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東京ゲームショウ今日開幕 3D・体感型が主戦場
世界最大規模のゲームの見本市「東京ゲームショウ」が16日、幕張メッセ(千葉市)で開幕する。ゲーム機各社は3次元(3D)映像や体感型のゲームが楽しめる新商品を投入、ソフト大手も対応ゲームを提供する。一方、米アップルの高機能携帯電話(スマートフォン)向けゲームを集めたコーナーも初めて展示される。業界の垣根が崩れる中、本格的な顧客争奪戦が幕を開ける。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の年末商戦の目玉となるのは体感型システム「ムーブ」。家庭用ゲーム機「プレイステーション3」向け専用のコントローラーで、自分の動きをゲーム内のキャラクターに反映させることができる。
ムーブで楽しめるのは、スポーツゲームやアクションゲーム。例えば、アーチェリーやビーチバレー、卓球といったゲームが楽しめる「スポーツチャンピオン」は、コントローラーを2本そろえれば友人などと対戦もできる。「ユーザーが3D空間を自由に扱えることに挑戦した」(SCEの吉田修平ワールドワイド・スタジオプレジデント)。
米マイクロソフトもコントローラーがなくても身ぶり手ぶりで画面内のキャラクターを操れるシステム「キネクト」を11月に発売。ゲームショウには参加しないが、任天堂も裸眼で3D映像を楽しめる携帯型の新型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を年内にも発売する見込みだ。
ゲーム機各社が新領域に挑戦するのは、数年前からゲームもできるスマートフォンが一段と勢いを増しているためだ。
「iPodタッチは、あらゆる携帯ゲーム機よりもすぐれている」。米アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は強調する。アップルはネットワーク上で利用者同士が対戦できるiPodタッチ新型機を発売した。アイフォーンのような電話機能はないが、同様にゲームをダウンロードすることができ、価格も割安だ。アイフォーンと同様、ダウンロードできるゲーム数も6万本を超える。
アイフォーン(iPodタッチを含む)の世界累計販売台数は8000万台以上。SCEの携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の約6270万台を上回り、DSシリーズ(約1億3200万台)を急速に追いかけている。
バンダイナムコゲームス、セガなどのソフト大手も家庭用ゲーム機向けの人気タイトルを中心に配信している。
昨年までのゲームショウでは各社の個別ブースでアイフォーン向けタイトルを紹介してきたが、今年は各社が初めて持ち寄ったタイトルを集めたスマートフォン向けゲームのブースを設置。多機能携帯端末「iPad」や米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した端末向けゲームも展示する。
国内の家庭用ゲーム市場は2年連続で縮小。東京ゲームショウの過去最高の来場者数は2008年の約19万4000人。新型機の発表など目玉が少なかった昨年は18万5000人と落ち込んだ。3Dや体感型など新型機の投入で市場が活性化できるかが問われる。
東京ゲームショウ2010開幕!
ゲーム業界再生の処方箋を
キーパーソン2人が語り尽くす
~稲船敬二・カプコン常務執行役員vs.
日野晃博・レベルファイブ社長
――「未来を向いて歩こう、世界を驚かせながら」
日本最大級のゲーム業界イベント「東京ゲームショウ2010」(千葉・幕張メッセ)が、今日16日からスタートする。毎年、ゲームショウ開催を皮切りに業界は年末商戦準備をスタートさせるが、今年は急激な円高や、海外市場攻略などさまざまな課題が山積し、業界をとりまく環境は難しさを増している。そこで、ゲーム業界で活躍するトップ2社のゲーム開発者でもあり、会社のマネジメント職でもある、稲船敬二カプコン常務執行役員と日野晃博レベルファイブ社長に業界の現状と今後について語ってもらった。(聞き手/石島照代)
石島:カプコンとレベルファイブは今業界でもかなり勢いのあるメーカーですが、その2社でなにかおもしろいことに取り組んでおられるとか?真偽のほどはいかがでしょう?
稲船:そのウワサは事実です。いま、本当におもしろいことに、2人と2社のスタッフで取り組んでいます。自分にとって、日野さんは年下だけど尊敬できる人なので、ぜひ一緒に仕事をしてみたいと思ってお声がけしました。
石島:古い話で恐縮ですが、まずは、今年6月に行われた「E32010」(毎年、米ロサンゼルスで開催される、世界最大規模のゲームビジネス系イベント)について総括をお願いします。
稲船:今回に関しては、ゲームというエンターテインメントのカタチが変わってきているのをすごく感じました。もう「日本のゲームは、海外と比較してよくない」という話をしても意味がないくらい、海外勢と日本はビジネス的に明確に差がついている感じがしています。
カプコンは世界市場を見据えた戦略の下でソフト開発を行っていますが、一方では日本のゲームが世界に通用していないという現状が立ち塞がっています。これは、パブリッシャー(自社ブランドでソフトを発売できるメーカーのこと。映画業界で言うと、配給会社)としてのカプコンにとって本当に厳しい状況ですし、自分自身カプコンの常務執行役員として、今まで以上の危機感を持って仕事にあたっています。「日本のゲームは、世界に通用しないから仕方がない」とは、責任のある立場にいる自分は言いたくありません。
それに、海外のゲームだからといって、すべてがいいゲームである訳ではない。ここに、カプコンとしても、いちクリエイターとしても、海外市場に介入できる余地があると感じています。
石島:確かに、日本のゲームが海外で持ち上げられていた時期もありましたが、今は海外のゲームが世界を席巻しているのですね。
稲船:その通りです。「E3」にいくと、今までは有名なパブリッシャーがいいゲームを揃えていましたが、今回は違った。だから、今後はいいソフトを見たときに、「どのパブリッシャーのゲームソフトか」ではなく、「誰が作ったゲームソフトか」という視点がより重要視されると思っています。
これはつまり、ゲーム業界が、コンテンツ業界の先輩である映画業界に業界構造が似てきたと言うことです。映画業界だって配給元がいい映画を作るのではなくて、いい制作会社、いい監督に頼んだ映画がヒットしていますよね。ゲーム業界も、そういう図式になってきています。
そういう時代において、パブリッシャーはどうすればいいか。それは、カプコンで言うなら「カプコン」というブランド力の強化を図らねばならないということです。自分は海外に行くと、「MEGA MAN(日本名:ロックマン)」や「バイオハザード」の高い知名度は痛いほど感じるけど、カプコンというブランド力はあまり感じない。お客さんたちは「MEGA MAN」や「バイオハザード」だから、弊社のゲームソフトを買ってくださっているのではないでしょうか。
ブランド力とは「カプコンのゲームなら安心して買える」という安心感ですから、カプコンのブランド力アップのために常務執行役員として自分ができることは、カプコンのおもしろいゲームをお客様にいつもお届けすることだろうと思います。そのためには、日野さんのような優秀なクリエイターや、「おもしろいゲームを作って、お客様を満足させたい」というカプコンの高い志をもった社員と、今まで以上に結束していく必要があります。
日野:僕も、ブランディングの重要性については、パブリッシャー「レベルファイブ」のトップとして稲船さんと同意見です。やっぱり僕らも、自分たちが作ったソフトは世界中どこに行っても「レベルファイブ」で勝負したいと思っていますから。ですからブランド力を向上させる根幹部分、「レベルファイブのゲームなら安心して買える」という部分は、絶対に手を抜いてはいけないと肝に銘じています。
石島:でも、レベルファイブの世界的ブランド力はすでに高い感じがします。海外では「レイトン教授」シリーズは任天堂ブランドで発売されていますから、レベルファイブは基本的に知られていない。なのに、「E3」で開催された任天堂カンファレンスで「レイトン教授と奇跡の仮面」とともに日野さんが場内で紹介されたときの盛り上がり方は、すでにスター級でした。
稲船:すごかったよね、あれは。レベルファイブは本格的な海外進出前から、ある種勝ちが決まっているようなもの。まだ本格的に海外に進出してないのに「なんで?」って、びっくりしました。
日野:ありがとうございます。僕らのところより声援があがった方々はもちろんいらっしゃいましたが、たしかに僕らスタッフは素直に喜んでいました。遠い異国で知られているという実感が、うれしかったです。
今年の「E3」は、僕らスタッフはロサンゼルスに勉強をしに行った気持ちでした。来年か再来年かはレベルファイブとして「E3」に出展したいと思っていますので。今でこそ、東京ゲームショウは最近こそ普通に出させていただいていますが、「E3」出展にこぎ着けるまでには、またひと山こえないといけないな、と感じましたね。
つまり、カプコンさんやスクエニさんなどの大手の皆さんと同じような次元で話ができるようになるまで、僕らが超えなければいけないハードルはまだ何段階かある、ということです。それでも、ロサンゼルスにもスタジオを作りましたし、少しずつ海外市場の足固めをしながら、来年か再来年くらいにはソフトパブリッシャーとしての「レベルファイブ」として、「E3」に出展したいと思っています。アメリカのファンの皆さんには、楽しみにしていただけたらうれしいですね。
石島:世界的大人気になりそうなレベルファイブだけに、いつ上場するのだろうと期待している人は業界内外に多そうですが、上場の予定はあるのですか?
日野:今のところ、その予定はないです。正確に言うと、「上場できるようには常にしておこうと思っているけど、今のところはしない」というのが正しいですね。
理由は、今の僕の目標が上場に向いていないから。会社を大きくするより、「レベルファイブ」というブランドをつくるのが第一目標でもあるので、普通の企業としてのレベルファイブの評価はあんまり気にしていません。もちろん、ゲーム会社としての評価は、気にしますよ。
弊社は1年に1回「LEVEL5 VISION」というプライベート発表会を開催していますが、極端に言うと、そこでどれだけ面白いことを発表できるかをモチベーションにして、1年間やっている感じです。今後もそのスタンスは全く変わらないと思いますよ。
僕は人を驚かすことに、すごく快感を覚えるタイプなので、目の前にいる100人だけでもいいから、どうにかして驚かせたくて仕方がない。だから僕は「いかんなぁ~」と思いながらも、みんなで毎回「構想段階なのに、まるで、すでに出来上がっているかのような映像(笑)」を作って、それをどう実現しようかって考えています。
稲船:それは、すごくいいことだよね。自分も会社のみんなによく言いますよ、それは。まず、できないことでも「できる!」って言ってから、どうするか考える。「できない」から入って、「できたらラッキー」というのが一般の人たちだけど。それではいいものは作れない。成功したいなら、絶対にやらないとダメ。
人がやらない、できない、やったことがないものをまず言って、言った限りはやろうと全力で努力する。今まで、自分もその努力しかしてない(笑)。 日野さんはそれを会社ぐるみでやっているから、強いのでしょう。
日野:そうやって、自分を自分で追い込んでいく感じって、すごくいいですよね。弊社はこれで3年くらいやっていますけど、今のところ上手くいっている。会社的にはスタッフのモチベーションも上がるし、いい感じです。
普通、プリプロダクション(実際にゲーム制作を始める前の試作)の映像を表には出さないけど、うちは外に出すようにプリプロダクションを作っています。外部の人でもわかるように作ることで、開発・非開発職を含めたすべてのスタッフが作品観を理解できるし、開発職も「全体像の中で自分はここを作っている」とわかりますから。
稲船:確かに、そういう“日野イズム”を社員は受け入れている感じがする。つまり、社員は「レベルファイブ」に入社するというよりも、日野さんの思いを全力で実現するためにいる、みたいな感じとでも言えばいいか(笑)。日野さんのところのスタッフを見ていて思うのは、「レベルファイブが好きだけど、日野さんは嫌い」という人はいないよね。
カプコンの場合はみんな、一部上場企業としての「カプコン」に入ってくる。でも、「レベルファイブ」の場合は、日野さんと仕事がしたいとか、日野さんの考えの下で仕事がしたいから入社するんじゃないのかな。一部上場企業としてのカプコンは、住宅ローンが組みやすいから入りたいという選択肢もあるよね(笑)。
石島:そうはいっても、レベルファイブの社員さんも、住宅ローンくらいは組むでしょう…。
日野:もちろん、普通にいますよ、ウチも会社ですから(苦笑)。それに、「レベルファイブは好きだけど、日野は嫌い」という人も社内にいたって、おかしくはありませんよね。
それに、稲船さんが率いるカプコン開発陣は、僕から見ても脅威ですよ。カプコンのみなさんの、稲船さんへの信頼度は絶対的なものがあるじゃないですか。「怖いけれど、この人について行けば大丈夫」っていう、あの結束力はすごい(笑)。
僕らは小さい会社ですし非上場ですから、自由度が高い。会社の方向性も、すぐ方向転換することができる。大きな会社っていうのはそこの舵取りが大変だろうな、と。だからそこが、僕らの付け入る隙だと思っています。にもかかわらず、稲船さんの話を伺っていると、カプコンは上場会社とは思えないスピード感や自由度を開発スタッフに出してあげているように見えます。ほんとに手ごわいなって思いますよ。
石島:お二人のお話を伺っていると、今年の春先に「もうダメだ」と稲船さんがおっしゃっていたゲーム業界もなんとかなるような気がしますが…。
稲船:よくするしかないよね。勝手によくはならないから。だから、まずは日野さんと一緒によくしようかな、と。「よくしよう」と思っている人を集めて、なんとかするしかない。本当に、危機感をもっている人たちがいかに頑張るかだと思う。
日野:最近、メールがよく来ますよ、「会社を退社することになりまして、ご挨拶のメールです」とか、「会社をたたむことになりました」など。あとは、今は付き合いがない開発会社から「何か仕事ないですか」っていうメールも多いですよね。
稲船:ゲームビジネスの特徴として、好調さをキープする難しさがあるよね。何かがたまたまヒットしたときに、それがどうしてヒットしたのか判断して、ヒットを継続するための努力は絶対に必要だけど、意外にみんなやれない。というより、はじめはやっていても、そのうちやらなくなる。
ゲームがヒットしたらそれなりに地位もお金も手に入るのが、ゲーム業界です。ヒット作を作ると周りがちやほやするし、エラそうになって人もお金も勝手に動かせるようになります。「企画書持って来い、選んでやる」って言う感じでね。でも、部下に企画書を持ってこさせて「はい、やり直し」って言ったところで、いいゲームなんか上がってこないって、日野さんも自分もわかっているから、絶対にそんなことはしない。
レベルファイブのすごいところは、「レイトン教授」が売れたとき、それを“まぐれ”にしなかったこと。ずっとヒットさせて、確実にたくさん売った。この業界で「たまたま」がやたら多いなかで、ちゃんと考えて、ちゃんと継続してやっていける人たちがレベルファイブは多いのでしょう。
自分で「こういうゲームを作る」、「こういうプロモーションをする」って、スタッフのみんなと、一緒に汗をかくのがプロデューサーであり、クリエイターだって自分は信じている。そういう人が増えたら、きっと業界はもっとよくなります。
日野:稲船さんのお話はよくわかります。実は最近、一部のスタッフと一緒にカプコンにお邪魔させていただいたのですが、本当にいい経験になりました。あの日一日で、あそこに居合わせたメンバーの意識がかなり変わりましたから。
今は、業界的には暗いかもしれないけど、個人的にはすごく楽しい。ダメなところも見えるけど、すごいところも見える。そういう状況で、自分たちは何をすればいいのかって考えられるのが、すごく面白い。だから、個人レベルではすごくポジティブです。
稲船:業界関係者はみんな「レベルファイブもこの勢いが続くわけじゃないだろう」とか、「きっと日野さんも大変になるだろう」とか、心のどこかでやっかみ半分に思っているはず。でも、自分はそれを覆してほしいと、日野さんには願っている。
「レイトンはうまくいったけど、次のイナズマは売れない」って言われていたのに、イナズマも売れたでしょ。だから、ずっと裏切り続けて、トップの会社になってほしいし、それができる人だと思うよね。お世辞ではなく本当に。自分はそれを見てみたい。
いまは会社を超え、世代を超え、やる気のある人でつながっていく時期なんじゃないかと。それが、業界の未来を明るくする処方箋のひとつだろうと思っています。
アルプス電気、タッチパネル4割増産 新潟・中国に新設備
アルプス電気は画面を指で触って端末を操作するタッチパネルを金額ベースで4割増産する。最大30億円を投じて10月に新潟県と中国に新ラインを設け、新方式のタッチパネルを生産する。タッチパネルはスマートフォン(高機能携帯電話)向けに市場が急拡大しているほか、今後カーナビや車の計器、パソコン向けなどでも成長が見込まれており、経営資源を集中する。
10月から静電容量方式と呼ぶ最新のスマートフォンで多く採用されている高精度の方式の生産を始める。新設備は主力拠点の長岡工場(新潟県長岡市)と、中国生産子会社の寧波アルプス(浙江省)に設ける。
新ラインの稼働で2010年度にタッチパネル事業の売上高を185億円と、前年度比で4割弱の上乗せを見込む。
新方式のパネルは2本指で画像を拡大したり、移動したりできるなど操作性が高いのが特徴。同方式のパネルは米アップルが07年にスマートフォンのiPhone(アイフォーン)に搭載してから、市場が急拡大している。
同社はこれまでは「抵抗膜方式」とよぶペン先や指で押すタッチパネルだけを生産していた。抵抗膜方式は用途が限られていたため、新方式の生産に踏み切る。
調査会社の米ディスプレイサーチによると、タッチパネルモジュール(複合部品)の市場は15年に124億ドル(約1兆500億円)と、10年の2倍に伸長する見通し。携帯電話向けが全体の半数を占める。
タッチパネルは携帯電話向けだけでなく、ゲーム機やパソコン、自動車の操作パネルとしても普及が見込まれている。画像の拡大や縮小、検索などの操作が容易になる。操作のためのキーボードやボタンが減らせるため、端末の小型化やコストダウンもできる。電子レンジなど生活家電に搭載する動きもある。銀行のATMや小売業のレジ端末など業務用としての用途も増えている。
アルプス電気の電子部品事業はスイッチや通信部品などが主力。だがこうした部品は汎用化が進み価格下落が著しく、収益は伸び悩んでいる。アルプスはすでに自動車関連の電子部品を多く手がけているため、こうした取引関係を生かして、タッチパネルを車載機器向けにも売り込む。
タッチパネルの市場では、台湾企業が優勢だ。液晶テレビのカラーフィルターを手がける和金光電(シンテック)や、iPad向けの納入を勝ち取った台湾の勝華科技(ウィンテック)などがシェア上位で、日本勢では日本写真印刷が追っている。日立ディスプレイズなど液晶パネルメーカーもタッチパネルの機能を取り込んだモジュールを開発しており、競争が激化している。
日経社説
政府・日銀は円売り介入の効果高めよ
政府・日銀が15日、6年半ぶりに円売り介入に踏み切った。最高値をうかがう円の上昇を止めなければ景気の腰を折り、産業空洞化と雇用悪化を招く。政府は引き続き断固たる行動に出るべきだ。日銀も金融緩和に工夫を凝らし介入の効果を高めることで、政府に協力してほしい。
民主党代表選で菅直人首相が再選された14日午後から再び円高が加速し、1995年4月に付けた最高値の1ドル=79円75銭が指呼の間となった。市場は菅内閣が円高是正にどこまで本気かを試したのである。
円高が景気腰折れとデフレ悪化をもたらしかねないだけに、介入実施は妥当だった。円高に伴う輸出企業への打撃が和らぐとの期待から、15日の日経平均株価は大幅上昇した。
もっとも、今回の介入だけで円高に歯止めがかかるとは期待しにくい。円高の原因は日本より米欧にあるからだ。米景気減速や欧州の金融不安に伴うドル安やユーロ安の結果として、円高が進んでいる。景気の支え役に外需を期待する米欧は自国通貨安を事実上容認している。
今回の円売り介入も米欧は同調せず、日本の単独介入だった。菅首相が示唆したように、日本は米欧当局が露骨な介入批判を控えるよう求めるのが精いっぱいなのではないか。万一、米欧の政治家や経営者から介入批判が飛び出すと、せっかくの介入も冷水を浴びせられかねない。
日本側は東京市場に続き海外市場でも介入したが、無理に相場の円安誘導を試みているのではないと委曲を尽くして説明しつつ、地道に円高圧力を鎮めていく必要がある。
仙谷由人官房長官は15日、「82円が防衛ラインか」との問いにその水準を事実上肯定したが、不用意に過ぎる。1月にも財務相に就任した際に菅氏が具体的な相場水準に言及したことがあった。市場に投機の機会を与えかねないと心すべきだ。
介入の効果を高めるには、金融政策と足並みをそろえることが必要だ。白川方明日銀総裁は15日、「今後とも金融市場に潤沢な資金供給を行っていく」との談話を発表した。
円売り介入で供給された円資金を日銀が吸収せずに市場に放置する「非不胎化」介入なら、市場の円高期待を修正するのに役立とう。日銀による一段の金融緩和も検討課題だ。緩和の手立てとして日銀自身が外債を買うことも、円高防止の意志を示す点で一考の余地があろう。
企業や家計の気持ちがくじけ、景気が失速しては元も子もない。政府・日銀は頭をもっと柔らかく、決意をもっと固く行動してほしい。
世界最大規模のゲームの見本市「東京ゲームショウ」が16日、幕張メッセ(千葉市)で開幕する。ゲーム機各社は3次元(3D)映像や体感型のゲームが楽しめる新商品を投入、ソフト大手も対応ゲームを提供する。一方、米アップルの高機能携帯電話(スマートフォン)向けゲームを集めたコーナーも初めて展示される。業界の垣根が崩れる中、本格的な顧客争奪戦が幕を開ける。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の年末商戦の目玉となるのは体感型システム「ムーブ」。家庭用ゲーム機「プレイステーション3」向け専用のコントローラーで、自分の動きをゲーム内のキャラクターに反映させることができる。
ムーブで楽しめるのは、スポーツゲームやアクションゲーム。例えば、アーチェリーやビーチバレー、卓球といったゲームが楽しめる「スポーツチャンピオン」は、コントローラーを2本そろえれば友人などと対戦もできる。「ユーザーが3D空間を自由に扱えることに挑戦した」(SCEの吉田修平ワールドワイド・スタジオプレジデント)。
米マイクロソフトもコントローラーがなくても身ぶり手ぶりで画面内のキャラクターを操れるシステム「キネクト」を11月に発売。ゲームショウには参加しないが、任天堂も裸眼で3D映像を楽しめる携帯型の新型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を年内にも発売する見込みだ。
ゲーム機各社が新領域に挑戦するのは、数年前からゲームもできるスマートフォンが一段と勢いを増しているためだ。
「iPodタッチは、あらゆる携帯ゲーム機よりもすぐれている」。米アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は強調する。アップルはネットワーク上で利用者同士が対戦できるiPodタッチ新型機を発売した。アイフォーンのような電話機能はないが、同様にゲームをダウンロードすることができ、価格も割安だ。アイフォーンと同様、ダウンロードできるゲーム数も6万本を超える。
アイフォーン(iPodタッチを含む)の世界累計販売台数は8000万台以上。SCEの携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の約6270万台を上回り、DSシリーズ(約1億3200万台)を急速に追いかけている。
バンダイナムコゲームス、セガなどのソフト大手も家庭用ゲーム機向けの人気タイトルを中心に配信している。
昨年までのゲームショウでは各社の個別ブースでアイフォーン向けタイトルを紹介してきたが、今年は各社が初めて持ち寄ったタイトルを集めたスマートフォン向けゲームのブースを設置。多機能携帯端末「iPad」や米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した端末向けゲームも展示する。
国内の家庭用ゲーム市場は2年連続で縮小。東京ゲームショウの過去最高の来場者数は2008年の約19万4000人。新型機の発表など目玉が少なかった昨年は18万5000人と落ち込んだ。3Dや体感型など新型機の投入で市場が活性化できるかが問われる。
東京ゲームショウ2010開幕!
ゲーム業界再生の処方箋を
キーパーソン2人が語り尽くす
~稲船敬二・カプコン常務執行役員vs.
日野晃博・レベルファイブ社長
――「未来を向いて歩こう、世界を驚かせながら」
日本最大級のゲーム業界イベント「東京ゲームショウ2010」(千葉・幕張メッセ)が、今日16日からスタートする。毎年、ゲームショウ開催を皮切りに業界は年末商戦準備をスタートさせるが、今年は急激な円高や、海外市場攻略などさまざまな課題が山積し、業界をとりまく環境は難しさを増している。そこで、ゲーム業界で活躍するトップ2社のゲーム開発者でもあり、会社のマネジメント職でもある、稲船敬二カプコン常務執行役員と日野晃博レベルファイブ社長に業界の現状と今後について語ってもらった。(聞き手/石島照代)
石島:カプコンとレベルファイブは今業界でもかなり勢いのあるメーカーですが、その2社でなにかおもしろいことに取り組んでおられるとか?真偽のほどはいかがでしょう?
稲船:そのウワサは事実です。いま、本当におもしろいことに、2人と2社のスタッフで取り組んでいます。自分にとって、日野さんは年下だけど尊敬できる人なので、ぜひ一緒に仕事をしてみたいと思ってお声がけしました。
石島:古い話で恐縮ですが、まずは、今年6月に行われた「E32010」(毎年、米ロサンゼルスで開催される、世界最大規模のゲームビジネス系イベント)について総括をお願いします。
稲船:今回に関しては、ゲームというエンターテインメントのカタチが変わってきているのをすごく感じました。もう「日本のゲームは、海外と比較してよくない」という話をしても意味がないくらい、海外勢と日本はビジネス的に明確に差がついている感じがしています。
カプコンは世界市場を見据えた戦略の下でソフト開発を行っていますが、一方では日本のゲームが世界に通用していないという現状が立ち塞がっています。これは、パブリッシャー(自社ブランドでソフトを発売できるメーカーのこと。映画業界で言うと、配給会社)としてのカプコンにとって本当に厳しい状況ですし、自分自身カプコンの常務執行役員として、今まで以上の危機感を持って仕事にあたっています。「日本のゲームは、世界に通用しないから仕方がない」とは、責任のある立場にいる自分は言いたくありません。
それに、海外のゲームだからといって、すべてがいいゲームである訳ではない。ここに、カプコンとしても、いちクリエイターとしても、海外市場に介入できる余地があると感じています。
石島:確かに、日本のゲームが海外で持ち上げられていた時期もありましたが、今は海外のゲームが世界を席巻しているのですね。
稲船:その通りです。「E3」にいくと、今までは有名なパブリッシャーがいいゲームを揃えていましたが、今回は違った。だから、今後はいいソフトを見たときに、「どのパブリッシャーのゲームソフトか」ではなく、「誰が作ったゲームソフトか」という視点がより重要視されると思っています。
これはつまり、ゲーム業界が、コンテンツ業界の先輩である映画業界に業界構造が似てきたと言うことです。映画業界だって配給元がいい映画を作るのではなくて、いい制作会社、いい監督に頼んだ映画がヒットしていますよね。ゲーム業界も、そういう図式になってきています。
そういう時代において、パブリッシャーはどうすればいいか。それは、カプコンで言うなら「カプコン」というブランド力の強化を図らねばならないということです。自分は海外に行くと、「MEGA MAN(日本名:ロックマン)」や「バイオハザード」の高い知名度は痛いほど感じるけど、カプコンというブランド力はあまり感じない。お客さんたちは「MEGA MAN」や「バイオハザード」だから、弊社のゲームソフトを買ってくださっているのではないでしょうか。
ブランド力とは「カプコンのゲームなら安心して買える」という安心感ですから、カプコンのブランド力アップのために常務執行役員として自分ができることは、カプコンのおもしろいゲームをお客様にいつもお届けすることだろうと思います。そのためには、日野さんのような優秀なクリエイターや、「おもしろいゲームを作って、お客様を満足させたい」というカプコンの高い志をもった社員と、今まで以上に結束していく必要があります。
日野:僕も、ブランディングの重要性については、パブリッシャー「レベルファイブ」のトップとして稲船さんと同意見です。やっぱり僕らも、自分たちが作ったソフトは世界中どこに行っても「レベルファイブ」で勝負したいと思っていますから。ですからブランド力を向上させる根幹部分、「レベルファイブのゲームなら安心して買える」という部分は、絶対に手を抜いてはいけないと肝に銘じています。
石島:でも、レベルファイブの世界的ブランド力はすでに高い感じがします。海外では「レイトン教授」シリーズは任天堂ブランドで発売されていますから、レベルファイブは基本的に知られていない。なのに、「E3」で開催された任天堂カンファレンスで「レイトン教授と奇跡の仮面」とともに日野さんが場内で紹介されたときの盛り上がり方は、すでにスター級でした。
稲船:すごかったよね、あれは。レベルファイブは本格的な海外進出前から、ある種勝ちが決まっているようなもの。まだ本格的に海外に進出してないのに「なんで?」って、びっくりしました。
日野:ありがとうございます。僕らのところより声援があがった方々はもちろんいらっしゃいましたが、たしかに僕らスタッフは素直に喜んでいました。遠い異国で知られているという実感が、うれしかったです。
今年の「E3」は、僕らスタッフはロサンゼルスに勉強をしに行った気持ちでした。来年か再来年かはレベルファイブとして「E3」に出展したいと思っていますので。今でこそ、東京ゲームショウは最近こそ普通に出させていただいていますが、「E3」出展にこぎ着けるまでには、またひと山こえないといけないな、と感じましたね。
つまり、カプコンさんやスクエニさんなどの大手の皆さんと同じような次元で話ができるようになるまで、僕らが超えなければいけないハードルはまだ何段階かある、ということです。それでも、ロサンゼルスにもスタジオを作りましたし、少しずつ海外市場の足固めをしながら、来年か再来年くらいにはソフトパブリッシャーとしての「レベルファイブ」として、「E3」に出展したいと思っています。アメリカのファンの皆さんには、楽しみにしていただけたらうれしいですね。
石島:世界的大人気になりそうなレベルファイブだけに、いつ上場するのだろうと期待している人は業界内外に多そうですが、上場の予定はあるのですか?
日野:今のところ、その予定はないです。正確に言うと、「上場できるようには常にしておこうと思っているけど、今のところはしない」というのが正しいですね。
理由は、今の僕の目標が上場に向いていないから。会社を大きくするより、「レベルファイブ」というブランドをつくるのが第一目標でもあるので、普通の企業としてのレベルファイブの評価はあんまり気にしていません。もちろん、ゲーム会社としての評価は、気にしますよ。
弊社は1年に1回「LEVEL5 VISION」というプライベート発表会を開催していますが、極端に言うと、そこでどれだけ面白いことを発表できるかをモチベーションにして、1年間やっている感じです。今後もそのスタンスは全く変わらないと思いますよ。
僕は人を驚かすことに、すごく快感を覚えるタイプなので、目の前にいる100人だけでもいいから、どうにかして驚かせたくて仕方がない。だから僕は「いかんなぁ~」と思いながらも、みんなで毎回「構想段階なのに、まるで、すでに出来上がっているかのような映像(笑)」を作って、それをどう実現しようかって考えています。
稲船:それは、すごくいいことだよね。自分も会社のみんなによく言いますよ、それは。まず、できないことでも「できる!」って言ってから、どうするか考える。「できない」から入って、「できたらラッキー」というのが一般の人たちだけど。それではいいものは作れない。成功したいなら、絶対にやらないとダメ。
人がやらない、できない、やったことがないものをまず言って、言った限りはやろうと全力で努力する。今まで、自分もその努力しかしてない(笑)。 日野さんはそれを会社ぐるみでやっているから、強いのでしょう。
日野:そうやって、自分を自分で追い込んでいく感じって、すごくいいですよね。弊社はこれで3年くらいやっていますけど、今のところ上手くいっている。会社的にはスタッフのモチベーションも上がるし、いい感じです。
普通、プリプロダクション(実際にゲーム制作を始める前の試作)の映像を表には出さないけど、うちは外に出すようにプリプロダクションを作っています。外部の人でもわかるように作ることで、開発・非開発職を含めたすべてのスタッフが作品観を理解できるし、開発職も「全体像の中で自分はここを作っている」とわかりますから。
稲船:確かに、そういう“日野イズム”を社員は受け入れている感じがする。つまり、社員は「レベルファイブ」に入社するというよりも、日野さんの思いを全力で実現するためにいる、みたいな感じとでも言えばいいか(笑)。日野さんのところのスタッフを見ていて思うのは、「レベルファイブが好きだけど、日野さんは嫌い」という人はいないよね。
カプコンの場合はみんな、一部上場企業としての「カプコン」に入ってくる。でも、「レベルファイブ」の場合は、日野さんと仕事がしたいとか、日野さんの考えの下で仕事がしたいから入社するんじゃないのかな。一部上場企業としてのカプコンは、住宅ローンが組みやすいから入りたいという選択肢もあるよね(笑)。
石島:そうはいっても、レベルファイブの社員さんも、住宅ローンくらいは組むでしょう…。
日野:もちろん、普通にいますよ、ウチも会社ですから(苦笑)。それに、「レベルファイブは好きだけど、日野は嫌い」という人も社内にいたって、おかしくはありませんよね。
それに、稲船さんが率いるカプコン開発陣は、僕から見ても脅威ですよ。カプコンのみなさんの、稲船さんへの信頼度は絶対的なものがあるじゃないですか。「怖いけれど、この人について行けば大丈夫」っていう、あの結束力はすごい(笑)。
僕らは小さい会社ですし非上場ですから、自由度が高い。会社の方向性も、すぐ方向転換することができる。大きな会社っていうのはそこの舵取りが大変だろうな、と。だからそこが、僕らの付け入る隙だと思っています。にもかかわらず、稲船さんの話を伺っていると、カプコンは上場会社とは思えないスピード感や自由度を開発スタッフに出してあげているように見えます。ほんとに手ごわいなって思いますよ。
石島:お二人のお話を伺っていると、今年の春先に「もうダメだ」と稲船さんがおっしゃっていたゲーム業界もなんとかなるような気がしますが…。
稲船:よくするしかないよね。勝手によくはならないから。だから、まずは日野さんと一緒によくしようかな、と。「よくしよう」と思っている人を集めて、なんとかするしかない。本当に、危機感をもっている人たちがいかに頑張るかだと思う。
日野:最近、メールがよく来ますよ、「会社を退社することになりまして、ご挨拶のメールです」とか、「会社をたたむことになりました」など。あとは、今は付き合いがない開発会社から「何か仕事ないですか」っていうメールも多いですよね。
稲船:ゲームビジネスの特徴として、好調さをキープする難しさがあるよね。何かがたまたまヒットしたときに、それがどうしてヒットしたのか判断して、ヒットを継続するための努力は絶対に必要だけど、意外にみんなやれない。というより、はじめはやっていても、そのうちやらなくなる。
ゲームがヒットしたらそれなりに地位もお金も手に入るのが、ゲーム業界です。ヒット作を作ると周りがちやほやするし、エラそうになって人もお金も勝手に動かせるようになります。「企画書持って来い、選んでやる」って言う感じでね。でも、部下に企画書を持ってこさせて「はい、やり直し」って言ったところで、いいゲームなんか上がってこないって、日野さんも自分もわかっているから、絶対にそんなことはしない。
レベルファイブのすごいところは、「レイトン教授」が売れたとき、それを“まぐれ”にしなかったこと。ずっとヒットさせて、確実にたくさん売った。この業界で「たまたま」がやたら多いなかで、ちゃんと考えて、ちゃんと継続してやっていける人たちがレベルファイブは多いのでしょう。
自分で「こういうゲームを作る」、「こういうプロモーションをする」って、スタッフのみんなと、一緒に汗をかくのがプロデューサーであり、クリエイターだって自分は信じている。そういう人が増えたら、きっと業界はもっとよくなります。
日野:稲船さんのお話はよくわかります。実は最近、一部のスタッフと一緒にカプコンにお邪魔させていただいたのですが、本当にいい経験になりました。あの日一日で、あそこに居合わせたメンバーの意識がかなり変わりましたから。
今は、業界的には暗いかもしれないけど、個人的にはすごく楽しい。ダメなところも見えるけど、すごいところも見える。そういう状況で、自分たちは何をすればいいのかって考えられるのが、すごく面白い。だから、個人レベルではすごくポジティブです。
稲船:業界関係者はみんな「レベルファイブもこの勢いが続くわけじゃないだろう」とか、「きっと日野さんも大変になるだろう」とか、心のどこかでやっかみ半分に思っているはず。でも、自分はそれを覆してほしいと、日野さんには願っている。
「レイトンはうまくいったけど、次のイナズマは売れない」って言われていたのに、イナズマも売れたでしょ。だから、ずっと裏切り続けて、トップの会社になってほしいし、それができる人だと思うよね。お世辞ではなく本当に。自分はそれを見てみたい。
いまは会社を超え、世代を超え、やる気のある人でつながっていく時期なんじゃないかと。それが、業界の未来を明るくする処方箋のひとつだろうと思っています。
アルプス電気、タッチパネル4割増産 新潟・中国に新設備
アルプス電気は画面を指で触って端末を操作するタッチパネルを金額ベースで4割増産する。最大30億円を投じて10月に新潟県と中国に新ラインを設け、新方式のタッチパネルを生産する。タッチパネルはスマートフォン(高機能携帯電話)向けに市場が急拡大しているほか、今後カーナビや車の計器、パソコン向けなどでも成長が見込まれており、経営資源を集中する。
10月から静電容量方式と呼ぶ最新のスマートフォンで多く採用されている高精度の方式の生産を始める。新設備は主力拠点の長岡工場(新潟県長岡市)と、中国生産子会社の寧波アルプス(浙江省)に設ける。
新ラインの稼働で2010年度にタッチパネル事業の売上高を185億円と、前年度比で4割弱の上乗せを見込む。
新方式のパネルは2本指で画像を拡大したり、移動したりできるなど操作性が高いのが特徴。同方式のパネルは米アップルが07年にスマートフォンのiPhone(アイフォーン)に搭載してから、市場が急拡大している。
同社はこれまでは「抵抗膜方式」とよぶペン先や指で押すタッチパネルだけを生産していた。抵抗膜方式は用途が限られていたため、新方式の生産に踏み切る。
調査会社の米ディスプレイサーチによると、タッチパネルモジュール(複合部品)の市場は15年に124億ドル(約1兆500億円)と、10年の2倍に伸長する見通し。携帯電話向けが全体の半数を占める。
タッチパネルは携帯電話向けだけでなく、ゲーム機やパソコン、自動車の操作パネルとしても普及が見込まれている。画像の拡大や縮小、検索などの操作が容易になる。操作のためのキーボードやボタンが減らせるため、端末の小型化やコストダウンもできる。電子レンジなど生活家電に搭載する動きもある。銀行のATMや小売業のレジ端末など業務用としての用途も増えている。
アルプス電気の電子部品事業はスイッチや通信部品などが主力。だがこうした部品は汎用化が進み価格下落が著しく、収益は伸び悩んでいる。アルプスはすでに自動車関連の電子部品を多く手がけているため、こうした取引関係を生かして、タッチパネルを車載機器向けにも売り込む。
タッチパネルの市場では、台湾企業が優勢だ。液晶テレビのカラーフィルターを手がける和金光電(シンテック)や、iPad向けの納入を勝ち取った台湾の勝華科技(ウィンテック)などがシェア上位で、日本勢では日本写真印刷が追っている。日立ディスプレイズなど液晶パネルメーカーもタッチパネルの機能を取り込んだモジュールを開発しており、競争が激化している。
日経社説
政府・日銀は円売り介入の効果高めよ
政府・日銀が15日、6年半ぶりに円売り介入に踏み切った。最高値をうかがう円の上昇を止めなければ景気の腰を折り、産業空洞化と雇用悪化を招く。政府は引き続き断固たる行動に出るべきだ。日銀も金融緩和に工夫を凝らし介入の効果を高めることで、政府に協力してほしい。
民主党代表選で菅直人首相が再選された14日午後から再び円高が加速し、1995年4月に付けた最高値の1ドル=79円75銭が指呼の間となった。市場は菅内閣が円高是正にどこまで本気かを試したのである。
円高が景気腰折れとデフレ悪化をもたらしかねないだけに、介入実施は妥当だった。円高に伴う輸出企業への打撃が和らぐとの期待から、15日の日経平均株価は大幅上昇した。
もっとも、今回の介入だけで円高に歯止めがかかるとは期待しにくい。円高の原因は日本より米欧にあるからだ。米景気減速や欧州の金融不安に伴うドル安やユーロ安の結果として、円高が進んでいる。景気の支え役に外需を期待する米欧は自国通貨安を事実上容認している。
今回の円売り介入も米欧は同調せず、日本の単独介入だった。菅首相が示唆したように、日本は米欧当局が露骨な介入批判を控えるよう求めるのが精いっぱいなのではないか。万一、米欧の政治家や経営者から介入批判が飛び出すと、せっかくの介入も冷水を浴びせられかねない。
日本側は東京市場に続き海外市場でも介入したが、無理に相場の円安誘導を試みているのではないと委曲を尽くして説明しつつ、地道に円高圧力を鎮めていく必要がある。
仙谷由人官房長官は15日、「82円が防衛ラインか」との問いにその水準を事実上肯定したが、不用意に過ぎる。1月にも財務相に就任した際に菅氏が具体的な相場水準に言及したことがあった。市場に投機の機会を与えかねないと心すべきだ。
介入の効果を高めるには、金融政策と足並みをそろえることが必要だ。白川方明日銀総裁は15日、「今後とも金融市場に潤沢な資金供給を行っていく」との談話を発表した。
円売り介入で供給された円資金を日銀が吸収せずに市場に放置する「非不胎化」介入なら、市場の円高期待を修正するのに役立とう。日銀による一段の金融緩和も検討課題だ。緩和の手立てとして日銀自身が外債を買うことも、円高防止の意志を示す点で一考の余地があろう。
企業や家計の気持ちがくじけ、景気が失速しては元も子もない。政府・日銀は頭をもっと柔らかく、決意をもっと固く行動してほしい。
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