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快走 3D映画 興業収入トップ3独占
国内8月時点、「トイ・ストーリー3」も100億円
 3次元(3D)映画の快走が続いている。7月に日本で公開された3Dアニメ「トイ・ストーリー3」の劇場興行収入が100億円を記録。SF作品「アバター」とファンタジー「アリス・イン・ワンダーランド」に続く大台突破で、8月末時点の邦画・洋画を合わせた国内興収でトップ3を3Dの洋画が占めた。
 洋画3作品が興収100億円以上を記録したのは2004年以来、6年ぶり。近年は洋画の不振が続いていたが、斬新な立体映像を楽しめる3Dをてこに消費者の関心をひき付けているようだ。
 日本映画製作者連盟がまとめた8月29日時点の興収でトイ・ストーリー3は約99億円。すでに100億円を超え、今年の公開作品の中で3位に付けた。1位はアバター(昨年12月公開)で155億円、2位はアリス・イン・ワンダーランド(4月公開)の118億円。
 同連盟によると、洋画のシェアは2008年から2年連続で邦画を下回った。年末にかけて3Dの話題作が控える洋画の勢いがこのまま続けば、興収シェアで邦画を再び上回る可能性がある。



スズキ、インドに新工場 日本上回る年170万台体制
 【ニューデリー=大西穣】スズキはインドで四輪車の新工場を建設する方針を固めた。年間生産能力は25万台で、早ければ2013年に稼働させる。インドでの年産能力は最大170万台に拡大する見込みで、日本を大きく上回る。スズキは同国で5割近い乗用車シェアを持つ最大手だが、トヨタ自動車や日産自動車など世界の大手が攻勢を強めている。急拡大する市場で安定した供給体制を築き、競争激化に備える。
 スズキは外資で最も早い1983年にインド生産を始め、12年に年産能力を145万台に拡張する。今回の新工場建設で日本の3工場合計(年産能力140万台)を大きく上回り、インドが世界最大の生産拠点との位置付けが明確になる。
 現地四輪子会社マルチ・スズキが約300億円を投じ、首都ニューデリー近郊のハリヤナ州マネサールに設ける。同地区では年産能力30万台の工場(年内に35万台に増強)が07年に稼働。12年春の稼働を目指し年産25万台の第2工場も建設中だ。並行して新工場の建屋も設置、需要動向をにらみながら設備を導入する。生産車種は現地で売れ筋の「アルト」「ワゴンR」といった小型車が中心になるとみられる。
 同州グルガオンの工場(年内に年産能力85万台に増強)は老朽化が進んでいる。鈴木修会長兼社長は「マネサールで生産余力を蓄えておき、グルガオンの改修が必要になっても安定生産できる体制を構築したい」と話す。
 インドの乗用車市場は09年度に前年度比25.6%増の約195万台に拡大。10年度も毎月3割前後の高い伸びを維持しており、マルチ・スズキも工場のフル操業が続いている。8月は輸出を含め10万5千台を出荷し、過去最高を更新した。
 インドの乗用車市場を切り開いたスズキは今も5割近いシェアを維持。同社の連結営業利益は3分の2をインド事業が稼ぎ出しているとされる。インドで首位固めを急ぎながら収益力を磨き、アジアや欧州などでの事業強化につなげる。
 インドでは日産が7月に戦略小型車「マイクラ(日本名マーチ)」を発売、トヨタやホンダも11年までに戦略小型車を投入する計画だ。インド財閥グループのタタ自動車が最低価格20万円台の小型車「ナノ」の出荷を本格化させるなど、地元メーカーを巻き込んだ競争も予想されている。



セガガ、タッチパネル式ゲーム機を施設向けに展開
 セガはタッチパネル式のゲーム機をアミューズメント施設向けに展開する。専用のカードを画面下にあるタッチパネル式の盤面上に置いたり、手でたたいたりして、画面内のキャラクターを操作する。施設向けのゲーム機はボタンやレバーを操作するのが一般的だが、カードを使い直感的な操作が楽しめることを売りにする。
 今秋に展開するアクションゲーム「戦国大戦」で採用する。利用料金を支払うと、戦国時代の武将などがプリントされた専用カードがゲーム機から排出される。
 盤面上にカードを置く場所によって攻撃エリアが指定できる。盤面をたたくと攻撃をするしかけでタッチ式の操作性を楽しめる。



中国、自動車業界の過剰投資を抑制 2015年に3千万台超
 新華社電によると、中国国家発展改革委員会の陳斌産業協調局長は4日、国内主要自動車メーカー30社の計画を合計すると2015年末の生産能力が市場の需要を大幅に上回る3124万台に急拡大するとして、過剰な投資を厳しく抑制する方針を示した。天津市で開かれた自動車業界の国際フォーラムで語った。
 中国の新車販売台数は昨年、1364万台で世界一となったが、主要30社の昨年末の生産能力は1359万台で、15年末には2.3倍となる計画。陳局長は「著しく過剰な生産能力は自動車産業の健全な発展を阻害し、マクロ経済にも悪影響を与える」と指摘し、抑制策として投資に対する優遇政策の見直しや業界に対するモニターの強化、審査の厳格化などを挙げた。



年内発売を目標 まずは国内投入 東芝 裸眼3Dテレビ来月発表
 東芝は2日、専用メガネを用いずに裸眼で立体映像を楽しめる3次元(3D)液晶テレビについて、10月に価格やサイズなどの詳細を発表することを明らかにした。
 まずは国内投入を検討しており、年内発売を目標に準備を進めているとみられる。
 このほか、欧州での液晶テレビ販売強化のため、ロシアで液晶テレビ生産に乗り出す方針だ。
 同社の大角正明ビジュアルプロダクツ社社長が2日、独ベルリンでフジサンケイビジネスアイの取材に応じ、明らかにした。大角社長は裸眼3Dのサイズについて、「40インチ以上の大型サイズではパネル技術や映像処理の面でも厳しい」と説明。すでにパチンコなど娯楽機器向けとして開発した21型など、中小型が中心となる可能性を示した。
 このほか、11年度に欧州での薄型テレビのシェアを現状の約7%から10%に引き上げる方針も公表。英国やフランスに比べ、ドイツ、ロシアでは液晶テレビの普及率が50%以下程度にとどまっていることから、両国を中心に高価格帯製品の販売を伸ばしたい考えだ。
 欧州展開の一環として、ロシアでの現地生産を検討。すでにサムスン電子とLG電子の韓国2強が同国で生産を開始しており、大角社長は「2011年の春から夏にかけて始めたい」と、すでに調整段階にあることを明らかにした。
 また、ドイツでは大手家電量販店に加え、独立系の家電販売店などとも連携を強化し、「日本の品質」を売りにブランド価値を高めていくという。
 ただ、足元の円高とユーロ安が「拡販にあたっての大きな課題」という。東芝の調べによると、欧州のテレビ市場は伸び率こそ低いものの、09年時点で世界の3分の1に当たる4700万台を占める最大市場。
 大角社長は「わずか数カ月でユーロが20%下がったが、だからといって単純に価格を20%上げられるわけがなく、コスト低減は大きな課題」と述べ、「きちんと運営する以外に生き残る道はない」とした。



JIS法の認証対象 医療・介護サービスにも拡大へ 経産省検討
 カロリーを取りすぎない食事制限指導による疾病予防、リハビリ補助といった医療・介護周辺サービスに求められる「基準」を策定するため、経済産業省が平成23年度中に工業標準化法(通称JIS法)の改正を検討する方針を固めたことが4日、分かった。鉱工業品やその関連作業に限られる適用範囲を拡大することで、「医療生活産業」のサービス向上に弾みをつけたい考えだ。
 食事指導やリハビリ補助などには、公的保険の対象である医療・介護分野との線引きが不明確な部分も多い。JIS法の認証対象になれば、産業としての位置づけが明確になるだけでなく、民間企業のさらなる参入を促す効果が期待されている。
 現行のJIS法では、製品が基準を満たしている場合、承認を受けた機関の認定を得てJISマークを表示できる。国の「規格」制定によって全国的に単純化する目的に加えて、第三者による認証制度の導入には「安心感を与える」(経産省幹部)狙いもある。医療・介護周辺サービスが認証対象になれば、JISマーク付きサービスが誕生しそうだ。
 医療生活産業の定義について、政府は「医療や介護が必要な状態から健康な生活に戻ることを支援するサービス」とし、リハビリ補助やエステ、フィットネス、ハウスキーピングなどといった幅広い業務を想定している。すでに経産省は法改正に向けた調査研究事業を決め、企業や自治体にとって制度上の問題点の検討を進めている。
 政府が今年6月に閣議決定した新成長戦略の中でも医療生活産業は重点分野の一つとされ、10年後の平成32年までに市場規模25兆円、80万人の新規雇用を創出する目標を立てている。
     ◇
 工業標準化法 昭和24年、鉱工業の品質改善と生産合理化の目的で制定された。製品の種類、材料、形状、寸法などを標準化することによって品質の安定と生産効率の向上を目指している。



【民主党代表選】焦る産業界、法人税と環境税に戦々恐々
 民主党代表選に注目が集まる中、産業界が法人税と平成23年度から実施する環境税の行方に戦々恐々としている。国際的に高いとされる日本企業の法人税について小沢一郎前幹事長が「高くない」と発言したほか、来年度税制改正で経済産業省が石油石炭税の増税を要望し、事実上、環境税の創設にかじを切ったためだ。円高で輸出競争力低下に悩む産業界にとって「減税なき増税」は避けたいだけに、困惑も広がっている。
 「社会保険の負担を含めて比べれば高いとはいえない。もうかった分を社員にどれだけ配分するかが大事ではないか」
 日本の法人税率の水準について小沢氏はテレビ番組でこう語り、引き下げを実施する場合、社員への利益配分を念頭に置くべきだとの考えを明らかにした。
 来年度税制改正で、経産省は実効税率40%超の法人税(国税)の基本税率の5%引き下げを求めた。経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国の平均約26%に比べると「引き下げは当然」(自動車メーカー)というわけだ。しかし、鉄鋼業界の関係者は「仮に小沢氏が当選し、首相に就任したら法人税引き下げなどありえないことが分かった」と表情を曇らせる。
 「産業界を裏切るつもりですか」。「そうではありません」
 民主党代表選が菅直人首相と小沢氏の一騎打ちと決まる直前の8月下旬、経産省幹部と産業界の代表者らが議論を交わした。これまで環境税に異論を唱えていた経産省が一転、既存の石油石炭税の課税強化を提案したからだ。
 実施方針のみが決まっている環境税だが、具体的な課税方法は煮詰まっていない。「議論に参加し、産業界の意向を反映させたい」という経産省は、菅首相と小沢氏のどちらが組閣しても、新成長戦略やエネルギー基本計画の策定といった課題を抱える。それだけに「財源確保が必至と判断したのではないか」(財務省)とみる向きも強い。
 環境税導入にあたって、産業界は温室効果ガス排出量取引制度や再生可能エネルギーで発電した電気の「全量買い取り制度」とのセットで家計や企業への負担のバランスを考慮すべきだとしている。こうした議論も行われないまま、日本企業にとって影響の大きい税論議の「先がみえない」(財界関係者)ことに、産業界には焦りの色が濃くなっている。



補助金終了後の新車販売は? 東京トヨペット社長 古谷俊男氏に聞く 年明け回復、次世代車カギ
 エコカー補助金の申請受け付けが9月中に終了する。10月以降の新車販売は反動減が予想されるが、落ち込みはいつまで続き、どうテコ入れするのか。トヨタ自動車系最大の販売会社、東京トヨペットの古谷俊男社長に聞いた。
 ――10月以降、販売減少をどうみる。
 「当社の4~8月の販売は前年同期を約25%上回ったが、10月はこの水準から3割程度減少するとみている。9月までの上半期と、下半期の販売比率は55対45という試算もあり、この水準を目標に対策を立てる」
 「1989年に物品税が廃止され消費税が導入された際、乗用車にかかる税率が低くなるため、現在と逆で買い控えが起きるとされた。実際には積極的な販売促進策などで、懸念されたほどの買い控えはなかった。今回も下半期に販促費など一定の予算を確保しており、予想より販売台数が上回るかもしれない。ただ、消耗戦につながるような価格競争は避けたい」
 ――ドイツでは補助金終了後、新車販売の低迷が続いている。
 「最大の売れ筋である小型車のユーザーが補助金に駆け込んだドイツと、比較的、幅広い価格帯の車が売れる日本では事情が異なる。10月は直前に比べ3割減、11月は2割、12月は1割と減少幅が縮小し、年明けには回復するのではないか。法人需要の回復が下支えになると期待しており、過度に悲観する必要はないと思う」
 ――国内の新車販売台数は年々減少している。構造的な縮小への対策は。
 「確かに減少している。特に東京は90年のバブル時と比べると新車販売台数は3分の1になるなど全国の中でも厳しい。少子高齢化に加え、公共交通網の発達、駐車場料金の高さなどが要因だ。顧客層も一様ではなく、下町の大衆車市場、山の手の高級車市場、都心部の法人需要、というように日本全体の縮図でもある。東京発で需要創造の方法を見いだせば、世界中の成熟市場に応用できるモデルになる」
 ――具体的には。
 「プラグインハイブリッド車(PHV)など次世代車に期待している。時代の先を行く商品を買いたい顧客はいつでもおり、『プリウス』に続きPHVで再び大きなブームを作ることができれば大きな販売の柱になる。プリウスの売れ筋車種は約250万円。PHVも市販に向けてコストダウンしており、300万円を切れば、お客様に薦めやすい。『マークX』の売れ筋と同等の270万円くらいの価格設定なら、普及に弾みが付く」
<聞き手から一言>各社、環境車投入 需要喚起なるか
 エコカー補助金の終了後、国内の新車販売が落ち込むのは関係者ならずとも想像がつく。問題は深度と期間の読みだ。古谷社長は極端な悲観論を排す一方で「東京の需要を喚起できれば、世界で応用できる」と指摘する。
 需要喚起のけん引役は次世代自動車だ。ホンダが今秋に小型HVを、日産が年末にEVを投入する。トヨタがPHVを発売した後に、日本でどのような市場が形成されるのか。海外市場にもつながる大きな実験だ。



【産経主張】日航更生計画 安易すぎる公的資金注入

 1月に経営破綻(はたん)した日本航空と管財人の企業再生支援機構が会社更生法に基づく更生計画案を東京地裁に提出した。
 金融機関に5215億円の債権放棄を求める一方、3500億円の公的資金注入という異例の措置が計画の柱である。これによって日航は来年3月までに債務超過を解消し、黒字企業に生まれ変わるとしているが、あまりに甘い見通しといわざるをえない。
 加えて日航は主要債権団の日本政策投資銀行や大手メガバンクに運転資金などに3200億円の追加融資を求めているが、債権団は強い難色を示している。それは再建の可能性に強い疑問を抱いているからにほかなるまい。
 企業再生支援機構はこれまでの大規模なリストラによるコスト削減や、旅客需要の回復などで「業績は順調に上向いている」と強調する。円高も燃料調達費用の節減と海外旅行客の増加要因につながっていることなどを指摘する。
 しかし、円高が長期化すれば、輸出頼みの日本経済が冷え込み、結果的にビジネス客を中心に業績悪化の要因となりかねない。
 今後の事業戦略は国内外の計45路線から撤退するものの、国際線はできる限り残す方向だ。稲盛和夫会長はビジネス客を中心としたプレミアム(高付加価値)戦略を強調する。だが、世界の航空業界は相次ぐ再編と格安航空会社の台頭で競争が激化し、債権団から国際線の全面撤退を求める声もくすぶっている。もっと大胆な事業の選択と集中が必要ではないか。
 そもそも公的資金の活用を安易に考えては困る。大手金融機関の経営悪化で公的資金が使われたのは金融システム維持のためだ。
 昨年6月のゼネラル・モーターズ(GM)破綻でも、米政府が公的資金を使ったのは経済に与える影響が大きかったからだ。それに比べて、日航破綻に伴う影響は比較にならないほど小さい。
 民主党政権は「顧客が複数の航空会社を選べる」という利便性を公的資金注入の理由に挙げるが、会社存続が前提になってはいないか。公的資金の注入基準もあいまいであり、明確にすべきだ。
 こうした状況下で、稲盛会長が「2年ぐらいで勘弁してほしい」と早期退職を示唆したのは無責任のそしりを免れまい。日航と支援機構は更生計画案をもっと厳しく見直さなければならない。
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