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auの取り組みに見る、キャリアの通話・通信品質向上策とは?
主要キャリア各社は最近、顧客満足度向上を目的に、携帯電話の通話・通信品質向上に向けた取り組みを積極的に進めている。とはいうものの、単に基地局を増やすということだけが品質向上につながるわけではないようだ。そこでauの取り組みから、実際の品質向上にはどのような要素が求められているのかを見ていこう。
通話・通信品質は携帯電話サービスの“要”
とかくハードウエアやサービスに注目が集まる昨今だが、携帯電話を利用する上でもっとも重要なことは、確実に、安定して、快適に通話・通信ができることである。どんなに立派な端末や優れたサービスを導入したとしても、回線状態が不安定であったり、通信が遅かったり、そもそもつながらなかったりすれば、その利便性は大きく損なわれてしまう。
そうしたことから、キャリア各社は近年、通話・通信品質の向上に力を入れている。最近では、ソフトバンクモバイルが通信品質改善のため、「基地局倍増計画」を打ち出したり、フェムトセルを無料で提供したりしている。
通話・通信品質は一見、基地局を増やしさえすれば解決するように思われる。だが、基地局を増やすには多くの時間とコストがかかる上、電波の干渉などの問題も発生するため、それだけでは限界がある。また、利用状況によっては、電波の入りではなく、別の理由で不満を感じるというケースもある。
では、実際、キャリア各社はユーザーのさまざまな利用状況に応じて環境を改善しているのだろうか。2010年7月28日に開催された、auが開催した、通話・通信品質向上の取り組みに関する説明会から、キャリアが実際、どのような品質向上策を実施しているのかを見ていこう。
ユーザーの利用傾向を見極めた上で施策を実施
携帯電話は近年、通話よりもメールやWebなどデータ通信の利用が多くなってきており、データ通信のトラフィックが大幅に増加している。
auのデータ通信トラフィック状況を見ると、メールの利用が7割に達するなど頻繁に利用されている。しかしその一方で、通信データ量の9割はEZwebによるWebの利用になっているという。さらに最近、トラフィックの伸びを牽引しているのは、YouTubeなどの動画やモバゲータウンなどのSNSだ。
また、サービスエリアの改善要望などを受け付けている「みんなでつくろう!auエリア」の状況を見ると、要望の8割が屋外ではなく自宅に関するものであったという。
こうしたユーザーの利用状況から、auではユーザーの利用するサービスや場所などに応じて、インフラ、エリア、移動機など総合的に対策を施し、品質向上につなげているという。
利用の多いコンテンツや場所に向けた施策
インフラに関する施策では、先のSNSへの対応などが挙げられている。最近はSNS上で遊べるソーシャルゲームが利用を牽引しているのだが、ソーシャルゲームのトラフィック数は頻度こそ多いものの、上りのデータ量自体は多くない。従来は基地局が上りデータの混雑を検出すると、端末側にデータをゆっくり送らせるよう、スループットを下げる指示をしていたのだが、データ量が少ないため、混雑時もスループットを下げないよう基地局の設定を変更したことで、利用が快適になったという。
また、東京の地下鉄の場合、電車走行中に電波が入らないことから、駅に着いた瞬間に一斉に通信が実施されるため、瞬間的な混雑が発生して、通信品質が劣化しやすい。そこで、基地局の設定も、そうした瞬間的な混雑に対応できる設計基準を設けて基地局のチャネルを増強、品質の劣化を防いでいるとのことだ。
端末に関する施策では、高速CPUの「Snapdragon」に対応したKCP3.0が挙げられる。端末の処理速度を向上させたことで、メールやWeb利用時における通信速度面以外での動作速度が大幅に改善され、満足度を高めているとのことだ。
また、画像や動画を添付したメールを送信する際、現在の処理状況が分かるようプログレスバーを用意してほしいという声が多く寄せられていたため、これにも対応。速度向上だけでないインターフェースの変化も、ユーザーの満足度向上につながる要素になっているのだという。
基地局増強だけがパフォーマンス向上策ではない
エリアに関する施策では、申し込みから48時間以内に電波状況に関する訪問調査の連絡を行う「au電波調査サービス」を実施。電波を増幅するレピータや、補助アンテナを設置するなどの施策により、自宅での電波環境の改善を実現している。電波の干渉などでレピータによる改善が困難なビルの高層階やビルの谷間の建物などにおいては、auフェムトセルの設置によって電波環境を改善するという施策をとっているとのこと。
さらに今後は、EV-DOのマルチキャリア化による通信速度の高速化、そして将来的にはLTEの導入などインフラ面の高性能化によって改善を図っていくとの方針も示している。
先にも触れた通り、通話・通信品質の改善というと、基地局を増やすなどインフラの増強に関する施策にどうしても目が行きがちだ。だが、auの事例を見ても理解できるように、既存のインフラを利用動向に合わせて改善したり、端末側の動作を工夫したりすることで、従来よりパフォーマンスが改善するケースも多くある。
増え続けるデータ通信量にどう対応するか、基地局でのカバーが不足している地域をどう対策するかなどの課題はもちろんある。だがこうした改善施策が高い効果を発揮し、不満を解消するケースも多いということは覚えておくべきだろう。
大きな変化をもたらす可能性を秘めた「らくらくホン7」
2010年7月21日、NTTドコモの中高年向け携帯電話「らくらくホン」の新機種、「らくらくホン7」が発表された。らくらくホン7が従来と大きく変化したところはどのような点か。そして、その変化がもたらす影響はどのようなものなのだろうか。
使い勝手の向上や健康管理機能を強化
NTTドコモのらくらくホンシリーズは、中高年向けの携帯電話として長く人気を博している。従来は「シンプル」「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」と4つのシリーズが存在したが、スタンダードモデルが高機能化したことでプレミアムが統合され、現在は3つのシリーズで展開している。
今回新たに発表されたらくらくホン7は、スタンダード・モデルに位置付けられる端末で、昨年発売された「らくらくホン6」の後継モデルというべき存在となっている。それゆえ「らくらくホン6」最大の特徴である防水・防塵性能を備えているのはもちろんのこと、ディスプレイが2.8インチから3.0インチにアップ。文字を見やすくするなど使い勝手も強化されている。
また、大きな特徴として、元マラソン選手の高橋尚子氏を起用し、ウォーキングフォームを診断してくれる「高橋尚子のウォーキングクリニック」を搭載しているほか健康管理サービス「iBodymo」に対応するなど、健康支援に関する機能が充実しているという点も挙げられる。
だがそうした特徴以上に、らくらくホン7には、非常に大きな変化を遂げている部分がある。それは端末としての進化ではなく“ユーザーを進化させる”ということだ。
携帯インターネットの利用に踏み切らせる取り組み
らくらくホンは従来の音声通話からメール、カメラといったように、ユーザーの携帯電話利用スキルが向上するに従って、徐々に端末自体の機能も強化してきている。そして今回のらくらくホン7では、ついに“ネット”の利用促進に大きく踏み切っているのだ。
らくらくホン7には、数字キー下部に「らくらくサイトボタン」が搭載されており、これを押すと、らくらくホン専用のiメニュー「らくらくiメニュー」にアクセスできるようになっている。これだけでは、従来のiモードボタンとメニューの位置付けが変わったに過ぎないのだが、らくらくiメニューには、ニュースや天気、株価などさまざまな情報が無料で提供されているほか、専用のコンテンツ「らくらくニッポン探訪」が用意されており、シニア層に向けた旅行やグルメなどの情報が無料で提供されているのである。
ここで大きなポイントは“情報料が無料”ということだ。筆者は、シニア層が携帯電話でインターネットを利用する上で最大の障壁となっているのは、「必要かどうか分からないものにお金がかかる」という心理的影響だと感じている。特に携帯電話のコンテンツは有料のものが多いことから、強い抵抗を感じている人は少なくない。
だが、らくらくiメニューでは、利用しやすい位置にあるコンテンツの全部、あるいは一部を無料で提供している。これによって金銭面の心理的抵抗を抑え、コンテンツ、ひいては携帯サイトの利用を習慣付けるという流れを作り上げているのだ。
ちなみにらくらくホン7では、従来自由にできなかったデコメールの作成が可能になったほか、「iコンシェル」「iチャネル」などの情報サービスにも対応している。こうしたサービスがあらかじめ用意されているというのも、ネット利用の強化同様、大きなポイントといえるだろう。
シニア層がネットを利用すると何が変わるのか?
らくらくホン7が携帯電話のインターネット利用促進に踏み切ったのには、らくらくホンユーザーの利用スキルが向上しているというだけでなく、別の側面もあるように感じている。
携帯電話の有料公式コンテンツは、若年層が牽引しているといわれて久しい。だが若年層への普及が一巡したことに加え、SNSなど無料で利用できるコンテンツも大幅に増えている。それゆえ、有料コンテンツの利用の伸びを支えている層が、若年層から可処分所得の高い40代以上の層へと移行しつつあるようなのだ。
こと高齢化が進む日本の現状を見れば、より高い年齢層に携帯コンテンツの利用を広めることで、コンテンツ料、通信料収入の増加につなげることができる。だが、年齢層が上がれば上がるほど、携帯電話でインターネットを使う人自体が少なくなることから、そもそも利用が広がらないという問題を抱えている。例えば、携帯電話での利用が多いSNSの1つ「mixi」の、2010年3月31日時点における利用者年齢層分布を見ると、50代以上のユーザーは全体のたった2.4%でしかない。
らくらくホン7が携帯インターネットの利用に大きく踏み切ったのは、これまで携帯電話でのインターネット利用を避けていた高年齢層に利用のきっかけを与え、利用者層の幅を広げようという戦略であると思われる。さらにいえば、将来的にネット利用が一般化していけば、シニア向け有料コンテンツという大きな市場の開拓にも結びつくといえよう。
無論、インターネットの利用を推進していくには、パケット定額制サービスの利用をいかに進めていくかなど、端末以外の課題もいくつかあるだろう。だが、らくらくホン7が今回もたらした「シニア層にネットを利用させる」という新たな戦略は、今後大きな変化をもたらす可能性を秘めていることに間違いないだろう。
航空機民間転用 防衛基盤維持へ着実に進めよ(8月8日付・読売社説)
日本に欠かせない防衛技術と関連企業を維持していくうえで有効な手法と言えよう。
防衛省が、自ら開発した自衛隊機の民間転用を検討している。海上自衛隊の救難飛行艇US2は消防飛行艇などに、航空自衛隊が開発中の次期輸送機XC2は大型貨物機にそれぞれ転用する構想だ。
民間転用は前例がないが、救難機や輸送機はそもそも武器ではない。民間機に転用しても、日本が大切にする「平和国家」の理念には何の影響もあるまい。
政府は、企業から利用料を受け取り、開発費の一部を回収できる。量産効果によって自衛隊機の調達費も縮減できる。世界的に消防飛行艇や貨物機の需要は大きく、企業も一定の収益を期待できる。
民間転用は、官民双方にメリットがある。もっと早く取り組めば良かったのではないか。
近年、防衛予算の減少傾向が続く中、この分野から撤退する企業が増えている。装備の開発・生産・整備に不可欠な専門企業や高度な技術者がいなくなることは、国の安全保障の根幹にかかわる。
日本の安全保障環境は逆に、厳しさを増している。中長期的な視点で、防衛技術基盤の維持と、防衛予算の一層の効率化を両立させていく必要がある。
年内に予定される「防衛計画の大綱」の改定作業に合わせて、武器輸出3原則の見直しにも本格的に取り組むことが重要だ。
次期戦闘機(FX)の候補F35のように巨額の開発費を要する装備品は、複数の国による共同開発が国際的潮流だが、日本は参加できない。米国以外の国との共同開発が認められていないからだ。
現在は、米国以外のほとんどの国に及ぶ武器の禁輸を、紛争当事国やテロ支援国などに限定することを検討すべきだ。最低でも、一般の国との武器の共同開発を認め、武器輸出を個別に審査する方式を導入してはどうか。
地雷探知機、防弾チョッキなど防御的武器を禁輸の対象外としても、日本の「平和国家」のイメージが損なわれることはない。
民主、自民両党はそろって参院選公約に防衛装備品の民間転用を掲げた。武器輸出3原則の見直しでも、与野党の枠を超えて協調する余地があるのではないか。
鳩山前内閣では、北沢防衛相が3原則見直しに前向きな考えを示したが、与党の社民党などが反対し、具体化しなかった。社民党の連立離脱で、政治的なハードルはかなり低くなったはずだ。
主要キャリア各社は最近、顧客満足度向上を目的に、携帯電話の通話・通信品質向上に向けた取り組みを積極的に進めている。とはいうものの、単に基地局を増やすということだけが品質向上につながるわけではないようだ。そこでauの取り組みから、実際の品質向上にはどのような要素が求められているのかを見ていこう。
通話・通信品質は携帯電話サービスの“要”
とかくハードウエアやサービスに注目が集まる昨今だが、携帯電話を利用する上でもっとも重要なことは、確実に、安定して、快適に通話・通信ができることである。どんなに立派な端末や優れたサービスを導入したとしても、回線状態が不安定であったり、通信が遅かったり、そもそもつながらなかったりすれば、その利便性は大きく損なわれてしまう。
そうしたことから、キャリア各社は近年、通話・通信品質の向上に力を入れている。最近では、ソフトバンクモバイルが通信品質改善のため、「基地局倍増計画」を打ち出したり、フェムトセルを無料で提供したりしている。
通話・通信品質は一見、基地局を増やしさえすれば解決するように思われる。だが、基地局を増やすには多くの時間とコストがかかる上、電波の干渉などの問題も発生するため、それだけでは限界がある。また、利用状況によっては、電波の入りではなく、別の理由で不満を感じるというケースもある。
では、実際、キャリア各社はユーザーのさまざまな利用状況に応じて環境を改善しているのだろうか。2010年7月28日に開催された、auが開催した、通話・通信品質向上の取り組みに関する説明会から、キャリアが実際、どのような品質向上策を実施しているのかを見ていこう。
ユーザーの利用傾向を見極めた上で施策を実施
携帯電話は近年、通話よりもメールやWebなどデータ通信の利用が多くなってきており、データ通信のトラフィックが大幅に増加している。
auのデータ通信トラフィック状況を見ると、メールの利用が7割に達するなど頻繁に利用されている。しかしその一方で、通信データ量の9割はEZwebによるWebの利用になっているという。さらに最近、トラフィックの伸びを牽引しているのは、YouTubeなどの動画やモバゲータウンなどのSNSだ。
また、サービスエリアの改善要望などを受け付けている「みんなでつくろう!auエリア」の状況を見ると、要望の8割が屋外ではなく自宅に関するものであったという。
こうしたユーザーの利用状況から、auではユーザーの利用するサービスや場所などに応じて、インフラ、エリア、移動機など総合的に対策を施し、品質向上につなげているという。
利用の多いコンテンツや場所に向けた施策
インフラに関する施策では、先のSNSへの対応などが挙げられている。最近はSNS上で遊べるソーシャルゲームが利用を牽引しているのだが、ソーシャルゲームのトラフィック数は頻度こそ多いものの、上りのデータ量自体は多くない。従来は基地局が上りデータの混雑を検出すると、端末側にデータをゆっくり送らせるよう、スループットを下げる指示をしていたのだが、データ量が少ないため、混雑時もスループットを下げないよう基地局の設定を変更したことで、利用が快適になったという。
また、東京の地下鉄の場合、電車走行中に電波が入らないことから、駅に着いた瞬間に一斉に通信が実施されるため、瞬間的な混雑が発生して、通信品質が劣化しやすい。そこで、基地局の設定も、そうした瞬間的な混雑に対応できる設計基準を設けて基地局のチャネルを増強、品質の劣化を防いでいるとのことだ。
端末に関する施策では、高速CPUの「Snapdragon」に対応したKCP3.0が挙げられる。端末の処理速度を向上させたことで、メールやWeb利用時における通信速度面以外での動作速度が大幅に改善され、満足度を高めているとのことだ。
また、画像や動画を添付したメールを送信する際、現在の処理状況が分かるようプログレスバーを用意してほしいという声が多く寄せられていたため、これにも対応。速度向上だけでないインターフェースの変化も、ユーザーの満足度向上につながる要素になっているのだという。
基地局増強だけがパフォーマンス向上策ではない
エリアに関する施策では、申し込みから48時間以内に電波状況に関する訪問調査の連絡を行う「au電波調査サービス」を実施。電波を増幅するレピータや、補助アンテナを設置するなどの施策により、自宅での電波環境の改善を実現している。電波の干渉などでレピータによる改善が困難なビルの高層階やビルの谷間の建物などにおいては、auフェムトセルの設置によって電波環境を改善するという施策をとっているとのこと。
さらに今後は、EV-DOのマルチキャリア化による通信速度の高速化、そして将来的にはLTEの導入などインフラ面の高性能化によって改善を図っていくとの方針も示している。
先にも触れた通り、通話・通信品質の改善というと、基地局を増やすなどインフラの増強に関する施策にどうしても目が行きがちだ。だが、auの事例を見ても理解できるように、既存のインフラを利用動向に合わせて改善したり、端末側の動作を工夫したりすることで、従来よりパフォーマンスが改善するケースも多くある。
増え続けるデータ通信量にどう対応するか、基地局でのカバーが不足している地域をどう対策するかなどの課題はもちろんある。だがこうした改善施策が高い効果を発揮し、不満を解消するケースも多いということは覚えておくべきだろう。
大きな変化をもたらす可能性を秘めた「らくらくホン7」
2010年7月21日、NTTドコモの中高年向け携帯電話「らくらくホン」の新機種、「らくらくホン7」が発表された。らくらくホン7が従来と大きく変化したところはどのような点か。そして、その変化がもたらす影響はどのようなものなのだろうか。
使い勝手の向上や健康管理機能を強化
NTTドコモのらくらくホンシリーズは、中高年向けの携帯電話として長く人気を博している。従来は「シンプル」「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」と4つのシリーズが存在したが、スタンダードモデルが高機能化したことでプレミアムが統合され、現在は3つのシリーズで展開している。
今回新たに発表されたらくらくホン7は、スタンダード・モデルに位置付けられる端末で、昨年発売された「らくらくホン6」の後継モデルというべき存在となっている。それゆえ「らくらくホン6」最大の特徴である防水・防塵性能を備えているのはもちろんのこと、ディスプレイが2.8インチから3.0インチにアップ。文字を見やすくするなど使い勝手も強化されている。
また、大きな特徴として、元マラソン選手の高橋尚子氏を起用し、ウォーキングフォームを診断してくれる「高橋尚子のウォーキングクリニック」を搭載しているほか健康管理サービス「iBodymo」に対応するなど、健康支援に関する機能が充実しているという点も挙げられる。
だがそうした特徴以上に、らくらくホン7には、非常に大きな変化を遂げている部分がある。それは端末としての進化ではなく“ユーザーを進化させる”ということだ。
携帯インターネットの利用に踏み切らせる取り組み
らくらくホンは従来の音声通話からメール、カメラといったように、ユーザーの携帯電話利用スキルが向上するに従って、徐々に端末自体の機能も強化してきている。そして今回のらくらくホン7では、ついに“ネット”の利用促進に大きく踏み切っているのだ。
らくらくホン7には、数字キー下部に「らくらくサイトボタン」が搭載されており、これを押すと、らくらくホン専用のiメニュー「らくらくiメニュー」にアクセスできるようになっている。これだけでは、従来のiモードボタンとメニューの位置付けが変わったに過ぎないのだが、らくらくiメニューには、ニュースや天気、株価などさまざまな情報が無料で提供されているほか、専用のコンテンツ「らくらくニッポン探訪」が用意されており、シニア層に向けた旅行やグルメなどの情報が無料で提供されているのである。
ここで大きなポイントは“情報料が無料”ということだ。筆者は、シニア層が携帯電話でインターネットを利用する上で最大の障壁となっているのは、「必要かどうか分からないものにお金がかかる」という心理的影響だと感じている。特に携帯電話のコンテンツは有料のものが多いことから、強い抵抗を感じている人は少なくない。
だが、らくらくiメニューでは、利用しやすい位置にあるコンテンツの全部、あるいは一部を無料で提供している。これによって金銭面の心理的抵抗を抑え、コンテンツ、ひいては携帯サイトの利用を習慣付けるという流れを作り上げているのだ。
ちなみにらくらくホン7では、従来自由にできなかったデコメールの作成が可能になったほか、「iコンシェル」「iチャネル」などの情報サービスにも対応している。こうしたサービスがあらかじめ用意されているというのも、ネット利用の強化同様、大きなポイントといえるだろう。
シニア層がネットを利用すると何が変わるのか?
らくらくホン7が携帯電話のインターネット利用促進に踏み切ったのには、らくらくホンユーザーの利用スキルが向上しているというだけでなく、別の側面もあるように感じている。
携帯電話の有料公式コンテンツは、若年層が牽引しているといわれて久しい。だが若年層への普及が一巡したことに加え、SNSなど無料で利用できるコンテンツも大幅に増えている。それゆえ、有料コンテンツの利用の伸びを支えている層が、若年層から可処分所得の高い40代以上の層へと移行しつつあるようなのだ。
こと高齢化が進む日本の現状を見れば、より高い年齢層に携帯コンテンツの利用を広めることで、コンテンツ料、通信料収入の増加につなげることができる。だが、年齢層が上がれば上がるほど、携帯電話でインターネットを使う人自体が少なくなることから、そもそも利用が広がらないという問題を抱えている。例えば、携帯電話での利用が多いSNSの1つ「mixi」の、2010年3月31日時点における利用者年齢層分布を見ると、50代以上のユーザーは全体のたった2.4%でしかない。
らくらくホン7が携帯インターネットの利用に大きく踏み切ったのは、これまで携帯電話でのインターネット利用を避けていた高年齢層に利用のきっかけを与え、利用者層の幅を広げようという戦略であると思われる。さらにいえば、将来的にネット利用が一般化していけば、シニア向け有料コンテンツという大きな市場の開拓にも結びつくといえよう。
無論、インターネットの利用を推進していくには、パケット定額制サービスの利用をいかに進めていくかなど、端末以外の課題もいくつかあるだろう。だが、らくらくホン7が今回もたらした「シニア層にネットを利用させる」という新たな戦略は、今後大きな変化をもたらす可能性を秘めていることに間違いないだろう。
航空機民間転用 防衛基盤維持へ着実に進めよ(8月8日付・読売社説)
日本に欠かせない防衛技術と関連企業を維持していくうえで有効な手法と言えよう。
防衛省が、自ら開発した自衛隊機の民間転用を検討している。海上自衛隊の救難飛行艇US2は消防飛行艇などに、航空自衛隊が開発中の次期輸送機XC2は大型貨物機にそれぞれ転用する構想だ。
民間転用は前例がないが、救難機や輸送機はそもそも武器ではない。民間機に転用しても、日本が大切にする「平和国家」の理念には何の影響もあるまい。
政府は、企業から利用料を受け取り、開発費の一部を回収できる。量産効果によって自衛隊機の調達費も縮減できる。世界的に消防飛行艇や貨物機の需要は大きく、企業も一定の収益を期待できる。
民間転用は、官民双方にメリットがある。もっと早く取り組めば良かったのではないか。
近年、防衛予算の減少傾向が続く中、この分野から撤退する企業が増えている。装備の開発・生産・整備に不可欠な専門企業や高度な技術者がいなくなることは、国の安全保障の根幹にかかわる。
日本の安全保障環境は逆に、厳しさを増している。中長期的な視点で、防衛技術基盤の維持と、防衛予算の一層の効率化を両立させていく必要がある。
年内に予定される「防衛計画の大綱」の改定作業に合わせて、武器輸出3原則の見直しにも本格的に取り組むことが重要だ。
次期戦闘機(FX)の候補F35のように巨額の開発費を要する装備品は、複数の国による共同開発が国際的潮流だが、日本は参加できない。米国以外の国との共同開発が認められていないからだ。
現在は、米国以外のほとんどの国に及ぶ武器の禁輸を、紛争当事国やテロ支援国などに限定することを検討すべきだ。最低でも、一般の国との武器の共同開発を認め、武器輸出を個別に審査する方式を導入してはどうか。
地雷探知機、防弾チョッキなど防御的武器を禁輸の対象外としても、日本の「平和国家」のイメージが損なわれることはない。
民主、自民両党はそろって参院選公約に防衛装備品の民間転用を掲げた。武器輸出3原則の見直しでも、与野党の枠を超えて協調する余地があるのではないか。
鳩山前内閣では、北沢防衛相が3原則見直しに前向きな考えを示したが、与党の社民党などが反対し、具体化しなかった。社民党の連立離脱で、政治的なハードルはかなり低くなったはずだ。
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