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日経BP「iアプリ」の開発コンテストと開発者向けイベントを開催
このところ、スマートフォン向けにアプリケーションを販売できる「マーケット」が多数登場している。運営主体は、メーカーや通信事業者など様々だ。
こうした動きに対応して、既存のプレーヤーも動き始めました。NTTドコモは「iアプリ」をジャンル別に一覧できるようにした「ドコモマーケット(iモード)」を11月に新設する予定だ。併せて、従来は一部の法人限定だった「iアプリDX」機能を広く使えることにした。さらに、個人開発者でもドコモの課金システムを使って、アプリを販売できるようになる。
8月26日には、アプリ開発に必要な各種資料を公開しました(ドコモマーケット iアプリ提供者向け情報)。ここには、iアプリDXの機能を利用するためのライブラリや開発ツールなどが含まれている。アプリ開発に必要なトライアル申請の受け付けも始めている。
日経BPは、この動きに合わせてiアプリの開発コンテスト『iアプリ・アドバンスアワード』を開催する。コンテストを通じて優れたiアプリを表彰、日経BPのメディアなどを通じて広く紹介する。
同コンテストの連動企画として、iアプリ・デベロッパーキャンプを9月25日(土)に東京で、10月2日(土)には大阪で開催する。NTTドコモの担当者らがドコモマーケット(iモード)や開発ツールの詳細を解説するほか、ハンズオン講座を通じて参加者がiアプリの開発ノウハウを習得できるようにする。すべてのセッションへの参加は無料だ。
iアプリの活性化で通信量収入を拡大 NTTドコモ コンシューマサービス部 ネットサービス企画担当部長 前田義晃氏
iモード版ドコモマーケットの目的はまず、データARPU(加入者1人あたりの月間売上高)の拡大です。ヘビーユーザーの方はすでにデータ定額プランの上限に達していますが、そうでない方の利用を拡大したいと考えています。その答えのひとつがiモード版ドコモマーケットです。
もうひとつは、iアプリの活性化です。現状のiアプリの環境は、クローズドではなく、むしろ、最初からオープンだったと言えます。iアプリが動作する端末が初めて世に出たのは2001年ですが、当初から仕様は公開されておりJavaが書ければ誰でも作ることができました。そのため、当初は様々なiアプリが世に出てきました。iモードがオープンである証と言えます。
ところが、その後iモード公式サイトの存在が大きくなり、そのハードルの高さが強調されたことで、当初のオープンなアプリというイメージが薄れてきているように思います。その一方で、iPhoneのApp StoreやAndroidのAndroid Marketといったスマートフォン向けアプリケーションマーケットの人気が急上昇してきています。
そこでiモード版ドコモマーケットを開設し、iアプリをさらにオープンなものにすることによってコンテンツ提供の場としての活性度を上げたいと考えています。
スマートフォンを見ていると、かなりいろいろなAPIがあり、開発者はそれを前提にしてアプリを作っています。なぜこちら(iアプリ)では使えないの、という声は当然あると思います。
どうしてもこれはまずい、という部分はあるとは思いますが、大部分はできるだけ開放していきたいと考えています。
例えばGPSは当然(開放しなければならないAPI)だと思います。ただし、お客様の個人情報を保護するために、コンテンツプロバイダの方に守っていただくガイドラインは設定する必要があると考えています。
ゲーム内広告で若者つかめ ホンダ、フェースブックサイトに展開
ホンダは新型ハイブリッド車CR-Zのキャンペーンとして、高速道路沿いにカラフルな広告看板を設置した。しかし、この看板は実際に高速道路を走っていても見ることはできない。なぜなら、広告看板が設置されたのはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)ゲームの中だからだ。
≪出稿額は60%増加≫
ホンダは23日、SNSを運営する米フェースブックのゲームサイト「カータウン」に初めて広告を出した。
カータウンは、ユーザーが自動車を選び、それをカスタマイズして楽しむゲームで、利用者数は260万人をこえる人気ゲームだ。米国ホンダの広告担当バイスプレジデント、スティーブ・センター氏は「ロサンゼルスの高速道路沿いに看板を設置すれば、毎日20万人が見てくれる。しかし、カータウンほどの食いつきはない」と述べ、「ゲーム開発会社などは非常に強力な販売チャンネルを構築しつつあることに気付くだろう」と語った。
広告を最後まで見る余裕と忍耐がある層に向けてブランドのメッセージを発信するために、SNSを利用する企業が増えている。英蘭系ユニリーバはせっけんの「ダブ」やアイスクリームの「ブレイヤーズ」といったブランドの広告を農場育成ゲームサイト「ティキファーム」で展開している。マイクロソフトやセブン・イレブンといった企業も、6200万人余りが参加する牧場経営ゲームサイト「ファームビル」に広告を出している。
米調査会社イーマーケターは、SNSのゲームやアプリケーションへの2010年の広告出稿額は、世界全体で2億9300万ドル(約249億円)と、09年の水準から60%増加すると見込んでいる。英広告代理店のゼニスオプティメディアによると、09年のテレビへの広告出稿額は1669億ドルだった。
「ファームビル」や「マフィア・ウォーズ」などの人気SNSゲームを開発する米ジンガは、ゲーム内広告について多くの企業と話し合いを持っていることを明らかにした。同社はソフトバンクから135億円の投資を受けている。
≪テレビ並み影響力≫
同社のブランド広告担当責任者、マニー・アネカル氏は「ゲーム内広告はテレビ並みの影響力があるだけでなく、オンラインの特性を生かした数値化が可能だ。今後、ジンガでは広告が大きな役割を果たすことになるだろう」と述べた。
ただ、ゲーム内広告を手放しで賞賛する人ばかりではない。オンラインゲーム大手、独ビッグポイントのヒューベルツ最高経営責任者(CEO)は先週行われたインタビューで「まだ市場規模は小さく、興味を引かれるほどではない」と述べた。
同CEOは「今のところ、われわれは広告販売よりも、ゲーム自体で大きな収益を稼いでいる」と説明。利用者がSNSゲームの高付加価値サービスに費やす1カ月当たりの金額を、ライトユーザーで10ユーロ(約1075円)、ヘビーユーザーで40ユーロと見積もった。
とはいえ、SNSがマーケティングに不可欠な媒体になったことは否定できない。
ホンダのセンター氏は「若年層を開拓する手段の一つは、彼らがいる世界に入り込むことだ」とし、「若者はオンラインの世界にいる。オンラインで暮らし、オンラインでコミュニケーションを取る。人々の関心がどこにあるのか知りたい」と語った。
携帯向け認証 10月から
NTTデータは27日、携帯電話の電子商取引(EC)サイト利用時の安全性を高める本人認証サービスの提供を、クレジットカード会社向けに10月から開始すると発表した。
同サービスはカード番号と有効期限に加え、カード発行会社に登録しているパスワードで本人認証する仕組みで、実店舗でカード決済する際のサイン記入と同様の処理がネット上で可能になるという。これまで携帯電話向けのサービスはなかったが、技術的に準拠している米クレジットカード大手ビザが携帯電話向けサービスを開発したため提供することにした。
米ユナイテッドとコンチネンタルの合併承認 世界最大級
米航空大手ユナイテッド航空の親会社UALとコンチネンタル航空は27日、両社の合併に関する米司法省による調査が終了したと発表した。これで合併が承認されたことになり、輸送実績で世界一、売上高でも世界最大級の航空会社の誕生が固まった。
両社は同日、ニューヨーク近郊のニューアーク国際空港に持つ発着枠の一部を米格安航空大手のサウスウエスト航空に譲り渡すことで合意。これを受けて司法省は一定の競争環境が維持されると判断した。
両社は9月に開く株主総会での承認を経て10月1日までに合併手続きを終える。合併後の持ち株会社名は「ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス」。傘下の航空事業はユナイテッド航空に一本化される。
首相が工場視察 経済対策アピール
菅直人首相は28日、北九州市を訪れ、東芝北九州工場などを視察した。政府は31日に緊急経済対策の骨格をとりまとめる方針で、首相の視察を踏まえて円高対策や雇用の維持・拡大に向けた施策を盛り込みたい考えだ。
首相はまず、省エネ効果が高い発光ダイオード(LED)関連製品を生産する東芝の製造現場に足を運んだ。同工場は雇用創出に向けて環境関連産業の育成を図る国の補助金を受けており、視察を参考に緊急経済対策でも同様の支援策を拡充する方向だ。
首相は28日午後の車座集会で、東芝のほか、宇部興産や戸田工業などの幹部らと経済対策などに関して意見交換する。
首相は27日も東京都大田区内のめっき工場を視察するなど、ここにきて企業視察の日程を増やしている。1日告示の民主党代表選を前に経済対策に力を入れていることを姿勢を示し、政権担当能力をアピールする狙いがあるようだ。
高速無料化「死活問題」、国道も商店もガラガラ
全国37路線50区間の高速道路で無料化の社会実験が始まって、28日で2か月が経過した。
高速道路の通行量が軒並み増える一方で、並行する国道では激減して商店の売り上げが半減するなど、「死活問題だ」と悲痛な声も上がっている。
国土交通省によると、実験の対象区間では、1か月間の通行量が平均で約2倍に増える一方、並行する国道では2割減少した。
最も明暗を分けたのは、県内の高速道路の9割が無料化された山形県。県を横断する山形自動車道は通行量が2~4倍に増えた。日本海側の庄内地方には観光客が押し寄せ、山形道の寒河江サービスエリアの売店も「来客数は1~2割増」。しかし、山形道と並行する国道112号(西川~月山)の休日の通行量は全国最大の53%も落ち込んだ。山形道は未開通区間もあるため、高速を敬遠して国道を走る車も多かったが、無料化で一気に高速に流れ、売り上げが10分の1に減った飲食店もあるという。
町が素通りされていることに危機感を強めた西川町商工会などは緊急対策会議を設置した。山形道のサービスエリアにも乗り込み、特産の山菜そばの割引券付きパンフレットを配布。商工会の木村寿和さん(58)は「お盆は帰省客で少し回復したが、今後がまた心配」と、追加対策を検討する予定だ。
全線が無料化された北海道の道東自動車道。追分町~夕張間で休日の通行量が7割増え、道東道出入り口に近い道の駅は7月の利用者が約3・4倍に激増したが、並行する国道274号の通行量は3割減。沿線にある日高町の道の駅では利用者が55%も減った。
国道を使うトラックの9割が高速に転じたといい、ドライブイン「日高ウエスタンファーム」も売り上げが半減。和田永雄社長(54)は「もはや企業努力ではいかんともしがたい」と嘆く。
町議会も5日の臨時会で、実験の即時中止を求める異例の意見書を全会一致で採択。首相や国交相あてに送った。
MS創業者、米IT大手11社を特許侵害で提訴
【ニューヨーク=小谷野太郎】米マイクロソフト(MS)の共同創業者、ポール・アレン氏が率いる特許管理会社は27日、米大手IT(情報技術)企業のアップルやグーグル、ヤフーなど11社がインターネット検索などに関する特許を侵害したとして、米ワシントン州の連邦地裁に提訴した。
訴状では、動画や画像の検索技術や電子商取引の広告表示の技術など4件で特許侵害があったと主張。損害賠償などを求めている。
アレン氏はビル・ゲイツ氏らとともに1975年にMSを設立し、2000年に取締役を退任。現在は慈善活動や投資会社の経営などを行っている。
防衛大綱報告書 装備を「量から質へ」転換せよ(8月28日付・読売社説)
自衛隊は今、時代の急速な変化により、多様な事態に素早く対応することが求められている。部隊と装備のあり方を「量」から「質」へと、大胆に見直すことが肝要だ。
防衛大綱の改定に関する有識者懇談会が、報告書を菅首相に提出した。冷戦下に定められた「基盤的防衛力構想」を撤廃し、2004年の現大綱が打ち出した「多機能で弾力的な実効性ある防衛力」を推進するよう提唱している。
冷戦終結を経た現在、本格的な武力侵攻は当面想定されなくなっている。「独立国としての必要最小限の基盤的防衛力」を保有するとの名目で、「重要度が低い部隊、装備が温存されてはならない」とする報告書の指摘は妥当だ。
北朝鮮の核・ミサイルの脅威や中国の軍備増強を踏まえれば、近年の防衛費の削減傾向に歯止めをかける必要がある。一方で、財政事情は厳しく、防衛費の大幅な伸びは期待できないのが現状だ。
ミサイルやテロなど新たな脅威への対応や、国際平和協力活動、災害救援といった様々な任務を自衛隊が果たすには、より重要な分野に人的・物的資源を思い切って再配分することが欠かせない。
報告書を基に年内に策定する予定の新たな防衛大綱では、陸上自衛隊の定員や戦車、火砲を一層削減するとともに、護衛艦や航空機も数量の維持より質的向上に重点を置くことが重要だ。
また、報告書は、米国に向かう弾道ミサイルの迎撃を可能にするなど集団的自衛権の政府解釈の見直しや、武器輸出3原則の緩和を求めた。自衛隊の海外派遣に関する恒久法の制定も提言した。
民主党政権が人選した有識者懇談会が、昨年の自民党政権下の懇談会と同様の提言をした意味は大きい。有識者の間では、こうした認識が共有されていることの証左であり、政府は、それぞれの課題に正面から取り組むべきだ。
報告書はこのほか、防衛大綱の改定ごとに一時的に有識者を集めて報告書をまとめる現行方式の見直しも提案した。常設の有識者会議を設け、国家安全保障戦略を策定すべきだと主張している。
安全保障政策は状況の変化に応じた継続的な見直しが必要だし、日本に国家安全保障戦略が存在していないこと自体も問題だ。
民主党政権が国家戦略局の創設を目指すなら、自民党が提唱した「日本版NSC(国家安全保障会議)」の考え方も取り入れ、外交・安全保障の司令塔作りに取り組むことが大切だろう。
このところ、スマートフォン向けにアプリケーションを販売できる「マーケット」が多数登場している。運営主体は、メーカーや通信事業者など様々だ。
こうした動きに対応して、既存のプレーヤーも動き始めました。NTTドコモは「iアプリ」をジャンル別に一覧できるようにした「ドコモマーケット(iモード)」を11月に新設する予定だ。併せて、従来は一部の法人限定だった「iアプリDX」機能を広く使えることにした。さらに、個人開発者でもドコモの課金システムを使って、アプリを販売できるようになる。
8月26日には、アプリ開発に必要な各種資料を公開しました(ドコモマーケット iアプリ提供者向け情報)。ここには、iアプリDXの機能を利用するためのライブラリや開発ツールなどが含まれている。アプリ開発に必要なトライアル申請の受け付けも始めている。
日経BPは、この動きに合わせてiアプリの開発コンテスト『iアプリ・アドバンスアワード』を開催する。コンテストを通じて優れたiアプリを表彰、日経BPのメディアなどを通じて広く紹介する。
同コンテストの連動企画として、iアプリ・デベロッパーキャンプを9月25日(土)に東京で、10月2日(土)には大阪で開催する。NTTドコモの担当者らがドコモマーケット(iモード)や開発ツールの詳細を解説するほか、ハンズオン講座を通じて参加者がiアプリの開発ノウハウを習得できるようにする。すべてのセッションへの参加は無料だ。
iアプリの活性化で通信量収入を拡大 NTTドコモ コンシューマサービス部 ネットサービス企画担当部長 前田義晃氏
iモード版ドコモマーケットの目的はまず、データARPU(加入者1人あたりの月間売上高)の拡大です。ヘビーユーザーの方はすでにデータ定額プランの上限に達していますが、そうでない方の利用を拡大したいと考えています。その答えのひとつがiモード版ドコモマーケットです。
もうひとつは、iアプリの活性化です。現状のiアプリの環境は、クローズドではなく、むしろ、最初からオープンだったと言えます。iアプリが動作する端末が初めて世に出たのは2001年ですが、当初から仕様は公開されておりJavaが書ければ誰でも作ることができました。そのため、当初は様々なiアプリが世に出てきました。iモードがオープンである証と言えます。
ところが、その後iモード公式サイトの存在が大きくなり、そのハードルの高さが強調されたことで、当初のオープンなアプリというイメージが薄れてきているように思います。その一方で、iPhoneのApp StoreやAndroidのAndroid Marketといったスマートフォン向けアプリケーションマーケットの人気が急上昇してきています。
そこでiモード版ドコモマーケットを開設し、iアプリをさらにオープンなものにすることによってコンテンツ提供の場としての活性度を上げたいと考えています。
スマートフォンを見ていると、かなりいろいろなAPIがあり、開発者はそれを前提にしてアプリを作っています。なぜこちら(iアプリ)では使えないの、という声は当然あると思います。
どうしてもこれはまずい、という部分はあるとは思いますが、大部分はできるだけ開放していきたいと考えています。
例えばGPSは当然(開放しなければならないAPI)だと思います。ただし、お客様の個人情報を保護するために、コンテンツプロバイダの方に守っていただくガイドラインは設定する必要があると考えています。
ゲーム内広告で若者つかめ ホンダ、フェースブックサイトに展開
ホンダは新型ハイブリッド車CR-Zのキャンペーンとして、高速道路沿いにカラフルな広告看板を設置した。しかし、この看板は実際に高速道路を走っていても見ることはできない。なぜなら、広告看板が設置されたのはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)ゲームの中だからだ。
≪出稿額は60%増加≫
ホンダは23日、SNSを運営する米フェースブックのゲームサイト「カータウン」に初めて広告を出した。
カータウンは、ユーザーが自動車を選び、それをカスタマイズして楽しむゲームで、利用者数は260万人をこえる人気ゲームだ。米国ホンダの広告担当バイスプレジデント、スティーブ・センター氏は「ロサンゼルスの高速道路沿いに看板を設置すれば、毎日20万人が見てくれる。しかし、カータウンほどの食いつきはない」と述べ、「ゲーム開発会社などは非常に強力な販売チャンネルを構築しつつあることに気付くだろう」と語った。
広告を最後まで見る余裕と忍耐がある層に向けてブランドのメッセージを発信するために、SNSを利用する企業が増えている。英蘭系ユニリーバはせっけんの「ダブ」やアイスクリームの「ブレイヤーズ」といったブランドの広告を農場育成ゲームサイト「ティキファーム」で展開している。マイクロソフトやセブン・イレブンといった企業も、6200万人余りが参加する牧場経営ゲームサイト「ファームビル」に広告を出している。
米調査会社イーマーケターは、SNSのゲームやアプリケーションへの2010年の広告出稿額は、世界全体で2億9300万ドル(約249億円)と、09年の水準から60%増加すると見込んでいる。英広告代理店のゼニスオプティメディアによると、09年のテレビへの広告出稿額は1669億ドルだった。
「ファームビル」や「マフィア・ウォーズ」などの人気SNSゲームを開発する米ジンガは、ゲーム内広告について多くの企業と話し合いを持っていることを明らかにした。同社はソフトバンクから135億円の投資を受けている。
≪テレビ並み影響力≫
同社のブランド広告担当責任者、マニー・アネカル氏は「ゲーム内広告はテレビ並みの影響力があるだけでなく、オンラインの特性を生かした数値化が可能だ。今後、ジンガでは広告が大きな役割を果たすことになるだろう」と述べた。
ただ、ゲーム内広告を手放しで賞賛する人ばかりではない。オンラインゲーム大手、独ビッグポイントのヒューベルツ最高経営責任者(CEO)は先週行われたインタビューで「まだ市場規模は小さく、興味を引かれるほどではない」と述べた。
同CEOは「今のところ、われわれは広告販売よりも、ゲーム自体で大きな収益を稼いでいる」と説明。利用者がSNSゲームの高付加価値サービスに費やす1カ月当たりの金額を、ライトユーザーで10ユーロ(約1075円)、ヘビーユーザーで40ユーロと見積もった。
とはいえ、SNSがマーケティングに不可欠な媒体になったことは否定できない。
ホンダのセンター氏は「若年層を開拓する手段の一つは、彼らがいる世界に入り込むことだ」とし、「若者はオンラインの世界にいる。オンラインで暮らし、オンラインでコミュニケーションを取る。人々の関心がどこにあるのか知りたい」と語った。
携帯向け認証 10月から
NTTデータは27日、携帯電話の電子商取引(EC)サイト利用時の安全性を高める本人認証サービスの提供を、クレジットカード会社向けに10月から開始すると発表した。
同サービスはカード番号と有効期限に加え、カード発行会社に登録しているパスワードで本人認証する仕組みで、実店舗でカード決済する際のサイン記入と同様の処理がネット上で可能になるという。これまで携帯電話向けのサービスはなかったが、技術的に準拠している米クレジットカード大手ビザが携帯電話向けサービスを開発したため提供することにした。
米ユナイテッドとコンチネンタルの合併承認 世界最大級
米航空大手ユナイテッド航空の親会社UALとコンチネンタル航空は27日、両社の合併に関する米司法省による調査が終了したと発表した。これで合併が承認されたことになり、輸送実績で世界一、売上高でも世界最大級の航空会社の誕生が固まった。
両社は同日、ニューヨーク近郊のニューアーク国際空港に持つ発着枠の一部を米格安航空大手のサウスウエスト航空に譲り渡すことで合意。これを受けて司法省は一定の競争環境が維持されると判断した。
両社は9月に開く株主総会での承認を経て10月1日までに合併手続きを終える。合併後の持ち株会社名は「ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス」。傘下の航空事業はユナイテッド航空に一本化される。
首相が工場視察 経済対策アピール
菅直人首相は28日、北九州市を訪れ、東芝北九州工場などを視察した。政府は31日に緊急経済対策の骨格をとりまとめる方針で、首相の視察を踏まえて円高対策や雇用の維持・拡大に向けた施策を盛り込みたい考えだ。
首相はまず、省エネ効果が高い発光ダイオード(LED)関連製品を生産する東芝の製造現場に足を運んだ。同工場は雇用創出に向けて環境関連産業の育成を図る国の補助金を受けており、視察を参考に緊急経済対策でも同様の支援策を拡充する方向だ。
首相は28日午後の車座集会で、東芝のほか、宇部興産や戸田工業などの幹部らと経済対策などに関して意見交換する。
首相は27日も東京都大田区内のめっき工場を視察するなど、ここにきて企業視察の日程を増やしている。1日告示の民主党代表選を前に経済対策に力を入れていることを姿勢を示し、政権担当能力をアピールする狙いがあるようだ。
高速無料化「死活問題」、国道も商店もガラガラ
全国37路線50区間の高速道路で無料化の社会実験が始まって、28日で2か月が経過した。
高速道路の通行量が軒並み増える一方で、並行する国道では激減して商店の売り上げが半減するなど、「死活問題だ」と悲痛な声も上がっている。
国土交通省によると、実験の対象区間では、1か月間の通行量が平均で約2倍に増える一方、並行する国道では2割減少した。
最も明暗を分けたのは、県内の高速道路の9割が無料化された山形県。県を横断する山形自動車道は通行量が2~4倍に増えた。日本海側の庄内地方には観光客が押し寄せ、山形道の寒河江サービスエリアの売店も「来客数は1~2割増」。しかし、山形道と並行する国道112号(西川~月山)の休日の通行量は全国最大の53%も落ち込んだ。山形道は未開通区間もあるため、高速を敬遠して国道を走る車も多かったが、無料化で一気に高速に流れ、売り上げが10分の1に減った飲食店もあるという。
町が素通りされていることに危機感を強めた西川町商工会などは緊急対策会議を設置した。山形道のサービスエリアにも乗り込み、特産の山菜そばの割引券付きパンフレットを配布。商工会の木村寿和さん(58)は「お盆は帰省客で少し回復したが、今後がまた心配」と、追加対策を検討する予定だ。
全線が無料化された北海道の道東自動車道。追分町~夕張間で休日の通行量が7割増え、道東道出入り口に近い道の駅は7月の利用者が約3・4倍に激増したが、並行する国道274号の通行量は3割減。沿線にある日高町の道の駅では利用者が55%も減った。
国道を使うトラックの9割が高速に転じたといい、ドライブイン「日高ウエスタンファーム」も売り上げが半減。和田永雄社長(54)は「もはや企業努力ではいかんともしがたい」と嘆く。
町議会も5日の臨時会で、実験の即時中止を求める異例の意見書を全会一致で採択。首相や国交相あてに送った。
MS創業者、米IT大手11社を特許侵害で提訴
【ニューヨーク=小谷野太郎】米マイクロソフト(MS)の共同創業者、ポール・アレン氏が率いる特許管理会社は27日、米大手IT(情報技術)企業のアップルやグーグル、ヤフーなど11社がインターネット検索などに関する特許を侵害したとして、米ワシントン州の連邦地裁に提訴した。
訴状では、動画や画像の検索技術や電子商取引の広告表示の技術など4件で特許侵害があったと主張。損害賠償などを求めている。
アレン氏はビル・ゲイツ氏らとともに1975年にMSを設立し、2000年に取締役を退任。現在は慈善活動や投資会社の経営などを行っている。
防衛大綱報告書 装備を「量から質へ」転換せよ(8月28日付・読売社説)
自衛隊は今、時代の急速な変化により、多様な事態に素早く対応することが求められている。部隊と装備のあり方を「量」から「質」へと、大胆に見直すことが肝要だ。
防衛大綱の改定に関する有識者懇談会が、報告書を菅首相に提出した。冷戦下に定められた「基盤的防衛力構想」を撤廃し、2004年の現大綱が打ち出した「多機能で弾力的な実効性ある防衛力」を推進するよう提唱している。
冷戦終結を経た現在、本格的な武力侵攻は当面想定されなくなっている。「独立国としての必要最小限の基盤的防衛力」を保有するとの名目で、「重要度が低い部隊、装備が温存されてはならない」とする報告書の指摘は妥当だ。
北朝鮮の核・ミサイルの脅威や中国の軍備増強を踏まえれば、近年の防衛費の削減傾向に歯止めをかける必要がある。一方で、財政事情は厳しく、防衛費の大幅な伸びは期待できないのが現状だ。
ミサイルやテロなど新たな脅威への対応や、国際平和協力活動、災害救援といった様々な任務を自衛隊が果たすには、より重要な分野に人的・物的資源を思い切って再配分することが欠かせない。
報告書を基に年内に策定する予定の新たな防衛大綱では、陸上自衛隊の定員や戦車、火砲を一層削減するとともに、護衛艦や航空機も数量の維持より質的向上に重点を置くことが重要だ。
また、報告書は、米国に向かう弾道ミサイルの迎撃を可能にするなど集団的自衛権の政府解釈の見直しや、武器輸出3原則の緩和を求めた。自衛隊の海外派遣に関する恒久法の制定も提言した。
民主党政権が人選した有識者懇談会が、昨年の自民党政権下の懇談会と同様の提言をした意味は大きい。有識者の間では、こうした認識が共有されていることの証左であり、政府は、それぞれの課題に正面から取り組むべきだ。
報告書はこのほか、防衛大綱の改定ごとに一時的に有識者を集めて報告書をまとめる現行方式の見直しも提案した。常設の有識者会議を設け、国家安全保障戦略を策定すべきだと主張している。
安全保障政策は状況の変化に応じた継続的な見直しが必要だし、日本に国家安全保障戦略が存在していないこと自体も問題だ。
民主党政権が国家戦略局の創設を目指すなら、自民党が提唱した「日本版NSC(国家安全保障会議)」の考え方も取り入れ、外交・安全保障の司令塔作りに取り組むことが大切だろう。
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米IT、クラウドにらみ買収合戦
【シリコンバレー=岡田信行】米IT(情報技術)大手各社が、インターネットKN経由で機能やソフトを提供する「クラウドコンピューティング」の普及をにらみ、積極的なM&A(合併・買収)に乗り出した。パソコン大手のデルとヒューレット・パッカード(HP)が繰り広げるストレージ(外部記憶装置)メーカーの争奪戦では両社が27日、買収提示額の再引き上げを発表。豊富な手元資金を武器に各社は成長戦略を加速している。
デルは27日、クラウドに不可欠な高性能ストレージの開発を手掛ける3PAR(スリーパー)に対し、1株当たり27ドル、計18億ドル(約1520億円)での買収を提示した。これに対しHPも同日、1株30ドルへの再引き上げを発表。デルが16日に3PAR買収を発表した後、両社は買収提示額の引き上げで競っており、デルの対応が注目される。
デルやHPは価格下落が激しいパソコンへの依存度を下げ、ITサービス企業への脱皮を推進。データ処理や記憶に不可欠なストレージ技術の取り込みを目指して3PAR争奪戦を繰り広げている。
半導体大手インテルが19日に発表したセキュリティーソフト大手マカフィーの買収は、買収金額が約76億8000万ドル(6500億円)に上る大型案件となった。パソコン向け半導体で一時代を築いたインテルは、マカフィー買収で同社のセキュリティー技術を取り込み、世界的にネット接続の主役がパソコンから高機能携帯電話や多機能携帯端末にシフトするなか、半導体の販路や事業の幅を広げたい考えだ。
このほかにも、HPが6月に音楽配信のメロデオを買収。7月にはグーグルが旅行関連ソフトのITAソフトウエアを買収するなど、クラウドを活用した事業を強化するためのM&Aも相次いでいる。
米IT大手がクラウド分野で積極的なM&Aに乗り出す背景には同市場の急成長がある。米調査会社ガートナーによると、2010年の世界のクラウド分野の市場規模は前年比17%増の683億ドル(5兆7850億円)を見込む。IT市場全体の伸びは5%程度にとどまる見通しで、クラウドの急成長は群を抜く。
ガートナーによると、クラウド市場は14年には09年に比べて2.5倍の1488億ドル(12兆6000億円)に拡大する見通し。米IT大手は金融危機後の業績回復が早く、積み増した手元資金を武器に昨年後半ごろからM&Aを積極化している。成長が期待できるクラウド分野を軸に買収が相次ぐ構図がしばらく続きそうだ。
日銀、週明けにも臨時会合 追加緩和決定へ
資金供給の拡充、軸に
日銀は週明けにも臨時の金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和を決めることで最終調整に入った。米国経済の減速懸念を背景にした円高・ドル安に歯止めがかからず、日本経済の回復基調にも影を落としかねないとの判断に傾きつつあり、資金供給の拡充が欠かせないとみている。週明けには菅直人首相と白川方明日銀総裁の会談も予定されており、政府・日銀が一体となって円高阻止に取り組む姿勢を強調する。
日銀は9月6~7日に定例の金融政策決定会合を開く予定だが、市場の混乱を抑えるためにも、早期に決断することが必要との見方が強まっている。政策委員の間では円高の国内景気への影響を見極めたいとの声も残る。円高・株安基調が一服すれば、定例会合まで結論を持ち越す可能性もある。
具体策としては、期間3カ月の資金を政策金利(現在は0.1%)で金融機関に貸し出す「新型オペ」の総枠を、従来の20兆円から30兆円以上に拡大することや、期間を6カ月に延ばすことなどを軸に協議する。
菅首相は27日、急激な円高について「必要なときには断固たる措置をとる」と述べ、円売り・ドル買いの為替介入を辞さない姿勢を示した。日銀の白川総裁が30日に米国から帰国した以降に首相官邸で会談することも明らかにし「機動的な金融政策の実施を期待する」と追加的な金融緩和策を求める考えを示唆した。政府は円高・経済対策の基本方針を31日に決定する。
東京・大田区の中小企業を視察後、記者団に語った。急激な円高の進行に関しては「為替市場の過度な変動は経済・金融の安定に悪影響を及ぼすもので、重大な認識を持っている」と語った。
経済対策を巡っては(1)円高や海外経済の減速などによる「景気下振れリスク」に対応する(2)政府が6月にまとめた今後10年間の新成長戦略を前倒しし、即効性があり需要・雇用創出効果の高い施策を実施する――などと説明。具体策については「できる限り速やかにとりまとめる」と具体的な時期には言及しなかった。
政府は30日に「新卒者雇用・特命チーム会合」を開き、若者の失業率を抑えるため、新卒者を中心とした就職支援策もまとめる予定だ。
大型書店、丸善とジュンク堂が1年半で10店
大日本印刷(DNP)の傘下にある書店チェーン大手、丸善書店とジュンク堂書店(神戸市)は共同で2012年1月までに売り場面積が3千平方メートル前後の大型店を10店出店する。共同ブランドの店を中心に首都圏や地方の県庁所在地を中心に新設する。同時に300平方メートル程度の小型店数店を閉める。電子書籍や書籍のインターネット通販の拡大で書店経営は厳しさを増している。このため販売効率の高い大型店で生き残りを目指す。
9月2日に共同ブランド店「丸善&ジュンク堂書店」の1号店を東急百貨店本店(東京・渋谷、3630平方メートル)で開業する。その後、広島県、福岡県、福島県など全国で順次開設。近隣に両社の店舗がない地域では共同ブランドで出店するが、近くに丸善ブランドの店舗がある場合はジュンク堂を単独で出店するなど、両社で調整しながら効率良く市場を押さえる考えだ。
ジュンク堂は大型店が中心であるのに対して丸善書店は300平方メートル程度の小型店を15店前後抱える。このため丸善書店の小型店を対象に閉鎖を検討する。閉鎖数は10店未満のもよう。両社合計の店舗面積は14万1240平方メートル。10店の新規出店と小型店数店の閉鎖で、売り場面積は最大で現在よりも20%程度広がる見込み。総投資額は最大約100億円(書籍の購入費用含む)の見込み。
丸善が書店事業を分社化して設立した全額出資子会社の丸善書店とジュンク堂は11年2月にDNP子会社のCHIグループにぶら下がる形になる。2社は同グループで大型店を柱に経営規模を拡大し、販売効率を高めると同時に取引条件の改善を進め、低迷する書店事業をてこ入れする考えだ。
丸善書店とジュンク堂の合計の店舗数は80店で年間売上高は約800億円。一般消費者に店舗を通じて販売する書籍に限定すれば、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開する「TSUTAYA」(店舗ベースの売上高で約900億円)に次ぐ業界2位の規模となる。
出版科学研究所(東京・新宿)によると、書籍・雑誌の09年の推定販売額は前年比4.1%減の1兆9356億円。一方、調査会社のインプレスR&D(東京・千代田)によると、09年度の電子書籍の市場は前年度を23.7%上回る574億円となった。書籍のネット通販も拡大を続けている。このため大半の書店チェーンは経営改革が急務になっている。
ネット通販・電子書籍浸透、中小書店の経営厳しく
書店は淘汰が進んでいる。出版社のアルメディア(東京・豊島)によると、2010年5月時点の全国の書店数は前年同月比3%減の1万5300。この10年で見ると3割減少した。
一方、店舗の大型化は進み、売り場面積は4678万9400平方メートルとこの10年で15%広がった。「経営基盤の弱い中小書店の閉鎖が増える中、品ぞろえが広く、効率的な店舗運営ができる大型店が増えているため」(アルメディア)という。
今後も中小書店の経営は厳しくなるのは確実。電子書籍の需要が拡大の兆しを見せているうえに、米アマゾン・ドット・コムに代表される書籍のネット通販が勢力を拡大し、書店のシェアを奪いつつあるためだ。
もちろん丸善やジュンク堂はDNPと協力して独自の電子書籍販売サイトを10月にも立ち上げるなど、電子書籍への対応も進めている。ただ、書籍や雑誌を購入する消費者が現時点で最も多いのは本業の書店で、経営をおろそかにはできない。このため一気に大型化を進め、中小店のシェアなどをつかむ考え。競合他社も大型化を進めるのは必至で、書店の淘汰が加速しそうだ。
東京市場、「自ら上場廃止」広がる 株式新規公開も低迷
東京証券取引所から姿を消す上場企業が増えている。年初から8月27日までの上場廃止は予定分も含め47社と、4年続けて70社を超える可能性が強まってきた。自社や親会社が自ら上場廃止を申請する例が多い。投資家から批判の多い「親子上場」が解消される面がある一方、新しい企業の株式新規公開(IPO)が増えなければ、東京市場の地盤沈下がいっそう進むことになる。
■維持コスト年1億円 「少数株主のいる上場子会社へのガバナンス(企業統治)という(従来の)スタイルが問題の発見を遅らせた」
27日にメルシャンの完全子会社化を発表したキリンホールディングス。三宅占二社長は記者会見で、不正な循環取引が発覚したメルシャンの企業統治改善に取り組む決意を強調した。
キリンHDだけではない。パナソニックやキヤノン、日立製作所……。理由は異なるが、子会社の上場廃止によりグループの経営改革を加速する大手企業が増えている。
企業のオーナーがMBO(経営陣が参加する買収)を実施する例も目立つ。
「上場廃止は将来を見据えた戦略の一環。社員の士気が落ちないように部下によく説明してほしい」。給食最大手の日清医療食品がMBOでジャスダック上場を廃止する方針を発表した8月12日、村田清和社長は幹部を集めてこう呼び掛けた。
村田社長ら発行済み株式の過半数を握る同社の創業一族は「上場を続ける意味があるのか」と自問自答してきた。大型の設備投資の計画はなく、上場を続けて市場から資金を調達する必要はない。一方、海外での投資家説明会など上場維持コストは年間1億円を超えており、上場のメリットとデメリットを比較した上での決断が市場からの退出だった。
■5年連続2ケタも M&A(合併・買収)助言のレコフによると、MBOによる株式非公開化は2000~05年は年1~6件だったが、06年以降に増加。日清医療食品をはじめ今年は既に5社が発表しており、5年連続で2ケタに達する可能性がある。
企業は非上場になることにより、短期の利益を求める投資家の圧力からは解放される。経営者が長期の視点で資本政策や事業戦略を見直しやすくなる。
ただ非上場企業の再公開やベンチャー企業の新規上場が進まないと、株式市場は全体として活力を失いかねない。東証の上場会社数はピークだった07年6月から119社も減少している。
日本を素通りして韓国や台湾などアジア市場での上場をめざす国内新興企業も出ており、日本のIPO市場が回復する兆しは見えない。
「親子上場の解消など企業統治の改善は続けるべきだが、これ以上上場廃止の動きが続くと、東京市場の空洞化が進みかねない」。市場を去る企業を複雑な思いで見つめる東証関係者も多い。
3D年末商戦に各社本腰 ソニー、対応10商品を投入
電機メーカー各社が3D(3次元)関連の製品投入を本格化させている。ソニーは26日、3D対応のブルーレイ・ディスク(BD)録画再生機や液晶テレビなど計10商品を9~12月に順次、投入すると発表した。3Dテレビは、薄型テレビの販売台数に占める割合が7月時点で1%強にとどまっており、本格普及に至っていないが、各社ともソフトがそろい始める年末商戦に照準を合わせ、3D商品の普及を押し上げたい考えだ。
「ソニーは上位機種だけでなく、普及価格帯も3D化していく」
同社の石田佳久・業務執行役員SVPは同日開いたBD製品説明会でこう述べた。この日発表した冬モデルのBD録画再生機は全6機種をすべて3D対応し、液晶テレビも全28機種のうち、3分の1以上の11機種が3D対応可能とした。年末商戦に向け、低価格帯も含めた3D商品の拡充を急ぐ。
新機種は、BD録画再生機6機種が内蔵ハードディスク320ギガバイト~2テラバイトで、価格は約9万~27万円を想定。液晶テレビは別売りの送信機を購入した場合に3Dが視聴できるタイプで、40~55型の全3機種が30万~44万円と普及価格帯モデルも拡充した。傘下のソニーピクチャーズなどから3D映画のBDソフト4商品も発売する予定で、「ハードとコンテンツ両面で楽しんでもらう」(石田SVP)と意気込みをみせる。
市場調査会社BCNによると、3テレビの販売台数は薄型テレビ全体の1.3%にとどまる。高価格に加えソフトも不足しており、「盛り上がっているとはいえない」(BCNの道越一郎アナリスト)のが現状だ。ただ、各社の競争で価格下落も見込める年末商戦には「流れがくる」(東芝担当者)と、関連商品の展開を加速させている。
国内で最初に3Dテレビを発売したパナソニックは9月、内蔵ハードディスクやBD再生機を搭載した3Dテレビを発売する。3D映像が撮影できるデジタルビデオカメラもすでに投入しており、「他社に先駆けて3D化を進める」(幹部)とライバル意識を燃やす。
東芝は10月に、一気に3Dテレビ8機種を投入する。通常の2次元映像を3Dに高画質変換する機能を売りに、シェアアップを狙う。シェアトップのシャープは7月に投入した「4原色」の3Dテレビと、BD録画再生機でトップを堅持したい考えだ。
KDDI、太陽光活用の基地局を沖縄に新設 消費電力3割減
KDDI(au)は太陽光発電と蓄電池、通常の電力の3種類の電源を活用する「トライブリッド」式携帯電話基地局の設置を増やす。27日に沖縄県に新設し、9月末までに埼玉や高知、愛媛、新潟の各県にも置いて計11局を稼働させる。トライブリッド基地局は従来より消費電力を最大3割削減でき、環境負荷も減る。耐用性やデータを検証したうえで本格導入を目指す。
太陽光パネルによる発電のほか、電気料金が安い深夜に蓄電した電力、通常の商用電力を組み合わせて利用する。電気料金は従来より4割削減できるという。
沖縄セルラー電話と共同で沖縄県北部に新設した基地局は、太陽光パネルと基地局の一部の部材を一体化するなどの工夫で導入コスト削減や工事期間の短縮につなげた。台風への耐久性を調べるほか、高知では鉄塔に太陽光パネルを設置するなどの実験を実施し、発電効率の向上に取り組む。
【産経主張】日印戦略対話 重層的協力で共通利益を
岡田克也外相はクリシュナ・インド外相との戦略対話で、日印原子力協定の早期締結を目指す方針で一致した。しかし、岡田氏はインドが核実験を行えば「協力を停止する」との条件をつけたため、交渉が長期化する見通しも出てきた。
核軍縮・不拡散を外交の柱とする日本がインドにも同様の取り組みを期待するのは当然といえる。その一方で、アジア情勢を踏まえた戦略的協調も重要だ。日印両国は4年前に戦略的グローバル・パートナーシップ構築に合意し、日米、日豪に次ぐ安全保障の連携を深めてきた。価値と利害を共有する現実的立場で協力関係を育てる視点を大切にしていきたい。
日印関係の基盤は自民党政権下で築かれ、2005年の小泉純一郎首相訪印後は首脳の年次相互訪問が定着した。外相級戦略対話も今回で4度目だ。
昨年末の鳩山由紀夫首相訪印時には、次官級外務・防衛協議(2プラス2)の新設、海上自衛隊とインド海軍の相互交流と多国間演習参加などで合意し、協力をさらに深めることになった。
人口11億人のインドは「世界最大の民主主義国」と呼ばれ、日本とは共通の価値観を有する。文化面でも絆(きずな)が強い。中国に次ぐ巨大市場として相互のビジネスや投資の期待も高まっている。
とくにインドは今後10年間に20基以上の原発建設を計画中だ。1基あたり5千億円ともいう原発計画の受注は、日本の原子力産業界にとって大きな魅力だ。
今回焦点となった原子力協定は日本の技術の軍事転用を防ぐのが主眼だ。インドが核拡散防止条約(NPT)に加盟せず、核実験凍結も一方的宣言のため、日本国内には協定に反対する声もある。岡田外相が協定に条件をつけたのはこれに配慮したものだろう。
その際に忘れてならないのは、中国の軍拡や海洋進出が目立つ中で日米、日豪、日印の連携を深めることは日本の国益にとって不可欠であることだ。地域の平和と安定のための重層的な協力をインド洋に広げていく意義も大きい。
海賊対策や航行の安全などで協力のパイプを太くすることは双方の利益にもかなう。インドに核不拡散努力を求めつつ、安保協力を進めるのは決して矛盾しない。日印両政府は戦略的視点を見失わずに協議を進めてほしい。
【シリコンバレー=岡田信行】米IT(情報技術)大手各社が、インターネットKN経由で機能やソフトを提供する「クラウドコンピューティング」の普及をにらみ、積極的なM&A(合併・買収)に乗り出した。パソコン大手のデルとヒューレット・パッカード(HP)が繰り広げるストレージ(外部記憶装置)メーカーの争奪戦では両社が27日、買収提示額の再引き上げを発表。豊富な手元資金を武器に各社は成長戦略を加速している。
デルは27日、クラウドに不可欠な高性能ストレージの開発を手掛ける3PAR(スリーパー)に対し、1株当たり27ドル、計18億ドル(約1520億円)での買収を提示した。これに対しHPも同日、1株30ドルへの再引き上げを発表。デルが16日に3PAR買収を発表した後、両社は買収提示額の引き上げで競っており、デルの対応が注目される。
デルやHPは価格下落が激しいパソコンへの依存度を下げ、ITサービス企業への脱皮を推進。データ処理や記憶に不可欠なストレージ技術の取り込みを目指して3PAR争奪戦を繰り広げている。
半導体大手インテルが19日に発表したセキュリティーソフト大手マカフィーの買収は、買収金額が約76億8000万ドル(6500億円)に上る大型案件となった。パソコン向け半導体で一時代を築いたインテルは、マカフィー買収で同社のセキュリティー技術を取り込み、世界的にネット接続の主役がパソコンから高機能携帯電話や多機能携帯端末にシフトするなか、半導体の販路や事業の幅を広げたい考えだ。
このほかにも、HPが6月に音楽配信のメロデオを買収。7月にはグーグルが旅行関連ソフトのITAソフトウエアを買収するなど、クラウドを活用した事業を強化するためのM&Aも相次いでいる。
米IT大手がクラウド分野で積極的なM&Aに乗り出す背景には同市場の急成長がある。米調査会社ガートナーによると、2010年の世界のクラウド分野の市場規模は前年比17%増の683億ドル(5兆7850億円)を見込む。IT市場全体の伸びは5%程度にとどまる見通しで、クラウドの急成長は群を抜く。
ガートナーによると、クラウド市場は14年には09年に比べて2.5倍の1488億ドル(12兆6000億円)に拡大する見通し。米IT大手は金融危機後の業績回復が早く、積み増した手元資金を武器に昨年後半ごろからM&Aを積極化している。成長が期待できるクラウド分野を軸に買収が相次ぐ構図がしばらく続きそうだ。
日銀、週明けにも臨時会合 追加緩和決定へ
資金供給の拡充、軸に
日銀は週明けにも臨時の金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和を決めることで最終調整に入った。米国経済の減速懸念を背景にした円高・ドル安に歯止めがかからず、日本経済の回復基調にも影を落としかねないとの判断に傾きつつあり、資金供給の拡充が欠かせないとみている。週明けには菅直人首相と白川方明日銀総裁の会談も予定されており、政府・日銀が一体となって円高阻止に取り組む姿勢を強調する。
日銀は9月6~7日に定例の金融政策決定会合を開く予定だが、市場の混乱を抑えるためにも、早期に決断することが必要との見方が強まっている。政策委員の間では円高の国内景気への影響を見極めたいとの声も残る。円高・株安基調が一服すれば、定例会合まで結論を持ち越す可能性もある。
具体策としては、期間3カ月の資金を政策金利(現在は0.1%)で金融機関に貸し出す「新型オペ」の総枠を、従来の20兆円から30兆円以上に拡大することや、期間を6カ月に延ばすことなどを軸に協議する。
菅首相は27日、急激な円高について「必要なときには断固たる措置をとる」と述べ、円売り・ドル買いの為替介入を辞さない姿勢を示した。日銀の白川総裁が30日に米国から帰国した以降に首相官邸で会談することも明らかにし「機動的な金融政策の実施を期待する」と追加的な金融緩和策を求める考えを示唆した。政府は円高・経済対策の基本方針を31日に決定する。
東京・大田区の中小企業を視察後、記者団に語った。急激な円高の進行に関しては「為替市場の過度な変動は経済・金融の安定に悪影響を及ぼすもので、重大な認識を持っている」と語った。
経済対策を巡っては(1)円高や海外経済の減速などによる「景気下振れリスク」に対応する(2)政府が6月にまとめた今後10年間の新成長戦略を前倒しし、即効性があり需要・雇用創出効果の高い施策を実施する――などと説明。具体策については「できる限り速やかにとりまとめる」と具体的な時期には言及しなかった。
政府は30日に「新卒者雇用・特命チーム会合」を開き、若者の失業率を抑えるため、新卒者を中心とした就職支援策もまとめる予定だ。
大型書店、丸善とジュンク堂が1年半で10店
大日本印刷(DNP)の傘下にある書店チェーン大手、丸善書店とジュンク堂書店(神戸市)は共同で2012年1月までに売り場面積が3千平方メートル前後の大型店を10店出店する。共同ブランドの店を中心に首都圏や地方の県庁所在地を中心に新設する。同時に300平方メートル程度の小型店数店を閉める。電子書籍や書籍のインターネット通販の拡大で書店経営は厳しさを増している。このため販売効率の高い大型店で生き残りを目指す。
9月2日に共同ブランド店「丸善&ジュンク堂書店」の1号店を東急百貨店本店(東京・渋谷、3630平方メートル)で開業する。その後、広島県、福岡県、福島県など全国で順次開設。近隣に両社の店舗がない地域では共同ブランドで出店するが、近くに丸善ブランドの店舗がある場合はジュンク堂を単独で出店するなど、両社で調整しながら効率良く市場を押さえる考えだ。
ジュンク堂は大型店が中心であるのに対して丸善書店は300平方メートル程度の小型店を15店前後抱える。このため丸善書店の小型店を対象に閉鎖を検討する。閉鎖数は10店未満のもよう。両社合計の店舗面積は14万1240平方メートル。10店の新規出店と小型店数店の閉鎖で、売り場面積は最大で現在よりも20%程度広がる見込み。総投資額は最大約100億円(書籍の購入費用含む)の見込み。
丸善が書店事業を分社化して設立した全額出資子会社の丸善書店とジュンク堂は11年2月にDNP子会社のCHIグループにぶら下がる形になる。2社は同グループで大型店を柱に経営規模を拡大し、販売効率を高めると同時に取引条件の改善を進め、低迷する書店事業をてこ入れする考えだ。
丸善書店とジュンク堂の合計の店舗数は80店で年間売上高は約800億円。一般消費者に店舗を通じて販売する書籍に限定すれば、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開する「TSUTAYA」(店舗ベースの売上高で約900億円)に次ぐ業界2位の規模となる。
出版科学研究所(東京・新宿)によると、書籍・雑誌の09年の推定販売額は前年比4.1%減の1兆9356億円。一方、調査会社のインプレスR&D(東京・千代田)によると、09年度の電子書籍の市場は前年度を23.7%上回る574億円となった。書籍のネット通販も拡大を続けている。このため大半の書店チェーンは経営改革が急務になっている。
ネット通販・電子書籍浸透、中小書店の経営厳しく
書店は淘汰が進んでいる。出版社のアルメディア(東京・豊島)によると、2010年5月時点の全国の書店数は前年同月比3%減の1万5300。この10年で見ると3割減少した。
一方、店舗の大型化は進み、売り場面積は4678万9400平方メートルとこの10年で15%広がった。「経営基盤の弱い中小書店の閉鎖が増える中、品ぞろえが広く、効率的な店舗運営ができる大型店が増えているため」(アルメディア)という。
今後も中小書店の経営は厳しくなるのは確実。電子書籍の需要が拡大の兆しを見せているうえに、米アマゾン・ドット・コムに代表される書籍のネット通販が勢力を拡大し、書店のシェアを奪いつつあるためだ。
もちろん丸善やジュンク堂はDNPと協力して独自の電子書籍販売サイトを10月にも立ち上げるなど、電子書籍への対応も進めている。ただ、書籍や雑誌を購入する消費者が現時点で最も多いのは本業の書店で、経営をおろそかにはできない。このため一気に大型化を進め、中小店のシェアなどをつかむ考え。競合他社も大型化を進めるのは必至で、書店の淘汰が加速しそうだ。
東京市場、「自ら上場廃止」広がる 株式新規公開も低迷
東京証券取引所から姿を消す上場企業が増えている。年初から8月27日までの上場廃止は予定分も含め47社と、4年続けて70社を超える可能性が強まってきた。自社や親会社が自ら上場廃止を申請する例が多い。投資家から批判の多い「親子上場」が解消される面がある一方、新しい企業の株式新規公開(IPO)が増えなければ、東京市場の地盤沈下がいっそう進むことになる。
■維持コスト年1億円 「少数株主のいる上場子会社へのガバナンス(企業統治)という(従来の)スタイルが問題の発見を遅らせた」
27日にメルシャンの完全子会社化を発表したキリンホールディングス。三宅占二社長は記者会見で、不正な循環取引が発覚したメルシャンの企業統治改善に取り組む決意を強調した。
キリンHDだけではない。パナソニックやキヤノン、日立製作所……。理由は異なるが、子会社の上場廃止によりグループの経営改革を加速する大手企業が増えている。
企業のオーナーがMBO(経営陣が参加する買収)を実施する例も目立つ。
「上場廃止は将来を見据えた戦略の一環。社員の士気が落ちないように部下によく説明してほしい」。給食最大手の日清医療食品がMBOでジャスダック上場を廃止する方針を発表した8月12日、村田清和社長は幹部を集めてこう呼び掛けた。
村田社長ら発行済み株式の過半数を握る同社の創業一族は「上場を続ける意味があるのか」と自問自答してきた。大型の設備投資の計画はなく、上場を続けて市場から資金を調達する必要はない。一方、海外での投資家説明会など上場維持コストは年間1億円を超えており、上場のメリットとデメリットを比較した上での決断が市場からの退出だった。
■5年連続2ケタも M&A(合併・買収)助言のレコフによると、MBOによる株式非公開化は2000~05年は年1~6件だったが、06年以降に増加。日清医療食品をはじめ今年は既に5社が発表しており、5年連続で2ケタに達する可能性がある。
企業は非上場になることにより、短期の利益を求める投資家の圧力からは解放される。経営者が長期の視点で資本政策や事業戦略を見直しやすくなる。
ただ非上場企業の再公開やベンチャー企業の新規上場が進まないと、株式市場は全体として活力を失いかねない。東証の上場会社数はピークだった07年6月から119社も減少している。
日本を素通りして韓国や台湾などアジア市場での上場をめざす国内新興企業も出ており、日本のIPO市場が回復する兆しは見えない。
「親子上場の解消など企業統治の改善は続けるべきだが、これ以上上場廃止の動きが続くと、東京市場の空洞化が進みかねない」。市場を去る企業を複雑な思いで見つめる東証関係者も多い。
3D年末商戦に各社本腰 ソニー、対応10商品を投入
電機メーカー各社が3D(3次元)関連の製品投入を本格化させている。ソニーは26日、3D対応のブルーレイ・ディスク(BD)録画再生機や液晶テレビなど計10商品を9~12月に順次、投入すると発表した。3Dテレビは、薄型テレビの販売台数に占める割合が7月時点で1%強にとどまっており、本格普及に至っていないが、各社ともソフトがそろい始める年末商戦に照準を合わせ、3D商品の普及を押し上げたい考えだ。
「ソニーは上位機種だけでなく、普及価格帯も3D化していく」
同社の石田佳久・業務執行役員SVPは同日開いたBD製品説明会でこう述べた。この日発表した冬モデルのBD録画再生機は全6機種をすべて3D対応し、液晶テレビも全28機種のうち、3分の1以上の11機種が3D対応可能とした。年末商戦に向け、低価格帯も含めた3D商品の拡充を急ぐ。
新機種は、BD録画再生機6機種が内蔵ハードディスク320ギガバイト~2テラバイトで、価格は約9万~27万円を想定。液晶テレビは別売りの送信機を購入した場合に3Dが視聴できるタイプで、40~55型の全3機種が30万~44万円と普及価格帯モデルも拡充した。傘下のソニーピクチャーズなどから3D映画のBDソフト4商品も発売する予定で、「ハードとコンテンツ両面で楽しんでもらう」(石田SVP)と意気込みをみせる。
市場調査会社BCNによると、3テレビの販売台数は薄型テレビ全体の1.3%にとどまる。高価格に加えソフトも不足しており、「盛り上がっているとはいえない」(BCNの道越一郎アナリスト)のが現状だ。ただ、各社の競争で価格下落も見込める年末商戦には「流れがくる」(東芝担当者)と、関連商品の展開を加速させている。
国内で最初に3Dテレビを発売したパナソニックは9月、内蔵ハードディスクやBD再生機を搭載した3Dテレビを発売する。3D映像が撮影できるデジタルビデオカメラもすでに投入しており、「他社に先駆けて3D化を進める」(幹部)とライバル意識を燃やす。
東芝は10月に、一気に3Dテレビ8機種を投入する。通常の2次元映像を3Dに高画質変換する機能を売りに、シェアアップを狙う。シェアトップのシャープは7月に投入した「4原色」の3Dテレビと、BD録画再生機でトップを堅持したい考えだ。
KDDI、太陽光活用の基地局を沖縄に新設 消費電力3割減
KDDI(au)は太陽光発電と蓄電池、通常の電力の3種類の電源を活用する「トライブリッド」式携帯電話基地局の設置を増やす。27日に沖縄県に新設し、9月末までに埼玉や高知、愛媛、新潟の各県にも置いて計11局を稼働させる。トライブリッド基地局は従来より消費電力を最大3割削減でき、環境負荷も減る。耐用性やデータを検証したうえで本格導入を目指す。
太陽光パネルによる発電のほか、電気料金が安い深夜に蓄電した電力、通常の商用電力を組み合わせて利用する。電気料金は従来より4割削減できるという。
沖縄セルラー電話と共同で沖縄県北部に新設した基地局は、太陽光パネルと基地局の一部の部材を一体化するなどの工夫で導入コスト削減や工事期間の短縮につなげた。台風への耐久性を調べるほか、高知では鉄塔に太陽光パネルを設置するなどの実験を実施し、発電効率の向上に取り組む。
【産経主張】日印戦略対話 重層的協力で共通利益を
岡田克也外相はクリシュナ・インド外相との戦略対話で、日印原子力協定の早期締結を目指す方針で一致した。しかし、岡田氏はインドが核実験を行えば「協力を停止する」との条件をつけたため、交渉が長期化する見通しも出てきた。
核軍縮・不拡散を外交の柱とする日本がインドにも同様の取り組みを期待するのは当然といえる。その一方で、アジア情勢を踏まえた戦略的協調も重要だ。日印両国は4年前に戦略的グローバル・パートナーシップ構築に合意し、日米、日豪に次ぐ安全保障の連携を深めてきた。価値と利害を共有する現実的立場で協力関係を育てる視点を大切にしていきたい。
日印関係の基盤は自民党政権下で築かれ、2005年の小泉純一郎首相訪印後は首脳の年次相互訪問が定着した。外相級戦略対話も今回で4度目だ。
昨年末の鳩山由紀夫首相訪印時には、次官級外務・防衛協議(2プラス2)の新設、海上自衛隊とインド海軍の相互交流と多国間演習参加などで合意し、協力をさらに深めることになった。
人口11億人のインドは「世界最大の民主主義国」と呼ばれ、日本とは共通の価値観を有する。文化面でも絆(きずな)が強い。中国に次ぐ巨大市場として相互のビジネスや投資の期待も高まっている。
とくにインドは今後10年間に20基以上の原発建設を計画中だ。1基あたり5千億円ともいう原発計画の受注は、日本の原子力産業界にとって大きな魅力だ。
今回焦点となった原子力協定は日本の技術の軍事転用を防ぐのが主眼だ。インドが核拡散防止条約(NPT)に加盟せず、核実験凍結も一方的宣言のため、日本国内には協定に反対する声もある。岡田外相が協定に条件をつけたのはこれに配慮したものだろう。
その際に忘れてならないのは、中国の軍拡や海洋進出が目立つ中で日米、日豪、日印の連携を深めることは日本の国益にとって不可欠であることだ。地域の平和と安定のための重層的な協力をインド洋に広げていく意義も大きい。
海賊対策や航行の安全などで協力のパイプを太くすることは双方の利益にもかなう。インドに核不拡散努力を求めつつ、安保協力を進めるのは決して矛盾しない。日印両政府は戦略的視点を見失わずに協議を進めてほしい。
「PSP Go」の反省か、ソニーが「PS4」などでもゲームのダウンロード専売は避ける方針に
昨年、従来のUMDスロットを廃し、ダウンロードのみでゲームソフトを購入できる「PSP Go」を発売したソニーだが、今後はダウンロードのみでゲームソフトを購入できるハードウェアを発売しない方針であることが明らかになった。
6月には販売不振のPSP Goについて、「製品のライフサイクル自体が成熟した時に消費者の動向を知るために投入したもので、我々は非常に多くのことを学んだ」とソニー幹部が回答したが、反省が生かされた形ということなのか。
海外ゲームサイト「MCV」がソニー・コンピュータエンタテイメントのCEO(最高経営責任者)、平井一夫氏に行ったインタビューによると、ソニーは将来的にもゲームソフトをダウンロードのみで購入できるハードウェアを発売しない予定であることが明らかになった。
これは必ずしも世界各国でダウンロード販売を行うのに十分なネットワークインフラが整備されていないことを受けたもので、常に物理メディアの形でゲームソフトを提供することがビジネスを行う上での必要条件であると平井氏は述べている。
なお、ソニーはPS3のライフサイクルを10年程度に設定しているため、もちろん他社の動向に左右されるものの、PS4が登場するのには少なくともあと数年はかかると考えられるが、今回の平井氏の発言により、どうやらPS4や次世代PSPに対しても、物理メディアの形でゲームソフトが提供されることになりそうだ。
XepriaのPOBoxにSimeji互換のプラグイン機能追加
NTTドコモは、Xperiaにおいて、「spモード」へ対応する本体ソフトウェアのバージョンアップを提供する。8月30日よりパソコン経由でアップデートを行う更新ファイルが提供され、8月31日からは端末上で直接アップデートできるようになる。
spモード対応に伴なう本体ソフトウェアの更新では、OSのバージョンに変更は無くAndroid OSのバージョン1.6のまま。アップデート後は、spモード用のAPN設定が追加され、これを選択することでspモードを利用できる。また、「spモードメール」アプリをAndroidマーケットからダウンロードすることで、iモードのメールアドレスでメールの送受信が可能になる。
加えてXperiaでは、日本語入力機能が「POBox Touch 3.0」にバージョンアップされる。「POBox Touch 3.0」では、外部のアプリを呼び出せる「POBox Plug-in」を実装。プラグインアプリをインストールすることで、文字入力の際に定型文や電話帳データといった、さまざまなデータを呼び出せるようになる。9月1日以降、Androidマーケットでプラグインアプリの配信が開始される予定。
さらに、「POBox Plug-in」は、Androidマーケットで配信されている日本語入力アプリ「Simeji」のプラグイン機能「マッシュルーム」と互換性が確保されており、すでに提供されているマッシュルーム対応アプリを「POBox Touch 3.0」のプラグインとして利用できる。「POBox Touch 3.0」の設定画面では、ソニー・エリクソンのプラグインアプリ紹介ページに簡単にアクセスできるようになっているほか、同社のメーカーサイトにてプラグインアプリの特集コーナーを設ける予定。
「POBox Touch 3.0」ではこのほか、数字モードのキーレイアウトを変更し、数字キーの表示が拡大された。表示される種類が少なくなった記号については、シフトキーを押して表示を切り替えればすべてが表示される。
「ニコニコ大会議」開催、ニコ動のHTML5対応や次期バージョンの予定を発表
ニワンゴは26日、動画共有サイト「ニコニコ動画」のイベント「ニコニコ大会議2010夏~笑顔のチカラ~」を、東京・渋谷のC.C.Lemonホールで開催した。イベントの冒頭には、ニワンゴ取締役の西村博之氏と、ドワンゴ取締役の夏野剛氏が登場。ニコニコ動画のHTML5対応や、プレミアム会員100万人突破日予想キャンペーンの開催などを発表した。
「ニコニコ大会議」は、ニコニコ動画の人気アーティストによるライブや、ニコニコ動画の新機能発表などを行うイベント。これまでは無料で開催してきたが、今回から「事業化」の一環として有料のイベントとなり、実際の会場に入場できる「リアルチケット」と、ネットの生中継を視聴できる「ネットチケット」を販売。1800人の来場者と6300人の有料視聴者を集めた。
名称は「大会議」となっているものの、メインのイベントはアーティストのライブという構成。客席の大半は女性客で埋まっており、冒頭のアーティスト紹介では名前が呼び上げられる度に大歓声が挙がった。そんな中、「僕らは前座なんで」と言いながら登場してきた西村氏と夏野氏が、ニコニコ動画の現状と新機能を発表。8月26日時点でニコニコ動画のID登録数は1817万人、モバイルID登録数は545万人、有料のプレミアム会員が93万人に達したことを紹介した。
夏野氏は、「もうすぐ3ケタ(100万人)になるので、これは何かやらないとということで、キャンペーンをやることにしました」として、プレミアム会員の100万人突破日を予想するキャンペーンを8月27日に開始することを発表。予想者の中から100人でニコニコ動画の100万ポイントを山分けするキャンペーンとなり、夏野氏は「最初はドワンゴの株100万円分を山分けにしようって話をしてたんだけど、株となるとなかなか難しくて、やるには株主総会を開催しなければならないということがわかってやめました」と裏事情も交えつつ、キャンペーンの概要を紹介した。
ニコニコ動画の新機能としては、9月末にHTML5での動画再生に対応する予定を発表。これにより、iPadのウェブブラウザーからもニコニコ動画の再生とコメント投稿が可能になるという。
さらに、「本当は今回発表したかったが間に合わなかった」として、秋に開催する次回のニコニコ大会議で、ニコニコ動画の次期バージョンについて発表することを明らかにした。
9月末にHTML5に対応し、iPadのブラウザーで視聴可能となる予定を発表次期バージョンは10月開催の「ニコニコ大会議2010秋」で発表の予定
ニコニコ生放送の新機能としては、トップページにニコニコ生放送の視聴プレーヤーを設置し、アカウントを持たないユーザーにも特定の番組の視聴を可能にするほか、放送にタグ機能を追加。9月からは、ニコニコ動画に宣伝を流せる「ニコニ広告」で、生放送の宣伝にも対応する。
また、公式生放送の限定機能だった、生放送者に直接電話をかけられる「ニコニコ電話」を、ユーザー生放送にも試験サービスとして提供する。プレミアム会員のみが対象で、対応機種はNTTドコモの携帯電話のみ。サーバー負荷などを計測するため、8月26日から1週間限定の試験サービスとなる。
関連製品としては、株式会社インターネットが10月8日に発売予定のボーカロイドシリーズの新製品「ガチャッポイド」を紹介。ガチャピンの声をベースにしたボーカロイドソフトで、舞台にも特別ゲストとしてガチャピンが登場。「ガチャッポイドでどんなことをしたいですか?」というガチャピンの質問に、西村氏が「ムックの悪口を言わせたい」と返すなど、会場を沸かせた。
もう1つの関連製品としては、テレビにHDMIケーブルで接続し、「ニコニコ実況」のコメントをテレビに流すことができるハードウェア「デジタルテロッパ」を紹介。2ちゃんねるやTwitterなどのテキストサービスにも対応予定で、製造販売元は株式会社エンティス。発売は9月上旬の予定で、メーカー希望小売価格は1万9800円。ニコニコ動画の販売サイト「ニコニコ直販」では、特別価格1万2525円での予約受け付けを開始した。
Lenovo、中国向けにゲーム機を提供へ
世界第4位のPCメーカーLenovoが、中国市場向けビデオゲーム機を開発するための部署を設け、Microsoftやソニーなどのライバルに対抗すると、中国紙が8月27日に報じた。
同社の40人ほどのソフトウェアエンジニアがスピンオフして、ゲーム機「eBox」の開発と販売に当たるのBeijing eedoo Technologyを設けたと、China Dailyは伝えている。
Lenovoとその親会社Legend Holdings、系列の非公開投資会社Legend Capitalがeedooに出資しているが、投資額は明らかにしていないという。
Lenovoとeedooの関係者にコメントを求めたが、連絡が付かなかった。
Lenovoはコモディティ化したPCの販売以外にも事業を多角化しようとしており、昨年中国でスマートフォンを立ち上げ、タブレットPCの投入計画も発表している。
中国は海賊版がまん延しているため、ゲームソフトから利益の大半を得るゲーム機メーカーにとっては難しい市場として知られている。
ブックオフ、上位10%のヘビーユーザーで売上の約55% 携帯で集めるスタンプで来店率向上をはかる
ブックオフコーポレーションは、9月1日から、携帯電話端末を使ってスタンプを集めると特典が得られるサービスを開始する。
「BOOKOFF タッチでおトクなメンバーズ」は、商品の購入や買取の回数に応じてスタンプを付与するサービス。10個たまると、1日だけ、どの店舗でも購入が10%オフになる「1dayサンクスパス」と交換することができる。1店舗で1日に取得できるスタンプの上限は、購入で1個、買取で1個の合計2個まで。また、複数店舗を利用した場合の1日に取得できるスタンプの上限は3個までとなっている。
ブックオフが今年の2月に行った顧客調査では、ブックオフでは年間利用金額や回数の多い、上位10%のヘビーユーザーで売上の約55%(買取の約60%)を占めており、上位20%で売上の約70%(買取の約75%)を占めていることが明らかになった。また、ヘビーユーザーであるほど利用店舗数が多いことから、今回のサービス導入によって、リピーターの来店頻度の向上をはかる。
円高放置なら製造業の4割が日本脱出 経産省調査
直嶋正行経済産業相は27日の閣僚懇談会で、1ドル=85円台の円高が継続した場合、製造業の4割が工場や開発拠点を海外に移転するとした緊急調査の結果を報告した。円高の急速な進行で、対ドルで製造業の約6割が、ユーロでは約5割が減益になると回答。円高が企業業績に深刻な打撃を与え、国内産業の空洞化が加速する恐れが強いことが鮮明となった。直嶋経産相によると、調査結果を踏まえ菅直人首相が同日中に円高への対処方針を表明する。
調査結果によると、製造業の6割が「海外での生産比率を拡大する」と回答した。また中小企業は、1ドル=85円台の円高が続けば約7割が減益になると回答。特に下請け業者では8割強が「減益になる」と答え、取引先のコストダウン要請や海外企業に受注を奪われるなど深刻な収益悪化に陥る恐れがあるとした。
調査は製造業を中心に200社に対し、11~24日までの期間に聞き取りで行った。製造業では自動車や電機、非鉄金属、産業機械、繊維などから、主要な輸出企業を選んで実施した。
東京ディズニーリゾート、総入場者数が5億人突破
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは27日、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の総入場者数が延べ5億人を超えたと発表した。
5億人を達成したのは、同日午前10時20分ごろ。TDLは昭和58年4月に開業し、平成3年5月に入場者数が1億人を突破した。その後、TDSをオープンした翌年の14年11月に3億人、18年11月に4億人を達成した。オリエンタルランドによると、4億人突破から5億人を達成するまでの期間は3年300日。1億人ごとの区切りでは最速という。
5億人目となったのは、家族4人でTDLを訪れた群馬県藤岡市の主婦相馬恵さん(38)。ミッキーマウスやミニーマウスに囲まれ、5年間有効のパスポートや花束を受け取り「とてもびっくりしましたが、うれしいです。家族で何度も遊びに来たい」と笑顔で話した。
米ディズニーが運営する海外の計4つのテーマパークの入場者数では、米フロリダ州にあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートが1995年に5億人を達成。開業から24年での突破で、TDLなどより3年早かった。
ダイハツ、エコカー補助金終了にらみ奨励金で販売てこ入れ
ダイハツ工業が、政府のエコカー購入補助金制度の9月末の終了をにらみ、10月以降に取引先の販売会社に対し新たに奨励金を支給すること検討していることが27日、分かった。9月中の補助金対象車の購入に対して、国の予算切れで新車登録(軽自動車は新車検査の届け出)前に制度が打ち切られた場合に、同社が補助金分を負担することも検討している。補助金制度終了で予想される新車販売の反動減を、こうした独自の対策で乗り切りたい考えだ。
10月以降の販売奨励金はは、全国約60社の系列販売会社に値引きの原資として支給する方向。具体的な手法や金額は今後詰める。
エコカー補助金は燃費など一定の環境性能を備えた車を購入すると10万円、登録から13年以上の車から乗り換えると25万円が交付される。軽自動車はそれぞれこの半額が支給される。
しかし、9月末の期限前でも予算が無くなれば補助金は打ち切りになる。交付を担当する次世代自動車振興センターによると、8月25日現在の補助金の残額は約626億円。ここにきて駆け込み申請が急増し、平均すると1日あたり30億円超を消化するペースで進んでおり、期限前に予算が底をつく可能性も出ている。
ダイハツの平成22年4~6月期の乗用車販売台数は前年同期比7・7%増。リーマン・ショックで落ち込んだ前年に比べ、エコカー補助などに支えられ順調に回復しており、この勢いを失速させないため、独自の販売促進策を打ち出す。
日興コーディアル、FXから撤退 値下げ競争激化で
日興コーディアル証券は27日、7年間続けてきた外国為替証拠金取引(FX)事業から10月30日付で撤退することを明らかにした。8月からのレバレッジ(証拠金倍率)の上限規制の導入や手数料の値上げ競争の激化を受け、事業の継続が難しいと判断したもよう。
すでに顧客にはサービス終了を通知しており、新規口座開設の申し込み受け付けも終了した。
日興コーデは、2003年に相対取引の店頭FXに参入。06年からは「イージーFX」のサービス名で事業を行ってきたが、顧客は伸び悩んでいた。
FX業界では、上限規制の導入に伴い高レバレッジが売り物だった店頭FXの取引量が減少するとされ、税制優遇のある取引所FXにシフトする業者が相次いでいる。
全国消費者物価指数、17か月連続下落
総務省が27日発表した7月の全国消費者物価指数(2005年=100)は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で1・1%下落の99・0と、1993年3月の水準まで落ち込んだ。
下げ幅は前月の1・0%下落から拡大した。マイナスは17か月連続で、物価が継続的に下落するデフレ状況が続いている。
品目別では、値下げ競争の激しい薄型テレビが前年同月比で29・4%下落したほか、猛暑効果で売れ行きが好調なエアコンも15・0%下落した。
全国の先行指標となる東京都区部の8月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が98・6で、前年同月比で1・1%下落し、前月の1・3%下落から下げ幅は縮小した。
7月の建設受注 2カ月連続でマイナス 製造業の設備投資激減響く
日本建設業団体連合会(日建連)が27日発表した7月の建設受注は前年同月比2・7%減の5764億円となり、2カ月連続で前年同月の実績を割り込んだ。景気低迷を背景に民間の製造業の受注が22・2%減と4カ月連続で2ケタのマイナスとなったほか、官公庁の公共投資も36・0%減となったのが影響した。
一方、4~7月の累計の受注実績も前年同期比9・4%減の2兆689億円と、2ケタ近いマイナスとなっている。国内の民間企業の投資減少と、国の公共投資の大幅な削減が響いて、建設業者にとって厳しい経営環境が続いている。
小沢氏出馬表明 日本の針路を競う代表選に(8月27日付・読売社説)
民主党代表選は、再選をめざす菅首相と小沢一郎前幹事長との、事実上の一騎打ちになることが固まった。
与党第1党の党首選は首相選びに直結する。「脱小沢」か「親小沢」かという権力争奪の多数派工作に堕することなく、あるべき日本の針路を論じ合って雌雄を決してほしい。
◆分裂、政界再編の芽も◆
小沢氏は、9月1日告示、14日投開票の党代表選に出馬する意向を表明した。
党内の幅広い支持を得られることを前提に出馬を検討していた小沢氏は、鳩山前首相の支持をとりつけた上で立候補に踏み切った。だが、支持の大勢が固まっているわけではない。
今回の対決の背景には、小沢氏と、「脱小沢」を掲げる菅首相や仙谷官房長官、枝野幹事長らとの強い軋轢(あつれき)がある。
鳩山氏は、党の亀裂が深まる事態を避けるため、菅首相と小沢氏との仲介に動いた。だが、鳩山氏が小沢氏の要職起用を含む挙党態勢の構築を求めたのに対して、菅首相は難色を示した。
小沢氏は反発し、菅首相の無投票再選を容認すれば、党内で孤立しかねず、窮余の決断になったものとみられる。
挙党態勢を条件に「菅氏支持」を表明していた鳩山氏は、一転して「小沢氏支持」に変わった。参院選前、政局混迷の責任をとってともに辞任した小沢氏を代表に推すのは、納得し難い行動だ。
鳩山氏の調停失敗を受け、小沢氏が正面突破を図ったことで、代表選は党を二分する争いになる見込みだ。党分裂含みの展開も予想され、今後、野党を巻き込んだ政界再編の動きも出てこよう。
◆「政治とカネ」説明を◆
小沢支持グループは、参院選の敗北が衆院選の政権公約(マニフェスト)から逸脱した結果だとして、「原点回帰」を唱えている。菅首相の消費税率引き上げ検討発言も批判してきた。
しかし、子ども手当などのバラマキ政策は、当初の極めて甘い財源見通しにより、公約通りに実行できないのは明らかだ。
小沢氏が原点回帰路線に立つなら、公約実施に向けた現実的な財源と、工程表を早急に提示することが肝要だ。
小沢氏がなすべきことは、それだけではない。「政治とカネ」の問題について、きちんと説明責任を果たすことが欠かせない。
自らの資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件について、小沢氏は先の通常国会では、衆院政治倫理審査会で弁明せず、証人喚問からも逃れた。
しかし、参院選の結果、与党が過半数を失ったことによる「衆参ねじれ国会」の下で、野党側の厳しい追及を乗り切っていくことは極めて難しい。
今秋、検察審査会が再び、「起訴すべき」と議決すれば、本来なら小沢氏の強制起訴は免れない。ただ、憲法には「国務大臣は在任中、総理大臣の同意がなければ訴追されない」との規定がある。
菅支持派からは「小沢氏は起訴を逃れるため、首相をめざすのではないか」との声も聞かれる。
実際、「起訴議決」の場合、小沢氏はどう対処するのか。事前に明らかにする責任もあろう。
一方、菅首相は、小沢氏の出馬が確定したことを、重く受け止めなければならない。
菅首相以下、民主党執行部は、参院選敗北について明確な責任をとらず、敗因についても十分な総括をしてこなかった。これらが党内に不満を醸成した。
◆政治空白の余裕はない◆
党運営や政策遂行をめぐる首相の指導力や判断力に、民主党の多くの議員が不安を抱いていることも否定できない。
最近の円高や株安など、経済危機への対応一つとっても、菅内閣の動きは鈍い。代表選の最中にあっても、首相は国政を預かる責任を果たさなければならない。
首相は、政権公約の修正を図ろうとするなら、政権交代以降の政策を再点検し、今後、何を変え、何を継続するのかを明確にすることが大事だ。
消費税率の引き上げ問題も、右顧左眄(うこさべん)せず、所信を正面から訴えるべきである。
現在の民主党は2003年、当時の菅民主党代表と小沢自由党党首が、政権交代を旗印に、両党を合併して生まれた。
当初から「選挙互助会」とか、「理念なき合併」との指摘があった。憲法改正や安保政策、消費税問題など党の基本政策は、今もって確立していない。これが、政権担当政党として政策を進める上の障害になっている。
この際、両氏は、党分裂や政界再編に至る可能性に臆することなく、党の基本政策について徹底した議論を展開すべきだ。
昨年、従来のUMDスロットを廃し、ダウンロードのみでゲームソフトを購入できる「PSP Go」を発売したソニーだが、今後はダウンロードのみでゲームソフトを購入できるハードウェアを発売しない方針であることが明らかになった。
6月には販売不振のPSP Goについて、「製品のライフサイクル自体が成熟した時に消費者の動向を知るために投入したもので、我々は非常に多くのことを学んだ」とソニー幹部が回答したが、反省が生かされた形ということなのか。
海外ゲームサイト「MCV」がソニー・コンピュータエンタテイメントのCEO(最高経営責任者)、平井一夫氏に行ったインタビューによると、ソニーは将来的にもゲームソフトをダウンロードのみで購入できるハードウェアを発売しない予定であることが明らかになった。
これは必ずしも世界各国でダウンロード販売を行うのに十分なネットワークインフラが整備されていないことを受けたもので、常に物理メディアの形でゲームソフトを提供することがビジネスを行う上での必要条件であると平井氏は述べている。
なお、ソニーはPS3のライフサイクルを10年程度に設定しているため、もちろん他社の動向に左右されるものの、PS4が登場するのには少なくともあと数年はかかると考えられるが、今回の平井氏の発言により、どうやらPS4や次世代PSPに対しても、物理メディアの形でゲームソフトが提供されることになりそうだ。
XepriaのPOBoxにSimeji互換のプラグイン機能追加
NTTドコモは、Xperiaにおいて、「spモード」へ対応する本体ソフトウェアのバージョンアップを提供する。8月30日よりパソコン経由でアップデートを行う更新ファイルが提供され、8月31日からは端末上で直接アップデートできるようになる。
spモード対応に伴なう本体ソフトウェアの更新では、OSのバージョンに変更は無くAndroid OSのバージョン1.6のまま。アップデート後は、spモード用のAPN設定が追加され、これを選択することでspモードを利用できる。また、「spモードメール」アプリをAndroidマーケットからダウンロードすることで、iモードのメールアドレスでメールの送受信が可能になる。
加えてXperiaでは、日本語入力機能が「POBox Touch 3.0」にバージョンアップされる。「POBox Touch 3.0」では、外部のアプリを呼び出せる「POBox Plug-in」を実装。プラグインアプリをインストールすることで、文字入力の際に定型文や電話帳データといった、さまざまなデータを呼び出せるようになる。9月1日以降、Androidマーケットでプラグインアプリの配信が開始される予定。
さらに、「POBox Plug-in」は、Androidマーケットで配信されている日本語入力アプリ「Simeji」のプラグイン機能「マッシュルーム」と互換性が確保されており、すでに提供されているマッシュルーム対応アプリを「POBox Touch 3.0」のプラグインとして利用できる。「POBox Touch 3.0」の設定画面では、ソニー・エリクソンのプラグインアプリ紹介ページに簡単にアクセスできるようになっているほか、同社のメーカーサイトにてプラグインアプリの特集コーナーを設ける予定。
「POBox Touch 3.0」ではこのほか、数字モードのキーレイアウトを変更し、数字キーの表示が拡大された。表示される種類が少なくなった記号については、シフトキーを押して表示を切り替えればすべてが表示される。
「ニコニコ大会議」開催、ニコ動のHTML5対応や次期バージョンの予定を発表
ニワンゴは26日、動画共有サイト「ニコニコ動画」のイベント「ニコニコ大会議2010夏~笑顔のチカラ~」を、東京・渋谷のC.C.Lemonホールで開催した。イベントの冒頭には、ニワンゴ取締役の西村博之氏と、ドワンゴ取締役の夏野剛氏が登場。ニコニコ動画のHTML5対応や、プレミアム会員100万人突破日予想キャンペーンの開催などを発表した。
「ニコニコ大会議」は、ニコニコ動画の人気アーティストによるライブや、ニコニコ動画の新機能発表などを行うイベント。これまでは無料で開催してきたが、今回から「事業化」の一環として有料のイベントとなり、実際の会場に入場できる「リアルチケット」と、ネットの生中継を視聴できる「ネットチケット」を販売。1800人の来場者と6300人の有料視聴者を集めた。
名称は「大会議」となっているものの、メインのイベントはアーティストのライブという構成。客席の大半は女性客で埋まっており、冒頭のアーティスト紹介では名前が呼び上げられる度に大歓声が挙がった。そんな中、「僕らは前座なんで」と言いながら登場してきた西村氏と夏野氏が、ニコニコ動画の現状と新機能を発表。8月26日時点でニコニコ動画のID登録数は1817万人、モバイルID登録数は545万人、有料のプレミアム会員が93万人に達したことを紹介した。
夏野氏は、「もうすぐ3ケタ(100万人)になるので、これは何かやらないとということで、キャンペーンをやることにしました」として、プレミアム会員の100万人突破日を予想するキャンペーンを8月27日に開始することを発表。予想者の中から100人でニコニコ動画の100万ポイントを山分けするキャンペーンとなり、夏野氏は「最初はドワンゴの株100万円分を山分けにしようって話をしてたんだけど、株となるとなかなか難しくて、やるには株主総会を開催しなければならないということがわかってやめました」と裏事情も交えつつ、キャンペーンの概要を紹介した。
ニコニコ動画の新機能としては、9月末にHTML5での動画再生に対応する予定を発表。これにより、iPadのウェブブラウザーからもニコニコ動画の再生とコメント投稿が可能になるという。
さらに、「本当は今回発表したかったが間に合わなかった」として、秋に開催する次回のニコニコ大会議で、ニコニコ動画の次期バージョンについて発表することを明らかにした。
9月末にHTML5に対応し、iPadのブラウザーで視聴可能となる予定を発表次期バージョンは10月開催の「ニコニコ大会議2010秋」で発表の予定
ニコニコ生放送の新機能としては、トップページにニコニコ生放送の視聴プレーヤーを設置し、アカウントを持たないユーザーにも特定の番組の視聴を可能にするほか、放送にタグ機能を追加。9月からは、ニコニコ動画に宣伝を流せる「ニコニ広告」で、生放送の宣伝にも対応する。
また、公式生放送の限定機能だった、生放送者に直接電話をかけられる「ニコニコ電話」を、ユーザー生放送にも試験サービスとして提供する。プレミアム会員のみが対象で、対応機種はNTTドコモの携帯電話のみ。サーバー負荷などを計測するため、8月26日から1週間限定の試験サービスとなる。
関連製品としては、株式会社インターネットが10月8日に発売予定のボーカロイドシリーズの新製品「ガチャッポイド」を紹介。ガチャピンの声をベースにしたボーカロイドソフトで、舞台にも特別ゲストとしてガチャピンが登場。「ガチャッポイドでどんなことをしたいですか?」というガチャピンの質問に、西村氏が「ムックの悪口を言わせたい」と返すなど、会場を沸かせた。
もう1つの関連製品としては、テレビにHDMIケーブルで接続し、「ニコニコ実況」のコメントをテレビに流すことができるハードウェア「デジタルテロッパ」を紹介。2ちゃんねるやTwitterなどのテキストサービスにも対応予定で、製造販売元は株式会社エンティス。発売は9月上旬の予定で、メーカー希望小売価格は1万9800円。ニコニコ動画の販売サイト「ニコニコ直販」では、特別価格1万2525円での予約受け付けを開始した。
Lenovo、中国向けにゲーム機を提供へ
世界第4位のPCメーカーLenovoが、中国市場向けビデオゲーム機を開発するための部署を設け、Microsoftやソニーなどのライバルに対抗すると、中国紙が8月27日に報じた。
同社の40人ほどのソフトウェアエンジニアがスピンオフして、ゲーム機「eBox」の開発と販売に当たるのBeijing eedoo Technologyを設けたと、China Dailyは伝えている。
Lenovoとその親会社Legend Holdings、系列の非公開投資会社Legend Capitalがeedooに出資しているが、投資額は明らかにしていないという。
Lenovoとeedooの関係者にコメントを求めたが、連絡が付かなかった。
Lenovoはコモディティ化したPCの販売以外にも事業を多角化しようとしており、昨年中国でスマートフォンを立ち上げ、タブレットPCの投入計画も発表している。
中国は海賊版がまん延しているため、ゲームソフトから利益の大半を得るゲーム機メーカーにとっては難しい市場として知られている。
ブックオフ、上位10%のヘビーユーザーで売上の約55% 携帯で集めるスタンプで来店率向上をはかる
ブックオフコーポレーションは、9月1日から、携帯電話端末を使ってスタンプを集めると特典が得られるサービスを開始する。
「BOOKOFF タッチでおトクなメンバーズ」は、商品の購入や買取の回数に応じてスタンプを付与するサービス。10個たまると、1日だけ、どの店舗でも購入が10%オフになる「1dayサンクスパス」と交換することができる。1店舗で1日に取得できるスタンプの上限は、購入で1個、買取で1個の合計2個まで。また、複数店舗を利用した場合の1日に取得できるスタンプの上限は3個までとなっている。
ブックオフが今年の2月に行った顧客調査では、ブックオフでは年間利用金額や回数の多い、上位10%のヘビーユーザーで売上の約55%(買取の約60%)を占めており、上位20%で売上の約70%(買取の約75%)を占めていることが明らかになった。また、ヘビーユーザーであるほど利用店舗数が多いことから、今回のサービス導入によって、リピーターの来店頻度の向上をはかる。
円高放置なら製造業の4割が日本脱出 経産省調査
直嶋正行経済産業相は27日の閣僚懇談会で、1ドル=85円台の円高が継続した場合、製造業の4割が工場や開発拠点を海外に移転するとした緊急調査の結果を報告した。円高の急速な進行で、対ドルで製造業の約6割が、ユーロでは約5割が減益になると回答。円高が企業業績に深刻な打撃を与え、国内産業の空洞化が加速する恐れが強いことが鮮明となった。直嶋経産相によると、調査結果を踏まえ菅直人首相が同日中に円高への対処方針を表明する。
調査結果によると、製造業の6割が「海外での生産比率を拡大する」と回答した。また中小企業は、1ドル=85円台の円高が続けば約7割が減益になると回答。特に下請け業者では8割強が「減益になる」と答え、取引先のコストダウン要請や海外企業に受注を奪われるなど深刻な収益悪化に陥る恐れがあるとした。
調査は製造業を中心に200社に対し、11~24日までの期間に聞き取りで行った。製造業では自動車や電機、非鉄金属、産業機械、繊維などから、主要な輸出企業を選んで実施した。
東京ディズニーリゾート、総入場者数が5億人突破
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは27日、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の総入場者数が延べ5億人を超えたと発表した。
5億人を達成したのは、同日午前10時20分ごろ。TDLは昭和58年4月に開業し、平成3年5月に入場者数が1億人を突破した。その後、TDSをオープンした翌年の14年11月に3億人、18年11月に4億人を達成した。オリエンタルランドによると、4億人突破から5億人を達成するまでの期間は3年300日。1億人ごとの区切りでは最速という。
5億人目となったのは、家族4人でTDLを訪れた群馬県藤岡市の主婦相馬恵さん(38)。ミッキーマウスやミニーマウスに囲まれ、5年間有効のパスポートや花束を受け取り「とてもびっくりしましたが、うれしいです。家族で何度も遊びに来たい」と笑顔で話した。
米ディズニーが運営する海外の計4つのテーマパークの入場者数では、米フロリダ州にあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートが1995年に5億人を達成。開業から24年での突破で、TDLなどより3年早かった。
ダイハツ、エコカー補助金終了にらみ奨励金で販売てこ入れ
ダイハツ工業が、政府のエコカー購入補助金制度の9月末の終了をにらみ、10月以降に取引先の販売会社に対し新たに奨励金を支給すること検討していることが27日、分かった。9月中の補助金対象車の購入に対して、国の予算切れで新車登録(軽自動車は新車検査の届け出)前に制度が打ち切られた場合に、同社が補助金分を負担することも検討している。補助金制度終了で予想される新車販売の反動減を、こうした独自の対策で乗り切りたい考えだ。
10月以降の販売奨励金はは、全国約60社の系列販売会社に値引きの原資として支給する方向。具体的な手法や金額は今後詰める。
エコカー補助金は燃費など一定の環境性能を備えた車を購入すると10万円、登録から13年以上の車から乗り換えると25万円が交付される。軽自動車はそれぞれこの半額が支給される。
しかし、9月末の期限前でも予算が無くなれば補助金は打ち切りになる。交付を担当する次世代自動車振興センターによると、8月25日現在の補助金の残額は約626億円。ここにきて駆け込み申請が急増し、平均すると1日あたり30億円超を消化するペースで進んでおり、期限前に予算が底をつく可能性も出ている。
ダイハツの平成22年4~6月期の乗用車販売台数は前年同期比7・7%増。リーマン・ショックで落ち込んだ前年に比べ、エコカー補助などに支えられ順調に回復しており、この勢いを失速させないため、独自の販売促進策を打ち出す。
日興コーディアル、FXから撤退 値下げ競争激化で
日興コーディアル証券は27日、7年間続けてきた外国為替証拠金取引(FX)事業から10月30日付で撤退することを明らかにした。8月からのレバレッジ(証拠金倍率)の上限規制の導入や手数料の値上げ競争の激化を受け、事業の継続が難しいと判断したもよう。
すでに顧客にはサービス終了を通知しており、新規口座開設の申し込み受け付けも終了した。
日興コーデは、2003年に相対取引の店頭FXに参入。06年からは「イージーFX」のサービス名で事業を行ってきたが、顧客は伸び悩んでいた。
FX業界では、上限規制の導入に伴い高レバレッジが売り物だった店頭FXの取引量が減少するとされ、税制優遇のある取引所FXにシフトする業者が相次いでいる。
全国消費者物価指数、17か月連続下落
総務省が27日発表した7月の全国消費者物価指数(2005年=100)は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で1・1%下落の99・0と、1993年3月の水準まで落ち込んだ。
下げ幅は前月の1・0%下落から拡大した。マイナスは17か月連続で、物価が継続的に下落するデフレ状況が続いている。
品目別では、値下げ競争の激しい薄型テレビが前年同月比で29・4%下落したほか、猛暑効果で売れ行きが好調なエアコンも15・0%下落した。
全国の先行指標となる東京都区部の8月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が98・6で、前年同月比で1・1%下落し、前月の1・3%下落から下げ幅は縮小した。
7月の建設受注 2カ月連続でマイナス 製造業の設備投資激減響く
日本建設業団体連合会(日建連)が27日発表した7月の建設受注は前年同月比2・7%減の5764億円となり、2カ月連続で前年同月の実績を割り込んだ。景気低迷を背景に民間の製造業の受注が22・2%減と4カ月連続で2ケタのマイナスとなったほか、官公庁の公共投資も36・0%減となったのが影響した。
一方、4~7月の累計の受注実績も前年同期比9・4%減の2兆689億円と、2ケタ近いマイナスとなっている。国内の民間企業の投資減少と、国の公共投資の大幅な削減が響いて、建設業者にとって厳しい経営環境が続いている。
小沢氏出馬表明 日本の針路を競う代表選に(8月27日付・読売社説)
民主党代表選は、再選をめざす菅首相と小沢一郎前幹事長との、事実上の一騎打ちになることが固まった。
与党第1党の党首選は首相選びに直結する。「脱小沢」か「親小沢」かという権力争奪の多数派工作に堕することなく、あるべき日本の針路を論じ合って雌雄を決してほしい。
◆分裂、政界再編の芽も◆
小沢氏は、9月1日告示、14日投開票の党代表選に出馬する意向を表明した。
党内の幅広い支持を得られることを前提に出馬を検討していた小沢氏は、鳩山前首相の支持をとりつけた上で立候補に踏み切った。だが、支持の大勢が固まっているわけではない。
今回の対決の背景には、小沢氏と、「脱小沢」を掲げる菅首相や仙谷官房長官、枝野幹事長らとの強い軋轢(あつれき)がある。
鳩山氏は、党の亀裂が深まる事態を避けるため、菅首相と小沢氏との仲介に動いた。だが、鳩山氏が小沢氏の要職起用を含む挙党態勢の構築を求めたのに対して、菅首相は難色を示した。
小沢氏は反発し、菅首相の無投票再選を容認すれば、党内で孤立しかねず、窮余の決断になったものとみられる。
挙党態勢を条件に「菅氏支持」を表明していた鳩山氏は、一転して「小沢氏支持」に変わった。参院選前、政局混迷の責任をとってともに辞任した小沢氏を代表に推すのは、納得し難い行動だ。
鳩山氏の調停失敗を受け、小沢氏が正面突破を図ったことで、代表選は党を二分する争いになる見込みだ。党分裂含みの展開も予想され、今後、野党を巻き込んだ政界再編の動きも出てこよう。
◆「政治とカネ」説明を◆
小沢支持グループは、参院選の敗北が衆院選の政権公約(マニフェスト)から逸脱した結果だとして、「原点回帰」を唱えている。菅首相の消費税率引き上げ検討発言も批判してきた。
しかし、子ども手当などのバラマキ政策は、当初の極めて甘い財源見通しにより、公約通りに実行できないのは明らかだ。
小沢氏が原点回帰路線に立つなら、公約実施に向けた現実的な財源と、工程表を早急に提示することが肝要だ。
小沢氏がなすべきことは、それだけではない。「政治とカネ」の問題について、きちんと説明責任を果たすことが欠かせない。
自らの資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件について、小沢氏は先の通常国会では、衆院政治倫理審査会で弁明せず、証人喚問からも逃れた。
しかし、参院選の結果、与党が過半数を失ったことによる「衆参ねじれ国会」の下で、野党側の厳しい追及を乗り切っていくことは極めて難しい。
今秋、検察審査会が再び、「起訴すべき」と議決すれば、本来なら小沢氏の強制起訴は免れない。ただ、憲法には「国務大臣は在任中、総理大臣の同意がなければ訴追されない」との規定がある。
菅支持派からは「小沢氏は起訴を逃れるため、首相をめざすのではないか」との声も聞かれる。
実際、「起訴議決」の場合、小沢氏はどう対処するのか。事前に明らかにする責任もあろう。
一方、菅首相は、小沢氏の出馬が確定したことを、重く受け止めなければならない。
菅首相以下、民主党執行部は、参院選敗北について明確な責任をとらず、敗因についても十分な総括をしてこなかった。これらが党内に不満を醸成した。
◆政治空白の余裕はない◆
党運営や政策遂行をめぐる首相の指導力や判断力に、民主党の多くの議員が不安を抱いていることも否定できない。
最近の円高や株安など、経済危機への対応一つとっても、菅内閣の動きは鈍い。代表選の最中にあっても、首相は国政を預かる責任を果たさなければならない。
首相は、政権公約の修正を図ろうとするなら、政権交代以降の政策を再点検し、今後、何を変え、何を継続するのかを明確にすることが大事だ。
消費税率の引き上げ問題も、右顧左眄(うこさべん)せず、所信を正面から訴えるべきである。
現在の民主党は2003年、当時の菅民主党代表と小沢自由党党首が、政権交代を旗印に、両党を合併して生まれた。
当初から「選挙互助会」とか、「理念なき合併」との指摘があった。憲法改正や安保政策、消費税問題など党の基本政策は、今もって確立していない。これが、政権担当政党として政策を進める上の障害になっている。
この際、両氏は、党分裂や政界再編に至る可能性に臆することなく、党の基本政策について徹底した議論を展開すべきだ。
NTTドコモがiアプリDX開発ツールを個人開発者などに向け公開、GPSや課金が利用可能に
NTTドコモは26日、GPSや電話帳参照などiアプリDXの機能やiモード課金を利用するためのライブラリのベータ版を提供開始した。またiアプリ開発ツール「AppliStudio」ベータ版を公開した。
iアプリDXは、GPS(iエリア)や電話帳・履歴参照、ネイティブメーラ連携、音声認識、OpenGL ES、自動起動機能、Bluetooth、アプリのダウンロード元以外との通信許可など、iアプリの高度な機能(写真3)。従来はiモード公式サイトの企業にのみ利用が許可されていた。今回のライブラリなどの公開対象は個人開発者や公式サイト以外の企業である。
今回公開されたのは、iアプリDXの機能を利用したアプリを開発するために必要な「ドコモマーケット(iモード)向けライブラリ」のベータ版。課金のための「ドコモマーケット(iモード)向け課金ライブラリ」のベータ版も同時に公開した。
アプリの開発に当たっては「iアプリDX開発 トライアル申請」が必要で、その受け付けも開始した。ただし実際のアプリ提供に際してはドコモが2010年11月に公開を予定しているiアプリマーケット「ドコモマーケット(iモード)」への登録が必要になる。ドコモマーケット(iモード)への登録条件を満たしているかチェックするためのツール「ドコモマーケット(iモード)向けiアプリチェックツール」のベータ版も公開した。
開発ツール「AppliStudio」は、iアプリの画面レイアウトや画面遷移をGUIで作成できるもの。GUI上での定義からJavaソースコードおよびXML定義ファイルを自動生成する。Eclipseのプラグインとして動作する。
オープン化に向かうiアプリ
企業だけでなく、個人開発者も対象にするモバイルアプリの新市場、iモード版ドコモマーケット――。
現在、iモードの公式コンテンツだけにとどまっている開発者は減ってきていると思う。公式コンテンツの市場が大きいとはいっても、もはや成長率はマイナス。公式のゲームサイトは厳しい状況で、(勝手サイトに分類される)DeNAの「モバゲータウン」や(無料ゲームを提供している)グリー(GREE)がその市場の中心だ。
個人にしてみればNTTドコモにアプリを提供するというより、「GREEに出します」「モバゲータウンに出します」「mixiに出します」という状況になっている。さらに「iモードはやっぱり敷居が高い」となれば開発者は「スマートフォン向けにだけアプリを提供すればいい」という考え方にもなるだろう。
iモードについてはこのままの状況だと、公式コンテンツが売れなくなって、勝手サイトのコンテンツしか売れなくなる。かなり自由にアプリが提供されているスマートフォンのアプリマーケットのようにiモードを変えていかないとコンテンツが増えない、という考えもあるかもしれない。
NTTドコモはiモードの敷居を下げることをこれまでもやってきている。もともとそういう流れがあった中にスマートフォンが出てきたことで、オープン化の流れが加速している面もあるだろう。
iモード版ドコモマーケットは「個人がiモードの課金システムを使えます」というのがポイントだろう。NTTドコモがホスティングするのも個人開発者にとっては魅力。iモードコンテンツを提供する場合、コンテンツプロバイダー(CP)は自前でサーバー持たなければならない。現状はクラウドサービスを使ってサーバーを準備するところが多い。
個人の開発者にとって大変なのは、携帯電話の機種間のスペックの差にどう対処するかだ。実はAndroidに関してもハイエンドとローエンドの端末では画面の解像度などに大きな差が出始めている。両方に対応するためにはアプリを作り変えなければならない。それを個人がやるにはかなりつらい。企業でもそれに対応できるリソースを確保できないところは残っていけないだろう。
「HMV渋谷」跡地、フォーエバー21に 来年1月開店
今月22日に閉店したCD販売店「HMV渋谷」(東京・渋谷)の跡地に、米衣料専門店のフォーエバー21が来年1月までに進出する。売り場面積は4000平方メートル前後で、今年4月に開業した銀座店(約3000平方メートル)を上回る国内最大店舗となる。
立地は渋谷センター街の一等地。フォーエバー21は地上1~6階にテナントとして入居する。インターネットの音楽配信に押されて閉店したかつての人気CD店の後に、流行の衣料品を低価格で提供する「ファストファッション」の人気ブランドが入ることは、時代の流れを象徴した動きといえそうだ。
10月から店舗改装に入り、年末年始にかけて開業する見通し。フォーエバー21の国内店舗としては5店目となる。ビル保有会社から京阪電気鉄道の流通子会社が賃借し、フォーエバー21に貸し出す。
携帯用電波、2020年に4倍 総務省部会が目標提示
総務省の作業部会は26日、携帯電話や高速無線データ通信に使える電波を2020年に現在の4倍に増やす目標を提示した。多機能携帯電話(スマートフォン)などの普及拡大で通信需要が大幅に伸び、周波数が不足する可能性があるため。11年にも電波法を改正し、周波数の再編を加速する新制度を導入することも正式に表明した。
総務省の「ワイヤレス・ブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ(WG)」がとりまとめた中間報告案によると、20年には通信量が200倍以上に増える見通しだ。不足を補うためには、データ通信技術の向上に加え、周波数帯の再編成が不可欠と判断。周波数の移行費用について跡地を利用する別の事業者が負担する新制度の創設を目指すとした。
こうした施策を通じ、携帯電話向け周波数帯を15年には現在の1.6倍、20年に4倍に増やす。確保した電波は電力需給を自動調整するスマートメーターや、未然に交通事故を防止するための高分解能レーダーなどにも活用する。
内藤正光総務副大臣は同日のWGで「電波政策は大転換点を迎えている。加速度的に増え続ける通信量に対応し、利用者の利便性を高めたい」と話した。
集英社、最終赤字41億8000万円 10年5月期
集英社が26日発表した2010年5月期の最終損益は、41億8000万円の赤字だった。広告収入が前の期から24.8%減ったほか、保有不動産の評価損を計上したことが響いた。出版大手では講談社の09年11月期、小学館の10年2月期も最終赤字で、出版不況を反映した格好だ。
集英社の売上高は前の期から2.1%減の1304億7000万円で、4期連続の減収。ただ出版物の販売収入は、大手3社の中で集英社が最も健闘しており、書籍と雑誌を合わせた販売額は2.8%増の1052億6100万円と増加した。
主力マンガ誌「週刊少年ジャンプ」や、「ワンピース」など掲載作品の単行本が売り上げを押し上げたため。文芸などの書籍は2.8%の減少だった。講談社、小学館ともに売上高は7%以上減少。この結果、集英社が講談社を逆転して首位に立った。
音楽配信の販売額、4~6月期3%減 2四半期連続
日本レコード協会が26日発表した2010年4~6月期の音楽配信販売額は、前年同期比3%減の213億7600万円だった。2四半期連続の前年割れで、減少率は1~3月期の同2%減から拡大するなど不振が鮮明になった。レコード業界では音楽CDの販売減も続いており、携帯電話向けゲームなど他のコンテンツとの競争激化などの影響を受けたと見られる。
4~6月期のダウンロード回数は同4%減の1億1049万件だった。分野別では、販売額の9割弱を占める携帯電話向け音楽配信の販売額が同3%減の187億900万円。パソコン向けも同3%減の23億4300万円だった。
8月の新車販売7割増 補助金終了前で駆け込み需要
国内の新車販売市場で、エコカー補助金制度の終了を見越した駆け込み需要が活発になってきた。8月の乗用車販売台数(軽自動車、輸入車除く)は25日現在で14万9000台強となり、昨年の同時点に比べ73%増加した。各販売店が盆休みを返上して最後の追い込み営業に動くなど、販売合戦が過熱している。
毎月の最終週に新車登録が集中するという変動要因はあるが、プラス幅は7月の15%から大幅に伸びる見通しだ。乗用車で最大25万円を支給する補助金制度は9月末で終了する。人気車種の中には、補助金を受け取れる9月末までの納車が間に合わないケースも出てきた。各販売店とも在庫車を中心に特別価格車や低金利ローンなどを用意し、販売を促進している。
メーカー別では主力小型車「フィット」の販売拡大が続くホンダが79%増と好調を維持。7月に新型ミニバン「プレマシー」を発売したマツダは昨年の2倍に急増した。トヨタ自動車と日産自動車はそれぞれ69%増加。登録車に比べ補助金が少なく、回復が遅れていた軽自動車(660cc以下)も、8月(24日時点)は60%増の6万9000台と需要拡大が鮮明になっている。
ただ、乗用車向けの補助申請は25日時点で予算の9割に達した。「9月上旬には予算が尽きる」(神奈川県のトヨタ系販売店)との指摘もあり、今後の販売が反動で急減する恐れが出ている。
大阪府内の中小企業の4割 取引先が生産拠点を海外に移転 大阪市信金アンケート
急激に円高が進行する中、大阪府内の中小企業の約4割が、取引先企業の生産拠点の海外移転に直面していることが26日、大阪市信用金庫がまとめたアンケートで分かった。海外移転に伴う取引先からの仕事量減少によって業績悪化に見舞われたとの回答も多く、今後も大企業の海外への生産移転が進めば、中小部品メーカーが立ちいかなくなる懸念もある。
円高でモノづくり企業の競争力が弱まり、パナソニックが主力事業であるプラズマパネルの生産設備の一部を、兵庫県尼崎市から中国・上海に移設することを決めるなど円高対応策として輸出企業の海外シフトが鮮明になってきた。
アンケートでは「取引先企業が生産拠点を海外に移転した事例があるか」との設問に、43・8%が「ある」と回答。このうち75・4%が「仕事量減少による業績悪化」に見舞われたという。また、全体の92・6%が、企業の海外移転などにより「産業空洞化の弊害を感じている」とした。
アンケートは7月中旬、府内の製造業者500社を対象に実施。大阪市信金総合研究所の難波亘由所長は「大企業が進める海外での『現地生産・現地消費』戦略によって、中小企業の仕事はどんどん奪われる。政府の対応が遅れればさらに影響が広がる」と警鐘を鳴らしている。
ゲーム各社の娯楽施設運営事業、相次ぎ収益改善へ 11年3月期
ゲーム各社は今期、アミューズメント施設運営事業の収益が改善する。不採算店舗の圧縮などで減収となるが、運営コストの削減効果が出る。バンダイナムコホールディングスは部門営業利益が前期の4倍弱になる見通し。コーエーテクモホールディングスやスクウェア・エニックス・ホールディングスも増益になる。
バンナムHDは2010年3月期に北米だけで店舗を249減の897にし、場所を東側に集めた。「集金作業の手間が省ける」(浅古有寿取締役)という。賃料削減も寄与し、約5億円の営業赤字だった海外が今期はトントンになるもよう。全体では4%の減収だが、営業利益は4倍弱の10億円を見込む。
国内が主のコーテクHDや、4~6月期に10店閉鎖したスクエニHDも店舗圧縮効果が出る。11年3月期の営業利益はそれぞれ2倍の2億円、4%増の30億円になる見通し。
11年3月期に国内外で13店減らすセガサミーホールディングスは15億円の営業赤字(前期は13億円の赤字)の見通し。ただ4~6月期の営業損益は2億円弱の黒字(前年同期は1億円の赤字)と「想定以上に改善している」(社長室)という。
イオン、主力スーパー合併 店名「イオン」に統一
「ジャスコ」や「サティ」、年500億円コスト削減
イオンは主力の総合スーパー事業を再編する方針を固めた。2011年2月期中に傘下で「ジャスコ」を運営するイオンリテールが、「サティ」のマイカルなど2社を吸収合併。店舗数345、合計売上高約2兆5000億円のチェーンをつくり、店名も来春をメドに「イオン」に統一する。商品仕入れの一本化や間接部門の合理化でコストを削減、500億円規模の統合効果を引き出す。国内消費の縮小で不振に陥った総合スーパー事業を立て直し、中国などアジア進出の加速につなげる。
3社はイオンリテール(千葉市、資本金500億円)、マイカル(大阪市、200億円)と、イオンマルシェ(千葉市、1億円)で、いずれも持ち株会社イオンの100%子会社。イオンマルシェは、日本を05年に撤退した仏カルフールから引き継いだ店を店名イオンで運営している。3社の合計売上高はイオンの連結売上高の5割に当たる。
人事や経理などの間接部門を統合、余剰人員は店舗などの営業部門に振り向ける。間接部門の合理化や販促の共通化で3社合計の販売管理費の5%強に当たる400億円程度削減できるもよう。
商品の調達力も高める。現在は別々の3社の商談を一本化して原価率を改善。売り場の運営ノウハウも共通化して粗利益額を100億円程度高める。販管費削減と合わせて13年度に現在1%未満の売上高営業利益率を3~4%に引き上げる。
イオンはM&A(合併・買収)でグループを拡大してきたが、08年秋以降の景気低迷で経営環境が悪化し、傘下の専門店の再編などに着手。中核のイオンリテールも収益力が低下しており、最大の課題だった総合スーパーの構造改革にも踏み込む。
マイカルは01年に経営破綻。イオンの支援で05年に会社更生手続きを終えたが、衣料品の不振で苦戦が続くなど一段のテコ入れが必要だった。
イオンはショッピングセンター名や広告宣伝の前面に打ち出してきたグループ名「イオン」が、消費者に身近なブランドとして確立できたと判断。300店超の主力店名に用いてイメージを刷新する効果を狙う。将来はイオン九州やイオン北海道、海外の総合スーパー計120店も名前をイオンに統一する方針だ。
長引く消費低迷やデフレで全国スーパー売上高は7月まで20カ月連続の前年割れ。イオンは中長期的に海外売上高比率を50%に引き上げる考え。中国などアジアへの展開を急ぐ原資を稼ぐためにも国内の基盤を固める。
イオン、規模拡大路線を見直し 収益改善急ぐ
イオンが、中核の総合スーパー事業を担うイオンリテール、マイカル、イオンマルシェの3社を合併し店舗の名称を「イオン」に統一する。これまで規模拡大を優先し、M&A(合併・買収)を進めてきたが、国内の小売市場は先行き厳しいと判断。グループ事業を再編し、収益増が見込める体制作りを急ぐ。
イオンは歴史的にM&Aで拡大してきた。総合スーパーだけでなく、食品スーパー、ドラッグストアなど小売企業を傘下に収め、規模ではセブン&アイ・ホールディングスと肩を並べる。ただ相乗効果は薄く、収益面では見劣りしていた。グループ全体に占める総合スーパー事業の構成比(2010年2月期)は売上高ベースで49%だが、営業利益ではわずかに13%にとどまる。
このため「グループ内の重複した機能を整理する」(岡田元也社長)ことで経営の効率化を急ぐ。4月に業績不振の衣料品専門店の米タルボットを米ファンドに売却。衣料品専門店のブルーグラスとコックスの合併や、ビルメンテナンスのイオンディライトと業務用資材調達のチェルトの合併も決定済みだ。
一方、今回の3社合併により営業体制を見直す。例えば自転車など成長力のある自前の専門店を各店に広げる営業てこ入れ策を進めやすくする。一連の施策でどこまで利益率を高め、海外など成長分野にどこまで経営資源を配分できるか。勝負どころといえそうだ。
「近所のつぶやき」検索 米グーグルが新サービス
【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルは26日、ミニブログ大手の米ツイッターなどを通じて利用者が書き込んだ情報を検索するサービスを拡充すると発表した。新たに専用ウェブページを設置、特定の地域のつぶやきのみを抽出できる機能を導入する。ツイッターをはじめとするソーシャルメディアの利用が拡大していることに対応する。
同社はツイッターなどを通じて書き込んだ最新情報を探すことができる「リアルタイム検索」を昨年12月に始めており、このサービスを近く更新する。地域による絞り込みでは「近所」を選んだり、特定の地名を入力したりすることも可能。自分の周辺ではやっているテーマについて調べたり、旅行先の最新情報を集めるなど用途を見込む。
さらに関連する情報を一括して画面に表示する機能や、あらかじめキーワードを登録しておくとリアルタイム検索の結果を電子メールで受け取ることができるサービスも始める。対応するメディアはツイッターのほか、グーグルの「バズ」や交流サイト(SNS)最大手のフェースブックなど。
フェースブックは利用者が5億人を突破、ツイッターは書き込みが200億件を超えるなど、身近な話題などを書き込んで利用者同士が交流するソーシャルメディアの利用が世界的に拡大している。グーグルは従来、ウェブページや画像の検索が主力だったが、新たな情報共有の手法にも対応することで利用者のニーズに応える。
新聞協会加盟103紙 紙の価値再発見 きょう一斉広告
日本新聞協会の加盟新聞会社103紙は27日、同協会特別企画として、紙の価値を再発見してもらう広告「紙があって、よかった。」を北海道から沖縄まで一斉掲載した。全紙の一斉掲載は初めて。
今回の特別企画は「日本を元気にする」キャンペーン企画第2弾で、新聞の媒体力と新聞広告のパワーを世の中にアピールするのが狙い。
広告主は製紙会社5社で、手塚治虫の下書きと野口英世の母の手紙の2つを紹介。紙と新聞が共にもつ普遍的価値を感じてもらうことを目的としている。
手塚治虫の「燈台鬼」の下書きは、手塚が思いついたそのときに描いたもので、氏らしいタッチが目を引く。紙があったからこそ、想像力は紙の上で形となり、その後の作品が生まれたことを紹介した。
野口英世の母、シカは海外で働く息子に会いたい一心から、子供のときに学んだ文字を思いだしながら手紙を書いた。「おまえの出世には皆たまげた。早く来てくだされ。一生の頼みです」と切々と訴えた手紙は、息子に早く帰ってきてほしいとの「思い」を紙に乗せて伝えた。
「ノートPC終焉は間近」 タブレット型端末、普及加速の見方
アップルの「iPad(アイパッド)」に代表されるタブレット型コンピューターの普及加速で、ノート型パソコンが終焉(しゅうえん)するとの見方が業界関係者から出ている。
米電話会社最大手AT&Tで、米アップルとの事業を統括するエマージングデバイス部門のグレン・ルーリー社長は、1000ドル(約8万5000円)のタブレット型コンピューターの普及によって、多くのノート型パソコンはまもなく使われなくなる可能性があるとの考えを示している。そして、ルーリー社長はこのほど、アトランタでのインタビューで、タブレット型コンピューターの大きさについて、「10インチ(約25センチ)画面の製品が主流になるだろう」と予測した。同氏は向こう5年間で、300~1000ドルのさまざまなタブレット型コンピューターが登場すると予想している。ちなみにアップルの「iPad」の価格は499~829ドルとなっている。
AT&Tはスマートフォン(高機能携帯電話)の補完商品として、タブレット型コンピューターの購入を新規および既存顧客に促すことで、普及が加速する可能性があると見ている。同社はiPadにデータサービスを独占的に提供しており、同製品は4月3日の発売以降300万台以上販売した。
フォレスター・リサーチのアナリスト、サラ・エップス氏は、2009年に1%未満だった米コンピューター市場の売り上げ全体に占めるタブレット型の割合は10年が約6%に、さらに15年には23%に上昇すると予想している。
続く部数減 探る業態転換 雑誌「携帯端末に巻き返しチャンス」
米誌の発行部数低迷が続いている。米新聞雑誌部数公査機構(ABC)によると2010年1~6月期は「リーダーズ・ダイジェスト」や「プレイボーイ」などの部数減が響き、1~6月期では2年連続の減少となった。
ABCによれば、10年1~6月期の米誌440誌の合計発行部数は前年同期比2.3%減の3億1380万部。発行部数は08年1~6月期以降減少している。
米メディア調査・顧問会社アウトセルのアナリスト、ケン・ドクター氏は、雑誌社は広告料金の設定や新規読者の獲得を発行部数に頼っており、部数減少が続けば、収益を圧迫する要因になると警告している。
「雑誌社は今後、読者や広告主獲得に向けアップルのiPad(アイパッド)のような端末に目を向け始めるだろう。まったく新しい方法でコンテンツを配信することで、巻き返しのチャンスを作れる」とドクター氏は話した。
発行部数で上位25誌のうち、10年1~6月期に最大の落ち込みを見せたのは「リーダーズ・ダイジェスト」で、25%減の610万部。健康誌「プリベンション」が12%減で続く。26位以下でも「プレイボーイ」が34%減の163万部に落ち込んだ。上位25誌で最大の伸びを示したのは、ゲーム誌「ゲーム・インフォーマー」で21%増の430万部。
ニューススタンドや食料雑貨店に置かれる「1部売り」の販売数は、5.6%減の3250万部だった。1部売りを除く定期購読による利益は2%減少した。
米雑誌発行者協会出版情報局(PIB)が7月に発表したデータによれば、10年上期に誌面の広告ページは4%減少したものの、広告収入は1.2%増の92億5000万ドル(約7840億円)に回復している。
NTTドコモは26日、GPSや電話帳参照などiアプリDXの機能やiモード課金を利用するためのライブラリのベータ版を提供開始した。またiアプリ開発ツール「AppliStudio」ベータ版を公開した。
iアプリDXは、GPS(iエリア)や電話帳・履歴参照、ネイティブメーラ連携、音声認識、OpenGL ES、自動起動機能、Bluetooth、アプリのダウンロード元以外との通信許可など、iアプリの高度な機能(写真3)。従来はiモード公式サイトの企業にのみ利用が許可されていた。今回のライブラリなどの公開対象は個人開発者や公式サイト以外の企業である。
今回公開されたのは、iアプリDXの機能を利用したアプリを開発するために必要な「ドコモマーケット(iモード)向けライブラリ」のベータ版。課金のための「ドコモマーケット(iモード)向け課金ライブラリ」のベータ版も同時に公開した。
アプリの開発に当たっては「iアプリDX開発 トライアル申請」が必要で、その受け付けも開始した。ただし実際のアプリ提供に際してはドコモが2010年11月に公開を予定しているiアプリマーケット「ドコモマーケット(iモード)」への登録が必要になる。ドコモマーケット(iモード)への登録条件を満たしているかチェックするためのツール「ドコモマーケット(iモード)向けiアプリチェックツール」のベータ版も公開した。
開発ツール「AppliStudio」は、iアプリの画面レイアウトや画面遷移をGUIで作成できるもの。GUI上での定義からJavaソースコードおよびXML定義ファイルを自動生成する。Eclipseのプラグインとして動作する。
オープン化に向かうiアプリ
企業だけでなく、個人開発者も対象にするモバイルアプリの新市場、iモード版ドコモマーケット――。
現在、iモードの公式コンテンツだけにとどまっている開発者は減ってきていると思う。公式コンテンツの市場が大きいとはいっても、もはや成長率はマイナス。公式のゲームサイトは厳しい状況で、(勝手サイトに分類される)DeNAの「モバゲータウン」や(無料ゲームを提供している)グリー(GREE)がその市場の中心だ。
個人にしてみればNTTドコモにアプリを提供するというより、「GREEに出します」「モバゲータウンに出します」「mixiに出します」という状況になっている。さらに「iモードはやっぱり敷居が高い」となれば開発者は「スマートフォン向けにだけアプリを提供すればいい」という考え方にもなるだろう。
iモードについてはこのままの状況だと、公式コンテンツが売れなくなって、勝手サイトのコンテンツしか売れなくなる。かなり自由にアプリが提供されているスマートフォンのアプリマーケットのようにiモードを変えていかないとコンテンツが増えない、という考えもあるかもしれない。
NTTドコモはiモードの敷居を下げることをこれまでもやってきている。もともとそういう流れがあった中にスマートフォンが出てきたことで、オープン化の流れが加速している面もあるだろう。
iモード版ドコモマーケットは「個人がiモードの課金システムを使えます」というのがポイントだろう。NTTドコモがホスティングするのも個人開発者にとっては魅力。iモードコンテンツを提供する場合、コンテンツプロバイダー(CP)は自前でサーバー持たなければならない。現状はクラウドサービスを使ってサーバーを準備するところが多い。
個人の開発者にとって大変なのは、携帯電話の機種間のスペックの差にどう対処するかだ。実はAndroidに関してもハイエンドとローエンドの端末では画面の解像度などに大きな差が出始めている。両方に対応するためにはアプリを作り変えなければならない。それを個人がやるにはかなりつらい。企業でもそれに対応できるリソースを確保できないところは残っていけないだろう。
「HMV渋谷」跡地、フォーエバー21に 来年1月開店
今月22日に閉店したCD販売店「HMV渋谷」(東京・渋谷)の跡地に、米衣料専門店のフォーエバー21が来年1月までに進出する。売り場面積は4000平方メートル前後で、今年4月に開業した銀座店(約3000平方メートル)を上回る国内最大店舗となる。
立地は渋谷センター街の一等地。フォーエバー21は地上1~6階にテナントとして入居する。インターネットの音楽配信に押されて閉店したかつての人気CD店の後に、流行の衣料品を低価格で提供する「ファストファッション」の人気ブランドが入ることは、時代の流れを象徴した動きといえそうだ。
10月から店舗改装に入り、年末年始にかけて開業する見通し。フォーエバー21の国内店舗としては5店目となる。ビル保有会社から京阪電気鉄道の流通子会社が賃借し、フォーエバー21に貸し出す。
携帯用電波、2020年に4倍 総務省部会が目標提示
総務省の作業部会は26日、携帯電話や高速無線データ通信に使える電波を2020年に現在の4倍に増やす目標を提示した。多機能携帯電話(スマートフォン)などの普及拡大で通信需要が大幅に伸び、周波数が不足する可能性があるため。11年にも電波法を改正し、周波数の再編を加速する新制度を導入することも正式に表明した。
総務省の「ワイヤレス・ブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ(WG)」がとりまとめた中間報告案によると、20年には通信量が200倍以上に増える見通しだ。不足を補うためには、データ通信技術の向上に加え、周波数帯の再編成が不可欠と判断。周波数の移行費用について跡地を利用する別の事業者が負担する新制度の創設を目指すとした。
こうした施策を通じ、携帯電話向け周波数帯を15年には現在の1.6倍、20年に4倍に増やす。確保した電波は電力需給を自動調整するスマートメーターや、未然に交通事故を防止するための高分解能レーダーなどにも活用する。
内藤正光総務副大臣は同日のWGで「電波政策は大転換点を迎えている。加速度的に増え続ける通信量に対応し、利用者の利便性を高めたい」と話した。
集英社、最終赤字41億8000万円 10年5月期
集英社が26日発表した2010年5月期の最終損益は、41億8000万円の赤字だった。広告収入が前の期から24.8%減ったほか、保有不動産の評価損を計上したことが響いた。出版大手では講談社の09年11月期、小学館の10年2月期も最終赤字で、出版不況を反映した格好だ。
集英社の売上高は前の期から2.1%減の1304億7000万円で、4期連続の減収。ただ出版物の販売収入は、大手3社の中で集英社が最も健闘しており、書籍と雑誌を合わせた販売額は2.8%増の1052億6100万円と増加した。
主力マンガ誌「週刊少年ジャンプ」や、「ワンピース」など掲載作品の単行本が売り上げを押し上げたため。文芸などの書籍は2.8%の減少だった。講談社、小学館ともに売上高は7%以上減少。この結果、集英社が講談社を逆転して首位に立った。
音楽配信の販売額、4~6月期3%減 2四半期連続
日本レコード協会が26日発表した2010年4~6月期の音楽配信販売額は、前年同期比3%減の213億7600万円だった。2四半期連続の前年割れで、減少率は1~3月期の同2%減から拡大するなど不振が鮮明になった。レコード業界では音楽CDの販売減も続いており、携帯電話向けゲームなど他のコンテンツとの競争激化などの影響を受けたと見られる。
4~6月期のダウンロード回数は同4%減の1億1049万件だった。分野別では、販売額の9割弱を占める携帯電話向け音楽配信の販売額が同3%減の187億900万円。パソコン向けも同3%減の23億4300万円だった。
8月の新車販売7割増 補助金終了前で駆け込み需要
国内の新車販売市場で、エコカー補助金制度の終了を見越した駆け込み需要が活発になってきた。8月の乗用車販売台数(軽自動車、輸入車除く)は25日現在で14万9000台強となり、昨年の同時点に比べ73%増加した。各販売店が盆休みを返上して最後の追い込み営業に動くなど、販売合戦が過熱している。
毎月の最終週に新車登録が集中するという変動要因はあるが、プラス幅は7月の15%から大幅に伸びる見通しだ。乗用車で最大25万円を支給する補助金制度は9月末で終了する。人気車種の中には、補助金を受け取れる9月末までの納車が間に合わないケースも出てきた。各販売店とも在庫車を中心に特別価格車や低金利ローンなどを用意し、販売を促進している。
メーカー別では主力小型車「フィット」の販売拡大が続くホンダが79%増と好調を維持。7月に新型ミニバン「プレマシー」を発売したマツダは昨年の2倍に急増した。トヨタ自動車と日産自動車はそれぞれ69%増加。登録車に比べ補助金が少なく、回復が遅れていた軽自動車(660cc以下)も、8月(24日時点)は60%増の6万9000台と需要拡大が鮮明になっている。
ただ、乗用車向けの補助申請は25日時点で予算の9割に達した。「9月上旬には予算が尽きる」(神奈川県のトヨタ系販売店)との指摘もあり、今後の販売が反動で急減する恐れが出ている。
大阪府内の中小企業の4割 取引先が生産拠点を海外に移転 大阪市信金アンケート
急激に円高が進行する中、大阪府内の中小企業の約4割が、取引先企業の生産拠点の海外移転に直面していることが26日、大阪市信用金庫がまとめたアンケートで分かった。海外移転に伴う取引先からの仕事量減少によって業績悪化に見舞われたとの回答も多く、今後も大企業の海外への生産移転が進めば、中小部品メーカーが立ちいかなくなる懸念もある。
円高でモノづくり企業の競争力が弱まり、パナソニックが主力事業であるプラズマパネルの生産設備の一部を、兵庫県尼崎市から中国・上海に移設することを決めるなど円高対応策として輸出企業の海外シフトが鮮明になってきた。
アンケートでは「取引先企業が生産拠点を海外に移転した事例があるか」との設問に、43・8%が「ある」と回答。このうち75・4%が「仕事量減少による業績悪化」に見舞われたという。また、全体の92・6%が、企業の海外移転などにより「産業空洞化の弊害を感じている」とした。
アンケートは7月中旬、府内の製造業者500社を対象に実施。大阪市信金総合研究所の難波亘由所長は「大企業が進める海外での『現地生産・現地消費』戦略によって、中小企業の仕事はどんどん奪われる。政府の対応が遅れればさらに影響が広がる」と警鐘を鳴らしている。
ゲーム各社の娯楽施設運営事業、相次ぎ収益改善へ 11年3月期
ゲーム各社は今期、アミューズメント施設運営事業の収益が改善する。不採算店舗の圧縮などで減収となるが、運営コストの削減効果が出る。バンダイナムコホールディングスは部門営業利益が前期の4倍弱になる見通し。コーエーテクモホールディングスやスクウェア・エニックス・ホールディングスも増益になる。
バンナムHDは2010年3月期に北米だけで店舗を249減の897にし、場所を東側に集めた。「集金作業の手間が省ける」(浅古有寿取締役)という。賃料削減も寄与し、約5億円の営業赤字だった海外が今期はトントンになるもよう。全体では4%の減収だが、営業利益は4倍弱の10億円を見込む。
国内が主のコーテクHDや、4~6月期に10店閉鎖したスクエニHDも店舗圧縮効果が出る。11年3月期の営業利益はそれぞれ2倍の2億円、4%増の30億円になる見通し。
11年3月期に国内外で13店減らすセガサミーホールディングスは15億円の営業赤字(前期は13億円の赤字)の見通し。ただ4~6月期の営業損益は2億円弱の黒字(前年同期は1億円の赤字)と「想定以上に改善している」(社長室)という。
イオン、主力スーパー合併 店名「イオン」に統一
「ジャスコ」や「サティ」、年500億円コスト削減
イオンは主力の総合スーパー事業を再編する方針を固めた。2011年2月期中に傘下で「ジャスコ」を運営するイオンリテールが、「サティ」のマイカルなど2社を吸収合併。店舗数345、合計売上高約2兆5000億円のチェーンをつくり、店名も来春をメドに「イオン」に統一する。商品仕入れの一本化や間接部門の合理化でコストを削減、500億円規模の統合効果を引き出す。国内消費の縮小で不振に陥った総合スーパー事業を立て直し、中国などアジア進出の加速につなげる。
3社はイオンリテール(千葉市、資本金500億円)、マイカル(大阪市、200億円)と、イオンマルシェ(千葉市、1億円)で、いずれも持ち株会社イオンの100%子会社。イオンマルシェは、日本を05年に撤退した仏カルフールから引き継いだ店を店名イオンで運営している。3社の合計売上高はイオンの連結売上高の5割に当たる。
人事や経理などの間接部門を統合、余剰人員は店舗などの営業部門に振り向ける。間接部門の合理化や販促の共通化で3社合計の販売管理費の5%強に当たる400億円程度削減できるもよう。
商品の調達力も高める。現在は別々の3社の商談を一本化して原価率を改善。売り場の運営ノウハウも共通化して粗利益額を100億円程度高める。販管費削減と合わせて13年度に現在1%未満の売上高営業利益率を3~4%に引き上げる。
イオンはM&A(合併・買収)でグループを拡大してきたが、08年秋以降の景気低迷で経営環境が悪化し、傘下の専門店の再編などに着手。中核のイオンリテールも収益力が低下しており、最大の課題だった総合スーパーの構造改革にも踏み込む。
マイカルは01年に経営破綻。イオンの支援で05年に会社更生手続きを終えたが、衣料品の不振で苦戦が続くなど一段のテコ入れが必要だった。
イオンはショッピングセンター名や広告宣伝の前面に打ち出してきたグループ名「イオン」が、消費者に身近なブランドとして確立できたと判断。300店超の主力店名に用いてイメージを刷新する効果を狙う。将来はイオン九州やイオン北海道、海外の総合スーパー計120店も名前をイオンに統一する方針だ。
長引く消費低迷やデフレで全国スーパー売上高は7月まで20カ月連続の前年割れ。イオンは中長期的に海外売上高比率を50%に引き上げる考え。中国などアジアへの展開を急ぐ原資を稼ぐためにも国内の基盤を固める。
イオン、規模拡大路線を見直し 収益改善急ぐ
イオンが、中核の総合スーパー事業を担うイオンリテール、マイカル、イオンマルシェの3社を合併し店舗の名称を「イオン」に統一する。これまで規模拡大を優先し、M&A(合併・買収)を進めてきたが、国内の小売市場は先行き厳しいと判断。グループ事業を再編し、収益増が見込める体制作りを急ぐ。
イオンは歴史的にM&Aで拡大してきた。総合スーパーだけでなく、食品スーパー、ドラッグストアなど小売企業を傘下に収め、規模ではセブン&アイ・ホールディングスと肩を並べる。ただ相乗効果は薄く、収益面では見劣りしていた。グループ全体に占める総合スーパー事業の構成比(2010年2月期)は売上高ベースで49%だが、営業利益ではわずかに13%にとどまる。
このため「グループ内の重複した機能を整理する」(岡田元也社長)ことで経営の効率化を急ぐ。4月に業績不振の衣料品専門店の米タルボットを米ファンドに売却。衣料品専門店のブルーグラスとコックスの合併や、ビルメンテナンスのイオンディライトと業務用資材調達のチェルトの合併も決定済みだ。
一方、今回の3社合併により営業体制を見直す。例えば自転車など成長力のある自前の専門店を各店に広げる営業てこ入れ策を進めやすくする。一連の施策でどこまで利益率を高め、海外など成長分野にどこまで経営資源を配分できるか。勝負どころといえそうだ。
「近所のつぶやき」検索 米グーグルが新サービス
【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルは26日、ミニブログ大手の米ツイッターなどを通じて利用者が書き込んだ情報を検索するサービスを拡充すると発表した。新たに専用ウェブページを設置、特定の地域のつぶやきのみを抽出できる機能を導入する。ツイッターをはじめとするソーシャルメディアの利用が拡大していることに対応する。
同社はツイッターなどを通じて書き込んだ最新情報を探すことができる「リアルタイム検索」を昨年12月に始めており、このサービスを近く更新する。地域による絞り込みでは「近所」を選んだり、特定の地名を入力したりすることも可能。自分の周辺ではやっているテーマについて調べたり、旅行先の最新情報を集めるなど用途を見込む。
さらに関連する情報を一括して画面に表示する機能や、あらかじめキーワードを登録しておくとリアルタイム検索の結果を電子メールで受け取ることができるサービスも始める。対応するメディアはツイッターのほか、グーグルの「バズ」や交流サイト(SNS)最大手のフェースブックなど。
フェースブックは利用者が5億人を突破、ツイッターは書き込みが200億件を超えるなど、身近な話題などを書き込んで利用者同士が交流するソーシャルメディアの利用が世界的に拡大している。グーグルは従来、ウェブページや画像の検索が主力だったが、新たな情報共有の手法にも対応することで利用者のニーズに応える。
新聞協会加盟103紙 紙の価値再発見 きょう一斉広告
日本新聞協会の加盟新聞会社103紙は27日、同協会特別企画として、紙の価値を再発見してもらう広告「紙があって、よかった。」を北海道から沖縄まで一斉掲載した。全紙の一斉掲載は初めて。
今回の特別企画は「日本を元気にする」キャンペーン企画第2弾で、新聞の媒体力と新聞広告のパワーを世の中にアピールするのが狙い。
広告主は製紙会社5社で、手塚治虫の下書きと野口英世の母の手紙の2つを紹介。紙と新聞が共にもつ普遍的価値を感じてもらうことを目的としている。
手塚治虫の「燈台鬼」の下書きは、手塚が思いついたそのときに描いたもので、氏らしいタッチが目を引く。紙があったからこそ、想像力は紙の上で形となり、その後の作品が生まれたことを紹介した。
野口英世の母、シカは海外で働く息子に会いたい一心から、子供のときに学んだ文字を思いだしながら手紙を書いた。「おまえの出世には皆たまげた。早く来てくだされ。一生の頼みです」と切々と訴えた手紙は、息子に早く帰ってきてほしいとの「思い」を紙に乗せて伝えた。
「ノートPC終焉は間近」 タブレット型端末、普及加速の見方
アップルの「iPad(アイパッド)」に代表されるタブレット型コンピューターの普及加速で、ノート型パソコンが終焉(しゅうえん)するとの見方が業界関係者から出ている。
米電話会社最大手AT&Tで、米アップルとの事業を統括するエマージングデバイス部門のグレン・ルーリー社長は、1000ドル(約8万5000円)のタブレット型コンピューターの普及によって、多くのノート型パソコンはまもなく使われなくなる可能性があるとの考えを示している。そして、ルーリー社長はこのほど、アトランタでのインタビューで、タブレット型コンピューターの大きさについて、「10インチ(約25センチ)画面の製品が主流になるだろう」と予測した。同氏は向こう5年間で、300~1000ドルのさまざまなタブレット型コンピューターが登場すると予想している。ちなみにアップルの「iPad」の価格は499~829ドルとなっている。
AT&Tはスマートフォン(高機能携帯電話)の補完商品として、タブレット型コンピューターの購入を新規および既存顧客に促すことで、普及が加速する可能性があると見ている。同社はiPadにデータサービスを独占的に提供しており、同製品は4月3日の発売以降300万台以上販売した。
フォレスター・リサーチのアナリスト、サラ・エップス氏は、2009年に1%未満だった米コンピューター市場の売り上げ全体に占めるタブレット型の割合は10年が約6%に、さらに15年には23%に上昇すると予想している。
続く部数減 探る業態転換 雑誌「携帯端末に巻き返しチャンス」
米誌の発行部数低迷が続いている。米新聞雑誌部数公査機構(ABC)によると2010年1~6月期は「リーダーズ・ダイジェスト」や「プレイボーイ」などの部数減が響き、1~6月期では2年連続の減少となった。
ABCによれば、10年1~6月期の米誌440誌の合計発行部数は前年同期比2.3%減の3億1380万部。発行部数は08年1~6月期以降減少している。
米メディア調査・顧問会社アウトセルのアナリスト、ケン・ドクター氏は、雑誌社は広告料金の設定や新規読者の獲得を発行部数に頼っており、部数減少が続けば、収益を圧迫する要因になると警告している。
「雑誌社は今後、読者や広告主獲得に向けアップルのiPad(アイパッド)のような端末に目を向け始めるだろう。まったく新しい方法でコンテンツを配信することで、巻き返しのチャンスを作れる」とドクター氏は話した。
発行部数で上位25誌のうち、10年1~6月期に最大の落ち込みを見せたのは「リーダーズ・ダイジェスト」で、25%減の610万部。健康誌「プリベンション」が12%減で続く。26位以下でも「プレイボーイ」が34%減の163万部に落ち込んだ。上位25誌で最大の伸びを示したのは、ゲーム誌「ゲーム・インフォーマー」で21%増の430万部。
ニューススタンドや食料雑貨店に置かれる「1部売り」の販売数は、5.6%減の3250万部だった。1部売りを除く定期購読による利益は2%減少した。
米雑誌発行者協会出版情報局(PIB)が7月に発表したデータによれば、10年上期に誌面の広告ページは4%減少したものの、広告収入は1.2%増の92億5000万ドル(約7840億円)に回復している。
Appleが9月1日にイベント開催 新iPod発表か
米Appleは9月1日に、従来よりも洗練されたiPodを披露する見込みだ。同社が、長らく「趣味」と称してなおざりにしてきたテレビプロジェクトの活性化計画を発表するかもしれないとの憶測も高まっている。
アナリストは、Appleは年末商戦向けにデュアルカメラの新しいiPod touchを発表すると予想している。
Appleの株価は1.2%上昇した。同社はこの数年、9月に大々的なイベントを行い、年末商戦向けのiPodの新モデルを披露している。たいてい、iTunes Storeの変更や新機能も明らかにしている。
昨年のイベントでは、肝臓移植手術で長らく休んでいたスティーブ・ジョブズCEOが、療養休暇後初めて公の場に姿を現した。今年は、強化版のApple TVについてのうわさがブログで盛り上がっているが、アナリストは1日のイベントでは同製品に関して大規模な発表はなさそうだと考えている。
情報筋がReutersに語ったところによると、AppleはiTunes Storeでテレビ番組を1本99セントでレンタルするため、Walt Disney傘下のABCからGeneral Electric傘下のNBCまで、米大手テレビ局と必死に交渉しているという。
だが情報筋は、契約はまだ決まっていないとも話している。Appleとメディア各社はコメントを控えている。
「サプライチェーンや業界筋に聞いた結果、強化すれば、Apple TVはもっと大きな趣味に、そして数百万台売れる製品になり得ると確信している」とKaufan Brosのアナリスト、シャウ・ウー氏は述べている。
Appleは1日のイベントをイェルバ・ブエナ・センター・オブ・アートで行う。1月にiPadを発表したのと同じ会場だ。今年の招待状には、Appleロゴの形のサウンドホールのついたギターの絵が描かれている。
iPodはメディアプレーヤー市場で圧倒的シェアを有しているが、ここ数年は成長が減速しており、AppleはiPhoneとiPadに注意を向けている。同社によると、4~6月期のiPod販売台数は941万台で、前年同期の1020万台から減少している。
これに対して、アナリストの推定では、Apple TVの販売台数は年間で約100万台だ。
それでも一部のアナリストは、Appleはガジェットとコンテンツの融合、リビングルーム進出を続けており、いずれはApple TVを刷新――そして強化――すると見込んでいる。
ウー氏は、刷新版のApple TVは早くて今年の年末商戦、あるいは2011年前半に店頭に並ぶと予想している。
「もっと広く見れば、この製品はリビングルームの取り組みにおいてAppleを目標に一歩近づける」とウー氏は言う。新たなApple TVは「おそらく、ホームエンターテイメント分野に対する今後のもっと大きな取り組みの前兆だろう」。
電子メール使い無料・格安で音声通話 米グーグルが提供
米インターネット検索大手グーグルは25日、同社の電子メールサービス「Gメール」の米国の利用者に、無料か格安で一般回線か携帯電話向けに簡単に電話をかけられるサービス「グーグルボイス」の提供を始めた。
これまでも米国では専用のソフトを導入すればパソコンや高機能携帯電話からは利用できたが、Gメールからも使えるようにすることで利用者増を図る。当面米国での展開だが、将来は世界各国での提供を目指す。
広く普及すれば、同様のネットを通じた格安電話サービスを展開するスカイプだけでなく、電話会社にとっても強力なライバルとなる可能性がある。
グーグルボイスをパソコンで利用する際にはマイクとイヤホンなどが必要。米国、カナダの一般の回線と携帯電話向けの通話は少なくとも年内は無料で提供。国際電話も格安でかけられる。
「信長の野望」のソーシャルゲーム、モバゲーに登場
コーエーテクモゲームスとディ・エヌ・エー(DeNA)は、日本の戦国時代を題材にしたソーシャルシミュレーションゲーム「100万人の信長の野望」の提供を開始した。
「100万人の信長の野望」は、ユーザーが戦国時代を生きる武将となって、所属する大名家の天下統一を目指すソーシャルシミュレーションゲーム。織田信長や武田信玄などの大名家に所属したプレイヤーは、羽柴秀吉、明智光秀、直江兼続、真田幸村など実在の武将(700人以上)を登用し、内政などの指示を出して自らの領国を開発、発展させアイテムを生産したり、他のプレイヤーと協力して合戦で全国84の城を奪い合う。
基本プレイは無料で利用できるが、アイテムが有料で提供される。iモード、EZweb、Yahoo!ケータイのFlash Lite 1.1対応機種でプレイできる。
スマートフォンで議案採決、千葉・流山市議会
千葉県流山市議会は、9月定例会から、議案の採決に高機能携帯電話(スマートフォン)を使う。
議員が手元のタッチパネルに賛否を入力すると、議場のモニターに議員ごとの賛否が表示される。
議会の採決方法では、参議院のように、議席の押しボタンで投票するシステムを導入する地方議会が増えている。同市議会によると、「押しボタン式」は、リースで年間150万~200万円かかるのに対し、NTTドコモが開発したスマートフォンのシステムは初年度が約130万円、2年目以降は50万円程度で済む。
使用するスマートフォンはドコモの「HT―03A」。28人の議員全員に貸与され、議員はパスワードを入力したうえで、採決では画面上の「賛成」か「反対」にタッチする。採決の結果は瞬時に議場のモニターに表示されるほか、市議会のホームページにも連動して各議員の賛否が「○」「×」で表示される。議場外からは採決に参加できないようセキュリティー対策も施されている。
民主・小沢氏が代表選出馬表明、鳩山氏支持
民主党の小沢一郎前幹事長(68)は26日午前、民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)に立候補する考えを表明した。
鳩山前首相も小沢氏を支持する考えを明らかにした。小沢氏は、菅首相が挙党態勢構築の要求を拒否したことを出馬の理由に挙げており、挙党態勢を掲げて党内の支持を得る考えだ。代表選は、再選を目指して出馬する意向を表明している首相に対し、小沢氏が鳩山氏の支援を受けて全面対決し、党を二分する戦いとなる公算が大きくなった。小沢氏の「政治とカネ」問題や、首相が参院選で言及した消費税率引き上げも焦点となるとみられる。
小沢氏は東京都内で鳩山氏と会い、これまで菅首相の再選支持を表明してきた鳩山氏の協力が得られるなら出馬するとの考えを伝えた。小沢氏はその後、記者団に「(鳩山氏から)『出馬の決断をするなら全面的に支援していきたい』という話をいただいたので、不肖の身だが、代表選に出馬する決意をした」と述べた。
一方、鳩山氏は、記者団に「(2003年の旧自由党と民主党との合併時)私の一存で小沢氏を民主党に入れた。小沢氏を支持するのが大義だ」と語った。
小沢氏は26日午前、三井辨雄(わきお)国会対策委員長代理や松木謙公国対筆頭副委員長ら小沢グループの議員に「鳩山氏を通じて何度も首相に挙党一致態勢を構築するよう求めてきた。しかし、昨日、重ねて否定され、自分が立つしかないと決断した」と述べた。
この後、小沢氏は羽田元首相に会い、羽田氏は小沢氏支持の意向を伝えた。
小沢氏は選挙戦で、挙党態勢構築を掲げるとともに、昨年の衆院選政権公約(マニフェスト)の実行を訴える構えだ。周辺はすでに経済政策を含めた代表選公約を準備している。党内最大勢力の小沢グループ(約150人)を基盤に、鳩山グループ(約60人)、輿石東参院議員会長が所属する旧社会党系グループ(約30人)、旧民社党系グループ(約30人)などの支持を得たい考えだ。
これに対し、菅首相の再選を支持する議員グループは、小沢氏の「政治とカネ」問題や、短期間での首相交代の是非を争点に、支持拡大を図る考えだ。
小沢氏出馬、政局混迷と経済対策遅れ懸念 危機感欠如に市場不信
日銀総裁と財務大臣は海外出張、首相は代表選挙で大わらわ…。円高と株安の進行で日本経済の先行き不安が強まる中、市場関係者が、危機意識の欠如した政府・与党と日銀に、あきれている。
日銀は臨時の金融政策決定会合も視野に追加緩和の検討に入ったと伝えられているが、トップの白川方明総裁は26日午後から米国出張に飛び立つ。米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムに出席するためで、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長も出席するため、最近の為替相場や世界経済動向について意見を交換する可能性もある。
ただ、市場では「追加緩和は、総裁が帰国する30日以降までなくなった。出張中に為替や株価が急変した場合、どう対応するつもりなのか」(大手銀行)との失望感が広がっている。
政府でも野田佳彦財務相と直嶋正行経済産業相が、28日から北京で開かれる日中ハイレベル経済対話のため、訪中する予定で、経済財政政策の責任者が不在となる。
さらに、26日には民主党の小沢一郎前幹事長が9月14日の代表選に出馬する意向を表明した。この日の株式市場では「直接的には相場に影響していないが、政局の混迷で経済対策の取りまとめがさらに遅れる可能性がある」(アナリスト)との懸念が出ている。また、代表選の結果次第で政界再編などさらなる混迷に発展すれば、「外国人の日本売りで株価が暴落する恐れも否定できない」(同)。
これまでも政府・日銀の後手後手の対応が円高・株安を加速させてきただけに、市場関係者は「政府、与党、日銀が一丸となって経済対策に取り組まないといけない時期に党利党略の代表選をやっている場合ではない。先送りすべきだ」(エコノミスト)との怒りを爆発させている。
小沢氏出馬に困惑・批判・意欲…民主議員の表情
小沢氏が「出馬」を明言したことに、菅首相に近いとされる民主党の議員たちは戸惑いの表情を見せた。
この日午前9時過ぎ、東京・永田町の議員会館に入った寺田学衆院議員(33)は、「いま報道で知ったところ」と小沢氏の出馬に困惑した表情を見せた後、鳩山由紀夫・前首相が小沢氏支持を表明したことにも触れて、「鳩山さんの対応が意外でした」と不満そうに話した。
「出たい方は、堂々と出て戦えばいいという考え方なので、どうぞご自由に」と冷たく語ったのは、幹事長だった小沢氏に代わって、党の政治資金を扱う責任者になった党財務委員長の小宮山洋子衆院議員(61)。鳩山前首相に近い牧野聖修衆院議員(65)は「小沢さんは、政治とカネの問題について国民にきちんと説明できていない。国民の信頼を得られていない方が、総理として国政を運営できるわけがない」と小沢氏の出馬を批判した。
一方、小沢氏に近い松崎哲久衆院議員(60)は「決戦の時が来た。地方の党員、サポーター票の行方がカギを握ると見られるので、自分の地元を固めたい」と、小沢氏の勝利に意欲を見せた。
要職起用に菅首相が難色、小沢氏の闘争心に火?
民主党の小沢一郎前幹事長が26日、党代表選への出馬を決断したのは、党内で3分の1を超える小沢グループ約150人の中堅・若手議員から強い要請を受け、「グループで結束して戦うことができる」(小沢氏側近議員)と判断したためだ。
菅首相が、小沢氏の要職起用も含めた挙党態勢に慎重な姿勢を示したことが決断の引き金になったとの見方も出ている。
小沢氏は過去、野党の新進党、自由党、民主党で党首の経験があるが、与党第1党で、首相となる党首選に臨むのは今回が初めてとなる。
鳩山前首相のグループ幹部は26日、菅首相が25日に鳩山氏と会談した際、小沢氏の要職起用を求める鳩山氏に、党顧問などの「名誉職」での処遇を示唆したことが小沢氏の決断の決め手となったとの見方を示した。これが、副総理か幹事長が希望だった小沢氏の闘争心に火を付けたのではないか――というわけだ。
小沢氏の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件は、検察審査会が審査中で、今秋に予定される議決次第で小沢氏は強制起訴となる可能性もある。菅首相を支持する議員からは「小沢氏は強制起訴を免れるために首相を目指そうとしているのではないか」との指摘も出ている。
一方、鳩山氏は26日午前、小沢氏と会談後、鳩山グループ幹部に電話し、小沢氏を支持することに理解を求めた。
鳩山氏は、菅氏よりも小沢氏に心情的に近いとされている。鳩山氏と岡田外相が争った昨年5月の代表選でも、小沢グループが一致して鳩山氏を支持したことが鳩山代表誕生につながった経緯があり、鳩山氏側には「小沢氏に恩義がある」とされる。
しかし、民主党内には「政治とカネの問題を抱えた『小沢首相』では、国民の理解が得られない」との声が根強くある。鳩山グループの中堅議員は26日、「小沢氏は支持できない。鳩山グループは分裂だ」と語った。小沢陣営が、こうした声をどのように払拭(ふっしょく)することができるかが代表選の行方を決しそうだ。
「政策不況」と批判 自民、円高問題で攻勢
自民党の谷垣禎一総裁は26日の記者会見で、急激な円高と株安について「民主党内の権力闘争に心を奪われ、(政府から)適切な政策が出てこないと市場から見透かされている。『政策不況』とも言うべき局面だ」と述べ、菅政権の対応を批判した。
自民党は今週に入り急速な円高が始まると、大島理森幹事長ら幹部が連日、政府対応への批判を繰り返している。代表選で政策に集中できない民主党との違いを浮き彫りにし、「責任政党」を印象付ける。
谷垣氏は会見で、日本単独の通貨政策には限界があるとして、先進7カ国(G7)や20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議の開催を呼び掛け、各国政府の協調を通じた為替安定を主導すべきだと主張。さらに「家計のみに着目した給付では乗り切れない。産業競争力を引き出す政策が必要だ」と述べ、子ども手当など民主党の看板政策の転換を求めた。
記者の目◇旭硝子が円高に強い隠れたワケ
円相場が一時1ドル=83円台を付けるなど、急激な円高が日本企業の業績回復の重荷となり始めている。25日の株式市場では業績への影響を懸念して自動車などの輸出関連銘柄が大きく売り込まれた。海外売上高比率が高い旭硝子の株価も為替の動向に影響を受けやすいが、同社の業績における為替感応度は低い。その理由を探ってみると意外な事実が浮かび上がってくる。
旭硝子の2010年1~6月期決算で、海外売上高比率は64%だった。アジアや欧米が収益の柱になっているため、株式市場では為替の変動リスクが意識されがちだ。ところが同社の業績は、1ユーロ、1ドルがそれぞれ1円円高に動いても営業利益は年間で1億円未満しか影響を受けない。今期の営業利益予想(2000億円)に比べると、影響は極めて小さい。
為替の影響が限定的な理由は2つある。第1に、ガラスは割れたり傷ついたりするため長距離の輸送が難しく、コストもかさむため、輸出に適さない。そのため海外で消費するものについては現地生産が基本になっていることだ。
2つ目の理由は液晶ガラス基板の取引形態にある。液晶ディスプレーの開発はシャープなど日本のメーカーが先行したため、液晶ガラス基板の生産地も日本に集中していた。ガラス基板のシェアでも旭硝子と日本電気硝子が合わせて5割弱を占め、日本メーカーの影響力が強い。そのため、液晶ガラス基板は海外パネルメーカーとの取引も含めてほぼすべてが円建て。「韓国のサムスン電子とサムスンコーニングですら円建てで取引している」(業界関係者)とも言われるほどだ。台湾や韓国のパネルメーカーとの取引が増えても為替の影響をほとんど受けていない秘密がここにある。液晶ガラス基板を含む電子・ディスプレイ事業は、全体の営業利益の9割程度を稼ぐ。この圧倒的な収益源が為替変動の影響を免れることができるメリットは大きい。
ただ、為替の変動リスクは少ないものの、稼ぎ頭の電子・ディスプレイ事業では実需面で不透明感が出てきた。台湾のパネルメーカー大手の友達光電は7~9月期の稼働率を90%程度に引き下げる計画。シャープも月内にも液晶テレビ用パネルの生産調整に入る見通し。顧客の減産で、液晶ガラス基板の需給も緩んできていると見られる。今後は為替の変動に一喜一憂するよりも、実需の動向をしっかり見ていく必要がありそうだ。
北海道新聞社説
ビザ取得渡航 欠かせぬ自粛への理解(8月26日)
日本人9人がロシアの査証(ビザ)を取得して北方領土・国後島を訪問した。
福岡市の旅行業者が組織した観光ツアーで、島での宿泊手配はサハリンの旅行会社を通じて行われたという。
政府は1989年に、ロシアのビザを取得しての四島渡航について、自粛を求める閣議了解を行った。
ビザを取って渡航すれば、四島に対するロシアの主権を認めることにつながりかねないからだ。旅行業者は要請を知っていたとされる。無視したのは遺憾だ。
日ロ間にはビザなし交流という大切な枠組みがある。両国が主張の違いを認めた上で、対話を通じて相互理解を深め領土問題解決につなげようと知恵を絞った結果、生まれた。
ただ、参加者は返還運動関係者や元島民、報道関係者などに限られている。マンネリ化も指摘され、道外では注目度が高くない。
今回のツアーは、このビザなし交流と、ビザを取得しての渡航自粛要請の双方が国民に十分浸透していないことの証明でもある。
日ロの領土交渉は停滞しており、日本政府の熱意を疑う指摘も多い。それが安易な観光ツアーにつながった可能性はないのか、政府は検証しなければならない。
今年は道内メーカーの技術者らが、ロシアの査証を得て商用目的で択捉島を訪問していたことも明らかになった。「ビザあり」がなし崩し的に広がれば、ビザなし交流の存続も危うくなってくるだろう。
政府には、強い危機感を持って北方領土問題に対する国民の理解を深める努力が求められる。また外務省は旅行業者などに対し、渡航自粛の周知徹底を図るべきだ。
今回のツアー参加者は東京、大阪など道外の72歳から84歳の男女計8人と業者1人とされる。
旅行業者は「世界各国を回って、行くところがなく、生きているうちに返還にはならないだろうから、自分の目で日本の領土だったところを見てみたい」というのが目的だったと話している。
領土問題に対する認識の薄さが元島民や関係自治体の憤りを招き、落胆を深くしているといえよう。
岡田克也外相は旅行業者に厳重に抗議する考えを表明した。
ただ外務省は97年にも、日本人観光客によるビザを取得しての北方領土訪問を受け、旅行業者に自粛を求める文書を配布している。
今回のツアー参加者は東京、大阪など道外の72歳から84歳の男女計8人と業者1人とされる。
旅行業者は「世界各国を回って、行くところがなく、生きているうちに返還にはならないだろうから、自分の目で日本の領土だったところを見てみたい」というのが目的だったと話している。
領土問題に対する認識の薄さが元島民や関係自治体の憤りを招き、落胆を深くしているといえよう。
岡田克也外相は旅行業者に厳重に抗議する考えを表明した。
ただ外務省は97年にも、日本人観光客によるビザを取得しての北方領土訪問を受け、旅行業者に自粛を求める文書を配布している。
今回のツアーは、その後も改善が見られないことを示した。政府は実効ある対策を講じる必要がある。
同時に、国民に領土の現状を知ってもらうためビザなし交流の対象者を拡大することも検討に値しよう。
米Appleは9月1日に、従来よりも洗練されたiPodを披露する見込みだ。同社が、長らく「趣味」と称してなおざりにしてきたテレビプロジェクトの活性化計画を発表するかもしれないとの憶測も高まっている。
アナリストは、Appleは年末商戦向けにデュアルカメラの新しいiPod touchを発表すると予想している。
Appleの株価は1.2%上昇した。同社はこの数年、9月に大々的なイベントを行い、年末商戦向けのiPodの新モデルを披露している。たいてい、iTunes Storeの変更や新機能も明らかにしている。
昨年のイベントでは、肝臓移植手術で長らく休んでいたスティーブ・ジョブズCEOが、療養休暇後初めて公の場に姿を現した。今年は、強化版のApple TVについてのうわさがブログで盛り上がっているが、アナリストは1日のイベントでは同製品に関して大規模な発表はなさそうだと考えている。
情報筋がReutersに語ったところによると、AppleはiTunes Storeでテレビ番組を1本99セントでレンタルするため、Walt Disney傘下のABCからGeneral Electric傘下のNBCまで、米大手テレビ局と必死に交渉しているという。
だが情報筋は、契約はまだ決まっていないとも話している。Appleとメディア各社はコメントを控えている。
「サプライチェーンや業界筋に聞いた結果、強化すれば、Apple TVはもっと大きな趣味に、そして数百万台売れる製品になり得ると確信している」とKaufan Brosのアナリスト、シャウ・ウー氏は述べている。
Appleは1日のイベントをイェルバ・ブエナ・センター・オブ・アートで行う。1月にiPadを発表したのと同じ会場だ。今年の招待状には、Appleロゴの形のサウンドホールのついたギターの絵が描かれている。
iPodはメディアプレーヤー市場で圧倒的シェアを有しているが、ここ数年は成長が減速しており、AppleはiPhoneとiPadに注意を向けている。同社によると、4~6月期のiPod販売台数は941万台で、前年同期の1020万台から減少している。
これに対して、アナリストの推定では、Apple TVの販売台数は年間で約100万台だ。
それでも一部のアナリストは、Appleはガジェットとコンテンツの融合、リビングルーム進出を続けており、いずれはApple TVを刷新――そして強化――すると見込んでいる。
ウー氏は、刷新版のApple TVは早くて今年の年末商戦、あるいは2011年前半に店頭に並ぶと予想している。
「もっと広く見れば、この製品はリビングルームの取り組みにおいてAppleを目標に一歩近づける」とウー氏は言う。新たなApple TVは「おそらく、ホームエンターテイメント分野に対する今後のもっと大きな取り組みの前兆だろう」。
電子メール使い無料・格安で音声通話 米グーグルが提供
米インターネット検索大手グーグルは25日、同社の電子メールサービス「Gメール」の米国の利用者に、無料か格安で一般回線か携帯電話向けに簡単に電話をかけられるサービス「グーグルボイス」の提供を始めた。
これまでも米国では専用のソフトを導入すればパソコンや高機能携帯電話からは利用できたが、Gメールからも使えるようにすることで利用者増を図る。当面米国での展開だが、将来は世界各国での提供を目指す。
広く普及すれば、同様のネットを通じた格安電話サービスを展開するスカイプだけでなく、電話会社にとっても強力なライバルとなる可能性がある。
グーグルボイスをパソコンで利用する際にはマイクとイヤホンなどが必要。米国、カナダの一般の回線と携帯電話向けの通話は少なくとも年内は無料で提供。国際電話も格安でかけられる。
「信長の野望」のソーシャルゲーム、モバゲーに登場
コーエーテクモゲームスとディ・エヌ・エー(DeNA)は、日本の戦国時代を題材にしたソーシャルシミュレーションゲーム「100万人の信長の野望」の提供を開始した。
「100万人の信長の野望」は、ユーザーが戦国時代を生きる武将となって、所属する大名家の天下統一を目指すソーシャルシミュレーションゲーム。織田信長や武田信玄などの大名家に所属したプレイヤーは、羽柴秀吉、明智光秀、直江兼続、真田幸村など実在の武将(700人以上)を登用し、内政などの指示を出して自らの領国を開発、発展させアイテムを生産したり、他のプレイヤーと協力して合戦で全国84の城を奪い合う。
基本プレイは無料で利用できるが、アイテムが有料で提供される。iモード、EZweb、Yahoo!ケータイのFlash Lite 1.1対応機種でプレイできる。
スマートフォンで議案採決、千葉・流山市議会
千葉県流山市議会は、9月定例会から、議案の採決に高機能携帯電話(スマートフォン)を使う。
議員が手元のタッチパネルに賛否を入力すると、議場のモニターに議員ごとの賛否が表示される。
議会の採決方法では、参議院のように、議席の押しボタンで投票するシステムを導入する地方議会が増えている。同市議会によると、「押しボタン式」は、リースで年間150万~200万円かかるのに対し、NTTドコモが開発したスマートフォンのシステムは初年度が約130万円、2年目以降は50万円程度で済む。
使用するスマートフォンはドコモの「HT―03A」。28人の議員全員に貸与され、議員はパスワードを入力したうえで、採決では画面上の「賛成」か「反対」にタッチする。採決の結果は瞬時に議場のモニターに表示されるほか、市議会のホームページにも連動して各議員の賛否が「○」「×」で表示される。議場外からは採決に参加できないようセキュリティー対策も施されている。
民主・小沢氏が代表選出馬表明、鳩山氏支持
民主党の小沢一郎前幹事長(68)は26日午前、民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)に立候補する考えを表明した。
鳩山前首相も小沢氏を支持する考えを明らかにした。小沢氏は、菅首相が挙党態勢構築の要求を拒否したことを出馬の理由に挙げており、挙党態勢を掲げて党内の支持を得る考えだ。代表選は、再選を目指して出馬する意向を表明している首相に対し、小沢氏が鳩山氏の支援を受けて全面対決し、党を二分する戦いとなる公算が大きくなった。小沢氏の「政治とカネ」問題や、首相が参院選で言及した消費税率引き上げも焦点となるとみられる。
小沢氏は東京都内で鳩山氏と会い、これまで菅首相の再選支持を表明してきた鳩山氏の協力が得られるなら出馬するとの考えを伝えた。小沢氏はその後、記者団に「(鳩山氏から)『出馬の決断をするなら全面的に支援していきたい』という話をいただいたので、不肖の身だが、代表選に出馬する決意をした」と述べた。
一方、鳩山氏は、記者団に「(2003年の旧自由党と民主党との合併時)私の一存で小沢氏を民主党に入れた。小沢氏を支持するのが大義だ」と語った。
小沢氏は26日午前、三井辨雄(わきお)国会対策委員長代理や松木謙公国対筆頭副委員長ら小沢グループの議員に「鳩山氏を通じて何度も首相に挙党一致態勢を構築するよう求めてきた。しかし、昨日、重ねて否定され、自分が立つしかないと決断した」と述べた。
この後、小沢氏は羽田元首相に会い、羽田氏は小沢氏支持の意向を伝えた。
小沢氏は選挙戦で、挙党態勢構築を掲げるとともに、昨年の衆院選政権公約(マニフェスト)の実行を訴える構えだ。周辺はすでに経済政策を含めた代表選公約を準備している。党内最大勢力の小沢グループ(約150人)を基盤に、鳩山グループ(約60人)、輿石東参院議員会長が所属する旧社会党系グループ(約30人)、旧民社党系グループ(約30人)などの支持を得たい考えだ。
これに対し、菅首相の再選を支持する議員グループは、小沢氏の「政治とカネ」問題や、短期間での首相交代の是非を争点に、支持拡大を図る考えだ。
小沢氏出馬、政局混迷と経済対策遅れ懸念 危機感欠如に市場不信
日銀総裁と財務大臣は海外出張、首相は代表選挙で大わらわ…。円高と株安の進行で日本経済の先行き不安が強まる中、市場関係者が、危機意識の欠如した政府・与党と日銀に、あきれている。
日銀は臨時の金融政策決定会合も視野に追加緩和の検討に入ったと伝えられているが、トップの白川方明総裁は26日午後から米国出張に飛び立つ。米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムに出席するためで、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長も出席するため、最近の為替相場や世界経済動向について意見を交換する可能性もある。
ただ、市場では「追加緩和は、総裁が帰国する30日以降までなくなった。出張中に為替や株価が急変した場合、どう対応するつもりなのか」(大手銀行)との失望感が広がっている。
政府でも野田佳彦財務相と直嶋正行経済産業相が、28日から北京で開かれる日中ハイレベル経済対話のため、訪中する予定で、経済財政政策の責任者が不在となる。
さらに、26日には民主党の小沢一郎前幹事長が9月14日の代表選に出馬する意向を表明した。この日の株式市場では「直接的には相場に影響していないが、政局の混迷で経済対策の取りまとめがさらに遅れる可能性がある」(アナリスト)との懸念が出ている。また、代表選の結果次第で政界再編などさらなる混迷に発展すれば、「外国人の日本売りで株価が暴落する恐れも否定できない」(同)。
これまでも政府・日銀の後手後手の対応が円高・株安を加速させてきただけに、市場関係者は「政府、与党、日銀が一丸となって経済対策に取り組まないといけない時期に党利党略の代表選をやっている場合ではない。先送りすべきだ」(エコノミスト)との怒りを爆発させている。
小沢氏出馬に困惑・批判・意欲…民主議員の表情
小沢氏が「出馬」を明言したことに、菅首相に近いとされる民主党の議員たちは戸惑いの表情を見せた。
この日午前9時過ぎ、東京・永田町の議員会館に入った寺田学衆院議員(33)は、「いま報道で知ったところ」と小沢氏の出馬に困惑した表情を見せた後、鳩山由紀夫・前首相が小沢氏支持を表明したことにも触れて、「鳩山さんの対応が意外でした」と不満そうに話した。
「出たい方は、堂々と出て戦えばいいという考え方なので、どうぞご自由に」と冷たく語ったのは、幹事長だった小沢氏に代わって、党の政治資金を扱う責任者になった党財務委員長の小宮山洋子衆院議員(61)。鳩山前首相に近い牧野聖修衆院議員(65)は「小沢さんは、政治とカネの問題について国民にきちんと説明できていない。国民の信頼を得られていない方が、総理として国政を運営できるわけがない」と小沢氏の出馬を批判した。
一方、小沢氏に近い松崎哲久衆院議員(60)は「決戦の時が来た。地方の党員、サポーター票の行方がカギを握ると見られるので、自分の地元を固めたい」と、小沢氏の勝利に意欲を見せた。
要職起用に菅首相が難色、小沢氏の闘争心に火?
民主党の小沢一郎前幹事長が26日、党代表選への出馬を決断したのは、党内で3分の1を超える小沢グループ約150人の中堅・若手議員から強い要請を受け、「グループで結束して戦うことができる」(小沢氏側近議員)と判断したためだ。
菅首相が、小沢氏の要職起用も含めた挙党態勢に慎重な姿勢を示したことが決断の引き金になったとの見方も出ている。
小沢氏は過去、野党の新進党、自由党、民主党で党首の経験があるが、与党第1党で、首相となる党首選に臨むのは今回が初めてとなる。
鳩山前首相のグループ幹部は26日、菅首相が25日に鳩山氏と会談した際、小沢氏の要職起用を求める鳩山氏に、党顧問などの「名誉職」での処遇を示唆したことが小沢氏の決断の決め手となったとの見方を示した。これが、副総理か幹事長が希望だった小沢氏の闘争心に火を付けたのではないか――というわけだ。
小沢氏の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件は、検察審査会が審査中で、今秋に予定される議決次第で小沢氏は強制起訴となる可能性もある。菅首相を支持する議員からは「小沢氏は強制起訴を免れるために首相を目指そうとしているのではないか」との指摘も出ている。
一方、鳩山氏は26日午前、小沢氏と会談後、鳩山グループ幹部に電話し、小沢氏を支持することに理解を求めた。
鳩山氏は、菅氏よりも小沢氏に心情的に近いとされている。鳩山氏と岡田外相が争った昨年5月の代表選でも、小沢グループが一致して鳩山氏を支持したことが鳩山代表誕生につながった経緯があり、鳩山氏側には「小沢氏に恩義がある」とされる。
しかし、民主党内には「政治とカネの問題を抱えた『小沢首相』では、国民の理解が得られない」との声が根強くある。鳩山グループの中堅議員は26日、「小沢氏は支持できない。鳩山グループは分裂だ」と語った。小沢陣営が、こうした声をどのように払拭(ふっしょく)することができるかが代表選の行方を決しそうだ。
「政策不況」と批判 自民、円高問題で攻勢
自民党の谷垣禎一総裁は26日の記者会見で、急激な円高と株安について「民主党内の権力闘争に心を奪われ、(政府から)適切な政策が出てこないと市場から見透かされている。『政策不況』とも言うべき局面だ」と述べ、菅政権の対応を批判した。
自民党は今週に入り急速な円高が始まると、大島理森幹事長ら幹部が連日、政府対応への批判を繰り返している。代表選で政策に集中できない民主党との違いを浮き彫りにし、「責任政党」を印象付ける。
谷垣氏は会見で、日本単独の通貨政策には限界があるとして、先進7カ国(G7)や20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議の開催を呼び掛け、各国政府の協調を通じた為替安定を主導すべきだと主張。さらに「家計のみに着目した給付では乗り切れない。産業競争力を引き出す政策が必要だ」と述べ、子ども手当など民主党の看板政策の転換を求めた。
記者の目◇旭硝子が円高に強い隠れたワケ
円相場が一時1ドル=83円台を付けるなど、急激な円高が日本企業の業績回復の重荷となり始めている。25日の株式市場では業績への影響を懸念して自動車などの輸出関連銘柄が大きく売り込まれた。海外売上高比率が高い旭硝子の株価も為替の動向に影響を受けやすいが、同社の業績における為替感応度は低い。その理由を探ってみると意外な事実が浮かび上がってくる。
旭硝子の2010年1~6月期決算で、海外売上高比率は64%だった。アジアや欧米が収益の柱になっているため、株式市場では為替の変動リスクが意識されがちだ。ところが同社の業績は、1ユーロ、1ドルがそれぞれ1円円高に動いても営業利益は年間で1億円未満しか影響を受けない。今期の営業利益予想(2000億円)に比べると、影響は極めて小さい。
為替の影響が限定的な理由は2つある。第1に、ガラスは割れたり傷ついたりするため長距離の輸送が難しく、コストもかさむため、輸出に適さない。そのため海外で消費するものについては現地生産が基本になっていることだ。
2つ目の理由は液晶ガラス基板の取引形態にある。液晶ディスプレーの開発はシャープなど日本のメーカーが先行したため、液晶ガラス基板の生産地も日本に集中していた。ガラス基板のシェアでも旭硝子と日本電気硝子が合わせて5割弱を占め、日本メーカーの影響力が強い。そのため、液晶ガラス基板は海外パネルメーカーとの取引も含めてほぼすべてが円建て。「韓国のサムスン電子とサムスンコーニングですら円建てで取引している」(業界関係者)とも言われるほどだ。台湾や韓国のパネルメーカーとの取引が増えても為替の影響をほとんど受けていない秘密がここにある。液晶ガラス基板を含む電子・ディスプレイ事業は、全体の営業利益の9割程度を稼ぐ。この圧倒的な収益源が為替変動の影響を免れることができるメリットは大きい。
ただ、為替の変動リスクは少ないものの、稼ぎ頭の電子・ディスプレイ事業では実需面で不透明感が出てきた。台湾のパネルメーカー大手の友達光電は7~9月期の稼働率を90%程度に引き下げる計画。シャープも月内にも液晶テレビ用パネルの生産調整に入る見通し。顧客の減産で、液晶ガラス基板の需給も緩んできていると見られる。今後は為替の変動に一喜一憂するよりも、実需の動向をしっかり見ていく必要がありそうだ。
北海道新聞社説
ビザ取得渡航 欠かせぬ自粛への理解(8月26日)
日本人9人がロシアの査証(ビザ)を取得して北方領土・国後島を訪問した。
福岡市の旅行業者が組織した観光ツアーで、島での宿泊手配はサハリンの旅行会社を通じて行われたという。
政府は1989年に、ロシアのビザを取得しての四島渡航について、自粛を求める閣議了解を行った。
ビザを取って渡航すれば、四島に対するロシアの主権を認めることにつながりかねないからだ。旅行業者は要請を知っていたとされる。無視したのは遺憾だ。
日ロ間にはビザなし交流という大切な枠組みがある。両国が主張の違いを認めた上で、対話を通じて相互理解を深め領土問題解決につなげようと知恵を絞った結果、生まれた。
ただ、参加者は返還運動関係者や元島民、報道関係者などに限られている。マンネリ化も指摘され、道外では注目度が高くない。
今回のツアーは、このビザなし交流と、ビザを取得しての渡航自粛要請の双方が国民に十分浸透していないことの証明でもある。
日ロの領土交渉は停滞しており、日本政府の熱意を疑う指摘も多い。それが安易な観光ツアーにつながった可能性はないのか、政府は検証しなければならない。
今年は道内メーカーの技術者らが、ロシアの査証を得て商用目的で択捉島を訪問していたことも明らかになった。「ビザあり」がなし崩し的に広がれば、ビザなし交流の存続も危うくなってくるだろう。
政府には、強い危機感を持って北方領土問題に対する国民の理解を深める努力が求められる。また外務省は旅行業者などに対し、渡航自粛の周知徹底を図るべきだ。
今回のツアー参加者は東京、大阪など道外の72歳から84歳の男女計8人と業者1人とされる。
旅行業者は「世界各国を回って、行くところがなく、生きているうちに返還にはならないだろうから、自分の目で日本の領土だったところを見てみたい」というのが目的だったと話している。
領土問題に対する認識の薄さが元島民や関係自治体の憤りを招き、落胆を深くしているといえよう。
岡田克也外相は旅行業者に厳重に抗議する考えを表明した。
ただ外務省は97年にも、日本人観光客によるビザを取得しての北方領土訪問を受け、旅行業者に自粛を求める文書を配布している。
今回のツアー参加者は東京、大阪など道外の72歳から84歳の男女計8人と業者1人とされる。
旅行業者は「世界各国を回って、行くところがなく、生きているうちに返還にはならないだろうから、自分の目で日本の領土だったところを見てみたい」というのが目的だったと話している。
領土問題に対する認識の薄さが元島民や関係自治体の憤りを招き、落胆を深くしているといえよう。
岡田克也外相は旅行業者に厳重に抗議する考えを表明した。
ただ外務省は97年にも、日本人観光客によるビザを取得しての北方領土訪問を受け、旅行業者に自粛を求める文書を配布している。
今回のツアーは、その後も改善が見られないことを示した。政府は実効ある対策を講じる必要がある。
同時に、国民に領土の現状を知ってもらうためビザなし交流の対象者を拡大することも検討に値しよう。