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アップルが新ノートパソコン 無料ビデオ通話OK
 【シリコンバレー=岡田信行】米アップルは20日、超薄型のノート型パソコン「マックブックエア」の新機種を発表した。記憶装置に半導体メモリーのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)を採用。厚さは最薄の先端部で0.3センチメートル、最も厚い部分でも1.7センチに抑えた。画面は11インチと13インチの2種類。アップルが提供する無料ビデオ通話にも対応し、買い替え需要だけでなく、新規ユーザーの開拓に注力する。
 新型マックブックエアの価格は11インチ、記憶装置が64ギガ(ギガは10億)バイトの最も安い機種で999ドル(日本での価格は8万8800円)となる。
 カリフォルニア州クパチーノ市のアップル本社で記者会見したスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は「(多機能携帯端末)『(iPad)アイパッド』の良さを生かしたノートブック」と新製品を披露した。
 ジョブズCEOは、高機能携帯電話(スマートフォン)「iPhone(アイフォーン)4」で人気を博した無料ビデオ通話機能「フェースタイム」の対象を拡大するとも発表。20日から新型マックブックエアを含め、現行マックOS(基本ソフト)「スノーレパード」を搭載した既存製品でも対応を始めた。
 ユーザーはインターネット上のアップルのサイトからソフトを取り込み、面倒な設定無しで、世界中どこでも無料ビデオ通話ができる。
 また、来年夏にはマックOSを刷新し、新OS「マックOSX(テン)ライオン」を投入。iPhoneやiPadと同様の使用感覚でマックでもアプリケーションソフトが利用できる「マック・アップストア」も始める。「マック・アップストア」は新OSに標準搭載されるが、現行OSにも対応。3カ月以内に提供を始めるという。



DVDレンタル店、ピークから半減 映像配信が打撃
事業モデル見直しも
 DVDレンタル市場が転機を迎えた。シェアの計6割を握る首位カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と2位ゲオの価格競争などで市場縮小が加速している。米国では9月、最大チェーンが宅配レンタルや自動貸出機におされて経営破綻した。日本では今のところ店舗の優位性は揺らいでいないが、インターネットテレビなどの普及で映像配信が本格化すれば、店舗中心の事業モデルの見直しを迫られそうだ。
 ゲオは昨夏、全国約1000店の「ゲオショップ」で旧作のレンタル料金を従来の半額の100円に値下げ。これに対抗し、「TSUTAYA」を運営するCCCは競合店が多い北海道や愛知県など約20道県で追随した。両社とも「相手が値上げするまでやめない」と話し、消耗戦の出口は見えない。
 TSUTAYA約1400店の2011年3月期の貸出枚数は、値下げの集客効果で前期比1割増の6億5千万枚を突破する勢い。ただDVDレンタルの既存店売上高は4~9月期に前年同期比7.2%減った。ゲオショップの4~9月の既存店売上高(ゲームソフト販売など含む)も前年同期比4.2%減だった。
 日本映像ソフト協会(東京・中央)の推計によると、09年のDVDレンタルの市場規模は前年比12%減の3067億円で、05年に比べ500億円以上縮んだ。人口減に加え、若者らが無料動画配信サービスなどに流れていることが背景にある。CCCとゲオのシェアはそれぞれ4割強と2割。2強の苦戦で10年はさらに縮小する可能性が高い。全国の店舗数も約4000と個人経営店の廃業などにより、ピークだった1990年代前半の半分以下に減っている。



過去の番組動画、月945円で見放題のパック NHK
 NHKは20日、インターネットを使った動画配信サービスで、過去の番組を1カ月945円で何本でも視聴できる定額のパック商品を12月から提供すると発表した。大河ドラマやNHKスペシャルなど約2500本の作品が対象。実質的な大幅値下げにより動画視聴者を増やし、2008年12月のサービス開始から赤字が続く動画配信事業の立て直しを目指す。
 対象作品はシリーズなどの放送が終わった「特選ライブラリー」の3200本超から選んだ。1カ月の料金945円は単品3本分と同じ。原則315円の単品の料金についても、30分以内の番組は105円、30分超は210円に引き下げる方向で検討しているという。
 直近10日程度の番組を視聴できる「見逃し番組」では見放題のパック商品を導入済み。



NTTデータ、1000億円で米社買収へ 資金力生かす
円高も追い風、海外事業に弾み
 NTTデータは情報システムを手がける米IT(情報技術)企業、キーン(マサチューセッツ州)を買収する方針を固めた。買収金額は1000億円強とみられ、情報システム事業の最大市場である米国に本格進出する。業績回復を受け、NTTグループを含む日本企業の資金力は高まっている。円高も追い風に、海外企業のM&A(合併・買収)でグローバル成長を目指す動きが広がってきた。
 M&A助言のレコフ(東京・千代田)によると、今年1~9月の日本企業による海外企業買収件数は前年同期比2割増。金融を除く民間企業が持つ現預金は2009年度末で203兆円に上る。豊富な手元資金を海外M&Aに投じる企業が増える可能性もある。
 NTTデータとキーンは買収合意に向け最終的な交渉に入っており、10月末までの合意を目指す。キーン株は米金融大手シティグループの投資会社が約50%、残りを経営者や従業員が保有。NTTデータは全株式を取得し経営権を握る方針だ。
 日本のIT大手では富士通が米国でシステム事業を手掛けるが、強い顧客基盤と開発力を備える米IBMなどに押されている。NTTデータは買収を通じ米国内で製造業や金融などの優良顧客を確保するとともに、キーンがインドなどに持つ開発拠点を手に入れ早期に事業を拡大する。



外資誘致へ法人税優遇 政府検討、5年間10~15%下げ
 政府は日本に新たに進出する外資系企業を対象に法人税を優遇する検討に入った。地方税を含めておよそ40%の実効税率を5年ほどの期限付きで10~15%引き下げる。政府・与党はすでに企業の活性化策として5%引き下げの検討を進めているが、外国企業向けにさらに手厚い優遇措置で日本への進出を促す。近く具体策を盛り込んだ計画をまとめ、来年度からの実現を目指す。
 政府は6月の新成長戦略で「外資系企業の立地促進」を優先課題として掲げていた。こうした方針を受けて政官民でつくる国内投資促進円卓会議(議長・大畠章宏経済産業相)が議論を詰めており、11月中に包括的な「日本国内投資促進プログラム」を公表する。
 柱となるのが法人税の優遇措置。日本で新たにアジアの統括拠点や研究開発拠点を設ける外資系企業には当初の5年程度、法人実効税率を25~30%に引き下げる。これは主要先進国や中国、韓国などアジア各国の実効税率の平均水準とほぼ同じ。政府は来年度にも約5%下げる検討に入っているが、一段と踏み込んだ優遇策を先行して実施し、日本に進出する企業の負担を和らげる。
 ハイテクや医療・バイオなど高度技術を持ち、日本に新規に進出したり、海外から拠点を移す企業などを対象にする方針だ。M&A(合併・買収)で日本企業を取得した際に優遇税制を適用するかどうかといった細部を今後詰める。
 プログラムにはこのほか、オフィス賃料や土地・建物の取得費用などへの補助金も盛り込む考え。高度技術者のビザ取得手続き簡素化など、外国人が働きやすい環境整備も打ち出す。また、研究開発拠点を構えやすいように薬事法などの審査手続きの迅速化も盛り込む構えだ。
 日本を除くアジアなど各国は、海外の企業を自国に誘致する競争を繰り広げている。韓国は外国人技術者の所得税を減免、中国も技術水準の高い製造業に限定した優遇税制を設けた。
 日本からは外資系企業が流出している。経済産業省の調査によると、2008年度に日本から125の外資系企業が撤退した。このところ毎年100社を超えており、09年度も脱日本の動きは続いているとみられる。



円相場が80円台に突入、15年半ぶり 史上最高値まで1円に迫る
 【ニューヨーク支局】20日のニューヨーク外国為替市場で円相場が急伸し、一時1ドル=80円84銭をつけ、約15年半ぶりの高値を更新した。1995年に付けた円の史上最高値である79円75銭まで1円余りに迫り、高値更新がいよいよ視野に入ってきた。
 午前11時現在は、前日比69銭円高ドル安の1ドル=80円85~95銭。ユーロは1ユーロ=1・3960~70ドル、113円00~10銭。
 市場では、11月に米国が思い切った追加金融緩和に踏み切るとの観測を背景にしたドル売り圧力が根強く、主要な経済指標の発表がなく小幅な値動きとなる中、ジリジリと円高ドル安が進んだ。
 週末には、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控えるが、「有効な為替安定策が示されなければ、一気に70円台に突入する」(市場関係者)との見方が出ている。



【産経主張】中国利上げ 早めの人民元上昇容認を
 中国が2年10カ月ぶりに政策金利の引き上げを決め、金融引き締めに転じた。国内物価の上昇が著しく、インフレ懸念が強まっているためだ。
 世界経済にとって中国の持続的な安定成長は欠かせない。中国は利上げにあわせて、実勢より割安な人民元の切り上げを実施し、世界経済の不均衡是正に努める責務も忘れてはならない。
 利上げの背景には、不動産価格と消費者物価の上昇がある。こうした状態が続けば、国民の不満が募るだけでなく、バブル崩壊の危険性も高まる。利上げによって景気の過熱を冷やし、経済を巡航速度に戻そうとするのは、妥当な政策選択といえよう。
 今回の利上げには22日から韓国で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に、日米欧などによる人民元切り上げ要求を牽制(けんせい)する狙いもあるようだ。利上げは内外の金利差を拡大し、自国通貨高を招きやすい。対外的には通貨切り上げの容認を予想させるからだ。
 しかし、中国は人民元の値動きや資本の流入を厳しく管理している。変動相場制を採用している通貨のように、利上げが必ずしも通貨高につながらない。事実、中国の通貨当局は利上げ後もドルの値動きに連動させ、人民元の上昇抑制に動いた。
 中国は人民元の上昇を抑えるため、元売りドル買いの為替介入を続け、市場に大量の人民元を放出してきた。中国が今後取るべき措置は、介入を自粛し、人民元の上昇を容認していくことだ。そうすれば、輸入物価の上昇を抑えつつ、市場に出回る資金量を減らすことになる。それがインフレ抑制にもつながる。
 逆に中国が、かたくなに通貨安の維持を目指せば、利上げ効果を減殺することになろう。輸出で成長しようとする他の新興国などの通貨安競争にも拍車がかかるのは必至だ。そうなれば、ブラジル財務相が指摘する「通貨戦争」が現実のものとなりかねない。
 中国は「元切り上げの必要性を認識している」と言う以上、行動で示すべきだ。為替操作以外にも中国の国際ルールを顧みない行動は、レアアース(希土類)の輸出規制などにも表れている。G20は一致して、世界2位が確実視される経済大国としての責任を果たすよう求めていかねばならない。
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