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次世代送電網 電力各社、インフラ投資6000億円
太陽光普及にらむ
東京電力など電力各社はIT(情報技術)で電力を効率的に供給するスマートグリッド(次世代送電網)の実現に向け、電力を送るインフラの刷新に乗り出す。今後の太陽光発電の普及により、変電所と家庭を結ぶ配電網で電圧の変動が起こりやすくなるため、電圧を自動的に安定させるインフラに切り替える。投資額は今後10年間で6000億円に達する見通し。家庭の電力消費を常に把握するスマートメーターの導入とともに、重電やIT業界の関連需要を刺激しそうだ。
電力インフラは発電所から変電所までの送電網と、電柱などで変電所と顧客を結ぶ配電網に分かれており、今回は配電網を刷新する。
スマートグリッド計画は家庭の太陽光発電の積極的な活用を前提としている。太陽光発電は天候に左右されるため、配電網内の電圧をいかにムラなく安定させるかがカギを握る。
東電は今年度から約10年かけてセンサーなどを内蔵した次世代型の開閉機10万台を導入。電圧調整装置なども整備する。開閉機はトラブル時などに電気を遮断する装置だが、次世代型は電圧が急変すると自動的に電圧調整装置を作動させ、電力品質を一定に保つ。
他の電力会社も同様の設備を順次導入する見通し。政府が目標として掲げる「2020年に2800万キロワットの太陽光発電」と並行し、各社は国内5000万世帯の電力計をスマートメーターに切り替える見通し。東電や関西電力は一部の利用者宅で導入を始めた。
電力10社の10年度の設備投資計画は前年度比13%増の2兆4061億円と5年連続のプラス。配電網の刷新とスマートメーターの本格導入で投資水準は上積みされる可能性がある。三菱重工業や日立製作所などの重電機器のほか、情報システム需要も増える見通しだ。
ただ、太陽光などの余剰電力を蓄える蓄電池の導入が始まると投資額が飛躍的に膨らむ。太陽光など再生可能エネルギーの導入によるコスト増が電力料金にはね返る懸念もあり、コスト負担のあり方を巡る議論に発展する可能性がある。
プレ次世代原発 2025年実用化の方針 海外展開へ技術蓄積
世界最高水準の性能を持つ原子力発電施設として、2030(平成42)年の稼働を目指して官民一体で計画している次世代原発をめぐり、経済産業省は20日、主要機能を盛り込んだ上で、稼働時期を5年程度早めた「プレ次世代原発」を25年に実用化する方針を明らかにした。次世代型は国内の電力需要を賄うだけでなく、海外にも売り込みを図る国家的な戦略インフラ。プレ原発で技術を蓄積し、“真打ち”の世界的な普及を目指す。
現在、国内で動いている最大規模の原発の出力は130万キロワット程度。日本や欧米の原発は30年ごろから運転年数が60年を超え、50年までに270基の代替需要が生まれると予測されている。ただ、国内では地元の反発などで新規立地が難しく、電力を安定的に供給するためには、既存設備の建て替えで出力の高い原発を導入することが不可欠とされる。
このため、経産省は180万キロワット級の次世代型開発を2年前に開始。すでに基本仕様を固め、今後は設計に入る段階だが、蒸気発生器や免震装置といった主要な技術は15年前後に開発できる見通しだ。
経産省はこれらの技術を早期に実用化するため、次世代型に先駆けてプレ原発を開発することにした。基本設計が同じなので、規格や材料などの標準化で、その後のコスト削減が図れるメリットもある。
プレ原発は出力が既存原発と同等の130万キロワットレベルにとどまるが、残りの主要技術が確立されれば次世代型に容易に改良できるという。16年から重電各社が詳細な設計などに着手。22年中にも建設を始め、25年の稼働を目指す。
一方、次世代型については、ウラン濃縮度の高い燃料や、腐食耐性の高い材料などの技術開発に時間がかかるため、運転開始時期は当初の予定通り、20年先の30年を目標にしている。
経産省は、中国やインドなど今後の電力需要の拡大が見込める新興国への輸出も期待しており、プレ原発の開発で海外展開を加速させたい考えだ。
映画の喫煙シーン減るかも…米で規制強化報告書
【ワシントン=山田哲朗】映画の喫煙シーンに影響されて喫煙を始める未成年者が多いことから、米疾病対策センター(CDC)は19日、映画への規制強化を求める報告書を発表した。
具体的には、喫煙シーンを含む映画の前にたばこの害を説く広告を上映することや、映画制作者がたばこ会社から見返りを得ていないことを証明する措置の導入などを提案している。
カリフォルニア大のスタントン・グランツ教授らは、1991~2009年の毎年の人気映画50本について、喫煙シーンやたばこが登場する場面を数えた。その結果、登場回数は減少傾向にあるものの、09年でも半数近い映画で登場していた。未成年者の喫煙の44%は映画がきっかけになっているとの推定もあり、報告書は「たばこの場面がある映画は成人向けに指定するべきだ」としている。
JT、品ぞろえ拡充
500億円投資 たばこ生産工程見直し
風味処理細分化 増税の影響抑制
日本たばこ産業(JT)は2011年度から500億円以上を投じて、主力のたばこ事業の生産工程を見直す。葉タバコの風味処理の細分化や包装の多様化を可能にする設備を全国の生産拠点に導入、銘柄や品種の品ぞろえを増やす。同社は10月の大幅なたばこ増税に伴い実施する過去最大の値上げで需要が激減すると判断。消費者の細かいニーズに応えて、市場縮小の影響を抑える。
来年度から3~4年をかけて全国の6工場に500億~600億円を投じる。たばこの製造工程では、葉タバコをブレンドした後、風味を出すために加熱や加湿、冷却、乾燥などの処理を行うが、この工程の設備を刷新する。
処理の内容は銘柄や品種ごとに変わるが、新設備では作業にかける時間や温度をより細分化して変えることが可能。既存製品の風味を高めるとともに、これまでにない風味も創出して新ブランドの開発につなげる。
また出荷前の最終工程となる包装・箱詰めでも新設備を導入する。JTのたばこの容器は現在、ソフトパックとボックス型の2種類が大半で、銘柄が違ってもほぼ同じ容器を使用している。
新設備ではこの2種以外の容器の製造と箱詰めを可能にする。「例えば今までにない円筒形の容器も使うことができる」(JT幹部)。既存銘柄でもデザインや容器の形状が違う複数の商品を投入できるようにし、顧客層の拡大につなげる。また容器の多様化で箱詰めの本数が少なく、価格の低い商品なども開発することが可能となる。
たばこ市場はピークだった1996年度の3483億本から09年度は2339億本と約33%減少した。JTは85年の民営化時に35カ所だった工場を7カ所まで縮小し、来春には小田原工場(神奈川県小田原市)も閉鎖する。
これまでのたばこ増税は1本1円以下だったが、10月の増税幅は1本あたり3.5円と過去最大。JTは主力の「マイルドセブン」を300円から410円にするなど、ほぼ全品種を4割前後値上げする。これに伴い、現状の商品構成や生産体制では値上げ後の1年間の自社販売量は前年比25%減少するとみている。
このため今後は品ぞろえを拡大して、消費者ニーズを拾い上げることが不可欠とみている。現在JTはマイルドセブンや「セブンスター」など約30銘柄、各銘柄の配合成分の量や風味を変えた計約100品種を展開する。これをどこまで増やすかは未定だが、たばこ離れに一定の歯止めをかける効果を期待している。
ネットサービス14社、今年度11社が最終損益改善
軒並み増収 通販やゲーム好調、課金収入など伸びる
インターネットサービス企業の業績好調が続いている。2010年度は主要14社のうち、全社が増収となり、11社の最終損益が改善する見通しだ。ネット通販やネットゲームの利用者が増え、掲載店舗からの手数料や利用者に課金して得る収入が伸びる。
消費不振のなかでも、通販サイトは出店数や利用者数が増えており、楽天は6月末のサイト内店舗数が3万5681店と前年同期より25%増加した。10年12月期は2ケタ増収で、経常2割増益を確保しそう。ただ保有する東京放送(TBS)ホールディングス株に関連した税効果で、前期に純利益が膨らんだ反動から、純利益は減る見通し。
スタートトゥデイは衣料品通販サイトで人気ブランドの店舗を拡充、広告も強化し、6月末の会員数が219万人と前年同期より59%増えた。11年3月期の純利益は前期比39%増を見込む。
比較サイトのカカクコムは11年3月期の純利益が前期比26%増えそうだ。サイト訪問者の増加に伴い、掲載店舗に顧客を誘導した際の手数料収入が4~6月期は前年同期に比べ43%増えた。
一方、ネット上で友人と一緒に遊ぶ「ソーシャルゲーム」の運営各社はネット内の有料アイテム販売が伸びる。グリーの11年6月期は税引き利益が前期比54%増え、ディー・エヌ・エーも大幅増益になりそう。
両社ともテレビコマーシャルの効果で会員数が急増。特に30歳代以上の会員が増えており、ゲームの利用者が若年層から中年層へ広がっている。「より所得の多い層を掘り起こす」(ディーエヌエの南場智子社長)ことで課金収入が伸びる。
ただ、サイト間の競争は激化している。外食や宿泊予約情報サイトは「楽天トラベル」やカカクコムの「食べログ」の利用者が増える半面、ぐるなびは増収率が鈍化しそうだ。両社は新サービス開発や広告宣伝の強化で先行費用がかさみ、11年3月期に減益となる見通し。サイト改良の費用がかさむミクシィも交流サイトのなかでは増益率が低い。
増益率の高い企業は株価も堅調。年初からの騰落率はぐるなびやミクシィが約4割下落したが、ディーエヌエやスタートトゥ、クックパッドは約3割上昇している。
経産省、中小輸出企業のものづくり支援 1000億円規模の経済対策
経済産業省は政府内で検討している経済対策の一つとして、輸出関連の中小企業支援を盛る方向で調整に入った。ものづくりなど技術開発に対する助成と事業資金融資の拡充が柱。経産省は、中小の輸出企業にとって円高の打撃は大企業より大きいとみており、人材や技術の基盤を守り、国際競争力を維持するための支援が必要と判断した。
ものづくり支援では、製品化に向けた試作品の開発から販路開拓までの中小企業の取り組みを対象に、費用の一定割合を支給。公設の試験研究機関に製品のテストを依頼する際も一定額を補助する。
金型や鋳造といった基盤技術の研究開発計画について、国の認定を受けた企業を支援することも検討する。規模は数百億~1000億円程度を想定しているとみられる。
中小企業金融では、民間金融機関の融資に信用保証協会が100%保証をつける緊急保証制度の保証枠を拡大する方向。日本政策金融公庫などが中小企業に低利融資する「セーフティーネット貸付」の貸付枠の拡大や、貸出金利の減免も検討する。
経産省は「円高は足元の最大のリスク」として、雇用や消費、物価への悪影響や生産・開発拠点の海外流出を懸念している。このため今後の経済運営では雇用と輸出関連の中小企業対策が重要と位置付けた。直嶋正行経産相は19日に菅直人首相に会い、即効性・実効性ある対策として具体策を示した。
パイオニア:TV復活 中国でブランド供与
薄型テレビ事業から撤退したパイオニアのブランド名のテレビが中国で復活する。中国の家電量販店最大手「蘇寧電器集団」が今月末から、中国語の「先鋒(Pioneer)」を冠した液晶テレビを発売。パイオニアは知名度が高いブランドを供与する代わりに、蘇寧の販売網でAV(音響・映像)機器の売り上げを拡大させる。
高画質が売り物だったパイオニアの薄型テレビは大手メーカーとの競争激化で販売が低迷、10年3月期に撤退に追い込まれた。一方でパイオニアは昨年11月、中国で1000店超の量販店を展開する蘇寧と提携。蘇寧は外部に生産委託した製品を「先鋒」ブランドで販売する。提携は蘇寧の要請で実現。パイオニアは90年代に中国でカラオケ事業を手掛けたこともあって「現地では高級ブランドとして知られている」(幹部)と自信を示す。
同様の動きは日本ビクターにもある。海外で人気の「JVC」ブランドを供与する戦略で、第1弾としてアルゼンチンの販売代理店が12月に「JVC」の液晶テレビを発売。アフリカなどでも順次、ブランドビジネスを広げて使用料収入を増やしたい考えだ。
追加経済対策 閣内に温度差 日銀批判も
政府・与党が景気失速を回避するため検討している追加経済対策を巡り、20日の閣議後会見で閣僚から発言が相次いだ。菅直人首相が対策の検討を指示したためで「家電エコポイント」延長など、複数の閣僚が対策実施に期待感を示す一方、「景気動向を見極めて慎重に判断すべきだ」との意見や「円高対策が先決」として日銀に対応を求める声も出た。閣内での温度差が目立っており、集約には時間がかかりそうだ。
「エコポイントは大きな経済波及効果を持っている」。原口一博総務相は経済対策策定にあたって、12月末で期限が切れる家電エコポイントの延長を求めていく考えを表明。前原誠司国土交通相も「経済対策は何らかのものが必要」と述べ、12月末に終了する「住宅版エコポイント」の延長・拡充に意欲を示した。
一方で、対策作りの際に取りまとめ役となる官邸・財務省は慎重だ。菅首相は同日の閣僚懇談会で「予算を伴わない形の経済対策にどういうものがあるか考えてほしい」と指示。夜は記者団に「財政出動によらないで需要の拡大、経済成長につながることもある」と強調し、大規模な財政出動に消極的な姿勢を示した。仙谷由人官房長官も「実体経済の状況をバタバタしないで注視していく姿勢が重要だ」と述べ、景気動向を見極め慎重に判断する姿勢を強調している。
慎重姿勢の背景には厳しい国の財政事情がある。現時点で追加対策の財源としてめどがついているのは10年度予算の予備費と09年度の決算剰余金の計1.7兆円だけ。この額を超す対策を打つには、国債を追加発行する必要がある。野田佳彦財務相は「経済成長と財政再建の両立を図ることを基本に考えたい」と述べた。
一方、玄葉光一郎公務員制度改革担当相は「(景気減速の背景にあるのは)円高の問題だ。原因で一番大きいのは日銀とFRB(米連邦準備制度理事会)の姿勢の違い」と指摘し、日銀が追加金融緩和に踏み切らなかったことを批判。前原国交相も「金融当局が行き過ぎた円高に強いメッセージを発するべきだ」と語った。
高い動員力と入場料 3D映画は「採算取れる」
邦画界にも3D旋風-。今年上半期の興行収入は「アバター」など洋画の3D作品がベスト3を占める“独り勝ち”状態だった。邦画の3D製作も始まり、9月以降、「THELASTMESSAGE海猿(うみざる)」(羽住英一郎監督)などが公開される。3Dの動員力と、通常版より300円程度高い鑑賞料から“値上げ効果”を期待する映画会社も。3Dが上映できる映画館の争奪戦も過熱しそうだ。(伊藤徳裕)
■3Dに変換して公開
ここしばらく、日本の映画興行は、邦画が強く洋画が弱い「邦高洋低」が続いていたが、今年上半期の国内興行収入成績は「アバター」「アリス・イン・ワンダーランド」「カールじいさんの空飛ぶ家」の洋画3本がベスト3を独占した。3D人気が数字でも証明されたかたちだ。
「海猿」シリーズ第3弾の「THE LAST-」は3D用カメラなどではなく通常の方式で撮影されたが、昨年末から3D変換作業が始まった。通常版から3Dへの変換は、ハリウッドでは「アリス-」などで例があるが、邦画では初めて。被写体の輪郭を切り取り、それぞれの前後関係を設定し、視差(左右の目のズレ)を作って奥行きを感じさせる。今回は1618カットの1カットずつを手作業で進めている。
■2度おいしい!?
3Dの知名度を一気に上げたのが、昨年12月公開の「アバター」だった。“割高”の3D料金を普及させ、映画関係者は「3Dという付加価値に対価を払うのは当たり前という意識が浸透した」と語る。ただし、3D効果が物足りない場合の観客の失望感も大きく、「2Dでも3Dでも面白いストーリーであることが最も大事」とも。
ハズレがないという点で注目されているのが、過去のヒット作の3D化。東映では平成12年公開の「バトル・ロワイアル」(深作欣二監督)を3D化し、11月に公開する。3Dはコンテンツを“2度おいしく”料理する方法ともいえる。
■スクリーン争奪戦も
ただ3Dを上映できる映画館は限られている。国内の全3408スクリーン中、3D対応は401スクリーン(日本映画製作者連盟調べ、5月1日現在)。全体が横ばいなのに対し、3D対応は増加傾向にあるが、現状では不足気味だ。
「THE LAST-」は3D化によって製作費は当初の1・5倍に跳ね上がったが、鑑賞料の高さと、3D全スクリーンの半分以上の276スクリーンで公開が決まっているため、東宝では「採算は取れる」と強気。同時期には3D洋画の「バイオハザードIV」も公開される。3D対応スクリーンの確保は、配給会社による“争奪戦”の様相を帯びている。
【産経主張】来日外国人犯罪 警察もグローバル化必要
来日外国人による犯罪のグローバル化が進んでいる。外国人犯罪の検挙件数は減っている半面、犯行グループの多国籍化や組織化が背後で進行して、国内捜査だけでは対処しきれない深刻な状況が浮かび上がった。
警察庁の安藤隆春長官は「グローバル化の問題は日本の治安にとって正面の脅威になるおそれがある」と指摘した。こうした脅威に対処して国民の安全を守るには、国際協力態勢強化など捜査体制もグローバル化させることが必要だ。
今年6月、警察は全国619カ所の「ヤード」と呼ばれる解体作業所の一斉捜索を行い、盗品等有償譲り受けや保管、入管難民法違反容疑などで外国人ら33人を逮捕した。逮捕者の国籍はタイ、トルコ、カメルーン、ナイジェリアなど多岐にわたり、多国籍化と組織化の深まりを見せつけた。
鉄板に囲まれたヤードは組織的な盗難車解体グループの温床とされる。警察当局が把握しているだけでも全国に1400カ所あり、そのうち1100カ所について外国人の関与の疑いが濃厚だ。
警察庁のまとめによると、平成22年上半期の来日外国人犯罪の検挙件数と人数は、前年同期比でそれぞれ37・7%、10・8%減少した。こうした犯罪組織のインフラともいえる温床を除去する取り組みが全体の検挙件数の減少につながったといえる。
一方、銀座の宝石店から2億8000万円相当のティアラなどを奪った国際強盗団「ピンクパンサー」事件も、グローバル化の進行を改めて印象づけている。
ピンクパンサーは、旧ユーゴ出身者を中心に150~200人で構成され、世界28カ国で350億~400億円相当の宝石を強奪したとされる。スペインから警視庁に身柄を移された容疑者はモンテネグロ国籍で、共犯はイタリアで服役している。
犯行時に使用された東京・六本木のアジトの住人は中南米系の2人の女で、ダイヤを渡した宝石商の女はイタリア国籍だった。
容疑者の身柄移送を承諾したスペインと日本の間では、犯罪人引渡条約は結ばれていない。外交ルートを通じた交渉と、事件解明へのスペイン側の理解が移送を実現させた。政府にとって関係法や条約の整備を急ぐだけでなく、各国治安機関との太いパイプを増やすことも急務である。
太陽光普及にらむ
東京電力など電力各社はIT(情報技術)で電力を効率的に供給するスマートグリッド(次世代送電網)の実現に向け、電力を送るインフラの刷新に乗り出す。今後の太陽光発電の普及により、変電所と家庭を結ぶ配電網で電圧の変動が起こりやすくなるため、電圧を自動的に安定させるインフラに切り替える。投資額は今後10年間で6000億円に達する見通し。家庭の電力消費を常に把握するスマートメーターの導入とともに、重電やIT業界の関連需要を刺激しそうだ。
電力インフラは発電所から変電所までの送電網と、電柱などで変電所と顧客を結ぶ配電網に分かれており、今回は配電網を刷新する。
スマートグリッド計画は家庭の太陽光発電の積極的な活用を前提としている。太陽光発電は天候に左右されるため、配電網内の電圧をいかにムラなく安定させるかがカギを握る。
東電は今年度から約10年かけてセンサーなどを内蔵した次世代型の開閉機10万台を導入。電圧調整装置なども整備する。開閉機はトラブル時などに電気を遮断する装置だが、次世代型は電圧が急変すると自動的に電圧調整装置を作動させ、電力品質を一定に保つ。
他の電力会社も同様の設備を順次導入する見通し。政府が目標として掲げる「2020年に2800万キロワットの太陽光発電」と並行し、各社は国内5000万世帯の電力計をスマートメーターに切り替える見通し。東電や関西電力は一部の利用者宅で導入を始めた。
電力10社の10年度の設備投資計画は前年度比13%増の2兆4061億円と5年連続のプラス。配電網の刷新とスマートメーターの本格導入で投資水準は上積みされる可能性がある。三菱重工業や日立製作所などの重電機器のほか、情報システム需要も増える見通しだ。
ただ、太陽光などの余剰電力を蓄える蓄電池の導入が始まると投資額が飛躍的に膨らむ。太陽光など再生可能エネルギーの導入によるコスト増が電力料金にはね返る懸念もあり、コスト負担のあり方を巡る議論に発展する可能性がある。
プレ次世代原発 2025年実用化の方針 海外展開へ技術蓄積
世界最高水準の性能を持つ原子力発電施設として、2030(平成42)年の稼働を目指して官民一体で計画している次世代原発をめぐり、経済産業省は20日、主要機能を盛り込んだ上で、稼働時期を5年程度早めた「プレ次世代原発」を25年に実用化する方針を明らかにした。次世代型は国内の電力需要を賄うだけでなく、海外にも売り込みを図る国家的な戦略インフラ。プレ原発で技術を蓄積し、“真打ち”の世界的な普及を目指す。
現在、国内で動いている最大規模の原発の出力は130万キロワット程度。日本や欧米の原発は30年ごろから運転年数が60年を超え、50年までに270基の代替需要が生まれると予測されている。ただ、国内では地元の反発などで新規立地が難しく、電力を安定的に供給するためには、既存設備の建て替えで出力の高い原発を導入することが不可欠とされる。
このため、経産省は180万キロワット級の次世代型開発を2年前に開始。すでに基本仕様を固め、今後は設計に入る段階だが、蒸気発生器や免震装置といった主要な技術は15年前後に開発できる見通しだ。
経産省はこれらの技術を早期に実用化するため、次世代型に先駆けてプレ原発を開発することにした。基本設計が同じなので、規格や材料などの標準化で、その後のコスト削減が図れるメリットもある。
プレ原発は出力が既存原発と同等の130万キロワットレベルにとどまるが、残りの主要技術が確立されれば次世代型に容易に改良できるという。16年から重電各社が詳細な設計などに着手。22年中にも建設を始め、25年の稼働を目指す。
一方、次世代型については、ウラン濃縮度の高い燃料や、腐食耐性の高い材料などの技術開発に時間がかかるため、運転開始時期は当初の予定通り、20年先の30年を目標にしている。
経産省は、中国やインドなど今後の電力需要の拡大が見込める新興国への輸出も期待しており、プレ原発の開発で海外展開を加速させたい考えだ。
映画の喫煙シーン減るかも…米で規制強化報告書
【ワシントン=山田哲朗】映画の喫煙シーンに影響されて喫煙を始める未成年者が多いことから、米疾病対策センター(CDC)は19日、映画への規制強化を求める報告書を発表した。
具体的には、喫煙シーンを含む映画の前にたばこの害を説く広告を上映することや、映画制作者がたばこ会社から見返りを得ていないことを証明する措置の導入などを提案している。
カリフォルニア大のスタントン・グランツ教授らは、1991~2009年の毎年の人気映画50本について、喫煙シーンやたばこが登場する場面を数えた。その結果、登場回数は減少傾向にあるものの、09年でも半数近い映画で登場していた。未成年者の喫煙の44%は映画がきっかけになっているとの推定もあり、報告書は「たばこの場面がある映画は成人向けに指定するべきだ」としている。
JT、品ぞろえ拡充
500億円投資 たばこ生産工程見直し
風味処理細分化 増税の影響抑制
日本たばこ産業(JT)は2011年度から500億円以上を投じて、主力のたばこ事業の生産工程を見直す。葉タバコの風味処理の細分化や包装の多様化を可能にする設備を全国の生産拠点に導入、銘柄や品種の品ぞろえを増やす。同社は10月の大幅なたばこ増税に伴い実施する過去最大の値上げで需要が激減すると判断。消費者の細かいニーズに応えて、市場縮小の影響を抑える。
来年度から3~4年をかけて全国の6工場に500億~600億円を投じる。たばこの製造工程では、葉タバコをブレンドした後、風味を出すために加熱や加湿、冷却、乾燥などの処理を行うが、この工程の設備を刷新する。
処理の内容は銘柄や品種ごとに変わるが、新設備では作業にかける時間や温度をより細分化して変えることが可能。既存製品の風味を高めるとともに、これまでにない風味も創出して新ブランドの開発につなげる。
また出荷前の最終工程となる包装・箱詰めでも新設備を導入する。JTのたばこの容器は現在、ソフトパックとボックス型の2種類が大半で、銘柄が違ってもほぼ同じ容器を使用している。
新設備ではこの2種以外の容器の製造と箱詰めを可能にする。「例えば今までにない円筒形の容器も使うことができる」(JT幹部)。既存銘柄でもデザインや容器の形状が違う複数の商品を投入できるようにし、顧客層の拡大につなげる。また容器の多様化で箱詰めの本数が少なく、価格の低い商品なども開発することが可能となる。
たばこ市場はピークだった1996年度の3483億本から09年度は2339億本と約33%減少した。JTは85年の民営化時に35カ所だった工場を7カ所まで縮小し、来春には小田原工場(神奈川県小田原市)も閉鎖する。
これまでのたばこ増税は1本1円以下だったが、10月の増税幅は1本あたり3.5円と過去最大。JTは主力の「マイルドセブン」を300円から410円にするなど、ほぼ全品種を4割前後値上げする。これに伴い、現状の商品構成や生産体制では値上げ後の1年間の自社販売量は前年比25%減少するとみている。
このため今後は品ぞろえを拡大して、消費者ニーズを拾い上げることが不可欠とみている。現在JTはマイルドセブンや「セブンスター」など約30銘柄、各銘柄の配合成分の量や風味を変えた計約100品種を展開する。これをどこまで増やすかは未定だが、たばこ離れに一定の歯止めをかける効果を期待している。
ネットサービス14社、今年度11社が最終損益改善
軒並み増収 通販やゲーム好調、課金収入など伸びる
インターネットサービス企業の業績好調が続いている。2010年度は主要14社のうち、全社が増収となり、11社の最終損益が改善する見通しだ。ネット通販やネットゲームの利用者が増え、掲載店舗からの手数料や利用者に課金して得る収入が伸びる。
消費不振のなかでも、通販サイトは出店数や利用者数が増えており、楽天は6月末のサイト内店舗数が3万5681店と前年同期より25%増加した。10年12月期は2ケタ増収で、経常2割増益を確保しそう。ただ保有する東京放送(TBS)ホールディングス株に関連した税効果で、前期に純利益が膨らんだ反動から、純利益は減る見通し。
スタートトゥデイは衣料品通販サイトで人気ブランドの店舗を拡充、広告も強化し、6月末の会員数が219万人と前年同期より59%増えた。11年3月期の純利益は前期比39%増を見込む。
比較サイトのカカクコムは11年3月期の純利益が前期比26%増えそうだ。サイト訪問者の増加に伴い、掲載店舗に顧客を誘導した際の手数料収入が4~6月期は前年同期に比べ43%増えた。
一方、ネット上で友人と一緒に遊ぶ「ソーシャルゲーム」の運営各社はネット内の有料アイテム販売が伸びる。グリーの11年6月期は税引き利益が前期比54%増え、ディー・エヌ・エーも大幅増益になりそう。
両社ともテレビコマーシャルの効果で会員数が急増。特に30歳代以上の会員が増えており、ゲームの利用者が若年層から中年層へ広がっている。「より所得の多い層を掘り起こす」(ディーエヌエの南場智子社長)ことで課金収入が伸びる。
ただ、サイト間の競争は激化している。外食や宿泊予約情報サイトは「楽天トラベル」やカカクコムの「食べログ」の利用者が増える半面、ぐるなびは増収率が鈍化しそうだ。両社は新サービス開発や広告宣伝の強化で先行費用がかさみ、11年3月期に減益となる見通し。サイト改良の費用がかさむミクシィも交流サイトのなかでは増益率が低い。
増益率の高い企業は株価も堅調。年初からの騰落率はぐるなびやミクシィが約4割下落したが、ディーエヌエやスタートトゥ、クックパッドは約3割上昇している。
経産省、中小輸出企業のものづくり支援 1000億円規模の経済対策
経済産業省は政府内で検討している経済対策の一つとして、輸出関連の中小企業支援を盛る方向で調整に入った。ものづくりなど技術開発に対する助成と事業資金融資の拡充が柱。経産省は、中小の輸出企業にとって円高の打撃は大企業より大きいとみており、人材や技術の基盤を守り、国際競争力を維持するための支援が必要と判断した。
ものづくり支援では、製品化に向けた試作品の開発から販路開拓までの中小企業の取り組みを対象に、費用の一定割合を支給。公設の試験研究機関に製品のテストを依頼する際も一定額を補助する。
金型や鋳造といった基盤技術の研究開発計画について、国の認定を受けた企業を支援することも検討する。規模は数百億~1000億円程度を想定しているとみられる。
中小企業金融では、民間金融機関の融資に信用保証協会が100%保証をつける緊急保証制度の保証枠を拡大する方向。日本政策金融公庫などが中小企業に低利融資する「セーフティーネット貸付」の貸付枠の拡大や、貸出金利の減免も検討する。
経産省は「円高は足元の最大のリスク」として、雇用や消費、物価への悪影響や生産・開発拠点の海外流出を懸念している。このため今後の経済運営では雇用と輸出関連の中小企業対策が重要と位置付けた。直嶋正行経産相は19日に菅直人首相に会い、即効性・実効性ある対策として具体策を示した。
パイオニア:TV復活 中国でブランド供与
薄型テレビ事業から撤退したパイオニアのブランド名のテレビが中国で復活する。中国の家電量販店最大手「蘇寧電器集団」が今月末から、中国語の「先鋒(Pioneer)」を冠した液晶テレビを発売。パイオニアは知名度が高いブランドを供与する代わりに、蘇寧の販売網でAV(音響・映像)機器の売り上げを拡大させる。
高画質が売り物だったパイオニアの薄型テレビは大手メーカーとの競争激化で販売が低迷、10年3月期に撤退に追い込まれた。一方でパイオニアは昨年11月、中国で1000店超の量販店を展開する蘇寧と提携。蘇寧は外部に生産委託した製品を「先鋒」ブランドで販売する。提携は蘇寧の要請で実現。パイオニアは90年代に中国でカラオケ事業を手掛けたこともあって「現地では高級ブランドとして知られている」(幹部)と自信を示す。
同様の動きは日本ビクターにもある。海外で人気の「JVC」ブランドを供与する戦略で、第1弾としてアルゼンチンの販売代理店が12月に「JVC」の液晶テレビを発売。アフリカなどでも順次、ブランドビジネスを広げて使用料収入を増やしたい考えだ。
追加経済対策 閣内に温度差 日銀批判も
政府・与党が景気失速を回避するため検討している追加経済対策を巡り、20日の閣議後会見で閣僚から発言が相次いだ。菅直人首相が対策の検討を指示したためで「家電エコポイント」延長など、複数の閣僚が対策実施に期待感を示す一方、「景気動向を見極めて慎重に判断すべきだ」との意見や「円高対策が先決」として日銀に対応を求める声も出た。閣内での温度差が目立っており、集約には時間がかかりそうだ。
「エコポイントは大きな経済波及効果を持っている」。原口一博総務相は経済対策策定にあたって、12月末で期限が切れる家電エコポイントの延長を求めていく考えを表明。前原誠司国土交通相も「経済対策は何らかのものが必要」と述べ、12月末に終了する「住宅版エコポイント」の延長・拡充に意欲を示した。
一方で、対策作りの際に取りまとめ役となる官邸・財務省は慎重だ。菅首相は同日の閣僚懇談会で「予算を伴わない形の経済対策にどういうものがあるか考えてほしい」と指示。夜は記者団に「財政出動によらないで需要の拡大、経済成長につながることもある」と強調し、大規模な財政出動に消極的な姿勢を示した。仙谷由人官房長官も「実体経済の状況をバタバタしないで注視していく姿勢が重要だ」と述べ、景気動向を見極め慎重に判断する姿勢を強調している。
慎重姿勢の背景には厳しい国の財政事情がある。現時点で追加対策の財源としてめどがついているのは10年度予算の予備費と09年度の決算剰余金の計1.7兆円だけ。この額を超す対策を打つには、国債を追加発行する必要がある。野田佳彦財務相は「経済成長と財政再建の両立を図ることを基本に考えたい」と述べた。
一方、玄葉光一郎公務員制度改革担当相は「(景気減速の背景にあるのは)円高の問題だ。原因で一番大きいのは日銀とFRB(米連邦準備制度理事会)の姿勢の違い」と指摘し、日銀が追加金融緩和に踏み切らなかったことを批判。前原国交相も「金融当局が行き過ぎた円高に強いメッセージを発するべきだ」と語った。
高い動員力と入場料 3D映画は「採算取れる」
邦画界にも3D旋風-。今年上半期の興行収入は「アバター」など洋画の3D作品がベスト3を占める“独り勝ち”状態だった。邦画の3D製作も始まり、9月以降、「THELASTMESSAGE海猿(うみざる)」(羽住英一郎監督)などが公開される。3Dの動員力と、通常版より300円程度高い鑑賞料から“値上げ効果”を期待する映画会社も。3Dが上映できる映画館の争奪戦も過熱しそうだ。(伊藤徳裕)
■3Dに変換して公開
ここしばらく、日本の映画興行は、邦画が強く洋画が弱い「邦高洋低」が続いていたが、今年上半期の国内興行収入成績は「アバター」「アリス・イン・ワンダーランド」「カールじいさんの空飛ぶ家」の洋画3本がベスト3を独占した。3D人気が数字でも証明されたかたちだ。
「海猿」シリーズ第3弾の「THE LAST-」は3D用カメラなどではなく通常の方式で撮影されたが、昨年末から3D変換作業が始まった。通常版から3Dへの変換は、ハリウッドでは「アリス-」などで例があるが、邦画では初めて。被写体の輪郭を切り取り、それぞれの前後関係を設定し、視差(左右の目のズレ)を作って奥行きを感じさせる。今回は1618カットの1カットずつを手作業で進めている。
■2度おいしい!?
3Dの知名度を一気に上げたのが、昨年12月公開の「アバター」だった。“割高”の3D料金を普及させ、映画関係者は「3Dという付加価値に対価を払うのは当たり前という意識が浸透した」と語る。ただし、3D効果が物足りない場合の観客の失望感も大きく、「2Dでも3Dでも面白いストーリーであることが最も大事」とも。
ハズレがないという点で注目されているのが、過去のヒット作の3D化。東映では平成12年公開の「バトル・ロワイアル」(深作欣二監督)を3D化し、11月に公開する。3Dはコンテンツを“2度おいしく”料理する方法ともいえる。
■スクリーン争奪戦も
ただ3Dを上映できる映画館は限られている。国内の全3408スクリーン中、3D対応は401スクリーン(日本映画製作者連盟調べ、5月1日現在)。全体が横ばいなのに対し、3D対応は増加傾向にあるが、現状では不足気味だ。
「THE LAST-」は3D化によって製作費は当初の1・5倍に跳ね上がったが、鑑賞料の高さと、3D全スクリーンの半分以上の276スクリーンで公開が決まっているため、東宝では「採算は取れる」と強気。同時期には3D洋画の「バイオハザードIV」も公開される。3D対応スクリーンの確保は、配給会社による“争奪戦”の様相を帯びている。
【産経主張】来日外国人犯罪 警察もグローバル化必要
来日外国人による犯罪のグローバル化が進んでいる。外国人犯罪の検挙件数は減っている半面、犯行グループの多国籍化や組織化が背後で進行して、国内捜査だけでは対処しきれない深刻な状況が浮かび上がった。
警察庁の安藤隆春長官は「グローバル化の問題は日本の治安にとって正面の脅威になるおそれがある」と指摘した。こうした脅威に対処して国民の安全を守るには、国際協力態勢強化など捜査体制もグローバル化させることが必要だ。
今年6月、警察は全国619カ所の「ヤード」と呼ばれる解体作業所の一斉捜索を行い、盗品等有償譲り受けや保管、入管難民法違反容疑などで外国人ら33人を逮捕した。逮捕者の国籍はタイ、トルコ、カメルーン、ナイジェリアなど多岐にわたり、多国籍化と組織化の深まりを見せつけた。
鉄板に囲まれたヤードは組織的な盗難車解体グループの温床とされる。警察当局が把握しているだけでも全国に1400カ所あり、そのうち1100カ所について外国人の関与の疑いが濃厚だ。
警察庁のまとめによると、平成22年上半期の来日外国人犯罪の検挙件数と人数は、前年同期比でそれぞれ37・7%、10・8%減少した。こうした犯罪組織のインフラともいえる温床を除去する取り組みが全体の検挙件数の減少につながったといえる。
一方、銀座の宝石店から2億8000万円相当のティアラなどを奪った国際強盗団「ピンクパンサー」事件も、グローバル化の進行を改めて印象づけている。
ピンクパンサーは、旧ユーゴ出身者を中心に150~200人で構成され、世界28カ国で350億~400億円相当の宝石を強奪したとされる。スペインから警視庁に身柄を移された容疑者はモンテネグロ国籍で、共犯はイタリアで服役している。
犯行時に使用された東京・六本木のアジトの住人は中南米系の2人の女で、ダイヤを渡した宝石商の女はイタリア国籍だった。
容疑者の身柄移送を承諾したスペインと日本の間では、犯罪人引渡条約は結ばれていない。外交ルートを通じた交渉と、事件解明へのスペイン側の理解が移送を実現させた。政府にとって関係法や条約の整備を急ぐだけでなく、各国治安機関との太いパイプを増やすことも急務である。
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モバゲータウンのオープンゲームの囲い込みが始まった!
さて、いよいよ始まった。何がだって。ソーシャルゲームの世界でのベンダーの囲い込みだ。
モバゲータウンを運営するディー・エヌ・エーは、7月下旬から8月上旬にかけてソーシャルゲームのプロバイダー(一般にはソーシャルアプリケーションプロバイダーでSAPと呼ぶ。以下SAP)などに対して、競合するGREEにソーシャルゲームを今後提供した場合には、モバゲータウンで提供するゲームにトラフィックを流さないと複数社に通達した。ただ、GREE以外のmixiなどにはゲームを提供してもいいのだという。
これはソーシャルゲームプロバイダー各社に対して一斉に通達したものでなければ、規約の改定でもない。一社一社個別に説明したものだ(ディー・エヌ・エー側はこの件について明らかにしていない)。もちろん、このような説明をされていない会社もあれば、まったく条件の異なる会社もあるだろう。ただ、取材した十数社は異口同音に上記のような説明を受けたという。たぶん、それ以上の会社に同様の説明はあったようだ。
ご存知のように、モバゲータウン、GREEともにプラットフォームをオープン化して、第三者が作ったソーシャルゲームを審査の上、同プラットフォーム上で提供できるようにしている。モバゲータウンは今年1月から段階的に開始して現在はフルオープンに、GREEは今年6月から同様に段階的にオープン化をし始めたところだ。
なぜモバゲータウンとGREEに注目が集まるかといえば、両者ともにSNSというよりも、ゲームプラットフォームとしての性質が強く、ユーザーが課金馴れしていて、SAPから見ると性質の異なるmixiよりもケータイのゲームビジネスとして魅力的なプラットフォームに見えるからだ(mixiは両者よりも先にオープン化に踏み切った)。特にモバゲータウンでは短期間で月商1億円近く売り上げるゲームも登場していて、さまざまなSAPがこの市場に参入してきている。
■囲い込みは予想されていた
そんな中、GREEに異変が起きた。オープン化の第二次となる先行パートナーによるゲームの提供が8月10日とされていたのだが、現時点ですべてのゲームが出そろっていないのだという。理由としてGREEを運営するグリー取締役の青柳直樹氏によれば、上記のようなディー・エヌ・エーの動きがあったために、SAPからすぐにゲームが出せないと報告があったという。また、取材したあるSAPもそれを裏付けるように、ディー・エヌ・エーの件の説明を受けてGREEの第二次先行パートナーとして準備していたゲームを出せないでいると語ってくれた。
とはいえ、こういったプラットフォーム間の競争は何もいまに始まったことではなく珍しいことではない。ゲームの世界で言えば、任天堂が他社と繰り広げた競争やソニー・コンピュータエンタテインメントも同様のことがあり、事業者がゲーム提供企業の囲い込みをするのは珍しいことではない。ある人気ゲームはあるプラットフォームでしか遊べないといったことは普通に起きていたし、いまもあるだろう(もちろん複數プラットフォームでの開発にコストがかかるからゲーム会社として戦略上1つのプラットフォームにしか出さないなんてこともあるが)。
モバゲータウンもGREEもそういう意味では互いに競争しあうプラットフォーム同士であるが故に、SAPの囲い込みの動きは予想された。ただ、両者の対立は根深い。
ディー・エヌ・エーがモバゲータウンで成功した以降、GREEはそれまでのmixiのような友人同士のつながりを主軸としたSNSから方向転換を図り、事業をモバイル向けアバター主軸のSNSへと変貌させた(モバイルでのアバターを主軸とした類似のSNSはその後、複數立ち上がっている)。
ここからモバゲータウン対GREEの構図が生まれていったわけだが、提供するサービスや広告戦略など、ディー・エヌ・エーを追うグリーはことごとく同様のことを仕掛けている(つい最近では人材採用の報奨金制度まで追随するなんてことまでやっている)。プラットフォームのオープン化もグリーがディー・エヌ・エーに追随したかたちで開始し、モバゲータウンで培ったノウハウがGREEに流れるのを懸念しているのかもしれない(ただ、オープン化前には逆にモバゲータウンがGREEのものに似ていたとされる釣りゲームを提供するということもあったが、これについては現在係争中)。
ディー・エヌ・エー取締役の守安功氏によればユーザーの声の中には「GREEでモバゲーしました」というものすらあるらしい。そんなユーザーにとって区別できないほど両者は類似しているということだろう。
■類似していくがゆえの差別化戦略
だからこそ、「プラットフォームとしてアイデンティティをきちんと作って差別化をしていかないといけない」と守安氏は説明する。特に現在同社が力を入れているのがソーシャルゲームで、モバゲータウンにしかないものを提供するといったことを含めて強化しなければならないという。
確かに現在のソーシャルゲームは類似のゲームが数多く存在し、当初は海外でヒットした、また現在は国内でヒットしたゲームを真似たようなものばかりだという印象もなくはない。当然、同一プラットフォームの中でそういうことが起きれば、GREEのような他のプラットフォームでも、類似のゲームばかりということになるだろう。過渡期であるが故にそうなっているのだろうが、プラットフォーム提供者としては差別化されたものを選別したいという思いもあるだろう。でなければ、ユーザーに飽きられてしまい、かつてのアタリショックのようにプラットフォーム自体の勢いが失速するということもありえる。実際、任天堂はファミコンを世に出したときにはゲーム会社のゲームの制作本数や種類をコントロールした。
このため、各SAPには新しいジャンルのゲームを作って欲しいという説明をしていると守安氏はいう。また、「個社別にいろいろな取組をお願いしていて、そのかわりノウハウの注入やゲームへのトラフィックの提供することを説明している」(守安氏)。
ただ、前述のような、モバゲータウンにゲームを提供するSAPがGREEに対してゲームを提供したら、現在あるゲームを含めて今後モバゲータウン上のゲームにトラフィックを流さないという話をしたかについては、守安氏は「個社別に対してこういう対応をしているということは、営業戦略上言えない」ということで明らかにはしてくれなかった。
ディー・エヌ・エー側から前述のような説明を受けながら、8月10日にGREE上に第二次先行パートナーとしてゲームを提供したら、モバゲータウンに提供していたゲームが忽然と消えたという話もある。もちろん既存のユーザーは遊べるようになっているのだが、モバゲータウン上でゲームを検索してもでてこなくなったという。ディー・エヌ・エー側からなんの通達もなく、ゲームを取り下げたわけでもないので驚いたという。
なぜこんな現象が起きたのかはわからないが、理由として考えられるのは、やはりディー・エヌ・エー側がそのように設定したのだと想像するしかない。
一方で、同様に8月10日にGREE上にゲームを提供しながら、モバゲータウン上でもゲームがある会社もある。
悪くはない話もある。
■競争が生んだ好事例もある
GREEはオープン化といいつつも、売上のレベニューシェアが各SAPで異なるなど、それこそ個社別に契約条件が異なっていたようだ。しかも、対プラットフォームとの比率が、mixiの8対2やモバゲータウンの7対3に比べて低い、5対5の契約を結んだところも多かったようだ。これがSAPの不満となっていた。ところが、グリーの青柳氏によれば、運用ルールの見直しと今回のディー・エヌ・エー側の動きにより、売上のレベニューシェアをモバゲータウンと同様の7対3と共通化したという。
また、GREEがオープン化した際には、提供するゲームにトラフィックがほとんど流れないこともSAPの不満となっていたが、グリー側はGREEの画面をモバゲータウンと同様の構成に変えてリンクを増やしたことで、SAPのゲームにトラフィックが流れるようになったという。
GREEのオープン化に際しては当初、ほかにも厳しい条件を提示された企業もあって、本当に「オープン化」なのかという疑念の声もあったようにSAPの不満も大きかったが、今回のディー・エヌ・エーの動きに対応して、グリー側もSAPに対して好条件を提示してきている。
逆にいえばディー・エヌ・エーの今回の行動は、SAPの不満によってオープン化に出端を挫かれたグリーに追い打ちをかけたともいえるが、グリー側の対応は競争が生んだ好事例ともいえる。
■歴史は繰り返しているのか
8月10日が1つの区切りのタイミングであったために、多くのSAPはすでに態度を決めてはいるようだ。モバゲータウン陣営に付いたSAPによれば、陣営に入った理由としては、すでに提供しているゲームの現在の売上の確保だったり、まだゲームを提供していなかったためにGREEを見送ったりといったところが大きな理由だった。ただ、ある上場企業の役員が語ってくれたのだが、現時点ではモバゲータウンの売上を見ればモバゲータウン陣営に付かざるを得ないが、プラットフォームとしてGREEが魅力的になれば、そちらに乗り換える可能性もあるという。
中には、やはりどちらにもゲームを出したいがために、静観を決め込むSAPもいて、この状況が改善されることを望んでいる。
特に上場しているSAPにとっては、今後の売上などの見通しを修正する必要が出てくる会社もあるのかもしれないし、上場していなくても事業計画の変更を迫られるSAPもあるだろう。
あるベンチャーキャピタリストは「上場に向けてこれから頑張って行こうとしているSAPにとっては、たとえ複數のプラットフォームにゲームを提供していたとしても、売上が期待できるのがGREEとモバゲータウンだけだとすると、そのうち1つだけに売上を依存していると、上場の審査が通るのは厳しいかもしれない」と指摘する。
またあるSAP経営者は「今回のケースは今後もおきるかもしれない。対グリー策として今回は発動されたが、ほかの第三のプラットフォーム提供者が同様のサービスで台頭してきたら同じ戦略をとる可能性もある」と警告する。
こういった状況を考えると、プラットフォーム間の競争の中で、SAPはかなり不利な立場にあると言わざるをえないのかもしれない。
ディー・エヌ・エーから有利な条件が提示されているのならば、それに従うという企業も多いと思うが、そうではなかったとほとんどのSAPは証言する。あるいは、せめて、同一タイトルあるいは同一ジャンルのゲームを提供しないといった契約はできないのかと願うSAPたちもいる。
今年は1000億円を超えそうなソーシャルゲーム市場だが、グリーもディー・エヌ・エーもいずれも自社でゲームを開発しながらプラットフォームを提供する任天堂型の会社で、この市場を多くのパイを占めている。こういったプラットフォーム提供者とSAPが対等にやりあうには、なかなか難しそうだ。
米国ではZyngaとFacebookにいろいろとした経緯もあったようだが、Facebookは純粋なプラットフォーム提供者でZyngaに対抗すべきゲームは持っていない。このあたりが今回の話とは異なる。
囲い込みは何も否定すべきものではないが、ディー・エヌ・エーは認めてくれなかったが、競合する会社に1つでもゲームを提供したらすべての機会を失うオール・オア・ナッシングの通達は、始まってたった数カ月の市場の中で、あまりフェアなやり方だという気もしないが、さて、読者のみんなはどう思うかな。
とはいうものの、歴史が証明するように、たとえば任天堂を考えてみると、プラットフォームが巨大になれば、そんなことは問題でもなくなってしまうのかもしれない。ソーシャルゲームの世界では誰が覇者になるんだろうか。歴史は繰り返している。
「再来週までは言えない」--ミクシィ、位置情報サービスまもなくか
ついにFacebookが位置情報サービスを開始した。iPhoneアプリから自分の現在地を友人に通知できるようになった。FoursquareやGowallaなどのサードパーティとも連携する。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にとって位置情報はまぎれもないキラーコンテンツだ。2009年後半から米国foursquareに代表される「チェックイン」が流行し、国内でもはてなやライブドアが同様の機能を持ったサービスを相次いで公開している。次に気になるのは日本の大手SNSの動きだ。
9月10日に大規模イベント「mixi meetup 2010」を計画しているミクシィも位置情報サービスは検討しているはずだ。同社広報に問い合わせたところ、「再来週の発表までは言えない」と否定はしなかった。近々、何らかの位置情報サービスがmixiに追加される可能性は高いと見られる。
mixi meetup 2010はオープニングセッション、メインセッション、ミートアップセッションの三部構成。オープニングは代表取締役社長の笠原健治氏がmixiアプリの今後の展開について発表し、メインでは副社長の原田明典氏も加えて新プラットフォームを活用したサービスについて発表する。ミクシィは19日午後にミートアップのコンテンツをすべて発表し、参加受付を開始したばかりだ。
パナソニック、中国のパネル生産5倍に引き上げ
パナソニックが、中国・上海市にあるプラズマテレビ用パネルの工場の生産能力(42型換算)を、現在の月2万5千台から、2012年度に約5倍の12万倍に引き上げることが20日、分かった。
中国は所得水準の向上などでテレビ需要の大幅増加が見込まれており、現地の生産能力を強化する。
同社のプラズマパネルの生産拠点は、上海市と兵庫県尼崎市の2カ所。上海では02年に生産を始めたが不足分は日本から輸出している。現地生産を増やすことで輸送コストが減り、円高対策にもなる。
また、尼崎の工場は一部を太陽電池の生産に転用することを検討しており、パネルの生産設備の一部は上海に移していく方針だ。
パナソニックは、中国で今月11日に50型の3次元立体(3D)テレビを発売しており、12年以降は3Dテレビ用のパネルも上海で生産する。
同社は、新興国市場でのテレビなどの売上高を、09年度の4400億円から、12年度は7700億円に増やす計画。増加を見込む3300億円のうち、中国分は1070億円を占める。
米電子書籍、3倍増でシェア8・3%に急上昇 10年上期
米出版社協会(AAP)が19日発表した2010年上期の米国での書籍売上高(推計)によると、電子書籍が前年同期の約3倍の約1億7970万ドル(約150億円)と大幅に増加し、書籍全体に占めるシェアが8・3%に達した。09年は3・3%で、5ポイント伸ばしたことになる。
同協会は、インターネット小売り大手アマゾン・コムの電子書籍端末「キンドル」などの普及と、電子機器大手アップルが4月発売した電子書籍に対応した「iPad(アイパッド)」のヒットが市場拡大を後押ししたとしている。
書籍全体は前年同期比11・4%増の21億7千万ドルだった。
ソニー、販売子会社とEC子会社を合併 リアルとネット一体化
ソニーの国内販売子会社ソニーマーケティングは20日、直販サイトや店舗運営を手掛けるソニーの子会社、ソニースタイル・ジャパン(東京・港)を10月1日付で吸収合併すると発表した。実店舗販売とネット販売のノウハウを共有して、効率的なマーケティング活動を進める。
あわせて直販サイト「ソニースタイル」の名称を、ショールームを備えたブランド発信店舗と同じ「ソニーストア」に改める。統一的なブランドイメージの確立を目指す。
マルチメディア放送の事業者選定「ゼロベースで議論」 原口総務相
原口一博総務相は20日、閣議後の記者会見で、2012年春にも始まる携帯端末向け次世代マルチメディア放送のインフラ事業者選定を電波監理審議会(総務相の諮問機関)に一任したことについて、「中立性と客観性を担保するためにもゼロベースで議論を尽くしてもらうことが適当だと判断した」と説明した。
また事業者の決定時期については「すでに準備に入っている段階でもあり、いたずらに伸ばしていいというわけではない」と早期に決定することを強調した。
テレビのアナログ放送後の終了後に空いた周波数帯域を使って展開する携帯マルチメディア放送の事業者の参入枠は1枠で、NTTドコモとKDDI陣営が6月に申請し、一騎打ちとなっている。
総務省が審査を行ってきたが、民主党内から選定の透明性を確保するよう求める声が噴出。このため、総務省は今月17日に、2008年の電波法改正で権限が強化された電監審への一任を決めた。
記者の目◇ソフトバンク株、敵は本能寺にあり?
業績好調にもかかわらずソフトバンクの株価がさえない。7月28日に年初来高値の2629円を付けて以降大きく下落。19日は続伸となったものの終値の2478円は高値より6%安い。株式相場全体の調整に引きずられている面はあるものの、これまでは高機能携帯端末「iPad(アイパッド)」や新型iPhone(アイフォーン)の発売など豊富な話題性を武器に相場調整局面でも逆行高を演じることが少なくなかった。神通力はなぜ消えたのか。
まず業績を再点検しておこう。4~6月期の営業利益は1566億円と四半期としては過去最高を更新。データ通信の契約当たり月間収入(ARPU)は前年同期比2割増の伸びをみせ、NTTドコモ、KDDIに大きく水をあけた。4~7月の累計契約純増数は約98万件に達し、「いまだに予約がさばききれない」(孫正義社長)という新型iPhoneの強さをみせつけている。個別株としてソフトバンクをみるかぎり、売られる理由は見あたらない。
だが、一歩下がってマーケットの全体像を視野に入れると、違う構図が浮かんでくる。
ソフトバンクが高値を付けたのが7月28日。翌29日から8月19日までの16営業日でみると、株価が前日比で上昇したのが7日、下落が9日となる。実はこの間、ぴたりとソフトバンク株と並走した指標がある。信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率(スプレッド)がそれだ。
といっても、ソフトバンク個別のCDSスプレッドではない。ソフトバンクの5年物CDSの保証料率はその間、3.2%程度から約2.3%に大幅に下がっている。ソフトバンクといえば財務体質が弱点だが、「好決算を考慮すれば、格付けは上がるしかない状況」(BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリスト)との声があがるほど評価は高まっている。信用不安が株安を招いているわけではない。
足元でソフトバンク株と連動性が高まっているのは、日本企業全体の信用リスクの大きさを示すCDS指数、アイ・トラックス・ジャパンだ。19日までの16営業日で、CDS指数とソフトバンクの株価が同方向に動いたのは8月3日だけ。残りの15営業日はCDS指数が上がればソフトバンク株が下がり、指数が下がれば株価が上がっている。特にCDS指数が上昇局面に入った5日以降は、両者は完全に逆の動きを示している。CDS指数は上昇がリスクの拡大を示す。日本企業全体に対するリスクの上昇とともにソフトバンクの株価が下落したことになる。
個別企業としての信用力が高まっているのにCDS指数と株価が並走するのは合理的ではないようにみえるが、「投資家のリスク許容度低下」という補助線を引くと違和感は消える。ソフトバンクはメガバンクや値動きの良い材料株と並び、ネット証券の売買代金ランキング上位の常連銘柄。じわりと広がるリスク回避の動きのなかで、短期トレーディングの資金がソフトバンク株から流出しても不思議ではない。
通信は欧米景気の減速や円高の影響も受けにくく、業績への不安感は小さい数少ないセクター。その中でも成長力を兼ねそろえたソフトバンク株への投資に期待を抱く投資家は少なくないだろう。短期的な需給悪化は中長期投資家に絶好の買い場を提供してくれるという解釈もできる。
だが、一段と株式相場の調整や円高が進めば、リスクマネー縮小の「震度」は加速度的に高まりかねない。ソフトバンク株が持つ「短期筋の大好物」という側面は念頭に置いた方が良いだろう。
さて、いよいよ始まった。何がだって。ソーシャルゲームの世界でのベンダーの囲い込みだ。
モバゲータウンを運営するディー・エヌ・エーは、7月下旬から8月上旬にかけてソーシャルゲームのプロバイダー(一般にはソーシャルアプリケーションプロバイダーでSAPと呼ぶ。以下SAP)などに対して、競合するGREEにソーシャルゲームを今後提供した場合には、モバゲータウンで提供するゲームにトラフィックを流さないと複数社に通達した。ただ、GREE以外のmixiなどにはゲームを提供してもいいのだという。
これはソーシャルゲームプロバイダー各社に対して一斉に通達したものでなければ、規約の改定でもない。一社一社個別に説明したものだ(ディー・エヌ・エー側はこの件について明らかにしていない)。もちろん、このような説明をされていない会社もあれば、まったく条件の異なる会社もあるだろう。ただ、取材した十数社は異口同音に上記のような説明を受けたという。たぶん、それ以上の会社に同様の説明はあったようだ。
ご存知のように、モバゲータウン、GREEともにプラットフォームをオープン化して、第三者が作ったソーシャルゲームを審査の上、同プラットフォーム上で提供できるようにしている。モバゲータウンは今年1月から段階的に開始して現在はフルオープンに、GREEは今年6月から同様に段階的にオープン化をし始めたところだ。
なぜモバゲータウンとGREEに注目が集まるかといえば、両者ともにSNSというよりも、ゲームプラットフォームとしての性質が強く、ユーザーが課金馴れしていて、SAPから見ると性質の異なるmixiよりもケータイのゲームビジネスとして魅力的なプラットフォームに見えるからだ(mixiは両者よりも先にオープン化に踏み切った)。特にモバゲータウンでは短期間で月商1億円近く売り上げるゲームも登場していて、さまざまなSAPがこの市場に参入してきている。
■囲い込みは予想されていた
そんな中、GREEに異変が起きた。オープン化の第二次となる先行パートナーによるゲームの提供が8月10日とされていたのだが、現時点ですべてのゲームが出そろっていないのだという。理由としてGREEを運営するグリー取締役の青柳直樹氏によれば、上記のようなディー・エヌ・エーの動きがあったために、SAPからすぐにゲームが出せないと報告があったという。また、取材したあるSAPもそれを裏付けるように、ディー・エヌ・エーの件の説明を受けてGREEの第二次先行パートナーとして準備していたゲームを出せないでいると語ってくれた。
とはいえ、こういったプラットフォーム間の競争は何もいまに始まったことではなく珍しいことではない。ゲームの世界で言えば、任天堂が他社と繰り広げた競争やソニー・コンピュータエンタテインメントも同様のことがあり、事業者がゲーム提供企業の囲い込みをするのは珍しいことではない。ある人気ゲームはあるプラットフォームでしか遊べないといったことは普通に起きていたし、いまもあるだろう(もちろん複數プラットフォームでの開発にコストがかかるからゲーム会社として戦略上1つのプラットフォームにしか出さないなんてこともあるが)。
モバゲータウンもGREEもそういう意味では互いに競争しあうプラットフォーム同士であるが故に、SAPの囲い込みの動きは予想された。ただ、両者の対立は根深い。
ディー・エヌ・エーがモバゲータウンで成功した以降、GREEはそれまでのmixiのような友人同士のつながりを主軸としたSNSから方向転換を図り、事業をモバイル向けアバター主軸のSNSへと変貌させた(モバイルでのアバターを主軸とした類似のSNSはその後、複數立ち上がっている)。
ここからモバゲータウン対GREEの構図が生まれていったわけだが、提供するサービスや広告戦略など、ディー・エヌ・エーを追うグリーはことごとく同様のことを仕掛けている(つい最近では人材採用の報奨金制度まで追随するなんてことまでやっている)。プラットフォームのオープン化もグリーがディー・エヌ・エーに追随したかたちで開始し、モバゲータウンで培ったノウハウがGREEに流れるのを懸念しているのかもしれない(ただ、オープン化前には逆にモバゲータウンがGREEのものに似ていたとされる釣りゲームを提供するということもあったが、これについては現在係争中)。
ディー・エヌ・エー取締役の守安功氏によればユーザーの声の中には「GREEでモバゲーしました」というものすらあるらしい。そんなユーザーにとって区別できないほど両者は類似しているということだろう。
■類似していくがゆえの差別化戦略
だからこそ、「プラットフォームとしてアイデンティティをきちんと作って差別化をしていかないといけない」と守安氏は説明する。特に現在同社が力を入れているのがソーシャルゲームで、モバゲータウンにしかないものを提供するといったことを含めて強化しなければならないという。
確かに現在のソーシャルゲームは類似のゲームが数多く存在し、当初は海外でヒットした、また現在は国内でヒットしたゲームを真似たようなものばかりだという印象もなくはない。当然、同一プラットフォームの中でそういうことが起きれば、GREEのような他のプラットフォームでも、類似のゲームばかりということになるだろう。過渡期であるが故にそうなっているのだろうが、プラットフォーム提供者としては差別化されたものを選別したいという思いもあるだろう。でなければ、ユーザーに飽きられてしまい、かつてのアタリショックのようにプラットフォーム自体の勢いが失速するということもありえる。実際、任天堂はファミコンを世に出したときにはゲーム会社のゲームの制作本数や種類をコントロールした。
このため、各SAPには新しいジャンルのゲームを作って欲しいという説明をしていると守安氏はいう。また、「個社別にいろいろな取組をお願いしていて、そのかわりノウハウの注入やゲームへのトラフィックの提供することを説明している」(守安氏)。
ただ、前述のような、モバゲータウンにゲームを提供するSAPがGREEに対してゲームを提供したら、現在あるゲームを含めて今後モバゲータウン上のゲームにトラフィックを流さないという話をしたかについては、守安氏は「個社別に対してこういう対応をしているということは、営業戦略上言えない」ということで明らかにはしてくれなかった。
ディー・エヌ・エー側から前述のような説明を受けながら、8月10日にGREE上に第二次先行パートナーとしてゲームを提供したら、モバゲータウンに提供していたゲームが忽然と消えたという話もある。もちろん既存のユーザーは遊べるようになっているのだが、モバゲータウン上でゲームを検索してもでてこなくなったという。ディー・エヌ・エー側からなんの通達もなく、ゲームを取り下げたわけでもないので驚いたという。
なぜこんな現象が起きたのかはわからないが、理由として考えられるのは、やはりディー・エヌ・エー側がそのように設定したのだと想像するしかない。
一方で、同様に8月10日にGREE上にゲームを提供しながら、モバゲータウン上でもゲームがある会社もある。
悪くはない話もある。
■競争が生んだ好事例もある
GREEはオープン化といいつつも、売上のレベニューシェアが各SAPで異なるなど、それこそ個社別に契約条件が異なっていたようだ。しかも、対プラットフォームとの比率が、mixiの8対2やモバゲータウンの7対3に比べて低い、5対5の契約を結んだところも多かったようだ。これがSAPの不満となっていた。ところが、グリーの青柳氏によれば、運用ルールの見直しと今回のディー・エヌ・エー側の動きにより、売上のレベニューシェアをモバゲータウンと同様の7対3と共通化したという。
また、GREEがオープン化した際には、提供するゲームにトラフィックがほとんど流れないこともSAPの不満となっていたが、グリー側はGREEの画面をモバゲータウンと同様の構成に変えてリンクを増やしたことで、SAPのゲームにトラフィックが流れるようになったという。
GREEのオープン化に際しては当初、ほかにも厳しい条件を提示された企業もあって、本当に「オープン化」なのかという疑念の声もあったようにSAPの不満も大きかったが、今回のディー・エヌ・エーの動きに対応して、グリー側もSAPに対して好条件を提示してきている。
逆にいえばディー・エヌ・エーの今回の行動は、SAPの不満によってオープン化に出端を挫かれたグリーに追い打ちをかけたともいえるが、グリー側の対応は競争が生んだ好事例ともいえる。
■歴史は繰り返しているのか
8月10日が1つの区切りのタイミングであったために、多くのSAPはすでに態度を決めてはいるようだ。モバゲータウン陣営に付いたSAPによれば、陣営に入った理由としては、すでに提供しているゲームの現在の売上の確保だったり、まだゲームを提供していなかったためにGREEを見送ったりといったところが大きな理由だった。ただ、ある上場企業の役員が語ってくれたのだが、現時点ではモバゲータウンの売上を見ればモバゲータウン陣営に付かざるを得ないが、プラットフォームとしてGREEが魅力的になれば、そちらに乗り換える可能性もあるという。
中には、やはりどちらにもゲームを出したいがために、静観を決め込むSAPもいて、この状況が改善されることを望んでいる。
特に上場しているSAPにとっては、今後の売上などの見通しを修正する必要が出てくる会社もあるのかもしれないし、上場していなくても事業計画の変更を迫られるSAPもあるだろう。
あるベンチャーキャピタリストは「上場に向けてこれから頑張って行こうとしているSAPにとっては、たとえ複數のプラットフォームにゲームを提供していたとしても、売上が期待できるのがGREEとモバゲータウンだけだとすると、そのうち1つだけに売上を依存していると、上場の審査が通るのは厳しいかもしれない」と指摘する。
またあるSAP経営者は「今回のケースは今後もおきるかもしれない。対グリー策として今回は発動されたが、ほかの第三のプラットフォーム提供者が同様のサービスで台頭してきたら同じ戦略をとる可能性もある」と警告する。
こういった状況を考えると、プラットフォーム間の競争の中で、SAPはかなり不利な立場にあると言わざるをえないのかもしれない。
ディー・エヌ・エーから有利な条件が提示されているのならば、それに従うという企業も多いと思うが、そうではなかったとほとんどのSAPは証言する。あるいは、せめて、同一タイトルあるいは同一ジャンルのゲームを提供しないといった契約はできないのかと願うSAPたちもいる。
今年は1000億円を超えそうなソーシャルゲーム市場だが、グリーもディー・エヌ・エーもいずれも自社でゲームを開発しながらプラットフォームを提供する任天堂型の会社で、この市場を多くのパイを占めている。こういったプラットフォーム提供者とSAPが対等にやりあうには、なかなか難しそうだ。
米国ではZyngaとFacebookにいろいろとした経緯もあったようだが、Facebookは純粋なプラットフォーム提供者でZyngaに対抗すべきゲームは持っていない。このあたりが今回の話とは異なる。
囲い込みは何も否定すべきものではないが、ディー・エヌ・エーは認めてくれなかったが、競合する会社に1つでもゲームを提供したらすべての機会を失うオール・オア・ナッシングの通達は、始まってたった数カ月の市場の中で、あまりフェアなやり方だという気もしないが、さて、読者のみんなはどう思うかな。
とはいうものの、歴史が証明するように、たとえば任天堂を考えてみると、プラットフォームが巨大になれば、そんなことは問題でもなくなってしまうのかもしれない。ソーシャルゲームの世界では誰が覇者になるんだろうか。歴史は繰り返している。
「再来週までは言えない」--ミクシィ、位置情報サービスまもなくか
ついにFacebookが位置情報サービスを開始した。iPhoneアプリから自分の現在地を友人に通知できるようになった。FoursquareやGowallaなどのサードパーティとも連携する。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にとって位置情報はまぎれもないキラーコンテンツだ。2009年後半から米国foursquareに代表される「チェックイン」が流行し、国内でもはてなやライブドアが同様の機能を持ったサービスを相次いで公開している。次に気になるのは日本の大手SNSの動きだ。
9月10日に大規模イベント「mixi meetup 2010」を計画しているミクシィも位置情報サービスは検討しているはずだ。同社広報に問い合わせたところ、「再来週の発表までは言えない」と否定はしなかった。近々、何らかの位置情報サービスがmixiに追加される可能性は高いと見られる。
mixi meetup 2010はオープニングセッション、メインセッション、ミートアップセッションの三部構成。オープニングは代表取締役社長の笠原健治氏がmixiアプリの今後の展開について発表し、メインでは副社長の原田明典氏も加えて新プラットフォームを活用したサービスについて発表する。ミクシィは19日午後にミートアップのコンテンツをすべて発表し、参加受付を開始したばかりだ。
パナソニック、中国のパネル生産5倍に引き上げ
パナソニックが、中国・上海市にあるプラズマテレビ用パネルの工場の生産能力(42型換算)を、現在の月2万5千台から、2012年度に約5倍の12万倍に引き上げることが20日、分かった。
中国は所得水準の向上などでテレビ需要の大幅増加が見込まれており、現地の生産能力を強化する。
同社のプラズマパネルの生産拠点は、上海市と兵庫県尼崎市の2カ所。上海では02年に生産を始めたが不足分は日本から輸出している。現地生産を増やすことで輸送コストが減り、円高対策にもなる。
また、尼崎の工場は一部を太陽電池の生産に転用することを検討しており、パネルの生産設備の一部は上海に移していく方針だ。
パナソニックは、中国で今月11日に50型の3次元立体(3D)テレビを発売しており、12年以降は3Dテレビ用のパネルも上海で生産する。
同社は、新興国市場でのテレビなどの売上高を、09年度の4400億円から、12年度は7700億円に増やす計画。増加を見込む3300億円のうち、中国分は1070億円を占める。
米電子書籍、3倍増でシェア8・3%に急上昇 10年上期
米出版社協会(AAP)が19日発表した2010年上期の米国での書籍売上高(推計)によると、電子書籍が前年同期の約3倍の約1億7970万ドル(約150億円)と大幅に増加し、書籍全体に占めるシェアが8・3%に達した。09年は3・3%で、5ポイント伸ばしたことになる。
同協会は、インターネット小売り大手アマゾン・コムの電子書籍端末「キンドル」などの普及と、電子機器大手アップルが4月発売した電子書籍に対応した「iPad(アイパッド)」のヒットが市場拡大を後押ししたとしている。
書籍全体は前年同期比11・4%増の21億7千万ドルだった。
ソニー、販売子会社とEC子会社を合併 リアルとネット一体化
ソニーの国内販売子会社ソニーマーケティングは20日、直販サイトや店舗運営を手掛けるソニーの子会社、ソニースタイル・ジャパン(東京・港)を10月1日付で吸収合併すると発表した。実店舗販売とネット販売のノウハウを共有して、効率的なマーケティング活動を進める。
あわせて直販サイト「ソニースタイル」の名称を、ショールームを備えたブランド発信店舗と同じ「ソニーストア」に改める。統一的なブランドイメージの確立を目指す。
マルチメディア放送の事業者選定「ゼロベースで議論」 原口総務相
原口一博総務相は20日、閣議後の記者会見で、2012年春にも始まる携帯端末向け次世代マルチメディア放送のインフラ事業者選定を電波監理審議会(総務相の諮問機関)に一任したことについて、「中立性と客観性を担保するためにもゼロベースで議論を尽くしてもらうことが適当だと判断した」と説明した。
また事業者の決定時期については「すでに準備に入っている段階でもあり、いたずらに伸ばしていいというわけではない」と早期に決定することを強調した。
テレビのアナログ放送後の終了後に空いた周波数帯域を使って展開する携帯マルチメディア放送の事業者の参入枠は1枠で、NTTドコモとKDDI陣営が6月に申請し、一騎打ちとなっている。
総務省が審査を行ってきたが、民主党内から選定の透明性を確保するよう求める声が噴出。このため、総務省は今月17日に、2008年の電波法改正で権限が強化された電監審への一任を決めた。
記者の目◇ソフトバンク株、敵は本能寺にあり?
業績好調にもかかわらずソフトバンクの株価がさえない。7月28日に年初来高値の2629円を付けて以降大きく下落。19日は続伸となったものの終値の2478円は高値より6%安い。株式相場全体の調整に引きずられている面はあるものの、これまでは高機能携帯端末「iPad(アイパッド)」や新型iPhone(アイフォーン)の発売など豊富な話題性を武器に相場調整局面でも逆行高を演じることが少なくなかった。神通力はなぜ消えたのか。
まず業績を再点検しておこう。4~6月期の営業利益は1566億円と四半期としては過去最高を更新。データ通信の契約当たり月間収入(ARPU)は前年同期比2割増の伸びをみせ、NTTドコモ、KDDIに大きく水をあけた。4~7月の累計契約純増数は約98万件に達し、「いまだに予約がさばききれない」(孫正義社長)という新型iPhoneの強さをみせつけている。個別株としてソフトバンクをみるかぎり、売られる理由は見あたらない。
だが、一歩下がってマーケットの全体像を視野に入れると、違う構図が浮かんでくる。
ソフトバンクが高値を付けたのが7月28日。翌29日から8月19日までの16営業日でみると、株価が前日比で上昇したのが7日、下落が9日となる。実はこの間、ぴたりとソフトバンク株と並走した指標がある。信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率(スプレッド)がそれだ。
といっても、ソフトバンク個別のCDSスプレッドではない。ソフトバンクの5年物CDSの保証料率はその間、3.2%程度から約2.3%に大幅に下がっている。ソフトバンクといえば財務体質が弱点だが、「好決算を考慮すれば、格付けは上がるしかない状況」(BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリスト)との声があがるほど評価は高まっている。信用不安が株安を招いているわけではない。
足元でソフトバンク株と連動性が高まっているのは、日本企業全体の信用リスクの大きさを示すCDS指数、アイ・トラックス・ジャパンだ。19日までの16営業日で、CDS指数とソフトバンクの株価が同方向に動いたのは8月3日だけ。残りの15営業日はCDS指数が上がればソフトバンク株が下がり、指数が下がれば株価が上がっている。特にCDS指数が上昇局面に入った5日以降は、両者は完全に逆の動きを示している。CDS指数は上昇がリスクの拡大を示す。日本企業全体に対するリスクの上昇とともにソフトバンクの株価が下落したことになる。
個別企業としての信用力が高まっているのにCDS指数と株価が並走するのは合理的ではないようにみえるが、「投資家のリスク許容度低下」という補助線を引くと違和感は消える。ソフトバンクはメガバンクや値動きの良い材料株と並び、ネット証券の売買代金ランキング上位の常連銘柄。じわりと広がるリスク回避の動きのなかで、短期トレーディングの資金がソフトバンク株から流出しても不思議ではない。
通信は欧米景気の減速や円高の影響も受けにくく、業績への不安感は小さい数少ないセクター。その中でも成長力を兼ねそろえたソフトバンク株への投資に期待を抱く投資家は少なくないだろう。短期的な需給悪化は中長期投資家に絶好の買い場を提供してくれるという解釈もできる。
だが、一段と株式相場の調整や円高が進めば、リスクマネー縮小の「震度」は加速度的に高まりかねない。ソフトバンク株が持つ「短期筋の大好物」という側面は念頭に置いた方が良いだろう。
『PSP 2』は本体背面のタッチセンサーで操作? 複数の開発者からの報告
Eurogamerが件の次世代PSPについて複数の開発者から情報を入手、その仕様について報告しています。
既にソニーはファーストパーティ作品を使って各パブリッシャーへ装置のプレゼンを行っており、ビジネスモデルの構築も済んでいるという現状のよう。
“PSP-3000に近いサイズ”といわれるその次世代PSPでは、“リッチで精彩”な画質もさることながら、際立った機能はゲームを操作する方法にあるといいます。
それは“a touch-sensitive area behind the screen”と紹介されており、おそらく本体の裏側に備えられたタッチセンサーで操作するというもの。
もうひとつ伝えられているのがストレージの問題。
当初ソニーは新型PSPにおけるストレージの解決方法として、ディスクベースのものを検討していたそうですが、開発者たちのフィードバックを受け、フラッシュメモリへ変更するのでは、といわれています。
気になる発売時期について、情報元のひとつは2011年末のローンチを予想。
携帯・医療・車向け先端電子部品、日本勢14社共同開発
日立製作所、オムロンなど電機大手を中心とした14社は微細な機械構造を併せ持つ高機能電子部品を共同開発する。同部品は携帯電話などのほか、医療機器や自動車など幅広い分野で需要が拡大。2015年に1兆円強の市場規模が見込めるが、製造技術では欧米企業が先行、コスト競争力も日本勢を上回る。日本の電機や装置メーカーは互いの技術を持ち寄って開発スピードを上げ、生産コストを5割以上引き下げることを目指す。
共同開発には日立、オムロンのほかパナソニック電工、三菱電機、半導体を受託生産している大日本印刷など14社が参加する。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が約30億円をかけて施設内にシリコンウエハーを微細加工する先端生産設備を設置。各社はこの設備を使って製造ノウハウを蓄積する。設備は11月にも稼働する。
開発する高機能電子部品はMEMS(微小電子機械システム)と呼ばれ、主に速度や圧力を測るセンサーとして用いる。
任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」や米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)に搭載されて需要が拡大。自動車向けの需要も増え、今後は人体に埋め込む血糖値センサーなど医療分野への応用も期待される。
製造技術ではスイスのSTマイクロエレクトロニクスや米テキサス・インスツルメンツ(TI)など欧米勢が先行。日立など日本企業の生産ラインは直径100ミリメートルのシリコンウエハーを使っているが、STとTIは同200ミリメートルのシリコンウエハーを使うため、日本勢より5割以上、生産コストが低いとみられる。
面積を大きくすれば1枚のウエハーから取れるチップの数が増え生産性が上がる。一方で品質は不安定になり製造装置を作り替える必要もある。
このため半導体製造装置のアルバックを含む14社は、各社単独では遅れを挽回(ばんかい)できないと判断。共同開発で200ミリメートルウエハーへの移行を早める。11年秋にも各社が個別に量産に乗り出す計画で、生産コストが互角になれば機能や耐久性で米欧勢より優位に立てると見ている。
調査会社の米アイサプライによると10年のMEMSの市場規模は約50億ドル(約4250億円)の見通し。医療やエネルギー分野などで需要が拡大し、15年には1兆円を超えるとの予測もある。
電子情報技術産業協会(JEITA)は10年の電子部品の世界生産額を16兆5691億円になるとみており、日本企業のシェアは約40%としている。韓国などアジア企業の追い上げで、日本のシェアは04~06年の約50%から10ポイント低下した。日本企業はMEMSなど利益率の高い高機能電子部品で巻き返す。
シャープ、月内に液晶パネル減産 堺工場で2~3割
米中でテレビ在庫膨らむ
シャープが月内に液晶テレビ用パネルの生産調整に入ることが19日、分かった。米国や中国などで高価格帯テレビの流通在庫が積み上がっており、同社の主力工場で、フル生産を計画していた堺工場(堺市)の稼働率を2~3割引き下げる。薄型テレビ市場は金融危機後に2009年春から回復基調を続けたが、韓国LGディスプレーも生産調整を検討しており、需要拡大は踊り場を迎える可能性がある。
生産調整の期間は1~2カ月の予定。堺工場は40型以上の大型パネルを生産する最新鋭工場で、09年10月に稼働し今年7月にフル稼働体制を整えたばかり。40型テレビ換算で月約130万台のフル生産能力があるが、ソニーなど外部メーカー向けの生産を減らす。
一方、自社製テレビ用パネルは計画通り生産し、中小型テレビ用パネルを生産する亀山工場(三重県亀山市)はフル稼働を続ける。今年度のテレビ世界販売計画1500万台(09年度比47%増)は現時点では変えない。今期の連結営業利益は前期比2.3倍の1200億円を見込むが、パネルの外販減少で100億~200億円規模で計画を下回る公算が大きい。
TV用液晶パネル一段安 中国などで過剰在庫
薄型テレビ用液晶パネルの取引価格が一段と下がった。下落率は前月比で2~3%。中国市場を中心に、テレビ在庫が過剰となっているためだ。欧米市場で需要の先行き不透明感が強まっていることも響いた。今後について、年内は下落が続くとの見方と、在庫調整が進めば上昇に転じるとの見通しが交錯している。
テレビ用液晶パネルの主力、32型(蛍光管型、中心値)の大口需要家向け価格は1枚196ドルと6月末に比べて4ドル(2%)安い。42型は315ドルが中心で、約3%値下がりした。
シェアの拡大を狙い、テレビ各社が今年前半に旺盛に生産した反動が出ている。「2010年の需要は1億8800万台と予測しているが、各社が販売計画通りに生産すると供給は数千万台上回る」(米ディスプレイサーチ)との指摘も出ている。
特に中国市場の過剰在庫が目立ち、「倉庫は在庫で山積み」(国内の部品メーカー)との声もある。中国のテレビメーカーはパネル価格が下がらなかったため低価格戦略を取れず、販売面で日本や韓国の製品に苦戦した。
金融不安がくすぶる欧州や、景気指標の悪化が目立つ米国の需要減速懸念も影響した。現時点で需要の明確な落ち込みはないが、テレビメーカーは出荷を抑えつつある。「ユーロ安で輸出採算が悪化していることも出荷抑制につながっている」(韓国のテレビ大手)
台湾では大手4社の6月の大型パネル出荷量が前月に比べ6%減った。韓国勢はLED(発光ダイオード)パネルが好調でフル生産を続けているが、LGディスプレー幹部は「稼働率は弾力的に変更する」と、減産の可能性を示唆した。
今後の価格動向について、市場関係者の見方は割れている。生産調整に加え、クリスマス商戦や中国の国慶節(建国記念日)に向けてテレビ生産が増えれば、秋口には反発するとの予測がある。一方、今年後半はパネルの供給能力が高まることから下げ圧力が一層強まるとの指摘も出ている。
CCC、音楽CD売り場を全国で4割縮小
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は来年3月までに、全国の音楽CD売り場を現在比で4割縮小する。新作の売り場は維持する一方、発売後2カ月以上たった旧作の売り場を縮小してレンタル向けに転用する。同社は音楽CD販売最大手だが、市場はこの10年で半減しており、新作販売とレンタルを強化して収益悪化を防ぐ。
CCCが展開する「TSUTAYA」約1400店のうち、CD販売を手がけるのは820店。合計のCD売り場面積は11万2千平方メートルで、これを7万平方メートルに縮小する。旧作売り場を現在の半分の3万5千平方メートルに圧縮。空いたスペースはレンタル向けなどに切り替える。
TSUTAYAのCD販売の小売りベースの売上高は、2010年3月期で648億円。有力フランチャイズチェーン(FC)加盟店の離脱もあり、前の期比で25%減少した。TSUTAYAのみで扱う限定CDなど商品も投入し、一段の減収を防ぎたい考え。
日本レコード協会によると、09年の音楽CD生産額は2460億円で、音楽配信や無料メディアの台頭により00年に比べて53%減った。
楽天、旅行ネット販売強化 携帯電話から予約しやすく
4~6月2割増 「国内」取扱高4位
楽天はインターネットで販売する旅行事業を強化する。子会社で旅行ネット販売の専業最大手である楽天トラベル(東京・品川)は今年4~6月の国内旅行の取扱高が前年同期に比べ2割増え、この分野で業界4位につけた。利用者が獲得ポイントを楽天の仮想商店街で使える利点を強みに、携帯電話からもネットで予約しやすくするなど攻勢をかける。ネット販売はJTBなど既存の大手も拡大しており、価格や品ぞろえの競争が激しくなりそうだ。
楽天トラベルの4~6月の国内旅行の取扱高は、前年同期比21%増の526億円。同分野で3位の日本旅行(567億円)を猛追している。楽天トラベルの顧客は旅行予約で獲得したポイントを、楽天の通販サイト「楽天市場」で利用できる。取引先の国内宿泊施設は2万4千軒と、JTBがネットで予約を受け付ける1万5千軒を上回る。
楽天トラベルはパソコンからの予約が大半。携帯電話からも利用でき、高機能携帯電話(スマートフォン)からの予約を増やすため、19日から米グーグルの携帯向け基本ソフト「アンドロイド」搭載の機器で使えるソフトを無料で配布。全地球測位システム(GPS)を使い現在地付近の宿泊施設を検索、施設の口コミ情報をメールや簡易ブログ「ツイッター」に転送できるようにするなど、従来の携帯向けサイトにない機能を加えた。
楽天の旅行事業の売上高は2009年12月期で193億円(前の期比19%増)と連結の6%、営業利益は88億円(同18%増)と16%を占める。一休が運営する予約サイト「一休・com」の10年3月期の取扱高は客室料金低下で前の期より1%減っており、楽天トラベルの好調ぶりが目立つ。
米インテル、ウイルスソフトのマカフィーを買収
【ニューヨーク=小谷野太郎】半導体世界最大手の米インテルは19日、インターネット・ウイルス対策ソフト大手の米マカフィーを買収すると発表した。マカフィーの株式を1株48ドルで買い取り、買収総額は76億8000万ドル(約6550億円)になる見通しだ。
インターネット経由でソフトウエアなどを提供する「クラウド・コンピューティング事業」の普及をにらみ、顧客に対して、半導体とソフトをともに提供できるようにする。ネットに接続された環境が広がる中で、コンピューターの安全性を高めていく必要があると判断した。
マカフィーは1987年創業で、シマンテックやトレンドマイクロなどと並ぶウイルス対策ソフトの大手。
安全性も総合力勝負に インテル、マカフィー買収の背景
【シリコンバレー=岡田信行】半導体最大手のインテルが、インターネットセキュリティー対策のマカフィーを買収する背景には、ネット接続の主役がパソコンから、高機能携帯電話(スマートフォン)やテレビなど様々な機器に広がり、安全・安心なネットの重要性が増していることがある。機器やソフトの区分を超えた総合的な安全性確保が、IT(情報技術)業界の合従連衡を促す軸の一つとなりそうだ。
パソコン全盛期には、インテルはパソコン用MPU(超小型演算処理装置)、マカフィーはパソコン用のウイルス対策ソフトにそれぞれ注力すればよかった。しかし、機器の多様化でインテルは携帯向け半導体などに強い他メーカーとの競争を強いられて苦戦。マカフィーは、ネット経由でソフトや機能を提供する「クラウドコンピューティング」の普及で無料のソフトやサービスの脅威にさらされている。
ネット接続の主戦場となりつつある携帯やテレビはパソコンと異なり、端末の種類が幅広く、搭載できる半導体やソフト、機能にも制約が多い。開発費もかさむため、「インテル傘下に入ることでセキュリティー技術に注力できる」(マカフィーのデイブ・デウォルト最高経営責任者)。インテルもセキュリティー技術を取り込んだ半導体を開発し、パソコン以外の分野でも主導権確保を狙う。
たばこ最大値上げ、景気判断「攪乱」 個人消費、反動減0.5%超か
「10月のたばこ値上げによる反動減は国内総生産(GDP)を大きく押し下げる可能性がある」-。こんなリポートを第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストがまとめた。新家氏は過去4回の値上げ時に個人消費(GDPベース、前期比)が駆け込み需要で平均0.2~0.3%押し上げられ、その反動減で0.5%押し下げられたと試算。今回の値上げ幅は1箱100円以上と過去最大で、「値上げの影響は過去よりもかなり大きくなる可能性がある」と分析している。
近年のたばこ値上げは、消費税率が引き上げられた1997年とたばこ増税が実施された98、2003、06年。いずれも1箱当たり10~30円値上げされている。
試算では過去4回の値上げ時に、個人消費が駆け込み需要で押し上げられた半面、反動減がそれよりも大きかったことが分かった。平均すると、駆け込み需要で個人消費は年率換算で1%前後増加し、反動減で約2%減少したため、年度全体ではマイナスの影響が生じていた。
今年10月のたばこ増税の幅は1本当たり3.5円と大きく、需要減をカバーするためのメーカー側の値上げもあり、主力商品の値上げ幅は1箱当たり100円以上とかつてなく大きい。反動減はかなりの大きさが予想されるほか、値上げをきっかけに禁煙する人も多いとみられる。
9月末のエコカー補助金打ち切りをにらんだ駆け込み需要も相まって、GDPはたばこ値上げ前の7~9月期には大きく押し上げられるが、10~12月期は大幅な反動減が生じる見通しだ。GDPの6割弱を占める個人消費は、たばこ値上げを含めて「攪乱(かくらん)要因が目白押し」(新家氏)で、景気動向の見極めを難しくしている。
日経社説
経済を軽視し権力闘争に興じる民主党
民主党で9月の代表選をにらんだ動きが活発化してきた。参院選の敗北を受けて菅直人首相の続投の是非が最大の焦点だが、内向きの権力闘争に終始するような姿勢は大いに疑問である。円高や株安で景気の減速懸念が強まるなか、経済運営への危機感が伝わってこない。
鳩山由紀夫前首相の支持グループは19日、長野県軽井沢町で研修会を開いた。参加した議員は約160人に達し、小沢一郎前幹事長と同氏に近い議員も参加した。
小沢氏の支持グループは首相の政権運営に批判的な立場をとっている。研修会への出席は鳩山グループとの結束を示す意味があり、小沢氏は「お互い力を合わせて国民の期待に応えられるようやりましょう」とあいさつした。
代表選は9月1日告示―14日投票の日程で争われる。すでに出馬を表明したのは首相だけで、鳩山氏は現時点では「挙党態勢の構築」を条件に首相再選を支持する立場だ。
ただ鳩山、小沢両グループ内には独自候補の擁立に向けて協力を模索する動きが加速している。小沢氏本人の出馬に期待する声も根強い。
民主的に党のリーダーを決める手続きは重要である。しかし民主党は政権与党であり、代表選は首相選びに直結する。参院選の直前に選んだ菅氏を、もし在任3カ月で交代させるのであれば、国民に対し明確な説明がいる。新首相は直ちに衆院解散・総選挙で信を問うのが筋だろう。
特に違和感を覚えるのは、鳩山、小沢両氏に近い勢力の動きが目立つ点だ。両氏は前政権の責任者であり、米軍普天間基地の移設先や「政治とカネ」を巡る問題で辞任に追い込まれた。十分な総括をしないうちに復権に動き出した印象が強い。
小沢氏に近い議員は「消費税論議の棚上げと衆院選マニフェスト(政権公約)の重視」を訴えている。だが財源の手当てをせずに合計で約17兆円にのぼる重点政策を実現するのは不可能であり、公約の大幅な見直しは避けて通れない。
日本を取り巻く環境は様変わりし、経済や外交、安全保障などで政治の指導力が見えないことに、内外の懸念が深まっている。円高は企業の収益を圧迫し、雇用への深刻な影響も予想されるのに、政府・与党の対応は極めて鈍い。
首相は経済の活性化や財政再建に意欲を示してきたが、具体的な道筋はいまだに見えてこない。問われているのは民主党の政権担当能力そのものである。政策論抜きの党内政局に興じている余裕はないはずだ。
Eurogamerが件の次世代PSPについて複数の開発者から情報を入手、その仕様について報告しています。
既にソニーはファーストパーティ作品を使って各パブリッシャーへ装置のプレゼンを行っており、ビジネスモデルの構築も済んでいるという現状のよう。
“PSP-3000に近いサイズ”といわれるその次世代PSPでは、“リッチで精彩”な画質もさることながら、際立った機能はゲームを操作する方法にあるといいます。
それは“a touch-sensitive area behind the screen”と紹介されており、おそらく本体の裏側に備えられたタッチセンサーで操作するというもの。
もうひとつ伝えられているのがストレージの問題。
当初ソニーは新型PSPにおけるストレージの解決方法として、ディスクベースのものを検討していたそうですが、開発者たちのフィードバックを受け、フラッシュメモリへ変更するのでは、といわれています。
気になる発売時期について、情報元のひとつは2011年末のローンチを予想。
携帯・医療・車向け先端電子部品、日本勢14社共同開発
日立製作所、オムロンなど電機大手を中心とした14社は微細な機械構造を併せ持つ高機能電子部品を共同開発する。同部品は携帯電話などのほか、医療機器や自動車など幅広い分野で需要が拡大。2015年に1兆円強の市場規模が見込めるが、製造技術では欧米企業が先行、コスト競争力も日本勢を上回る。日本の電機や装置メーカーは互いの技術を持ち寄って開発スピードを上げ、生産コストを5割以上引き下げることを目指す。
共同開発には日立、オムロンのほかパナソニック電工、三菱電機、半導体を受託生産している大日本印刷など14社が参加する。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が約30億円をかけて施設内にシリコンウエハーを微細加工する先端生産設備を設置。各社はこの設備を使って製造ノウハウを蓄積する。設備は11月にも稼働する。
開発する高機能電子部品はMEMS(微小電子機械システム)と呼ばれ、主に速度や圧力を測るセンサーとして用いる。
任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」や米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)に搭載されて需要が拡大。自動車向けの需要も増え、今後は人体に埋め込む血糖値センサーなど医療分野への応用も期待される。
製造技術ではスイスのSTマイクロエレクトロニクスや米テキサス・インスツルメンツ(TI)など欧米勢が先行。日立など日本企業の生産ラインは直径100ミリメートルのシリコンウエハーを使っているが、STとTIは同200ミリメートルのシリコンウエハーを使うため、日本勢より5割以上、生産コストが低いとみられる。
面積を大きくすれば1枚のウエハーから取れるチップの数が増え生産性が上がる。一方で品質は不安定になり製造装置を作り替える必要もある。
このため半導体製造装置のアルバックを含む14社は、各社単独では遅れを挽回(ばんかい)できないと判断。共同開発で200ミリメートルウエハーへの移行を早める。11年秋にも各社が個別に量産に乗り出す計画で、生産コストが互角になれば機能や耐久性で米欧勢より優位に立てると見ている。
調査会社の米アイサプライによると10年のMEMSの市場規模は約50億ドル(約4250億円)の見通し。医療やエネルギー分野などで需要が拡大し、15年には1兆円を超えるとの予測もある。
電子情報技術産業協会(JEITA)は10年の電子部品の世界生産額を16兆5691億円になるとみており、日本企業のシェアは約40%としている。韓国などアジア企業の追い上げで、日本のシェアは04~06年の約50%から10ポイント低下した。日本企業はMEMSなど利益率の高い高機能電子部品で巻き返す。
シャープ、月内に液晶パネル減産 堺工場で2~3割
米中でテレビ在庫膨らむ
シャープが月内に液晶テレビ用パネルの生産調整に入ることが19日、分かった。米国や中国などで高価格帯テレビの流通在庫が積み上がっており、同社の主力工場で、フル生産を計画していた堺工場(堺市)の稼働率を2~3割引き下げる。薄型テレビ市場は金融危機後に2009年春から回復基調を続けたが、韓国LGディスプレーも生産調整を検討しており、需要拡大は踊り場を迎える可能性がある。
生産調整の期間は1~2カ月の予定。堺工場は40型以上の大型パネルを生産する最新鋭工場で、09年10月に稼働し今年7月にフル稼働体制を整えたばかり。40型テレビ換算で月約130万台のフル生産能力があるが、ソニーなど外部メーカー向けの生産を減らす。
一方、自社製テレビ用パネルは計画通り生産し、中小型テレビ用パネルを生産する亀山工場(三重県亀山市)はフル稼働を続ける。今年度のテレビ世界販売計画1500万台(09年度比47%増)は現時点では変えない。今期の連結営業利益は前期比2.3倍の1200億円を見込むが、パネルの外販減少で100億~200億円規模で計画を下回る公算が大きい。
TV用液晶パネル一段安 中国などで過剰在庫
薄型テレビ用液晶パネルの取引価格が一段と下がった。下落率は前月比で2~3%。中国市場を中心に、テレビ在庫が過剰となっているためだ。欧米市場で需要の先行き不透明感が強まっていることも響いた。今後について、年内は下落が続くとの見方と、在庫調整が進めば上昇に転じるとの見通しが交錯している。
テレビ用液晶パネルの主力、32型(蛍光管型、中心値)の大口需要家向け価格は1枚196ドルと6月末に比べて4ドル(2%)安い。42型は315ドルが中心で、約3%値下がりした。
シェアの拡大を狙い、テレビ各社が今年前半に旺盛に生産した反動が出ている。「2010年の需要は1億8800万台と予測しているが、各社が販売計画通りに生産すると供給は数千万台上回る」(米ディスプレイサーチ)との指摘も出ている。
特に中国市場の過剰在庫が目立ち、「倉庫は在庫で山積み」(国内の部品メーカー)との声もある。中国のテレビメーカーはパネル価格が下がらなかったため低価格戦略を取れず、販売面で日本や韓国の製品に苦戦した。
金融不安がくすぶる欧州や、景気指標の悪化が目立つ米国の需要減速懸念も影響した。現時点で需要の明確な落ち込みはないが、テレビメーカーは出荷を抑えつつある。「ユーロ安で輸出採算が悪化していることも出荷抑制につながっている」(韓国のテレビ大手)
台湾では大手4社の6月の大型パネル出荷量が前月に比べ6%減った。韓国勢はLED(発光ダイオード)パネルが好調でフル生産を続けているが、LGディスプレー幹部は「稼働率は弾力的に変更する」と、減産の可能性を示唆した。
今後の価格動向について、市場関係者の見方は割れている。生産調整に加え、クリスマス商戦や中国の国慶節(建国記念日)に向けてテレビ生産が増えれば、秋口には反発するとの予測がある。一方、今年後半はパネルの供給能力が高まることから下げ圧力が一層強まるとの指摘も出ている。
CCC、音楽CD売り場を全国で4割縮小
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は来年3月までに、全国の音楽CD売り場を現在比で4割縮小する。新作の売り場は維持する一方、発売後2カ月以上たった旧作の売り場を縮小してレンタル向けに転用する。同社は音楽CD販売最大手だが、市場はこの10年で半減しており、新作販売とレンタルを強化して収益悪化を防ぐ。
CCCが展開する「TSUTAYA」約1400店のうち、CD販売を手がけるのは820店。合計のCD売り場面積は11万2千平方メートルで、これを7万平方メートルに縮小する。旧作売り場を現在の半分の3万5千平方メートルに圧縮。空いたスペースはレンタル向けなどに切り替える。
TSUTAYAのCD販売の小売りベースの売上高は、2010年3月期で648億円。有力フランチャイズチェーン(FC)加盟店の離脱もあり、前の期比で25%減少した。TSUTAYAのみで扱う限定CDなど商品も投入し、一段の減収を防ぎたい考え。
日本レコード協会によると、09年の音楽CD生産額は2460億円で、音楽配信や無料メディアの台頭により00年に比べて53%減った。
楽天、旅行ネット販売強化 携帯電話から予約しやすく
4~6月2割増 「国内」取扱高4位
楽天はインターネットで販売する旅行事業を強化する。子会社で旅行ネット販売の専業最大手である楽天トラベル(東京・品川)は今年4~6月の国内旅行の取扱高が前年同期に比べ2割増え、この分野で業界4位につけた。利用者が獲得ポイントを楽天の仮想商店街で使える利点を強みに、携帯電話からもネットで予約しやすくするなど攻勢をかける。ネット販売はJTBなど既存の大手も拡大しており、価格や品ぞろえの競争が激しくなりそうだ。
楽天トラベルの4~6月の国内旅行の取扱高は、前年同期比21%増の526億円。同分野で3位の日本旅行(567億円)を猛追している。楽天トラベルの顧客は旅行予約で獲得したポイントを、楽天の通販サイト「楽天市場」で利用できる。取引先の国内宿泊施設は2万4千軒と、JTBがネットで予約を受け付ける1万5千軒を上回る。
楽天トラベルはパソコンからの予約が大半。携帯電話からも利用でき、高機能携帯電話(スマートフォン)からの予約を増やすため、19日から米グーグルの携帯向け基本ソフト「アンドロイド」搭載の機器で使えるソフトを無料で配布。全地球測位システム(GPS)を使い現在地付近の宿泊施設を検索、施設の口コミ情報をメールや簡易ブログ「ツイッター」に転送できるようにするなど、従来の携帯向けサイトにない機能を加えた。
楽天の旅行事業の売上高は2009年12月期で193億円(前の期比19%増)と連結の6%、営業利益は88億円(同18%増)と16%を占める。一休が運営する予約サイト「一休・com」の10年3月期の取扱高は客室料金低下で前の期より1%減っており、楽天トラベルの好調ぶりが目立つ。
米インテル、ウイルスソフトのマカフィーを買収
【ニューヨーク=小谷野太郎】半導体世界最大手の米インテルは19日、インターネット・ウイルス対策ソフト大手の米マカフィーを買収すると発表した。マカフィーの株式を1株48ドルで買い取り、買収総額は76億8000万ドル(約6550億円)になる見通しだ。
インターネット経由でソフトウエアなどを提供する「クラウド・コンピューティング事業」の普及をにらみ、顧客に対して、半導体とソフトをともに提供できるようにする。ネットに接続された環境が広がる中で、コンピューターの安全性を高めていく必要があると判断した。
マカフィーは1987年創業で、シマンテックやトレンドマイクロなどと並ぶウイルス対策ソフトの大手。
安全性も総合力勝負に インテル、マカフィー買収の背景
【シリコンバレー=岡田信行】半導体最大手のインテルが、インターネットセキュリティー対策のマカフィーを買収する背景には、ネット接続の主役がパソコンから、高機能携帯電話(スマートフォン)やテレビなど様々な機器に広がり、安全・安心なネットの重要性が増していることがある。機器やソフトの区分を超えた総合的な安全性確保が、IT(情報技術)業界の合従連衡を促す軸の一つとなりそうだ。
パソコン全盛期には、インテルはパソコン用MPU(超小型演算処理装置)、マカフィーはパソコン用のウイルス対策ソフトにそれぞれ注力すればよかった。しかし、機器の多様化でインテルは携帯向け半導体などに強い他メーカーとの競争を強いられて苦戦。マカフィーは、ネット経由でソフトや機能を提供する「クラウドコンピューティング」の普及で無料のソフトやサービスの脅威にさらされている。
ネット接続の主戦場となりつつある携帯やテレビはパソコンと異なり、端末の種類が幅広く、搭載できる半導体やソフト、機能にも制約が多い。開発費もかさむため、「インテル傘下に入ることでセキュリティー技術に注力できる」(マカフィーのデイブ・デウォルト最高経営責任者)。インテルもセキュリティー技術を取り込んだ半導体を開発し、パソコン以外の分野でも主導権確保を狙う。
たばこ最大値上げ、景気判断「攪乱」 個人消費、反動減0.5%超か
「10月のたばこ値上げによる反動減は国内総生産(GDP)を大きく押し下げる可能性がある」-。こんなリポートを第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストがまとめた。新家氏は過去4回の値上げ時に個人消費(GDPベース、前期比)が駆け込み需要で平均0.2~0.3%押し上げられ、その反動減で0.5%押し下げられたと試算。今回の値上げ幅は1箱100円以上と過去最大で、「値上げの影響は過去よりもかなり大きくなる可能性がある」と分析している。
近年のたばこ値上げは、消費税率が引き上げられた1997年とたばこ増税が実施された98、2003、06年。いずれも1箱当たり10~30円値上げされている。
試算では過去4回の値上げ時に、個人消費が駆け込み需要で押し上げられた半面、反動減がそれよりも大きかったことが分かった。平均すると、駆け込み需要で個人消費は年率換算で1%前後増加し、反動減で約2%減少したため、年度全体ではマイナスの影響が生じていた。
今年10月のたばこ増税の幅は1本当たり3.5円と大きく、需要減をカバーするためのメーカー側の値上げもあり、主力商品の値上げ幅は1箱当たり100円以上とかつてなく大きい。反動減はかなりの大きさが予想されるほか、値上げをきっかけに禁煙する人も多いとみられる。
9月末のエコカー補助金打ち切りをにらんだ駆け込み需要も相まって、GDPはたばこ値上げ前の7~9月期には大きく押し上げられるが、10~12月期は大幅な反動減が生じる見通しだ。GDPの6割弱を占める個人消費は、たばこ値上げを含めて「攪乱(かくらん)要因が目白押し」(新家氏)で、景気動向の見極めを難しくしている。
日経社説
経済を軽視し権力闘争に興じる民主党
民主党で9月の代表選をにらんだ動きが活発化してきた。参院選の敗北を受けて菅直人首相の続投の是非が最大の焦点だが、内向きの権力闘争に終始するような姿勢は大いに疑問である。円高や株安で景気の減速懸念が強まるなか、経済運営への危機感が伝わってこない。
鳩山由紀夫前首相の支持グループは19日、長野県軽井沢町で研修会を開いた。参加した議員は約160人に達し、小沢一郎前幹事長と同氏に近い議員も参加した。
小沢氏の支持グループは首相の政権運営に批判的な立場をとっている。研修会への出席は鳩山グループとの結束を示す意味があり、小沢氏は「お互い力を合わせて国民の期待に応えられるようやりましょう」とあいさつした。
代表選は9月1日告示―14日投票の日程で争われる。すでに出馬を表明したのは首相だけで、鳩山氏は現時点では「挙党態勢の構築」を条件に首相再選を支持する立場だ。
ただ鳩山、小沢両グループ内には独自候補の擁立に向けて協力を模索する動きが加速している。小沢氏本人の出馬に期待する声も根強い。
民主的に党のリーダーを決める手続きは重要である。しかし民主党は政権与党であり、代表選は首相選びに直結する。参院選の直前に選んだ菅氏を、もし在任3カ月で交代させるのであれば、国民に対し明確な説明がいる。新首相は直ちに衆院解散・総選挙で信を問うのが筋だろう。
特に違和感を覚えるのは、鳩山、小沢両氏に近い勢力の動きが目立つ点だ。両氏は前政権の責任者であり、米軍普天間基地の移設先や「政治とカネ」を巡る問題で辞任に追い込まれた。十分な総括をしないうちに復権に動き出した印象が強い。
小沢氏に近い議員は「消費税論議の棚上げと衆院選マニフェスト(政権公約)の重視」を訴えている。だが財源の手当てをせずに合計で約17兆円にのぼる重点政策を実現するのは不可能であり、公約の大幅な見直しは避けて通れない。
日本を取り巻く環境は様変わりし、経済や外交、安全保障などで政治の指導力が見えないことに、内外の懸念が深まっている。円高は企業の収益を圧迫し、雇用への深刻な影響も予想されるのに、政府・与党の対応は極めて鈍い。
首相は経済の活性化や財政再建に意欲を示してきたが、具体的な道筋はいまだに見えてこない。問われているのは民主党の政権担当能力そのものである。政策論抜きの党内政局に興じている余裕はないはずだ。
PlayStation4が2012年に発売?ネットで憶測飛び交う
次世代ゲーム機PlayStation4が、2012年に発売されるのではないかという噂がたちこめている。これは海外のニュースサイト『neowin』が報じているもので、PlaystStion4を開発しているという情報をキャッチしたという。それによると、既に仕様などが業者には知らされており、2012年の発売に向けて開発が進められているという。PlayStation3も泣かず飛ばずの状態で、起死回生もないまま、3を見捨て、4の発売に踏み切るのか否かが、論点となっている。
■Neowin.net - Playstation 4 games in development says Sony
上記の『Neowin』の内容を要約すると
オーストラリアのゲーム雑誌『Game Informe』によると、ソニーがPlayStation4 のために
ゲームを準備しているという
PlayStation4は多くのアナリストによって予測され、恐らく2012年に発売されるのではないかと言われている。
またソニーはサードパーティにゲームを開発するように準備を進め開発用コンソールなどを提供しているという。
2012年といえば、PlayStation3がちょうど6年目となる大きな節目PlayStation2が2000年に発売され、PlayStation3が2006年に発売そう考えると、PlayStation4が2012年に発売されても何ら不思議ではない。
果たして本当にPlayStation4の発売はあるのか。
このままPlayStation3は廃れていくのか。
2ちゃんねるでも様々な議論が交わされている
2ちゃんねるの反応
・マジかよ糞箱売ってくる
・ps3買おうと思ってけどこれは待ちだな
・PS3ってなんだったの?ゴミ?
・2012年リリース予定か
・PS4はPS2のソフトが動くのか?
・あと5年はPS3、360レベルのグラフィックでいいんじゃないか?
・出るわけねーじゃんPS3ですら開発が付いてこられないんだぜ
・PS4なんて誰も求めてないよ
・Wii爆死までのマヂクが点灯か!?!?!?
・次世代機はどの陣営も失敗すると思うわ
・今度のPS4はWiiと互換性があります
・PSP2すらなさそうなのにPS4とかwwwwwwwwwwwwwwwwww
・PS3エミュすらないのに
・ようやくPS3始まったとこなんだが。。。
・今以上に性能向上させても、ソフトの開発費がやばい事になるだけじゃね?
・流石にPS3互換はあるだろ
・PS5がソニーの本気
・PS 1994年12月3日、PS2 2000年3月4日、PS3 2006年11月11日まぁ2012年が妥当か
PS4は完全ネットワーク対応で、ソフトウェアは、iPhoneのようにオンラインで買う形でPS1~3のゲームがすべて遊べるという仕様であればなんとなく欲しい気もしますね。
バンダイナムコ、世界最大交流サイトにゲーム配信 5億人開拓
ゲームソフト大手のバンダイナムコゲームスは19日、海外の交流サイト(SNS)へのゲーム配信を本格化すると発表した。利用者が5億人を超える世界最大のSNS「フェースブック」向けに、8月下旬にも課金システムを組み込んだゲームの提供をはじめる。従来型の家庭用ゲーム市場は伸びが見込みにくいため、成長分野を開拓して有力な収益源に育てる考えだ。
実在するサッカーチームの架空の株を運用するゲームと、サイト上の仲間とチームを作って冒険するゲームの2作品を配信する。基本利用は無料で、ゲームを有利に進めるための道具などに課金して収益を得る。
バンダイナムコは国内SNSのミクシィなどにゲームを配信している。フェースブック向けにも今年1月にゲームを配信しているが、課金システムを組み入れていなかった。
ソニー、コスト改善へTVのプラットフォーム統一
ソニーは2012年をめどにODM(相手先ブランドによる設計・生産)を除く液晶テレビについて、製品開発の基盤となる半導体やソフトウエアで構成するプラットフォームを一つにする。現在五つあるプラットフォームを集約し、商品開発のスピードアップとコスト削減につなげる。
外部調達していた半導体も自社開発に切り替え、共通化を後押しする。ソニーのテレビ事業は10年4―6月期に黒字化したが、依然として競合他社に比べ固定費比率が高いためモノづくりの抜本的な改革を進める。
共通化するのは画像や信号処理など中核となるシステムLSIと、基本ソフト(OS)の機能を拡張するミドルウエアまでのソフト部分。OSはデジタル家電で多く使われている「リナックス」をベースにしており、今年秋に発売する高機能機種は米グーグルが開発したOS「アンドロイド」を活用する。
Chrome OSタブレットは11月26日登場か:
Google、ゲームにフォーカスした「Chrome Web Store」を10月に開設へ
米Googleの開発担当者マーク・デローラ氏とマイケル・マヘモフ氏は、欧州で開催された「Games Developer Conference」において「Chrome Web Store」の開設準備状況を説明した。このカンファレンスでChrome Web Storeの説明があったのは、同ストアの主眼がWebユーザーへのオンラインゲームの提供に置かれるからだ。
Googleは5月19日(米国時間)に、「Google I/O」カンファレンスでChrome Web Storeを発表した。同ストアは、開発者が無償あるいは有償のChrome用Webアプリをコンシューマーに提供するのを支援するのが目的だ。
約7000万人のGoogle Chrome Webブラウザのユーザーは、同ストアでWebアプリを検索できるだけでなく、Chrome内にショートカットを作成して容易にアクセスできるようになる。
Chrome Web Storeは米AppleのApp Storeと競合することになる(Android MarketだけがApp Storeのライバルである必要はない)が、同ストアではAndroidスマートフォン向けのアプリではなく、Chrome搭載タブレットなどの端末向けのアプリを提供する。
ゲーム専門ブログの1Up.comによると、Google幹部らはGames Developer Conferenceにおいて、Chrome Web Storeは10月に営業を開始する予定だと話した。
Googleはアプリ販売代金の5%を手数料として徴収し、残りは開発者の取り分となる。アプリ販売代金の20~30%を手数料として取られるのに不満を抱いているプログラマーにとって、これは確かに魅力的な条件だ。
Chromeはなぜゲームに向いているのだろうか。「もちろん、高速だからだ」とデローラ氏はプレゼンテーションで語った。
Chrome Web Store自体がまだ立ち上がっていないのだから、そう言われてもピンと来ない。では、同ストアがこれほど注目されるのはなぜなのだろうか。
Chrome Web Storeの成功の鍵を握るのは、開発中の「Chrome OS」だ。
Download Squadの未確認スクープ記事によると、Chrome OSを搭載した最初のタブレット型コンピュータは、クリスマス休暇に間に合う11月26日に登場する予定だ。
Chrome OSタブレットは、Chrome Web Storeから提供されるゲームをプレイするのに適した端末になりそうだ。では、Googleの真の狙いはどこにあるのだろうか。
Chrome Web StoreおよびChrome OSタブレットが登場するころに、Googleは「Google TV」をリリースする予定だ。これはChrome用Webアプリとテレビ番組を大画面テレビ上で統合するシステムで、キーパッドを備えた特殊なリモコンで操作する。
Google TVが本当に登場すれば、ユーザーはさらに大きな画面でゲームを楽しめるようになるだろう。
この間のGoogleの動きを見れば、Webアプリ(特にゲーム)、そしてユーザーがオンラインでゲームに参加する機能が、SNS(ソーシャルネットワーク)分野を狙ったGoogleの計画(「Google Me」と呼ばれているようだ)の中心にあることは明らかだ。
Googleはソーシャルゲーム企業の米Zyngaに1億ドルを投資し、ソーシャルアプリメーカーの米Slideおよびイスラエルの新興ゲーム企業LabPixiesを買収し、さらに先週には仮想通貨システムの新興企業の米Jamboolを獲得した。
「Plants vs. Zombies」などのゲームにフォーカスすると思われるChrome Web Storeは、このパズルを埋める大きなピースになるかもしれない。
ユーザーがSNSサービスのGoogle Meを通じてChrome Web Storeからダウンロードしたゲームにアクセスし、ほかのユーザーとオンライン上で一緒にプレイするといった状況を想像していただきたい。米Facebookも真っ青といったところだろう。
要するに、ゲームは現在、Googleが最重視している分野だということだ。
「写真をプリントしない」若者の8割以上
インターネット交流サイト「ミクシィ」が集計したアンケート調査によると、ネット上に写真を投稿した10~30歳代の8割以上が写真をプリントせず、パソコンや携帯電話のディスプレー上で「見る」ためだけに撮影していることが分かった。
調査結果では「プリントしたことがない」(19%)「プリントしない場合が多い」(64%)が、「プリントする方が多い」(14%)「すべてプリントする」(2%)を大きく上回った。プリントしない理由は「手間がかかるから」が10代で半数に達している。
ネット上に写真を投稿する理由は「近況を報告するため」(67%)が最も多く、友人とのコミュニケーションに欠かせない手法になっている。調査は7月23~26日に「mixiフォト」の15~39歳の利用者を対象に実施。1653人から回答を得た。
ありがとう僕らのHMV渋谷――「フェスウィキ」に特設ページ、Twitterでコメント募集
ありがとう僕らのHMV渋谷――クリプトン・フューチャー・メディアは8月19日、音楽イベント情報サイト「フェスウィキ」で、8月22日に閉店するHMV渋谷店への思いをTwitterを通じて集め、表示した特設ページを開設した。
19日は同店で終日「HMV渋谷 おつかれサマーフェス!」という“フェス”を開催。特設ページでは同店への感謝の気持ちなどを、Twitterのハッシュタグ「#HMVshibuya」でつぶやいてもらい、特設ページに表示する。「いつも通ってたなァ」といった思い出コメントや、「さみしいです」と閉店を惜しむ声が投稿されている。イベント中の同店の写真も随時紹介している。
同店はHMVの日本第1号店として1990年にオープンし、98年に現在地に移転。“渋谷系”と呼ばれた音楽の発信地としても親しまれたが、HMVジャパンが進める店舗リストラの一環で撤退が決まった。
ソフトバンク、さまざまな割引特典を提供する「とくするライフ」
ソフトバンクモバイルは、ベネフィット・ワンと協力して、飲食店やレジャー施設、宿泊施設などを割引価格で利用できるなど、さまざまな特典を提供するサイト「とくするライフ」を9月1日より提供する。利用料は月額315円。
「とくするライフ」は、Yahoo!ケータイ対応機種で利用できる特典提供サイト。国内外の旅行やスポーツ施設、飲食店、レジャー施設など12カテゴリー、6万件以上の優待サービスが利用できる。優待サービスの主な提供企業として、「居酒屋 土間土間」「エステティックTBC」「紳士服のAOKI」「てもみん」「ティップネス」などが挙げられている。
ソフトバンクモバイルの携帯電話を新規契約、あるいは機種変更するときにあわせて申し込むと、加入月の利用料は無料となる。またディズニー・モバイルでも利用できる。
7月の百貨店売り上げ1・4%減 猛暑効果でマイナス幅縮小
日本百貨店協会が19日まとめた7月の全国百貨店売上高(店舗調整後)は前年同月比1・4%減の6002億円だった。マイナスは29カ月連続。夏の猛暑効果で、月後半の売り上げが上昇し、マイナス幅は大幅に縮小。08年3月の1・2%減以来の1%台の減少にとどまった。
プレステ発明対価は要求1億円が「512万円」に 知財高裁が支払い命令
ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション」などに使用されたソフトの情報を読み取る装置に関する発明対価をめぐり、同社元社員、久米英広さん(58)が同社に発明対価の一部として計1億円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決が19日、知財高裁であった。塚原朋一裁判長は請求を退けた1審東京地裁判決を変更、同社に約512万円の支払いを命じた。
久米さんは昭和49年に入社し、平成16年に退社。開発時は係長だった。装置は6年に発売されたプレイステーションや後継機のプレイステーション2などにも使用された。
塚原裁判長は、「原告の開発した装置がプレイステーションに使用され、同社は利益を得た」と判断。また、原告側は、同社と開発者側の貢献度を半々と主張していたが、塚原裁判長は、開発者側の貢献度を3%と認定し、支払額を算定した。
久米さんは判決後の会見で、「裁判所には自分の貢献度を認めてもらった。金額については何とも言えない」と語った。
ソニー広報センターは「誠に遺憾。今後の対応は、判決文の内容を精査して検討する」としている。
日韓FTA 未来志向で早期妥結をめざせ(8月19日付・読売社説)
日本と韓国の産業界は共に、自由貿易協定(FTA)に関する交渉の早期妥結を望んでいることがわかった。
読売新聞社と韓国経済新聞社が実施したアンケート調査で、双方の主要企業200社の8割超が、2004年から交渉が中断している日韓FTAについて、「必要だ」と答えている。
日韓併合100年という節目を迎え、両国の企業が未来志向で関係を深め、競争と共存を図ろうとする姿勢を歓迎したい。
FTAは、特定の国や地域間で鉱工業品や農産物の関税を引き下げたり、撤廃したりすることだ。貿易を拡大する効果がある。
世界貿易機関(WTO)の多国間の貿易自由化交渉は、利害の対立で暗礁に乗り上げた。そこで世界で急増しているのが、FTAや投資拡大などに協力分野を広げた経済連携協定(EPA)で、すでに約200が発効した。
ところが、日韓交渉はそうした流れに取り残され、行き詰まっている。日本が農水産物の市場開放に抵抗し、韓国は対日赤字全体の拡大を警戒しているためだ。
約6年にも及ぶ中断は余りにも長い。両国は9月にも、交渉再開に向けた実務協議を開くが、産業界の期待に応える必要がある。
日本の経済連携の動きは、対韓国ばかりでなく、他国・地域との間でも出遅れが目立つ。
EPA発効・署名国は、シンガポール、メキシコなど11か国・地域にとどまり、農業大国の豪州やインドとの交渉も難航中だ。米国や欧州連合(EU)については、交渉のメドさえたたない。
農業分野の市場開放について、日本国内の抵抗が強いことが、いつも足かせになっている。
民主党政権は、コメ農家を対象にした戸別所得補償制度を導入した。しかし、バラマキ政策では、貿易自由化に備えた農業の競争力強化にはつながらない。
政府は所得補償制度を漁業などにも拡充する方針だが、こうした保護策を市場開放に向けて活用する道を探らねばなるまい。
民間出身の丹羽中国大使は、日中FTA交渉の開始に意欲を表明した。日韓FTAを前進できれば、日中や「日中韓」のFTA交渉の足がかりにもなる。
韓国は米国やEUとFTAで合意した。韓国が中国とのFTAで先行すれば、日本には痛手だ。
菅政権は、アジアの活力を取り込む新成長戦略をまとめた。それならば、自由貿易を加速する政治的な行動が求められよう。
次世代ゲーム機PlayStation4が、2012年に発売されるのではないかという噂がたちこめている。これは海外のニュースサイト『neowin』が報じているもので、PlaystStion4を開発しているという情報をキャッチしたという。それによると、既に仕様などが業者には知らされており、2012年の発売に向けて開発が進められているという。PlayStation3も泣かず飛ばずの状態で、起死回生もないまま、3を見捨て、4の発売に踏み切るのか否かが、論点となっている。
■Neowin.net - Playstation 4 games in development says Sony
上記の『Neowin』の内容を要約すると
オーストラリアのゲーム雑誌『Game Informe』によると、ソニーがPlayStation4 のために
ゲームを準備しているという
PlayStation4は多くのアナリストによって予測され、恐らく2012年に発売されるのではないかと言われている。
またソニーはサードパーティにゲームを開発するように準備を進め開発用コンソールなどを提供しているという。
2012年といえば、PlayStation3がちょうど6年目となる大きな節目PlayStation2が2000年に発売され、PlayStation3が2006年に発売そう考えると、PlayStation4が2012年に発売されても何ら不思議ではない。
果たして本当にPlayStation4の発売はあるのか。
このままPlayStation3は廃れていくのか。
2ちゃんねるでも様々な議論が交わされている
2ちゃんねるの反応
・マジかよ糞箱売ってくる
・ps3買おうと思ってけどこれは待ちだな
・PS3ってなんだったの?ゴミ?
・2012年リリース予定か
・PS4はPS2のソフトが動くのか?
・あと5年はPS3、360レベルのグラフィックでいいんじゃないか?
・出るわけねーじゃんPS3ですら開発が付いてこられないんだぜ
・PS4なんて誰も求めてないよ
・Wii爆死までのマヂクが点灯か!?!?!?
・次世代機はどの陣営も失敗すると思うわ
・今度のPS4はWiiと互換性があります
・PSP2すらなさそうなのにPS4とかwwwwwwwwwwwwwwwwww
・PS3エミュすらないのに
・ようやくPS3始まったとこなんだが。。。
・今以上に性能向上させても、ソフトの開発費がやばい事になるだけじゃね?
・流石にPS3互換はあるだろ
・PS5がソニーの本気
・PS 1994年12月3日、PS2 2000年3月4日、PS3 2006年11月11日まぁ2012年が妥当か
PS4は完全ネットワーク対応で、ソフトウェアは、iPhoneのようにオンラインで買う形でPS1~3のゲームがすべて遊べるという仕様であればなんとなく欲しい気もしますね。
バンダイナムコ、世界最大交流サイトにゲーム配信 5億人開拓
ゲームソフト大手のバンダイナムコゲームスは19日、海外の交流サイト(SNS)へのゲーム配信を本格化すると発表した。利用者が5億人を超える世界最大のSNS「フェースブック」向けに、8月下旬にも課金システムを組み込んだゲームの提供をはじめる。従来型の家庭用ゲーム市場は伸びが見込みにくいため、成長分野を開拓して有力な収益源に育てる考えだ。
実在するサッカーチームの架空の株を運用するゲームと、サイト上の仲間とチームを作って冒険するゲームの2作品を配信する。基本利用は無料で、ゲームを有利に進めるための道具などに課金して収益を得る。
バンダイナムコは国内SNSのミクシィなどにゲームを配信している。フェースブック向けにも今年1月にゲームを配信しているが、課金システムを組み入れていなかった。
ソニー、コスト改善へTVのプラットフォーム統一
ソニーは2012年をめどにODM(相手先ブランドによる設計・生産)を除く液晶テレビについて、製品開発の基盤となる半導体やソフトウエアで構成するプラットフォームを一つにする。現在五つあるプラットフォームを集約し、商品開発のスピードアップとコスト削減につなげる。
外部調達していた半導体も自社開発に切り替え、共通化を後押しする。ソニーのテレビ事業は10年4―6月期に黒字化したが、依然として競合他社に比べ固定費比率が高いためモノづくりの抜本的な改革を進める。
共通化するのは画像や信号処理など中核となるシステムLSIと、基本ソフト(OS)の機能を拡張するミドルウエアまでのソフト部分。OSはデジタル家電で多く使われている「リナックス」をベースにしており、今年秋に発売する高機能機種は米グーグルが開発したOS「アンドロイド」を活用する。
Chrome OSタブレットは11月26日登場か:
Google、ゲームにフォーカスした「Chrome Web Store」を10月に開設へ
米Googleの開発担当者マーク・デローラ氏とマイケル・マヘモフ氏は、欧州で開催された「Games Developer Conference」において「Chrome Web Store」の開設準備状況を説明した。このカンファレンスでChrome Web Storeの説明があったのは、同ストアの主眼がWebユーザーへのオンラインゲームの提供に置かれるからだ。
Googleは5月19日(米国時間)に、「Google I/O」カンファレンスでChrome Web Storeを発表した。同ストアは、開発者が無償あるいは有償のChrome用Webアプリをコンシューマーに提供するのを支援するのが目的だ。
約7000万人のGoogle Chrome Webブラウザのユーザーは、同ストアでWebアプリを検索できるだけでなく、Chrome内にショートカットを作成して容易にアクセスできるようになる。
Chrome Web Storeは米AppleのApp Storeと競合することになる(Android MarketだけがApp Storeのライバルである必要はない)が、同ストアではAndroidスマートフォン向けのアプリではなく、Chrome搭載タブレットなどの端末向けのアプリを提供する。
ゲーム専門ブログの1Up.comによると、Google幹部らはGames Developer Conferenceにおいて、Chrome Web Storeは10月に営業を開始する予定だと話した。
Googleはアプリ販売代金の5%を手数料として徴収し、残りは開発者の取り分となる。アプリ販売代金の20~30%を手数料として取られるのに不満を抱いているプログラマーにとって、これは確かに魅力的な条件だ。
Chromeはなぜゲームに向いているのだろうか。「もちろん、高速だからだ」とデローラ氏はプレゼンテーションで語った。
Chrome Web Store自体がまだ立ち上がっていないのだから、そう言われてもピンと来ない。では、同ストアがこれほど注目されるのはなぜなのだろうか。
Chrome Web Storeの成功の鍵を握るのは、開発中の「Chrome OS」だ。
Download Squadの未確認スクープ記事によると、Chrome OSを搭載した最初のタブレット型コンピュータは、クリスマス休暇に間に合う11月26日に登場する予定だ。
Chrome OSタブレットは、Chrome Web Storeから提供されるゲームをプレイするのに適した端末になりそうだ。では、Googleの真の狙いはどこにあるのだろうか。
Chrome Web StoreおよびChrome OSタブレットが登場するころに、Googleは「Google TV」をリリースする予定だ。これはChrome用Webアプリとテレビ番組を大画面テレビ上で統合するシステムで、キーパッドを備えた特殊なリモコンで操作する。
Google TVが本当に登場すれば、ユーザーはさらに大きな画面でゲームを楽しめるようになるだろう。
この間のGoogleの動きを見れば、Webアプリ(特にゲーム)、そしてユーザーがオンラインでゲームに参加する機能が、SNS(ソーシャルネットワーク)分野を狙ったGoogleの計画(「Google Me」と呼ばれているようだ)の中心にあることは明らかだ。
Googleはソーシャルゲーム企業の米Zyngaに1億ドルを投資し、ソーシャルアプリメーカーの米Slideおよびイスラエルの新興ゲーム企業LabPixiesを買収し、さらに先週には仮想通貨システムの新興企業の米Jamboolを獲得した。
「Plants vs. Zombies」などのゲームにフォーカスすると思われるChrome Web Storeは、このパズルを埋める大きなピースになるかもしれない。
ユーザーがSNSサービスのGoogle Meを通じてChrome Web Storeからダウンロードしたゲームにアクセスし、ほかのユーザーとオンライン上で一緒にプレイするといった状況を想像していただきたい。米Facebookも真っ青といったところだろう。
要するに、ゲームは現在、Googleが最重視している分野だということだ。
「写真をプリントしない」若者の8割以上
インターネット交流サイト「ミクシィ」が集計したアンケート調査によると、ネット上に写真を投稿した10~30歳代の8割以上が写真をプリントせず、パソコンや携帯電話のディスプレー上で「見る」ためだけに撮影していることが分かった。
調査結果では「プリントしたことがない」(19%)「プリントしない場合が多い」(64%)が、「プリントする方が多い」(14%)「すべてプリントする」(2%)を大きく上回った。プリントしない理由は「手間がかかるから」が10代で半数に達している。
ネット上に写真を投稿する理由は「近況を報告するため」(67%)が最も多く、友人とのコミュニケーションに欠かせない手法になっている。調査は7月23~26日に「mixiフォト」の15~39歳の利用者を対象に実施。1653人から回答を得た。
ありがとう僕らのHMV渋谷――「フェスウィキ」に特設ページ、Twitterでコメント募集
ありがとう僕らのHMV渋谷――クリプトン・フューチャー・メディアは8月19日、音楽イベント情報サイト「フェスウィキ」で、8月22日に閉店するHMV渋谷店への思いをTwitterを通じて集め、表示した特設ページを開設した。
19日は同店で終日「HMV渋谷 おつかれサマーフェス!」という“フェス”を開催。特設ページでは同店への感謝の気持ちなどを、Twitterのハッシュタグ「#HMVshibuya」でつぶやいてもらい、特設ページに表示する。「いつも通ってたなァ」といった思い出コメントや、「さみしいです」と閉店を惜しむ声が投稿されている。イベント中の同店の写真も随時紹介している。
同店はHMVの日本第1号店として1990年にオープンし、98年に現在地に移転。“渋谷系”と呼ばれた音楽の発信地としても親しまれたが、HMVジャパンが進める店舗リストラの一環で撤退が決まった。
ソフトバンク、さまざまな割引特典を提供する「とくするライフ」
ソフトバンクモバイルは、ベネフィット・ワンと協力して、飲食店やレジャー施設、宿泊施設などを割引価格で利用できるなど、さまざまな特典を提供するサイト「とくするライフ」を9月1日より提供する。利用料は月額315円。
「とくするライフ」は、Yahoo!ケータイ対応機種で利用できる特典提供サイト。国内外の旅行やスポーツ施設、飲食店、レジャー施設など12カテゴリー、6万件以上の優待サービスが利用できる。優待サービスの主な提供企業として、「居酒屋 土間土間」「エステティックTBC」「紳士服のAOKI」「てもみん」「ティップネス」などが挙げられている。
ソフトバンクモバイルの携帯電話を新規契約、あるいは機種変更するときにあわせて申し込むと、加入月の利用料は無料となる。またディズニー・モバイルでも利用できる。
7月の百貨店売り上げ1・4%減 猛暑効果でマイナス幅縮小
日本百貨店協会が19日まとめた7月の全国百貨店売上高(店舗調整後)は前年同月比1・4%減の6002億円だった。マイナスは29カ月連続。夏の猛暑効果で、月後半の売り上げが上昇し、マイナス幅は大幅に縮小。08年3月の1・2%減以来の1%台の減少にとどまった。
プレステ発明対価は要求1億円が「512万円」に 知財高裁が支払い命令
ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション」などに使用されたソフトの情報を読み取る装置に関する発明対価をめぐり、同社元社員、久米英広さん(58)が同社に発明対価の一部として計1億円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決が19日、知財高裁であった。塚原朋一裁判長は請求を退けた1審東京地裁判決を変更、同社に約512万円の支払いを命じた。
久米さんは昭和49年に入社し、平成16年に退社。開発時は係長だった。装置は6年に発売されたプレイステーションや後継機のプレイステーション2などにも使用された。
塚原裁判長は、「原告の開発した装置がプレイステーションに使用され、同社は利益を得た」と判断。また、原告側は、同社と開発者側の貢献度を半々と主張していたが、塚原裁判長は、開発者側の貢献度を3%と認定し、支払額を算定した。
久米さんは判決後の会見で、「裁判所には自分の貢献度を認めてもらった。金額については何とも言えない」と語った。
ソニー広報センターは「誠に遺憾。今後の対応は、判決文の内容を精査して検討する」としている。
日韓FTA 未来志向で早期妥結をめざせ(8月19日付・読売社説)
日本と韓国の産業界は共に、自由貿易協定(FTA)に関する交渉の早期妥結を望んでいることがわかった。
読売新聞社と韓国経済新聞社が実施したアンケート調査で、双方の主要企業200社の8割超が、2004年から交渉が中断している日韓FTAについて、「必要だ」と答えている。
日韓併合100年という節目を迎え、両国の企業が未来志向で関係を深め、競争と共存を図ろうとする姿勢を歓迎したい。
FTAは、特定の国や地域間で鉱工業品や農産物の関税を引き下げたり、撤廃したりすることだ。貿易を拡大する効果がある。
世界貿易機関(WTO)の多国間の貿易自由化交渉は、利害の対立で暗礁に乗り上げた。そこで世界で急増しているのが、FTAや投資拡大などに協力分野を広げた経済連携協定(EPA)で、すでに約200が発効した。
ところが、日韓交渉はそうした流れに取り残され、行き詰まっている。日本が農水産物の市場開放に抵抗し、韓国は対日赤字全体の拡大を警戒しているためだ。
約6年にも及ぶ中断は余りにも長い。両国は9月にも、交渉再開に向けた実務協議を開くが、産業界の期待に応える必要がある。
日本の経済連携の動きは、対韓国ばかりでなく、他国・地域との間でも出遅れが目立つ。
EPA発効・署名国は、シンガポール、メキシコなど11か国・地域にとどまり、農業大国の豪州やインドとの交渉も難航中だ。米国や欧州連合(EU)については、交渉のメドさえたたない。
農業分野の市場開放について、日本国内の抵抗が強いことが、いつも足かせになっている。
民主党政権は、コメ農家を対象にした戸別所得補償制度を導入した。しかし、バラマキ政策では、貿易自由化に備えた農業の競争力強化にはつながらない。
政府は所得補償制度を漁業などにも拡充する方針だが、こうした保護策を市場開放に向けて活用する道を探らねばなるまい。
民間出身の丹羽中国大使は、日中FTA交渉の開始に意欲を表明した。日韓FTAを前進できれば、日中や「日中韓」のFTA交渉の足がかりにもなる。
韓国は米国やEUとFTAで合意した。韓国が中国とのFTAで先行すれば、日本には痛手だ。
菅政権は、アジアの活力を取り込む新成長戦略をまとめた。それならば、自由貿易を加速する政治的な行動が求められよう。
iモードでアップル流アプリ配信 ドコモ、今秋から 個人のアプリ開発容易に
NTTドコモは今秋、iモードが使える従来型の携帯電話で、個人が開発したゲームや仕事に役立つソフトなど様々な「アプリ」を取り込める新サービスを始める。米アップルの高機能携帯電話(スマートフォン)向けには22万本以上のアプリが開発され、「アイフォーン(iPhone)」人気を支えている。従来型の携帯電話を中心に国内で約5500万人の契約者を抱えるドコモは9割以上が従来型の携帯電話を使っている。スマートフォン並みのアプリを楽しめるようにすることで対抗する。
ドコモのiモードでは現在でも、ゲームや駅の乗り換え案内、ニュースなど様々なアプリを使える。ただこうしたアプリを提供するには、高性能なコンピューターなどの機器が必要なこともあり、iモード向けのアプリなどを開発などに携わっているのは企業を中心に約2万にとどまる。
日本ではソフトバンクが独占販売しているアイフォーンは、アップルが運営している「アップストア」で22万本以上の専用アプリを購入できる。自分のライフスタイルにあった使い方や必要な情報を入手できるよう、端末購入後に機能を追加できるのが特徴だ。
ドコモは従来型の携帯電話でも使えるアプリを大幅に増やすには、企業主体のアプリ開発体制を転換する必要があると判断した。
秋のサービス開始をにらみ、8月下旬から個人のソフト開発者向けにパソコンを使って簡単にiモード向けのアプリが開発できるソフト「アプリスタジオ」の提供を始める。11月にも従来型の携帯電話から、アプリが購入できるサイトを開設する方針だ。
新サービスでは開発者向けにアプリ配信のための専用サーバーも用意する。携帯電話料金と一緒にアプリの代金回収を代行し、高価なネットワーク機器がなくても開発できるようにする。休日に趣味でソフトを開発しているような個人にも門戸を広げ、多彩なアプリをそろえる方針。
近年ではアップルがコンテンツの規制に動いていることから、米グーグルの無償ソフト「アンドロイド」対応の携帯端末向けのアプリを開発する人も増えている。「アンドロイドマーケット」のアプリ数は約6万本に達した。
NTTドコモは、アイフォーンやアンドロイド携帯向けの既存のアプリに、わずかな改良を加えるだけで秋からの新サービスを利用できるよう工夫する。海外で人気の高いアプリも呼び込みたい考えだ。
こうした配信サービスは世界の端末メーカーも一斉に力を入れている。日本の携帯電話メーカーはこれまで端末の魅力を高めるためにハードの機能向上を競ってきたが、アプリなどを提供する仕組みが主戦場になりつつある。
世界の携帯端末最大手、フィンランドのノキアも「Ovi(オビ)ストア」を通じてアプリを配信するほか、韓国サムスン電子も同様なアプリ配信を始めた。「ブラックベリー」を手掛けるカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)も6月から日本でサービスを始めている。
アプリを事業の中核に据えるモデルは携帯からテレビに広がる可能性もある。グーグルは2011年初めから、携帯向けソフトをテレビでも使えるようにする。ソニーなどと協力して立ち上げるテレビ向けサービス「グーグルテレビ」を携帯向けソフトに対応させ、ソフト販売の拡大につなげる。
「まずはiPhone向け」 アプリ開発、選別強める
身近なIT(情報技術)機器の主役がパソコンからケータイへ移り、アップルの「iPhone+アップストア」がゲームやビジネス用ソフト、ニュースなど様々なコンテンツ(情報の内容)の流通基盤として存在感を高めている。米グーグルやノキアなど世界の有力企業もこぞってアプリ配信に参入している。
アプリの競争が激しくなる一方で、ソフトの開発側が配信サービスを選別する動きも強まる。NTTドコモの「iモード」など日本の携帯サービス向けに作品を供給してきたゲーム大手も、アイフォーン対応を重視する。
カプコンは主力の「ストリートファイター」シリーズを供給しているほか、米子会社はアイフォーン向けの独自ゲームも開発中。ハドソンも「ゲームを世界に配信できる携帯端末ではアイフォーンが1番」(柴田真人執行役員)と話す。
米シリコンバレーのネットベンチャーの間では、まずはアイフォーン向けにサービスを展開し、その後に「アンドロイド」などに対応させる流れが一般的になりつつある。アプリの質と量で端末の人気を高め、さらなるアプリを呼び込む循環を生み出せるかが、配信サービス側の生き残りの条件になりそうだ。
JVCケンウッド、「JVC」ブランドを海外企業に供与
経営再建中のJVC・ケンウッド・ホールディングスは傘下の日本ビクターが持つ「JVC」ブランドを海外企業に有償で供与する。まず第1弾としてアルゼンチンの家電販売代理店と契約。同代理店が委託生産した液晶テレビを「JVC」ブランドで売り出す。
アルゼンチンの代理店は「JVC」ブランドの液晶テレビを年間10万台規模で始めるもよう。アルゼンチンは日本方式の地上デジタル放送の採用が決まり市場拡大が見込まれる。ブランド使用料は数億円とみられる。
アルゼンチンに続き、中南米やアフリカなど今後成長が見込まれる新興国市場で、供与先を増やしていく計画だ。
ブランド供与はブランド価値を損なうリスクがあるが、安定的な収入が見込める利点が大きいと判断した。
ビクターはテレビ事業の採算を改善するため、日米欧の自社工場を閉鎖し、電子機器の受託製造サービス(EMS)への生産委託に切り替えてきた。
JVCケンウッドは2008年にビクターとケンウッドが経営統合して発足。テレビなどAV(音響・映像)機器事業の苦戦で、今期も3期連続となる130億円の最終赤字を見込む。中期目標に掲げる来期の黒字転換に向け、AV機器事業の立て直しが急務となっている。
テレビ事業から撤退したパイオニアも09年に中国の家電量販店大手、蘇寧電器とブランド供与の契約を結んだ。海外勢では経営破綻した米ポラロイドのブランドをアジア企業が液晶テレビに使っている例がある。
日本の薄型テレビメーカーは韓国勢との激しい価格競争で、利益を出すのが難しくなっている。各社は外部への生産委託でコスト削減を進めている。
キヤノン、家庭用SEDテレビ商品化を断念
キヤノンは18日、次世代薄型ディスプレーパネル「SED(表面伝導型電子放出ディスプレー)」テレビの発売を断念し、全額出資の開発子会社「SED」(神奈川県平塚市)を9月末で解散すると発表した。
SEDテレビは画質で液晶やプラズマを上回るとされたが、現在の薄型テレビに価格面で対抗できないと判断した。
SEDは色の鮮やかさや、動きの速い映像の処理に優れ、液晶やプラズマに対抗する薄型テレビとして期待された。キヤノンと東芝は1999年、デジタル家電市場の切り札と位置づけて共同開発に乗りだし、2004年に共同出資で開発会社を設立した。
しかし、高い生産コストや関連技術を巡る特許訴訟の長期化などから発売延期を繰り返した。キヤノンは07年に東芝が保有する開発会社の株式を買い取って単独で生産する方針に転換したが、採算の確保が困難だと判断した。キヤノンは本体に技術者などを移し、業務用の研究開発を継続する。
3Dパソコン、富士通・NEC高機能競う
3D(3次元)映像時代を迎え、デスクトップパソコンでも3D対応の製品が登場した。専用ソフト再生のほか、自分で撮影した3D画像も編集できる。パソコンは個人で使うため、眼鏡をかけて特定の位置から視聴する3D向きとされる。市販の3Dソフトが増える今秋以降、需要拡大が期待されている。
VN790/BS」は、主力機種「VN770」に3D機能を加えた。PC事業本部の渡辺敏博商品企画開発本部長代理は「ベストセラー機に先進機能を持たせ、ユーザーの満足感を高めた」と説明する。
パソコンでDVDソフトを視聴する人が多いことに配慮し、2D(2次元)映像を3Dに変換する機能を搭載。富士フイルムの3D対応デジタルカメラ「ファインピックス リアル 3D W1」で撮った3D映像を再生できる機能も備えた。
同社は、テレビ番組の受信・録画、3Dを含む映画や音楽のソフト再生など「パソコンはAV(音響・映像)関連をすべて扱う個人向け情報機器として今後も市場が拡大する」(渡辺氏)とみる。
富士通の「エスプリモ FH550/3AM」は3Dの面白さをすぐに楽しめるよう、モニター枠の上部に専用3Dカメラを設置した。自分の顔などを撮影して3D映像として再生できる。
映像は3Dビデオレターとして送れるが、今のところ、相手も同じパソコンを持っていないと再生できない。それでもパーソナルマーケティング統括部の中西猛プロジェクト部長は「自分あてのビデオレターとして将来見るのも楽しい」と幅広い用途を強調する。
NECの3Dパソコンと同様に、通常のDVDソフトを3Dに変換表示する機能もある。この変換機能を使って楽しめるゲームも収録した。
富士通は3Dパソコンを夏モデルの代表機種と位置付け、テレビCMでも3D眼鏡をかけたタレントを登場させた。「パソコンユーザーはより現実感があるAV機能を求めている」(中西氏)と普及に自信を見せる。
両社とも3Dは大画面で楽しみたい人が多いとみてデスクトップパソコンから導入を決めた。現在は価格も考慮して20型のみだが、今後は23型などにも3D対応が登場しそうだ。
ナムコ、LED照明のゲーム機 施設向け、消費電力4割減
アミューズメント施設運営のナムコは、発光ダイオード(LED)照明を採用した施設向けゲーム機を展開する。ゲーム機に合った色調の専用LED球を開発した。1台当たりの消費電力を約40%削減できる。まず直営の施設約220店舗で導入し、今後は他社施設への販売を目指す。娯楽の多様化や消費低迷で施設業界の経営は厳しさを増しており、LED導入で経費削減につなげる。
LED球はランプ製造のフェニックス電機と共同で開発した。色調や明るさは従来の製品と同等にした。
まず導入したのはゲーム機内の景品をつかむクレーンゲーム機。ナムコの全国の直営店舗を対象に合計4280台に導入した。現行のランプをLED球に取り換えたほか、電力消費量を減らせる蛍光灯を設置した。
今後、新機種にも導入し、グループ会社のバンダイナムコゲームスを通じて他の施設運営会社に提供していく予定。
ゲームセンターの機器は照明設備を充実させるために電力使用量が多く、ナムコでは総コストの5~6%程度を占めるという。娯楽の多様化などによる集客数の減少や機器開発費の高騰は、施設各社の収益を圧迫しており、省エネ機器の導入で経費削減につなげる。
ビジネス日本語能力テスト、本年度で中止 「赤字で採算取れず」
日本漢字能力検定協会(京都市)が、日本企業への就職を目指す外国人らを対象に実施している「ビジネス日本語能力テスト(BJT)」を、本年度限りで中止することが18日、同協会への取材で分かった。協会は「赤字続きで採算が取れないため」と説明している。
同協会などによると、BJTは平成8年に日本貿易振興機構(ジェトロ)が始めた。20年3月に協会が3億3600万円で買い取り、昨年3月から運営を引き継いだ。
同協会は昨年6月と同11月、ことし6月の計3回実施。会場は日本やタイ、インド、米国などで、受験者は約2800~3500人で推移。今年11月の実施が最後で、7月1日から受験者を募集している。
BJTは外国人の入国審査の際、留学や就学の資格認定の資料としても活用されている。
首相、追加経済対策の財源に予備費活用を検討
経済再生
菅首相は18日、急激な円高・株安や景気減速への対応として政府が検討している追加経済対策について、2010年度予算に計上した「経済危機対応・地域活性化予備費」の活用を含めて検討する考えを示した。
民社協会会長の田中慶秋民主党衆院議員らが首相官邸を訪れ、緊急経済対策を申し入れたのに答えた。
首相は、補正予算を組んで景気対策を実行するには国会の承認を得るなど時間がかかるため、予備費の活用など「早急にできることを考える」と述べた。具体策の一つとして、中小企業対策を盛り込む必要があるとの考えも示したという。
景気対策の財源としては、同予備費で残っている約9000億円のほか、09年度一般会計決算の純剰余金のうち約8000億円を充てることが想定されている。
日銀、資金供給拡大へ 10兆円増視野 円安誘導図る
円高・株安に対応するため政府が20日の経済関係閣僚会議から検討に入る追加経済対策と並行して、日銀も追加の金融緩和策の検討に着手することが18日、分かった。企業の資金調達を後押しし、景気下支え効果が期待される「新型オペレーション」(新型オペ)の拡充が有力視されている。来週に予定される菅直人首相と白川方明日銀総裁との会談前に「臨時の金融政策決定会合で決めるのではないか」との声も出ている。
選択肢として昨年12月に日銀が導入した、年0.1%の固定金利で貸出期間3カ月の資金供給を行う新型オペの規模を、現在の20兆円から30兆円に増やす案が浮上。期間を3カ月から6カ月に伸ばす可能性もある。1年以内の短い間、資金を調達する短期金融市場の資金を増やすことで金利をさらに下げる効果を狙うとみられる。
日本と欧米との金利差が広がれば、外国為替市場で円は売られやすくなる。追加的な金融緩和策で円安誘導が期待されるほか、企業が設備投資資金を借りやすくなったり、住宅ローン金利の低下など個人消費への刺激も見込まれている。
今月10日の金融政策決定会合で「企業業績は好転している」(白川総裁)との判断を示した日銀だが、財政難から政府の追加経済対策の中身が薄いだけに、日銀内には「追加緩和のカードはなくならない」との見方が強い。「週内に追加緩和策を決める」(市場関係者)との観測が浮上する背景には昨年12月、白川総裁と鳩山由紀夫首相(当時)が会談する1日前に日銀が臨時会合を開き、新型オペの導入を決めた経緯があるようだ。
ただ、今年3月に新型オペの規模が10兆円から20兆円に引き上げられた後も1年物の短期金利は0.1%前後のまま動いていない。「底を打った政策金利は上がりも下がりもしない」など、一部の市場関係者には追加緩和の効果を疑問視する向きもある。「日銀と緊密に連携する」(野田佳彦財務相)といった発言が相次ぐ中、中央銀行としての日銀の独立性は「絵に描いたもち」との批判も高まりそうだ。
【産経主張】追加経済対策 「アリバイ作り」では困る
政府・日銀が追加経済対策の検討を始めた。4~6月期の国内総生産(GDP)が予想以上の減速を見せたのに加え、輸出の足を引っ張る円高が急ピッチで進んでいることが背景にある。
経済の現状に対する危機感が乏しいと指摘されてきた菅直人政権も、ここにきてようやく重い腰を上げた格好だ。回復軌道をたどってきた景気の底割れ防止には万全な対応が求められている。来月の民主党代表選に気を取られ、追加対策の策定や実施に影響が出ることは許されない。
政府は、20日にも関係閣僚会議を開くと決めたほか、来週には菅首相が白川方明(まさあき)日銀総裁と会談する予定だ。菅政権には「アリバイ作り」ではなく、実効性ある追加対策を早期に実施する姿勢が問われている。
一連の協議では、現在の景気情勢や円高について意見を交わし、追加対策の骨格づくりを進める見通しだ。大学・高校の既卒未就職者向けの雇用対策や年内で終了する家電エコポイント制の再延長などが検討課題にあがっている。
ただ、財政事情が厳しい中で、バラマキにつながる新規国債の増発は避けねばならない。6月にまとめた財政運営戦略では、国と地方の基礎的財政収支の赤字について、平成27年度までに半減させると決めたばかりだ。今年度予算に計上した経済危機対応・地域活性化予備費の未使用分(約9千億円)などを活用し、高い投資効果が見込める事業に絞るべきだ。
15年ぶりに1ドル=84円台を記録した円高への対応は日本経済にとって喫緊の課題だ。米金利が低下し、日米間の金利差縮小が最近の円高の一つの要因であり、追加対策の取りまとめに先んじて菅・白川会談では一段の金融緩和も検討する必要が出てこよう。
さらなる円高には、日本単独で円売りの市場介入に踏み切ることも選択肢に含めるべきだ。米欧諸国は輸出促進につながる自国の通貨安を容認する姿勢を示している。効果は限定的だとしても、日本として、これ以上の円高は断固阻止するというメッセージを発信することが重要だ。
政府は10日の月例経済報告で、景気の基調判断を「持ち直しつつある」と据え置いたが、認識が甘かったと言わざるを得ない。菅政権は危機意識を持って経済運営に当たらねばならない。
NTTドコモは今秋、iモードが使える従来型の携帯電話で、個人が開発したゲームや仕事に役立つソフトなど様々な「アプリ」を取り込める新サービスを始める。米アップルの高機能携帯電話(スマートフォン)向けには22万本以上のアプリが開発され、「アイフォーン(iPhone)」人気を支えている。従来型の携帯電話を中心に国内で約5500万人の契約者を抱えるドコモは9割以上が従来型の携帯電話を使っている。スマートフォン並みのアプリを楽しめるようにすることで対抗する。
ドコモのiモードでは現在でも、ゲームや駅の乗り換え案内、ニュースなど様々なアプリを使える。ただこうしたアプリを提供するには、高性能なコンピューターなどの機器が必要なこともあり、iモード向けのアプリなどを開発などに携わっているのは企業を中心に約2万にとどまる。
日本ではソフトバンクが独占販売しているアイフォーンは、アップルが運営している「アップストア」で22万本以上の専用アプリを購入できる。自分のライフスタイルにあった使い方や必要な情報を入手できるよう、端末購入後に機能を追加できるのが特徴だ。
ドコモは従来型の携帯電話でも使えるアプリを大幅に増やすには、企業主体のアプリ開発体制を転換する必要があると判断した。
秋のサービス開始をにらみ、8月下旬から個人のソフト開発者向けにパソコンを使って簡単にiモード向けのアプリが開発できるソフト「アプリスタジオ」の提供を始める。11月にも従来型の携帯電話から、アプリが購入できるサイトを開設する方針だ。
新サービスでは開発者向けにアプリ配信のための専用サーバーも用意する。携帯電話料金と一緒にアプリの代金回収を代行し、高価なネットワーク機器がなくても開発できるようにする。休日に趣味でソフトを開発しているような個人にも門戸を広げ、多彩なアプリをそろえる方針。
近年ではアップルがコンテンツの規制に動いていることから、米グーグルの無償ソフト「アンドロイド」対応の携帯端末向けのアプリを開発する人も増えている。「アンドロイドマーケット」のアプリ数は約6万本に達した。
NTTドコモは、アイフォーンやアンドロイド携帯向けの既存のアプリに、わずかな改良を加えるだけで秋からの新サービスを利用できるよう工夫する。海外で人気の高いアプリも呼び込みたい考えだ。
こうした配信サービスは世界の端末メーカーも一斉に力を入れている。日本の携帯電話メーカーはこれまで端末の魅力を高めるためにハードの機能向上を競ってきたが、アプリなどを提供する仕組みが主戦場になりつつある。
世界の携帯端末最大手、フィンランドのノキアも「Ovi(オビ)ストア」を通じてアプリを配信するほか、韓国サムスン電子も同様なアプリ配信を始めた。「ブラックベリー」を手掛けるカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)も6月から日本でサービスを始めている。
アプリを事業の中核に据えるモデルは携帯からテレビに広がる可能性もある。グーグルは2011年初めから、携帯向けソフトをテレビでも使えるようにする。ソニーなどと協力して立ち上げるテレビ向けサービス「グーグルテレビ」を携帯向けソフトに対応させ、ソフト販売の拡大につなげる。
「まずはiPhone向け」 アプリ開発、選別強める
身近なIT(情報技術)機器の主役がパソコンからケータイへ移り、アップルの「iPhone+アップストア」がゲームやビジネス用ソフト、ニュースなど様々なコンテンツ(情報の内容)の流通基盤として存在感を高めている。米グーグルやノキアなど世界の有力企業もこぞってアプリ配信に参入している。
アプリの競争が激しくなる一方で、ソフトの開発側が配信サービスを選別する動きも強まる。NTTドコモの「iモード」など日本の携帯サービス向けに作品を供給してきたゲーム大手も、アイフォーン対応を重視する。
カプコンは主力の「ストリートファイター」シリーズを供給しているほか、米子会社はアイフォーン向けの独自ゲームも開発中。ハドソンも「ゲームを世界に配信できる携帯端末ではアイフォーンが1番」(柴田真人執行役員)と話す。
米シリコンバレーのネットベンチャーの間では、まずはアイフォーン向けにサービスを展開し、その後に「アンドロイド」などに対応させる流れが一般的になりつつある。アプリの質と量で端末の人気を高め、さらなるアプリを呼び込む循環を生み出せるかが、配信サービス側の生き残りの条件になりそうだ。
JVCケンウッド、「JVC」ブランドを海外企業に供与
経営再建中のJVC・ケンウッド・ホールディングスは傘下の日本ビクターが持つ「JVC」ブランドを海外企業に有償で供与する。まず第1弾としてアルゼンチンの家電販売代理店と契約。同代理店が委託生産した液晶テレビを「JVC」ブランドで売り出す。
アルゼンチンの代理店は「JVC」ブランドの液晶テレビを年間10万台規模で始めるもよう。アルゼンチンは日本方式の地上デジタル放送の採用が決まり市場拡大が見込まれる。ブランド使用料は数億円とみられる。
アルゼンチンに続き、中南米やアフリカなど今後成長が見込まれる新興国市場で、供与先を増やしていく計画だ。
ブランド供与はブランド価値を損なうリスクがあるが、安定的な収入が見込める利点が大きいと判断した。
ビクターはテレビ事業の採算を改善するため、日米欧の自社工場を閉鎖し、電子機器の受託製造サービス(EMS)への生産委託に切り替えてきた。
JVCケンウッドは2008年にビクターとケンウッドが経営統合して発足。テレビなどAV(音響・映像)機器事業の苦戦で、今期も3期連続となる130億円の最終赤字を見込む。中期目標に掲げる来期の黒字転換に向け、AV機器事業の立て直しが急務となっている。
テレビ事業から撤退したパイオニアも09年に中国の家電量販店大手、蘇寧電器とブランド供与の契約を結んだ。海外勢では経営破綻した米ポラロイドのブランドをアジア企業が液晶テレビに使っている例がある。
日本の薄型テレビメーカーは韓国勢との激しい価格競争で、利益を出すのが難しくなっている。各社は外部への生産委託でコスト削減を進めている。
キヤノン、家庭用SEDテレビ商品化を断念
キヤノンは18日、次世代薄型ディスプレーパネル「SED(表面伝導型電子放出ディスプレー)」テレビの発売を断念し、全額出資の開発子会社「SED」(神奈川県平塚市)を9月末で解散すると発表した。
SEDテレビは画質で液晶やプラズマを上回るとされたが、現在の薄型テレビに価格面で対抗できないと判断した。
SEDは色の鮮やかさや、動きの速い映像の処理に優れ、液晶やプラズマに対抗する薄型テレビとして期待された。キヤノンと東芝は1999年、デジタル家電市場の切り札と位置づけて共同開発に乗りだし、2004年に共同出資で開発会社を設立した。
しかし、高い生産コストや関連技術を巡る特許訴訟の長期化などから発売延期を繰り返した。キヤノンは07年に東芝が保有する開発会社の株式を買い取って単独で生産する方針に転換したが、採算の確保が困難だと判断した。キヤノンは本体に技術者などを移し、業務用の研究開発を継続する。
3Dパソコン、富士通・NEC高機能競う
3D(3次元)映像時代を迎え、デスクトップパソコンでも3D対応の製品が登場した。専用ソフト再生のほか、自分で撮影した3D画像も編集できる。パソコンは個人で使うため、眼鏡をかけて特定の位置から視聴する3D向きとされる。市販の3Dソフトが増える今秋以降、需要拡大が期待されている。
VN790/BS」は、主力機種「VN770」に3D機能を加えた。PC事業本部の渡辺敏博商品企画開発本部長代理は「ベストセラー機に先進機能を持たせ、ユーザーの満足感を高めた」と説明する。
パソコンでDVDソフトを視聴する人が多いことに配慮し、2D(2次元)映像を3Dに変換する機能を搭載。富士フイルムの3D対応デジタルカメラ「ファインピックス リアル 3D W1」で撮った3D映像を再生できる機能も備えた。
同社は、テレビ番組の受信・録画、3Dを含む映画や音楽のソフト再生など「パソコンはAV(音響・映像)関連をすべて扱う個人向け情報機器として今後も市場が拡大する」(渡辺氏)とみる。
富士通の「エスプリモ FH550/3AM」は3Dの面白さをすぐに楽しめるよう、モニター枠の上部に専用3Dカメラを設置した。自分の顔などを撮影して3D映像として再生できる。
映像は3Dビデオレターとして送れるが、今のところ、相手も同じパソコンを持っていないと再生できない。それでもパーソナルマーケティング統括部の中西猛プロジェクト部長は「自分あてのビデオレターとして将来見るのも楽しい」と幅広い用途を強調する。
NECの3Dパソコンと同様に、通常のDVDソフトを3Dに変換表示する機能もある。この変換機能を使って楽しめるゲームも収録した。
富士通は3Dパソコンを夏モデルの代表機種と位置付け、テレビCMでも3D眼鏡をかけたタレントを登場させた。「パソコンユーザーはより現実感があるAV機能を求めている」(中西氏)と普及に自信を見せる。
両社とも3Dは大画面で楽しみたい人が多いとみてデスクトップパソコンから導入を決めた。現在は価格も考慮して20型のみだが、今後は23型などにも3D対応が登場しそうだ。
ナムコ、LED照明のゲーム機 施設向け、消費電力4割減
アミューズメント施設運営のナムコは、発光ダイオード(LED)照明を採用した施設向けゲーム機を展開する。ゲーム機に合った色調の専用LED球を開発した。1台当たりの消費電力を約40%削減できる。まず直営の施設約220店舗で導入し、今後は他社施設への販売を目指す。娯楽の多様化や消費低迷で施設業界の経営は厳しさを増しており、LED導入で経費削減につなげる。
LED球はランプ製造のフェニックス電機と共同で開発した。色調や明るさは従来の製品と同等にした。
まず導入したのはゲーム機内の景品をつかむクレーンゲーム機。ナムコの全国の直営店舗を対象に合計4280台に導入した。現行のランプをLED球に取り換えたほか、電力消費量を減らせる蛍光灯を設置した。
今後、新機種にも導入し、グループ会社のバンダイナムコゲームスを通じて他の施設運営会社に提供していく予定。
ゲームセンターの機器は照明設備を充実させるために電力使用量が多く、ナムコでは総コストの5~6%程度を占めるという。娯楽の多様化などによる集客数の減少や機器開発費の高騰は、施設各社の収益を圧迫しており、省エネ機器の導入で経費削減につなげる。
ビジネス日本語能力テスト、本年度で中止 「赤字で採算取れず」
日本漢字能力検定協会(京都市)が、日本企業への就職を目指す外国人らを対象に実施している「ビジネス日本語能力テスト(BJT)」を、本年度限りで中止することが18日、同協会への取材で分かった。協会は「赤字続きで採算が取れないため」と説明している。
同協会などによると、BJTは平成8年に日本貿易振興機構(ジェトロ)が始めた。20年3月に協会が3億3600万円で買い取り、昨年3月から運営を引き継いだ。
同協会は昨年6月と同11月、ことし6月の計3回実施。会場は日本やタイ、インド、米国などで、受験者は約2800~3500人で推移。今年11月の実施が最後で、7月1日から受験者を募集している。
BJTは外国人の入国審査の際、留学や就学の資格認定の資料としても活用されている。
首相、追加経済対策の財源に予備費活用を検討
経済再生
菅首相は18日、急激な円高・株安や景気減速への対応として政府が検討している追加経済対策について、2010年度予算に計上した「経済危機対応・地域活性化予備費」の活用を含めて検討する考えを示した。
民社協会会長の田中慶秋民主党衆院議員らが首相官邸を訪れ、緊急経済対策を申し入れたのに答えた。
首相は、補正予算を組んで景気対策を実行するには国会の承認を得るなど時間がかかるため、予備費の活用など「早急にできることを考える」と述べた。具体策の一つとして、中小企業対策を盛り込む必要があるとの考えも示したという。
景気対策の財源としては、同予備費で残っている約9000億円のほか、09年度一般会計決算の純剰余金のうち約8000億円を充てることが想定されている。
日銀、資金供給拡大へ 10兆円増視野 円安誘導図る
円高・株安に対応するため政府が20日の経済関係閣僚会議から検討に入る追加経済対策と並行して、日銀も追加の金融緩和策の検討に着手することが18日、分かった。企業の資金調達を後押しし、景気下支え効果が期待される「新型オペレーション」(新型オペ)の拡充が有力視されている。来週に予定される菅直人首相と白川方明日銀総裁との会談前に「臨時の金融政策決定会合で決めるのではないか」との声も出ている。
選択肢として昨年12月に日銀が導入した、年0.1%の固定金利で貸出期間3カ月の資金供給を行う新型オペの規模を、現在の20兆円から30兆円に増やす案が浮上。期間を3カ月から6カ月に伸ばす可能性もある。1年以内の短い間、資金を調達する短期金融市場の資金を増やすことで金利をさらに下げる効果を狙うとみられる。
日本と欧米との金利差が広がれば、外国為替市場で円は売られやすくなる。追加的な金融緩和策で円安誘導が期待されるほか、企業が設備投資資金を借りやすくなったり、住宅ローン金利の低下など個人消費への刺激も見込まれている。
今月10日の金融政策決定会合で「企業業績は好転している」(白川総裁)との判断を示した日銀だが、財政難から政府の追加経済対策の中身が薄いだけに、日銀内には「追加緩和のカードはなくならない」との見方が強い。「週内に追加緩和策を決める」(市場関係者)との観測が浮上する背景には昨年12月、白川総裁と鳩山由紀夫首相(当時)が会談する1日前に日銀が臨時会合を開き、新型オペの導入を決めた経緯があるようだ。
ただ、今年3月に新型オペの規模が10兆円から20兆円に引き上げられた後も1年物の短期金利は0.1%前後のまま動いていない。「底を打った政策金利は上がりも下がりもしない」など、一部の市場関係者には追加緩和の効果を疑問視する向きもある。「日銀と緊密に連携する」(野田佳彦財務相)といった発言が相次ぐ中、中央銀行としての日銀の独立性は「絵に描いたもち」との批判も高まりそうだ。
【産経主張】追加経済対策 「アリバイ作り」では困る
政府・日銀が追加経済対策の検討を始めた。4~6月期の国内総生産(GDP)が予想以上の減速を見せたのに加え、輸出の足を引っ張る円高が急ピッチで進んでいることが背景にある。
経済の現状に対する危機感が乏しいと指摘されてきた菅直人政権も、ここにきてようやく重い腰を上げた格好だ。回復軌道をたどってきた景気の底割れ防止には万全な対応が求められている。来月の民主党代表選に気を取られ、追加対策の策定や実施に影響が出ることは許されない。
政府は、20日にも関係閣僚会議を開くと決めたほか、来週には菅首相が白川方明(まさあき)日銀総裁と会談する予定だ。菅政権には「アリバイ作り」ではなく、実効性ある追加対策を早期に実施する姿勢が問われている。
一連の協議では、現在の景気情勢や円高について意見を交わし、追加対策の骨格づくりを進める見通しだ。大学・高校の既卒未就職者向けの雇用対策や年内で終了する家電エコポイント制の再延長などが検討課題にあがっている。
ただ、財政事情が厳しい中で、バラマキにつながる新規国債の増発は避けねばならない。6月にまとめた財政運営戦略では、国と地方の基礎的財政収支の赤字について、平成27年度までに半減させると決めたばかりだ。今年度予算に計上した経済危機対応・地域活性化予備費の未使用分(約9千億円)などを活用し、高い投資効果が見込める事業に絞るべきだ。
15年ぶりに1ドル=84円台を記録した円高への対応は日本経済にとって喫緊の課題だ。米金利が低下し、日米間の金利差縮小が最近の円高の一つの要因であり、追加対策の取りまとめに先んじて菅・白川会談では一段の金融緩和も検討する必要が出てこよう。
さらなる円高には、日本単独で円売りの市場介入に踏み切ることも選択肢に含めるべきだ。米欧諸国は輸出促進につながる自国の通貨安を容認する姿勢を示している。効果は限定的だとしても、日本として、これ以上の円高は断固阻止するというメッセージを発信することが重要だ。
政府は10日の月例経済報告で、景気の基調判断を「持ち直しつつある」と据え置いたが、認識が甘かったと言わざるを得ない。菅政権は危機意識を持って経済運営に当たらねばならない。