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携帯電話:サムスン電子、米国シェア初の30%台
 市場調査会社のストラテジー・アナリスティクス(SA)によると、サムスン電子は今年1-3月に米国市場で携帯電話端末1230万台を出荷し、シェアは30.1%に達した。米国市場でシェアが30%台を記録するのは初めてだ。
 サムスン電子はカナダでも同期間に60万台を出荷し、26.5%のシェアを獲得。米国とカナダを含む北米市場全体でも29.9%のシェアを達成した。同社は2008年7-9月期以降、7四半期連続で北米市場でトップシェアを守っている。
 一方、LG電子は1-3月に北米市場で790万台を出荷し、シェアは2位の18.3%を記録した。3位は「ブラックベリー」で知られるリサーチ・イン・モーション(RIM) の510万台(シェア11.8%)だった。以下、4位はモトローラの470万台(同10.9%)、5位はiPhone(アイフォーン)が人気のアップルによる310万台(同7.1%)だった。



東芝など日本勢、半導体など投資積極化
 新興国を中心としたパソコンや薄型テレビの需要回復を受け、東芝やTDKなど国内勢も半導体や電子部品などの積極投資に動き始めた。東芝はNAND型フラッシュメモリーの主力拠点の四日市工場で新棟の第5工場を7月に着工する。既存工場の能力拡張も含めた2010年度の半導体関連の設備投資額は1600億円と、前年度の2倍を計画する。
 NAND型フラッシュは多機能携帯電話(スマートフォン)やサーバー向けに需要が拡大。第5工場は回路線幅20ナノ(ナノは10億分の1)メートルを導入する最新鋭工場で、需要に合わせて生産能力を積み増す。「12年度までの3年間で半導体分野で4000億~5000億円を投資する」(佐々木則夫社長)予定で、3年後の総生産能力は現在の約2倍に拡大する見込み。
 DRAM世界3位のエルピーダメモリは10年度の設備投資を1150億円と、前年度の2.6倍に増額する。大半が既存の製造設備を最先端の回路線幅に対応させる微細化投資で、生産効率を引き上げてコスト競争力を高める。
 圧倒的な資金力で規模拡大に動くサムスンに対し、日本勢は投資先を先端分野に絞り、技術力で対抗する戦略だ。



KDDI、光回線サービス強化 ハイビジョン番組配信に対応
 KDDIは光ファイバー回線「auひかり」を使ったサービスを強化する。今夏から番組配信サービスでハイビジョンに対応するほか、自宅に設置する「au」の携帯電話向け小型基地局「フェムトセル」を無償で提供する。サービス拡充や携帯電話との連携でNTTグループに対抗し、2010年度末で契約数を現在の35%増にあたる204万件に増やす。
 スポーツや音楽などの専門番組やビデオ・オン・デマンド(VOD)配信する映画でハイビジョンに対応。テレビにつないで放送信号をハイビジョン映像に変換するセットトップボックスを月数百円でレンタルする。
 フェムトセルは高層マンションや住宅密集地など電波がつながりにくい家庭に8月から提供。auひかりに接続すれば、利用者は自分専用の基地局として使える。



ツイッターの本人確認を支援 デジタルガレージ
 インターネットビジネス支援のデジタルガレージは、人気ミニブログ「ツイッター」を利用する著名人の本人確認作業を支援する。経営者や政治家らの利用が進んでいるが、第三者が本人になりすまして虚偽の情報を配信する「なりすまし」の懸念も高まっていた。米ツイッター(カリフォルニア州)が本人確認したうえで発行する「認証済みアカウント」を国内の利用者が取りやすくして、利用促進を図る。
 米ツイッターは、同社が認めた一部の著名人に「認証済みアカウント」を発行し、サイトに表示して不正防止につなげている。従来は米ツイッター経由の発行で日本からの取得が難しかった。デジタルガレージが独自に審査、米ツイッターに日本の利用者を紹介することで数日から1週間で取得できるようにする。
 デジタルガレージはツイッターの株主で、日本進出を支援してきた。



au、ARアプリ「セカイカメラZOOM」にTwitterクライアント機能を搭載
 KDDIは、au携帯電話向けARアプリ「セカイカメラZOOM」にTwitterクライアント機能を搭載することを明らかにした。
 セカイカメラZOOMは、KDDIとKDDI研究所が共同開発してきたARプラットフォーム「実空間透視ケータイ」と、頓智ドットのARサービス「セカイカメラ」を連携させ、au携帯電話向けに提供するサービス。au携帯電話をかざした方向に見えるエアタグを、カメラを通して見る風景や擬似的な地平線などの実空間上に重ねて閲覧できる。
 KDDIでは、セカイカメラZOOMにソーシャルアプリケーションとしての機能拡充するため、新たにTwitterクライアント機能を追加。画面内の「ARビューモード」と「Twitterモード」をタブで切り替えて使えるようにする。Twitter機能は、タイムライン表示、投稿、返信、リツイート(RT)、フォロー管理などに対応。セカイカメラZOOMに投稿したエアタグは、同時にTwitterにも投稿でき、モードを切り替えることで投稿内容や返信、リツイートをすぐに確認できる。
 セカイカメラZOOMは6月下旬から、au one ラボでの提供を予定している。



ソニー、シャープの液晶パネル子会社へ追加出資 片山社長見方
 シャープの片山幹雄社長は17日、日本経済新聞の取材に応じ、堺市の液晶パネル子会社へのソニーの出資比率が「(現在の7%から)34%まで高まると思っている」との見通しを示した。
 液晶パネル生産子会社に関しては、ソニーが2011年3月までに出資比率を最大34%まで引き上げる契約。だがシャープからのパネル供給量が一時、計画に届かなかったことなどからソニーが追加出資を見送る可能性が指摘されていたが、片山社長は追加出資に楽観的な見方を示した。
 シャープは同日、中国で同社の液晶テレビを扱う販売店を年内に1万店に倍増すると発表した。沿海部の家電量販店だけでなく代理店を通じて内陸部の個人商店などにも商品を供給、取扱店を倍増させる。
 10年度の全世界の液晶テレビ販売目標は、前年度比47%増の1500万台。このうち中国は2倍超の240万台以上を目指す。
 同日の記者会見で片山社長は「(設備投資などの)経営資源の配分は先進国向けが7~8割だが、数年以内に新興国向けの方が多くなる」と述べた。アジア向けに主に32型以下の中小型テレビを供給しているマレーシア工場で大型テレビの生産も検討。アジア各地で拡販体制を整える。
 一方、太陽電池事業では、量や場所は未定だが主に住宅用で使う結晶型を増産する方針。シリコン価格の下落で結晶型と比べたコスト競争力が下がっている薄膜型も「海外の太陽光発電所向けで需要は堅調」(片山社長)と投資を続ける。今年度の太陽電池全体の販売量は120万キロワットと52%増を目指す。



8月までに大手出版社・人気青年漫画雑誌が休刊(廃刊)する
2 スクープ情報が入ってきた。2010年の夏(8月ごろ)までに、日本を代表する大手出版社Z社(社名は仮名であり影響を考慮し伏せて報じる)の青年向け週刊漫画雑誌が休刊することが判明した。雑誌にとって休刊は廃刊と同じ意味を持ち、事実上の雑誌消滅となる。
 休刊するZ社の週刊漫画雑誌は数多くの単行本を出しているだけでなく、国民的な人気漫画が多数掲載されている(されていた)ことでも有名で、テレビアニメーションだけでなく、さまざまなエンターテインメント分野に漫画要素を取り入れた製品を出している。
 さらなる情報によると、休刊後は編集長や一部の編集スタッフが、他社で別雑誌を立ち上げるとも言われている。新しく会社を立ち上げるという情報も入ってきているが……。そのあたりの真相は不明だ。ちなみに、雑誌は休刊するがZ社自体が消えるわけではない。
 小説や書籍が売れない時代に、出版業界を牽引(けんいん)していた漫画までもが売れなくなっているのか? 出版業界の不況は、信じられないほど深刻化しているようである。



ジャズ専門誌「スイングジャーナル」休刊へ
 老舗ジャズ専門誌「スイングジャーナル」(スイングジャーナル社)が6月19日発売の7月号で休刊し、約63年の歴史に幕を下ろすことが17日、分かった。編集部によると、広告収入の落ち込みが主な原因という。5月20日発売の6月号で発表する。
 同誌は昭和22年に創刊、戦後日本のジャズ文化を牽引(けんいん)してきた。同社は毎年、優れたジャズ作品に与えられる「ジャズ・ディスク大賞」とジャズ界の発展に貢献した人物に贈られる「南里文雄賞」を主催しているが、今年の開催については「未定」としている。同社発行の音楽誌「アドリブ」も5月号で休刊していた。
 スイングジャーナルの三森隆文編集長は「ジャズ誌としての歴史とブランドがあり、誠に残念。ファンとともに復刊の可能性を探っていきたい」と話している。



スポーツカーなど相次ぎ「退場」 世界的な排ガス規制で
 走行性能に優れるスポーツ車や、独自のデザインで根強い人気を持つ車が、相次いで世界の市場から“退場”を余儀なくされる。世界的な環境規制の強化が背景で、日欧の排ガス規制に対応できなくなったスポーツ車のホンダの「シビック タイプR」は生産終了、マツダの「RX-8」も欧州での販売を終える。独フォルクスワーゲンの「ニュービートル」も年内で生産を終了する。ハイブリッド車(HV)や電気自動車などエコカーへの流れは今後、一段と強まりそうだ。
 ホンダが8月末で生産をやめるタイプRは、「シビック」のスポーツモデルで、エンジンやサスペンションが特別にチューニングされている。走行性能を優先しているだけに、継続生産車に今年9月から適用される新しい排ガス測定方法で、規制をクリアするのが難しいと判断された。
 ロータリーエンジンを搭載することで知られるRX-8は、来年から欧州で適用される現地の新しい排出ガス規制「ユーロ5」に適合していないため、欧州向けモデルの生産を6月に打ち切ることになった。
 丸みを帯びたデザインで根強い人気があるニュービートルも、「ただちに販売できなくなるわけではないが、今後の世界的な排ガス規制強化など、先々のことを考えた」(フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン)として、年内で世界での生産を終了する。
 環境性能を重視する動きは、車種を問わず広がっている。ホンダが2月に発売したHVのスポーツ車「CR-Z」の燃費は、旧測定方法で比べると、ガソリン1リットル当たりの走行距離が「シビック タイプR」の2倍以上。結果的にスポーツ車でも“新旧”交代が加速せざるをえない状況だ。
 熱烈なカーマニアにはなんとも寂しい潮流だが、自動車メーカー関係者は「走りや魅力的なデザインだけではなく、時代の要請に合った環境性能が必要になっている」と指摘している。
スポーツカーもEVの時代(共同)



新型ガス田、米欧中で拡大 岩盤層や石炭層から採掘
ロシア・中東依存下げ 日本企業も開発参加
 【ロンドン=石井一乗】地中の岩盤層内など開発が難しかった「新型ガス田」から天然ガスを取り出す新たな資源開発競争が世界で活発化してきた。日本企業も参加して先行する米国に続き、中国や欧州で開発が始まった。天然ガスは石油に比べ燃焼時に温暖化ガスの発生量が少なく需要拡大が見込まれているのが背景。中東やロシアなど既存産出国への依存を低下させる狙いもある。(新型天然ガス田開発は総合面「きょうのことば」参照)=関連記事国際2面に
 新型ガス田で産出するガスは「非在来型ガス」と呼ばれ、石炭層や周辺にある「炭層ガス」、泥土が堆積(たいせき)した頁岩(けつがん)にある「シェールガス」、砂岩部分にある「タイトサンドガス」に分類される。
 米国では住友商事が仏トタルと共同で開発・生産事業に参加し、三井物産はペンシルベニア州でのシェールガス開発・生産に最大54億ドルを投じる。同国での新型ガス田の生産量は2008年までの10年間で倍増し、ガス生産全体に占める割合はすでに5割を超えた。
 世界的にも生産は増加する。国際エネルギー機関(IEA)によると、07年から30年までの間に新型ガス田での生産量は約7割増加し、天然ガスに占める割合は現在の約1割から2割弱まで高まる見通し。
 今後けん引するとみられるのがエネルギー需要が急増している中国だ。中国政府は国有石油大手の中国石油天然気集団(CNPC)が外資と組んで国内の「炭層ガス」開発に乗り出すことを認可。新型ガス田の本格開発に動き出した。
 世界最大の石炭生産国である中国では炭層ガスの開発可能性が大きい。炭層ガスの生産量を15年をめどに09年の約3倍に引き上げる方向だ。
 出遅れていた欧州では仏トタルが3月末、仏南東部でシェールガスを試掘する許可を仏政府から取得。ポーランドでは米コノコフィリップスがシェールガス開発を計画している。
 新型ガス田での生産コストは、中東など効率のよい既存ガス田などに比べるとまだ割高。しかし、技術革新によるコスト削減が進んでいることが相次ぐ開発につながっている。



EU新車販売不振の7・4%減、トヨタは2割減
 【ロンドン=是枝智】欧州自動車工業会が17日発表した欧州連合(EU)域内(キプロス、マルタを除く25か国)での4月の乗用車の新車販売台数は前年同月比7・4%減の113万4701台だった。
 昨年5月以来、11か月ぶりのマイナスで、回復が遅れる欧州の景気に悪影響を与えそうだ。
 トヨタ自動車が20・7%減となったほか、伊フィアット27・3%減、米ゼネラル・モーターズ(GM)19・1%減、米フォード13%減、独フォルクスワーゲン7・7%減と、軒並み落ち込んだ。前年に各国が環境対応車の購入に奨励金を出すなどした反動とみられる。



IMF内部に不協和音 2500億ユーロ欧州安定化融資
 【ワシントン=渡辺浩生】ギリシャの財政危機に端を発した欧州の信用不安を防ぐために欧州連合(EU)が合意した総額7500億ユーロの安定化策をめぐり、国際通貨基金(IMF)が融資する2500億ユーロについて、IMF内部で不協和音が生じている。十分な事前調整がなされずに欧州主導でまとめられたという不満が新興国を中心にくすぶっているという。
 安定化策は、欧州発の金融危機の連鎖を阻止するために、EU財務相理事会が10日未明に合意内容を発表。EUが5000億ユーロの安定化基金を創設し、IMFが最大2500億ユーロを融資するとしている。2500億ユーロについては、ストラスカーン専務理事の主導で「IMFが全体の3分の1を担う」という了解をもとに積み上げられた金額という見方が濃厚だ。
 IMFはこの数字を公式に認めておらず、関係筋によると、EU財務相理事会に先立ち、9日にワシントンで開催されたIMF理事会でも言及されなかった。このため、中国やブラジル、インドなど新興国メンバーを中心に「事前の打診を受けていない」との不満がくすぶっているという。
 アジアや中南米諸国は90年代の経済危機でIMF融資を受けた際に厳格な融資条件をIMFに押しつけられた経験がある。このため、今回の欧州危機で、IMFの現行融資能力に匹敵する規模の支援が、条件などの十分な検討を経ないで打ち出されたことに、不公平感が一部にあるという。



臓器移植、酒類規制で新指針 WHO総会、採択へ
 【ジュネーブ=藤田剛】世界保健機関(WHO)の年次総会が17日、国連欧州本部で開幕した。会期は21日までの5日間で、臓器移植に対する規制、酒類の販売・広告に対する規制について新たな指針を採択する予定。総会には193の全加盟国に加え、台湾が2年連続でオブザーバーとして参加。日本からは長浜博行厚生労働副大臣が出席した。
 臓器移植規制の指針案には、心臓などの臓器そのものに対価を支払う「臓器売買」の禁止を明記した。海外で臓器の提供を受ける渡航移植も自粛を求めた。昨年の年次総会で採択予定だったが、新型インフルエンザの影響で会期が短縮され、延期された経緯がある。
 新指針案には、生きている人から臓器を取り出す「生体移植」に対する規制も明記。臓器提供者(ドナー)の保護が目的で、リスクを説明して同意を得ることや、原則として未成年者を対象外とするよう求めている。
 酒類の販売・広告規制の指針案は「アルコールの有害な使用を減らすための世界戦略」が正式名称。課税による価格引き上げのほか、酒類の販売を特定の時間や場所に限定したり、広告の内容や量を制限したりする対策を明記。飲み放題の制限にも言及した。
 臓器移植、酒類規制とも指針には条約のような拘束力はなく、実施するかどうかは各国の判断に委ねられる。
 総会ではこのほか、新型インフルエンザ対策も討議する。焦点となっているワクチンの開発に必要な検体の共有問題は事前協議で進展がなく、議論の継続を採択するにとどまる見通しだ。


第3部 「日本」を超える(3) 円とドルでは語れない 新興国通貨を使いこなす
 日米を足場に成長し、円とドルの為替変動に業績を左右されてきたホンダ。円高への抵抗力をつけるために水面下で歩を進める。
 タイから車を輸出してインドやオーストラリアで売る。リーマン・ショック後、新興国間の取引を「意図的に増やしてきた」(取締役の北條陽一=54)。今ではブラジルレアル、豪ドルなど20種類近い通貨での取引がある。
 新興国間の取引にこだわるのは為替リスクの軽減につながるからだ。ホンダは2011年3月期に円高を想定しドルで480億円、ユーロで150億円の減益要因を見込むが、新興国通貨は経済成長を反映し円に対して上昇傾向にあるため、180億円の増益要因を見込む。新興国通貨の取引は決算に影響を及ぼすほどの規模ではなかったが、「ここへきて軽視できなくなってきた」(北條)
 今後も新興国間の取引を増やす。13年3月期までにインドでの部品の現地調達比率を現在の70%台後半から90%台半ばに高める。中国でも90%弱を95%程度まで引き上げる。現地調達の拡大によって工場の競争力が高まれば、周辺諸国への輸出が可能となる。それが新興国通貨の取引を増やし、円高抵抗力の強化につながるとの読みだ。
 リーマン前はドルに対し円が1円値上がりすると営業利益が200億円減った。それが現地生産の拡大で11年3月期は160億円に縮小。計算上は1ドル=80円を上回る円高でも黒字が出せる。自動車大手でも群を抜く円高抵抗力を身につけたホンダは「ヒト」「モノ」に続く「カネ」の現地化をしたたかに進める。
 多極化が進む世界経済。資金が新興国に流れ込む中、円やドル、ユーロだけに目配りすればよい時代ではなくなった。中国では人民元の切り上げ観測もあり、現地に工場を構える日本企業にとっては人件費などのコスト増や輸出競争力の低下につながる。新興国通貨の重要性を肌で感じた企業は見直しを急ぐ。
 5月の連休中、日本たばこ産業(JT)の財務責任者、宮崎秀樹(52)はギリシャ問題に揺れるユーロの動向を緊張して見守った。混乱の現場を確かめるために近くアテネに飛ぶという。神経をとがらせるのは、円やドルに加え、新興国通貨への影響の広がりだ。
 JTは預金と借金を様々な通貨に分散する。ある通貨の値下がりで預金の価値が目減りしても、その通貨で抱えた借金の負担が軽くなって為替リスクが相殺される。借金の配分は3カ月ごとに見直す。
 07年に約2兆円を投じて英ガラハーを買収。グローバル展開を統括する「世界本社」をスイスに置く。通貨を分散して保有するのは、早くから国内市場の縮小を予測し、海外で生きることを決意した同社ならではの「生活防衛策」だ。
 2月下旬、日立製作所本社にアジア4カ国から銀行員が訪れた。日立の財務担当者らから質問が飛ぶ。社内で静かに始まった新興国ファイナンスの研究だ。
インド金融の壁
 金融市場が未成熟な国では資金調達に制約が多い。日立がインフラビジネスの潜在市場として注目するインド。実際に資金を投じようとすると、外国企業による現地子会社への融資は金額や使途を制限される。建設機械の販売などでリース債権が積み上がる中国でも、債権を売却し新たな投資に回したいが、買い手を探すのが難しい。
 こうした問題を解決するには現地での資金調達のノウハウを磨くしかない。「基本は円を介在させず、現地で借りて現地で使うこと」(財務二部担当部長の藪田敬介=50)。グローバル展開を急ぐ日立にとって新興国での資金調達は避けて通れない課題となった。
 低成長が続く日本。輸出企業から内需企業まで新興国に成長の活路を求める。円という通貨にこだわれば現地通貨を低コストで調達できる外国企業と競争できない。新興国通貨をどう使いこなすか。多軸通貨時代への備えが迫られる。(敬称略)

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