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「PSP Go」の反省か、ソニーが「PS4」などでもゲームのダウンロード専売は避ける方針に
昨年、従来のUMDスロットを廃し、ダウンロードのみでゲームソフトを購入できる「PSP Go」を発売したソニーだが、今後はダウンロードのみでゲームソフトを購入できるハードウェアを発売しない方針であることが明らかになった。
6月には販売不振のPSP Goについて、「製品のライフサイクル自体が成熟した時に消費者の動向を知るために投入したもので、我々は非常に多くのことを学んだ」とソニー幹部が回答したが、反省が生かされた形ということなのか。
海外ゲームサイト「MCV」がソニー・コンピュータエンタテイメントのCEO(最高経営責任者)、平井一夫氏に行ったインタビューによると、ソニーは将来的にもゲームソフトをダウンロードのみで購入できるハードウェアを発売しない予定であることが明らかになった。
これは必ずしも世界各国でダウンロード販売を行うのに十分なネットワークインフラが整備されていないことを受けたもので、常に物理メディアの形でゲームソフトを提供することがビジネスを行う上での必要条件であると平井氏は述べている。
なお、ソニーはPS3のライフサイクルを10年程度に設定しているため、もちろん他社の動向に左右されるものの、PS4が登場するのには少なくともあと数年はかかると考えられるが、今回の平井氏の発言により、どうやらPS4や次世代PSPに対しても、物理メディアの形でゲームソフトが提供されることになりそうだ。
XepriaのPOBoxにSimeji互換のプラグイン機能追加
NTTドコモは、Xperiaにおいて、「spモード」へ対応する本体ソフトウェアのバージョンアップを提供する。8月30日よりパソコン経由でアップデートを行う更新ファイルが提供され、8月31日からは端末上で直接アップデートできるようになる。
spモード対応に伴なう本体ソフトウェアの更新では、OSのバージョンに変更は無くAndroid OSのバージョン1.6のまま。アップデート後は、spモード用のAPN設定が追加され、これを選択することでspモードを利用できる。また、「spモードメール」アプリをAndroidマーケットからダウンロードすることで、iモードのメールアドレスでメールの送受信が可能になる。
加えてXperiaでは、日本語入力機能が「POBox Touch 3.0」にバージョンアップされる。「POBox Touch 3.0」では、外部のアプリを呼び出せる「POBox Plug-in」を実装。プラグインアプリをインストールすることで、文字入力の際に定型文や電話帳データといった、さまざまなデータを呼び出せるようになる。9月1日以降、Androidマーケットでプラグインアプリの配信が開始される予定。
さらに、「POBox Plug-in」は、Androidマーケットで配信されている日本語入力アプリ「Simeji」のプラグイン機能「マッシュルーム」と互換性が確保されており、すでに提供されているマッシュルーム対応アプリを「POBox Touch 3.0」のプラグインとして利用できる。「POBox Touch 3.0」の設定画面では、ソニー・エリクソンのプラグインアプリ紹介ページに簡単にアクセスできるようになっているほか、同社のメーカーサイトにてプラグインアプリの特集コーナーを設ける予定。
「POBox Touch 3.0」ではこのほか、数字モードのキーレイアウトを変更し、数字キーの表示が拡大された。表示される種類が少なくなった記号については、シフトキーを押して表示を切り替えればすべてが表示される。
「ニコニコ大会議」開催、ニコ動のHTML5対応や次期バージョンの予定を発表
ニワンゴは26日、動画共有サイト「ニコニコ動画」のイベント「ニコニコ大会議2010夏~笑顔のチカラ~」を、東京・渋谷のC.C.Lemonホールで開催した。イベントの冒頭には、ニワンゴ取締役の西村博之氏と、ドワンゴ取締役の夏野剛氏が登場。ニコニコ動画のHTML5対応や、プレミアム会員100万人突破日予想キャンペーンの開催などを発表した。
「ニコニコ大会議」は、ニコニコ動画の人気アーティストによるライブや、ニコニコ動画の新機能発表などを行うイベント。これまでは無料で開催してきたが、今回から「事業化」の一環として有料のイベントとなり、実際の会場に入場できる「リアルチケット」と、ネットの生中継を視聴できる「ネットチケット」を販売。1800人の来場者と6300人の有料視聴者を集めた。
名称は「大会議」となっているものの、メインのイベントはアーティストのライブという構成。客席の大半は女性客で埋まっており、冒頭のアーティスト紹介では名前が呼び上げられる度に大歓声が挙がった。そんな中、「僕らは前座なんで」と言いながら登場してきた西村氏と夏野氏が、ニコニコ動画の現状と新機能を発表。8月26日時点でニコニコ動画のID登録数は1817万人、モバイルID登録数は545万人、有料のプレミアム会員が93万人に達したことを紹介した。
夏野氏は、「もうすぐ3ケタ(100万人)になるので、これは何かやらないとということで、キャンペーンをやることにしました」として、プレミアム会員の100万人突破日を予想するキャンペーンを8月27日に開始することを発表。予想者の中から100人でニコニコ動画の100万ポイントを山分けするキャンペーンとなり、夏野氏は「最初はドワンゴの株100万円分を山分けにしようって話をしてたんだけど、株となるとなかなか難しくて、やるには株主総会を開催しなければならないということがわかってやめました」と裏事情も交えつつ、キャンペーンの概要を紹介した。
ニコニコ動画の新機能としては、9月末にHTML5での動画再生に対応する予定を発表。これにより、iPadのウェブブラウザーからもニコニコ動画の再生とコメント投稿が可能になるという。
さらに、「本当は今回発表したかったが間に合わなかった」として、秋に開催する次回のニコニコ大会議で、ニコニコ動画の次期バージョンについて発表することを明らかにした。
9月末にHTML5に対応し、iPadのブラウザーで視聴可能となる予定を発表次期バージョンは10月開催の「ニコニコ大会議2010秋」で発表の予定
ニコニコ生放送の新機能としては、トップページにニコニコ生放送の視聴プレーヤーを設置し、アカウントを持たないユーザーにも特定の番組の視聴を可能にするほか、放送にタグ機能を追加。9月からは、ニコニコ動画に宣伝を流せる「ニコニ広告」で、生放送の宣伝にも対応する。
また、公式生放送の限定機能だった、生放送者に直接電話をかけられる「ニコニコ電話」を、ユーザー生放送にも試験サービスとして提供する。プレミアム会員のみが対象で、対応機種はNTTドコモの携帯電話のみ。サーバー負荷などを計測するため、8月26日から1週間限定の試験サービスとなる。
関連製品としては、株式会社インターネットが10月8日に発売予定のボーカロイドシリーズの新製品「ガチャッポイド」を紹介。ガチャピンの声をベースにしたボーカロイドソフトで、舞台にも特別ゲストとしてガチャピンが登場。「ガチャッポイドでどんなことをしたいですか?」というガチャピンの質問に、西村氏が「ムックの悪口を言わせたい」と返すなど、会場を沸かせた。
もう1つの関連製品としては、テレビにHDMIケーブルで接続し、「ニコニコ実況」のコメントをテレビに流すことができるハードウェア「デジタルテロッパ」を紹介。2ちゃんねるやTwitterなどのテキストサービスにも対応予定で、製造販売元は株式会社エンティス。発売は9月上旬の予定で、メーカー希望小売価格は1万9800円。ニコニコ動画の販売サイト「ニコニコ直販」では、特別価格1万2525円での予約受け付けを開始した。
Lenovo、中国向けにゲーム機を提供へ
世界第4位のPCメーカーLenovoが、中国市場向けビデオゲーム機を開発するための部署を設け、Microsoftやソニーなどのライバルに対抗すると、中国紙が8月27日に報じた。
同社の40人ほどのソフトウェアエンジニアがスピンオフして、ゲーム機「eBox」の開発と販売に当たるのBeijing eedoo Technologyを設けたと、China Dailyは伝えている。
Lenovoとその親会社Legend Holdings、系列の非公開投資会社Legend Capitalがeedooに出資しているが、投資額は明らかにしていないという。
Lenovoとeedooの関係者にコメントを求めたが、連絡が付かなかった。
Lenovoはコモディティ化したPCの販売以外にも事業を多角化しようとしており、昨年中国でスマートフォンを立ち上げ、タブレットPCの投入計画も発表している。
中国は海賊版がまん延しているため、ゲームソフトから利益の大半を得るゲーム機メーカーにとっては難しい市場として知られている。
ブックオフ、上位10%のヘビーユーザーで売上の約55% 携帯で集めるスタンプで来店率向上をはかる
ブックオフコーポレーションは、9月1日から、携帯電話端末を使ってスタンプを集めると特典が得られるサービスを開始する。
「BOOKOFF タッチでおトクなメンバーズ」は、商品の購入や買取の回数に応じてスタンプを付与するサービス。10個たまると、1日だけ、どの店舗でも購入が10%オフになる「1dayサンクスパス」と交換することができる。1店舗で1日に取得できるスタンプの上限は、購入で1個、買取で1個の合計2個まで。また、複数店舗を利用した場合の1日に取得できるスタンプの上限は3個までとなっている。
ブックオフが今年の2月に行った顧客調査では、ブックオフでは年間利用金額や回数の多い、上位10%のヘビーユーザーで売上の約55%(買取の約60%)を占めており、上位20%で売上の約70%(買取の約75%)を占めていることが明らかになった。また、ヘビーユーザーであるほど利用店舗数が多いことから、今回のサービス導入によって、リピーターの来店頻度の向上をはかる。
円高放置なら製造業の4割が日本脱出 経産省調査
直嶋正行経済産業相は27日の閣僚懇談会で、1ドル=85円台の円高が継続した場合、製造業の4割が工場や開発拠点を海外に移転するとした緊急調査の結果を報告した。円高の急速な進行で、対ドルで製造業の約6割が、ユーロでは約5割が減益になると回答。円高が企業業績に深刻な打撃を与え、国内産業の空洞化が加速する恐れが強いことが鮮明となった。直嶋経産相によると、調査結果を踏まえ菅直人首相が同日中に円高への対処方針を表明する。
調査結果によると、製造業の6割が「海外での生産比率を拡大する」と回答した。また中小企業は、1ドル=85円台の円高が続けば約7割が減益になると回答。特に下請け業者では8割強が「減益になる」と答え、取引先のコストダウン要請や海外企業に受注を奪われるなど深刻な収益悪化に陥る恐れがあるとした。
調査は製造業を中心に200社に対し、11~24日までの期間に聞き取りで行った。製造業では自動車や電機、非鉄金属、産業機械、繊維などから、主要な輸出企業を選んで実施した。
東京ディズニーリゾート、総入場者数が5億人突破
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは27日、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の総入場者数が延べ5億人を超えたと発表した。
5億人を達成したのは、同日午前10時20分ごろ。TDLは昭和58年4月に開業し、平成3年5月に入場者数が1億人を突破した。その後、TDSをオープンした翌年の14年11月に3億人、18年11月に4億人を達成した。オリエンタルランドによると、4億人突破から5億人を達成するまでの期間は3年300日。1億人ごとの区切りでは最速という。
5億人目となったのは、家族4人でTDLを訪れた群馬県藤岡市の主婦相馬恵さん(38)。ミッキーマウスやミニーマウスに囲まれ、5年間有効のパスポートや花束を受け取り「とてもびっくりしましたが、うれしいです。家族で何度も遊びに来たい」と笑顔で話した。
米ディズニーが運営する海外の計4つのテーマパークの入場者数では、米フロリダ州にあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートが1995年に5億人を達成。開業から24年での突破で、TDLなどより3年早かった。
ダイハツ、エコカー補助金終了にらみ奨励金で販売てこ入れ
ダイハツ工業が、政府のエコカー購入補助金制度の9月末の終了をにらみ、10月以降に取引先の販売会社に対し新たに奨励金を支給すること検討していることが27日、分かった。9月中の補助金対象車の購入に対して、国の予算切れで新車登録(軽自動車は新車検査の届け出)前に制度が打ち切られた場合に、同社が補助金分を負担することも検討している。補助金制度終了で予想される新車販売の反動減を、こうした独自の対策で乗り切りたい考えだ。
10月以降の販売奨励金はは、全国約60社の系列販売会社に値引きの原資として支給する方向。具体的な手法や金額は今後詰める。
エコカー補助金は燃費など一定の環境性能を備えた車を購入すると10万円、登録から13年以上の車から乗り換えると25万円が交付される。軽自動車はそれぞれこの半額が支給される。
しかし、9月末の期限前でも予算が無くなれば補助金は打ち切りになる。交付を担当する次世代自動車振興センターによると、8月25日現在の補助金の残額は約626億円。ここにきて駆け込み申請が急増し、平均すると1日あたり30億円超を消化するペースで進んでおり、期限前に予算が底をつく可能性も出ている。
ダイハツの平成22年4~6月期の乗用車販売台数は前年同期比7・7%増。リーマン・ショックで落ち込んだ前年に比べ、エコカー補助などに支えられ順調に回復しており、この勢いを失速させないため、独自の販売促進策を打ち出す。
日興コーディアル、FXから撤退 値下げ競争激化で
日興コーディアル証券は27日、7年間続けてきた外国為替証拠金取引(FX)事業から10月30日付で撤退することを明らかにした。8月からのレバレッジ(証拠金倍率)の上限規制の導入や手数料の値上げ競争の激化を受け、事業の継続が難しいと判断したもよう。
すでに顧客にはサービス終了を通知しており、新規口座開設の申し込み受け付けも終了した。
日興コーデは、2003年に相対取引の店頭FXに参入。06年からは「イージーFX」のサービス名で事業を行ってきたが、顧客は伸び悩んでいた。
FX業界では、上限規制の導入に伴い高レバレッジが売り物だった店頭FXの取引量が減少するとされ、税制優遇のある取引所FXにシフトする業者が相次いでいる。
全国消費者物価指数、17か月連続下落
総務省が27日発表した7月の全国消費者物価指数(2005年=100)は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で1・1%下落の99・0と、1993年3月の水準まで落ち込んだ。
下げ幅は前月の1・0%下落から拡大した。マイナスは17か月連続で、物価が継続的に下落するデフレ状況が続いている。
品目別では、値下げ競争の激しい薄型テレビが前年同月比で29・4%下落したほか、猛暑効果で売れ行きが好調なエアコンも15・0%下落した。
全国の先行指標となる東京都区部の8月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が98・6で、前年同月比で1・1%下落し、前月の1・3%下落から下げ幅は縮小した。
7月の建設受注 2カ月連続でマイナス 製造業の設備投資激減響く
日本建設業団体連合会(日建連)が27日発表した7月の建設受注は前年同月比2・7%減の5764億円となり、2カ月連続で前年同月の実績を割り込んだ。景気低迷を背景に民間の製造業の受注が22・2%減と4カ月連続で2ケタのマイナスとなったほか、官公庁の公共投資も36・0%減となったのが影響した。
一方、4~7月の累計の受注実績も前年同期比9・4%減の2兆689億円と、2ケタ近いマイナスとなっている。国内の民間企業の投資減少と、国の公共投資の大幅な削減が響いて、建設業者にとって厳しい経営環境が続いている。
小沢氏出馬表明 日本の針路を競う代表選に(8月27日付・読売社説)
民主党代表選は、再選をめざす菅首相と小沢一郎前幹事長との、事実上の一騎打ちになることが固まった。
与党第1党の党首選は首相選びに直結する。「脱小沢」か「親小沢」かという権力争奪の多数派工作に堕することなく、あるべき日本の針路を論じ合って雌雄を決してほしい。
◆分裂、政界再編の芽も◆
小沢氏は、9月1日告示、14日投開票の党代表選に出馬する意向を表明した。
党内の幅広い支持を得られることを前提に出馬を検討していた小沢氏は、鳩山前首相の支持をとりつけた上で立候補に踏み切った。だが、支持の大勢が固まっているわけではない。
今回の対決の背景には、小沢氏と、「脱小沢」を掲げる菅首相や仙谷官房長官、枝野幹事長らとの強い軋轢(あつれき)がある。
鳩山氏は、党の亀裂が深まる事態を避けるため、菅首相と小沢氏との仲介に動いた。だが、鳩山氏が小沢氏の要職起用を含む挙党態勢の構築を求めたのに対して、菅首相は難色を示した。
小沢氏は反発し、菅首相の無投票再選を容認すれば、党内で孤立しかねず、窮余の決断になったものとみられる。
挙党態勢を条件に「菅氏支持」を表明していた鳩山氏は、一転して「小沢氏支持」に変わった。参院選前、政局混迷の責任をとってともに辞任した小沢氏を代表に推すのは、納得し難い行動だ。
鳩山氏の調停失敗を受け、小沢氏が正面突破を図ったことで、代表選は党を二分する争いになる見込みだ。党分裂含みの展開も予想され、今後、野党を巻き込んだ政界再編の動きも出てこよう。
◆「政治とカネ」説明を◆
小沢支持グループは、参院選の敗北が衆院選の政権公約(マニフェスト)から逸脱した結果だとして、「原点回帰」を唱えている。菅首相の消費税率引き上げ検討発言も批判してきた。
しかし、子ども手当などのバラマキ政策は、当初の極めて甘い財源見通しにより、公約通りに実行できないのは明らかだ。
小沢氏が原点回帰路線に立つなら、公約実施に向けた現実的な財源と、工程表を早急に提示することが肝要だ。
小沢氏がなすべきことは、それだけではない。「政治とカネ」の問題について、きちんと説明責任を果たすことが欠かせない。
自らの資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件について、小沢氏は先の通常国会では、衆院政治倫理審査会で弁明せず、証人喚問からも逃れた。
しかし、参院選の結果、与党が過半数を失ったことによる「衆参ねじれ国会」の下で、野党側の厳しい追及を乗り切っていくことは極めて難しい。
今秋、検察審査会が再び、「起訴すべき」と議決すれば、本来なら小沢氏の強制起訴は免れない。ただ、憲法には「国務大臣は在任中、総理大臣の同意がなければ訴追されない」との規定がある。
菅支持派からは「小沢氏は起訴を逃れるため、首相をめざすのではないか」との声も聞かれる。
実際、「起訴議決」の場合、小沢氏はどう対処するのか。事前に明らかにする責任もあろう。
一方、菅首相は、小沢氏の出馬が確定したことを、重く受け止めなければならない。
菅首相以下、民主党執行部は、参院選敗北について明確な責任をとらず、敗因についても十分な総括をしてこなかった。これらが党内に不満を醸成した。
◆政治空白の余裕はない◆
党運営や政策遂行をめぐる首相の指導力や判断力に、民主党の多くの議員が不安を抱いていることも否定できない。
最近の円高や株安など、経済危機への対応一つとっても、菅内閣の動きは鈍い。代表選の最中にあっても、首相は国政を預かる責任を果たさなければならない。
首相は、政権公約の修正を図ろうとするなら、政権交代以降の政策を再点検し、今後、何を変え、何を継続するのかを明確にすることが大事だ。
消費税率の引き上げ問題も、右顧左眄(うこさべん)せず、所信を正面から訴えるべきである。
現在の民主党は2003年、当時の菅民主党代表と小沢自由党党首が、政権交代を旗印に、両党を合併して生まれた。
当初から「選挙互助会」とか、「理念なき合併」との指摘があった。憲法改正や安保政策、消費税問題など党の基本政策は、今もって確立していない。これが、政権担当政党として政策を進める上の障害になっている。
この際、両氏は、党分裂や政界再編に至る可能性に臆することなく、党の基本政策について徹底した議論を展開すべきだ。
昨年、従来のUMDスロットを廃し、ダウンロードのみでゲームソフトを購入できる「PSP Go」を発売したソニーだが、今後はダウンロードのみでゲームソフトを購入できるハードウェアを発売しない方針であることが明らかになった。
6月には販売不振のPSP Goについて、「製品のライフサイクル自体が成熟した時に消費者の動向を知るために投入したもので、我々は非常に多くのことを学んだ」とソニー幹部が回答したが、反省が生かされた形ということなのか。
海外ゲームサイト「MCV」がソニー・コンピュータエンタテイメントのCEO(最高経営責任者)、平井一夫氏に行ったインタビューによると、ソニーは将来的にもゲームソフトをダウンロードのみで購入できるハードウェアを発売しない予定であることが明らかになった。
これは必ずしも世界各国でダウンロード販売を行うのに十分なネットワークインフラが整備されていないことを受けたもので、常に物理メディアの形でゲームソフトを提供することがビジネスを行う上での必要条件であると平井氏は述べている。
なお、ソニーはPS3のライフサイクルを10年程度に設定しているため、もちろん他社の動向に左右されるものの、PS4が登場するのには少なくともあと数年はかかると考えられるが、今回の平井氏の発言により、どうやらPS4や次世代PSPに対しても、物理メディアの形でゲームソフトが提供されることになりそうだ。
XepriaのPOBoxにSimeji互換のプラグイン機能追加
NTTドコモは、Xperiaにおいて、「spモード」へ対応する本体ソフトウェアのバージョンアップを提供する。8月30日よりパソコン経由でアップデートを行う更新ファイルが提供され、8月31日からは端末上で直接アップデートできるようになる。
spモード対応に伴なう本体ソフトウェアの更新では、OSのバージョンに変更は無くAndroid OSのバージョン1.6のまま。アップデート後は、spモード用のAPN設定が追加され、これを選択することでspモードを利用できる。また、「spモードメール」アプリをAndroidマーケットからダウンロードすることで、iモードのメールアドレスでメールの送受信が可能になる。
加えてXperiaでは、日本語入力機能が「POBox Touch 3.0」にバージョンアップされる。「POBox Touch 3.0」では、外部のアプリを呼び出せる「POBox Plug-in」を実装。プラグインアプリをインストールすることで、文字入力の際に定型文や電話帳データといった、さまざまなデータを呼び出せるようになる。9月1日以降、Androidマーケットでプラグインアプリの配信が開始される予定。
さらに、「POBox Plug-in」は、Androidマーケットで配信されている日本語入力アプリ「Simeji」のプラグイン機能「マッシュルーム」と互換性が確保されており、すでに提供されているマッシュルーム対応アプリを「POBox Touch 3.0」のプラグインとして利用できる。「POBox Touch 3.0」の設定画面では、ソニー・エリクソンのプラグインアプリ紹介ページに簡単にアクセスできるようになっているほか、同社のメーカーサイトにてプラグインアプリの特集コーナーを設ける予定。
「POBox Touch 3.0」ではこのほか、数字モードのキーレイアウトを変更し、数字キーの表示が拡大された。表示される種類が少なくなった記号については、シフトキーを押して表示を切り替えればすべてが表示される。
「ニコニコ大会議」開催、ニコ動のHTML5対応や次期バージョンの予定を発表
ニワンゴは26日、動画共有サイト「ニコニコ動画」のイベント「ニコニコ大会議2010夏~笑顔のチカラ~」を、東京・渋谷のC.C.Lemonホールで開催した。イベントの冒頭には、ニワンゴ取締役の西村博之氏と、ドワンゴ取締役の夏野剛氏が登場。ニコニコ動画のHTML5対応や、プレミアム会員100万人突破日予想キャンペーンの開催などを発表した。
「ニコニコ大会議」は、ニコニコ動画の人気アーティストによるライブや、ニコニコ動画の新機能発表などを行うイベント。これまでは無料で開催してきたが、今回から「事業化」の一環として有料のイベントとなり、実際の会場に入場できる「リアルチケット」と、ネットの生中継を視聴できる「ネットチケット」を販売。1800人の来場者と6300人の有料視聴者を集めた。
名称は「大会議」となっているものの、メインのイベントはアーティストのライブという構成。客席の大半は女性客で埋まっており、冒頭のアーティスト紹介では名前が呼び上げられる度に大歓声が挙がった。そんな中、「僕らは前座なんで」と言いながら登場してきた西村氏と夏野氏が、ニコニコ動画の現状と新機能を発表。8月26日時点でニコニコ動画のID登録数は1817万人、モバイルID登録数は545万人、有料のプレミアム会員が93万人に達したことを紹介した。
夏野氏は、「もうすぐ3ケタ(100万人)になるので、これは何かやらないとということで、キャンペーンをやることにしました」として、プレミアム会員の100万人突破日を予想するキャンペーンを8月27日に開始することを発表。予想者の中から100人でニコニコ動画の100万ポイントを山分けするキャンペーンとなり、夏野氏は「最初はドワンゴの株100万円分を山分けにしようって話をしてたんだけど、株となるとなかなか難しくて、やるには株主総会を開催しなければならないということがわかってやめました」と裏事情も交えつつ、キャンペーンの概要を紹介した。
ニコニコ動画の新機能としては、9月末にHTML5での動画再生に対応する予定を発表。これにより、iPadのウェブブラウザーからもニコニコ動画の再生とコメント投稿が可能になるという。
さらに、「本当は今回発表したかったが間に合わなかった」として、秋に開催する次回のニコニコ大会議で、ニコニコ動画の次期バージョンについて発表することを明らかにした。
9月末にHTML5に対応し、iPadのブラウザーで視聴可能となる予定を発表次期バージョンは10月開催の「ニコニコ大会議2010秋」で発表の予定
ニコニコ生放送の新機能としては、トップページにニコニコ生放送の視聴プレーヤーを設置し、アカウントを持たないユーザーにも特定の番組の視聴を可能にするほか、放送にタグ機能を追加。9月からは、ニコニコ動画に宣伝を流せる「ニコニ広告」で、生放送の宣伝にも対応する。
また、公式生放送の限定機能だった、生放送者に直接電話をかけられる「ニコニコ電話」を、ユーザー生放送にも試験サービスとして提供する。プレミアム会員のみが対象で、対応機種はNTTドコモの携帯電話のみ。サーバー負荷などを計測するため、8月26日から1週間限定の試験サービスとなる。
関連製品としては、株式会社インターネットが10月8日に発売予定のボーカロイドシリーズの新製品「ガチャッポイド」を紹介。ガチャピンの声をベースにしたボーカロイドソフトで、舞台にも特別ゲストとしてガチャピンが登場。「ガチャッポイドでどんなことをしたいですか?」というガチャピンの質問に、西村氏が「ムックの悪口を言わせたい」と返すなど、会場を沸かせた。
もう1つの関連製品としては、テレビにHDMIケーブルで接続し、「ニコニコ実況」のコメントをテレビに流すことができるハードウェア「デジタルテロッパ」を紹介。2ちゃんねるやTwitterなどのテキストサービスにも対応予定で、製造販売元は株式会社エンティス。発売は9月上旬の予定で、メーカー希望小売価格は1万9800円。ニコニコ動画の販売サイト「ニコニコ直販」では、特別価格1万2525円での予約受け付けを開始した。
Lenovo、中国向けにゲーム機を提供へ
世界第4位のPCメーカーLenovoが、中国市場向けビデオゲーム機を開発するための部署を設け、Microsoftやソニーなどのライバルに対抗すると、中国紙が8月27日に報じた。
同社の40人ほどのソフトウェアエンジニアがスピンオフして、ゲーム機「eBox」の開発と販売に当たるのBeijing eedoo Technologyを設けたと、China Dailyは伝えている。
Lenovoとその親会社Legend Holdings、系列の非公開投資会社Legend Capitalがeedooに出資しているが、投資額は明らかにしていないという。
Lenovoとeedooの関係者にコメントを求めたが、連絡が付かなかった。
Lenovoはコモディティ化したPCの販売以外にも事業を多角化しようとしており、昨年中国でスマートフォンを立ち上げ、タブレットPCの投入計画も発表している。
中国は海賊版がまん延しているため、ゲームソフトから利益の大半を得るゲーム機メーカーにとっては難しい市場として知られている。
ブックオフ、上位10%のヘビーユーザーで売上の約55% 携帯で集めるスタンプで来店率向上をはかる
ブックオフコーポレーションは、9月1日から、携帯電話端末を使ってスタンプを集めると特典が得られるサービスを開始する。
「BOOKOFF タッチでおトクなメンバーズ」は、商品の購入や買取の回数に応じてスタンプを付与するサービス。10個たまると、1日だけ、どの店舗でも購入が10%オフになる「1dayサンクスパス」と交換することができる。1店舗で1日に取得できるスタンプの上限は、購入で1個、買取で1個の合計2個まで。また、複数店舗を利用した場合の1日に取得できるスタンプの上限は3個までとなっている。
ブックオフが今年の2月に行った顧客調査では、ブックオフでは年間利用金額や回数の多い、上位10%のヘビーユーザーで売上の約55%(買取の約60%)を占めており、上位20%で売上の約70%(買取の約75%)を占めていることが明らかになった。また、ヘビーユーザーであるほど利用店舗数が多いことから、今回のサービス導入によって、リピーターの来店頻度の向上をはかる。
円高放置なら製造業の4割が日本脱出 経産省調査
直嶋正行経済産業相は27日の閣僚懇談会で、1ドル=85円台の円高が継続した場合、製造業の4割が工場や開発拠点を海外に移転するとした緊急調査の結果を報告した。円高の急速な進行で、対ドルで製造業の約6割が、ユーロでは約5割が減益になると回答。円高が企業業績に深刻な打撃を与え、国内産業の空洞化が加速する恐れが強いことが鮮明となった。直嶋経産相によると、調査結果を踏まえ菅直人首相が同日中に円高への対処方針を表明する。
調査結果によると、製造業の6割が「海外での生産比率を拡大する」と回答した。また中小企業は、1ドル=85円台の円高が続けば約7割が減益になると回答。特に下請け業者では8割強が「減益になる」と答え、取引先のコストダウン要請や海外企業に受注を奪われるなど深刻な収益悪化に陥る恐れがあるとした。
調査は製造業を中心に200社に対し、11~24日までの期間に聞き取りで行った。製造業では自動車や電機、非鉄金属、産業機械、繊維などから、主要な輸出企業を選んで実施した。
東京ディズニーリゾート、総入場者数が5億人突破
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは27日、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の総入場者数が延べ5億人を超えたと発表した。
5億人を達成したのは、同日午前10時20分ごろ。TDLは昭和58年4月に開業し、平成3年5月に入場者数が1億人を突破した。その後、TDSをオープンした翌年の14年11月に3億人、18年11月に4億人を達成した。オリエンタルランドによると、4億人突破から5億人を達成するまでの期間は3年300日。1億人ごとの区切りでは最速という。
5億人目となったのは、家族4人でTDLを訪れた群馬県藤岡市の主婦相馬恵さん(38)。ミッキーマウスやミニーマウスに囲まれ、5年間有効のパスポートや花束を受け取り「とてもびっくりしましたが、うれしいです。家族で何度も遊びに来たい」と笑顔で話した。
米ディズニーが運営する海外の計4つのテーマパークの入場者数では、米フロリダ州にあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートが1995年に5億人を達成。開業から24年での突破で、TDLなどより3年早かった。
ダイハツ、エコカー補助金終了にらみ奨励金で販売てこ入れ
ダイハツ工業が、政府のエコカー購入補助金制度の9月末の終了をにらみ、10月以降に取引先の販売会社に対し新たに奨励金を支給すること検討していることが27日、分かった。9月中の補助金対象車の購入に対して、国の予算切れで新車登録(軽自動車は新車検査の届け出)前に制度が打ち切られた場合に、同社が補助金分を負担することも検討している。補助金制度終了で予想される新車販売の反動減を、こうした独自の対策で乗り切りたい考えだ。
10月以降の販売奨励金はは、全国約60社の系列販売会社に値引きの原資として支給する方向。具体的な手法や金額は今後詰める。
エコカー補助金は燃費など一定の環境性能を備えた車を購入すると10万円、登録から13年以上の車から乗り換えると25万円が交付される。軽自動車はそれぞれこの半額が支給される。
しかし、9月末の期限前でも予算が無くなれば補助金は打ち切りになる。交付を担当する次世代自動車振興センターによると、8月25日現在の補助金の残額は約626億円。ここにきて駆け込み申請が急増し、平均すると1日あたり30億円超を消化するペースで進んでおり、期限前に予算が底をつく可能性も出ている。
ダイハツの平成22年4~6月期の乗用車販売台数は前年同期比7・7%増。リーマン・ショックで落ち込んだ前年に比べ、エコカー補助などに支えられ順調に回復しており、この勢いを失速させないため、独自の販売促進策を打ち出す。
日興コーディアル、FXから撤退 値下げ競争激化で
日興コーディアル証券は27日、7年間続けてきた外国為替証拠金取引(FX)事業から10月30日付で撤退することを明らかにした。8月からのレバレッジ(証拠金倍率)の上限規制の導入や手数料の値上げ競争の激化を受け、事業の継続が難しいと判断したもよう。
すでに顧客にはサービス終了を通知しており、新規口座開設の申し込み受け付けも終了した。
日興コーデは、2003年に相対取引の店頭FXに参入。06年からは「イージーFX」のサービス名で事業を行ってきたが、顧客は伸び悩んでいた。
FX業界では、上限規制の導入に伴い高レバレッジが売り物だった店頭FXの取引量が減少するとされ、税制優遇のある取引所FXにシフトする業者が相次いでいる。
全国消費者物価指数、17か月連続下落
総務省が27日発表した7月の全国消費者物価指数(2005年=100)は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で1・1%下落の99・0と、1993年3月の水準まで落ち込んだ。
下げ幅は前月の1・0%下落から拡大した。マイナスは17か月連続で、物価が継続的に下落するデフレ状況が続いている。
品目別では、値下げ競争の激しい薄型テレビが前年同月比で29・4%下落したほか、猛暑効果で売れ行きが好調なエアコンも15・0%下落した。
全国の先行指標となる東京都区部の8月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が98・6で、前年同月比で1・1%下落し、前月の1・3%下落から下げ幅は縮小した。
7月の建設受注 2カ月連続でマイナス 製造業の設備投資激減響く
日本建設業団体連合会(日建連)が27日発表した7月の建設受注は前年同月比2・7%減の5764億円となり、2カ月連続で前年同月の実績を割り込んだ。景気低迷を背景に民間の製造業の受注が22・2%減と4カ月連続で2ケタのマイナスとなったほか、官公庁の公共投資も36・0%減となったのが影響した。
一方、4~7月の累計の受注実績も前年同期比9・4%減の2兆689億円と、2ケタ近いマイナスとなっている。国内の民間企業の投資減少と、国の公共投資の大幅な削減が響いて、建設業者にとって厳しい経営環境が続いている。
小沢氏出馬表明 日本の針路を競う代表選に(8月27日付・読売社説)
民主党代表選は、再選をめざす菅首相と小沢一郎前幹事長との、事実上の一騎打ちになることが固まった。
与党第1党の党首選は首相選びに直結する。「脱小沢」か「親小沢」かという権力争奪の多数派工作に堕することなく、あるべき日本の針路を論じ合って雌雄を決してほしい。
◆分裂、政界再編の芽も◆
小沢氏は、9月1日告示、14日投開票の党代表選に出馬する意向を表明した。
党内の幅広い支持を得られることを前提に出馬を検討していた小沢氏は、鳩山前首相の支持をとりつけた上で立候補に踏み切った。だが、支持の大勢が固まっているわけではない。
今回の対決の背景には、小沢氏と、「脱小沢」を掲げる菅首相や仙谷官房長官、枝野幹事長らとの強い軋轢(あつれき)がある。
鳩山氏は、党の亀裂が深まる事態を避けるため、菅首相と小沢氏との仲介に動いた。だが、鳩山氏が小沢氏の要職起用を含む挙党態勢の構築を求めたのに対して、菅首相は難色を示した。
小沢氏は反発し、菅首相の無投票再選を容認すれば、党内で孤立しかねず、窮余の決断になったものとみられる。
挙党態勢を条件に「菅氏支持」を表明していた鳩山氏は、一転して「小沢氏支持」に変わった。参院選前、政局混迷の責任をとってともに辞任した小沢氏を代表に推すのは、納得し難い行動だ。
鳩山氏の調停失敗を受け、小沢氏が正面突破を図ったことで、代表選は党を二分する争いになる見込みだ。党分裂含みの展開も予想され、今後、野党を巻き込んだ政界再編の動きも出てこよう。
◆「政治とカネ」説明を◆
小沢支持グループは、参院選の敗北が衆院選の政権公約(マニフェスト)から逸脱した結果だとして、「原点回帰」を唱えている。菅首相の消費税率引き上げ検討発言も批判してきた。
しかし、子ども手当などのバラマキ政策は、当初の極めて甘い財源見通しにより、公約通りに実行できないのは明らかだ。
小沢氏が原点回帰路線に立つなら、公約実施に向けた現実的な財源と、工程表を早急に提示することが肝要だ。
小沢氏がなすべきことは、それだけではない。「政治とカネ」の問題について、きちんと説明責任を果たすことが欠かせない。
自らの資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件について、小沢氏は先の通常国会では、衆院政治倫理審査会で弁明せず、証人喚問からも逃れた。
しかし、参院選の結果、与党が過半数を失ったことによる「衆参ねじれ国会」の下で、野党側の厳しい追及を乗り切っていくことは極めて難しい。
今秋、検察審査会が再び、「起訴すべき」と議決すれば、本来なら小沢氏の強制起訴は免れない。ただ、憲法には「国務大臣は在任中、総理大臣の同意がなければ訴追されない」との規定がある。
菅支持派からは「小沢氏は起訴を逃れるため、首相をめざすのではないか」との声も聞かれる。
実際、「起訴議決」の場合、小沢氏はどう対処するのか。事前に明らかにする責任もあろう。
一方、菅首相は、小沢氏の出馬が確定したことを、重く受け止めなければならない。
菅首相以下、民主党執行部は、参院選敗北について明確な責任をとらず、敗因についても十分な総括をしてこなかった。これらが党内に不満を醸成した。
◆政治空白の余裕はない◆
党運営や政策遂行をめぐる首相の指導力や判断力に、民主党の多くの議員が不安を抱いていることも否定できない。
最近の円高や株安など、経済危機への対応一つとっても、菅内閣の動きは鈍い。代表選の最中にあっても、首相は国政を預かる責任を果たさなければならない。
首相は、政権公約の修正を図ろうとするなら、政権交代以降の政策を再点検し、今後、何を変え、何を継続するのかを明確にすることが大事だ。
消費税率の引き上げ問題も、右顧左眄(うこさべん)せず、所信を正面から訴えるべきである。
現在の民主党は2003年、当時の菅民主党代表と小沢自由党党首が、政権交代を旗印に、両党を合併して生まれた。
当初から「選挙互助会」とか、「理念なき合併」との指摘があった。憲法改正や安保政策、消費税問題など党の基本政策は、今もって確立していない。これが、政権担当政党として政策を進める上の障害になっている。
この際、両氏は、党分裂や政界再編に至る可能性に臆することなく、党の基本政策について徹底した議論を展開すべきだ。
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