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08年の薄型テレビ世界シェア、サムスンが首位 米調査会社
 米調査会社のディスプレイサーチは2008年の薄型テレビ世界販売台数シェアを公表した。韓国のサムスン電子が07年に続いて首位となり、シェアは3.1ポイント増の20.3%まで拡大した。ソニーは前年と同じ2位でシェアは1.8ポイント増の12.4%だった。上位5社の合計は59.7%まで拡大、上位メーカーの寡占が進んでいる。
 3位は韓国LG電子の11%(07年比1.3ポイント増)、4位にはともに8.0%だったパナソニックとシャープが並んだ。オランダのフィリップスは北米の薄型テレビ事業を船井電機に譲渡するなど事業の再構築を進めておりシェアは07年の10.2%から7.0%に減少、順位は3位から6位に後退した。
 景気悪化を背景として09年は薄型テレビの価格下落が加速、2000年ごろから成長を続けてきた市場(金額ベース)が初めて縮小に転じる見通し。パイオニアが薄型テレビ事業からの撤退を決めたほか日本ビクターも事業規模を縮小する方針を打ち出しており、上位メーカーへのシェア集中がさらに進むと見られている。



富豪日本一はユニクロ・柳井氏…米経済誌フォーブス
 【シンガポール=実森出】米経済誌フォーブスは19日、2009年の「日本の富豪40人」を発表した。
 それによると、カジュアル衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長の資産額が61億ドル(約5700億円)となり、初めて首位となった。
 柳井氏はユニクロの好業績で昨年より資産を14億ドル増やした。
 昨年首位の山内溥(ひろし)・任天堂相談役は45億ドルで3位に甘んじた。2位はパチンコ機メーカー三共の毒島邦雄(ぶすじまくにお)名誉会長で52億ドルだった。



旅行大手、海外パック旅行をてこ入れ
 旅行大手が海外旅行の主力であるパッケージ商品をてこ入れする。JTBは既存商品のルートなど内容を客の要望に応じて変えられるサービスを全店で始めた。近畿日本ツーリストは全店で高齢者向け会員制商品を発売した。海外旅行離れが進む中、4月からの国際線の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)低下に伴うパック旅行の値下げをにらんでサービスを充実、需要喚起を狙う。
 JTBはパック商品の内容を店頭で即座に変更・予約できるシステムを国内旅行用に続いて、海外旅行でも稼働させた。直営店と提携先を含む全国約7000店で利用できる。客がパックに組み込まれた日程・ホテルを変更したい場合、手数料無しで対応。例えば周遊型の欧州旅行は、ロンドンの滞在を短くしてパリを長くすることができる。



日銀、さらに「異例」の支援 社債1兆円買い取り
 日銀は19日、企業が発行する社債の買い取りなど、企業の資金繰り支援策の拡充を決めた。中央銀行として再び「異例の措置」(白川方明総裁)であるリスク資産の購入にもう一歩踏み込み、企業の調達金利の低下や金融機関の融資拡大を促す。ただし国内景気は底打ちの兆しがなく、長期国債の買い取り増額など追加策を求める声も多い。日銀は「次の一手」に早くも悩んでいる。
 昨年秋の米リーマン・ブラザーズの経営破綻以降、社債やコマーシャルペーパー(CP)の発行環境は大幅に悪化した。そのため日銀は1月初旬に社債やCPを担保に低利(年0.1%)で金融機関に資金を貸し出す「企業金融支援特別オペ(公開市場操作)」を導入し、同月末にはCPの買い取りも開始した。



出光、グリーン電力を企業向けに供給 日本風力開発と発電所
 出光興産は環境負荷が低いグリーン電力の小売事業に参入する。日本風力開発と共同で、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない風力発電所を設置し、オフィスビルなどに供給する。東京都などが企業に対する環境規制を強めており、企業のグリーン電力需要が高まると判断した。日本ではグリーン電力は主に電力会社に供給されており、一般企業向けの本格販売は初めてになる。
 蓄電池を併設し、安定的に電力を供給できる新型の風力発電所を設置する。日本風力開発の運転中の発電所を使うほか、小型の原子力発電所1基分に相当する62万キロワット分の施設を共同で建設する計画だ。



鋼材の輸出額が急減 1―3月、中国勢が価格攻勢
 鉄鋼大手の輸出が急減している。1―3月の鋼材輸出額は前四半期(2008年10―12月)比で新日本製鉄は4割強、JFEスチールは3割強減少する見込み。円高の影響に加え、主な輸出先のアジアで需要が減少、中国メーカーなどとの低価格競争も激化しているため。各社は一層の減産を迫られる可能性も出ており、主要品目である造船や自動車用鋼板の輸出価格は大幅な引き下げを余儀なくされ始めた。
 新日鉄の1―3月の鋼材輸出額は約1440億円となる見込みで、前期比43%減。JFEは約1730億円で同33%減少する。数量ベースでも2―3割落ち込んでいるもよう。住友金属工業の輸出額は1490億円で、前期比2割強減少する。



メガ百貨店、有力店舗を争奪 高島屋、丸井今井支援に名乗り
 民事再生法の適用を申請した北海道の地方百貨店、丸井今井の再建支援企業に高島屋が名乗りを上げた。すでに丸井今井と提携している三越伊勢丹ホールディングスとの競争入札になる可能性もある。消費不振が深刻化するなか、メガ百貨店の間で有力な店舗を奪い合う構図がみえてきた。
 高島屋首脳は19日午後の取締役会で、丸井今井の支援企業となるべく交渉に入ったことを全役員に報告。来週からは資産査定作業を始める。すでに資産査定を開始した三越伊勢丹は「高島屋が手を上げても関係ない」(首脳)と検討を続ける意向。ただ再建支援を行うかどうかの態度表明は3月になるもよう。



需要不足、7年ぶり水準 需給ギャップ、マイナス4.3%に 10―12月
 内閣府が19日発表した2008年10―12月期の経済全体の需要と供給の差を示す需給ギャップは、マイナス4.3%とほぼ7年ぶりの大幅な需要不足の状態になった。政府は2月の月例経済報告で景気判断を5カ月連続で下方修正、政府・与党内では大型の追加経済対策に向けた綱引きが強まりそうだ。
 内閣府は需給ギャップの推計値を同日の経済財政諮問会議に提出した。10―12月期の需給ギャップは7―9月期のマイナス0.7%から需要不足の方向に大きく広がった。需給ギャップは日本のバブル崩壊後にデフレが深刻になった1999年1―3月期にマイナス5.0%まで拡大した。



自動車用鋼板、品種1割削減 自工会と鉄連
 日本自動車工業会は19日、日本鉄鋼連盟と自動車用鋼板の品種削減を柱とするコスト削減に共同で取り組むことで合意したと発表した。現在、自動車メーカーが使用する鋼板品種176種類のうち生産効率の良くない19品種の使用をやめる。業界の垣根を越えたコスト削減を進め、経営体質の強化を図る。
 自工会と鉄連は、(1)鋼板品種の削減(2)発注作業の効率化(3)自動車の生産計画の精度向上――の三テーマを掲げ、合計380件の合理化策を設定した。具体的な取り組みは個別の企業間で進める。
 少量発注もできるだけまとめて発注し、鋼板の生産性向上につなげる。今後、品種・仕様や納入条件の見直し、物流の効率化などに協力分野を広げることでも合意した。



米自動車関連、人員削減100万人 2000年以降
 【ニューヨーク=小高航】米自動車関連企業による2000年以降の人員削減が累計で100万人を突破するのが確実になった。米ゼネラル・モーターズ(GM)が17日に4万7000人の人員削減を発表するなど、ビッグスリー(米自動車大手3社)の不振が米自動車関連企業の雇用に深刻な影響を与えている。
 米調査会社のチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが18日、自動車部品メーカーやディーラーなど自動車関連の米企業が発表した人員削減規模をまとめた。米企業による海外拠点でのリストラも含むが、同社は「大半が米国内関連だ」としている。100万人減は米国の非農業部門の雇用者数の08年の減少幅の約3分の一に相当する。



韓国、財閥のリストラ促す
 【ソウル=島谷英明】韓国金融委員会は19日、企業グループである財閥に構造調整を迫る方針を明らかにした。取引銀行が4月をメドに財務内容を点検、問題がある場合は資産売却や会社整理などの改善を促す。韓国経済は昨年10―12月期に国内総生産(GDP)伸び率がマイナスに転落しており、政府主導で企業のリストラを加速する。
 対象は銀行からの借り入れが多い44の企業グループ。金融委員会は企業名を明らかにしていない。民間企業は自主的に人員削減や減産などに着手しているが、政府は銀行を通じて徹底したリストラを求める構えだ。
 韓国政府はすでに経営環境の悪化が深刻な建設業界、造船業界の中小企業を中心に合理化を促している。企業グループにも対象を広げ、金融システム不安につながりかねない銀行の不良債権増加を抑制したい考えだ。



中・東欧の資金流出が加速
 【ワルシャワ=桜庭薫】中・東欧の金融市場が再び動揺している。ハンガリーの通貨フォリントが先導する形で各国通貨が急落。株式・債券相場も下落し、トリプル安の様相を見せ始めた。金融危機に伴う信用収縮に加え、輸出の落ち込みを嫌気して投資マネーが流出している。同地域や新興国向けの貸し出しが多い西欧の金融機関にとっても経営の懸念材料になりつつある。
 「今後も為替市場介入を実施していく」。ポーランドのトゥスク首相は同国議会で19日、同国通貨のズロチ買い・ユーロ売りの市場介入を18日に実施し、今後も必要に応じて行う方針を明らかにした。



春闘要求提出 雇用不安の解消を優先させよ(2月20日付・読売社説)
 「賃上げこそ最大の景気対策」という労働側の要求は、もはや現実的ではない。今春闘で経営側と徹底協議すべきは、雇用危機の打開策だ。
 トヨタ自動車やホンダの労働組合が、組合員平均で月額4000円の賃金引き上げを会社側に要求した。日立製作所など電機大手の労組は、統一して月額4500円の賃上げを求めた。
 昨年の要求額は、トヨタ1500円、ホンダ1000円、電機大手2000円だ。しかも満額回答は得られなかった。今年は景気が急変したというのに、要求額は大幅アップという選択である。
 これに対し、経営側は「賃上げは論外」と、一歩も譲る気配はない。それもそうだろう。
 代表的な輸出産業である自動車と電機は、世界不況の影響で大幅減産を余儀なくされ、今3月期は多くの企業が赤字決算となる。管理職の賃金カットが広がり、一般従業員の賃金カットに踏み込む企業も出始めた。
 労組があくまでも賃上げにこだわり、その結果、一段と経営が悪化して大リストラに追い込まれては、元も子もない。
 上部団体の連合が2008年度の物価上昇を根拠に、8年ぶりにベースアップ要求の大方針を掲げたのだが、デフレ懸念が強まり、その根拠が薄れてきた。
 物価を絶対視すると、デフレ局面では賃下げ提案しなければならない、と連合方針を疑問視する労組もある。一理ある指摘だ。
 消費の拡大を促すには賃金も重要なのだが、このままでは交渉は全くかみ合わない恐れがある。この非常時に、労使が対立している場合ではないだろう。
 派遣社員など非正規社員の契約解除にとどまらず、正社員にも雇用削減の波が及んできた。労組としても、まずは雇用不安の解消に優先的に取り組むべきだ。
 経営側は当面の事業計画や雇用の見通しを示し、労組の理解を得る必要がある。雇用を守り、さらに雇用を創出していくために、新規事業や技術開発に知恵を絞らなければならない。
 来春の新規採用を抑制する動きも顕著になってきた。就職活動を始めた大学3年生の中には、就職氷河期の再来を実感している人も多いのではないか。
 こうした若者への影響を極力抑えるためにも、労使一体で、一刻も早く経営に明るさを取り戻す努力を続けてほしい。景気対策、雇用対策による政府の強力な後押しも、極めて重要である。
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