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2万5000円「ニンテンドー3DS」の想定ユーザー
 任天堂が9月29日に千葉市の幕張メッセで開催した「任天堂カンファレンス2010」。新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」のお披露目とあって大いに注目されたが、岩田聡社長による発表は意外だった。発売日は大方が予想した年内でなく2011年2月26日と遅く、希望小売価格も2万5000円と高額だったためだ。
 ニンテンドー3DSの2万5000円という価格は過去の任天堂の携帯ゲーム機にはない高さだ。現状では、現行機「DSi」(同1万5000円)や「DSi LL」(同1万8000円)はもちろん、据え置き型ゲーム機「Wii」(同2万円)をも超える。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「プレイステーション3」(同2万9980円)と比べても5000円しか違わず、発売当初の価格設定は据え置き機並みといえる。
 ただ、アップルの携帯型音楽プレーヤー「iPod Touch」(32GBモデル)が2万7800円であることを考えると、一概に高すぎると決め付けるのも難しい。ゲーム機としては高額だが、3DSはハードウエア単体で利用できる機能がDSiなどより増えている。そのコストが素直に価格に反映されたという印象なのだ。
当初の想定ユーザーは「子ども」でない?
発売日と価格の発表スライド
 では、任天堂はなぜ手ごろな価格まで機能を削りこまなかったのか。その意図は、想定ユーザーを考えると見えてくるかもしれない。
 発表会で目についたのは、3DSの機能を紹介するイメージビデオだ。数分間のビデオに登場する主なユーザーは20代の女性で、他のシーンでも20~30代の成人が多いように感じられた。ゲームを遊ぶシーンでは高校生や大学生らしき男性が出てくるが、少なくとも任天堂製品のメーンユーザーである子どもは見られなかった。
 つまり任天堂は、3DSの当初の中心顧客を成人層と想定しているのではないか。
 任天堂は3DSに「持ち歩く、響き合う、毎日が新しい。」というキャッチコピーを付けている。このうち特に「持ち歩く」というコンセプトは、当然のことながら生活習慣として3DSを持ち歩くユーザーが増えないと成功しない。
 小中学生層は意外にゲームを持ち歩かないものだ。そもそも学校に3DSを持っていくことはできないし、休日に持ち歩いても移動距離は小さい。そう考えると、実際に持ち歩いて3DSの新機能を使う可能性が高いのは、大学生や若い社会人ということになる。この層であれば、2万5000円という価格も妥当という計算になる。
新機能で持ち歩く動機付け
 3DSは、大人が毎日手元において持ち歩くという狙いを実現するために、いくつかの機能やサービスを盛り込んだ。その1つが、他のユーザーと情報を交換し合う「すれちがい通信」だ。
 すれちがい通信は、街中や電車のなかでDSをスリープモードにして持ち歩くと、他のユーザーの本体を探して自動的に通信するという機能。09年発売の「ドラゴンクエストIX」(スクウェア・エニックス)が自動生成した地図を交換し合うすれちがい通信機能を採用し、人気を集めたことで注目されるようになった。
ニンテンドー3DSのすれちがい通信を紹介するプロモーションビデオ
 ただ、従来は同一タイトル同士でしかデータ交換ができず、大ヒットしたタイトルでないと通信が起きなかった。そこで3DSは、複数のソフトのデータを本体で管理し、異なるソフトがセットされた状態でもすれちがい通信が発生するようにした。
 3DSはWiiと同じく、顔のパーツなどを組み合わせて自分のアバター「Mii」を作成する機能が標準搭載されており、このデータもすれちがい通信時に交換される。「すれちがいMii広場」というソフトを使うと、誰とどういうところですれ違ったのか、その人がどんなゲームで遊んでいたのかといった情報を見ることができる。
立体写真で記念撮影
 すれちがい通信が他のユーザーのデータを記録するのに対し、持ち歩いて自分のデータを記録に残す機能もある。「思い出きろく帳」やカメラ機能などだ。
 思い出きろく帳は、3DSを持ち歩いた「歩数」を万歩計のように記録してグラフで表示したり、ゲームのプレー時間を記録したりできる。また内蔵カメラは、画素数は30万画素と少ないものの、3D写真を簡単に撮影することができる。裸眼で3D(3次元)表示が可能という3DSの特徴を生かしたもので、日々持ち歩いて目にした光景を立体写真というまだ一般的ではない形式で写真を残したいと思う人は数多く出てくるだろう。
 撮影した写真のデータを元にMiiを自動生成する「Miiスタジオ」や、二人の人物の顔を簡単に合成できる「顔写真合成機能」といったものも搭載されている。また、「いつの間に通信」という機能では、設定された公衆無線LANのアクセスポイントをスリープモード状態で探して、コンテンツなどを自動でダウンロードする。
 任天堂は、こうした他のユーザーとの交流機能や自分の生活データを記録に残す「ライフログ」の機能を組み合わせることで、持ち歩く動機を植えつけようとしている。
任天堂型のソーシャル機能とは
 ただ問題は、すでに多くのユーザーが、持ち歩く機器として携帯電話を所有していることにある。3DSを2台めとして持ち歩くように習慣づけるには、従来の携帯電話や最近人気のスマートフォンとも異なる独自性を出す必要がある。
 携帯電話向けのサービスでは現在、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やSNS上で他のユーザーと交流するソーシャルゲームが大流行している。任天堂は今回、SNSのようなサービスに進出する素振りをまったく見せなかったが、これは携帯電話と重複した機能を持たせても競争力にはならないと見ているからだろう。
 携帯電話のSNSの特徴は、ユーザーが日本全国どこにいても携帯の通信ネットワークにつながっていれば交流できるところにある。一方、3DSのすれちがい通信による交流は、実際に電車に乗ったり街を歩いたりすることで生じ、より「リアル」に近い。
 SNSのソーシャルゲームは、ゲームそのものだけでなくゲームを介したユーザー間のやり取りに面白さがあることを一般に認知させた。ただ任天堂は、現在のソーシャルゲームのスタイルがソーシャル機能のすべてとはみていないはずだ。3DSは、任天堂が提案する新しいソーシャルメディアのプラットフォームであり、今後もこの機能を強化していくものとみられる。
 しかし、多くのユーザーを巻き込むためには、3DSを一定台数まで早期に普及させ、ソーシャル機能に連動するゲームも増やしていく必要がある。その点、今年の年末商戦を外してしまった影響は大きく、本体価格を高くした分だけ同時に購入するソフトの本数が減るという可能性もある。こうしたハンディを乗り越えられるかどうか、任天堂の試練は3DS発売後も続くだろう。



位置情報サービス「mixiチェックイン」200万投稿突破
 ミクシィは10月6日、携帯電話のGPS機能を利用して、今いる場所の情報を共有できる「mixiチェックイン」の投稿数(チェックイン件数)が開始から1カ月で200万件を突破したと発表した。
 9月6日にスタートしたサービス。GPSで現在地情報を送信し、駅名などあらかじめ登録されたスポットから選んで「チェックイン」をクリックすると投稿できる。新たにスポット情報を追加することも可能だ。
 同様なサービスとしては、海外ではfoursquareが、国内でははてなの「はてなココ」、ライブドアの「ロケタッチ」などがある。



パナ、携帯ゲーム機を開発 オンライン特化で15年ぶり再参戦へ
 パナソニックは6日、新型の携帯ゲーム機を開発していることを明らかにした。インターネットに接続して遊ぶオンライン型のゲーム機になるとみられる。同社は約15年前にゲーム機事業から撤退しており、再参戦となる。
 開発を進めているゲーム機の商品名は「ジャングル」。オンラインゲームに特化した機能を持つとみられるが、「発売時期や仕様は決まっていない」(同社)としている。
 パソコンや携帯電話などでも利用できるオンラインゲーム市場は国内外で急拡大している。日本では携帯電話で利用する交流機能を持った「ソーシャルゲーム」の市場が急拡大しており、専用端末のニーズは高いと判断したとみられる。
 パナソニックは1994年にビデオ、写真、ゲームに対応したマルチメディア機器「3DO・REAL(スリーディーオー・リアル)」を国内で発売したが、普及せず、ゲーム事業から撤退している。



理論社が民事再生法の適用申請 負債22億円
 帝国データバンクによると、中堅出版社の理論社(東京都新宿区)が6日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債額は約22億円。児童図書を中心に扱い、灰谷健次郎の「兎の眼」「太陽の子」、倉本聰の「北の国から」などを刊行。最近はヤングアダルト向け作品などをヒットさせているが、借入金が重荷となっていたという。



JVCケンウッド、マレーシアで300人削減
 経営再建中のJVC・ケンウッド・ホールディングスは6日、ビデオカメラやオーディオを生産するマレーシア工場で2010年度末までに全体の約2割にあたる300人を削減する計画を明らかにした。5月に発表した1000人規模の人員削減計画の一環で、国内でも早期退職制度を活用してリストラを進める。固定費を抑えて早期の業績回復を目指す。
 河原春郎会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)が明らかにした。
 子会社の日本ビクターが持つマレーシア工場の人員を現在の1300人から1000人に減らす。家庭用オーディオ機器の自社生産を終了し外部委託に切り替えるため、その作業を担っていた従業員を削減する。
 国内でビデオカメラの生産から8月に撤退しマレーシア工場に生産ラインを移管したが、人員を増やさずに対応する。
 5月に発表した経営再建策では、グループ全体の1割にあたる1000人規模の人員削減を打ち出した。横浜市にある本社を売却して年内に移転する予定で、国内でも退職希望者を募って転職を支援する。
 08年10月にビクターとケンウッドが経営統合して発足したJVCケンウッドはAV(音響・映像)事業の不振や、過去の不適切な会計処理による追加損失で最終赤字が続いている。河原会長は「構造改革は終わりが見えてきた」と述べ、10年度内に成長路線への回帰を目指す方針を強調した。



ビックカメラとソフマップ、物流拠点を一体運用
 ビックカメラは子会社のソフマップと物流拠点を一体運用する。関東と関西に2社で計6カ所ある物流センターを10月中に3カ所に集約。管理業務などを統合し、年約10億円のコストを減らす。エコポイント制度と地上デジタル放送への移行が来年終了し、主力の薄型テレビなどの販売が落ち込むとみられており、経営を効率化する。
 関東では顧客への商品配送をビックカメラが埼玉県東松山市に持つ物流施設に集約。各店舗への配送と修理業務はソフマップの千葉県浦安市の拠点にまとめる。ソフマップが千葉市に持つ物流施設は廃止する。
 関西では大阪府高槻市にあるビックカメラの物流拠点と、ソフマップが大阪市と大阪府茨木市に持つ拠点を廃止。新たに神戸市に約9000平方メートルの大規模センターを借り、物流機能を移す。関西ではインターネット通販で消費者向けにより早く配送をするなどサービスの強化も検討する。
 ビックカメラは2006年にソフマップを子会社化。今年1月にはソフマップ株を100%取得し、割引ポイントを交換可能にするなどの連携を進めてきたが、物流網は別々に運用してきた。今回の統合で1拠点当たりの取扱量を増やして運送業者に支払う運賃を削減する。



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