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日産も営業赤字に、ゴーン体制で初めて
日産自動車の2009年3月期連結決算で、本業のもうけを示す営業利益が赤字に転落する見通しとなったことが14日、分かった。
世界的な新車販売の不振と想定以上の円高で収益が急速に悪化した。
日産の連結営業赤字は、1999年に仏ルノーが資本参加し、現在のカルロス・ゴーン社長が最高執行責任者(COO)に就いて「ゴーン体制」となって以来、初めてだ。
トヨタ自動車と日野自動車も09年3月期の連結営業利益が赤字転落する見通しを発表しており、国内自動車業界の苦境ぶりが一段と深刻さを増してきた。
日産は08年10月に中間決算を発表した際、09年3月期の連結営業利益の予想を当初の5500億円から2700億円に引き下げたが、月内にも再び下方修正する。赤字幅は少なくとも数百億円規模に達する見通しだ。
米小売売上高、初の減少 08年0.1%減、世界経済に重し
【ワシントン=大隅隆】米商務省が14日発表した昨年12月の小売売上高(季節調整済み)は3432億ドル(約30兆5000億円)となり前月比2.7%減少した。2008年通年では0.1%減の4兆4783億ドル(約398兆6000億円)で現行統計が始まった1992年以来初めて前年を下回った。住宅バブル崩壊を起点とする米経済の失速を背景に個人消費も縮小。世界経済のけん引役となってきた米消費の調整は今後も続く見通しだ。
年間ベースでの売上高は92年以降で最低の伸び率だった02年(2.4%増)を下回り、一気にマイナスに転じた。商務省によると、1968年に始まった古い統計方式のベースでも初の減少という。自動車・部品を除く売上高は同3.0%増の3兆6686億ドルだった。
12月は市場予測(1.2%減)より大幅な落ち込み。月次ベースの減少は6カ月連続となった。変動の大きい自動車・部品を除いても3.1%の減少となった。前年同月比で見ると9.8%のマイナス。衣料、家具などの需要が集中するクリスマス商戦の不振が裏付けられた格好だ。
新興国の車販売、厳しさ増す ロシア35%減など、09年見通し
【サンパウロ=檀上誠】新興国で2009年の自動車販売が一段と厳しさを増す見通しだ。ロシアでは08年予想比35%減、中国やブラジルも4―5%増と伸び悩む公算が大きい。景気低迷に加え、金融危機の影響に伴う自動車ローン縮小などが響く。世界の自動車市場をけん引してきた新興国の失速で、業界各社の間に減産や雇用調整の動きがさらに広がる可能性がある。
インタファクス通信によると、ロシアでは09年の新車販売(外国ブランド車、輸入と現地生産の合計)が130万台にとどまる見通し。08年は前年比27%増の200万台だったもようだが、一転してマイナスとなる。資源高を背景に増えていた高級輸入車販売の低迷が響く。
映画大手、デジタル投資相次ぐ 高品質コンテンツ供給
映画大手3社が相次ぎ、撮影所のデジタル化投資に乗り出した。東宝は14日、東宝スタジオ(東京・世田谷)に50億円を投じ、来年末までに映像や音響編集の先端デジタル機器を導入すると発表した。東映も52億円、松竹も20億円を投資しデジタル対応のスタジオを建設中。不況下でも積極的にデジタル投資し、テレビ局や映画館に高品質のコンテンツを供給する体制を築く。
東宝は昨春までに50億円を投じて撮影舞台を改装したが、新たに6月から50億円で主力スタジオの編集設備を刷新する。撮影後のフィルムに音声や特殊画像をつける「ポストプロダクション」と呼ぶ編集工程を効率化。音響施設を倍増するほか、高精細のハイビジョン映像に対応した編集室や試写室も設ける。米ワーナーブラザースの協力を得て設計した。
富士通、携帯電話でアジア市場を開拓 まず台湾市場へ供給
富士通は14日、携帯電話機でアジア市場を開拓すると正式発表した。端末開発や販路の開拓でNTTドコモと連携し、まず台湾市場へ供給する。ドコモの第三世代携帯電話「FOMA」を現地の言語に対応させた。富士通にとって携帯事業で初の海外進出で、国内が低迷する中、海外に成長の活路を求める。
日本で発売済みの製品を中国や台湾、韓国の言語に対応させるソフトを共同で開発した。第1弾として、ドコモが4.7%出資する台湾の携帯大手、FETへの供給を始めた。ドコモが2007年に発売した「F905i」を現地の言語に対応させた。
富士通のHDD事業、東芝が買収合意 ディスク部門、昭電交渉へ
東芝は14日、富士通のハードディスク駆動装置(HDD)事業を買収することで基本合意した。両社の社長が同日会談し、東芝が今春をメドに富士通のHDD生産・販売事業を買収することで一致した。買収額は300億―400億円とみられる。富士通は赤字のHDD事業から撤退する方針で、残るディスク生産部門についても昭和電工に売却する方向で本格交渉に入る。
東芝の西田厚聡社長と富士通の野副州旦社長が同日会談した。細部を詰め、早ければ今月内に発表する。
ステンレス、4-6割減産 JFE隔週操業、新日鉄住金はライン休止
ステンレスメーカー各社は1―3月期の減産幅を前年同期比40―60%に拡大する。2008年10―12月期の減産幅は同30%程度だった。JFEスチールや日新製鋼は操業を断続的に止めるほか、日本金属工業など準大手も操業時間短縮や休業を実施する。建設資材や家電向け需要が急速に冷え込んだことに加え、原料となる非鉄金属の価格急落でステンレスに先安観が台頭、買い控えの動きが広がったためだ。減産強化により、国内生産量はバブル崩壊後の水準まで落ち込む可能性がでてきた。
業界2位のJFEスチールは1月に入って、ステンレスの生産拠点である東日本製鉄所千葉地区(千葉市)で生産ラインを隔週で動かすようにした。昨秋までフル稼働だったが、受注減にあわせ稼働率を急速に落としており、生産水準を約50%にする。3位の日新製鋼も周南製鋼所(山口県周南市)で同様に生産ラインを2、3日ごとに稼働させて、前年水準と比べ40%減産する。
通信機器大手ノーテル、米連邦破産法を申請
【ニューヨーク=小高航】カナダの通信機器大手ノーテル・ネットワークスが14日、米連邦破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し事実上、経営破綻した。ノーテルは北米最大の通信機器メーカーだが、金融危機などに伴う市場低迷と資金調達環境の悪化に伴い、資金繰りが行き詰まった。
米メディアによるとノーテルの負債総額は36億ドル(約3200億円)以上とみられる。ノーテルは通信会社による設備投資抑制や中国メーカーとの価格競争から業績が悪化、昨年9月末時点で約11億ドルの債務超過に陥っていた。金融危機に伴い新規の資金調達が難しくなる中、大規模な負債の返済期限が迫り、自力での再建を断念した。
ノーテルは今後、連邦破産裁判所の承認を得た上で再建計画を策定。事業を継続しながら再生を目指す。
12月の工作機械受注71%減 過去最大の下げ幅に
代表的な生産設備である工作機械の受注悪化に歯止めがかからない。日本工作機械工業会(中村健一会長)が14日発表した2008年12月の工作機械受注額(速報値)は前年同月比71.9%減の367億1000万円。世界同時不況を背景にした設備投資の冷え込みで単月の受注額としては1994年2月に記録した389億円を下回り、過去最低に落ち込んだ。08年通年では前年比18.2%減の1兆3009億円と6年ぶりのマイナスに転じた。
日本メーカーの国内外での工作機械受注額は昨年6月に前年割れに転じた後、9月に20.1%、10月に40%減と秋以降、急速に減少。11月には1963年の統計開始来、過去最大の下げ幅となる62.1%減を記録し、12月はさらに減少幅が拡大した。主要顧客の自動車・電機メーカーなどが相次いで減産や工場休止に踏み切り、内外で設備投資はほとんど止まった状況だ。
12月の受注額の内訳は内需が74%減の152億円、輸出が70.3%減の214億円。
NHK、13年ぶり赤字見込む 09年度予算案、デジタル投資膨らむ
NHKは14日、鳩山邦夫総務相に2009年度予算案を提出した。受信料収入は過去最高の6490億円を計上し、不況下でも積極的な予算を組む。他方、デジタル化投資の膨張で支出も増え、事業収支差金は29億円と阪神大震災の余波を受けた1996年度以来、13年ぶりの赤字となる。予算案は2月上旬にも国会に提出される予定。
来年度の総事業収入は08年度予算より1.9%増の6699億円。支出は6728億円と同4%増える。地上デジタル放送への移行に向けた374億円の設備投資費などがかさむ。赤字分は繰越金から補てんする。
08年国内新車販売、「軽」の比率が過去最高の36.8%に
長期低迷が続く国内新車市場で軽自動車(排気量660cc以下)の比率が高まっている。税金などの維持費が安く燃費も良いため、登録車(同660cc超)からの乗り換えが進んだためだ。登録車の販売が大きく落ち込んだこともあり、2008年の国内総販売に占める軽自動車比率は36.8%と過去最高を更新した。地域別にみても同比率が4割超の都道府県が11月は38府県に達した。
08年の軽自動車販売台数は186万9893台。07年比2.6%減と2年連続マイナスではあるが、暦年では過去7番目の高水準を保った。登録車は08年の販売が石油危機直後の74年以来34年ぶりの低水準だったため、国内新車総販売に占める軽比率は36.8%と0.9ポイント上昇した。
【産経主張】ヒラリー外交 「日本重視」に積極対応を
次期米国務長官に指名されたヒラリー・クリントン上院議員が上院外交委員会の承認公聴会で証言し、外交、軍事、経済力や文化的影響力を駆使した「スマートパワー」で米外交の指導力を再生する決意を表明した。
クリントン氏の証言は、オバマ次期政権の外交を担う「ヒラリー外交」の実質デビューといっていい。「米単独では緊急課題を解決できないが、世界も米国抜きでは解決できない」とオバマ氏の公約でもある国際協調路線を強調し、軍事力を「最後の手段」としつつ米国の力を賢明(スマート)に組み合わせて取り組むという。
テロとの戦いに没頭せざるを得なかったブッシュ政権とは一線を画し、国際機関の活用や気候変動にも目配りする。イラク、アフガニスタン、パキスタン、イランなど中東周辺の利害は複雑に入り組み、全体を見すえた「包括的解決が必要」とも訴えた。そうした構想と氏の意欲は伝わった。それが「強く、信頼されるアメリカ」の再生につながるのなら、期待をこめて注目していきたい。
ただし、今後はスマートな公約よりも実際の外交が問われる。例えばクリントン氏は選挙戦で独裁政権との直接対話を掲げたオバマ氏を「未熟」と批判したが、公聴会では北朝鮮やイランとの直接外交を否定しなかった。昨年末、空中分解した6カ国協議が示すように、北朝鮮やイランの問題は一筋縄ではいかず、「話せばわかる」相手でもない。厳しい現実に立って、「対話と圧力」の適切なバランスを注文したい。もちろん、拉致問題も忘れては困る。
クリントン氏は日米同盟を「アジアの平和と繁栄の要石で、共通の価値と利益に基づく」と、同盟重視路線が変わらないことを強調した。選挙戦で「米中関係が最重要」と発言して懸念を招いたこともあるが、公聴会では「米中関係は中国次第」と中国に責任ある行動を求める姿勢を示唆した。
激動が続くアジアで、日本にとっても同盟の強化と発展が生命線に等しいことはいうまでもない。オバマ政権では、ブッシュ時代の「甘え」が通用しないドライな関係が予想される。アフガニスタンやソマリア沖の海賊対策などで、より具体的な貢献が求められるだろう。これにどう応えるのか。米国に注文するだけでなく、信頼される同盟国として日本も積極的に行動する外交が不可欠だ。
日産自動車の2009年3月期連結決算で、本業のもうけを示す営業利益が赤字に転落する見通しとなったことが14日、分かった。
世界的な新車販売の不振と想定以上の円高で収益が急速に悪化した。
日産の連結営業赤字は、1999年に仏ルノーが資本参加し、現在のカルロス・ゴーン社長が最高執行責任者(COO)に就いて「ゴーン体制」となって以来、初めてだ。
トヨタ自動車と日野自動車も09年3月期の連結営業利益が赤字転落する見通しを発表しており、国内自動車業界の苦境ぶりが一段と深刻さを増してきた。
日産は08年10月に中間決算を発表した際、09年3月期の連結営業利益の予想を当初の5500億円から2700億円に引き下げたが、月内にも再び下方修正する。赤字幅は少なくとも数百億円規模に達する見通しだ。
米小売売上高、初の減少 08年0.1%減、世界経済に重し
【ワシントン=大隅隆】米商務省が14日発表した昨年12月の小売売上高(季節調整済み)は3432億ドル(約30兆5000億円)となり前月比2.7%減少した。2008年通年では0.1%減の4兆4783億ドル(約398兆6000億円)で現行統計が始まった1992年以来初めて前年を下回った。住宅バブル崩壊を起点とする米経済の失速を背景に個人消費も縮小。世界経済のけん引役となってきた米消費の調整は今後も続く見通しだ。
年間ベースでの売上高は92年以降で最低の伸び率だった02年(2.4%増)を下回り、一気にマイナスに転じた。商務省によると、1968年に始まった古い統計方式のベースでも初の減少という。自動車・部品を除く売上高は同3.0%増の3兆6686億ドルだった。
12月は市場予測(1.2%減)より大幅な落ち込み。月次ベースの減少は6カ月連続となった。変動の大きい自動車・部品を除いても3.1%の減少となった。前年同月比で見ると9.8%のマイナス。衣料、家具などの需要が集中するクリスマス商戦の不振が裏付けられた格好だ。
新興国の車販売、厳しさ増す ロシア35%減など、09年見通し
【サンパウロ=檀上誠】新興国で2009年の自動車販売が一段と厳しさを増す見通しだ。ロシアでは08年予想比35%減、中国やブラジルも4―5%増と伸び悩む公算が大きい。景気低迷に加え、金融危機の影響に伴う自動車ローン縮小などが響く。世界の自動車市場をけん引してきた新興国の失速で、業界各社の間に減産や雇用調整の動きがさらに広がる可能性がある。
インタファクス通信によると、ロシアでは09年の新車販売(外国ブランド車、輸入と現地生産の合計)が130万台にとどまる見通し。08年は前年比27%増の200万台だったもようだが、一転してマイナスとなる。資源高を背景に増えていた高級輸入車販売の低迷が響く。
映画大手、デジタル投資相次ぐ 高品質コンテンツ供給
映画大手3社が相次ぎ、撮影所のデジタル化投資に乗り出した。東宝は14日、東宝スタジオ(東京・世田谷)に50億円を投じ、来年末までに映像や音響編集の先端デジタル機器を導入すると発表した。東映も52億円、松竹も20億円を投資しデジタル対応のスタジオを建設中。不況下でも積極的にデジタル投資し、テレビ局や映画館に高品質のコンテンツを供給する体制を築く。
東宝は昨春までに50億円を投じて撮影舞台を改装したが、新たに6月から50億円で主力スタジオの編集設備を刷新する。撮影後のフィルムに音声や特殊画像をつける「ポストプロダクション」と呼ぶ編集工程を効率化。音響施設を倍増するほか、高精細のハイビジョン映像に対応した編集室や試写室も設ける。米ワーナーブラザースの協力を得て設計した。
富士通、携帯電話でアジア市場を開拓 まず台湾市場へ供給
富士通は14日、携帯電話機でアジア市場を開拓すると正式発表した。端末開発や販路の開拓でNTTドコモと連携し、まず台湾市場へ供給する。ドコモの第三世代携帯電話「FOMA」を現地の言語に対応させた。富士通にとって携帯事業で初の海外進出で、国内が低迷する中、海外に成長の活路を求める。
日本で発売済みの製品を中国や台湾、韓国の言語に対応させるソフトを共同で開発した。第1弾として、ドコモが4.7%出資する台湾の携帯大手、FETへの供給を始めた。ドコモが2007年に発売した「F905i」を現地の言語に対応させた。
富士通のHDD事業、東芝が買収合意 ディスク部門、昭電交渉へ
東芝は14日、富士通のハードディスク駆動装置(HDD)事業を買収することで基本合意した。両社の社長が同日会談し、東芝が今春をメドに富士通のHDD生産・販売事業を買収することで一致した。買収額は300億―400億円とみられる。富士通は赤字のHDD事業から撤退する方針で、残るディスク生産部門についても昭和電工に売却する方向で本格交渉に入る。
東芝の西田厚聡社長と富士通の野副州旦社長が同日会談した。細部を詰め、早ければ今月内に発表する。
ステンレス、4-6割減産 JFE隔週操業、新日鉄住金はライン休止
ステンレスメーカー各社は1―3月期の減産幅を前年同期比40―60%に拡大する。2008年10―12月期の減産幅は同30%程度だった。JFEスチールや日新製鋼は操業を断続的に止めるほか、日本金属工業など準大手も操業時間短縮や休業を実施する。建設資材や家電向け需要が急速に冷え込んだことに加え、原料となる非鉄金属の価格急落でステンレスに先安観が台頭、買い控えの動きが広がったためだ。減産強化により、国内生産量はバブル崩壊後の水準まで落ち込む可能性がでてきた。
業界2位のJFEスチールは1月に入って、ステンレスの生産拠点である東日本製鉄所千葉地区(千葉市)で生産ラインを隔週で動かすようにした。昨秋までフル稼働だったが、受注減にあわせ稼働率を急速に落としており、生産水準を約50%にする。3位の日新製鋼も周南製鋼所(山口県周南市)で同様に生産ラインを2、3日ごとに稼働させて、前年水準と比べ40%減産する。
通信機器大手ノーテル、米連邦破産法を申請
【ニューヨーク=小高航】カナダの通信機器大手ノーテル・ネットワークスが14日、米連邦破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し事実上、経営破綻した。ノーテルは北米最大の通信機器メーカーだが、金融危機などに伴う市場低迷と資金調達環境の悪化に伴い、資金繰りが行き詰まった。
米メディアによるとノーテルの負債総額は36億ドル(約3200億円)以上とみられる。ノーテルは通信会社による設備投資抑制や中国メーカーとの価格競争から業績が悪化、昨年9月末時点で約11億ドルの債務超過に陥っていた。金融危機に伴い新規の資金調達が難しくなる中、大規模な負債の返済期限が迫り、自力での再建を断念した。
ノーテルは今後、連邦破産裁判所の承認を得た上で再建計画を策定。事業を継続しながら再生を目指す。
12月の工作機械受注71%減 過去最大の下げ幅に
代表的な生産設備である工作機械の受注悪化に歯止めがかからない。日本工作機械工業会(中村健一会長)が14日発表した2008年12月の工作機械受注額(速報値)は前年同月比71.9%減の367億1000万円。世界同時不況を背景にした設備投資の冷え込みで単月の受注額としては1994年2月に記録した389億円を下回り、過去最低に落ち込んだ。08年通年では前年比18.2%減の1兆3009億円と6年ぶりのマイナスに転じた。
日本メーカーの国内外での工作機械受注額は昨年6月に前年割れに転じた後、9月に20.1%、10月に40%減と秋以降、急速に減少。11月には1963年の統計開始来、過去最大の下げ幅となる62.1%減を記録し、12月はさらに減少幅が拡大した。主要顧客の自動車・電機メーカーなどが相次いで減産や工場休止に踏み切り、内外で設備投資はほとんど止まった状況だ。
12月の受注額の内訳は内需が74%減の152億円、輸出が70.3%減の214億円。
NHK、13年ぶり赤字見込む 09年度予算案、デジタル投資膨らむ
NHKは14日、鳩山邦夫総務相に2009年度予算案を提出した。受信料収入は過去最高の6490億円を計上し、不況下でも積極的な予算を組む。他方、デジタル化投資の膨張で支出も増え、事業収支差金は29億円と阪神大震災の余波を受けた1996年度以来、13年ぶりの赤字となる。予算案は2月上旬にも国会に提出される予定。
来年度の総事業収入は08年度予算より1.9%増の6699億円。支出は6728億円と同4%増える。地上デジタル放送への移行に向けた374億円の設備投資費などがかさむ。赤字分は繰越金から補てんする。
08年国内新車販売、「軽」の比率が過去最高の36.8%に
長期低迷が続く国内新車市場で軽自動車(排気量660cc以下)の比率が高まっている。税金などの維持費が安く燃費も良いため、登録車(同660cc超)からの乗り換えが進んだためだ。登録車の販売が大きく落ち込んだこともあり、2008年の国内総販売に占める軽自動車比率は36.8%と過去最高を更新した。地域別にみても同比率が4割超の都道府県が11月は38府県に達した。
08年の軽自動車販売台数は186万9893台。07年比2.6%減と2年連続マイナスではあるが、暦年では過去7番目の高水準を保った。登録車は08年の販売が石油危機直後の74年以来34年ぶりの低水準だったため、国内新車総販売に占める軽比率は36.8%と0.9ポイント上昇した。
【産経主張】ヒラリー外交 「日本重視」に積極対応を
次期米国務長官に指名されたヒラリー・クリントン上院議員が上院外交委員会の承認公聴会で証言し、外交、軍事、経済力や文化的影響力を駆使した「スマートパワー」で米外交の指導力を再生する決意を表明した。
クリントン氏の証言は、オバマ次期政権の外交を担う「ヒラリー外交」の実質デビューといっていい。「米単独では緊急課題を解決できないが、世界も米国抜きでは解決できない」とオバマ氏の公約でもある国際協調路線を強調し、軍事力を「最後の手段」としつつ米国の力を賢明(スマート)に組み合わせて取り組むという。
テロとの戦いに没頭せざるを得なかったブッシュ政権とは一線を画し、国際機関の活用や気候変動にも目配りする。イラク、アフガニスタン、パキスタン、イランなど中東周辺の利害は複雑に入り組み、全体を見すえた「包括的解決が必要」とも訴えた。そうした構想と氏の意欲は伝わった。それが「強く、信頼されるアメリカ」の再生につながるのなら、期待をこめて注目していきたい。
ただし、今後はスマートな公約よりも実際の外交が問われる。例えばクリントン氏は選挙戦で独裁政権との直接対話を掲げたオバマ氏を「未熟」と批判したが、公聴会では北朝鮮やイランとの直接外交を否定しなかった。昨年末、空中分解した6カ国協議が示すように、北朝鮮やイランの問題は一筋縄ではいかず、「話せばわかる」相手でもない。厳しい現実に立って、「対話と圧力」の適切なバランスを注文したい。もちろん、拉致問題も忘れては困る。
クリントン氏は日米同盟を「アジアの平和と繁栄の要石で、共通の価値と利益に基づく」と、同盟重視路線が変わらないことを強調した。選挙戦で「米中関係が最重要」と発言して懸念を招いたこともあるが、公聴会では「米中関係は中国次第」と中国に責任ある行動を求める姿勢を示唆した。
激動が続くアジアで、日本にとっても同盟の強化と発展が生命線に等しいことはいうまでもない。オバマ政権では、ブッシュ時代の「甘え」が通用しないドライな関係が予想される。アフガニスタンやソマリア沖の海賊対策などで、より具体的な貢献が求められるだろう。これにどう応えるのか。米国に注文するだけでなく、信頼される同盟国として日本も積極的に行動する外交が不可欠だ。
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日経社説 電機産業は事業モデル改革を(1/14)
世界景気の減速と円高のダブルパンチで、電機メーカーの業績が急ピッチで悪化している。ソニーと東芝が今期、営業赤字に転落する見通しになったほか、パナソニックも薄型パネルの投資圧縮を決めた。
欧米市場では個人消費の冷え込みで薄型テレビなどの販売にブレーキがかかり、米家電量販店2位のサーキット・シティが昨年11月に経営破綻に追い込まれた。円高も収益の足を引っ張り、海外売上比率の高いソニーなどの打撃は大きい。
日本の電機産業は1990年代初頭に世界を席巻したが、その後のデジタル化やソフト化の波に乗りきれず、地盤沈下が続いてきた。
携帯電話ではノキア(フィンランド)、携帯音楽プレーヤーでは米アップル、半導体メモリーでは韓国サムスン電子など重要市場の多くで、主導権を海外勢に握られた。
電機各社は当面の策として人員削減や投資縮小を打ち出しているが、それだけでは不十分だろう。事業モデルの転換が避けて通れない。
日本の電機産業は多数のプレーヤーが同じ市場に参入し、激しい競争をバネにコストや品質に磨きをかけてきた。だが、規模の利益がモノをいうデジタル時代には、この「切磋琢磨(せっさたくま)」型のモデルは通用しにくい。
例えば最近の携帯電話は膨大なソフトウエアを搭載している。日本メーカーは独自仕様のソフトにこだわっているが、これだと1社当たりの開発負担が膨らみ、コストは高止まりする。その結果、日本企業は携帯市場で国際競争力を持ち得ていない。業界の再編集約を加速し、規模の利益を発揮できる体制を整えることが、復活への第一歩だろう。
もう一つはグローバル化への再挑戦だ。パナソニックは今春から欧州の白物家電市場に参入する。国内で蓄積した省エネや節水技術がどこまで外で通用するか、注目したい。
電機と並んで自動車業界も業績悪化が著しいが、日本車メーカーは海外企業に比べて環境技術などで一日の長がある。世界経済が正常化すれば、復活が期待できる。だが、電機の先行きはそれほど楽観できない。今回の業績悪化をテコに思い切った改革を進められるかが問われる。
カラオケ店の動画撮影サービスからニコニコ動画へ投稿可能に
BMBは、カラオケ店舗で動画を撮影し携帯コンテンツにできる「UGA着メロ工房」がニコニコ動画(ββ)に対応したと発表した。ニコニコ動画にはカラオケUGAの公式チャンネルとして、「UGAチャンネル」がオープンしている。
「UGA着メロ工房」は、カラオケ店舗に設置された専用端末で歌う様子を撮影し、携帯向けの着うたや着ビデオにできるサービス。今回、ニコニコ動画の公式チャンネル、音楽カテゴリーに「UGAチャンネル」が追加され、撮影した動画がニコニコ動画の同チャンネル内に投稿できるようになった。また、「UGAチャンネル」では、お笑い芸人などがカラオケで歌う模様を収録した動画も公開されている。
角川、ユーザーが字幕を付けられる動画サイト「kadoTV」を公開
角川グループのクロスメディア事業を統括する角川マーケティングは1月13日、ユーザーが字幕を付けられる動画サービス「kadoTV」を公開した。
これは、経済産業省が実施する「情報大航海プロジェクト」の一環の事業として実施するもの。チームラボの「サグールテレビ」の技術を活用しており、既存の動画共有サイトに投稿されている動画に対してユーザーが字幕を付けられるようにした。複数のユーザーが協力してひとつの字幕を編集できるようにしたほか、複数言語の入力に対応している。
キーワードによる動画の検索、字幕の内容検索、音声認識検索、関連動画のレコメンデーション表示、動画同一性検知技術を使った同じシーンを使っている動画の表示といった機能も備えている。
開発にはチームラボのほか、フジヤマ、NTTデータ、NTTコミュニケーション科学基礎研究所などが協力している。サービスの実証期間は2月末までの予定だ。
MySpaceとソニー・ミュージックが新人発掘オーディション
マイスペースとソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)は1月14日、新人発掘オーディション「プリプロ」を開催すると発表した。1月15日から2月28日まで、SNS「MySpace」の専用ページで応募できる。
女優やモデル、ダンサー、シンガーソングライター、バンド、「音楽で笑わせる人」など、さまざまな分野のアーティストを募集する。審査は全部で3回あり、5月ごろに合格者を決定する。
合格すると、SMAに所属して活動できる。MySpaceでも活動をバックアップしていく予定だ。SMAとの契約に至らなかった応募者向けの育成イベントも実施する。
今後も両社は協力し、新人発掘から育成までを一貫して行うシステムを構築していくとしている。
レーザーディスク生産終了 パイオニア、部品調達困難で
パイオニアは1月14日、レーザーディスクプレーヤーの生産を終了すると発表した。1981年10月の発売以来、国内で累計約360万台を販売したが、DVDやBlu-ray Discなどの新メディアが普及する中、専用部品の調達が困難になってきたとして、生産打ち切りを決めた。
レーザーディスク(LD)は、直径30センチのディスク(20センチの「シングル」もあった)に記録したアナログ映像をレーザーで読み出す方式。オランダのPhilipsが開発した技術をもとに、国内ではパイオニアが民生向けに製品化。日本ビクターが開発した「VHD」との規格戦争を制し、業務用カラオケなどでも普及した。アニメファン向けの「BOX」販売もLDで定着。PC用記録媒体として「LD-ROM」も発売された。既にLDソフトのプレスは終了している。
クライスラー、「ジープ」を日産・ルノーに売却か ロイター報道
【ニューヨーク=米州総局】米自動車クライスラーが「ジープ」ブランドなどの事業売却に向けて日産自動車・仏ルノー連合と交渉に入ったと13日、ロイター通信が報じた。クライスラーは、米政府などから融資を受けて経営再建を急いでいるが、資産売却などのリストラ実施が支援の条件になっていた。
米メディアによると、日産・ルノー連合は、昨年クライスラーへの出資を目指したが、交渉は決裂した。
11月の携帯出荷数は349万台、前年比7割 ワンセグ率は9割超え
電子情報技術産業協会(JEITA)は、2008年11月度の携帯電話・PHS出荷実績を発表した。携帯・PHSの出荷数は349万3000台で、前年同月比では70.2%となった。
前年同月比がマイナスとなるのは、今回で5カ月連続。一方、300万台以上の出荷を記録したのは、2008年7月以来、4カ月ぶりとなる。また、2008年度の実績(4月~11月)を見ると、出荷数は2486万台、前年同月比は75.8%となっており、JEITAでは「ワンセグ端末が牽引し、好調だった2007年度の反動を受けている」と分析している。
内訳を見ると、携帯電話の出荷実績は338万6000台、前年同月比70.4%となった。このうち、306万4000台はワンセグ対応製品となっており、前年同月比100.3%と、わずかに前年より多くワンセグ対応製品が出荷されたことになる。JEITAによれば、ワンセグ搭載率は90.5%に達しており、初めて9割を越えた。また、ワンセグ対応製品の累計出荷数は4670万2000台となった。
JEITAでは、「新販売方式や旧機種の安売りがなくなったことで一部で様子見のユーザーもいるが、ワンセグ対応など高機能製品はユーザーから支持されている」としている。
一方、PHSの出荷実績は10万7000台で、前年同月比62.2%となった。こちらも5カ月連続で前年割れを記録したものの、10万台以上の出荷は2008年7月以来のこと。
ワークシェア「まず労働時間把握を」 連合会長、拙速導入に慎重
連合の高木剛会長は14日、東京都内で開かれた「新春労使トップセミナー」で今春の労使交渉の焦点に浮上しているワークシェアリング(仕事の分かち合い)について「労働時間の管理のないところに議論はない」と述べた。制度を普及するにはまずサービス残業などを含めた労働時間を正確に把握する必要があるとの考えを示した発言で拙速な導入には慎重な姿勢を示した。
高木氏は同じ仕事をしている正規と非正規社員の賃金水準に差がある点も指摘。導入の前提として同じ職種であれば同じ賃金水準を適用する「同一労働・同一賃金」の必要性を訴えた。
日本経団連と連合は15日に雇用確保策の1つとしてワークシェアリングを議論する。景気が急速に悪化するなか、正規社員と非正規社員が労働時間を分け合うことで雇用を維持する狙いだ。
トヨタ、操業休止中の賃金2割カット マツダも一部賃金カット
トヨタ自動車は国内の全12工場を対象に2、3月に予定している計11日間の操業休止日のうち、2日間を出勤しない休業日とし、賃金の2割をカットする方針を固めた。期間従業員などを含む約3万5000人が対象となる。会社側はすでに労働組合に提案しており、1月末に正式合意する見通しだ。トヨタが会社都合による休業日を設定し、賃金の一部をカットするのは初めて。
今回の会社側の提案は操業を休止する計11日間のうち5日間は有給休暇扱い、4日間は改善活動などを行い賃金カットはしないという内容。残りの2日間を休業日とする。労働基準法は、会社側の都合による休業日について、平均賃金の6割以上を手当として労働者に支払わなければならないと定めている。
一方、マツダの本社工場(広島県府中町)と防府工場(山口県防府市)で働く正社員約1万人についても、今月中の賃金が2割前後減る見通しだ。今月から両工場で1日2交代勤務のうち夜間操業を休止しており、残業代や夜間勤務手当が減ることになる。基準内賃金が減るかは不明だ。
仏の出生率、2.02に上昇 08年、30年前の水準回復
仏国立統計経済研究所が13日発表した2008年の人口動態調査によると、同年の出生率は2.02に上昇した。アイルランドと並んで欧州随一の子だくさんの国になった。働く女性の増加や晩婚の影響で平均出産年齢は約30歳と晩産化が著しいが、政府の少子化対策により女性の出産意欲は高まっている。日本の出生率(07年)は1.34。
08年は83万4000人が生まれ、07年より約1万6000人増えた。女性が一生の間に産む子供数である合計特殊出生率(速報値)は前年比0.04ポイント上がり2を突破。1990年代以降の反転上昇を経て、約30年前の水準を回復した。
平均出産年齢は29.9歳で最高齢を更新。30歳未満の出生は横ばいだが30歳以上の出産増が目立つ。出生数の52%は婚外子だった。
09年度の米財政赤字、3カ月で最大 金融危機など響く
【ワシントン=大隅隆】米財務省が13日発表した2008年12月の財政収支は836億ドル(約7兆4000億円)の赤字となった。同10月から始まった09会計年度の最初の3カ月の財政収支は4851億ドル(約43兆3000億円)の赤字となり、過去最大だった08年度全体の4547億ドルを上回った。税収低迷に加え、金融安定化にかかる費用が膨らんだためだ。
10月からの3カ月間は歳入が前年同期比9.6%減の5474億ドルに対し、歳出は44.8%増の1兆326億ドル。金融安定化法関連で銀行への資本注入などに2400億ドル超を支出した。この結果、3カ月間の財政赤字額は前年同期比で、4.5倍に膨らんでいる。
米議会予算局(CBO)は7日、09会計年度の財政赤字が1兆1800億ドル、国内総生産(GDP)比で8.3%に膨らむとの予測を発表。過去最悪だった1980年代のレーガン政権時代(6%台)を大幅に上回る。オバマ次期米大統領が検討している景気対策を反映した場合、赤字額はさらに膨らむ見通しだ。GDP比で二ケタになるとの見方も出ている。
世界景気の減速と円高のダブルパンチで、電機メーカーの業績が急ピッチで悪化している。ソニーと東芝が今期、営業赤字に転落する見通しになったほか、パナソニックも薄型パネルの投資圧縮を決めた。
欧米市場では個人消費の冷え込みで薄型テレビなどの販売にブレーキがかかり、米家電量販店2位のサーキット・シティが昨年11月に経営破綻に追い込まれた。円高も収益の足を引っ張り、海外売上比率の高いソニーなどの打撃は大きい。
日本の電機産業は1990年代初頭に世界を席巻したが、その後のデジタル化やソフト化の波に乗りきれず、地盤沈下が続いてきた。
携帯電話ではノキア(フィンランド)、携帯音楽プレーヤーでは米アップル、半導体メモリーでは韓国サムスン電子など重要市場の多くで、主導権を海外勢に握られた。
電機各社は当面の策として人員削減や投資縮小を打ち出しているが、それだけでは不十分だろう。事業モデルの転換が避けて通れない。
日本の電機産業は多数のプレーヤーが同じ市場に参入し、激しい競争をバネにコストや品質に磨きをかけてきた。だが、規模の利益がモノをいうデジタル時代には、この「切磋琢磨(せっさたくま)」型のモデルは通用しにくい。
例えば最近の携帯電話は膨大なソフトウエアを搭載している。日本メーカーは独自仕様のソフトにこだわっているが、これだと1社当たりの開発負担が膨らみ、コストは高止まりする。その結果、日本企業は携帯市場で国際競争力を持ち得ていない。業界の再編集約を加速し、規模の利益を発揮できる体制を整えることが、復活への第一歩だろう。
もう一つはグローバル化への再挑戦だ。パナソニックは今春から欧州の白物家電市場に参入する。国内で蓄積した省エネや節水技術がどこまで外で通用するか、注目したい。
電機と並んで自動車業界も業績悪化が著しいが、日本車メーカーは海外企業に比べて環境技術などで一日の長がある。世界経済が正常化すれば、復活が期待できる。だが、電機の先行きはそれほど楽観できない。今回の業績悪化をテコに思い切った改革を進められるかが問われる。
カラオケ店の動画撮影サービスからニコニコ動画へ投稿可能に
BMBは、カラオケ店舗で動画を撮影し携帯コンテンツにできる「UGA着メロ工房」がニコニコ動画(ββ)に対応したと発表した。ニコニコ動画にはカラオケUGAの公式チャンネルとして、「UGAチャンネル」がオープンしている。
「UGA着メロ工房」は、カラオケ店舗に設置された専用端末で歌う様子を撮影し、携帯向けの着うたや着ビデオにできるサービス。今回、ニコニコ動画の公式チャンネル、音楽カテゴリーに「UGAチャンネル」が追加され、撮影した動画がニコニコ動画の同チャンネル内に投稿できるようになった。また、「UGAチャンネル」では、お笑い芸人などがカラオケで歌う模様を収録した動画も公開されている。
角川、ユーザーが字幕を付けられる動画サイト「kadoTV」を公開
角川グループのクロスメディア事業を統括する角川マーケティングは1月13日、ユーザーが字幕を付けられる動画サービス「kadoTV」を公開した。
これは、経済産業省が実施する「情報大航海プロジェクト」の一環の事業として実施するもの。チームラボの「サグールテレビ」の技術を活用しており、既存の動画共有サイトに投稿されている動画に対してユーザーが字幕を付けられるようにした。複数のユーザーが協力してひとつの字幕を編集できるようにしたほか、複数言語の入力に対応している。
キーワードによる動画の検索、字幕の内容検索、音声認識検索、関連動画のレコメンデーション表示、動画同一性検知技術を使った同じシーンを使っている動画の表示といった機能も備えている。
開発にはチームラボのほか、フジヤマ、NTTデータ、NTTコミュニケーション科学基礎研究所などが協力している。サービスの実証期間は2月末までの予定だ。
MySpaceとソニー・ミュージックが新人発掘オーディション
マイスペースとソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)は1月14日、新人発掘オーディション「プリプロ」を開催すると発表した。1月15日から2月28日まで、SNS「MySpace」の専用ページで応募できる。
女優やモデル、ダンサー、シンガーソングライター、バンド、「音楽で笑わせる人」など、さまざまな分野のアーティストを募集する。審査は全部で3回あり、5月ごろに合格者を決定する。
合格すると、SMAに所属して活動できる。MySpaceでも活動をバックアップしていく予定だ。SMAとの契約に至らなかった応募者向けの育成イベントも実施する。
今後も両社は協力し、新人発掘から育成までを一貫して行うシステムを構築していくとしている。
レーザーディスク生産終了 パイオニア、部品調達困難で
パイオニアは1月14日、レーザーディスクプレーヤーの生産を終了すると発表した。1981年10月の発売以来、国内で累計約360万台を販売したが、DVDやBlu-ray Discなどの新メディアが普及する中、専用部品の調達が困難になってきたとして、生産打ち切りを決めた。
レーザーディスク(LD)は、直径30センチのディスク(20センチの「シングル」もあった)に記録したアナログ映像をレーザーで読み出す方式。オランダのPhilipsが開発した技術をもとに、国内ではパイオニアが民生向けに製品化。日本ビクターが開発した「VHD」との規格戦争を制し、業務用カラオケなどでも普及した。アニメファン向けの「BOX」販売もLDで定着。PC用記録媒体として「LD-ROM」も発売された。既にLDソフトのプレスは終了している。
クライスラー、「ジープ」を日産・ルノーに売却か ロイター報道
【ニューヨーク=米州総局】米自動車クライスラーが「ジープ」ブランドなどの事業売却に向けて日産自動車・仏ルノー連合と交渉に入ったと13日、ロイター通信が報じた。クライスラーは、米政府などから融資を受けて経営再建を急いでいるが、資産売却などのリストラ実施が支援の条件になっていた。
米メディアによると、日産・ルノー連合は、昨年クライスラーへの出資を目指したが、交渉は決裂した。
11月の携帯出荷数は349万台、前年比7割 ワンセグ率は9割超え
電子情報技術産業協会(JEITA)は、2008年11月度の携帯電話・PHS出荷実績を発表した。携帯・PHSの出荷数は349万3000台で、前年同月比では70.2%となった。
前年同月比がマイナスとなるのは、今回で5カ月連続。一方、300万台以上の出荷を記録したのは、2008年7月以来、4カ月ぶりとなる。また、2008年度の実績(4月~11月)を見ると、出荷数は2486万台、前年同月比は75.8%となっており、JEITAでは「ワンセグ端末が牽引し、好調だった2007年度の反動を受けている」と分析している。
内訳を見ると、携帯電話の出荷実績は338万6000台、前年同月比70.4%となった。このうち、306万4000台はワンセグ対応製品となっており、前年同月比100.3%と、わずかに前年より多くワンセグ対応製品が出荷されたことになる。JEITAによれば、ワンセグ搭載率は90.5%に達しており、初めて9割を越えた。また、ワンセグ対応製品の累計出荷数は4670万2000台となった。
JEITAでは、「新販売方式や旧機種の安売りがなくなったことで一部で様子見のユーザーもいるが、ワンセグ対応など高機能製品はユーザーから支持されている」としている。
一方、PHSの出荷実績は10万7000台で、前年同月比62.2%となった。こちらも5カ月連続で前年割れを記録したものの、10万台以上の出荷は2008年7月以来のこと。
ワークシェア「まず労働時間把握を」 連合会長、拙速導入に慎重
連合の高木剛会長は14日、東京都内で開かれた「新春労使トップセミナー」で今春の労使交渉の焦点に浮上しているワークシェアリング(仕事の分かち合い)について「労働時間の管理のないところに議論はない」と述べた。制度を普及するにはまずサービス残業などを含めた労働時間を正確に把握する必要があるとの考えを示した発言で拙速な導入には慎重な姿勢を示した。
高木氏は同じ仕事をしている正規と非正規社員の賃金水準に差がある点も指摘。導入の前提として同じ職種であれば同じ賃金水準を適用する「同一労働・同一賃金」の必要性を訴えた。
日本経団連と連合は15日に雇用確保策の1つとしてワークシェアリングを議論する。景気が急速に悪化するなか、正規社員と非正規社員が労働時間を分け合うことで雇用を維持する狙いだ。
トヨタ、操業休止中の賃金2割カット マツダも一部賃金カット
トヨタ自動車は国内の全12工場を対象に2、3月に予定している計11日間の操業休止日のうち、2日間を出勤しない休業日とし、賃金の2割をカットする方針を固めた。期間従業員などを含む約3万5000人が対象となる。会社側はすでに労働組合に提案しており、1月末に正式合意する見通しだ。トヨタが会社都合による休業日を設定し、賃金の一部をカットするのは初めて。
今回の会社側の提案は操業を休止する計11日間のうち5日間は有給休暇扱い、4日間は改善活動などを行い賃金カットはしないという内容。残りの2日間を休業日とする。労働基準法は、会社側の都合による休業日について、平均賃金の6割以上を手当として労働者に支払わなければならないと定めている。
一方、マツダの本社工場(広島県府中町)と防府工場(山口県防府市)で働く正社員約1万人についても、今月中の賃金が2割前後減る見通しだ。今月から両工場で1日2交代勤務のうち夜間操業を休止しており、残業代や夜間勤務手当が減ることになる。基準内賃金が減るかは不明だ。
仏の出生率、2.02に上昇 08年、30年前の水準回復
仏国立統計経済研究所が13日発表した2008年の人口動態調査によると、同年の出生率は2.02に上昇した。アイルランドと並んで欧州随一の子だくさんの国になった。働く女性の増加や晩婚の影響で平均出産年齢は約30歳と晩産化が著しいが、政府の少子化対策により女性の出産意欲は高まっている。日本の出生率(07年)は1.34。
08年は83万4000人が生まれ、07年より約1万6000人増えた。女性が一生の間に産む子供数である合計特殊出生率(速報値)は前年比0.04ポイント上がり2を突破。1990年代以降の反転上昇を経て、約30年前の水準を回復した。
平均出産年齢は29.9歳で最高齢を更新。30歳未満の出生は横ばいだが30歳以上の出産増が目立つ。出生数の52%は婚外子だった。
09年度の米財政赤字、3カ月で最大 金融危機など響く
【ワシントン=大隅隆】米財務省が13日発表した2008年12月の財政収支は836億ドル(約7兆4000億円)の赤字となった。同10月から始まった09会計年度の最初の3カ月の財政収支は4851億ドル(約43兆3000億円)の赤字となり、過去最大だった08年度全体の4547億ドルを上回った。税収低迷に加え、金融安定化にかかる費用が膨らんだためだ。
10月からの3カ月間は歳入が前年同期比9.6%減の5474億ドルに対し、歳出は44.8%増の1兆326億ドル。金融安定化法関連で銀行への資本注入などに2400億ドル超を支出した。この結果、3カ月間の財政赤字額は前年同期比で、4.5倍に膨らんでいる。
米議会予算局(CBO)は7日、09会計年度の財政赤字が1兆1800億ドル、国内総生産(GDP)比で8.3%に膨らむとの予測を発表。過去最悪だった1980年代のレーガン政権時代(6%台)を大幅に上回る。オバマ次期米大統領が検討している景気対策を反映した場合、赤字額はさらに膨らむ見通しだ。GDP比で二ケタになるとの見方も出ている。
HDD事業、東芝が富士通と買収交渉
東芝は富士通のハードディスク駆動装置(HDD)事業を買収する方向で最終調整に入った。月内の合意を目指す。東芝は買収により、ノートパソコンなどのデータ記憶装置として成長が期待できる小型HDDで世界首位に浮上。富士通は収益改善に向け赤字の同事業から撤退する。世界同時不況の影響でデジタル製品の市場環境は急速に悪化しており、各社は事業の選別を迫られている。パナソニックも三洋電機の買収で合意しており、電機業界の再編・淘汰が加速する。
東芝と富士通は週内にもトップ会談を開く見通し。合意すれば今月末に発表し、今春をめどに買収を完了する。買収額は未定だが、300億―400億円程度の見込みだ。
電機、利益6年ぶり低水準 大手9社の今期
電機大手の業績が急速に悪化している。2009年3月期はソニーや東芝が1000億―2000億円規模の連結営業赤字に転落、三洋電機の営業利益は前期比61%減の300億円と従来予想を200億円程度下回る見込み。現時点で大手9社合計の営業損益は差し引き1兆500億円の黒字にとどまり、前期比56%減と6年ぶりの低水準となる見通し。世界的な景気後退を受けデジタル家電や半導体の不振は深刻になっており、一段と下方修正の動きが広がる公算が大きい。
9社計の営業利益の水準は、IT(情報技術)バブル崩壊から立ち直り好決算の出発点となった03年3月期の水準に逆戻りする。足元の環境悪化を十分に業績予想に反映していない企業も多く、例えば昨年10月以降の為替前提は大半が1ドル=100円だが、実際の相場平均は95円前後。円高が利益の下振れ要因となるのは避けられない。
ローカル強化、世界均一戦略を修正 グーグル日本法人
米グーグル日本法人社長に1日就任した辻野晃一郎氏(51)は日本経済新聞の取材に応じ、日本独自のブランド・マーケティングと営業活動を強化する考えを示した。グーグルは世界均一のサービスやブランドイメージを重視してきたが、「各国・地域別の最適化を世界戦略として進め始めた」と述べた。
グーグルのネット検索市場でのシェアは欧米では圧倒的な首位だが、日本、中国、韓国の東アジア3国では地元の首位企業に水を開けられている。世界均一の戦略を展開する典型的な米国企業のやり方が一つの要因ともいわれてきた。このため、08年には日本向けホームページを世界標準と異なる独自様式に変更、同社として世界で初めてブランド広告も打ち始めた。
マイスペース、自作楽曲を贈れるサービス 期間限定で作曲機能搭載
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)世界大手マイスペースの日本法人(東京・渋谷、大蘿淳司社長)は13日、自作の楽曲をサイト上で他人に贈れるサービスを始めたと発表した。ソフトウエア開発のモンスター・ラボ(東京・世田谷)との共同企画。各利用者のプロフィルページ上で簡単に楽曲を制作でき、会員同士で自由にプレゼントし合える。
米ソフト開発ベンチャーのエッグビート(カリフォルニア州)の作曲ソフト「エッグビート」を活用した。作曲経験のない利用者でもギターやドラム、ベース、トランペットなどの楽器の音色を組み合わせて、伴奏付きの楽曲を作成できる。
マイスペースは音楽アーティストが多数登録しており、エンターテインメント情報が豊富なSNSとされている。今回、バレンタイン企画として期間限定で作曲機能を搭載し、音楽愛好家コミュニティーを活性化する。
トヨタ部長級2200人が新車購入 業績回復へ“自主的”行動
世界的な新車販売の低迷を受け、トヨタ自動車の部長級約2200人が3月末までに自社の新車を購入する取り組みを始めたことが13日、分かった。部長職の自主的な行動からスタートしたが、一部の役員も同調している。業績悪化に歯止めをかけるための異例の取り組みだ。
9日に開いた部長会の総会で決定した。トヨタには部長級に相当する基幹職1級と2級、理事が計約2200人いるが、それぞれが「強制ではなく、あくまで自主的」にトヨタ車を購入するという。車種や価格などの制限は設けない。
この取り組みに常務役員以上の一部経営幹部らも賛同し、すでに複数の役員が昨年11月に発売した超小型車「iQ」や小型車「ヴィッツ」などを注文。中には2台の新車購入を予定している幹部もいるという。
東京モーターショー開けるの?…ビッグ3など参加登録せず
今年10月に開催予定の「第41回東京モーターショー」に、米自動車大手3社(ビッグスリー)など海外の主要メーカーが昨年12月末の期限を過ぎても参加登録を済ませていないことが13日、分かった。
主催する日本自動車工業会は「引き続き申し込みを受け入れる」としているが、国内メーカーからは「海外勢が参加しなければ『国際展示会』にならない」と開催そのものを危ぶむ声も上がっている。
景気底入れ22年以降 「回復後ずれ」日銀修正へ
日銀は13日、国内の景気が底入れして回復軌道に戻る時期について、従来の「平成21年度半ば以降」との予測を「22年以降」に修正する方向で検討に入った。世界経済の後退で急減した輸出の早期回復が見込めないため、景気後退局面の長期化は避けられないと判断した。原油など原材料価格の下落を受け、21年度の物価上昇率もマイナス予想に下方修正する見通しで、物価が持続的に下落して経済全体が縮小するデフレの懸念が強まっている。
日銀は21、22日の政策委員会・金融政策決定会合で昨年10月にまとめた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中間評価を行い、新たな経済・物価の見通しを示す。
10月時点では、景気の底入れ時期を21年度半ば以降と見込んでいたが、その後雇用情勢も急速に悪化していることなどから、回復が後ずれするとの判断を示す見通し。これに伴い、21年度の実質経済成長率の予測も10月時点の0・6%からマイナス成長に大幅に引き下げる方向だ。
一方、消費者物価指数(除く生鮮食品)の伸び率予測も21年度は前年度比で横ばい(0%)からマイナスに下方修正するとみられる。
米シティ、個人向け証券部門をモルガン・スタンレーに売却
【ニューヨーク=米州総局】米大手銀シティグループは13日、個人向け証券部門「スミス・バーニー」を米証券大手モルガン・スタンレーに売却することで合意したと発表した。シティの部門を新会社として分離し、シティが49%、モルガン・スタンレーが51%を出資する。新会社の資産は1兆7000億ドル(約153兆円)で、全世界に1000拠点を持つ。
シティは政府から資本注入などの緊急支援を受けたばかり。ただ、今月発表する2008年10―12月期決算は、5.四半期連続の最終赤字となる見通し。財務体質の悪化も続いており、収益源である個人証券部門を売却する。モルガン・スタンレーは富裕層向け運用ビジネスの拡大を狙う。
基礎収支黒字化、18年度にずれ込み 内閣府試算
内閣府が月内にまとめる中長期の財政試算で、国と地方を合わせた基礎的財政収支が黒字化する時期が2018年度にずれ込む見通しであることが明らかになった。試算は消費税率を5%上げることが前提。政府が努力目標とする11年度の黒字化は極めて難しく、歳出改革と経済成長戦略の練り直しが必要になる。
政府は10年代にかけての経済財政運営の方針を示す「経済財政の中長期方針と10年展望」(仮)を月内に閣議決定する。内閣府が方針の参考として示す財政試算は、政府の公式な見通しの位置づけになる。
アジア開銀、資本金3倍に 金融危機対応
【マニラ=遠西俊洋】アジア開発銀行(ADB)は約550億ドル(約5兆円)の資本を3倍の15兆円に増やす方針を固めた。月内にも日米など主要出資国と本格調整に入る。金融危機の影響で域内から資本が流出すれば、新興国への資金供給に支障が生じると判断し、過去最大級の増資に踏み切る。インフラ整備などの資金需要に応えられるよう貸し出し余力を高め、域内の安定成長を下支えする金融安全網を強化する。
5月上旬にインドネシアで開く年次総会前に増資額を正式に決める。実現すれば15年ぶり、過去最大級の増資になる。日本に非公式に打診し始めたほか、オバマ次期政権の誕生を待って米国とも最終調整を進める。
郵船、車輸出船を廃棄 商船三井、増強計画見直し
海運大手が世界景気後退による国際貿易低迷を受け、船舶の増強計画を一段と縮小する。日本郵船は自動車の輸出専用船を大量廃棄。商船三井は2012年度末までの増強計画を下方修正する。工業製品や資源の海運需要は急速に鈍っており、各社は03年ごろから続いてきた輸送能力の拡大路線を全面転換する。
海運各社は自社保有船と船主から借りた用船で船隊を構成する。増強計画を見直す場合、老朽船の廃棄や割高な用船の解約などで対応する。
日経社説 補正の早期成立へ与野党は話し合え(1/14)
景気対策を具体化した2008年度第2次補正予算案と関連法案が与党の賛成多数で衆院を通過した。民主党が提出した定額給付金を削除する修正案は否決された。定額給付金をめぐる与野党対立は険しく、参院審議は難航が予想される。景気の悪化は一段と深刻さを増しており、国民生活を脅かしている。2次補正を速やかに成立させるため与野党は真剣に話し合うべきである。
2次補正には雇用対策費や中小企業の信用保証枠を大幅に拡大するなどの緊急な景気対策が盛り込まれている。3月末には企業の資金繰りが一段と厳しくなるとみられる。2兆円の定額給付金は景気対策としては甚だ疑問だが、2次補正は国民生活を守るためにも一刻も早く成立させる必要がある。
野党が多数の参院審議は予断を許さない。与野党の不毛な対立が続いた場合、2次補正の成立に30日、その関連法案の成立には60日を要する事態も想定される。それではあまりにも遅すぎる。そうならないよう、参院では与野党が定額給付金の修正も含めて徹底的に話し合ってもらいたい。
民主党はいたずらに審議を引き延ばす戦術はとるべきではない。与党が定額給付金の削除にどうしても応じない場合は参院で速やかに定額給付金削除の修正案を可決し、参院としての意思を明確に示せばよい。強引な審議引き延ばしは「国民生活が第一」という党の看板と矛盾する。
与党も衆院の3分の2の多数に頼りきるような強硬戦術は慎むべきである。2次補正や2009年度予算を早期に成立させるためには柔軟な姿勢で民主党の軟化を促すべきだろう。定額給付金で譲歩できないなら、2次補正・本予算成立後速やかに衆院を解散して、定額給付金の是非も含めて民意を問うという姿勢を示すことが大事である。
麻生太郎首相は「政局より政策」と言明したのだから、景気・雇用対策が盛り込まれた2次補正や本予算の早期成立のために、解散カードを切ることも含めて何でもやるという強い決意を示してもらいたい。
13日の衆院本会議の採決では、自民党に離党届を提出した渡辺喜美議員が自民党の松浪健太議員とともに本会議場から退席した。渡辺氏は麻生首相の政権・政策運営を痛烈に批判したが、造反したのは渡辺・松浪両氏にとどまり、いまのところ造反の動きは限定的だ。どんなに不満があっても与党議員には2次補正や本予算を早期に成立させる責任があることを忘れてはならない。
東芝は富士通のハードディスク駆動装置(HDD)事業を買収する方向で最終調整に入った。月内の合意を目指す。東芝は買収により、ノートパソコンなどのデータ記憶装置として成長が期待できる小型HDDで世界首位に浮上。富士通は収益改善に向け赤字の同事業から撤退する。世界同時不況の影響でデジタル製品の市場環境は急速に悪化しており、各社は事業の選別を迫られている。パナソニックも三洋電機の買収で合意しており、電機業界の再編・淘汰が加速する。
東芝と富士通は週内にもトップ会談を開く見通し。合意すれば今月末に発表し、今春をめどに買収を完了する。買収額は未定だが、300億―400億円程度の見込みだ。
電機、利益6年ぶり低水準 大手9社の今期
電機大手の業績が急速に悪化している。2009年3月期はソニーや東芝が1000億―2000億円規模の連結営業赤字に転落、三洋電機の営業利益は前期比61%減の300億円と従来予想を200億円程度下回る見込み。現時点で大手9社合計の営業損益は差し引き1兆500億円の黒字にとどまり、前期比56%減と6年ぶりの低水準となる見通し。世界的な景気後退を受けデジタル家電や半導体の不振は深刻になっており、一段と下方修正の動きが広がる公算が大きい。
9社計の営業利益の水準は、IT(情報技術)バブル崩壊から立ち直り好決算の出発点となった03年3月期の水準に逆戻りする。足元の環境悪化を十分に業績予想に反映していない企業も多く、例えば昨年10月以降の為替前提は大半が1ドル=100円だが、実際の相場平均は95円前後。円高が利益の下振れ要因となるのは避けられない。
ローカル強化、世界均一戦略を修正 グーグル日本法人
米グーグル日本法人社長に1日就任した辻野晃一郎氏(51)は日本経済新聞の取材に応じ、日本独自のブランド・マーケティングと営業活動を強化する考えを示した。グーグルは世界均一のサービスやブランドイメージを重視してきたが、「各国・地域別の最適化を世界戦略として進め始めた」と述べた。
グーグルのネット検索市場でのシェアは欧米では圧倒的な首位だが、日本、中国、韓国の東アジア3国では地元の首位企業に水を開けられている。世界均一の戦略を展開する典型的な米国企業のやり方が一つの要因ともいわれてきた。このため、08年には日本向けホームページを世界標準と異なる独自様式に変更、同社として世界で初めてブランド広告も打ち始めた。
マイスペース、自作楽曲を贈れるサービス 期間限定で作曲機能搭載
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)世界大手マイスペースの日本法人(東京・渋谷、大蘿淳司社長)は13日、自作の楽曲をサイト上で他人に贈れるサービスを始めたと発表した。ソフトウエア開発のモンスター・ラボ(東京・世田谷)との共同企画。各利用者のプロフィルページ上で簡単に楽曲を制作でき、会員同士で自由にプレゼントし合える。
米ソフト開発ベンチャーのエッグビート(カリフォルニア州)の作曲ソフト「エッグビート」を活用した。作曲経験のない利用者でもギターやドラム、ベース、トランペットなどの楽器の音色を組み合わせて、伴奏付きの楽曲を作成できる。
マイスペースは音楽アーティストが多数登録しており、エンターテインメント情報が豊富なSNSとされている。今回、バレンタイン企画として期間限定で作曲機能を搭載し、音楽愛好家コミュニティーを活性化する。
トヨタ部長級2200人が新車購入 業績回復へ“自主的”行動
世界的な新車販売の低迷を受け、トヨタ自動車の部長級約2200人が3月末までに自社の新車を購入する取り組みを始めたことが13日、分かった。部長職の自主的な行動からスタートしたが、一部の役員も同調している。業績悪化に歯止めをかけるための異例の取り組みだ。
9日に開いた部長会の総会で決定した。トヨタには部長級に相当する基幹職1級と2級、理事が計約2200人いるが、それぞれが「強制ではなく、あくまで自主的」にトヨタ車を購入するという。車種や価格などの制限は設けない。
この取り組みに常務役員以上の一部経営幹部らも賛同し、すでに複数の役員が昨年11月に発売した超小型車「iQ」や小型車「ヴィッツ」などを注文。中には2台の新車購入を予定している幹部もいるという。
東京モーターショー開けるの?…ビッグ3など参加登録せず
今年10月に開催予定の「第41回東京モーターショー」に、米自動車大手3社(ビッグスリー)など海外の主要メーカーが昨年12月末の期限を過ぎても参加登録を済ませていないことが13日、分かった。
主催する日本自動車工業会は「引き続き申し込みを受け入れる」としているが、国内メーカーからは「海外勢が参加しなければ『国際展示会』にならない」と開催そのものを危ぶむ声も上がっている。
景気底入れ22年以降 「回復後ずれ」日銀修正へ
日銀は13日、国内の景気が底入れして回復軌道に戻る時期について、従来の「平成21年度半ば以降」との予測を「22年以降」に修正する方向で検討に入った。世界経済の後退で急減した輸出の早期回復が見込めないため、景気後退局面の長期化は避けられないと判断した。原油など原材料価格の下落を受け、21年度の物価上昇率もマイナス予想に下方修正する見通しで、物価が持続的に下落して経済全体が縮小するデフレの懸念が強まっている。
日銀は21、22日の政策委員会・金融政策決定会合で昨年10月にまとめた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中間評価を行い、新たな経済・物価の見通しを示す。
10月時点では、景気の底入れ時期を21年度半ば以降と見込んでいたが、その後雇用情勢も急速に悪化していることなどから、回復が後ずれするとの判断を示す見通し。これに伴い、21年度の実質経済成長率の予測も10月時点の0・6%からマイナス成長に大幅に引き下げる方向だ。
一方、消費者物価指数(除く生鮮食品)の伸び率予測も21年度は前年度比で横ばい(0%)からマイナスに下方修正するとみられる。
米シティ、個人向け証券部門をモルガン・スタンレーに売却
【ニューヨーク=米州総局】米大手銀シティグループは13日、個人向け証券部門「スミス・バーニー」を米証券大手モルガン・スタンレーに売却することで合意したと発表した。シティの部門を新会社として分離し、シティが49%、モルガン・スタンレーが51%を出資する。新会社の資産は1兆7000億ドル(約153兆円)で、全世界に1000拠点を持つ。
シティは政府から資本注入などの緊急支援を受けたばかり。ただ、今月発表する2008年10―12月期決算は、5.四半期連続の最終赤字となる見通し。財務体質の悪化も続いており、収益源である個人証券部門を売却する。モルガン・スタンレーは富裕層向け運用ビジネスの拡大を狙う。
基礎収支黒字化、18年度にずれ込み 内閣府試算
内閣府が月内にまとめる中長期の財政試算で、国と地方を合わせた基礎的財政収支が黒字化する時期が2018年度にずれ込む見通しであることが明らかになった。試算は消費税率を5%上げることが前提。政府が努力目標とする11年度の黒字化は極めて難しく、歳出改革と経済成長戦略の練り直しが必要になる。
政府は10年代にかけての経済財政運営の方針を示す「経済財政の中長期方針と10年展望」(仮)を月内に閣議決定する。内閣府が方針の参考として示す財政試算は、政府の公式な見通しの位置づけになる。
アジア開銀、資本金3倍に 金融危機対応
【マニラ=遠西俊洋】アジア開発銀行(ADB)は約550億ドル(約5兆円)の資本を3倍の15兆円に増やす方針を固めた。月内にも日米など主要出資国と本格調整に入る。金融危機の影響で域内から資本が流出すれば、新興国への資金供給に支障が生じると判断し、過去最大級の増資に踏み切る。インフラ整備などの資金需要に応えられるよう貸し出し余力を高め、域内の安定成長を下支えする金融安全網を強化する。
5月上旬にインドネシアで開く年次総会前に増資額を正式に決める。実現すれば15年ぶり、過去最大級の増資になる。日本に非公式に打診し始めたほか、オバマ次期政権の誕生を待って米国とも最終調整を進める。
郵船、車輸出船を廃棄 商船三井、増強計画見直し
海運大手が世界景気後退による国際貿易低迷を受け、船舶の増強計画を一段と縮小する。日本郵船は自動車の輸出専用船を大量廃棄。商船三井は2012年度末までの増強計画を下方修正する。工業製品や資源の海運需要は急速に鈍っており、各社は03年ごろから続いてきた輸送能力の拡大路線を全面転換する。
海運各社は自社保有船と船主から借りた用船で船隊を構成する。増強計画を見直す場合、老朽船の廃棄や割高な用船の解約などで対応する。
日経社説 補正の早期成立へ与野党は話し合え(1/14)
景気対策を具体化した2008年度第2次補正予算案と関連法案が与党の賛成多数で衆院を通過した。民主党が提出した定額給付金を削除する修正案は否決された。定額給付金をめぐる与野党対立は険しく、参院審議は難航が予想される。景気の悪化は一段と深刻さを増しており、国民生活を脅かしている。2次補正を速やかに成立させるため与野党は真剣に話し合うべきである。
2次補正には雇用対策費や中小企業の信用保証枠を大幅に拡大するなどの緊急な景気対策が盛り込まれている。3月末には企業の資金繰りが一段と厳しくなるとみられる。2兆円の定額給付金は景気対策としては甚だ疑問だが、2次補正は国民生活を守るためにも一刻も早く成立させる必要がある。
野党が多数の参院審議は予断を許さない。与野党の不毛な対立が続いた場合、2次補正の成立に30日、その関連法案の成立には60日を要する事態も想定される。それではあまりにも遅すぎる。そうならないよう、参院では与野党が定額給付金の修正も含めて徹底的に話し合ってもらいたい。
民主党はいたずらに審議を引き延ばす戦術はとるべきではない。与党が定額給付金の削除にどうしても応じない場合は参院で速やかに定額給付金削除の修正案を可決し、参院としての意思を明確に示せばよい。強引な審議引き延ばしは「国民生活が第一」という党の看板と矛盾する。
与党も衆院の3分の2の多数に頼りきるような強硬戦術は慎むべきである。2次補正や2009年度予算を早期に成立させるためには柔軟な姿勢で民主党の軟化を促すべきだろう。定額給付金で譲歩できないなら、2次補正・本予算成立後速やかに衆院を解散して、定額給付金の是非も含めて民意を問うという姿勢を示すことが大事である。
麻生太郎首相は「政局より政策」と言明したのだから、景気・雇用対策が盛り込まれた2次補正や本予算の早期成立のために、解散カードを切ることも含めて何でもやるという強い決意を示してもらいたい。
13日の衆院本会議の採決では、自民党に離党届を提出した渡辺喜美議員が自民党の松浪健太議員とともに本会議場から退席した。渡辺氏は麻生首相の政権・政策運営を痛烈に批判したが、造反したのは渡辺・松浪両氏にとどまり、いまのところ造反の動きは限定的だ。どんなに不満があっても与党議員には2次補正や本予算を早期に成立させる責任があることを忘れてはならない。
相互連携を加速する「ソーシャルコンピューティング」 2009キーワード(COLUMN)
毎年恒例になったが、昨年末も携帯キャリア各社から「年末年始の通話・メール利用にに関するお願い」という告知が出された。いわゆる「あけおめメール・ことよろコール」の集中を想定した予防策である。しかし今年は、ちょっと変わった年始の挨拶を交わした人もいるだろう。
日本最大手のSNS「ミクシィ」は今年の年賀状で日本郵便と提携し、本名や住所を知らないSNS上の友人(いわゆるマイミク)に年賀状を送ることができる「ミクシィ年賀状」というサービスを提供した。住所は知らないけれども、ネット上で知り合った人同士が新年の挨拶を交わす、という時代がこようとしている。これを実現する鍵が、「ソーシャルコンピューティング」だ。
■ソーシャルコンピューティングとは
ソーシャルコンピューティングとは、もともとは計算機科学の一分野の名前で、堅苦しい定義をすれば、人間の社会的な行動(誰かと知り合ったり、情報や知識を交換しあったり、知恵を出し合って何かを共同で作り上げたりする、など)を支援するために、どのようにコンピューターを利用すべきかを追求する学問領域である。
現在では、コンピューターとネットワークを用いて人々が容易にコミュニケーションを取り合い、情報を共有しあうことができるサービスがソーシャルコンピューティングを具体化したものとして挙げられることが多い。
SNSやブログ、動画共有サイト、ソーシャルブックマークなどといった身近なサービスを思い浮かべるとイメージがつかみやすいだろう。これらソーシャルコンピューティングを体現したサービスは、「ソーシャルソフトウェア」「ソーシャルアプリケーション」などとも呼ばれる。
ソーシャルコンピューティングを体現するサービスのもっとも根本的な特徴は、システム全体の設計にユーザー同士のインタラクションを含むことを前提としているかということにつきる。同じ情報共有といっても、この思想を含んでいるかいないかでコンピューターが活用される役割は大きく変わる。
■ソーシャルコンピューティングが登場した経緯
ソーシャルコンピューティングというキーワードが登場し始めたのは2000年前後にさかのぼる。IBMの研究所では、97年から社内のチャットシステムが組織の中でどのように利用されているかを研究し始め、98年には研究所の組織として「Social Computing Group」が立ち上がっている。
また、マイクロソフトも同社の研究所で00年にソーシャルコンピューティングの研究を始めている。いずれの研究プロジェクトでも、特別な要素技術を開発することに重点を置くのではなく、人間の行動を観察し、社会的な交流や情報の交換を促進するためにシステム全体をどのように組み立てるかにフォーカスしている点が共通している。
研究段階にあったソーシャルコンピューティングという分野が実際の社会の中でサービスとして体現されるようになったきっかけは、ブログの登場に端を発する「Web2.0」ブームである。ブロードバンドの普及による常時接続の実現、ブログやSNSのような簡易なウェブサービスを介して一般の人々の行動がデジタル化・共有化されることで、人間の社会的な行動の分析とコンピューターによる支援が現実味を帯びてきたのである。
今では、一般の消費者がソーシャルコンピューティングのメリットを日常的に享受するようになりつつある。日本のSNS市場に関して見ると、08年7月の段階でミクシィを利用するユーザー数は1500万人、携帯向けのモバゲータウンの会員数は1078万人に達しており、従来のポータルサイトの代表格であるヤフーのアクティブユーザーID数に徐々に近づいてきている。
もはや、ミクシィのようなSNS、「YouTube」や「ニコニコ動画」のような動画共有サイトなど、様々なソーシャルコンピューティング・プラットフォームが、消費者が日常的に集まる“ウェブへの入り口”になりつつあると言っていいだろう。
■“プラットフォームのオープン化”というトレンド
これまでは、ソーシャルコンピューティングを指向するサービスは、ネット上で個々の独立したサービスとして提供されることが多かった。Web2.0ブームの流れの中で、インターネットユーザーはSNS以外にもネット上の様々なサービスにアカウントを持つことになったが、各サービスに残したメッセージや日記、そこから生まれる人間関係、あるいはアップロードした写真や動画などのコンテンツはインターネットの様々な場所に分散し、相互にアクセスしにくい不便な状態になっている。例えば、ミクシィに書いた日記、Flickrに投稿した写真を一緒に見せるようなことが難しくなってしまった。
米国のSNS業界では昨年からこの競争原理が代わり始めた。その引き金となったのがフェースブックだ。フェースブックは07年5月に、SNS上で外部の事業者やユーザーが自由にアプリケーションを開発できる「Facebook Platform」を発表した。
これによって、2万4000を超えるアプリケーションが提供され、フェースブックユーザーは単なる日記の公開やメッセージの交換にとどまらず、様々なアプリケーションを利用することができるようになった。いわばSNSが、ウェブ上のソフトウエア開発とサービス提供の“プラットフォーム”へと進化を遂げたと言える。
その結果、フェースブックは急激にユーザー数を伸ばし、現在は世界で第1位のマイスペースに次ぐ2番目に巨大なSNSに躍進した。登録ユーザー数ではかなわないものの、月間のページビューではマイスペースと並ぶまでに至っている。
これに対して、グーグル、マイスペース、ミクシィなどはフェースブックに対抗する形で「OpenSocial」を発表した。このOpenSocialに準拠して記述されたアプリケーションは、OpenSocial対応のSNSならばどこでも再利用できるようになっている。
つまり、フェースブックのアプローチは、フェースブックを単一のアプリケーション提供のプラットフォームとしようとしているのに対し、OpenSocialの目指すところは、数多くのプラットフォーム向けに作られたソーシャルアプリケーションを分散したプラットフォームの間で流通させ、アプリケーションの量と多様性を確保することにある。
ミクシィは08年度中に「mixi Platform」と「mixi Connect」を提供すると発表した。mixi Platformはフェースブックのアプリケーションのように外部のソフトウエア開発企業がミクシィ内で使えるアプリケーションを開発できるようにする基盤であり、mixi connectは外部のサービスからmixi内のデータにアクセスするためのインターフェースである。冒頭で紹介した「ミクシィ年賀状」も、mixi connectをいち早く利用したものであるという。
■ソーシャルコンピューティングの今後
こうした流れが意味するところは、今後SNSのようなソーシャルメディアが互いにアプリケーションやデータを交換し、ユーザーのアクセスを奪い合う競合同士ながらも、緩やかな連携関係を築いていくということである。資金力が豊富な大手SNSであっても、ユーザーニーズはあまりにも多様であり、自社だけですべてに対応することは不可能だ。
「OpenID」という技術はこうした連携を容易にさせるものとして、導入が進み始めている。OpenIDを使うと、すでに登録しているサイトのアカウントを使って、別のサイトにも登録できる。例えば、語学学習コミュニティーサイトの「iKnow!」は、OpenIDに対応していて、ヤフーとミクシィ、グーグルのアカウントを使ってログインできる。このようにすることで、専門性の高い中小規模のコミュニティーサイトは大手のユーザーを取り込みやすくなり、大手サイトは細かなユーザーニーズに外部サイトを通じて対応できるようになる。
また、mixi connectのようなデータ連携も有望だ。グーグルには「Friend Connect」、フェースブックには「Facebook Connect」という機能があり、外部のサイトにデータを持ち出して利用することができる。ただし、フェースブックが、グーグルやマイスペースのサービスへのデータ提供を遮断するなど完全なオープン環境には至っていない。
■ユーザーの行動分析が重要に
SNSなどのソーシャルなサービスは、単なるコミュニティーや情報共有の手段の提供にとどまらず、その上でユーザーがどのような社会的な活動を行っているのかを分析し、よりニーズに合ったサービスを提供することが求められていくだろう。
そのためには、ソーシャルネットワークの中で人々の行動がどのように他の人々に影響を及ぼすかを分析したり、ユーザーの行動履歴や他の人々との関係からその人が置かれた状況を推測したりといった、人間の行動を理解するためのノウハウが重要となる。そして、それがソーシャルコンピューティングの中核を構成していくことになる。
ニコ動で番組先行公開、コメント付きでテレビ放送
テレビ神奈川(tvk)の番組「ニコバンYME」が、テレビで放送予定の番組の一部を、「ニコニコ動画」で先行公開している。動画はコメントを受け付けており、動画と投稿されたコメントを合わせてテレビで放送する。
2人の出演者がクイズ形式で次々に問題を出していく動画「特別企画『ニコニコ タイムショック』」を公開。「宝くじ3億円当たったら何をする?」「今年の正月はどこいった?」といった質問にコメントできる。
1月14日までに投稿されたコメントを、1月31日の放送で流す予定。「テレビ放送の際に問題のあるコメントは削除するが、できる限り多く紹介したい」としている。
08年対内・対外投資、有価証券21兆円資金流出 海外勢、換金売り
財務省が13日発表した2008年暦年の対内・対外証券投資(指定報告機関ベース)によると、株式と債券の売買に伴う日本から海外への資金流出が21兆2123億円に達した。外国人が日本株・債券を売却したのが主因で、現行基準の統計が始まった05年以降では初めての資金流出に転じた。世界的な金融危機や景気低迷を背景に、日本の資本市場からマネーが逃避したことを裏付けた。
旧基準の統計までさかのぼると、資金流出は04年以来。ただ「08年の資金流出は過去最大の規模とみられる」と財務省は説明している。
東芝、2000億円赤字に 今期営業損益下方修正へ
東芝の業績が悪化している。2009年3月期の連結営業損益(米国会計基準)は2000億円規模の赤字(前期は2380億円の黒字)になる可能性が高い。従来予想は1500億円の黒字だった。メモリー市況の悪化などで主力の半導体部門が2000億円を超える赤字になる。半導体部門は抜本的な収益改善策を余儀なくされそうだ。
東芝が営業赤字になるのは、IT(情報技術)不況で半導体部門が大幅な赤字になった2002年3月期以来、7期ぶりになる。7兆7000億円を見込んでいた売上高も数千億円単位で下振れしそうだ。
アップル、液晶ディスプレイの供給でLG電子と契約--米報道
Appleが液晶ディスプレイの供給に関して、LG電子と5年契約を締結した。
Reutersの報道によると、LGは本契約の頭金として5億ドルの支払いを受けたことが、韓国取引所への提出書類から明らかになったという。両社の取引は今回が初めてではない。韓国のあるアナリストは、LGがすでにAppleの使用するフラットパネルディスプレイのうちおよそ70%を供給していると推測している。
このたびの契約は、Appleがフラッシュメモリ企業のサムスン電子、Micron、東芝と結んできた長期供給契約に類似したもののようだ。Appleは2005年、iPod部門の成長に伴い十分なチップを確保するため、フラッシュメモリメーカー5社に12億5000万ドルを支払う契約に同意した。
毎年恒例になったが、昨年末も携帯キャリア各社から「年末年始の通話・メール利用にに関するお願い」という告知が出された。いわゆる「あけおめメール・ことよろコール」の集中を想定した予防策である。しかし今年は、ちょっと変わった年始の挨拶を交わした人もいるだろう。
日本最大手のSNS「ミクシィ」は今年の年賀状で日本郵便と提携し、本名や住所を知らないSNS上の友人(いわゆるマイミク)に年賀状を送ることができる「ミクシィ年賀状」というサービスを提供した。住所は知らないけれども、ネット上で知り合った人同士が新年の挨拶を交わす、という時代がこようとしている。これを実現する鍵が、「ソーシャルコンピューティング」だ。
■ソーシャルコンピューティングとは
ソーシャルコンピューティングとは、もともとは計算機科学の一分野の名前で、堅苦しい定義をすれば、人間の社会的な行動(誰かと知り合ったり、情報や知識を交換しあったり、知恵を出し合って何かを共同で作り上げたりする、など)を支援するために、どのようにコンピューターを利用すべきかを追求する学問領域である。
現在では、コンピューターとネットワークを用いて人々が容易にコミュニケーションを取り合い、情報を共有しあうことができるサービスがソーシャルコンピューティングを具体化したものとして挙げられることが多い。
SNSやブログ、動画共有サイト、ソーシャルブックマークなどといった身近なサービスを思い浮かべるとイメージがつかみやすいだろう。これらソーシャルコンピューティングを体現したサービスは、「ソーシャルソフトウェア」「ソーシャルアプリケーション」などとも呼ばれる。
ソーシャルコンピューティングを体現するサービスのもっとも根本的な特徴は、システム全体の設計にユーザー同士のインタラクションを含むことを前提としているかということにつきる。同じ情報共有といっても、この思想を含んでいるかいないかでコンピューターが活用される役割は大きく変わる。
■ソーシャルコンピューティングが登場した経緯
ソーシャルコンピューティングというキーワードが登場し始めたのは2000年前後にさかのぼる。IBMの研究所では、97年から社内のチャットシステムが組織の中でどのように利用されているかを研究し始め、98年には研究所の組織として「Social Computing Group」が立ち上がっている。
また、マイクロソフトも同社の研究所で00年にソーシャルコンピューティングの研究を始めている。いずれの研究プロジェクトでも、特別な要素技術を開発することに重点を置くのではなく、人間の行動を観察し、社会的な交流や情報の交換を促進するためにシステム全体をどのように組み立てるかにフォーカスしている点が共通している。
研究段階にあったソーシャルコンピューティングという分野が実際の社会の中でサービスとして体現されるようになったきっかけは、ブログの登場に端を発する「Web2.0」ブームである。ブロードバンドの普及による常時接続の実現、ブログやSNSのような簡易なウェブサービスを介して一般の人々の行動がデジタル化・共有化されることで、人間の社会的な行動の分析とコンピューターによる支援が現実味を帯びてきたのである。
今では、一般の消費者がソーシャルコンピューティングのメリットを日常的に享受するようになりつつある。日本のSNS市場に関して見ると、08年7月の段階でミクシィを利用するユーザー数は1500万人、携帯向けのモバゲータウンの会員数は1078万人に達しており、従来のポータルサイトの代表格であるヤフーのアクティブユーザーID数に徐々に近づいてきている。
もはや、ミクシィのようなSNS、「YouTube」や「ニコニコ動画」のような動画共有サイトなど、様々なソーシャルコンピューティング・プラットフォームが、消費者が日常的に集まる“ウェブへの入り口”になりつつあると言っていいだろう。
■“プラットフォームのオープン化”というトレンド
これまでは、ソーシャルコンピューティングを指向するサービスは、ネット上で個々の独立したサービスとして提供されることが多かった。Web2.0ブームの流れの中で、インターネットユーザーはSNS以外にもネット上の様々なサービスにアカウントを持つことになったが、各サービスに残したメッセージや日記、そこから生まれる人間関係、あるいはアップロードした写真や動画などのコンテンツはインターネットの様々な場所に分散し、相互にアクセスしにくい不便な状態になっている。例えば、ミクシィに書いた日記、Flickrに投稿した写真を一緒に見せるようなことが難しくなってしまった。
米国のSNS業界では昨年からこの競争原理が代わり始めた。その引き金となったのがフェースブックだ。フェースブックは07年5月に、SNS上で外部の事業者やユーザーが自由にアプリケーションを開発できる「Facebook Platform」を発表した。
これによって、2万4000を超えるアプリケーションが提供され、フェースブックユーザーは単なる日記の公開やメッセージの交換にとどまらず、様々なアプリケーションを利用することができるようになった。いわばSNSが、ウェブ上のソフトウエア開発とサービス提供の“プラットフォーム”へと進化を遂げたと言える。
その結果、フェースブックは急激にユーザー数を伸ばし、現在は世界で第1位のマイスペースに次ぐ2番目に巨大なSNSに躍進した。登録ユーザー数ではかなわないものの、月間のページビューではマイスペースと並ぶまでに至っている。
これに対して、グーグル、マイスペース、ミクシィなどはフェースブックに対抗する形で「OpenSocial」を発表した。このOpenSocialに準拠して記述されたアプリケーションは、OpenSocial対応のSNSならばどこでも再利用できるようになっている。
つまり、フェースブックのアプローチは、フェースブックを単一のアプリケーション提供のプラットフォームとしようとしているのに対し、OpenSocialの目指すところは、数多くのプラットフォーム向けに作られたソーシャルアプリケーションを分散したプラットフォームの間で流通させ、アプリケーションの量と多様性を確保することにある。
ミクシィは08年度中に「mixi Platform」と「mixi Connect」を提供すると発表した。mixi Platformはフェースブックのアプリケーションのように外部のソフトウエア開発企業がミクシィ内で使えるアプリケーションを開発できるようにする基盤であり、mixi connectは外部のサービスからmixi内のデータにアクセスするためのインターフェースである。冒頭で紹介した「ミクシィ年賀状」も、mixi connectをいち早く利用したものであるという。
■ソーシャルコンピューティングの今後
こうした流れが意味するところは、今後SNSのようなソーシャルメディアが互いにアプリケーションやデータを交換し、ユーザーのアクセスを奪い合う競合同士ながらも、緩やかな連携関係を築いていくということである。資金力が豊富な大手SNSであっても、ユーザーニーズはあまりにも多様であり、自社だけですべてに対応することは不可能だ。
「OpenID」という技術はこうした連携を容易にさせるものとして、導入が進み始めている。OpenIDを使うと、すでに登録しているサイトのアカウントを使って、別のサイトにも登録できる。例えば、語学学習コミュニティーサイトの「iKnow!」は、OpenIDに対応していて、ヤフーとミクシィ、グーグルのアカウントを使ってログインできる。このようにすることで、専門性の高い中小規模のコミュニティーサイトは大手のユーザーを取り込みやすくなり、大手サイトは細かなユーザーニーズに外部サイトを通じて対応できるようになる。
また、mixi connectのようなデータ連携も有望だ。グーグルには「Friend Connect」、フェースブックには「Facebook Connect」という機能があり、外部のサイトにデータを持ち出して利用することができる。ただし、フェースブックが、グーグルやマイスペースのサービスへのデータ提供を遮断するなど完全なオープン環境には至っていない。
■ユーザーの行動分析が重要に
SNSなどのソーシャルなサービスは、単なるコミュニティーや情報共有の手段の提供にとどまらず、その上でユーザーがどのような社会的な活動を行っているのかを分析し、よりニーズに合ったサービスを提供することが求められていくだろう。
そのためには、ソーシャルネットワークの中で人々の行動がどのように他の人々に影響を及ぼすかを分析したり、ユーザーの行動履歴や他の人々との関係からその人が置かれた状況を推測したりといった、人間の行動を理解するためのノウハウが重要となる。そして、それがソーシャルコンピューティングの中核を構成していくことになる。
ニコ動で番組先行公開、コメント付きでテレビ放送
テレビ神奈川(tvk)の番組「ニコバンYME」が、テレビで放送予定の番組の一部を、「ニコニコ動画」で先行公開している。動画はコメントを受け付けており、動画と投稿されたコメントを合わせてテレビで放送する。
2人の出演者がクイズ形式で次々に問題を出していく動画「特別企画『ニコニコ タイムショック』」を公開。「宝くじ3億円当たったら何をする?」「今年の正月はどこいった?」といった質問にコメントできる。
1月14日までに投稿されたコメントを、1月31日の放送で流す予定。「テレビ放送の際に問題のあるコメントは削除するが、できる限り多く紹介したい」としている。
08年対内・対外投資、有価証券21兆円資金流出 海外勢、換金売り
財務省が13日発表した2008年暦年の対内・対外証券投資(指定報告機関ベース)によると、株式と債券の売買に伴う日本から海外への資金流出が21兆2123億円に達した。外国人が日本株・債券を売却したのが主因で、現行基準の統計が始まった05年以降では初めての資金流出に転じた。世界的な金融危機や景気低迷を背景に、日本の資本市場からマネーが逃避したことを裏付けた。
旧基準の統計までさかのぼると、資金流出は04年以来。ただ「08年の資金流出は過去最大の規模とみられる」と財務省は説明している。
東芝、2000億円赤字に 今期営業損益下方修正へ
東芝の業績が悪化している。2009年3月期の連結営業損益(米国会計基準)は2000億円規模の赤字(前期は2380億円の黒字)になる可能性が高い。従来予想は1500億円の黒字だった。メモリー市況の悪化などで主力の半導体部門が2000億円を超える赤字になる。半導体部門は抜本的な収益改善策を余儀なくされそうだ。
東芝が営業赤字になるのは、IT(情報技術)不況で半導体部門が大幅な赤字になった2002年3月期以来、7期ぶりになる。7兆7000億円を見込んでいた売上高も数千億円単位で下振れしそうだ。
アップル、液晶ディスプレイの供給でLG電子と契約--米報道
Appleが液晶ディスプレイの供給に関して、LG電子と5年契約を締結した。
Reutersの報道によると、LGは本契約の頭金として5億ドルの支払いを受けたことが、韓国取引所への提出書類から明らかになったという。両社の取引は今回が初めてではない。韓国のあるアナリストは、LGがすでにAppleの使用するフラットパネルディスプレイのうちおよそ70%を供給していると推測している。
このたびの契約は、Appleがフラッシュメモリ企業のサムスン電子、Micron、東芝と結んできた長期供給契約に類似したもののようだ。Appleは2005年、iPod部門の成長に伴い十分なチップを確保するため、フラッシュメモリメーカー5社に12億5000万ドルを支払う契約に同意した。
官と民を震撼させた“転向劇”の内幕 NTTと手を組むソフトバンクの狙い(COLUMN)
事実は小説よりも奇なり、である。ソフトバンクといえば、既存の通信業界のあり方を“正論”で痛烈に批判し、孫正義社長による“義憤”を交えたパフォーマンスで、世間を味方につけてきた。そのたびに、NTTとKDDIは狼狽させられたわけだが、今になってNTTと協働する奇策に出たソフトバンクの狙いは何か。
すべての始まりは、2008年の夏前だった。
ソフトバンクグループで、ブロードバンドサービスを担当するソフトバンクBBの佐々木一浩・コンシューマ事業推進本部副本部長は、付き合いのあるNTT東日本の相互接続推進部の担当者に、意を決してある構想を打ち明けた。
その内容は、「NTTさんの『フレッツ光』(光ファイバーを使った高速大容量ブロードバンドサービス)と、ソフトバンクBBがコラボレートして、なにかできないでしょうか?」という提案だった。
NTT東日本の担当者は、半信半疑の表情を浮かべて、「まさか本気じゃないですよね? ソフトバンクさん、なにかよからぬことでも考えているんじゃないでしょうね?」と切り返した。佐々木副本部長はすぐさま、「ぼくの目を見てください。本気です」と畳みかける。担当者は、「うーむ。にわかには信じがたい」と再び返した。
無理もない話である。これまでソフトバンクは、NTTグループとことごとく反目し続けてきた経緯がある。加えて、ソフトバンクは自ら波風を起こしてはNTTを攻撃する作戦が、自陣に有利な展開を持ち込むことにつながり、それが会社の成長を支えてきた。
その象徴的な出来事が、世間にソフトバンクの存在を知らしめるきっかけとなったADSL(非対称デジタル加入者線)だ。これは、NTTが所有する電話回線(銅線)の音声サービスには使われていない高周波数の帯域を活用することで、高速のデータ通信を実現する地味な技術だった。
01年、ADSLに着目したソフトバンクは、国内最大のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフーと協働して固定ブロードバンドサービス「Yahoo! BB」を立ち上げる。当時の相場の半額以下という料金設定と、赤いパラソル部隊が街頭で無料のモデムを配る前代未聞の電撃作戦で、NTTの顔色をなからしめた。
その結果、NTTは、当時考えていたISDN(総合デジタル通信網サービス)から、最先端のFTTH(アクセス系光通信)への移行を中断せざるをえなくなり、ソフトバンクに追随する格好で自らもADSLに注力する羽目に陥った。
さらに続けて、04年には直収電話(NTT以外の事業者が提供する固定電話)の「おとくライン」で、ソフトバンクは旧電信電話公社時代から“聖域”と考えられてきたNTTの「基本料金」をも下げさせたのである。
断りたくても断れないNTTが抱える苦悩
そんなソフトバンクは、昨年の12月16日より、栃木県と群馬県、長野県で、NTT東日本の「フレッツ光」回線向けのISP(インターネット・サービス・プロバイダ)サービスの提供を開始した。ヤマダ電機やケーズデンキなど、9社55店舗の店頭で「Yahoo! BB with フレッツ」の申し込み受付を始めたのだ。
今回の取り組みは、NTT東日本と西日本が提供する「フレッツ光」を、将来的にソフトバンクBBが販売できるかどうか判断するためのテストマーケティングと位置づけている。
その結果によっては、ソフトバンクBBがNTT東と西の代理店となる。すでに、業界の常識では考えられない“一物二価”のパンフレットも作成し、「さまざまなパターンで実験している」(宮内謙・ソフトバンクBB代表取締役副社長兼COO)。
過去の経緯を考えれば、犬猿の仲であったはずのNTTとソフトバンクが協力したり、看板商品の名称を使わせたりすることは理解に苦しむ。実際、NTTグループの司令塔である、誇り高きNTT(持ち株会社)の社内からは「ウチがどうして競合他社、しかもソフトバンクのようなところと組むのか?」という怒りの声が聞こえてくる。
それもそのはず、NTTグループには、すでに「フレッツ光」で高速大容量ブロードバンドを楽しむためのISPサービス「OCN」や「ぷらら」がある。
しかも、ソフトバンクは、NTTが法律で協働を禁じられている、固定ブロードバンドの「Yahoo! BB」と携帯電話のセット販売ができるし、NTTにはできないIP電話と携帯電話の通話が24時間無料になるサービスも始めた。
それでも、NTTがソフトバンクから持ち込まれた提携の話を受け入れざるをえなかったのは、断る理由が見つからなかったからである。NTTは、過去には通信インフラを独占する国営企業体だったので、今でも他の事業者と比べれば圧倒的に強い。
それゆえに、独占禁止法の「差別的取り扱いの禁止」や電気通信事業法の「禁止行為」などを考慮せざるをえない。だから、「KDDIなら許せるけど、ソフトバンクだけはダメだ」と言いたくても言えないのだ。
ソフトバンクが描く驚天動地のシナリオ
現時点で、ソフトバンクは明言を避けているが、将来的には必ずADSL事業を切り離さざるをえなくなる時期がやって来る。
それは、ADSLの貸し手であるNTTが、2010年度中に電話回線をどうするのか基本的な方針を表明しなければならないことになっているからだ。すでに、時代の趨勢はFTTHだが、「事業者との契約の関係で、NTTが電話回線を止めると決めた時点から4年後でないと、実際にはFTTHに置き換えることができない」(持ち株会社の幹部)。
ソフトバンクの目のつけどころは、ここにある。つまり、いくらFTTHが主流でも、ユニバーサルサービスがDNAに染み付いているNTTにとって、地方に住む電話だけで十分な高齢者などを切り捨てることはできない。ユーザーがいるうちは電話回線の完全撤廃に踏み切れず、2010年以降もADSLは続く。
その間、ソフトバンクは、各種の新サービスを繰り出しつつ、日本のブロードバンド人口の約10%に当たる400万~500万人のADSLユーザーの離脱を防ぎながら、ISPサービスと同時にNTTの「フレッツ光」を売りまくって手数料を稼ぐ。
そうすれば、06年に孫社長がブチ上げたものの、実際には進展していない自前のアクセス系光通信計画への株主からの批判をかわすことができるし、多額の設備投資もしないですむ。
ソフトバンクが本気でFTTHを売りまくれば、08年9月時点で約73%のNTTのシェアは90%を超えてしまうはず。となると、NTTは、電話局から家庭までをつなぐアクセス系光通信で、意図せずして、再び独占に向かう。
そうなれば、ソフトバンクが事を荒立てなくても、世間の批判はNTTに集中する。そして、技術の世代交代を見計らって、自社のユーザーを失わずに、ADSLからFTTHに乗り換える――。
なるほど。これでは、総務省としても、頭を抱えるはずである。
ソニー、今期営業赤字 14年ぶり、1000億円規模
世界的な消費低迷でソニーの業績が急速に悪化している。2009年3月期の連結営業損益(米国会計基準)は昨年10月に予想した2000億円の黒字から一転、1000億円規模の赤字(前期は4752億円の黒字)になる見通しだ。営業赤字は1995年3月期以来14年ぶり。金融危機が深刻化した昨秋以降、欧米中心に液晶テレビなどの販売が落ち込んでいるうえ、円高で採算が悪化している。輸出企業の業績低迷は自動車から電機に広がってきた。
本業のもうけを示す営業損益の赤字は58年の上場以来2度目。エレクトロニクス(電機)部門の不振が主因の赤字は上場来初めてとなる。95年3月期の赤字は米映画事業の不振で発生した一時的な損失が主因だった。今期の下方修正は3度目。テレビなどの在庫が積み上がっており、1―3月の在庫処理次第では赤字幅が2000億円規模に拡大する可能性もある。
富士通、アジアで携帯販売 ドコモとソフト開発
富士通は携帯電話機でアジア市場の開拓に乗り出す。NTTドコモと海外向け機種用のソフトを共同で開発。台湾を皮切りにドコモが提携する携帯電話会社に製品を供給する。富士通が海外で携帯を販売するのは初めて。日本の携帯市場は2008年10月の出荷台数(PHSを含む)が前年同月比57.8%減となるなど急速に縮小しており、国内に依存していた日本のメーカーは事業モデルの転換を迫られている。
日本で販売している機種を、ハングル文字や中国で使われている漢字などの表示ができるようにするソフトをドコモと共同で開発した。メールや携帯用ネットサイトが現地の言語で使用できる。従来機種を簡単に海外仕様に切り替えられ、開発コストの抑制につながる。
米、アルバム離れ進む 08年の音楽販売14%減
米調査会社ニールセンによると、2008年の米音楽アルバム販売は前年比14%減の4億2840万枚だった。ネット配信は3割増と好調だったが、CDの不振を補えなかった。好みの楽曲だけを1曲ごとにネットで買う消費パターンの定着が、アルバム離れに拍車をかけているとみられる。
アルバム販売全体の85%を占めるCDは2割減の約3億6000万枚。ネット配信によるアルバム販売は32%増の6580万枚と過去最高だったが、市場全体の縮小に歯止めをかけられなかった。08年のアルバム販売はピークだった00年を45%下回る水準まで落ち込んだ。
シングル曲を含むネット配信数は27%増の10億7000万曲と初めて10億曲の大台に乗った。アルバム収録曲でも1曲99セントで「ばら売り」するアップルの配信サービス普及が背景。CD販売を収益源とする音楽ソフト会社の経営は一段と苦しくなりそうだ。
水資源ビジネス、官民で本格参入 政府は融資で支援
政府と民間企業は協力して、世界の水資源ビジネスに本格参入する。民間企業を中心に近く協議会を設置、水需要が高まるアジアや中近東を念頭に官民連携で市場開拓を目指す。日本企業が強みを持つ水処理膜や排水処理技術での進出を足がかりに、長期的に利益が見込める上下水道の運営に進出する計画だ。政府は政府系金融機関の融資や貿易保険を通じて支援。年内にもアジアで試験事業を始め、他地域に広げていく方針だ。
世界の水資源ビジネスを巡っては「水メジャー」と呼ばれる欧州の大企業が大きなシェアを占め、日本企業の進出は遅れているのが実情。今後、水ビジネスの市場拡大が見込まれ、国際貢献にもつながることから、官民一体で取り組む必要があると判断した。
個人マネーも銀行シフト 定期預金5.6%増、08年11月末
個人マネーが株式や投資信託から、預金など安全資産へのシフトを加速している。定期預金の残高が昨年11月末時点で前年より6%近く伸びる一方、投信は4割ほど減った。金融混乱で家計が保有する株や投信で100兆円を超える評価損が発生。相場の変動で元本が目減りするリスクを再認識した個人は安全志向を強めている。資金調達では大企業も社債などから借り入れにシフトしており、マネーの銀行依存が一段と鮮明になってきた。
日銀によると、個人の定期預金残高(国内銀行)は08年11月末に約190兆7000億円と前年同月に比べ5.6%増えた。外国銀行と信用金庫を加えても同5.1%の伸び(残高は約256兆9000億円)となった。定期預金は日銀が量的緩和政策を解除した06年春に底を打ち、07年後半から伸び率を高めた。
事実は小説よりも奇なり、である。ソフトバンクといえば、既存の通信業界のあり方を“正論”で痛烈に批判し、孫正義社長による“義憤”を交えたパフォーマンスで、世間を味方につけてきた。そのたびに、NTTとKDDIは狼狽させられたわけだが、今になってNTTと協働する奇策に出たソフトバンクの狙いは何か。
すべての始まりは、2008年の夏前だった。
ソフトバンクグループで、ブロードバンドサービスを担当するソフトバンクBBの佐々木一浩・コンシューマ事業推進本部副本部長は、付き合いのあるNTT東日本の相互接続推進部の担当者に、意を決してある構想を打ち明けた。
その内容は、「NTTさんの『フレッツ光』(光ファイバーを使った高速大容量ブロードバンドサービス)と、ソフトバンクBBがコラボレートして、なにかできないでしょうか?」という提案だった。
NTT東日本の担当者は、半信半疑の表情を浮かべて、「まさか本気じゃないですよね? ソフトバンクさん、なにかよからぬことでも考えているんじゃないでしょうね?」と切り返した。佐々木副本部長はすぐさま、「ぼくの目を見てください。本気です」と畳みかける。担当者は、「うーむ。にわかには信じがたい」と再び返した。
無理もない話である。これまでソフトバンクは、NTTグループとことごとく反目し続けてきた経緯がある。加えて、ソフトバンクは自ら波風を起こしてはNTTを攻撃する作戦が、自陣に有利な展開を持ち込むことにつながり、それが会社の成長を支えてきた。
その象徴的な出来事が、世間にソフトバンクの存在を知らしめるきっかけとなったADSL(非対称デジタル加入者線)だ。これは、NTTが所有する電話回線(銅線)の音声サービスには使われていない高周波数の帯域を活用することで、高速のデータ通信を実現する地味な技術だった。
01年、ADSLに着目したソフトバンクは、国内最大のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフーと協働して固定ブロードバンドサービス「Yahoo! BB」を立ち上げる。当時の相場の半額以下という料金設定と、赤いパラソル部隊が街頭で無料のモデムを配る前代未聞の電撃作戦で、NTTの顔色をなからしめた。
その結果、NTTは、当時考えていたISDN(総合デジタル通信網サービス)から、最先端のFTTH(アクセス系光通信)への移行を中断せざるをえなくなり、ソフトバンクに追随する格好で自らもADSLに注力する羽目に陥った。
さらに続けて、04年には直収電話(NTT以外の事業者が提供する固定電話)の「おとくライン」で、ソフトバンクは旧電信電話公社時代から“聖域”と考えられてきたNTTの「基本料金」をも下げさせたのである。
断りたくても断れないNTTが抱える苦悩
そんなソフトバンクは、昨年の12月16日より、栃木県と群馬県、長野県で、NTT東日本の「フレッツ光」回線向けのISP(インターネット・サービス・プロバイダ)サービスの提供を開始した。ヤマダ電機やケーズデンキなど、9社55店舗の店頭で「Yahoo! BB with フレッツ」の申し込み受付を始めたのだ。
今回の取り組みは、NTT東日本と西日本が提供する「フレッツ光」を、将来的にソフトバンクBBが販売できるかどうか判断するためのテストマーケティングと位置づけている。
その結果によっては、ソフトバンクBBがNTT東と西の代理店となる。すでに、業界の常識では考えられない“一物二価”のパンフレットも作成し、「さまざまなパターンで実験している」(宮内謙・ソフトバンクBB代表取締役副社長兼COO)。
過去の経緯を考えれば、犬猿の仲であったはずのNTTとソフトバンクが協力したり、看板商品の名称を使わせたりすることは理解に苦しむ。実際、NTTグループの司令塔である、誇り高きNTT(持ち株会社)の社内からは「ウチがどうして競合他社、しかもソフトバンクのようなところと組むのか?」という怒りの声が聞こえてくる。
それもそのはず、NTTグループには、すでに「フレッツ光」で高速大容量ブロードバンドを楽しむためのISPサービス「OCN」や「ぷらら」がある。
しかも、ソフトバンクは、NTTが法律で協働を禁じられている、固定ブロードバンドの「Yahoo! BB」と携帯電話のセット販売ができるし、NTTにはできないIP電話と携帯電話の通話が24時間無料になるサービスも始めた。
それでも、NTTがソフトバンクから持ち込まれた提携の話を受け入れざるをえなかったのは、断る理由が見つからなかったからである。NTTは、過去には通信インフラを独占する国営企業体だったので、今でも他の事業者と比べれば圧倒的に強い。
それゆえに、独占禁止法の「差別的取り扱いの禁止」や電気通信事業法の「禁止行為」などを考慮せざるをえない。だから、「KDDIなら許せるけど、ソフトバンクだけはダメだ」と言いたくても言えないのだ。
ソフトバンクが描く驚天動地のシナリオ
現時点で、ソフトバンクは明言を避けているが、将来的には必ずADSL事業を切り離さざるをえなくなる時期がやって来る。
それは、ADSLの貸し手であるNTTが、2010年度中に電話回線をどうするのか基本的な方針を表明しなければならないことになっているからだ。すでに、時代の趨勢はFTTHだが、「事業者との契約の関係で、NTTが電話回線を止めると決めた時点から4年後でないと、実際にはFTTHに置き換えることができない」(持ち株会社の幹部)。
ソフトバンクの目のつけどころは、ここにある。つまり、いくらFTTHが主流でも、ユニバーサルサービスがDNAに染み付いているNTTにとって、地方に住む電話だけで十分な高齢者などを切り捨てることはできない。ユーザーがいるうちは電話回線の完全撤廃に踏み切れず、2010年以降もADSLは続く。
その間、ソフトバンクは、各種の新サービスを繰り出しつつ、日本のブロードバンド人口の約10%に当たる400万~500万人のADSLユーザーの離脱を防ぎながら、ISPサービスと同時にNTTの「フレッツ光」を売りまくって手数料を稼ぐ。
そうすれば、06年に孫社長がブチ上げたものの、実際には進展していない自前のアクセス系光通信計画への株主からの批判をかわすことができるし、多額の設備投資もしないですむ。
ソフトバンクが本気でFTTHを売りまくれば、08年9月時点で約73%のNTTのシェアは90%を超えてしまうはず。となると、NTTは、電話局から家庭までをつなぐアクセス系光通信で、意図せずして、再び独占に向かう。
そうなれば、ソフトバンクが事を荒立てなくても、世間の批判はNTTに集中する。そして、技術の世代交代を見計らって、自社のユーザーを失わずに、ADSLからFTTHに乗り換える――。
なるほど。これでは、総務省としても、頭を抱えるはずである。
ソニー、今期営業赤字 14年ぶり、1000億円規模
世界的な消費低迷でソニーの業績が急速に悪化している。2009年3月期の連結営業損益(米国会計基準)は昨年10月に予想した2000億円の黒字から一転、1000億円規模の赤字(前期は4752億円の黒字)になる見通しだ。営業赤字は1995年3月期以来14年ぶり。金融危機が深刻化した昨秋以降、欧米中心に液晶テレビなどの販売が落ち込んでいるうえ、円高で採算が悪化している。輸出企業の業績低迷は自動車から電機に広がってきた。
本業のもうけを示す営業損益の赤字は58年の上場以来2度目。エレクトロニクス(電機)部門の不振が主因の赤字は上場来初めてとなる。95年3月期の赤字は米映画事業の不振で発生した一時的な損失が主因だった。今期の下方修正は3度目。テレビなどの在庫が積み上がっており、1―3月の在庫処理次第では赤字幅が2000億円規模に拡大する可能性もある。
富士通、アジアで携帯販売 ドコモとソフト開発
富士通は携帯電話機でアジア市場の開拓に乗り出す。NTTドコモと海外向け機種用のソフトを共同で開発。台湾を皮切りにドコモが提携する携帯電話会社に製品を供給する。富士通が海外で携帯を販売するのは初めて。日本の携帯市場は2008年10月の出荷台数(PHSを含む)が前年同月比57.8%減となるなど急速に縮小しており、国内に依存していた日本のメーカーは事業モデルの転換を迫られている。
日本で販売している機種を、ハングル文字や中国で使われている漢字などの表示ができるようにするソフトをドコモと共同で開発した。メールや携帯用ネットサイトが現地の言語で使用できる。従来機種を簡単に海外仕様に切り替えられ、開発コストの抑制につながる。
米、アルバム離れ進む 08年の音楽販売14%減
米調査会社ニールセンによると、2008年の米音楽アルバム販売は前年比14%減の4億2840万枚だった。ネット配信は3割増と好調だったが、CDの不振を補えなかった。好みの楽曲だけを1曲ごとにネットで買う消費パターンの定着が、アルバム離れに拍車をかけているとみられる。
アルバム販売全体の85%を占めるCDは2割減の約3億6000万枚。ネット配信によるアルバム販売は32%増の6580万枚と過去最高だったが、市場全体の縮小に歯止めをかけられなかった。08年のアルバム販売はピークだった00年を45%下回る水準まで落ち込んだ。
シングル曲を含むネット配信数は27%増の10億7000万曲と初めて10億曲の大台に乗った。アルバム収録曲でも1曲99セントで「ばら売り」するアップルの配信サービス普及が背景。CD販売を収益源とする音楽ソフト会社の経営は一段と苦しくなりそうだ。
水資源ビジネス、官民で本格参入 政府は融資で支援
政府と民間企業は協力して、世界の水資源ビジネスに本格参入する。民間企業を中心に近く協議会を設置、水需要が高まるアジアや中近東を念頭に官民連携で市場開拓を目指す。日本企業が強みを持つ水処理膜や排水処理技術での進出を足がかりに、長期的に利益が見込める上下水道の運営に進出する計画だ。政府は政府系金融機関の融資や貿易保険を通じて支援。年内にもアジアで試験事業を始め、他地域に広げていく方針だ。
世界の水資源ビジネスを巡っては「水メジャー」と呼ばれる欧州の大企業が大きなシェアを占め、日本企業の進出は遅れているのが実情。今後、水ビジネスの市場拡大が見込まれ、国際貢献にもつながることから、官民一体で取り組む必要があると判断した。
個人マネーも銀行シフト 定期預金5.6%増、08年11月末
個人マネーが株式や投資信託から、預金など安全資産へのシフトを加速している。定期預金の残高が昨年11月末時点で前年より6%近く伸びる一方、投信は4割ほど減った。金融混乱で家計が保有する株や投信で100兆円を超える評価損が発生。相場の変動で元本が目減りするリスクを再認識した個人は安全志向を強めている。資金調達では大企業も社債などから借り入れにシフトしており、マネーの銀行依存が一段と鮮明になってきた。
日銀によると、個人の定期預金残高(国内銀行)は08年11月末に約190兆7000億円と前年同月に比べ5.6%増えた。外国銀行と信用金庫を加えても同5.1%の伸び(残高は約256兆9000億円)となった。定期預金は日銀が量的緩和政策を解除した06年春に底を打ち、07年後半から伸び率を高めた。