く可能性がありそう。市場関係者の見方をまとめた。質問は
(1)消費税増税の可能性・時期
(2)景気・株式相場への影響
(3)個別銘柄や業種への影響
「消費活性化で経済にプラス」
神山直樹・ドイツ証券チーフエクイティストラテジスト
 (1)消費税の増税の実現性はかなり高くなっている。民主党も自民党も増税に前向きになっているうえ、世論調査でも増税に対する支持が高くなっている。ここまで条件がそろったことは過去ほとんど例がなく、実現性は相当高まっている。ただ正式に決まるにはかなり時間がかかる。まず税制調査会等で詳細を固めるのは非常に時間がかかる。さらに景気への悪影響を避けるため、国内総生産(GDP)など数値目標を立てて、景気が回復したときに増税するというような決め方もできるため、タイミングはかなり先ということしかわからない。
 (2)増税は日本の経済成長にとってプラスだ。今は将来増税になるかもしれないという不安心理が強く、日本人は貯金を増やし、消費を手控えたりしている。増税が社会保障の持続性の高まりにつながると国民が考えれば、かえって個人消費の活性化につながる可能性がある。一方、短期的な景気については悪影響を与える可能性もあるが、そのときの景気の状況次第だ。株式相場にとっても同様にポジティブだ。社会保障に対する信頼感が増せば、消費面で好影響を与える。
 (3)短期的には住宅や耐久消費財など高額品に対する駆け込み需要が強まり、その後冷え込むという形で需要の波が大きくなる。今後の設計次第で業種や個別銘柄への影響は変わる。例えば、福祉目的税のような特定目的税になった場合、福祉や医療関連銘柄にプラス。また衣料品や生活必需品が減免税率となった場合、低廉品にプラスで、高級品にマイナスになるだろう。(聞き手は土居倫之)
「企業間格差につながる可能性」
瀬川剛・みずほ証券エクイティストラテジスト
 (1)以前は消費税の増税に反対する人が多かったが、今年春の各種の世論調査によると6割程度の回答者が増税を容認する姿勢を示した。国の長期債務は国内総生産(GDP)の1.6倍に膨らんでおり、今後5年間で倍になるという試算もあり、(増税は)やむを得ないと考えたのではないか。菅直人首相は最短で2012年秋にも消費税を引き上げると言っているが、ずれ込むのではないか。参議院選の結果次第では総選挙にもつれ込む可能性もあり、最低でも半年程度は遅れそうだ。
 (2)1989年の消費税3%の導入や97年に5%に引き上げた際、その前年に高額商品の駆け込み需要が多くなった。一方で、反動による消費の落ち込みも大きかった。極端に減少した際のケアをどうするのかが重要だと思う。今回は5%から10%と大幅な引き上げになり、かつてとは比べられない駆け込み需要が出そうだ。未経験の反動減にも備えなければいけない。(消費税の引き上げ分)商品の価格が上昇するため、費用対効果を考えて、消費者はより質や中身を厳選するようになる。そうなれば、(業績や株価で)企業間の格差を広げることになるだろう。
 (3)高額品の駆け込み需要の増加を考えると、住宅や住設、自動車、家電などの銘柄が注目だ。
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