忍者ブログ
00430000s@merumo.ne.jp に空メールすると、ブログと同じ内容のメルマガをが配信されます。twitterはhttps://twitter.com/wataru4 です。
[1189]  [1188]  [1187]  [1186]  [1185]  [1184]  [1183]  [1182]  [1181]  [1180]  [1179
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

米オバマ政権がゲーム開発の支援に乗り出したわけ(COLUMN)
 ゲーム産業の振興策に力を入れる国が増えているが、世界的なゲーム開発大国でありながら、過去に政策上の支援をほとんどしてこなかった国がある。日本と米国である。ところが、オバマ政権は昨年11月に新たな戦略を打ち出し、ゲーム開発の支援に乗り出した。米ゲーム産業に新たな光が当たる方針転換となった。
 オバマ大統領は2009年11月、「イノベーションのための教育(Educate to Innovate)」と名付けたキャンペーンを展開すると発表した。これは「STEM」(科学、技術、工学、数学の頭文字)教育を強化するための米国の学生に向けた新しい教育計画で、連邦政府だけでなく企業、財団、非営利組織(NPO)、科学者などが幅広く参加する。米国も理工系大学に進みたがる学生の数は減少傾向にあり、理系離れが問題視されている。オバマ大統領は演説で「行動を求める」と強調した。
 このキャンペーンがゲーム産業にとって大きな意味を持つのはなぜか。それは、ゲームをはじめとするデジタルコンテンツをエンターテインメントという枠組みではなく、「科学教育」と位置づけている点だ。これまでは米国も日本と同様、ゲーム産業が民間の力で成長を続けていたため、国による産業支援はほとんど実施されてこなかった。しかし、今回の計画では、「デジタルゲーム」を重要な教育方法の一つに挙げ、学校教育から社会教育まで広い範囲で導入しようとしている。
プロジェクトの1つが発表に
 5月13日、このキャンペーンの一環として資金支援を受けるプロジェクトの概要が発表された。プロジェクトの主体は米デューク大学などが参加する「HASTAC」という科学系教育の支援組織で、米有力助成財団として知られるマッカーサー財団が今年総額200万ドルを提供する。
 HASTACのプロジェクト自体は、07年から小さな資金規模で運営されていた。それが、3年目の今年にオバマ政策の後押しで財団から助成を受け、大規模に拡大されたかたちだ。
 このプロジェクトは2つの事業から成っている。1つは「デジタルメディア・ラーニングコンペ(The third Digital Media and Learning Competition)」で、ゲームを中心とした学習方法を調査研究している機関を対象に3万~20万ドルを提供して教育コンテンツの研究開発を支援する。
 13日にはこのコンペを通過した10の研究機関も発表された。仮想空間を利用したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に科学教育的な要素を持たせる研究、環境問題を学習するためのゲーム的プログラムの開発、12歳前後までを対象に算数の面白さを体感できるインタラクティブなソフトの開発、7~8歳の子どもでもプログラムの概念を理解して簡単なソフトウエアを開発できるような支援ソフト開発といった研究内容の提案が並んでいる。
SCEも協力、PS3を1000台配布
 もう一つは「ゲームチェンジャーズ」と呼ばれるコンテンツ作成コンテストで、一般から公募して5000~5万ドルを提供するという。このプロジェクトにはソニー・コンピュータエンターテインメントアメリカ(SCEA)と米エレクトロニックアーツ(EA)も協力しており、SCEAは「プレイステーション3(PS3)」1000台とアクションパズルゲーム「リトルビックプラネット」を、全米各地の図書館や地域施設に配布している。
 リトルビックプラネットは、様々な素材などを使って機械的で複雑な仕掛けを作ることができる機能を持つ。そこに学習効果を期待できると考えられたようだ。また、EAは、進化論を学習できるゲーム「Spore」を無料配布して、生物キャラクターを自由に作れるような環境を教育機関に提供している。
 コンテストではこれらのソフトを使って、優れた創造性のあるステージやキャラクターを募集し、選出されたものに賞金を出すという。若い世代に科学への関心を持ってもらうことを狙いにしており、結果は5月中に発表される予定だ。
新たな市場が誕生する可能性
 ゲームを政策に活用しようとする米国の取り組みは、他の分野にも広がろうとしている。ミシェル・オバマ大統領夫人は今年3月、サンフランシスコで開催された「ゲーム開発者会議(GDC)2010」に参加したゲーム開発者に向けて協力を呼びかけるメッセージを発表した。ミシェル夫人は「健康な子供のためのアプリ(Apps for Healthy Kids)」というプロジェクトを立ち上げ、肥満防止のための食育や運動に役立つアプリケーション開発を促進しようとしている。これには国際ゲーム開発者協会(IGDA)などが関与している。
 こうした米国のゲーム支援戦略について、青山学院大学総合研究所の山根信二研究員は「効果的な優れた戦略」と指摘する。「日本にも公的支援によるコンペはあるが、支援が打ち切られれば終了せざるを得ないのが実情。米国の今回のキャンペーンは、実績ある財団や団体の活動をスケールアップさせる形で支援しており、単発に終わることなく長期的な成功につながる可能性がある」という。
 また、デジタルメディア・ラーニングコンペの公式ページには、動画サイトを使って応募者がパブリックコメントを集められる仕組みがある。これは、審査に関わっていない人にも応募内容を公開することで透明性や公平性の確保する仕組みだが、「日本の公募システムではあまり見られない方式」(山根氏)だ。
 米国がゲーム支援に乗り出すのは、デジタル時代に適合した思考法や学習能力を今の子どもたちから引き出そうという狙いがある。ゲーム企業を直接支援するわけではないが、エンターテインメントにとどまらない新しい市場が誕生していく可能性を秘める。
 こうした柔軟な成長戦略は日本ではまだ出ていない。「日本の電子教科書の議論からは、ゲームテクノロジーを使うとかゲームアプリを導入するといった話はまったく聞こえてこない。ゲーム的要素を持つソフトウエアは本来は、理数系教育の現場で抽象的な概念を具体的に伝えるといった用途に適しているはずなのだが」と、山根氏は述べている。



「ニンテンドー3DS」は最初の5ヵ月でどれくらい売れる?-アナリストの予測
 任天堂は「ニンテンドー3DS」をスタートダッシュでどれくらい売るつもりなのでしょうか?
 Jesse Divnich氏の予測によれば、任天堂は2011年3月までに「ニンテンドー3DS」を500万台売る予定であるとのこと。
 Divnich氏は米国の調査会社EEDAR(Electronic Entertainment Design and Research)のアナリスト。
 「ニンテンドー3DS」が発表される2010年のE3を「ゲーム産業で最も重要なイベント」と定義。裸眼立体視の「ニンテンドー3DS」と、モーションコントロールの「PlayStation Move」「Project Natal」の成否が業界の動向を決めると語る。
 「「ニンテンドー3DS」と「PlayStation Move」、「Project Natal」がゲーム産業をエキサイトさせられないなら、これからの投資はパブリックなものと個人的なものを問わずモバイルやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、MMO(多人数同時参加型オンライン)に集中し、我々のゲーム産業は更なる脱線に直面することでしょう」
 500万台という数は初代ニンテンドーDSの販売数から導き出されたものであり、氏は「2010年の11月に少なくとも2つの地域で発売するでしょう」と予測している。
 2010年10月発売説なども囁かれる「ニンテンドー3DS」、前評判としては上々のようだが、E3が終了するまで予断を許さない状況のようだ。



経営悪化に悩む新聞社、ネット対応に四苦八苦 ネット有料化か、高給取り社員のリストラか
 経営悪化に苦しむ新聞社が、ネット対応に活路を見出そうとしている。毎日新聞社は、6月1日にTwitterと連動した日刊タブロイド紙「MAINICHI RT」を創刊する。
 「MAINICHI RT」は紙版の宅配紙で、Twitterで集められた意見を誌面構成などに反映させていくものになるという。新聞購読者の高齢化が進む中、ネットを利用する若い年代を取り込む考えだ。毎日新聞社では、1990年代から有料メールニュース分野などに参入。いち早くネット対応を行ってきた。しかし、それでも収益構造は改善されず、試行錯誤が続いている。
 一方で、ネット版にも新たな動きが出ている。長らく、新聞社のネット版では、基本的に記事は無料配信されてきた。最近は、ネット版の記事を有料化する動きが活発になっている。
 ネット有料化の流れは、アメリカで先に大きく動いた。アメリカでは、ここ数年で新聞廃刊が相次いでおり、生き残った新聞社は、ネットでの売上を目指す路線に移行しつつある。
 ウォール・ストリート・ジャーナルなどを擁するニューズ・コーポレーションのルパート・マードック会長も、有料化に方針転換。有料ネット会員を順調に増やしたウォール・ストリート・ジャーナルは、紙版とネット版をあわせてアメリカでの発行部数トップに立った。
 これに他社も追随する形で、たとえばニューヨーク・タイムズは、2011年から有料化する予定だ。ウォール・ストリート・ジャーナルでは、一部の記事が有料になっているが、イギリスのフィナンシャル・タイムズでは、別の手法が取り入れられている。ユーザーが閲覧できる記事数が毎月制限されていて、上限を超えて記事を読みたい場合に課金される仕組みだ。フィナンシャル・タイムズの有料ネット版も好調である。
 日本経済新聞社も、3月から有料の「日経新聞電子版」を開始して話題となった。産経新聞も現在、iPhone向けに朝刊を無料提供しているが、有料化を検討しているとされる。
 新聞社の経営が悪化したのは、販売部数減や広告収入減など売上面での苦境がある一方で、高すぎる人件費も原因と言われている。特に日本の新聞社では、人件費の高さが際だっている。
 大手新聞社では、これまで社員の厚遇で知られてきたが、取材費などの経費削減はもちろんのこと、ついに希望退職も募るようになっている。ネット対応だけでなく、リストラにもさらに本格的に取り組めるかが、収益構造改善のカギとなりそうだ。



【日本発 アイデアの文化史】携帯音楽プレーヤー
 □世界の景色を一変させた
TPO問わず、好きな音楽“独り占め”
 作家の椎名誠は、昭和55年の『文芸春秋』5月号に「35歳のウォークマン戦記」と題した文章を寄せている。ソニーの携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」を聴きながら電車に乗ることを「勇気がいる」とした上で、「ウォークマンをつけて動く景色をみる、ということはまさしく“映画的”そのもの」と指摘している。
 〈へんてつもない武蔵小金井駅も、小雨にけぶる南フランスあたりの、愛と哀しみに満ちた別れのプラットホームのようにも見えてくる…〉
 椎名の見た“映画的”景色は、今や自然な体験として人々に受け入れられている。町で電車で、ひとり音楽を楽しむ人はすぐ見つかる。大舞台の直前、イヤホンの音楽に耳を傾け意識を研ぎ澄ます競技者に「何の曲を聴いていたか」と関心を寄せるインタビュアーも珍しくない。
 小型カセットプレーヤーの初代ウォークマンが発売されたのは54(1979)年。外で音楽を聴くのに勇気が必要だった時代から、実は30年ほどしかたっていない。世界で累計約4億台(3月時点)を販売、文法上は正しくない和製英語を世界に広げたウォークマンの来し方を少し、たどってみたい。
                   ◇
 「小型のテープレコーダーに、再生だけでいいからステレオ回路を入れたのを作ってくれないか?」
 ウォークマンはソニー創業者の一人、井深大のそんな言葉から生まれたとされる。1号機発売の前年、名誉会長だった井深の要望を受け、エンジニアたちが試作機を開発。それを井深から見せびらかされた当時会長の盛田昭夫が「若者の必需品となる」と商品化を決めた-とは有名なエピソードだ。
 「当時、録音された音楽はステレオやラジカセの前でしか聴きませんでした。ヘッドホンも、音楽好きが室内で使う大きなものが主流で、あまり一般的でなかった」(ソニー広報)。こうした状況も手伝って、内外では当初、ウォークマンの評判はあまり芳しくなかったという。
 1号機のベースとなったのは、報道関係者らから人気のあった手のひら大のモノラルテープレコーダー「プレスマン」。そこからスピーカーと録音機能を除き、空いた部分にステレオ再生回路を入れてヘッドホンと組み合わせた。技術面では決して画期的とはいえず、シンプルな“改良品”でしかなかった、ともいえる。
 「録音機能もスピーカーもない商品が売れるのか、という声はあったようです」とソニー広報は語るが、その批判が正しくなかったことは、すでに歴史が証明している。担当者は続ける。
 「ウォークマンの新しさは『音楽を持ち歩く』というスタイルを提示してみせたことにありました」
                   ◇
 「若い社員が飛びつくように買っていましたね」
 ソニーのシニアプロデューサー、柏原充(55)は、「若者」として初代ウォークマンを手に取った一人だ。1号機発売当初は、取扱説明書を担当する若手社員だった。
 発売当初こそ売れ行きは鈍かったものの、雑誌『明星』で、人気アイドルだった西城秀樹がウォークマンをつけてローラースケートをしているグラビアが掲載されたのをはじめ、雑誌や口コミを通じて若者に注目されていく。
 「アウトドアスポーツやファッションといった若者文化との親和性も高かったのでしょう。私はロックが好きで、いつでも大音量でレッド・ツェッペリンやディープ・パープルを聴いていたかった。でも、家の中では近所迷惑になる。音楽ファンにとって、ウォークマンはこたえられないアイテムでした」と柏原は懐かしそうに語る。
 「カセットテープというメディアが、ウォークマン普及に果たした役割は大きい」と指摘するのは、デジタルメディア評論家で津田塾大講師の麻倉怜士(59)だ。
 「貸しレコードやFM放送から好きな曲をカセットに録音、編集する文化ができあがりつつあった。アルバム制作者の意図とは違う自分だけのベストを作って、自分の思うがままに聴けることは画期的だった」
 海外出張の多かった井深の「場所や時間を問わず、好きな音楽を良い音で聴く」という発想は、そのままウォークマンの根本哲学になった。ウォークマンが切り開いた地平で、さらに利便性を追求した多種多様な商品が生まれ続けている。音楽は今や、いや応なしに“独り占め”できるものになった。=敬称略



記者の目◇日産、目線は「目先」から「将来」へ
 日産自動車は12日、2010年3月期連結決算で最終損益が423億円の黒字(前の期は2337億円の赤字)だったと発表した。営業損益は3116億円の黒字(同1379億円の赤字)と大手7社で首位のホンダ(3637億円)に次ぐ水準。カルロス・ゴーン社長は「ようやく成長路線へ動き出せる」と強調した。同社は10年前の経営危機以降、「目先の利益」を重視してきたが、次世代環境車などを軸に「将来」を見据えた経営に本格的に舵(かじ)を切ることになる。
 11年3月期の連結売上高は前期比9%増の8兆2000億円、純利益は3.5倍の1500億円を見込む。特に世界販売台数は8%増の380万台と過去最高を更新。伸び率でもトヨタ自動車(1%増)やホンダ(7%増)を上回る。ゴーン社長は「これで最悪期は脱した」と強調、同日の決算発表では「3つの成長戦略」を進める考えを示した。
 1つは電気自動車(EV)の本格投入だ。12月には日米欧でEV「リーフ」の発売を開始するが、日米では4月1日の予約開始後1カ月で1万3千台の注文が殺到。すでに11年3月期の生産能力を上回っているという。今期は実質4カ月間の販売(日本では6000台を予定)にとどまるが、来期は世界で数万台の増販効果が見込めそうだ。ゴーン社長は主力部品の電池について「12年に50万台分の生産能力を確保するメーカーはほかにない」と強気だ。5年、10年先には同分野でのシェアトップを狙う。
 次に掲げたのが新興国市場の一段の強化だ。まず好調な中国では13年3月期までに新工場建設などで年産能力を現在の67万台から100万台以上に拡大する。実は10年3月期の中国での同社の市場シェアは6%と前の期比0.4ポイント減少したが、これは「需要に供給が追いつかなかっただけ」(ゴーン社長)。能力増強に伴い、市場シェアは早急に10%に高めるという。
 他の新興国でも攻勢をかける。インドでは今期に年産能力を2倍に増強。インドだけでなくアフリカや中東など100カ国以上にも輸出する。ブラジルやロシアでも新車投入を加速する考え。新興国での現地生産を拡大することで需要を取り込むほか、円高対策も進めコスト競争力の向上を目指す。
 最後に提携効果。まず親会社の仏ルノーとは11年3月期にコスト削減を中心に2400億円以上の提携効果を生み出す。部品の統合や生産設備、エンジンの集約などを進め効率経営に力を入れる。
 4月に資本提携した独ダイムラーとも小型車の共同開発やエンジンの共通化を進める。特に日産自の高級車「インフィニティ」について、ゴーン社長は「メルセデスのエンジンや生産設備を活用することで、より高品質なクルマを消費者に安く提供できる」と話し、将来の販売増につなげる考えだ。
 短期的に見れば、電気自動車ではインフラ整備の問題や収益貢献が先になるなどの弱点もちらつく。ただ新興国ではタイで主力小型車「マーチ」を現地生産し日本へ逆輸入するなどの離れ業も披露。「規模のメリットは必要不可欠」と積極的なM&Aにも動いており、過去に無いスピードと規模で対策を講じているのは確かだ。
 躍進するトヨタの強さが目立ってきた世界の自動車業界は、リーマン・ショックを経て勢力図が流動化すると同時に、次世代環境車や新興国市場をキーワードにした成長シナリオがより鮮明に浮かび上がった。こうした状況下での日産の積極策には「業界の勢力図を変えようとの強い意志がみてとれる」(外資系投資会社)と前向きな声も多い。
 数値面でも今期の設備投資は32%増、研究開発費は12%増とトヨタ(設備投資が28%増、開発費が5%増)やホンダ(同15%増、8%増)の伸び率を上回る。リコール問題に揺れるトヨタや慎重経営のホンダ以上に攻めの姿勢を強く打ち出しているだけに、相対的にも日産自の注目度が高まるかもしれない。



愛媛新聞社説
国民ID制度 「共通番号」の懸念ぬぐえない
 「グリーンカード」「社会保障番号」―これまで何度も立ち消えになってきた「共通番号制度」が、ついに導入に向けて動き始めた。「国民総背番号制」への懸念や不安はいまだ解消されていないにもかかわらず、である。
 政府は新たなIT(情報技術)戦略を決定し、税と社会保障の共通番号制度「国民ID制度」を、2013年までにつくると明記した。国民一人一人に番号を付け、納税実績や年金、介護など社会保障関連の個人情報を対応させ、一元的に管理する仕組み。狙いは、納税者の所得を政府が正確に把握し、税金の増収につなげることにある。
 社会の電子化進展に伴い、国も「電子行政を進め、より使い勝手の良いものにする」(鳩山由紀夫首相・IT戦略本部長)努力は必要だろう。しかし、その「使い勝手」は誰のためのものなのか。個人情報漏えいの危険や、国家による個人情報の管理・監視への不安といった、共通番号制度がはらむ根源的な問題は、何も解決できていない。現段階での制度導入には、疑念を抱かざるを得ない。
 今のところ共通番号には、現在最も多くの国民に番号を割り振っている住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の活用が有力視されている。と聞けば、いやでも住基ネットの「教訓」がよみがえる。
 03年8月の本格稼働時には個人情報保護をめぐって大きな議論が巻き起こった。巨費を投じたシステムで、国民の利便性は国が言うほど向上もしない一方、カードの不正取得や情報漏えいなど、当初から心配された問題は案の定、起きた。憲法のプライバシー権を侵害するとして各地で裁判も起き、対象事務のなし崩し的な拡大も問題になった。
 結果、制度への信頼は失われ、県内でも住基カードは08年度末で約2万6千枚、普及率1・79%と低迷。大きな問題が起きていないのは、皮肉にも「あまり利用されていない」からともいえる。
 今回の国民IDは、住基ネットが氏名、住所など6項目の基本情報のみだったのに比べ、納税歴や個人資産、医療機関の受診歴など幅広く一元管理される。個人が「丸裸」にされる度合い、悪用されるリスクは当然高まる。従来から要望の強い、目的外使用を監視する中立的な機関の設立など、より厳格な対策と運用が最低限求められる。
  確かに、税徴収の不公平解消や年金制度改革、行政手続きの簡素化は、待ったなしの課題ではある。しかし、国のやりやすさや、住民票がコンビニや郵便局で入手できるといった小手先の利便性と、個人の情報を守り、管理されない自由とを、引き換えにされてはたまらない。あらためて再考を促したい。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
wa-wa-
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
アクセス解析
アクセス解析

Designed by IORI
Photo by 有毒ユートピアン

忍者ブログ [PR]