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スマートフォンにワンセグ機能など搭載 NTTドコモ
 NTTドコモは2010年度内に携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」と電子マネーの「おサイフケータイ」機能を搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)2種を投入する。スマートフォンは日本独自の機能を搭載していなかったが、契約者からの要望が多かったことに対応する。
 機能を搭載するのは10年冬~11年春に発売するモデル。シャープと、10月に事業統合する富士通・東芝の2社が端末を供給する。米グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイドを搭載したスマートフォンで、タッチパネルで操作する。富士通・東芝のモデルは防水対応となるもようだ。



日本製ケータイがなくなる日
 「日本の携帯電話がガラパゴス化した」といわれて久しいが、いつまでこの状態が続くのだろう。といっても、日本のケータイがガラパゴスを脱して世界に飛躍する日を想像しているのではない。逆に最後の楽園だったはずの日本国内市場も外資メーカーに席巻され、日本企業が携帯電話の端末事業から総撤退という事態もあり得るのではないか。そんな危機感を覚えざるを得ないのだ。
 最近、NTTドコモの経営幹部と話す機会があった。この人はドコモの生え抜き的存在で、端末メーカーとの付き合いも長いが、「今日本メーカーは生き残れるかどうかの瀬戸際」という。
 ガラパゴス化のいわれた日本市場だが、実は「外来種」もじわじわと勢力を伸ばしている。2009年度のシェアでみると、外資系(ソニー・エリクソンを含む)のシェアは15%程度。自動車市場における「輸入車」シェアのほぼ4、5倍に当たる数字であり、米アップルの高機能携帯電話(スマートフォン)「iPhone(アイフォーン)」のように存在感のある機種も目立つ。
 NTTドコモは今秋から韓国サムスン電子製のスマートフォンを発売する。自ら発光する有機ELを使ったディスプレーは液晶とはひと味違う美しさがあり、「目の肥えた日本のユーザーもこれには驚くだろう。相当話題になるはず」とこの幹部はいう。
 一方で日本勢はいまひとつ元気がない。再編の動きはあるが、これが本格的な反転のきっかけになるのか、長い衰退プロセスの中の1局面なのかは何とも言い難い。
 おそらく数がモノを言うケータイの世界で、成熟化の進む日本市場にしがみついて生き残っていける可能性はそう大きくはない。ドコモの幹部によれば、「今が日本メーカーが世界に出て行く最後のチャンス」という。幸い端末のOS(基本ソフト)ではグーグルの「アンドロイド」がほぼ世界標準の座を確立しつつある。アップルのように独自のソフト技術がなくても、「アンドロイド」を使えば、世界に通用する端末ができる。
 パソコンとの類比で考えればわかりやすいが、パソコンでも世界標準の「ウィンドウズ」を搭載したソニーや東芝のノート型パソコンが世界で売れてきた。技術の主導権、収益の主導権はマイクロソフトやグーグルが握るとしても、日本メーカーが得意のものづくりの技をいかして、ソニーの「VAIO」のような独自の端末をつくれば、日本製ケータイが世界に飛躍できるかもしれない。
 だが、このチャンスを逃せばどうなるか。ドコモ幹部は「日本のケータイ産業は米国のテレビ産業のようになってしまうかもしれない」と不気味な予言をする。RCAやジーナスなどかつては米国にも多数のテレビメーカーがあったが、今ではどれも残っておらず、産業そのものが消えてなくなってしまった。
 アメリカ人はテレビ大好きで、「テレビの前にいる時間が最も長い国民」といわれるが、彼らにテレビ受像機を供給しているのは、米国企業ではない。これと同じ事態が、「ケータイ大好き」の私たち日本人にも起こるのだろうか。それを避けるために残された時間は少ない。



東芝、有機ELパネルの量産計画を撤回 中小型液晶に注力
 東芝は子会社の中小型液晶パネルメーカー、東芝モバイルディスプレイの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネル量産計画を白紙撤回する。有機ELの開発を担当していた技術者などを新型液晶パネルの開発に充てる。中小型液晶パネルに経営資源を集約し、今後激化が予想される競争に備える。国内電機大手の系列企業が有機ELパネルの生産を取りやめることで、韓国メーカーの存在感が一段と高まる可能性もある。
 有機ELパネルの量産をにらみ、研究・開発に参加していた数十人の技術者を液晶パネル部門に移す。リーマン・ショック後の業績悪化を受け大型の設備投資が難しくなったことや、今年に入って一時急回復した液晶パネルの需要に応えるため計画見直しを決めた。
 今後は中小型液晶パネル事業を(1)車載(2)携帯電話、スマートフォン(高機能型携帯電話)(3)ファクトリーオートメーション(FA)(4)アミューズメント――の4分野に集約して収益力を高める。
 東芝は照明用の有機ELの研究を川崎市の研究所で続けているが、パネルからは一時撤退する形になる。東芝モバイルディスプレイは東芝とパナソニックとの共同出資会社だった2008年に、約160億円を投じて石川県の自社工場に有機ELの量産ラインを新設。携帯電話用の2型有機ELパネルを月150万枚生産する計画だった。
 有機ELパネルは液晶に比べ高精細で薄くできるため、次世代技術として注目を集めていたが、画質改善など液晶パネルの技術革新もあり、有機ELパネルは市場の立ち上がりが遅れていた。
 有機EL市場は韓国サムスン電子のグループ企業が世界シェアの7割近くを握る。11年には「5.5世代」と呼ばれる大型の生産ラインが完成する予定で、スマートフォンやテレビ向けパネルの量産を進める。日本ではソニーが07年に11型の有機ELテレビを発売したが、後継機を出さないまま生産を終えている。



ゲームソフト、交流サイト向け急拡大 時価総額、「据え置き型」を逆転も
 ゲームソフト会社の収益構造が変化している。据え置き型ゲーム機向けソフトの販売が低迷する一方、携帯電話で楽しむ交流型ゲームソフトが人気を集めている。携帯ゲームサイトを運営するディー・エヌ・エーなどの収益は急拡大しており、既存のゲームソフト会社との間で時価総額の逆転現象も起こっている。
 「パッケージ型のゲームソフト販売は厳しい状況だ」。セガサミーホールディングスの吉沢秀男上席執行役員は顔を曇らす。2010年4~9月期のソフト販売見込みを、期初の632万本から500万本に引き下げた。通期のソフト売上高は前期比32%減の529億円にとどまる。バンダイナムコホールディングスなども同様で、新作ソフトの販売不調に悩み、高額な開発費を吸収できない。
 主要ゲームソフト6社の11年3月期の営業利益は計1367億円と前期比5割弱増えそうだが、直近ピークの07年3月期のまだ7割強。任天堂の今期の営業利益は41%減の2100億円とピークの前々期の4割弱で、据え置き型では稼ぎにくくなっている。
 ゲーム専門誌のエンターブレイン(東京・千代田)によると、09年の国内家庭用ゲームソフト市場は3262億円と、08年から2%縮小。景気悪化による個人消費の低迷に加え、携帯電話でゲームを楽しむ利用者が増えたからだ。
 特に「ソーシャルゲーム」と呼ぶ、サイト上の知人とやり取りするゲームの人気が高い。パッケージソフトのように1回買ったら終わりではなく、ゲームは無料で始めるが、遊び進むには「アイテム」を買う必要がある仕組みだ。
 携帯ゲームの交流サイト(SNS)を運営する企業はこの課金収入をけん引役に業績を急拡大している。「モバゲータウン」を運営するディーエヌエの4~6月期の連結純利益は前年同期比3.7倍の65億円、グリーの単独税引き利益は2.2倍の31億円。両社ともに宝物の奪い合いや魚釣りのゲームが好評。パッケージを作る必要がなく、開発費も少なくて済み、営業利益率は約5割に達する。
 ゲーム市場の地殻変動は株式市場の評価にも表れている。ディーエヌエの時価総額は3832億円と最も大きい。グリーも3086億円と、今やセガサミー(3614億円)を除く主要ソフト会社を上回る。
 最近ではゲームソフト会社も相次ぎSNS向けのゲーム提供に乗り出している。パッケージソフトの先細りを見越した動きで、バンナムHDの石川祝男社長は「スマートフォンやSNSなどへのコンテンツ活用を加速する」と宣言。既存ソフト会社の中でも積極的なハドソンは「四半期に3本程度のペースでSNS向けソフトを出したい」(石垣誠一執行役員)という。
 もっとも、携帯ゲーム市場では「専業」のソフト会社が強みを発揮する。パッケージ型ゲームソフトのさらなる需要低下が見込まれるなか、新市場でいかに早く足場を確保するかが既存のゲームソフト会社の今後の収益を左右しそうだ。



ソニー、富士通に画像センサー生産委託
技術の国外流出防ぐ
 ソニーはデジタルカメラや携帯電話の画像撮影に使うCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーを富士通に生産委託する。CMOSセンサーは市場が急拡大しているが、海外大手との価格競争も激しい。ソニーは海外のファウンドリー(半導体受託生産会社)に委託すると先端技術流出の懸念があると判断。CMOSセンサーで直接競合しない国内勢同士の連携により低コストの生産体制づくりを目指す。
 ソニーはCMOSセンサー出荷量で世界6位。シリコンウエハーに換算すると月1万6千枚の生産能力を持つ。10年度中にも、シリコンウエハー換算で月数千枚の規模で生産を富士通に委託する。製造コストの低減度合いをみながら委託量の増加も検討する。
 富士通は半導体子会社である富士通セミコンダクターの三重工場(三重県桑名市)で受託する。同工場はシステムLSI(大規模集積回路)の主力拠点。CMOSセンサーと製造工程で共通する部分が多く、ラインをほぼそのまま使えるため、量産効果で生産コストを低減できる。
 数百に及ぶ製造工程のうち、ソニーは汎用性の高い8~9割の工程を委託する。残りはソニーの独自技術を生かすため自社内にとどめる。ソニーの技術者が富士通に出向き、製造工程に関する情報を提供して量産を支援。富士通から半完成品を受け取り、最終仕上げを施して製品化する。
 ソニーは2011年度末までに400億円を投じて自社でも生産能力を4割増強する計画だ。増産と富士通への生産委託を組み合わせ、台湾や中国、米国などのファウンドリーをコスト削減に活用する他社に対抗する。
 これまでも半導体子会社であるソニーセミコンダクタ九州(福岡市)の熊本テクノロジーセンター(熊本県菊陽町)で、07年度から3年で約600億円投じ、CMOSセンサーを能力増強・増産してきた。世界大手に対抗するには単独での能力増強や増産だけでは限界があると判断した。
 米アップルの高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)4」に最新型のCMOSセンサーを供給する米オムニビジョン・テクノロジーズはファンドリーの世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)に生産委託してコストを削減している。ソニーは富士通との連携で先端技術を国内に囲い込む戦略だ。



電通がIT投資ファンド100億円 ネット広告を強化
 電通は10月1日にデジタル関連分野を対象とする100億円の投資ファンドを設ける。国内外で技術力の高いベンチャー企業や外部企業との共同事業に投資する。同社のデジタル分野のファンドでは過去最大の規模。成長分野であるインターネット広告事業の競争力強化を急ぐ。
 新設する「電通デジタル・ファンド」はデジタルコンテンツの流通や交流サイト(SNS)、デジタル機器などIT(情報技術)関連の幅広い企業と事業が投資対象。日本国内だけでなく、中国や欧米など各地で投資する。優れた投資先は子会社化する方針だ。
 グループのデジタル関連企業を統括する子会社、電通デジタル・ホールディングスの藤田明久取締役が運用責任者となる。藤田氏はNTTドコモと電通が設立した携帯電話向け広告大手のディーツーコミュニケーションズ(D2C、東京・港)の社長を務め、日本の携帯向け広告市場の立ち上げにかかわってきた。
 電通のネット広告などデジタル関連の国内売上高は約1500億円(2009年度、グループ会社の単純合計)。13年度には売上高2500億円を目指す。



TBS、ベイスターズの売却検討 住生活Gと交渉へ
 TBSグループがプロ野球の横浜ベイスターズ(横浜市)を売却する方向で検討し、住設機器最大手の住生活グループが買収に名乗りを上げていることが30日、明らかになった。今後、TBSグループが保有する同球団の7割近い株式の売却価格などを巡り、交渉が進む見通し。6年ぶりにプロ野球球団のオーナー企業が変更される可能性が高まった。
 TBSグループは同球団を2002年にマルハから140億円で取得。現在はグループで計69.2%の株式を保有する。球団経営は放映権料収入と観客数の低迷で不振が続き、同グループは本業の放送事業収入などから毎年約20億円を広告宣伝費として補てんしてきた。だが放送事業も最近は不振に陥り、球団が経営の重荷になってきていた。
 一方、住生活はトステムやINAXを傘下に持つが、グループとしての知名度が低く、それをどう高めるかが課題。同社首脳は30日夜、日本経済新聞の取材に対して「金融機関を通じて横浜ベイスターズを取得しないかという打診があった。ブランド価値の向上につながるかどうかを見極めながら検討を進めたい」と述べた。



トヨタの国内受注、9月は4割減 補助金終了響く
 トヨタ自動車の国内系列販売店の総受注台数が9月に前年同月比で4割強減少したことが30日明らかになった。政府によるエコカー補助金の申請受け付けが9月7日分までで終了したのを受け、高級車や大型車を中心に落ち込んだ。需要の反動減が長引けば、トヨタの国内生産や部品・素材など関連産業に影響が広がる可能性がある。
 高級車ブランド「レクサス」を除くトヨタブランドの登録車の受注が29日までに同4割強減った。30日の受注分を含めても同程度の減少になったもよう。高級車や多目的スポーツ車(SUV)などの大型車が不振だったようだ。小型車は比較的健闘しているが、高水準の販売を続けてきたハイブリッド車「プリウス」は減速している。
 トヨタの8月までの国内新車販売(登録)台数は13カ月連続で前年を上回った。エコカー補助金終了前の駆け込み需要で8月までに受注した分の登録が多かったため、9月の販売台数は前年同月を上回ったもようだ。登録に先行する指標となる販売店の受注台数の落ち込みで、10月の販売台数は15カ月ぶりに減少に転じる公算が大きい。
 トヨタはエコカー補助金終了後の販売減を見込み、10月の1日当たり国内生産台数を9月比で2割減の1万2000台程度とする計画。購入客への現金還元など販売テコ入れ策を講じているが、需要低迷が長引けば一層の生産台数絞り込みを迫られる可能性もある。



KDDIとJCOM、コンテンツ配信で提携
 KDDIは2月に資本参加したジュピターテレコム(JCOM)と、携帯電話とCATV放送、映画を連動させたコンテンツ配信で提携する。第1弾としてKDDIが制作・公開している映画「ラブコメ」を10日にJCOMやKDDI系のCATVで無料放送する。携帯電話でも関連ドラマを配信し、3つのメディアを連携させることで相互に需要を開拓する。
 ラブコメは女優の香理奈さんらが出演する恋愛映画で、9月25日に全国公開した。KDDIは7月から携帯で週1回5分間のプロローグドラマを有料配信し、販促を進めていた。CATVではJCOMなど合計83社のコミュニティチャンネルで放送する。11月には好きな時間に視聴できるビデオ・オン・デマンド(VOD)も提供する。料金は420~525円。
 CATV各社が運営するコミュニティチャンネルは地域情報番組を独自に制作しているが、採算は厳しい。優良番組の放送で視聴率を高め、広告収入を増やす。映画などの配信で携帯のデータ通信収入も拡大を目指す。KDDIとJCOMは今回の提携を新たな事業モデルと位置づけ、スポンサー企業も開拓する。



たばこ大幅値上げでも一服できず、年末には再び増税議論
 過去最大のたばこ税の増税が1日から実施されることで、国と地方合わせて約640億円の増収になる見込みだ。受動喫煙防止を訴える厚生労働省は2年連続の増税を狙うが、値上げを機に禁煙する人はかなりの数に上るとみられ、財務省からは「これ以上の値上げはむしろ減収効果の方が大きくなる」との悲鳴も上がっている。
 たばこの販売数量は平成15年度に3千億本を切って以降、前年度比2~5%のペースで減り続けている。財務省の試算では、今回の増税がなかった場合でも22年度の販売本数は6%減。増税の影響を加味すると17%減の1946億本まで急落する見通しで、たばこ税の税収も年々減っている。
 それだけに640億円の増収は政府にとって貴重な存在となるが、増税が行きすぎると消費者の「たばこ離れ」を加速させかねない。財務省では「今回の値上げがギリギリの価格ではないか」と一段の増税には慎重だ。
 逆に、厚労省は「税収よりも国民の健康が大切だ」と反論。22年度に続き、23年度の税制改正要望でもたばこ税増税を要望した。
 WHO(世界保健機関)は喫煙による健康被害を防ぐため、たばこ価格を引き上げる規制強化を各国に求めている。実際に欧米では1箱当たり500~1千円超に達し、日本の増税後の価格(400~440円)と比べても格段に高い。厚労省はかねて「日本でも中長期的には600~700円まで上げる必要がある」と主張している。
 三菱総合研究所の平野公康主任研究員は「現状の価格ではWHOから圧力がかかり続ける。今回の増税で打ち止めにはならないだろう」と予測。「財政より健康」の流れは強まりそうで、今回の増税後も愛煙家が“一服”できる状況にはなりそうにない。



エクソン、国内GS撤退…営業権を順次売却
 石油世界最大手の米エクソン・モービルが、国内のガソリンスタンド(GS)を運営する石油の小売り事業から段階的に撤退することが30日、明らかになった。
 エクソンは国内で「エッソ」「モービル」「ゼネラル」の3ブランドを展開し、系列GSの数は4000以上を抱え、「エネオス」ブランドのJXホールディングス(約1万2000)に次ぐ国内2位だ。ガソリンなどの需要減に歯止めがかからないため、地域ごとにガソリンなどを運ぶ物流や販売部門の営業権を売却する。石油元売り大手が小売り事業から撤退するのは初めて。
 関係者によると、すでに九州地区の営業権売却に向けた入札手続きを進めており、複数の大手商社系の石油販売会社が名乗りを上げている。他の地域でも順次売却を進めると見られる。



米フェースブックとリクルート、就職サイトに交流機能 OBなど検索
 世界最大の交流サイト(SNS)、米フェースブックはリクルートの就職情報サイト「リクナビ2012」と連携し、大学生の就職活動を支援するサービスを始める。利用者が、大学や志望業界が同じ学生やOBを会員から検索して情報交換しやすいようにする。フェースブックは実名を公開するSNSで世界的に成長しているが、国内では学生を突破口に本格展開に乗り出す。
 日本限定のパソコン向けサービス「コネクションサーチ」を1日にも始める。フェースブックが特定の国・地域に特化したサービスを展開するのは珍しい。
 利用者はリクナビの個人ページからフェースブックに会員登録。学校名と志望業界を選択すると、条件に合うフェースブック会員について志望業界が同じ「同級生」「OB」などの項目別に表示される。メールなどで就職活動に関する情報交換やOB・OG訪問などのきっかけを作れる。中途採用などでの展開も検討する。



ねじれ臨時国会 懸案処理へ与野党は歩み寄れ(10月1日付・読売社説)
 政党間で議論を尽くす「熟議の民主主義」で衆参ねじれ国会を乗り切る――。そう主張する菅首相の本気度と手腕が、厳しく問われよう。
 秋の臨時国会が、きょう召集される。今年度補正予算案の審議が、ねじれ国会の行方を占う重大な試金石となる。
 菅政権は、与野党が法案・政策ごとに連携する部分連合を模索する方針だが、簡単ではない。民主党が打診した補正予算案の事前協議は野党に拒否された。24日の衆院北海道5区の補選を控え、自民党などに協調ムードはない。
 一方で、円高・デフレ対策や雇用拡大など補正予算案の必要性や内容では、与野党の主張はかなり共通している。衆参ねじれという政治の事情で、日本経済の足を引っ張ることは許されない。与野党は合意形成に努力すべきだ。
 その一義的な責任は無論、政府・与党側にある。補正予算案に野党の要望を反映させるという当面の対応にとどまらず、野党が求める民主党の政権公約の抜本的な見直しに踏み込むことが必要だ。
 子ども手当や高速道路無料化などのバラマキ政策は、国民の支持も少なく、財源不足で破綻(はたん)状態にある。公約の「原点回帰」を訴えた小沢一郎元代表を党代表選で破ったことで、菅首相が公約を見直す環境は整っているはずだ。
 臨時国会のもう一つの焦点は、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件である。野党側は、菅政権を揺さぶる格好の材料と見ている。
 菅首相は30日の衆院予算委員会の集中審議で、那覇地検による中国人船長釈放について「捜査への介入は一切ない」と強調した。
 政治介入を否定する政府の説明は、無理がある。日本側が船長を逮捕、拘置延長しながら、拘置期限前に突然釈放した場当たり的な対応の背景には、中国側の強硬姿勢への誤算も否定できない。
 野党が、民主党政権の対中外交は拙劣だと追及したいのは、一応理解できる。だが、単なる政府批判の繰り返しは、菅政権の内外の信頼を貶(おとし)め、中国を利するだけで結果的に国益を害しかねない。
 今後、尖閣諸島という領土を守るために具体的にどうするか、という建設的な議論が望まれる。
 首相が来週のアジア欧州会議出席を国会日程より優先したのは、尖閣問題に関する日本の立場を国際社会に訴えるうえで妥当だ。
 北沢防衛相も、12日の東南アジア諸国連合拡大防衛相会議に出席を希望している。野党は、国益を重視して出席を認めるべきだ。
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