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「Facebookと違う“極”を作りたい」 mixiの戦略、笠原社長に聞く
 ミクシィは9月10日に開いた業界関係者向けイベントで、大胆なAPIの開放や、他社との協業を発表し、オープン化に大きくかじを切った。mixiのソーシャルグラフを開放し、ソーシャルネットワークサービス(SNS)から「ソーシャルグラフプロバイダー」(SGP)に転換。中国・韓国最大のSNSと国際的なアライアンスを結んだことも発表した。
 その戦略は、2007年からプラットフォームのオープン化に取り組み、5億人が利用する世界最大のSNSに成長したFacebookに似通っている。「目指しているものは、Facebookにすごく近い」と笠原健治社長は認めつつ、「Facebookに対抗するというわけではないが、もう1つ別の極を作っていきたい」と意気込む。
オープン化でネットを活性化したい
 mixiはオープン当初から最近まで、ユーザーからの招待状がないと利用できないなど「クローズド」なサービスだった。だが07年末、アプリプラットフォームやAPIを開放する方針を示し、09年には「mixiアプリ」を公開。10年3月には招待状がなくても使える登録制を導入するなど、徐々にオープン化してきた。
 今月10日には、外部サイトにHTMLコードを貼り付けるだけで、mixiと手軽に連携させられる「mixi Plugin」と、外部サイトや情報家電に組み込めるAPI「mixi Graph API」の提供を発表。第1弾として、ヤフーや楽天、ディー・エヌ・エー(DeNA)などの30社50サービスが、「mixiチェック」に対応した。パナソニックなど家電メーカーとも連携を協議。今後、ネット家電がmixiにつながる例も増えていくとみられる。
 オープン化の狙いは、「全体のパイを広げる」ことだと笠原社長は話す。mixiのソーシャルグラフがさまざまなサービスと連携することで、インターネット全体のユーザーやネットの利用シーンの拡大につながっていくことを期待する。「ソーシャル化によってサービスの付加価値が上がり、ネットを使う時間が増え、活性化していけばいい」
 例えば「Yahoo!トピックス」に「mixiチェック」が導入されれば、気になるニュースについて友人とシェアでき、ニュースやサービスそのものへの注目度や利用者数が増えると見込まれる。テレビレコーダーがmixiにつながり、録画予約情報が「mixiカレンダー」で共有されれば、友人が見ている番組をチェックしようとmixiの利用率が高まるかもしれない。
 「インターネットはソーシャルネットになっていく」――mixiのオープン化や、Twitterのようなソーシャルグラフを持ったサービスの普及で、Webでトラフィックを集める手段が検索エンジン最適化(SEO)からSGO(ソーシャルグラフ最適化)に移っていくと展望。その上で、「SGOは“魔法の杖”ではない」とし、「SEOが試行錯誤の後に成熟していったように、チェックを使うのが最適なのか、ボイスやカレンダーと連携したほうがいいのかなど試行錯誤してもらいたい」と期待する。
課金や広告の仕組みも開放へ
 mixiにとっては、ソーシャルグラフをハブにしたサービスが広がることで、mixiの利用者・利用頻度が拡大し、広告収益アップにつながる。mixiのAPIを使っている企業向けに、課金や広告インフラを提供し、収益の一部をシェアするといった取り組みも計画している。
 例えば、mixiチェックと連携したECサイトやGroupon型サービスで、mixiの課金インフラを使って決済まで可能になったり、mixiチェックを導入したネットメディアで、mixiに登録されたユーザー属性に基づくターゲティング広告を導入したり――といったことが可能になる見込みだ。
どこも競合ではない
 オープン化に伴い、ヤフーやDeNAなどこれまで競合とみられてきた企業とも手を組んだ。「どこも競合ではなく、パートナーだと思っている。お互いに自社の強みを生かし合いながら、ユーザーの利便性を上げ、パイを広げられる」と笠原社長は話す。
 一方グリーは9月10日、ミクシィの発表に合わせるように、GREEの「いいね!」ボタンをオープン化。mixiと正面から対決していく姿勢を明確にしている。
 笠原社長は、「GREEさんもmixiチェックをご利用いただけるといいのではと思う」と余裕の構え。mixiのソーシャルグラフは現実にひも付いているが、GREEのそれはゲーム中心に構築されているため競合しないと考えているため。DeNAはその考えのもと、ソーシャルグラフはmixiに依存し、モバゲータウンはゲームサービスに特化する方針を打ち出している。
 「ゲームコミュニティーとソーシャルネット両方を同じサービス内で追求していくというのは結構難しいのではないかと思う。GREEもソーシャルネットでやっていくならガチンコになるが、今はゲームコミュニティーだと思っている。その場合はチェックも使っていただければ、お互いメリットがあるのでは」
Facebookとは違う“極”を作りたい
 ソーシャルグラフをオープン化し、サードパーティーと連携していく戦略では、Facebookが大きく先行。「Facebookはmixiと同じ04年2月に始まった。目指しているものはごく近く、動きもしっかり見ているので、影響される部分というのはあるとは思う」と笠原社長は認め、「ソーシャルで何ができるかがよく分かっている企業」と評価する。
 中国最大のSNS「人人網」(Renren)、韓国最大のSNS「Cyworld」との連携も発表。欧米などで「(Facebook以外の)現地にナンバーワンSNSと話をしている」という。mixiにアプリや連携サービスを提供する企業が国際展開しやすいよう、APIの仕様統一などを図っていく。
 国際的なアライアンスの狙いを笠原社長は「Facebookが現状、世界最大のプラットフォームになっている。そこに対抗するわけではないが、もう1つ別の極を作っていきたい」と語る。「例えば、米国で有力なアプリ事業者が今後世界展開する際、Facebookに出して終わるのではなく、もう1つの選択肢として存在感を打ち出したい」
 Facebookは今年1月に日本法人を設立。日本の携帯電話に対応したり、位置情報と連動サービス「スポット」機能をスタートするなど、日本での攻勢を強めつつある。
 「SNS市場は発展段階。世界の利用者数トータルでも10億人行っておらず、世界全人口68億人と比べるとまだまだ。いまからFacebook対抗とまでは考えていないが、Facebookで十分という感じになるのはもったいないいし、早過ぎると思っている。今の段階から、もう1つの“極”を作りたい」



ツイッター、画像・動画も一覧表示 初のHP刷新
 【シリコンバレー=奥平和行】ミニブログ大手の米ツイッターは14日、ホームページ「twitter.com」を刷新すると発表した。これまでは画面全体に利用者の投稿を掲示していたが、画面を真ん中で分割して右側に投稿に関係する画像や動画などを一緒に表示できるようにした。画面を切り替えることなく必要な情報を得られるようにして利便性を高める。
 米サンフランシスコの本社でエバン・ウィリアムズ最高経営責任者(CEO)が記者会見して説明した。投稿に含まれるURLをもとに関連する画像や地図などを表示する仕組みで、米グーグル傘下の動画共有サイト「ユーチューブ」や動画中継サイト「ユーストリーム」など16のサービスに対応する。同日から順次、新ページに切り替える。
 画像や動画に加え、投稿した人のプロフィルや関連する投稿も同じ画面で見られるようにした。従来、こうした情報を見るためには画面を切り替える必要があった。ツイッターは2006年にサービスを開始、ホームページの全面的な見直しは今回が初めてになる。
 記者会見でウィリアムズCEOは1日あたりの平均投稿件数が7月に9000万回になったと説明。さらに高機能携帯電話(スマートフォン)などに比べてホームページを通じてツイッターを使う利用者が多く、ホームページの刷新により「より素早く必要な情報を探せるようになる」と説明した。
 ページ刷新による収益への貢献については言及を避けたが、「様々な可能性がある」と指摘した。同社幹部は、ページ刷新で「これまで以上にサービスにどっぷりとつかってもらえるようにしたい」と説明。新ページの導入により1つの画面でできる作業が増えれば利用者がそこにとどまる時間が長くなり、広告媒体としての価値が高まるなどの効果がありそうだ。
 利用者が手軽に情報の発信や共有をできるソーシャルメディアをめぐっては、各社がサービスを拡充して“越境”するケースが増えている。
 交流サイト(SNS)最大手の米フェースブックは8月に位置情報を利用したサービスを開始、同分野に特化していた米フォースクエアなどの“陣地”に攻め入った。ツイッターもホームページの刷新で関連する情報をまとめて表示できるようになると利便性が高まり、フェースブックなどと一部で競合する場面も出てきそうだ。



インテルもアプリ販売サイト ゲームなど800タイトル
 【シリコンバレー=奥平和行】半導体最大手の米インテルは14日、同社のMPU(超小型演算処理装置)を搭載したノートパソコン向けに、ゲームなどのアプリケーションソフト(アプリ)の販売サイトを開設したと発表した。スマートフォンなどで普及するアプリの仕組みをノートパソコンにも導入、省電力MPU(超小型演算処理装置)「アトム」の普及につなげる。
 「インテル・アップアップ・センター」を米国で開設した。日本など海外では2011年から始める見通し。
 米国では第1弾として、アトムを搭載した小型パソコン「ネットブック」での利用に適したゲームや音楽、電子書籍など約800のアプリをそろえた。書店大手の米バーンズ・アンド・ノーブルやゲーム大手のコナミなどがアプリを提供する。有料アプリは1日試用してから購入できる。
 アプリの販売サイトでは米アップルや米グーグルなど携帯電話や多機能携帯端末に搭載する基本ソフト(OS)を手掛ける企業が先行している。インテルは台湾のパソコン大手、華碩電脳(アスース)や米家電量販大手のベストバイなどと組んで認知度や利便性を高め、アプリストアの利用を促したい考えだ。



ソニーのPSP 国内累計1500万台を突破
 ゲーム雑誌出版のエンターブレインは15日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」シリーズの国内累計販売台数が1500万台を超えたと発表した。2004年12月の発売から5年9カ月での大台突破となった。
 国内累計販売台数は今月12日で1500万9120台。ただ、ライバルである任天堂の携帯型機「ニンテンドーDS」は発売から2年3カ月で国内累計販売台数1500万台を突破しており、PSはほぼ2倍の年月を要した格好となる。
 エンターブレインによると、PSP向けソフトで国内最多販売本数を記録したのは、カプコンが08年3月に発売した「モンスターハンターポータブル2nd G」の約400万本(廉価版を含む)だった。



ソニー、ウォークマン新機種 騒音低減機能を強化
 ソニーは15日、携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」の新機種12モデルを10月9日以降、順次発売すると発表した。騒音低減機能を強化するなど「音楽専用プレーヤー」としての使い勝手の良さや高音質を前面に打ち出した。
 ウォークマンは8月、国内販売台数シェアで、米アップルの「iPod(アイポッド)」を抜いて月間1位となっており、新機種の投入でトップを死守したい考えだ。
 新機種のうちSシリーズは、音楽の進行に合わせて歌詞を表示する機能のほか、カラオケ練習用に楽曲のボーカル音量だけを小さく流す機能も搭載した。
 店頭価格は、専用スピーカー付属モデルを含めて8000円から4万円程度を想定している。



朝日新聞社がiPad向け英語学習アプリ公開、英字新聞記事を厳選収録
 朝日新聞社は14日、iPad向けの英語学習用アプリ「AWS(Asahi Weekly Select)」をリリースした。同社の週刊英字新聞「Asahi Weekly」に掲載された記事の中から、映画、旅、英語学習コラムなど一部の内容を収録している。コンテンツは毎週水曜に更新され、購読料は各号115円。
 AWSでは3ジャンルに分けて記事を掲載する。「MOVIE」では最新映画の1場面について、そのシナリオを収録。対訳は赤いスライドで覆い隠されているが、画面タッチで範囲をずらせるので、意味を確認しながら段階的に読める。関連インタビュー、映像なども無料で楽しめる。
 「TRAVEL」では、世界の旅行記をスライドショー付きで紹介。「学習コーナー」は英訳版の社説など、おもに大学受験生向けのコンテンツになっている。コラム「天声人語」などを元にした、河合塾講師による模擬試験問題も掲載する。




政府・日銀が市場介入、一時85円台まで急落
 政府・日本銀行は15日、急激な円高を食い止めるため、円売り・ドル買いの市場介入を実施した。
 野田財務相が緊急記者会見を行い、日銀総裁も異例の談話を発表した。介入実施前には円相場は1995年5月以来、約15年3か月ぶりの円高水準となる1ドル=82円87銭まで円高が進んでいたが、介入を受けて一時、85円台まで急落した。政府・日銀の市場介入は2004年3月以来、約6年半ぶりとなる。
 今回の介入は、欧米の通貨当局とともに行う協調介入ではなく、日本の金融当局のみによる単独介入だ。午後1時現在、前日(午後5時)比1円60銭円安・ドル高の1ドル=84円81~83銭で取引されている。
 野田財務相は「為替相場の過度の変動を抑制するため、為替介入を実施した。今後もマーケットの動向を注視し、必要な時には介入を含め断固たる措置を取る」と述べた。財務省は15日午前10時30分に日銀に介入を要請し、10時35分には日銀が介入を実施した。その後も断続的に介入を行い、介入規模は数千億円から1兆円台とみられる。



「コメント控える」米財務省 日本の介入を実質容認か
 米財務省高官は14日、共同通信の取材に対し、日本政府が東京外国為替市場で円を売ってドルを買う為替介入を実施したことについて「(財務省として)コメントを差し控える」と述べた。
 米政府としても、ドルへの信認低下につながるような急激なドル安は望んでいない。為替政策では日本の財務省とも連絡を取り合っており、為替相場の安定を図るための介入については事実上容認したとみられる。



株、「為替注視」から転換の政府に驚き 見直し買いの機運も
 15日午前の日経平均は乱高下の末、171円高と急反発して終えた。きっかけは財務省・日銀による円売り介入の実施。午前10時半過ぎに円売り介入観測が広がると、1ドル=82円台後半で推移していた円相場は一気に84円台前半に急落。トヨタやソニー、キヤノンなど主力の輸出関連株を中心に買いが膨らみ、日経平均を押し上げた。市場関係者が待ち望んだ円高対策がようやく実施されたことで、当面は戻りを試す展開が期待できるとの声が増えている。
 このタイミングでの円売り介入は意外感があった――。市場関係者からはこんな声が聞かれた。前日は菅直人首相と小沢一郎前幹事長との一騎打ちとなった民主党代表選が行われ、どちらかというと円売り介入に慎重とみられていた菅首相が当選。「予想以上の大差で菅首相が勝利したほか、代表選を前に身動きが取りにくかった閣僚も安心して政策遂行に移れる可能性が出てきた」(いちよし証券の高橋正信チーフ・ストラテジスト)との声もあったが、当面は機動的な政策対応を見込みにくいとの雰囲気も広がっていたためだ。
 野田佳彦財務相は午前の会見で、為替介入を実施したことを認めた上で介入は単独介入であったことを明らかにした。円は対ドルで1995年5月以来の高値水準にあるが、「15年前の日米の物価水準などを考慮すると現在の80円台が決して高いとはいえず、円売り介入に各国の理解を得られにくい」(国内投資顧問)。単独介入では円高基調を反転させるほどの効果は乏しいとの声が広がっている。
 それでも、「限られた外需の取り込みを目指し自国通貨安を志向する欧米諸国の流れに日本も乗ったことで、少なくともこれ以上の円高進行をストップできる」(立花証券の平野憲一執行役員)との観測が広がることは、日本株にとって追い風になることは間違いない。
 円高による企業業績の圧迫懸念は根強いが、実は弱気見通しが増えているわけではない。アナリストが予想する連結純利益を3カ月前と比較し、3%以上上方修正された企業の割合から、3%以上下方修正された企業の割合を引いて算出する「QUICKコンセンサスDI」によると、8月は全産業ベースでプラス16と、期間中に円高が一段と進行したにもかかわらず7月(プラス10)から改善した。円高が止まるとの観測が広がれば見直し買いのきっかけには十分になり得る。
 米景気の不透明感などもあり、「現時点では売り方の買い戻しエネルギー以上の買いはまだ見込みにくい」(平野氏)との声が多い。ただ、これまで「注視する」といっては静観してきた政府がようやく動きだしたことで、相場の地合いは好転する可能性が高そうだ。



日経社説、菅首相は捨て身で政策の実現めざせ
 民主党代表選で菅直人首相(党代表)が小沢一郎前幹事長を破り、再選を果たした。国会議員票はほぼ互角だったが、党員・サポーター票で大差をつけた。代表選は何とか乗り切ったものの、今後の首相の政権運営はいばらの道だ。首相は捨て身で政策の実現を目指す覚悟が要る。

 国会議員、党員・サポーター、地方議員の票を合計した点数を争った代表選の結果は、菅首相が721ポイント、小沢氏は491ポイントだった。

結果は小沢氏不信任

 2週間にわたって党内を二分した首相と小沢氏の争いは過熱し、深刻な亀裂が残った。

 与党第1党の民主党の代表選は首相選びに直結する。民主党の代表の任期は2年間だが、政権を安定させるためには、与党の間は代表任期を設けないなどの工夫が必要だろう。在日外国人に投票を認めていることも、事実上首相を選ぶ選挙だけに疑問だ。選挙期間を含めて代表選規則を見直す必要がある。

 世論調査では首相の続投を望む声が多数派だった。世論を反映し、党員・サポーター票は首相249ポイント、小沢氏51ポイントと、首相が圧勝した。

 ただ国会議員を含め、首相を支持する理由では「3カ月で首相を代えるのはよくない」という声が多かった。「政治とカネ」の問題を抱える小沢氏が首相に就任することへの抵抗感も、菅首相に支持が流れた一因だ。いずれも消極的な支持である。首相の勝利ではなく、小沢氏が負けた代表選というのが実態だろう。

 国会議員票は首相412ポイント、小沢氏400ポイントと拮抗(きっこう)した。国会議員票は小沢氏が有利という予想を覆したが、首相は党内に強力な「野党勢力」を抱えた格好だ。

  当面の焦点は内閣改造・党役員人事。小沢氏やその支持グループの処遇が焦点となる。首相は14日の記者会見で人事について「全くの白紙」と強調した。「脱小沢」の政治姿勢が支持されてきただけに、首相が挙党態勢に配慮しすぎれば、求心力は一気に低下しかねない。

 国会は衆参両院の多数派が異なる「ねじれ国会」になっている。法案を成立させるには、自民党など野党各党の協力を得ることが不可欠だ。国会運営で政権が行き詰まる可能性があり、その巧拙は内閣の死命を制しかねない。首相は真剣に政策実現への協力を呼びかけてほしい。

 首相が代表に再選された結果、経済路線の基本は維持されよう。円高やデフレに対応した当面の経済対策や今後の新成長戦略を、着実で迅速に実行してもらいたい。
 目前の懸案は円高である。首相再選の一報を受けて外国為替市場で円高・ドル安が進むなど、菅政権が円高阻止にどこまで真剣かを市場は瀬踏みしている。急な円高には果断な円売り介入など強力な対抗策を準備しておくべきだ。金融政策を担う日銀との緊密な協力も欠かせない。

 次の試練は2011年度の予算編成だ。約40%と主要国で最も高い法人実効税率の引き下げをはじめ、日本経済を強い成長に戻す税制と予算の詰めに全力を挙げてほしい。一律10%削減の予算要求で政治主導の予算が組めるのかという小沢氏の批判には一理ある。メリハリと財政規律の両立が問われる。

 09年衆院選の民主党マニフェスト(政権公約)の着実な実施を訴えた小沢氏が敗れたのは、財源を明示できずに子ども手当の満額支給など給付増を訴える手法の限界が表れたといえる。財源に応じて公約の内容を柔軟に修正する現実路線を首相は追求すべきだろう。

雇用増は経済の強化で

 第三の課題は経済の足腰を強くする改革である。首相は「一に雇用、二に雇用、三に雇用」と繰り返すが、職業紹介の強化などは一時的な失業の対策にとどまる。民間投資を促す規制改革、環境技術や医療など成長産業の育成を通じ、経済の規模を大きくするのが王道だ。

 主要国の中で突出して高水準の債務を抱える財政の立て直しも急がなくてはならない。首相は代表選で、年金や医療制度の改革に触れていない。負担論を避けていれば社会保障制度の設計もできない。消費税率引き上げを含めた税制・社会保障の改革にいち早く着手すべきである。

 日米関係の修復も優先順位が高い。6月に就任して以来、懸案の米軍普天間基地の移設問題は全くといっていいほど、進んでいない。11月にはオバマ米大統領の来日を控えている。普天間問題のあおりで停滞している日米同盟深化の作業を加速するためにも、首脳間で改めて安保の認識を共有してもらいたい。

 日本を取り巻く安保環境は厳しさを増している。海軍力の増強を背景に中国は南シナ海での行動を活発にし、尖閣諸島周辺の海域でも強気の姿勢に出ている。こうした火種に対応するためにも、日米同盟の強化とアジア諸国との連携は欠かせない。
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人気のソーシャルゲーム、開発現場のスピード感
 8月31日から3日間、横浜パシフィコで開催された日本最大のゲーム開発者向け会議「CEDEC(CESA開発者会議)」。今年の最大のテーマは当然ながら「ソーシャルゲーム」だった。携帯電話を中心に爆発的にユーザーを広げるソーシャルゲームの開発スタイルは、既存のパッケージゲームの開発者に大きな衝撃と戸惑いを与えた。
 日本では、「モバゲータウン」のディー・エヌ・エー(DeNA)、グリー、ミクシィの3社が主に携帯電話>上のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でソーシャルゲームを展開し、それぞれ2000万人余りのユーザーを抱える。そのソーシャルゲームの開発手法は、これまで家庭用ゲーム機の世界で常識と考えられていた方法論とはまったく異なるものだった。
開発チームはわずか3~4人
グリーの荒木英士氏
 グリーの創業メンバーの一人で看板ゲーム「クリノッペ」を開発したメディア開発部副部長プロデューサーの荒木英士氏は、パネルディスカッションで開発体制を次のように解説した。
 グリーでは、内製の場合でも1つのゲームにつき3~4人のチームで開発するという。企画は「こういう感じのゲームを作りたい」といったアイデアを出し合ってホワイトボードに書き出していく。それを土台にすぐプログラミングをスタートして、中心となるエンジニアがゲームデザインの骨格を作成し、グラフィックなどをデザイナーが追加していく。
 本格的に作りこむのは、ゲームをリリースしてからである。
 インターネット上に公開後1時間もすると、ユーザーからのコメントが1000件は付く。「おもしろい」「おもしろくない」「使いにくい」など様々な反響が駆け巡る。それを見ながら、使いにくい点やおかしいと思われる点を改善する。ユーザーの生の声を聞き、即座に反映させていく。
 これによりゲームはどんどん磨かれ、ユーザーのニーズに合致していくようになるという。営業的な理由で横やりが入ることはなく、チームの人間ががんばって作り込んでいけばいくほど、遊ぶユーザー数が増加して成果につながっていく。それが楽しくて仕事のモチベーションが上がる。荒木氏は「自分たちの作ったものが、数千万人に遊ばれているというのは興奮する」と語る。
 これは既存の家庭用ゲームのやり方とはまったく違う。
 家庭用ゲーム機向けのゲームを開発する場合は、まずハードメーカーに企画書を提出し、了解を取らなければならない。そのうえで、2~3年かけてゲームを開発し、再度ハードメーカーから発売の了解を取る。ブルーレイ・ディスク(BD)やロムカセットといったメディアの製造枚数を決めて、申告する必要もある。
 このメディアを小売店に流通させることで、ゲームはようやくユーザーの手に届くことになる。もちろん、製造した枚数分の注文が集まればよいが、集まらなければ、製造したパッケージを在庫として抱え込むことになる。
 ユーザーがゲームを気に入ったかどうかを確認できるのは、その長い開発段階を経てリリースが完了してからである。思ったよりユーザーが気に入ってくれなかったことが明らかになったとしても、どうしようもない。損失があまり広がらないように祈るしかない。
公開実験「3日でゲームを開発する」
 CEDEC開催中の3日間、DeNAはエンジニアと機材を送り込み、その3日間でソーシャルゲームを公開で開発するという企画を実施した。会場の一角に開発スペースを置き、短い期間で1本のゲームを作り上げるという実験である。
 ゲームのテーマは、DeNAの南場智子社長の基調講演後に会場から出された投稿から抽選で決められた。冗談のようだが、選ばれた企画は「プラットフォームウォーズ」というタイトルで、SNS大手3社が社員の引き抜き合戦をして売り上げを競うというゲームだった。
 ゲームは実際に完成した。そのゲームはCEDECに参加した開発者の写真を取り込んでいて、彼らを雇用してゲームを開発するという趣向。しかし、他のプレーヤーにメンバーを引き抜かれることもあり、それを乗り越えながら、決められた予算の中でチームを作り、ゲームを完成させて、利益を出していく。それなりにゲームとして仕上がっており、会場からの評判も上々だった。
「1日の重みがまったく違う」
 この実験について語るセッションで、DeNAの對馬正氏は今回のチャレンジの意図を次のように述べた。「09年に大手(ゲーム)企業で早期退職の募集がたくさんあったにもかかわらず、DeNAが行った人員募集に応募してくる人は少なかった。そのため、このチャレンジを通じて(ソーシャルゲームの)開発スタイルを知ってもらいたかった」。對馬氏はスクウェア・エニックスからDeNAに移った開発者で、家庭用ゲーム機の強みと弱みを理解している。だからこそ、「ソーシャルゲームならではのスピード感を知ってもらいたかった」という。
 家庭用ゲーム機でも「ニンテンドーDS」向けのような比較的規模が小さい開発では、土台となるプログラムがあれば3日間でゲームを作ることも不可能ではない。しかし、リリースまでには最低でも1カ月以上はかかる。
 一方、ウェブ系の開発は、完成からリリースまでのリードタイムがないといえるほど意思決定から実行までの時間が短い。家庭用ゲーム機とウェブ用のソーシャルゲームでは「1日の重みがまったく違うという意味を実感してもらいたい」と對馬氏は強調していた。
ゲームのコンセプトをまとめたホワイトボード
 もちろん、ソーシャルゲームといえども、実際に3日でリリースするようなことは少ない。DeNAの看板タイトルである「怪盗ロワイヤル」や「海賊トレジャー」などは、何千万人ものユーザーが同時に遊べるようにサーバーの負荷分散などのインフラを整える必要がある。
 それでも、「毎月行うようなゲーム内イベントなどでは、3日前に企画が固まって、そこからエンジニアがまとめ上げてリリースすることも少なくない」(公開開発チームのエンジニアとして中核部分を担当した上田智氏)という。
 開発機材にしても、会場に持ち込まれたのは一般的なパソコンで、特別な機材は何もなかった。この点も、開発用の専用機材を必要とする家庭用ゲーム機とは大きく違っている。会場には、アイデアをまとめたホワイトボードが実際に置かれており、書類を作成することもなく、どんどんと作られていった様子が感じられた。
 司会を担当したモバイル&ゲームスタジオ会長の遠藤雅伸氏は、「ソーシャルゲームは数百万円の開発費で開発できる。それを、試しにリリースしてユーザーの反響から売れるかどうかを見ていく。それを製品版に直結させていくことができるかどうかが重要」と語った。
海外展開でもスピードを維持できるか
 ただ、課題も見える。会場から「今回のゲームを、6カ国語でローカライズして販売したいと言われたら何日でできますか」という質問が出た。上田氏は「慣れていれば2週間」と回答したが、そのためにはそれぞれの言語が使えるスタッフが必要となる。イベントの追加など内容の変更に対応させるのも負担で、「メンテナンスに相当のコストがかかることは避けられない」と述べていた。実際、DeNAは現時点では「怪盗ロワイヤル」の英語版をアップルの「iPhone」向けにリリースしているのみで、世界最大のSNS「Facebook」からは撤退した。
 Facebook上のソーシャルゲームが米国だけでなく世界に広がった背景には、英語圏の広さという言葉の理由もある。日本のソーシャルゲームも、今後は海外進出を競う段階に入り、日本だけを見た現在のミニマムな開発体制も変化を迫られるだろう。そうなっても、今のような迅速さをどう保ち続けるかが、本当の勝負になる。



日本は韓国に負けたのか
 米リーマン・ブラザーズの破綻から9月15日で丸2年。世界を巻き込んだ金融危機の打撃から日本企業がようやく立ち直りかけた矢先、今度は円高・株安に見舞われている。自動車や電機など主要産業の先行き業績は再び下降線を描く気配。他方、隣国韓国ではサムスン電子はじめ現代自動車など大手企業は業績好調で雇用の増加とともに個人消費の回復にも結びついている。産業も経済も、日本は本当に韓国に敗北したのか。
 2年前、リーマン・ショックで大打撃を受けたのは韓国企業も同じ。サムスン電子は2008年10~12月期の営業損益が9400億ウォン(当時の為替レートで約600億円)の赤字に転落。LG電子とLGディスプレーも合計5978億ウォン(同約380億円)の赤字を出した。どちらも東芝(08年10~12月期の営業損益は1588億円の赤字)ほどではないが、ソニー(同179億円の赤字)やパナソニック(同264億円の黒字)よりも落ちた穴の底は深かった。
 だが、最近では神話化されているように、ここからの立ち直りが韓国企業は早かった。サムスングループはサムスン電子の巨額赤字が明らかになる1週間前の09年1月16日に過去最大規模の人事刷新を公表。46あった副会長・社長級ポストのうち半分以上の25人を入れ替え、60歳以上を原則退任させた。サムスン電子では800人以上いた常務級の3分の2を異動対象とし、1400人の本社スタッフは200人強を残し、すべて現場の最前線に差し向けた。
 経営判断の速さで共通する韓国企業の業績はV字回復を果たした。直近の10年4~6月期では、サムスン電子の営業利益は前年同期比88%増の5兆142億ウォン(約3700億円)、LGディスプレーは同2.1倍の7260億ウォン(約520億円)と絶好調。LG電子はスマートフォンの出遅れが響き、同90%減の1262億ウォン(約94億円)。
 日本勢に目を転じれば、東芝(同4~6月期営業利益295億円)、ソニー(670億円)、パナソニック(838億円)と各社とも収益を改善させてはいるが、スピードに劣るマネジメントが象徴する彼我の経営力の落差が、危機対応を通じて浮き彫りになった感がある。
 だが、だからといって韓国企業の経営を見習うべきなのか。確かに、同族経営の色濃い韓国企業はトップの権限が強力で意思決定から実行に移るスピードも速い。しかし、株式公開企業でありながら創業一族によるオーナー経営を続けようとすれば、そこに無理が生じる。今年3月にサムスン電子会長に復帰した李健煕氏が08年に不正資金事件で在宅起訴され(09年8月に背任の罪で執行猶予付き有罪、同12月に特別恩赦)、グループの全役職を辞任せざるを得なかったのは格好の事例といえる。
 最近は韓国国内でも、リーマン・ショックからいち早く立ち直った大企業に対する批判が高まっている。「大企業の下請けいじめや雇用、投資の抑制が中小企業や低所得者層を抑圧している」といった非難が、有力財閥に近いとされる李明博政権の周辺からも漏れている。実は韓国は近年の日本以上に「格差社会」なのである。
 昨年出版された「超格差社会・韓国」(九鬼太郎著、扶桑社新書)によると、韓国では非正規雇用が日本よりも広がっており、3年前に「88万ウォン世代」という本がベストセラーになった。大卒以上で月給88万ウォン(7万円弱)という若者層が大きな集団になっているのだという。たとえ大企業の正規社員になっても「実質的な定年は38歳」。業務成績が悪いと「名誉退職」で退社を迫られ、30代後半から40代前半の出世競争で役員になれないと会社を追われるそうだ。韓国の看板企業ともいえるサムスンには労働組合もない。
 大企業の業績は絶好調にもかかわらず、韓国社会には閉塞(へいそく)感が蔓延(まんえん)している。09年の韓国国内の自殺者は1万5400人、平均自殺率は10万人当たり28.4人と日本の25.8人を上回る。韓国の自殺率は08年に経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中トップとなっている。
 経済の急回復が韓国社会に歪(ひず)みをもたらし、企業経営のガバナンス(統治)の面にも暗い影を落としている。業績で追い抜いて行った韓国企業を日本企業が再び抜き返すなら、違うやり方が必要になる。1つは政官民の連携だろう。昨年末、アラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電工事(総額400億ドル=約3兆3000億円)の入札で、日立製作所とGE(ゼネラル・エレクトリック)の日米連合を抑えて現代建設やサムスン物産などの韓国企業連合が落札した切り札は「強力な政府支援」だった。
日印EPA締結に向け開かれた会合(9日、外務省)
 先週9日、日本・インド両政府は2国間の経済連携協定()を締結することで大筋合意した。自動車部品やエレクトロニクス関連をはじめ日本からインドへの輸出品の90%が無税となる。発効は11年からの見通し。今年1月にインドとの自由貿易協定(FTA)を発効させた韓国から1年遅れるが、それでも追走を始めたのは朗報。日本の貿易額全体に占めるEPA締結国・地域の割合は16.5%で交渉中の分も含め6割を超える韓国のFTA比率との差はまだ大きい。
 環境関連分野で世界最先端を行く日本企業の技術力を最大限に生かすため、地球温暖化対策でリーダーシップを発揮して日本に有利な規制を世界標準に据えるなど、政府がやれることは幅広く、数多い。激しい代表選を終えた民主党政権の喫緊の課題はこうした政官民連携の実行である。



【民主党代表選】総視聴者43万人、アジア最高記録を達成 TBSのUstream生放送
 TBSが14日、民主党代表選の様子を動画サイト「Ustream(ユーストリーム)」で生放送したところ、最大同時接続者数で9万6088人、総視聴者数で43万2813人が視聴したことが分かった。ユニークユーザー(UU)数では27万人を超え、アジアで事業展開するUstream Asia社で過去最高の記録となった。同社技術部がミニブログ「ツイッター」の公式アカウントで明らかにした。
 また、民主党のユーストリームの公式アカウント「スタジオ民主なう」でも、同時接続者数が6万700人、総視聴数は22万8000人にのぼり、インターネットでも民主党代表選が注目を集めたことを示した。
 TBSは同日午後2時から、「民主党代表選スペシャル」として、代表選会場に設置されたカメラから一部始終をユーストリームで生放送していた。
 同社デジタル編集部は「報道のソースをそのまま配信するのは初めての試み。ネットの世界にどう受け止められるか不安だったが、たくさんのユーザーの方々に見ていただけて、うれしいです」としている。



 米ツイッターは2010年9月11日、開発者向けイベント
 「Twitter Developer Meetup」を、日本国内の事業推進で資本提携しているデジタルガレージ本社で開催した。外部の開発者によるアプリケーション開発を促すのが狙いで、約100人が参加した。
 内容は、2010年4月に米国で開催した開発者向けイベント「Chirp」以降のアップデートが中心。冒頭、プラットフォーム担当のライアン・サーバー氏は、Twitterを利用するアプリの登録数が32万5000を超えたことを報告。2009年6月に5000程度だったアプリ数が急増した理由として「シンプルなAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)、誰でも利用できるオープン性」を挙げた。APIの呼び出し件数は、4月の時点で20億だったが現時点では65億に達しているという。
 機能面でのアップデートの一つは、ベーシック認証から「OAuth」への移行である。これにより、サードパーティがパスワードを保存する必要がなくなるため、パスワードの変更が一元的に済むなど使い勝手が増し、安全になるという。
 続いて「大成功した機能追加」として紹介したのが「Tweetボタン」。これは、ボタンをクリックするとツイートボックスが表示され、共有したいWebページへの短縮URLがセットされるというもの。機能としてはシンプルなものだが、コンテンツ提供者に大きな価値を提供しているとした。サーバー氏は、全ツイートのうち25%がリンクを含んでいることを反映した機能追加であると説明した。
 このほかサーバー氏は、JavaScriptだけでユーザー情報やつぶやき投稿、ユーザー認証などの機能を実装できるAPI「@ANYWHERE」や位置情報に基づくツイート「PLACE」、リアルタイムの更新情報提供のための「USER STREAM/SITE STREAM」などの機能を紹介した。
 二人目の登壇者は、モバイル担当のリーランド・ライキス氏。モバイル関連の開発に4年間携わっている同氏は「日本は米国の2~3年先を行く」として、日本でのモバイルの利用動向に注目しているという。
 同氏は、モバイル関連の技術開発にあたり「通知」「モバイルWeb」「コンテンツ消費」「統合」の4点に留意しているとした。
 通知を重視するのは、ツイートがあったことを知らせる手段が必要になるため。日本以外の地域ではSMS(ショート・メッセージ・サービス)の活用に力を入れており、モントリオール地下鉄やクリスピークリーム・ドーナツの例などを紹介した。日本では、携帯電話の電子メールを利用する方針だ。
 統合については、携帯電話が「データを取得するデバイスとしては完ぺきである」と表現した。携帯電話が内蔵するカメラで取得したデータをすぐにネット上にアップロードできることなどを挙げながら、複数機能の統合によって様々なアプリが生まれる可能性を示した。
 2人の講演は午前中で終了。午後は参加者のネットワーキングと小グループによるディスカッション、外部講演者を交えたパネルディスカッションが行われた。



シャープ、中国で新型スマートフォン 日本漫画も配信
 シャープは14日、新型スマートフォンを10月に中国で発売すると発表した。同社としては初めてのタブレットタイプで、店頭想定価格は画面サイズ3.2型が2200元(約2万7千円)、3.5型が3000元(約3万7千円)。現地企業と組んでゲームや電子書籍も配信する。来春にも3次元(3D)画像対応の端末も投入し中国市場の開拓を急ぐ。
 10月に発売する端末はタッチパネル機能付きで、基本ソフト(OS)は米グーグルの「アンドロイド」をベースに中国企業が開発した。利用者は専用サイトに接続しゲームなど約1000種類のアプリケーションソフトをダウンロードできる。日本の漫画も購入できる。中国独自の交流サイト(SNS)を簡単に使えるようにした。
 中国では国内外のメーカーが相次いでスマートフォンを投入しているが、価格は5000~6000元が多いという。シャープは価格を抑えて大学生など若者の需要を開拓する。日本市場への投入は「現時点では計画していない」(同社)。
 シャープの中国での携帯電話販売台数は2009年度で100万台超。早期に500万台規模に伸ばすのが目標だ。



サムスン、ミラーレス一眼の小型タイプ投入
 韓国のサムスン電子は14日、レンズ交換式のデジタルカメラ「NX100」を世界各国で順次発売すると発表した。ミラーボックスや光学ファインダーを搭載せず、ソニーやオリンパスが先行している「ミラーレス一眼」と呼ぶ分野の小型タイプ。デジタル一眼レフほどの高度な光学技術が必要ないため、後発でも技術面の格差を埋められると判断しており、経営資源を集中する意向だ。
 今年1月に発売したミラーレス一眼の1号機を小型化した。デジタル一眼レフと同じ「APS―C」サイズのCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーを搭載。交換レンズも独自開発している。サムスンはミラーレス一眼の世界市場が2013年に930万台まで伸び、デジタル一眼レフの市場規模を超えるとみている。日本での販売は予定していない。



CCC、「DS」に独自コンテンツ配信 割引券など
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、運営する「TSUTAYA」店内で、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」向けの独自コンテンツ配信に乗り出す。まず10月1日から46店で始め、ゲームソフトを販売する全約500店に広げる。ゲームの人気キャラクターや割引クーポンなどを配信、集客につなげる。
 第1弾はゲームソフトメーカー、レベルファイブ(福岡市)のサッカーゲーム「イナズマイレブン3」に登場するキャラクターを日替わりで配信。一定数を集めるとステッカーなどの特典が受け取れるスタンプラリーを実施する。
 他のメーカーにも販促につながるオリジナルコンテンツの提供を呼び掛ける。また、ソフトの割引や、特定のソフトを購入するとCCCが展開する「Tポイント」を通常の数倍付与するクーポンも配信する。
 DVDレンタル最大手TSUTAYAは全約1400店のうち、約500店でゲームソフトを販売。これらの店で小中学生向けのオリジナルコンテンツを流し、家族客を獲得する。DSへのコンテンツ配信を利用した販促は日本マクドナルドやセブン―イレブン・ジャパンも実施している。



ハローページ いまだに5千万部超の発行部数
 振り込め詐欺グループの“必須アイテム”といえる「ハローページ」。発行部数、掲載件数はともに減少を続けているが、NTT東日本は「まだ需要はあり、現段階で発行をやめる状況ではない」としている。
 NTT東によると、ハローページの発行部数は、平成13年度で前年度を上回る6705万部だったが、その後は減少の一途。それでも20年度で5117万部もの部数を維持している。掲載件数も同様に減少し、20年度は2847万件。ただ、世帯数(17年国勢調査)が4906万世帯であることをみれば、掲載率は低いとはいえない。
 これに対し、電話帳の一般利用者は少なく、業者などに限られる、という指摘もある。消費者問題に詳しい中村雅人弁護士(東京弁護士会)は「悪質商法や訪問販売の被害はまず勧誘電話から。被害者の多くは自宅にいて固定電話を持つお年寄り」と話す。
 NTT東は「振り込め詐欺防止で、電話帳への掲載意思の確認や注意喚起の要望は寄せられている」としたうえで、「電話帳そのものの廃止を求める意見は今のところ届いていない。今後も警察と連携して注意喚起を行う」としている。
「混沌の館にて」とケータイアプリ“懐かしさ”が“現役”に変わるとき
 ジェリー・パーネル氏のコラム「混沌の館にて」がePub形式の電子書籍となって復活――。このニュースを知った時、筆者はえも言われぬ懐かしさを感じた。だが、よくよく考えると、媒体は違えど何らかの形で続いてきた現役コラムであり、“懐かしさ”は筆者が過去の雑誌連載を思い出してしまうからだ。おそらくiPadなどで初めてこのコラムを読む人は懐かしさなど感じずに、現役のコラムとして普通に読み始めるだろう。
 実際筆者はこのニュースを知った後、iPadで読めるePub形式のお試し版を入手。その後購読を申し込んだ。“懐かしさ”を“現役”に引き戻した瞬間である。実は似たようなことをケータイアプリ、特にNTTドコモの携帯電話向けアプリである「iアプリ」の取材で感じた。iアプリが登場して10年。取材先からは「懐かしいですね」「どうして今iアプリなんですか」といったコメントを得ることも多いが、どうも風向きが変わる雰囲気がある。11月末に開設される予定の「ドコモマーケット(iモード)」が、iアプリの“懐かしさ”を“現役”に引き戻す役割を担いそうなのだ。
 本題に入る前に、「混沌の館にて」について触れておく。ご存知の方も多いと思うが、「混沌の館にて」はSF作家であるジェリー・パーネル氏がIT関連の話題をつづったコラムである。休刊した日経バイト誌に連載されていた。筆者は日経バイト編集部に在籍したことはないが、「混沌の館にて」は記者として気になる連載だった。
 日経バイトの休刊後、しばらく間を空けて、日経BP社のWebサイトである「PC Online」で「続・混沌の館にて」として復活。だがそれも2010年6月29日に最終回を迎えた。その後、同コラムの翻訳者である林田陽子氏が諸権利を取得し、現在は同氏のサイトで「新・混沌の館にて」として再復活を果たしている。なお6月分のコラムは無料で試し読みできる。
「母国語はiアプリ」
 話を戻そう。モバイルアプリの開発者といえば、現在はiPhoneやAndroid搭載端末をターゲットにすることが多い。ただし、そうした開発者の中には、「iアプリがモバイルアプリ開発の原点」という方が結構いる。例えば、iPhone向けのアウトラインプロセッサ「ZeptoLiner」や書道アプリ「i書道」など人気のiPhoneアプリを開発したユビキタスエンターテインメントの代表取締役社長兼CEOである清水亮氏は、「プログラムを書く立場からするとドコモ(iアプリ)が母国語」と言ってはばからない。
 iアプリの登場は、NTTドコモの「503i」シリーズが登場した2001年1月。当時携帯電話上でアプリが動くこと自体画期的なことであり、しかも開発環境は誰もが無償で入手できた。当時、多くの先進的な開発者がそれに飛びつき、企業だけでなく、個人がサンデープログラマーといった形でiアプリ市場に参入してきたのだ。
「10Kバイトの壁」も今は昔
 過去を振り返ると、初期のiアプリは開発者にとって技術的にも挑戦しがいのあるプラットフォームだった。登場時のiアプリは「DoJa-1.0」と呼ぶプロファイル(仕様)を採用していたが、そのアプリの基本サイズは圧縮形式(JAR)で10Kバイト。携帯電話内のデータ領域(スクラッチパッド)も10Kバイトという今では考えられないような制約があった。
 データの伝送速度が回線交換で9600ビット/秒の時代であり、このサイズの制約は致し方なかったと言えるが、当時の開発者は「この“10Kバイトの壁”を越えるために様々な工夫をしました」(コネクトテクノロジーズ 取締役兼執行役員の伊藤広明氏)という。開発者がこうした挑戦をし続けてきた結果、モバイルアプリの市場が花開いたといっても過言ではない。
 携帯電話の進化が続くなかで、モバイルアプリの流れを決定的に変えたのは米アップルのiPhoneおよびそのアプリマーケットであるApp Store、そしてそれに続く米グーグルのAndroidである。個人に対して開かれたアプリ流通のマーケットを用意し、課金もできる。インターネットとの親和性が高く、市場は世界規模。新奇性を求める開発者やアプリの開発で小遣い稼ぎをしたい個人開発者などが、こぞってスマートフォン向けアプリ開発へと参入し、いつしかiアプリはモバイルアプリの黎明期から成長期の立役者として“懐かしむ”存在へとなっていった。
新たなマーケットが“現役”復帰の場
 ただ、“懐かしむ”存在になったとしても、iアプリの市場がなくなったわけではない。スマートフォンが注目を集めているとはいえ、いわゆる“ガラケー”市場は依然として巨大だ。NTTドコモのiモード契約は漸減傾向にあるものの、8月末時点で4900万契約を超えている。この巨大市場を、いま一度開発者にとっての“現役”の場として振り向かせるのが「ドコモマーケット(iモード)」の役割だ。
 ドコモマーケット(iモード)では、個人に課金手段やホスティングサービスが用意され、アプリの審査も2週間以内になるといわれている。また有料アプリを販売する際の手数料は、あるコンテンツプロバイダー関係者によると売り上げの20%程度になる予定だという。これは30%を要求するApp StoreやAndroidマーケットよりも開発者の取り分が多い。
 さらに、これまで個人開発者に開放されていなかったiアプリDXの数多くの機能がオープンになった。8月26日にNTTドコモが提供を開始したライブラリのベータ版によると、GPS(iエリア)や電話帳・履歴参照、ネイティブメーラー連携、音声認識、OpenGL ES、自動起動機能、Bluetooth、アプリのダウンロード元以外との通信許可などが個人開発者に認められる。iモード課金を利用するためのライブラリのベータ版も用意している。
 ケータイアプリの開発には「約6000人のクリエイターがいる」(GClue 代表取締役の佐々木陽氏)という。ただし「既に引退した人も多い」(佐々木氏)。引退の理由は様々だろうが、まだモバイルアプリに興味があるなら、こうした“ガラケー”側のアプリのオープン化は、“現役”復帰を後押ししてくれるはずだ。
iPhoneアプリの移植も
 一方、iPhoneやAndroid向けアプリを作っている開発者にとっても、iアプリのオープン化はチャンス。iPhoneやAndroid向けにGPSを利用したタウン情報アプリ「30min.」を開発しているサンゼロミニッツ 代表取締役の谷郷元昭氏は、iアプリ版「30min.」の開発を決めたという。「これまでiアプリを開発したことはないが、現時点で切り取ればiアプリ市場は日本で最も大きい」というのがその理由だ。新しい開発者にとってはiアプリは懐かしさにふけるものではなく、今ここにある“現役”の存在なのだ。



ニコニコ動画でソーシャルゲーム ユーザーがつくってシェアする「ニコゲー」
 スパイクは14日、サイト上でユーザー自身がゲームを作成し、シェアして楽しむことができるウェブサービス「ニコゲー」を開始した。
 「ニコゲー」は、ニワンゴが運営する「ニコニコ動画」のアカウントを利用し、ユーザーは手軽にウェブ上でゲームを作成することができる。作成用のツールとして、ゲームのジャンルごとに、「アクションゲームジェネレーター」「シューティングジェネレーター」「クイズジェネレーター」などを提供。今後も新作ジェネレーターを毎月投入していく。
公開されたゲームは無料で楽しむことができる
 ニコゲーでは、ゲーム作成に必要な音やキャラクターのような素材もユーザーが制作し、アップすることで、それらのゲーム素材を共有することができる。また、コメント機能やプレイしたゲームを評価する機能により、ユーザー同士のコミュニケーションの活性化を図る。
 ニコゲーでは、ゲームに登場させることができる、オリジナルのアバターサービス「ニコキャラ」も提供。1人のユーザーが複数の「ニコキャラ」を保有することが可能で、アバター用のアイテムは、ニコゲーでユーザーが行動することによって入手できる「ニコイン」や、ニワンゴが提供するポイントサービス「ニコニコポイント」で入手する。
 ニコゲーでは、ゲームやニコキャラを介して、ユーザー同士のコミュニケーションが可能となっており、日記を書いて公開したり、他のユーザーとの間でメッセージを送受信することができる。



カメラ付きの新型iPad、年内に登場?
 カメラ付きの新型iPadが、年内に登場する可能性があると情報筋が伝えている。Appleの製品計画を知る筋によると、ビデオカメラ付きでテレビ電話機能「FaceTime」に対応したiPadが既にテストされており、かなり進んだ段階にあるという。2011年第1四半期までにリリースされることになっているが、Apple内では今年の年末商戦向けに出そうという動きもあると事情を知る筋は話している。また、AppleはFaceTimeを業界標準にしようとしており、iPhone 4に続いてiPod touchにもFaceTimeを導入している。



Facebook、位置情報サービスを日本でも開始
 世界最大のSNS「Facebook」でこのほど、今いる場所を友人と共有できる位置情報サービス「Facebook Places」の日本版「スポット」が始まった。FacebookのiPhoneアプリかスマートフォン向けサイトで利用できる。
 近隣のスポット一覧から今いる場所を選び、「チェクイン」ボタンを押すと、登録・共有できる。自分と同じ場所にいる友達やスポットに関するコメントをあわせて投稿可能。スポット情報を新規登録する機能も用意した。
 Facebook Placesは、今年8月に米国でスタートし、日本は2カ国目。



イー・モバイル、「にねんS」「データプランB」発表
 イー・モバイルは、新契約種別「にねんS」を9月17日より提供する。これに伴い、2010年12月31日で「新にねん」「にねん」の新規受付も終了する。
 「にねんS」は、2年契約を条件に2万1600円分の割引が受けられる契約種別。2万1600円分の割引は端末契約時の購入金額から減額される。
 「にねんS」での各料金プランの月額料金は、「スーパーライトデータプラン」が月額900円~4980円、「データプラン」が月額4580円、新設される「データプランB」が月額3880円となる。下り最大21Mbpsに対応したデータサービスを利用する場合、月額料金の上限額が1000円高くなる(データプランBのみ+600円)。
 なお、2年を経過せずに契約を解除した場合、契約解除料がかかる。利用開始月の解除料は2万1600円で、解除料は24カ月後まで毎月900円ずつ減額されていく。
 新契約種別の導入に伴い、「新にねん」「にねん」の受付は12月31日で終了する。現在「新にねん」「にねん」で契約しているユーザーは契約期間満了まで継続利用できる。
■ 5GB上限の新データ通信プラン「データプランB」
 このほか、データ通信サービス向けの新料金プラン「データプランB」「データプラン21B」が9月17日より提供される。
 「データプランB」「データプラン21B」は、月間の上限通信量を5GBまでに制限した定額データ通信プラン。「データプランB」の月額料金は、「ベーシック(にねん得割)」で月額3680円、「にねんS」で月額3880円、「にねんM」で月額4280円、「にねんMAX」で月額5780円となる。「データプラン21B」は、下り最大21Mbpsに対応したプランとなり、上記の月額料金に+600円加算される。
 メールやWebサイトの閲覧、音楽ファイルのダウンロード、ストリーミング再生を除く動画閲覧などの利用を想定した料金プランとなり、Peer to Peerによるファイル交換やストリーミング、オンラインゲームなどには利用できない。YouTubeやニコニコ動画などは利用できる。
 「データプランB」および「データプラン21B」は、専用の接続先(APN)「プロトコル制限あり(B)(emb2.ne.jp)」にて利用する必要がある。
 なお、5GBの利用制限は、2011年6月から適用され、2011年5月31日までは制限なしで利用できる。



菅首相圧勝で再選、小沢氏に230P差
 民主党代表選は14日、東京・芝公園の「ザ・プリンスパークタワー東京」で投開票が行われ、菅直人代表(首相)(63)が、小沢一郎前幹事長(68)に圧勝し、再選を果たした。
 菅氏は近く党役員・内閣改造人事を行う方針だ。衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」への対応が重要課題となるが、代表選で敗れた小沢氏を支持する勢力が「党内野党」となり、苦しい政権運営を強いられる可能性がある。菅氏の代表任期は2012年9月末まで。
 代表選は菅首相の党代表としての任期満了に伴うもの。投票結果は、総計1222ポイントのうち、菅氏が721ポイント、小沢氏が491ポイントを獲得した。国会議員の投票は、菅氏が206人、小沢氏が200人だった。
 代表選は党を二分する激戦となった。菅氏は、自らのグループのほか、前原国土交通相、野田財務相の両グループの支持を受け、当選1回の議員に浸透。「政権交代から1年間で首相が3人も誕生すれば、日本の国際的評価を下げ、政治不信も増す」という声も追い風になった。
 一方、小沢氏には、党内最大勢力の小沢グループや、鳩山前首相グループの大半が支持に回った。小沢氏は昨年の衆院選政権公約(マニフェスト)の着実な実行を唱えたが、自らの「政治とカネ」の問題をめぐる批判が消えず、党員・サポーター票が伸び悩んだ。



再始動・菅政権の課題…円高、予算、普天間
 民主党代表選を制した菅首相は、経済政策や外交・安全保障政策で難しい課題に直面することになる。
 参院で与党が過半数を下回る「ねじれ国会」を乗り切る展望が開けていないことに加え、党内には小沢前幹事長ら反主流派を抱える。16日で政権獲得から1年を迎える民主党にとって、厳しい局面が続く。
 ◆円高・景気対策◆
 首相にとって当面の最優先の課題は、円高・デフレ対応の景気対策だ。政府は雇用対策や家電エコポイント制度の延長などを柱とする総額9150億円の追加経済対策を閣議決定した。首相は「切れ目ない形で対応したい」として補正予算案を検討している。
 だが、補正予算案の時期や規模などをめぐっては、政府・与党内に対立がある。首相周辺は、財政出動に依存しない形の補正予算案を来年1月の通常国会の冒頭で成立させる構えだ。これに対し、小沢氏は「小出しでは効果がない」として、国債増発を視野に入れた大胆な財政出動を主張。秋の臨時国会への補正予算案提出を求める可能性がある。連立を組む国民新党にも大型補正論があり、首相への圧力は高まりそうだ。
 ◆11年度予算編成◆
 代表選では、子ども手当や農家の戸別所得補償を盛り込んだ昨年の衆院選政権公約(マニフェスト)修正の是非が争点となった。これを受け、11年度予算をめぐって、党内の対立が再燃する可能性がある。
 首相は、マニフェストの修正はやむを得ないとの立場で、社会保障費などを除く政策的経費を各省一律に前年度比1割削減する概算要求基準を決めた。一方、小沢氏はマニフェスト尊重を掲げ、「(首相の予算編成は)自民党政権と同じような官僚主導だ」と強く反発。民主党の政策調査会などで、小沢氏に近い議員がマニフェスト順守を求め、政府を突き上げ、予算編成のやり直しを求める可能性がある。
 ◆ねじれ国会対応◆
 ねじれ国会への対応として、首相は法案ごとに野党の協力を得る「部分連合」を目指しているが、実現は容易ではない。
 予算案は与党が多数を占める衆院で可決すれば、参院で否決されても、衆院の優越規定で成立する。これに対し、赤字国債を発行するための公債発行特例法案など、予算執行に必要な予算関連法案は、野党の協力が得られるメドが立っていない。法案が審議される来春に政府・与党が国会運営で行き詰まるとの「3月危機」を懸念する声が民主党内から出ている。
 ◆普天間移設問題◆
 外交・安全保障政策の難題の一つが沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題だ。
 日米両政府は5月、同県名護市辺野古を移設先とすることで合意。具体的な工法や位置に関する専門家の検討を8月末までに完了することにしていたが、沖縄県から辺野古移設への同意が得られず、結論を先送りした。首相は早期移設が基地負担軽減につながると訴え、沖縄県側の理解を得る考えだが、小沢氏は日米合意の見直しに含みを持たせており、民主党内では辺野古移設反対論も根強い。
 12日の名護市議選では、移設受け入れ反対派が過半数を占め、同市への移設は一段と難しい環境になった。11月28日の沖縄県知事選で「県内移設」に反対する候補が勝てば、普天間返還の頓挫は現実味を帯びる。



【民主党代表選】「永田町と世間の常識と違った」石原都知事 僅差の国会議員票数に
 菅直人首相が再選された民主党代表選について、東京都の石原慎太郎知事は14日、都庁内で報道陣に「世間は圧倒的な差で菅君を支援したが、国会議員の票数は際どかった。永田町と世間の常識、価値観の違いが分かった」と感想を述べた。
 さらに「もうちょっとものをはっきり言った方がいい。抽象的なことばかりだ。尖閣諸島のことは試金石になるよ」と菅首相の外交姿勢などに注文を付けた。



【民主党代表選】「挙党一致で首相もり立て」小沢氏投票の山田農水相
 山田正彦農水相は14日、記者団に対し、民主党代表選で小沢一郎前幹事長に投票したとした上で、「盛り上がった本当に良い選挙だった。終わればノーサイド。挙党一致で菅直人首相をもり立てなければならない」と述べた。
 山田農水相は「組閣があれば新大臣には、戸別所得補償制度などの農政をしっかりやってもらいたい」と強調した。続投の意思については「やらしてもらえるならば、やりたいが、大臣にふさわしい人はほかにもいっぱいいる」と話した。



菅首相再選で長期金利一時1・100% 
 14日の国債市場は、長期金利の指標である新発10年債(310回債、表面利率1・0%)の利回りが一時1・100%と取引時間中では約2週間ぶりの低水準となった。終値利回りは前日より0・015%低い1・130%。
 民主党代表選で菅直人首相が再選されたことを受けて、国債の買いが優勢となり、利回りが低下(国債価格は上昇)した。積極財政論者の小沢一郎前幹事長が勝利した場合、国債の大量増発につながると懸念されていたため、菅氏の再選で安心感が広がった。
 東証10年国債先物の中心限月である12月きりは10銭高の141円38銭。
ネット銀行10年、伸び悩む理由
 インターネット上で銀行のサービスを手掛ける「ネット専業銀行」が日本に誕生して10月で10年を迎える。預金残高は着実に増えてはいるが、まだ国内全体の1%未満。期待されたほどの規模には達せず、各社の収益基盤も確立できていない。ネット専業銀行が伸び悩む理由を探った。
手数料頼りの限界
 09年3月期に348億円の最終赤字を計上し、不振にあえいだイーバンク銀行。5月に社名を楽天銀行に変更、楽天の救済を受けて、経営再建のまっただ中だ。
 もともと決済業務を柱に据えてきたが、決済手数料だけでは収益を確保できず、預金で集めた資金の約4分の1を信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連の投資に回していた。そこにサブプライム・ショックが直撃したことが、業績不振の直接の原因だ。
 手数料収入だけで収益を確保できなかった理由は口座数の伸び悩みにある。ネット専業銀行には営業店舗や自前のATMを持たずに低コストで運営できる強みがあるが、一定以上の規模にならなければコンピューターシステムへの投資や運営費用をまかなえない。楽天銀行の口座数は直近で350万超とネット専業の中では最も多い。それでも、決済手数料だけで経費をまかなえる水準ではないのが実情だ。
 楽天銀行の場合、口座数と利用回数を増やそうと個人向け手数料を無料にしていた価格設定も裏目に出た。楽天から派遣された国重惇史社長は「決済業務だけに頼らず、複数の収益源を持つ銀行に転換する」と意気込む。個人ローンによる利ざや収入などを増やしているが、ビジネスモデルの転換は一朝一夕には進まない。
 2000年10月に日本初のネット専業銀行として先陣を切ったジャパンネット銀行もヤフーオークションのオフィシャルバンクになるなど、やはり決済業務を主軸にしてきたが、黒字転換までに5年かかった。
預金残高は全国銀行の1%未満
 足元の数字を見ると、既存の銀行に比べネット専業の規模は依然、小さい。ネット専業5行の預金残高は6月末で計4兆円強。全国銀行の預金全体の約0.7%にとどまっている。
 預金残高が1兆5000億円を超え、ネット専業では最大手のソニー銀行は「3年後の預金量2兆円、口座数150万」という目標を掲げる。しかし、この目標を達成できたとしても、中規模な地方銀行レベルだ。石井茂社長は「家庭に電話が普及したように、やがてはネット銀行を利用するのが当たり前の時代が来る」と見ているが、「現状ではなお認知度が不十分」と不満を感じている。
 ネット専業銀行は、1990年代後半から日本政府が取り組んできた金融ビッグバンと呼ばれる規制緩和の流れの中で誕生した。新規参入を促せば、不良債権の重荷を抱えて身動きがとれない既存の銀行に代わって金融界をよみがえらせると主張する有識者は多かった。特に異業種からの参入組は金融界に新たなアイデアやビジネスモデルをもたらすと期待された。
激化する既存銀行との競争
 だが、実際には市場のすそ野を広げられなかった。草創期はパソコンや携帯電話でお金をやりとりすることに対し、安全性への懸念も根強く、「既存の銀行に預金口座を持つ人はリスクをとってまでネット銀行に資金を移す理由がなかった」と大手銀行の幹部は指摘する。さらに、2000年代後半になると、既存の銀行もネット業務を強化。限られたパイの奪い合いが激しくなった。
 1990年代後半から続く日本の超低金利もネット専業銀行にとっては逆風だ。ネット銀行を利用する人が注目するのは金利、手数料と利便性。低コストを武器に金利で既存の銀行に差をつけたいところだが、市場金利が超低水準の現状では限界があるという。
 9月13日時点のネット専業銀行の1年物定期預金金利は、9月末までの特別金利をつけている住信SBIネット銀行が最も高く年0.5%。これに対し、メガバンクでは預入額300万円未満のスーパー定期1年物で年0.04%。さらに、既存の金融機関は優遇金利を設定するなどで富裕層を囲い込んでおり、「現在の金利差ではあえてネット専業銀行に預け替える人は限られる」(地銀幹部)との見方は多い。収益基盤が安定せず、思い切った金利設定も難しいという悪循環が続く。
 ソニー銀行や住信SBIネット銀行などは幅広い商品・サービスを手掛ける「総合型」の銀行を目指しているが、ネット専業銀行が「総合型」にカジを切れば既存の銀行との競争がさらに激しくなる。
 ソニー銀行がJR東京駅前に開設した「住宅ローンプラザ」。来客は30~40代を中心に月に約500組にのぼり、「担当者に直接、会って詳しい説明を聞きたいという声に応えている」(藤本直俊所長)。人手が必要なサービスを強化しすぎると低コストを武器にするネット専業の優位性が揺らぎかねない。それでもソニー銀行があえて「リアル」な拠点を設けたのは、住宅ローン事業に多大な経営資源を投入する既存の銀行に対抗するためだ。
 後発組として07年秋に開業した住信SBIネット銀行の収益源も住宅ローン。川島克哉代表取締役は「市場全体から見れば当行の事業規模はなお小さく、成長する余地は大きい」と見るが、親銀行の住友信託銀行も含めた既存の銀行との競争は激しさを増している。
それでも個人取引はネットが主流に?
 ネット専業銀行はこの先、どのような道を歩むのか。ネットビジネスに詳しい富士通総研経済研究所の湯川抗主任研究員(SBI大学院大学教授)が注目するのは技術革新の波及経路。パソコンや携帯電話で銀行取引が可能になっても、最初は抵抗感を覚える人が多いが、そのうちに技術の精度が上がり、取引の安全性を確保する制度も整備される。世代交代も進んで新しい技術に慣れる人が増えるというのだ。
 湯川氏は「銀行取引はネットになじみやすい。個人取引のほとんどがネットに移行する可能性もあり、ネットの銀行取引が社会に広く受け入れられる日は近い」と見る。
 ネット専業の各行が期待するのが多機能携帯電話(スマートフォン)。来年初めにも、スマートフォンでのサービスが相次ぎ始まる見通しだ。これまでの携帯電話ではできないサービスや利便性を提供できれば、新たな利用者の開拓につながる。
 ネット専業銀行が発足した当初、銀行界では「ネット業務は顧客の満足度を上げるための手段であり、それ自体では収益を上げられない」との見方も根強かった。その後、本格的なネット時代が到来し、既存の銀行もネット戦略を強化し始めている。
 ネットの進化と普及のスピードは金融ビッグバンでの想定をはるかに超える勢いだ。ネット専業銀行が本領を発揮するのは、むしろこれからなのかもしれない。



ニンテンドー3DSの情報漏洩? 「11月20日発売」で騒動
専用メガネをかけずに画面が立体的に見える、任天堂の新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」について2010年9月12日、関係者と名乗る人物が、発売日情報を漏洩するかのような呟きをツイッターに投稿した。真偽は不明だが、海外サイトでも報じられるほどの騒動にまで発展している。
9月12日ツイッターに、「のっち」というユーザーから「11月20日位にオイラがデザインした3DS用商品が一斉に11商品発売されます。3DS買う人は同時に買ってねー! その内ホームページでも公開予定」という呟きが投稿された。
「思っていたより早い」「年末商戦にぶつけてきたな」
海外サイトでも報じられた。
「のっち」なる人物の素性は不明だが、プロフィール欄には「プロダクトデザインとかも好きです」と書かれており、デザイナーだと見られる。
呟きの最後には、ニンテンドーDSの周辺機器アクセサリメーカーへのHPリンクが貼られていた。この会社は任天堂とライセンス契約を結んでおり、DS用のカバーや液晶画面保護シートなどを販売している。
3DSは専用のメガネを付けなくても画面が立体的に見えるというのが特徴。発売時期については「2010年度内」とされているだけで、詳細は未発表だ。アクセサリが本体より先に発売されることもないので、呟きの内容が本当なら3DSも11月20日ごろ発売ということになる
ツイッター上では直ぐに話題になり数百人にリツイート(引用)された。ツイッターや2ちゃんねるには「本当なら思っていたより早いな」「年末商戦にぶつけてくるのは間違いない」「情報漏洩きた」といったコメントが寄せられた。
また、11月20日は土曜日。任天堂は近年「Wii」や「DSi」など、新商品を土曜日に発売する傾向がある。また、この日は任天堂の会社設立日にも当たるため「あながち間違いじゃないかも」という見方が出ている。
「この件についてはノーコメントです」
しかし、任天堂広報室担当者はこの呟きについて「特に申し上げることはありません。弊社の方では2011年3月末までに発売するとだけしています」。既に予定していた通り、価格や発売時期については10年9月29日に発表するとしている。
呟きを投稿した「のっち」は13日までにアカウントを削除。また、リンクが貼られていたアクセサリメーカーのHPは同日昼、アクセスが集中したのか一時繋がりにくい状況になった。この会社に「のっち」という人物が何者なのか、呟きの内容は本当なのか取材を申し込んだが、「この件についてはノーコメントです」ということだった。
もっとも、一部からは「そもそもアクセサリメーカーが現段階で発売日を知っている訳がない」という指摘も出ている。任天堂とライセンス契約を結んでいる別のアクセサリメーカーに聞いたところ、その担当者も「任天堂からはまだ発売日について何も知らされていない。他の会社も同じだと思う。11月20日というのもあくまで憶測レベルではないか」と話していた。
この騒動は海外にも飛び火。海外のゲーム系ニュースサイトなどで「日本のプロダクトデザイナーが3DSの発売日をリークか」などと報じられ、日本同様「そんなに早いのか」「来年の11月じゃないの?」といった書き込みが寄せられている。



DeNA、米iPhoneゲームメーカー買収 「世界市場で戦えるプラットフォーム」に
 ディー・エヌ・エー(DeNA)の米子会社DeNA Globalは9月13日、米国のiPhone向けソーシャルゲームメーカーGameview Studiosを100%子会社化したと発表した。Gameviewのゲームを、DeNA子会社が運営する英語圏向けiPhone用コミュニティーサービス「MiniNation」に導入する。
 Gameviewは、米アプリメーカーBayView Labsのゲーム部門としてソーシャルゲームアプリを開発・提供、2010年6月に独立した。鳥を集めて楽しむ「Tap Birds」や牧場運営ゲーム「Tap Ranch」などが人気で、アプリの累計ダウンロード数は1000万を超え、今後、Androidアプリも投入予定という。
 DeNAは、100%子会社ミニネーションが英語圏向けに運営しているMiniNationにGameviewのアプリを搭載。MiniNationのゲームラインアップを充実させて「世界市場で戦えるプラットフォーム」に育て、世界戦略を加速させる。



楽天、クレジットカードに「エディ」機能
 楽天は14日から、電子マネー「エディ」の機能が付いたクレジットカードを発行する。カードだけでなく、電子マネーを利用した買い物にも、インターネット上の仮想商店街「楽天市場」で使えるポイントを付与する。エディの利用拡大につなげるのが狙い。
 子会社の楽天KCのクレジットカード「楽天カード」にエディを付ける。既存のカードは更新時にエディ付きに切り替える。コンビニエンスストアなどでエディを使って買い物代金を払う場合、200円で1ポイント(1円相当)のポイントがたまるようにする。
 エディはコンビニや自動販売機など全国23万カ所以上で利用可能。ただ、最近は流通系の電子マネーが急速にシェアを広げており、てこ入れが課題になっている。楽天のサービスで使えるポイントを付与することで、楽天利用者を取り込む。
 エディの7月末の累計発行枚数は5890万枚、7月の月間決済件数は前年比23.1%増の3200万件だった。



富士通、ワイヤレス充電を開発 複数機器を同時に、12年実用化へ
 富士通は13日、電源コードを接続せずに携帯電話などの電子機器を充電できる「ワイヤレス」技術を開発したと発表した。機器と充電器が数センチ離れていても充電が可能で、複数の端末を同時に充電できるという。2012年をめどに実用化を目指す。
 新技術は、富士通研究所が開発した。コイルとコンデンサを使って微弱な電波を使って電力を送る「磁界共鳴方式」を採用。充電器と端末の両方に特殊な装置を取り付け、離れた距離でも充電できるようにした。従来の「電磁誘導方式」では、数ミリ程度の距離しか電力を送れず、充電できる機器は1台だけだった。
 富士通は、2012年に携帯電話やパソコンなどのモバイル端末に同技術の搭載を目指す。また、電気自動車の充電などへの用途拡大も見込んでいる。



中国ハイアール、日本で中・高級家電 1~2割安く
 中国家電大手の海爾集団(ハイアール)は日本で中・高級機種の家電販売を本格化する。これまで日本では単身者向けの小型製品が中心だった。中・高級機種は日本の家電メーカーと競合するが、ハイアール製品は1~2割安い価格とみられる。中国など新興国でも中・高級機種市場が広がり始めており、競争の激しい日本市場への売り込みで製品力の強化につなげる。
 15日から開く家電量販店など流通業者向け展示会で、過去の2倍以上となる100機種以上を紹介する。冷蔵庫などで欧州や中国で販売している中・高級機種をベースに、日本市場向けに手直しした製品を提案する。
 すでに発売している製品に加え、AV機器以外の掃除機や家庭用エアコンなど、日本で未発売の機種を紹介する。家電量販店と商談をすすめ、今後日本向けに販売する製品を絞り込む。
 年末から年明けにかけて、2ドアで容量が300~400リットル前後のファミリー層向け中型冷蔵庫を発売する予定。日本メーカーと競合が激しい市場に参入する。未発売のエアコンや掃除機については、今後2年内の国内市場投入を目指し、日本向けのデザインや機能を搭載した製品開発を急ぐ。
 ハイアールは2010年に入り日本市場拡大に向けた取り組みを強化してきた。5月末に洗濯容量が9キログラムといった、国内で主力市場のファミリー層向け全自動洗濯機を発売。製品戦略を一層強化し、13年度に現状の倍以上となる200億円以上の売上高目標に弾みを付ける考えだ。
中国で販売するファミリー層向け冷蔵庫の日本投入を目指す
 ハイアールがこれまで日本市場で販売してきたのは、日本メーカーが手掛けていない小型機種が中心だった。具体的には、単身者向けとなる小型の洗濯機や冷蔵庫、地方の家族向けに2槽式の大型洗濯機のみだった。
 日本市場は買い替え需要が中心で、冷蔵庫やエアコンで年間平均購買単価が上昇するなど、中・大型機種の市場が拡大しつつある。今後事業拡大を目指すなかで、主力製品の市場参入が不可欠と判断した。
 ハイアールは白物家電で世界最大手。世界売上高は09年に約182億ドル(約1兆6000億円)となった。冷蔵庫、洗濯機はともに生産台数で世界首位となっている。主力市場は中国だが、欧州やインドでも販売網を広げている。



あいまいさ残るAppleの「App Store審査ガイドライン」
 米Appleが、「App Store Review Guidelines(App Store審査ガイドライン)」を公開した。問題は、これで特定のアプリが適切かどうかをめぐって定期的に起きる議論を抑えられるかどうかだ。
 このガイドラインは9月9日に公開され、その直後にGIZMODOなどのブログに掲載された。その内容は、次の「Plants vs. Zombies」や「Angry Birds」のようなヒットアプリを作りたい開発者が満たすべき条件を詳しく挙げたものとなっている。Appleのコーポレートコピーの特徴である友好的な言葉で書かれた導入部分では、アプリの承認基準となる「幅広いテーマ」を以下のように説明している。
 当社には多くの子供のユーザーがおり、たくさんのアプリをダウンロードしている。ペアレンタルコントロールは、保護者が設定しなければ機能しない(多くの保護者は設定しない)。このため、われわれは子供のためにアプリを監視しているということを知っておいてほしい
 アプリが却下された場合は、Review Board(審査会)に異議申し立てができる。マスコミにわれわれを悪く言っても、決してプラスにはならない
 たった2~3日で急ごしらえしたように見えるアプリの場合、あるいは初めて作ったアプリを友人に自慢するためにApp Storeに登録しようとしている場合は、却下を覚悟してほしい。真剣にアプリを作っている開発者はたくさんおり、彼らは自分たちの高品質のアプリがアマチュア作品に埋もれることを望んでいない
 このほかにも「テーマ」はあるが、意図的にあいまいにされているようだ。
 アプリの内容や振る舞いが一線を越えたと判断した場合は却下する。「一線」とはどの線なのかというと、かつて最高裁判事が「見れば分かる」と言ったように、アプリ開発者も一線を越えれば自分でそれが分かると思う
 App Storeには25万種を超えるアプリがある。もうこれ以上Fart(おならの音を出す)アプリは必要ない。役に立つ、あるいは持続的な娯楽を提供するアプリでなければ、承認されない可能性がある
 App Storeのガイドラインは「生きた文書」であり、「新しいアプリによって新たな疑問が生まれれば、その結果新しいルールが生まれることもある」と導入部は締めくくられている。
 Appleは、特定のユーザー層向けに「リアルな」暴力、武器、敵を売りにしたゲームやロシアンルーレットを却下する権利を留保しているようだ。「主にユーザーを怒らせたり、不快にさせたりするために作られた」アプリや、「あまりに好ましくない、あるいは下品な内容」のアプリは却下されるという。アダルトコンテンツも禁止対象だ。
 予想されたことではあるが、App Storeの拡大――調査会社IDCの予想では、2010年末にはアプリ数は30万種に達する見込み――に伴い、一部のアプリをめぐっては議論が起きている。例えば2月には、サードパーティーのアダルト向けアプリが複数App Storeから削除された。その際にある開発者が受け取った「iPhoneアプリ審査」という署名入りの電子メールには、この開発者のアプリは「当初は配信してもいいと考えていたコンテンツを含んでいたが、最近顧客からこの種のコンテンツについて多数の苦情があった」と書かれていたという。
 2月22日付のNew York Timesの記事では、Appleのワールドワイドプロダクトマーケティング責任者フィリップ・シラー氏が、複数の団体から一部のコンテンツに「あまりに下品でいかがわしい」という苦情があり、これらのアプリをApp Storeから削除することにしたと認めた。Appleは特定のアプリを削除することは正当な行為だと、iPhone SDKの条項を引き合いに出して主張している。その条項には「アプリケーションには、わいせつ、ポルノ、不快感を催す内容、あるいは中傷するような内容を含んではならない」とある。
 一部の開発者は反対の声を上げ、Appleのポリシーや承認基準の一貫性に疑問を呈している。Appleに対して、一部アプリの承認決定について、もっと透明性のある説明をするよう公然と要求している開発者もいる。削除されたアプリと似たような内容なのに、Sports Illustratedなどの大手企業のアプリはApp Storeに残っているという事実も、開発者たちを仰天させている。
 さらにAppleは決定を撤回することもあるため、さらに基準が不透明になっている。同社は4月にピュリッツァー賞を受賞した漫画家の政治風刺アプリを削除したが、抗議を受けてApp Storeに戻した。
 Appleのライバルは、App Storeをめぐる議論をあからさまに当てこすっている。「われわれは透明性と一貫性のあるポリシーで、開発者に対し、彼らにふさわしい尊敬を払っている」とMicrosoftのWindows Phone 7開発者担当ディレクター、ブランドン・ワトソン氏は6月7日のThe Windows Blogで述べている。「このポリシーは開発者がクリエイティブな販売・マーケティングモデルを模索するのに必要な情報や柔軟性を与えている」
 Microsoftは夏の間に、Windows Phone for Developers Websiteに同社のポリシーの完全なリストを掲載した。同社のポリシーはAppleのガイドラインと似ており、暴力的なコンテンツやわいせつなコンテンツは禁止される。
 いずれにしても、Appleはアプリ承認プロセスの形を整えるための策を取っているようだ――たとえ、同社の「ルール」の多くが依然として恣意的なものだとしても。ガイドラインの最後には、「iOSアプリを開発してくれて感謝する。この文書では、開発者がやってはいけないことを物々しく並べてはいるが、やらなければいけないことはもっと少ないことも覚えておいてほしい」と書かれている。
ビクター、揺れる名門 再建への賭け
 「それは禁じ手だろう」。社内ではそんな声が聞かれる――。名門AV(音響・映像)機器メーカーの日本ビクターが自社ブランドを新興国企業に貸し出す事業を始める。ケンウッドと経営統合後も続く不振に打ち出した増収策だが、長年培った看板を傷つける危うさをはらむ賭けでもある。ビクターに何が起こっているのか。背景を探った。
名門ブランドの売り主は台湾メーカー
 ビクターのブランドの液晶テレビを2012年度に北米で100万台販売する――。気勢をあげるのはブランドの持ち主であるビクターではない。台湾で電子機器の受託製造サービスを手がける瑞軒科技(アムトラン・テクノロジー)だ。
 ビクターが自社ブランドの使用権をアムトランに有償で供与すると発表したのは8月末。おなじみの犬のマークは国内向けのため入らないが、海外で展開する「JVC」ブランドが対象となる。
 アムトランは自社で開発・生産した液晶テレビをJVCブランドで販売する。2011年初めにも北米で発売、翌年には100万台を売る計画だ。ビクターの09年度のテレビ販売台数は世界全体でも50万台程度。アムトランの「JVC」は一気に本家のビクターを抜く。
 メーカーだけではない。ビクターはアルゼンチンの販売代理店にもJVCブランドを供与、販売代理店は今年12月からライバル三洋電機に生産委託した液晶テレビにJVCブランドを冠して現地で販売する。
 ビクターは今回のブランド供与で、販売台数に応じてライセンス料を受け取る。「技術や品質をサポートする」(同社)ことで多少の関与はするが、ブランド供与先が主導権を完全に握るスキームだという。
 「メーカーとして看板であるブランドを他社に委ねるのは最終手段。苦肉の策、以外の何物でもないですよね……」。ビクター幹部は深くため息をつく。ついに長年守ってきたブランドの供与を余儀なくされたことに肩を落とす。
VHS成功も今は昔
 ビクターは1927年に米メーカーの日本法人、日本ビクター蓄音器として創立。世界で初めてブラウン管に映像を映すことに成功し「テレビの父」と称された高柳健次郎を迎え入れたほか、国内初のテレビ受像機を開発するなど日本のテレビ開発の先頭に立ってきた。戦後、経営危機に陥り松下電器産業(現パナソニック)の救済を受けたが、AV機器業界の名門として、76年には家庭用ビデオ「VHS」を開発、世界標準を握るなど業界をリードした。
 だが、VHSの特許関連収入だけで166億円を稼ぎ出した90年ごろをピークに、デジタル化による競争環境の変化や、サムスン電子など韓国勢の台頭に押されて、長く業績不振が続いてきた。
 長期低迷からの脱却を目指し、東芝出身の河原春郎が経営トップとして再建中だったケンウッドと経営統合したのは08年10月。共同持ち株会社のJVC・ケンウッド・ホールディングスを設立し、ともに傘下に入った。
流れを変えた不正会計処理
 それからはリストラの連続だ。八王子工場の閉鎖、メキシコ工場の閉鎖などに続き、創業の地である横浜の本社工場も閉鎖、売却し、年内にも明け渡す。
 それでも統合会社の業績は上向かない。統合直前の両社の合計売上高は7600億円強。当初、11年3月期は7500億円を目標としていたが、実際には3800億円と半減する見通しだ。最終損益も赤字のままだ。
 出口の見えない業績不振を前に、聖域のないリストラはJVCブランドにも迫る。
 経営統合から1年が過ぎた2009年秋のことだ。
 リストラを重ねても依然赤字が続くテレビ事業の新たな一手としてブランド供与が浮上。持ち株会社であるJVCケンウッドの会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)、河原が自らアムトランとの交渉の席についた。
 ただ当時はまだ、ブランド供与はあくまで選択肢のひとつ。社内に抵抗感が強かったこともあり「話はとんとん拍子には進まなかった」(同社幹部)。
 年をまたいで今年2月。潮目が変わる。
 ビクターの欧州法人が経営統合前から経理操作で損失を過小に計上していたことが発覚したのだ。販売ノルマ達成のための販促費の扱いなどをごまかし、09年3月期では最終赤字を333億円とすべきところを243億円と過小に報告するなど悪質なものだった。JVCケンウッドはただでさえ、台所事情が苦しいなか、200億円近い追加損失の計上を余儀なくされた。
「ビクター最後の砦」失う
 当然、責任問題となる。
 3月。河原が経営の実権を握るなかで「ビクター出身者にとって精神的支柱で最後の砦(とりで)」と言われたビクター社長の吉田秀俊が退任した。
 昨年6月にはビクター元社長でJVCケンウッド社長だった佐藤国彦が退任している。吉田に続き、今年6月にはJVCケンウッド取締役の足立元美も退任し、統合持ち株会社の取締役からビクター出身者が一人もいなくなった。
 かつて経営統合を発表する記者会見で「両社のブランドはそれぞれ市場で存在感を持っているのできちんと残す」と語っていた河原。しかし、ブランド供与の交渉進ちょくを鈍らせていた「社内の抵抗感」という壁は一気に崩れ、ブランド供与への準備は着々と進んでいった。
 4月には吉田の引責退任で空席になっていたビクター社長に伊藤裕太が招へいされた。
 伊藤は08年に経営破綻した米ポラロイドの日本法人で社長を務めた経歴を持つ。インスタントカメラで有名な「ポラロイド」のブランドは本社が破綻後もアジア企業が液晶テレビに使っている例があり、伊藤もブランド供与の事業に携わった経験があるという。
 「やり方さえ間違えなければ大丈夫だ」と伊藤は説明する。「ビクターの消費者向け製品が減っていく中で、認知度を維持する宣伝広告の効果も大きい」とのメリットも強調する。
パイオニアは中国企業に供与
 ブランド供与には事業リスクをとらずに安定的な収入が得られる利点がある。たとえ、売れ残っても、赤字が出てもあくまでも相手の責任だ。開発や販売にヒト、モノ、カネをかけずに済む。
 実は、経営が苦しい企業がブランドを他社に貸し出す例は珍しくはない。
 「これから『ウィン・ウィン』の関係でやっていきたい」。
 ビクターがブランド供与事業の開始を発表する直前の8月17日。パイオニア社長の小谷進は中国・南京にいた。中国の家電量販店最大手、蘇寧電器へのブランド供与の調印式に臨むためだ。
 蘇寧は「パイオニア」ブランドの発光ダイオード(LED)液晶テレビやプラズマテレビを今後中国で順次販売する。開発や生産は中国のテレビメーカーに委託する計画という。蘇寧は強力な“プライベートブランド”を手に入れる一方、パイオニアはホームシアターなど自社製品を蘇寧の販売網に優先的に流してもらってAV機器事業の拡大につなげるという算段だ。
 ただ、パイオニアのケースはビクターとは異なる点がある。パイオニアは今年3月にテレビ事業から撤退しているのだ。技術者も既にパナソニックや船井電機に移っている。
 ビクターはテレビ事業を続けながらテレビでブランド供与に踏み切った。ビクターの技術者が手塩にかけて開発したテレビも他社が開発したテレビも消費者から見れば同じ「JVC」。自社のテレビのブランド価値への影響が懸念されるうえ、現場の士気低下は避けられない。
「ブランド貸しやったらおしまい」
 ブランド供与自体を批判する声も業界には多い。パイオニアの前に蘇寧からの打診を断った日立製作所の幹部は「メーカーはブランド貸しをやってしまったらおしまい」と厳しい口調で話す。ブランドには企業の歴史、哲学が詰まっている。供与相手が粗悪品を市場に出したり不親切なサポートをしたりすると、そのブランド価値を棄損するリスクを抱える。メーカーとしての生命線である消費者からの「信頼」を失うリスクだ。
 蘇寧に限らず、中国に行けば、懐かしい日本メーカーのブランドが今でも店頭で見られる。
 パイオニア、トリオ(現ケンウッド)と並んで「オーディオ御三家」と呼ばれた山水電気。経営不振で香港企業の傘下に入り、メーカーとしての実体はもうない。それでも「日本メーカーのブランドは中国人から人気が高い」(中国事情に詳しい電機メーカー首脳)。第三者がブランド管理会社から借りた「サンスイ」ブランドのプラズマテレビなどを中国で販売している。経営破綻した赤井電機の「アカイ」ブランドも中国では“健在”だ。
 輸出立国を支え、隆盛を誇った日本AV機器メーカーの寂しい末路がそこにはある。
松下幸之助が認めたビクター
 戦後、ビクターが経営危機に瀕(ひん)した際、救済に乗り出した松下幸之助は「(ビクターの商標である)犬のマークに興味と尊敬を持っていた」と言われる。救済の決め手になったのは幸之助の「ビクターの犬のマークだけでも安い買い物」というひと言。
 犬は蓄音器に耳を傾けている。亡き主人の声を聞いているとされるこの絵のタイトルは「ヒズ・マスターズ・ボイス」。米メーカー、日産グループ、東芝・・・松下電産はビクターの六番目の親会社だった。そして、今の実質的な「主人」はケンウッド。ビクターはその声を聞き、「欧州では『松下』より有名」と言われたJVCの商標を切り売りする。「安い売り物」にしないためには、これをてこに経営を立て直すしかない。



「ソーシャル性低いゲームにも誘導」 mixiアプリが軌道修正
 「時間があるユーザー向けに、ゲーム性の高いゲームにも誘導していく」――ミクシィの笠原健治社長は9月10日、パートナー企業やWeb開発者向けイベント「mixi meetup 2010」でこう話した。
 mixiアプリはこれまで、友人(マイミクシィ)との交流を強化するソーシャル性の高いアプリを推奨。GREEやモバゲータウンなど、ゲーム性の高いアプリプラットフォームと差別化を図ってきた。
 10月から新たに、ソーシャル性が低く、ゲーム性の高いアプリへの誘導枠を、mixiアプリトップページに設置。「引き続きソーシャル性の高いゲームを推奨する」としながらも、ゲーム性の高いアプリへの誘導も強めていく。
「全国大会」アプリにも誘導 マネタイズ支援も強化
 mixiアプリはスタートから1年経ち、総数は2000を突破。当初からソーシャル性の高い「マイミク大会」(友人同士で競うアプリ)を推奨しており、ゲーム性の高い「全国大会」(ユーザー全員で競うアプリ)は「mixiならではのアプリにはならない」と説明してきた(「mixi始まって以来、最大の変化」――笠原社長に聞く「mixiアプリ」)。
 利用動向を見ても、ソーシャル性の高いアプリは月間アクティブ率が55%、低いアプリは24%。アプリの寿命もソーシャル性が高い方が長くなる傾向にあるという。ただソーシャル性の高いアプリは、アイテムを購入せずゆるく楽しむライトユーザーが多く、GREEやモバゲーで人気のゲーム性が高いアプリと比べると、課金率や課金額が低いという課題も指摘されている。
 「社内でも議論があった」が踏み切ったというゲーム性の高いアプリへの誘導の強化は、課金率・課金額を伸ばし、アプリプロバイダーのビジネスを支援するという狙いがありそうだ。アプリ内課金の仕組みも新たに、プロバイダーがマネタイズしやすいよう改善。従来、アプリ公開から課金まで約4週間必要だったが、公開からすぐに課金できるようにする。
 アプリのページビューに応じてプロバイダーに一定額を支払っていた「マネタイズ支援プログラム」は、「ソーシャル性の重要な指標となる」ユニークユーザーごとに支払う形に変更。支払いはアプリ公開当月にスタートする。アプリの売り上げの10%と引き替えにインフラを提供する仕組みや、アプリ運営ノウハウの提供なども進め、アプリプロバイダーを支援していく。
 mixiアプリは新たにスマートフォンに対応したほか、中国・韓国最大のSNSを運営する企業とプラットフォームを共通化していく計画。アプリプロバイダーが、端末や国境を越えてアプリを提供できる仕組みの整備を進めていく。



ニフティ、ソーシャルアプリの協業ベンダー募集、開発費の8割提供
 ニフティ株式会社は13日、パートナーベンダーと共同でソーシャルアプリを開発・運用する制度「ソーシャルアプリ・アライアンスプログラム(SAAP)」を開始すると発表した。10月15日まで1回目のパートナー募集を行い、2010年度に10社以上との協業を目指す。
 SAAPでは、ニフティがインフラやサポート体制などを提供し、パートナーベンダーがソーシャルアプリの開発や運営に集中できる環境を構築する。対象となるソーシャルアプリはゲームに限定せず、また、デバイスも携帯電話、PC、スマートフォンを問わない。モバゲータウン、mixi、GREEなどのオープンプラットフォームのほか、ニフティの自社メディアでもアプリ提供が可能だ。



厚生労働省ツイッターで情報発信
厚生労働省はツイッターを開始した。アカウント名は「MHLWitter」。誰でも参加できるイベントの告知や、新制度の情報提供をツイッターで行うという。6日から「仮運用」していた。
ツイッターの機能の「リプライ」や「ダイレクトメッセージ」を使って送られてくる意見には対応しない。代わりに、プロフィル上に掲載されたURLをクリックすると、厚労省の「国民の皆様の声募集」のページが開き、ここから意見や質問を送れる仕組みになっている。



RSSリーダーの老舗「Bloglines」がサービス終了
 米Ask.comは9月10日(現地時間)、RSSリーダー「Bloglines」のサービスを10月1日に終了すると発表した。
 2003年からサービスを開始した老舗だが、近年ユーザーがリアルタイム情報の入手先としてTwitterやFacebookなどのソーシャルサービスを利用するようになり、利用率が低下していたという。
 2005年にBloglinesを買収したAsk.comは「われわれがBloglinesを買収した当時、RSSは初期段階にあった。それまでの検索に対する情報のプッシュという情報消費におけるコンセプトが、RSSによって非常に現実的になり、われわれはその可能性を確信していた。だが現在、リアルタイムRSSは会話を通して伝えられるようになっており、情報消費はソーシャルな体験に変わった」と語り、その結果RSSリーダーの利用が激減したと、サービス終了を決断した理由を説明している。
 Ask.comは現行のBloglinesユーザーに対し、サービス終了までにGoogle Readerなどのほかのサービスに移行するよう呼び掛けている。
 Ask.comは今後、Bloglinesの技術を主力事業であるユーザー向けQ&Aサービスに統合していくとしている。
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