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日経社説 経済危機に政治は何をしているのか(2/18)
 中川昭一財務相が7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後にろれつが回らない状態で記者会見した問題の責任をとり、辞任する意向を表明した。野党が多数の参院で問責決議案が提出され、国会の予算審議に大きな影響が出ることが不可避になったためだ。世界的な経済危機のあおりを受け、国内景気が加速度的に悪化する中で、迷走を続ける麻生政権の現状は憂慮に堪えない。
 G7後の会見での失態について中川財務相は「体調が悪く、風の薬を飲み過ぎたため」と釈明した。体調が悪かったとしたら同情すべき点もあるかもしれない。財務相は酒好きで有名であり、当人は否定しているが、アルコールが入っていたのではないかとの憶測も消えない。
 日本の財務相として内外メディアの集まる記者会見で失態を演じ、日本の信用を傷つけた責任はやはり見逃すことはできない。閣僚として緊張感に欠けていたと批判されても仕方がない。
 財務相は辞任の時期について「09年度予算案とその関連法案の衆院通過後」と述べた。国会日程や外交日程を考慮した結果とみられるが、すっきりしない辞め方である。財務相の辞任表明にもかかわらず、野党は参院に問責決議案を提出した。速やかに辞任した方がいい。
 中川財務相は麻生首相と政治信条も近い盟友関係にあり、金融担当相も兼務する重要閣僚である。麻生政権は内閣支持率の低下にも歯止めがかからず、苦しい政権運営が続いている。予算審議の最中に中川財務相が辞任に追い込まれたことは大きな打撃である。
 麻生政権は首相の郵政民営化見直しをめぐる発言を小泉元首相が痛烈に批判し、大きく動揺した。この小泉発言をきっかけにいったんは沈静化した与党内の「反麻生」の動きが再び強まる兆しも出ている。政権の立て直しは容易ではない。
 国会は08年度第2次補正予算は成立したが、その関連法案はまだ成立していない。09年度予算案とその関連法案はまだ衆院で審議中である。首相の迷走発言や閣僚の失態、与党内のあつれきなどで予算審議が遅れる状況は極めて残念である。
 つるべ落としのような景気の落ち込みはかつてない事態である。政治が景気の足を引っ張るようなことがあってはならない。まず予算を速やかに成立させ、追加景気対策の展望を開くために、麻生首相は小沢民主党代表との会談や話し合い解散も含めて何でもやるという断固たる意思を示すべきである。



与謝野氏、危機対応一手に 財務・経財・金融1人で3ポスト
 中川昭一財務・金融相の後任に、財政に精通した与謝野馨経済財政相を兼務で充てるのは、国会の予算審議が佳境を迎える中、「司令塔」不在を回避するのが狙いだ。ただ予算審議以外にも、追加経済対策の検討、世界的な金融危機克服に向けた国際会議、年度末を控えた金融対策――など多様な課題が山積する。省庁再編後に財政、金融など経済全般の運営を1人の閣僚が担当した例はなく、すべてに対応しきれるのか、早くも懸念がくすぶる。
 「安定した国会答弁が期待できる」――。予算審議の最中の財務相辞任劇で不安に包まれた財務省幹部は「後任に与謝野氏」の知らせにひとまず胸をなで下ろした。ただ兼務する財務、経済財政、金融の3ポストは、いずれも危機対応の中で重要度が格段に増している政策分野。実務を担う秘書官は計5人の大所帯で、執務室も3カ所を行き来する。健康不安もくすぶる中、それらを一手に担う負担は大きい。



米クライスラー、再建計画を提出 金融支援額を上乗せ
 【ニューヨーク=小高航】米クライスラーは17日、米政府に経営再建計画を提出した。同社は米市場の低迷など経営環境の悪化を理由に、政府に対し50億ドル(約4500億円)の追加金融支援を要請した。同社はすでに40億ドルを受け取っている。さらに30億ドルの追加支援を求めていたが、この追加支援額を上乗せした。
 同社は再建計画で「全米自動車労組(UAW)との協議で政府が求めている譲歩水準を達成した」としている。一方、債務の削減策については期限までに債権者との合意に持ち込めなかったもようだ。



ソネット、ミクシィIDで簡単に作成できるSNS
 ソネットエンタテインメントは18日から、ミクシィが運営する交流サイト(SNS)「mixi」の認証IDで自社のSNS作成サービスが利用できるようにする。mixiで知り合った特定メンバーだけが個別に集まれるSNSを手軽に作れるようになる。現在35万人いるソネットの作成サービス利用者数を、1年後に10万人に増やす考えだ。
 ソネットのSNS作成サービス「So―netSNS(β版)」が、mixi内での属性情報などを外部サイトに提供する認証サービス「mixi OpenID」に対応する。mixiのIDを使って、独自のSNSをソネットのインフラ上で作成できる。



ラオックス、ノジマに首都圏の店舗を譲渡
 中堅家電量販店のラオックスは17日、4月中旬をメドに首都圏の郊外型店舗15店舗を譲渡することでノジマと基本合意に達したと発表した。会社分割により新会社を設立し、郊外型家電販売事業部門の一部を譲渡、ノジマが新会社の発行済み全株式を継承する。
 譲渡対象となる郊外店15店舗の2008年3月期売上高は約117億円。ラオックスの単体売上高の21%を占める。
 ラオックスは経営再建中で、昨年11月には景気悪化を理由に、2009年3月期中に13店舗を追加閉鎖する経営改善計画を発表していた。



地デジ受信機普及率、1月で49.1% まだ5割届かず
 総務省が17日発表した地上デジタル放送への移行状況に関する緊急調査によると、受信機の世帯普及率は今年1月時点で49.1%(推計で2455万世帯)だった。昨年9月の調査に比べ2.2ポイント増にとどまっており、まだ半数にも届かない状況。同省は今年度中に普及率を62%まで引き上げる目標を立てているが、実現は厳しそうだ。
 地デジへの完全移行は2011年7月24日。専用チューナーや対応するテレビなどがないと番組を見られない。受信機を保有していない人にその理由を聞いたところ、3割強が「現行のアナログ放送で十分だから」と回答した。移行時期を知っている人は、77.8%と前回調査に比べ2.5ポイント増えた。



ゲームソフトのレビュー投稿サイト「Commune」
 ネットベンチャーのモシカ(大阪市)は2月17日、ゲームソフトのレビューを投稿できるサイト「Commune」(コミューン)を開設した。
 ソフトごとのページで、発売日や価格などの情報を確認したり、感想や評価を投稿できる。YouTubeの動画を貼り付けることも可能だ。Amazon.co.jpや楽天市場へのリンクも備えた。
 ソフト2586本の情報を掲載した。目標は月間1000万ページビュー。携帯電話サイトも開発する予定だ。



セブン&アイとNEC、ネット事業などで新会社
 セブン&アイ・ホールディングスとNECは17日、インターネットを活用した新ビジネスの研究や情報システム開発を手がける新会社を共同で設立すると発表した。セブン&アイはNECの情報技術を生かして国内1万3000店の店舗網を活用したネット通販事業の競争力を高め、新しい収益の柱にする。
 3月下旬に設立する新会社は「セブンインターネットラボ」(東京・千代田)。資本金は2億円で、セブン&アイグループが60%、NECが40%出資する。
 セブン&アイはネットで注文した商品をコンビニエンスストアの店舗で受け取るサービスや、スーパーから商品を即日宅配するネットスーパーなどを展開している。新会社はこれら店舗とネットを融合させた事業を発展させるため、新しいIT(情報技術)の導入やシステムの開発を担う。



日立、データセンター事業で中国進出
 日立製作所は企業の情報システムを代行運用するデータセンター事業で中国へ進出する。3月にも上海のデータセンター事業者から施設を借りてサービスを始め、年内に山東省に合弁会社を設けて自前施設を保有する。日本のIT(情報技術)投資が頭打ちとなるなか、年率10%程度の成長を続ける中国市場の開拓を急ぐ。
 上海で現地事業者が所有するデータセンターの一画を借り、主に中国に進出した日系企業からサーバーなどのIT機器を預かって運用を始める。



「人民元、1ドル7元台も」中国高官、切り下げ言及
 中国国家発展改革委員会の張暁強副主任は英字誌「チャイナ・ブリーフィング」の最新号で、人民元相場について「中国経済は減速し、失業者は増えている。元の対ドル相場は(現在の1ドル=6.83元前後から)6.95―7元くらいまで下がる可能性がある」と指摘した。中国政府の高官が元相場の切り下げに言及したのは初めて。
 中国政府はこれまで元相場を「均衡のとれた合理的な水準」(温家宝首相)で安定させる方針を繰り返し表明し、切り下げを強く否定してきた。
 しかし、財政省の財政科学研究所は今月上旬にまとめた報告書で「元相場を6.93元前後に引き下げるべきだ」と提言。世界経済の低迷で輸出企業の経営は悪化が続いており、政府内には「元切り下げ論」がくすぶっている。



豪資源権益、中国企業が攻勢強める
 【シドニー=高佐知宏】中国の資源会社がオーストラリアでの権益拡大で攻勢をかけている。貴金属やウラン開発を手掛ける豪OZミネラルズは16日、中国五鉱集団からの総額26億豪ドル(約1500億円)の買収提案を受け入れたと発表した。中国アルミが英豪大手リオ・ティントの鉱山権益の一部を譲り受けたのに続く動きだ。
 中国勢は国内需要の拡大や中長期的なエネルギー資源確保を狙い、アフリカを含めた世界市場での権益確保に動いている。一方、豪資源各社は景気低迷に伴う需要減や資源価格の下落で経営が悪化し、中国勢への会社売却や提携に踏み切るケースが相次いでいる。



中国が「途上国連合」形成強化 「正月外交」首脳ら20カ国訪問
 【北京=佐藤賢】中国の胡錦濤国家主席は17日、中東アフリカ歴訪を終えた。1月26日からの春節(旧正月)後の中国首脳らの積極的な「正月外交」で訪問した国は計20カ国に及んだ。金融危機で苦境に陥る途上国への経済支援を切り札に、中国を事実上の盟主とした「途上国連合」の形成の動きを強化。国際金融制度改革や地球温暖化対策などを巡る国際交渉をにらみ、発言力拡大へ布石を打った。
 「世界は大変革の中にあり、金融危機は途上国を不利にしている」。胡主席は16日、タンザニアでアフリカ政策について講演し、先進国に途上国援助を増やすよう求める立場を強調。欧米諸国によるアフリカ支援停滞が見込まれる中、中国として援助を拡大する方針を表明した。



アラビア石油、北海で油田権益取得へ
 AOCホールディングス傘下のアラビア石油はノルウェー領北海で油田権益を取得する。2009年中に生産開始予定の油田で、投資額は権益取得と生産設備あわせて約100億円の見込み。イラクでは油田開発のための入札参加を目指す。アラビア石油は昨年、約50年にわたって操業に関与した中東の大型油田から事実上撤退し、新たな収益源確保が急務。原油価格低迷で売りに出る油田権益が増えており、円高を追い風に積極投資を進める。
 買収するのはノルウェー南西部沖に位置するイメ油田の権益の10%。アラビア石油のノルウェー子会社を通じ、操業管理するカナダの石油開発会社タリスマン・エナジーの現地法人から取得する。
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