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GREEは会員数でmixi、モバゲータウンを抜く
 本日発表されたグリーの決算発表資料によると、SNSでゲームプラットフォームのGREEは7月末時点で2125万人になった。ミクシィーの8月4日発表の資料によれば、mixiの7月末時点で2102万人で、またディー・エヌ・エーの8月5日発表の資料によれば、モバゲータウンの同月末会員数は2048万人。
 以上のように公表されている数字からすると、GREEはこれら日本最大級のSNSの中でトップに抜きん出たことになる。8月4日の深夜にグリー代表取締役の田中良和氏がTwitter上で「7月末時点で会員数では、日本最大のソーシャルメディアになった(らしい)」とつぶやいていた。
 グリーが13日に発表した2010年6月期決算は、最終利益が約2・6倍の115億円だった。ソーシャルゲームのコンテンツ(情報の内容)の充実化などにより会員数が順調に伸び、それにともなって有料課金収入と広告収入が増加した。
 売上高は約2・5倍の352億円、営業利益が約2・3倍の195億円だった。同社が展開するソーシャルゲームサイト「GREE」が、今年6月からゲームソフト大手バンダイナムコゲームスなど外部メーカーの作品受け入れなどにより、会員数が7月末で前年同期比771万人増の2125万人に拡大した。
 11年6月期は、売上高が540億~600億円、営業利益が270億~300億円、最終利益が159億~177億円を予想。利用拡大が期待されるスマートフォン(高機能携帯電話)への対応強化や、アジアや北米への事業展開などにより成長を維持する考えだ。 なお、2010年6月期Q4の売上は109億4000万円、営業利益は52億9400万円だった。前四半期に比べて売上で18%増加、営業利益は増減なし、また前年同期比では売上で113%、営業利益で101%と大きく伸びている。



音声で携帯電話を操作 米グーグル、メール送信も
日本語などにも対応へ
 【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルは12日、声で携帯電話を操作する技術を開発したと発表した。音声認識技術などを使い、ボタンを使わずにメールを送信したり、電話帳に登録した電話番号を探して通話したりすることができる。操作を容易にして多様な使い方ができる高機能携帯電話(スマートフォン)の普及を加速させる。
 グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」の最新版を搭載した携帯などで、12日から新機能を利用できるようにした。メールを送信する場合、携帯のマイクに向かってまず「メール送信」と話し、あて先と内容を音声で入力する。音声で電話帳の検索や音楽の再生、地図検索なども可能だ。
 現在は米国英語のみに対応しているが、日本語を含む他言語への対応も今後進める。他言語版の提供時期は未定。グーグルによると現在、音声の70%程度を正しく文字に変換でき、利用者の増加によりさらに正確性を高められるという。
 同社は既に音声によるネット検索サービスを提供しており、アンドロイドを搭載した携帯を通じた検索の約25%は音声によるものという。「iPhone(アイフォーン)」を販売する米アップルなども声で携帯を操作する技術に力を入れており、拡大が続いているスマートフォン市場で音声の活用で利便性を高める開発競争が活発になりそうだ。



Twitter、公式「Twitter Button」を発表
 米Twitterは8月12日(現地時間)、Webサイトに設置し、ツイートを簡易化する「Tweet Button」を発表した。これまでTweetMemeやTopsyなどサードパーティー製の同様のボタンはあったが、公式ボタンは初めての登場だ。
 同社は、TweetMemeとの提携も発表した。TweetMemeはTweet Buttonに関して技術的なサポートを提供するという。さらに、TwitterのFirehose(公開ツイートのリアルタイムデータ)での取り組みでも協力し、Firehoseを利用した新製品を公開していくとしている。その第一弾として開発者向けツール「DataSift」を発表した。Firehoseのデータをさまざまな目的で絞り込み、カスタマイズしたストリームデータを生成できる。
 Tweet Buttonは、既存のボタンと同様に、数行のコードを追加するだけでWebサイトに設置できる。このボタンをクリックすると別ウィンドウで、記事のタイトルとTwitterのURL短縮サービスt.coで短縮されたURLの入ったツイート作成画面が表示される。
 ほかのボタンと異なるのは、ここで「ツイート」ボタンをクリックすると、フォローを勧める画面になる点だ。ボタンでツイートしたコンテンツのWebサイトに基づいたユーザーを勧めているようだ。
 公式ボタンの発表は、同社がTwitterエコシステムの資産の自社での管理をより強化しようとする動きの一環とみられる。同社は過去に、iPhoneアプリ企業のTweetieを買収して公式iPhoneアプリを公開したり、Twitterで普及したURL短縮サービスBit.lyに対抗する公式URL短縮サービスを立ち上げたりしている。



PCのブラウザからAndroidにリンクを一発転送――Chrome to Phone Extension
 Googleが8月12日(現地時間)、PC向けのWebブラウザGoogle Chromeの拡張機能として「Chrome to Phone Extension」を発表した。エクステンションを組み込むと、Chromeブラウザにボタンが用意され、専用アプリをインストールしたAndroid 2.2以降のスマートフォンにWebページやGoogle Mapsの地図、YouTubeの動画、電話番号、選択したテキストなどを簡単に転送できるようになる。
 この連携機能は、メールでURLを転送するのとは異なり、Androidスマートフォン側で瞬時にブラウザやマップアプリ、YouTubeアプリなどが開き、そのページや地図、映像が表示される。さらに電話番号を選択して転送すれば電話をかける直前の状態に、文字列を選択して転送すればクリップボードに入った状態になる。
 ただ対応OSはAndroid 2.2以降となっている。Android 2.2で実装されたAndroid Cloud to Device Messaging(C2DM)サービスを利用するためだ。現在は英語版のみの提供となっており、Android向けのアプリは米国、英国、カナダ、オーストラリア、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ向けに配信が開始されているが、日本ではダウンロードできないようだ。なお英語以外の言語に対応したバージョンも開発中だ。



ネットでラジオが聞ける「ラジコ」 9月以降も試験配信延長へ
 ラジオ番組をインターネットで楽しめる放送サービス「radiko(ラジコ)」を展開する「IPサイマルラジオ協議会」(事務局=電通)は13日、当初8月末で終了予定だった実用化試験配信の放送サービスを9月以降も継続すると発表した。11月末まで約3カ月間延長する見通しだ。継続の理由は、ラジコの週間聴取者数が延べで300万人を数え、「リスナー(聴取者)の期待に応えたい」(同協議会)ため。
 ラジコは、3月15日から首都圏や関西の一部地域を対象に始まったインターネット上のラジオ放送サービス。ニッポン放送や文化放送など在京ラジオ7局、ラジオ大阪やFM802など在阪ラジオ6局が、CMも含め、地上波と同じラジオ放送を配信し、人気を集めている。
 インターネットのホームページ上だけでなく、米アップル製「iPhone(アイフォーン)」やアンドロイド携帯といったスマートフォン(高機能携帯電話)に無料の専用アプリケーションソフトを導入すれば、同放送を楽しめる。



格付け会社登録 外資系の本社は「グループ指定」に 金融庁
 金融庁は13日、外資系の格付け会社の登録に関する内閣府令の改正案を公表した。日本法人に登録を義務づけ検査・監督対象とする一方、海外の本社を「同一グループ」とみなし、格付け手法などの説明を明確にすることを義務づける。
 格付け会社の登録制は、米国のサブプライムローン問題で、格付けの信用性が大きく損なわれたことを受けた規制強化の一環で、国内5社を対象に10月1日から導入する。うち米国に本社のあるスタンダード&プアーズ(S&P)など外資系3社に、金融庁は日本法人だけでなく本社の登録も要請していた。
 これは金融庁が「本社が格付けを最終判断している」とみるためだが、3社は本社の登録を拒否、このままでは無登録業者になりかねない状況だった。
 金融庁は外資系3社の日本法人に登録を要請、一方で本社をそのグループとして、金融庁長官の指定業者に位置づける。本社は格付け手法などを明確にするよう、格付けした金融商品を扱う証券会社などを通じ、投資家に説明するよう求められる。グループ制は経過期間を設け、来年1月1日から導入する。



野村HD、農業ビジネスに進出 国内金融機関で初
 野村ホールディングスは13日、新会社を10月に設立し、農業ビジネスに参入すると発表した。農業に関心のある自治体や企業などに対し、経営ノウハウなどを提供する。国内金融機関で農業ビジネスに本格的に乗り出すのは野村が初めて。
 野村は、数年前から全国173支店を通じて地域活性化につながる新規事業を検討しており、農業ビジネスは第一弾となる。
 資本金1億5千万円で100%出資の新会社「野村アグリプランニング&アドバイザリー」を設立。農業組合法人や大学の農学部教授らと顧問契約を結ぶなどして得た農業経営のノウハウを、自治体や大学、企業に対して提供する。
 また、新会社は子会社「野村ファーム」を10月に設立し、自らも農産物の生産を行う。将来は、機能性食品やアンチエイジング食品など高付加価値のある農産物の開発を視野に入れている。



記者の目◇東映、レンタルビデオ業界の競争が思わぬ恩恵?
 東映が12日に発表した2010年4~6月期決算は、純利益が前年同期比20%増の12億円だった。主力の映像関連事業では、映画の自社配給で目立った作品が無かったことに加え、興行収入も低調だった。では増益だった第1四半期での勝因は何だったのか。それは、ビデオ事業の「計画以上の伸び」(安田健二取締役)だ。映画関連産業は本来、ヒット作の有無で収益の浮き沈みが激しい。今回はビデオ事業が映画の沈みを救った形だ。
 第1四半期は、自社配給による「劔岳(つるぎだけ) 点の記」などのヒット作品があった前年同期に比べ、映画作品は小粒だった。5月から2週間おきに3本の新作を上映した「仮面ライダー」シリーズが堅調だったが、4~6月全般の興行や配給に絡むマイナス分を補えなかった。
 部門別の収益をみると、映像関連事業の営業利益は18億円。事業区分の変更があったため単純な比較はできないが、前年同期から大きくは減っていないように見える。ただ、映像事業には過去の作品のDVD化などのビデオ事業を含んでいる。ビデオ事業の数字は開示されていないが、この第1四半期においては「ビデオ事業の効果が大きかった」(同社)もようだ。
 ビデオ事業好調の背景には何があるのか。東映によるとDVDレンタル店におけるレンタル料の低価格競争によるところが大きいという。
 ゲオやツタヤなどのレンタルショップは相次いで、旧作のDVDを100円程度と安価に貸し出すサービスを始めた。これが引き金となり、来店する顧客が増え、レンタル用DVDの在庫が逼迫(ひっぱく)。このため、レンタルショップからの需要が伸び、想定外の“特需”でDVD販売の伸びにつながったという。ビデオ事業は総じて原価率が低く、売り上げ増による利益貢献が大きくなりやすい。
 主に子会社が手掛けるアニメーション事業も好調だった。人気の「ワンピース」や「ハートキャッチプリキュア!」の国内版権事業が伸びた。同事業も収益性は高く、利益底上げに貢献した。8月下旬には「ワンピ-ス」の最新DVDが発売される予定で、期待の持てる予約状況だという。
 映画制作では多額の資金を投入して“大作”と呼ばれる作品を手掛けても、興行が不調に終われば収益的には大きなお荷物になる。映画各社の幹部は声をそろえて、「収益の予測はたてにくい」と話す。収益のぶれを補うという意味でビデオ事業の存在感は高くなっているが、やはり収益が上ぶれる最大の要因はヒット作の誕生だ。
 東映の今期は、期待の持てる作品が下期に多い。11月公開予定で3次元(3D)対応の「バトル・ロワイアル」。2000年に公開され、大ヒットした作品を3D版でよみがえらせる。そして、今期1番の目玉は人気テレビドラマから生まれた「相棒」の最新作だ。前作は記録的な大ヒットとなったため、今作も高い興行成績が期待されている。
 注意が必要なのは両作品とも製作委員会方式がとられていること。数社が資金を出し合って映画をつくる製作委員会方式は、興行成績が悪かった時でも1社だけが損を被るということは無くなる半面、「収益が大きく増加するということも無い」(安田取締役)。期待が大きければ大きいほど、不調に終わったときの落胆も大きい。過度の期待は禁物かもしれない。



【産経主張】15年ぶり円高 相場安定にあらゆる手を

 円高ドル安に歯止めがかからない。一時1ドル=84円台まで上昇し、15年ぶりの円高水準になった。企業業績の悪化懸念から12日の日経平均株価も一時、今年の最安値を更新した。
 行き過ぎた円高は好転しつつある企業業績に冷水を浴びせ、日本経済の腰折れにつながりかねない。デフレ経済からの脱却も困難にする。菅直人政権と日銀はさらに急激な円高が進む不測の事態に備えておかねばならない。
 今回の円高の引き金になったのは欧米の景気の失速懸念だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和に動いたことから、日米金利差の縮小を予想させ、市場での円買い・ドル売りが一段と加速した。金融システム不安がなく、企業業績も持ち直してきた日本経済が、欧米に比べて相対的に安定しているとみられ、「円」が買われている形だ。
 しかし、米国の事情による円高ドル安、と静観している場合ではあるまい。何より心配なのは、円が続伸することで企業経営者の間に不安感が広がり、投資や雇用を控えさせることだ。企業の海外移転が加速し、国内の産業空洞化の進行も懸念される。
 菅首相が財務相当時、安易に具体的な為替水準に言及し、相場が混乱したことがある。その反省があるのかもしれないが、政権の反応は鈍い。政府・日銀は、市場に対して円高阻止のメッセージを明確に発すべきだ。日銀は先の政策決定会合で金融政策の現状維持を決めたばかりだが、量的緩和など一段の金融緩和策についても柔軟な対応が必要だ。
 欧米との国際協調も進める必要がある。先進7カ国(G7)の財務相による電話会談などを働きかけてもよい。日欧米とも一昨年秋のリーマン・ショック後の景気対策で財政が悪化、政策金利引き下げの余地も小さい。市場では「欧米は自国通貨安を容認し、輸出拡大で活路を見いだそうとしている」との見方が広がっている。
 だが、自国利益を優先して国際協調をないがしろにしては世界経済の持続的成長にマイナスだ。市場の信認を得るためにも、G7が一致して「協調介入も辞せず」との姿勢をみせるべきだ。
 政策対応が後手に回れば、市場は投機的資金に翻弄(ほんろう)される。それを阻止するには、G7各国の連携がなにより肝要である。
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