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データ通信サービスで見えてくる各社のネットワーク事情(COLUMN)
 2月3日、UQコミュニケーションズはモバイルWiMAX(IEEE802.16e)を採用したブロードバンド通信サービス「UQ WiMAX」を発表し、いよいよ2月26日からサービスが開始された。イー・モバイルのモバイルデータ通信サービスをはじめ、NTTドコモやauによるデータ通信サービスの定額制導入、ウィルコムによる次世代PHSのWILLCOM CORE、昨年来のネットブックの人気など、モバイルデータ通信サービスを取り巻く環境がにわかに活気づいている。今回はパケット通信料の定額制を巡る動きから見えてくる各社のネットワーク事情について、考えてみよう。
■ なぜパケット通信が定額になるのか?
 読者のみなさんは月にどれくらいのパケット通信料を支払っているだろうか? 基本使用料+α程度? パケット通信料定額サービスの上限である約4000円強? フルブラウザを利用するから約6000円? あるいはそれ以上?
 少し古い話になるが、ケータイでパケット通信が身近になったのは、つい先日(2月22日)、ちょうど10周年を迎えたNTTドコモのiモードが開始された頃だ。それまでのデータ通信は主に回線交換による接続で、接続時間による従量制課金が採用されていたが、iモードでは当時はまだなじみの薄かったパケット通信を採用し、転送したデータ量による従量制課金を採用した。NTTドコモの携帯電話サービスがPDC方式のムーバだったため、1パケットあたり0.3円が課金されていた。その後、2001年に開始されたFOMAでは、周波数利用効率が向上したこともあり、1パケットあたりの単価は0.2円からの課金となり、パケットパックを組み合わせることで、月額8000円の固定料金で、1パケットあたり0.02円を実現した。しかし、それでもパケット通信の従量制という課金はなかなか理解されず、ユーザーが思っていた以上にパケット通信料が請求され、「パケ死」という言葉も生まれた。
こうした状況を大きく変えることになったのは、2003年11月にauがサービスを開始した「CDMA 1X WIN」だ。CDMA2000 1xEV-DO方式を採用した同サービスは、ケータイとしては初めてパケット通信料を月額4200円(税別)定額で利用できる「EZフラット」を提供し、話題を集めた。
■ 段階制定額から見えるネットワーク事情
 auに遅れること約半年、NTTドコモのFOMA向けに対抗サービスとして、パケット通信料定額サービス「パケ・ホーダイ」を2004年6月からスタートさせたが、当初は料金プランを月額6700円(税別)の「プラン67」以上を契約したユーザーのみに対象を絞る形を取った。実は、これもその後の同社の動向を占ううえで、NTTドコモのネットワーク事情が見え隠れする動きの一つだった。
 というのも、パケ・ホーダイのサービス開始から約2カ月後の2004年8月、auはEZフラットをベースに、二段階のパケット通信料定額サービス「ダブル定額」をスタートさせた。このダブル定額は各社が提供する段階制定額サービスの先駆けとなったが、NTTドコモは昨年10月の「パケ・ホーダイ ダブル」の提供まで、約4年近く段階制定額サービスを提供しなかった。というより、提供できなかったのだろう。
 実は、NTTドコモは世界初の第三世代携帯電話サービス「FOMA」を開始するにあたり、高品質な通話サービスや通信サービスを提供するため、バックボーンも含め、非常に品質の良いネットワークを構築したと言われている。日本の電話サービスを支えてきたNTTグループの伝統を受け継いだ高品質なネットワークということなのだろう。しかし、高品質なネットワークによって、安定した通話や通信を実現できた半面、当然のことながら、ネットワークコストは総じて高くなってしまった。その結果、簡単にはパケット通信料定額サービスを提供することができず、当初はARPUの高いユーザーのみに提供する形を取らざるを得なかったわけだ。
 ここで見え隠れする2社のネットワークコストは、フルブラウザ時代の動向にも反映されている。auは携帯電話初のフルブラウザとなる「PCサイトビューアー」を搭載した「W21CA」(カシオ計算機)を2004年12月に発売したが、当初はPCサイトビューアーによる通信を定額制の対象外としていた。
 しかし、発売から半年後、PCサイトビューアーのトラフィックがある程度、見えてくると、2005年5月からはPCサイトビューアーでの利用についてもダブル定額やダブル定額ライト、パケ割ミドル、パケ割スーパーを契約していれば、パケット通信料の上限額を5985円とする施策に切り替えた。現在でも各社が標準的に採用しているが、いわゆるフルブラウザを含めた「三段階」化を実現したわけだ。
 これに対し、NTTドコモは2005年6月に発売した「N901iS」(NEC)で初めてフルブラウザを搭載した。当時の発表会では「将来的にフルブラウザの定額化はあり得るかもしれない」としながら、実現は2007年3月開始の「パケ・ホーダイフル」を待たなければならなかった。しかも「パケ・ホーダイフル」は月額5985円の固定料金で、「パケ・ホーダイ」とは別のパケット通信料定額サービスとして、提供された。つまり、パケ・ホーダイフルを選んだ場合、フルブラウザを使わず、iモードブラウザしか使わなくても毎月、5985円が請求されたわけだ。
 これは筆者の推測でしかないが、ユーザーからのフルブラウザに対するニーズは高かったものの、FOMAの高品質なネットワークが高コストであったため、なかなか採算の取れるプランが作り出すことができず、auや当時のボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)との対抗策上、営業的な判断として、iモード用とフルブラウザ用の二本立ての定額サービスを作らざるをえなかったのではないだろうか。
 ちなみに、NTTドコモは2007年からパソコンを利用してのモバイルデータ通信サービスを定額で利用できる「定額データプラン」、昨年9月からは2年間の契約を約束することで月額利用料金を上限を抑えられる「定額データ割」を提供している。
 前述の流れから考えると、FOMAの高品質なネットワークでは通信コストが高くなるため、パソコンを接続しての定額サービスの提供は難しいはずだが、2007年春に開業したイー・モバイルの対抗上、定額サービスが必要になったこともあり、提供に踏み切ったようだ。しかし、闇雲に定額サービスの提供に踏み切ったわけではなく、2007年春頃にはある程度、コストダウンができたネットワークへの切り替えもできていたようで、前述のように、端末で利用するフルブラウザ対応のパケット通信料定額サービスの「パケ・ホーダイフル」は2007年3月から提供が開始されている。
 また、モバイルデータ通信サービスについては、auも2007年末からデータ通信用端末「W05K」を発売し、専用料金プラン「WINシングル定額」とともに提供を開始している。auのモバイルデータ通信サービスは通信プロトコルやアプリケーションによる制限こそないものの、端末のW05Kにはあらかじめトラフィック制御機能が搭載されており、周囲の回線が混雑している環境下では自動的に通信速度が制限されるしくみとなっている。
 この機能は2008年冬モデルのW63CA、W63H、W64SHに受け継がれ、これらの機種では「ダブル定額ライト」「ダブル定額」「パケット割WINミドル」「パケット割WINスーパー」の契約者を対象に、パソコンと接続してのモバイルデータ通信を1万3650円の上限額で利用できるサービスを提供している。2009年春モデルでもPremier3、CA001、H001、S001、P001、SH001、T001の7機種が同サービスの対応機種に挙げられているが、やはり、同様にトラフィック制御機能が搭載されていることになる。
 ソフトバンクについては、NTTドコモやauと違い、今のところ、パソコンを接続しての定額制モバイルデータ通信サービスを提供していない。他社の例を見てもわかるように、モバイルデータ通信サービスは当然のことながら、ネットワークへの負荷は大きい。iPhone 3Gという端末ですら、何とかトラフィックを抑えようとしているソフトバンクにとって、定額制モバイルデータ通信サービスはかなり無理のある取り組みとなる。だからこそ、同社はイー・モバイルとの提携に踏み切り、MNO(移動体通信事業者)によるMVNO(仮想移動体通信事業者)参入をアナウンスしたわけだ。ここにもソフトバンクの苦しいネットワーク事情が浮かび上がってくる。
 さて、これら3社に対し、同じ携帯電話サービスを提供するイー・モバイルはどうだろうか。同社も他社同様、パケット通信料の段階定額制を採用しているが、他社と違い、音声端末でもデータ通信端末でも同じように定額で利用できることをアピールしている。アプリケーションによる制限もなく、ある程度、自由に利用することができる。これはイー・モバイルが新規参入事業者であるため、ネットワークの構築がもっとも新しく、設備も新しいことが関係している。同時に、契約数も順調に増えてきているものの、2009年1月末現在で119万であり、5000万を超えるNTTドコモ、3000万を超えるau、2000万を超えるソフトバンクに比べれば、ネットワークへの負荷もそれほど深刻ではないことがうかがえる。
 ただ、イー・モバイルは他社に比べ、割り当てられている周波数帯域も少ないため、スーパーヘビーユーザーの利用が顕著になってきてしまうと、何らかの制限を加えることになるかもしれない。あるいは、500万、1000万契約を達成した時代に、今と同じ品質を維持できるかどうかは未知数だ。昨年来、家電量販店の店頭ではネットブックと同社のデータ通信アダプタを組み合わせて販売する「100円PC」が人気を集めているが、これを契約したユーザーがライトユーザーであれば、ネットワーク的な問題は起きなさそうだが、なかには自宅に固定のブロードバンド回線を持たず、自宅もモバイル環境もイー・モバイルの回線のみでインターネットを利用するユーザーが現われてきており、『明日のスーパーヘビーユーザー予備軍』が着実に増えつつあるという見方もできる。ユーザーの動向も含め、今後が気になるところだ。
■ 効率的なネットワークを巡る各社の攻防
 ここまで説明してきたように、現在、各携帯電話事業者のネットワークは、ユーザーの利用が急速に拡大したことにより、各社は今まで以上にネットワークを効率良く構築し、運用することを考えている。しかし、現世代のサービスについては徐々にその飽和点が近づいており、現状のサービスをうまく活かしながら、次なる世代への模索が始まろうとしている。携帯電話サービスで言えば、LTEがその本命であり、国内ではウィルコムによる次世代PHSということになる。
 そして、2月26日、UQコミュニケーションズによる国内初のWiMAXサービスである「UQ WiMAX」がいよいよ開始された。UQ WiMAXは携帯電話サービスというより、インターネットに接続するための『モバイルネットワークサービス』という位置付けになるが、今後のモバイル環境では一つの台風の目になることが予想される。
 単純に端末や料金プランだけを比較すると、機能の搭載/非搭載、料金の高い/安いなど、直接的に見える部分ばかりに目が向いてしまう。よく「木を見て森を見ず」というが、実は各社のプランや対策の全体を見渡してみると、各社のネットワーク事情や問題点が少しずつ見え隠れしてくる。同時に、パケット通信については、「パケ代は定額だから、好きなだけ使いまくればいい」という考えもユーザーの間に生まれつつある。市場原理に基づけば、確かにそれもひとつの考え方なのだが、かつてのインターネットがそうであったように、そろそろ携帯電話やモバイルデータ通信サービスは「共有して利用している」ということを意識しなければならない時期を迎えているのかもしれない。
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