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DeNAとバンダイナムコ、携帯ゲーム配信サイト共同運営
 携帯電話向け交流サイト(SNS)運営のディー・エヌ・エー(DeNA)とバンダイナムコゲームスはSNS向けゲーム事業で連携する。共同でゲームサイトを運営、年間12タイトル以上を配信する。バンダイナムコの往年の人気タイトルを集中的に投入することで、家庭用ゲーム機に親しんできた層を開拓、競合するSNSとの差別化を図る。
 DeNAはSNS「モバゲータウン」で自社開発のゲームに加え、他社が提供するゲームを配信している。バンダイナムコとは専用のサイトを設ける。ミクシィやグリーといったSNS運営会社も他社のゲーム配信サービスを展開しているが、特定のゲーム会社とゲームを共同で配信・開発するのは珍しい。
 アクションゲーム「パックマン」「ゼビウス」といった家庭用ゲーム機で人気のタイトルを毎月1タイトルのペースで無料で配信する。今後、共同で開発した新規タイトルなどを有料で配信する計画だ。
 モバゲータウンの会員数は2千万人弱の水準に達しているが、20代などの若者が多い。ゲーム開発で実績があり人気タイトルを多く抱えるバンダイナムコと組むことで、30代以上の携帯ゲームに親しんでいない層を取り込む狙いだ。



携帯各社トップの発言ににじむLTEへの温度差
 7月14日に東京ビッグサイト(東京・江東)で開幕した無線技術関連の展示会「ワイヤレスジャパン2010」では、2010年12月に国内で始まる次世代携帯通信サービス「LTE(long term evolution)」が中心テーマの1つとなった。携帯電話各社のトップが登壇した基調講演でもLTEが話題となったが、位置づけについては各社の温度差が目に付いた。
キラーアプリはARや自動翻訳
 10年12月に先陣を切って商用サービスを開始するNTTドコモの山田隆持社長は、「ネットワークトラフィックの増大に向け、周波数効率のいいLTEをなんとしても導入したい」と意気込みを示した。今後3年で3000億円を投資する計画については、「当初は5年で3400億円の予定だったが、トラフィックの状況を見て前倒しした。今後はHSDPAの設備増設との兼ね合いになるが、基本的にLTEでやっていきたい」と述べた。
 LTEの利点については屋外で毎秒37.5メガビットと高速なことに加え、遅延が低い点を強調。それを生かした具体的なアプリケーションとして、端末が収集したセンサー情報をネットワークで処理して返答するAR(拡張現実)を挙げたほか、将来的なサービスとして自動音声翻訳にも言及した。
トラフィック対策にはLTEだけでは不足
 一方、KDDIの小野寺正社長兼会長は、12年に商用サービスを開始する予定のLTEをインフラ強化策の一部として説明した。今後のトラフィックについて、「これまではITU-R(国際電気通信連合の無線通信部門)の予測にほぼ乗ってきたが、スマートフォンの普及で15年ころには現在の約10倍になる可能性もある」と予測。「すべてをLTEにすると(ネットワーク)容量は5倍になるが、それにしても足りない」と述べ、周波数そのものの追加やそれぞれの基地局の電波が届く範囲である「セルサイズ」を小さくするなどの対策が必要との見方を示した。
 そのうえで小野寺社長は「中野区の全世帯に毎秒30メガビットでサービスすると、48.8GHzの周波数が必要になる」と具体例を示しながら、モバイルだけでブロードバンドを実現することの限界を強調。小型基地局(フェムトセル)や無線LAN基地局をCATVや光ファイバー加入者線(FTTH)に接続するなど、固定通信ネットワークと連携することの重要性を改めて訴えた。
 ソフトバンクモバイルの松本徹三副社長は、LTEの導入時期について「13年ころにはLTEに対応するチップも安くなるだろうから、それからでも遅くない」と述べた。さらに1.5GHz周波数帯は「LTEにはいかずHSPA+でいく」と明言し、その理由を「速度面ではほとんどLTEと一緒で従来技術の延長線上にあり、端末価格は安く音声サービスもできる」と解説した。
 同社は700MHz帯や900MHz帯の周波数を取得できればLTEを導入する意向。ただ基調講演の説明資料には、「LTEに妥当性があれば、1.5GHz帯や2GHz帯もアップグレードする」との記述があり、1.5GHz帯での移行にも含みを残している。
 イー・モバイルのエリック・ガン社長は10年10月に開始する下り最大毎秒42メガビットの「DC-HSDPA」サービスを中心に説明した。「ネットワークはこのままでも、MIMO(multiple-input,multiple-output)技術を使えば下り毎秒80メガビットのサービスも展開できる」と述べ、現行技術による高速化に自信を示した。
 また、下りが最大で毎秒40メガビットのWiMAXサービスを提供するUQコミュニケーションズの野坂章雄社長は、「音声サービスから進化したLTEより、データ専業のWiMAXの方が高速性が求められる端末には向く」と強調。WiMAXの後継技術で下りが最大で毎秒330メガビットの「WiMAX2」の導入計画を説明するとともに、同技術のデモンストレーションを10年10月に開催される展示会「CEATEC JAPAN 2010」で実施する予定を明らかにした。



国内広告費6.2%増に 10年度、日経広告研が予測
 日経広告研究所は、2010年度(10年4月~11年3月)の国内広告費が前年度比6.2%増えるとの予測をまとめた。今年1月には同4.0%減との見通しだったが、景気の回復基調を反映して増加に転じる。ただ、過去のピークだった07年下期の水準まで回復したとはいえない。媒体別広告費ではインターネット広告費が2ケタ台の伸びを見込む以外は高い伸びは期待できない。
 国内広告費は08年秋のリーマン・ショック以降世界的な景気悪化で08年度、09年度と2年連続で前の年度を下回った。特に09年度は同13.0%減と大きく落ち込んだが、10年度は同6.2%増と回復する。新聞、雑誌、テレビ、ラジオのマス4媒体広告費は同4.8%増える(09年度は12.4%減)。このうち、新聞1.2%増(同16.2%減)、雑誌2.9%減(同27.3%減)、テレビ6.9%増(同9.3%減)、ラジオ2.6%減(同14.4%減)の見通し。テレビはスポット広告の回復が寄与し、増加に転じる。新聞は持ち直すものの伸びは小さい。雑誌、ラジオは低落傾向が続く。
 一方、今回からマス4媒体以外でインターネット、交通、折込・チラシの3媒体の広告費も予測した。インターネットは17.3%増(09年度は6.1%増)。08年度以来の2ケタ成長を見込む。交通0.6%増(同17.7%減)、折込・チラシ6.8%増(同11.4%減)といずれも回復基調にある。



半導体、激しい「世界大戦」に スマートフォンなどの需要増で
 供給過剰で価格下落を招く恐れもある中、世界の半導体トップメーカーが増産に走り出した。世界シェア3位の東芝が14日、四日市工場(三重県四日市市)の新棟建設に着手したほか、2位の韓国サムスン電子も半導体の設備投資や研究開発に今年1年間で11兆ウォン(約8000億円)を投じる。新興国を中心とする電子機器の販売拡大や先進国で好調なスマートフォン(多機能携帯電話)の売れ行きを背景に、拡大する需要を取り込む構えだ。
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 東芝は四日市工場の新棟で、携帯電話や携帯音楽プレーヤーなどの記憶装置に使われる「フラッシュメモリー」を生産する。来夏にも稼働を始め、平成23年度末の生産能力は21年度末比で3割程度高まる見通しだ。
 当初は昨春の着工を計画していたが、市況悪化を受けて延期。ところが昨年半ば前後から需給が逼迫(ひつぱく)状態となり、今年の正月や5月の大型連休中はフル稼働で対応に追われた。今後3年間で新棟建設を含めて4千億~5千億円を投じ、半導体全体の生産能力を拡充する。
 半導体市場は好況時には需要増で価格が上がり、各社が増産に乗り出すと供給過剰で市況が悪化する好不況を繰り返してきた。
 だが、ここ数年で相次いだメーカーの再編・淘(とう)汰(た)により、市場の寡占化が進行。フラッシュメモリーはサムスンと東芝の2強で世界シェアの計8割近くを占め、「暴落する状況にはない」(東芝)と悪夢の再現を否定する。新たな需要が半導体全体の活況をもたらしていることもあり、「大きな値崩れは考えにくい」(エルピーダメモリの坂本幸雄社長)という見方も強い。
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 米国半導体工業会(SIA)によると、5月の世界半導体売上高は前年同月比48%増の246億5000万ドル(約2兆1600億円)となり、2カ月連続で単月の過去最高を更新。世界トップの米インテルが13日発表した4~6月期決算も売上高が前年同期比34%増で過去最高の107億6500万ドルとなるなど、平成20年秋の世界金融危機後に落ち込んだ需要の急回復に業界は沸いている。
 需要をリードするのは欧米などで好調なパソコンやスマートフォン。「中国をはじめとする新興国で需要が伸びている」(シャープの片山幹雄社長)という薄型テレビなど電子機器の存在も大きい。
 もっとも、米系調査会社アイサプライ・ジャパンの南川明副社長は「欧州で景気が後退して世界的に波及すれば、電子機器の買い控えにつながり、10月ごろに調整局面に入る可能性もある」と指摘する。
 東芝は四日市工場の新棟建設を計画の1期分にとどめており、「生産のスピードアップと設備投資は状況をみながら行う」(小林清志執行役上席常務)など、需給の変化に柔軟に対応する構えもみせている。



半導体回復、装置に波及 東京エレクトロン・4~6月受注3倍
 世界的な半導体の需要増加を受け、半導体装置メーカーの受注が回復している。世界大手の東京エレクトロンは2010年4~6月期の受注額が前年同期比3倍となり、研削装置最大手のディスコは今期に1~2割増産する。半導体はパソコン・携帯端末向けや新興国需要の増加を背景に米インテルの業績が急回復、東芝も14日に三重県四日市市の工場で新棟に着工した。製造装置といったすそ野の産業に投資などの波及効果が広がりそうだ。
 東京エレクトロンは半導体製造工程のうち塗布・現像装置などで高いシェアを持つ。近年の半導体部門の受注額(四半期ベース)の底は09年1~3月期で、204億円まで落ち込んだ。それが今年1~3月期は1236億円と6倍超に伸び、4~6月期は1500億円近くに達した。エッチングや洗浄装置の受注も好調で、洗浄装置開発に十数億円を投じる。
 装置に使用するガラスや金属の消耗品需要も急回復し、中古装置の販売や保守・点検事業の受注額も足元で3割近く伸びているという。ただ水準は08年秋のリーマン・ショック前の8割程度にとどまっており、「本格的な回復に向かうのか、まだ判断できない」(同社)と今のところ慎重だ。
 研削装置で世界シェア7割を握るディスコは、10年3月期の受注が663億円と前の期に比べ4割増。広島県の呉工場(呉市)で新棟を建設中で、今期に生産量を全体で1~2割増やす。
 島津製作所は半導体製造装置に組み込んで真空状態をつくる「ターボ分子ポンプ」の11年3月期の売り上げ見込みが100億円以上と前期比4割超増える。4月からは約20社だった同ポンプの外注先を3社増やした。
 堀場製作所はマスフローコントローラーと呼ばれる半導体向けの計測装置が好調だ。10年12月期の売上高は前期比84%増の230億円を見込む。シリコンウエハー表面にコーティングするガスの流量を制御するもので、京都工場(京都市)などの生産ラインを増設し、全体の生産能力を5割引き上げた。
 世界の半導体市場はリーマン・ショック後、電機各社の在庫調整や設備投資抑制を受けて急速に悪化した。しかし昨年後半から中国など新興国市場を中心にネットブックと呼ばれる低価格小型パソコンやスマートフォン(多機能型携帯電話)向けなどに需要が急回復。
 今年に入ると、電子機器の記憶装置に使うNAND型フラッシュメモリー最大手の韓国サムスン電子が10年に過去最大の26兆ウォン(約2兆1000億円)の投資を決定するなど、世界で大型投資が再び動き出した。半導体世界最大手のインテルの10年4~6月期決算も、純利益が28億8700万ドル(約2550億円)と前年同期の赤字から大幅黒字に転換した。
 日本半導体製造装置協会(SEAJ)は10年の日本製の半導体製造装置の販売が1兆2277億円と前年比88.1%増えるとみており、1月時点の予測を約4600億円上方修正した。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が14日に発表した10年の世界の半導体製造装置の販売も前年比104%増の325億ドル(2兆9000億円弱)。11年には355億3000万ドル(約3兆円)に達すると予測している。



富士フイルム、液晶用フィルム3割増産 新興国需要が拡大
 富士フイルムは液晶パネルの中核材料である保護フィルムを増産する。熊本県の生産拠点に新棟を建設し、2011年10月に稼働させる。既存工場の設備更新も実施し、生産能力は枚数換算で約3割増える。総投資額は400億円。同社は保護フィルムの世界シェアの約8割を持つ。新興国を中心とする液晶テレビの市場拡大を受け、日本勢が高いシェアを握るパネル材料の増産投資が広がりそうだ。
 増産するTAC(セルローストリアセテート)フィルムは液晶用偏光板を保護したり、画面を見やすくしたりする。熊本や神奈川県南足柄市、静岡県吉田町の3拠点の計15ラインで生産している。
 熊本県菊陽町の子会社工場に4カ所目の新棟を建設し、11年10月に1ラインを稼働させる。棟内にはもう1ライン増設する余裕を設け、市場動向を見ながらさらなる能力増強を検討する。
 新棟建設に先行して、熊本と神奈川で既設の計2ラインの生産設備を更新する。熊本の新棟も含め、画面サイズが40インチ以上の大型パネル用フィルムを効率的に生産できる設備を導入する。



タカラトミー、業務用ゲーム機強化 内容変更容易に
 タカラトミーは量販店の玩具売り場などに設置する子供向けの業務用ゲーム機事業を強化する。ソフトや外装を手直しするだけでゲーム内容を変えられるゲーム機を今月中旬に投入、機動的に新ゲームを出せる体制を整える。玩具と同じキャラクターをゲームで使用することで認知度を上げ、玩具販売を底上げする。同事業の売上高を3年後に150億円と現在の5倍に引き上げる。
 ゲーム機は100円を入れ、音楽に合わせてタイミング良くボタンを押すなどして遊ぶ。人気アイドルグループが登場する女児向けゲームを月内から投入するのを手始めに、順次ゲームの種類を増やして3年で9千台を投入する。
 機械を作り替えるコストをかけず、数カ月ごとにゲームのプログラムを更新して新たな内容を加えたり、動向を見て別のゲームに変えたりして売上高の目減りを防ぐ。玩具はアニメと同じキャラを使って認知度を上げるのが一般的だが、ゲームも連動させてさらに幅広い層に広げる。玩具市場の縮小に対応して、玩具以外の収益源を育てる。



ホンダ、投資を効率化 高級車から小型車シフト
 ホンダは建設を凍結していた寄居工場の稼働と軽自動車の新工場建設中止を決め、事業の再構築に一挙に踏み込む。ハイブリッド車や小型車などの環境対応車に経営資源をシフトする一方、軽自動車や高級車、大型車の商品ラインアップは絞り込む。車種の選択と集中に合わせて生産体制を組み直し、一段の効率化を目指す。
 ホンダは日本メーカーの中では、元々少ない車種で販売台数を稼ぐ効率経営で知られる。今年6月の国内販売では、小型車「フィット」「フリード」など主力3車種でホンダの全体販売(軽自動車除く)の約7割を占めた。トヨタや日産自動車の場合、トップ3車種の比率は約4割にすぎない。ホンダがさらに効率を追求する姿勢を鮮明にすることで、他社も車種構成や生産体制の見直しを迫られそうだ。
 ホンダは寄居工場をハイブリッド車など環境対応車を中心とした生産基地に位置付ける計画。将来の主力車種を集中的に生産し、投資効率を上げる狙いだ。
 ホンダの国内車両生産能力は約130万台。2010年度の生産計画は約100万台で、30万台分の余剰能力を抱える。寄居工場を稼働させる一方、既存工場の能力削減に取り組む考えだ。寄居工場と同じ埼玉地区にある埼玉製作所(埼玉県狭山市)内の車両工場「狭山工場」の生産能力を縮小することが有力案となっている。
 一方、軽自動車については年々、販売シェアを落としており、09年度は9.6%と10%を切るまでになった。国内市場に限定される軽自動車に経営資源を割くのは得策ではないと判断。今後は軽自動車の新規開発を一部車種にとどめ、新工場の建設計画も白紙に戻す。
 ホンダの国内販売(軽自動車除く)の約7割を小型車が占めており、高級車や大型車の新規開発も見直す。車種を絞り込むと1つの新車開発の成否が経営に与える影響は大きくなりがちだが、当面の削減対象は販売台数の限られる国内中心の車種で、メリットの方が大きいとみている。経営資源を集中する主力車種は新興国を含め幅広い市場に展開するため、新車の当たり外れによるリスクも減っている。
 環境対応車の開発には莫大な投資が必要で、主戦場となりつつある新興国では、利幅の薄い低価格車の市場が拡大している。自動車業界の収益環境が厳しさを増すなか、いかに効率良く投資し、素早く回収できる体制を組めるかが課題となっている。



iPhone4はビスタの二の舞? MS幹部が皮肉
 【ワシントン=岡田信行】「『iPhone(アイフォーン)4』は、アップルの『ビスタ』になるかもしれない」――。米マイクロソフト(MS)のケビン・ターナー最高執行責任者(COO)は14日、普及が進まなかったMSの前世代のパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」を例に、「iPhone4」の受信トラブルで揺れるアップルを自虐的に皮肉った。
 MSが米ワシントンで開いた「世界パートナー会議」で基調講演したターナーCOOは、アップルを「強力な競合相手。製品も素晴らしい」と称賛。そのうえで、高機能ながら動作の遅さが敬遠されて普及しなかったMSの前世代OS「ビスタ」の“失敗”を引き合いにiPhone4のトラブルを皮肉り、130カ国から集まった取引先や社員ら約1万4000人を沸かせた。
 ターナーCOOは「IT)関連の主要15分野のうち、13分野で昨年よりもシェアが高まった」と指摘。伸び悩んだ携帯電話とブラウザー(インターネット閲覧ソフト)の2分野は、すでに発表済みの新製品投入で巻き返しが可能だとした。



総務省、V-High帯利用の全国向け「携帯端末向けマルチメディア放送」でヒアリング
 総務省は2010年7月14日、携帯端末向けマルチメディア放送の実現に向けて、V-High帯(207.5MHz~222MHz)を使用する特定基地局の開設計画の認定にかかわるヒアリングを2010年7月21日に実施すると発表した。
 総務省は同放送の特定基地局開設に関する指針などを2010年4月23日に制定し、5月6日から6月7日までの間に、開設計画の認定申請を受け付けた。その結果、1枠に対して、マルチメディア放送およびメディアフロージャパン企画の2者が開設計画の申請を行った。
 ヒアリングには、電波監理審議会の委員も同席し、申請者の申請内容について質疑などを行う。「申請内容には当該法人の経営に係る情報など、公にすることによって申請者の正当な利益を害するおそれがある事項が含まれる」という理由から、ヒアリングは非公開で行う。
 なお総務省は6月25日に、携帯端末向けマルチメディア放送の実現のための開設計画に関する公開説明会を実施している。



「マーチ」常識覆す 主力車生産も海外へ 価格帯下げ規模で稼ぐ  世界の自動車産業の競争軸が大きく変わり始めた。主役はハイブリッド車や電気自動車だけではない。安さと低燃費を追求する小型車だ。ホンダは小型車と環境車へのシフトを前提にした国内工場の再編を決め、日産自動車は新型「マーチ」の生産を海外に移した。世界大手や中国、インド勢も狙う小型車市場でいかに稼ぐか。日本メーカーが新たなビジネスモデルの構築に挑む。
新型マーチの車台はセダンや多目的車にも活用する
 日産が13日に発売したタイ製のマーチ。国内向け標準モデルの価格は123万円弱、燃費も1リットルあたり26キロメートルと同型車種の中でトップレベルだ。トヨタ系部品メーカー首脳は「驚いたのは価格や燃費じゃない。業界の常識を覆した日産の割り切りだ」と関心を寄せる。
 日産は「主力車の生産は国内」の原則を転換。マーチ全量を海外、しかも新興国を中心に生産する。志賀俊之最高執行責任者(COO)は「世界を狙う小型車を日本から輸出していては利益は出ない」と言い切る。
 マーチはタイに続きインド、中国、メキシコで量産。日立製作所の部品納入遅れで国内4工場が14日から3日間、操業を停止したが、マーチは影響を受けない。
 日産は薄利の小型車を規模で稼ぐ戦略も明快にした。カギを握るのはクルマの骨格となるプラットホーム(車台)だ。
再編の触媒に
 日本メーカーの多くは同じ名前のクルマでも北米、欧州、新興国など地域別に車台の大きさや仕様を変えてきた。市場ごとにきめ細かく対応するためだが、これと決別。開発効率を優先し、世界のニーズを1枚の設計図に落とし込んだ。
 コストを3割下げたマーチ用の車台で、2012年までにセダン、多目的車(MPV)と他の小型車を相次ぎ商品化。志賀COOは「早期に160カ国・地域で年100万台を“量販”する」と宣言する。
 世界の自動車メーカーも布石を打つ。小型車事業の強化を狙い、昨年末には欧州最大手の独フォルクスワーゲン(VW)がスズキと資本提携。今春には独ダイムラーが仏ルノー・日産連合と手を結んだ。業界再編も小型車を軸に進む。
 米調査会社IHSオートモーティブによれば、1800cc級以下の小型車販売台数は16年に5700万台超と07年比で54%増。同じ期間の自動車全体(大型商用車を除く)の伸び率(34%)を大きく上回る。
新興国で競う
 成長をけん引するのは新興国。ハイブリッド車や電気自動車は価格が下がりにくく新興国では主力商品にならない。小型ガソリン車で稼がなければ、これからの成長戦略は描けない。
 新興国の価格競争は異次元に入りつつある。インドのタタ自動車が昨年発売した「ナノ」は20万円強。低価格化が新興国の小型車需要をさらに加速させる。日産も15日からインドで売り出すマーチは装備を簡略化、最低価格を売れ筋の70万円台にして対抗する。
 1980年代、大型車一辺倒だった米国に低燃費・低公害型の小型車を投入し、世界展開のきっかけをつかんだ日本メーカー。いつの間にか1台あたり100万円以上の利益が期待できる高級車や大型車に頼る収益構造が染みついた。低価格化で少ない利幅がさらに縮まりがちな小型車。日本メーカーはビジネスモデルを進化させ続ける必要がある。
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NTTドコモ社長、iモード携帯とスマートフォンの融合加速
 「WIRELESS JAPAN 2010」初日となった7月14日、NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏が「世界のモバイル動向とドコモの取り組み~スマート イノベーションへの挑戦~」と題し、基調講演に登壇した。
 現在のトレンドを踏まえ、今後ドコモが数々の取り組む施策が紹介された。将来的な実現を目指す先端技術のほか、今年12月にサービスインするLTE、スマートフォンやiモード端末への取り組み、携帯向けマルチメディア放送などについて語られた。スマートフォンにもiモードで好評なサービスを取り入れる
 徐々に日本でも利用が進みつつあるとされるスマートフォンについて山田氏は、今年度100万台の販売を目指すと語る。4月に発売された「Xperia」は、今秋OSがバージョンアップされることが明らかにされていたが、10月を目処にすると時期が明確にされたほか、13日に発表された「spモード」については「スマートフォンでiモードメールが利用できるようになる。周囲でもiモードメールが使えたらスマートフォンを買ってやろうという人が多くいた。(spモードで)使い勝手が一気に良くなるのではないか」と述べた。
 また、夏モデル発表会でサムスン製「GALAXY S」の投入(10月~11月目処)を明らかにしていたが、山田氏は冬モデルの発表時には「当初、5機種くらい(の投入)と言っていたが、ニーズの増加を受け、7機種くらいにしようと考えている。スペック、デザインなど多彩なラインナップにして、個々人にあったスマートフォンを提供したい」と述べ、当初予定よりもラインナップの増強を図る姿勢を示した。
 これらの冬モデルでは、FeliCa(おサイフケータイ機能)やワンセグを搭載するスマートフォンも一部存在することを明らかにする一方、2011年度以降、「iコンシェル」「iチャネル」といったiモード端末で導入済の機能もスマートフォン向けに展開する方針を明らかにした。
■ iモード端末の取り組みも強化
 山田氏は「(話題は)スマートフォンばかりですが、iモード端末をブラッシュアップさせたい」と述べる。
 その取り組みの施策として紹介されたのが「ドコモマーケットのiモード版」(山田氏)だ。ドコモマーケットは、Android端末向けに提供されているコンテンツ配信サイトで、数あるAndroid向けアプリのうち、ドコモが推奨するアプリやドコモ独自の動画コンテンツなどを配信している。iモード向けにも公式メニュー(iメニュー)でのコンテンツ提供や、いわゆる一般(勝手)サイト/一般アプリの提供が可能となっているが、山田氏は「オープンなアプリケーションの環境は、残念ながらiモード端末には載っていない。公式コンテンツは2万サイト存在するが、個人のクリエイターが提供するのは難しい」と述べ、従来よりも自由度の高いアプリ配信環境の構築を示唆する。
 山田氏は「概念的には、“ドコモマーケット”は百貨店を作り、その中に棚を作ってコンテンツを載せてね、と展開している。(ドコモマーケットのiモード版では)ドコモ側のサーバーでコンテンツを管理して、iモードですぐ検索できる。コンテンツクリエイターは、iモードにもゲームを出し、スマートフォンにも出せる。2010年11月を目処にサービスを開始したい」と今秋にも実施する方針とした。ただ、アプリの開発環境など、詳細な情報については触れられなかった。
■ LTEへの投資は前倒し
 2010年12月からサービス提供を行う予定の「LTE」は、従来よりも高速かつ、遅延を押さえた通信技術だ。ドコモのFOMAで利用されている通信方式「W-CDMA」の発展版として開発され、国内各社が導入する予定となっている。
 山田氏は、2010年におけるLTEの設備投資額は350億円になるとし、当初3年間の設備投資は3000億円になるとする。同氏によれば、当初は5年間で3400億円程度の設備投資を見込んでいたものの、データトラフィックの動向をふまえ、設備投資を前倒しすることになった。ポイントとなるのは「(現行の)HSPA設備を増設するか、LTEで増設するかの兼ね合い。基本的にネットワークの拡張はHSPAではなくLTEでやっていきたい」と山田氏は語る。現行設備の展開を考えていた部分をLTEに置き換えるとのことで、3Gエリアにかぶせるような形で東名阪からLTEのサービスエリアを構築していく。
 まずはデータ通信端末をリリースし、いわゆる音声端末は来年の提供を予定する。端末側ではLTEと3Gのデュアル対応が予定されている。利用する周波数帯は2GHz対(5MHz幅、10MHz幅)で一部屋内施設では下り最大75Mbps、屋外エリアでは下り最大37.5Mbpsになるという。現在、ユーザーから高い評価を受けているというサービスエリアについては、LTEになっても「その評価を維持したい」(山田氏)として、重要な取り組みの1つに位置づけられる。
 LTEになる最大の特徴は「低遅延(通信のレスポンスが従来よりも早くなる)」とする山田氏は、従来は端末側で行ってきたさまざまな処理を、LTEではサーバー側で処理すると予測。スピーディに端末とサーバーがデータをやり取りすることで、高速かつ高度な処理をまるで端末上で実行している、といったサービスが実現できるとして、AR(拡張現実)や自動音声翻訳といったサービスの実現性が高まるとした。
■ 携帯向けマルチメディア放送は「利用しやすい料金水準に」
マルチメディア放送では、料金水準が肝要と主張
 地上デジタル放送への完全移行により、これまでアナログテレビが利用してきた周波数が2011年7月以降、空くことになる。この“電波の空き予定地”をいかに利用するか、総務省で検討が重ねられてきたが、その用途の1つが「携帯端末向けマルチメディア放送」だ。現在のワンセグのようなリアルタイムの放送に加えて、いつでも端末上で好みのコンテンツを再生できるような「蓄積型放送」、映像以外のコンテンツ配信などが想定されている。
 名乗りを上げているのは、KDDIとクアルコムによる「メディアフロージャパン企画株式会社」と、NTTドコモやフジテレビなどが出資する「mmbi(株式会社マルチメディア放送)」の2社で、このうち1社に免許が与えられる予定となっている。
 山田氏は「mmbiは2012年4月1日サービス開始を予定しており、新たな放送媒体となる。リアルタイム放送(ストリーミング配信)や蓄積型放送のほか好みのコンテンツを推薦するリコメンド機能などを実現する」と紹介。ただ、ユーザーの拡充には「充実したコンテンツ」「利用しやすい料金水準」「対応携帯端末の早期普及」の3つが必須とする。
 このうちコンテンツは放送局との連携により懸念が払拭されるとし、端末についてもNTTドコモとソフトバンクモバイルが導入する予定として、開始後5年で5000万台普及されるとした。
 もっとも説明に時間をかけたのは料金水準の話。同氏は「いくらなら加入してもらえるか。BeeTV(エイベックスと展開する携帯向け動画配信サービス)をやっているが、1年ちょっとで120万会員になった。これはコンテンツが優秀で、300円(税込価格は315円)という料金」と述べ、利用料の設定が大きな鍵になると指摘する。プレミアムコンテンツは付加料金を設定できる可能性はあるものの、基本的に手軽な料金体系が求められるとして、そのためにはインフラを安価にする必要があると主張する。mmbiでは、首都圏をカバーする放送用アンテナを東京スカイツリー(現在建設中)にして、周辺1600万世帯をカバーする。東京近郊だけではなく、栃木や群馬といった東京よりやや距離があるエリアまで1局でカバーするとして、放送用インフラを安価にでき、料金水準の低廉化を実現できるとした。さらに放送出力を現状の地上デジタルテレビよりも10倍程度大きくすることで、宅内の視聴環境を向上させると説明する。講演後の囲み取材で、山田氏は、「地上デジタルテレビは地上10mで電波
が届くよう調整しているが、マルチメディア放送では地上1.5mで調整する」として、従来よりも受信しやすい環境を作るとした。
 また既に米国で商用化されているMediaFLOに対して、mmbiが推進するISDB-Tmm方式はまだ実用化されていないことを指摘されると「今回のブースをぜひご覧ください」と述べ、仕上がり具合に自信を見せた。
 マルチメディア関連では、電子書籍事業を手がけたいと簡単に触れたものの、詳細は語られなかった。この件についても囲み取材で問われた山田氏は電子書籍については、新会社を作ることも選択肢の1つとする。電子出版を行うことでユーザーにどういったメリットがあるか重要で、料金がもっともポイントになるとして、マルチメディア放送と同じく、安価な料金設定が必要とする。
■ “スマートイノベーション”
 山田氏が今回の講演で、副題に掲げた「スマートイノベーション」とは何か。同氏は“スマート”という言葉を、「世代や地域を越えて豊かな生活ができる社会の実現」と定義する。幅広い人々における豊かな社会を実現するため、ドコモは寄与したいと語る同氏は、具体的な取り組みとして「サービスのパーソナル化」を挙げる。たとえばiコンシェルはその一例とされ、最寄りのスーパーのタイムセール情報などの配信が実現するとし、3月時点で420万会員、今年度末で790万会員を目指す中で、1000万会員を超えれば新たな広告媒体としての価値を持つとする。ただ、そこまでの規模に至るには、都心部だけではなく、いわゆる地方でのニーズを満たす必要がある。電車や自動車の交通情報は都心部では有益でも、移動する人数が都心より少ない地方では、そうしたコンテンツの重要性は下がる。そこで、地域に根ざした店舗がエンドユーザーに情報配信できる仕組みを整えるという。山田氏は「パン屋さんがサーバーを立てて、情報配信するのは難しい。そのあたりをドコモが引き受け、情報
はパン屋さんが提供するというのをやっていきたい」と説明した。
 また5月1日からiモードの検索エンジンが、NTTレゾナントのgooに切り替わったことにも触れた山田氏は、「日本ならではのローカルコンテンツに強いgooにパートナーを変えた。“花火”で検索するとgooが保有する花火情報へアクセスできる。携帯電話での検索機能についてニーズを探ってきたが、一番多いのは住んでいる地域の周辺情報を手っ取り早く欲しいということ」と述べ、PCサイトの検索は、インターネット全般に強いグーグルのエンジンを用いて、要所要所にあわせたパートナーとの連携を行うとした。
 ユニークな取り組みとして紹介されたのが「モバイル空間統計」と呼ばれるもの。これは、ワンタイム保険など異業種との連携を進める「ソーシャルプラットフォーム」の構築戦略の一環で、携帯電話の位置情報を収集・蓄積して、エンドユーザーの移動履歴を分析し、新たなサービスへの発展を目指すというもの。個人情報は廃棄し、ただ人が移動した情報だけを収集するため、誰がどこへ行ったかということはわからないが、平日昼間は都心部へ人が集まり、夜になると周辺の住宅地へ人が帰っていく様子を示すグラフが披露された。収集できる位置情報の数は「10の15乗」(山田氏)とのことで、1000台のサーバーを用いて、分析する。こうした膨大な情報の検索・分析を同社では「ペタマイニング」と呼んでおり、リアルタイムで全てのユーザーの位置情報を把握できれば、大規模災害の発生で帰宅できないユーザーが発生したときもすぐに判明するとのこと、防災用途などでの応用を目指し、実証実験を進めている。
■ 世界市場への取り組み
 山田氏は、世界のモバイル分野の動向を紹介。無線技術のスピーディな進化により、国内外でデータ通信の需要が高まっているが、日本はデータ通信のARPU(ユーザー1人あたりの月間収入)が他国よりも多く、「サービスレベルで他国へ打って出るチャンスがあるのではないか」と語り、実際にドイツ企業(ネットモバイル社)への出資を通じて、欧州のオペレーターへコンテンツ提供を開始したことも紹介した。こうした取り組みは、欧米だけではなく、インドなどでも展開する。
 そのインドでは、現地企業への出資により、tatadocomoというブランドで携帯電話サービスを展開している。既にユーザー数は7000万人を超えたとのことで、これから3Gサービス用の周波数オークションが行われるインドでさらなる成長を目指すとした。



KDDI社長「次世代受信機が大きな役割担う」
 KDDIの小野寺正社長は14日、都内で開いた無線技術の展示会「ワイヤレスジャパン2010」で講演し、「米グーグルの携帯電話向け基本ソフト(OS)『アンドロイド』ベースの次世代受信機(STB)が大きな役割を担う」と語った。STB1台で携帯電話のアプリケーションやインターネットテレビ、ケーブルテレビ(CATV)の機能を共有できるようにすることで「(携帯電話とテレビの)シームレスな連携が可能になる」という。
 「携帯電話がテレビのセカンドスクリーンとなるほか、リモコンやテレビショッピングの決済端末にもなりうる」と具体例を示した。資本参加したジュピターテレコム(JCOM)と共同でSTBの開発を進めているという。



東芝、半導体増産へ、四日市工場の新棟着工
 東芝は14日、金融危機後の半導体需要の急減により延期していた四日市工場(三重県四日市市)の新棟建設に着手した。2011年年春に完工し、同年夏にも生産を始める。半導体市場はスマートフォン(高機能携帯電話)など新たな需要が牽引(けんいん)し、金融危機前の水準を回復。今後も需要拡大が見込まれるため、増産体制を整える。
 同工場は携帯電話や携帯音楽プレーヤーなどに使う半導体記憶部品「フラッシュメモリー」を生産する主力工場。隣接地に着工した第5製造棟は鉄骨5階建てで、建屋面積は3万8000平方メートル、延べ床面積は18万7000平方メートルに及ぶ。生産能力や投資額は非公表だ。
 東芝は当初、09年春の着工、10年の完工を目指していた。しかし、08年秋の金融危機の発生により市況が悪化したため、09年1月に延期を発表していた。



ソニーショップ全国9店舗、一斉閉店へ…今月末
 ソニーは14日、東京、大阪など大都市圏を中心に全国9か所に設けている直営店「ソニーショップ・アビック」を今月末をめどに一斉に閉店することを明らかにした。
 直営店戦略は、ハワード・ストリンガー会長兼社長がアップルの直営店舗「アップルストア」に対抗するために打ち出した。だが、運営会社の赤字体質が解消しないため、販売戦略を大きく見直す。
 ソニーショップは、ストリンガー氏の「ソニー製品を体験できる店にして(製品の)優位性を示したい」との方針から、顧客との対面販売を重視し、ソニーファンの要望などに対する感度を高くする狙いもあった。特に、東京・銀座のソニービル内にある店舗や、大阪の電器街・日本橋の店舗などは、「国内最大級のソニー専門店」をうたい、高品質なソニー製品を体感できる店舗作りをし、消費者の知名度も高かった。



パリは萌えた ニコ動、じわり世界進出
 かつて「パリは燃えているか」という映画があったが、今月1~4日は確実に「パリは萌(も)えていた」。漫画やアニメなど日本の最先端文化を紹介する見本市「ジャパン・エキスポ」がパリ郊外で開催され、動画サイト「ニコニコ動画」も初めて出展。会場の様子をネット中継し、ボーカロイド(音声合成ソフトのキャラクター)などのコスプレをしたフランス人ファンが日本のユーザーと交流した。
 お隣のドイツでは、1匹のタコがW杯で盛り上がるヨーロッパ中のサッカーファンの目をくぎ付けにした。独代表の勝敗を占い、的中させてきた西部オーバーハウゼン水族館のタコ「パウル君」。8日の対スペイン戦で自国の負けも的確に予言してしまったため、ドイツでは「タコをパエリアにしろ!」という怒りの声が上がっている。しかし、動物に優しい日本のネットユーザーの間では、人気がタコなのにウナギ上り。日本語のウィキペディアにも登録された。
 そのころ、ネットの英語圏では別の騒動が発生していた。1985年の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で登場する未来が、25年後にあたる「2010年7月5日」だとするデマがツイッターなどで流れたのだ。英ニュースサイトなどによると、実際の設定は30年後。少し未来を夢み過ぎたようだ。
 さて、日本のネット界では、リアルと同様に平穏な日々が続いている。巨大掲示板「2ちゃんねる」の「J-POPの歌詞における『何か』の探され率は異常」というスレッドが話題に。よくありがちな歌詞をまとめたものだが、「会いたくて会えなさ過ぎ」「あの頃の僕たちは不器用過ぎ」「瞳閉じ過ぎ」「不器用な俺だけどお前のこと守りすぎ」など一度は耳にしたことのあるようなフレーズが並んだ。



【産経主張】W杯閉幕 南半球の可能性を広げた
 南アフリカでのサッカーワールドカップ(W杯)は、スペインの初優勝で幕を閉じた。日本代表の16強という朗報もあったが、何より大会が無事、盛り上がって終わったことを喜びたい。
 南アフリカは冬だった。この当たり前のことが、テレビ画面を通じて強く印象づけられた。それは、いずれの試合でも選手たちの疲労が少なく、最後まで運動量が落ちなかったことで証明されている。
 サッカーは元来、冬の競技である。だがW杯は、北半球ヨーロッパの国々のリーグ戦が夏のシーズンオフとなるこの時期、必ず6月から7月にかけて開催される。過酷な条件下、過去のW杯では何人もの選手が足をけいれんさせ、ピッチに倒れた。
 だが、今大会では日本を含め、ほとんどの選手が最後まで走りきった。世界ランキングの低い「弱者」のチームも、この利点を生かし、運動量を伴う堅守速攻で強豪を倒し、苦しめるケースが少なくなかった。季節が冬だったことがそれを可能にしたのである。
 W杯が南半球で行われたのは、1978年アルゼンチン大会以来、32年ぶりだ。今大会中、北半球の「夏」はどうだったか。欧米は記録的熱波に見舞われ死者も出た。中国では走行中のバスが自然発火し、日本は豪雨が続いている。そんな環境下で、1試合を走りきることができたろうか。
 この意味で、日本代表の岡田武史監督が1次リーグ突破を決めたデンマーク戦後、堅守速攻への戦術変更の理由を「大会が冬に行われることを考慮した」と語ったのは印象的だった。日本の柔軟性と適応力を示した。
 W杯や五輪があるたび、時差で地球が丸いことを実感してきた。南アW杯では、これに季節差が加わった。地球規模でさまざまな可能性が探られるなか、「地球には夏と冬が同居している」という事実は、もっと多様に活用されるべきだろう。
 また大会前、日本を含む北半球のメディアは南アの治安や開催能力を不安視する報道を繰り返した。そこに偏見はなかったか。南アは見事に予想を裏切り、大会を成功させた。
 4年後の開催国はサッカー王国のブラジルだ。南アW杯は北半球に住む人々に、「南半球とともに歩む道」を真剣に考えるときだと示したのではないか。
ドコモとKDDI、携帯新技術競う 裸眼で3Dなど
 携帯電話大手2社は端末向けの次世代技術を開発した。NTTドコモは小型液晶画面を使って裸眼で3D画像を楽しめる技術。KDDIは携帯電話のカメラをのぞくと現実の街の映像にアニメーションが重ねられる拡張現実(AR)技術を開発した。直感的なゲームなど自社の携帯端末に広く活用。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」に対抗する。
 ドコモが開発した3D技術は2.5型の小型液晶画面の表面に無数の突起の付いた透明なパネルを重ねて画面から出る光を屈折。8枚の画像を組み合わせて一つの立体映像にする。
 パナソニックなどがテレビで実用化している3D映像と異なり、小型液晶画面に特化した技術という。3Dで表示された物体を指を使って上下左右にそれぞれ360度回転させられる。例えば虫の映像を指で動かし、裏側から見たり真横から見たりできる。
 ゲームアプリなどに活用し、5年以内をめどに携帯電話に組み込む。裸眼で見られる3Dでは、任天堂が携帯ゲーム機として発表するなど、実用化に向けた競争が激化している。
 KDDIが開発したのは街角にある看板に携帯電話のカメラを向けると看板の画像を認識し、事前に設定したキャラクターや建物などのCG(コンピューターグラフィックス)を現実の映像と重ねて表示する技術。
 画像認識技術と、携帯電話に搭載した角度を測るセンサー、全地球測位システム(GPS)を組み合わて実現した。
 KDDIは独自に、CGを現実のビルの影に隠したり、遠近法で遠くにあるように表示したりする機能も搭載。3年以内に現実空間とCGを組み合わせた携帯ゲームなどに応用する。
 携帯電話業界ではスマートフォン(高機能携帯電話)のタッチパネルや傾きを感知するセンサーを使って操作するアプリが人気を集めている。携帯各社もいち早く次世代の立体映像技術を実用化し、自社のスマートフォンなどに組み込んで利用者拡大につなげる。



アップル躍進、ITの主役交代 世界の時価総額上位1000社
資源退潮、英BP半減
 株式時価総額で見た世界の企業の勢力図が変化している。6月末の上位1000社ランキングを昨年末と比べると、収益の先行きへの懸念から石油会社など資源関連の退潮が目立った。一方、IT(情報技術)では米アップルとマイクロソフトが逆転するなど、新旧の主役交代が鮮明だった。国・地域別では躍進が続いた中国勢が減少する一方、日本勢は相対的に浮上した。
 6月末の世界の時価総額上位1000社の合計額(ドルベース)は昨年末に比べて11%、3兆854億ドル(約270兆円)減少した。欧州の財政不安をきっかけに世界的に景気の先行きに対する懸念が広がり、株価が低迷した。
 なかでも、減少が目立ったのが石油などの資源関連だ。1位は米エクソンモービル、2位が中国石油天然気(ペトロチャイナ)と上位を占めたが、時価総額はそれぞれ1~2割減った。石油・天然ガス関連企業の合計は5985億ドル(17%)目減りした。
 足元の業績は堅調だが、先行きの下振れ警戒感が頭を抑えた。原油価格が4月以降、投資資金のリスク回避志向で軟調になったほか、中国のエネルギー需要の変調への警戒感も浮上した。
 英石油大手BPがメキシコ湾で原油流出事故を起こしたのも足を引っ張った。開発規制や賠償費用などが、将来の成長の重荷になるとの見方からだ。BPの時価総額は915億ドル(約8兆円)減少。ほぼ半分となり、1000社中の最大の落ち込みを記録した。順位も13位から45位に急落した。
 ほかにも鉱業、建設、金融など収益が景気に左右されやすい業種の落ち込みが目立つ。米バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが2011年の世界の経済成長率見通しを3.3%から2.6%に引き下げるなど、市場の先行き不透明感を敏感に反映した。
 ITでは業種内の勢力変化が鮮明だ。米アップルは昨年末の10位から3位に躍進した。高機能携帯端末「iPhone」(アイフォーン)を大ヒットさせるなど独創的な商品をテコに業績を拡大しているのが好感され、時価総額は2割増加した。
 対照的に、ネット時代の新ビジネス育成で後れをとるマイクロソフトは3位から5位に後退。グーグルも8位から21位に順位を下げた。
 米ウォルマート・ストアーズは前年末の5位から9位に順位を下げた。2010年2~4月期は米国内の既存店売上高が0.5%減と振るわなかった。リーマン・ショック後の景気後退局面では低価格戦略を採用する同社が消費者から強く支持されたが、米雇用や景気が回復するにつれ、安売り路線の優位性がやや薄らいでいる。
 国別では、米国や中国勢が時価総額を大きく減らした。中国は主力の国有企業大手は頻繁に市場で売買される流動株の割合が低く、投資マネーの流出入で株価が乱高下しやすい。
 足元は中国政府が不動産市場の過熱を抑制するため預金準備率の引き上げなどを実施。この影響もあり、石油関連や商業銀行大手の2010年12月期の業績は増益が予想されているが、株価が低迷している。
 一方、最も増加額が大きかったのがインド企業。インフォシス・テクノロジーズなどIT関連やたばこ会社など内需関連企業がけん引した。



日本勢は15社増、全体の1割に 最高はトヨタの27位
 日本企業は1割に相当する101社がランク入りし、昨年末から15社増えた。資源関連株が少ないことから、国別の増加社数では最多だった。日本企業で最高は27位のトヨタ自動車で、世界の自動車業界のなかでもトップだった。
 1000社中、米国企業が310社と最多で、日本勢はそれに次いだ。
 ユニ・チャームやオリエンタルランド、資生堂など中間層の消費が急拡大しているアジアの需要を開拓し成長する企業が浮上した。オリエンタルランドは昨年末の1274位から975位に、ユニ・チャームは1189位から946位にそれぞれ順位を上げた。
 オリエンタルランドは中国人観光客の来場が増加。今期の純利益は過去最高を更新する見通しだ。ユニ・チャームや資生堂も中国などアジアの新興国で衛生用品や化粧品などの売上高を伸ばしている。
 中国の賃金上昇を背景に、機械化に関する設備投資が拡大するとの思惑からファナックなども順位を上げた。
 4月1日に新規株式公開(IPO)した第一生命保険は514位に入った。ただ上場後の株価低迷を反映して、韓国や台湾の大手生保より順位は低かった。



CCC、ポイント事業でヤフーと提携
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)はヤフーとポイント事業で提携する。CCCの共通ポイント制度「Tポイント」を、年内にヤフーのインターネット通販「Yahoo!ショッピング」でためたり、使ったりできるようにする。Tポイントはガソリンスタンドやコーヒーチェーンなど全国3万2千店舗が導入。ネット通販大手のヤフーと組み、Tポイント会員の利便性を高める。
 TポイントがCCCのグループ企業以外のサイトで蓄積、使用できるのは初めて。通販利用者は提携後、ヤフーの独自ポイントかTポイントのいずれかを選んでためる。ヤフーは100円の買い物で1ポイントを付与し、3500万人のTポイント会員を自社サイトに呼び込む。また、両社はネットと店頭を連動した広告やサービスの開発などでも協力していく。



<嵐>グループと大野ソロで1、2位を独占 史上5組目の20作連続初登場首位も達成
 13日発表されたオリコン週間ランキング(19日付)によると、7日に発売されたアイドルグループ「嵐」のシングル「To be free」と同グループメンバーの大野智さん(29)が主演ドラマの役名「怪物くん(怪物太郎)」名義で発売したソロシングル「ユカイツーカイ怪物くん」が、発売1週目でそれぞれ42万6000枚と14万3000枚を売り上げて初登場で1、2位を独占。グループとソロでの1、2位同時獲得は9年10カ月ぶり。
 また、今回の首位で「嵐」は04年2月に発売した「PIKA★★NCHI DOUBLE」以来続く、シングルの初登場首位記録を20作連続に更新。同記録は98年4月20日付の「B'z」、02年12月23日付の「Mr.Children」、05年1月3日付の「KinKi Kids」、09年3月9日付の浜崎あゆみさんに続き、1年4カ月ぶり史上5組目の記録となった。
 「To be free」は、今年上半期シングルランキングで1位だった「Troublemaker」、2位の「Monster」に続く「嵐」の今年3枚目のシングル。メンバーの櫻井翔さん(28)が出演する炭酸飲料「三ツ矢サイダー」(アサヒ飲料)のCM曲に起用されている。「ユカイツーカイ怪物くん」は、6月まで放送されていた大野さんの主演ドラマ「怪物くん」(日本テレビ系)の挿入歌として使用されていた。



電子部品大手、中国内陸部に生産拠点 日本電産など
 中国沿海部の人手不足に対応し、電子部品各社が内陸部に拠点を展開し始めた。日本電産は10億円を投じて小規模工場を建設、沿海部の工場から一部工程を移管する。営業拠点も5倍に増やす。オムロンは内陸部に初めて部品工場を建設する。沿海部より人手を確保しやすく、労務コストも安い。顧客企業の工場も内陸部に移る傾向にあるため、日本企業の間で同様の動きが広がりそうだ。

 日本電産は沿海部から200キロメートルほど内陸に位置する広東省韶関市に光ディスク用小型モーターなどの小規模工場を建設する。7月に着工、2011年2月に稼働させる。従業員数は3000人程度の予定。沿海部の東莞市にある主力工場の「分工場」と位置付け、銅線の手巻き作業など自動化が難しく、人手がかかる工程を移管する。

 主力工場は1万人近い従業員を抱えており、増産に向けた人員の増強が難しくなっている。将来は生産ラインの自動化を進めるなどして5千人程度に削減する計画。遼寧省大連市にある車載用モーター工場についても内陸部に分工場を建設する方針で用地探しに着手した。

 オムロンは内陸部の湖南省衡陽市に中小型液晶バックライト工場を建設する。12年度には沿海部の東莞市と蘇州市にある液晶用バックライトの既存工場を上回る規模に拡大する計画だ。同社は上海市など沿海部に複数の工場を持つが、内陸部に建設するのは初めて。

 スミダコーポレーションはこのほど、電源回路のノイズを取り除き電圧を安定させるコイルの分工場を湖南省常徳市で稼働させた。中核工場である広東省広州市の工場が品質管理などの業務を支援する。

 中国沿海部は内陸部から出稼ぎ労働者が集まることで豊富な労働力を抱えていた。だが、内陸部のインフラが整備され、故郷の近くで働き口を探す労働者が増えたため、労働力不足が深刻になっている。EMS(電子製品の製造受託サービス)会社や自動車メーカーの工場で賃上げを求める労働争議も起きている。



内閣支持急落38%、不支持52%…読売調査
 読売新聞社が12~13日に実施した参院選結果に関する緊急全国世論調査(電話方式)で、菅内閣の支持率は38%となり、前回調査(2~4日実施)の45%から急落した。
 不支持率は52%(前回39%)に達し、支持率を上回った。支持率は内閣発足直後(6月8~9日実施の調査)の64%から、1か月余りで26ポイントも低下し、参院選での「民主大敗」を受けた菅首相の政権運営は厳しさを増しそうだ。
 2000年以降の内閣支持率をみると、これまで発足後の調査から約1か月の下落幅が最も大きかったのは森内閣の14ポイントだったが、菅内閣の落差はこれを大きく超えた。発足約1か月で、不支持率が支持率を逆転し、50%を上回ったのも森内閣以来だ。
 政党支持率は、民主は28%(前回34%)に下がり、自民は24%(同18%)に上がった。みんなの党は12%(同5%)で初めて10%を超えた。支持政党のない無党派は23%(同33%)となった。
 参院選の結果、民主と国民新の与党が、過半数の議席を維持できなかったことを「良かった」と思う人は54%で、「良くなかった」29%を大きく上回った。



悩める韓国LG電子
スマートフォン競争で後手に回る
「プレミアム携帯電話市場においては、スマートフォン(高機能携帯電話)の成長が予想以上に速かった。昨年下半期から、スマートフォン市場は急成長を遂げたが、(LG電子は)それに的確に対応できなかった。意思決定も遅かった。市場の変化が速いため、一歩出遅れると、もはやなかなかペースを取り戻せない」(LG電子の関係者)
 スマートフォンの競争で遅れをとっているLG電子の悩みは深まる一方だ。
 携帯電話を代表する商品に浮上したスマートフォンの市場は、アップルの「iPhone(アイフォーン)4G」、サムスン電子の「ギャラクシーS(Galaxy S)」、グーグルの「アンドロイド」の3機種が主導している。だが、世界のスマートフォン市場におけるLG電子による機種の占有率は1%にも満たない。
 LG電子は昨年、急遽、スマートフォン対応の関係部署を新設するなど一連の措置をとったが、いまだにヒット商品を出せていない。数回にわたり組織の改編と増員を図ったが、依然として組織が安定していないという。
組織改革を断行するも開発スピードは上がらず
 LG電子のあるエンジニアは「昨年末、スマートフォン研究開発に関わる研究員の入れ替えが数回あり右往左往した。特にソフトウエア部門の研究員を増やしたが、まだ開発ペースを上げられずにいる」と話す。
 同社は最近、携帯電話の端末とスマートフォンコンテンツを企画する部署を格上げするなどの組織改革を行った。専務クラスが統括する「MC(携帯電話)グローバル商品企画チーム」を、デザイン経営センターを担当してきたベ・ウォンボク副社長が率いる組織「MCグローバル商品戦略担当」に格上げした。
 また、スマートフォンのコンテンツとアプリケーションの差別化を図るため、部長クラスが率いる組織だった「MCC&S戦略室」も格上げし、「MCC&Sチーム」に拡大した。同チームは、LG電子のスマートフォンと一般の携帯電話に使えるアプリケーションを企画するだけでなく、ゲーム、映画、ニュースなどコンテンツ会社との提携業務も担当する。
 ある業界関係者はこう指摘する。「LG電子がつい最近、発売したスマートフォンの『オプティマスQ』は、グーグルのアンドロイド1.6を搭載した初めての商品だった。他社の製品が既に2.0以上のバージョンを搭載していることを考えると、LG電子の対応がどれほど遅れているかが分かる。LG電子は、2.1か2.2にバージョンアップすると発表したが、その時期も最近になって7月と決まった。バージョンのグレードアップには、スマートフォンにインストールされているアプリケーションをすべて修正する必要がある。そのためにソフトウエアに関わる人たちが、長期的なプロジェクトや技術開発ではなく、この仕事に張り付く状況となっている」。
 ソフトウェアの問題はOSにも直結する。
強化すべきはユーザーインターフェース
 LG電子は、スマートフォン市場がの拡大に伴い、独自のOSやフラットフォームの開発を諦め、マイクロソフトのウィンドウズモバイルやグーグルのアンドロイドに依存するようになっている。
 サムスン電子が独自のフラットフォーム「バダ」を発表したのとは対照的だ。業界はソフトウエア開発で出遅れたLG電子にはもはや選択の余地がなかったと見ている。
 独自のOSを諦めることは、アプリケーションを確保するうえでも影響を被る。LG電子は、独自のアプリケーションの確保が難しいことを理由に、最初から自社のプラットフォームやOSの開発を諦めた。結局、アンドロイドなど外部に依存するしかない構造に陥ってしまった。
 LG電子は6月中にもLGアップストアを始める予定だが、わずか60個の応用プログラムで始める予定だ。28万個に及ぶ応用プログラムを保有するアップルのアイフォーンとは対照的だ。
 スマートフォンの競争で必須の独自のユーザーインターフェース(UI)も、オプティマスQから適用され始めた。LG電子のエンジニアも「アイフォーンの成功はUIにある。UIの競争力こそ強化すべきだ」と指摘する。
 こうした問題は、これまでの実績からもうかがえる。携帯電話を担当するMC事業部は、昨年第1四半期に3兆9084億ウォン(約2847億円)の売り上げを記録したものの、今年の第1四半期の売り上げは3兆1396億ウォン(約2286億円)に減った。営業利益も同2486億ウォン(約181億円)から同277億ウォン(約20億円)に急落した。販売量が450万台増えたことを考えると、利益を多く残せるスマートフォン市場での不振が響いていることが明らかだ。



(日経社説)携帯端末の制限解除で世界に打って出よ
 NTTドコモが2011年春から携帯端末を他社の通信回線でも使えるようにする。利用者は端末や通信会社を自由に選べるようになり、メーカーも商品開発の自由度が高まる。日本の端末メーカーは国内市場に依存しているが、これを機に海外市場の開拓に目を向けるべきだ。
 携帯端末には電話番号などの契約者情報を記録した「SIM」という半導体付きの小さなカードが入っている。日本の通信会社は端末に投じた販売奨励金を通信料で回収するため、他社の契約に乗り換えられぬよう、SIMに制限をかけてきた。ドコモは今後、解約金を払えば、他社の回線でも使えるようにする。
 制限のない端末は海外では一般的だ。利用者はカードを差し替えるだけで様々な端末が使え、メーカーも良質な端末を作れば、広く売れる。日本ではメーカーが販売網を通信会社に握られ、結果的に海外展開が遅れたと総務省は判断し、6月に制限解除を求めていた。ドコモの方針はそれに従った動きだといえる。
 ドコモの狙いは米アップルの「iPhone(アイフォーン)」の販売で一人勝ち状態のソフトバンクモバイルから顧客を奪うことにある。カナダなど海外では複数の通信会社がアイフォーンを販売しており、新しい「iPad(アイパッド)」は初めから制限なしで登場した。
 アイパッドは電子教科書など様々な用途が期待されているが、販売元のソフトバンクは制限解除には後ろ向きだ。本来なら販売奨励金の回収が終われば、どこの通信回線でも使えるようにすべきであり、ソフトバンクにも新たな対応を求めたい。
 日本ではKDDI(au)が異なる通信方式を採用しており、現時点では制限解除の効果は薄い。しかし12年からは「LTE」という次世代方式に各社が統一される見通しだ。ドコモは12月に次世代サービスを先行投入するため、まず自らが解除し他社にも解除を求める作戦だ。
 制限を解除すれば、メーカーは国内外で使える新しい端末を開発できるが、それだけでは不十分だ。日本の通信会社は独自の情報サービスを提供しており、メールアドレスも引き継ぐことができない。利用者が通信会社を乗り換えやすくし、競争を促すには、情報サービスの共通化も重要だ。そうすれば端末や料金の引き下げにもつながる。
 一方、制限解除で海外メーカーも日本に入りやすくなる。メーカーは国内でも世界的な端末競争にさらされるだけに、コスト削減やデザインなどで一層の努力が求められる。
グーグル、ゲーム会社に1億ドル出資 米で報道
 【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルがゲーム開発会社の米ジンガ(カリフォルニア州)に出資したことが明らかになった。複数の米メディアが12日までに報じた。出資額は1億ドル(約88億円)以上のもよう。ジンガは交流サイト(SNS)大手の米フェースブックなどにゲームを提供している。SNSはゲームをてこに利用者を増やしており、グーグルもゲームを自社サービスに取り入れる狙いとみられる。
 グーグルはジンガなど有力ゲーム開発会社のソフトをそろえたサイトを近く開設するもよう。ゲームを新たな収益源に育てるほか、有力コンテンツ(情報の内容)を増やすことで自社サイトを訪れる利用者を増やす。3月上旬にフェースブックがグーグルを抜いて米ウェブサイト訪問者数の首位になるなど、SNSの攻勢が目立っている。
 2007年設立のジンガはSNSの会員同士がネットを通じて遊ぶ「ソーシャルゲーム」の大手。フェースブックや米ヤフー、米アップルの多機能携帯端末「iPhone(アイフォーン)」などにゲームを提供し、1カ月あたりの利用者は2億3500万人超。グーグルのジンガへの出資比率は数%とみられる。ソフトバンクも6月、ジンガに約135億円出資している。



Google、次はゲームに進出か?
 Googleがゲームに参入するのではないかとの予想が出てから数日後、テクノロジーブログTechCrunchが、Googleがソーシャルゲーム大手のZyngaに1億ドル以上を出資したと報じた。Zyngaはソーシャルゲーム「Farmville」「Mafia Wars」で、数百万人のFacebookユーザーを獲得している。
 この戦略的提携により、年内に「Google Games」が立ち上がったときに、Zyngaはその中心になるだろうと同ブログは伝えている。
 Google Gamesがスタートするという確かな証拠はない。Googleはコメントを控えている。
 だがTechCrunchは、ゲーム製品管理リーダーを募集するGoogleの求人広告を指摘している。求人内容の説明は、Googleのオンラインゲーム参入の意向を示している。
 「ゲーム製品管理リーダーは、柔軟かつ結果志向で、経験豊富な上級リーダーで、Googleのゲーム製品戦略の開発と、部門横断的に事業を構築し、管理する職務を担当する」
 ユーザーはFacebookで熱心にZyngaのゲームをプレイしている。それが同社への多額の出資を説明している。
 TechCrunchは、Zyngaは約5億ドルのベンチャーキャピタル資金を獲得しており、うち1億8000万ドルをDigital Sky Technologies、Tiger Global、Institutional Venture Partners、Andreessen Horowitzから調達していると伝えている。
 Zyngaの資金には、未確認ではあるがSoftbank Capitalからの1億5000万ドルの出資も含まれるとみられ、その一部にGoogleが投資しているとTechCrunchは主張している。
 ZyngaのゲームはユーザーのFacebookの使い方を変えたとの見方もある。過去2年間、ユーザーは単にFacebookで情報を共有したり、交流するだけではなく、友人と何時間もゲームをプレイするようになった。
 この「stickiness(ユーザーをサイトに引きつける「粘着性」)」がユーザーの再訪を促し、ソーシャル広告の閲覧を増やしている。それが、Facebookを含め多数の企業がZyngaを買収しようとした大きな理由だ。
 Googleのゲーム参入はゆっくりと具体化している。ゲームへの進出は、Web上でプレイするゲームの人気を理解している人には驚くようなことではない。Googleはこの分野に集客と広告収入を期待している。
 GoogleがITA Softwareを買収する前から同社のオンライン旅行参入を予想していたHitwise Intelligenceのアナリスト、ヘザー・ホプキンス氏は7月7日に次のように述べていた。
 「この(旅行関連の)買収を最初に予測してから4年かかったかもしれないが、クリックストリームデータから分かるGoogleの次の進出分野は何だろうか? ゲームだ。旅行の次にGoogle.comからトラフィックが流れている産業はゲームであり、Googleはまだこの産業にプレゼンスがない。引き続き注目だ」
 TechCrunchのスクープとゲーム関連の求人広告は、Googleがゲームに進出するという予想を裏付けているようだ。



ドコモ、スマートフォン向けISP「spモード」開発 iモードメールアドレス、デコメ対応
 NTTドコモは7月13日、スマートフォン向けISPサービス「spモード」を開発したと発表した。「Xperia」など5機種に対応し、月額315円で9月から提供を始める予定。
 spモードを契約すると、スマートフォンからのネット接続に加え、iモードと同じメールアドレス(@docomo.ne.jp)をスマートフォンでも継続して利用できる。メールはiモードで提供している絵文字やデコメール(デコレーション、テンプレート、デコメ絵文字、デコメピクチャ)、自動受信にも対応。メール利用時は、専用のメールアプリを使う形になる。今後、メール使いホーダイにも対応する予定。
 またコンテンツ決済サービスも提供。対応コンテンツの購入代金を、毎月の携帯電話利用料金と合わせて支払えるようになる。
 無料のオプションサービスとして、メールのウイルスチェックと、出会い系サイトなどへのアクセスを制限できるフィルタリングサービスも利用できる。



KDDI、デザイン携帯「iida」の新機種を7月下旬に発売
 KDDIは13日、デザイン性の高い携帯電話ブランド「iida(イーダ)」の新機種を7月下旬から発売すると発表した。新製品「LIGHT POOL(ライトプール)」は折り畳み型で、表面は小さな三角形の窓が覆っている。窓には22個の発光ダイオード(LED)を配置、着信時や開閉時などに発光するほか、音楽と合わせた発光も楽しめる。色は白、ピンク、黒の3色で、価格は4万円台前半を想定しているという。インテリアとして楽しむための専用卓上ホルダーや、専用ケースも発売する。
 増田和彦サービス・プロダクト企画本部長は「20代や30代の感性の高い男女を中心に、買い求めてもらえるのではないか」と述べた。



グリー、六本木ヒルズに移転 7月20日から
 グリーは7月13日、20日から本社を六本木ヒルズ森タワー(東京・六本木)に移すと発表した。同日の取締役会で移転を決議した。
 移転は4月に発表済み。「事業拡大及び人員の増加に伴う移転」としている。
 現在の本社所在地は六本木の「黒崎ビル」。



ユニクロ、グラミン銀行と合弁会社設立
 ユニクロを展開するファーストリテイリングは13日、バングラデシュの貧困者向け無担保融資機関「グラミン銀行」と共同出資し、年内にバングラデシュに衣料品を生産する合弁会社を設立することを明らかにした。
 グラミン銀行と、創設者のムハマド・ユヌス総裁は、2006年にノーベル平和賞を受賞している。
 合弁会社が手掛ける事業は、バングラデシュが抱える貧困などの社会的課題をビジネスを通じて解決する「ソーシャルビジネス」だ。ファーストリテイリングは自社の利益を度外視し、生産した衣料品を貧しい人たちに安く提供する。
 労働者の生産技術力を高めて生活水準の向上にもつなげる狙いだ。
 ファーストリテイリングは08年、バングラデシュに生産管理事務所を設立し、現地企業に主にパンツ類を生産委託し、日本などに輸入して安価な製品として販売している。



5月の携帯出荷、17.1%増 2カ月連続プラス
 電子情報技術産業協会(JEITA)が13日発表した5月の携帯電話・PHS端末の国内出荷台数は、前年同月比17.1%増の314万7000台と2カ月連続で増加した。景気が若干持ち直し傾向にあるなか、各社が春モデルを投入したことが影響した。
 リーマンショックを受けた景気悪化前の2008年5月と比べると9割程度の水準。JEITAは今後の見通しについて「新販売方式による端末の買い替えサイクルの長期化は続いており、急激な伸びは見込みにくい」としている。
 内訳は携帯電話が16.8%増の304万1000台、PHSが28.5%増の10万5000台だった。携帯電話が300万台を超えるのは09年11月以来6カ月ぶり。
 米アップルの「iPhone(アイフォーン)」など一部海外メーカーの端末は含まれていない。



(なるほどシェア)漫画誌、逆風下で「ジャンプ」健闘
 コミック誌の発行部数が減り続けるなか、健闘が目立つのが集英社の「週刊少年ジャンプ」だ。日本雑誌協会のデータに基づく推計では、2008年10月~09年9月の少年コミック誌でのシェアは35.8%。直近3年間で発行部数は増加傾向にある。
 「ONE PIECE(ワンピース)」の累計発行部数が1億9000万部を超えるなどヒット作を多く掲載しているうえ、新人作家の連載がうまく軌道に乗っているとの指摘が多い。10代男性だけでなく、女性や30代男性の支持も集めているようだ。
 少年コミック誌の黄金期は1980年代。89年には「週刊少年ジャンプ」の発行部数が500万部を突破した。2000年代に入るとゲームやインターネット、携帯電話の普及など娯楽の対象が分散してきた。子どものマンガ離れに加え、団塊ジュニア層の結婚や景気後退の影響から、近年は大人のコミック離れも加速している。
 出版科学研究所によると、09年のコミック誌全体の販売額は前年比9.4%減と、14年連続で減少した。コミック誌への逆風が収まる気配はまだみえない。



ムーディーズ、ポルトガルを2段階格下げ
「財政、中長期的に悪化」
 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは13日、ポルトガルの格付けを「Aa2(ダブルAに相当)」から「A1」に2段階格下げしたと発表した。同社は格下げの理由について、ポルトガル政府の財政事情は中長期的な悪化が見込まれるうえ、構造改革策が実らない限り国内経済の低迷も続くためと説明している。先行きの見通しは「安定的」とした。



記者の目◇ダイキン工業、実は「スマートフォン」銘柄?
 米アップルのiPhone(アイフォーン)の登場などで人気が高まっている高機能携帯電話「スマートフォン」。多くの機種で採用されているタッチパネルに、実はダイキン工業の製品が使われていることはあまり知られていない。タッチパネルの表面に指紋などの汚れが付着することを防ぐコーティング剤「オプツールDSX」だ。長らく主力の空調事業に隠れ目立たなかった同社の化学事業が、タッチパネルの普及を機に「復活」できるかが今後の株価を占う材料にもなりそうだ。
 ダイキンの化学事業は様々なフッ素製品で構成される。フッ素は他の元素と結びつくと、安全性が高まり、熱に強く薬品や溶剤に侵されにくい性質の化合物へと変化する。こうした性質を生かし、自動車用の燃料ホースやエアコンの冷媒、半導体製造で使われるエッチング剤、化学プラントで使われるバルブ、プラスチック光ファイバー、リチウムイオン電池と様々な分野で用途が広がった。1998年3月期、99年3月期などは営業利益ベースで空調事業をしのぐ稼ぎ頭だった。
 しかし海外を含めて買収や提携で急成長を遂げた空調事業の陰で、化学事業はいつの間にか「あぐらをかいた存在」(同社幹部)になってしまった。冷媒をはじめ製品に一定の需要があり、ある程度の売上高や利益が確保できていたため、成長を放棄していたかのようだった。実際、化学事業の営業利益は米国でLANケーブルにフッ素樹脂が採用された2001年3月期に159億円の最高益を更新して以降、停滞感が強まった。09年3月期には営業損益が95億円の赤字と、セグメント情報を開示して以来初めて赤字に転落した。
 しかし、ここにきて復調の兆しが見える。1年での絶対黒字化を目標に掲げ、「人件費や投資の見直しなどあらゆる経費を削った結果」(同)、前期は減収ながら営業損益は7億円の黒字に転換。今期は売上高が前期比25%増の1080億円、営業利益も11倍の80億円を見込んでいる。増収増益は07年3月期以来、4期ぶりだ。
 復活へ向け取り組んだ試みの一つが、今年2月に事業部内にファインケミカル部を発足させたこと。製造・販売・技術部門を一体運営し、ユーザーニーズへ迅速に対応する体制を整えた。これまでユーザーの要望を受けてから研究開発に着手しがちだった。これをダイキン側が最終製品を意識し、そこにフッ素をどう使えば機能を高められるのかを提案。迅速に実行できる体制にした。
 フッ素を原料供給する取引先でなく、最終製品をつくるメーカーに働き掛ける試みも展開し始めた。例えば自動車向けの燃料ホースなら、従来は燃料ホースのメーカーとだけ話をしていたが、現在はその先の自動車メーカーに直接営業し、燃料ホース向けのフッ素納入に結びつけた。スマートフォンで同社の製品の採用が広がり始めたのも、タッチパネルを製造している部品メーカーではなく、携帯電話メーカーと直接交渉した効果が大きい。
 ダイキンは空調事業で今期にも世界一の販売数量を達成する可能性がある。しかし普及価格帯の家庭用エアコンをはじめ価格競争が激しく、空調事業の利益率は低迷している。今期見通しでは前期の5.0%から改善はするものの6.4%止まり。一方、化学事業は新たな製品需要を生み出せば、例え需要のパイは小さくても高い利益率を確保できる。実際、同社の化学事業は97年3月期~07年3月期までほぼ2けたの利益率を確保してきた。
 タッチパネルに使われる同社のオプツールシリーズは16年3月期に50億円以上の売上高を見込む。最終製品のメーカーから直接ニーズをつかむ「需要創造型の研究開発・提案営業」の新たなビジネスモデルを武器に、どこまで商機を広げることができるか。同社が08年3月期にあげた過去最高の純利益(748億円)を更新するには、化学事業での新ビジネスモデルの成果がカギを握る。



日経社説
危機回避へひるまず経済・税財政改革を
 参院選での民主党敗北によって、消費税の増税を含む税財政改革や成長促進策が停滞すると懸念されている。低い経済成長が続く一方、政府の債務は積み上がるばかりで、日本の経済・財政には危機が迫る。実際に改革が滞るようならば極めて憂うべき事態である。
 民主党は選挙結果にひるまず、改革を進めてほしい。消費税率の10%への引き上げを掲げた自民党も国民のため、党派の違いを乗り越え協力して改革を推し進め、経済危機の回避に努めてもらいたい。
増税が敗因とは限らぬ
 民主党の敗因について菅直人首相は消費税率の引き上げが「唐突と受け取られた」と自己分析した。10%への引き上げの根拠がはっきりしなかったほか、低所得者への負担軽減策では発言がぶれるなど、国民への示し方が乱暴だったのは事実であり、反省を求めたい。 
 だが、有権者は消費増税に単純な「ノー」を突きつけたのだろうか。改選第1党となった自民党は公約に、社会保障に充てるため税率を10%に引き上げると明記している。大多数の有権者はこのままでは財政も経済も持続可能ではないと心配している。そうみるべきではないか。
 地方の1人区で民主党が負け越した主な原因も、必ずしも消費税増税とはいえないだろう。疲弊する地方経済に対して民主党政権が打った手は、子ども手当支給や郵便局を過疎地にも残すための郵政改革法案提出(ただし未成立)などだった。
 これらは都会との格差縮小には役だっても、公共事業の減少で所得が細る地域住民に、それに代わる生活の糧を与えるものではない。住民の願いを読み違えたのである。
 日本銀行によれば、景気は各地で持ち直しつつある。しかしそれは「嵐の前の静けさ」にすぎない。向こう1~2年間を展望すれば、欧州と米国の金融・財政問題がさらに悪化し、その余波を日本がかぶる恐れがある。現に欧州の金融危機は日本の株価を大きく押し下げた。
 中長期でみれば、政府債務の膨張が限界にきて国債が暴落(長期金利は上昇)し、経済と金融を大混乱に陥れる可能性がある。
 それを避けるために政府は6月、2020年度までに政府債務の国内総生産(GDP)比の上昇を止めるという財政運営戦略を決めた。1%台の名目成長率を前提とした「慎重シナリオ」でも、20年度までに14兆円弱の収支改善が必要で、歳出削減に加え増税は避けられない。
 しかも1%台の成長率は過去10年平均のマイナス0.48%に比べ著しく高く、達成は容易でない。
 経済の破綻を防ぎ国民生活を安定させるには、名目成長率を高めることと、不要不急な歳出の削減、社会保障改革とそれに関連した消費税などの増税が欠かせない。
 この3つとも大事だが、選挙の結果から、現実問題として消費税増税は実施時期が遅くなる可能性が出てきた。まず歳出削減、公務員改革をと主張する、みんなの党が10議席も得た事実を考えても、歳出改革や成長促進策を優先することが重要になる。高所得者にも給付する子ども手当や、高速道路の無料化方針などカネのかかるバラマキ的な政策を民主党は見直す必要がある。
 同党が始めた事業仕分けは画期的だが、歳出削減に効果をあげるにはもっと幅広い分野を対象にして、一段と厳しく切り込むべきだ。
成長策と歳出減全力で
 さらに、成長促進へ思い切った手を打つべき時だ。医療、保育、農業、住宅・ビル建設などの分野での規制の緩和は設備投資や建設など内需を盛り上げ、雇用を増やす。また農産物市場の開放を何とか可能にし、成長著しいアジア諸国などとの通商自由化を急ぎたい。
 消費税を上げる一方で法人税を下げるのは政治的に容易でないのは分かるが、国内での投資を促し、外国資本をも呼び込むためには法人税減税を避けて通れない。ドイツや英国は消費増税と法人減税をすでに実施ないし決定済みだ。
 民主党敗北で改革への勢いが弱まるとみる向きからは今後、日銀の金融緩和策への期待が高まるとみられる。金融緩和の手立てはまだあると考えられるものの、政府の成長促進策や財政赤字削減策が伴わなければ、成長にも、債券市場の安定にもその効果は限られよう。
 民主党は参院で多数を確保するため、野党との連携を探るとみられる。単なる数合わせではなく、経済と税財政の改革を進めるのを最優先に進めるべきである。
 国債の金利安定は南欧の金融・財政混乱で日本国債が相対的に安全と見られているからだ。裏を返せば、極めて心細い均衡状態にある。日本を危機から救うために残された時間は多くない。その事実を与野党の政治家はわきまえて行動してほしい。
「ウィンドウズ7」搭載の携帯端末、21社が年内投入
 【ワシントン=岡田信行】米マイクロソフト(MS)が多機能携帯端末市場で猛攻勢をかける。同社の最新のパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7(セブン)」を搭載し、東芝など協力メーカー21社が年内に新製品を投入することを12日に発表。アップルが「iPad」で人気に火を付けた多機能端末市場で、同社を追撃する。
 米ワシントンで開いた世界パートナー会議の基調講演で、スティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)が表明した。MSが「スレートPC」と呼ぶ「セブン」搭載の多機能端末の新製品を年内に投入するのは、パナソニックやソニー、東芝、富士通、オンキヨーを含む21社。日本勢以外の大手では米デルや米ヒューレット・パッカード、韓国サムスン電子、アスース、レノボなどが製品を投入する。
 「スレートPC」は画面サイズが携帯電話とパソコンの中間的な大きさ。タッチ操作で簡単に動かせるなど、「タブレット」とも呼ばれる多機能携帯端末とほぼ同じ特徴を持つ。
 タブレットはもともと、MSの創業者であるビル・ゲイツ会長が2000年に構想を発表。MSが開発で先行し、製品も登場したが、電池寿命の短さやタブレットに適したコンテンツの不足などで普及しなかった。
 しかし、高機能携帯電話(スマートフォン)の普及が進んで、携帯端末向けに「アプリ」と呼ばれる娯楽や実用ソフトが普及してきた。アップルが今年に入って「iPad」を発売して人気を博したこともあり、メーカーの参入表明が相次いでいる。



iPhone4「推奨せず」 米消費者専門誌
 【ニューヨーク=清水石珠実】米消費者専門誌「コンシューマー・リポート」は12日、米アップルの高機能携帯端末「iPhone(アイフォーン)4」の購買を「推奨しない」との声明を発表した。同誌のエンジニアが3台のiPhone4を精査した結果、受信能力に不具合が見つかったため。電波の弱い地域で通話する際、アンテナが埋め込まれている本体の左下部分に触れると、接続が不安定になって最悪の場合は通話が切断されてしまうことがあるという。
 iPhone4は、日本や欧米で先月下旬に発売されたばかりの新型モデル。発売当初から受信状況に対する利用者の不満の声が相次いでいた。米アップルは、アンテナの設計ミスではなく、電波の強弱を表示するソフトウエアの問題として、修正ソフトの配布を決めた。だが、実際に通話が切断されるとの実験結果を得たコンシューマー・リポート側は、アップルの説明に「疑問を感じる」との見方を示した。



携帯電波の不調解消 ソフトバンク、プロバイダーと協議へ
 ソフトバンクモバイルは携帯電話の電波がつながりにくいエリアの解消に向け、NTTコミュニケーションズなどのインターネット接続プロバイダー各社に、回線使用料を支払う方向で協議に入る。通信量に見合う月額使用料を支払い、プロバイダー各社に回線使用を認めてもらいたい考え。
 ソフトバンクは電波がつながりにくい利用者の家庭に「フェムトセル」と呼ぶ超小型基地局を無償で設置する方針で、5月に受け付けを始めた。携帯電話から受け取った電波を家庭に引き込んだブロードバンド回線を介し、ソフトバンクの交換機につなぐ。
 ネット閲覧などに使う回線に携帯電話の通話や通信が流れるため、他社のブロードバンド回線経由の場合、一部プロバイダーから「回線のただ乗り」批判が出ていた。ブロードバンド回線の第三者利用を禁止しているプロバイダーもある。
 フェムトセルの利用者1人当たり月額数十円の回線使用料をプロバイダー各社に支払う方向で協議する。ただその場合はプロバイダーがソフトバンクと利用者から料金を二重で徴収することになり、料金下げの議論に発展する可能性もある。



iPad、意外や仕事向き 堅固な安全対策で導入企業相次ぐ
 米銀ウェルズ・ファーゴでは、米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の導入に2年間の検討期間が設けられた。しかし、今年4月に同じくアップルから発売されたタブレット型マルチメディア端末「iPad(アイパッド)」はわずか数週間で導入が承認された。
 その理由を同行のシニアバイスプレジデント、ミーガン・ミニッチ氏は、堅固なセキュリティー機能にあると説明する。アップルはアイパッドにダウンロードできるアプリケーションを慎重に吟味するなどしてセキュリティー対策を実施している。ウェルズ・ファーゴでは発売直後に15台を入手。そのうち2台は、5月に行われた投資家との会合で金融商品の説明に使用された。追加注文分もまもなく届くという。
 販売300万台突破
 ブルームバーグ・ビジネスウイーク・ドットコムは、洗練されたデザインと使いやすさで消費者を引きつけてきたアップルがビジネスユーザーを標的にし始めたと伝えた。実際にアイパッドは、顧客情報を危険にさらすことなく、より生産的なビジネス環境を作り出すことができるとして企業の間でも評判を博している。
 フォレスター・リサーチの主席アナリスト、テッド・シャドラー氏は「アイパッドは世界をたちまち魅了した」と称賛。「一般消費者向けの商品として発売されたが、実際に購入した人はビジネス目的だった」と話した。
 アップルは6月、アイパッドの販売台数が発売後80日以内で300万台に達したと発表した。カウフマン・ブラザーズのアナリスト、ショー・ウー氏は、今年の同端末の販売台数が970万台になると予想している。ゾグビー・インターナショナルがスマートフォン・ユーザー770人に調査したところ、52%の人がアイパッドなどのタブレット型端末を仕事に利用したいと答えた。
 ABIリサーチのプラクティス・ディレクター、ダン・シェイ氏は「多くの企業がタブレット型端末の有用性を試している」と指摘した。
 実業家を魅了
 ウェルズ・ファーゴはアイパッドの発売直後、同端末が急速にビジネスユーザーの間に浸透していく様を目にした。同行でウェブサイトの運営やモバイル戦略の策定に携わるエイミー・ジョンソン氏は、アイパッドから法人口座にアクセスしてきた売上高5000万ドル(約44億3100万円)を超える大企業の財務担当役員が複数名いたことを明らかにした。ジョンソン氏自身もどこに行くにもアイパッドは手放せないという。
 業務用ソフトウエア大手SAPの北米法人社長、ロブ・エンスリン氏もアイパッドに魅了された一人だ。「アイパッドでペーパーレスオフィスがほぼ実現できる」と話す同氏は、同端末を業務用アプリケーションへのアクセス、書類や顧客情報などの閲覧に使用している。
 ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツは、米国のディーラー40社にアイパッドを導入。顧客の目の前で自動車ローンのオプションを検索し、申し込みできるようになった。現在、米国の全ディーラー350社に導入することを検討している。
 ビジネスの世界でアイパッドの人気が高まりつつあるなか、ヒューレット・パッカードやデル、LG電子、サムスンなど競合他社もタブレット型端末の開発を進めている。6月には米ネットワーク機器大手シスコ・システムズが、2011年に高画質なテレビ会議を可能にするタブレット型端末を発売すると発表した。



菅首相、公明・みんなに連携打診へ
 菅首相は、与党が参院で過半数割れしたことを受けて、公明党とみんなの党に対し、国会運営での連携を求めていく方針を固めた。
 首相が12日、周辺に伝えた。当面、政策や法案ごとに賛成を求める「部分連合」を念頭に協力を要請するが、将来の連立政権参加も視野に入れている。首相は9月の民主党代表選までに政権安定の枠組みにめどを付け、再選を確実にしたい考えだ。
 参院選の結果、非改選を含む与党の議席は110議席となり、過半数に12議席届かない。首相は、安定政権を築くには、野党の中で比較的政策が近い公明党(参院19議席)か、みんなの党(同11議席)との連携が不可欠と判断したとみられる。
 首相は12日夜、首相官邸で記者団に、「野党の皆さんの主張を国会の内外でしっかりと受け止めて政権運営をしなければいけない」と述べ、野党との連携を重視する考えを強調した。
 首相はこの日、仙谷官房長官、民主党の枝野幹事長、輿石東参院議員会長らと断続的に会い、今後の国会対応や党運営などを協議。首相は党内対立を回避するため、内閣改造・党役員人事を9月の党代表選後に先送りする方針で、落選した千葉法相も続投させるほか、今期で参院議員を引退する峰崎直樹財務副大臣も内閣改造まで続投させることを決めた。これを受け、民主党は12日夕、党本部で首相出席のもとで役員会を開き、執行部の続投を確認したが、小沢一郎前幹事長に近い議員からは参院選敗北にもかかわらず執行部が辞任しないという対応への批判が強まっている。
 こうした中、執行部は、菅首相の党代表としての任期満了に伴う代表選について、9月5日投開票とする案を軸に調整に入った。9月下旬から臨時国会を開くことを念頭に、9月最初の日曜日である5日に代表選を実施するものだ。ただ、臨時国会を早期に召集し、開会中に代表選を実施すべきだとの意見もある。



経団連会長「鳩山内閣の政策運営が敗因」 ねじれで国会空転に危機感
 米倉弘昌日本経団連会長は12日、経団連会館で記者団の質問に答え、参院選で与党が過半数割れした原因について、「敗因は消費税の説明不足ではない。菅内閣は発足後1カ月足らずで、国民はその前の内閣のあり方を見ていた」と語り、鳩山政権の政策運営に問題があったとの考えを示した。
 具体的には「国際的な信用をなくし、沖縄県民の感情を揺るがした。強い政党になりすぎて議論をする余地がなくなるのではないかという可能性もあった」と、厳しく言及した。
 桜井正光経済同友会代表幹事も、東京都内で記者団に対し、「消費税問題と民主党10カ月間の政策運営の混乱の両方(が問題)だ」と述べた。特に、消費税については、「参院選では税・財政、社会保障のあり方を国民的議論として喚起する前に税率や還付方法など個別施策の議論に終始した」と苦言を呈した。
 衆参のねじれ国会で懸念される国会の空転に関しては、米倉氏は「国民は絶対に許してはならない。日本が抱える問題の解決に向け、与野党は超党的に取り組んでもらいたい」と要望した。桜井氏も「与党は政策の優先順位を明確にし、各政党も利害得失を超えて超党派での政策協議の枠組みを整えるべきだ」と強調した。



「郵政改革」仕切り直しも 金融界は歓迎ムード
 参院選で連立与党が大敗し、郵政改革を推進していた国民新党が改選議席をすべて失ったことで、通常国会に提出された郵政改革法案が仕切り直しとなる可能性が出てきた。日本郵政の宅配便「ゆうパック」で起きた遅配問題もまだ収束しておらず、郵政事業そのものの見直し論にも発展しかねない状況だ。一方で、同法案に猛反発していた金融界には歓迎ムードも漂っている。
 民主党の樽床伸二国対委員長と国民新党の下地幹郎幹事長は12日、郵政改革法案を秋の臨時国会で成立させる方針を改めて確認した。原口一博総務相も同日、今後の「協議の場などで法案のていねいな説明が必要になってくる」と話した。
 だが、衆議院と参議院で多数派が異なる「ねじれ国会」での調整は難航必至。連立与党は今後、野党と政策ごとの協調を進める方針とはいえ、“秋波”を送る公明党やみんなの党は自民党と同様、いずれも郵政改革法案に反対の立場と、同法案成立は極めて難しい状況にある。
 自民党の中堅・若手議員が、公明党やみんなの党の有志と6月に結成した「郵政再国有化を阻止する議員の会」は、法案の見直し機運を盛り上げて反民主の政治的な潮流としたい考え。民主党の反対派が歩調を合わせる可能性もある。
 一方で、「暗黙の政府保証」を背景に金融事業を肥大化させる法案を「民業圧迫」と批判してきた金融界は、選挙結果を機に、国民の間に郵政事業見直しに向けた世論が高まることを期待している。
 ある大手銀行幹部は12日、「国民新党の『郵政改革』が国民に支持されていないことがはっきりした。法案成立は難しくなった」とホッとした表情をみせた。別の銀行幹部も、郵便貯金の預け入れ限度額を現行の2倍の2000万円に引き上げる政府方針について、「十分に議論されないまま決められた方針だ。今回を契機に議論を深めた上で見直しを望む」と、“ねじれ効果”に期待を示した。




DeNA、交流型の携帯広告 広告主が日記など掲載
 携帯電話向け交流サイト運営のディー・エヌ・エー(DeNA)は広告主と閲覧者が交流する要素を盛り込んだ携帯広告サービスを始める。広告主は自社の商品・サービスの広告を日記や画像などの形式で掲載し、画面を自由に更新できる。広告の素材に使うゲームやクイズなどの制作も請け負う。閲覧者の興味を引きやすい特色を打ち出し、広告主の企業に利用を促す。
 近く同社の交流サイト上で提供を始める。広告枠はサイト利用者の個人ページをイメージした形式に設定する。利用者が企業を自分の「友人」として登録すれば、広告主の更新情報が自動的に利用者の個人ページに表示される。広告掲載料は150万円から。



日本郵船、貨物船発注を再開 新興国へ資源輸送
5年で40隻増、1600億円投じる
 日本郵船は貨物船の新規整備を再開する。石炭や穀物の輸送に使う中型船を今後5年で40隻増やす。他社から借りて運航する船の賃借料を含め、約1600億円を投じる。2008年秋のリーマン・ショック以降、新規の整備を見合わせていたが、資源や穀物の需要が急拡大している中国とインドに新造船を集中投入して収益拡大を狙う。商船三井も貨物船の整備を再開しており、低迷していた新造船の市場がようやく動き始めた。

 郵船が整備するのは、船の内部に水槽のような格納スペースを設けて石炭などを積み込む「ばら積み船」と呼ぶタイプ。第1弾として積載重量6万~9万トンクラスの15隻を国内の造船所にこのほど発注した。

 14年までに順次完成する予定で、大半をオーストラリアやブラジルといった資源国などと中国・インドを結ぶ航路に配備する。現在、運航している70隻は日本の電力会社や製造業向けが中心だが、需要の拡大を見込める新興国中心の航路構成に見直す。

 商船三井も今春までに4隻の大型船を国内の造船会社に発注。鉄鉱石の輸送に使う積載重量15万トン以上のタイプで、投資額は200億~300億円とみられる。同社はさらに数隻の発注を検討しているもようだ。

 海運大手の業績は金融危機後に大きく落ち込んだが、世界経済の回復とともに日用品などを運ぶコンテナ船の採算が改善し、資源輸送も堅調に推移している。また2年前から6割程度の水準に急落している船の価格が、今後、鋼材価格の高騰で上昇に転じる可能性が大きく、両社は新造船の発注を本格化する好機と判断した。

 リーマン・ショック以降、造船会社は新規の受注が大幅に縮小し、09年は新規商談がほとんどなかったという。だがインフラ整備を進める新興国向けをけん引役に、世界規模で需要が回復しつつある。



マイクロソフト、クラウドでデルなど3社とも提携
富士通とは正式発表
 【ワシントン=岡田信行】米マイクロソフト(MS)は12日、インターネット経由でソフトや情報システムを提供する「クラウドコンピューティング」事業で富士通と提携すると正式発表した。富士通が国内外に持つデータセンターを利用して、MSが開発したクラウドサービスを世界で共同展開する。MSは米デル、米イーベイ、米ヒューレット・パッカード(HP)の3社ともクラウド事業で連携する。

 MSがワシントンで12日に開いた「世界パートナー会議」で公表した。MSは今年1月に始めたクラウドサービス「ウィンドウズ・アジュール」を世界で普及させるため、富士通など4社と業務提携する。アジュールはユーザー企業が自らサーバーなどの設備を持たずに、ネット経由で顧客管理や会計処理などのソフトを利用できる。

 富士通は16カ国90カ所のデータセンターを利用してアジュールを企業に提供する。第1弾で、群馬県館林市のデータセンターに専用設備を導入、10年末までに日本国内の企業にサービス提供を始める。アジュールを担当する技術者を世界で5000人育成する計画で、MSも協力する。



【産経主張】菅首相の責任 やはり総選挙で信を問え 問題は政権担当能力の欠如

 菅直人首相は参院選大敗に込められた有権者のメッセージを正しく認識しているのだろうか。きわめて疑問である。
 首相は12日未明、自らの続投を表明したのに続き、枝野幸男幹事長にも続投を指示した。執行部人事や落選した閣僚の補充を含む内閣人事も9月の党代表選まで先送りするという。これは大敗の責任を曖昧(あいまい)にする開き直りである。
 首相が直視すべきは、有権者が民主党の政権担当能力に大きな疑問を抱き、「退場勧告」を行ったことではないか。民主党が主導する政権に対し、これ以上の迷走と失政は許さないというのが国民の意思といえる。
 野党の自民党などからは、衆院解散・総選挙を求める意見が出ている。鳩山由紀夫前首相が退陣した際にも、解散・総選挙で国民の判断を仰ぐ選択肢があった。
 それをしないまま、民主党政権は鳩山氏から菅首相に首をすげ替えた。今回は菅首相が自ら進退を決断すべき事態である。それができないなら、民主党はやはり衆院選で政権の継続の是非を問い直すのが筋である。
 参院選は政権選択選挙ではないが、そのときの民意が示されることで、政権がたびたび交代する事態を招いている。
 ◆曖昧化は党の体質
 例えば平成10年参院選では、所得税の恒久減税をめぐる発言を二転三転させた橋本龍太郎首相(当時)が自民党の獲得議席を44に減らし、責任をとって退陣した。
 菅首相は大敗の原因について、消費税増税を唐突に持ち出した説明不足は認めたものの、「改めてスタートラインに立った」と自らの責任論をかわした。枝野幹事長に対して「職責を全うしてほしい」と続投を求めたのは、執行部だけに責任を転嫁しにくかったからではないのか。党内には幹事長辞任論が残っており、きわめて不透明な決着といえる。
 首相は、政治とカネの問題を生じさせた鳩山前首相や小沢一郎前幹事長の政治的・道義的責任を不問にした。責任の所在を明確にしない民主党の体質がある。
 不思議なのは、落選した千葉景子法相を9月まで続投させるとしたことだ。
 仙谷由人官房長官は「行政の継続性の観点から、続けていただくのが望ましい」と説明しているが、落選した人物をそのまま起用することが果たして民意に合致していると言えるだろうか。
 民主党の政権担当能力への疑問は、鳩山前内閣時代の迷走にとどまらない。参院選での消費税増税をめぐる菅首相の姿勢に表れたことも大きい。消費税の全体像や使途を十分に説明することのないまま「10%」の税率に言及したほか、低所得者対策の還付制度をめぐり「腰だめ」の所得水準を口にしたことなどだ。
 米軍普天間飛行場の移設問題では、辺野古移設に向けた日米合意を受け継ぐとしているが、沖縄側の強い反発で実現困難な状況は変わっておらず、日米同盟の空洞化を放置したままといえる。
 ◆試される野党共闘
 改選第一党になった自民党、第三極勢力として躍進したみんなの党は、民主党の過半数阻止という目標を達成した。
 今後は衆参両院に「ねじれ」が生じた状態を生かし、どのようにして政治の方向性を是正していくかが課題となる。
 最初の試金石は、参院議長人事をめぐる野党共闘を構築できるかどうかだ。みんなの党の渡辺喜美代表は、次期参院議長は野党側から選出すべきだと主張し、自民党なども検討に入っている。
 参院議長は参院第1会派から出すのが慣例とされる。だが、民主党出身の江田五月議長は通常国会で首相問責決議案の採決を見送るなどした。
 こうした事情から、渡辺代表は「前代未聞の国会運営をした江田議長には代わってもらわねばならない」と批判している。議長あるいは議院運営委員長のポストを野党側が確保し、主導権を握れるかどうかが極めて重要だ。
 野党共闘をまとめていく上で、とりわけ自民党の力量が問われている。
 自民党は選挙区で民主党を圧倒したものの、比例代表では民主党になお水をあけられている。今回は自民党が国民に評価されたというよりも、民主党への失望感が大きかった部分がある。
 政権復帰に向けて、国益や国民の利益を守ろうという「保守の存在意義」が試される。
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