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ソニー、止血した携帯電話事業の次の手は
 「エリクソンの最高経営責任者(CEO)がソニーとの合弁を肯定」。9月、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)はこんなタイトルの記事を載せた。スウェーデンの通信機器会社、エリクソンはソニーと折半出資の英合弁会社「ソニー・エリクソン」を通じ、携帯電話事業を展開している。「我々はソニー・エリクソンにコミットしている」。エリクソンのハンス・ベストバーグCEOは同紙のインタビューで現状の合弁形態維持を強調している。
 ソニーとエリクソンの合弁会社の先行きに注目が集まるのは、両社が合弁を解消するなど出資形態が変わるのではないかと見られているからだ。ソニー・エリクソンは2001年設立。かつては好業績を挙げたが、フィンランド・ノキアや韓国・サムスン電子などに差を付けられている。スマートフォン(高機能携帯電話)ブームなど競争が激化しているのに、折半出資の合弁会社でスピード感のある事業展開ができるのか――。こんな疑問が背景にある。
 ソニー・エリクソンの足元の業績は一時よりは改善している。15日午後2時(日本時間)に2010年7~9月期決算を発表するが、全体の端末販売台数は伸び悩むものの、スマートフォン「エクスペリア」の販売強化により平均単価が底堅く推移。開発費などの効率化も進み、3四半期連続で営業黒字を確保したようだ。株式市場ではソニーの持ち分法投資利益ベースで50億円前後を予想する向きが多い。
 韓国勢などとの競争激化を受け、ソニー・エリクソンが業績不振に陥ったのは08年以降。3度に渡って構造改革を発表し、累計で8億8000万ユーロのコストを削減した。全体の3割強にあたる4000人の従業員を減らしたほか、開発拠点も10カ所から4カ所に集約。商品も絞り込んだ。ソニーも10年3月期にソニー・エリクソンの借入金187億円を保証するなど支援してきた。
 ソニーにとって、ソニー・エリクソンを持ち分法投資利益ベースで11年3月期に3期ぶりで黒字化させるのが必達目標。足元ではその目標に向けて順調に進んでいるといえる。今期の持ち分法投資損益は200億円前後の黒字(前期は345億円の赤字)となる可能性もある。だが、かつて10%弱あったソニー・エリクソンの世界シェアは4%程度。「止血」には成功しても、成長戦略を描くまでには至っていない。
 5日、東京・六本木で開かれたNTTドコモの新商品発表会。「ギャラクシーSは全世界で非常に高く評価されている。きれいで使いやすく、高機能だ」。10月下旬にドコモから発売するサムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーS」に対し、ドコモの山田隆持社長は手放しで褒めて見せた。
 ギャラクシーSはグーグルの携帯電話向け最新OS「アンドロイド2.2」を搭載。すでに世界で500万台以上を販売しており、2秒あたり1台のペースで売れているという。これに対し、ソニー・エリクソンのエクスペリアは「アンドロイド1.6」。アンドロイドOSのバージョンは開発力の目安の1つとされ、アナリストからも注目されている。エクスペリアはこれまで米アップルの「iPhone」の国内唯一の対抗馬だったが、販売苦戦を予想する声も聞かれる。
 携帯端末の競争の主戦場となっている「プラットホーム戦略」では、アップル優位が鮮明だ。各社は自社の端末を使ってプラットホームを構築し、インターネットを通じサービスを提供する戦略を展開する。クレディ・スイス証券によると、運営するアプリケーションストアのアプリケーション提供数はアップルが22万5000件なのに対し、ソニー・エリクソンは3700件。アップルは豊富なアプリをそろえて利便性を高め、自社のプラットホームに顧客を囲い込みつつある。プラットホーム戦略はいったん出遅れると、巻き返すのが容易ではない。
 すでに市場関係者の間では、ソニー・エリクソンへの関心が薄れつつある。スマートフォンを中心に競争が激化するなかでソニー・エリクソンがシェアを大きく伸ばすのは当面、難しいだろうと見ているからだ。これまでの構造改革が奏功し、黒字体質が定着してきたこともソニーの業績を見るうえで安心感を誘っている。
 だが、ソニーにとって本来、ソニー・エリクソンの存在は小さくないはずだ。ソニー・エリクソンはソニーの持ち分法適用会社だが、連結業績への影響が大きかったため、同社の持ち分法投資損益をソニーは営業利益に算入した経緯がある。08年3月期のソニー・エリクソンの持ち分法投資利益は795億円で、ソニーの連結営業利益(4752億円)の17%を占めた。それが前期は345億円の持ち分法投資損失となり、ソニーの連結営業利益(317億円)を押し下げている。
 ソニーの成長戦略から見ても、ソニー・エリクソンの携帯電話事業は欠かせない領域だ。ソニーは昨年11月に開いた経営方針説明会で、成長戦略の柱にネットワークサービス事業を掲げ、同事業で13年3月期までに年間3000億円規模の売上高を目指すと表明している。その具体策として、ソニー・エリクソンとの連携強化もうたっている。もし成長戦略を推し進めるうえで、ソニー・エリクソンの資本形態が障害になっているならば、思い切って見直すべきだろう。
 ソニーは「ウォークマン」などモバイル機器で数々のヒットを出した歴史があり、ソニーブランドの中核分野だ。株価がPBR(株価純資産倍率)で解散価値である1倍割れの状況から抜け出すには、割安状態の解消を加速させるカタリスト(触媒)が必要。成長への布石となる施策が待ち望まれる。



KDDIとSkypeに提携報道--携帯キャリア3社の反応
 日本経済新聞(電子版)によると、KDDIとSkype Technologiesが提携する。KDDIは取材に対し、「(日経新聞の報道は)KDDIが発表した情報ではない」とコメント。ただし、10月18日に開催予定の記者会見で提携が正式発表されることには含みをもたせた回答をしている。
 日経新聞によれば、この提携はKDDIが11月下旬以降に発売予定のAndroidスマートフォン「IS03」をはじめとするスマートフォンに、基本的に無料で通話できるインターネット電話サービス「Skype」の専用アプリを配信する内容。専用アプリは、ネット回線ではなくKDDIの携帯電話回線を利用し、無料で提供するかは検討中という。
 Skypeへの対応について、NTTドコモは取材に対し、これまでもスマートフォン向けの料金プランで特定アプリのプロトコルを規制しておらず、Skypeも恐らく利用可能であるとした。ただし、データカード向けの定額データプランではVoIPを規制しているとのことだ。
 また、ソフトバンクモバイルが擁するiPhoneでは、すでにSkypeを利用することができる。ソフトバンクモバイルでは、KDDIの正式発表前の段階であるため、Skypeへの今後の対応については「現時点で具体的な動きはない」とコメントしている。



国内スマートフォン市場、14年度に4倍増 通信料狙い各社が強化
 国内のスマートフォン(高機能携帯電話)市場が2014年度に09年度の4倍の3750億円に拡大するとの調査結果を、富士キメラ総研がまとめた。ブロードバンド(高速大容量)通信の中核である光サービスは約8割増の1兆4800億円に、それぞれ拡大すると予測している。
 国内スマートフォン市場は、ソフトバンクモバイルが、08年に発売した米アップルの「アイフォーン」の大ヒットで急成長。NTTドコモやKDDI(au)も品ぞろえ拡充を急いでいる。富士キメラでは「データ通信料の増加につながるため、各社がさらに力を入れる」とみている。
 また、光サービスは、国内シェア7割超を握るNTT東西地域会社や電力系通信事業者などが売り込みに力を入れており、ADSL(非対称デジタル加入者線)サービスが14年度に09年度比約6割減の1514億円に縮小する分、大きく伸びると予測している。
 調査は6月から9月にかけて、同総研の専門調査員が聞き取りなどにより実施した。



産経新聞のiPadアプリ、過去3カ月のバックナンバーを閲覧可能に
 株式会社産経新聞社と株式会社産経デジタルは15日、産経新聞の紙面を閲覧できるiPadアプリ「産経新聞HD」をバージョンアップし、バックナンバーの閲覧機能を追加したと発表した。
 産経新聞HDでは、最新の新聞紙面データをダウンロードすると、それまでのデータが上書きされる仕組みのため、過去の紙面を閲覧できなかった。今回、ユーザーからバックナンバーへの要望が多かったことを受けて、過去3カ月までの紙面を閲覧できる機能を搭載した。タッチディスプレイのダイヤル操作で日付を指定してダウンロードできる。
 なお、バックナンバーをダウンロードしても最新の紙面は上書きされないが、別の日のバックナンバーをダウンロードすれば、それまでのバックナンバーは上書きされる。
 産経新聞HDは、購読料金が30日間1500円。



グーグル売上高、22・6%増で過去最高
 【ニューヨーク=小谷野太郎】インターネット検索サービス最大手の米グーグルが14日発表した2010年7~9月期決算は、売上高が前年同期比22・6%増の72億8600万ドル(約5900億円)、純利益も32・2%増の21億6700万ドル(約1755億円)となり、ともに四半期ベースの過去最高を更新した。
 主力のネット広告事業の売上高が前年同期を約2割上回った。
 エリック・シュミット最高経営責任者は「携帯電話向けサービスなど新規事業も勢いがあった」と述べ、積極的な投資を続け、収益拡大を目指す方針を示した。



三菱、小型車をタイで生産し逆輸入…12年以降
 三菱自動車は15日、開発中の主力の小型自動車を2012年初頭からタイで生産し、日本で販売することを明らかにした。
 価格競争が激しい小型車の生産を国内で続けるのは厳しいと判断し、小型車の生産は段階的に国内から海外に移す。円高や小型車を巡る価格競争の激化に加え、税制上もタイで生産する方が有利なためだ。国内自動車大手が海外に生産拠点を移す動きが加速する可能性もある。
 三菱自は、現行の小型車「コルト」(排気量1・3リットル、1・5リットル)に代わる小型車を開発中だ。排気量は1~1・2リットル程度で、ライバルの日産マーチの1リットルあたり26キロ程度の低燃費を想定し、価格も100万円を切ることを目指している。



経営再建中のラオックス、松坂屋銀座店に出店へ
 経営再建中の家電量販店「ラオックス」は15日、松坂屋銀座店(東京都中央区)に11月20日に出店すると発表した。
 知名度の高い銀座に店舗を構えることで、国内外から幅広い客層の取り込みを狙う。
 新店舗は松坂屋の6階に構える。売り場面積は約1300平方メートルで、ほぼ1フロアを占める。デジタルカメラや炊飯器、時計、雑貨などを販売する。
 ラオックスは2009年8月、中国の家電量販大手、蘇寧電器の傘下に入り、主に中国人観光客の集客に力を入れてきた。外国人観光客が多い銀座に出店することで、集客力を強化できると判断した。
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