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iPhone4、ドコモ回線で利用可能に 日本通信が月内にも
 通信ベンチャーの日本通信は米アップルの高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)4」をNTTドコモの回線で使えるサービスを始める。月内にもドコモ回線に対応した「SIMカード」を発売、輸入したアイフォーン4に差し込んで使う。日本ではソフトバンクモバイルがアイフォーン回線を事実上独占してきたが、日本通信は他社回線での利用ニーズが高いと判断した。
 SIMカードは電話番号などの契約者情報を記録したICカード。アイフォーン4は小型の専用カードを採用している。
 日本通信はドコモの回線情報を記録した専用カードを調達、販売する。カード自体は無料で、月々の利用料金は月額3785円(1050円分の無料通話を含む)。音声通話機能がなく、データ通信だけの用途に特化したカードの利用料金は月額2980円。
 ソフトバンクが扱うアイフォーン4は他社の回線では使えないようSIMカードにカギがかかっている。海外では異なる会社の回線を使えるようロックを解除した「SIMフリー」のアイフォーン4が出回っている。
 国内でもインターネット通販などでSIMフリーのアイフォーン4が販売されているが、日本通信は独立系の携帯電話販売店や輸入会社に呼びかけ、本格的な輸入を促す。将来は輸入会社や家電量販店と組み、カードと端末をセットで販売することも検討する。
 日本通信のSIMカードを利用する場合、消費者はアイフォーン4の購入に別途6万円前後かかる。日本語で利用できるが、ソフトバンクやドコモのメールサービスは使えない。ソフトバンクは一定期間の継続使用を条件に端末購入の実質負担額を「0円」としており、初期費用はソフトバンクが安い。
 ソフトバンクはアイフォーン4の日本における独占販売契約をアップルと結んでいないとしている。無線機器の利用では国内の技術適合基準を満たす必要があるが、SIMフリーのアイフォーン4も同基準をクリアしているという。アップルは原則、海外で購入した製品のサポートを日本でも受け付けている。



「世界標準」へ連携 規模の追求、利害が一致
 中国発の通信規格を使った高速無線データ通信サービスがインドで始まる。米半導体大手クアルコムが6月にデリー、ムンバイなど4地域の事業免許を落札。地元企業と組み、「TD―LTE」方式のサービスを2011年にも始める計画だ。
米企業が後押し
 TD―LTEは光ファイバー回線並みの高速大容量通信が可能な第3.9世代通信技術。国有の中国移動通信集団(チャイナモバイル)が採用する中国独自の第3世代携帯電話規格「TD―SCDMA」の拡張版だ。これまで中国独自規格は国内専用の印象が強かったが、今回は様相が異なる。
 日本のソフトバンクも採用を検討。ロシアでも採用の動きがある。最大の魅力は「規模の経済」だ。中国の携帯加入は6月末で8億500万件。中国移動だけでも5億5000万件に達する。巨大市場と同じ規格を採用すれば、設備などのコスト低下が期待できる。その普及を支えるのがクアルコムなど米国企業だ。
 上海国際博覧会(上海万博)の会場内にはTD―LTEを使った通信網が張り巡らされている。運営は中国移動だが、システムはモトローラや中国の華為技術(広東省)が提供。華為の技術開発を裏で後押しするのは米IBMだ。「TD―LTEは米国企業が技術面で支え、世界で普及すれば米国企業にも金が落ちる」と米通信業界関係者は解説する。
 米国発の技術を中国に持ち込むのが従来の米中企業の提携関係。中国政府の国産技術育成策や中国企業の成長で「教師」と「教え子」の役割分担は曲がり角を迎えたものの、海外市場での「パートナー」として利害が一致する場面も少なくない。「米中規格」売り込みはその一つだ。
 電気自動車(EV)でも「米中規格」への取り組みが加速する。昨年11月のオバマ大統領訪中時にEV関連の規格統一で合意。具体化へ、充電ステーションなどの規格に関する話し合いが始まった。中国と米国の新車販売台数は合計で世界の4割弱。「世界標準を共同で作った方がメーカーにとって有益だろう」(米エネルギー省のダニエル・ポネマン副長官)
相次ぐ合弁生産
 背景には米中企業がEV分野で既に連携を深めている実情がある。米EVベンチャー、コーダ・オートモーティブ(カリフォルニア州)が年内に米国で投入予定のEV。搭載するリチウムイオン電池は中国海洋石油(北京)傘下の電池大手、天津力神電池とコーダが天津で合弁生産。さらに車台も中国製だ。
 米リチウム電池大手のエナデル(インディアナ州)も5月、同社の親会社と万向集団(浙江省)による中国でのEV向け電池合弁生産を発表した。
 中国で蓄積した連携のノウハウを第三国市場の開拓に生かそうとする試みも始まった。米ゼネラル・モーターズ(GM)は折半出資だった上海GMの持ち株の1%を合弁相手の上海汽車集団に譲渡する代わりに、上海汽車をインド事業のパートナーに迎え入れた。中国での合弁事業で低価格小型車を開発・ヒットさせた実績をインドに持ち込む戦略だ。
 数の力に頼り官製色も濃い「米中規格」が第三国市場でどこまで受け入れられるかには疑問も残る。早期に成功例をつくれるかが、将来の米中連携のヒントにもなる。



新生銀、傘下消費者金融を統合へ レイクとノーローン
 新生銀行は、傘下の消費者金融2社を統合する検討に入った。早ければ来年度にも、「レイク」ブランドで消費者金融を手掛ける新生フィナンシャルと、「ノーローン」ブランドで消費者金融を展開するシンキの両子会社を統合する方向だ。消費者金融は改正貸金業法の全面施行などで事業環境が激化しているが、システムなどを一本化して重複業務も整理し、コスト競争力を高める。
 新生銀の当麻茂樹社長が5日、日本経済新聞のインタビューに対し「消費者金融子会社はオペレーションを一体化して将来的にブランドを1つにすることになる」と述べた。両社合計の消費者金融事業の貸出残高(3月末)は5774億円となり業界4位の武富士に並ぶ規模となる。
 統合すれば、与信などの顧客管理システムも一本化できるため、コスト削減につながるとみている。レイクはインターネットを使って融資の審査を実施する電子取引に力を入れており、有人店舗を一部廃止して人件費などの固定費も減らす方針だ。当麻氏は「先行きの事業環境は不透明だが、コストを下げて利ざやの拡大につなげる」と強調した。
 新生銀は2008年9月に米ゼネラル・エレクトリック(GE)から「レイク」名称の消費者金融事業を買収。シンキとは02年3月に資本提携し、その後は出資比率を上げて10年3月に完全子会社化した。消費者金融事業の買収攻勢で小口金融(リテール)部門の強化を進めてきたが、グループ内の事業重複が課題となっていた。
 消費者金融は改正貸金業法の全面施行の影響で、利息制限法の上限を超える金利(過払い金)の返還請求が続くなど各社とも厳しい環境が続いている。ただ、新生銀はレイクの過払い金について、2039億円以上を超えた場合はGEが負担する契約を結んでおり、業績への影響は限定的としている。7月には初めて超過分をGEから受領した。



カタログ通販各社、ネットに活路 限定品や割引
千趣会、セシールなど比率5~7割に
 千趣会やセシールなど通販各社がインターネットへの顧客の誘導を急いでいる。ネット限定の商品や割引などの特典を用意して、ネット経由の受注・販売を拡大する。主力のカタログ通販はネット専業通販への顧客流出で市場がピーク時より2割以上縮小。各社の業績は不振が続いており、コスト負担も軽減できるネット事業の比率を5~7割まで高めて生き残りを目指す。
 千趣会は9月に配布する夏物セールの通販カタログで掲載品目数を昨年より約700点減らす。衣料品や雑貨などで全体の1割に当たるが、逆にネットではセール対象品目を増やす。同社は今年度、ネット限定商品の売上高を4割増やす計画。顧客のネットへの乗り換えを誘うため、カタログ誌面でネット限定商品の紹介も始めた。
 セシールはネットで注文をした場合に付与する特典ポイントをカタログの2倍に拡大した。カタログでは購入額100円に付き1ポイントだが、ネット通販では2ポイントを与える。100ポイントで100円の割引を受けられる。ディノスは7月中旬からネット限定の特売を開始。衣料品、寝具など約1700品目をカタログより10~75%安く販売する。
 ニッセンホールディングスは9月、米アップルの多機能携帯端末「iPad」向けに通販カタログの配信を始める。画面上の誌面から在庫確認をしたり、通販サイトに移動して商品を注文したりできる。
 ネット通販の伸長に押され、カタログ大手各社の業績は低迷が続く。千趣会では2009年度の営業損益が赤字に転落。ニッセンやディノスの営業利益も09年度は前の年度比で4割強減った。
 これまでのところ大手各社の売り上げ全体に占めるネットの比率は40~60%程度にとどまる。各社は早期に同比率を10ポイント程度高めることを狙う。



社会保障、20歳まで支払い超8000万円 5年前の1.8倍
50歳からプラス 世代別の不均衡拡大
 人が一生の間に政府に払う税金などと、年金などで受け取る受益はどのくらいか。現行制度が続くと仮定すると、現在2008年度に20歳未満の人の生涯収支は8千万円超の「支払い超過」で、5年前に20歳未満だった人の1.8倍になったことが分かった。一方、現在50歳以上だった世代は受け取り超過。今後、高齢化が加速すれば、受益と負担のバランスが一段と崩れる可能性もある。
 一橋大経済研究所の小黒一正准教授が試算した。試算結果について小黒氏は「負担増を先送りしたことで、将来世代の収支が悪化した」と指摘している。
 試算によると、08年現在で50歳代と60歳以上の世代は、それまで支払った分やその後に払う税金・社会保険料より、生涯を通じて受け取る便益の方が大きかった。
 特に60歳以上は生涯で1億4700万円を政府に支払う一方で、社会保障給付を1億8700万円受け取っている。高齢者世代の一部は年金制度の導入時期に当たっており、これが受け取り超過を大きくする原因になっているとみられる。
 一方で40歳代以下は生涯を通じて見れば支払いの方が大きい。しかも、若くなるほどに超過額は大きくなっていく。20歳代についてみると、1100万円の支払い超過となる見込みだ。



国民年金納付率、初の60%割れ 09年度、4年連続で減少
 厚生労働省は5日、2009年度の国民年金保険料の納付率が08年度に比べて2.07ポイント低い59.98%と過去最低を更新したと発表した。前年度を下回るのは4年連続で、初めて60%を割り込んだ。雇用・賃金情勢が厳しかったことなどが影響したと説明している。「国民皆年金」の形骸化に歯止めをかけられない実態が浮き彫りとなった。
 国民年金は20歳以上60歳未満の全員が加入し、保険料を猶予・免除された低所得者らを除く全員に納付義務がある。現行制度が始まった1986年度以降、納付率が最も低かったのは08年度の62.05%だった。
 政府は「納付率80%」を前提に将来の年金財政を設計しており、このまま低下傾向が続けば年金財政への影響も大きい。昨年の政権交代で年金制度の信頼回復を掲げる長妻昭厚労相が就任したものの、納付率が低いままでは、将来多くの無年金・低年金者を生みかねない。
 厚労省年金局によると、景気低迷などで企業を解雇され、国民年金に加入しても保険料を払えない事例が増えているという。「消えた年金」など年金記録問題への根強い不信感から納付を拒否する人も依然多いようだ。納付率の高い団塊の世代が次々と60歳になり、納付対象者から外れたことや、被保険者に占める非正規労働者の割合が増えたのも影響しているという。
 保険料を徴収する日本年金機構(旧社会保険庁)が年金記録問題への対応に追われたことも一因にあげている。厚労相は11年度までの2年間を年金記録問題への集中対策期間として「人、モノ、カネ」を集中投下している。年金局は「年金記録問題への対応を優先し、保険料徴収の強化に人手を割けなかった」と説明している。
 納付率を巡っては、厚労相は1月の日本年金機構発足を機に、これまで政府が目標としてきた年金納付率80%を「非現実的だ」として撤回。09年度は年度としての目標は設けず、10年度については「09年度の納付実績を上回る」と、目標を事実上引き下げている。
 持続可能な年金制度への改革に向け、政府は6月末に7つの基本原則を公表したが、具体論は示さなかった。こうした先行きの不透明感が加入者に保険料納付をためらわせているとの見方も多い。政府内からも「政治家が早期に具体案を示し、年金制度運営への懸念を払拭(ふっしょく)すべきだ」(厚労省幹部)との指摘があがっている。



経産省、ソフト輸出を強化 中国にデザイナー派遣
 経済産業省は日本のソフト輸出の一環として、日本人デザイナーの海外派遣を始める。年末に中国で展示会を開き、若手のデザイナーが現地の家電メーカーやインテリア関連の事業者など業種ごとに商談を進める。政府は新成長戦略のひとつとしてアジア需要の取り込みを掲げており、ソフト輸出をハード面のインフラ輸出などと並ぶ柱に位置付けている。
 経産省は民間事業者と連携して12月9、10日に上海でデザインの商談に絞った「JAPAN DESIGN +」と題した会合を開く。6日から派遣するデザイナーの公募を始め、20人程度を選ぶ。中国では服飾や家電、住宅など多くの分野でデザイン関連のニーズが強まっているという。
 国外へのソフトの売り込みでは、英国や韓国が日本に先行している。政府はアニメや音楽に加え、デザインでも日本は高い競争力を持つとみている。



経営トーク◇楽天が英語で決算会見 三木谷浩史社長「ネット通販、年内の失速ない」
 楽天が5日発表した2010年1~6月期の連結決算は経常利益が前年同期比23%増の275億円だった。主力のネット通販や旅行予約が堅調で、過去最高益を更新した。同日午後、東京・品川の楽天本社で開いた決算説明会で三木谷浩史社長は「年内はネット通販の成長が減速することはない」と述べ、成長持続に自信を示した。楽天は公用語を英語にしており、この日の三木谷社長の説明もすべて英語で行われた。主な発言と質疑応答をまとめた。
 ――足元の業績はどうですか。
5日、英語で決算会見する楽天の三木谷社長
 「4~6月期の営業利益は前年同期比12%増の152億円と過去最高益を更新した。電子商取引(EC)、トラベル、ポータル(玄関)サイトの売り上げ成長がいずれも20%を維持している。電子マネー『Edy(エディ)』の取扱高は641億円と、21%伸びた。消費低迷にもかかわらず成長できており、シナジーを最大化している」
 ――今年後半の楽天市場事業の先行きをどう見ていますか。
 「全般的な消費については悲観的な意見を多くの方々から聞く。ECに関しては改善できることもたくさんあり、年内はネット通販の成長が減速することはない。現在は無駄の洗い出し作業を実施している。年後半には利益率を高められる」
 ――社内公用語を英語にしました。
 「国際化への施策だ。グローバルな人材を採用したい。経営層もそうだし、世界一流の大学から学生を採用する。システム開発拠点の国際化も進めている。英語化は日本だけでなく、中国やアジア、欧州の拠点でもそうだ。英語は日本語よりもシンプルでストレートな言語だ。労働生産性のうえでも好ましいのではないか。エンジニアなどは英語でより新鮮な情報に接することができるようになる。仕事に使う単語は3000~5000語程度だろう」
 ――日本人同士のコミュニケーションは日本語の方がよいのではないか。
 「すべての社員が英語の能力を上げられるように研修など様々な機会を提供している。現時点では(会議などの)フォローアップを日本語で行わなくてはならないこともある。ただし、これから1年、1年半かければ全員が流ちょうな英語を話せるようになる。将来的には経営陣の半数は外国人になる可能性もある」
 ――円高・ドル安が進んでいる。買収には好ましい状況なのでは。
 「その通りだ。1ドル=85円台は非常にすばらしい状況。トヨタ自動車や日産自動車には申し訳ないが、円が強いことを歓迎している」



日経社説
最低賃金上げは慎重を期せ
 今年の地域別最低賃金引き上げの目安を議論していた中央最低賃金審議会の小委員会は、時間あたりの上げ幅を初めて全都道府県で10円以上とすることを決めた。全国平均では15円上がり時給728円になる。大部分の地域で現状維持とした昨年と比べ、賃金の底上げを鮮明にした。
 確かに景気は回復の動きがある。だがデフレが続き、特に中小企業の経営は厳しい。円高で大手企業の海外生産移転がいっそう進み、下請けの仕事がさらに減る恐れもある。
 目安通りに最低賃金が上がった場合、人件費増で苦境に陥る中小企業が広がり、雇用が失われないか心配だ。各都道府県の地方最低賃金審議会は地域ごとの実際の最低賃金引き上げに慎重を期すべきだ。
 小委員会で最後まで労使が対立したのは最低賃金の水準が低い沖縄、青森など16県の上げ幅だった。
 政労使などで構成する雇用戦略対話が6月、2020年までのできる限り早い時期に最低賃金を時給800円まで上げることで合意。現在629円と最も低い沖縄など4県は800円との差が大きく、労働側は16県について今年、少なくとも20円前後の引き上げが必要と主張した。
 一方、経営側は、800円への引き上げは20年度までの平均で名目3%などの経済成長が前提である点を挙げ、その実績のない今年、16県の上げ幅は1~3円とした。中立の学識者の裁定による10円以上という金額は労使の主張の間をとった形だ。
 問題はその賃上げの余力が中小企業にあるかだ。従業員30人未満の事業所の時間当たり賃金は今年6月、前年同月に比べ0.1%減り、2年連続マイナスだった。中小企業はコスト削減に追われ続けている。
 大手企業は新興国需要を現地生産でとって業績を急回復させているが、下請けは大手の国内生産縮小で受注が減っている。新事業への進出など経営改革にも資金がいる。最低賃金の引き上げは中小の経営を圧迫し従業員にも影響が及びかねない。
 生活保護の支給額が最低賃金より高い東京、神奈川など12都道府県は、受給者が職に就く意欲をそがないよう、着実に最低賃金を上げていく必要がある。ただし中小企業に無理がないようにする配慮もほしい。
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7インチiPadに第5世代iPhone、新型iPodがうわさに
 Appleの次世代iPod、iPad、iPhoneをめぐる新たなうわさが流れている。うわさによると、Appleは9月に新しいiPodを3機種発表する。iPod touch、nanoの新モデル、小さなタッチスクリーンを搭載したiPod shuffleという。iPodに3インチのタッチスクリーンが搭載されるともうわさされている(現行版iPod touchのディスプレイは3.5インチ)。
 さらに7インチディスプレイを搭載したやや小型のiPadが年内か2011年初めに登場すると言われている。iPhone 4のアンテナ問題に対処するために、第5世代iPhoneが早ければ1月にリリースされるとのうわさもある。1月には、Verizon Wireless向けのCDMA版iPhoneも発売されると報じられている。



アンドロイド携帯が初のトップ 4~6月の米スマートフォン市場
 今年4~6月期の米国の高機能携帯電話「スマートフォン」市場で、米インターネット検索大手、グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した携帯が、カナダのリサーチ・イン・モーションのブラックベリーを抜いて初めて首位となったことが分かった。米調査会社NPDグループが4日発表した。
 米通信大手が販売促進のために大幅割引などを実施したほか、米モトローラが有力な商品を市場に投入したことが功を奏した。
 アンドロイド携帯は、1~3月期に米電子機器大手アップルのiPhone(アイフォーン)を抜き、2位に浮上したばかりだった。4~6月期の市場占有率は33%で、1~3月期に比べ、5ポイント伸ばした。ブラックベリーは8ポイント減の28%で2位。3位のアイフォーンは1ポイント増の22%だった。



GoogleがZynga出資に続き,中堅ゲームデベロッパーSlide社を買収。Google Gamesへの布石か
 Googleが,Zynga出資に続き,中堅ソーシャルゲーム・デベロッパーであるSlide社を182百万ドルで買収したと米国ブログメディア(TechCrunch, VentureBeat 等多数)が報じた。
 Googleが買収したSlide社は中堅サイズで,最新Facebookデベロッパーランキング(AppData)では16位,MAUで延べ約1466万人のユーザーを持つデベロッパーだ。
 Googleは先月7月11日にも,秘かにZyngaに100-200百万ドルを投資(ソフトバンクと同ラウンド)したことをTechCrunch(元記事)にスッパ抜かれている。そしてその記事では,複数ソースからの情報として,今年後半に登場する予定のGoogle Gamesを睨んだものであると報じている。
 Googleが単純にゲームデベロッパーのポジションを狙うことは考えにくい。この一連の動きはプラットフォームとソーシャルゲーム提供をともに行う,モバゲーやグリーのような垂直統合型ビジネスモデルを目論んでいると推測される。
 ソーシャルゲームの価値は大きく2つある。短期的にはフリーミアムモデルで大きな収益を稼ぐこと,中期的にはゲーム系ソーシャルグラフを収集する装置としての役割だ。特にGoogleが目をつけているもの後者だろう。そしてそれはFacebook対抗とされるGoogle Meとも連係するものなのかも知れない。
 そしてもうひとつ,噂されているGoogle Musicとともに音楽やアプリの品揃えを強化し,年内にも登場しそうなクラウド型iTunesへの対抗する目的もありそうだ。
 



カプコン、家庭用ゲーム機でもネット課金に照準 収益機会拡大へ
 ゲームソフト大手のカプコンの辻本春弘社長は4日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、家庭向けの専用ゲーム機でインターネット機能を活用した課金サービスを拡大する考えを明らかにした。携帯電話向けゲームでは一般的になっている課金対応ソフトを、ソニー・コンピュータエンタテインメントの据置型機「プレイステーション3」などの専用機でも増やしていく。ソフト購入者との接点を密にして利用者がゲームを楽しむ時間を延ばすことで、収益機会の拡大を目指す。
 カプコンの2010年4~6月期決算は、専用機向けソフトの販売不振が響いて減収減益に陥った。「任天堂の『Wii(ウィー)』など専用機の発売から4、5年が経過して販売が鈍化したことに加え、国内外でソフトが飽和化するなど競争激化が響いた」(辻本社長)という。
 専用機向けソフト事業の収益を高めるには「ソフトを一度購入してもらったら終わりではなく、その後も長く遊んでもらえる仕組み作りが欠かせない」と辻本社長は強調。専用機のネット機能を使ってゲーム内のアイテムを追加購入するなどといった、追加コンテンツ(情報の内容)の課金販売を強化する。
 具体的には、9月末に米マイクロソフトの「Xbox360」向けに発売するアクションゲーム「デッドライジング2」で、ゲームの体験版を8月31日から有償配信する計画だ。カプコンでは、主力作品を中心に同様の取り組みを広げる。
 今後の成長が期待される携帯電話向けのソフト配信では、米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」へのソフト供給を強化するほか、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した交流機能を持つ「ソーシャルゲーム」にも参入する。
 ソーシャルゲームでは、国内はネットサービス大手のDeNA(ディー・エヌ・エー)の「モバゲータウン」向けに人気ゲーム「モンスターハンター」シリーズの新作を10日から、北米市場では9月以降にオリジナルゲーム4作品を投入する。
 ソーシャルゲームについて辻本社長は「大きく伸びている市場であり、ソフト会社としても無視することはできない存在になっている。今夏に投入するソフトの結果を受け、今後の対応を検討したい」と述べ、本格参入に含みを持たせた。



ソフトバンク宮内氏、ウィルコム事業家管財人に
 ソフトバンクとウィルコムは、ウィルコムの再生支援に向けて、同社取締役でソフトバンクモバイル代表取締役副社長兼COOの宮内謙氏を事業家管財人として派遣すると発表した。
 両社では2日、ウィルコムが進める会社更生手続きにともなうスポンサー契約を締結。ウィルコムの再生をソフトバンクが支援する形での契約となっており、ソフトバンク側から事業家管財人が派遣されることになっていた。今回、宮内氏が事業家管財人としてウィルコムへ派遣されることになった。
 あわせてソフトバンクモバイル幹部から管財人代理も選出されており、取締役専務執行役員 兼 CTOの宮川潤一氏、執行役員経営企画本部長の田中錬氏、財務経理本部長の内藤隆志氏がその任に就く。
 ウィルコムの経営は、現在、法律管財人と事業管財人が切り盛りする格好で、事業管財人として新たにソフトバンクから派遣された4名が加わることになる。ウィルコムによれば、8月5日付けでソフトバンク側の管財人が就任したとのことで、具体的な時期は未定ながら、これまでの事業管財人とバトンタッチするものと見られる。



ドコモ、お便りフォトサービス向けに新料金プラン
 NTTドコモは、デジタルフォトフレーム向けの新料金プラン「お便りフォトプラン」「お便りフォトプラン フル」を9月1日より提供する。現在提供されている「定額ユビキタスプラン」は8月31日で新規受付を終了する。
 今回提供が開始される「お便りフォトプラン」「お便りフォトプラン フル」は、ドコモが販売している通信機能付きデジタルフォトフレーム「フォトパネル 01」「フォトパネル 02」向けの新しい料金プラン。2年契約を条件に料金が割引される「お便りフォトプラン割」も用意される。
 「お便りフォトプラン割」を利用する場合、「お便りフォトプラン」は月額利用料が390円~780円(10万パケットまで)で、月10万パケット以上は当月末まで通信が停止される。「お便りフォトプラン フル」は月額利用料が390円~780円(10万パケットまで)で、10万パケット以上は1パケットあたり0.021円で推移し、月額5985円が上限の使い放題となる。いずれも月に5000パケットの無料通信分が含まれている。
 「お便りフォトプラン割」を利用しない場合、「お便りフォトプラン」は月額利用料が880円~1270円(10万パケットまで)で、月10万パケット以上は当月末まで通信が停止される。「お便りフォトプラン フル」は月額利用料が880円~1270円(10万パケットまで)で、10万パケット以上は1パケットあたり0.021円で推移し、月額9765円が上限の使い放題となる。いずれも月に5000パケットの無料通信分が含まれている。
 ドコモのデジタルフォトフレームでは、基本的なサービス利用料として「お便りフォトサービス」の月額210円が必要。2年契約の「お便りフォトプラン割」を途中で解約した場合は、9975円の解約金が必要になる。



記者の目◇トヨタ、主戦場アジアで「最高益更新」
 「相当な勢いで伸びているのはアジア。しばらくはアジアの活況が続くとみている」。トヨタ自動車の伊地知隆彦専務は4日、2010年4~6月期決算発表の記者会見で強調した。
 こうした展望を支えるのは直近の実績だ。4~6月期決算の所在地別セグメントで、「アジア」の営業利益は前年同期比3倍強の902億円に拡大。08年1~3月期の754億円を上回り、四半期ベースでの過去最高益を更新した。
 自動車業界の新たな「主戦場」となったアジアでの順調な滑り出しは、ギリシャ危機に揺れる欧州やエコカー補助金の打ち切りを控える日本の苦戦などを補い、11年3月期通期の業績展望に明るい光を投げかけている。
 トヨタの経営陣が逐一動向を追跡し、ベンチマークとしている競合他社がある。独フォルクスワーゲン(VW)、韓国・現代自動車、ホンダの3社だ。3社とも10年4~6月期の世界販売台数は、金融危機前の08年4~6月期の水準にほぼ並んだ。VWはアジアで7割以上、現代自動車はアジア・アフリカ・中東で6割前後、販売台数を伸ばしたことが原動力となった。
 トヨタもアジアで販売台数を増やしたが、伸び率は1割にとどかなかった。世界販売台数は182万台と08年4~6月期の8割台にとどまった。
 新興国需要の取り込みにおける出遅れ感は否めない。世界販売台数に占める新興国の比率をみると、10年4~6月期は現代自動車が42%、VWが41%、ホンダは37%。3社ともトヨタの33%を上回っている。
 新興国を中心とした販売戦略を前面に打ち出すことで、主力の車種構成を小型車から中型車に絞ることができる。2009年の各社の販売台数に占める小型車・中型車の比率は、VWが67%、現代自動車は59%、ホンダは50%。ここでもトヨタの44%を上回る。
 車種構成の集中が開発・生産の効率化につながることは言うまでもない。VWは「ポロ」「ゴルフ」「パサート」など主力車種を軸に、車台(プラットフォーム)の共通化を推進。現代自動車も車台の統合と開発期間の短縮を進めている。
 トヨタもグローバルには多様な車台を抱えているが、アジアに限れば「IMV」(低価格量販車)と呼ぶ単一の車台で稼ぐ戦略を推し進めている。アジアの「最高益」は共通化構想に支えられており、トヨタの全体の戦略を占う先行モデルといえる。
 トヨタの株価は7月に一時3000円ちょうどまで売られ年初来安値を更新。4日終値も3090円と、第1四半期末の1株当たり株主資本(3248円)を下回る水準で取引されている。ブックバリューからみて明らかに割安な株価反転のきっかけは「アジア」から始まるのかもしれない。



記者の目◇マクドナルド、好循環は続くのか
 日本マクドナルドホールディングスの業績拡大が続いている。4日発表した2010年1~6月期の連結業績は経常利益で前年同期比58%増の142億円と、上期として過去最高を更新した。不採算店舗の閉鎖や直営店のフランチャイズチェーン(FC)への切り替えで持ち株会社としての売上高は減ったが、FCを含めた全店の売上高は伸長。既存店売上高も2.8%増加した。デフレ環境下でも客単価の下落を抑え、着実な収益力向上を見せる同社の収益力の背景には何があるのか。同日記者会見を行った原田泳幸社長の言葉から「マック流の稼ぎ方」を探ってみた。
 「消費者はコモディティーでは価格にセンシティブ。一方、ホームベーカリーマシンのように新しいモノや珍しいモノ、精神的な豊かになるものを求めている」
 現在のマクドナルドの戦略は、原田社長のこの発言に集約される。1~6月期の収益のけん引役になったのは、1月以降順次投入した『ビッグアメリカ』と名付けたメニュー群。肉の量を増やすなど高付加価値を打ち出し、期間限定にすることで珍しさも訴えた。セットで740円前後と従来のセットメニューよりも100円程度高い価格設定にしたが売れ行きは好調。一時は販売数量を制限したほどだ。 下期以降も路線を継続する。7月にはチキンを使った新商品を投入、セットメニューの価格は670~690円と比較的高めに設定した。一部は8月下旬までの期間限定だ。足もとで進めている不採算店の閉鎖や既存店の改装も、単なる不振店のてこ入れが目的ではない。厨房(ちゅうぼう)設備などを拡充して、『ビッグアメリカ』シリーズのような戦略商品をいつでも豊富に投入できるようにするためだ。
 「低価格商品とちょっとしたプレミアム商品のバランスが大事。片方だけに傾くと非常に危険だ」
 マクドナルドはかつて、価格戦略に失敗したことがある。01年の株式上場時は足元同様に「デフレの勝ち組」として評価されていた。ところがその後は、低価格戦略の見直しが顧客離れを招き、国内初のBSE(牛海綿状脳症)発生の余波もあって業績が低迷した。現在の戦略は、当時よりかなり柔軟だ。
 例えば、朝食時間帯に100円メニューを投入したところ、既存店売上高や客数が2ケタ増えたという。一方、4月に出店した新型店舗では当初は100円メニューを無くして高級感を打ち出したが、原宿や渋谷など一部の改装店では、改装前に比べて売り上げが減少してしまった。可処分所得の比較的低いと見られる若い学生の集客が激減したのだ。そこで100円メニューを復活させたところ、客足が回復したという。
 場所や時間帯によって、高価格品が売れるケースもあれば価格への訴求が重要なケースもある。試行錯誤は現在でも続いているが、かつてとの大きな違いは客離れの危険を察知した時にすぐに戦略を切り替えられるだけの商品ラインアップを持っていることだろう。
 「スターバックスさんよりも多いはず」
 集客に効果を発揮しているもうひとつの大きな要因が、昨年度から仕込んでいたコーヒー戦略。09年11月にコーヒーメニューを追加してカフェラテやエスプレッソを開始。取り扱い店舗は急拡大、原田社長が関東ではスターバックスより多いと胸を張る1100店強に達した。朝時間帯にコーヒーを無料で配布するキャンペーンも継続中だ。カフェ利用のビジネスマンなど新規顧客を着々と取り込んでいた成果が、新商品のヒット続出という結果に表れている。この構造を原田社長は「優先順位をただしくつけることが重要」と解説した。
 好循環はいつまで続くのか。実は上期から4~6月だけをを取り出してみると『ビッグアメリカ』のような目玉商品が少なかったため、既存店売上高は前年同期比0.2%のマイナスだった。一方、4日に発表した7月の既存店売上高は9.8%増加(客数4.6%増、客単価5%増)だった。7月上旬から投入した「チキンバーガー」シリーズの効果が出た形だ。
 やはり店作りやイメージ戦略だけでなく、ヒット商品の継続的な投入が成長には不可欠ということになる。継続的な新商品の投入で客を飽きさせないという外食チェーンの宿命から、王者マックといえども逃れられない。
 秋口にかけ、チキンを使った新商品を出すという。原田社長が「指を加えて眺めているだけだったクリスマス商戦に参戦できる」と期待をかける戦略だ。大型商品となる可能性もあり、戦略の成否が今期業績に与える影響は少なくなさそうだ。



【東京新聞社説】
クラスター禁止 無差別兵器廃絶に一歩
2010年8月5日
 市民を巻き込み無差別に殺傷するクラスター爆弾の禁止条約(オスロ条約)が発効した。日本も積極的に後押しした。米ロ中など、大量に保有する国々に条約署名を強く働きかけたい。
 クラスターとは英語で植物の「房」の意味。一発の爆弾から何百という子爆弾が飛び散る。広範囲に目標物を破壊するが、不発弾が残ることが多く「第二の地雷」とも呼ばれる。ベトナムはじめアフガニスタン、イラクの戦場、レバノンやセルビア紛争で使われた。
 不発の子爆弾には手に取れる大きさで、色鮮やかなものもある。子どもがおもちゃと勘違いして触り、死亡したり手足を失う事故が後を絶たない。
 条約は、クラスター爆弾の使用、製造、開発、貯蔵、保有と輸出入を禁止した。批准した保有国は今後八年以内にすべて廃棄し、自国または管理下にある不発弾を十年以内に除去するよう義務付けられた。被害者には医療、リハビリ、心理的なケアを提供する。
 条約発効は無差別兵器の廃絶に向けた第一歩だと歓迎したい。ノルウェーやオーストリアなど有志国が主導し、日本も昨年、十四番目の批准国になった。七月末までに署名は百七、批准は三十八カ国に達し発効に必要な批准国数(三十)を上回った。
 政府だけでなく、NGOの国際的なネットワークが重要な役割を果たした。日本では「地雷廃絶日本キャンペーン」が積極的に活動した。十一年前に発効した対人地雷禁止条約(オタワ条約)と同様に、市民の力が非人道的な兵器の禁止に貢献した。
 だが、大量のクラスター爆弾を保有する米国をはじめ、ロシア、中国、イスラエルなどが条約に署名していない。米政府は「全面的な禁止を受け入れれば、米兵や同盟国を危険にさらす」と主張している。同爆弾の効果を認める国々が多く、世界全体で数十億発が保有されているという。
 国際的な世論を高め、保有国に条約加盟を強く促したい。対人地雷の場合、米国は条約には署名していないが、近年は戦闘での使用を自粛している。クラスター爆弾でも、保有国に対し同様の波及効果を期待する。
 日本も自衛隊が保有するクラスター爆弾を全量廃棄する方針で、来年度には廃棄に着手する。十一月にはラオスで国際会合がある。不発弾処理や負傷者の治療など、日本は積極的な支援を進めたい。

iPhoneソフトの「セカイカメラ」、KDDIが資本参加
 KDDI(au)は高機能携帯電話(スマートフォン)向けコンテンツ制作会社との提携を強化する。米アップル製「iPhone(アイフォーン)」などで人気のソフト「セカイカメラ」を展開する頓智ドット(東京・新宿)に資本参加する。頓智が近く実施する第三者割当増資を4億5000万円で引き受ける。KDDIは人気コンテンツの拡充で、スマートフォンの拡販につなげる。
 出資比率は非公表だが2割未満とみられる。頓智がKDDI以外の通信他社とも提携を広げられるように、持ち分法適用対象にはしない。
 セカイカメラはスマートフォンのカメラで街の風景を映すと画像などの情報を表示する、「拡張現実(AR)」といわれる技術が特徴。世界で100万件以上ダウンロードされ、アイフォーンの日本発の人気ソフトとして注目を集めている。頓智はセカイカメラを活用した参加型のソーシャルゲームの展開を計画しており、増資で得た資金を開発投資などに充てる。
 スマートフォンの投入で出遅れたKDDIは、今秋以降新機種を順次投入し巻き返しを図る。スマートフォンは操作性など機能とともに、ソフトの拡充が求められている。人気ソフトはベンチャー企業が開発するケースが多く、KDDIは資金面で頓智の開発や事業展開を支援する。



米ソーシャルゲーム配信大手、国内ネットVBを買収
 交流サイト(SNS)向けゲーム最大手の米ジンガゲームネットワーク(カリフォルニア州)は、国内で同業のベンチャー、ウノウ(東京・渋谷、山田進太郎社長)を買収した。買収総額は数十億円とみられる。ジンガはソフトバンクと提携している。ウノウの開発力を加えることで、人気ゲームを国内やアジア地域のSNSに配信できる体制を整える。
 8月上旬、ウノウの全株式をトランスコスモスやngi groupなどの株主から取得した。ジンガはソフトバンクとの合弁会社「ジンガジャパン」を設立する予定。社長にはソフトバンクの幹部か山田社長が就任する予定。
 ジンガはSNSの会員を対象としたゲームを開発、約5億人の会員を抱える米SNS最大手のフェースブックなどにゲームを配信している。農場をSNS上の友人と経営するなどの簡単なゲームが中心で、月間の利用者数は全世界で2億3000万人に上る。ウノウがそれらのゲームを日本語に対応したり、共同開発したゲームを国内外のSNSに配信。アジア展開の拠点とする。
 ウノウは2001年設立のネットベンチャー。街を育成するなどのゲームをミクシィ、ディー・エヌ・エー(DeNA)といった国内大手SNSに配信して人気を集めている。



「mixiを焼き畑にはしたくない」 アプリは「ブーム一巡」、ボイスは月間1億投稿
 「mixiアプリのブームは一巡したが、mixiボイスやmixiフォトなどが伸びている。アクティブユーザーも増えている」――ミクシィの笠原健治社長は8月4日の決算会見で、コミュニケーションプラットフォームとしてのmixiの好調ぶりをアピールした。
 同日発表した2010年4~6月期の決算は前年同期比で増収増益。だが、課金型ソーシャルゲームで破格の急成長をとげたグリーやディー・エヌ・エー(DeNA)と比較すると見劣りする。笠原社長は「他社と同じようなこともやろうと思えばできるが、mixiを焼き畑にはしたくない」と話す。
 7月31日現在のmixiの登録ユーザー数は2102万人。月に1回以上ログインしたユーザーは1430万人(7月時点)と、登録ユーザーの7割に上る。
 ユーザーのアクティブ率は、テレビCMを始めた今年3月以降、急上昇。ひとことサービス「mixiボイス」や、スケジュールを共有できる「mixiカレンダー」、写真で交流できる「mixiフォト」など、4月以降に投入/リニューアルしたサービスも好調で、mixiボイスの1カ月の投稿数は1億件を超えたという。
 だがページビュー(PV)は下降傾向。mixiの月間PVは、3月(PC:53億3000万、モバイル:266億6000万)を頂点に減退している。mixiアプリのブームが一巡したことがその原因という。ソーシャルゲームの成長でPVを急拡大させているDeNAと対照的だが、「ソーシャル性の強いmixiアプリは、今もユーザー数やPVを着実に伸ばしている」と笠原社長は話す。
「mixiを焼き畑にしたくない」
笠原社長
 同日発表した2010年4~6月期の決算は、売上高が前年同期比31.2%増の40億1300万円、営業利益が23.8%増の10億7400万円、経常利益が17.8%増の10億2900万円、純利益が3.1%増の4億7500万円。4~9月期の営業利益予想は、当初より31.7%増の13億7000万円に上方修正した。
 業績は堅調だが、4~9月期の売上高予想を500億円としたディー・エヌ・エー(DeNA)や、急成長を続けているグリーといった同業他社と比べると、成長率では見劣りする。
 収益力の差は、ソーシャルゲームのARPU(加入者1人当たりの売上高)の違いが要因だ。DeNAが運営する「モバゲータウン」やグリーの「GREE」はARPUの高いゲームが収益拡大に貢献しているが、mixiアプリは、現実の友人・知人同士で無料や少額課金で遊べるよう、ARPUは低めになっている。
 4~6月期のmixiアプリの課金売り上げは3億3000万円にとどまっており、DeNAの159億2800万円(課金、広告などを含むソーシャルゲームからの売り上げ)との差は大きい。
 mixiアプリは、ARPUの拡大は目指さないという。「ARPUの拡大は、やろうと思えばできる。ゲーム性の高いゲームを投入していけば、焼き畑的に収穫できると思う。だが売上高や利益は一番最後の指標。まずはサービスの質を高めることに力を注いでいる」
 DeNAとヤフーが共同で作る「Yahoo!モバゲー」や、NHN Japanの「ハンゲーム」のオープン化など、ソーシャルゲームプラットフォームがさらに増えつつあるが、他社プラットフォームは現実の人間関係よりゲーム中心で、「mixiとは完全に一線を画している」。
 同社はオープンプラットフォームの先駆けとして、各社のプラットフォームの仕様ができるだけ共通になるよう技術サポートなどを行い、「アプリ事業者がビジネスをしやすいようにしていきたい」という。
 mixiの機能を外部のWebサービスや端末などで使えるようにする新プラットフォームの詳細は、9月10日に発表する予定。年内をめどにサービスインする計画だ。



スマートフォン、米で競争激化 RIMが新製品
 米国で高機能携帯電話(スマートフォン)の新商品発売が相次いでいる。シェア首位のリサーチ・イン・モーション(RIM、カナダ)が12日にタッチパネルを搭載した「ブラックベリー」を投入。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」や、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した商品との競争が激化しそうだ。
 RIMの「ブラックベリートーチ9800」は同社の特徴である操作性が高いキーボードに加え、画面に触れて操作するタッチパネルを搭載する。1999年にブラックベリーを発売したRIMは、電子メールの利用が多いビジネス客を中心に支持を広げてきた。ただここ数年は使い勝手のいいタッチパネルで先行したアップルなどに追い上げられており、商品力の強化が急務だった。
 米調査会社のニールセンによると、今年4~6月期の米スマートフォン市場におけるRIMのシェアは33%。米モトローラなどが販売するアンドロイド搭載商品が27%、アップルが23%と続く。1年前はRIMが市場の半分近くを握る状態だったが、RIM、アンドロイド陣営、アップルの三強がしのぎを削っている。
 従来型の携帯はコモディティー(汎用品)化が進み、米市場のシェア上位5社うち、サムスン電子(韓国)とノキア(フィンランド)の携帯事業は4~6月期に営業減益。LG電子(韓国)は営業赤字となった一方、価格を比較的高く設定できるスマートフォンの販売が堅調だったモトローラとRIM(3~5月期)は増益を確保した。
 ただ米ヒューレット・パッカード(HP)が米パームを買収してスマートフォンへの本格参入を狙うなど、成長市場をめぐる競争は一段と激しくなる見込み。アラブ首長国連邦(UAE)などがRIMの電子メール機能を制限する動きを見せるなど波乱要素もある。
 今後は商品の性能に加え、端末に取り込んで使うアプリケーションソフト(アプリ)を充実させるなど、ハード、ソフト両面の強化が競争を勝ち抜くカギになりそうだ。



マイクロソフトの法務担当者、日本の公取委と面会
 日本のヤフーと米グーグルによるインターネット検索・広告システムの提携に米マイクロソフト(MS)が反対していることについて、MSの法務担当者が来日して日本の公正取引委員会の担当者と面会したことが4日、分かった。MSは「日本の検索・検索広告のほぼすべてをグーグルが支配することになる」と反発しており、グーグルの競争相手としての立場からの懸念を公取委に伝えたとみられる。
 MSは先月30日、「提携が競争を阻害するものであると裏付ける証拠を(日本の)公正取引委員会に対して提示する計画がある」と表明していた。
 MSは2008年に米ヤフーとグーグルの提携に反対。米司法省が同提携を承認せず、翌年にMSが米ヤフーと提携した経緯がある。日本の公取委は「ただちに独禁法上の問題にはならない」との見解を現時点で示している。



MSNチャイナに中国企業が出資観測 グーグル対抗軸も
 米マイクロソフトと中国の上海聯和投資公司が折半出資するMSNチャイナに香港上場のメディア関連会社、文化中国伝播集団(北京市)が資本参加するとの観測が浮上している。地元メディアでは、中国の検索サイト市場のシェア調査で低迷が続くMSNチャイナが、中国当局との結びつきがある文化中国との連携で劣勢を立て直すのが狙いとの見方が出ている。
 文化中国は7月末、中国のインターネット関連企業と発行済み株式の50%を1億ドル(約86億円)で取得する文書を交わしたとの公告を出した。これを受け地元メディアは相次ぎ、「相手はMSNチャイナではないか」と報道。ニュースサイト「捜狐IT」は3日、MSNチャイナは、中国共産党機関紙の人民日報の傘下企業と共同事業を手掛ける文化中国との連携で業容拡大を図る思惑があると伝えた。
 中国の検索サイト業界では、米グーグルがインターネット検閲を巡り、当局と対立して市場シェアを落とした。MSNチャイナの名前が取りざたされるのも、同社にとってグーグルの行動が反面教師になったのではとの見方が底流にある。



3D映画で体調不良? 国民生活センターが注意喚起
 世界的な大ヒット映画「アバター」に代表される3次元(3D)映画を映画館で見た後、目の痛みや頭痛などの体調不良を訴える消費者からの相談が全国の消費生活センターなどに寄せられていることが4日、分かった。今年夏からは家庭用の3Dテレビの販売も本格化しており、今後は家庭でも同様の被害が拡大する恐れがある。
 国民生活センターは「体調不良を感じたらすぐに視聴をやめてほしい。特に子どもには部屋を明るくして長時間見続けない、見るときは姿勢を崩さないなどの配慮も必要」と注意を呼び掛けている。
 同センターによると、今年3月から7月までの間に計5件、3D映画を見た後に体調が悪くなったなどといった相談があった。
 広島県在住の60歳代の女性は字幕版の3D映画を見た後、目の奥が痛むようになり、数日間にわたり物が二重に見える状態が続いた。福岡県の40歳代女性は映画を見終えた後に激しい頭痛に襲われ、一緒に映画を見た人にも同様の症状が現れたという。
 3D映像に詳しい特定非営利活動法人(NPO法人)映像評価機構(東京)の千葉滋理事長によると、3Dで体調不良になるという科学的な立証はないが、「3Dの原理上、2次元の映像よりも酔いや疲労が起きやすいことは知られている」という。
 臨場感がある立体的な映像が売り物の3D映画は昨年末に公開された「アバター」以降、外国映画を中心に相次いで公開され、今年夏以降は東映や東宝も3D対応の映画を配給する予定。大手家電メーカーも家庭用の3Dテレビの販売を本格化させている。
 同センターは「今後被害が広がらないか注視が必要」と指摘。センターから対策を要望された映画産業団体連合会(東京)は「要望を真摯(しんし)に受け止め、映画館に注意喚起の掲示をするなど何らかの対応を検討したい」としている。



時間・人数限定で割引券を共同購入 ぐるなびがサービス開始
 飲食店情報サイト運営のぐるなびは、飲食店の割引利用券をインターネットで格安に販売するサービスを始める。制限時間内に、予定した人数の買い手が集まることを前提とした共同購入方式をとり、価格を大幅に引き下げる。米国で広がったサービスで日本でもベンチャー企業などの参入が相次いでいる。ぐるなびは飲食店への営業力を生かし、新たな販促手法として提案する。
 国内初のサービスを4月に始めたピクメディア(東京・渋谷)と提携し、9月に専門サイトを設ける。「コース5割引き」など割引内容と販売予定数を示して購入を呼びかけ、時間内に人数が集まった場合のみ利用券を発行する。人数が集まった場合、購入者はメールで通知を受け、クレジットカードなどで飲食代を事前に支払う。ぐるなびとピクメディアは飲食店から一定の手数料を受け取る予定。
 同サービスは「フラッシュマーケティング」と呼ばれ、4月からベンチャー企業やリクルートなど20社超が取り組んでいる。ぐるなびは全国10万の飲食店ネットワークと約1000人いる営業部員を生かし、改装時や閑散期の集客方法として利用を提案する。



米政府、インテルと和解
 米連邦取引委員会(FTC)は4日、パソコン向け中央演算処理装置(CPU)などの販売をめぐり、独占禁止法(反トラスト法)違反の疑いで米半導体大手インテルを訴えていた問題で、両者が和解に達したと発表した。競争相手のCPUを使わないようパソコン大手に圧力をかけるといった反競争的行為を禁じた。制裁金の支払いはない。
 FTCによると、インテルのCPUを独占的に購入し競争相手の製品を排除する見返りとして供与していたリベートや、インテル以外の製品を使った場合の報復行為も禁じた。他の半導体メーカーとの特許契約も自由度を増やすよう修正するよう命じた。
 FTCのレイボウィッツ委員長は記者会見で「和解受け入れで、今日から競争が再開される」と歓迎。最終決着まで数年間待つよりも、インテルの反競争的な取引慣行の見直しを進める方が得策と判断したと説明した。
 FTCは2009年12月、優越的地位を利用し公正な競争を妨害したとして提訴。インテルは09年に欧州連合(EU)欧州委員会から巨額制裁金の支払いを命じられ、日本法人が05年に日本の公正取引委員会から排除勧告を受けている。



「TSUTAYA」のCCC、電子書籍参入を検討 雑誌ネット販売のFujisanを関連会社に
 「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は8月4日、雑誌販売サイトを運営する富士山マガジンサービス(Fujisan)と業務・資本提携し、同社を持分法適用関連会社化すると発表した。CCCの顧客基盤と雑誌販売で連携するほか、両社の強みを生かした電子書籍サービスの開始も検討する。
 18日付けで、Fujisan株主のトランスコスモスとngi groupから、Fujisan株式の26.67%分を1億6752万5000円で取得する。またFujisanが8月下旬に実施する第三者割当増資をCCCが引き受け、追加で株式を取得する予定。増資引き受け後のCCCの保有割合は33.33%になる。
 Fujisanは雑誌の定期購読受け付けやバックナンバー販売を行う「Fujisan.co.jp」を運営し、8000誌超を取り扱っている。iPhone/iPadで閲覧できる350誌を含むデジタル雑誌400誌超も扱っている。
 提携で、CCCグループや「Tポイント」参加サイトとFujisanの雑誌販売を連携させるほか、TSUTAYA店舗でのFujisanの雑誌定期購読の取り扱いを検討。FujisanはTポイントに参加する。また両社で電子書籍サービスの開始も検討する。



【産経主張】日韓併合100年 いまさらなぜ首相談話か

 8月29日の日韓併合100年に向けた首相談話について、菅直人首相と仙谷由人官房長官は「慎重に検討する」との答弁を繰り返している。国民に中身を知らせず、議論も尽くさないままの談話発表は許されない。
 日韓併合をめぐる両国間の大きな対立点は、100年前の明治43(1910)年に結ばれた併合条約の法的効力をめぐる争いだ。
 昭和40(1965)年の日韓基本条約で、第2条の「もはや無効である」との解釈をめぐり、日本側は「併合条約そのものは有効に結ばれた」と主張した。これに対し、韓国側は「日本の不当な圧力によるもので、締結時から無効だった」と主張した。
 この対立は現在も尾を引いている。3月に発表された第2期日韓歴史共同研究の報告書でも、「明治政府の強制はあったが、日韓併合条約は有効だった」とする日本側学者の見方と、「大韓帝国の皇帝(高宗)の署名がなく、無効」とする韓国側の主張は、ほとんどかみ合っていない。
 だが、2001年、米国での国際学術会議で、欧米の国際法学者らは「日韓併合条約は国際法上は不法なものではなかった」などと韓国の学者の一方的な見解を批判した。日本側の見解が国際的に受け入れられている。
 韓国が首相談話に何を期待し、菅内閣が何を盛り込もうとしているかは分からないが、仮に、併合条約を「当初から無効」とする韓国側の主張に同調するような内容であれば、重大な禍根を残す。
 単なる“謝罪談話”で終わるにしても、韓国は内容を不満として強く抗議してくることが予想される。それでもなお、首相談話を発表する必要性があるのか、極めて疑問である。
 日本の「植民地支配と侵略」を謝罪した平成7年の村山富市首相談話は、事前に有力閣僚や与党幹部に詳しい説明が行われず、終戦記念日の8月15日の閣議で、半ば唐突に出された。
 昭和57年夏の教科書騒動はマスコミの誤報が発端だったにもかかわらず、官房長官談話で「記述是正」を中韓両国に約束した。平成5年の慰安婦に関する官房長官談話は、根拠なしに慰安婦の“強制連行”を認めた内容だった。
 国民のことを少しも考えず、ただ近隣諸国に配慮するだけの首相談話などは不要である。
ドコモ・大日本も電子書籍に参戦 3陣営出そろい、争奪戦激化
 NTTドコモと大日本印刷は4日、電子書籍事業で業務提携すると発表した。書籍やコミック、雑誌など10万点超のコンテンツの収集から配信、電子書店の運営までを一貫して手がけるサービスを10月末にも始める。共同事業会社の設立や海外への配信も検討。多くの出版社や端末メーカーにも協力を呼びかける。
 電子書籍の配信サービスでは、ソフトバンクが米アップルの多機能情報端末「iPad(アイパッド)」向けなどを展開。KDDIも凸版印刷などと組んで年内に参入する。ドコモ・大日本連合の提携で、通信大手3社を核とする3陣営が出そろった。
 大日本が持つ出版業界との親密な関係や書籍のデジタル化のノウハウと、ドコモが持つ5600万人の携帯電話の顧客基盤と料金徴収システムを活用。ドコモが販売する携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)のほか、タブレット型端末、電子書籍端末などに配信する。
 ドコモは12月に高速で大容量のデータをやりとりできる次世代高速データ通信規格「LTE」の商用サービスを開始する予定。先行するLTEの強みを生かし、KDDIやソフトバンクに対抗する。
 同日、記者会見した大日本印刷の高波光一副社長は「業界トップの両社の提携で、大きなシナジー(相乗効果)が生み出せる」と語った。
 通信大手では、ソフトバンクが6月に、子会社を通じて、アイパッドやスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」に向けに新聞や雑誌などのコンテンツ配信を開始。KDDIは7月に凸版印刷やソニーなどとの共同出資で電子書籍の配信に向けた準備会社を設立し、年内のサービス開始を目指している。
 各社とも音声通話による収入が落ち込む中、データ通信収入の増加につながる電子書籍を重視しており、今後、顧客に加え、有力端末や優良コンテンツの囲い込み合戦が激化するのは必至だ。



「3Dスマートフォン」開発検討 シャープ
シャープが、3D機能を持つ多機能携帯電話(スマートフォン)の開発を検討していることが2010年8月4日、分かった。
一部報道では、片山幹雄社長が3Dスマートフォンを年内に発売すると発言したとあったが、シャープ広報は取材に対し、「発売時期を含め、詳細は一切未定」と答えた。
シャープは10年4月2日、専用メガネを必要としないタッチパネルつき3D液晶ディスプレーを、5月12日には立体映像が撮影可能なモバイル機器向け3Dカメラモジュールをそれぞれ発表している。新型の3Dスマートフォンには、これらの機能が搭載されると見られている。



バーンズ・アンド・ノーブルが身売り検討、電子書籍市場で苦戦
 [ニューヨーク 3日 ロイター] 米書店大手のバーンズ・アンド・ノーブルは3日、身売りを検討していると発表した。同社は電子書籍市場における主導権争いで苦戦が続いている。
 創業者で筆頭株主のレナード・リッジオ氏は取締役会に対し、同社を買収する可能性のある投資家グループへの参加を検討していると報告した。 
 著名投資家のロン・バークル氏も同社に関心を示しており、ここ数カ月、株式を買い増してきた。また同氏は、買収防衛策が株式取得を妨害しているとして同社を提訴していた。今回の発表に対するバークル氏のコメントは得られなかった。
 バーンズ・アンド・ノーブルは4人の社外取締役から構成される特別委員会を設置したことを明らかにした。株主価値向上に向けてあらゆる選択肢を検討する。
 発表を受けて、同社の株価は時間外取引で27%上昇した。



描き下ろし電子コミック誌「電撃コミック ジャパン」創刊へ 日本初
 アスキー・メディアワークスは4日、電子コミック雑誌「電撃コミック ジャパン」を12月に創刊すると発表した。紙の雑誌で発表されていない描き下ろしの作品だけを載せた電子版漫画誌は日本初という。
 米アップルの多機能情報端末「iPad(アイパッド)」や多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」のほか、ウェブ上で読むことができる。パイロット版(120ページ、無料)を秋に電子書籍サイト「理想書店」を通じて配信する。
 同社によると、執筆陣は外薗昌也(ほかぞの・まさや)さん、押切蓮介(おしきり・れんすけ)さん、見ル野栄司(みるの・えいじ)さんら第一線で活躍する漫画家や新人を含む24人。創刊号は無料で提供し、2号目以降は500円で月1回の発行を目指す。
 掲載作品は紙の本でも単行本化し、書店で販売する予定。今後、英語や中国語版も制作していくという。



〝タッチ特需〟パネル増産ラッシュ 関連メーカー、ウハウハ
 画面を直接触って操作する電子部品「タッチパネル」市場の活況を受け、携帯向けタッチパネル製造の日本写真印刷が大増産体制を敷く。従来は券売機など限定的な市場だったが、世界中で販売が伸びているスマートフォン(高機能携帯電話)への搭載で需要が一気に拡大。さらに、米アップルの新型情報端末「iPad(アイパッド)」などパソコンでもタッチパネルの搭載が進むことが見込まれ、メーカー各社が対応を急いでいる。
象徴的な部品
 「スマートフォン向けを中心に、タッチパネルの需要は世界的に旺盛になっている」。タッチパネル向け部材である光学用透明粘着シートを製造している日東電工の広報担当者は、スマートフォン効果を強調する。
 タッチパネル自体は以前からある電子機器だが、アップルが2007年に発売したスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」に搭載したことで一気に注目が高まった。携帯電話メーカー幹部が「タッチパネルを使っていないとスマートフォンとみなされない」(国内大手)というように、スマートフォン市場の急成長に合わせてタッチパネルの利用も広がっている。
 今後も米インターネット検索大手グーグルの基本ソフト(OS)を搭載した「アンドロイド端末」を中心にスマートフォンの出荷増が見込まれ、タッチパネルの出荷も引き続き成長を続けるのは確実。市場調査会社のシード・プランニングでは、タッチパネルの世界市場規模が09年の40億ドル(3720億円)から15年には145億ドルに拡大すると予想する。
 この活況の恩恵を受けているのがタッチパネル関連メーカーだ。日本写真印刷の携帯電話向けのタッチパネルの売上高は2010年3月期に前年同期比50.4%増の388億円に増加。11年3月期には430億円を見込む。今後の需要増に応えるため、兵庫県姫路市で東芝モバイルディスプレイから土地・建物を借りて専用工場化し、9月をめどに稼働を開始する予定だ。「携帯電話向けは出荷数が多く、将来的な事業拡大に備えることが欠かせない」(広報部)とし、今後も積極的な事業展開を行う考えだ。
期待のタブレット型
 また、スマートフォンに続き、一層の市場拡大の牽引(けんいん)役として期待されるのが、タッチパネルを使ったタブレット型パソコンの伸長だ。
 持ち運びのしやすいタブレット端末は、アップルが4月に発売したアイパッドで一気に注目され、パソコン各社も投入計画を相次ぎ打ち出している。
 とりわけ注目されるのが米マイクロソフトが昨年10月に発売したOS「ウィンドウズ7」の対応機だ。同OSはタッチ操作に対応しており、年末までに米ヒューレット・パッカードなど各社が対応製品の発売を表明している。
 IT調査会社のMM総研の中村成希アナリストは「機能性と機動性を両立したタブレット型パソコンは、新たな需要を掘り起こす」と指摘。米調査会社のアイサプライはタブレット型パソコン向けのタッチパネルの世界出荷数が09年の17万6000枚から13年には約6390万枚に一気に跳ね上がると予想する。
 ただ、日本のタッチパネル関連メーカーにとっては手放しで喜んでばかりもいられない。アイパッドのタッチパネルには台湾の電子部品メーカー勝華科技(ウィンテック)の製品が使われるなど、台湾や中国、韓国のメーカーによる攻勢が活発化している。
 国内タッチパネル関連メーカー幹部は「この1年で需要も伸びたが、価格低下圧力も一気に増している」と打ち明け、価格競争の激化を予想する。成長するタブレット型パソコンの裏側で、世界の電子部品メーカーによるシェア争いの本格化が必至だ。



「Motorola、Android搭載テレビタブレット開発」の報道
 携帯電話メーカーの米Motorolaが米キャリアVerizon Wirelessと協力して、AppleのiPadに対抗するデジタルタブレットを開発していると、Financial Timesが8月4日に報じた。
 この製品は、ユーザーがテレビ番組を視聴できる機能を備え、Verizonの有料デジタルテレビサービスFiOSと連係するものになる見込みだと、同紙は製品計画を知る筋の話として伝えている。
 この製品は早ければ秋に米国で発売され、10インチのディスプレイとGoogleのAndroidを搭載するという。
 またカメラを2台装備し、ユーザーは近くのデバイスとワイヤレス接続を共有できる。iPadとは異なり、人気動画サイトの閲覧に使われるAdobeのFlashをサポートするとFinancial Timesは伝えている。
 MotorolaとVerizonからコメントは得られていない。



(携帯放送新時代) 有料会員、どう獲得 コンテンツの充実カギ
 昨年3月、日本の携帯端末向け放送の草分けとされた「モバイル放送(モバHO!)」がひっそりと放送を停止した。
安さアピール
 東芝や韓国のSKテレコムなどが出資。放送衛星を使い、10チャンネルの映像番組などを用意、2004年から放送を始めた。しかし、06年に無料の携帯向け地上デジタル放送「ワンセグ」がスタートするなど事業環境が悪化。月1000円超の料金、6万~7万円の専用端末が必要なモバHO!は消費者に受け入れられず、加入目標200万人に対し集まったのは約10万人。携帯向け有料放送の難しさが浮き彫りになった。
 7月中旬、都内で開かれた展示会。NTTドコモは12年春のサービス開始を目指す携帯向け次世代放送の試作機を公開した。フジテレビジョンの協力でお笑いタレントのライブなどを中継。見物客は画質の良さに驚く。
 ドコモと「放送免許」1枠を争うKDDIの小野寺正会長兼社長も「次世代放送は電子書籍などコンテンツも幅広い」とモバHO!との違いを強調する。受信端末も携帯電話やゲーム機、電子書籍端末など多様だ。
 成功のカギは魅力的なコンテンツの調達と端末の普及。次世代放送は放送設備を携帯電話会社が運営する点でもワンセグと異なる。民放幹部は「我々がコンテンツに専念できるよう、利用しやすい放送環境を整えてもらいたい」と注文する。
 07年春、米国で「メディアフロー」方式による携帯放送が始まった。同方式を開発した米クアルコムは7月8日、台湾・遠伝電信と組み、現地で免許を取得する意向を表明。マレーシア、香港、英国でも実証実験に取り組む。
 「世界標準への布石は進んでいる」(クアルコムのポール・ジェイコブス最高経営責任者)。同社とKDDIは世界標準化でメーカーに量産を促し、安価な端末の普及を狙う。このほどシャープも日本勢で初めてメディアフロー端末の供給を米国で始めた。
 スポーツや映画を放送している米国の料金は月額10~15ドル。ドコモ陣営が計画する料金は月額約300円だ。山田隆持社長は「視聴料の安さが普及の条件」とみる。当初700億円とされた設備投資も438億円に抑制。「設備利用料も安くして多くのコンテンツ事業者に参加してもらうためだ」(山田社長)。
「2社で競争を」
 視聴料などから概算すると採算ラインは視聴者270万~310万人。ただ、携帯の世界で300万人が利用する有料コンテンツサービスを立ち上げるのは容易ではない。09年5月から始まったドコモの有料動画配信「BeeTV」(月額315円)。加入者を125万人(6月時点)に増やすまでコンテンツ制作などに多額の資金を投じてきた。
 3日夕、衆院議員会館で民主党の情報通信議員連盟が総務省幹部、ドコモ、KDDI両社長を交えて開いた作業部会。免許1枠を両社が争う現状に、民主党議員が「2社とも選び競争させればいい」と詰め寄った。総務省側は「2つの方式が併存すると投資効率が悪く普及を阻害する」などと説明するにとどまった。
 今、インターネット上には有料・無料の映像があふれる。携帯放送が消費者をひき付けるのは楽ではない。コンテンツ力と集客力の好循環をいかに生み出すか。免許獲得がそのまま成功につながるとは限らない。



中国、外資悩ます「自国優先」 国内企業保護・資源囲い込み 依存・不満、揺れる日米欧
 今年、国内総生産(GDP)で日本を抜き、世界第2位の経済大国となる見通しの中国。日米欧などの企業が一段と中国依存を深めるなか、新たな摩擦が表面化してきた。国内市場では自国企業の優遇を強め、国内外で半ば強引に資源を囲い込む。超大国の振る舞いが、波紋を広げている。
「自主」で摩擦
 全米商工会議所が先週発表した報告書「中国の『自主創新』運動」が反響を呼んでいる。「自主創新」は中国が2006年に打ち出した自主技術育成への政策だが、報告書は外資から見れば「歴史上、類をみない規模の技術窃盗計画」と評した。
 中国当局批判を控えてきた米欧企業の首脳も、公然と不満を漏らし始めた。「外資は中国市場参入の見返りに、ノウハウ開示を強いられている」――。7月、メルケル独首相の訪中時に、独シーメンスとBASFの首脳が温家宝首相に投資環境の改善を直訴。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のイメルト会長も最近、中国の自国企業優遇策を嘆いた。
 慎重な日本勢も動いた。中国進出企業で構成する中国日本商会は4月、内外無差別の徹底などを求める建議を当局に提出した。
 風向きは変わった。中国もいずれ米欧主導の国際ルールに従うとの期待は、世界貿易機関(WTO)加盟から8年たっても実現していない。むしろ経済ナショナリズムが台頭している。
 昨年11月にはハイテク製品の政府調達で国内開発製品を優遇する制度を発表。4月に一部見直されたものの、不透明さが残る。インターネット検閲で当局と対立した米グーグルは7月に免許更新を認められたが、市場では中国の百度(バイドゥ)の優位が高まった。
 外資から技術を吸収した中国企業は海外でもライバルになりつつある。ブラジル高速鉄道では中国は日本や韓国と並び落札を狙う。日本やドイツなどから技術を導入し、改良。「世界の最先端」(鉄道省の何華武・総工程師)を標ぼうする。
 資源戦略でも異質さが際立つ。資金力を盾に原油や鉄鉱石の権益確保に動く国有企業の投資先は、スーダンなど欧米から批判され国際的に孤立する国を含む。鉄鉱石取引を巡っては、中国当局が産業スパイ容疑などで英豪系資源大手リオ・ティントの元社員を逮捕。豪との摩擦に発展した。
 一方、自国資源は守る。世界供給の9割以上を占める希土類(レアアース)では今年の輸出枠を前年比4割減らした。
産業育成に焦り
 強引な政策の背景には政府の危機感がある。8%前後の成長持続に資源確保は不可欠。相次ぐ賃上げストは「安い労働力で大量生産」の成長モデルの曲がり角を示す。
 米社調査では中国で組み立てられる米アップルの「iPad(アイパッド)」の製造コストは9ドルで価格(499ドル)のわずか2%と付加価値が低い。産業の底上げへ「今こそ技術やブランド力を備えた企業の育成を」という焦りは強い。
 1~6月の外資の対中直接投資額は前年同期比約2割増え、中国側は「投資環境悪化との批判は誤り」(温首相)と主張する。だが、対中投資の長期的な損得について企業は悩み始めた。中国の政策が変わらなければ、米欧政府との間でも人民元改革などに加えて摩擦の種が増えることになる。



記者の目◇スズキ、インドでの絶対優位は続くのか
 スズキは3日、2010年4~6月期の連結営業利益が前年同期比4.7倍の319億円になったと発表した。ホンダや日産自動車など他の自動車大手同様に利益が急回復したが、今回は増益要因のなかに得意のインドの姿が見あたらない。主なけん引役は日本や欧米の採算改善だ。これまで幾度となく同社の好決算をけん引してきたインドでの絶対優位は今後も続くのだろうか。
 営業利益は前年同期から250億円増えたが、これを地域別にみてみると、このうち日本が7割を占めた。欧米や中南米向けなどの輸出が前年同期比2倍以上に膨らんだ上、国内でも軽自動車の販売が1割増加。国内生産台数が29%増の27万台に回復するなど量産効果もあり、日本の所在地別営業損益は158億円の黒字(前年同期は20億円の赤字)になった。
 一方、インドが中心のアジアは115億円と前年同期比3%増にとどまり、伸び率は09年4~6月期の33%増を大きく下回った。これは販売店の拡充などで投資がかさんだほか、物価上昇で材料費も高騰したため。「競争に負けて販売力が落ちたとかそういう本質的な理由ではない」(同社幹部)という。
 ただ、最近のインド市場の競争は急速に激しくなっている。スズキは今でも50%近いシェアを誇るものの、足元では韓国の現代自動車や現地のタタ自動車、米ゼネラル・モーターズ(GM)などの海外勢に加え、トヨタ自動車やホンダ、日産自動車など日本勢も攻勢をかけており、徐々にシェア格差は詰まり始めている。
 実際、4~6月のインドの新車販売台数はタタが49%増、GMが2倍弱、米フォード・モーターが3.7倍、トヨタが56%増となり、いずれもスズキの23%増を上回った。ある自動車大手幹部からは「以前のようにスズキさんの独壇場ではなくなってきたね」との声も出る。各社が工場増強やインド専用車など新製品投入を加速するなか、スズキの鈴木俊宏取締役は「タタだけでなく、現代自、トヨタなど皆が脅威だ」と警戒している。
 今後は2~3年以内に現在790店ある販売店を1000店以上に拡大するほか、部品の補給拠点や倉庫なども新設。販売、物流地域の拡大や効率化を図る。結果的に今期のインドの採算性は落ちるかもしれないが「目先の利益を捨てて将来のシェア確保につなげる」(幹部)考えだ。
 製品面でも、今期は1999年に発売した「ワゴンR」を4月に全面改良して発売。スズキが他のモデルを含めてインドで全面改良車を投入したのは初めてで、顧客奪取への意気込みが見て取れる。他社が生産体制の整備に気を取られている間に、上に述べたような販売・物流網の整備によって「未開の地」をさらに開拓できるかどうかに注目したい。



日経社説
教育のあり方変える電子教科書の課題
 文部科学省が2011年度から電子教科書の導入に向けた実証研究を始める。電子教科書は音声や映像の再生やインターネットの情報閲覧ができ、教育現場を大きく変える可能性がある。一方で導入の課題も多く、正しい使い方の研究が必要だ。
 文科省は、米アップルの「iPad」のようなタッチパネル型端末の採用を想定している。実証研究は3年間の予定で一部の公立小中高校で行う。電子教科書の利用方法や教育に必要な機能を検証する一方、子どもの健康への影響や障害児への対応などを研究する。検証を経て、こうした端末を2020年までに1人1台ずつ導入する考えだ。
 計画が予定通り進めば情報端末を利用した授業が中心になり、教室の風景は大きく変わる。映像や音声を再生できるので、内容をよりわかりやすく伝えることができる。理解力に応じて授業の内容を分けることもできる。こうした機能を生かすには、教師の教え方や教育政策・制度の踏み込んだ見直しが必要になる。
 教科書検定や学習指導要領は、紙の教科書を前提にした制度だ。これを電子教科書にも当てはめるには根本的な見直しが必要になり、硬直的だと批判される教育制度を変えるきっかけにできるかもしれない。
 映像や音声を使って中身の濃い授業になるだけに、これに対応する教師にもより深い知識や教授法が必要になるだろう。情報技術に関する教師の理解や技術の向上も欠かせない。今後はデジタル時代の指導法が教師に求められる。
 電子教科書の導入にはインフラの整備が必要だ。全国約3万6千校の公立学校で、校内LAN(構内情報通信網)を設置済みの教室は8割にとどまる。1人1台ずつ端末を使えるような無線LANの環境が整っているのは、そのうち2割だけだ。
 電子教科書や電子教材を活用するためには音声や映像などのデータを蓄積する必要がある。どういうものが教育目的で複製できるか、著作権法などの決まりも定めるべきだ。
 韓国は来年から小中高校の全生徒にCDの記憶装置を使った電子教科書を配布する方針だ。米国ではアップルや教育関係の出版社がiPad向けの教材開発を進めている。教育の情報化は世界の大きな流れだ。
 文字の習熟などの観点では、紙の教科書や手書きのノートを使うことも重要だ。また端末の導入に多額の予算が要るという問題もある。だからといって電子教科書の可能性を閉ざすべきではない。十分な検証によって教育の技術革新を進めたい。
シャープ片山社長「年内に3Dパネルのスマートフォンを発売する」
  シャープの片山幹雄社長は3日、毎日新聞のインタビューで、電子書籍利用などに向くタブレット型携帯端末について、年内の発売後に国内市場のシェア3割を獲得し、先行する米アップルの「iPad(アイパッド)」をしのいで首位を目指す意向を明らかにした。片山社長は、近い将来に国内市場が5000万台になるとの見通しを示したうえで、「日本の新しい産業モデルになり、輸出できる」と述べ、早ければ年内にも米国市場に投入する方針を示した。
 片山社長はタブレット型携帯端末について、「(高機能だが世界から孤立した)ガラパゴスと言われた日本の携帯の機能を世界が目指している」と指摘。そのうえで「いよいよシャープの時代が来た。新型端末には、液晶ディスプレーや携帯電話などで培ってきた技術をフル活用する」と述べた。さらに、独自の次世代電子書籍規格のデータ圧縮技術が、iPadより優位にあると強調。端末と電子書籍を組み合わせたビジネスモデルの世界展開に自信を示した。
 キーボードの無いタブレット型携帯端末は米アップルが発売し、ソニーや東芝、NECの国内勢が年度内の参入を表明している。片山社長は「パナソニックもソニーも、(タブレット型携帯端末を)やってもいい」と述べ、競争激化で市場が活性化するとの認識を示した。
 片山社長との主な一問一答は次の通り。
 --タブレット型携帯端末をどう考えていますか。
 ◆スイッチを入れた瞬間に立ち上がり、高速の通信網を介し、簡単に直接的なサービスを受けられる。パソコンより早く一般の家庭に入っていく。市場規模は将来的に5000万台以上になる。
 --市場のシェアはどの程度狙いますか。
 ◆シャープは携帯電話でシェア1位、30%弱。できたらそれ以上のものをやっていきたい。
 --電子書籍事業の展開をどうしますか。
 ◆電子書籍というのは、電子商取引の一つ。電子書籍以外の引き合いも非常に大きく、今年から来年にかけてビジネス形態を大きく変えるだろう。今後は医療や介護・福祉、教育という分野まで、電子商取引のサービスが広がる。端末やサービスは年末にもアメリカで展開していくし、次のステップでは中国展開もやっていきたい。
 --技術的な課題はありますか。
 ◆シャープのこれまでの集大成だと思う。重さや消費電力など、液晶ディスプレーの性能がすべてを決める。投入するタブレット型端末には、液晶ディスプレーは亀山工場(三重)でつくったものを使うので自信はある。シャープが目指してきた(いつでもどこでもネットとつながる)ユビキタス社会に貢献できる。
 ――新興国戦略の現状は。
 「アフリカや中近東でここにきて大きな動きがあった。エジプトでは協業関係にある現地家電大手のエル・アラビーと共同で液晶テレビの組み立てに動き、複写機の組み立ても始めた。イランでも現地家電大手と組んで液晶テレビの委託生産する。3、4月にはエジプト、南アフリカなどに支店を開設、自力での販路開拓に着手している」
 「東南アジアでの生産能力増強も急務だ。タイでは冷蔵庫の増産に向け、建屋建設が始まっている。インドネシアは現在、液晶テレビを年12万台、冷蔵庫を年150万台生産しているが、いずれも増産を検討している」
 ――新興国の慣習にマッチした製品開発への取り組みは。
 「昨年8月に中国・上海とマレーシアに研究開発拠点を新設した。2槽式の洗濯機へのこだわりや、直冷式の冷蔵庫を好むといったアジア各国の特徴に沿った製品開発を進めている」
 ――グループ全体の海外売上高の目標は。
 「08年度に54.3%あった海外売上高比率が09年年度は48.1%に低下した。まずは54%の水準に戻したうえで、新興国向け販売の増加を柱に、早期に6割以上に引き上げたい」
 ――太陽電池事業は海外市場でどう戦うのか。
 「欧州ではイタリアの電力会社エネルなどと合弁生産する計画だが、米国など他地域でも他社と組むことが必要になるだろう。現地のインサイダーになることが重要だ」
 ――パナソニックが三洋電機とパナソニック電工の完全子会社化を発表した。業界再編の動きに対するスタンスは。
 「今シャープが弱い立場であれば色々な選択肢があるが、国内ではほとんどの製品で非常に高いシェアを頂いている。他社を吸収するより自力でコスト競争力を高める方が得策だ。ただ海外では太陽電池のように、世界各地で局所的に組む戦略になるだろう」
 ――液晶テレビ市場の見通しは。
 「現状の生産能力では、間違いなく日本の年末商戦向け商品が足りなくなる。8月から10月にかけて意図的に在庫を積み増すことで対応したい。海外向けはどんどん売り、日本向けは“良い在庫”を積んでいく」
 ――今後の3次元(3D)パネル戦略は。
 「7月末発売の3Dテレビは予約だけで1000件を超えており、大変好評だ。年内には裸眼で楽しめる3Dパネルを搭載した高機能携帯電話(スマートフォン)を国内外で発売したい。これには3D対応のカメラも搭載し、撮影した静止画や動画を3Dテレビでも鑑賞できるようにする」



工場稼働、お盆休み返上 品薄の半導体はフル生産
 電機業界を中心にお盆の休業期間を返上して工場を操業するメーカーが今年は増えそうだ。薄型テレビや高機能携帯電話(スマートフォン)の売れ行きが良く、品薄となっている半導体などの工場はフル操業を続ける。猛暑で販売好調なエアコンを増産するため、休日を返上する動きもある。
 半導体メーカーは昨年に続いてフル操業となる。ルネサスエレクトロニクスは7~15日に本社部門が休業するが、半導体回路をつくる「前工程」の各工場は毎日操業する。工場稼働率は昨年の同時期より、20ポイント高い90%に引き上げる。電子機器を制御するマイコンなどの旺盛な需要に応える。
 東芝もデータの記録に使われるフラッシュメモリーの四日市工場(三重県四日市市)など、ほとんどの拠点でフル操業する。薄型テレビ向けが好調なシステムLSI(大規模集積回路)では、最先端工場だけでなく旧式の設備を持つ工場も、昨年より10~20ポイント稼働率を高める予定だ。
 シャープは液晶パネルを昨年同様、フル稼働で生産する計画。亀山工場(三重県亀山市)のほか2009年10月から稼働した堺市の新工場も操業。年末商戦に向け供給体制を強める。



携帯電話部品、取引価格が下落 7~9月、アジア勢が安値攻勢
 振動モーターや液晶パネルなど携帯電話部品の取引価格が下落した。大量生産が可能な汎用品の7~9月の取引価格は4~6月に比べ2~5%安い。携帯電話の世界的な出荷拡大を背景に部品の需要は旺盛だが、シェア獲得を狙うアジア勢の安値攻勢が強まった。ただ、高機能携帯電話(スマートフォン)の部品は高い技術力が必要で生産企業も限られるため、堅調な値動きとなっている。
 着信を知らせる振動モーターの7~9月の大口価格は、主力品の直径4ミリのシリンダータイプが1個0.35ドル前後と4~6月比5%安い。表示画面に使う液晶パネルは汎用品の2.2インチ型が7月後半に1枚5.5~8ドルと、4月後半に比べ約2%下落した。
 米調査会社IDCによると、4~6月の携帯電話の世界出荷は3億1750万台と前年同期比で15%増加。1~6月の累計では6億2060万台と同19%増えた。部品の需要も好調でフル操業を続けるメーカーは多い。
 ただ、新興国で普及している低価格携帯電話向けを中心に、中国や台湾などアジア製の安い部品の供給が増加。日本の部品メーカーの間では「耐久性など品質は二の次で、安値ばかりを求める需要家が少なくない」との指摘が多い。
 一方、スマートフォンをはじめとする高級携帯電話向けの価格は堅調だ。日本の携帯メーカーが多く使う直径3.5ミリの小型振動モーターは同4ミリ型の2~3倍で、前期の4~6月とほぼ同水準。スマートフォンなどに搭載するプレミアDRAMは生産コスト削減を反映した小幅な下げにとどまっている。
 「スマートフォン向けは小型化や薄型化などの技術を求められるため、価格を高くできる」(振動モーター製造大手)という。アジア勢が大量生産できない部品も多く、汎用品との二極化が一段と進みそうな勢いだ。



ドコモの電子書籍参入、「オープン戦略」で挽回狙う
 NTTドコモは大日本印刷と提携し、年内にも電子書籍サービスを始める。4日に両社が記者会見を開いて発表する。出版社や端末メーカーと組み、コンテンツ提供者などを囲い込むのではなく、2社でコンテンツや端末までを広く募る「オープン戦略」を取ることで、先に事業化を表明したKDDIなどの他陣営との違いを明確にする。
 新サービスではドコモが年内に投入を予定している電子書籍型端末やスマートフォン(高機能携帯電話)に通信回線をセットにして販売する。ドコモの約5600万の契約者を顧客基盤に、大日本印刷が出版社などから調達した雑誌や書籍などのコンテンツをデジタル化し、配信するビジネスモデルを描く。
 今回の提携でドコモがあえて特定の端末メーカーや出版社と連合を組まなかったのは、多様な端末を使えることをアピールするためだ。KDDIはソニーの「リーダー」を使い、凸版印刷、朝日新聞社と組む計画。ソフトバンクは米アップル「iPad(アイパッド)」の販売に集中している。
 米アマゾン・ドット・コムも「キンドル」を独自に展開する方針を示し、シャープもまず、単独で電子書籍端末事業への参入を発表した。
 市場がまだ立ち上がっていない日本で、ドコモ陣営はどの電子書籍端末にもコンテンツを配信できる余地を確保した。
 携帯電話業界では、ソフトバンクモバイルが米アップルの「iPhone(アイフォーン)」とに経営資源を集中し、スマートフォンブームの流れをつくった一方、ドコモは出遅れ感もあった。
 こうした中、ドコモはスマートフォンを今期に約10機種用意するなど「品ぞろえで勝負する」(山田隆持社長)と強調。選択肢を増やすというソフトバンクと対照的な戦略を描くことで対抗する。
 ドコモと大日本印刷の提携により、通信3社の電子書籍事業の戦略が出そろうが、ドコモの電子書籍戦略の可否はスマートフォンと同様に「オープン戦略」にどれだけ賛同会社を得られるかにかかっている。



シャープ、電子書籍端末で買い物も
 シャープの片山幹雄社長は3日、産経新聞のインタビューに応じ、参入を表明している電子書籍端末について、書籍にとどまらず、端末上でスーパーなどから買い物もできる電子商取引(EC)端末として10月末にも発売し、サービスを開始する方針を明らかにした。サービス開始に向け、コンビニやスーパー、家電量販店などと交渉を進めているという。
 端末向けのコンテンツ(情報の内容)では、映像や音楽の配信も想定。同社が商品化する3次元(3D)対応の液晶パネルを採用し、立体映像を楽しめるように検討する。
 また、端末の開発にとどまらず、コンテンツの配信も手がける。同社の「データセンター」を通し、コンテンツが各端末に配信できる仕組みを整備。すでに社内にコンテンツ配信を請け負う組織を立ち上げた。電子書籍の枠組みを超えた「万能端末」的な機器を目指し、電子書籍端末で中心的な役割を果たすコンテンツの配信まで手がけることで、新しいビジネスモデルの確立を狙う。
 EC端末では端末画面上の表示項目(アイコン)から買い物をし、商品をコンビニで受け取ることができる仕組みを想定。各店舗の持つポイントシステムなど、電子マネーでの決済もシステムに組み込む。
 片山社長は「電子書籍端末は使い方次第で、書籍にとどまらず、実際のお金と物が動く商取引端末になる」と強調。「買い物に行けない高齢者の問題の解決にもつながり、世界に応用していける」と話した。
 電子書籍端末では、KDDIやソフトバンクなど携帯電話事業会社が、独自のコンテンツ配信サービスの開始を表明。3日にはNTTドコモが大日本印刷と提携し、電子書籍配信サービスを開始することも明らかになった。ドコモ向けの端末には、シャープ製の採用が有力視されている。



携帯トレーダー取り込み競う ネット証券各社、専用ソフト
 インターネット証券各社が携帯電話で株式売買できる専用サービスを相次ぎ打ち出す見通しとなった。高機能のスマートフォンが普及し、携帯からの株売買が足もとで伸びているためだ。個人投資家の株式売買が低迷するなか、「親指トレーダー」の取り込み競争も激化しそうだ。
 松井証券は今夏から主要証券に先駆けてスマートフォン向けのアプリケーションソフトを投資家に提供する。瞬時に銘柄の売買状況を確認し、注文を出せる。携帯電話からの株式売買注文は6月末時点で顧客数の4分の1にまで増えており、対応を求める投資家が増えているという。
 楽天証券は同様のアプリを今秋に提供する見通し。個別銘柄のニュースやチャート図を見ながら売買ができる仕組みだ。カブドットコム証券もスマートフォン向けの専用サイトを設けている。SBI証券やマネックス証券もアプリの開発を計画している。



バンキシャ!の「2次元彼女」同伴旅行ルポに疑惑 ゲームファンが激怒
 日本テレビ系の報道番組「真相報道バンキシャ!」に対し、ゲームファンの間で“ねつ造”批判が出ている。人気恋愛ゲームの美少女キャラクターと“同伴”して、熱海温泉の旅館に1泊する男性ファンの様子を取り上げたルポで、取材を受けた「Aさん」なる男性の行動が、ファンとして当然の手順を踏んでいないというのだ。さらに、取材を行ったとされる日にAさんが宿泊していないことも明らかになった。
 問題の放送は先月25日。ニンテンドーDS用恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス+」(コナミ)の舞台となる熱海温泉に、多くの男性ファンが2次元の“彼女”を同伴(=DS持参)して訪れる様子を特集した。「おととい、バンキシャは温泉で有名な静岡県熱海市へ」というナレーションで始まったことから、撮影日は23日とみられる。
 ファンらのお目当ては、「ラブプラス+」に登場する実在の旅館「大野屋」。ここで和室に1人で泊まると、2人分(=ゲーム内の“彼女”の分)の布団を用意してくれるサービスがある。当然、宿泊するファンは和室を予約するが、同番組に登場した「仙台から来たAさん(40)」は、「手違いでシングルになっちゃった」とつぶやき、洋室シングル部屋の宿泊を余儀なくされた。
 そして夜。Aさんは携帯端末「iPhone」に表示した“彼女”をベッドに置き、「(まだ)ちょっとそういった(ベッドを共にする)関係ではないので」と言い残し、タオルケットを巻いて床に寝てしまった。
 二次元キャラをベッドに寝かせ、自分は床に寝る。テレビ的には“おいしい絵”だが、この内容にゲームファンらは反発。批判は「DSではなくiPhoneに表示するのはおかしい」「なぜ、和室を予約しなかったのか」といったもので、「日テレのねつ造ではないか」との声も出ている。そこで、このAさんについて夕刊フジが大野屋に確認すると、意外な答えが返ってきた。
 「客室でのインタビュー撮影は、当館のスタッフはもちろん、撮影に帯同していたコナミの方も放送当日までまったく把握していませんでした。23日の宿泊名簿を確認しましたが、シングル部屋利用者は3人で、いずれも仙台の方ではありません。当日は和室も十分空いており、変更にも対応できたと思います」(大野篤郎・大野屋専務)
 放送を見た一部のファンは、「予約を取り違える旅館」として大野屋をネットで批判しているが、大野屋にとっては寝耳に水の話というのだ。
 「撮影前日の22日には仙台の男性がシングルに1泊されていますが、この方は7月上旬から予約されています。事前に、このお客さまにインタビューされた可能性はありますが、真相は分かりかねます」(同)
 ネット上の批判について、日本テレビ総合広報部は「当社では、番組制作の詳細に関するご質問にはお答えしておりません」としている。



昭シェル、給油所で無線LAN 利便性高め集客
 昭和シェル石油は9月から、ソフトバンクモバイルと組み、全国の系列ガソリンスタンドで公衆無線LAN(構内情報通信網)サービスを始める。ドライバーが給油や洗車などの合間に、高速インターネット通信ができるよう利便性を高め、集客につなげる。石油元売り会社が系列スタンドで無線LANを本格導入するのは初めて。

 まず、9月末までに関東や近畿をはじめ100カ所強のガソリンスタンドで始める。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」や、多機能情報端末「iPad(アイパッド)」などの高速インターネットに対応させる。

 昭シェルの系列のガソリンスタンドは6月末で4055カ所。特約店に呼びかけ、順次全国に導入店を増やす方針。



百貨店、ネット販促に動く 三越は携帯に割引クーポン
 百貨店がインターネットを活用した顧客獲得に乗り出す。三越は携帯電話向けサイトを通じた割引クーポンなどの配信を開始。大丸松坂屋百貨店はミニブログ「ツイッター」などで店頭情報を流し始めた。売り上げ減が続く中、ネットの活用でコスト削減や若者の取り込みにつなげる。

 三越は日本橋本店(東京・中央)の専用携帯サイト「日本橋ライフスタイル」を開設。会員登録用の端末35台を店内に設置し、今年度末までに3万人の獲得を目指す。会員には月8本程度のメールでクーポンや商品券が抽選で当たる情報を配信。9月に増床開業する銀座店(東京・中央)などでも順次導入する。

 大丸松坂屋は大丸東京店(東京・千代田)でツイッターによる販促を開始。時間限定で値引きする「タイムセール」の開始などの店頭情報を随時告知する。社員が勧める商品を動画投稿サイト「ユーチューブ」で紹介する試みも始めた。

 ほかにも、東武百貨店は今年度中に池袋本店(東京・豊島)の17の売り場で担当者が自身で撮影した写真やコメントを直接ホームページに入力できる仕組みを導入する。百貨店の販促はチラシが主体だが、宣伝費の削減を余儀なくされる中、コストを抑制できるネットを活用する動きは今後も広がりそうだ。



ブランド消滅 「時代の流れだが、お客さまに申し訳ない」三洋電機元会長、井植敏氏インタビュー
 〈今年7月29日、パナソニックは、三洋電機とパナソニック電工の完全子会社化を発表。ブランドは原則「Panasonic」に統一され、「SANYO」ブランドは消滅することになった〉
 --今の気持ちを聞かせてください
 「私は、もう三洋とは関係ないから何も感じていない。それが時代の流れなら仕方がない。海外と競争する上でプラスになると判断されたのだろう。三洋ブランドを長年育ててくださったお客さまに申し訳ない。それだけだね」
 〈三洋の経営危機が表面化した平成17年6月、井植敏氏は会長を退任。同時に長男の敏雅氏を社長に引き上げ、会長兼CEO(最高経営責任者)に元ニュースキャスターの野中ともよ氏を起用した〉
 --敏雅氏と野中氏は2年で辞任に追い込まれ、「経験不足だった」などの批判もある
 「経験不足だったとは全然思っていない。敏雅が外国語に堪能なことは海外での交渉に大いに役立った。充電式乾電池『エネループ』は世界中に販売を拡大したが、化粧品のようなブランドイメージは野中さんの斬新な発想だった」
 --業績不振の原因は
 「(16年10月の新潟県中越地震による)半導体工場の被害が予想以上に大きく、操業再開が遅れ、その間に顧客を失ってしまった。立ち直れば、すぐ買ってもらえるという甘さもあったのかもしれない」
 --そのときに前会長としてアドバイスなどは
 「何もしてない。そこまで(経営危機が)深く行ってしまうとは思いもしなかった。私の会長時代に拡張した液晶パネル工場を、敏雅が整理することになったのはかわいそうだった」
 〈経営危機の深刻化を受け、18年3月、三洋は三井住友銀行など金融3社から支援を受ける形で3千億円の増資に踏み切った〉
 --3千億円が入ったときの“出口”について、どう考えていたのか
 「支援を受け入れたら自分で出口を考えることはできなくなる。出口まで考えるのは大株主の責任だ」
 --パナソニックによる買収はその時点で予測された道のりだったのか
 「いや、違うだろうね。(金融3社は)もっと有利な方法があると思っていたのでは。当時は松下電器産業(現パナソニック)も業績改善に向けて必死だったからね」
 --三洋で働いた時代を振り返ってどうか。やり残したことは
 「もっとアジアで競争できる大きい会社にしたかった。ただ、電機業界に55年間いて、大きな変化を今、元気で語れることは幸せなことだと思っている」



会津大、ツイッターで情報発信 高校生向け
 会津大学は「ツイッター」(ミニブログ)を活用し高校生らに向けた情報発信を強化する。このほど専用ページを開設。8日に開催するオープンキャンパスや秋の学園祭でスケジュールや会場案内などの情報を流し、来場者が閲覧できるようにする。大学でツイッターを本格導入するのは珍しいという。
 来場者などが質問や意見をツイッターに投稿した場合には、学生と協力して迅速に返信することも計画。情報交換を密にして満足度向上につなげる。



「つぶやき」集め福井PR ツイッター投稿を活用
 福井県観光連盟はこのほど、ミニブログ「ツイッター」上でつぶやかれた福井県の観光情報を自動的に集めて、観光連盟のウェブサイトに表示するサービス「ふくいなう」を始めた。
 観光地を訪れた人の生の声やイベントの告知情報を1カ所に集中させて情報発信力を高める。
 ツイッターに投稿する際、文章中に「#fukuinow」の文字列を打ち込むとツイッターのサーバーが該当するつぶやきをすべて集め、ふくいなうのサイトに時系列順に表示する仕組みだ。
 県内で開かれる、花火大会などの大きなイベント会場で同文字列の打ち込みを呼びかければ、写真も含めた現場の生の情報を大量に集めることができる。ツイッター利用者以外の人も閲覧でき、幅広い層に情報発信するツールとして活用する。
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