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打倒YouTubeでタッグ
ヤフーとUSENの動画配信(COLUMN)
日本のIT企業による「YouTube包囲網」が始動した。
4月7日、ヤフーはUSENの100%子会社で動画配信サービスを提供するGyaOの発行済み株式51%を取得すると発表した。
両社の動画サービスの利用者はYahoo!動画が1100万人、GyaOが650万人で国内トップクラス。ライバル2社のサービスが年内にも統合される理由は、「打倒YouTube」にある。
米国グーグル傘下にある無料動画配信サービスYouTubeの日本での月間視聴者数は1500万人を超えるといわれている。しかし、著作権保有者に無断で違法に配信されているテレビ番組なども多く、問題視されている。
一方、ヤフーやUSENのほとんどの番組は有料で調達しているし、著作権保有者との交渉や、オリジナル番組の制作なども行なってきた。時間とおカネのかかるやり方だ。これを広告料で補うモデルだが、今のところ赤字続きだ。
それにもかかわらず、利用者数から判断すれば、支持されているのはYouTubeといえる。正直者がバカを見ているわけだ。
7日の会見で、赤字の原因を聞かれた宇野康秀・USEN社長が「違法なコンテンツとはコスト構造が違った」と恨み節を漏らせば、井上雅博・ヤフー社長も「著作権を尊重する」とYouTubeを意識するような発言が続いた。
ヤフーやUSENの関係者は今回の統合によって、テレビと広告業界関係者の姿勢が変化することにも期待しているという。
これまで「動画配信といえばYouTubeで、しかも違法」というイメージだったのが、今後はテレビ局も統合した両社の存在感を無視できなくなる。
権利を守る姿勢にテレビ局が共感すれば、最新の人気ドラマや高視聴率のお笑い番組など有力な番組を提供することも期待できるという。ネットの動画サービスでも「やはり人気なのはテレビ番組」(ヤフー関係者)なのだ。
両社の目論見は、人気番組の配信によって利用者を増やし、動画配信への広告提供の本格化にも弾みをつける、というものだ。
しかし、その狙いには根本的な欠陥がある。2社が統合しても、YouTubeの違法配信はなくならないということだ。仮にテレビ局が人気番組を提供しても、YouTubeで同じ番組が違法に配信されてしまえば元も子もない。
現状では、ヤフーとUSENが著作権の保有者や管理団体などと組み、YouTubeに抗議していくような予定はないという。
ライバルの違法コンテンツが成長の足かせになっていることに気づいてはいるが、できることは少ない。視聴者の良識に期待し、さらにライバルが違法動画を削除してくれるのを待つという、ヤフーとUSENにとって隔靴掻痒の戦いが続くことになりそうだ。
論文引用で東大が世界11位に 学術情報ランキング 京大は30位
学術情報を扱う米国のトムソン・ロイターは13日、1998~2008年に論文が引用された回数が多い日本の研究機関のランキングを発表。トップは東京大で、世界の約4100機関の中では、昨年より1つ順位を上げて11位だった。同社が発表を始めた02年以降、最高の世界順位。
国内2位は京都大(世界30位)、3位は大阪大(34位)、4位は東北大(64位)。
同社によると、この数年、科学技術振興機構、理化学研究所、産業技術総合研究所(産総研)などの政府系研究機関と東北大、慶応大、岡山大の上昇が目立つという。
分野別で世界5位以内に入ったのは、材料科学で東北大(3位)と産総研(4位)、物理学で東大(2位)、化学で京大(4位)と東大(5位)、生物学・生化学で東大(3位)。
EZweb10周年記念、尾崎豊の「I LOVE YOU」着うたフルプレゼント
KDDIと沖縄セルラーは、4月14日付けでインターネット接続サービス「EZweb」の10周年を迎えることにあわせたキャンペーン「EZweb 10周年記念キャンペーン」を実施する。
EZwebは、auの携帯電話から利用できるインターネット接続サービス。1999年4月14日、当時のDDI-セルラーグループとIDO(日本移動通信)でスタート。今年で10周年を迎えることを記念したキャンペーンが4月14日~7月31日まで実施されることになった。
auの音楽関連サービス「LISMO」のCM曲に、尾崎豊の「I LOVE YOU」が起用されることになり、4月25日~5月31日まで「I LOVE YOU 1st Ver.(live)」の着うたフルプラスや着うたフル、ビデオクリップ、EZ待ちうたがプレゼントされる。
「コンテンツホルダーとWin-Winに」 グーグル日本法人の辻野社長
グーグル日本法人は13日、都内で記者向けの定例説明会を開いた。辻野晃一郎社長は、今後の事業の方向性についてキーワード広告の「アドワーズ」、ディスプレー広告、「YouTube」、モバイル広告、地域情報の5つに力を入れていく考えを示した。
グーグルの大きな収益源になっているアドワーズは4月から広告主向けの管理画面を刷新した。ユーザーインターフェースやリポート作成ツールなどを初心者にも使いやすいよう改善しており、広告主のすそ野拡大を狙う。
新聞など既存メディアの経営が悪化している米国では、ネット広告事業でのグーグルの一人勝ちに対し、メディア業界から批判が出ている。辻野社長は「新聞社などのコンテンツホルダーとはWin-Winの関係構築が必要。グーグルの広告収益をコンテンツホルダーとシェアすることには積極的に取り組んでいきたい」と話した。
グーグルの携帯プラットフォーム「Android(アンドロイド)」を搭載した端末の日本での商品化については、「順調に準備が進んでいるが、発売時期についてはコメントできない」(辻野社長)と述べるにとどまった。
エンターブレイン:地デジ化の11年に次世代ハード登場か 浜村社長がゲーム市場展望
ゲーム出版大手「エンターブレイン」の浜村弘一社長は10日、業界担当記者向けのセミナーで講演し、世界的な不況のゲーム業界への影響について「世界全体で5%以上の成長を見せた。他の産業と比べると限定的」との見通しを明らかにした。理由についてはテレビゲームが安価で長時間楽しめる点を挙げ、ニンテンドーDSが大ヒットした07年度から、約20%の落ち込みを見せた日本市場については、「景気よりソフト不足が原因」と指摘した。
浜村社長は、欧米で米大手流通「KBトイズ」の破たんや、開発スタジオの相次ぐ閉鎖、開発コストの上昇などにより、ソフトメーカーに一定の規模の大きさが必要となり、経営統合が進んだとし、日本でも大規模な企業統合が5年以内に行われるだろうと予測。
欧米では、DSとWiiが、低価格で独特のアイデアを取り入れたゲームを提供、大規模なプロモーションの効果もあり、ファミリー層を中心としたゲーム人口の拡大に成功したが、日本ではWiiが失速したことを指摘。6月発売予定の「Wiiスポーツ リゾート」や今夏発売予定の「モンスターハンター3(トライ)」など、今後のソフト発売に期待するとした。
「モンスターハンター」シリーズがヒットしたPSPについては、「ファンタシースターポータブル」「ディシディア ファイナルファンタジー」など、通信機能を活用したタイトルがヒットしているとしたが、「PS3からDS、DSからPSPと開発が右往左往している感じで、近視眼的になっている」と苦言を呈した。PS3については「メタルギアソリッド4」「龍が如く3」「バイオハザード5」などのヒットを挙げ、「(市場が)少し温まってきた」とした上で、「他ハードと比べて価格が高いことが普及を阻害している」と話した。
また、米アップルのiPodやiPhoneが、ダウンロードサービスのappストアの影響でゲーム機として認識されているとし、「勝負を分けるのはハードの性能ではなく、手軽で安価なネットワーク・サービスではないか」と語り、「次の転換期は、地上波デジタルテレビが普及する11年だろう。次のハードが出るのであれば、この時期が一番注目される」と展望を述べた。
トヨタ、2年連続の営業赤字へ…2010年3月期見通し
トヨタ自動車の2010年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が2年連続の赤字になる見通しであることが13日明らかになった。
世界的な不況による販売不振が続き、6年ぶりに連結販売台数(ダイハツ工業、日野自動車を含む)は700万台を割り込む見込みだ。赤字幅は5000億円前後とみられ、さらに拡大する可能性もある。
09年3月期は4500億円の連結営業赤字を予想。昨秋以降の米金融危機の影響で販売台数が急減した。10年3月期の世界販売台数は09年3月期より1割強少ない650万台前後になる見込みで、円高による輸出採算の悪化も響く。設備投資や人件費など固定費の削減を進めているが、現時点で販売が復調する兆しは見えず、黒字回復は11年3月期にずれ込む可能性が高い。
毎日社説:ASEAN会議 タイの責任は重大だ
昨年、デモ隊による空港占拠事件のあったタイで、またしても異常事態が起きた。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の会議が10日に始まり、麻生太郎首相など日中韓のトップも加えた首脳会議や、さらに拡大させた16カ国の東アジアサミットが続く予定だったのに、大会議場などがある建物にデモ隊が乱入し、主要日程が吹っ飛んでしまったのだ。
タイのアピシット首相は会議開催地のパタヤと隣接地域に非常事態を宣言した。日中韓首脳の宿所は乱入現場から離れており別途会談もできたが、集まりつつあった各国首脳の一部はヘリコプターで脱出するなど緊急避難したという。信じ難い不祥事というほかはない。
今回の会議は、ロンドンで開かれた金融サミット(G20)を受けて、「アジアで何ができるか」を話し合うという重要な意味があった。世界同時不況が続く中で、これ以上の事態悪化を食い止めるためにアジア諸国がまとまり、政策協調によって新たな需要を作り出す。そういった対策が急務だった。
このような政治的、経済的なチャンスを雲散霧消させてしまった悪影響が、東南アジア全体に広がりかねない。タイの責任は極めて重いと言うべきだろう。
騒乱の原因は空港占拠と同根である。あの時は、亡命生活中のタクシン元首相に連なる政権政党を反対派のデモ隊が追い詰め、アピシット首相率いる反タクシン政権への交代を実現した。その後は攻守ところを変えてタクシン派のデモ隊が国会を包囲したり、アピシット首相が乗った車を襲撃したりした。そのあげくに11日、各国首脳や閣僚が滞在するパタヤ湾沿いのホテル街に入りこみ、警備ラインを破って乱入騒動を起こした、という経緯である。
一時は衰退の雲行きだったタクシン派が勢いを盛り返した。権力闘争の中で何が起きたのかは判然としない。国民に敬愛される王室が、どういう立場なのかも不透明だ。ただ、空港占拠の余波で延期された今回の一連の会議を、アピシット首相が政権浮揚のテコにしたいと考え、タクシン派はこれを妨げようとしたという構図は、ほぼ間違いあるまい。
騒乱の悪影響は計り知れない。空港占拠でひどく傷ついたタイの国際的イメージはさらに失墜した。ASEANの中でタイの影響力は長期的に高まり、発言力が増す傾向にあったが、これも低落を免れまい。
タイは名誉回復のためにも、泥沼状態の政治的混乱を速やかに収拾すべきだ。この際、改めて選挙で民意を問えばどうかという意見も、国民の間にはあるのではないか。
ヤフーとUSENの動画配信(COLUMN)
日本のIT企業による「YouTube包囲網」が始動した。
4月7日、ヤフーはUSENの100%子会社で動画配信サービスを提供するGyaOの発行済み株式51%を取得すると発表した。
両社の動画サービスの利用者はYahoo!動画が1100万人、GyaOが650万人で国内トップクラス。ライバル2社のサービスが年内にも統合される理由は、「打倒YouTube」にある。
米国グーグル傘下にある無料動画配信サービスYouTubeの日本での月間視聴者数は1500万人を超えるといわれている。しかし、著作権保有者に無断で違法に配信されているテレビ番組なども多く、問題視されている。
一方、ヤフーやUSENのほとんどの番組は有料で調達しているし、著作権保有者との交渉や、オリジナル番組の制作なども行なってきた。時間とおカネのかかるやり方だ。これを広告料で補うモデルだが、今のところ赤字続きだ。
それにもかかわらず、利用者数から判断すれば、支持されているのはYouTubeといえる。正直者がバカを見ているわけだ。
7日の会見で、赤字の原因を聞かれた宇野康秀・USEN社長が「違法なコンテンツとはコスト構造が違った」と恨み節を漏らせば、井上雅博・ヤフー社長も「著作権を尊重する」とYouTubeを意識するような発言が続いた。
ヤフーやUSENの関係者は今回の統合によって、テレビと広告業界関係者の姿勢が変化することにも期待しているという。
これまで「動画配信といえばYouTubeで、しかも違法」というイメージだったのが、今後はテレビ局も統合した両社の存在感を無視できなくなる。
権利を守る姿勢にテレビ局が共感すれば、最新の人気ドラマや高視聴率のお笑い番組など有力な番組を提供することも期待できるという。ネットの動画サービスでも「やはり人気なのはテレビ番組」(ヤフー関係者)なのだ。
両社の目論見は、人気番組の配信によって利用者を増やし、動画配信への広告提供の本格化にも弾みをつける、というものだ。
しかし、その狙いには根本的な欠陥がある。2社が統合しても、YouTubeの違法配信はなくならないということだ。仮にテレビ局が人気番組を提供しても、YouTubeで同じ番組が違法に配信されてしまえば元も子もない。
現状では、ヤフーとUSENが著作権の保有者や管理団体などと組み、YouTubeに抗議していくような予定はないという。
ライバルの違法コンテンツが成長の足かせになっていることに気づいてはいるが、できることは少ない。視聴者の良識に期待し、さらにライバルが違法動画を削除してくれるのを待つという、ヤフーとUSENにとって隔靴掻痒の戦いが続くことになりそうだ。
論文引用で東大が世界11位に 学術情報ランキング 京大は30位
学術情報を扱う米国のトムソン・ロイターは13日、1998~2008年に論文が引用された回数が多い日本の研究機関のランキングを発表。トップは東京大で、世界の約4100機関の中では、昨年より1つ順位を上げて11位だった。同社が発表を始めた02年以降、最高の世界順位。
国内2位は京都大(世界30位)、3位は大阪大(34位)、4位は東北大(64位)。
同社によると、この数年、科学技術振興機構、理化学研究所、産業技術総合研究所(産総研)などの政府系研究機関と東北大、慶応大、岡山大の上昇が目立つという。
分野別で世界5位以内に入ったのは、材料科学で東北大(3位)と産総研(4位)、物理学で東大(2位)、化学で京大(4位)と東大(5位)、生物学・生化学で東大(3位)。
EZweb10周年記念、尾崎豊の「I LOVE YOU」着うたフルプレゼント
KDDIと沖縄セルラーは、4月14日付けでインターネット接続サービス「EZweb」の10周年を迎えることにあわせたキャンペーン「EZweb 10周年記念キャンペーン」を実施する。
EZwebは、auの携帯電話から利用できるインターネット接続サービス。1999年4月14日、当時のDDI-セルラーグループとIDO(日本移動通信)でスタート。今年で10周年を迎えることを記念したキャンペーンが4月14日~7月31日まで実施されることになった。
auの音楽関連サービス「LISMO」のCM曲に、尾崎豊の「I LOVE YOU」が起用されることになり、4月25日~5月31日まで「I LOVE YOU 1st Ver.(live)」の着うたフルプラスや着うたフル、ビデオクリップ、EZ待ちうたがプレゼントされる。
「コンテンツホルダーとWin-Winに」 グーグル日本法人の辻野社長
グーグル日本法人は13日、都内で記者向けの定例説明会を開いた。辻野晃一郎社長は、今後の事業の方向性についてキーワード広告の「アドワーズ」、ディスプレー広告、「YouTube」、モバイル広告、地域情報の5つに力を入れていく考えを示した。
グーグルの大きな収益源になっているアドワーズは4月から広告主向けの管理画面を刷新した。ユーザーインターフェースやリポート作成ツールなどを初心者にも使いやすいよう改善しており、広告主のすそ野拡大を狙う。
新聞など既存メディアの経営が悪化している米国では、ネット広告事業でのグーグルの一人勝ちに対し、メディア業界から批判が出ている。辻野社長は「新聞社などのコンテンツホルダーとはWin-Winの関係構築が必要。グーグルの広告収益をコンテンツホルダーとシェアすることには積極的に取り組んでいきたい」と話した。
グーグルの携帯プラットフォーム「Android(アンドロイド)」を搭載した端末の日本での商品化については、「順調に準備が進んでいるが、発売時期についてはコメントできない」(辻野社長)と述べるにとどまった。
エンターブレイン:地デジ化の11年に次世代ハード登場か 浜村社長がゲーム市場展望
ゲーム出版大手「エンターブレイン」の浜村弘一社長は10日、業界担当記者向けのセミナーで講演し、世界的な不況のゲーム業界への影響について「世界全体で5%以上の成長を見せた。他の産業と比べると限定的」との見通しを明らかにした。理由についてはテレビゲームが安価で長時間楽しめる点を挙げ、ニンテンドーDSが大ヒットした07年度から、約20%の落ち込みを見せた日本市場については、「景気よりソフト不足が原因」と指摘した。
浜村社長は、欧米で米大手流通「KBトイズ」の破たんや、開発スタジオの相次ぐ閉鎖、開発コストの上昇などにより、ソフトメーカーに一定の規模の大きさが必要となり、経営統合が進んだとし、日本でも大規模な企業統合が5年以内に行われるだろうと予測。
欧米では、DSとWiiが、低価格で独特のアイデアを取り入れたゲームを提供、大規模なプロモーションの効果もあり、ファミリー層を中心としたゲーム人口の拡大に成功したが、日本ではWiiが失速したことを指摘。6月発売予定の「Wiiスポーツ リゾート」や今夏発売予定の「モンスターハンター3(トライ)」など、今後のソフト発売に期待するとした。
「モンスターハンター」シリーズがヒットしたPSPについては、「ファンタシースターポータブル」「ディシディア ファイナルファンタジー」など、通信機能を活用したタイトルがヒットしているとしたが、「PS3からDS、DSからPSPと開発が右往左往している感じで、近視眼的になっている」と苦言を呈した。PS3については「メタルギアソリッド4」「龍が如く3」「バイオハザード5」などのヒットを挙げ、「(市場が)少し温まってきた」とした上で、「他ハードと比べて価格が高いことが普及を阻害している」と話した。
また、米アップルのiPodやiPhoneが、ダウンロードサービスのappストアの影響でゲーム機として認識されているとし、「勝負を分けるのはハードの性能ではなく、手軽で安価なネットワーク・サービスではないか」と語り、「次の転換期は、地上波デジタルテレビが普及する11年だろう。次のハードが出るのであれば、この時期が一番注目される」と展望を述べた。
トヨタ、2年連続の営業赤字へ…2010年3月期見通し
トヨタ自動車の2010年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が2年連続の赤字になる見通しであることが13日明らかになった。
世界的な不況による販売不振が続き、6年ぶりに連結販売台数(ダイハツ工業、日野自動車を含む)は700万台を割り込む見込みだ。赤字幅は5000億円前後とみられ、さらに拡大する可能性もある。
09年3月期は4500億円の連結営業赤字を予想。昨秋以降の米金融危機の影響で販売台数が急減した。10年3月期の世界販売台数は09年3月期より1割強少ない650万台前後になる見込みで、円高による輸出採算の悪化も響く。設備投資や人件費など固定費の削減を進めているが、現時点で販売が復調する兆しは見えず、黒字回復は11年3月期にずれ込む可能性が高い。
毎日社説:ASEAN会議 タイの責任は重大だ
昨年、デモ隊による空港占拠事件のあったタイで、またしても異常事態が起きた。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の会議が10日に始まり、麻生太郎首相など日中韓のトップも加えた首脳会議や、さらに拡大させた16カ国の東アジアサミットが続く予定だったのに、大会議場などがある建物にデモ隊が乱入し、主要日程が吹っ飛んでしまったのだ。
タイのアピシット首相は会議開催地のパタヤと隣接地域に非常事態を宣言した。日中韓首脳の宿所は乱入現場から離れており別途会談もできたが、集まりつつあった各国首脳の一部はヘリコプターで脱出するなど緊急避難したという。信じ難い不祥事というほかはない。
今回の会議は、ロンドンで開かれた金融サミット(G20)を受けて、「アジアで何ができるか」を話し合うという重要な意味があった。世界同時不況が続く中で、これ以上の事態悪化を食い止めるためにアジア諸国がまとまり、政策協調によって新たな需要を作り出す。そういった対策が急務だった。
このような政治的、経済的なチャンスを雲散霧消させてしまった悪影響が、東南アジア全体に広がりかねない。タイの責任は極めて重いと言うべきだろう。
騒乱の原因は空港占拠と同根である。あの時は、亡命生活中のタクシン元首相に連なる政権政党を反対派のデモ隊が追い詰め、アピシット首相率いる反タクシン政権への交代を実現した。その後は攻守ところを変えてタクシン派のデモ隊が国会を包囲したり、アピシット首相が乗った車を襲撃したりした。そのあげくに11日、各国首脳や閣僚が滞在するパタヤ湾沿いのホテル街に入りこみ、警備ラインを破って乱入騒動を起こした、という経緯である。
一時は衰退の雲行きだったタクシン派が勢いを盛り返した。権力闘争の中で何が起きたのかは判然としない。国民に敬愛される王室が、どういう立場なのかも不透明だ。ただ、空港占拠の余波で延期された今回の一連の会議を、アピシット首相が政権浮揚のテコにしたいと考え、タクシン派はこれを妨げようとしたという構図は、ほぼ間違いあるまい。
騒乱の悪影響は計り知れない。空港占拠でひどく傷ついたタイの国際的イメージはさらに失墜した。ASEANの中でタイの影響力は長期的に高まり、発言力が増す傾向にあったが、これも低落を免れまい。
タイは名誉回復のためにも、泥沼状態の政治的混乱を速やかに収拾すべきだ。この際、改めて選挙で民意を問えばどうかという意見も、国民の間にはあるのではないか。
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グリー社長「ミクシィに肩を並べる存在になった」
グリーの快走が続いている。無料ゲームを携帯SNSの集客やコミュニケーションの活性化に生かす手法が順調で、2月には月間ページビュー(PV)が100億の大台を突破した。「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エーが昨秋に業績の下方修正を発表するなど高成長に陰りも見えるSNS業界でどのような成長戦略を描くのか。田中良和社長に聞いた。
――PVが順調に増えています。直近の利用者数は。
詳細は開示していませんが、順調に増えています。現在、NTTドコモの公式サイトメニューではコミュニティカテゴリの一番上にグリーの名前があります。メニューの掲載順は利用者数によるので、ドコモのユーザーが最もよく使っているSNSはグリーということですね。2位はミクシィです。ミクシィを追い越したとは思っていませんが、肩を並べる存在になりました。
――2006年秋にKDDIと提携し携帯向けSNSを本格的に始めました。KDDIの利用者が多かったのでは。
以前はそうですが、最近はドコモとKDDIの会員数が接近しています。一般的なモバイル向けサービスの会員の構成比率に近くなりました。携帯電話の契約者数はドコモが5割、KDDIが3割程度ですが、KDDIはデータ通信の定額制に加入しているヘビーユーザーが多く会員数では接近するわけです。
――SNSは普及がひと段落し、利用者の伸びが鈍化し始めたとの見方もあります。
そうでしょうか。まだ延びる余地は大きいと思っています。現在、グリーとミクシィとモバゲータウンの会員は延べ3000万―4000万人でしょう。1人で複数のサービスを使う人もいますから、純粋なSNS利用者は3000万人よりずっと少ないはず。日本にはSNSを使っていない人がまだたくさんいます。
――パソコンのPVは低水準が続いています。てこ入れしないのですか。
これからもモバイル向けで利用者を伸ばしていきます。日本ではSNSはモバイル向けのサービスと考えていい。ミクシィもPVのうち半分以上は携帯電話からです。グリーはパソコン向けでスタートしましたが、利用者がシフトすると考えてモバイルサイトを一から作った。だからパソコンとモバイルではサイトの作りもテイストも違うのです。
グリーの携帯向けトップページ
――SNSの活性化にゲームをうまく使っています。同業他社のように小説や音楽配信などのサービスを取り入れる予定は。
今、考えられる最もSNSを活性化できる方法はゲームです。当面はゲームを進化させることで利用者を増やしたい。ゲームのデザインや反応速度など改善点はまだまだあります。通販や音楽配信を取り入れることは、近い将来では考えていません。
――2009年6月期の売上高は前期の3.8倍となる112億円の見通しです。内訳は。
SNSやゲームで使うアバターやアイテムの課金収入が伸びており70-75%を占めます。残りの25―30%が広告です。だいぶ先の話になりそうですが、いずれは50%ずつにしたい。個人と法人の両方から同水準の収入を得られれば、経営の安定につながるからです。
――自社サービスのテレビCMに積極的です。理由は。
集客に加え、マーケティングのノウハウを積む狙いがあります。例えば今はどんなCMに訴求力があるのか、といったことを分析しています。今までインターネットのサービスはクチコミが重要でした。言い換えればネットサービスのマーケティングについて詳しい人がいないということでしょう。継続してCMを打ち、マーケティング力を磨くことが将来グリーの強みになると考えています。
――10年6月期も今期同様の高成長は可能ですか。
まだ予算も組んでいないし、景気がこれだけ低迷していると強気のことは言いづらい(笑)。私が楽天に入社した2000年初めのころは確か楽天市場の店舗は200店ほどでした。それが1年後には10倍の2000店になりました。その当時は十分に増えたと感じたものですが、8年後の今ではさらに10倍の2万6000店もあるそうです。グリーは利用者2000-3000万人(昨年10月時点で700万人)を目指しています。いつになるかは分かりませんが、可能な数字だと思っています。
――同じSNSのミクシィやモバゲータウンを使うことはありますか。
ありません(笑)。ビジネスマンとして必要なもの以外は、ネットのサービスはあまり使いません。3―5年先にユーザーに求められると思うサービスを、ゼロから作り出すのがグリーの役割だと考えています。すでに誰かが実現しているネットのサービスは参考になりません。
2004年2月に個人でSNSを立ち上げた理由は、世の中に求められるサービスだと思ったからです。当時は誰に聞いても「日記は人に見せるものではない。写真は家族や仲間内で楽しむもの。そんなサービスは使われない」と冷たい反応でした。それが2005年ごろになるとみんなが使うようになりました。ユーザーは変わります。それを予想して次の手を打つ必要があります。
――株式相場が低迷するなか昨年12月に上場しました。延期は考えなかったのですか。
上場はゴールではなく成長を続けるためのステップ。ずっと前から準備していたスケジュールどおりで迷いはありませんでした。目指すのは新しいプラットフォームを作って、多くの人に使われて、喜ばれ、その結果たくさんの利益を稼ぐこと。例えば任天堂やアップル、グーグルのような存在になりたいですね。
複雑・巨大から単純へ、ゲーム市場の転換点 GDC報告(COLUMN)
米サンフランシスコで3月23~27日に開催された「ゲーム開発者会議(GDC)」報告の2回目。北米ではこの1年でパッケージ市場がにわかに揺らぎだした。その実態と、環境変化への適応を急ぐゲーム産業の状況をお伝えする。
■巨大化したプロジェクトの苦戦
GDCの会場で、あるミドルウエアベンダーのCEOから聞いた話だが、北米のゲーム開発コストの相場観は明らかにおかしく、ゲーム会社の収益を圧迫する問題になっているという。
08年の年末商戦でそれなりにヒットしたタイトルは2500万ドル(約25億円)以上の開発費が当たり前になっており、少なくともそのコストを回収するためには、最低120万本を販売する必要があるというのである。
その本数に達してやっと、1本当たりの開発費を約20ドルに抑え込むことができ、黒字化する可能性が出てくる。PS3やXbox360向けの場合、発売当初は59ドル程度で販売されるために、120万本の販売本数であっても、まだ開発費が売上高の3分の1を占めている。実際には、ディスカウントして販売するため、さらに多く販売しなければ回収できない。これがゲーム会社にとって相当なギャンブルであることは想像に固くないだろう。
その異常事態の象徴が、08年10―12月期に1億9180万ドルもの赤字を出した米大手ゲーム会社のTHQだ。10月にリリースした「Saints Row 2」(PS3、Xbox360)は、260万本の販売を達成したにもかかわらず、利益が出なかった。
これまでは必勝パターンとされてきた映画とのタイアップタイトル「WALL・E/ウォーリー」(PS3、PS2、Xbox360など)も販売が振るわなかった。
中規模クラスのタイトルですら1500万ドルもの開発費をかけるのだが、その程度では小売店から小粒なタイトルと見なされ、そもそも店頭に置いてもらえない。結果として、中規模タイトルは軒並み赤字になっているようだ。THQのケースでは昨年9月に発売したパズルゲーム「de Blob」(Wii)がゲームとして高い評価を受けたが、販売は70万本にとどまっている。
今回のGDCで、仏UBIの「ファークライ2」(Xbox360、PS3)のメイキングセッションがあり、カナダのモントリオールにある開発スタジオが紹介されたのだが、チーム全員による集合写真を見て驚いた。開発者の数があまりに多く、恐ろしささえ感じた。
ファークライ2は3年の開発期間で、プログラマーが100人関わり、ピーク時のチームの開発人員はテスト担当まで含めて260人を超えた。このプロジェクトが2500万ドルの開発費で収まっているとは考えにくい。
評価は高く、300万本の販売とヒットしたものの、かろうじて黒字というのが実際ではないだろうか。一歩間違えれば大失敗になりかねないギャンブル性の高いプロジェクトだったように思う。
■ベテラン開発者が独立系ゲームに流れ込む
今回のGDCでやたらと多かったのは、「コンサルタント」という名刺を持った開発者だ。ベテランの開発者がフリーランスになると、とりあえずそう名乗って仕事をするケースが多いようだ。
破産法を申請した米ミッドウェイのテキサス州オースティンのスタジオで働いていたという30歳代のプログラマーに出会ったが、彼もコンサルタントと名乗っていた。ミッドウェイの業績を圧迫する要因となった、4000万ドルをかけたアクションゲーム「ストラングルホールド」(PS3、Xbox360)のネットワークプログラミングを担当していたという。しかし、解雇され、仕事を探す目的も半分ありGDCに参加したようだ。
彼は現在小さなスタジオで、オンライン対戦に対応するようなゲームの開発を手伝っているという。1000万円を超えていたかつての給与からすれば、糊口をしのぐような仕事である。
ここにも、今年のトレンドが垣間見える。大型のプロジェクトがなくなってしまい、ベテラン開発者は小さな独立系ゲームに新しい可能性を求めて流れ込もうとしている。
もちろん、これらの現象は任天堂のパワーにより引き起こされたことだ。以前のコラム「欧米市場を襲った『Wii』旋風 GDCを読む」でもその状況について解説している。
現在のゲーム市場において、「ニンテンドーDS」と「Wii」の強さは圧倒的だ。今回のGDCに参加していた米国の開発者たちからも「どうすれば任天堂プラットホームで売れるようになれるのか、まったくわからない」という声が聞かれた。昨年、任天堂プラットフォームに参入した企業はいくつもあったが、大きな実績を出せるまでになった企業は北米ではまだないといっていい。
■巨大化したゲームの自壊は歴史的パターン
ただ、この状況を冷静に見ているベテラン開発者もいる。21年にわたり、35本以上のゲーム開発に関わってきたゲームデザイナーのボブ・ベイト氏は、今回の北米市場のバブル崩壊を「景気後退の影響ではなく、市場の構造的なパターン」だという。
ゲームの発展の歴史は、どの時代でも簡単なものからスタートして、だんだんと複雑さを増していくという流れをたどってきた。ところが、その複雑さと巨大さは、だんだんと市場が我慢できる限界に達していき、最終的にはコストと釣り合わないプロジェクトが自重により崩壊する。
そして、一度単純なものへと揺り戻しが来る。そのように崩壊した例としては「シェンムー」(セガ、ドリームキャスト)があり、崩壊後に単純なゲームとして成功した例では「テトリス」(任天堂、ゲームボーイ)があった。
ベイト氏は、一本のタイトルに下手をすれば5年も関わるという現在の状況は異常だという。今の開発者は、彼のようなベテラン世代と違い、何本ものタイトル開発に関わるというようなことができない。だからこそ、今度は短期間で開発できる軽いゲームから新しいイノベーションが登場してくる。独立系ゲームの台頭は、必ず来る当然の流れだったとベイト氏は見ていた。
今の北米は、高いコストをかけて開発したタイトルが結局は、中古市場を発展させてしまうという悪循環にはまりこみつつある。そして、それがさらにゲーム会社の収益を圧迫する。一方で、インターネットを経由したディストリビューションの安価なゲームの台頭は、高コスト体質のゲームの収益機会をさらに減少させようとしている。
市場のルールは大きく変わろうとしており、過去の考え方を変えなければ生き残れない状況が、出現しようとしている。
グリーの快走が続いている。無料ゲームを携帯SNSの集客やコミュニケーションの活性化に生かす手法が順調で、2月には月間ページビュー(PV)が100億の大台を突破した。「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エーが昨秋に業績の下方修正を発表するなど高成長に陰りも見えるSNS業界でどのような成長戦略を描くのか。田中良和社長に聞いた。
――PVが順調に増えています。直近の利用者数は。
詳細は開示していませんが、順調に増えています。現在、NTTドコモの公式サイトメニューではコミュニティカテゴリの一番上にグリーの名前があります。メニューの掲載順は利用者数によるので、ドコモのユーザーが最もよく使っているSNSはグリーということですね。2位はミクシィです。ミクシィを追い越したとは思っていませんが、肩を並べる存在になりました。
――2006年秋にKDDIと提携し携帯向けSNSを本格的に始めました。KDDIの利用者が多かったのでは。
以前はそうですが、最近はドコモとKDDIの会員数が接近しています。一般的なモバイル向けサービスの会員の構成比率に近くなりました。携帯電話の契約者数はドコモが5割、KDDIが3割程度ですが、KDDIはデータ通信の定額制に加入しているヘビーユーザーが多く会員数では接近するわけです。
――SNSは普及がひと段落し、利用者の伸びが鈍化し始めたとの見方もあります。
そうでしょうか。まだ延びる余地は大きいと思っています。現在、グリーとミクシィとモバゲータウンの会員は延べ3000万―4000万人でしょう。1人で複数のサービスを使う人もいますから、純粋なSNS利用者は3000万人よりずっと少ないはず。日本にはSNSを使っていない人がまだたくさんいます。
――パソコンのPVは低水準が続いています。てこ入れしないのですか。
これからもモバイル向けで利用者を伸ばしていきます。日本ではSNSはモバイル向けのサービスと考えていい。ミクシィもPVのうち半分以上は携帯電話からです。グリーはパソコン向けでスタートしましたが、利用者がシフトすると考えてモバイルサイトを一から作った。だからパソコンとモバイルではサイトの作りもテイストも違うのです。
グリーの携帯向けトップページ
――SNSの活性化にゲームをうまく使っています。同業他社のように小説や音楽配信などのサービスを取り入れる予定は。
今、考えられる最もSNSを活性化できる方法はゲームです。当面はゲームを進化させることで利用者を増やしたい。ゲームのデザインや反応速度など改善点はまだまだあります。通販や音楽配信を取り入れることは、近い将来では考えていません。
――2009年6月期の売上高は前期の3.8倍となる112億円の見通しです。内訳は。
SNSやゲームで使うアバターやアイテムの課金収入が伸びており70-75%を占めます。残りの25―30%が広告です。だいぶ先の話になりそうですが、いずれは50%ずつにしたい。個人と法人の両方から同水準の収入を得られれば、経営の安定につながるからです。
――自社サービスのテレビCMに積極的です。理由は。
集客に加え、マーケティングのノウハウを積む狙いがあります。例えば今はどんなCMに訴求力があるのか、といったことを分析しています。今までインターネットのサービスはクチコミが重要でした。言い換えればネットサービスのマーケティングについて詳しい人がいないということでしょう。継続してCMを打ち、マーケティング力を磨くことが将来グリーの強みになると考えています。
――10年6月期も今期同様の高成長は可能ですか。
まだ予算も組んでいないし、景気がこれだけ低迷していると強気のことは言いづらい(笑)。私が楽天に入社した2000年初めのころは確か楽天市場の店舗は200店ほどでした。それが1年後には10倍の2000店になりました。その当時は十分に増えたと感じたものですが、8年後の今ではさらに10倍の2万6000店もあるそうです。グリーは利用者2000-3000万人(昨年10月時点で700万人)を目指しています。いつになるかは分かりませんが、可能な数字だと思っています。
――同じSNSのミクシィやモバゲータウンを使うことはありますか。
ありません(笑)。ビジネスマンとして必要なもの以外は、ネットのサービスはあまり使いません。3―5年先にユーザーに求められると思うサービスを、ゼロから作り出すのがグリーの役割だと考えています。すでに誰かが実現しているネットのサービスは参考になりません。
2004年2月に個人でSNSを立ち上げた理由は、世の中に求められるサービスだと思ったからです。当時は誰に聞いても「日記は人に見せるものではない。写真は家族や仲間内で楽しむもの。そんなサービスは使われない」と冷たい反応でした。それが2005年ごろになるとみんなが使うようになりました。ユーザーは変わります。それを予想して次の手を打つ必要があります。
――株式相場が低迷するなか昨年12月に上場しました。延期は考えなかったのですか。
上場はゴールではなく成長を続けるためのステップ。ずっと前から準備していたスケジュールどおりで迷いはありませんでした。目指すのは新しいプラットフォームを作って、多くの人に使われて、喜ばれ、その結果たくさんの利益を稼ぐこと。例えば任天堂やアップル、グーグルのような存在になりたいですね。
複雑・巨大から単純へ、ゲーム市場の転換点 GDC報告(COLUMN)
米サンフランシスコで3月23~27日に開催された「ゲーム開発者会議(GDC)」報告の2回目。北米ではこの1年でパッケージ市場がにわかに揺らぎだした。その実態と、環境変化への適応を急ぐゲーム産業の状況をお伝えする。
■巨大化したプロジェクトの苦戦
GDCの会場で、あるミドルウエアベンダーのCEOから聞いた話だが、北米のゲーム開発コストの相場観は明らかにおかしく、ゲーム会社の収益を圧迫する問題になっているという。
08年の年末商戦でそれなりにヒットしたタイトルは2500万ドル(約25億円)以上の開発費が当たり前になっており、少なくともそのコストを回収するためには、最低120万本を販売する必要があるというのである。
その本数に達してやっと、1本当たりの開発費を約20ドルに抑え込むことができ、黒字化する可能性が出てくる。PS3やXbox360向けの場合、発売当初は59ドル程度で販売されるために、120万本の販売本数であっても、まだ開発費が売上高の3分の1を占めている。実際には、ディスカウントして販売するため、さらに多く販売しなければ回収できない。これがゲーム会社にとって相当なギャンブルであることは想像に固くないだろう。
その異常事態の象徴が、08年10―12月期に1億9180万ドルもの赤字を出した米大手ゲーム会社のTHQだ。10月にリリースした「Saints Row 2」(PS3、Xbox360)は、260万本の販売を達成したにもかかわらず、利益が出なかった。
これまでは必勝パターンとされてきた映画とのタイアップタイトル「WALL・E/ウォーリー」(PS3、PS2、Xbox360など)も販売が振るわなかった。
中規模クラスのタイトルですら1500万ドルもの開発費をかけるのだが、その程度では小売店から小粒なタイトルと見なされ、そもそも店頭に置いてもらえない。結果として、中規模タイトルは軒並み赤字になっているようだ。THQのケースでは昨年9月に発売したパズルゲーム「de Blob」(Wii)がゲームとして高い評価を受けたが、販売は70万本にとどまっている。
今回のGDCで、仏UBIの「ファークライ2」(Xbox360、PS3)のメイキングセッションがあり、カナダのモントリオールにある開発スタジオが紹介されたのだが、チーム全員による集合写真を見て驚いた。開発者の数があまりに多く、恐ろしささえ感じた。
ファークライ2は3年の開発期間で、プログラマーが100人関わり、ピーク時のチームの開発人員はテスト担当まで含めて260人を超えた。このプロジェクトが2500万ドルの開発費で収まっているとは考えにくい。
評価は高く、300万本の販売とヒットしたものの、かろうじて黒字というのが実際ではないだろうか。一歩間違えれば大失敗になりかねないギャンブル性の高いプロジェクトだったように思う。
■ベテラン開発者が独立系ゲームに流れ込む
今回のGDCでやたらと多かったのは、「コンサルタント」という名刺を持った開発者だ。ベテランの開発者がフリーランスになると、とりあえずそう名乗って仕事をするケースが多いようだ。
破産法を申請した米ミッドウェイのテキサス州オースティンのスタジオで働いていたという30歳代のプログラマーに出会ったが、彼もコンサルタントと名乗っていた。ミッドウェイの業績を圧迫する要因となった、4000万ドルをかけたアクションゲーム「ストラングルホールド」(PS3、Xbox360)のネットワークプログラミングを担当していたという。しかし、解雇され、仕事を探す目的も半分ありGDCに参加したようだ。
彼は現在小さなスタジオで、オンライン対戦に対応するようなゲームの開発を手伝っているという。1000万円を超えていたかつての給与からすれば、糊口をしのぐような仕事である。
ここにも、今年のトレンドが垣間見える。大型のプロジェクトがなくなってしまい、ベテラン開発者は小さな独立系ゲームに新しい可能性を求めて流れ込もうとしている。
もちろん、これらの現象は任天堂のパワーにより引き起こされたことだ。以前のコラム「欧米市場を襲った『Wii』旋風 GDCを読む」でもその状況について解説している。
現在のゲーム市場において、「ニンテンドーDS」と「Wii」の強さは圧倒的だ。今回のGDCに参加していた米国の開発者たちからも「どうすれば任天堂プラットホームで売れるようになれるのか、まったくわからない」という声が聞かれた。昨年、任天堂プラットフォームに参入した企業はいくつもあったが、大きな実績を出せるまでになった企業は北米ではまだないといっていい。
■巨大化したゲームの自壊は歴史的パターン
ただ、この状況を冷静に見ているベテラン開発者もいる。21年にわたり、35本以上のゲーム開発に関わってきたゲームデザイナーのボブ・ベイト氏は、今回の北米市場のバブル崩壊を「景気後退の影響ではなく、市場の構造的なパターン」だという。
ゲームの発展の歴史は、どの時代でも簡単なものからスタートして、だんだんと複雑さを増していくという流れをたどってきた。ところが、その複雑さと巨大さは、だんだんと市場が我慢できる限界に達していき、最終的にはコストと釣り合わないプロジェクトが自重により崩壊する。
そして、一度単純なものへと揺り戻しが来る。そのように崩壊した例としては「シェンムー」(セガ、ドリームキャスト)があり、崩壊後に単純なゲームとして成功した例では「テトリス」(任天堂、ゲームボーイ)があった。
ベイト氏は、一本のタイトルに下手をすれば5年も関わるという現在の状況は異常だという。今の開発者は、彼のようなベテラン世代と違い、何本ものタイトル開発に関わるというようなことができない。だからこそ、今度は短期間で開発できる軽いゲームから新しいイノベーションが登場してくる。独立系ゲームの台頭は、必ず来る当然の流れだったとベイト氏は見ていた。
今の北米は、高いコストをかけて開発したタイトルが結局は、中古市場を発展させてしまうという悪循環にはまりこみつつある。そして、それがさらにゲーム会社の収益を圧迫する。一方で、インターネットを経由したディストリビューションの安価なゲームの台頭は、高コスト体質のゲームの収益機会をさらに減少させようとしている。
市場のルールは大きく変わろうとしており、過去の考え方を変えなければ生き残れない状況が、出現しようとしている。
本当の危機はどこにあるか? 中国IT産業振興計画の狙い <COLUMN1>
世界同時不況のなか、中国は4兆元(約60兆円)の景気対策を打ち出すと同時に、個別産業の振興策を相次ぎまとめた。情報通信分野に関連する産業振興計画も発表され、その内容が注目されている。世界との競争を余儀なくされる中国の情報通信産業だが、政府は何を狙っているのか。
■産業構造の高度化を迫られる中国
中国の情報通信産業はこれまで中国の輸出型経済を牽引してきた。しかし、一昨年のサブプライムローン問題から去年のリーマンショックを経て世界経済の危機が徐々に濃厚になるにつれ、その輸出型モデルへのダメージも日増しに深刻になっている。
電子製品の売上高ベースの成長率は2008年1月の17%が10月には1.9%まで急低下した。半導体に至っては2007年の24.3%増が08年10-12月期にはここ10年来で初となるマイナスに陥ったほどだ。もちろん、世界のマクロ情勢に影響されている部分が大きいが産業全体のこの悪化ぶりは尋常ではない。
中国の情報通信産業が市況に大きく左右される原因は、全般的に市場開拓を重視するあまり技術開発が疎かになったことによるコア・コンピタンスの欠如にある。このタイミングで打ち出された産業振興計画は、目先の景気対策よりも産業構造の高度化に重点を置こうとする中国政府の意向が色濃くにじんでいる。
製品開発では「核・高・基」(コア・ハイエンド・基礎)というスローガンを掲げ、業界全般の開発力底上げにつなげようとしている。それに伴い産業再編や淘汰も厭わないスタンスだ。「危機をチャンスに」と言えば聞こえはいいが、産業全体の課題である研究開発を今まで放置してきたツケは非常に重いと言わざるを得ない。
■6大プロジェクトに9兆円投資
産業構造の高度化に向けて、重点的に投資していく6大プロジェクトも決まった。
それは(1)大規模集積回路の高度化、(2)新型ディスプレーの強化及びブラウン管からの完全脱却などによるカラーテレビのモデルチェンジ、(3)3G(TD-SCDMA)の産業チェーンの整備、(4)デジタルテレビの普及、(5)コンピューター産業と次世代インターネットの応用、(6)ソフト産業の育成――の6つである。今後3年間で6000億元(約9兆円)をこれらの重点分野に投資していくという。
これらのプロジェクトはいずれも、コア産業の育成や次世代通信、ネット関連における発言力を高めようとする中国政府の戦略が見え隠れしている。今回の計画で特に抜擢されたといえるのは新型ディスプレーだ。今まで部品産業の一つに過ぎなかった新型ディスプレーは3G通信などの国家戦略プロジェクトと肩を並べることになる。これも莫大な市場をバックにデジタル化しつつある家電市場で、政府が主導権を握ろうとする意思表明だ。
この6大重点分野に関連するプロジェクトは、すでに走っているものも数多くあれば、スケジュールに基づいて準備が着々と進んでいるものもある。この莫大なパイに群がろうとする国内・海外企業の争奪戦もすでに展開されようとしている。
■垂直分業から日米欧との直接競合へ
中国の情報通信企業には、華為技術や中興通信などのように独自の開発力を蓄積し、世界のメジャーと堂々と渡り合うようになった例もある。しかし、多くはコア技術を持たず、コア部品を輸入に頼っている。つまり、安い労働力を活用し完成品レベルで日米欧などの多国籍企業と競合することもある加工型だった。
産業チェーンの観点でみると、中国企業と海外メジャーの間には、ある種の垂直分業が成り立っていたといえる。しかし、売り上げ規模は大きくなっても、利益はコア技術を持つ外資系企業に流出する構造のため、中国企業は長い間、「図体は大きいが強くない」という企業体質に悩まされた。今回の振興計画でコア技術の開発を奨励するのも、その構造を変革するところに根本的な目的がある。
垂直分業の構図を崩しても、何十年という技術蓄積がある日米欧先進国にすぐ追いつくことなど想像できないが、中国の“馬力”を考えると意外と遠くない将来に中国情報通信産業が外資系企業と真っ向から競合する日は来るかもしれない。
半導体産業などで韓国や台湾企業に資本力や経営スピードで逆転されてきた日本企業にとっては、新たに中国企業というライバルが登場することになる。韓国や台湾と違うのは、中国が巨大な国内市場を持っているというところだ。いずれにして日本企業の中国戦略、ひいては世界戦略に影響を与えていくことになるだろう。
■求められるソフトパワーの強化
中国は本格的な改革開放を進めて30年あまりが経つが、その経済成長は凄まじかった。08年の国民の1人当たりGDPは3000米ドルに達し、一般的な意味での「中進国」になったといえよう。しかし、今回の情報通信産業の構造改革は今までよりさらにハードルが高くなる。
もちろん、それは先進国を目指す以上、避けて通れない道だが経験不足が否めない。実際、中国はここ20年、半導体産業を育てようといろいろと方策を採ってきたが、未だに成功とはいえない状況が続いている。
今までローコストを十二分に活用し市場の拡大によって発展してきた中国はある程度、「ハードパワー」を備えていると思われる。しかしこの先はまさに「ソフトパワー」なしでは成し遂げられないことばかりだ。
そのソフトパワーはもちろん、合理的な発展戦略とその戦略に基づいた国と企業の一心同体の実行力、そして知財保護をはじめとする法律の整備など諸々を含んでいる。中国政府の「見える手」と世界市場の「見えざる手」の駆け引きが今まで以上に激しくなるなかで、中国企業はいかにその間隙を縫って活路を切り開くか。その結果次第では、今までにない企業成長のあり方を世界に示せるかもしれない。
著作権法ダウンロード違法化でコンテンツ産業に課せられた責務(COLUMN2)
昨年12月、文化庁の文化審議会著作権分科会に設けられた私的録音録画小委員会で、違法録音録画物のダウンロードをする行為そのものを違法化する「ダウンロード違法化」の方針を盛り込んだ報告書案が承認された。そして、今年3月には閣議決定されて、国会で審議中になっている。
この結果、2010年1月1日から、インターネット上にある音楽や動画などの違法コンテンツは、ダウンロードすることを含めて違法になる可能性が高まった。著作権法第30条の私的複製の範囲から除外することが明記されるためだ。
もっとも、この範囲がプログラムや文書にも及ぶのか、ストリーミングはどうなるのかなど、まだ細かな点は詰めなくてはならず、必ずしもどこからどこまでが違法かということが明確になったわけではない。また、実際に違法コンテンツをダウンロードした状態でも罰則はなく、警告の域を出ないという考え方もあるだろう。
しかし、ドイツ、フランス、スペインなどはすでにダウンロードを違法化する法改正が行われている。インターネット上のコンテンツ流通を巡り、権利者と利用者が利便性と権利義務のバランスから綱引きをしていることは間違いない。
私は結論から言うと、ダウンロード違法化についてはコンテンツ産業育成の面から賛成である。ただし、その条件として、コンテンツ提供側がこれまで以上にコストパフォーマンスに配慮すること、コンテンツを買う前に品質を確認できる手段をより多彩に提供することの2つを挙げたい。
まず、なぜ賛成なのか。理由は単純である。優良なコンテンツを育成するためには、フリーライダーの発生を防がなければいけないためである。
違法なダウンロードを取り締まらないと、コンテンツを有料で買う人と、無料で手に入れる人が混ざってしまう。その結果、フリーライダーの増加やモラルハザードが起きて、コンテンツに対する投資が回収できなくなる。投資が回収できないのであれば、誰もコンテンツに投資をしなくなる。したがって、コンテンツ産業の健全な育成のためにも、フェアな市場を確保することが必要だ。
もちろん、違法コンテンツが増えたとしても、売れるものはそれなりに売れる。CDのマーケットがネット流通への移行で縮小しても、それなりにミリオンセラーが出ていることでわかるだろう。しかし、コンテンツの市場全体が縮小すると、ミリオンセラーに流通のリソースが集中しすぎるがあまり、どんどん新規参入者に対するチャンスが少なくなってしまうのだ。
なぜこれまでコンテンツのダウンロード違法化が行われなかったかというと、端末メーカーやインフラ提供者との利害がコンテンツ側とは一致しなかった、という背景がある。端末提供者やネットワーク提供者の立場からすると、コンテンツはなるべく無料に近い形で手に入った方が、より普及が進むので望ましい。
とはいっても、端末の普及と無料コンテンツのダウンロードが行きすぎると、ネットワークのトラフィックも必要以上のコンテンツのダウンロードで一杯になり、しかも誰も正当な料金を負担しないフリーライダーが増え、インフラ側も同じように資金がまわらなくなる、という具合で結局うまくいかなくなる。ビジネスモデル変更前の「ナップスター」がその典型だろう。
違法コンテンツをアップロードした人は問題だが、ダウンロード側に罪はないとする考え方を支持する人もいるだろう。しかし、こういった違法コンテンツの損害は、アップロードに発生するのではなく、ダウンロードに発生するのである。だからこそ、アップロード側だけではなく、ダウンロード側も管理しないといけないのである。
コンテンツの費用は、やはりユーザーが広く浅く負担を分け合うことで、結果的に安くなるのである。それは例えば、違法コンテンツがいまのところほとんど出回っていない書籍を、CDと比べるとわかりやすいかもしれない。
現在、書籍は新書・文庫を含めると500円前後から売っている。これは、シングルCDの500~1000円と比べて、割安感があるのではないか。結果として今、書籍とシングルCDは少なくともランキングに入るための販売数がほぼ同じで、だいたい週に1万を超えると10位くらい、1位になるには週に5万―7万売れればいい。
シングルCDの潜在ユーザーと書籍の潜在ユーザーでは、前者の方が人数がずっと多い。ところが、普段の売れゆきはほぼ同じくらいになってしまったうえ、ミリオンセラーになると、今はシングルCDよりも書籍の方がよほど出やすいのである。
結果として書籍では、例えば「新書の乱立」と言われながらも、まだまだ多くの新しい著者が新しいテーマでチャレンジできる土壌がある。なぜなら、書籍をオンラインで無料ダウンロードしたり、無料で読んだりすることは今のところ、できないためである。
ただし、違法コンテンツを取り締まるだけではユーザーにとっては意味がない。書籍は手にとって、立ち読みをして、内容を確認してから買うことができるのに対し、映像・画像系は実際に買ってから見たり聞いたりしないと、なかなか品質がわからないという欠点があるのである。
だから、「買ってみたらB級コンテンツでがっかり」という事態を防ぐためにも、コンテンツの内容がわかるようにする努力を、コンテンツ提供側も考えなければならない。試聴ができる、ユーザーのレビューが見られる、満足度に応じて後払いをするなどの仕組みを作らなければならないのである。
すなわち、コンテンツを守るためという理由でコンテンツ制作者の提供論理だけを押しつけることもなく、かといってユーザーが過度にフリーライドを求めることもなく、バランスよく互いに協力をしながら、多彩で良質なコンテンツを育成していく市場を創ることが必要であり、そのためにはやはり、ダウンロードは違法化されなければいけないのである。
そして、私たちコンテンツ提供側も、この法改正の動きを重く受け止め、ユーザーが有料でも喜んで、薄く広く払ってくれるようなコンテンツの制作・開発に努力していかなければならないだろう。
世界同時不況のなか、中国は4兆元(約60兆円)の景気対策を打ち出すと同時に、個別産業の振興策を相次ぎまとめた。情報通信分野に関連する産業振興計画も発表され、その内容が注目されている。世界との競争を余儀なくされる中国の情報通信産業だが、政府は何を狙っているのか。
■産業構造の高度化を迫られる中国
中国の情報通信産業はこれまで中国の輸出型経済を牽引してきた。しかし、一昨年のサブプライムローン問題から去年のリーマンショックを経て世界経済の危機が徐々に濃厚になるにつれ、その輸出型モデルへのダメージも日増しに深刻になっている。
電子製品の売上高ベースの成長率は2008年1月の17%が10月には1.9%まで急低下した。半導体に至っては2007年の24.3%増が08年10-12月期にはここ10年来で初となるマイナスに陥ったほどだ。もちろん、世界のマクロ情勢に影響されている部分が大きいが産業全体のこの悪化ぶりは尋常ではない。
中国の情報通信産業が市況に大きく左右される原因は、全般的に市場開拓を重視するあまり技術開発が疎かになったことによるコア・コンピタンスの欠如にある。このタイミングで打ち出された産業振興計画は、目先の景気対策よりも産業構造の高度化に重点を置こうとする中国政府の意向が色濃くにじんでいる。
製品開発では「核・高・基」(コア・ハイエンド・基礎)というスローガンを掲げ、業界全般の開発力底上げにつなげようとしている。それに伴い産業再編や淘汰も厭わないスタンスだ。「危機をチャンスに」と言えば聞こえはいいが、産業全体の課題である研究開発を今まで放置してきたツケは非常に重いと言わざるを得ない。
■6大プロジェクトに9兆円投資
産業構造の高度化に向けて、重点的に投資していく6大プロジェクトも決まった。
それは(1)大規模集積回路の高度化、(2)新型ディスプレーの強化及びブラウン管からの完全脱却などによるカラーテレビのモデルチェンジ、(3)3G(TD-SCDMA)の産業チェーンの整備、(4)デジタルテレビの普及、(5)コンピューター産業と次世代インターネットの応用、(6)ソフト産業の育成――の6つである。今後3年間で6000億元(約9兆円)をこれらの重点分野に投資していくという。
これらのプロジェクトはいずれも、コア産業の育成や次世代通信、ネット関連における発言力を高めようとする中国政府の戦略が見え隠れしている。今回の計画で特に抜擢されたといえるのは新型ディスプレーだ。今まで部品産業の一つに過ぎなかった新型ディスプレーは3G通信などの国家戦略プロジェクトと肩を並べることになる。これも莫大な市場をバックにデジタル化しつつある家電市場で、政府が主導権を握ろうとする意思表明だ。
この6大重点分野に関連するプロジェクトは、すでに走っているものも数多くあれば、スケジュールに基づいて準備が着々と進んでいるものもある。この莫大なパイに群がろうとする国内・海外企業の争奪戦もすでに展開されようとしている。
■垂直分業から日米欧との直接競合へ
中国の情報通信企業には、華為技術や中興通信などのように独自の開発力を蓄積し、世界のメジャーと堂々と渡り合うようになった例もある。しかし、多くはコア技術を持たず、コア部品を輸入に頼っている。つまり、安い労働力を活用し完成品レベルで日米欧などの多国籍企業と競合することもある加工型だった。
産業チェーンの観点でみると、中国企業と海外メジャーの間には、ある種の垂直分業が成り立っていたといえる。しかし、売り上げ規模は大きくなっても、利益はコア技術を持つ外資系企業に流出する構造のため、中国企業は長い間、「図体は大きいが強くない」という企業体質に悩まされた。今回の振興計画でコア技術の開発を奨励するのも、その構造を変革するところに根本的な目的がある。
垂直分業の構図を崩しても、何十年という技術蓄積がある日米欧先進国にすぐ追いつくことなど想像できないが、中国の“馬力”を考えると意外と遠くない将来に中国情報通信産業が外資系企業と真っ向から競合する日は来るかもしれない。
半導体産業などで韓国や台湾企業に資本力や経営スピードで逆転されてきた日本企業にとっては、新たに中国企業というライバルが登場することになる。韓国や台湾と違うのは、中国が巨大な国内市場を持っているというところだ。いずれにして日本企業の中国戦略、ひいては世界戦略に影響を与えていくことになるだろう。
■求められるソフトパワーの強化
中国は本格的な改革開放を進めて30年あまりが経つが、その経済成長は凄まじかった。08年の国民の1人当たりGDPは3000米ドルに達し、一般的な意味での「中進国」になったといえよう。しかし、今回の情報通信産業の構造改革は今までよりさらにハードルが高くなる。
もちろん、それは先進国を目指す以上、避けて通れない道だが経験不足が否めない。実際、中国はここ20年、半導体産業を育てようといろいろと方策を採ってきたが、未だに成功とはいえない状況が続いている。
今までローコストを十二分に活用し市場の拡大によって発展してきた中国はある程度、「ハードパワー」を備えていると思われる。しかしこの先はまさに「ソフトパワー」なしでは成し遂げられないことばかりだ。
そのソフトパワーはもちろん、合理的な発展戦略とその戦略に基づいた国と企業の一心同体の実行力、そして知財保護をはじめとする法律の整備など諸々を含んでいる。中国政府の「見える手」と世界市場の「見えざる手」の駆け引きが今まで以上に激しくなるなかで、中国企業はいかにその間隙を縫って活路を切り開くか。その結果次第では、今までにない企業成長のあり方を世界に示せるかもしれない。
著作権法ダウンロード違法化でコンテンツ産業に課せられた責務(COLUMN2)
昨年12月、文化庁の文化審議会著作権分科会に設けられた私的録音録画小委員会で、違法録音録画物のダウンロードをする行為そのものを違法化する「ダウンロード違法化」の方針を盛り込んだ報告書案が承認された。そして、今年3月には閣議決定されて、国会で審議中になっている。
この結果、2010年1月1日から、インターネット上にある音楽や動画などの違法コンテンツは、ダウンロードすることを含めて違法になる可能性が高まった。著作権法第30条の私的複製の範囲から除外することが明記されるためだ。
もっとも、この範囲がプログラムや文書にも及ぶのか、ストリーミングはどうなるのかなど、まだ細かな点は詰めなくてはならず、必ずしもどこからどこまでが違法かということが明確になったわけではない。また、実際に違法コンテンツをダウンロードした状態でも罰則はなく、警告の域を出ないという考え方もあるだろう。
しかし、ドイツ、フランス、スペインなどはすでにダウンロードを違法化する法改正が行われている。インターネット上のコンテンツ流通を巡り、権利者と利用者が利便性と権利義務のバランスから綱引きをしていることは間違いない。
私は結論から言うと、ダウンロード違法化についてはコンテンツ産業育成の面から賛成である。ただし、その条件として、コンテンツ提供側がこれまで以上にコストパフォーマンスに配慮すること、コンテンツを買う前に品質を確認できる手段をより多彩に提供することの2つを挙げたい。
まず、なぜ賛成なのか。理由は単純である。優良なコンテンツを育成するためには、フリーライダーの発生を防がなければいけないためである。
違法なダウンロードを取り締まらないと、コンテンツを有料で買う人と、無料で手に入れる人が混ざってしまう。その結果、フリーライダーの増加やモラルハザードが起きて、コンテンツに対する投資が回収できなくなる。投資が回収できないのであれば、誰もコンテンツに投資をしなくなる。したがって、コンテンツ産業の健全な育成のためにも、フェアな市場を確保することが必要だ。
もちろん、違法コンテンツが増えたとしても、売れるものはそれなりに売れる。CDのマーケットがネット流通への移行で縮小しても、それなりにミリオンセラーが出ていることでわかるだろう。しかし、コンテンツの市場全体が縮小すると、ミリオンセラーに流通のリソースが集中しすぎるがあまり、どんどん新規参入者に対するチャンスが少なくなってしまうのだ。
なぜこれまでコンテンツのダウンロード違法化が行われなかったかというと、端末メーカーやインフラ提供者との利害がコンテンツ側とは一致しなかった、という背景がある。端末提供者やネットワーク提供者の立場からすると、コンテンツはなるべく無料に近い形で手に入った方が、より普及が進むので望ましい。
とはいっても、端末の普及と無料コンテンツのダウンロードが行きすぎると、ネットワークのトラフィックも必要以上のコンテンツのダウンロードで一杯になり、しかも誰も正当な料金を負担しないフリーライダーが増え、インフラ側も同じように資金がまわらなくなる、という具合で結局うまくいかなくなる。ビジネスモデル変更前の「ナップスター」がその典型だろう。
違法コンテンツをアップロードした人は問題だが、ダウンロード側に罪はないとする考え方を支持する人もいるだろう。しかし、こういった違法コンテンツの損害は、アップロードに発生するのではなく、ダウンロードに発生するのである。だからこそ、アップロード側だけではなく、ダウンロード側も管理しないといけないのである。
コンテンツの費用は、やはりユーザーが広く浅く負担を分け合うことで、結果的に安くなるのである。それは例えば、違法コンテンツがいまのところほとんど出回っていない書籍を、CDと比べるとわかりやすいかもしれない。
現在、書籍は新書・文庫を含めると500円前後から売っている。これは、シングルCDの500~1000円と比べて、割安感があるのではないか。結果として今、書籍とシングルCDは少なくともランキングに入るための販売数がほぼ同じで、だいたい週に1万を超えると10位くらい、1位になるには週に5万―7万売れればいい。
シングルCDの潜在ユーザーと書籍の潜在ユーザーでは、前者の方が人数がずっと多い。ところが、普段の売れゆきはほぼ同じくらいになってしまったうえ、ミリオンセラーになると、今はシングルCDよりも書籍の方がよほど出やすいのである。
結果として書籍では、例えば「新書の乱立」と言われながらも、まだまだ多くの新しい著者が新しいテーマでチャレンジできる土壌がある。なぜなら、書籍をオンラインで無料ダウンロードしたり、無料で読んだりすることは今のところ、できないためである。
ただし、違法コンテンツを取り締まるだけではユーザーにとっては意味がない。書籍は手にとって、立ち読みをして、内容を確認してから買うことができるのに対し、映像・画像系は実際に買ってから見たり聞いたりしないと、なかなか品質がわからないという欠点があるのである。
だから、「買ってみたらB級コンテンツでがっかり」という事態を防ぐためにも、コンテンツの内容がわかるようにする努力を、コンテンツ提供側も考えなければならない。試聴ができる、ユーザーのレビューが見られる、満足度に応じて後払いをするなどの仕組みを作らなければならないのである。
すなわち、コンテンツを守るためという理由でコンテンツ制作者の提供論理だけを押しつけることもなく、かといってユーザーが過度にフリーライドを求めることもなく、バランスよく互いに協力をしながら、多彩で良質なコンテンツを育成していく市場を創ることが必要であり、そのためにはやはり、ダウンロードは違法化されなければいけないのである。
そして、私たちコンテンツ提供側も、この法改正の動きを重く受け止め、ユーザーが有料でも喜んで、薄く広く払ってくれるようなコンテンツの制作・開発に努力していかなければならないだろう。
携帯専用テレビ局「BeeTV」は儲かるネットメディアになれるか(COLUMN)
エイベックスとNTTドコモがタッグを組んで、世界初の携帯専用テレビ局「BeeTV」を5月に開始すると発表した。携帯のコンテンツのメニューが増えただけと見る向きも多いだろうが、ビジネスモデルの観点からは非常に重要なインプリケーションを含んでいることを見逃してはならない。その正否は、マスメディアのビジネスモデルを進化させるうえで試金石となり得るのである。
■CATVと同じ有料放送
BeeTVのビジネスモデルは「月額315円で、地上波テレビ放送で見られないオリジナル番組を、いつでも携帯で見られる」というものである。通常の地上波放送は広告を収入源とした無料放送であるのに対し、BeeTVはユーザーへの課金を収入源とするCATVと同じ有料放送なのである。実はこの点に先見の明があると評価できるのではないだろうか。
■広告モデルから小口課金モデルへ
「ネットとテレビの融合」の先進国である米国では、この数年で、人気のあるテレビ番組はほぼすべてがネット経由でも見られるようになった。ネット上でもテレビ放送と同じ広告モデル(無料モデル)が採用されているため、ユーザーはテレビと同じように無料で番組を楽しめる。マスメディア側がテレビからネットへと急速にシフトした広告費を、ネット経由での番組配信で回収しようと考えたためだ。
しかし、結果としてこのビジネスモデルはうまくいっていない。ネット上での広告単価が継続的に下落しているため、ネットの広告収入では従来のテレビ放送のように十分な収益を生み出せていないのである。それに加え、経済危機が生じて以来ネット広告費全体の伸びも頭打ちになってきた。マスメディアやコンテンツ産業がネット上で広告モデルを採用する限り「ネットは儲からない」ということが明らかになったのである。
例えば、米ネットワーク局のNBCユニバーサルとニューズ・コーポレーションが共同で設立したテレビ番組配信サイト「Hulu」は、動画サイトの中で数少ない成功例と言われている。それでも年間の広告収入は7000万ドルでNBCの全事業の年間収入170億ドルからすれば、わずか0.4%に過ぎない。また、米国の主要紙であるニューヨーク・タイムズはネット展開も熱心に行っており、ウェブサイトへのアクセス数(月間4600万ユニークユーザー)は発行部数(100万)をはるかに上回っているのに、ネットからの広告収入では社員の20%しか養えないのである。
そのため米国では今、どうしたらマスメディアがネット上で十分な収益をあげられるようになるかという点について盛んに議論が行われており、その手段として小口のユーザー課金の重要性が認識されつつあるところなのである。このように説明すると、BeeTVのビジネスモデルがいかに先進的かが理解できるのではないだろうか。
■テレビの再送信vsオリジナル番組
ところで、米国でも携帯電話でテレビ番組が見られるし、そのサービスはBeeTVと同じように定額課金制となっている。しかし、大きな違いは、米国ではテレビで放送されている番組を携帯に再送信しているのに対し、BeeTVではテレビで放送されないオリジナル番組のみが提供されるということである。
米国での携帯向けの放送サービスはあまり普及していないと聞く。その原因としては、携帯のインフラやユーザーリテラシーが日本より遅れているという側面もあるだろう。しかし、個人的には、テレビでもパソコン向けのネットでもタダで見られるコンテンツにわざわざカネを払う人が少ないためだろうと思っている。
さらに米国では若者のテレビ離れが進んでいる。若者が主要なユーザーである携帯向けに、もはや若者にとって魅力のないテレビのコンテンツを有料で提供しても、うまくいくはずはないのではないだろうか。
そう考えると、オリジナル番組のみを携帯で提供するというアプローチは、携帯のメインユーザーである若者にリーチする番組が制作・提供されるならば、ビジネスモデルとして非常に有望なのではないだろうか。
■ビジネスモデル進化の試金石
日本は、ブロードバンドや携帯のインフラに関しては世界最先端であるが、残念ながら提供されているサービスについては諸外国より遅れていた面があると言わざるを得ない。これには、日本特有の事情で地上波テレビ放送の番組がネット上で提供されてこなかったことなど様々な原因がある。
しかし、融合で先行した米国では、マスメディアのネット取り込みの試行錯誤が一段落し、広告モデルの問題点など様々なインプリケーションが明らかとなった。一方で、日本では、携帯上ではユーザー課金のインフラが既に構築されているし、ユーザーの携帯利用のリテラシーは世界でもトップクラスである。
そう、もしかしたらこれまでの日本のサービス面での遅れが今後はラッキーに作用するかもしれないのである。収益構造が崩壊してしまった今のマスメディアに必要なのはビジネスモデルの進化であり、その際、マスメディアのコアコンピタンスである制作力とブランド力をいかに正しく活用し、またいかにネットを取り込むかが重要となっている。その際、特にネットを取り込むにあたって、無駄な試行錯誤やコストを省ける可能性が高いのである。
BeeTVという試みには、上述の2点のほかに、携帯というメディアにふさわしい番組の長さはどれくらいか、コンテンツ流通を促進する収益分配のあり方は何か、といった様々な実験的かつ野心的な要素が含まれている。そこから得られるインプリケーションは、マスメディアがネットへの向き合い方を今後さらに進化させる際に重要な参考となるのではないだろうか。
NTTの光回線純増数、初の前年割れ 08年度12%減
NTTの光ファイバー通信回線サービス「フレッツ光」の2008年度の純増数が前年度比12.8%減の235万6000件となり、目標(250万件)を下回ったことが分かった。新規契約者は昨年後半から急速に減少。引っ越しシーズンで例年は需要が伸びる3月の純増数は、前年同月に比べ31.7%少ない16万8000件と過去最大の落ち込みとなり、修正後の目標も未達に終わった。
同社は急速な景気悪化を受けて当初340万件としていた目標を08年度中に2度引き下げた。純増数が前年度を下回るのは2001年のサービス開始以来初めて。
カプコン米拠点、開発要員2割増 海外に経営資源投入
カプコンは海外市場に人員や資金を重点投入する。2009年度に米国のゲームソフト開発拠点の人員を前年度比2割増の170人にするほか、広告宣伝費の海外比率を現在の6割台から8割台にまで高める方針。新興国向けの新型ゲーム機用にソフトの配信も始める。市場の縮小が鮮明な国内と違って高成長が続く海外に経営資源を投入し、収益拡大を急ぐ。
開発のためのマーケティング人員を米国で増やす。米国のソフトメーカーではゲーム開発費の高騰が収益を圧迫し人員削減が相次いでおり、流出した優秀な人材を積極採用する。米国で人気が高い携帯電話向けなどのゲームソフトの開発力を高める。
個人向け国債、販売額最低に 4月分3200億円、前回比36%減
財務省が15日発行する個人向け国債の販売額が比較可能な2006年以降で、最低水準に落ち込んだことが11日わかった。販売額は計3208億円で、前回1月の発行分(5047億円)に比べ36.4%減った。主力の固定金利5年物の表面利率が過去最低の年率0.71%(税引き前)に低下するなど、運用の妙味が薄れているのが主因だ。
個人向け国債は固定金利5年物に加え、変動金利10年物の2種類を年4回発行している。15日に発行する4月分は3月5日から購入の受け付けを始め、同月末で締め切っていた。
与謝野財務相、財政再建「新しい目標必要」
与謝野馨財務・金融・経済財政相は11日、BS11の番組収録で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2011年度に黒字化する現行の政府目標に代わる、新しい財政再建の目標をたてる必要性を強調した。
財政支出が15兆円に達する追加経済対策の策定で、財政再建の道筋は不透明さを増している。同相は「きちんとした目標を立て、国内総生産(GDP)比でみた国債残高がこれ以上増え続けるのを抑制しなければならない」と語った。
プライマリーバランスの黒字化目標については、達成してもGDP比の国債残高が増え続けるケースがあると指摘。財政再建目標としては「ほとんど意味のない概念だ」として、「(GDP比の国債残高が安定的に減っていく方向で)収束する形の目標をつくらないといけない」との考えを示した。
桜井同友会代表幹事、ポスト京都議定書「年内の達成は困難」
【ワシントン=大隅隆】経済同友会の桜井正光代表幹事は10日、ワシントンの外交問題評議会で講演した。日本政府の追加経済対策について「一定規模は必要」としながらも「政府債務は国内総生産(GDP)の150%に達している」と語り、効率的な財政資金の活用を訴えた。
講演後の質疑では、2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)の進ちょく状況に懸念を表明。「このままでは年内に次の枠組みができない」とし、オバマ政権下の米国と日本が連携を強め、新たな温暖化ガス削減目標の設定に注力すべきだと語った。
金融危機後の新たな資本主義のあり方については「株主が絶対ではなく、マルチステークホルダー(複数の利害関係者)が大事」と発言。株主を軸に、従業員や取引先など多くの利害関係者のバランスを重視した経営や経済システムを世界的に探るべきだとの考えを示した。
ASEAN会議、全面中止 タイの会場、デモ隊が乱入
【パタヤ=戸田敬久】東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国タイは11日、同国のアピシット政権退陣を求めるデモ隊による妨害活動が激化したため、パタヤで同日予定していたASEANプラス3(日中韓)首脳会議や12日の東アジア首脳会議(サミット)など一連の会議開催を中止した。会議で議論する予定だった金融システム安定化策など域内協力の作業に遅れが生じるのは必至だ。
デモ隊はタクシン元首相を支持する市民団体で、現地時間の11日昼すぎにメーン会場のホテル内に数百人が乱入。タイ政府によるとこの際に十数人が負傷した。治安当局は強制排除せずホテル内が混乱したため、アピシット首相は「一連の会議を全面中止し、2―3カ月後に延期する」と発表した。パタヤを含むチョンブリ県に非常事態宣言も発令したが、各国首脳がタイを出国したため同日夜に解除した。
中国の3月工業生産、8.3%増 温首相が発言
【パタヤ(タイ中部)=戸田敬久】中国の温家宝首相は11日、パタヤで国内外メディアに対し、2009年3月の工業生産が前年同月比8.3%増加したことを明らかにした。同1―2月は前年同期比3.8%増にとどまっており、昨年秋以降から停滞していた中国の工業生産に回復傾向の兆しが出てきている。
温首相は「(日本円で58兆円の景気刺激策など)推進した政策の効果が出始めている」と強調。今年第1四半期(1―3月)の工業生産は5%以上の伸びを確保できるとした。もっとも「中国経済は外需の減少、財政収入の減少、就業難など大きな困難を抱えている」(温首相)との認識も示した。
エイベックスとNTTドコモがタッグを組んで、世界初の携帯専用テレビ局「BeeTV」を5月に開始すると発表した。携帯のコンテンツのメニューが増えただけと見る向きも多いだろうが、ビジネスモデルの観点からは非常に重要なインプリケーションを含んでいることを見逃してはならない。その正否は、マスメディアのビジネスモデルを進化させるうえで試金石となり得るのである。
■CATVと同じ有料放送
BeeTVのビジネスモデルは「月額315円で、地上波テレビ放送で見られないオリジナル番組を、いつでも携帯で見られる」というものである。通常の地上波放送は広告を収入源とした無料放送であるのに対し、BeeTVはユーザーへの課金を収入源とするCATVと同じ有料放送なのである。実はこの点に先見の明があると評価できるのではないだろうか。
■広告モデルから小口課金モデルへ
「ネットとテレビの融合」の先進国である米国では、この数年で、人気のあるテレビ番組はほぼすべてがネット経由でも見られるようになった。ネット上でもテレビ放送と同じ広告モデル(無料モデル)が採用されているため、ユーザーはテレビと同じように無料で番組を楽しめる。マスメディア側がテレビからネットへと急速にシフトした広告費を、ネット経由での番組配信で回収しようと考えたためだ。
しかし、結果としてこのビジネスモデルはうまくいっていない。ネット上での広告単価が継続的に下落しているため、ネットの広告収入では従来のテレビ放送のように十分な収益を生み出せていないのである。それに加え、経済危機が生じて以来ネット広告費全体の伸びも頭打ちになってきた。マスメディアやコンテンツ産業がネット上で広告モデルを採用する限り「ネットは儲からない」ということが明らかになったのである。
例えば、米ネットワーク局のNBCユニバーサルとニューズ・コーポレーションが共同で設立したテレビ番組配信サイト「Hulu」は、動画サイトの中で数少ない成功例と言われている。それでも年間の広告収入は7000万ドルでNBCの全事業の年間収入170億ドルからすれば、わずか0.4%に過ぎない。また、米国の主要紙であるニューヨーク・タイムズはネット展開も熱心に行っており、ウェブサイトへのアクセス数(月間4600万ユニークユーザー)は発行部数(100万)をはるかに上回っているのに、ネットからの広告収入では社員の20%しか養えないのである。
そのため米国では今、どうしたらマスメディアがネット上で十分な収益をあげられるようになるかという点について盛んに議論が行われており、その手段として小口のユーザー課金の重要性が認識されつつあるところなのである。このように説明すると、BeeTVのビジネスモデルがいかに先進的かが理解できるのではないだろうか。
■テレビの再送信vsオリジナル番組
ところで、米国でも携帯電話でテレビ番組が見られるし、そのサービスはBeeTVと同じように定額課金制となっている。しかし、大きな違いは、米国ではテレビで放送されている番組を携帯に再送信しているのに対し、BeeTVではテレビで放送されないオリジナル番組のみが提供されるということである。
米国での携帯向けの放送サービスはあまり普及していないと聞く。その原因としては、携帯のインフラやユーザーリテラシーが日本より遅れているという側面もあるだろう。しかし、個人的には、テレビでもパソコン向けのネットでもタダで見られるコンテンツにわざわざカネを払う人が少ないためだろうと思っている。
さらに米国では若者のテレビ離れが進んでいる。若者が主要なユーザーである携帯向けに、もはや若者にとって魅力のないテレビのコンテンツを有料で提供しても、うまくいくはずはないのではないだろうか。
そう考えると、オリジナル番組のみを携帯で提供するというアプローチは、携帯のメインユーザーである若者にリーチする番組が制作・提供されるならば、ビジネスモデルとして非常に有望なのではないだろうか。
■ビジネスモデル進化の試金石
日本は、ブロードバンドや携帯のインフラに関しては世界最先端であるが、残念ながら提供されているサービスについては諸外国より遅れていた面があると言わざるを得ない。これには、日本特有の事情で地上波テレビ放送の番組がネット上で提供されてこなかったことなど様々な原因がある。
しかし、融合で先行した米国では、マスメディアのネット取り込みの試行錯誤が一段落し、広告モデルの問題点など様々なインプリケーションが明らかとなった。一方で、日本では、携帯上ではユーザー課金のインフラが既に構築されているし、ユーザーの携帯利用のリテラシーは世界でもトップクラスである。
そう、もしかしたらこれまでの日本のサービス面での遅れが今後はラッキーに作用するかもしれないのである。収益構造が崩壊してしまった今のマスメディアに必要なのはビジネスモデルの進化であり、その際、マスメディアのコアコンピタンスである制作力とブランド力をいかに正しく活用し、またいかにネットを取り込むかが重要となっている。その際、特にネットを取り込むにあたって、無駄な試行錯誤やコストを省ける可能性が高いのである。
BeeTVという試みには、上述の2点のほかに、携帯というメディアにふさわしい番組の長さはどれくらいか、コンテンツ流通を促進する収益分配のあり方は何か、といった様々な実験的かつ野心的な要素が含まれている。そこから得られるインプリケーションは、マスメディアがネットへの向き合い方を今後さらに進化させる際に重要な参考となるのではないだろうか。
NTTの光回線純増数、初の前年割れ 08年度12%減
NTTの光ファイバー通信回線サービス「フレッツ光」の2008年度の純増数が前年度比12.8%減の235万6000件となり、目標(250万件)を下回ったことが分かった。新規契約者は昨年後半から急速に減少。引っ越しシーズンで例年は需要が伸びる3月の純増数は、前年同月に比べ31.7%少ない16万8000件と過去最大の落ち込みとなり、修正後の目標も未達に終わった。
同社は急速な景気悪化を受けて当初340万件としていた目標を08年度中に2度引き下げた。純増数が前年度を下回るのは2001年のサービス開始以来初めて。
カプコン米拠点、開発要員2割増 海外に経営資源投入
カプコンは海外市場に人員や資金を重点投入する。2009年度に米国のゲームソフト開発拠点の人員を前年度比2割増の170人にするほか、広告宣伝費の海外比率を現在の6割台から8割台にまで高める方針。新興国向けの新型ゲーム機用にソフトの配信も始める。市場の縮小が鮮明な国内と違って高成長が続く海外に経営資源を投入し、収益拡大を急ぐ。
開発のためのマーケティング人員を米国で増やす。米国のソフトメーカーではゲーム開発費の高騰が収益を圧迫し人員削減が相次いでおり、流出した優秀な人材を積極採用する。米国で人気が高い携帯電話向けなどのゲームソフトの開発力を高める。
個人向け国債、販売額最低に 4月分3200億円、前回比36%減
財務省が15日発行する個人向け国債の販売額が比較可能な2006年以降で、最低水準に落ち込んだことが11日わかった。販売額は計3208億円で、前回1月の発行分(5047億円)に比べ36.4%減った。主力の固定金利5年物の表面利率が過去最低の年率0.71%(税引き前)に低下するなど、運用の妙味が薄れているのが主因だ。
個人向け国債は固定金利5年物に加え、変動金利10年物の2種類を年4回発行している。15日に発行する4月分は3月5日から購入の受け付けを始め、同月末で締め切っていた。
与謝野財務相、財政再建「新しい目標必要」
与謝野馨財務・金融・経済財政相は11日、BS11の番組収録で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2011年度に黒字化する現行の政府目標に代わる、新しい財政再建の目標をたてる必要性を強調した。
財政支出が15兆円に達する追加経済対策の策定で、財政再建の道筋は不透明さを増している。同相は「きちんとした目標を立て、国内総生産(GDP)比でみた国債残高がこれ以上増え続けるのを抑制しなければならない」と語った。
プライマリーバランスの黒字化目標については、達成してもGDP比の国債残高が増え続けるケースがあると指摘。財政再建目標としては「ほとんど意味のない概念だ」として、「(GDP比の国債残高が安定的に減っていく方向で)収束する形の目標をつくらないといけない」との考えを示した。
桜井同友会代表幹事、ポスト京都議定書「年内の達成は困難」
【ワシントン=大隅隆】経済同友会の桜井正光代表幹事は10日、ワシントンの外交問題評議会で講演した。日本政府の追加経済対策について「一定規模は必要」としながらも「政府債務は国内総生産(GDP)の150%に達している」と語り、効率的な財政資金の活用を訴えた。
講演後の質疑では、2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)の進ちょく状況に懸念を表明。「このままでは年内に次の枠組みができない」とし、オバマ政権下の米国と日本が連携を強め、新たな温暖化ガス削減目標の設定に注力すべきだと語った。
金融危機後の新たな資本主義のあり方については「株主が絶対ではなく、マルチステークホルダー(複数の利害関係者)が大事」と発言。株主を軸に、従業員や取引先など多くの利害関係者のバランスを重視した経営や経済システムを世界的に探るべきだとの考えを示した。
ASEAN会議、全面中止 タイの会場、デモ隊が乱入
【パタヤ=戸田敬久】東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国タイは11日、同国のアピシット政権退陣を求めるデモ隊による妨害活動が激化したため、パタヤで同日予定していたASEANプラス3(日中韓)首脳会議や12日の東アジア首脳会議(サミット)など一連の会議開催を中止した。会議で議論する予定だった金融システム安定化策など域内協力の作業に遅れが生じるのは必至だ。
デモ隊はタクシン元首相を支持する市民団体で、現地時間の11日昼すぎにメーン会場のホテル内に数百人が乱入。タイ政府によるとこの際に十数人が負傷した。治安当局は強制排除せずホテル内が混乱したため、アピシット首相は「一連の会議を全面中止し、2―3カ月後に延期する」と発表した。パタヤを含むチョンブリ県に非常事態宣言も発令したが、各国首脳がタイを出国したため同日夜に解除した。
中国の3月工業生産、8.3%増 温首相が発言
【パタヤ(タイ中部)=戸田敬久】中国の温家宝首相は11日、パタヤで国内外メディアに対し、2009年3月の工業生産が前年同月比8.3%増加したことを明らかにした。同1―2月は前年同期比3.8%増にとどまっており、昨年秋以降から停滞していた中国の工業生産に回復傾向の兆しが出てきている。
温首相は「(日本円で58兆円の景気刺激策など)推進した政策の効果が出始めている」と強調。今年第1四半期(1―3月)の工業生産は5%以上の伸びを確保できるとした。もっとも「中国経済は外需の減少、財政収入の減少、就業難など大きな困難を抱えている」(温首相)との認識も示した。
アンドロイドケータイの実力の一端(COLUMN)
世界規模で動き出す「アンドロイド」プラットホーム
「アンドロイド」は、グーグルが提唱した新しい携帯電話向けOSだ。Linuxによるオープンな環境により、様々な開発者がアプリやミドルウエアの開発に携われるとされている。
これまでにないビジネスモデルにより、多くの携帯電話関連企業がアンドロイドの思想に賛同し、「OHA(オープンヘッドセットアライアンス)」という推進団体を結成した。OHAには、日本のキャリアからはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルが、メーカーからはモトローラ、サムスン電子、LGエレクトロニクス、ソニー・エリクソン、東芝が参加。また海外キャリアでは、ボーダフォンやT-mobile、スペイン・テレフォニカなどが名を連ねている。
そのアンドロイドケータイが、今年中にも日本で発売される見通しだ。世界の中でも独自の進化を遂げる日本のケータイ市場で、アンドロイドがどのようなポジションを築いていくのかに注目が集まっている。
すでにアンドロイドを搭載したケータイ(スマートフォン)は、昨年10月に米T-Mobile社が「G1」という名称で販売している。
「G1」を試用した率直な感想は「地味だけど使いやすい」という言葉に尽きる。ハッキリ言って、iPhoneを初めて使ったときのような感動はまるでない。iPhoneはタッチパネルに加えて、独特のメニューの動き、洗練されたユーザーインターフェースに圧倒された。しかし、G1にはそういった驚きはほとんどない。
G1を操作するには、「画面をタッチする」「キーボードを使う」「画面下にあるトラックボールを転がす」といった3種類の方法を使い分ける必要がある。どれも見慣れた操作体系ではあるが、これが意外と便利。例えば、文字を入力をしたいときはキーボード、電車でつり革を持っていて片手しか空いていないときは、トラックボールをぐりぐり回し、じっくり座っているときはタッチパネルを使う。このように、状況に合わせた操作方法を選べるのがとても快適なのだ。
キーボードは一つひとつのキーは小さいが、キー配列は5段でキーの間隔もしっかり空いているので押し間違いが少ない。トラックボールの動きも機敏だ。
日本のケータイであれば片手での親指入力が中心、iPhoneであればタッチパネルのみしか使えない。G1は操作を「選べる」というところが地味だけど便利といえるのだ。
ただ、これは台湾メーカーであるHTCが作った「G1」の仕様であって、「アンドロイドだから」ではないのかもしれない。だが確実に言えるのは、アンドロイドはオープンな環境を背景に、様々な電話機が登場するだろうということ。キーボードはもちろん、タッチパネル、トラックボール、またそれ以外の入力インターフェースにも対応できる、極めて柔軟なプラットホームなのだ。様々な入力インターフェースに対応できるからこそ、G1は3つの操作スタイルを受け入れられたのだろう。
では、G1の使い勝手、およびその実力はどうだろうか。
まず、G1を一番最初に立ち上げると、入力を求められるのが「Gmail」のアカウントだ。何はなくともまずGmailのアカウントが必要なのだ。グーグルが提唱するプラットフォームだけあって、すべてはGmailのアカウントで管理するようになっている。
Gmailのアカウント、パスワードを打ち込めば、すぐに様々なメニューが使えるようになる。まずは当然ながらGmail。パソコン版と同様に、返信を繰り返したメールは一つにくくられたかたちで表示されるようになっている。使い勝手はパソコン版にかなり近い。
これは米国で販売されているモデルだが、すでに日本語はほぼ問題なく表示できるようになっている(一部の漢字は表示がおかしいこともあるが、読めないことはない)。残念ながら日本語の入力は非対応。このあたりは年内中に対応の予定だ。
G1が携帯電話として威力を発揮するのが「Maps」機能だ。当然のことながら「Google Maps」が利用できるのだが、G1と組み合わされることで、おもしろさ、利便性がさらに向上する。
G1にはGPSが内蔵されているため、現在地をすぐに表示することが可能だ。さらに衛星写真を見るだけでなく、ストリートビューモードにも切り替えられる。
ストリートビューはG1に内蔵された電子コンパスと連携することで、G1本体の向きを変えれば、方角に合わせてその通りに道路の画像を映し出すようにもなっている。iPhoneも同様にGoogle Mapsからストリートビューへの移行ができるが、電子コンパス連携などは行えない。このあたりの使い勝手は、G1のほうが優れているといえるだろう。
面白いのがグーグルの検索だ。調べたいキーワードを文字で入力するだけでなく、音声での入力が可能になっている(ただし、同様の検索はiPhone向けGoogleアプリでもできる)。残念ながら、英語のみの対応だが、「Honolulu Japanese restaurant」とG1に向けてしゃべると、Googleの検索結果が表示されるようになっている。日本版が発売された際にはぜひとも日本語も認識してもらいたいものだ。
追加アプリを配布する「アンドロイドマーケット」
注目機能としては「アンドロイドマーケット」がある。これはアンドロイドケータイ向けに追加アプリケーションを配布する場所だ。アンドロイドはオープンなプラットホームであるため、今後様々なアプリケーションが登場すると見られる。ここからダウンロードすることにより、ゲームや新しい機能を追加できるわけだ。
すでに、日本語入力を可能とするアプリケーションが配布されるなど、将来的には本体を強化できる可能性を十分に秘めている。
日本にアンドロイドケータイが登場する際には、このG1がベースなのか、はたまた全く違った形のものになるかは定かではない。ただし、グーグル関係者の話を聞くと、日本市場をかなり意識したものになりそうだ。いまから、上陸が楽しみだ。
マイクロソフト、ヤフーと提携協議 ネット検索・広告で 米メディア報道
【シリコンバレー=村山恵一】インターネットサービス大手の米ヤフーとソフトウエア最大手マイクロソフト(MS)が、ネット検索や広告事業での提携について協議を始めたことが10日、明らかになった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)など複数のメディアが関係者の話として伝えた。仮に交渉が進めば、業績不振に直面するAOLなど他のネット大手の経営戦略にも影響を与えそうだ。
報道によると、ヤフーのキャロル・バーツ最高経営責任者(CEO)とMSのスティーブ・バルマーCEOが先週、会談し、協業の可能性を話し合った。双方のウェブサイトにネット広告を供給し合う案などがあるという。ただ、議論はまだ初期段階で、最終的に提携に至らない可能性もあるとした。
MSは2008年1月にヤフーに買収を提案したが、価格で折り合えず同年5月に交渉は決裂した。その後、ヤフーはネット検索最大手のグーグルと広告分野で提携すると表明したが、米司法省の承認を得られずに頓挫した経緯がある。
ユーチューブ韓国版、動画投稿や書き込み中止 中傷防止へ
【ソウル=共同】米検索大手グーグルの韓国現地法人は11日までに、グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」韓国版に関し、機能を制限して動画のアップロードや書き込みをできなくしたと発表した。
インターネットを通じた「サイバー暴力」の被害が深刻な韓国では、今月からネット利用時に実名を義務化する制度の適用範囲が拡大され、ユーチューブも利用者の本人確認を行う必要が生じた。しかし韓国現地法人は米本社と協議し「匿名性が前提になった表現の自由」が重要として拒否。代替策として今回の措置を決めた。
ただ、ユーチューブには20以上の国・地域版があり、韓国内からでも他国・地域版に入り動画投稿や書き込みを行うことが可能なため、利用者に大きな影響は出ないとみられている。
韓国メディアによると、これらの国・地域のうち、ネット実名制が広範囲に行われているのは韓国だけという。
ニコニコ動画に公式アダルトちゃんねるが登場
10日、ニコニコ動画に公式アダルトチャンネルがオープンした。正式名称は「DMM.ちゃんねる」。株式会社デジタルメディアマートが運営するアダルトサイト「DMM」とのコラボレーションで生まれたチャンネルのようだ。
月額525円でアダルト動画が見放題、現在は100本程度の動画がサイト内で見られるという。また「無料お試し動画」というものも存在し既に3万回再生を突破しようとしている。
あまりに突然のオープンにネットユーザーもびっくりした様子。「ニコニコはアダルトやるんじゃなかったのか!」「強烈なニュース!」「運営自体はDMMがやってて、 ニコニコはシステム売ったってこと?」「さすがに見るものがないww」「エロに手出すって末期なイメージ」「アダルトビデオにコメントが流れるのかww」「これで一気に黒字になったら面白いけどな」など多くの議論がなされている。
住商・楽天、ネットスーパー参入 西友など大手の牙城切り崩し
インターネットで注文を受けた生鮮食品や日用品などを宅配する「ネットスーパー」に、異業種の参入が相次いでいる。住友商事は専用の食品加工センターと配送センターを設置し、10月から無店舗型のネットスーパーに進出する。また、ネットショッピング最大手の楽天は昨年7月にネットスーパーサイトの運営会社を連結子会社化しており、本格展開を目指して提携スーパーの拡大に乗り出した。
住友商事は専用の食品加工センターと配送センターを設置し、10月から無店舗型のネットスーパー事業を展開する。すでに昨年末に「住商ネットスーパー」を設立。住友商事子会社の中堅スーパー「サミット」や中小スーパーなどと提携し、当面は首都圏を中心にサービスを開始する。専用のセンターで、提携先スーパーの商品仕様に合わせて、商品を加工したり包装を変える。
一方、楽天は昨年7月、食に特化したポータルサイト「食卓.jp」を運営するネッツ・パートナーズの持ち分比率を35.8%から53.2%に引き上げ、ネットスーパー事業に参入。現在、紀ノ国屋(東京都港区)とマルエツの2社が同サイトに出店している。今後、地方の中小スーパーなど年内に数十店の参加を募り、ネットスーパー版の「楽天市場」として全国展開する考えだ。
民間調査会社の富士経済(東京都中央区)によると、08年のネットスーパーの市場規模は前年比1.8倍の227億円に膨らんだ。割合はスーパー全体の売上高の0.2%に過ぎないが、消費不振が続くなかで成長分野であることは間違いない。
ネットスーパーは00年に西友がサービスを開始。01年以降イトーヨーカ堂、イオン、ダイエーも参入するなど、実際に店舗を構える大手スーパーが先行している。しかし、高齢化の進展に加え、働く女性の増加を背景に市場拡大が期待されるなか、今後も異業種からの参入が続きそうだ。
世界規模で動き出す「アンドロイド」プラットホーム
「アンドロイド」は、グーグルが提唱した新しい携帯電話向けOSだ。Linuxによるオープンな環境により、様々な開発者がアプリやミドルウエアの開発に携われるとされている。
これまでにないビジネスモデルにより、多くの携帯電話関連企業がアンドロイドの思想に賛同し、「OHA(オープンヘッドセットアライアンス)」という推進団体を結成した。OHAには、日本のキャリアからはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルが、メーカーからはモトローラ、サムスン電子、LGエレクトロニクス、ソニー・エリクソン、東芝が参加。また海外キャリアでは、ボーダフォンやT-mobile、スペイン・テレフォニカなどが名を連ねている。
そのアンドロイドケータイが、今年中にも日本で発売される見通しだ。世界の中でも独自の進化を遂げる日本のケータイ市場で、アンドロイドがどのようなポジションを築いていくのかに注目が集まっている。
すでにアンドロイドを搭載したケータイ(スマートフォン)は、昨年10月に米T-Mobile社が「G1」という名称で販売している。
「G1」を試用した率直な感想は「地味だけど使いやすい」という言葉に尽きる。ハッキリ言って、iPhoneを初めて使ったときのような感動はまるでない。iPhoneはタッチパネルに加えて、独特のメニューの動き、洗練されたユーザーインターフェースに圧倒された。しかし、G1にはそういった驚きはほとんどない。
G1を操作するには、「画面をタッチする」「キーボードを使う」「画面下にあるトラックボールを転がす」といった3種類の方法を使い分ける必要がある。どれも見慣れた操作体系ではあるが、これが意外と便利。例えば、文字を入力をしたいときはキーボード、電車でつり革を持っていて片手しか空いていないときは、トラックボールをぐりぐり回し、じっくり座っているときはタッチパネルを使う。このように、状況に合わせた操作方法を選べるのがとても快適なのだ。
キーボードは一つひとつのキーは小さいが、キー配列は5段でキーの間隔もしっかり空いているので押し間違いが少ない。トラックボールの動きも機敏だ。
日本のケータイであれば片手での親指入力が中心、iPhoneであればタッチパネルのみしか使えない。G1は操作を「選べる」というところが地味だけど便利といえるのだ。
ただ、これは台湾メーカーであるHTCが作った「G1」の仕様であって、「アンドロイドだから」ではないのかもしれない。だが確実に言えるのは、アンドロイドはオープンな環境を背景に、様々な電話機が登場するだろうということ。キーボードはもちろん、タッチパネル、トラックボール、またそれ以外の入力インターフェースにも対応できる、極めて柔軟なプラットホームなのだ。様々な入力インターフェースに対応できるからこそ、G1は3つの操作スタイルを受け入れられたのだろう。
では、G1の使い勝手、およびその実力はどうだろうか。
まず、G1を一番最初に立ち上げると、入力を求められるのが「Gmail」のアカウントだ。何はなくともまずGmailのアカウントが必要なのだ。グーグルが提唱するプラットフォームだけあって、すべてはGmailのアカウントで管理するようになっている。
Gmailのアカウント、パスワードを打ち込めば、すぐに様々なメニューが使えるようになる。まずは当然ながらGmail。パソコン版と同様に、返信を繰り返したメールは一つにくくられたかたちで表示されるようになっている。使い勝手はパソコン版にかなり近い。
これは米国で販売されているモデルだが、すでに日本語はほぼ問題なく表示できるようになっている(一部の漢字は表示がおかしいこともあるが、読めないことはない)。残念ながら日本語の入力は非対応。このあたりは年内中に対応の予定だ。
G1が携帯電話として威力を発揮するのが「Maps」機能だ。当然のことながら「Google Maps」が利用できるのだが、G1と組み合わされることで、おもしろさ、利便性がさらに向上する。
G1にはGPSが内蔵されているため、現在地をすぐに表示することが可能だ。さらに衛星写真を見るだけでなく、ストリートビューモードにも切り替えられる。
ストリートビューはG1に内蔵された電子コンパスと連携することで、G1本体の向きを変えれば、方角に合わせてその通りに道路の画像を映し出すようにもなっている。iPhoneも同様にGoogle Mapsからストリートビューへの移行ができるが、電子コンパス連携などは行えない。このあたりの使い勝手は、G1のほうが優れているといえるだろう。
面白いのがグーグルの検索だ。調べたいキーワードを文字で入力するだけでなく、音声での入力が可能になっている(ただし、同様の検索はiPhone向けGoogleアプリでもできる)。残念ながら、英語のみの対応だが、「Honolulu Japanese restaurant」とG1に向けてしゃべると、Googleの検索結果が表示されるようになっている。日本版が発売された際にはぜひとも日本語も認識してもらいたいものだ。
追加アプリを配布する「アンドロイドマーケット」
注目機能としては「アンドロイドマーケット」がある。これはアンドロイドケータイ向けに追加アプリケーションを配布する場所だ。アンドロイドはオープンなプラットホームであるため、今後様々なアプリケーションが登場すると見られる。ここからダウンロードすることにより、ゲームや新しい機能を追加できるわけだ。
すでに、日本語入力を可能とするアプリケーションが配布されるなど、将来的には本体を強化できる可能性を十分に秘めている。
日本にアンドロイドケータイが登場する際には、このG1がベースなのか、はたまた全く違った形のものになるかは定かではない。ただし、グーグル関係者の話を聞くと、日本市場をかなり意識したものになりそうだ。いまから、上陸が楽しみだ。
マイクロソフト、ヤフーと提携協議 ネット検索・広告で 米メディア報道
【シリコンバレー=村山恵一】インターネットサービス大手の米ヤフーとソフトウエア最大手マイクロソフト(MS)が、ネット検索や広告事業での提携について協議を始めたことが10日、明らかになった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)など複数のメディアが関係者の話として伝えた。仮に交渉が進めば、業績不振に直面するAOLなど他のネット大手の経営戦略にも影響を与えそうだ。
報道によると、ヤフーのキャロル・バーツ最高経営責任者(CEO)とMSのスティーブ・バルマーCEOが先週、会談し、協業の可能性を話し合った。双方のウェブサイトにネット広告を供給し合う案などがあるという。ただ、議論はまだ初期段階で、最終的に提携に至らない可能性もあるとした。
MSは2008年1月にヤフーに買収を提案したが、価格で折り合えず同年5月に交渉は決裂した。その後、ヤフーはネット検索最大手のグーグルと広告分野で提携すると表明したが、米司法省の承認を得られずに頓挫した経緯がある。
ユーチューブ韓国版、動画投稿や書き込み中止 中傷防止へ
【ソウル=共同】米検索大手グーグルの韓国現地法人は11日までに、グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」韓国版に関し、機能を制限して動画のアップロードや書き込みをできなくしたと発表した。
インターネットを通じた「サイバー暴力」の被害が深刻な韓国では、今月からネット利用時に実名を義務化する制度の適用範囲が拡大され、ユーチューブも利用者の本人確認を行う必要が生じた。しかし韓国現地法人は米本社と協議し「匿名性が前提になった表現の自由」が重要として拒否。代替策として今回の措置を決めた。
ただ、ユーチューブには20以上の国・地域版があり、韓国内からでも他国・地域版に入り動画投稿や書き込みを行うことが可能なため、利用者に大きな影響は出ないとみられている。
韓国メディアによると、これらの国・地域のうち、ネット実名制が広範囲に行われているのは韓国だけという。
ニコニコ動画に公式アダルトちゃんねるが登場
10日、ニコニコ動画に公式アダルトチャンネルがオープンした。正式名称は「DMM.ちゃんねる」。株式会社デジタルメディアマートが運営するアダルトサイト「DMM」とのコラボレーションで生まれたチャンネルのようだ。
月額525円でアダルト動画が見放題、現在は100本程度の動画がサイト内で見られるという。また「無料お試し動画」というものも存在し既に3万回再生を突破しようとしている。
あまりに突然のオープンにネットユーザーもびっくりした様子。「ニコニコはアダルトやるんじゃなかったのか!」「強烈なニュース!」「運営自体はDMMがやってて、 ニコニコはシステム売ったってこと?」「さすがに見るものがないww」「エロに手出すって末期なイメージ」「アダルトビデオにコメントが流れるのかww」「これで一気に黒字になったら面白いけどな」など多くの議論がなされている。
住商・楽天、ネットスーパー参入 西友など大手の牙城切り崩し
インターネットで注文を受けた生鮮食品や日用品などを宅配する「ネットスーパー」に、異業種の参入が相次いでいる。住友商事は専用の食品加工センターと配送センターを設置し、10月から無店舗型のネットスーパーに進出する。また、ネットショッピング最大手の楽天は昨年7月にネットスーパーサイトの運営会社を連結子会社化しており、本格展開を目指して提携スーパーの拡大に乗り出した。
住友商事は専用の食品加工センターと配送センターを設置し、10月から無店舗型のネットスーパー事業を展開する。すでに昨年末に「住商ネットスーパー」を設立。住友商事子会社の中堅スーパー「サミット」や中小スーパーなどと提携し、当面は首都圏を中心にサービスを開始する。専用のセンターで、提携先スーパーの商品仕様に合わせて、商品を加工したり包装を変える。
一方、楽天は昨年7月、食に特化したポータルサイト「食卓.jp」を運営するネッツ・パートナーズの持ち分比率を35.8%から53.2%に引き上げ、ネットスーパー事業に参入。現在、紀ノ国屋(東京都港区)とマルエツの2社が同サイトに出店している。今後、地方の中小スーパーなど年内に数十店の参加を募り、ネットスーパー版の「楽天市場」として全国展開する考えだ。
民間調査会社の富士経済(東京都中央区)によると、08年のネットスーパーの市場規模は前年比1.8倍の227億円に膨らんだ。割合はスーパー全体の売上高の0.2%に過ぎないが、消費不振が続くなかで成長分野であることは間違いない。
ネットスーパーは00年に西友がサービスを開始。01年以降イトーヨーカ堂、イオン、ダイエーも参入するなど、実際に店舗を構える大手スーパーが先行している。しかし、高齢化の進展に加え、働く女性の増加を背景に市場拡大が期待されるなか、今後も異業種からの参入が続きそうだ。