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家電設計、国内外共通に コスト引き下げ新興国狙う
家電大手は国内外で販売する製品の開発・製造コストを引き下げるため基本設計の共通化に乗り出す。パナソニックは9月に世界で同時発売する空気清浄機に共通の部材を採用、価格を約3割下げる。三菱電機は冷蔵庫、東芝は洗濯機で設計の共通化に着手した。各社は海外売上高の拡大を目指しており、けん引役となる新興国でのコスト競争力を高める。国内の家電製品の値下がりにもつながりそうだ。
家電各社は新興国市場で各地のニーズに応じ冷蔵庫や洗濯機などを個別に開発してきた。しかし、地域ごとに一から開発すると費用がかさみ価格競争力を高められない。このため基本設計を共通化、地域対応は仕様変更にとどめてコストを下げる手法に転換する。
パナソニックの全額出資子会社、パナソニックエコシステムズ(愛知県春日井市)は空気清浄機の基本設計を共通化。本体と主要部品を同じ金型で生産し、日本、中国を含むアジア、中東で販売する。
新興国では加湿機能を省く。高価格機には除菌・消臭機能を加える。デザインや操作部などは地域に合わせて変更。中国での販売価格は下位機種で約1000元(約1万3000円)と従来に比べ約3割抑える。
三菱電機は中級(市場価格8万~12万円)の冷蔵庫5機種で冷蔵室や冷凍室、ドアの位置など基本構造を統一。製氷室や内部の棚の大きさは地域ごとによって変える。日本、香港などに続き、年内に東南アジア各国とオーストラリアにも出荷する。製造原価を約1割削減できるという。
東芝は年末から中国、東南アジア、日本で発売する3万円前後の縦型全自動洗濯機のボディー、洗濯槽、モーターなどを共通化。小型製品(洗濯容量4~6キログラム)で、地域別に開発してきた同型機を新製品にすべて置き換える。各社は設計を共通化する白物家電を順次増やしていく考え。
設計共通化はデジタル家電でも始まっている。パナソニックは7月にインドで発売した32型の液晶テレビをアジア共通モデルにする。先進国向けと同じプリント基板を使うが液晶パネルは低消費電力型を採用。バックライトの蛍光管は1本に減らしコストを下げた。マレーシアで発売、月内にもフィリピン、タイに投入する。
サムスン電子やLG電子など韓国勢は基本的な設計を世界共通にして、地域ごとに仕様を変更する手法を早くから採用。価格競争で先行し、新興国でのシェアを伸ばしてきた。
中国の家電大手、新興国を開拓 日韓勢と争いに
インド専用に商品投入 エジプト同業には出資
【香港=吉田渉】中国の家電大手が海外の新興国市場の開拓を加速している。海爾集団(ハイアール)はインド市場専用の商品を投入、10店以上の大型旗艦店も開く。広東美的電器は現地資本への出資で中東・アフリカに進出。四川長虹電器は販社設立でロシアなどでの販売体制を強化する。将来の人民元高に備え、新興国での現地生産に着手する例も増えてきた。日本の家電大手も同市場開拓に本腰を入れ始めており、今後は韓国勢に加えて中国勢との競争が激しくなりそうだ。
ハイアールは停電が多いインドの電力事情を踏まえ、停電時の庫内の温度上昇を抑える冷蔵庫など複数の専用商品を投入する。販売促進のため年内に大型旗艦店を都市部中心に10店以上開設するほか、広告宣伝活動に50億ルピー(約94億円)を投じる。2010年のインド売上高は100億ルピーを見込み、12年には3倍の300億ルピーに拡大する計画だ。
エアコン大手の美的はオランダ子会社を通じ、エジプトの同業大手ミラコの発行済み株式の32.5%を取得する。今夏からミラコが中東やアフリカで保有する販売網を使い、美的の商品を販売する。テレビで中国国内シェア首位の長虹電器は、ロシアとアラブ首長国連邦(UAE)ドバイに全額出資の販売子会社を設立し、主力のテレビの販路を開拓する。
新興国市場の開拓加速の背景には、中国国内の価格競争激化がある。中国政府の家電購入補助政策を背景に国内販売は好調だが、冷蔵庫などでは値下げも相次ぐ。各社とも国内市場への依存度が高く、新たな収益源の開拓が必要になっている。
新興国向け商品は現時点では中国からの輸出が多いが、人民元相場の上昇を見越して現地生産に踏み切る企業も増えてきた。ハイアールはすでにインドで冷蔵庫などを生産する工場を稼働済み。美的はインドネシア工場の新設を検討中だ。新興国市場の開拓が進めば、元高の影響を受けにくく、人件費が比較的安い国外に生産拠点を移す動きも広がりそうだ。
アフリカやインドなどの家電市場では、現地事情に合わせた商品投入などで先行した韓国のサムスン電子とLG電子が高いシェアを確保。日本メーカーも販売網強化を急いでいる。
パナソニックは10~12年度の中期経営計画でナイジェリア、トルコなど13カ国を重点市場と位置付け、ボリュームゾーン(普及価格帯)攻略を打ち出した。ソニーもアフリカの専売店拡充を急いでいる。普及価格帯に強い中国勢の新興国攻勢で、韓国勢、日本勢も含めた三つどもえの競争が激しくなりそうだ。
太陽電池“落日”危機 日本勢がトップ5陥落へ、中国など躍進
日本の“お家芸”だった太陽電池パネルの世界市場で、2005年に生産量トップ5のうち4社を独占していた国内メーカーが、10年にすべて姿を消す見通しであることが、独調査会社の調べで分かった。世界的な太陽光発電ブームを受け、米独のほか、中国など新興国のメーカーが、積極投資で生産能力を増強し攻勢をかけているためだ。
各国とも太陽電池などの環境分野を成長産業と位置づけ、官民一体の取り組みを強化している。国内勢のシェア低下は、日本の産業競争力の低下を招き、将来の雇用喪失にもつながりかねない。
独フォトン・インターナショナルが各国メーカーの10年の生産計画を調査。その結果、1位には中国のサンテックパワーが前年の2位から浮上。中国勢は、インリーソーラーが3位、JAソーラーも4位に入り、米独勢も5位内を維持する。逆に前年3位のシャープは6位に後退する見通しで、日本勢4社が名を連ねた05年から一変する。
日本勢は、1970年代の2度のオイルショックを契機に太陽電池の事業化に向け、地道な研究開発を続け、産業として開花させた。しかし、製造技術の普及に加え、地球温暖化問題で太陽光が次世代エネルギーとして脚光を浴びる中、新興勢が続々と参入し、シェア低下が続いている。
日本勢も「トップ3に入らないと量産効果が発揮できず、利益が出ない」(大手)と危機感を強め、能力増強を急ぐ構えだ。
シャープは、今年3月に100万キロワットの生産能力を持つ堺工場の稼働を始めたほか、年内に英国工場の生産能力を倍増させ、イタリアで合弁工場も立ち上げる。京セラは、7月に米国の新工場を稼働させるなどで、前年度に比べ生産量を50%増やす計画だ。
ただ、安い労働力を武器にした大量生産で価格競争をしかける中国勢には太刀打ちできないでいる。
太陽電池は13年に市場規模が08年の約3・5倍の2280万キロワットまで拡大するとの予測もある成長産業。日本を含め各国が、環境産業を育成し雇用を創出する政策を打ち出している。
日本メーカーの凋落は、政府が今年6月に決めた環境など4分野で500万人の雇用創出を目指す新成長戦略にも影を落とす。
コスト競争力でかなわない日本勢が生き残るには、「発電効率や耐久性など品質で対抗するしかない」(大手メーカー)。各社が研究開発体制の強化を急ぐと同時に、政府も投資減税などで後押しすることが急務だ。
中途採用者に入社準備金 DeNA、技術者対象
交流サイト(SNS)運営大手のディー・エヌ・エー(DeNA)は、ゲーム開発などを担当する中途入社の人材向けに入社準備金を支払う制度を導入する。転居費用など転職に伴う諸費用に充ててもらう。急成長するSNS市場は技術者の獲得競争が激しさを増しており、資金支援で人材確保につなげる。
11月末までに中途入社に応募し、採用された技術者職の中で基準に合った人材に200万円を支給する。入社にあわせてパソコンなどの機器を新たに購入する技術者もいるとみられるため、生活資金の手助けをする。
社内の技術使うサービス強化 NEC、専門部署設置
NECは多機能携帯端末など社内の新技術を使った新サービスの提案力を強化する。営業部門内に専門部署を設置し、専任の担当者約100人を配置した。IT(情報技術)や通信機器など社内の他の部門と連携しながら、新サービスを企画・立案するほか、通常の営業担当者と組み、顧客企業への提案活動を展開する。
営業ビジネスユニット内に「新事業推進本部」を設置した。今秋に発売するタブレット型の多機能携帯端末やICタグ、省エネルギーなど社内の新技術を生かした新サービスを企画・立案し、顧客企業に提案する。顧客企業の要望を吸い上げ、サービスに反映させる役割も担う。
円高対応、首相・日銀総裁の会談が焦点に 手詰まり露呈で逆効果も
外国為替市場で進む円高への対応をめぐり、菅直人首相は14日、日銀と綿密に連携する考えを表明し、首相と白川方(まさ)明(あき)総裁との会談が焦点に浮上してきた。ただ、会談が実現しても、具体的な円高対策を打ち出せるかは不透明。逆に手詰まり感を露呈して市場の失望を招き、円高を加速させるリスクもある。
菅首相は6月21日に就任後初めて白川総裁と初めて会談。今後も定期的に会談することを確認している。ただ、定期会談は「一般的な意見交換が目的」(政府関係者)で、円高が進行し市場が注視する中で会談すれば、意味合いが大きく変わってきる。
市場では、「政府・日銀が何もしなければ、1ドル=80円を突破しかねない」(大手証券エコノミスト)と、その動向を注視しており、会談すれば、市場介入や追加金融緩和への期待が高まるのは必至だ。
しかし、ドル安を容認する米国との協調介入は期待薄。財政出動を伴う景気対策も、民主党の代表選を控えた事実上の“政治空白”で動き出す気配はない。
日銀は10日の金融政策決定会合で追加緩和を見送ったばかり。「景気の下振れリスクが高まっているとは判断していない」(中曽宏理事)なかで、当面は追加緩和に踏み切らないとの見方が大勢だ。
「政治圧力を強めると、かえって日銀は動かなくなる」(為替ディーラー)との声もあり、会談実現に向けたハードルは高い。
厚生年金の「支え手」減る 採用抑制など影響
現役2.47人で高齢者1人「扶養」 昨年度末0.13低下
会社員が加入する厚生年金で現役世代の負担が膨らんでいる。高齢者1人の年金を何人の現役世代で支えているかを示す「年金扶養比率」をみると、厚生年金の2009年度末の比率(速報ベース)は高齢者1人あたり2.47人と08年度末と比べ0.13低下した。年金を受け取る会社員OBが増え、支え手の会社員が減ったためだ。景気後退や就業構造の変化で会社員の負担増に拍車がかかっている。
年金制度は現役世代が払った保険料で高齢者の年金を支える。年金扶養比率は、現役世代である加入者数を年金をもらえる権利のある人(受給権者)の数で割った値。比率が小さくなるほど、現役世代の負担が重いことを意味する。
厚生労働省によると、厚生年金の比率は1970年度末に高齢者1人あたり約42人だったが、その後低下し、04年度末に2.91人と初めて3人を割り込み、09年度末は2.5人を下回った。
まとまった厚生年金をもらえる高齢者(原則20年以上加入)は09年度末に1385万人と、08年度末と比べて約62万人増えた。これに対し、厚生年金の加入者は採用抑制やリストラなどで約20万人減った。加入者数が減るのは2年連続。
厚生年金の対象になりにくいパートや派遣社員などの非正規社員の増加という就業構造の変化も比率の低下に影響している。正社員と比べ勤務日数や勤務時間が極端に短い非正規社員は厚生年金に加入できない。会社員や公務員などを除いた国民年金加入者のうち、約4分の1は非正規社員になっている。
今後も現役世代の負担は重くなりそうだ。09年の公的年金の財政見通しによれば、厚生年金の年金扶養比率(受給者ベース)は30年度に高齢者1人あたり2.09人と2人を切る寸前まで低下。国民年金の状況はさらに厳しく、08年度末に2.55人、15年度には2人になる見通しだ。
09年度の厚生年金の給付費は前年度と比べ約1兆1500億円増え、23兆7500億円だった。加入者の減少などで保険料収入は前年度より約4500億円少ない約22兆2400億円。当面の収入の減少は厚生年金の積立金約120兆円(09年度末)で賄える。
ただ積立金にも限界があり、景気後退などで加入者の減少が急速に進めば、保険料率や支給開始年齢など負担と給付の見直しが必要になる恐れもある。今後も高齢者が増え給付が膨らめば、支え手である現役世代の負担は増す。一方、加入者の減少が予想以上に進めば、厚生年金の財政は厳しさを増しそうだ。
日経社説
中央アジア資源外交に弾みを
ユーラシア大陸の真ん中に位置する中央アジア諸国は、エネルギーや鉱物資源が豊富だ。地政学的にも重要な地域で、米国はアフガニスタン軍事作戦の補給路としている。日本がこうした国々との関係を戦略的に強めていくことは、日本の国益にとっても大切である。
岡田克也外相が7日から10日までウズベキスタン、カザフスタンの中央アジア2カ国を歴訪した。両国の大統領と会談したほか、ウズベクのタシケントでは、中央アジア5カ国との第3回外相会合を開いた。
外相会合の開催は4年ぶりだ。2004年8月、当時の川口順子外相が中央アジアを訪問した際に、対話の枠組みを立ち上げた。06年には第2回会合を東京で開いたが、その後は休眠状態にあった。
今回は麻薬やテロへの対策での協力に加え、相互の貿易や投資促進に向け来春までに東京で経済フォーラムを開くことで合意した。具体的な成果につながるよう期待したい。
カスピ海の油田を抱えるカザフは原油埋蔵量が多く、トルクメニスタンは天然ガスで世界4位の埋蔵量を誇る。希少金属を含む鉱物資源の宝庫でもあり、カザフはクロムの埋蔵量が世界1位、ウランは2位だ。
中央アジアの資源に着目し、米欧や中国、ロシアなどは資源外交を積極的に進めている。
特に中国は、カザフで油田の権益獲得を進め、両国間の原油パイプラインも敷設した。トルクメンからウズベク、カザフ経由で中国に通じる天然ガスパイプラインも、昨年末に開通した。将来は中央アジア3カ国からの天然ガス供給で、中国国内の消費量の約半分を賄うという。
日本もカザフのウラン鉱山の権益獲得などで実績をあげつつあるが、資源の調達先を多様化するうえでも一層緊密な関係を築くべきだ。中央アジア諸国の政治体制は総じて強権主義色が強い。法制を含め投資環境の整備も十分でなく、貿易や投資の促進には官民の協力が欠かせない。
中央アジアは中国、ロシアという2つの大国の間に位置し、イランとも隣接する。日本が米欧とともに存在感を強めていくことは、中央アジア諸国のバランスのとれた国家発展や地域の安定にも寄与するはずだ。
家電大手は国内外で販売する製品の開発・製造コストを引き下げるため基本設計の共通化に乗り出す。パナソニックは9月に世界で同時発売する空気清浄機に共通の部材を採用、価格を約3割下げる。三菱電機は冷蔵庫、東芝は洗濯機で設計の共通化に着手した。各社は海外売上高の拡大を目指しており、けん引役となる新興国でのコスト競争力を高める。国内の家電製品の値下がりにもつながりそうだ。
家電各社は新興国市場で各地のニーズに応じ冷蔵庫や洗濯機などを個別に開発してきた。しかし、地域ごとに一から開発すると費用がかさみ価格競争力を高められない。このため基本設計を共通化、地域対応は仕様変更にとどめてコストを下げる手法に転換する。
パナソニックの全額出資子会社、パナソニックエコシステムズ(愛知県春日井市)は空気清浄機の基本設計を共通化。本体と主要部品を同じ金型で生産し、日本、中国を含むアジア、中東で販売する。
新興国では加湿機能を省く。高価格機には除菌・消臭機能を加える。デザインや操作部などは地域に合わせて変更。中国での販売価格は下位機種で約1000元(約1万3000円)と従来に比べ約3割抑える。
三菱電機は中級(市場価格8万~12万円)の冷蔵庫5機種で冷蔵室や冷凍室、ドアの位置など基本構造を統一。製氷室や内部の棚の大きさは地域ごとによって変える。日本、香港などに続き、年内に東南アジア各国とオーストラリアにも出荷する。製造原価を約1割削減できるという。
東芝は年末から中国、東南アジア、日本で発売する3万円前後の縦型全自動洗濯機のボディー、洗濯槽、モーターなどを共通化。小型製品(洗濯容量4~6キログラム)で、地域別に開発してきた同型機を新製品にすべて置き換える。各社は設計を共通化する白物家電を順次増やしていく考え。
設計共通化はデジタル家電でも始まっている。パナソニックは7月にインドで発売した32型の液晶テレビをアジア共通モデルにする。先進国向けと同じプリント基板を使うが液晶パネルは低消費電力型を採用。バックライトの蛍光管は1本に減らしコストを下げた。マレーシアで発売、月内にもフィリピン、タイに投入する。
サムスン電子やLG電子など韓国勢は基本的な設計を世界共通にして、地域ごとに仕様を変更する手法を早くから採用。価格競争で先行し、新興国でのシェアを伸ばしてきた。
中国の家電大手、新興国を開拓 日韓勢と争いに
インド専用に商品投入 エジプト同業には出資
【香港=吉田渉】中国の家電大手が海外の新興国市場の開拓を加速している。海爾集団(ハイアール)はインド市場専用の商品を投入、10店以上の大型旗艦店も開く。広東美的電器は現地資本への出資で中東・アフリカに進出。四川長虹電器は販社設立でロシアなどでの販売体制を強化する。将来の人民元高に備え、新興国での現地生産に着手する例も増えてきた。日本の家電大手も同市場開拓に本腰を入れ始めており、今後は韓国勢に加えて中国勢との競争が激しくなりそうだ。
ハイアールは停電が多いインドの電力事情を踏まえ、停電時の庫内の温度上昇を抑える冷蔵庫など複数の専用商品を投入する。販売促進のため年内に大型旗艦店を都市部中心に10店以上開設するほか、広告宣伝活動に50億ルピー(約94億円)を投じる。2010年のインド売上高は100億ルピーを見込み、12年には3倍の300億ルピーに拡大する計画だ。
エアコン大手の美的はオランダ子会社を通じ、エジプトの同業大手ミラコの発行済み株式の32.5%を取得する。今夏からミラコが中東やアフリカで保有する販売網を使い、美的の商品を販売する。テレビで中国国内シェア首位の長虹電器は、ロシアとアラブ首長国連邦(UAE)ドバイに全額出資の販売子会社を設立し、主力のテレビの販路を開拓する。
新興国市場の開拓加速の背景には、中国国内の価格競争激化がある。中国政府の家電購入補助政策を背景に国内販売は好調だが、冷蔵庫などでは値下げも相次ぐ。各社とも国内市場への依存度が高く、新たな収益源の開拓が必要になっている。
新興国向け商品は現時点では中国からの輸出が多いが、人民元相場の上昇を見越して現地生産に踏み切る企業も増えてきた。ハイアールはすでにインドで冷蔵庫などを生産する工場を稼働済み。美的はインドネシア工場の新設を検討中だ。新興国市場の開拓が進めば、元高の影響を受けにくく、人件費が比較的安い国外に生産拠点を移す動きも広がりそうだ。
アフリカやインドなどの家電市場では、現地事情に合わせた商品投入などで先行した韓国のサムスン電子とLG電子が高いシェアを確保。日本メーカーも販売網強化を急いでいる。
パナソニックは10~12年度の中期経営計画でナイジェリア、トルコなど13カ国を重点市場と位置付け、ボリュームゾーン(普及価格帯)攻略を打ち出した。ソニーもアフリカの専売店拡充を急いでいる。普及価格帯に強い中国勢の新興国攻勢で、韓国勢、日本勢も含めた三つどもえの競争が激しくなりそうだ。
太陽電池“落日”危機 日本勢がトップ5陥落へ、中国など躍進
日本の“お家芸”だった太陽電池パネルの世界市場で、2005年に生産量トップ5のうち4社を独占していた国内メーカーが、10年にすべて姿を消す見通しであることが、独調査会社の調べで分かった。世界的な太陽光発電ブームを受け、米独のほか、中国など新興国のメーカーが、積極投資で生産能力を増強し攻勢をかけているためだ。
各国とも太陽電池などの環境分野を成長産業と位置づけ、官民一体の取り組みを強化している。国内勢のシェア低下は、日本の産業競争力の低下を招き、将来の雇用喪失にもつながりかねない。
独フォトン・インターナショナルが各国メーカーの10年の生産計画を調査。その結果、1位には中国のサンテックパワーが前年の2位から浮上。中国勢は、インリーソーラーが3位、JAソーラーも4位に入り、米独勢も5位内を維持する。逆に前年3位のシャープは6位に後退する見通しで、日本勢4社が名を連ねた05年から一変する。
日本勢は、1970年代の2度のオイルショックを契機に太陽電池の事業化に向け、地道な研究開発を続け、産業として開花させた。しかし、製造技術の普及に加え、地球温暖化問題で太陽光が次世代エネルギーとして脚光を浴びる中、新興勢が続々と参入し、シェア低下が続いている。
日本勢も「トップ3に入らないと量産効果が発揮できず、利益が出ない」(大手)と危機感を強め、能力増強を急ぐ構えだ。
シャープは、今年3月に100万キロワットの生産能力を持つ堺工場の稼働を始めたほか、年内に英国工場の生産能力を倍増させ、イタリアで合弁工場も立ち上げる。京セラは、7月に米国の新工場を稼働させるなどで、前年度に比べ生産量を50%増やす計画だ。
ただ、安い労働力を武器にした大量生産で価格競争をしかける中国勢には太刀打ちできないでいる。
太陽電池は13年に市場規模が08年の約3・5倍の2280万キロワットまで拡大するとの予測もある成長産業。日本を含め各国が、環境産業を育成し雇用を創出する政策を打ち出している。
日本メーカーの凋落は、政府が今年6月に決めた環境など4分野で500万人の雇用創出を目指す新成長戦略にも影を落とす。
コスト競争力でかなわない日本勢が生き残るには、「発電効率や耐久性など品質で対抗するしかない」(大手メーカー)。各社が研究開発体制の強化を急ぐと同時に、政府も投資減税などで後押しすることが急務だ。
中途採用者に入社準備金 DeNA、技術者対象
交流サイト(SNS)運営大手のディー・エヌ・エー(DeNA)は、ゲーム開発などを担当する中途入社の人材向けに入社準備金を支払う制度を導入する。転居費用など転職に伴う諸費用に充ててもらう。急成長するSNS市場は技術者の獲得競争が激しさを増しており、資金支援で人材確保につなげる。
11月末までに中途入社に応募し、採用された技術者職の中で基準に合った人材に200万円を支給する。入社にあわせてパソコンなどの機器を新たに購入する技術者もいるとみられるため、生活資金の手助けをする。
社内の技術使うサービス強化 NEC、専門部署設置
NECは多機能携帯端末など社内の新技術を使った新サービスの提案力を強化する。営業部門内に専門部署を設置し、専任の担当者約100人を配置した。IT(情報技術)や通信機器など社内の他の部門と連携しながら、新サービスを企画・立案するほか、通常の営業担当者と組み、顧客企業への提案活動を展開する。
営業ビジネスユニット内に「新事業推進本部」を設置した。今秋に発売するタブレット型の多機能携帯端末やICタグ、省エネルギーなど社内の新技術を生かした新サービスを企画・立案し、顧客企業に提案する。顧客企業の要望を吸い上げ、サービスに反映させる役割も担う。
円高対応、首相・日銀総裁の会談が焦点に 手詰まり露呈で逆効果も
外国為替市場で進む円高への対応をめぐり、菅直人首相は14日、日銀と綿密に連携する考えを表明し、首相と白川方(まさ)明(あき)総裁との会談が焦点に浮上してきた。ただ、会談が実現しても、具体的な円高対策を打ち出せるかは不透明。逆に手詰まり感を露呈して市場の失望を招き、円高を加速させるリスクもある。
菅首相は6月21日に就任後初めて白川総裁と初めて会談。今後も定期的に会談することを確認している。ただ、定期会談は「一般的な意見交換が目的」(政府関係者)で、円高が進行し市場が注視する中で会談すれば、意味合いが大きく変わってきる。
市場では、「政府・日銀が何もしなければ、1ドル=80円を突破しかねない」(大手証券エコノミスト)と、その動向を注視しており、会談すれば、市場介入や追加金融緩和への期待が高まるのは必至だ。
しかし、ドル安を容認する米国との協調介入は期待薄。財政出動を伴う景気対策も、民主党の代表選を控えた事実上の“政治空白”で動き出す気配はない。
日銀は10日の金融政策決定会合で追加緩和を見送ったばかり。「景気の下振れリスクが高まっているとは判断していない」(中曽宏理事)なかで、当面は追加緩和に踏み切らないとの見方が大勢だ。
「政治圧力を強めると、かえって日銀は動かなくなる」(為替ディーラー)との声もあり、会談実現に向けたハードルは高い。
厚生年金の「支え手」減る 採用抑制など影響
現役2.47人で高齢者1人「扶養」 昨年度末0.13低下
会社員が加入する厚生年金で現役世代の負担が膨らんでいる。高齢者1人の年金を何人の現役世代で支えているかを示す「年金扶養比率」をみると、厚生年金の2009年度末の比率(速報ベース)は高齢者1人あたり2.47人と08年度末と比べ0.13低下した。年金を受け取る会社員OBが増え、支え手の会社員が減ったためだ。景気後退や就業構造の変化で会社員の負担増に拍車がかかっている。
年金制度は現役世代が払った保険料で高齢者の年金を支える。年金扶養比率は、現役世代である加入者数を年金をもらえる権利のある人(受給権者)の数で割った値。比率が小さくなるほど、現役世代の負担が重いことを意味する。
厚生労働省によると、厚生年金の比率は1970年度末に高齢者1人あたり約42人だったが、その後低下し、04年度末に2.91人と初めて3人を割り込み、09年度末は2.5人を下回った。
まとまった厚生年金をもらえる高齢者(原則20年以上加入)は09年度末に1385万人と、08年度末と比べて約62万人増えた。これに対し、厚生年金の加入者は採用抑制やリストラなどで約20万人減った。加入者数が減るのは2年連続。
厚生年金の対象になりにくいパートや派遣社員などの非正規社員の増加という就業構造の変化も比率の低下に影響している。正社員と比べ勤務日数や勤務時間が極端に短い非正規社員は厚生年金に加入できない。会社員や公務員などを除いた国民年金加入者のうち、約4分の1は非正規社員になっている。
今後も現役世代の負担は重くなりそうだ。09年の公的年金の財政見通しによれば、厚生年金の年金扶養比率(受給者ベース)は30年度に高齢者1人あたり2.09人と2人を切る寸前まで低下。国民年金の状況はさらに厳しく、08年度末に2.55人、15年度には2人になる見通しだ。
09年度の厚生年金の給付費は前年度と比べ約1兆1500億円増え、23兆7500億円だった。加入者の減少などで保険料収入は前年度より約4500億円少ない約22兆2400億円。当面の収入の減少は厚生年金の積立金約120兆円(09年度末)で賄える。
ただ積立金にも限界があり、景気後退などで加入者の減少が急速に進めば、保険料率や支給開始年齢など負担と給付の見直しが必要になる恐れもある。今後も高齢者が増え給付が膨らめば、支え手である現役世代の負担は増す。一方、加入者の減少が予想以上に進めば、厚生年金の財政は厳しさを増しそうだ。
日経社説
中央アジア資源外交に弾みを
ユーラシア大陸の真ん中に位置する中央アジア諸国は、エネルギーや鉱物資源が豊富だ。地政学的にも重要な地域で、米国はアフガニスタン軍事作戦の補給路としている。日本がこうした国々との関係を戦略的に強めていくことは、日本の国益にとっても大切である。
岡田克也外相が7日から10日までウズベキスタン、カザフスタンの中央アジア2カ国を歴訪した。両国の大統領と会談したほか、ウズベクのタシケントでは、中央アジア5カ国との第3回外相会合を開いた。
外相会合の開催は4年ぶりだ。2004年8月、当時の川口順子外相が中央アジアを訪問した際に、対話の枠組みを立ち上げた。06年には第2回会合を東京で開いたが、その後は休眠状態にあった。
今回は麻薬やテロへの対策での協力に加え、相互の貿易や投資促進に向け来春までに東京で経済フォーラムを開くことで合意した。具体的な成果につながるよう期待したい。
カスピ海の油田を抱えるカザフは原油埋蔵量が多く、トルクメニスタンは天然ガスで世界4位の埋蔵量を誇る。希少金属を含む鉱物資源の宝庫でもあり、カザフはクロムの埋蔵量が世界1位、ウランは2位だ。
中央アジアの資源に着目し、米欧や中国、ロシアなどは資源外交を積極的に進めている。
特に中国は、カザフで油田の権益獲得を進め、両国間の原油パイプラインも敷設した。トルクメンからウズベク、カザフ経由で中国に通じる天然ガスパイプラインも、昨年末に開通した。将来は中央アジア3カ国からの天然ガス供給で、中国国内の消費量の約半分を賄うという。
日本もカザフのウラン鉱山の権益獲得などで実績をあげつつあるが、資源の調達先を多様化するうえでも一層緊密な関係を築くべきだ。中央アジア諸国の政治体制は総じて強権主義色が強い。法制を含め投資環境の整備も十分でなく、貿易や投資の促進には官民の協力が欠かせない。
中央アジアは中国、ロシアという2つの大国の間に位置し、イランとも隣接する。日本が米欧とともに存在感を強めていくことは、中央アジア諸国のバランスのとれた国家発展や地域の安定にも寄与するはずだ。
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