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育たぬ世界級ベンチャー 未熟な資本市場が足かせ
 1993年にインターネットが一般に普及し始めて以来、日本でも多くのIT(情報技術)ベンチャー企業が生まれた。だが米国のグーグルやアマゾン・ドット・コムのように、独自の技術や事業モデルを世界中に広めた成功例は皆無だ。開業率や新規株式公開・上場(IPO)も低迷が続いている。日本経済は企業の新陳代謝の不足という長年の課題をいまだに克服できていない。
 90年代前半から2000年代前半にかけて、日本は「第3次ベンチャーブーム」だったといわれる。そのピークが世界的なITバブルの絶頂期でもあった99年だ。
 東京・渋谷を中心に米シリコンバレーのようなITベンチャーの集積地をつくろうという「ビットバレー」構想は当時の熱気の象徴だった。99年2月に構想を提唱した小池聡3Di社長(当時はネットイヤーグループ社長)は「若い起業家とベテラン経営者や法律家らがコミュニティーを形成し、実務的な知恵を分け合う米国のやり方を広めたかった」と言う。
一過性のブーム
 だが次第に賛同者の集会は「未公開株でもうけたい脱サラ志望者や金融関係者が群がり、構想の趣旨と関係ないお祭り騒ぎと化した」。提唱からわずか1年後、集会は打ち止めになる。最終回の00年2月には都内の大型ディスコに約2200人の若者が集まり、孫正義ソフトバンク社長の話に熱狂した。一過性ブームという印象を余計に強める幕切れだった。
 同じころ、赤字の研究開発型ベンチャー企業にも資金調達の道を開こうと新興株式市場が相次いで新設された。だが99年11月開設の東証マザーズでは上場第1号企業の経営者逮捕など信用を揺るがすトラブルが相次ぐ。00年6月に始動した「ナスダック・ジャパン」市場も利用が伸びず、2年半で撤退した。
 その後、06年1月にライブドア社長だった堀江貴文氏が逮捕されたことを機に、ITベンチャーに対する期待は一気にしぼむ。IPOは低迷し、09年はたった19件。「多産多死型の株式大公開時代」は幻に終わった。小池氏は「投資家も起業家も経営者も考えが甘過ぎた」と総括する。
 90年代から独立系のベンチャーキャピタル(VC)として、ディー・エヌ・エーなどのベンチャー企業を育てた村口和孝NTVP代表は「06年以降、証券界に反社会勢力ならぬ『反市場勢力』という言葉が広がった。創業者が長者になった多くのネット企業がそうみられてしまい、これらの企業が出資するベンチャーが上場しづらくなった」とベンチャーブームの後遺症を指摘する。
 ブーム時はVCが無節操に出資し、証券会社はIPOを引き受ける。逆風が吹くと、うわさレベルのリスクも忌避する――。プロらしい企業価値の物差しで律されるべき資本市場が、逆に世相を増幅させ、起業や新興企業育成のあり方をゆがめてきた日本の現実が浮かび上がる。「日本ではVCも人事異動があるサラリーマンばかり。これでは長期的な視点で企業を育てられない」と、自ら大企業VCを辞めて独立した村口氏はみる。
「10年で質向上」
 「上場による金もうけなど気にしない、自分の技術やアイデアで世の中を変えたい、という強烈な大志を持った起業家が国内には少ない」(鈴木幸一IIJ社長)という問題もある。ただ小池氏は「今のIT起業家の質は10年前よりもはるかに高い」とみる。
 例えば国内外の広告賞を数多く受賞して注目を浴びるウェブ技術者集団のカヤック(鎌倉市、柳澤大輔代表取締役)は、世界中で「つくる人を増やす」という企業理念を掲げ、未上場ながら世界展開を準備中だ。文字や画像、音声だけでなく、ソフトウエア技術による機能やサービス設計もコンテンツととらえ、ネット時代の新しい創作型企業の形を模索する。
 柳澤氏は「金銭的利益は結果であって目的ではない。社内外で共有できる理念こそが企業の持続的成長に最も重要」と言う。過去十数年のネット起業ブームの失敗経験がたとえ無意識にでも反面教師として若い世代に生かされれば、日本経済の民力再生に向けて望みはつながるはずだ。



創業期のビジョン重要 小池聡3Di社長
 ビットバレー構想は一過性のお祭り騒ぎに終わった感も強い。だが大企業の有能な人材が独立したり、起業を志向する大学生が増えたりと、日本の人材を流動化させる功績はあった。それらの人材がヤフーやミクシィなど、現在の有力ネット企業で中核的な役割を果たしている例は多い。
 もっとも当時はネットベンチャーであれば無条件に億円単位のカネを投資してしまう上場企業系ベンチャーキャピタル(VC)が目立った。これで資本市場の規律は崩壊。知恵も技術もない自称「起業家」の横行を招いた。
 創業期にいかに現実的かつ大きなビジョンを描けるかでその会社の将来のスケールが決まる。その段階で起業家と投資家が知恵を絞り合う習慣を根づかせることが、日本で起業の成功事例を増やす王道だと思う。



ノーベル賞と科学政策 政府に喜ぶ資格はない 
 生きものがつくる物質(有機物)を人間はつくれないと、昔は考えられていた。
 この「常識」を打破したのはドイツの化学者、ヴェーラー。1828年に腎臓でつくられる尿素をフラスコの中で合成した。尿素は今では保湿クリームなどに使われる身近な存在だ。
 これを皮切りに、有機物をつくる技術(有機合成)が飛躍的に進歩した。染料やゴム、樹脂など様々な素材が工場で大量につくれるようになった。
 ノーベル化学賞が決まった根岸英一、鈴木章教授が手掛けた「クロス・カップリング反応」は、有機合成の中で最も汎用的、かつ精妙な手法だという。医薬品や液晶など現代の生活を支える大切なたくさんの材料の効率的な製造を可能にした。
 2人の受賞で、化学への関心が高まり、化学の道を志す若者が増えれば、うれしいことだ。
 米国籍の物理学者、南部陽一郎氏を入れれば、これで2000年以降に10人の日本人がノーベル賞を獲得することになる。
 そのお祝いムードに水を差すわけではないが、やはり気になることがある。受賞対象の成果が1980年代以前のものばかりであることだ。
 発見がきちんと実証され、世の中の役に立つ実績があがってからでないと、ノーベル賞の対象にならないから、時間がかかるのは当然である。そんな説明にも一理あるが、例えば、今年の物理学賞をみてみよう。
 「グラフェン」という炭素材料の開発で英大学の2人が受賞した。その成果が世に出たのは04年。6年前だ。2人の年齢も51歳と36歳と若い。
 日本人の受賞が遅いと、あげつらっているのではない。70~80年代にすでに日本の科学は高い水準にあったということだ。多くの科学者が海外に留学し、帰国した人も、しなかった人も世界を先導する研究をした。
 物理学について言えば、このころは今より質の高い論文が出ていたらしい。論文引用の統計的な分析で、そんな結果を聞いたことがある。
 政府は95年から「科学技術創造立国」という旗印を立てて、5年ごとの計画に基づき、科学技術予算を増やしてきた。「今後50年間で30人のノーベル賞受賞者を輩出する」目標を掲げようとの勇ましい主張もあった。
 2000年以降10人の受賞者は、政府の計画とは無関係に輩出した。政府の科学技術への予算増強策が真に効果をあげていたなら、受賞者はもう少し多くなければならないはずだ。
 ところが、今、耳にするのはこんな声ばかり。「論文の質・量ともに低下が心配される」「大学院に進学する学生の質が下がり手がかかる」「短期的成果を求められるので腰を据えた研究ができない」……。
 これは政策が間違っていたのではないか。研究費の配分の仕方や研究環境の整え方に問題があり、研究人材や資金をうまく使っていない。
 言い換えれば、研究予算を組む役所、大学や国の研究機関のトップ、影響力のある教授たちの責任である。ノーベル賞受賞を快挙だと喜ぶ資格は、この人たちにはない。次の10年に10人以上の受賞者が現れたときに喜ぶべきだろう。
 鈴木教授は14日、民主党の会議に出席し「資源のない日本では知識が国を支える。研究には長い時間がかかり長い目でみてほしい」という意味の発言をした。その通りだと思う。
 研究には、すぐにでも産業界で役に立つものもあれば、いずれは必ず役に立てようと時間をかけて取り組む「基礎研究」もある。また、素粒子の研究や純粋数学など、何かの役に立つことより知的な関心が先立って取り組む研究もある。
 日本の国の成長のためには、役に立つ研究を急ぐことが今、最も強く求められているが、大きな技術革新をもたらす発見は基礎研究から生まれる。
 どれも大事だが、どれにもふんだんに予算を付けられるほど、日本の財政に余裕はない。「役に立つ研究か、基礎研究か」ではなく、それぞれの分野で何を急ぐべきかを、選択しなければならない。
 すべての大学で、世界と競う先端研究ができるほど資金を厚く配分できない。研究型や教育型など役割を分担し個性を競うべきだろう。人口が減るなか、統合や集約も必要だ。
 科学技術政策の司令塔である内閣府・総合科学技術会議では、11年スタートの第4期科学技術基本計画を練っているが、原案をみると、あれも、これもの感は否めない。会議の名を「科学技術イノベーション戦略本部」などと改称するくらいでは何も変わらない。



トヨタの軽自動車本格参入  販売チャンネル統廃合が見え隠れ
ダイハツ工業からOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受け、軽自動車販売に本格参入するトヨタ自動車。2011年秋から全国のカローラ店とネッツ店および15県のトヨタ店とトヨペット店で軽自動車の取り扱いを開始する。
軽自動車と客層が重なる小型車が充実しているカローラ店とネッツ店では軽販売によるメリットも大きい。一方、高級車を揃えるトヨタ店、トヨペット店にとって軽販売がもたらす効果は未知数だ。今回の軽販売に伴うトヨタの決定の裏側には、今後の国内販売の方向性を示す「ある意図」が隠されているように見える。
軽を販売する15県の選定理由とは
カローラ店とネッツ店以外に来秋から軽自動車を販売するのは、四国全県と福岡を除く九州全県、青森、秋田、鳥取、島根、沖縄の計15県に位置するトヨタ店とトヨペット店。15県の選定理由としてトヨタは「2008年実績で軽自動車の販売比率が50%を超えている地域」と説明している。
しかし、厳密に各県の軽販売比率を見てみると、この15県のうち50%を超えているのは9県で、残り5県は40%台後半となっている。軽販売比率が40%台後半の県は、今回選定されなかった地域にも多数存在している。
なぜ、トヨタはこの15県選んだのか。
「四国全県」や「福岡を除く九州全県」といった選定方法から推測すると、これらは「地方部の同一商圏」と見ることができる。
内部では「チャンネル統廃合議論もされている」
つまり、今回の選定地域ではチャンネル間での営業拠点統合や併売車種の拡大に踏み切りやすい。このことから、トヨタは軽販売の本格参入を機にチャンネル統廃合のトライアル地域を選定したと見ることもできる。
現在、国内のトヨタ系列販売店は4チャンネル合計で5000拠点を超えている。新車市場が年々縮小しているなか「拠点数に余剰感がある」(トヨタ幹部)との認識はトヨタ内部にも広がっており、実際に「チャンネル統廃合の議論もされている」(トヨタ系列ディーラー)という。
今回の軽販売参入の背景には、トヨタが抱える最大の課題「4チャンネル体制の再編」が見え隠れしている。
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マイクロソフトによるアドビ買収話は仮に本当だとしたら賢明な判断か
 マイクロソフトがアドビを買収するのではないかと、もっぱらのうわさになっている。
 事の起こりは先だって、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOが部下を引き連れてシリコンバレーのアドビ本社を訪れ、シャンタヌ・ナラヤンCEOと1時間以上も話し込んだことにある。関係者から漏れ伝わった話として、買収話も含まれていたというのだ。
 もしもこの買収話が本当ならば、iPhoneやiPadで快進撃を続けるアップルに対抗する強力な包囲網が一夜にして出来上がることになる。
 いまさら指摘するまでもないが、アドビはここ数年、アップルの成功の陰で、苦難を強いられてきた企業のひとつだ。アップルはiPhoneやiPadからアドビの動画再生技術「フラッシュ」を閉め出している。
 アドビは長らくアップルと交渉を続けてきたが、4月にスティーブ・ジョブズ自らがオープンレター(公開書簡)でフラッシュをこき下ろすに至って、交渉は硬直化。何十年にもわたって共存関係にあったアドビとアップルは犬猿の仲に陥った。
フラッシュは、ウェブ上の動画や広告の制作に広く使われてきた。だが、iPhoneやiPadの人気を見て、アップルが採用する新しいHTML5へ移行する開発者も次第に増えている。
 さて、アップルの成功を面白く思っていなかったのは、マイクロソフトも同じだ。
 調査会社のガートナーは、2010年の世界のスマートフォン市場では、シンビアンOSが40.1%のシェアを占め、アンドロイドOS、ブラックベリーのRIM、アップルのiOSがそれぞれ15~18%で競り合う中、ウィンドウズ携帯は4.7%にとどまると予想している。特にアメリカでは、iOSとアンドロイドの一騎打ちばかりに注目が集まっている。
 スマートフォン、タブレットコンピュータと、アップルが発表する新しいタイプのデバイスが世間の興奮をかき立てる中で(またスマートフォン分野ではグーグルが中心となって開発を進めているアンドロイド携帯がiPhoneへ熾烈な競争を仕掛けている中で)、マイクロソフトの存在感は、お世辞にも高いとはいえない状況だ。
 もちろん、マイクロソフトもここにきて、ウィンドウズフォン7を搭載した新しいスマートフォン9機を発表。また、クリスマスまでに新型タブレットコンピュータを発表することも明らかにした。そこへ、インターネット上のマルチメディアツールを多数揃えたアドビを加えれば、勢いに弾みがつくのは確かだ。
 だが、仮にこの買収話が本当だとしても、中長期で見て、果たして賢明な判断なのだろうか。少なくとも筆者は確信を持てない。
 アップルはすでに「厳しすぎる」「わかりにくい」とされてきた開発者向けの開発基準を緩め始めている。その中には、フラッシュ解禁につながりそうな項目も含まれており、そうなればマイクロソフトもアドビも別のシナリオを描くことが可能なはずだ。
 また、そもそも開発者は新しい技術のHTML5に重心を移した方がいいという声もある。そして、多角的な製品構成を持つマイクロソフトは、アップルへの競争心にとらわれてフラッシュに執着するのではなく、もっと他の成長分野に投資すべきという見方もある。同社の検索エンジン「ビング」を始めとするウェブ技術やクラウドコンピューティングなどがそれだ。
 ところで、韓国のサムスン電子は近く、アップルに対抗して新しいタブレットコンピュータ「ギャラクシータブ」を発売する予定だが、同社はこれにフラッシュを搭載して、アップルとの違いを際立たせようとしている。
 仮にマイクロソフトがアドビを買収するとなると、買収額は現在の市場価値に基づくと日本円にして1兆円を超えると見られている。果たして、差異化に見合う金額なのだろうか。 



太陽電池先端品、シャープが量産 三洋は発電効率最高
 太陽電池大手が太陽光を高効率で電気に変える先端製品を相次ぎ実用化する。国内最大手のシャープは年内にも堺工場に数十億~100億円を投じ、年間20万キロワット規模の生産ラインを新設して量産する。三洋電機は発電効率が世界最高の製品を2011年2月に発売する。円高の長期化で生産を海外に移す動きも出ているが、両社は技術流出を防ぐためにも先端製品については国内での生産を優先。低価格を武器にシェアを高める海外勢に高性能品で対抗する。
 シャープが量産する新型電池は発電部分のセルにシリコンの結晶を使うタイプ。セルから電気を取り出す電極を、セルの表面ではなく裏面に付ける。太陽光が当たる面積を増やすことで、発電効率20%以上と従来に比べ2割ほど引き上げた。
 セルの裏面に電極を付ける新構造は米国の中堅メーカーが実用化しているが、日本勢で量産するのはシャープが初めて。当面は国内で住宅用などに出荷し、さらなる増産や輸出も検討する。
 シャープは10年度の太陽電池販売目標を前年度比52%増の120万キロワットに設定。今回の能力増強で年間生産能力は107万キロワットに増える。計画の達成に足りない分は外部調達で補う。11年度以降はイタリアの電力会社エネルなどと合弁で、普及タイプの電池をイタリアでも生産する計画だ。
 三洋電機が発売する新製品は、シリコンの結晶にシリコンの薄膜を重ねた「HIT」と呼ぶ独自構造のセルを使う。結晶と薄膜の境界面をなめらかにして、電気が通過する際のロスを少なくする技術を確立した。発電効率は従来に比べ0.5ポイント高い21.6%と米サンパワーの21.4%を上回り、6年ぶりに発電効率のトップを奪還する。
 島根三洋電機(島根県雲南市)や二色の浜工場(大阪府貝塚市)の既存ラインを改良して生産する。セルをハンガリーの工場に輸送して組み立て、11年2月にまず欧州で主に住宅用に出荷を始める。11年前半には滋賀工場(大津市)に組み立てラインを設置して国内でも発売する。
 11年度には新型セルを使う太陽電池を国内外合わせて約5万5000キロワット分販売。既存品を含む同年度の販売量は約60万キロワット分になる見通し。13年度にはパナソニックのプラズマパネル工場(兵庫県尼崎市)で発電効率23%のセルも生産を始める方針だ。
 シャープの世界シェアは首位だった04年の27.1%から09年は5.6%の3位に低下。三洋電機は04年が7位で09年は13位だった。新製品の投入で巻き返しを図る。



シャープの太陽電池事業、インフラ拡大で新ビジネス
 シャープが太陽電池事業で、製品の製造・販売だけに依存する収益構造からの脱却を進めている。22日に太陽光発電所の開発事業を手掛ける米社を最大約260億円で買収すると発表。発電所の建設や運営などインフラ事業を自ら手掛け、価格競争に巻き込まれないビジネスモデルの確立を目指す。
 買収するのは米リカレント・エナジー(カリフォルニア州)。投資ファンドを含むすべての出資者から買収の同意を得ており、年内に完全子会社にする。発電所用地の選定から資金調達、建設計画など多岐にわたるノウハウを取り込む狙い。
 リカレント社は米国やカナダ、欧州で合計200万キロワットに上る発電所の開発案件を抱えており、人事交流を通じた社員の「実地研修」なども期待できる。
 「太陽光発電所の建設や運営、建設資金の調達などトータルで提案する事業モデルを進める」。5月の経営戦略説明会で片山幹雄社長は太陽電池事業の戦略をこう説明した。タイで受注した世界最大級の太陽光発電所の建設や、7月にイタリアの電力会社エネルなどと合弁事業会社を設立した地中海沿岸での発電所建設計画もこの一貫だ。
 ただ、シャープはこれまで大規模発電所を建てたことも運営したこともない。電力会社であるエネルとの合弁は学習機会になり得るが、発電所の建設時期は「2016年末まで」で、時間がかかる。リカレント買収はインフラ事業の拡大を目指すシャープにとり大きな武器になる。
 シャープの太陽電池の世界シェアは漸減傾向で、09年は5.6%の3位。製品輸出ではマイナス要因の円高を買収案件の今回はうまく追い風とし、発電所建設などとの一体提案を進めることでシェア回復を目指す。
 だが、インフラ事業には米ファーストソーラーなども参入。新たな太陽電池の生産拠点も続々と立ち上がっている。競争が激化するなかで優位に立つための独自技術やサービスを打ち出す戦略性が、ますます重要になりそうだ。



東証の時価総額、世界2位から4位に後退 9月末
12年ぶりベスト3外れる
 上場企業の時価総額でみた世界の株式市場ランキングで、東京証券取引所が9月末に4位に後退、1998年から守ってきたベスト3の座を12年ぶりに明け渡した。8月末までは2位だったが、米ナスダック市場と英ロンドン証券取引所が9月に大きく伸び、小幅増にとどまった東証が抜かれた。円高やデフレを背景にした日本株の戻りの鈍さを反映している。
 世界の主要52市場が加盟する国際取引所連盟(WFE)は、各証券取引所の時価総額をドルベースで毎月集計している。東証の時価総額は9月末に円高の影響もあり、8月末比3%増え3兆4237億ドル(約280兆円)だった。これに対しナスダックは13%、ロンドン証取は10%それぞれ増え、東証を上回った。
 景気に敏感なハイテク株が多いナスダックや資源株の比率が高いロンドン証取には、先進国の金融緩和期待を背景に資金流入が続いている。一方、日本株は円高やデフレで企業業績の回復速度に減速懸念が出ており、上値の重さが目立つ。



日経社説
車生産の海外移転に政府は危機感を
 自動車の生産が海外に出て行く動きが止まらない。日産自動車が主力小型車の生産をタイに移したのに続き三菱自動車、スズキもタイやインドでの生産の開始・拡大を決めた。最大の製造業である自動車産業の動きに政府は危機感を持つべきだ。
 三菱自動車は2012年からタイ新工場で生産する小型車を日本にも輸出する。スズキはタイの新工場を東南アジアへの輸出拠点とする。
 生産移転先として人気のあるタイは、燃費の良い車を生産する企業に8年間も法人税を免除するなど自動車産業の誘致に積極的だ。しかも東南アジア諸国連合(ASEAN)の域内や豪州と自由貿易協定(FTA)を結んでおり、これら地域への輸出拠点としても魅力がある。
 対照的に日本は「世界で最も立地しにくい国」との声が増えてきた。人口減少で国内市場は縮小に向かい法人税が世界最高水準だ。FTAも経済連携協定(EPA)も近隣諸国に出遅れ、労働規制は強まる方向。それに加え昨今の円高である。
 11社ある日本の完成車メーカーの海外生産規模は3年前に、国内の生産を上回った。それを加速したのは部品メーカーの海外進出だった。中国や東南アジアで現地調達率が9割に達するメーカーが珍しくなくなり、どこでも車を生産し輸出できる態勢ができあがろうとしている。
 自動車は大きな資本設備が要るので、繊維や家電に比べ海外生産で遅れたが、ここまで来た。それは製造業全体の行方を示唆している。
 市場が新興国で拡大する以上、自動車など製造業が海外に出る流れは止められない。だが貿易自由化や税制、労働規制の見直しを進めなければ、中高級車など付加価値の大きい製品も生産が海外に移り、給料のよい仕事が大幅に減る恐れがある。
 まず法人実効税率の引き下げや、経済連携協定の拡大を進める必要がある。自動車生産の海外移転は今後2~3年で200万台規模(年産)にも達するとみられており、連携協定や法人税減税は急を要する。
 一方、国内にぜひ残したいのは開発機能だ。日産は研究開発の一部も国外に移しつつある。それでも環境規制への対応など日本でしかできない分野が多く、国内の研究開発要員は減らしていない。
 試作ラインを立ち上げ、そこで得た成果を研究開発に生かす「マザー工場」などは日本の得意分野だ。それを国内で続けやすくする税制や規制緩和も要るだろう。製造業の未来を暗示する、自動車業界の動きに民主党政権は敏感であってほしい。
SNS戦国時代の幕を切って落とす“銃弾”となるか?
アップルが参入した新サービス「Ping」の潜在力
 アップルがこの9月に発表したSNSサービス「Ping」は、SNS業界の勢力図を大きく塗り替えることになるかもしれない。
 正直言って、なぜアップルが今頃参入してきたのか、疑問に感じたユーザーも多いに違いない。だがPingは、従来のSNSとは大きく異なる。ブラウザではなく「iTunes」というプラットフォームを使用することで、コミュニケーションと楽曲販売とを直結させているのである。初めにコミュニケーションありきのSNSではないのだ。
 Pingの活用法は、大きく2つある。1つは好きなアーティストをフォローして、アルバムの制作状況やツアー情報などをほぼリアルタイムで知ることができる点。もう1つは、自身のプロフィールページを作成、公開して、他のユーザーとのコミュニケーションを図ることだ。
 とりわけPingがその真価を発揮するのは、iPhoneやiPod touchで使うケースだろう。両端末から利用すると、コミュニケーションから楽曲の購入、再生までを実にスムーズに行なうことができる。
 さながら、「楽曲購入可能なツイッター」というイメージだろうか。ユーザー同士でのコミュニケーションを通じて、未知の楽曲を発見するという愉しみが新たに増えたぶん、購入までの敷居が一層低くなったと言える。
 今回のiOSのアップデートでは、Pingの他にソーシャルゲーム機能「Game Center」も追加された。アップルは、iTunesを軸としたユーザーのソーシャル化を進めていると考えてよいだろう。その先にはもちろん、総ユーザー数5億人を超えるといわれる世界最大のSNS「facebook」の存在がある。その牙城に迫ることができるのか、今後注目されるところだ。
 翻って、日本の現状に目を向けてみると、Pingが広く浸透していく可能性は十分にある。日本における「facebook」のユーザー数は10万人程度と言われており、それほど多くない。
 一方のアップルは、公にはされていないものの、iPhoneの国内販売台数だけで200万台とも300万台とも言われている。これにiPodなどの利用者も加えれば、iTunesの国内ユーザー数は、計り知れない。
 また、国内最大手であるmixiの音楽共有サービス「mixiミュージック」が、昨年末に撤退している点も大きい。「マイスペース」などのように、音楽をメインにしたSNSも存在するが、すでにmixiを利用しているユーザーにとって、複数のSNSに参加するのは案外と億劫なものである。
 そう考えると、iTunesというすでに慣れ親しんだアプリケーションからシームレスにSNSに参加できる点は、大きなアドバンテージと考えられる。多くのユーザーは、音楽を介したコミュニケーションを欲していないわけではないのだ。
 正直なところ、まだまだ使い勝手がよいとは言えないところではあるが、その可能性はおおいに期待できる。「Ping」とは英語で、銃弾などが飛ぶ音を表す擬声語。アップルの放った弾丸は、果たしてSNS業界へどのような波紋を投げかけるのか、刮目して待ちたい。



次々世代Android は "Honeycomb "、Android 4.0は「アイスクリーム」
 猛烈な勢いで進化を続ける Android OS のロードマップの話題。ARMのプレジデント Tudor Brown 氏が Forbes に語ったところでは、Android 4.0は「 Ice Cream 」と呼ばれることになるようだ。最近やっとアップデートがはじまったばかりの現行最新版は 2.2 " Froyo "。いきなり 4.0 の話をされても戸惑いますが、おそらく 3.0になる次期バージョンが " Gingerbread "、さらにその次 (3.x) が " Honeycomb " (ハニカム) になることまではGoogleも公式に認めている。
 " Gingerbread "のコードネームが発覚したのは今年2月にカーネル開発者の発言から、" Honeycomb "の名が初めて一般に知られるようになったのはサムスンの関係者が将来の Galaxy Tab への採用をほのめかしたことから。Googleは「アイスクリーム」についてコメントしていませんが、"G" も "H" も正式発表を待たずになんとなく漏れたこと、また ARMは「世界の携帯電話の95%」(Brown氏) という圧倒的なシェアを持つ最重要パートナーであることから、発言にはそれなりに重みがある。また代々アルファベット順にデザートの名前を採用しているAndroidとして、G・Hに続く " I " がアイスクリームはいかにもありそうだ。
 コードネーム以上の具体的な中身については諸説ありはっきりしていないものの、スマートフォンでは大手の LG がタブレットについては Froyo をスキップして よりタブレット向きの " Honeycomb "を待つと語っていること、サムスンも2011年の次世代製品では Honeycombの採用を予告しており、タブレット向きの最適化があることは確実だ。Googleみずからも " Froyo "はもともとスマートフォン向けでタブレットに最適化されていないと認めている。そのさらに先の アイスクリームに至っては、ゲーム機に最適化されるかロボットに最適化されるか分かったものではない。リリース時期については、各パートナー企業関係者や開発者の発言などから推測するかぎり、次のGingerbreadが比較的早い時期 (年内?)、Honeycombは2011年前半、4.0 Ice Creamはおそらく 2011年の半ば以降。アイスクリームが正解かどうかはGoogleの回答待ちとして、次の名前予想は " J " で始まるスイーツだ。



映画流出、PCへのダウンロード自体も立件
 インターネットのファイル共有ソフトを使い、映画を流出させたとして著作権法違反(公衆送信権侵害)容疑で逮捕された男について、京都府警が、流出目的で映画のファイルをパソコンにダウンロードした行為についても、同法違反(複製権侵害)容疑で追送検したことがわかった。
 府警によると、ファイルの流出行為だけではなく、パソコンに取り込む行為まで立件されるのは全国初で、府警は「入手行為だけでも違法性が問われると警鐘を鳴らしたい」としている。
 府警によると、男は茨城県日立市鮎川町、ホテル従業員・重川裕二容疑者(37)。重川容疑者は今年4月、日本公開前の米映画を「Winny(ウィニー)」を使って流出させたとして9月27日に逮捕された。
 ウィニーなどで著作権が侵害される問題を巡って警察当局は従来、ファイルを入手する行為よりも流出元を悪質とみて公衆送信権侵害容疑での摘発を進めてきた。
 しかし、こうした行為が後を絶たないのは、ダウンロードする利用者が多い現状があるためで、利用者のモラルも問題となっていた。



イヤホンして自転車禁止です…34都道府県
 イヤホンやヘッドホンで音楽などを聞きながら自転車などを運転することについて、東京や大阪、福岡など34都道府県が、公安委員会規則などで禁止していることが、読売新聞の全国調査で明らかになった。
 事故の危険性を懸念する住民からの要望などを踏まえ、過半数の18府県がこの3年間で規則を設けていた。
 交通ルールやマナーなどを定めた「交通の方法に関する教則」が2008年に一部改正され、自転車を運転しながらの携帯電話やヘッドホンの使用について利用者にやめるよう呼びかけており、改正を受けたケースも多いとみられる。
 現在、道路交通法の本則では自転車の「聞きながら運転」を禁止していない。
 しかし、都道府県の公安委員会は、道交法に基づき、地域の交通事情に応じて施行細則などで規制内容を定めることが可能で、独自に都道府県が禁止の条項を設けている。
 条例で定めている京都府を除き、違反した場合は、5万円以下の罰金が科せられる。
 自転車の「聞きながら運転」による事故の統計はないが、今年9月には、埼玉県内の踏切で、イヤホンを着けて自転車に乗っていた大学生が電車の接近に気付かずにはねられて一時重体となる事故も起きている。



近鉄 平成24年春までに車両数1割削減へ
 近畿日本鉄道が平成24年春までに、2000両近い保有車両を約1割減らす方向で検討していることが16日、分かった。24年春にダイヤを大幅に改正し、準急を中心に運転本数を減らす一方で、急行の停車駅数を増やして利用者利便を確保するほか、特急料金に割引制度も検討する。近鉄が車両数や運転本数を大幅に減らすのは戦後初めてとなる。
 近鉄は今後、老朽化した車両を中心に順次廃棄していく。地域や時間帯によっては運転本数を減らさずに編成車両数を減らすことも検討するが、準急の本数は大幅に減り、その分を急行などでカバーする方向だ。
 特急の本数については増減を含めて未定だが、特急料金に早朝割引や早期購入による割引制度を設けて利用しやすくする。
 近鉄の輸送人員は平成22年3月期で約5億7000万人。ピーク時の4年3月期(約8億人)に比べて約3割減ったものの、「車両数や運転本数はほぼそのまま」(同社)で、抜本的な対策が求められていた。
 通学、通勤客の減少につながる少子高齢化で輸送人員が減少に向かう中、すでに、地方の鉄道会社では平日の昼間や休日を中心に運転本数を減らす動きが広がっている。



【東京新聞社説】
イラン油田撤退 資源戦略の練り直しを
2010年10月16日
 イランのアザデガン油田から日本も全面撤退する。核疑惑をめぐる対イラン制裁に強硬姿勢を崩さぬ米国に押し切られての決断だ。新たな日の丸油田獲得など、資源外交の練り直しが欠かせない。
 「政治的な要請であり、残念だが仕方ない」。石油業界の関係者は、埋蔵量二百六十億バレルに上る世界最大級のアザデガン油田の権益喪失に落胆の表情を隠さない。
 日本政府が筆頭株主の国際石油開発帝石がイランと開発契約を結んだのは二〇〇四年。サウジアラビアとクウェートにまたがるカフジ油田の権益更新に失敗し、それに代わる日の丸油田だっただけに落胆するのも無理はない。
 日本は〇六年にも国際社会の圧力にさらされ、アザデガン油田の75%の権益を10%に縮小して開発主導権を手放している。無資源国であるがゆえに、米国と一線を画したイランとの友好関係にこだわり続けたが、それを許容するほど米国は寛大ではなかった。
 既にロイヤル・ダッチ・シェルなどの欧州勢が撤退し、菅政権も対イラン追加制裁を決めている。いくら資源を渇望しても、日本は非核から目をそらせない。撤退はやむを得ないと言うべきだ。
 しかし、今回の撤退を軽く見るべきではない。日本が手放した権益は、世界で資源を買いあさる中国が取って代わる。もはや埋蔵量世界三位のイランで権益の回復は難しい。日本が自らの手で開発し、安定供給をもたらす新たな日の丸油田をいかに増やしていくか。これこそが資源小国・日本に突きつけられた課題だ。
 先月、日本は中東のカタールと共同声明を発表し、カタールは原油などの対日供給を、日本は開発投資の拡大を約束した。ロシアはサハリン3の油田、ガス田の開発で日本企業に投資を促している。
 日本の輸入量に占める日の丸原油などの割合は23%、これを三〇年までに40%へ引き上げる。この政府目標を実現するには、安全保障も含めたリスクを回避し、一歩ずつ着実に進む以外にない。
 今や中東の産油国ですら太陽光発電など脱化石燃料を目指す時代に入った。得意の省エネ技術支援などを組み合わせた調達先拡大の道も探るべきだ。
 レアアースの九割を中国に依存する日本は、中国の一方的な輸出削減で輸入先の分散化に迫られた。原油についても、この教訓を生かし、世界の産油国から広く確保する新たな戦略を築くときだ。
書籍、コミックなど10万点 KDDI、12月にも電子書店
 KDDIは15日、書籍やコミックなどをそろえた「電子書店」を12月にも開設する方針を明らかにした。同社は7月、ソニーや凸版印刷などと電子書籍配信のプラットホーム(流通基盤)の構築・運営に向けた準備会社を設立。このプラットホームを活用し、書店開設時に約10万点の品ぞろえを目指す。
 電子書店の名称には、au携帯電話やパソコンで音楽を聴いたり動画を視聴できるサービス「リスモ」のブランドを冠する方向。代金は毎月の通信料金に上乗せして請求する。開設に合わせ、電子書籍専用端末も発売する見通しだ。
 KDDIは、書籍などのダウンロード時のデータ通信収入が得られる。注目度の高い電子書籍事業を通じて、auの契約数拡大につなげる狙いもある。
 携帯電話業界では、NTTドコモが大日本印刷と電子書籍事業で提携、一部のスマートフォン向けに今月下旬から試行サービスを提供し、年明けから本格展開する。
 ソフトバンクも、米アップルの多機能情報端末「iPad(アイパッド)」などに向けて新聞や雑誌などを配信するサービスを展開している。



フォード、マツダ株売却へ 筆頭株主を外れる
マツダ、三井住友銀や住商に取得要請
 米フォード・モーターは保有するマツダの株式を売却する方針を固めた。マツダを通じて三井住友銀行や住友商事などに株式買い取りを要請した。フォードの出資比率は現在の11%から3%以下に下がり、1979年から続いたマツダの筆頭株主から降りる。日米市場が減速する中、米大手と進めてきた日本の自動車メーカーの提携戦略は大きな転換点を迎える。中国など成長市場での事業拡大に向け、新たな自動車再編の動きが加速しそうだ。
 フォードとマツダが15日までにマツダ株売却で大筋合意した。フォードは現在、マツダの発行済み株式の11%にあたる約1億9500万株を保有。15日終値ベースで約420億円の価値がある。事業提携を継続するためにフォードは3%前後を上限にマツダ株の保有を続ける方向だが、経営面の関与は薄れる。
 引受先には主取引銀行の三井住友銀やマツダの株主で事業面でつながりが深い住商など住友グループの主要企業のほか、取引先の部品メーカーなどを想定。1社あたりの取得比率は1%前後に抑える意向で、要請を始めた。月内にも引受先の承認を取り付け、11月中の正式決定を目指す。
 三井住友銀のマツダへの出資比率は現在、2.9%。同行がマツダ株の追加取得に応じれば、フォードの出資比率を上回ることになる。
 フォードは79年にマツダに25%出資し筆頭株主になった。マツダが経営不振に陥った96年に出資比率を33.4%に高めて経営権を取得した。2008年の金融危機を受けフォードが保有株を一部売却。マツダの増資もあり出資比率は11%に低下したものの、筆頭株主にとどまっていた。
 日米自動車大手は日本でモータリゼーションが本格化した70年代に相次ぎ提携した。フォードにゼネラル・モーターズ(GM)、クライスラーを加えた米大手3社がいずれも日本企業に出資。84年にはGMとトヨタが米国で乗用車の合弁生産を始めるなど関係強化の動きが続いた。だが近年はGMが富士重工業やいすゞ自動車、スズキとの資本提携を解消、トヨタとの米合弁も清算した。
 自動車各社の主戦場が「新興国市場」と「環境技術」にシフトする中、得意とする市場や技術を補完する形で提携戦略も変化。スズキと独フォルクスワーゲン(VW)、三菱自動車と仏プジョーシトロエングループ(PSA)が組むなど新たな提携を模索する動きが広がっている。



マツダ、新たな提携模索も 新興国の開拓急ぐ
 米フォード・モーターがマツダ株を売却する方針を固めた。世界的にみて事業規模の小さなマツダが単独で生き残るのは難しい。すでに巨額の開発資金が必要な環境技術ではトヨタ自動車に協力を求めるなど、「脱フォード」に向け戦略を軌道修正している。新興国など海外市場を開拓し、成長を加速するため新たな提携先を探す可能性があり、業界再編の呼び水になりそうだ。
 フォードは2006年に社長に就任したアラン・ムラーリー氏が「一つのフォード」を掲げ主要ブランドを次々と売却、「選択と集中」を進めてきた。リーマン・ショック直後の08年11月にはマツダ株の一部を売却し、出資比率を33.4%から13.8%に引き下げた。今回、筆頭株主から降りることで一連のブランド売却にメドをつける。
 フォードの路線変更を受け、マツダはすでに独力経営に軸足を移している。まずリーマン・ショックで機能不全に陥るリスクが高まった自動車ローンなどの金融事業を、フォードから切り離して独自で運営する体制に切り替えた。
 開発面では11年に実用化する低燃費型エンジンや軽量車台はフォードと共有しないことを決めている。これまではフォードとの共有化でコストを削減していたが、マツダの大型~小型車の間で共通化できるよう部品の基本設計を抜本的に見直した。15年までに大半の主力車に展開することで「フォードと協力するのと同等のコスト削減効果が見込める」(マツダ首脳)という。
 課題は海外事業だ。マツダが米国、タイ、中国に展開している海外工場はすべてフォードとの合弁で運営している。まずは急成長を続ける中国で、フォードと合弁事業を分割する計画だ。フォードもタイで初の単独工場の建設に着手したほか、中国でも自力で増産するなど、新興国市場では互いに別々の路線を歩み始めている。
 マツダは当面、国内外の既存工場の能力をフル活用し、15年度の世界販売台数を10年度計画比で3割強増の170万台に引き上げる計画だ。
 それでも世界の自動車メーカーでみれば、第10位前後に位置するイタリア・フィアット(09年約250万台)にも及ばない。環境技術の開発費用が膨らむなか、海外事業を加速するにはフォードに代わる提携先が必要になりそう。小型車の開発ノウハウに定評があるマツダがどこと手を組むか、注目される。



Android 3.0が間もなく登場?
 Android 3.0「Gingerbread」のSDKが来週リリースされるとうわさされている。同バージョンにはテレビ電話機能が搭載されるほか、ユーザーインタフェースも改良されてスキンが不要になり、ゲームパフォーマンスも向上すると言われている。また現バージョンのAndroid 2.2はタブレットに最適化されていないが、Gingerbreadはタブレットに適したものになるという。
 Gingerbreadは既にフィールドテストに入っているようで、TweetDeckの解析データには同OSからのアクセスが記録されている。またMotorolaは、GingerbreadとデュアルコアTegra2を搭載したDROIDシリーズの端末(コードネーム:Terminator)を開発しており、来年初めに発売すると伝えられている。



タブレット型多機能端末の競争激化 台湾ASUSも日本に製品投入 
 【台北=森川潤】パソコン世界5位の台湾メーカー「アスーステック・コンピューター(華碩電脳)」は15日、電子書籍などに対応したタブレット型の多機能端末「EeePad(イーパッド)」を来年初頭にも日本に投入する方針を明らかにした。
 電子書籍の本格普及を前に、多機能端末では、先行する米アップルの「iPad(アイパッド)」のほか、シャープや韓国サムスン電子が日本での発売を予定している。アスースの本格参戦で、日本市場を舞台にした各社の競争は激しさを増しそうだ。
 新端末は、米マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズ7」が搭載される見通し。液晶画面にLED(発光ダイオード)を使用しているほか、タッチパネル式端末にキーボードを装着してノートパソコン型にすることもできる。
 サイズや仕様は「日本市場に適したものを考えている」(担当者)。価格は400ドル(3万2千円)前後を検討中で、同容量のアイパッドと比べると2割以上の安くなる見通し。
 米調査会社によると、アスースの今年4~6月期の出荷台数は、前年同期比で8割近く増加。同じ台湾のエイサーとともに高い伸び率で日本メーカーを抜き、世界5位のシェアとなった。



パナソニックの新ゲーム機に衝撃
 パナソニックのグループ会社が開発した新携帯ゲーム機『The Jungle』が、ネットを賑わせている。詳細な情報はまだ公開されていないが、英語のプロモーション用ウェブサイトに掲載されている情報によると、主に多人数同時参加型のオンラインゲームに特化しており、開閉型の本体にタッチパネルとキーボードを搭載しているとのこと。どのような形でソフトが供給されるかは不明だが、インターネットに接続してプレイすることは間違いなさそうだ。
 ニンテンドーDSやPSPといった既存の携帯ゲーム機とは、ちょっぴり趣向の異なる『The Jungle』に対して、ネット上のゲームファンたちはどんな意見を持っているのだろうか。
「ワンダースワン以来のときめきを感じる。早くだせ」
「無骨なデザインだな。コントローラ部の厚みで、グリップ感はよさそうだ」
「どうしよう、写真見れば見るほど欲しくなってきた」
などと、すでに物欲を刺激されているネットユーザーがいる一方で、
「これはまた、思わぬところから伏兵が現れたなw」
「パナソニックは独特すぎる」
と、DSやPSPがすでに普及している現状で、オンラインゲームに特化したという独特のスタンスに驚く声も少なくなかった。
 パナソニック(当時の松下電器産業)は1994年、セガサターンやプレイステーションが発売される約半年前に32ビットゲーム機の先駆的存在である『3DO REAL』を日本国内で発売しているが、大きく普及するまでには至らなかったという経緯がある。『The Jungle』は大ヒットゲーム機となるのか、注目が集まるところだ。



日経社説
新興市場を活性化する一歩に
 大阪証券取引所傘下の新興企業向け市場、ジャスダックとヘラクレスが12日に統合され「新ジャスダック」が発足した。同市場の上場企業数は1005社と、アジア最大の韓国の新興市場に肩を並べた。
 大証は2008年に新興市場を活性化するため、証券会社の業界団体からジャスダックを買収した。その後、もとから傘下に持つヘラクレスと取引システムの統一を進めた。
 狙いどおりに投資を呼び込むことができれば、若い企業の上場が後押しされ、産業の新陳代謝が進むことにもつながる。
 だが、現状は厳しい。新規上場数は、全国の証券取引所を合計しても06年の188社から減り、今年は25社程度にとどまる見通しだ。
 大証は地方都市でのセミナー開催などを通じて、上場を希望する企業の誘致に乗り出す。韓国などの証券取引所と情報交換で提携し、アジア企業の発掘も視野に入れる。
 とはいえ、新規上場が低迷する背景には、証券取引所の営業努力だけでは解決できない問題も多い。
 その最たるものは、東京証券取引所の新興市場に上場していたライブドアが06年に粉飾決算で上場廃止になった事件の後遺症などで、市場への不信が続いていることだ。売上高の大半が架空と判明し、今年6月に上場廃止になった企業もあった。
 相次ぐ不祥事により投資家が不信感を強め、新興市場に流れるお金は細った。現在の1日の平均売買代金は、最も取引が活発だった06年初めの約18分の1。これでは企業の上場意欲も冷えてしまう。
 投資家が安心して新興市場に投資できるようになるには、企業を監査する会計事務所や、上場計画を助言する証券会社の責任も重い。
 上場を目指すベンチャー企業を支援する投資も減っている。09年度の投資額は08年度より40%少なかった。個人が未上場企業への投資額を所得から控除できる税制のなかで「設立3年未満の企業に限る」といった制限を緩め、若い企業にお金を回しやすくしたい。
 アジア市場に直接上場を検討する日本企業も増えた。新ジャスダックの誕生をきっかけに、日本の新興市場の立て直しを急ぐべきだ。
ソニー、止血した携帯電話事業の次の手は
 「エリクソンの最高経営責任者(CEO)がソニーとの合弁を肯定」。9月、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)はこんなタイトルの記事を載せた。スウェーデンの通信機器会社、エリクソンはソニーと折半出資の英合弁会社「ソニー・エリクソン」を通じ、携帯電話事業を展開している。「我々はソニー・エリクソンにコミットしている」。エリクソンのハンス・ベストバーグCEOは同紙のインタビューで現状の合弁形態維持を強調している。
 ソニーとエリクソンの合弁会社の先行きに注目が集まるのは、両社が合弁を解消するなど出資形態が変わるのではないかと見られているからだ。ソニー・エリクソンは2001年設立。かつては好業績を挙げたが、フィンランド・ノキアや韓国・サムスン電子などに差を付けられている。スマートフォン(高機能携帯電話)ブームなど競争が激化しているのに、折半出資の合弁会社でスピード感のある事業展開ができるのか――。こんな疑問が背景にある。
 ソニー・エリクソンの足元の業績は一時よりは改善している。15日午後2時(日本時間)に2010年7~9月期決算を発表するが、全体の端末販売台数は伸び悩むものの、スマートフォン「エクスペリア」の販売強化により平均単価が底堅く推移。開発費などの効率化も進み、3四半期連続で営業黒字を確保したようだ。株式市場ではソニーの持ち分法投資利益ベースで50億円前後を予想する向きが多い。
 韓国勢などとの競争激化を受け、ソニー・エリクソンが業績不振に陥ったのは08年以降。3度に渡って構造改革を発表し、累計で8億8000万ユーロのコストを削減した。全体の3割強にあたる4000人の従業員を減らしたほか、開発拠点も10カ所から4カ所に集約。商品も絞り込んだ。ソニーも10年3月期にソニー・エリクソンの借入金187億円を保証するなど支援してきた。
 ソニーにとって、ソニー・エリクソンを持ち分法投資利益ベースで11年3月期に3期ぶりで黒字化させるのが必達目標。足元ではその目標に向けて順調に進んでいるといえる。今期の持ち分法投資損益は200億円前後の黒字(前期は345億円の赤字)となる可能性もある。だが、かつて10%弱あったソニー・エリクソンの世界シェアは4%程度。「止血」には成功しても、成長戦略を描くまでには至っていない。
 5日、東京・六本木で開かれたNTTドコモの新商品発表会。「ギャラクシーSは全世界で非常に高く評価されている。きれいで使いやすく、高機能だ」。10月下旬にドコモから発売するサムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーS」に対し、ドコモの山田隆持社長は手放しで褒めて見せた。
 ギャラクシーSはグーグルの携帯電話向け最新OS「アンドロイド2.2」を搭載。すでに世界で500万台以上を販売しており、2秒あたり1台のペースで売れているという。これに対し、ソニー・エリクソンのエクスペリアは「アンドロイド1.6」。アンドロイドOSのバージョンは開発力の目安の1つとされ、アナリストからも注目されている。エクスペリアはこれまで米アップルの「iPhone」の国内唯一の対抗馬だったが、販売苦戦を予想する声も聞かれる。
 携帯端末の競争の主戦場となっている「プラットホーム戦略」では、アップル優位が鮮明だ。各社は自社の端末を使ってプラットホームを構築し、インターネットを通じサービスを提供する戦略を展開する。クレディ・スイス証券によると、運営するアプリケーションストアのアプリケーション提供数はアップルが22万5000件なのに対し、ソニー・エリクソンは3700件。アップルは豊富なアプリをそろえて利便性を高め、自社のプラットホームに顧客を囲い込みつつある。プラットホーム戦略はいったん出遅れると、巻き返すのが容易ではない。
 すでに市場関係者の間では、ソニー・エリクソンへの関心が薄れつつある。スマートフォンを中心に競争が激化するなかでソニー・エリクソンがシェアを大きく伸ばすのは当面、難しいだろうと見ているからだ。これまでの構造改革が奏功し、黒字体質が定着してきたこともソニーの業績を見るうえで安心感を誘っている。
 だが、ソニーにとって本来、ソニー・エリクソンの存在は小さくないはずだ。ソニー・エリクソンはソニーの持ち分法適用会社だが、連結業績への影響が大きかったため、同社の持ち分法投資損益をソニーは営業利益に算入した経緯がある。08年3月期のソニー・エリクソンの持ち分法投資利益は795億円で、ソニーの連結営業利益(4752億円)の17%を占めた。それが前期は345億円の持ち分法投資損失となり、ソニーの連結営業利益(317億円)を押し下げている。
 ソニーの成長戦略から見ても、ソニー・エリクソンの携帯電話事業は欠かせない領域だ。ソニーは昨年11月に開いた経営方針説明会で、成長戦略の柱にネットワークサービス事業を掲げ、同事業で13年3月期までに年間3000億円規模の売上高を目指すと表明している。その具体策として、ソニー・エリクソンとの連携強化もうたっている。もし成長戦略を推し進めるうえで、ソニー・エリクソンの資本形態が障害になっているならば、思い切って見直すべきだろう。
 ソニーは「ウォークマン」などモバイル機器で数々のヒットを出した歴史があり、ソニーブランドの中核分野だ。株価がPBR(株価純資産倍率)で解散価値である1倍割れの状況から抜け出すには、割安状態の解消を加速させるカタリスト(触媒)が必要。成長への布石となる施策が待ち望まれる。



KDDIとSkypeに提携報道--携帯キャリア3社の反応
 日本経済新聞(電子版)によると、KDDIとSkype Technologiesが提携する。KDDIは取材に対し、「(日経新聞の報道は)KDDIが発表した情報ではない」とコメント。ただし、10月18日に開催予定の記者会見で提携が正式発表されることには含みをもたせた回答をしている。
 日経新聞によれば、この提携はKDDIが11月下旬以降に発売予定のAndroidスマートフォン「IS03」をはじめとするスマートフォンに、基本的に無料で通話できるインターネット電話サービス「Skype」の専用アプリを配信する内容。専用アプリは、ネット回線ではなくKDDIの携帯電話回線を利用し、無料で提供するかは検討中という。
 Skypeへの対応について、NTTドコモは取材に対し、これまでもスマートフォン向けの料金プランで特定アプリのプロトコルを規制しておらず、Skypeも恐らく利用可能であるとした。ただし、データカード向けの定額データプランではVoIPを規制しているとのことだ。
 また、ソフトバンクモバイルが擁するiPhoneでは、すでにSkypeを利用することができる。ソフトバンクモバイルでは、KDDIの正式発表前の段階であるため、Skypeへの今後の対応については「現時点で具体的な動きはない」とコメントしている。



国内スマートフォン市場、14年度に4倍増 通信料狙い各社が強化
 国内のスマートフォン(高機能携帯電話)市場が2014年度に09年度の4倍の3750億円に拡大するとの調査結果を、富士キメラ総研がまとめた。ブロードバンド(高速大容量)通信の中核である光サービスは約8割増の1兆4800億円に、それぞれ拡大すると予測している。
 国内スマートフォン市場は、ソフトバンクモバイルが、08年に発売した米アップルの「アイフォーン」の大ヒットで急成長。NTTドコモやKDDI(au)も品ぞろえ拡充を急いでいる。富士キメラでは「データ通信料の増加につながるため、各社がさらに力を入れる」とみている。
 また、光サービスは、国内シェア7割超を握るNTT東西地域会社や電力系通信事業者などが売り込みに力を入れており、ADSL(非対称デジタル加入者線)サービスが14年度に09年度比約6割減の1514億円に縮小する分、大きく伸びると予測している。
 調査は6月から9月にかけて、同総研の専門調査員が聞き取りなどにより実施した。



産経新聞のiPadアプリ、過去3カ月のバックナンバーを閲覧可能に
 株式会社産経新聞社と株式会社産経デジタルは15日、産経新聞の紙面を閲覧できるiPadアプリ「産経新聞HD」をバージョンアップし、バックナンバーの閲覧機能を追加したと発表した。
 産経新聞HDでは、最新の新聞紙面データをダウンロードすると、それまでのデータが上書きされる仕組みのため、過去の紙面を閲覧できなかった。今回、ユーザーからバックナンバーへの要望が多かったことを受けて、過去3カ月までの紙面を閲覧できる機能を搭載した。タッチディスプレイのダイヤル操作で日付を指定してダウンロードできる。
 なお、バックナンバーをダウンロードしても最新の紙面は上書きされないが、別の日のバックナンバーをダウンロードすれば、それまでのバックナンバーは上書きされる。
 産経新聞HDは、購読料金が30日間1500円。



グーグル売上高、22・6%増で過去最高
 【ニューヨーク=小谷野太郎】インターネット検索サービス最大手の米グーグルが14日発表した2010年7~9月期決算は、売上高が前年同期比22・6%増の72億8600万ドル(約5900億円)、純利益も32・2%増の21億6700万ドル(約1755億円)となり、ともに四半期ベースの過去最高を更新した。
 主力のネット広告事業の売上高が前年同期を約2割上回った。
 エリック・シュミット最高経営責任者は「携帯電話向けサービスなど新規事業も勢いがあった」と述べ、積極的な投資を続け、収益拡大を目指す方針を示した。



三菱、小型車をタイで生産し逆輸入…12年以降
 三菱自動車は15日、開発中の主力の小型自動車を2012年初頭からタイで生産し、日本で販売することを明らかにした。
 価格競争が激しい小型車の生産を国内で続けるのは厳しいと判断し、小型車の生産は段階的に国内から海外に移す。円高や小型車を巡る価格競争の激化に加え、税制上もタイで生産する方が有利なためだ。国内自動車大手が海外に生産拠点を移す動きが加速する可能性もある。
 三菱自は、現行の小型車「コルト」(排気量1・3リットル、1・5リットル)に代わる小型車を開発中だ。排気量は1~1・2リットル程度で、ライバルの日産マーチの1リットルあたり26キロ程度の低燃費を想定し、価格も100万円を切ることを目指している。



経営再建中のラオックス、松坂屋銀座店に出店へ
 経営再建中の家電量販店「ラオックス」は15日、松坂屋銀座店(東京都中央区)に11月20日に出店すると発表した。
 知名度の高い銀座に店舗を構えることで、国内外から幅広い客層の取り込みを狙う。
 新店舗は松坂屋の6階に構える。売り場面積は約1300平方メートルで、ほぼ1フロアを占める。デジタルカメラや炊飯器、時計、雑貨などを販売する。
 ラオックスは2009年8月、中国の家電量販大手、蘇寧電器の傘下に入り、主に中国人観光客の集客に力を入れてきた。外国人観光客が多い銀座に出店することで、集客力を強化できると判断した。
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