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ゲーム大手、ソフト開発見直し 高機能携帯に対応
ゲームソフト各社が開発体制の見直しを急いでいる。カプコンは家庭用ゲーム機や携帯電話、パソコンなど端末ごとに分かれていた開発部隊を統合する。セガサミーホールディングスは幅広い端末に柔軟にソフトを供給できる体制を整えた。任天堂などが手掛ける家庭用ゲーム機の需要が低迷する一方、ゲームも利用できる高機能携帯電話(スマートフォン)の普及など市場環境の変化に対応し、収益機会を広げる狙いだ。
カプコンは2010年度内の組織再編を目指す。約1100人の開発人員の大半を占める家庭用ゲーム機向けの「コンシューマ」、パソコン向けの「オンライン」、携帯電話向けの「モバイル」の3つの部隊を統合する検討を始めた。
同社は既に人気の格闘ゲーム「ストリートファイター」などは米アップルの「iPhone」などに対応させている。従来は家庭用ゲーム機向けに発売したソフトをアレンジして供給していたが、今後は企画段階から幅広い端末への供給を視野に入れ、新作の開発を進める。
セガサミーはゲーム事業を手掛けるセガの組織改革を実施した。アミューズメントや家庭用ゲーム機、携帯電話などの開発体制を統括する「開発生産統括本部」を新設。同じタイトルでも端末ごとに別のチームが開発していたが、スマートフォンなども含めて一括して開発計画を作成する。
バンダイナムコゲームスはソフトのタイトルごとに製作、販売、配信機能を統合する組織体制に変更。コーエーテクモゲームスは携帯電話部門とオンライン部門を統合、開発速度を上げている。
各社が組織再編を急ぐのは、任天堂やソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)などが手掛ける従来型の家庭用ゲーム機に代わり、スマートフォンや交流サイトを通じたゲームが急速に存在感を高めているため。収益拡大を目指すには幅広い端末にソフトを供給できる体制の構築が不可欠になっている。
ゲーム専門誌発行のエンターブレイン(東京・千代田)によると、09年のゲーム専用機など家庭用ゲーム市場は前の年比6.9%減の5426億円。2年連続で縮小し、10年も低迷が続く。携帯電話やパソコンを通じたゲームは年1~2割の成長が続き、2千億円を超す規模に拡大している。
次期Xperiaはコードネーム "ANZU"、発表は来年Q1か?
日本ではXperia SO-01BのAndroid 2.1アップデート配信が始まり、アップデータをなんとなく操作していたらうっかりAndroid 1.6の再インストールになってしまったという人が続出しているこのタイミングで、Xperiaの次世代モデルらしき写真が流出した。Xperia X10 Blogが報じたもので、ディスプレイがXperia SO-01B / Xperia X10より大きな4.3型になっているのが特長。匿名情報では、コードネームは"ANZU"、HDMI端子を備え、次期Androidの"Gingerbread"を採用、発表は来年Q1になるということになっている。プロトタイプらしき筐体のスクリーンショットではAndroidは2.1、カーネルバージョンは2.6.29。残念ながら日本の冬・春モデル発表会には間に合わなかったが、過去にもスマートフォンは定例発表会とは関係なく突然発表されることがあるので、心の準備は整えておこう。
Appleと電通が提携 iAd国内展開へ
米Appleと電通は11月10日、iPhone向け広告ネットワーク「iAd」を2011年早期に国内で展開することで提携したと発表した。Appleは「電通は日本におけるiAdの理想的なパートナーだ」とコメントし、開発者向け日本語サイトでもiAdの国内展開を告知している。
電通は、国内向けiAdの広告販売と広告制作を担当。電通子会社のサイバー・コミュニケーションズ(cci)が、広告制作進行とメディアプランニングを含むiAd関連サービスをワンストップで提供する。Appleは、iPhone/iPod touch向けiAd配信を行う。
iAdは、ユーザーがiPhoneアプリを利用している状態で広告を配信できるようにする技術で、iOS4に組み込む形で昨年7月に米国で開始した。アプリ開発者は、アプリ内にiAd広告を取り入れることで、iAdネットワーク収入の60%をiTunes Connectを通じて受け取ることができる(iPhoneアプリ開発者、iAd広告で1日に1400ドル稼ぐ)。
Appleのアンディ・ミラーiAd担当副社長は「アメリカでの事業開始以降、iAdを展開するクライアント数が倍となるような驚異的な成功を遂げた後、日本でiAdを展開することに興奮している」とコメント。「電通は世界で最も有力な広告会社の一つであり、日本におけるiAdの理想的なパートナーだ」としている。
電通の森隆一副社長は「パワフルで新しい広告プラットフォームの日本での展開において、Appleと組めることを大変楽しみにしている。モバイル広告は日本で最も急速に成長したプラットフォームの1つであり、iAdの豊かな表現力と熱狂的なiPhone、iPod touchユーザー層の組み合わせは、広告主やアプリ開発者にとって、モバイル広告の可能性を最大限に活用できる新しい機会になる」とコメントしている。
任天堂、年末商戦テコ入れ Wiiに新コントローラー
任天堂はゲーム機やソフトの拡販策を打ち出す。家庭用ゲーム機「Wii」向けに操作性を高めた新しいコントローラーを発売するほか、人気ソフトとゲーム機をセット販売し需要喚起を狙う。3次元(3D)対応の新型ゲーム機の発売が来年2月にずれ込んだことを受け、既存のゲーム事業をテコ入れして年末商戦を乗り切る構えだ。
11日からWii対応の新しいコントローラー「Wiiリモコンプラス」を投入する。角度などを検出するセンサーを搭載しており、通常より精度の高い操作が可能になる。価格は税込みで3800円。Wii本体や人気ソフト「Wiiスポーツリゾート」などとのセット販売も始める。
テレビゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」の発売から25年が経過したのにちなみ、マリオのソフトを内蔵したWii本体の販売も11日から期間限定で始める。本体の色はマリオを象徴する赤を採用する。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」も人気ソフト「ポケットモンスター」新作とのセット販売で購入を促す。
年末商戦のある10~12月期の売上高は、同社の年間売上高の約4割を占める書き入れ時。任天堂は3D対応の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の年内発売を目指していたが、開発の遅れなどから来年にずれ込む。
GyaO、ミクシィと提携 日記に映像埋め込み
ヤフー子会社でインターネット映像配信大手のGyaO(東京・港)は、交流サイト(SNS)最大手のミクシィと提携した。ミクシィのサイトにGyaOの一部動画を埋め込める仕組みを月内に導入。視聴者を増やし、広告効果の向上をねらう。
GyaOの画像を他社サイトに埋め込むためのアプリケーションを開発。まずミクシィに提供する。ミクシィ利用者は日記を作成する際に、簡単な操作で映像を検索、埋め込むことができる。
今後はほかのSNSサイトや、高機能携帯電話(スマートフォン)向けなど供給先を広める。
GyaOの配信映像はテレビ局などコンテンツ会社が制作した公式動画。一般のネット利用者による投稿動画が中心の米ユーチューブなどに比べ、広告媒体としての信頼や収益性が高いという。
GyaOは今年9月、ヤフーグループ内の別サイトへの映像の埋め込みを順次開始。利用者が増加しているSNS向けを皮切りに、提供先の拡大を加速することにした。
エルピーダ、大容量32ギガバイトのDRAM複合部品開発
エルピーダメモリは、記憶容量が32ギガ(ギガは10億)バイトと世界最大となるサーバー向けDRAM複合部品を開発した。ネットワーク経由でソフトや情報サービスを利用する「クラウドコンピューティング」の普及で、サーバーの大容量化が進んでいるのに対応した。台湾の複合部品メーカーなどと組み、2011年1~3月期に量産を始める。
複合部品はDRAM2枚を組み合わせた記憶容量8ギガビットのパッケージを36個内蔵する。サーバー内部のブレード(刀身)に組み込んでメモリーとして使う。
ブレードに搭載できる複合部品の枚数を従来より増やし、容量も従来の1.5倍の768ギガバイトになった。同じサイズのサーバーであれば記憶容量を1.5倍にできる。
1台のサーバーを複数台のように扱う仮想化技術が普及。1台で数テラ(テラは1兆)バイトの大容量サーバーが登場している。こうした動きを主導する米ヒューレット・パッカード(HP)やデル、IBMや、グーグル、マイクロソフトなど海外勢に幅広く売り込む。
新聞代、控除対象に 政府税調方針、「特定支出」拡充
政府税制調査会は、会社員の給与収入から特定の必要経費を差し引いて所得税、住民税を抑えられる「特定支出控除制度」で、経費と認める支出に新聞代などを加える方針を固めた。政府税調は高所得者に有利な給与所得控除に上限を設ける方向で調整しており、その見返りとして控除対象を拡充する。
特定支出控除は通勤費のほか、一定の転勤費用や資格取得費用などの合計額が、収入額に応じて認められる給与所得控除額(最低年65万円)を超える場合、超える額を収入から差し引くことができる制度。利用には確定申告が必要になる。
ただ給与所得控除が厚めに設定されているうえ、対象となる経費の範囲が極めて狭いため、特定支出控除はほとんど利用されていない。新聞代などを加えることで幅広い層に利用を促すほか、会社員が仕事に必要な情報などを入手するのを後押しする狙いもある。
政府税調は昨年12月に決めた税制改正大綱で、給与所得控除の見直しとあわせ、特定支出控除の対象範囲を拡大する方針を示していた。
海保職員聴取 流出の動機と経路解明を急げ(11月11日付・読売社説)
やはり身内の犯行だったのか。
海上保安庁が尖閣諸島沖で撮影した、中国漁船衝突事件の映像ビデオについて、神戸海上保安部の職員が上司に対し「自分がインターネット上に投稿した」と流出を告白した。
警視庁が、国家公務員法の守秘義務違反の疑いで、この職員を慎重に取り調べている。
投稿した動機は何だったのか。石垣海保が保管しているビデオを、遠い神戸にいた海保職員がどうやって入手したのか。他に関与した人間はいなかったのか。法に触れる行為があれば、捜査当局は厳正に捜査すべきである。
漁船衝突事件は、日中間の外交問題が絡み、当初から国民の注目度は高かった。レアアース輸出規制や日本企業の社員拘束など、次々と圧力をかける中国に対し、政府の対応は後手に回った。
ビデオの公開をめぐっても、政府・民主党の判断は終始、後ろ向きだった。
那覇地検が中国人船長を処分保留で釈放し、捜査は事実上終結した。刑事訴訟法上の非公開理由は失われたにもかかわらず、一般公開をなおためらっている。
中国を刺激したくないというのであれば、無用の配慮ではないか。本来公開すべき情報を公開しなかったことが、今回、ビデオの流出という新たな過ちにつながったことは否定できないだろう。
海上保安庁には、「犯人捜しは望まない」といった意見とともに「映像が見られてよかった」などの声も寄せられているという。
政府は国民へのビデオの全面公開を改めて検討すべきだ。
大事なのは、今度こそ政府が対応を誤らないことだ。
菅首相は機密保全対策を検討する委員会の設置を指示した。情報管理を見直すこと自体はいい。
石垣海保の捜査資料映像のずさんな管理だけではない。警視庁の国際テロ捜査資料の流出問題も起きたばかりだ。
捜査機関の情報管理に緩みが出ているのは問題だ。電子データの管理態勢などを総点検し、再発防止策を探る必要がある。
ただ、仙谷官房長官が言及している国家公務員法の守秘義務違反の罰則強化は短絡的だ。
公務員を過度に萎(い)縮(しゅく)させ、行政の抱える問題を内部告発する動きまで封じることになれば、国民の「知る権利」が脅かされる。
まず、今回のビデオ流出事件の全容を国民の前に明らかにすることが急務である。
ゲームソフト各社が開発体制の見直しを急いでいる。カプコンは家庭用ゲーム機や携帯電話、パソコンなど端末ごとに分かれていた開発部隊を統合する。セガサミーホールディングスは幅広い端末に柔軟にソフトを供給できる体制を整えた。任天堂などが手掛ける家庭用ゲーム機の需要が低迷する一方、ゲームも利用できる高機能携帯電話(スマートフォン)の普及など市場環境の変化に対応し、収益機会を広げる狙いだ。
カプコンは2010年度内の組織再編を目指す。約1100人の開発人員の大半を占める家庭用ゲーム機向けの「コンシューマ」、パソコン向けの「オンライン」、携帯電話向けの「モバイル」の3つの部隊を統合する検討を始めた。
同社は既に人気の格闘ゲーム「ストリートファイター」などは米アップルの「iPhone」などに対応させている。従来は家庭用ゲーム機向けに発売したソフトをアレンジして供給していたが、今後は企画段階から幅広い端末への供給を視野に入れ、新作の開発を進める。
セガサミーはゲーム事業を手掛けるセガの組織改革を実施した。アミューズメントや家庭用ゲーム機、携帯電話などの開発体制を統括する「開発生産統括本部」を新設。同じタイトルでも端末ごとに別のチームが開発していたが、スマートフォンなども含めて一括して開発計画を作成する。
バンダイナムコゲームスはソフトのタイトルごとに製作、販売、配信機能を統合する組織体制に変更。コーエーテクモゲームスは携帯電話部門とオンライン部門を統合、開発速度を上げている。
各社が組織再編を急ぐのは、任天堂やソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)などが手掛ける従来型の家庭用ゲーム機に代わり、スマートフォンや交流サイトを通じたゲームが急速に存在感を高めているため。収益拡大を目指すには幅広い端末にソフトを供給できる体制の構築が不可欠になっている。
ゲーム専門誌発行のエンターブレイン(東京・千代田)によると、09年のゲーム専用機など家庭用ゲーム市場は前の年比6.9%減の5426億円。2年連続で縮小し、10年も低迷が続く。携帯電話やパソコンを通じたゲームは年1~2割の成長が続き、2千億円を超す規模に拡大している。
次期Xperiaはコードネーム "ANZU"、発表は来年Q1か?
日本ではXperia SO-01BのAndroid 2.1アップデート配信が始まり、アップデータをなんとなく操作していたらうっかりAndroid 1.6の再インストールになってしまったという人が続出しているこのタイミングで、Xperiaの次世代モデルらしき写真が流出した。Xperia X10 Blogが報じたもので、ディスプレイがXperia SO-01B / Xperia X10より大きな4.3型になっているのが特長。匿名情報では、コードネームは"ANZU"、HDMI端子を備え、次期Androidの"Gingerbread"を採用、発表は来年Q1になるということになっている。プロトタイプらしき筐体のスクリーンショットではAndroidは2.1、カーネルバージョンは2.6.29。残念ながら日本の冬・春モデル発表会には間に合わなかったが、過去にもスマートフォンは定例発表会とは関係なく突然発表されることがあるので、心の準備は整えておこう。
Appleと電通が提携 iAd国内展開へ
米Appleと電通は11月10日、iPhone向け広告ネットワーク「iAd」を2011年早期に国内で展開することで提携したと発表した。Appleは「電通は日本におけるiAdの理想的なパートナーだ」とコメントし、開発者向け日本語サイトでもiAdの国内展開を告知している。
電通は、国内向けiAdの広告販売と広告制作を担当。電通子会社のサイバー・コミュニケーションズ(cci)が、広告制作進行とメディアプランニングを含むiAd関連サービスをワンストップで提供する。Appleは、iPhone/iPod touch向けiAd配信を行う。
iAdは、ユーザーがiPhoneアプリを利用している状態で広告を配信できるようにする技術で、iOS4に組み込む形で昨年7月に米国で開始した。アプリ開発者は、アプリ内にiAd広告を取り入れることで、iAdネットワーク収入の60%をiTunes Connectを通じて受け取ることができる(iPhoneアプリ開発者、iAd広告で1日に1400ドル稼ぐ)。
Appleのアンディ・ミラーiAd担当副社長は「アメリカでの事業開始以降、iAdを展開するクライアント数が倍となるような驚異的な成功を遂げた後、日本でiAdを展開することに興奮している」とコメント。「電通は世界で最も有力な広告会社の一つであり、日本におけるiAdの理想的なパートナーだ」としている。
電通の森隆一副社長は「パワフルで新しい広告プラットフォームの日本での展開において、Appleと組めることを大変楽しみにしている。モバイル広告は日本で最も急速に成長したプラットフォームの1つであり、iAdの豊かな表現力と熱狂的なiPhone、iPod touchユーザー層の組み合わせは、広告主やアプリ開発者にとって、モバイル広告の可能性を最大限に活用できる新しい機会になる」とコメントしている。
任天堂、年末商戦テコ入れ Wiiに新コントローラー
任天堂はゲーム機やソフトの拡販策を打ち出す。家庭用ゲーム機「Wii」向けに操作性を高めた新しいコントローラーを発売するほか、人気ソフトとゲーム機をセット販売し需要喚起を狙う。3次元(3D)対応の新型ゲーム機の発売が来年2月にずれ込んだことを受け、既存のゲーム事業をテコ入れして年末商戦を乗り切る構えだ。
11日からWii対応の新しいコントローラー「Wiiリモコンプラス」を投入する。角度などを検出するセンサーを搭載しており、通常より精度の高い操作が可能になる。価格は税込みで3800円。Wii本体や人気ソフト「Wiiスポーツリゾート」などとのセット販売も始める。
テレビゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」の発売から25年が経過したのにちなみ、マリオのソフトを内蔵したWii本体の販売も11日から期間限定で始める。本体の色はマリオを象徴する赤を採用する。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」も人気ソフト「ポケットモンスター」新作とのセット販売で購入を促す。
年末商戦のある10~12月期の売上高は、同社の年間売上高の約4割を占める書き入れ時。任天堂は3D対応の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の年内発売を目指していたが、開発の遅れなどから来年にずれ込む。
GyaO、ミクシィと提携 日記に映像埋め込み
ヤフー子会社でインターネット映像配信大手のGyaO(東京・港)は、交流サイト(SNS)最大手のミクシィと提携した。ミクシィのサイトにGyaOの一部動画を埋め込める仕組みを月内に導入。視聴者を増やし、広告効果の向上をねらう。
GyaOの画像を他社サイトに埋め込むためのアプリケーションを開発。まずミクシィに提供する。ミクシィ利用者は日記を作成する際に、簡単な操作で映像を検索、埋め込むことができる。
今後はほかのSNSサイトや、高機能携帯電話(スマートフォン)向けなど供給先を広める。
GyaOの配信映像はテレビ局などコンテンツ会社が制作した公式動画。一般のネット利用者による投稿動画が中心の米ユーチューブなどに比べ、広告媒体としての信頼や収益性が高いという。
GyaOは今年9月、ヤフーグループ内の別サイトへの映像の埋め込みを順次開始。利用者が増加しているSNS向けを皮切りに、提供先の拡大を加速することにした。
エルピーダ、大容量32ギガバイトのDRAM複合部品開発
エルピーダメモリは、記憶容量が32ギガ(ギガは10億)バイトと世界最大となるサーバー向けDRAM複合部品を開発した。ネットワーク経由でソフトや情報サービスを利用する「クラウドコンピューティング」の普及で、サーバーの大容量化が進んでいるのに対応した。台湾の複合部品メーカーなどと組み、2011年1~3月期に量産を始める。
複合部品はDRAM2枚を組み合わせた記憶容量8ギガビットのパッケージを36個内蔵する。サーバー内部のブレード(刀身)に組み込んでメモリーとして使う。
ブレードに搭載できる複合部品の枚数を従来より増やし、容量も従来の1.5倍の768ギガバイトになった。同じサイズのサーバーであれば記憶容量を1.5倍にできる。
1台のサーバーを複数台のように扱う仮想化技術が普及。1台で数テラ(テラは1兆)バイトの大容量サーバーが登場している。こうした動きを主導する米ヒューレット・パッカード(HP)やデル、IBMや、グーグル、マイクロソフトなど海外勢に幅広く売り込む。
新聞代、控除対象に 政府税調方針、「特定支出」拡充
政府税制調査会は、会社員の給与収入から特定の必要経費を差し引いて所得税、住民税を抑えられる「特定支出控除制度」で、経費と認める支出に新聞代などを加える方針を固めた。政府税調は高所得者に有利な給与所得控除に上限を設ける方向で調整しており、その見返りとして控除対象を拡充する。
特定支出控除は通勤費のほか、一定の転勤費用や資格取得費用などの合計額が、収入額に応じて認められる給与所得控除額(最低年65万円)を超える場合、超える額を収入から差し引くことができる制度。利用には確定申告が必要になる。
ただ給与所得控除が厚めに設定されているうえ、対象となる経費の範囲が極めて狭いため、特定支出控除はほとんど利用されていない。新聞代などを加えることで幅広い層に利用を促すほか、会社員が仕事に必要な情報などを入手するのを後押しする狙いもある。
政府税調は昨年12月に決めた税制改正大綱で、給与所得控除の見直しとあわせ、特定支出控除の対象範囲を拡大する方針を示していた。
海保職員聴取 流出の動機と経路解明を急げ(11月11日付・読売社説)
やはり身内の犯行だったのか。
海上保安庁が尖閣諸島沖で撮影した、中国漁船衝突事件の映像ビデオについて、神戸海上保安部の職員が上司に対し「自分がインターネット上に投稿した」と流出を告白した。
警視庁が、国家公務員法の守秘義務違反の疑いで、この職員を慎重に取り調べている。
投稿した動機は何だったのか。石垣海保が保管しているビデオを、遠い神戸にいた海保職員がどうやって入手したのか。他に関与した人間はいなかったのか。法に触れる行為があれば、捜査当局は厳正に捜査すべきである。
漁船衝突事件は、日中間の外交問題が絡み、当初から国民の注目度は高かった。レアアース輸出規制や日本企業の社員拘束など、次々と圧力をかける中国に対し、政府の対応は後手に回った。
ビデオの公開をめぐっても、政府・民主党の判断は終始、後ろ向きだった。
那覇地検が中国人船長を処分保留で釈放し、捜査は事実上終結した。刑事訴訟法上の非公開理由は失われたにもかかわらず、一般公開をなおためらっている。
中国を刺激したくないというのであれば、無用の配慮ではないか。本来公開すべき情報を公開しなかったことが、今回、ビデオの流出という新たな過ちにつながったことは否定できないだろう。
海上保安庁には、「犯人捜しは望まない」といった意見とともに「映像が見られてよかった」などの声も寄せられているという。
政府は国民へのビデオの全面公開を改めて検討すべきだ。
大事なのは、今度こそ政府が対応を誤らないことだ。
菅首相は機密保全対策を検討する委員会の設置を指示した。情報管理を見直すこと自体はいい。
石垣海保の捜査資料映像のずさんな管理だけではない。警視庁の国際テロ捜査資料の流出問題も起きたばかりだ。
捜査機関の情報管理に緩みが出ているのは問題だ。電子データの管理態勢などを総点検し、再発防止策を探る必要がある。
ただ、仙谷官房長官が言及している国家公務員法の守秘義務違反の罰則強化は短絡的だ。
公務員を過度に萎(い)縮(しゅく)させ、行政の抱える問題を内部告発する動きまで封じることになれば、国民の「知る権利」が脅かされる。
まず、今回のビデオ流出事件の全容を国民の前に明らかにすることが急務である。
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新聞、テレビはツイッターの速報に追いつけない
尖閣ビデオ流出があぶり出した大メディアの権威崩壊
深夜、「そろそろ原稿でも書くか」とマックの画面でワードを開いて打っていた。横のウインドウにはツイッターのタイムラインが流れている。
ツイッターは簡単に言ってしまえば巨大な井戸端会議のようなものだ。面白いニュースがあると口コミで流れてくる。ラジオ代わりにちょうどいい。
と、急にツイートがどかどか増え始めた。「尖閣の中国漁船が衝突する場面がYouTubeに流れてますよ」「漁船衝突ビデオが流出したって本当か」「どこで見れるんだ」と、文字通りウインドウが「蜂の巣をつついたような騒ぎ」になった。
あれよあれよという間に「ここで動画発見」とリンクが張られ、「時事通信が『政府、本物の動画と確認』と速報」と、まあ、すごいスピードだ。とうとう、ツイートが増え過ぎたのか、しばらくサーバーがダウンしてしまった。
記者も読者もフラットに同じ場所に並んでしまった
ふと「この猛スピードで生ニュースが流れ込んでくる感覚、どこかで経験したことがあるな」と考えてみると、新聞社時代の泊まり勤務とそっくりだ。
「デスク」と呼ばれるニュースの編集責任者のアシストをするのだが、「六角デスク」と呼ばれる文字通り六角形の机に座っていると、支局が送ってく る全国のニュースはもちろん、全日本や海外のテレビニュース、共同や時事通信の速報やフラッシュ等々、世界のあらゆるニュースが滝壺のように流れ込んでくる。あの時のスリルに似ている。
考えてみるとすごいことだ。ツイッターにつながったパソコンや携帯端末を持っている人は、どこにいようと全員、新聞社やテレビ局のニュースセンターと同じスピード、同じ量のニュースを受け取っているのだ。
企業メディアの記者も読者、視聴者も、フラットに同じ場所に並んでしまった。新聞社でそういう現場にいた私でもエキサイトするのだから、1次ニュースが発生する場面にリアルタイムで居合わせた(これを記者たちは「現場」と呼ぶ)ことがない人には、麻薬的な面白さだろう。これでは新聞・テレビの「読者、視聴者より早く大量のニュー スに接することができる」特権的な立場など、こっぱみじんである。
さあ、続報がどんどん来たぞ。「産経新聞はウェブ版で流出を速報した」「さあ、新聞各紙さん、朝刊はどうしますか? 締め切りギリギリですよ」(締め切り時間は社外秘なんだが。泊まりの新聞記者がツイートしているんじゃないか?)と、見透かしたようなツイートが並ぶ。
確かにその通り、ギリギリである。ここまで手の内を明かされては新聞社のみなさんもさぞかしイヤだろう。ニュースルームに見学者が立ち並んでヤジを飛ばしているようなものだ。
私もYouTubeでその「流出ビデオ」を見た。なるほど。4~6分のビデオに何本かつきあっていると、確かに中国漁船が海上保安庁の船に横から突入している。こりゃひでえなあ。この漁師、なんて乱暴なヤツだ、と思う。ホントに漁師か? 「偽装工作船」じゃないか? しかし「sengoku38」って一体誰だ?
読者が体験した1次ニュースを後追いで報じる大メディア
一夜明けて11月5日。朝日新聞は朝刊の最終版1面にギリギリ、関連記事なしに突っ込んでいる。その日の夕刊では、1面トップから社会面まで全面展開していた。
しかし、夕刊を読んでいて愕然とした。記事が紹介する「ビデオの内容」を、全部すでに知っていることに気づいたのだ。そう言えば、記事の見出 しは「尖閣ビデオ、ネット流出」とある。私が前の夜にマックで見ていたビデオが「直接情報」で、新聞の報道はそのビデオの記事、つまりは「間接情報」なのだ。
なぜ12時間以上遅れて、自宅の机の上で起きた出来事(尖閣ビデオ流出)を、「記者が取材→紙面を編集→輪転機で印刷→トラックで配送→販売店から配達」と回り回って読まねばならないのか。まったく呆然とするほかない。
他のメディアの中で起きた出来事を新聞が追いかけ、ニュースとして報道することは、これまでにもあった。例えば、テレビの討論番組に出た政治家の発言を、新聞が記事にする。先日、小沢一郎氏がインターネットの「ニコニコ動画」のインタビューに出演した時の報道も、それと似ている。
が、今度は「インターネットに流れ出たビデオの内容」がニュースではなく「インターネットにビデオが流れ出て、多数の国民がそれを見た」ことそのものがニュースなのだ。読者の方が1次ニュースを先に体験してしまうなんて、過去にはなかった。
尖閣ビデオは国民に見せて当たり前
流出そのものは、どっちみち馬鹿げた空騒ぎだと思う。なぜなら、こんなビデオはさっさと洗いざらい公開しておけばよかったからだ。
YouTubeに動画をアップして、政府・首相官邸なり外務省なりのウェブサイトのエンベッドURLを張り付けるだけのことだ。ノーカットで流せばよかったのだ。隠したから、インターネットで話題沸騰、議論百出、沸点まで上昇したところで流出した。それだけのことだ。
もともと、すべての政府が持つ情報は国民のものなのだ。だから本来尖閣ビデオの公開は「情報公開」ではなく「情報返還」と呼ぶべきである。敵や不穏の輩が知ると国民の安全に支障が出る情報だけ、例外的に「機密」扱いが許されるのだ。
官僚(外交官)も国会議員も政治家も、記者クラブ系マスコミも、長年の情報独占にすっかり頭脳がふやけてしまったのだろう。ビデオが撮影された時点で「これは一刻も早く国民に見せなければ」「インターネットに流出したら、そっちの方がダメージが大きい」というリスク感覚があれば、こうはならなかったと思う。記者クラブ系メディアさえ押さえてしまえば、情報を統制できるという時代は終わっているのだ。
ビデオを見た国民が中国への態度を決めればいいのだ。「中国漁船はけしからん」「船長起訴」と民意が沸騰するなら、政府もそうすればいい。政府は国民の代表ではないか。
そしてギャアギャア噛みつく中国に「我が国は貴国と違い民主主義国なので、民意が最優先する」と胸を張って言えばいい。ビデオを見た国民が「中国を怒らせてはまずい」と言うなら船長を釈放すればいい。
米国が文句を言ってきたら「我が国は貴国と同じ民主主義国なので、民意が最優先する」と堂々と主張すればいい。そういう「情報公開」プラス「民意の判断」こそが、長期的には国内外の味方を増やし、外交力として蓄えられる。それこそが「戦略的思考」というものではないか。
古びた権力インナーサークルがある限り、流出は不可避だった
それにしても物悲しい。「政府~政治家~記者クラブ系マスコミ」という、1955年体制のまま変わらない、カビの生えたような日本の権力インナーサークルでは、今回の惨事は不可避だっただろう。
(1)政府がインターネットでビデオを公開しようとすれば、記者クラブ系マスコミが反対する。地上波テレビは時間枠が有限だから、ノーカット44分はつらい。どうしても編集せざるを得ない。米国なら、ケーブルテレビでCNN、それが無理でもC-SPANがノーカットに近い形でやってしまう。もちろん ネットニュースメディアにも流れまくるだろう。
(2)編集してマスコミに流すにしても、国会議員が「その前に国民の代表である我々に」と言い出す。そして見せたとたんに「これを一般公開すると影響が懸念される」とか言い出して、公開しない。実際、そうなった。
つまり日本の権力インナーサークルは、「新聞」「地上波テレビ」(プラス通信社)という70年代のメインメディアを軸に情報戦略を組み立てている。その外にあるインターネットは、ないものとして考えるか、できるだけ軽視しようとする(だから、記者クラブにネットメディアを加入させたがらない)。そんな情報統制感覚は、ネットメディア時代の感性から30年も40年も取り残されている。
「誰でもいつでもどこでもマスへ発信できるメディア」がすぐ横に完備しているのに、民意が沸騰しているビデオが非公開のままにされたのだから、むしろ流出しない方が不思議だ。
まるで、昭和の木造家屋のような老朽化した建物に、ガスがぴちぴちに充満していたようなものだ。火花ひとつで大爆発である。そして本当にそうなった。愚かの極みである。
ソ連崩壊を彷彿させる歴史的な権威崩壊だ
権力サークルにいない国民も、喜んでいてはいけない。尖閣ビデオ事件の本当の敗者・被害者は日本国民である。流出したビデオが、撮影された元データ全部であるという保証はどこにもないからだ。
当面、日本人は「あのビデオにはまだ公開されていない部分があるのではないか」「まだ政府は何かビデオの他にも隠しているのではないか」とう疑心暗鬼に振り回されるだろう。
これからも、政府が何か大きな政策決定をする時(例えば消費税値上げなど)には、国民の間でこの「何か隠しているのではないか」という不安が強迫神経症的に反復するだろう。ウォーターゲート事件以降の米国人が連邦政府をまったく信用しなくなったのと同じように。
こうして「官僚~政治家~記者クラブ系マスコミ」という権力インナーサークルは、情報戦でインターネットに歴史的敗北を期した。
ナチス・ドイツを負かして以来「不敗のヨーロッパ解放軍」神話を誇っていたソ連陸軍が、89年にアフガニスタンでゲリラ軍にケチョンケチョンに負けたのに似ている。「ソ連って意外に弱いな」と見抜いた東欧諸国が離反し、ソ連は3年後に崩壊してしまう。
そういう歴史的な権威崩壊を、今、私たちは目撃している。
KDDI、位置情報ゲームの総合サイト開設 コロプラと提携
KDDI(au)は10日、同社の携帯電話向けサービスとして、位置情報を使ったゲームの総合サイトを11日にも開設すると発表した。位置ゲーム開発・運営の実績があるコロプラ(東京・渋谷)がゲーム開発の仕組みを公開し、様々な企業からコンテンツを募る。位置ゲームは消費者の誘導や販売促進などで注目が集まっており、KDDIはコンテンツを強化して他社との差別化を図る。
位置ゲームは利用者が携帯電話の全地球測位システム(GPS)機能を使って、自分のいる場所や実際に移動した距離をゲームサイトに申告し、移動距離に応じて得点を稼いだり、ゲーム内で使える仮想通貨やアイテムを入手したりする。提携店での購入額も得点の目安になる場合もあり、販促ツールとしても注目が集まっているという。
KDDIは利用者が複数の位置ゲームサイトに自分の位置情報を一斉送信したり、仮想通貨を共通で利用したりできる環境を整備。まず11日に従来型の携帯電話向けに提供し、11月下旬にはスマートフォンにも対応させる。コロプラのゲーム会員数は現在150万人を超えているという。
米電子書籍市場3.2倍に ペーパーバック抜く公算
米調査会社のフォレスター・リ サーチは9日までに、2010年の米国の電子書籍市場が前年比3.2倍の9億6600万ドル(約790億円)に達するとの予測をまとめた。米アマゾン・ドット・コムが割安な専用端末を発売するなど電子書籍を読むための環境が整いつつあり、手ごろな価格で人気を集めたペーパーバックの売上高を上回る可能性が高まっている。
米出版社協会(AAP)によると、スーパーや空港などで販売する割安な「マスマーケット・ペーパーバック」の市場は09年に10億4200万ドルだった。10年は8月まで6カ月間連続で売上高が前年同月比で2ケタ減になるなど市場縮小に歯止めがかからず、この基調が続くと電子書籍に抜かれる可能性が高い。
フォレスターが4~6月期に過去6カ月間に1冊以上の書籍を読んだ成人約2800人を対象に調べたところ、本の入手手段は「図書館での貸し出し」(38%)などが多く、「電子書籍を購入」は7%にとどまった。
尖閣ビデオ流出があぶり出した大メディアの権威崩壊
深夜、「そろそろ原稿でも書くか」とマックの画面でワードを開いて打っていた。横のウインドウにはツイッターのタイムラインが流れている。
ツイッターは簡単に言ってしまえば巨大な井戸端会議のようなものだ。面白いニュースがあると口コミで流れてくる。ラジオ代わりにちょうどいい。
と、急にツイートがどかどか増え始めた。「尖閣の中国漁船が衝突する場面がYouTubeに流れてますよ」「漁船衝突ビデオが流出したって本当か」「どこで見れるんだ」と、文字通りウインドウが「蜂の巣をつついたような騒ぎ」になった。
あれよあれよという間に「ここで動画発見」とリンクが張られ、「時事通信が『政府、本物の動画と確認』と速報」と、まあ、すごいスピードだ。とうとう、ツイートが増え過ぎたのか、しばらくサーバーがダウンしてしまった。
記者も読者もフラットに同じ場所に並んでしまった
ふと「この猛スピードで生ニュースが流れ込んでくる感覚、どこかで経験したことがあるな」と考えてみると、新聞社時代の泊まり勤務とそっくりだ。
「デスク」と呼ばれるニュースの編集責任者のアシストをするのだが、「六角デスク」と呼ばれる文字通り六角形の机に座っていると、支局が送ってく る全国のニュースはもちろん、全日本や海外のテレビニュース、共同や時事通信の速報やフラッシュ等々、世界のあらゆるニュースが滝壺のように流れ込んでくる。あの時のスリルに似ている。
考えてみるとすごいことだ。ツイッターにつながったパソコンや携帯端末を持っている人は、どこにいようと全員、新聞社やテレビ局のニュースセンターと同じスピード、同じ量のニュースを受け取っているのだ。
企業メディアの記者も読者、視聴者も、フラットに同じ場所に並んでしまった。新聞社でそういう現場にいた私でもエキサイトするのだから、1次ニュースが発生する場面にリアルタイムで居合わせた(これを記者たちは「現場」と呼ぶ)ことがない人には、麻薬的な面白さだろう。これでは新聞・テレビの「読者、視聴者より早く大量のニュー スに接することができる」特権的な立場など、こっぱみじんである。
さあ、続報がどんどん来たぞ。「産経新聞はウェブ版で流出を速報した」「さあ、新聞各紙さん、朝刊はどうしますか? 締め切りギリギリですよ」(締め切り時間は社外秘なんだが。泊まりの新聞記者がツイートしているんじゃないか?)と、見透かしたようなツイートが並ぶ。
確かにその通り、ギリギリである。ここまで手の内を明かされては新聞社のみなさんもさぞかしイヤだろう。ニュースルームに見学者が立ち並んでヤジを飛ばしているようなものだ。
私もYouTubeでその「流出ビデオ」を見た。なるほど。4~6分のビデオに何本かつきあっていると、確かに中国漁船が海上保安庁の船に横から突入している。こりゃひでえなあ。この漁師、なんて乱暴なヤツだ、と思う。ホントに漁師か? 「偽装工作船」じゃないか? しかし「sengoku38」って一体誰だ?
読者が体験した1次ニュースを後追いで報じる大メディア
一夜明けて11月5日。朝日新聞は朝刊の最終版1面にギリギリ、関連記事なしに突っ込んでいる。その日の夕刊では、1面トップから社会面まで全面展開していた。
しかし、夕刊を読んでいて愕然とした。記事が紹介する「ビデオの内容」を、全部すでに知っていることに気づいたのだ。そう言えば、記事の見出 しは「尖閣ビデオ、ネット流出」とある。私が前の夜にマックで見ていたビデオが「直接情報」で、新聞の報道はそのビデオの記事、つまりは「間接情報」なのだ。
なぜ12時間以上遅れて、自宅の机の上で起きた出来事(尖閣ビデオ流出)を、「記者が取材→紙面を編集→輪転機で印刷→トラックで配送→販売店から配達」と回り回って読まねばならないのか。まったく呆然とするほかない。
他のメディアの中で起きた出来事を新聞が追いかけ、ニュースとして報道することは、これまでにもあった。例えば、テレビの討論番組に出た政治家の発言を、新聞が記事にする。先日、小沢一郎氏がインターネットの「ニコニコ動画」のインタビューに出演した時の報道も、それと似ている。
が、今度は「インターネットに流れ出たビデオの内容」がニュースではなく「インターネットにビデオが流れ出て、多数の国民がそれを見た」ことそのものがニュースなのだ。読者の方が1次ニュースを先に体験してしまうなんて、過去にはなかった。
尖閣ビデオは国民に見せて当たり前
流出そのものは、どっちみち馬鹿げた空騒ぎだと思う。なぜなら、こんなビデオはさっさと洗いざらい公開しておけばよかったからだ。
YouTubeに動画をアップして、政府・首相官邸なり外務省なりのウェブサイトのエンベッドURLを張り付けるだけのことだ。ノーカットで流せばよかったのだ。隠したから、インターネットで話題沸騰、議論百出、沸点まで上昇したところで流出した。それだけのことだ。
もともと、すべての政府が持つ情報は国民のものなのだ。だから本来尖閣ビデオの公開は「情報公開」ではなく「情報返還」と呼ぶべきである。敵や不穏の輩が知ると国民の安全に支障が出る情報だけ、例外的に「機密」扱いが許されるのだ。
官僚(外交官)も国会議員も政治家も、記者クラブ系マスコミも、長年の情報独占にすっかり頭脳がふやけてしまったのだろう。ビデオが撮影された時点で「これは一刻も早く国民に見せなければ」「インターネットに流出したら、そっちの方がダメージが大きい」というリスク感覚があれば、こうはならなかったと思う。記者クラブ系メディアさえ押さえてしまえば、情報を統制できるという時代は終わっているのだ。
ビデオを見た国民が中国への態度を決めればいいのだ。「中国漁船はけしからん」「船長起訴」と民意が沸騰するなら、政府もそうすればいい。政府は国民の代表ではないか。
そしてギャアギャア噛みつく中国に「我が国は貴国と違い民主主義国なので、民意が最優先する」と胸を張って言えばいい。ビデオを見た国民が「中国を怒らせてはまずい」と言うなら船長を釈放すればいい。
米国が文句を言ってきたら「我が国は貴国と同じ民主主義国なので、民意が最優先する」と堂々と主張すればいい。そういう「情報公開」プラス「民意の判断」こそが、長期的には国内外の味方を増やし、外交力として蓄えられる。それこそが「戦略的思考」というものではないか。
古びた権力インナーサークルがある限り、流出は不可避だった
それにしても物悲しい。「政府~政治家~記者クラブ系マスコミ」という、1955年体制のまま変わらない、カビの生えたような日本の権力インナーサークルでは、今回の惨事は不可避だっただろう。
(1)政府がインターネットでビデオを公開しようとすれば、記者クラブ系マスコミが反対する。地上波テレビは時間枠が有限だから、ノーカット44分はつらい。どうしても編集せざるを得ない。米国なら、ケーブルテレビでCNN、それが無理でもC-SPANがノーカットに近い形でやってしまう。もちろん ネットニュースメディアにも流れまくるだろう。
(2)編集してマスコミに流すにしても、国会議員が「その前に国民の代表である我々に」と言い出す。そして見せたとたんに「これを一般公開すると影響が懸念される」とか言い出して、公開しない。実際、そうなった。
つまり日本の権力インナーサークルは、「新聞」「地上波テレビ」(プラス通信社)という70年代のメインメディアを軸に情報戦略を組み立てている。その外にあるインターネットは、ないものとして考えるか、できるだけ軽視しようとする(だから、記者クラブにネットメディアを加入させたがらない)。そんな情報統制感覚は、ネットメディア時代の感性から30年も40年も取り残されている。
「誰でもいつでもどこでもマスへ発信できるメディア」がすぐ横に完備しているのに、民意が沸騰しているビデオが非公開のままにされたのだから、むしろ流出しない方が不思議だ。
まるで、昭和の木造家屋のような老朽化した建物に、ガスがぴちぴちに充満していたようなものだ。火花ひとつで大爆発である。そして本当にそうなった。愚かの極みである。
ソ連崩壊を彷彿させる歴史的な権威崩壊だ
権力サークルにいない国民も、喜んでいてはいけない。尖閣ビデオ事件の本当の敗者・被害者は日本国民である。流出したビデオが、撮影された元データ全部であるという保証はどこにもないからだ。
当面、日本人は「あのビデオにはまだ公開されていない部分があるのではないか」「まだ政府は何かビデオの他にも隠しているのではないか」とう疑心暗鬼に振り回されるだろう。
これからも、政府が何か大きな政策決定をする時(例えば消費税値上げなど)には、国民の間でこの「何か隠しているのではないか」という不安が強迫神経症的に反復するだろう。ウォーターゲート事件以降の米国人が連邦政府をまったく信用しなくなったのと同じように。
こうして「官僚~政治家~記者クラブ系マスコミ」という権力インナーサークルは、情報戦でインターネットに歴史的敗北を期した。
ナチス・ドイツを負かして以来「不敗のヨーロッパ解放軍」神話を誇っていたソ連陸軍が、89年にアフガニスタンでゲリラ軍にケチョンケチョンに負けたのに似ている。「ソ連って意外に弱いな」と見抜いた東欧諸国が離反し、ソ連は3年後に崩壊してしまう。
そういう歴史的な権威崩壊を、今、私たちは目撃している。
KDDI、位置情報ゲームの総合サイト開設 コロプラと提携
KDDI(au)は10日、同社の携帯電話向けサービスとして、位置情報を使ったゲームの総合サイトを11日にも開設すると発表した。位置ゲーム開発・運営の実績があるコロプラ(東京・渋谷)がゲーム開発の仕組みを公開し、様々な企業からコンテンツを募る。位置ゲームは消費者の誘導や販売促進などで注目が集まっており、KDDIはコンテンツを強化して他社との差別化を図る。
位置ゲームは利用者が携帯電話の全地球測位システム(GPS)機能を使って、自分のいる場所や実際に移動した距離をゲームサイトに申告し、移動距離に応じて得点を稼いだり、ゲーム内で使える仮想通貨やアイテムを入手したりする。提携店での購入額も得点の目安になる場合もあり、販促ツールとしても注目が集まっているという。
KDDIは利用者が複数の位置ゲームサイトに自分の位置情報を一斉送信したり、仮想通貨を共通で利用したりできる環境を整備。まず11日に従来型の携帯電話向けに提供し、11月下旬にはスマートフォンにも対応させる。コロプラのゲーム会員数は現在150万人を超えているという。
米電子書籍市場3.2倍に ペーパーバック抜く公算
米調査会社のフォレスター・リ サーチは9日までに、2010年の米国の電子書籍市場が前年比3.2倍の9億6600万ドル(約790億円)に達するとの予測をまとめた。米アマゾン・ドット・コムが割安な専用端末を発売するなど電子書籍を読むための環境が整いつつあり、手ごろな価格で人気を集めたペーパーバックの売上高を上回る可能性が高まっている。
米出版社協会(AAP)によると、スーパーや空港などで販売する割安な「マスマーケット・ペーパーバック」の市場は09年に10億4200万ドルだった。10年は8月まで6カ月間連続で売上高が前年同月比で2ケタ減になるなど市場縮小に歯止めがかからず、この基調が続くと電子書籍に抜かれる可能性が高い。
フォレスターが4~6月期に過去6カ月間に1冊以上の書籍を読んだ成人約2800人を対象に調べたところ、本の入手手段は「図書館での貸し出し」(38%)などが多く、「電子書籍を購入」は7%にとどまった。
韓国LG液晶TVで日本再参入
シェア5%目標に早くも黄信号
「5年以内シェア5%」を目標に、2008年以来2年ぶりに日本の薄型テレビ市場に再参入した韓国LGエレクトロニクス。しかし、その目標達成に早くも黄信号が灯っている。
11月4日に予約を開始したが、LGの液晶テレビの取り扱いを決め、予約を受け付けているのは家電量販店業界2位エディオンと3位ヨドバシカメラ、5位ビックカメラのみ。業界トップのヤマダ電機や4位ケーズホールディングスをはじめ、多くの家電量販店は取り扱っていない。
電機メーカーの営業担当者にとって全国で圧倒的な販売力を誇るヤマダ電機は無視できない存在だ。ヤマダ電機でいかに売ってもらうかがシェア争いのカギを握る。LGは「Win‐Winの関係が構築できれば家電量販店とはパートナーシップを組みながら展開していきたい」というオープンな姿勢なのだが、ヤマダ電機が扱わないのではシェア5%どころかブランド認知さえ難しいかもしれない。
それにしてもなぜ、ヤマダ電機をはじめ家電量販店各社はLG製品を扱うことに及び腰になるのか。背景にはLGが高級モデルを投入したことにある。
発売されるのは計10機種で22インチから55インチ。すべての機種にLEDバックライトを搭載している。目玉商品として投入する機種は47インチと55インチで3D対応。しかもテレビの厚さがわずか2.3センチメートルとデザインにもこだわった。想定価格は40万円と48万円で、日本メーカーの同等モデルよりも8%程度高い。
また、売れ筋サイズの32インチの機種の想定価格は13万~15万円。10月に平均単価が約6万2000円(Gfk調べ)まで下がった状況からすれば、消費者にとっては高級モデルとして見られるはずだ。
「正直いって売る自信がない。ここまで国内メーカーのテレビが値下がりした状況で、日本市場においてはブランド力で劣るLGが高価格帯のテレビでシェアを伸ばせるとは思えない」とある家電量販店首脳は打ち明ける。
加えて、現在の家電量販店は12月以降に家電エコポイントが半減されることに対応するため、メーカーから大量に売れ筋のテレビを仕入れたばかり。したがって多くの量販店にとっては「国内メーカーの商品が順調に売れる状況であえてLGを仕入れる必要はない」というのが本音なのだ。
とはいえLGは世界のテレビ市場で韓国サムスン電子に次ぐ2位(14.1%、金額ベース、10年第2四半期。ディスプレイサーチ調べ)の強敵だ。
また、日本は2大韓国メーカーが攻め込まなかったいわば最後の大市場。LGにしても満を持しての再参入であるだけに、日本メーカーが侮るべき相手ではないことは事実である。
NTTドコモもスマートフォンのパケット料金などを値下げか、割引攻勢のKDDIに対抗する可能性
昨日行われたNTTドコモの新機種発表会にぶつける形で、KDDIがスマートフォン向けにパケット料金を値下げする新プラン「ISフラット」と、端末を安価に購入できる「毎月割」を電撃発表したが、NTTドコモが対抗策を講じる可能性も十分に考えられることが明らかになった。
NTTドコモが新製品発表会後にアナリストなどを対象に行った質疑応答において、「KDDIがパケット料金などを値下げするキャンペーン料金を展開してきた場合、スマートフォンを普及させるために同様のキャンペーンを展開する予定があるのか」という質問が寄せられた。
この質問に対して、NTTドコモは「競争の中でドコモも商売をしているので、他社が新しい料金プランを出せば、影響を見ながら検討していかないといけないけれども、現時点では特に決まったものは無い」としつつも、具体的な話として「KDDIさんが出すのであれば、影響などを考慮して検討したいとは思っています」と述べていた。
なお、スマートフォン事業についてNTTドコモは「料金だけではなくてエリアやコンテンツなど、総合的なものだととらえており、料金はその中の1つ」とした上で、「キャンペーンなどの施策は市場動向を見ながら考えていきたい」とのこと。
また、NTTドコモは長期利用を前提に端末を割引する「端末購入サポート」を導入しているが、そのような施策を拡大するつもりがあるのかという質問に対して、「今でも既存の機種より手厚くサポートしているのは現実」と述べ、スマートフォンに移行するユーザーのARPU(加入者一人あたりの月間売上高)などが割に合うのかどうかなどを見つつ柔軟に対応していくのが現実的な方法だとしている。
つまり年末商戦を前にKDDIが端末と利用料金の両方から割引攻勢を仕掛けた上に、さらにスマートフォン同士やパソコンとの通話が無料になる「Skype au」まで展開している以上、NTTドコモも何らかの対抗策を講じる可能性は十分に考えられるわけだが、はたしてどのようなアプローチを採用するのか。
スマートフォンのパケット料金値下げに唯一手を付けていないNTTドコモであるだけに、その動向に注目が集まりそうだ。
KDDI、携帯電話で音声情報提供
KDDI(au)は、米インターネットベンチャーのバブルモーション(カリフォルニア州)と提携し、タレントや俳優が吹き込んだ音声メッセージを携帯電話で再生するサービス「コエなう」を11日に始める。ファンが専用番号に電話すると、出演映画などのエピソードが聞ける。音楽や映画会社の販促用に提供し、減少傾向にある音声通話の活性化を目指す。
まずエイベックス・マーケティングなどタレント事務所5社の所属タレントや、映画「SP」の出演者らが参加。著作権に抵触しない45秒以内のメッセージを提供する。利用者は通常の通話料を支払う。
9~10月に「SP」で試験したところ、予想の10倍の利用があったという。KDDIは1電話番号につき月1万円、100番号単位で販売。ミニブログ「ツイッター」も活用し、月100万件以上の通話を目指す。
尖閣映像、神戸の漫画喫茶パソコンから投稿
尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る映像流出事件で、東京地検は9日、動画投稿サイト「ユーチューブ」を運営する検索大手グーグルの日本法人(東京都港区)から、映像を投稿したパソコンのIPアドレス(ネット上の住所)を入手した。
分析の結果、同サイトに投稿された映像は、神戸市内の漫画喫茶のパソコンから送信された可能性が高いことが判明。共同で捜査している警視庁はこの漫画喫茶に捜査員を派遣、捜査への協力を求めた。店の防犯カメラ映像や入店客の情報を入手した上、投稿者の特定を進める。
検察当局は内部調査の結果、映像は石垣海上保安部(沖縄県)か那覇地検の内部から流出した疑いが強まったとして、8日から国家公務員法(守秘義務)違反容疑で捜査に乗り出した。神戸市内から投稿されていた可能性が高いことにより、石垣海保や那覇地検職員以外の第三者が関与した疑いも出てくる。匿名性の高い漫画喫茶から投稿されていたことで、捜査が難航する恐れもある。
ユーチューブに流出した映像は6本、計約44分。4日午後に「sengoku38」のアカウント(登録名)で投稿され、5日午前7時40分頃に、投稿者自身によって削除された。
検察当局は9日、グーグルの日本法人に対する差し押さえ令状を取り、この投稿者が使ったパソコンのIPアドレスなどの情報提供を受けた。民間業者に依頼してIPアドレスを分析した結果、神戸市内の漫画喫茶が浮上したという。一方、9日に警視庁と合同捜査本部を設置した沖縄県警も、那覇市内の複数のネットカフェから、客の入店記録などの提供を求めている。
海上保安庁と検察当局の内部調査で、流出映像は、石垣海保が9月7日の事件直後に内部説明用として作成し、同10日頃、CD―Rに収めて那覇地検に提出したものと同一と判明。内部流出の可能性が強まったが、調査では投稿者を特定できず、海保が今月8日、被疑者不詳のまま、同法違反などの容疑で東京地検と警視庁に刑事告発していた。
NTT、2つの逆転で収益に均整
NTTが9日に発表した2010年4~9月期連結決算(米国会計基準)は、売上高微増、営業利益、純利益とも1割強の伸びを見せる堅調な着地となった。11年3月期通期を展望すると、「2つの逆転」がキーワードに浮かんでくる。
「通年では微妙だが、下期には逆転するだろう」。NTT東日本の江部努社長は9日の決算会見でこう明言した。逆転とは、光ファイバー通信サービスなど「IP関連」の収入が音声通話を上回る点を指す。
4~9月期の収入は、IP関連の3618億円に対して音声は3800億円だったが、通期見通しでは両者を7390億円でぴったりそろえてきた。つまり下期には「もしもし」をインターネットが追い越すという歴史的な逆転を織り込んでいるわけだ。4~9月期はNTT東にとって、1999年のNTT再編以来の増収増益決算となった。IP関連の伸びが455億円と、音声の落ち込み(390億円)を上回ったのが原動力だった。
NTT西日本は今期も6対4ほどの割合で音声収入超過が続くので、地域通信事業全体で明確なIPと音声の逆転が起きるわけではない。だが、NTT西も4~9月期には音声・IPの合計の減収幅が70億円と前年同期の183億円から大幅に縮小しており、増収基調への転換が視野に入っている。
NTT東西とも光ファイバー通信サービス「フレッツ光」の普及がIP関連の増収の主軸だ。契約数の伸びは期初計画を下回るスローペースだが、目を引くのは契約当たり月間収入(ARPU)の着実な上昇だ。ネットテレビや遠隔操作を使った「リモートサポートサービス」などの拡大で、フレッツ光のARPUはNTT東が前年同期比170円増の5860円、NTT西が130円増の5860円と着実に積み上がっている。
長く低迷してきたNTT東西の復調は、NTT全体の11年3月期決算にもう1つの逆転をもたらす可能性がある。携帯電話事業から地域通信事業への業績のけん引役の交代だ。
各社の11年3月期見通しによると、営業増益幅はNTTドコモの58億円に対してNTT東西は各170~180億円の増益を見込む。主要子会社では、システム投資需要の低迷に悩むNTTデータ、NTTコミュニケーションズがそろって減益の見通し。地域通信事業がNTT全体の増益シナリオの要になるのは間違いない。
NTTの決算は従来、携帯電話事業の増益・減益が全体の利益を左右する「ドコモ次第」の状態が続いてきた。そのドコモは、スマートフォン(高機能携帯電話)で対ソフトバンク・iPhoneとの本格的な競争時代が始まっている。端末が売れて端末販売店向けの販売奨励金がかさめば、短期的に利益が伸びなくなるのが携帯電話ビジネスの常。スマートフォンのシェア獲得という種まきの時期にNTT東西が増益サイクルに入った意義は大きい。NTTグループが業績見通しで示した「2つの逆転」からは、攻守のバランスの良さが読み取れる。
シェア5%目標に早くも黄信号
「5年以内シェア5%」を目標に、2008年以来2年ぶりに日本の薄型テレビ市場に再参入した韓国LGエレクトロニクス。しかし、その目標達成に早くも黄信号が灯っている。
11月4日に予約を開始したが、LGの液晶テレビの取り扱いを決め、予約を受け付けているのは家電量販店業界2位エディオンと3位ヨドバシカメラ、5位ビックカメラのみ。業界トップのヤマダ電機や4位ケーズホールディングスをはじめ、多くの家電量販店は取り扱っていない。
電機メーカーの営業担当者にとって全国で圧倒的な販売力を誇るヤマダ電機は無視できない存在だ。ヤマダ電機でいかに売ってもらうかがシェア争いのカギを握る。LGは「Win‐Winの関係が構築できれば家電量販店とはパートナーシップを組みながら展開していきたい」というオープンな姿勢なのだが、ヤマダ電機が扱わないのではシェア5%どころかブランド認知さえ難しいかもしれない。
それにしてもなぜ、ヤマダ電機をはじめ家電量販店各社はLG製品を扱うことに及び腰になるのか。背景にはLGが高級モデルを投入したことにある。
発売されるのは計10機種で22インチから55インチ。すべての機種にLEDバックライトを搭載している。目玉商品として投入する機種は47インチと55インチで3D対応。しかもテレビの厚さがわずか2.3センチメートルとデザインにもこだわった。想定価格は40万円と48万円で、日本メーカーの同等モデルよりも8%程度高い。
また、売れ筋サイズの32インチの機種の想定価格は13万~15万円。10月に平均単価が約6万2000円(Gfk調べ)まで下がった状況からすれば、消費者にとっては高級モデルとして見られるはずだ。
「正直いって売る自信がない。ここまで国内メーカーのテレビが値下がりした状況で、日本市場においてはブランド力で劣るLGが高価格帯のテレビでシェアを伸ばせるとは思えない」とある家電量販店首脳は打ち明ける。
加えて、現在の家電量販店は12月以降に家電エコポイントが半減されることに対応するため、メーカーから大量に売れ筋のテレビを仕入れたばかり。したがって多くの量販店にとっては「国内メーカーの商品が順調に売れる状況であえてLGを仕入れる必要はない」というのが本音なのだ。
とはいえLGは世界のテレビ市場で韓国サムスン電子に次ぐ2位(14.1%、金額ベース、10年第2四半期。ディスプレイサーチ調べ)の強敵だ。
また、日本は2大韓国メーカーが攻め込まなかったいわば最後の大市場。LGにしても満を持しての再参入であるだけに、日本メーカーが侮るべき相手ではないことは事実である。
NTTドコモもスマートフォンのパケット料金などを値下げか、割引攻勢のKDDIに対抗する可能性
昨日行われたNTTドコモの新機種発表会にぶつける形で、KDDIがスマートフォン向けにパケット料金を値下げする新プラン「ISフラット」と、端末を安価に購入できる「毎月割」を電撃発表したが、NTTドコモが対抗策を講じる可能性も十分に考えられることが明らかになった。
NTTドコモが新製品発表会後にアナリストなどを対象に行った質疑応答において、「KDDIがパケット料金などを値下げするキャンペーン料金を展開してきた場合、スマートフォンを普及させるために同様のキャンペーンを展開する予定があるのか」という質問が寄せられた。
この質問に対して、NTTドコモは「競争の中でドコモも商売をしているので、他社が新しい料金プランを出せば、影響を見ながら検討していかないといけないけれども、現時点では特に決まったものは無い」としつつも、具体的な話として「KDDIさんが出すのであれば、影響などを考慮して検討したいとは思っています」と述べていた。
なお、スマートフォン事業についてNTTドコモは「料金だけではなくてエリアやコンテンツなど、総合的なものだととらえており、料金はその中の1つ」とした上で、「キャンペーンなどの施策は市場動向を見ながら考えていきたい」とのこと。
また、NTTドコモは長期利用を前提に端末を割引する「端末購入サポート」を導入しているが、そのような施策を拡大するつもりがあるのかという質問に対して、「今でも既存の機種より手厚くサポートしているのは現実」と述べ、スマートフォンに移行するユーザーのARPU(加入者一人あたりの月間売上高)などが割に合うのかどうかなどを見つつ柔軟に対応していくのが現実的な方法だとしている。
つまり年末商戦を前にKDDIが端末と利用料金の両方から割引攻勢を仕掛けた上に、さらにスマートフォン同士やパソコンとの通話が無料になる「Skype au」まで展開している以上、NTTドコモも何らかの対抗策を講じる可能性は十分に考えられるわけだが、はたしてどのようなアプローチを採用するのか。
スマートフォンのパケット料金値下げに唯一手を付けていないNTTドコモであるだけに、その動向に注目が集まりそうだ。
KDDI、携帯電話で音声情報提供
KDDI(au)は、米インターネットベンチャーのバブルモーション(カリフォルニア州)と提携し、タレントや俳優が吹き込んだ音声メッセージを携帯電話で再生するサービス「コエなう」を11日に始める。ファンが専用番号に電話すると、出演映画などのエピソードが聞ける。音楽や映画会社の販促用に提供し、減少傾向にある音声通話の活性化を目指す。
まずエイベックス・マーケティングなどタレント事務所5社の所属タレントや、映画「SP」の出演者らが参加。著作権に抵触しない45秒以内のメッセージを提供する。利用者は通常の通話料を支払う。
9~10月に「SP」で試験したところ、予想の10倍の利用があったという。KDDIは1電話番号につき月1万円、100番号単位で販売。ミニブログ「ツイッター」も活用し、月100万件以上の通話を目指す。
尖閣映像、神戸の漫画喫茶パソコンから投稿
尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る映像流出事件で、東京地検は9日、動画投稿サイト「ユーチューブ」を運営する検索大手グーグルの日本法人(東京都港区)から、映像を投稿したパソコンのIPアドレス(ネット上の住所)を入手した。
分析の結果、同サイトに投稿された映像は、神戸市内の漫画喫茶のパソコンから送信された可能性が高いことが判明。共同で捜査している警視庁はこの漫画喫茶に捜査員を派遣、捜査への協力を求めた。店の防犯カメラ映像や入店客の情報を入手した上、投稿者の特定を進める。
検察当局は内部調査の結果、映像は石垣海上保安部(沖縄県)か那覇地検の内部から流出した疑いが強まったとして、8日から国家公務員法(守秘義務)違反容疑で捜査に乗り出した。神戸市内から投稿されていた可能性が高いことにより、石垣海保や那覇地検職員以外の第三者が関与した疑いも出てくる。匿名性の高い漫画喫茶から投稿されていたことで、捜査が難航する恐れもある。
ユーチューブに流出した映像は6本、計約44分。4日午後に「sengoku38」のアカウント(登録名)で投稿され、5日午前7時40分頃に、投稿者自身によって削除された。
検察当局は9日、グーグルの日本法人に対する差し押さえ令状を取り、この投稿者が使ったパソコンのIPアドレスなどの情報提供を受けた。民間業者に依頼してIPアドレスを分析した結果、神戸市内の漫画喫茶が浮上したという。一方、9日に警視庁と合同捜査本部を設置した沖縄県警も、那覇市内の複数のネットカフェから、客の入店記録などの提供を求めている。
海上保安庁と検察当局の内部調査で、流出映像は、石垣海保が9月7日の事件直後に内部説明用として作成し、同10日頃、CD―Rに収めて那覇地検に提出したものと同一と判明。内部流出の可能性が強まったが、調査では投稿者を特定できず、海保が今月8日、被疑者不詳のまま、同法違反などの容疑で東京地検と警視庁に刑事告発していた。
NTT、2つの逆転で収益に均整
NTTが9日に発表した2010年4~9月期連結決算(米国会計基準)は、売上高微増、営業利益、純利益とも1割強の伸びを見せる堅調な着地となった。11年3月期通期を展望すると、「2つの逆転」がキーワードに浮かんでくる。
「通年では微妙だが、下期には逆転するだろう」。NTT東日本の江部努社長は9日の決算会見でこう明言した。逆転とは、光ファイバー通信サービスなど「IP関連」の収入が音声通話を上回る点を指す。
4~9月期の収入は、IP関連の3618億円に対して音声は3800億円だったが、通期見通しでは両者を7390億円でぴったりそろえてきた。つまり下期には「もしもし」をインターネットが追い越すという歴史的な逆転を織り込んでいるわけだ。4~9月期はNTT東にとって、1999年のNTT再編以来の増収増益決算となった。IP関連の伸びが455億円と、音声の落ち込み(390億円)を上回ったのが原動力だった。
NTT西日本は今期も6対4ほどの割合で音声収入超過が続くので、地域通信事業全体で明確なIPと音声の逆転が起きるわけではない。だが、NTT西も4~9月期には音声・IPの合計の減収幅が70億円と前年同期の183億円から大幅に縮小しており、増収基調への転換が視野に入っている。
NTT東西とも光ファイバー通信サービス「フレッツ光」の普及がIP関連の増収の主軸だ。契約数の伸びは期初計画を下回るスローペースだが、目を引くのは契約当たり月間収入(ARPU)の着実な上昇だ。ネットテレビや遠隔操作を使った「リモートサポートサービス」などの拡大で、フレッツ光のARPUはNTT東が前年同期比170円増の5860円、NTT西が130円増の5860円と着実に積み上がっている。
長く低迷してきたNTT東西の復調は、NTT全体の11年3月期決算にもう1つの逆転をもたらす可能性がある。携帯電話事業から地域通信事業への業績のけん引役の交代だ。
各社の11年3月期見通しによると、営業増益幅はNTTドコモの58億円に対してNTT東西は各170~180億円の増益を見込む。主要子会社では、システム投資需要の低迷に悩むNTTデータ、NTTコミュニケーションズがそろって減益の見通し。地域通信事業がNTT全体の増益シナリオの要になるのは間違いない。
NTTの決算は従来、携帯電話事業の増益・減益が全体の利益を左右する「ドコモ次第」の状態が続いてきた。そのドコモは、スマートフォン(高機能携帯電話)で対ソフトバンク・iPhoneとの本格的な競争時代が始まっている。端末が売れて端末販売店向けの販売奨励金がかさめば、短期的に利益が伸びなくなるのが携帯電話ビジネスの常。スマートフォンのシェア獲得という種まきの時期にNTT東西が増益サイクルに入った意義は大きい。NTTグループが業績見通しで示した「2つの逆転」からは、攻守のバランスの良さが読み取れる。
第4世代携帯、日本はガラパゴス化回避
国連機関の国際電気通信連合(ITU、本部ジュネーブ)は10月21日、第4世代(4G)の携帯電話の国際規格に、欧州主導の「LTE」、米国の「WiMAX(ワイマックス)」の両方式の発展型を採用すると発表した。日本は独自基準を提案せず、両方式に二またをかけていた。戦いを事実上放棄することで、国際標準から取り残される「ガラパゴス化」を回避した格好だ。
4G携帯の通信速度は最大で毎秒1ギガ(ギガは10億)ビットで、光ファイバー並みのスピードでデータ通信が可能になる。
「6つの候補から4G携帯に求められているすべての基準に合致する2つの方式を選んだ」。ITUのプレスリリースはさらりと説明するが、実情はもっと複雑だ。6候補は欧州、米国のほか、中国、韓国、日本。1つ足りないのは日本が2候補も出しているためだ。
世界標準を巡る争いに積極的に参加していると思いきや、1つは欧州の「LTE」発展型と、もう1つは米の「WiMAX」発展型とほぼ同じ。総務省は「両候補への支持を明確にするために提案した」と説明する。
実は日本はすでに4Gに通信速度が近い携帯電話サービスに着手している。NTTドコモなど3社は現行の「LTE」規格によるサービスを準備。KDDI系のUQコミュニケーションズは現行の「WiMAX」規格によるサービスを展開中だ。スムーズに4Gに移行するには、両方式の発展型が国際標準となるのが都合がよいというわけだ。
これまで独自に進化した日本の携帯電話は世界標準からかけ離れ、希少生物の多いガラパゴス島とやゆされた。このため4G携帯では独自規格を早々と断念し、欧米勢に従った。
一方、中国が今回提出したのは「LTE」がベースだが、上り方向と下り方向で同じ周波数を使う「TD-LTE」という独自規格。結果として勝利は逃したものの、規格争いに果敢に打って出たことは間違いない。第5世代(5G)では、規格争いのメーンプレーヤーとなる可能性が高い。
「アイワ」を覚えていますか 「円高はどんどん進む。法人税も高い。政府は当社を日本から追い出しにかかっているとしか思えない。海外移転は資本の論理からして当然である」
円相場が1ドル=79円75銭の最高値へと上昇基調をたどった1994~95年。こんな歯切れのよい発言で市場の注目を集めたのが音響機器メーカー、アイワの卯木肇社長だった。
□ ■ □
行動と実績も伴った。海外生産比率は当時すでに80%超。アジア製の廉価なAV(音響・映像)機器を日本を含むアジア全域や中東に売りさばいた。円高のまっただ中の95年3月期、連結経常利益は131億円と1年前比33%増えた。
経営者が変わっても戦略は引き継がれ、海外生産比率が90%に達した98年3月期の連結経常利益は179億円まで伸びた。
円高対応の先駆者は転落も早かった。2000年3月期からはAV不況で赤字が3年続き、親会社のソニーが吸収。08年春にアイワブランド製品の販売停止が発表された。
円相場の約15年半ぶりの高値更新も意識される今。10年4~9月期の決算発表は、円高対応への苦渋の声が木霊している。
「技術やノウハウなど日本に残せるものはきちっと残したい。円高がさらに進めばもう一段の海外展開をせざるをえないが、それは絶対に避けたい」(日立製作所の三好崇司副社長)
「下期に1ドル=82円の想定で利益を出すことが、日本でものづくりを死守する条件となる」(トヨタ自動車の小沢哲副社長)
JPモルガン証券株式調査部の北野一チーフストラテジストは、そんな様子に「消えたアイワ」の影を見る。銀行で為替調査の経験も持つ北野氏は「円ドル相場は行き過ぎがつきもの」と知っている。
円高に過剰に反応して海外展開を急ぎすぎれば、製品の付加価値を高める企業努力が後手に回りはしないか。北野氏の不安は、アイワ消滅の構造的な要因を言い当てている。
01年にソニー専務からアイワ社長に転じた森本昌義氏は「デジタル家電の技術に通じた人材が数人しかいなかった」現実を前に、肝をつぶした。
ミニコンポをはじめとするアナログ製品の海外生産にかけたアイワは、半導体やインターネットなど次世代技術を研究する動機に乏しかったのだ。ソニーは「グループ内の低価格ブランドとして生かせないか」と考えたが、技術の空洞化は想定を超えていた。
□ ■ □
94年9月17日付本紙の「トップに聞く企業戦略」に、卯木社長の予言めいた発言を見つけた。企業を海外に追い出す政府はいずれ税収が不足して初めて事の重大性に気づく、と。
そして締めくくる。「個人的には早くそうなればと切望している。それが経済人の提議できる現状へのアンチテーゼだからだ」
海外展開で大成功し、次の一手を欠いたために消えたアイワ。その物語は懐かしさ以上の重みを持つ。
Android新版「Gingerbread」、11日登場のうわさ
Androidの次期バージョン「Gingerbread」(バージョン3と言われているが、バージョン2.3との説もある)が11日に開発者向けにリリースされるといううわさが流れている。さらにOpen Handset Alliance(OHA)の関係者とされる人物が「開発者用Nexus Oneが、数日中にGingerbreadにアップグレードできるようになる」と7日にTwitterで告知している。これは11日リリースのうわさに合致している。
Googleが10月後半にGingerbreadのマスコット像を本社に設置したことから、Gingerbreadリリースは近いと憶測されていた。同バージョンはテレビ電話機能やYouTubeのLeanbackサポートを備えると言われている。
ただし一般ユーザーがGingerbreadを手にするのは、機種にもよるが来年になるとみられる。
ドコモ次世代携帯、14年に1500万回線めざす 来月開始を発表 海外再挑戦の試金石に
NTTドコモは8日、現行の5~10倍の通信速度が可能な次世代携帯電話サービス「Xi(クロッシィ)」を12月24日から始めると発表した。「LTE」と呼ばれる次世代通信規格を国内でいち早く商用化し、2014年に契約者の4分の1に当たる1500万回線を目指す。ドコモはLTEで海外市場も狙うが、米欧の通信大手との厳しい競争が予想される。国内でどこまで利用者を増やせるかが、海外再挑戦の試金石になる。
「Xi」はLTEと既存の携帯電話回線を併用できるサービス。通信速度は毎秒37.5メガ(メガは100万)~75メガビットと現行の7.2メガビットに比べて速度が向上。スマートフォン(高機能携帯電話)で、パソコン並みの高速通信が可能になる。
新サービスへの移行を促したいドコモは、一定のデータ量まで月額料金を1000~6510円と、現行の1000~5985円から約1割高い水準に設定した。
KDDIやソフトバンクグループがLTEサービスを始めるのは12年以降。ドコモの山田隆持社長は「今後は設備投資をLTEに集中する」とインフラ整備を急ぎ、先行の優位を生かして顧客を囲い込みたい考えだ。
ただし、サービス利用地域は当初、東京・大阪・名古屋の市街地のみ。11年度に全国の県庁所在地級の都市に広げるが、全国の主要都市に行き渡るのは12年度だ。
LTEに対応したスマートフォンが国内で発売されるのも11年末の見通しで、当面、利用者はデータ通信用端末をパソコンに差し込んで使うことになる。携帯電話の新規格として一般的に普及するにはまだ時間がかかる。インフラが不十分だと、利用者は既存サービスからの乗り換えをためらう傾向がある。KDDIグループが手掛け、LTE並みの通信速度が可能な高速無線「WiMAX(ワイマックス)」は、提供地域の狭さなどを背景に契約者獲得で苦戦している。
これまで別々だった国内外の携帯電話の通信方式が事実上統一されるLTEは、ドコモにとっては「海外巻き返し」の契機にもなる。
しかし海外の通信大手もLTEを使った「領土拡大」を狙っており、早い企業は09年末から一部地域で商用化に着手している。日本で先陣を切ったドコモも、世界では先頭を走っているわけではない。
LTEは海外進出で失敗した国内の携帯電話機メーカーにとっても海外再挑戦の最後のチャンスになる。まずは先陣を切ってのサービスを開始したドコモが、国内でどこまで利用者を増やせるか。LTEには「日の丸ケイタイ」の浮沈がかかっている。
携帯出荷、スマートフォン効果などで2ケタ増 4~9月
3年ぶりプラスに
電子情報技術産業協会(JEITA)が9日発表した2010年4~9月の携帯電話端末の国内出荷台数は、前年同期比11.3%増の1731万4000台と3年ぶりに前年実績を上回った。防水機能や高解像度カメラなどを備えた機種の品ぞろえ増加や、スマートフォン(高機能携帯電話)の人気が後押しした。
内訳は携帯電話が11%増の1676万7000台、PHSが20.9%増の54万7000台。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」など一部海外メーカーの端末は含んでいない。JEITAでは今後について「下げ止まり感が出てきたが、年末商戦に向けての動向を注視する必要がある」としている。
9月単月では前年同月比34.7%増の326万3000台と、3カ月連続のプラスだった。
ロッテ日本一 「下克上」で頂点を極めた(11月9日付・読売社説)
リーグ3位から勝ち上がっての日本一という初の快挙である。
プロ野球の日本シリーズは、ロッテが中日を4勝2敗1分けで下し、5年ぶり4度目の頂点に立った。
7試合のうち3試合が延長にもつれ込んだ。第6戦は延長十五回、日本シリーズ最長の5時間43分に及ぶ熱戦だった。球史に残るシリーズだったといえよう。
第7戦のテレビの瞬間最高視聴率は、関東地区で34・1%を記録した。改めて、野球の面白さを実感した人も多いのではないか。
ロッテは、シーズン最終3連戦を全勝して3位に滑り込んだ。その勢いをクライマックスシリーズ(CS)に持ち込んで勝ち上がり、「下克上」と言われた。
日本シリーズでも随所に勝負強さを見せた。際立ったスター選手はいなくても、安打を連ね、投手陣も踏ん張った。
西村徳文監督が掲げたスローガンは「和」だ。それを象徴するように、ナインが一つにまとまった結束力が、日本一を呼び寄せたといえる。
今季はセ・パ両リーグとも、最終盤まで優勝争いから目が離せない展開だった。上位3チームの力が拮抗(きっこう)しており、CSでは白熱した試合が多かった。
2007年に両リーグでCSが導入されて以来、そのプラスの面が最も引き出されたシーズンだったのは間違いない。
CSの導入で、3位以内に入るかどうかに、大きな関心が集まるようになった。優勝の可能性がなくなった後の消化試合が減り、最後までファンの興味を引きつけられることは、球界にとっても大きなメリットだ。
だが、一方で、リーグ3位のチームが日本一になることに、釈然としない思いのファンもいることだろう。リーグ優勝の価値が下がり、日本シリーズの権威が揺らぐという声も根強い。
3位に入りさえすれば、優勝チームと大差がついたり、勝率が5割に満たなかったりしてもCSに出られる現行の制度のままでいいのかという問題もあるだろう。
球界を取り巻く状況は厳しい。ドル箱と言われた日本シリーズは今年、3試合でテレビの地上波による全国中継がなかった。成績不振が続く横浜球団の売却交渉は、破談となった。スター選手の米大リーグへの移籍も止まらない。
ファンに支持され、球界が発展していくためには、どのような制度が最良なのか、模索していくことが必要だ。
国連機関の国際電気通信連合(ITU、本部ジュネーブ)は10月21日、第4世代(4G)の携帯電話の国際規格に、欧州主導の「LTE」、米国の「WiMAX(ワイマックス)」の両方式の発展型を採用すると発表した。日本は独自基準を提案せず、両方式に二またをかけていた。戦いを事実上放棄することで、国際標準から取り残される「ガラパゴス化」を回避した格好だ。
4G携帯の通信速度は最大で毎秒1ギガ(ギガは10億)ビットで、光ファイバー並みのスピードでデータ通信が可能になる。
「6つの候補から4G携帯に求められているすべての基準に合致する2つの方式を選んだ」。ITUのプレスリリースはさらりと説明するが、実情はもっと複雑だ。6候補は欧州、米国のほか、中国、韓国、日本。1つ足りないのは日本が2候補も出しているためだ。
世界標準を巡る争いに積極的に参加していると思いきや、1つは欧州の「LTE」発展型と、もう1つは米の「WiMAX」発展型とほぼ同じ。総務省は「両候補への支持を明確にするために提案した」と説明する。
実は日本はすでに4Gに通信速度が近い携帯電話サービスに着手している。NTTドコモなど3社は現行の「LTE」規格によるサービスを準備。KDDI系のUQコミュニケーションズは現行の「WiMAX」規格によるサービスを展開中だ。スムーズに4Gに移行するには、両方式の発展型が国際標準となるのが都合がよいというわけだ。
これまで独自に進化した日本の携帯電話は世界標準からかけ離れ、希少生物の多いガラパゴス島とやゆされた。このため4G携帯では独自規格を早々と断念し、欧米勢に従った。
一方、中国が今回提出したのは「LTE」がベースだが、上り方向と下り方向で同じ周波数を使う「TD-LTE」という独自規格。結果として勝利は逃したものの、規格争いに果敢に打って出たことは間違いない。第5世代(5G)では、規格争いのメーンプレーヤーとなる可能性が高い。
「アイワ」を覚えていますか 「円高はどんどん進む。法人税も高い。政府は当社を日本から追い出しにかかっているとしか思えない。海外移転は資本の論理からして当然である」
円相場が1ドル=79円75銭の最高値へと上昇基調をたどった1994~95年。こんな歯切れのよい発言で市場の注目を集めたのが音響機器メーカー、アイワの卯木肇社長だった。
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行動と実績も伴った。海外生産比率は当時すでに80%超。アジア製の廉価なAV(音響・映像)機器を日本を含むアジア全域や中東に売りさばいた。円高のまっただ中の95年3月期、連結経常利益は131億円と1年前比33%増えた。
経営者が変わっても戦略は引き継がれ、海外生産比率が90%に達した98年3月期の連結経常利益は179億円まで伸びた。
円高対応の先駆者は転落も早かった。2000年3月期からはAV不況で赤字が3年続き、親会社のソニーが吸収。08年春にアイワブランド製品の販売停止が発表された。
円相場の約15年半ぶりの高値更新も意識される今。10年4~9月期の決算発表は、円高対応への苦渋の声が木霊している。
「技術やノウハウなど日本に残せるものはきちっと残したい。円高がさらに進めばもう一段の海外展開をせざるをえないが、それは絶対に避けたい」(日立製作所の三好崇司副社長)
「下期に1ドル=82円の想定で利益を出すことが、日本でものづくりを死守する条件となる」(トヨタ自動車の小沢哲副社長)
JPモルガン証券株式調査部の北野一チーフストラテジストは、そんな様子に「消えたアイワ」の影を見る。銀行で為替調査の経験も持つ北野氏は「円ドル相場は行き過ぎがつきもの」と知っている。
円高に過剰に反応して海外展開を急ぎすぎれば、製品の付加価値を高める企業努力が後手に回りはしないか。北野氏の不安は、アイワ消滅の構造的な要因を言い当てている。
01年にソニー専務からアイワ社長に転じた森本昌義氏は「デジタル家電の技術に通じた人材が数人しかいなかった」現実を前に、肝をつぶした。
ミニコンポをはじめとするアナログ製品の海外生産にかけたアイワは、半導体やインターネットなど次世代技術を研究する動機に乏しかったのだ。ソニーは「グループ内の低価格ブランドとして生かせないか」と考えたが、技術の空洞化は想定を超えていた。
□ ■ □
94年9月17日付本紙の「トップに聞く企業戦略」に、卯木社長の予言めいた発言を見つけた。企業を海外に追い出す政府はいずれ税収が不足して初めて事の重大性に気づく、と。
そして締めくくる。「個人的には早くそうなればと切望している。それが経済人の提議できる現状へのアンチテーゼだからだ」
海外展開で大成功し、次の一手を欠いたために消えたアイワ。その物語は懐かしさ以上の重みを持つ。
Android新版「Gingerbread」、11日登場のうわさ
Androidの次期バージョン「Gingerbread」(バージョン3と言われているが、バージョン2.3との説もある)が11日に開発者向けにリリースされるといううわさが流れている。さらにOpen Handset Alliance(OHA)の関係者とされる人物が「開発者用Nexus Oneが、数日中にGingerbreadにアップグレードできるようになる」と7日にTwitterで告知している。これは11日リリースのうわさに合致している。
Googleが10月後半にGingerbreadのマスコット像を本社に設置したことから、Gingerbreadリリースは近いと憶測されていた。同バージョンはテレビ電話機能やYouTubeのLeanbackサポートを備えると言われている。
ただし一般ユーザーがGingerbreadを手にするのは、機種にもよるが来年になるとみられる。
ドコモ次世代携帯、14年に1500万回線めざす 来月開始を発表 海外再挑戦の試金石に
NTTドコモは8日、現行の5~10倍の通信速度が可能な次世代携帯電話サービス「Xi(クロッシィ)」を12月24日から始めると発表した。「LTE」と呼ばれる次世代通信規格を国内でいち早く商用化し、2014年に契約者の4分の1に当たる1500万回線を目指す。ドコモはLTEで海外市場も狙うが、米欧の通信大手との厳しい競争が予想される。国内でどこまで利用者を増やせるかが、海外再挑戦の試金石になる。
「Xi」はLTEと既存の携帯電話回線を併用できるサービス。通信速度は毎秒37.5メガ(メガは100万)~75メガビットと現行の7.2メガビットに比べて速度が向上。スマートフォン(高機能携帯電話)で、パソコン並みの高速通信が可能になる。
新サービスへの移行を促したいドコモは、一定のデータ量まで月額料金を1000~6510円と、現行の1000~5985円から約1割高い水準に設定した。
KDDIやソフトバンクグループがLTEサービスを始めるのは12年以降。ドコモの山田隆持社長は「今後は設備投資をLTEに集中する」とインフラ整備を急ぎ、先行の優位を生かして顧客を囲い込みたい考えだ。
ただし、サービス利用地域は当初、東京・大阪・名古屋の市街地のみ。11年度に全国の県庁所在地級の都市に広げるが、全国の主要都市に行き渡るのは12年度だ。
LTEに対応したスマートフォンが国内で発売されるのも11年末の見通しで、当面、利用者はデータ通信用端末をパソコンに差し込んで使うことになる。携帯電話の新規格として一般的に普及するにはまだ時間がかかる。インフラが不十分だと、利用者は既存サービスからの乗り換えをためらう傾向がある。KDDIグループが手掛け、LTE並みの通信速度が可能な高速無線「WiMAX(ワイマックス)」は、提供地域の狭さなどを背景に契約者獲得で苦戦している。
これまで別々だった国内外の携帯電話の通信方式が事実上統一されるLTEは、ドコモにとっては「海外巻き返し」の契機にもなる。
しかし海外の通信大手もLTEを使った「領土拡大」を狙っており、早い企業は09年末から一部地域で商用化に着手している。日本で先陣を切ったドコモも、世界では先頭を走っているわけではない。
LTEは海外進出で失敗した国内の携帯電話機メーカーにとっても海外再挑戦の最後のチャンスになる。まずは先陣を切ってのサービスを開始したドコモが、国内でどこまで利用者を増やせるか。LTEには「日の丸ケイタイ」の浮沈がかかっている。
携帯出荷、スマートフォン効果などで2ケタ増 4~9月
3年ぶりプラスに
電子情報技術産業協会(JEITA)が9日発表した2010年4~9月の携帯電話端末の国内出荷台数は、前年同期比11.3%増の1731万4000台と3年ぶりに前年実績を上回った。防水機能や高解像度カメラなどを備えた機種の品ぞろえ増加や、スマートフォン(高機能携帯電話)の人気が後押しした。
内訳は携帯電話が11%増の1676万7000台、PHSが20.9%増の54万7000台。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」など一部海外メーカーの端末は含んでいない。JEITAでは今後について「下げ止まり感が出てきたが、年末商戦に向けての動向を注視する必要がある」としている。
9月単月では前年同月比34.7%増の326万3000台と、3カ月連続のプラスだった。
ロッテ日本一 「下克上」で頂点を極めた(11月9日付・読売社説)
リーグ3位から勝ち上がっての日本一という初の快挙である。
プロ野球の日本シリーズは、ロッテが中日を4勝2敗1分けで下し、5年ぶり4度目の頂点に立った。
7試合のうち3試合が延長にもつれ込んだ。第6戦は延長十五回、日本シリーズ最長の5時間43分に及ぶ熱戦だった。球史に残るシリーズだったといえよう。
第7戦のテレビの瞬間最高視聴率は、関東地区で34・1%を記録した。改めて、野球の面白さを実感した人も多いのではないか。
ロッテは、シーズン最終3連戦を全勝して3位に滑り込んだ。その勢いをクライマックスシリーズ(CS)に持ち込んで勝ち上がり、「下克上」と言われた。
日本シリーズでも随所に勝負強さを見せた。際立ったスター選手はいなくても、安打を連ね、投手陣も踏ん張った。
西村徳文監督が掲げたスローガンは「和」だ。それを象徴するように、ナインが一つにまとまった結束力が、日本一を呼び寄せたといえる。
今季はセ・パ両リーグとも、最終盤まで優勝争いから目が離せない展開だった。上位3チームの力が拮抗(きっこう)しており、CSでは白熱した試合が多かった。
2007年に両リーグでCSが導入されて以来、そのプラスの面が最も引き出されたシーズンだったのは間違いない。
CSの導入で、3位以内に入るかどうかに、大きな関心が集まるようになった。優勝の可能性がなくなった後の消化試合が減り、最後までファンの興味を引きつけられることは、球界にとっても大きなメリットだ。
だが、一方で、リーグ3位のチームが日本一になることに、釈然としない思いのファンもいることだろう。リーグ優勝の価値が下がり、日本シリーズの権威が揺らぐという声も根強い。
3位に入りさえすれば、優勝チームと大差がついたり、勝率が5割に満たなかったりしてもCSに出られる現行の制度のままでいいのかという問題もあるだろう。
球界を取り巻く状況は厳しい。ドル箱と言われた日本シリーズは今年、3試合でテレビの地上波による全国中継がなかった。成績不振が続く横浜球団の売却交渉は、破談となった。スター選手の米大リーグへの移籍も止まらない。
ファンに支持され、球界が発展していくためには、どのような制度が最良なのか、模索していくことが必要だ。
ドコモのスマートフォン、独自サービスで分かる本気度
NTTドコモは11月8日、2010年冬~11年春モデルの携帯電話の新製品28機種を発表した。このうちスマートフォンは4機種で、併せて10年12月24日に開始する次世代携帯通信(LTE)サービス「Xi(クロッシィ)」の料金体系なども発表した。「スマートフォン、iモード、LTEでドコモはネクストステージに向かう」。発表会見でNTTドコモの山田隆持社長はこう宣言した。
話題のスマートフォンでは、3D(3次元)液晶ディスプレーを搭載するシャープ製の「LYNX 3D SH-03C」、防水仕様の東芝製「REGZA Phone T-01C」、フルキーボードを備える韓国LG電子製「Optimus chat L-04C」、さらにリサーチ・イン・モーション(カナダ)の「BlackBerry(ブラックベリー)」シリーズの廉価版「BlackBerry Curve 9300」をそろえてきた。山田社長はこれまで「年度末までに7機種を投入する」と語っている。すでに10月に発表した韓国サムスン電子製の2機種と今回の4機種のほかに、残る1機種としてタブレット型端末を今年度内に発売する予定だ。
LGの新機種は、普通の携帯電話端末を使っていたユーザーでも違和感なく使えるように、「ドコモメニュー」と呼ぶユーザーインターフェースを搭載している。ソフトバンクモバイルの孫正義社長は「スマートフォンの作り込みはナンセンス」と携帯電話会社によるカスタマイズの意義を一蹴したが、NTTドコモは初心者向けに使いやすさを重視した。
3D液晶のスマートフォンは、ソフトバンクモバイルが一足早く発表している。防水対応スマートフォンもKDDIが発表済みだ。3社ではNTTドコモの製品発表が一番最後になったためではあるが、他社にないスマートフォンはLG製とブラックベリーの2機種しかなく、驚きはそれほどなかった。
「エバーノート」で独自色を出したが・・・
そんななか、NTTドコモが独自色を打ち出したのが、ネット経由のクラウドサービス「エバーノート」だ。
スマートフォンやパソコンにあるデータをクラウド上で一元的に管理し、どこからでもデータを引き出せる。ちょっとしたアイデアや写真で残しておきたいものをすべて保存しておけば、いつでもどこでもデータをチェックできるとあってスマートフォンユーザーを中心に利用者が増えている。
NTTドコモは、傘下のドコモキャピタルが米エバーノートに出資していることもあり、アンドロイド搭載のスマートフォンにあらかじめインストールすることにした。エバーノート自体はすでにアップルの「iPhone」でも人気のサービスとなっており、他社のアンドロイド端末でも利用が可能だ。そのためNTTドコモは、機能が豊富な有料のプレミアム版(月額5ドル)を1年間無料にする。将来は「iモード」対応の従来型の携帯電話端末にもアプリを載せる計画だ。
スマートフォンは、メーカーが複数の携帯電話会社に製品を供給するマルチキャリア展開に向いており、携帯電話会社は端末で他社と違いを出しにくい状況にある。KDDIがインターネット電話の「Skype(スカイプ)」、ソフトバンクモバイルが電子書籍などのコンテンツを目玉にするなか、NTTドコモはエバーノートで独自の味付けをしてきた。
確かに、エバーノートは便利なサービスだ。実際に使ってみると、後で必要になりそうなデータをとりあえずクラウドに上げておけば、いざという時に困らない。ただ、これは使っていると実感できる便利さで、初めてスマートフォンを購入するようなユーザーにどれだけ魅力的に映るかは微妙なところだ。日本でのエバーノートの認知度は一般にはまだ低く、キラーサービスというには物足りない。
iモードサービスをなぜ早く移植しないのか
今回の発表を見て気になったのは、NTTドコモらしいスマートフォンサービスが何も準備できていなかったということだ。NTTドコモがスマートフォンという舞台で何をやりたいのか、ユーザーにどんなメリットをもたらしたいと考えているのかがさっぱり見えてこない。
その点、ソフトバンクモバイルであれば、iPhoneで培ったコンテンツのノウハウをアンドロイドでも生かそうとしているし、KDDIもスカイプへの取り組みや既存の携帯電話向けの音楽配信サービスや銀行サービスをいち早く移植しようとしたところなどに努力の跡が見える。そういった意味で、NTTドコモには物足りなさを感じてしまうのだ。
NTTドコモにはiモードという5000万弱の契約者数を抱える巨大なコンテンツサービスがある。これらをもっと早くスマートフォン向けに移植する必要があるのではないか。
iモード端末向けに提供している「iコンシェル」という情報配信サービスでは、今冬モデルからユーザーのメモや手帳代わりとして利用できる機能を追加する。こういったサービスこそスマートフォンでも求められ、他社への競争力につながるだろう。iコンシェルとエバーノートが連携すると一気にユーザーの利便性は増すはずだ。
開発体制が分離、典型は「ドコモマーケット」
もちろん、NTTドコモもスマートフォン向けサービスの準備は進めているだろうが、山田社長は「2013年ごろに新規販売分においてiモードとスマートフォンが逆転する。11~12年にサービス開発の軸足をスマートフォンに移していきたい」と語っている。現在のところ、スマートフォンに本腰を入れた開発体制には移っていない。
NTTドコモの組織体系を見る限りでは、スマートフォン向けとiモード向けのコンテンツ開発は分離してしまっている。その典型といえるのが「ドコモマーケット」だ。
すでにスマートフォン向けにドコモマーケットというサービスが提供されているが、ここではアプリや動画、スマートフォンで閲覧するのに最適なサイトなどを紹介している。
一方、12月6日にスタートするiモード向けのドコモマーケットでは、iモード用アプリの配信や音楽配信、電子書籍サービスなどiモードでノウハウを培ったサービスやコンテンツが集結している。同じドコモマーケットという名称でありながら、中身は全く別のものになっている。iモード向けで準備している電子書籍などのコンテンツをスマートフォンの冬モデルにも提供できていれば、もっとドコモらしい独自性を出せたはずだ。
NTTドコモは、スマートフォンや8日発表したシャープ製の電子書籍専用端末「SH-07C」向けには、大日本印刷との協業の電子書籍配信サービスをメーンに提供しようと考えている(シャープの専用端末は同社の配信サービス「GALAPAGOS」も利用可能)。ソフトバンクモバイルのように既存の携帯電話向けサービスを転用すれば、NTTドコモならスマートフォン向けに一気に数十万種類以上のコンテンツを用意することも可能だっただろう。
KDDIやソフトバンクモバイルがスマートフォンに本気で取り組む一方で、NTTドコモはまだどこか動きが鈍いようにも感じる。巨人ドコモがアンドロイド向けサービスに全力で取りかかるようになったとき、日本のスマートフォン時代は本当に始まるのかもしれない。
日本シリーズ、20%超えは最終戦のみ BSへの移行加速か プロ野球中継
ロッテの5年ぶりの日本一で幕を閉じた今年のプロ野球日本シリーズ。7試合のうち第1、2、5戦がテレビ地上波で全国中継されない初の事態となり、視聴率も20%超は最終戦のみ。破談となった横浜の売却問題と合わせ、プロ野球人気の低下を暗示する。地上波からBSへのさらなる移行など、来季の中継のあり方にも影響を与えそうだ。
「日本の野球は、リトルリーグからプロ野球まで層が厚い。大事にしたいし、工夫して放送したいが、非常に厳しくなっている」
テレビ東京の島田昌幸社長は、10月末の会見でこう語った。同局が中継した11月3日夜の第4戦は、平均世帯視聴率が9・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)で、同日午後の東京六大学野球早慶優勝決定戦(NHK総合)の12・1%をも下回った。
2日に第3戦を中継し、6・8%にとどまったテレビ朝日の早河洋社長も「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など国際レベルの試合は数字が高いが、レギュラーシーズンは低調で、日本シリーズも同傾向が5、6年続いている」と危機感を募らせる。
かつて花形だった巨人戦も、平成12年以降はナイター中継の年平均が20%を割り、今年は8・4%で過去最低を更新。関係が深い日本テレビでさえ「かつてのような視聴率が取れず、(日本シリーズの中継を)ためらう部分もある」(舛方勝宏副社長)と明かす。
日テレ系は今季、地上波中継が25試合だったのに対し、BS日テレは56試合、CSの「日テレG+」は72試合。各局とも地上波を減らし、系列のBSやCS中継を増やす傾向にある。
日本シリーズの地上波全国中継が欠けたことについて舛方副社長は「BS普及によいのではないか。試合開始から中継を見られ、団塊世代を中心に受け入れられている。決して悲観的な形ではない」と投げかける。
視聴率が20%前後だった6、7戦を中継したフジテレビの豊田皓(こう)社長は「プロ野球の人気はトータルではそんなに下がっていない。3波で中継のあり方を考えたい」とし、その上で「中日だと名古屋で大人気。ローカル中継に流れていく可能性もある」と話す。
ビデオ流出告発 危機感をもって真相の解明を(11月9日付・読売社説)
真相解明の手段は「調査」から「捜査」に移った。相次ぐ情報流出で、国の情報管理能力が問われている。検察当局は危機感をもって捜査にあたらねばならない。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像がインターネット上に流出した問題を巡り、海上保安庁が検察と警察に、被疑者不詳のまま、国家公務員法違反などの容疑で刑事告発した。
流出映像は石垣海上保安部が編集したものとほぼ特定された。海保と検察の双方に保管されていたが、現時点で検察側から流出した形跡はなく、海保側から流れた疑いが強いという。
誰がどんな手段で流出させたのか、何らかの政治的意図があったのか。重要なのは、真相の徹底解明である。
そのためには、海保による任意の内部調査では限界があろう。告発により検察当局に捜査を委ねたのは当然だ。
インターネット上では情報が瞬時に拡散する。パソコンへのアクセス状況を調べ、犯人を特定するには専門的な知識が必要だ。
検察当局は流出ルートを調べるため、問題のビデオ映像が投稿されたサイトを運営する検索大手の「グーグル」に対し、投稿者の情報提供を求めた。
それでも自宅のパソコンではなく、匿名性の高いネットカフェなどから投稿した場合には、投稿者の特定は極めて難しいという。
警察にはサイバー犯罪に関する捜査ノウハウの蓄積がある。検察当局は警察と連携して、迅速に解明を進めてもらいたい。
流出映像は、事件発生直後、石垣海保が内部の説明用に作成したものだという。石垣海保の共用パソコンに保存されたほか、複数の記憶媒体に複製された。
捜査担当以外の職員も比較的自由にパソコンを閲覧したり、情報をコピーしたりすることが可能な状態だった。馬淵国土交通相の指示で管理が強化される先月中旬までは、記憶媒体の金庫での保管も徹底されていなかった。
捜査機関として極めてずさんな情報管理にあきれるほかない。
警視庁の国際テロ情報流出問題が明るみに出たばかりである。すべての捜査機関は、情報管理態勢を早急に見直し、再発防止に取り組まねばならない。
今回の情報流出は、ビデオ映像の一般公開を避け続けた政府にも責任の一端がある。改めて国民に対するビデオの全面公開を検討する必要があろう。
NTTドコモは11月8日、2010年冬~11年春モデルの携帯電話の新製品28機種を発表した。このうちスマートフォンは4機種で、併せて10年12月24日に開始する次世代携帯通信(LTE)サービス「Xi(クロッシィ)」の料金体系なども発表した。「スマートフォン、iモード、LTEでドコモはネクストステージに向かう」。発表会見でNTTドコモの山田隆持社長はこう宣言した。
話題のスマートフォンでは、3D(3次元)液晶ディスプレーを搭載するシャープ製の「LYNX 3D SH-03C」、防水仕様の東芝製「REGZA Phone T-01C」、フルキーボードを備える韓国LG電子製「Optimus chat L-04C」、さらにリサーチ・イン・モーション(カナダ)の「BlackBerry(ブラックベリー)」シリーズの廉価版「BlackBerry Curve 9300」をそろえてきた。山田社長はこれまで「年度末までに7機種を投入する」と語っている。すでに10月に発表した韓国サムスン電子製の2機種と今回の4機種のほかに、残る1機種としてタブレット型端末を今年度内に発売する予定だ。
LGの新機種は、普通の携帯電話端末を使っていたユーザーでも違和感なく使えるように、「ドコモメニュー」と呼ぶユーザーインターフェースを搭載している。ソフトバンクモバイルの孫正義社長は「スマートフォンの作り込みはナンセンス」と携帯電話会社によるカスタマイズの意義を一蹴したが、NTTドコモは初心者向けに使いやすさを重視した。
3D液晶のスマートフォンは、ソフトバンクモバイルが一足早く発表している。防水対応スマートフォンもKDDIが発表済みだ。3社ではNTTドコモの製品発表が一番最後になったためではあるが、他社にないスマートフォンはLG製とブラックベリーの2機種しかなく、驚きはそれほどなかった。
「エバーノート」で独自色を出したが・・・
そんななか、NTTドコモが独自色を打ち出したのが、ネット経由のクラウドサービス「エバーノート」だ。
スマートフォンやパソコンにあるデータをクラウド上で一元的に管理し、どこからでもデータを引き出せる。ちょっとしたアイデアや写真で残しておきたいものをすべて保存しておけば、いつでもどこでもデータをチェックできるとあってスマートフォンユーザーを中心に利用者が増えている。
NTTドコモは、傘下のドコモキャピタルが米エバーノートに出資していることもあり、アンドロイド搭載のスマートフォンにあらかじめインストールすることにした。エバーノート自体はすでにアップルの「iPhone」でも人気のサービスとなっており、他社のアンドロイド端末でも利用が可能だ。そのためNTTドコモは、機能が豊富な有料のプレミアム版(月額5ドル)を1年間無料にする。将来は「iモード」対応の従来型の携帯電話端末にもアプリを載せる計画だ。
スマートフォンは、メーカーが複数の携帯電話会社に製品を供給するマルチキャリア展開に向いており、携帯電話会社は端末で他社と違いを出しにくい状況にある。KDDIがインターネット電話の「Skype(スカイプ)」、ソフトバンクモバイルが電子書籍などのコンテンツを目玉にするなか、NTTドコモはエバーノートで独自の味付けをしてきた。
確かに、エバーノートは便利なサービスだ。実際に使ってみると、後で必要になりそうなデータをとりあえずクラウドに上げておけば、いざという時に困らない。ただ、これは使っていると実感できる便利さで、初めてスマートフォンを購入するようなユーザーにどれだけ魅力的に映るかは微妙なところだ。日本でのエバーノートの認知度は一般にはまだ低く、キラーサービスというには物足りない。
iモードサービスをなぜ早く移植しないのか
今回の発表を見て気になったのは、NTTドコモらしいスマートフォンサービスが何も準備できていなかったということだ。NTTドコモがスマートフォンという舞台で何をやりたいのか、ユーザーにどんなメリットをもたらしたいと考えているのかがさっぱり見えてこない。
その点、ソフトバンクモバイルであれば、iPhoneで培ったコンテンツのノウハウをアンドロイドでも生かそうとしているし、KDDIもスカイプへの取り組みや既存の携帯電話向けの音楽配信サービスや銀行サービスをいち早く移植しようとしたところなどに努力の跡が見える。そういった意味で、NTTドコモには物足りなさを感じてしまうのだ。
NTTドコモにはiモードという5000万弱の契約者数を抱える巨大なコンテンツサービスがある。これらをもっと早くスマートフォン向けに移植する必要があるのではないか。
iモード端末向けに提供している「iコンシェル」という情報配信サービスでは、今冬モデルからユーザーのメモや手帳代わりとして利用できる機能を追加する。こういったサービスこそスマートフォンでも求められ、他社への競争力につながるだろう。iコンシェルとエバーノートが連携すると一気にユーザーの利便性は増すはずだ。
開発体制が分離、典型は「ドコモマーケット」
もちろん、NTTドコモもスマートフォン向けサービスの準備は進めているだろうが、山田社長は「2013年ごろに新規販売分においてiモードとスマートフォンが逆転する。11~12年にサービス開発の軸足をスマートフォンに移していきたい」と語っている。現在のところ、スマートフォンに本腰を入れた開発体制には移っていない。
NTTドコモの組織体系を見る限りでは、スマートフォン向けとiモード向けのコンテンツ開発は分離してしまっている。その典型といえるのが「ドコモマーケット」だ。
すでにスマートフォン向けにドコモマーケットというサービスが提供されているが、ここではアプリや動画、スマートフォンで閲覧するのに最適なサイトなどを紹介している。
一方、12月6日にスタートするiモード向けのドコモマーケットでは、iモード用アプリの配信や音楽配信、電子書籍サービスなどiモードでノウハウを培ったサービスやコンテンツが集結している。同じドコモマーケットという名称でありながら、中身は全く別のものになっている。iモード向けで準備している電子書籍などのコンテンツをスマートフォンの冬モデルにも提供できていれば、もっとドコモらしい独自性を出せたはずだ。
NTTドコモは、スマートフォンや8日発表したシャープ製の電子書籍専用端末「SH-07C」向けには、大日本印刷との協業の電子書籍配信サービスをメーンに提供しようと考えている(シャープの専用端末は同社の配信サービス「GALAPAGOS」も利用可能)。ソフトバンクモバイルのように既存の携帯電話向けサービスを転用すれば、NTTドコモならスマートフォン向けに一気に数十万種類以上のコンテンツを用意することも可能だっただろう。
KDDIやソフトバンクモバイルがスマートフォンに本気で取り組む一方で、NTTドコモはまだどこか動きが鈍いようにも感じる。巨人ドコモがアンドロイド向けサービスに全力で取りかかるようになったとき、日本のスマートフォン時代は本当に始まるのかもしれない。
日本シリーズ、20%超えは最終戦のみ BSへの移行加速か プロ野球中継
ロッテの5年ぶりの日本一で幕を閉じた今年のプロ野球日本シリーズ。7試合のうち第1、2、5戦がテレビ地上波で全国中継されない初の事態となり、視聴率も20%超は最終戦のみ。破談となった横浜の売却問題と合わせ、プロ野球人気の低下を暗示する。地上波からBSへのさらなる移行など、来季の中継のあり方にも影響を与えそうだ。
「日本の野球は、リトルリーグからプロ野球まで層が厚い。大事にしたいし、工夫して放送したいが、非常に厳しくなっている」
テレビ東京の島田昌幸社長は、10月末の会見でこう語った。同局が中継した11月3日夜の第4戦は、平均世帯視聴率が9・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)で、同日午後の東京六大学野球早慶優勝決定戦(NHK総合)の12・1%をも下回った。
2日に第3戦を中継し、6・8%にとどまったテレビ朝日の早河洋社長も「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など国際レベルの試合は数字が高いが、レギュラーシーズンは低調で、日本シリーズも同傾向が5、6年続いている」と危機感を募らせる。
かつて花形だった巨人戦も、平成12年以降はナイター中継の年平均が20%を割り、今年は8・4%で過去最低を更新。関係が深い日本テレビでさえ「かつてのような視聴率が取れず、(日本シリーズの中継を)ためらう部分もある」(舛方勝宏副社長)と明かす。
日テレ系は今季、地上波中継が25試合だったのに対し、BS日テレは56試合、CSの「日テレG+」は72試合。各局とも地上波を減らし、系列のBSやCS中継を増やす傾向にある。
日本シリーズの地上波全国中継が欠けたことについて舛方副社長は「BS普及によいのではないか。試合開始から中継を見られ、団塊世代を中心に受け入れられている。決して悲観的な形ではない」と投げかける。
視聴率が20%前後だった6、7戦を中継したフジテレビの豊田皓(こう)社長は「プロ野球の人気はトータルではそんなに下がっていない。3波で中継のあり方を考えたい」とし、その上で「中日だと名古屋で大人気。ローカル中継に流れていく可能性もある」と話す。
ビデオ流出告発 危機感をもって真相の解明を(11月9日付・読売社説)
真相解明の手段は「調査」から「捜査」に移った。相次ぐ情報流出で、国の情報管理能力が問われている。検察当局は危機感をもって捜査にあたらねばならない。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像がインターネット上に流出した問題を巡り、海上保安庁が検察と警察に、被疑者不詳のまま、国家公務員法違反などの容疑で刑事告発した。
流出映像は石垣海上保安部が編集したものとほぼ特定された。海保と検察の双方に保管されていたが、現時点で検察側から流出した形跡はなく、海保側から流れた疑いが強いという。
誰がどんな手段で流出させたのか、何らかの政治的意図があったのか。重要なのは、真相の徹底解明である。
そのためには、海保による任意の内部調査では限界があろう。告発により検察当局に捜査を委ねたのは当然だ。
インターネット上では情報が瞬時に拡散する。パソコンへのアクセス状況を調べ、犯人を特定するには専門的な知識が必要だ。
検察当局は流出ルートを調べるため、問題のビデオ映像が投稿されたサイトを運営する検索大手の「グーグル」に対し、投稿者の情報提供を求めた。
それでも自宅のパソコンではなく、匿名性の高いネットカフェなどから投稿した場合には、投稿者の特定は極めて難しいという。
警察にはサイバー犯罪に関する捜査ノウハウの蓄積がある。検察当局は警察と連携して、迅速に解明を進めてもらいたい。
流出映像は、事件発生直後、石垣海保が内部の説明用に作成したものだという。石垣海保の共用パソコンに保存されたほか、複数の記憶媒体に複製された。
捜査担当以外の職員も比較的自由にパソコンを閲覧したり、情報をコピーしたりすることが可能な状態だった。馬淵国土交通相の指示で管理が強化される先月中旬までは、記憶媒体の金庫での保管も徹底されていなかった。
捜査機関として極めてずさんな情報管理にあきれるほかない。
警視庁の国際テロ情報流出問題が明るみに出たばかりである。すべての捜査機関は、情報管理態勢を早急に見直し、再発防止に取り組まねばならない。
今回の情報流出は、ビデオ映像の一般公開を避け続けた政府にも責任の一端がある。改めて国民に対するビデオの全面公開を検討する必要があろう。