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iPhone版「ATOK」にジャストシステムが込めた思い
 ジャストシステムが、米アップルのスマートフォン「iPhone」と携帯音楽プレーヤー「iPodtouch」向けのメモ帳アプリケーション「ATOK Pad」を発売した。これまでiPhoneの日本語入力環境は、ユーザーにとって決して満足できるものではなかったが、定評ある「ATOK」ブランドを冠した商品がようやく登場することになる。
独自のソフトキーボードを開発
 ATOK Padは、ジャストシステムの日本語入力システム「ATOK」をiPhone向けに移植したもので、推測変換機能やAI(人工知能)変換機能を備える。「iPhoneが標準で搭載する日本語入力は、キーワードなどの単語入力を主に想定した作りだが、ATOKは文章入力がしやすいように開発している」とジャストシステムコンシューマ事業部企画部の佐藤洋之マネージャーは説明する。
 ATOK Padでは、iPhoneの標準日本語入力でおなじみになった「フリック入力」と「QWERTYキーボード入力」のほかに、「リボルバータッチ入力」「ダブルトリガーキーボード」という独自の方式を追加した。ジャストシステムコンシューマ事業部開発部の齋藤大輔氏は「iPhoneはタッチデバイスなので、入力はソフトウエアキーボードがすべて。そのため、キーボードにはこだわった」と語る。
 iPhoneのソフトキーボードを使った日本語入力は、濁音や半濁音などがあるため指の動く範囲が広く、入力回数が多くなってしまう。そこでジャストシステムは、タッチパネル上で入力しやすくて素早く文書を作成できる独自方式として、2つのキーボードを開発した。「本来はリボルバーキーボードをATOK Padの標準にしたかったが、iPhoneユーザーはすでにフリック入力に慣れている。そこで、とりあえずジャストシステム側からの『こんな入力もできる』という提案にとどめた」(佐藤マネージャー)という。
開発者向けに技術情報を公開
 今回のATOK Padは単体のメモアプリであり、ATOKの日本語入力システムをiPhoneに標準搭載された日本語入力環境とそっくり置き換えることはできない。これはアップルがパソコンとは違って、日本語入力環境を外部に開放していないためだ。そのためiPhoneユーザーは、ATOK Pad上で文章を作成したあとで、メールやミニブログの「Twitter(ツイッター)に転送するといった使い方をすることになる。
 ジャストシステムは、開発段階ではOSへの組み込みとアプリという2つのパターンで準備したが、ある時期からアプリで提供する方向に舵を切ったようだ。ただ、佐藤マネージャーは「OSへの組み込みを諦めたわけではない」と強調する。すでに技術情報を開発者向けに公開しており、他のアプリケーションとATOKの文字入力を連携させることもできる。例えばツイッター用アプリの開発者が、文字入力にATOK Padの機能を使うこともできる。
 実際にATOK Padを使ってみると、ちょっと文字を打つだけで推測変換が機敏に反応し、サクサクと心地よく文字入力できる。「iPhoneユーザーは都心部に住む人が多いので、辞書は地名などを強化した」(齋藤氏)というだけあり、駅名などの入力は特に快適だ。
 iPhoneの標準文字入力方式でカーソルを動かすには、画面をタッチし続けながら指を動かす必要がある。一方、ATOK Padではキーボード内にある上下左右のボタンを押すことで、カーソルを自由に動かせる。パソコン向けATOKと同様、入力後にカタカナやアルファベットに変換できる機能も備えるなど、使い慣れたユーザーであれば「かゆいところに手が届く」仕様を実感できるようになっている。
アンドロイド版も準備
 ジャストシステムは今後iPhoneだけでなく、アップルの多機能携帯端末「iPad」向けに文書作成や編集機能を強化したバージョンを投入する予定。また、パソコン向けも、すでに提供している「Windows」版に加えて、「Mac」版も出す計画だ。辞書やメモ文書をネット経由で共有できるクラウド型のサービスの提供も検討しているという。
 さらに、米グーグルのスマートフォン向けプラットフォーム「Android(アンドロイド)」版の提供も今年11月に予定している。佐藤氏は、「当然ながら、アンドロイドに最適化したユーザーインターフェースを搭載する。アンドロイド向けはiPhoneよりも進んでいる部分がある」と語る。
 アンドロイドはiPhoneと違って、ATOKをOSに組み込むことができる。メールだけでなくURL入力などあらゆる場面でATOKを標準の日本語入力環境として使うことができるようになるとみられる。日本メーカーは携帯電話の日本語入力環境にATOKを採用してきた実績があり、今後日本メーカーが投入するアンドロイド端末にはATOKがあらかじめインストールされているということもありそうだ。
 iPhone版の開発に携わった齋藤氏は、かつて携帯電話向けATOKを担当した経験がある。齋藤氏は、「数文字だけを入力して、推測変換から候補を選んで文章を作成していくのが携帯の文字入力の仕方。これを参考にしてATOK Padを開発した」という。日本の携帯電話ユーザーが慣れ親しんだ文字入力環境をすべてのシーンで使えるアンドロイド版ATOKは、iPhone版以上の使い勝手かもしれない。
iPhoneへの標準搭載の道は開けるか
 今秋冬商戦では日本メーカーが「おサイフケータイ」を搭載したアンドロイド端末を投入する見込みだ。さらに日本語入力に強いATOKが加われば、従来型の携帯電話端末からスマートフォンへの乗り換えがより気軽になる。
 実はATOK Padの辞書は、「そんま」と文字入力するとソフトバンクモバイルの孫正義社長のツイッターアカウント「@masason」が推測変換候補として表示されるように設定されている。これはソフトバンクモバイルを通じて、アップルにiPhone版ATOKを標準搭載できるようアピールしたいというジャストシステム開発陣の思いを込めたのだという。
 はたして、その願いはアップルに届くのか。アンドロイド端末の日本向けローカライズが加速しようとするなか、アップルがどう反応するかが見どころだ。



新 MacBook Air は11.6インチ・年内発売?
 昨年6月のマイナーチェンジを最後に絶賛放置中の MacBook Air に完全新規モデルが登場するかもしれない。何度目かのうわさの最新版はおなじみDigiTimes 発。台湾の主要ODMノートPCメーカーは9月も出荷数好調、Quanta は 500万台、Compal は 450万台、Wistronは250万台に達し記録更新の見通し、という業界筋情報のなかで、さりげなく「Quanta は アップルから11.6インチ MacBook を受注したと伝えられており、年内にも40万から50万台を出荷する見込み」と述べられている。
 DigiTimesはいわゆる業界紙だけに注目を引く目的でうわさを製造する傾向も少ないかわり「業界筋」が適当な予想を述べればそのまま載ってしまうなど読み方が難しいソースではあるが、Air のリフレッシュのうわさは以前にもあった。「台湾の部品メーカー筋」だったそちらのうわさでは画面は現行より小さく軽く、中身は順当に Core i プロセッサの超低電圧版など。(今回の記事中の言及も単にこれを再掲しただけの可能性もある)。
 Air はたしかに薄くMacとしては最小であるものの、重さ1kgを切る日本の薄型軽量モバイルノートと比較すれば重い 1.36kgの重量、13.3型サイズ、交換不可でそれほど保たないバッテリー、ビジネス向けとしては物足りないインターフェース類など微妙な立場ではあった。もしこの11.6インチ化・軽量化が事実だとすれば、日本で軽量モバイルノートが減りつつあるなかにアップルから近づいてくるおもしろい現象といえる。サイズ変更の真偽はともかく、MacBook Pro に続いてSDカードスロットの新設はぜひお願いしたいところだ。



26歳フェースブック創設者、公教育に84億円寄付 
 会員制交流サイト大手「フェースブック」の創設者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏(26)は24日、米東部ニュージャージー州ニューアーク市の公立学校教育のために1億ドル(約84億円)を寄付すると発表した。
 ハーバード大の学生だった2004年にフェースブックを開設したザッカーバーグ氏は、フォーブス誌が22日に発表した米長者番付で35位。総資産は69億ドル(約5800億円)とされる。
 24日、州知事や市長とともに人気司会者オプラ・ウィンフリーさんのトーク番組に出演し「すべての子どもが良い教育を受けられるべきなのに、現状は違う」と指摘。
 ニューヨーク州で育ったザッカーバーグ氏はニューアーク市にゆかりはないが、高校生の半数近くが卒業しないなど教育が荒廃していることで知られる同市を「素晴らしい教育の象徴に変えたい」と語った。



「消費税反対だけではだめだった」共産党2中総
 共産党の第2回中央委員会総会(2中総)が25日午前、27日までの3日間の日程で東京・千駄ヶ谷の党本部で始まった。志位和夫委員長は幹部会報告で、改選議席を1つ減らした7月の参院選について「建設的な提案を押し出すことが弱かった。消費税反対自体は正論でも、さらに政治を変えたいと願う広い有権者の心には響かなかった」と述べ、選挙論戦上の問題点を率直に認めた。
 また、党員の高齢化が進んでいることにも触れ、「党員は高齢や病気のために行動力が落ちている。若い世代での党員拡大に成功していないことが問題だ。党勢の後退が参院選の後退の原因となったことは明らかだ」と語り、組織の若返りの必要性を訴えた。



森永卓郎のタバコ値上げ防衛策 「一生分買って冷凍保存」は可能か
過去最高となるタバコ値上げに、買いだめ需要がピークになっている。30万円分買ったとか、200カートン購入などという話がネットで飛び交う中で、経済アナリストの森永卓郎さんは「一生分を買って冷凍保存する」ことを考えているそうだ。本当に冷凍や冷蔵保存をすれば賞味期限が延びるのだろうか。
今回の2010年10月1日の値上げでは、現在300円の「マイルドセブン」が410円に。同じく300円の「セブンスター」が440円になる。過去最大の値上げとされ、毎日1箱吸う人ならば年に約4万円の支出増になる。このため、買いだめ需要が発生し、日本たばこ産業(JT)は約1ヵ月分の120億本を増産している。
タバコ200カートン買って行くお爺さんもいた
JT広報によればタバコの駆け込み需要は2010年8月から始まり、毎月前年比で5%減少していたタバコの販売が8月は2%増えた。9月は26日からの週が最大のピークになりそうで、「欠品が出ないように増産を行っている最中」という。
新聞、テレビはタバコの売れ行きの凄まじさを連日のように報道。NHKは9月23日のニュースで、JTは9月の販売量が例年の2倍近くに増えると見込んでいる、と報道。東京・大田区のたばこ店は売上げが例年の3倍になり、タバコ100カートン・30万円分を一度に購入した人の例を紹介した。
「25年間、店をやっているが、こんなにたばこが売れるのは初めて」
という店主の驚きを伝えている。
金沢市のスーパーでは2009年9月は一日当たり10カートンに満たない売上げだったが、今年は200カートン売れる日もあると、北国新聞が9月21日付けの記事で紹介。ネットでも買いだめをしているという書き込みが随所にあり、
「多摩地区のタバコ屋だけど、うちの店でキャスター200カートン買ったジーさんいるぞ」
などという話も出ている。
冷凍すると、解凍後にぱさぱさに
ただしタバコには賞味期限がある。JT広報によると製造してから10ヵ月。買いだめしすぎれば美味しく吸えなくなる心配もあるのだ。
経済アナリストの森永卓郎さんは今回のタバコ値上げに対する持論を9月23日付けの西日本新聞などで展開している。森永さんは1日に2箱吸っていて、値上げを前に1000箱を買いだめした。禁煙する気はないし、今後、さらに値上げとなってもやめるつもりはない。仮に1000円になったとしても、
「その前に一生分を買い込んで倉庫で冷凍保存する」
のだそうだ。
確かにタバコは生鮮品のため冷蔵や冷凍保存をすれば賞味期限が延びるような気もする。今回の値上げでも買いだめした分を冷蔵庫などに入れて長持ちさせる、という人もいるが大丈夫なのだろうか。
JT広報によれば、冷蔵や冷凍で賞味期限が延びるかどうかの実験はしていないが、「おすすめはしていません」ということだった。
このあたりの事情を、あるタバコ専門店の店主に聞くと、「紙巻きタバコの冷凍や、冷蔵庫での保存はやめた方がいい」という。タバコには水分が含まれていて、冷蔵すれば凍る。解凍する際に水分が蒸発、タバコがパサパサになってしまうそうだ。冷蔵庫も内部が乾燥しているためタバコの水分が抜けて美味しくなくなってしまう、と説明する。
「20度くらいの温度で、あまり湿気がなく直射日光が当たらない場所に保管するのがベストです」
タバコの賞味期限を長引かせるのは結構難しいようだ。



西日本新聞社説
国勢調査 日本の将来像を描く基盤
 5年に1度の国勢調査が10月1日から全国で実施される。約70万人の国勢調査員が調査票の配布を進めており、30日までに全世帯に配り終える段取りだ。
 国勢調査は、わが国の人口や世帯、就業の実態などを把握するため、国内に住むすべての人を対象に統計法に基づいて実施している。調査結果は国や自治体の行政施策の基礎データとなり、学術研究や企業活動などにも幅広く活用されている。いわば「社会の情報基盤中の基盤」となる最も重要な統計調査である。
 それだけに、国や自治体、調査員らはプライバシー保護に厳重に注意しながら円滑に調査を進めてほしい。私たち国民も調査票への正確な記入と迅速な回答を心掛け、協力していきたい。
 1920年に始まり、19回目の今回は日本が本格的な人口減少社会となって初の調査となる。わが国の人口は2004年をピークに減少に転じた。少子化が続く中で、世界に類を見ない急速な高齢化が進行している。産業・就業構造の様変わりや国際化に伴う外国人の増加などで、人口構造も急激に変化している。
 今回調査の使命は、こうした日本のいまの実像を国や地域レベルで多角的に浮き彫りにし、信頼性の高い統計を提供することにある。政府は得られたデータを人口の将来予測などに生かし、日本の将来像を描く基盤として役立ててほしい。
 調査項目は性別や就業状態、世帯の種類など20項目あり、10月1日現在の状況を回答する。今回は「雇われている人」の中に正規従業員や派遣社員などの選択肢を用意した。これで正規・非正規雇用別に統計が作成できる。国勢調査は時代を映す鏡であり、当然の工夫だ。
 また、人口動態だけでなく、増加傾向が続く単独・高齢夫婦・ひとり親世帯など世帯動向や、男女別の未婚率、女性の就業率などの推移も注目されている。
 過去の調査では、女性の未婚率が1980年代以降に急増していることが分かった。86年の男女雇用機会均等法が施行された時期や、出生率が急減する時期と重なっている。女性の経済的な自立が背景にあるとされる。今回調査で、この傾向が進んでいる実態が判明すれば、少子化対策などにも影響しよう。
 調査の正確を期すには、正しい記入はもとより、全世帯から漏れなく調査票を回収する必要がある。近年の調査では、個人情報保護に対する意識の高まり、単身世帯やオートロックマンションの増加などで調査の困難さが増している。
 そこで今回、調査票を封筒に入れ封をして調査員に渡すか自治体に郵送するか選択でき、東京都内ではインターネットでの回答も可能にした。国民には回答義務があり、10月7日までに回収するが、未提出世帯には調査員が訪問する。
 民主党政権は年金など社会保障制度改革を掲げている。調査は、その座標軸となる。国民生活に直結する政策づくりにどう生かすか、その力量も問われる。
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