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富士通・東芝、携帯事業統合へ 国内2位浮上
年内に次世代方式の端末導入 世界市場を開拓
富士通と東芝は携帯電話機事業を統合する方向で最終調整に入った。実現すると国内シェアは約2割となり、シャープに次ぐ第2位メーカーが誕生する。携帯端末市場の低迷が続く中で、統合により事業基盤を強化する。国内では年内に高精細な動画などが楽しめる次世代方式の端末が導入される予定。両社は互いの技術を持ち寄ることで開発力を高め、海外市場開拓にも取り組む。
富士通と東芝は年内にも共同出資会社を設立し、それぞれの携帯電話機事業を統合する案が有力。両社は統合の詳細を詰めているが、富士通が過半を出資する見通し。早ければ月内に合意する。
今月1日にはNECとカシオ計算機、日立製作所の3社が携帯電話機事業を統合したばかりで、再編が加速してきた。
民間調査会社によると、2009年度の国内出荷台数は富士通が518万台で3位、東芝が126万台で8位。両社を単純合計するとシェアは18.7%となる。パナソニックモバイルコミュニケーションズやNECカシオモバイルコミュニケーションズを抜き、最大手のシャープ(26.2%)に次ぐ2位になる。
富士通はNTTドコモ向けに携帯電話機を供給しており、機能を簡単にした「らくらくホン」がヒットしている。東芝はKDDI(au)向けが主力で、事業統合により複数の携帯電話会社へ幅広く製品を供給できるようになる。開発ノウハウを持ち寄り、ソフトウエアを共通化するなどして競争力を高める。
電子情報技術産業協会(JEITA)によると、09年度の携帯電話・PHS端末メーカーの国内出荷台数は、前年度比12.3%減の3142万6000台だった。携帯電話の普及が本格化したころの1998年度並みの水準に落ち込んでいる。
携帯端末の機能は年々高度化し、開発費は膨らんでいる。東芝は携帯電話機の国内生産から撤退し、海外企業に生産委託するなどコストを削減してきたが09年度も赤字だった。富士通は黒字を確保しているが、海外で攻勢をかけるためには国内の事業基盤を強化する必要があると判断した。
日本の携帯電話機メーカーは通信方式が海外と異なるなど孤立したため、出遅れた。国内メーカーの世界シェアを合計しても約3%にとどまる。ただ年内にも導入される「LTE」と呼ばれる新しい通信方式は、欧米などと共通化される可能性があり、端末メーカーにとっては商機が広がる。再編により国際競争力を高め、海外でも攻勢をかけたい考えだ。
東芝は09年秋に富士通のハードディスク駆動装置(HDD)部門を買収。事業の集中と選択を進める中で、両社の関係が深まっていた。
縮む国内市場、スマートフォン攻勢が背中押す 生き残りへ再編加速
富士通と東芝が携帯電話事業を統合すれば最盛期に11社あった日本の携帯電話メーカーは半分の6社に集約される。しかし世界市場では首位のノキア(フィンランド)やサムスン電子(韓国)が日本市場全体の7~12倍の規模で展開。縮む国内市場にとどまってきた日本勢の出遅れは深刻だ。米アップルのiPhone(アイフォーン)など海外勢のスマートフォン攻勢への対応も迫られている。
国内市場の再編は遅々として進まなかった。04年にカシオと日立が事業統合、08年には京セラが三洋電機の携帯事業を買収し、三菱電機が撤退した。今年6月にNECとカシオ日立モバイルコミュニケーションズが事業統合。富士通と東芝の交渉は今年に入って急速に進んだ。シャープ、富士通・東芝連合、パナソニック、NECカシオの体制まで6年かかった計算だ。
その間、携帯電話の新規加入の伸び悩みや、買い替えサイクルの長期化により、国内の端末出荷はピークの5200万台(07年度)から急落した。10年度は3100万台まで落ち込む見通しだ。「国内市場だけでは生き残れない」(NECカシオモバイルコミュニケーションズの山崎耕司社長)という危機感がようやく再編を背中を押し始めている。
だが海外市場ではノキア、サムスン電子、LG電子の三強が合計で8億台近い端末を全世界に出荷しており、寡占体制の牙城を崩すのは容易ではない。6月1日に発足したNECカシオモバイルは、カシオが開拓してきた北米の通信会社への販路を拡大して欧州やオーストラリアなどに展開する計画だ。
同様に東芝は欧州市場で昨年からマイクロソフトのOSを搭載したスマートフォン(高機能携帯)を展開している。富士通はこうした東芝の海外販路に魅力を感じている模様だ。
国内メーカーに立ちはだかる相手はノキアなど従来型の巨大メーカーだけではない。米アップルのアイフォーンやアイパッド、アマゾンのキンドルなど、電子書籍やノートパソコンの機能を併せ持った新しいタイプの端末が急速に携帯電話市場を浸食しつつある。
国内首位のシャープは米マイクロソフトと組み、北米と欧州でSNSの利用に特化した新しいタイプのスマートフォン「キン」の販売を開始した。パソコン、電子書籍と携帯電話との間の垣根は崩れ始めている。富士通と東芝連合がどう対策を打つのかが焦点になりそうだ。
AT&Tに続き英O2もiPhoneでのデータ通信無制限を廃止、日本は?
英国の携帯キャリアO2が、6月24日の「iPhone 4」提供開始に合わせて新料金プランを発表した。それによれば、従来までiPhone契約者にはデフォルトで提供されていたデータ通信の無制限オプションが廃止され、月額料金に応じた容量制限つきの従量制プランへと移行している。もしユーザーが容量を超過して利用した場合は、500MBあたり5ポンド、あるいは1GBあたり10ポンドの追加料金が発生する。
新料金プランは6月24日より適用され、既存の契約者はそのまま従来のデータ通信無制限プランを引き継げる。米AT&Tが6月2日に発表した新料金プランに準じたものとなり、今後世界の携帯通信キャリアの動向が注目される。
亀井氏、閣僚を辞任へ 「約束破られた」
国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相は11日未明、菅直人首相が郵政改革法案の今国会成立を断念、廃案にする意向を示したことを理由に辞任する意向を固めた。ただ国民新党は、参院選後に召集される臨時国会で、同じ内容の法案を提出し成立させるとする覚書を民主党と交わすことに合意、同党出身の松下忠洋経済産業副大臣と長谷川憲正総務政務官は残留するため、民主・国民新両党の連立政権は維持される。亀井氏は11日未明の記者会見で「約束を破られ、履行できなかった」と述べた。
国会日程については、会期を17日まで1日延長し、衆参両院の予算委員会を開催することで与野党が合意する見通しになった。民主党が会期延長を「最大1日」(党幹部)との方針を決めたことで、参院選は「24日公示、7月11日投開票」で実施されることが確実となった。
民主党の枝野幸男幹事長は国民新党の自見庄三郎幹事長と断続的に会談。自見氏は11日未明、記者団に「(連立離脱しない)方向で努力中だ」と強調。枝野氏も「郵政法案をこの国会で通すことは難しいとの前提で理解いただける方向に進んでいる」と語った。
「郵政法案、大幅見直しに期待」 亀井氏辞任で金融業界
郵政改革法案が臨時国会に先送りされることで、郵政問題は参院選の争点の一つとなることが確実となった。とりわけ亀井静香郵政改革・金融相が辞任することで、郵政論議を主導してきた国民新党の影響力が低下する可能性もあり、批判の多かった法案の中身が大幅に見直されると指摘する声も多い。
官業色の強い日本郵政が肥大化することに猛反発してきた金融業界は「法案自体を見直す時間ができる。良い方向に動き出した」(大手生保幹部)と内容が変わることに期待した。
一方、日本郵政グループ労働組合(JP労組)の幹部は「ここ数年間、組織体制を含めて政治に何度も振り回されてきた。今回も宙ぶらりんの状態になった」などと不満を口にした。
臨時国会に先送りされる法案は、参院選での結果を踏まえて議論されることになるが、東海大の新保恵志教授は「農村部などで金融サービスが低下しているのであれば、移動車などで金融サービスを行うなど現状の制度で、アイデアを使って改善していくこともできる」と語り、現行法案を安易に踏襲すべきではないと指摘している。
また、東洋大の松原聡教授は、国民に法案を理解してもらえるよう現在の体制を十分に検証した上で、見直しが必要かどうかを判断すべきだと主張。「最低でも参院選後、議論に半年間はかけるべきで、臨時国会ではなく、次期通常国会に提出すればよい」と語り、十分な検討期間を設けるよう求めている。
民主参院選公約、「消費税」明記
民主党は10日、夏の参院選公約の全容を固めた。
菅首相が掲げる「強い経済、強い財政、強い社会保障」を目指す方針を掲げ、「消費税を含む税制の抜本改革を行う」と明記して、財政再建と経済成長の両立を図る姿勢をアピールする。財政再建に向けた超党派の議論を呼びかけることも盛り込む。11日に政権公約会議を開いて決定する。
公約は、〈1〉ムダ遣い排除、行政刷新〈2〉政治改革〈3〉外交、安全保障〈4〉子育て、教育〈5〉年金、医療、介護、障害者福祉〈6〉雇用〈7〉農林水産〈8〉郵政改革〈9〉地域主権〈10〉交通政策、公共事業――の10項目で構成する。
消費税率の引き上げ時期には「次期衆院選後」などの制約を設けず、早期の引き上げに含みを持たせる。また、「2020年度までに基礎的財政収支を黒字化する」とする財政健全化目標を掲げる。郵政改革法案の早期成立方針も盛り込む。
奈良日日新聞が週刊へ、奈良新聞と業務統合
奈良県内で日刊紙を発行する奈良新聞社(奈良市)と奈良日日新聞社(同)は10日、奈良日日新聞を「WEEKLY Naranichi」(仮称)と改題して週刊紙にするとともに、両社の営業などの業務を統合すると発表した。奈良日日新聞社は、規約に基づき日本新聞協会も退会する方針。
両社は統合について、広告収入の落ち込みなど厳しい経済状況のなかで「広告事業などで業務を効率化し、収益増につなげたい」としている。資本金や役員の移動はないという。
両社によると、奈良日日新聞社は7月10日付で日刊紙の発行を終え、毎週金曜発行の週刊紙に移行する。宅配やコンビニエンスストアなどの販売は継続する。奈良新聞は日刊紙発行を続ける。
奈良新聞と日日新聞の公称発行部数はそれぞれ12万部と5万部。
資源インフレ、製品デフレ 企業板挟みの消耗戦
日本経済が資源価格の“インフレ”と、最終製品の価格下落というデフレの板挟みに直面している。日銀が10日発表した5月の国内企業物価指数は、原油などの価格高騰が影響し、1年5カ月ぶりに前年比でプラスに転じた。企業はコスト負担の増加分を製品価格に転嫁したい考えだが、低価格志向の強い消費者に近い製品ほど値上げは難しいのが実情で、回復途上の企業業績に急ブレーキがかかる懸念も否めない。
「原材料価格は上昇傾向にあるものの、需給のバランスが大きく崩れた状態が続いているため、“産業の川下”に近い製品価格の下落圧力は根強い」。農林中金総合研究所の南武志主任研究員は企業物価の動向についてこう解説する。
企業物価が騰勢を強めている背景には、中国など新興国の需要が膨らんで資源価格の高騰を招き、石油・石炭製品など素材系製品を中心に影響が広がってきていることがある。
実際、石油化学製品の基礎原料であるナフサ(粗製ガソリン)価格は原油高を受けて上昇。平成21年1~3月に1キロリットル当たり2万7千円だった国産ナフサ価格は22年1~3月に4万7700円となっている。
このため化学メーカーは石化製品の値上げに相次いで踏み切った。旭化成は3月、家電製品のケースなどに使うABS樹脂について1キログラム当たり30円の値上げを打ち出し、5月中に家電メーカーなどとの交渉がまとまった。
また国内鉄鋼大手は、22年7~9月期の鉄鋼原料用石炭の価格を4~6月期に比べ約13%高い1トン当たり225ドルとすることで英豪系資源大手BHPビリトンと合意。原料炭と並ぶ原料の鉄鉱石価格も7~9月期は4~6月期を2~3割程度上回る水準で資源大手と最終調整に入った。こうした情勢を受け、新日本製鉄とトヨタ自動車は4~9月の自動車用鋼材の取引価格を21年度に比べて1トン当たり最大2万円引き上げる方向で大筋合意した。
もっとも消費の現場では厳しい価格競争が繰り広げられており、トヨタなどのように資源高に伴う値上げ要求を受け入れることが困難な企業も多い。
日銀は欧州の信用不安の影響で「企業物価の上昇圧力は弱まる可能性もある」と慎重な見方だが、「先行きの景気回復期待を織り込んで上昇基調を続けるのではないか」(石油大手)との見方も多く、原料コストの負担増を企業間で押しつけあう消耗戦の様相が強まっている。
会見ライブ中継やツイッター…平松大阪市長、橋下知事に対抗?
大阪市の平松邦夫市長は10日の定例記者会見で、インターネットの動画サイト「ユーストリーム」を使ったライブ中継をスタートさせた。平松市長は5月下旬からミニブログ「ツイッター」も始めており、いずれも「大阪都」構想をめぐって対立する大阪府の橋下徹知事より一歩先んじた取り組み。強い情報発信力をもつ橋下知事に対抗する思惑もありそうだ。
会見で平松市長はライブ中継について「われわれが出した情報が伝わっていない。すべて生の形で市政改革が進んでいるという思いを伝えたい」と説明した。市によると、同様のライブ中継は全国の自治体で導入する動きが広がりつつあるという。この日の視聴者は193人だった。
一方、ツイッターは10日現在で約2200人がフォロワー(登録読者)に。市政について積極的につぶやき、都構想への批判に費やすこともある。8日には、東京都の猪瀬直樹副知事が「大阪市水道局の平均年収は1千万円」と書き込んだことを知ると、即座に「東京都副知事ともあろう方が間違ったデータをもとにツイートされる」などと数字を示して反論した。
国会図書館と出版各社、書籍全文検索を実験へ
国立国会図書館と講談社、小学館など出版社は共同で、今秋にも書籍の全文をキーワード検索するシステムの実証実験を始める。出版済み書籍を電子化してデータベースとするほか、出版社から新刊書の電子データをもらって検索対象に加えることも検討する。全文検索は米グーグルや米アマゾン・ドット・コムも提供しているが、日本勢による本格的な取り組みは初めて。
実験には新潮社、筑摩書房など大手出版社と、中小出版社160社以上を束ねる団体の版元ドットコムなども参加する。
全文検索では利用者が検索したい言葉を入力すると、本文にその言葉を含む書籍の名称や目次が一覧表示される。検索語を含む本文をどの範囲まで表示するのかは今後検討する。
システム構築には、まず書籍データを取り込み、文字、単語単位で言葉を機械的に認識できるデータベースを作る必要があり、著作権者の同意が必要。このため国会図書館は著作権者の窓口である出版社の合意を取り付けたうえで、日本語書籍のシステムを作る。
実証実験は来春まで実施する予定。日本語表記特有の技術的な問題を検討するほか、検索結果の表示順位が公平性を確保できるような仕組みも検証する。実験結果を踏まえて、実際に本格運用に移るかどうかはさらに議論する。
書籍の全文検索サービスを巡っては、米グーグルが著作権者に無断で電子化を進めたため、訴訟に発展した経緯がある。
直嶋経産相「法人税まず5%下げを」
来年度、税制改革を待たず 成長へ決断必要
直嶋正行経済産業相は10日、日本経済新聞のインタビューに応じ、「法人税の税率を来年度にまず5%下げる必要がある。税制の抜本改革の議論を待つのでなく、成長戦略の一環として決断すべきだ」と強調した。月内に政府全体でまとめる成長戦略では、環境、介護・医療(健康)、観光、アジア、科学技術、雇用・人材の6本柱に加えて「個人金融資産の活用など金融分野の活性化が不可欠だ」との考えを示した。
インタビューに答える直嶋経産相(10日、経産省)
経産相は「日本経済は基本的にこの20年間ずっと停滞し、国民全体を閉塞(へいそく)感が覆ってきた」と指摘。「経済がある程度安定的に成長すれば税収増にもつながり、社会保障にも安心感が増す」として成長戦略の実行が重要だと繰り返した。
法人税減税について、直嶋氏は「菅(直人)首相と何度か話し合い、法人税は税制の一つではあるが、財政の枠組みでなく、成長戦略の政策の一環として考えよう、ということを確認した」という。さらに「国際水準が日本より10~15%低いのは事実。中期的には国際水準を視野に税率の下げを目指す」と述べ、税率下げで菅首相の理解は得ているとの認識を示した。
経産相は「法人税の高さが指摘され始めてもう10年はたつのに、日本はいっこうに動いていない。それが海外にはマイナスのメッセージになっている」と指摘。「将来の経済活性化や雇用、税収の確保のためにも決断する時期だ」と述べ、早期の税率下げで、日本の国際競争力回復や外資企業の日本への投資増につなげる考えを示した。
月内に政府全体でまとめる成長戦略については「環境、健康など昨年末に決めた6本柱とは別に、金融分野を新たな柱に加えたい」と言明。例えば、1400兆円の個人金融資産の一部を海外のインフラ投資に充てるなどリスクマネーの供給増を促したり、金融市場や金融取引を改革して日本に海外から資金を呼び込んだりする戦略を明らかにした。
経産相は「日本での新規株式公開(IPO)が著しく減っている。この状況を立て直し、日本の金融産業に成長機会を取り戻す」と語った。
成長戦略の別の柱である海外への原発や水などのインフラ輸出については、産業構造審議会に近く新たな部会を設ける方針を表明。鉄道、次世代送電網など11の重点支援分野などで具体的な連携方法などを詰める。
今年末で期限を迎える省エネ家電のエコポイント制度について経産相は「今後の扱いはもう少し景気を見極める」とした一方、「家計の二酸化炭素(CO2)排出削減のため省エネ製品の普及支援は必要だ」と述べた。
【産経主張】南アW杯 心躍る大会で日本の力を
地球の反対側の南アフリカで、華やかなスポーツの宴(うたげ)が幕を開ける。サッカーのワールドカップ(W杯)である。
19回の歴史の中で、アフリカ大陸では初の開催となる。治安や大会運営などに不安はあるものの、全世界の目が南アに集まっている。まずは安全で、心躍る大会となることを祈りたい。
南アフリカといえば、アパルトヘイト(人種隔離)政策の国だった。国際社会から非難され、国際サッカー連盟(FIFA)からも、代表チームの国際試合への出場停止の制裁を科された。
1991年、アパルトヘイト法が撤廃されると、FIFAの制裁が解除された。それから約20年、ようやく悲願のW杯の開催が実現したのである。
アパルトヘイト撤廃運動の象徴で、ノーベル平和賞を受けたネルソン・マンデラ元大統領も91歳の高齢をおして、開会式に出席したい意向だという。何にもまして盛り上がるに違いない。
とはいえ、心配がなくはない。南アは民主化後、毎年2~5%の経済成長を遂げているものの失業率は24%を超え、貧富の格差が大きい。治安も悪く、昨年は1万8千件もの殺人事件が発生した。7日白昼にも、ケープタウンで武装強盗団と警官隊が銃撃戦を展開し観光客を震え上がらせた。
だが期間中、30万人の外国人観客がスタジアムを埋め、メディアは世界中に熱戦を生中継する。試合以外にも人々の暮らしや、美しい自然が報じられることだろう。南アはいま、主要20カ国・地域(G20)の一角を占め、将来性が注目されている。アフリカに「世界の目」が注がれる機会としてもW杯には大きな意義がある。
今大会に参加する32チームの中には、4大会連続出場となる日本代表もいる。日本は2002年日韓大会以外、すべて1次リーグで敗退しており、このところの国際親善試合でも4連敗中と、下馬評は高くない。
岡田武史監督は目標にベスト4を掲げ、「世界を驚かせる」とも言っていた。そのためにも14日夜(日本時間)の初戦カメルーン戦がカギとなる。何としても勝ち、予選突破につなげてほしい。
W杯はオリンピックと並ぶスポーツの最高峰である。見ているだけで不思議な感動を受ける。日本や世界を覆う閉塞(へいそく)感を打破する契機になるかもしれない。
年内に次世代方式の端末導入 世界市場を開拓
富士通と東芝は携帯電話機事業を統合する方向で最終調整に入った。実現すると国内シェアは約2割となり、シャープに次ぐ第2位メーカーが誕生する。携帯端末市場の低迷が続く中で、統合により事業基盤を強化する。国内では年内に高精細な動画などが楽しめる次世代方式の端末が導入される予定。両社は互いの技術を持ち寄ることで開発力を高め、海外市場開拓にも取り組む。
富士通と東芝は年内にも共同出資会社を設立し、それぞれの携帯電話機事業を統合する案が有力。両社は統合の詳細を詰めているが、富士通が過半を出資する見通し。早ければ月内に合意する。
今月1日にはNECとカシオ計算機、日立製作所の3社が携帯電話機事業を統合したばかりで、再編が加速してきた。
民間調査会社によると、2009年度の国内出荷台数は富士通が518万台で3位、東芝が126万台で8位。両社を単純合計するとシェアは18.7%となる。パナソニックモバイルコミュニケーションズやNECカシオモバイルコミュニケーションズを抜き、最大手のシャープ(26.2%)に次ぐ2位になる。
富士通はNTTドコモ向けに携帯電話機を供給しており、機能を簡単にした「らくらくホン」がヒットしている。東芝はKDDI(au)向けが主力で、事業統合により複数の携帯電話会社へ幅広く製品を供給できるようになる。開発ノウハウを持ち寄り、ソフトウエアを共通化するなどして競争力を高める。
電子情報技術産業協会(JEITA)によると、09年度の携帯電話・PHS端末メーカーの国内出荷台数は、前年度比12.3%減の3142万6000台だった。携帯電話の普及が本格化したころの1998年度並みの水準に落ち込んでいる。
携帯端末の機能は年々高度化し、開発費は膨らんでいる。東芝は携帯電話機の国内生産から撤退し、海外企業に生産委託するなどコストを削減してきたが09年度も赤字だった。富士通は黒字を確保しているが、海外で攻勢をかけるためには国内の事業基盤を強化する必要があると判断した。
日本の携帯電話機メーカーは通信方式が海外と異なるなど孤立したため、出遅れた。国内メーカーの世界シェアを合計しても約3%にとどまる。ただ年内にも導入される「LTE」と呼ばれる新しい通信方式は、欧米などと共通化される可能性があり、端末メーカーにとっては商機が広がる。再編により国際競争力を高め、海外でも攻勢をかけたい考えだ。
東芝は09年秋に富士通のハードディスク駆動装置(HDD)部門を買収。事業の集中と選択を進める中で、両社の関係が深まっていた。
縮む国内市場、スマートフォン攻勢が背中押す 生き残りへ再編加速
富士通と東芝が携帯電話事業を統合すれば最盛期に11社あった日本の携帯電話メーカーは半分の6社に集約される。しかし世界市場では首位のノキア(フィンランド)やサムスン電子(韓国)が日本市場全体の7~12倍の規模で展開。縮む国内市場にとどまってきた日本勢の出遅れは深刻だ。米アップルのiPhone(アイフォーン)など海外勢のスマートフォン攻勢への対応も迫られている。
国内市場の再編は遅々として進まなかった。04年にカシオと日立が事業統合、08年には京セラが三洋電機の携帯事業を買収し、三菱電機が撤退した。今年6月にNECとカシオ日立モバイルコミュニケーションズが事業統合。富士通と東芝の交渉は今年に入って急速に進んだ。シャープ、富士通・東芝連合、パナソニック、NECカシオの体制まで6年かかった計算だ。
その間、携帯電話の新規加入の伸び悩みや、買い替えサイクルの長期化により、国内の端末出荷はピークの5200万台(07年度)から急落した。10年度は3100万台まで落ち込む見通しだ。「国内市場だけでは生き残れない」(NECカシオモバイルコミュニケーションズの山崎耕司社長)という危機感がようやく再編を背中を押し始めている。
だが海外市場ではノキア、サムスン電子、LG電子の三強が合計で8億台近い端末を全世界に出荷しており、寡占体制の牙城を崩すのは容易ではない。6月1日に発足したNECカシオモバイルは、カシオが開拓してきた北米の通信会社への販路を拡大して欧州やオーストラリアなどに展開する計画だ。
同様に東芝は欧州市場で昨年からマイクロソフトのOSを搭載したスマートフォン(高機能携帯)を展開している。富士通はこうした東芝の海外販路に魅力を感じている模様だ。
国内メーカーに立ちはだかる相手はノキアなど従来型の巨大メーカーだけではない。米アップルのアイフォーンやアイパッド、アマゾンのキンドルなど、電子書籍やノートパソコンの機能を併せ持った新しいタイプの端末が急速に携帯電話市場を浸食しつつある。
国内首位のシャープは米マイクロソフトと組み、北米と欧州でSNSの利用に特化した新しいタイプのスマートフォン「キン」の販売を開始した。パソコン、電子書籍と携帯電話との間の垣根は崩れ始めている。富士通と東芝連合がどう対策を打つのかが焦点になりそうだ。
AT&Tに続き英O2もiPhoneでのデータ通信無制限を廃止、日本は?
英国の携帯キャリアO2が、6月24日の「iPhone 4」提供開始に合わせて新料金プランを発表した。それによれば、従来までiPhone契約者にはデフォルトで提供されていたデータ通信の無制限オプションが廃止され、月額料金に応じた容量制限つきの従量制プランへと移行している。もしユーザーが容量を超過して利用した場合は、500MBあたり5ポンド、あるいは1GBあたり10ポンドの追加料金が発生する。
新料金プランは6月24日より適用され、既存の契約者はそのまま従来のデータ通信無制限プランを引き継げる。米AT&Tが6月2日に発表した新料金プランに準じたものとなり、今後世界の携帯通信キャリアの動向が注目される。
亀井氏、閣僚を辞任へ 「約束破られた」
国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相は11日未明、菅直人首相が郵政改革法案の今国会成立を断念、廃案にする意向を示したことを理由に辞任する意向を固めた。ただ国民新党は、参院選後に召集される臨時国会で、同じ内容の法案を提出し成立させるとする覚書を民主党と交わすことに合意、同党出身の松下忠洋経済産業副大臣と長谷川憲正総務政務官は残留するため、民主・国民新両党の連立政権は維持される。亀井氏は11日未明の記者会見で「約束を破られ、履行できなかった」と述べた。
国会日程については、会期を17日まで1日延長し、衆参両院の予算委員会を開催することで与野党が合意する見通しになった。民主党が会期延長を「最大1日」(党幹部)との方針を決めたことで、参院選は「24日公示、7月11日投開票」で実施されることが確実となった。
民主党の枝野幸男幹事長は国民新党の自見庄三郎幹事長と断続的に会談。自見氏は11日未明、記者団に「(連立離脱しない)方向で努力中だ」と強調。枝野氏も「郵政法案をこの国会で通すことは難しいとの前提で理解いただける方向に進んでいる」と語った。
「郵政法案、大幅見直しに期待」 亀井氏辞任で金融業界
郵政改革法案が臨時国会に先送りされることで、郵政問題は参院選の争点の一つとなることが確実となった。とりわけ亀井静香郵政改革・金融相が辞任することで、郵政論議を主導してきた国民新党の影響力が低下する可能性もあり、批判の多かった法案の中身が大幅に見直されると指摘する声も多い。
官業色の強い日本郵政が肥大化することに猛反発してきた金融業界は「法案自体を見直す時間ができる。良い方向に動き出した」(大手生保幹部)と内容が変わることに期待した。
一方、日本郵政グループ労働組合(JP労組)の幹部は「ここ数年間、組織体制を含めて政治に何度も振り回されてきた。今回も宙ぶらりんの状態になった」などと不満を口にした。
臨時国会に先送りされる法案は、参院選での結果を踏まえて議論されることになるが、東海大の新保恵志教授は「農村部などで金融サービスが低下しているのであれば、移動車などで金融サービスを行うなど現状の制度で、アイデアを使って改善していくこともできる」と語り、現行法案を安易に踏襲すべきではないと指摘している。
また、東洋大の松原聡教授は、国民に法案を理解してもらえるよう現在の体制を十分に検証した上で、見直しが必要かどうかを判断すべきだと主張。「最低でも参院選後、議論に半年間はかけるべきで、臨時国会ではなく、次期通常国会に提出すればよい」と語り、十分な検討期間を設けるよう求めている。
民主参院選公約、「消費税」明記
民主党は10日、夏の参院選公約の全容を固めた。
菅首相が掲げる「強い経済、強い財政、強い社会保障」を目指す方針を掲げ、「消費税を含む税制の抜本改革を行う」と明記して、財政再建と経済成長の両立を図る姿勢をアピールする。財政再建に向けた超党派の議論を呼びかけることも盛り込む。11日に政権公約会議を開いて決定する。
公約は、〈1〉ムダ遣い排除、行政刷新〈2〉政治改革〈3〉外交、安全保障〈4〉子育て、教育〈5〉年金、医療、介護、障害者福祉〈6〉雇用〈7〉農林水産〈8〉郵政改革〈9〉地域主権〈10〉交通政策、公共事業――の10項目で構成する。
消費税率の引き上げ時期には「次期衆院選後」などの制約を設けず、早期の引き上げに含みを持たせる。また、「2020年度までに基礎的財政収支を黒字化する」とする財政健全化目標を掲げる。郵政改革法案の早期成立方針も盛り込む。
奈良日日新聞が週刊へ、奈良新聞と業務統合
奈良県内で日刊紙を発行する奈良新聞社(奈良市)と奈良日日新聞社(同)は10日、奈良日日新聞を「WEEKLY Naranichi」(仮称)と改題して週刊紙にするとともに、両社の営業などの業務を統合すると発表した。奈良日日新聞社は、規約に基づき日本新聞協会も退会する方針。
両社は統合について、広告収入の落ち込みなど厳しい経済状況のなかで「広告事業などで業務を効率化し、収益増につなげたい」としている。資本金や役員の移動はないという。
両社によると、奈良日日新聞社は7月10日付で日刊紙の発行を終え、毎週金曜発行の週刊紙に移行する。宅配やコンビニエンスストアなどの販売は継続する。奈良新聞は日刊紙発行を続ける。
奈良新聞と日日新聞の公称発行部数はそれぞれ12万部と5万部。
資源インフレ、製品デフレ 企業板挟みの消耗戦
日本経済が資源価格の“インフレ”と、最終製品の価格下落というデフレの板挟みに直面している。日銀が10日発表した5月の国内企業物価指数は、原油などの価格高騰が影響し、1年5カ月ぶりに前年比でプラスに転じた。企業はコスト負担の増加分を製品価格に転嫁したい考えだが、低価格志向の強い消費者に近い製品ほど値上げは難しいのが実情で、回復途上の企業業績に急ブレーキがかかる懸念も否めない。
「原材料価格は上昇傾向にあるものの、需給のバランスが大きく崩れた状態が続いているため、“産業の川下”に近い製品価格の下落圧力は根強い」。農林中金総合研究所の南武志主任研究員は企業物価の動向についてこう解説する。
企業物価が騰勢を強めている背景には、中国など新興国の需要が膨らんで資源価格の高騰を招き、石油・石炭製品など素材系製品を中心に影響が広がってきていることがある。
実際、石油化学製品の基礎原料であるナフサ(粗製ガソリン)価格は原油高を受けて上昇。平成21年1~3月に1キロリットル当たり2万7千円だった国産ナフサ価格は22年1~3月に4万7700円となっている。
このため化学メーカーは石化製品の値上げに相次いで踏み切った。旭化成は3月、家電製品のケースなどに使うABS樹脂について1キログラム当たり30円の値上げを打ち出し、5月中に家電メーカーなどとの交渉がまとまった。
また国内鉄鋼大手は、22年7~9月期の鉄鋼原料用石炭の価格を4~6月期に比べ約13%高い1トン当たり225ドルとすることで英豪系資源大手BHPビリトンと合意。原料炭と並ぶ原料の鉄鉱石価格も7~9月期は4~6月期を2~3割程度上回る水準で資源大手と最終調整に入った。こうした情勢を受け、新日本製鉄とトヨタ自動車は4~9月の自動車用鋼材の取引価格を21年度に比べて1トン当たり最大2万円引き上げる方向で大筋合意した。
もっとも消費の現場では厳しい価格競争が繰り広げられており、トヨタなどのように資源高に伴う値上げ要求を受け入れることが困難な企業も多い。
日銀は欧州の信用不安の影響で「企業物価の上昇圧力は弱まる可能性もある」と慎重な見方だが、「先行きの景気回復期待を織り込んで上昇基調を続けるのではないか」(石油大手)との見方も多く、原料コストの負担増を企業間で押しつけあう消耗戦の様相が強まっている。
会見ライブ中継やツイッター…平松大阪市長、橋下知事に対抗?
大阪市の平松邦夫市長は10日の定例記者会見で、インターネットの動画サイト「ユーストリーム」を使ったライブ中継をスタートさせた。平松市長は5月下旬からミニブログ「ツイッター」も始めており、いずれも「大阪都」構想をめぐって対立する大阪府の橋下徹知事より一歩先んじた取り組み。強い情報発信力をもつ橋下知事に対抗する思惑もありそうだ。
会見で平松市長はライブ中継について「われわれが出した情報が伝わっていない。すべて生の形で市政改革が進んでいるという思いを伝えたい」と説明した。市によると、同様のライブ中継は全国の自治体で導入する動きが広がりつつあるという。この日の視聴者は193人だった。
一方、ツイッターは10日現在で約2200人がフォロワー(登録読者)に。市政について積極的につぶやき、都構想への批判に費やすこともある。8日には、東京都の猪瀬直樹副知事が「大阪市水道局の平均年収は1千万円」と書き込んだことを知ると、即座に「東京都副知事ともあろう方が間違ったデータをもとにツイートされる」などと数字を示して反論した。
国会図書館と出版各社、書籍全文検索を実験へ
国立国会図書館と講談社、小学館など出版社は共同で、今秋にも書籍の全文をキーワード検索するシステムの実証実験を始める。出版済み書籍を電子化してデータベースとするほか、出版社から新刊書の電子データをもらって検索対象に加えることも検討する。全文検索は米グーグルや米アマゾン・ドット・コムも提供しているが、日本勢による本格的な取り組みは初めて。
実験には新潮社、筑摩書房など大手出版社と、中小出版社160社以上を束ねる団体の版元ドットコムなども参加する。
全文検索では利用者が検索したい言葉を入力すると、本文にその言葉を含む書籍の名称や目次が一覧表示される。検索語を含む本文をどの範囲まで表示するのかは今後検討する。
システム構築には、まず書籍データを取り込み、文字、単語単位で言葉を機械的に認識できるデータベースを作る必要があり、著作権者の同意が必要。このため国会図書館は著作権者の窓口である出版社の合意を取り付けたうえで、日本語書籍のシステムを作る。
実証実験は来春まで実施する予定。日本語表記特有の技術的な問題を検討するほか、検索結果の表示順位が公平性を確保できるような仕組みも検証する。実験結果を踏まえて、実際に本格運用に移るかどうかはさらに議論する。
書籍の全文検索サービスを巡っては、米グーグルが著作権者に無断で電子化を進めたため、訴訟に発展した経緯がある。
直嶋経産相「法人税まず5%下げを」
来年度、税制改革を待たず 成長へ決断必要
直嶋正行経済産業相は10日、日本経済新聞のインタビューに応じ、「法人税の税率を来年度にまず5%下げる必要がある。税制の抜本改革の議論を待つのでなく、成長戦略の一環として決断すべきだ」と強調した。月内に政府全体でまとめる成長戦略では、環境、介護・医療(健康)、観光、アジア、科学技術、雇用・人材の6本柱に加えて「個人金融資産の活用など金融分野の活性化が不可欠だ」との考えを示した。
インタビューに答える直嶋経産相(10日、経産省)
経産相は「日本経済は基本的にこの20年間ずっと停滞し、国民全体を閉塞(へいそく)感が覆ってきた」と指摘。「経済がある程度安定的に成長すれば税収増にもつながり、社会保障にも安心感が増す」として成長戦略の実行が重要だと繰り返した。
法人税減税について、直嶋氏は「菅(直人)首相と何度か話し合い、法人税は税制の一つではあるが、財政の枠組みでなく、成長戦略の政策の一環として考えよう、ということを確認した」という。さらに「国際水準が日本より10~15%低いのは事実。中期的には国際水準を視野に税率の下げを目指す」と述べ、税率下げで菅首相の理解は得ているとの認識を示した。
経産相は「法人税の高さが指摘され始めてもう10年はたつのに、日本はいっこうに動いていない。それが海外にはマイナスのメッセージになっている」と指摘。「将来の経済活性化や雇用、税収の確保のためにも決断する時期だ」と述べ、早期の税率下げで、日本の国際競争力回復や外資企業の日本への投資増につなげる考えを示した。
月内に政府全体でまとめる成長戦略については「環境、健康など昨年末に決めた6本柱とは別に、金融分野を新たな柱に加えたい」と言明。例えば、1400兆円の個人金融資産の一部を海外のインフラ投資に充てるなどリスクマネーの供給増を促したり、金融市場や金融取引を改革して日本に海外から資金を呼び込んだりする戦略を明らかにした。
経産相は「日本での新規株式公開(IPO)が著しく減っている。この状況を立て直し、日本の金融産業に成長機会を取り戻す」と語った。
成長戦略の別の柱である海外への原発や水などのインフラ輸出については、産業構造審議会に近く新たな部会を設ける方針を表明。鉄道、次世代送電網など11の重点支援分野などで具体的な連携方法などを詰める。
今年末で期限を迎える省エネ家電のエコポイント制度について経産相は「今後の扱いはもう少し景気を見極める」とした一方、「家計の二酸化炭素(CO2)排出削減のため省エネ製品の普及支援は必要だ」と述べた。
【産経主張】南アW杯 心躍る大会で日本の力を
地球の反対側の南アフリカで、華やかなスポーツの宴(うたげ)が幕を開ける。サッカーのワールドカップ(W杯)である。
19回の歴史の中で、アフリカ大陸では初の開催となる。治安や大会運営などに不安はあるものの、全世界の目が南アに集まっている。まずは安全で、心躍る大会となることを祈りたい。
南アフリカといえば、アパルトヘイト(人種隔離)政策の国だった。国際社会から非難され、国際サッカー連盟(FIFA)からも、代表チームの国際試合への出場停止の制裁を科された。
1991年、アパルトヘイト法が撤廃されると、FIFAの制裁が解除された。それから約20年、ようやく悲願のW杯の開催が実現したのである。
アパルトヘイト撤廃運動の象徴で、ノーベル平和賞を受けたネルソン・マンデラ元大統領も91歳の高齢をおして、開会式に出席したい意向だという。何にもまして盛り上がるに違いない。
とはいえ、心配がなくはない。南アは民主化後、毎年2~5%の経済成長を遂げているものの失業率は24%を超え、貧富の格差が大きい。治安も悪く、昨年は1万8千件もの殺人事件が発生した。7日白昼にも、ケープタウンで武装強盗団と警官隊が銃撃戦を展開し観光客を震え上がらせた。
だが期間中、30万人の外国人観客がスタジアムを埋め、メディアは世界中に熱戦を生中継する。試合以外にも人々の暮らしや、美しい自然が報じられることだろう。南アはいま、主要20カ国・地域(G20)の一角を占め、将来性が注目されている。アフリカに「世界の目」が注がれる機会としてもW杯には大きな意義がある。
今大会に参加する32チームの中には、4大会連続出場となる日本代表もいる。日本は2002年日韓大会以外、すべて1次リーグで敗退しており、このところの国際親善試合でも4連敗中と、下馬評は高くない。
岡田武史監督は目標にベスト4を掲げ、「世界を驚かせる」とも言っていた。そのためにも14日夜(日本時間)の初戦カメルーン戦がカギとなる。何としても勝ち、予選突破につなげてほしい。
W杯はオリンピックと並ぶスポーツの最高峰である。見ているだけで不思議な感動を受ける。日本や世界を覆う閉塞(へいそく)感を打破する契機になるかもしれない。
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