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総務省、携帯電波の確保急ぐ
周波数帯再編の負担見直し 通信速度改善へ
 総務省は2011年にも電波法を改正し、周波数の再編を促す新制度を導入する。同省が事業者に周波数帯を変えてもらう際には、跡地を使う別の事業者が移行費用の一部を負担するようにする。携帯電話などに活用する周波数帯の需要が拡大しているため、必要な電波を確保すべきだと判断した。携帯電話や高速大容量通信の通信速度の改善、送信できるデータの拡大などが期待できそうだ。
 事業者に周波数帯を変えてもらう場合、これまでは電波の免許期間が切れる時期に合わせて働き掛けてきた。だが携帯電話などの通信量は20年に現在の200倍に膨らむ見通しで、周波数帯の確保が追いつかない可能性も出てきた。
 現状では空きも少なく、まとまった周波数帯を生み出す必要がある。このため事業者の免許期間が切れる前でも、使用している周波数帯を変えてもらえる制度を導入する。
 移行先の周波数帯は総務省が確保する。事業者が移行時に無線通信設備を更新すると、数億~数百億円の費用がかかるとみられる。従来は移行する事業者が自分で支払ってきたが、今後は跡地を使う別の事業者に一部を負担させる。
 国が通信事業者などから徴収する電波利用料から、費用の一部を捻出(ねんしゅつ)することも検討する。複数の事業者が跡地の利用を希望する場合には、競売(オークション)で最も高い金額を提示した事業者に割り当てる方針だ。
 どの周波数帯を空けるかは早急に詰める。12年以降に携帯電話用に割り当てる計画の700メガヘルツ帯と900メガヘルツ帯が候補になりそうだ。現在はタクシーの無線やテレビ中継用の無線などにも活用しているが、通信機器メーカーや携帯電話事業者が見直しを求めている。
 公共業務などに使う1.7ギガヘルツ帯や、無線通信に割り当てる2.5ギガヘルツ帯などについても、再編の要望が出ている。
 総務省は新制度の導入を通じ、携帯電話に使える周波数を20年までに4倍に増やしたい考えだ。データの圧縮技術なども組み合わせ、通信量の増大に対応する。これが実現すれば、ハイビジョン並みの高画質画像データを携帯電話で瞬時にやり取りすることも可能になるという。
 周波数の再編にかかる時間も従来の10年程度から2~3年程度に短縮できる見込み。その分、高速無線通信などの新サービスの導入時期を早められる利点がある。
 必要な電波をどう確保するかは、主要国の間でも共通の課題になりつつある。米国も「国家ブロードバンド計画」を掲げ、電波の再編を加速しようとしている。



「アナログTV跡」焦点 多機能携帯普及に備え
 新制度の適用対象となりそうなのが、2012年にも携帯電話用に割り当てられる計画となっている700メガヘルツ帯と900メガヘルツ帯の周波数だ。同帯域の電波はビルなどの障害物を回り込むようにして届くため、携帯電話の加入者がビル陰などに入っても通信が途切れにくい。携帯通信事業者の間では「プレミアムバンド」とも呼ばれる。
 この帯域は現在、アナログテレビ放送のほか、タクシー無線などに利用されている。アナログ放送は地上デジタル放送への完全移行に伴い11年7月に終了する予定。タクシー無線などの利用者には他の帯域に移ってもらいたい、との要望が通信事業者から出ている。
 既存の事業者が他の周波数帯に移ると、通信設備の切り替えなどが必要になる。ソフトバンクは「その費用は跡地を利用する携帯電話事業者が、応分に負担すればいい」と主張してきた。
 携帯通信大手3社のうち、NTTドコモとKDDI(au)は現在、「プレミアムバンド」の800メガヘルツ帯の周波数を割り当てられている。
 同バンドの割り当てがないソフトバンクは2ギガヘルツ帯を使っているが、米アップルの多機能携帯電話(スマートフォン)「アイフォーン」人気もあり、契約者の一部から「回線がつながりにくい」との声が出ている。700、900メガヘルツ帯は「のどから手が出るほど欲しい」(ソフトバンク幹部)という事情もある。
 欧米でも700~900メガヘルツの帯域については携帯通信事業者向けに割り当てるのが主流となっている。海外の携帯端末メーカーなどからは、同帯域の割り当て方について国際的な協調を求める声が出ている。日本だけが特殊だと、海外の端末や基地局を日本に持ち込んで使う場合、仕様などを変更しなければならずコスト高になるからだ。



円高、企業が緊急対策 ソニー 欧米で値上げ
ホンダ、四輪車の部品輸入 海外シフト、空洞化懸念も
 外国為替市場での急激な円高を受け、国内の主要企業が生産体制見直しなどの緊急対策に乗り出している。ホンダが海外から四輪車の部品輸入を増やすほか、三菱重工業は顧客に円建てでの支払いを要請する。政府の対応が鈍いなか、企業の想定為替レートを超える円高が続くためだ。自助努力だけでは収益への悪影響を補えないほか、海外シフトの加速が国内産業の空洞化をさらに進める恐れもある。(想定為替レートは総合面「きょうのことば」参照)=関連記事総合、経済1面に
 円相場は24日に一時1ドル=83円台に突入した後も、84円台と多くの企業が想定する87~90円程度を超える円高水準で推移している。一段の円高が進めば「収益が悪化し開発面などで競争力を維持できなくなる」(ホンダの北條陽一取締役)との声も上がっている。
 これを受け、ホンダは部品調達の手法を見直す。2011年3月期から国内で生産する四輪車で海外部品の輸入比率を高める。例えば小型車「フィット」で既に17%に高めたが、今後は「シビック」やハイブリッド車など他の車種にも対象を拡大する。四輪車全体で数%にとどまる部品の輸入比率を引き上げる。
 二輪車でも排気量125cc以下の量販型のバイクで同様の取り組みを強化する。2~3年内に生産コストを現在より10%程度減らす。需要次第ではインドやタイなどで生産する二輪車の日本への輸入拡大も検討する。
 トヨタ自動車も米国工場で生産する自動車用エンジンの日本への輸入を始めた。電機業界でもNECが海外で展開するITサービス事業で使う周辺機器やソフトの現地調達を増やす。
 財務面での対策も広がっている。三菱重工業は造船などを受注する際に、契約段階で円建てでの支払いを顧客に要請する。同時に外貨建ての資材調達を増やし円高リスクに備える。TDKは外貨建てでの借り入れを増やし、保有する外貨建て債権と相殺することで、為替変動の影響を軽くする。
 急激な円高を受け、価格戦略に踏み込むケースも出始めた。ソニーは主に欧米でパソコン「バイオ」の夏モデルの一部を値上げした。セイコーエプソンもインクジェットプリンターの海外での値上げを検討している。
 抜本的な解決策が乏しいなか、日本精工は緊急のコスト削減を進める。今期は設備投資見直しなどで計画より50億円規模のコスト圧縮を決めた。商船三井も航海速度を落とすことで燃料の消費量を減らす。
 日本企業は過去に何度か円高局面を乗り切ってきた。とはいえ、企業の「円高対策は限界にきている」(ホンダ首脳)。日産自動車は今期から主力小型車「マーチ」の生産を日本からタイに移管。他の製造業でも海外生産拡大の動きが強まっている。今回もこうした動きが広がれば、国内生産の空洞化や雇用の流出に拍車をかけかねない。



スーパー、ネット販売強化 割引クーポンや専用商品
働く女性・高齢者照準
 スーパー大手がインターネットで注文を受けた商品を宅配するネットスーパー事業を強化する。同分野最大手のイトーヨーカ堂は来春までに実施店をほぼ全店に拡大、2010年度の売上高を09年度比1.5倍の約300億円に引き上げる。マルエツや東急ストアは割引クーポンを発行し、サミットも専用に500品をそろえた。ネットスーパーは働く女性や高齢者向けに大手が一斉参入しており、消費回復のペースが鈍る中、猛暑に伴う需要底上げもとらえて一段の浸透を狙う。
 ヨーカ堂は10年2月末で118店ある実施店を、11年2月末までに150店(全店舗数は約170)へ広げる。配送エリアなどが重なる店を除くと、ほぼ全店で手掛けることになる。
 サービスでは5月から、ほぼ10日間隔で通常315円の配送料を80円に引き下げ、利用者の多い店で配送回数を1日5回から6回に増やして、夕方までだった受注時間を夜に拡大。30店で始めており、順次拡大する。
 マルエツ、東急ストア、関西スーパーマーケットはそれぞれ今夏から、ネットスーパーの会員に割引クーポンの発行を始めた。3社は楽天が運営するネットスーパー向け通販サイトに出店しており、自社の会員に携帯電話のメールで対象商品が100円程度安くなる割引券を送る。
 ネットスーパーで約4000品目を扱うサミットはこのうち500品目をネット専用、残りを実際の店舗との共通商品とした。専用商品は約60円の輸入ミネラルウオーター(500ミリリットル)といった格安商品や全国の産地直送品をそろえる。
 ネットスーパーは買い物時間が限られる働く女性や、重い荷物を運ぶのを敬遠する高齢世帯を中心に利用が増え、09年度の市場規模は推定500億円以上。猛暑で外出を控える消費者の需要が高まり、ヨーカ堂では月2万人ペースで会員(現在は約70万人)が増加。マルエツでは7月~8月中旬の注文件数が前年に比べ2割増えている。
 25日発表された食品スーパーの7月売上高は全店ベースで7737億円と前年同月比1%増えたが、既存店は1%前後落ち込んだもよう。7月の全国スーパーの既存店売上高も同1.2%減と20カ月連続のマイナス。いずれも売上高にはネットスーパーも含まれているが、まだ一部にとどまっている。
 長引く消費不振でスーパーの店頭販売が低迷する中、各社は成長するネットスーパー市場の開拓を急いでいる。ただ、今のところ先行投資の色合いが濃く、人件費や配送コストの負担は重いため、黒字化しているのはヨーカ堂など一部だ。
 国内でネットスーパーの先陣を切った西友は逆に値上げする。店頭と同じ価格だったが、同価格に一律2%上乗せする。7月末から都内の一部店舗で開始。「今の価格では人件費を吸収できない」(同社)ためで、数カ月内に首都圏でネットスーパーを手掛ける全47店に広げる。各社とも早期の顧客拡大とともに、コスト削減など事業の効率化が課題となる。



小沢氏、代表選出馬へ最終調整…鳩山氏対応見極め
 民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)への出馬を検討している小沢一郎前幹事長は、26日にも自身の出馬について最終判断する。
 小沢氏を支持する議員は25日、出馬を正式に要請したが、小沢氏は態度を保留した。鳩山前首相は同日夕、再選を目指す菅首相と首相官邸で会談し、小沢氏を含めた挙党態勢の構築を求めた。代表選の最大の焦点である小沢氏の出馬を巡る動きは、最終段階を迎えた。
 25日午後、小沢氏に近い山岡賢次副代表の勉強会に参加する約80人が国会内で開いた会合では「小沢さんしか、今の難局を乗り越えられる政治家はいない」など、小沢氏の出馬を求める声が相次いだ。これを受け、山岡氏のほか、川内博史、松木謙公、樋高剛の各衆院議員ら約30人が国会内で小沢氏と会い、出馬を求めた。
 これに続いて、小沢氏を支持する当選1回の若手議員約20人も小沢氏と面会し、出馬要請を行った。
 一連の出馬要請に対し、小沢氏は、「今の状況は、政治的にも経済的にも非常に危機的な状況にあり、心配している。皆さんの期待に応えられるような、自分自身の気持ちを納得できるような結論を得たい。自問自答するところもまだ残っている。もう少し、時間をいただきたい」と答えた。
 小沢氏は26日に鳩山氏と会談し、最終判断を伝える見通しだ。ただ、鳩山グループ幹部の中山義活前首相補佐官は25日、山岡氏らに「小沢氏への出馬要請には乗れない」との考えを伝えるなど、小沢氏支持は広がりを欠いており、党内では出馬は困難との見方が強い。
 一方、菅、鳩山両氏の会談は約1時間行われ、鳩山氏が24日夜の小沢氏との会談内容として、「脱小沢」色の強い現執行部に対する小沢氏の不満を伝え、「小沢氏に協力を求めるならば、真剣に求めることが必要だ。『挙党態勢を築く』と言っても、すぐに小沢氏は『わかりました』とはならない」と指摘した。
 菅氏は「なかなか難しい話だ」と難色を示す一方、鳩山氏に「今後も相談に乗ってほしい」と要請。会談後、記者団に、鳩山氏のロシア訪問(26~29日)直後にも、鳩山氏と再会談したいとの考えを示した。



韓国LGグループ、日本の研究開発部門を集約 品川に新拠点
 【ソウル=尾島島雄】韓国のLGグループは25日、都内と横浜の2カ所に分かれている日本の研究開発部門を11月に1カ所に集約し、東京・品川に新拠点を設置する方針を明らかにした。LG電子など3社の研究員が同じ施設に入居することで薄型テレビや携帯電話の画像関連技術の開発でシナジー(相乗効果)を引き出す。
 東京・千代田にあるLG電子の拠点のほか、液晶パネルのLGディスプレーと電子部品のLGイノテックの拠点を横浜市から移設する。研究員ら計75人前後いる人員も約100人に増員する見通し。研究開発に特化した新法人をLG電子が新設し、3社の人員を受け入れる方向で調整している。



産総研、触れる立体映像システム開発 ゲーム機などに応用
 画面の立体画像に触るように指を動かすと、あたかも実際に物体がそこにあるかのように感触や手応えを感じる――。こんなシステムを産業技術総合研究所が開発し、25日発表した。指が力を受けたように錯覚する特殊な現象を利用しており、軟らかい弾力や硬さなどを疑似体験できる。
 新システムの名称は「アイ・キューブ・スペース」。メガネが不要な立体映像テレビや、両手の人さし指に装着する小型軽量の装置などで構成する。
 例えば地球の立体画像を見ながらそれを指で押したり引っ張ったりという動作をすると、画像が変形し、押したときの反発力などを指に感じる。指の小型装置が細かく振動、そのパターンを制御することで、指に力が加わったかのように感じさせるという。
 開発した中村則雄主任研究員は「ゲームなら2~3年で実用化でき、手術の訓練をするシミュレーターや視覚障害者を誘導するナビゲーション、3次元のデザインにも応用できる」とみている。



日航が格安航空会社の設立検討、更生案に
 会社更生手続き中の日本航空と管財人の企業再生支援機構が、格安航空会社(LCC)の設立に向けて検討に入ることが25日、明らかになった。
 31日に裁判所に提出する更生計画案に新たに盛り込む。LCCはサービスを簡素化するなどして運賃を抑える新しい航空会社の形態で、世界の航空市場で急成長している。ライバルの全日本空輸も今年6月、LCCの設立検討を表明しており、対抗する考えとみられる。
 日航は更生計画案の中で、羽田空港や成田空港の発着枠が増えることでLCCの参入が本格化し、低価格競争が激しくなる可能性が高いと指摘。これに対応するため、安全性や運航時間の正確さなどを確保しながら価格を下げる「日本型LCC」の設立を検討するとしている。設立する際は、JALとは別ブランドとする案が有力で、設立時期や路線などは今後、検討する。
 日航と機構は25日、国土交通省、財務省、内閣府の3副大臣に更生計画案を説明し、了承を得た。26日には前原国交相に提示する予定だ。



国際連帯税の創設要望へ…航空券に課税検討
 外務省は、温暖化対策など地球規模課題の財源に充てるため、国境を越えた経済活動に課税する「国際連帯税」の創設を今月末にまとめる2011年度税制改正要望に盛り込むことを決めた。
 課税対象となるのは、航空券の購入や国際金融市場での取引など。国際連帯税の導入は、政府開発援助(ODA)予算の減少が続くなかで、独自の資金源を確保することが狙いだ。岡田外相は25日、外務省で超党派の「国際連帯税創設を求める議員連盟」代表代行の林芳正・自民党参院副会長らと会談し、積極的に取り組む考えを示した。
 外務省は、まずフランスや韓国などがすでに導入している「航空券連帯税」の導入を目指す。利用者が航空券を購入する際に数百円程度を課税する仕組みで、同議連の試算によると、150~170億円の増収が見込めるという。



円高加速 政府・日銀は具体策を急げ(8月26日付・読売社説)
 政府・日銀の対応の鈍さに投機筋が付け込み、円高に歯止めがかからなくなっている。
 24日の海外市場で、15年ぶりに1ドル=83円台をつけるなど、急ピッチで円が上昇している。市場には、やがて史上最高値の79円台が視野に入るとの見方もある。
 日本経済への打撃を見越して、東京市場の平均株価は9000円を割り、25日の終値は今年最安値の8845円となった。
 円の急騰を止めないと、企業や家計の心理が冷え込み、景気が腰折れしかねない。
 政府・日銀は、円高阻止に向け市場介入も選択肢に、断固たる姿勢で臨むべきである。
 このところ、政府と日銀の対応は、誤算が続いている。
 今月10日、日銀は追加の金融緩和を見送ったが、その直後に米連邦準備制度理事会(FRB)が追加の緩和策を実施した。それが今回の円急騰につながった。
 円高対策で注目された菅首相と白川方明日銀総裁の23日の会談は、15分間の電話会談に終わった。内容も乏しかったため、政策当局の狙いに反し、一層の円高と株の失望売りを誘った。
 閣僚らによる「市場との対話」も、ちぐはぐさが目立つ。
 野田財務相が24日夕に開いた緊急記者会見は、市場を注視する考えを示しただけで具体策がなく、むしろ円高に拍車をかけた。
 財務相は25日、「必要な時は適切な対応を取る」と、やっと市場介入の可能性を示唆した。菅首相もこの日、民主党衆院議員らとの会合で、「そう遠くない時期にちゃんと対応する」と述べた。
 だが、いずれも流れを変える材料にならなかった。
 これまでの及び腰の姿勢から、「日本政府はまだ動かない」と、投機筋は踏んでいるのだろう。
 政府は、円がさらに上昇し、1ドル=80円突破をうかがうまで「奥の手」を温存したい気持ちもあろうが、そろそろ潮時ではないか。日本単独での市場介入を、真剣に検討すべき段階と言えよう。
 米欧は自国通貨安を容認しているが、デフレと成長鈍化に悩む日本の円が独歩高なのは説明がつかない。日本が円高修正に動いても海外から強い批判は受けまい。
 日銀も、9月上旬の金融政策決定会合に向け、追加金融緩和の検討に入ったという。円高阻止、景気浮揚の両面で期待したい。
 市場動向によっては、定例会合を待たずに臨時会合を開き、金融緩和を急ぐべきである。
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「Apple、9月7日に新iPodとApple TV発表」の報道
 米Appleが9月7日にイベントを開き、新型のiPod touchとApple TV、テレビ番組のレンタルサービスを発表するとBloombergが報じている。報道によると、新しいiPod touchはiPhone 4と同様の高解像度ディスプレイを搭載し、Apple TVの新モデルは99ドルで従来モデルよりHDD容量が少なく、iTunes Storeからコンテンツをストリーミングできる。レンタルサービスは、番組を放送後24時間以内にCM抜きでレンタル開始し、1本99セントで48時間借りられるという。AppleはこのサービスのためにDisneyやABC、CBS、NBCなどと協議していると情報筋は伝えている。



米アップル、TV視聴サービスで米メディア大手と協議=報道
 [ニューヨーク 24日 ロイター] 米アップルは、音楽・映像配信アプリケーション「iTunes(アイチューンズ)」を通じたテレビ番組の視聴を消費者に可能にするため、複数のメディア企業と協議している。ブルームバーグが24日、匿名の関係筋3人の話として報じた。
 同報道によると、アップルは、米メディア大手ニューズ・コーポレーション<NWSA.O>のフォックス・ネットワークから視聴者が番組をレンタルできるよう、ニューズと本格的な協議を行っているという。ブルームバーグはまた、ウォルト・ディズニー<DIS.N>とCBS<CBS.N>もアップルと協議中としている。
 アップル、ディズニー、ニューズ、CBSはいずれもコメントを拒否した。



Twitterの返信やDMをiコンシェルでお知らせ――「twiコンシェル」
 アイリッジが8月25日、iコンシェルでTwitterのMention(自分あてのツイート)やDM(ダイレクトメッセージ)を通知するサービス「twiコンシェル」のβ版をスタートした。
 twiコンシェルを利用すると、登録しておいたTwitterアカウントあてにツイートがあったり、DMが届いたりした場合に、待受画面のマチキャラが知らせてくれる。Twitterクライアントを起動しなくてもMentionやDMが届いたことが分かるため、自分あてのメッセージに素早く反応したいときに役立つ。
 サービスは無料で利用できるが、β版では会員登録を5000人までに限定し、使い勝手や機能の検証を行う。このサービスは、アイリッジが提供するiコンシェルASP「pop info」の技術を利用して実現した。pop infoは、モバイルサイトやショップ、飲食店などが、iコンシェルを利用した情報配信をPC 1台で活用できるASPサービスだ。
 利用登録は http://twcn.jp/ から行える。



DeNA、CEDEC2010でソーシャルゲームを3日間で開発
 株式会社ディー・エヌ・エーは、8月31日から開催されるCEDEC 2010において、受講者参加型イベント「CEDEC CHALLENGE」のひとつ「三日でゲームを作ってみる」に参加することを明らかにした。
 CEDEC CHALLENGE「三日でゲームを作ってみる」は、CEDEC 2010のオープンスペースを利用して実施される受講者参加型イベントのひとつ。イベントの詳細については明らかにされていなかったが、ディー・エヌ・エーの全面協力の形で実施されることが発表された。このイベントに限り、一般受講者からのエントリーは行なわず、外部からはイラストレーターのサトウテン氏のみが参加する。
 イベントの内容は、文字通り、CEDECの3日間の会期内に、1本のソーシャルゲームを作り上げるというもの。お題は、ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの南場智子氏が、CEDEC初日の特別招待セッションにおいて発表し、それを受けてディー・エヌ・エーのエンジニアやアーティストがオープンスペースにPCを持ち込んで開発を進めていくことになる。
 この模様は、全受講者が自由に確認できるほか、Twitter(ハッシュタグ「#3daydev」)を通じて進捗状況を随時つぶやいていくとしている。また、8月31日から9月2日にかけて1日数回進捗状況の報告も行なうとしている。CEDEC最終日の9月2日には通常セッションの形で、開発総括を行なう。果たしてどのようなソーシャルゲームが完成するか楽しみだ。



中国・新華社、ネット部門を上場へ 報道姿勢の変化に注目
 【北京=矢板明夫】中国国営の新華社通信が運営するインターネット上のサイト「新華ネット」が、近く証券取引所に株式を上場する。証券専門紙、上海証券報などが伝えたもので、中国共産党中央宣伝部はすでに新華社が提出した上場計画を承認したという。上場後、新華社の報道姿勢に変化が表れるかどうか注目される。
 同紙によると、共産党機関紙の人民日報や、国営中央テレビ(CCTV)など、ほとんどの主要メディアがサイトを上場させる計画で、近く承認される可能性が高いという。
 党中央宣伝部の責任者は「国営メディアの公益部門と経営部門を分離し、経営の部分をどんどん上場させていくことは、メディア改革の一環だ」と中国メディアに説明している。
 現状では新華社など中国の主要メディアは政府、または共産党の予算で運営されており、経営にあたってはほとんど採算を度外視している。
 ところが最近、ネットユーザーの急増に伴い「新浪ネット」「捜狐ネット」など民間資本などが経営するポータルサイトの影響力が拡大し、主要メディアのサイトを大きく引き離している。
 焦りを感じた国営メディアは、ネット部門を上場することによって事業規模を拡大し、内容も活性化することで、これらのポータルサイトと対抗しようとしているとみられる。
 中国の主要メディアは共産党や政府に管理されており、ニュースの選択や報道の方向性もその強い影響下にある。だが、ネット部門の上場によって主要メディアも株価や投資家の意向を意識せざるを得なくなり、報道姿勢に変化が現れる可能性も否定できない。



米書店最大手、52億円の赤字 電子書籍端末の開発でコスト増
 米書店チェーン最大手のバーンズ・アンド・ノーブルが24日発表した2010年5~7月期決算は、デジタル部門の開発コスト増などが足を引っ張り6200万ドル(約52億円)の最終損失となった。赤字決算は2四半期連続。前年同期は1200万ドルの黒字だった。
 売上高はインターネットを通じた通販などを伸ばしたため、前年同期比20・8%増の13億9600万ドル。
 オンライン販売は電子書籍も含めて大幅に伸びたが、独自の電子書籍端末「ヌック」の開発費などが負担となった。さらに大株主から起こされた買収防衛策をめぐる訴訟関連の費用もかさんだ。



薄型テレビ出荷、過去最速で1千万台突破 昨年より4カ月早く
 電子情報技術産業協会(JEITA)が25日発表した7月の薄型テレビ国内出荷実績は前年同月比38・5%増の164万台となり、エコポイントが始まった昨年5月以降、15カ月連続で2けたの伸びとなった。1~7月までの出荷台数は1063万台となり、昨年記録した1千万台を早くも突破した。
 薄型テレビの国内出荷は昨年、エコポイント制度の後押しを受け、初めて1千万台を超えた。今年は昨年の11月より、4カ月も早く突破した。
 画面サイズ別では、30~36型が前年同月比54・2%増の60万5千台と大きく伸びた。29型以下は同36・5%増の47万4千台、大型の37型以上は26・2%増の56万1千台だった。
 薄型テレビは、エコポイント制度が変更される前の3月に駆け込み需要があり、その後の落ち込みが心配されていたが、「昨年と比べても、順調な伸びが続いている」(JEITA広報)という。
 一方、ブルーレイ・ディスク(BD)の録画再生機も7月に前年同月比52・2%の34万台となるなど、好調を持続している。



Samsung、9月にAndroid搭載タブレット発表 予告ビデオ公開
 Samsung Electronicsは9月2日にAndroid搭載タブレットを発表する。予告ビデオで明らかにした。
 ビデオによると、このタブレットは「Samsung GALAXY Tab」という名称で、7インチタッチスクリーン、Android 2.2、カメラを搭載し、テレビ電話機能やAR(拡張現実)、HD(高精細)動画再生、電子書籍閲覧などの機能を備える。
 PCメーカーの間では、iPad対抗製品としてAndroid搭載タブレットを投入する動きが進んでいる。既にDellやNECなどがAndroid搭載のタブレットをリリースしており、東芝やMotorolaも同様の製品を投入するとみられている。



NHN Japan、「ハンゲーム」にワンタイムパスワード導入
8月25日 β版サービス提供開始
 NHN Japan株式会社は、ゲームポータルサイト「ハンゲーム」にて、クラウド型「ワンタイムパスワード」のβ版サービスの提供を8月25日より開始した。利用は無料。利用するには、携帯電話またはスマートフォンが必要になる。「ワンタイムパスワード」β版サービスの利用方法は、公式サイトに掲載されている。
 このサービスは、日本ベリサイン株式会社のセキュリティソリューション「ベリサイン アイデンティティプロテクション オーセンティケーションサービス」を活用したもの。「ハンゲーム」へのログイン時に、ID、パスワードの入力に加え、利用ごとに携帯電話で取得する使い捨ての「ワンタイムパスワード」を使うことで、なりすましなどによる不正アクセスを防止する。
 同社はこれまでにも、定期的にパスワードを変更するなどのガイドラインをユーザーに告知してきた。しかしパスワードの変更そのものはユーザーの任意であり、また変更したパスワードをユーザーが忘れてしまうというリスクもあるため、パスワード変更の徹底は現実的には難しい。「ワンタイムパスワード」は使い捨てで毎回変更されるため、ユーザーが自発的にパスワードを変更することなく、よりセキュアな環境を実現できる。
 また同社は「ハンゲーム」にて、KDDI株式会社が提供する決済サービス「auかんたん決済」を8月25日より導入した。「auかんたん決済」は、au携帯電話の利用者を対象にしたサービスで、EZwebでの決済と同等の利便性で、PCなどのコンテンツの決済を通話料金に合算して支払いできるサービス。NHN Japanは8月25日から9月30日までに「auかんたん決済」を利用したユーザーに、もれなくオリジナルアバターを、さらに抽選でハンコイン商品券をプレゼントする。



アップルvsサムスン 韓国でスマートフォン競争激化
 【ソウル=尾島島雄】韓国で米アップルの「iPhone(アイフォーン)4」の販売が始まり、サムスン電子の「ギャラクシー S」との競合が激しくなっている。スマートフォン(高機能携帯電話)市場で出遅れたサムスンは「ギャラクシー S」にマーケティング費用を集中投下しており、これまでのところ互角の勝負となっている。
 毎日経済新聞(電子版)によると、韓国で今月18日に始まった「iPhone4」の予約販売は既に20万台を突破。一方、6月に発売した「ギャラクシー S」も勢いを持続しており、同日以降、1日に1万2000~1万8000台の販売量を維持している。「ギャラクシー S」の販売量が「iPhone4」発売以前と変わっておらず、予想以上にサムスンが健闘していると言えそうだ。
 「ギャラクシー S」は米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載。4型の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネル、1ギガ(ギガは10億)ヘルツのCPU(中央演算処理装置)を採用した。サムスンは世界戦略機種と位置付け、各国で順次発売している。



ドコモ、来年6月に「着もじ」終了 利用者減少で
 NTTドコモは25日、相手の携帯電話の着信時に最大10文字までのメッセージを表示させるサービス「着もじ」を来年6月末に終了すると発表した。これに先立ち、同サービスが月額52.5円で使い放題となる「着もじ・ホーダイ」の新規申し込み受付も12月2日に終了する。
 同サービスは2006年5月に開始。会話を始める前に文字で用件を伝えられる利点があったが、利用者数の減少などを理由に、サービスを打ち切ることとなった。



インテルとノキア、3D携帯でフィンランドに研究所
 半導体で世界最大手の米インテルは24日、携帯電話世界最大手のノキア(フィンランド)と共同で、高機能携帯電話(スマートフォン)などに関連した技術を開発する研究所をフィンランドに新設したと発表した。小型画面に立体的な3次元(3D)映像を映し出す技術などを開発し、携帯電話の利便性向上につなげる狙いだ。
 フィンランド中部のオウル市に約25人の研究員からなる研究所を開設した。地元のオウル大学とも協力する。研究所では3D関連などの開発に取り組み、直感的に操作できるスマートフォンや多機能携帯端末の開発に役立てる。
 インテルとノキアは今年2月、スマートフォンなどに搭載する基本ソフト(OS)「ミーゴー」を共同開発することで合意しており、研究所はこのOSに基づいて新たな技術の開発を進める。インテルはスペインやドイツ、米カリフォルニア州でも地元の大学と共同で研究所を運営し、産学連携で技術開発に取り組んでいる。



GREE、Gmailのアドレス帳との連携機能を提供開始
 グリー株式会社は25日、SNS「GREE」においてGmailとの連携を開始した。
 連携により、GREEのユーザーはGmailのアドレス帳を読み込み、Gmailの連絡先に登録されている友人・知人をGREEから簡単に検索・招待できる。この機能は、PC版およびiPhone版のGREEから利用できる。



日経平均、8900円割れ 連日で年初来安値
 25日の東京株式市場で日経平均株価は4日続落した。大引けは前日比149円75銭(1.66%)安の8845円39銭と連日で年初来安値を更新した。2009年4月30日以来、1年4カ月ぶりの安値となった。4日間の下落幅は517円(5.5%)に達した。24日の米株安や円高加速への警戒感に加え、政府・日銀の政策対応を巡る失望感から売りが広がった。午後の日経平均は一時181円安と、8800円割れ寸前の水準まで下げる場面があった。
 野田佳彦財務相は午後、菅直人首相らと経済・景気情勢に関して意見交換し、円高について「菅首相には『必要な時には適切な対応を取る』と報告した」と説明した。しかし、野田財務相は朝方にも同様の発言をしていた。市場では「円高対策に関する目新しい動きはなく、当面は具体策が出てくることを期待しにくくなった」(大手証券の情報担当者)との見方が広がり、主力株を中心に売り圧力が強まった。
 米景気に対する不透明感も引き続き重荷になっている。24日の米株安は7月の米中古住宅販売件数が大幅に減少したことが一因。25日は7月の米新築住宅販売件数や米耐久財受注額の発表がある。政府・日銀による早急な円高対策への期待感が後退するなか、米経済指標の下振れが相次げば円高が加速しかねないとして、投資家が手控え気分を強めたとの声があった。



記者の目◇楽天、好調の陰で気掛かりなこと
 2010年1~6月期に過去最高となる連結経常利益275億円を計上した楽天。主力のネット通販事業は拡大が続き、通販やトラベルサイトからの誘導で新規会員獲得が伸びている証券部門の貢献も目に付いた。デフレ化が心配される消費関連企業の中では紛れもない勝ち組だ。死角はないように見えるが、市場の一部にある小さな変化を気に掛ける動きも出ている。
 「年内はネット通販の成長は減速することはない」。5日に発表した楽天の1~6月期決算。全編英語で実施したことが話題になった説明会での三木谷浩史社長の発言は、通販事業の先行きに揺るぎなき自信を示したものと受け止められた。
 ただ市場の一部には違う解釈も存在する。あるアナリストはこう分析する。「『年内』と言ったのが気になる。その先には懸念を持っているのかもしれない」
 サイトを通じた取引の総額を示す流通総額は1~6月に4429億円と前年同期を18%上回った。好調そのものだが、1年前の同じ時期は21%伸びていた。EC(電子商取引)事業の営業利益率も1年前の31%から28%に鈍化している。いずれも1けた台を四捨五入すれば同数となるくらいの小さい変化だが、モルガン・スタンレーMUFG証券の根間尚志アナリストは「中長期的に少しずつ成長が鈍化する懸念がある」と指摘する。楽天の先行き業績に対する不安は株価にも表れる。24日終値は6万3200円。足元業績が好調にもかかわらず、決算発表前から4%下落している。
 楽天には宿泊予約、オンライン証券などネット通販以外の収益事業もあるため、楽天市場の動向だけでは成長性は判断できない。1~6月期をみても楽天証券の収益貢献は大きかった。経常利益は前年同期比13%増の32億円だった。楽天証券の業績をけん引したのは新規口座開設数の伸びだ。業界首位のSBI証券には以前は月間の新規開設数で数千口座単位で水を開けられていたが、7月には418口座差まで肉薄した。6月時点で6582万人を数える楽天会員からの誘導が強みを発揮しており、楽天証券の楠雄治社長は「5年程度でSBI証券の口座数に追いつきたい」と話す。
 ただ、証券は業績の振れ幅が大きくなりやすい。国内事業の足場を揺るぎなくするにはやはり、通販事業の成長を維持することが重要だ。現に証券の7~9月期は、「株式市況の低迷で減収減益になる」(楠社長)ことが予想される。
 2004年秋に楽天のプロ野球参入が承認された際、市場では利益を生まないコストセンターを抱えることに不安の声も上がった。現実には営業利益率が30%を大きく超えていた通販事業の成長が続いたことで目に見えて連結業績の足をひっぱることはなかった。むしろ、知名度向上による通販事業への好影響が指摘されたほどだ。
 仮に今後2、3年で、新規分野を手掛けることによるコストアップを吸収できないほど通販の成長が止まるようなことがあれば、中長期的成長への影響は無視できなくなる。三木谷社長が旗を振る海外事業が本格貢献するにはある程度の時間がかかる。国内通販事業の成長鈍化懸念にどう立ち向かうのかは、海外強化と同様に重い経営課題だ。



【東京新聞社説】
ゲーム依存 外遊びの力を見直そう
2010年8月25日
 子ども時代に自然に触れたり、友だちとよく遊んだりした大人ほど学歴が高く、収入が多い。国立青少年教育振興機構の調査研究でそんな傾向が浮かんだ。「外遊びの力」を見直す契機としたい。
 電車で路上で室内で電子ゲームに興じる子どもが増えている。今やゲーム機器は、子どもにとって生活必需品のような存在だ。
 日本PTA全国協議会の小学五年生と中学二年生の調査だと、いずれも約五割が平日でも三十分以上ゲームで遊び、休日には三時間以上を費やす子どもが一割を超えた。
 子どもは多忙だ。放課後は部活動や宿題、けいこ事や学習塾などに追われ、細切れの生活を余儀なくされる。その短い合間を効率良く埋めてくれるのがゲームだ。
 戦闘やスポーツ、パズル、恋愛などを楽しみながらストレスを発散でき、好成績を挙げれば評価してくれる。対人関係に煩わされることもない。ゲームの効用をそう指摘する向きもある。
 子どものゲーム依存の悪影響が心配される中、二十~六十代の男女五千人の子ども時代を調べた国立青少年教育振興機構の「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」の中間報告は興味深い。
 海や川で貝採りや魚釣り、水泳などをして自然を満喫する。隠れん坊や缶けり、時にはけんかしながら友だちと遊び回る。子どものころのそんな外遊びの体験が豊富な人ほど、物事への関心や意欲が強いことが分かった。
 本をよく読み、最終学歴が高く、収入が多い。そんな大人に成長していたというわけだ。活発な外遊びが子どもの知的好奇心や探求心を刺激し、やる気の原動力になる傾向がはっきり見て取れた。
 日本学術会議も外遊びの重要性を強調し、子どものコミュニケーション能力や考える力を養うには「群れて遊ぶ空間」が必要だとの提言をまとめている。
 都会では自然や原っぱ、空き地は少ない。例えば、地域住民が運営する「冒険遊び場」に目を向けてはどうか。
 三十年余り前に東京都世田谷区に登場し、今では全国で約二百五十団体が冒険遊び場を設営している。
 禁止事項はなく、たき火や穴掘り、木登りもできる。大人は見守り役に徹して口出しはしない。子どもは自由に遊びを考案し、自己責任で遊ぶ。それが鉄則だ。
 遊びの視点から子どもの教育をとらえる研究をもっと深めていくことも大切だ。

ドコモ、スマートフォン専門販売員を全店に
 NTTドコモは9月から、高機能携帯電話(スマートフォン)専門の販売員の社内資格を新設、「ドコモショップ」(全国約2400店)全店に1年程度かけて同資格を持った販売員を配置する。スマートフォンは高機能な分、店頭での説明も難しく人材育成が急務だった。専門販売員の配置で、スマートフォンの販売増につなげる。
 新たな社内資格は「スマートフォンマイスター」。同社の「エクスペリア」などの商品知識や普通の携帯電話との違いを丁寧に説明できる店員を養成する。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」などライバル商品との違いや、問い合わせが多い設定やソフトウエア利用法の知識習得も求める。
 これまでも販売員向けの社内資格制度はあったが、従来の資格だけではスマートフォンに対応できないケースもあった。また普及が進むにつれ利用法の説明などアフターサービスの重要性も増しており、サービスの質を上げる狙いもある。
 MM総研(東京・港)の予測では、2010年度の携帯電話出荷台数は3410万台で09年度比1%減。一方、スマートフォンは前年度比約41%増の330万台で、出荷全体の1割弱まで急拡大する。



日銀、追加緩和を検討
臨時会合開催も 財務省、単独介入も視野
 急激な円高・株安を受け、日銀は追加的な金融緩和策の検討に入った。金融市場への資金供給の拡充が有力。市場動向によっては9月6~7日の金融政策決定会合を待たず、臨時の決定会合で対応を協議する案も浮上している。財務省は円高に歯止めがかからない場合、日本単独での円売り・ドル買いの為替介入を視野に入れる。円高・株安の同時進行で、景気の下振れリスクが一段と高まることに懸念を強めている。
 日銀が追加緩和の検討に入ったのは、企業や家計の心理が大幅に悪化する恐れがあるため。日銀は9月の決定会合で景気の下振れリスクを判断する構えだったが、急速な円高や株安で追加緩和策の検討に傾いた。
 日銀では「市場の情勢次第では、早期の対応も検討すべきだ」との意見が出ており、9月の会合を待たずに臨時会合を開く案も浮上している。
 ただ政策委員によっては、景気や市場の動向を見極めたうえで追加緩和の是非を決めるべきだとの判断もある。
 追加緩和の内容としては資金供給手段の拡充が有力。長めの金利の低下を促すと同時に資金量の拡大で間接的な円高抑制効果もねらう。
 期間3カ月の資金を0.1%で貸し出す「新型オペ」の拡充を軸に検討されており、市場への資金供給枠を現行の20兆円から30兆円程度に積み増す案や、供給期間を3カ月から6カ月に延ばす案が議論される見込みだ。



バンダイナムコゲームス、モバゲー「ガンダムロワイヤル(仮)」
 株式会社バンダイナムコゲームスは「ガンダムロワイヤル(仮)」の企画開発を、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)の協力のもと開始した。2010年秋にDeNAの運営するモバゲータウンにおいてサービスを開始する予定。
 「ガンダムロワイヤル(仮)」は、ガンダムシリーズ初のソーシャルゲームとして開発が進められている。プレーヤーはモビルスーツのパイロットとしてミッションをクリアしていきバトルに勝利することで、100種類以上あるというモビルスーツをコレクションしていく。プレーヤー同士が訓練やトレードなどで交流を深めていく、ソーシャルゲームのシステムを採用。
 バンダイナムコゲームスは、DeNAとモバイル事業において連携サービスを開始しており、7月から「ナムコ・ゲームス」の特設ページを設置し、「パックマン」、「ゼビウス」、「ニューラリーX」、「ギャラガ」の4タイトルを無料で配信している。



米デル、スマートフォン「エアロ」の発売を開始
 [ロサンゼルス 24日 ロイター] 米デル<DELL.O>は24日、自社初となるスマートフォン(多機能携帯電話)「エアロ」の発売を開始した。アップルの「iPhone」(アイフォーン)などに対抗する狙いがある。
 同端末はグーグルの携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載。価格はAT&Tとの2年間の通信契約で99.99ドル。契約なしでは299.99ドルとなる。
 デルによると、「エアロ」は全米のスマートフォン機種の中で最も軽量な端末の一つ。アドビ・システムズ<ADBE.O>の動画技術「フラッシュ」をサポートするなど、アップルとの差別化を図っている。



国内生産・投資に逆風、雇用流出も 円一時83円台
 政府・日銀の政策対応の手ぬるさを突くように、円高の流れが止まらない。日経平均株価が1年4カ月ぶりに9000円を割り込んだ24日、外国為替市場では円相場が一時1ドル=83円台と、15年ぶりの高値を付けた。少子高齢化による国内市場の縮小や高い法人税率など、ここ数年、企業が居心地の悪さを募らせてきた中での今回の円高は、生産拠点が雪崩を打って海外に流出する最後の一押しとなりかねない危うさをはらむ。
 企業の想定を超える円高は、足元の業績に打撃になる。2011年3月期の主要企業の想定為替レートは対ドルで87~90円、対ユーロで110~115円程度。大和証券キャピタル・マーケッツによると対ドル・対ユーロでそれぞれ1円円高が進むと、上場企業の経常増益率は約1%押し下げられる。
 今期下期の増益率は1割前後に減速。金融危機で大幅に悪化した後、「V字型」で急ピッチに回復してきた収益にブレーキがかかる格好だ。ただ今回の円高の影響は、目先の業績にとどまらない可能性がある。
二番底を警戒
 「円高の進行に歯止めがかかるのが確認できないと、企業のマインドは改善しない」(富士通の加藤和彦取締役兼最高財務責任者)。24日、グローバル企業からこんな声が相次いだ。
 世界景気の二番底への警戒を強める企業は、バランスシートに約60兆円(3月決算の上場企業)と過去最高水準の手元資金をため込んだまま、次の大戦略を打ち出しかねているのが現状だ。
 成長市場である新興国での現地生産という意味でも円高対策のコストダウンの意味でも、次の一手は海外展開の加速が自然な流れだ。しかし「企業はやはり国とともにある」(沢部肇TDK会長)といった心情もあり、目下の海外移転はまだ抑制が利いている。
消費抑制要因に
 政府・日銀による円高の「容認」ともいえる、これまでのような経済政策の無策が続けばどうなるか。
 世界的な引き下げ競争の中で際立って高くなった法人税率や硬直的な雇用法制、国際的に突出し、企業に負担を強いる温暖化ガスの削減政策……。ここ数年強まっている企業への“冷遇”に対する「出て行けといういうことなのか」(電機大手幹部)といういらだちは、特殊なものではなくなっている。
 急激な円高がもたらす株安は銀行の保有株の含み損益を悪化させる。9000円以下の日経平均が続くと、一部の大手銀では今期、含み損が発生する可能性がある。大手生命保険会社でも保有国内株の含み益がなくなるところが出てくる。百貨店の高額品の売れ行きが鈍るなど、消費を抑制する要因ともなる。年金の運用利回り悪化は、国民生活の切実な問題となる。
 いずれも少子高齢化とデフレで構造的に停滞する日本経済に一段の逆風だ。企業にとって国内市場の魅力がさらに薄れることにつながり、この面からも企業の海外へのシフトを後押しすることになりかねない。



中小、部品の海外調達拡大 円高が収益圧迫
 中小の製造業が部品の海外調達を増やす。大企業に比べて海外調達が遅れていたが、円高・ドル安が収益を圧迫しており、低コストの部品購入を増やすことが必要と判断した。調達先には国内並みの厳しい条件を適用して品質を維持しながら、為替変動への抵抗力を高める考えだ。
 射出成型用ノズル製造のフィーサ(東京・大田、斎藤進社長)は、海外の部品調達比率を現在の5%から3年以内に30%まで引き上げる。中長期的な円高を見据えて抵抗力を強める。従来はノズルの温度センサーなどにとどまっていたが、中国やタイの子会社経由で技術力の高い現地メーカーを発掘し、マニホールド(多岐管)など付加価値の高い部品に品目を広げる。
 国産品と同等の品質確保が課題となるが「日本と同様の厳しい条件で対応し、現地メーカーを育成していきたい」(斎藤社長)という。
 電熱器メーカーの坂口電熱(東京・千代田、蜂谷真弓社長)は1~2年で、部品の海外調達比率を現状の1割から2割程度に引き上げる。米国や中国、台湾でガラスや鉄鋼などの製造工程で使うヒーターに組み込む部品の調達を増やす。円高などで、部品によっては国産品の半分以下の価格で仕入れられるという。
 品質管理を強化するため調達先に管理担当者を派遣。チェック項目に基づき、工場の設備や生産体制などを調査する。調達した部品の耐久検査を繰り返し、国産品とほぼ同等の性能を持つ部品の製造能力を求めていく方針だ。
 作業工具製造のフジ矢(大阪府東大阪市、野崎恭伸社長)は、製造するペンチの材料に使う鍛造品の海外調達を増やす。国内工場で作る材料のほとんどは国産品だが、年内に1~2割をベトナム製品に切り替える。現地調達比率が6割のベトナム工場でも比率をさらに高める予定。海外調達比率の引き上げで原材料費を半分以下に抑え、採算性を高める。
 住設機器製造の太陽パーツ(堺市、城岡陽志社長)は、中国の生産拠点での現地調達比率を現在の6~7割から1~2年内に8割程度まで引き上げる。日本から輸送している部品を減らし、中国の現地企業や台湾系企業からの調達をさらに増やす方針だ。同社は、中国で製造した住設機器を同国でも販売している。城岡社長は「現地企業との価格競争が激しく、現地調達の拡大は市場開拓のためにも不可欠だ」と話している。



ソバ粉値上げ相次ぐ 10月から最大3割、中国産原料が高騰
 ソバ粉大手が相次いで値上げする。業界2位グループで日本製粉100%子会社の松屋製粉(宇都宮市)は24日、10月出荷分から中国産ソバ粉を1キロ30円引き上げると発表し、最大手の日穀製粉(長野市)に続いた。最大3割の上げ幅となる。中国産原料の価格が高騰したため、製品に転嫁する。コメや牛丼が値下がりする外食産業のデフレ傾向のなか、ソバのチェーン店などは「受け入れられない」と難色を示している。
 中国産の玄ソバ(ソバの実)を使うソバ粉は、品質により価格はまちまち。卸会社によると、最も安い即席めん向けの出荷価格は1キロ100円前後で、30円の上げ幅は大きい。
 今後、出回りが本格化する日本産玄ソバを使った国産ソバ粉も値上がりする可能性がある。
 松屋製粉は2008年5月出荷以来の値上げ。めん製造会社や外食店に受け入れを求めていく。山下明博取締役は「中国産原料の値上がりがあまりに激しい」と背景を説明する。
 中国産玄ソバ(09年産)の今年8月の卸価格は上昇前の09年9月と比べ3割高い。中国は昨年、干ばつで日本への玄ソバ輸出量が減った。農家は政府の買い取り価格引き上げなどによって収入が増えているトウモロコシなどへ栽培品目を移し、供給も減少してきた。
 9月に収穫のピークとなる10年産の価格も高止まりする懸念がある。異常気象で、大消費国であるロシアの生産が打撃を受け、中国産を買い付けているためだ。
 日穀製粉の宮嶋道夫専務は「今の原料価格で推移すると、11年3月期は初めての営業赤字に陥ってしまう」と危機感は強い。消費回復の流れは感じられないものの、通年でみれば需要が増える12月をにらんで早めに値上げを打ち出した。
 一方、ソバ粉を利用する外食産業は、価格競争が激しいため値上げの受け入れは難しいと訴える。関東でソバ店「小諸そば」をチェーン展開する三ッ和(東京・中央)は「主力商品と同価格帯の牛丼の値下がりが激しい。店頭価格に反映はできない」と説明する。



基礎化粧品「1000円未満」で激戦 大手が新ブランド
 化粧品大手が基礎化粧品分野で1000円未満の最低価格帯商品を相次ぎ投入する。カネボウ化粧品は9月1日に、最大手の資生堂は同月中旬にそれぞれ新ブランドを立ち上げる。コーセーは40~50代向けに販売を始めた。大手メーカー品の店頭価格はこれまで2000~5000円前後で安定していたが、市場縮小に伴い、今後低価格化が急激に進みそうだ。
 カネボウ化粧品は9月1日に1000円未満の新ブランドを立ち上げる。従来品は1500円以上が中心だった。化粧水や乳液など基礎化粧品4品目をドラッグストアなどで販売する。資生堂は9月中旬から1000円未満の低価格ブランド「専科」(4品目)を日本とアジアで立ち上げる。
 コーセーは最大の顧客層となる40~50代向けに約1000円の基礎化粧品の販売を始めた。20~30代には販売していたが、品ぞろえを増やし、シェア拡大を狙う。同社は約25あるブランドの集約を進めており、戦略商品に注力して資生堂、カネボウを追撃する。
 化粧品市場は女性が日常的に利用する商品として堅調に推移していたが、2008年以降は減少傾向にある。主力販路の百貨店向けが苦戦しているためで、調査会社のインテージの調べでは2009年度に中高級品市場は2.2%落ち込んだ。一方、ドラッグストアなどが主な販路となる低価格品市場が06年度比3.3%増えた。



自家用車世帯普及台数、4年連続減少 進む車離れ、メーカーに危機感
 自動車検査登録情報協会が24日発表した自家用車(軽自動車を含む)の1世帯当たりの普及台数は、今年3月末現在で前年比0.006台減の1.08台と4年連続で減少した。核家族化の進行で世帯数が増加傾向にあるのに加え、景気低迷で若年層の車離れに拍車がかかり、中年層でも保有車を手放す世帯が増えたことが要因とみられる。国内自動車市場はマイカー志向が薄れ、頭打ち傾向が強まっている。
 10年3月末の自家用車の保有台数は全国で5763万7404台となり、前年に比べ約23万台のプラス。一方で世帯数は5336万2801世帯と約48万世帯増加。同協会では「自家用車の保有台数自体は伸びているが、核家族化が進んで世帯数が大きく増えているため、1世帯当たりの普及台数は落ち込まざるを得ない」と分析している。
 総人口は近年、1億2700万人程度で推移しているが、世帯数は毎年50万~60万世帯増加している。これに対して、保有台数は1990年以降毎年200万台、2003年以降も90万台増えていたが、07年からは40万台以下のプラスにとどまっている。
 保有台数の伸びが鈍化している背景には、先行き不安を抱える若年層に加え、所得環境の悪化で中年層でも車離れが広がっていることがあるようだ。
 総務省が5年ごとに実施している全国消費実態調査によると、09年の世帯別の自家用車の保有台数は、30歳未満が04年比6.4%減▽30代が1.5%減▽40代が6.6%減▽50代が1.4%減▽60代が5.2%増▽70歳以上が6.3%増-となっており、30歳未満と40代の落ち込みが目立っている。
 車離れには国内自動車メーカーも危機感を強めている。トヨタ自動車は6月に量販車のスポーツ仕様車シリーズ「G SPORTS(通称ジーズ)」の第1弾としてミニバン「ヴォクシー」「ノア」を発売した。車の魅力を訴え、車ファンを拡大するのが狙いだ。各社とも主戦場は新興国に移りつつあるが、足元の国内市場が縮めば生産拠点の維持も難しくなるだけに、一段の対策を迫られそうだ。



企業の国際化 英語が社内公用語となる時代(8月25日付・読売社説)
 国連では英語、仏語、ロシア語、中国語、スペイン語、アラビア語の6言語が公用語として定められている。
 しかし、ビジネスの世界に限って言えば、英語が事実上の共通語としての地位を既に確立している。
 日本では、英語を社内共通言語とする企業が相次いでいる。
 インターネットサービス大手の楽天は、2012年中に、英語を「社内公用語」にするという。
 世界各地にユニクロの店舗を展開しているファーストリテイリングも、外国人社員を交えた会議は原則英語で統一する計画だ。
 両社とも、海外拠点を増やすなど、国際事業を積極的に展開している。外国人社員の採用も大幅に増やしていくという。
 様々な言語を母語とする社員の能力を引き出し、コミュニケーションを円滑にするためにも、そのような措置は避けて通れまい。
 電子メールで取得した世界の最新情報を社員が瞬時に共有し、商談をスピーディーに進めていく上でも、社員の英語力は重要だ。
 グローバル化が進む中で、日本企業が必要に応じて英語を社内の共通言語とするのは、時代の要請と受け止めるべきだ。
 楽天の場合は、日本人社員同士のビジネス上のやりとりも、すべて英語にするという。
 今月開かれた楽天の決算会見でも、国内外の記者やアナリストに対し英語で説明が行われ、同時通訳が付けられた。さらに、社員食堂のメニューまでが、英語で表示されるほどの徹底ぶりである。
 「日本国内で英語使用を強いるなんて」と、“行き過ぎ”を批判する声も上がっている。
 無論、日本人の感性を表し、文化の基本でもある日本語は、大切にしなければならない。
 ただ、ある意味で極端とも言える「英語公用語化」は、社員の意識改革を徹底させる“ショック療法”と見ることも出来る。
 果たしてどこまで英語を社内言語として導入すべきかは、それぞれの企業が、状況に応じて判断していくべき事柄だろう。
 楽天やユニクロ以外でも、役員の国籍の多様化に伴い、役員会などで英語を使用する日本企業は少なくない。
 国際展開する企業は、今後ますます、英語などの外国語を企業の共通言語として導入していかざるを得なくなるのではないか。
 楽天の英語公用語化は、日本企業を取り巻く環境の変化を示す象徴的な出来事だ。
GREE Platform、ソーシャルアプリ開発の申請手続きを簡便に
 グリー株式会社は24日、外部のパートナー企業がSNS「GREE」向けのソーシャルアプリケーションを開発できる「GREE Platform」において、モバイル版GREE向けソーシャルアプリの受け付けおよび審査運用を簡便化したと発表した。これによりパートナー企業は、従来よりも迅速にソーシャルアプリを公開できるようになる。
 GREE Platformを利用したソーシャルアプリは第一弾として、セガのサッカークラブ運営シミュレーションゲーム「プロサッカークラブをつくろう!」をベースにした「サカつくG」、バンダイナムコゲームスのレースゲーム「リッジレーサー」をベースにした「リッジレーサー for G」などが6月に発表され、これまでに約60タイトルが提供されている。
 グリーでは、さらに多くのパートナー企業にGREE Platformを活用してもらうことを目的として、開発環境(サンドボックス)の利用手続きを簡便化。具体的には、パートナー企業が専用ページから利用申請を行うだけで、1営業日内にサンドボックスが利用できるようになった。
 これまでパートナー企業は、サンドボックスを利用するに当たり、ソーシャルアプリの企画書を提出した上で、グリーの審査を通過する必要があった。今回、利用手続きが簡便化されたことにより、ソーシャルアプリの企画審査は正式リリース前のガイドラインへの適合に関する審査のみとなり、迅速なソーシャルアプリの公開が可能になったという。



GREE、ソーシャルフィードバック「いいね!」を提供--外部サイトにも拡大予定
 グリーは8月24日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「GREE」で、新たなソーシャルフィードバック機能を提供開始した。これはGREE上にある「ひとこと」「フォト」「日記」に対して「いいね!」ボタンを1クリックするだけで共感の気持ちを伝えられるというもの。従来のコメントよりも気軽にコミュニケーションが楽しめるという。
 この機能は、PC版、モバイル版、iPhone版のすべてのGREEで使用可能。今後は、ニュース、アバター、ゲームなど、GREE内コンテンツへの適用を進めるとともに、外部のサイトをGREE上で評価したり、情報共有したりできる機能へと発展させていく計画だ。



AppleがiMac touch開発? 特許出願で憶測
 米Appleが、「マウス&キーボード」と「タッチ入力」の2つの入力モードを切り替えられるiMacやMacBookを投入するかもしれない。同社が出願中の特許から、このような憶測が盛り上がっている。
 Appleが出願中の技術は「入力モードの移行」と題され、2009年9月にWIPO(世界知的所有権機関)に申請された。コンピュータのディスプレイの向きを変えることで、「マウスベースのインタフェースなどの高解像度入力モード」と「タッチインタフェースなどの低解像度入力モード」を切り替えられる技術だとAppleは説明している。ディスプレイの向きの変化を加速度計などのセンサーで検出してモードを切り替え、モードに合わせて入力方法と画面上のユーザーインタフェース(UI)を変更する。
 Appleはこの技術の実装例として、ディスプレイを正面に向けているときはマウス&キーボードモードになり、ディスプレイを平らにするとタッチ入力モードになるデスクトップマシン例や、ノート型コンピュータのディスプレイを反転させるとタッチ入力モードになる例を挙げている。



米国のソーシャルネットワークゲーム利用者が5600万人に--NPD調査
 ソーシャルネットワークは、ゲーマーの新たな居場所となるのだろうか。NPD Groupの最新調査からは、そのような傾向がうかがえる。
 NPDが米国時間8月23日に公開した7月の「Social Network Gaming」レポートによると、6歳以上の米国人を対象に調査を行った結果、過去3カ月間にソーシャルネットワーキングサイトでゲームをプレイしたと回答した人の数は、米国全体の人口比率にして20%にのぼることが明らかになったという。この数字は約5680万人に相当し、比較的新しいゲームインフラとしてはかなり大きな数字だとNPDは指摘している。
 調査対象者のうち35%はゲームを始めたばかりで、ソーシャルネットワーク上でプレイするまで全くゲームをしたことがなかったという。女性や年齢の高い成人は初心者の傾向が高いが、ソーシャルネットワークゲーム利用者の割合は男女間ではほとんど差がなく、男性が47%、女性が53%だったとNPDは述べている。
 「Facebook」のゲームなど、ソーシャルネットワークゲームは通常無料だが、調査対象者の10%はゲームをプレイする上で料金を支払ったことがあると答えたほか、今後料金を支払う気があると回答した人も11%にのぼった。オフラインのゲームにも影響は及んでいるようで、回答者の20%はソーシャルネットワークゲームを始めてから他のゲームに費やす時間が減ったと述べている。
 しかし、ソーシャルネットワークゲームが熱心なゲーマー層の心をつかむのは、まだ先の話かもしれない。
 NPDでアナリストを務めるAnita Frazier氏は、声明で次のように述べている。「ソーシャルネットワークゲームは大衆市場のユーザーに受けているが、課題がないわけではない。ユーザーは読み込みの遅さやパフォーマンス上の問題に不満を抱いており、ゲームにもすぐに飽きてしまうと述べている。この種のゲームがユーザーをつなぎ止め、ゲームに料金を支払うよう促したいのであれば、今後も進化を続ける必要があることは明らかだ」
 今回の調査結果は、NPDが自社の計測ツール「Games Acquisition Monitor」および消費者パネルから得たデータに基づいており、前者のデータはソーシャルネットワークゲーム利用者を対象として4月5~20日に収集したもの、また後者では対象者に対して6月1~9日にオンライン調査を実施した。



マイクロソフト、新型モデル「Xbox 360 4GB」発売決定
 マイクロソフト株式会社は、新型モデル「Xbox 360 4GB」を9月9日に発売する。価格は19,800円。また、別売りのハードディスク「Xbox 360 S ハードディスク 250GB」も同時に発売する。価格は15,540円。
 「Xbox 360 4GB」は、6月24日より発売中の「Xbox 360 250GB」と同様に、小型化、静音化が図られた新型モデル。さらに、ワイヤレスLANを内蔵し、タッチセンサー式の電源ボタンやディスクトレーを搭載するなど、初期型Xbox 360と比較すると大幅な機能向上を実現している。本体カラーはリキッドブラック。
 また、年末に発売予定のコントローラーを必要としないゲームシステム「Kinect」にも対応している。



ビッグローブ、「アンドロイド」端末向けソフト販売を本格化
 NECビッグローブ(東京・品川)は24日、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)向けのソフトの販売を本格化したと発表した。提供ソフト数を大幅に増やしたほか、英語サイトも開設して海外向けの販売も近く始める。アンドロイドはソフト作成の自由度が高いことなどから採用するメーカーが急増。米国では4~6月のスマートフォンのOSシェアで首位となった。ビッグローブは市場の成長を見込みいち早く攻勢をかけたい考えだ。
 今年1月から始めたソフト販売サイト「アンドロナビ」の提供本数を合計650本に拡充。同サイトの英語版を開設し、12月にも米国の利用者がソフトを購入できるようにする。
 今後もゲームや電子書籍、便利機能などソフト数を拡大。2011年3月末までに4000本、13年3月末までに15万本に増やし、累計の取扱高で100億円を目指す。


グーグル、画像使った検索強化 関連企業を買収
 【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルが、画像をもとに必要な情報を検索する「ビジュアルサーチ」分野を強化している。今春に英国のベンチャー企業を傘下に収めたのに続き、買い物関連の検索サービスを提供する米ライク・ドットコム(カリフォルニア州)を買収した。自社開発に加えてM&A(合併・買収)も積極的に活用、成長分野で存在感を高める。
 ライク社がホームページでグーグルによる買収を公表した。買収額は非公表だが、米メディアは1億ドル(約85億円)以上と報じている。ライク社は2006年にサービスを開始。ウェブサイトを通じて衣料品や靴、時計などの情報を提供し、画像をもとに似た色や柄、デザインの商品を探すことができる。
 グーグルは、カメラ付き携帯電話で撮影した絵画の画像に基づいて、作品や制作者などの情報を調べるサービスを提供する英プリンクアートも4月に買収した。自らは09年から「グーグル・ゴーグル」と呼ぶビジュアルサーチサービスを提供。9月にプリンク社のサービスを終了して開発をゴーグルに一本化する。
 従来、ネット検索を利用する際は検索したい言葉を入力する必要があったが、高機能携帯電話(スマートフォン)の普及などで、画像や音声を活用して手軽に検索できる技術が普及するとみられている。グーグルのほか米マイクロソフトなどが新たな入力方法の開発を急いでいる。



【オリコン】B’z稲葉浩志、ソロアルバム4作連続首位
 人気ロックユニット・B’zの稲葉浩志の6年ぶりとなる4thソロアルバム『Hadou』(18日発売)が発売初週12.7万枚を売り上げ、8/30付週間アルバムランキング首位に初登場。ソロ1作目の『マグマ』(1997年発売)から4作連続でアルバム首位を獲得した。
 今作『Hadou』は、『Peace Of Mind』(2004年発売)以来6年ぶりのニューアルバム。7/5付で週間首位を獲得した最新シングル「Okay」のほか、『NEWS23クロス』(TBS系)エンディングテーマ「この手をとって走り出して」、2006年にアニメ『結界師』(読売テレビ・日本テレビ系)のエンディングテーマとして発表され、CD化が熱望されていた「赤い糸」など全15曲を収録した。
 同アルバムを引っさげて、21日からは静岡を皮切りに、2004年以来の全国ソロツアーがスタートした。



【オリコン】AKB48、女性グループ史上初の2作連続初週売上50万枚超え
 人気アイドルグループ・AKB48の17thシングル「ヘビーローテーション」(18日発売)が発売初週で52.7万枚を売り上げ、8/30付週間シングルランキング首位を獲得した。今作の初週売上は、前作「ポニーテールとシュシュ」(5月発売)の51.3万枚を上回り、自己最高記録を更新。女性アーティストによるシングル初動売上2作連続50万枚突破は宇多田ヒカル、浜崎あゆみに次いで史上3組目となり、女性グループとしては史上初の記録となった。今作で初センターを務めた大島優子(21)は「大変光栄です。これからも初心を忘れず、今まで以上に頑張っていきたいと思います」と喜びのコメントを寄せた。
 過去にシングル初動売上2作連続50万枚を突破した女性アーティストは、宇多田ヒカル(1999年11/22付「Addicted To You」~2000年5/1付「Wait&See~リスク~」)、浜崎あゆみ(2000年12/25付「M」~2001年2/12付「evolution」)の2組のみ。女性グループとしては、SPEED(1998年「my graduation」ほか1作)とモーニング娘。(2000年「恋のダンスサイト」ほか1作)の2組が単発で突破したが、いずれも連続での突破はなく、AKB48が史上初の快挙を達成した。
 AKB48のシングル首位は、2009年の『NHK紅白歌合戦』で歌った「RIVER」(2009年10月発売)から4作連続通算4作目。今作は、6月に開催された『第2回選抜総選挙』で1位となった大島優子が初センターを務めたほか、ジャケット写真やミュージックビデオで披露したメンバーのセクシーな衣装も話題を呼んだ。



東京株、終値も9000円割れ 1年4カ月ぶり  
 24日の東京株式市場は、米国経済の先行き懸念や円高への警戒感から日経平均株価は3日続落し、終値は昨年5月1日以来、約1年4カ月ぶりに9000円の大台を割り込んだ。
 日経平均株価の終値は、前日終値比121円55銭安の8995円14銭。東証1部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は7・06ポイント安の817・73。
 心理的な「節目」とされる9000円を割ったことは、急激な円高に具体的な対策を取らない政府・日銀に対する市場の失望感の表れといえる。円高による輸出企業の採算悪化で、回復途上にある景気が一気に腰折れする懸念が高まっている。
 前日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、米経済の先行き懸念から3営業日続落。ほぼ1カ月ぶりの安値水準となった。東京市場もその流れを引き継ぎ、為替相場が円高傾向になったこともあり、幅広い銘柄で売りが先行。午前中に9000円を割り込んだ後、一時は下げ幅を縮めたが、取引終了にかけて再び値を下げ、9000円を割り込んだ。



佐賀の市、ほぼ全職員でツイッター…行政活用へ
 佐賀県武雄市は9月から、職員が簡易投稿サイト「ツイッター」を使えるようにする。
 職員のほぼ全員にあたる約390人が利用できる仕組みにして、災害情報や不審者情報などの即時発信、市民の行政相談などに活用していきたい考えだ。
 武雄市の樋渡啓祐市長は昨年末からツイッターを利用。フォローは約4000人に上り、「マンホールのふたが開いた状態で危険」という市民のつぶやきから、樋渡市長が担当職員に連絡して対応したケースもあったという。樋渡市長は、行政にも役立つと考え、職員のツイッターへの登録を決めた。
 19~25日の間、市役所で講習会を開いており、職員は活用方法や運用上の注意点を学んでいる。9月以降、実際に運用しながら、有効な活用策を探っていく方針。
 樋渡市長は「コミュニケーションツールの一つではあるが、行政と市民の垣根を低くでき、可能性の広がりを感じる。要望や相談に素早く対応でき、行政のスピードアップにもつながる」と期待している。



南北開戦なら1日で10万人死傷 米韓がシミュレーション
 24日付の韓国紙、中央日報は、北朝鮮と韓国が戦争に突入した場合の被害を米韓連合軍がコンピューターでシミュレーションしたところ、開戦から1日で韓国側に10万人の死傷者が出るとの結果が出たと報じた。韓国軍関係者の話として伝えた。
 シミュレーションは、16日から行われている朝鮮半島有事を想定した米韓連合軍の定例指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」の一環として実施。同紙によると、開戦によって北朝鮮軍は無差別攻撃を行い、米韓両軍や韓国側住民ら10万人が死傷。北朝鮮軍は特殊部隊を大量投入して韓国側の施設を破壊するほか、ソウルは長距離砲によっても被害を受けるとしている。



「Windows Phone 7」向け開発ツールベータ版、30万回ダウンロード達成
 2010年秋を予定している「Windows Phone 7」の正式版ローンチが近づく中、Microsoftのエバンジェリストらは何とかして盛り上げようと必死になっている。
 Microsoftの代表者は米国時間8月23日、Windows Phone 7の開発ツールの累計ダウンロードが30万回以上あったと発表した。同ツールの正式版は9月16日公開の予定と述べながらも、「XNA Framework」や「Silverlight」を使ったゲームやアプリケーションの開発に興味がある人は正式版を待つことなく、いますぐに開発できることを強調している。
 Microsoftのモバイルコミュニケーション事業ディレクターのBrandon Watson氏は、Windows Phone Developerブログに新しく投稿した記事で、「もちろん、ツールの正式版にはベータ版からのマイナーな変更点が加わるだろう。その場合、開発者はいくつかのバグを修正する必要がある」と認める。「正式版には、リクエストが多かったSilverlight制御も加わる予定だ。これにより、開発者がクオリティの高いWindows Phone 7エクスペリエンスを容易に配信できるようになる。このほかにも、パノラマ、ピボット、Bing Mapsの制御も加わる予定だ」とWatson氏は記している。
 Microsoftは、「Windows Phone 7 Developer Tools」の最新ベータ版を2010年7月に公開した。これには、「Visual Studio 2010 Express for Windows Phone」「Windows Phone Emulator」「Silverlight for Windows Phone」「Expression Blend for Windows Phone」「XNA Game Studio 4.0」の各テストビルドが含まれている。
 Watson氏のことを知らない人のために説明すると、Watson氏はWindows Phoneの開発者向けマーケティングと開発者向けの取り組みのフィールドや営業の準備を率いる人物だ。以前は、サーバ&ツール部門で技術マーケティングチームに所属し、「Windows Azure」「.NET」向けの開発プラットフォームを担当していた(子供向けのオンラインセキュリティソリューションを開発する企業を立ち上げたり、Soros Private Equity Partnersのプリンシパルを務めたこともある)。
 先日、MicrosoftのイベントでWatson氏に取材する機会があったのだが、そのときWatson氏は「Silverlight開発者は約50万人おり、C♯開発者は200万人いる。“一度書けば、どこにでも最適化できる(write once, optimize anywhere)”、これがわれわれのメッセージになる」と述べた。
 そして、Windows Phone 7とそのエコシステムは、「開発者による、開発者のためのものだ」と強調した。
 「Microsoftは、開発者が何を望んでいるのかに耳を傾けている」とWatson氏は述べる。そしてツール、マーケットプレイスのポリシーなどについては、「われわれが提供する技術についてオープン性と透明性を貫いている」と続ける。Microsoft(のマーケットプレス)では「発見されるし、報酬を得られる」と言う。
 Anand Iyer氏も、Windows Phone 6のエバンジェリズムチームのメンバーだ。Iyer氏は、必ずしもMicrosoftに親身とはいえないカリフォルニア北部でエバンジェリストとして勤務してきた人物だ。Microsoftの新規事業チームと協力したり、ベンチャー企業向けのBizSparkプログラムのプログラムマネージャを務めた経験もある。現在、Iyer氏はベンチャー企業、学生、趣味のプログラマー/独立系開発者などを対象としたWindows Phone 7のApplication Developerエクスペリエンスにフォーカスしたシニア製品マネージャーを務めている。
 Windows Phone 7では、通常の開発者だけではなく、「ロングテール開発者」に大きなフォーカスをあてている、とIyer氏は言う。「スターを送り出したい」とIyer氏は述べ、Windows Phone 7でしか手に入らないユニークなアプリケーションを提供するという狙いを語った。
 「目標は、成功するのに本当に必要なものは何かを開発者が理解するのを支援することだ」とIyer氏。これはつまり、「iPhone」「Android」など他のスマートフォンプラットフォーム向けに開発した経験を持つ開発者を引き付ける方法を見出すことを意味するが、モバイル開発の経験がなくてもMicrosoftのツールや開発モデルを知っている人も対象に入るという。
 Microsoftは先日、Windows Phone 7のローンチ時に50種類のゲームタイトルを用意すると発表している。同社はまた、Windows Phone 7のプロトタイプ端末を一部開発者に限定配布し、ローンチに合わせて完成できるよう支援している。Microsoftの代表者はさまざまなカンファレンスでWindows Phone 7の初期プロトタイプ端末を披露しており、Iyer氏らチームはMicrosoft社員に対しても、実機を手にWindows Phone 7アプリケーションを開発するよう奨励しているとのことだ。
 専門家、開発者、競合他社、潜在顧客など、多くが指摘しているように、Microsoftはスマートフォンで遅れを取っている。Windows Phone 7が成功するため、Microsoftがやるべき作業として、他に何があるだろうか?



毎日社説:科学・技術の対話 社会との溝埋めるには
 科学者が「象牙の塔」にこもらず自分たちの研究を一般の人にわかりやすく伝える。「アウトリーチ」と呼ばれる活動がこのところ注目されている。
 現行の第3期科学技術基本計画にも、「国民と研究者との双方向コミュニケーション」として推進が盛り込まれている。
 ところが、昨年の事業仕分けが冷水を浴びせた。議論がかみ合わず、科学者集団と社会の間の溝が浮き彫りになったからだ。
 改善策のひとつとして国の総合科学技術会議が「国民との科学・技術対話の推進」を打ち出した。年間3000万円以上の公的研究資金を受け取る研究者にアウトリーチ活動を義務づける内容だ。
 研究が忙しくて余裕がないという声もあるだろう。しかし、今の時代、科学や技術に対する市民の支えがなければ予算も人材も集まらない。「税金で研究しているのだから活動は当然」という見方は科学者の間にも広まっている。
 ただ、難しいのはやり方だ。
 総合科技会議は活動例として「小・中・高校での特別授業」「地域の市民講座」「一般公開講演」などを挙げている。すでに一般的となった方法で、工夫次第では科学のすそ野を広げることにつながるだろう。
 しかし、うっかりすると通り一遍の「こなすもの」になりかねない。研究のいい面ばかりを強調する一方的な内容になる恐れもある。
 大事なのは、研究者が「自分が普通の市民だったら」という視点で考えてみることではないか。何がおもしろく、重要なのかに加え、課題や問題点、時にはリスクも含めて率直に伝えることで両者の溝は少しずつ埋まっていくはずだ。市民との意見交換も大切にしたい。
 誰が活動を行うべきかという問題もある。研究者自らが市民と顔を合わせることは重要だが、研究機関の支援がないと研究を阻害しかねない。サイエンスコミュニケーションを専門とする人材の活用も課題だ。
 今回は国の求めに応じ国の資金で行うものだが、科学者と市民を結ぶための活動が「官製コミュニケーション」ばかりでいいのかという疑問もある。
 たとえば、作家の瀬名秀明さんは「科学者自身がアウトリーチ活動のパトロンになればいい」と提案している。科学者自らが私費を持ち寄って基金を作り、サイエンスコミュニケーションを支えるという考え方だ。それとは別に、市民の側が科学者を呼び出して行う活動があってもいいだろう。
 科学をいかに社会に伝えていくかは欧米でも議論が続いている。日本も試行錯誤を続けたい。
アジア携帯、日本を開拓 OS共通化で参入容易に
 アジアの携帯電話大手が日本市場の開拓を本格化する。韓国LG電子は2011年春にもスマートフォン(高機能携帯電話)市場に参入し、中国の中興通訊(ZTE)は今秋に低価格の端末を発売する計画。日本は独自仕様の端末が主流だったが、世界共通の基本ソフト(OS)を採用するスマートフォンが普及し、海外勢が製品を投入しやすくなっている。競争激化が価格低下を促しそうだ。
 LG電子がNTTドコモ向けに投入する「オプティマス」は、米グーグルのOS「アンドロイド」の最新版を搭載したスマートフォン。画像処理などの動作が速く、より複雑な操作が可能になる。
 ドコモの販売奨励金次第では、店頭での実勢価格が米アップルの「iPhone(アイフォーン)」並みの1万円を切る格安モデルとなるもようだ。現在のドコモの主力スマートフォン「エクスペリア」(英ソニー・エリクソン製)の半額以下にあたる。
 ZTEは10月にもソフトバンクモバイル向けに2種類の端末を発売し、日本市場に参入する。10年度内にはアンドロイド対応のスマートフォンも投入する方針で、ソフトバンクなど複数の通信会社と交渉を進めている。LGと同じく、低価格帯のスマートフォンに照準を置き、通常の携帯電話と同水準の価格に抑えて攻勢をかける考えだ。
 ソフトバンクモバイルに供給してきた韓国サムスン電子は10年からドコモ向けのスマートフォンも投入する。アンドロイド対応の「ギャラクシー」で、最新型有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)や高画質カメラを搭載する。同社の世界出荷台数はフィンランドのノキアに次ぐ2位だが、日本では10位以下と苦戦が続いていた。
 09年度の国内携帯電話市場は約3000万台で、海外メーカーのシェアは10%台。調査会社のIDCジャパン(東京・千代田)によると、スマートフォン市場は14年に約3倍の890万台に拡大する見通しで、成長分野で海外勢が攻勢を強める。
 日本ではこれまで「iモード」や「写メール」といった独自機能を持ったモデルが主流だった。08年にフィンランドのノキアが一部を除いて国内市場から撤退するなど国際的に見て特異な市場となってきた。ここへきてアンドロイドなど汎用性の高いOSを搭載したスマートフォンの市場が拡大し、海外勢の参入余地が広がっている。



ドコモ、アップル対抗勢力を取りまとめ
 海外携帯電話メーカーが日本に相次ぎ新製品を投入するのは「iPhone(アイフォーン)」人気の副産物でもある。同製品で攻勢を強める米アップルとソフトバンクモバイルの動きを海外メーカーは警戒。スマートフォン強化を狙うNTTドコモはそうしたアップル対抗勢力を取りまとめようとしている。
 ソフトバンクはアイフォーンに集中的に販売奨励金を投入し、「0円携帯」として販売攻勢をかけている。ソフトバンクに納入する他の端末メーカーからは「アイフォーンとあれだけ販売促進で差をつけられたら売れっこない」(アジアメーカー関係者)と不満の声が上がる。
 ドコモはこうした反発を取り込みつつある。従来ソフトバンク向けに端末を積極投入してきた韓国サムスン電子からスマートフォンの調達を開始するほか、英ソニー・エリクソンとの関係も強化し、「エクスペリア」をアイフォーン対抗機種に据えている。
 日本市場は特殊な進化を遂げたため世界から孤立する「ガラパゴス市場」と言われてきたが、海外勢の積極的な製品投入で厳しい競争にさらされることは必至だ。富士通と東芝が携帯電話機事業を10月に統合し、NEC、カシオ計算機、日立製作所の3社も事業を統合するなど再編が相次いでいる。国内勢は早期に統合効果を出し、コスト競争力の強化や海外展開を急ぐ必要がある。



メガネ不要!裸眼で見られる3Dテレビ発売へ
 東芝は23日、立体(3D)映像を裸眼で見られるテレビを世界で初めて年内に発売する方針を明らかにした。
 これまで電機各社が発売した3Dテレビはいずれも専用のメガネが必要だったが、東芝が裸眼3Dテレビを投入することで、市場が活性化しそうだ。
 発売するのは、画面サイズ21型を中心に3タイプ。年末商戦に向け、準備を進めており、価格は数十万円になるとみられる。
 これまでの3Dテレビは、左目用と右目用の二つの映像を高速で連続して表示することで、見る人の脳内で立体的な映像を再現させていた。専用のメガネを使って、右目用の映像が映る時は左目が見えず、左目用が映る時は右目が見えなくなり、物の奥行きを感じる仕組みだ。
 東芝が開発した「インテグラルイメージング方式(光線再生方式)」は、角度が異なる多数の光を出すことで、専用のメガネがなくても、脳内で立体的な映像を再現することができるようにした。見る人が位置を変えても立体的な映像を楽しめ、画像も自然で目が疲れにくいという。
 精細度が低くなったり、動きが激しい映像を再現しにくくなったりする裸眼3D映像の弱点を克服するため、高精細なパネルを使用する。3D対応の映像なら、ハイビジョン映像を含め、すべて再生できる。
 3Dテレビはパナソニックが今春から発売を始め、国内電機各社が次々と投入している。電機各社は今年を「3Dテレビ元年」と位置づけ、新たな主力商品として期待していたが、専用のメガネが必要となることなどから、売れ行きは伸び悩んでいた。調査会社GfKジャパンによると、8月9~15日の全薄型テレビの販売額に占めるシェア(占有率)は2・3%にとどまる。



<ポケットモンスター>新作「ブラック・ホワイト」が予約でミリオン突破 DSソフトで最速
 9月18日に発売されるニンテンドーDS用ゲーム「ポケットモンスターブラック・ホワイト」(ポケモン)の予約本数が22日時点で108万本を突破したことがメディアクリエイトの調べで23日明らかになった。7月31日の予約開始以来、23日間での大台突破で、DSソフトの予約本数としては史上最速という。
 「ポケットモンスター」は96年、第1作「ポケットモンスター 赤・緑」が発売され、全世界でシリーズ累計1億4000万本、関連ソフトを合わせると2億本以上を販売している人気ゲーム。「ブラック・ホワイト」は、06年に発売された「ダイヤモンド・パール」以来4年ぶりとなるシリーズ完全新作で、初めてウェブサイトと連動するなど、さまざまな新要素が盛り込まれている。発売から1カ月限定で幻のポケモン「ビクティニ」がもらえるなどの施策が奏功し予約本数が伸びた。同社では最終的な予約本数を約150万本と見込んでいる。



画像センサー キヤノン、世界最高の1億2000万画素を開発
 キヤノンは有効画素数が1億2000万画素に達するCMOS(相補性金属酸化膜半導体)画像センサーを開発した。通常のデジタル一眼レフカメラに使用しているセンサーと同じ大きさで、世界最高の画素数となる。撮影領域を細かく分けて、その一部だけをハイビジョン動画で出力することもできる。今後、監視カメラや産業用検査装置など向けに用途開発を進める。
 開発したセンサーの撮像画面サイズは縦18.6ミリメートル、横27.9ミリメートル。これと同じ大きさでキヤノンが実用化している1610万画素のセンサーと比べ、解像度は2.4倍に向上する。試作品としてはキヤノンが2007年に開発した5000万画素がこれまでの最高で、動画撮影機能もなかった。
 多数の画素によって光から変換される電気信号を高速に読み出す並列処理技術を改良した。信号数が増加すると読み取りの遅れやズレが生じやすいが、読み出しのタイミングを制御する回路技術で高速化を実現。1秒間に9.5コマの速度で出力することが可能という。
 センサー全面を60の領域に分けて、対象を絞った1領域だけをハイビジョン映像で出力できる機能を備えた。画面の一部だけを切り出して、拡大することができる。
 監視カメラでとらえた不審人物を拡大して確認したり、電子部品の回路全体を撮影して一部分だけを詳細に検査したりすることが可能になるという。画素数が1億2000万に達するので、拡大しても画像の劣化がほとんどない。



日本のIT投資伸び率、先進10カ国中で最低 米英の半分
 日本の情報通信関連投資の伸びが米欧など先進10カ国中で最低水準にとどまっていることが、総務省の調査で分かった。1995年以降の10年で日本の情報通信関連資本の伸び率は2.3倍にとどまり、4倍を超える米英のおよそ半分程度だった。小売りや教育などの分野で情報化投資が遅れており、総務省はこうした分野の生産性が伸び悩む一因とみている。
 コンピューターや通信機器、ソフトウエアといった情報通信関連の資本について、95年を100として伸び率を算出。この分野で先進的な日本、韓国、米、英、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、フィンランド、デンマークの10カ国を比較した。
 首位のデンマークは6倍近く増えた。デンマークなどは経済規模が違うため単純には比較できない。ただ日米の年間の投資額をみると、95年は日米とも10兆円程度だったものの、日本が95年から2008年にかけて2倍に増えたのに対し、米国は4.5倍に達している。
 産業別では小売り、対個人サービス、医療・福祉、教育の分野で投資が遅れているという。小売りは他国が最低でも2倍は増えているのに対し、日本はほぼ横ばい。教育や対個人サービスもほぼ横ばいにとどまる。
 こうした分野は中小企業が多いなど担い手の資本力が乏しく、情報化投資を進める余力があまりないとみられる。総務省は情報装備の遅れが生産性の停滞を招いているとみている。総務省はIT投資を倍増すれば、20年の実質経済成長率を0.8%ほど上乗せできると試算している。



相撲界の“新兵器”はiPad 情報共有用に60台配布
 日本相撲協会は23日、協会内部の広報整備・情報開示の一環として、米アップルの多機能情報端末「iPad(アイパッド)」を利用することを決めた。24日以降、各部屋や理事ら役員に計60台が順次配布される。
 野球賭博などの不祥事を受け、協会を取り巻く状況が刻々と変化する中、親方衆から「情報を新聞やテレビから受けるだけで、何が本当が分からない」との不満が続出。23日の年寄総会で放駒理事長(元大関魁傑)は「これからは情報を開示し、共有していく」との方針を確認した。その手段として村山弘義副理事長がぶち上げたのがiPadの利用だ。
 もともと協会では、親方や力士らへの事務連絡用としてiPad導入を決めていた。従来は電話かファクスが主要な連絡手段だったため、協会は「どこでも持ち運べて使える点を有効活用したい」と期待。各部屋の電子メールアドレスも登録し、部屋間の連絡にも利用できるようにする。
 ただ理事会の内容などを開示するとなると当初予定とは運用が違ってくる。理事会の議事録を送信するのかなど詳しいことは「まだ何も決まっていない」と、事務方は困惑顔だった。



ソフトバンク孫正義社長「光回線分離でアクセス会社は増益」
 総務省が23日開いたNTTの光回線分離などを検討する「光の道ワーキンググループ」の非公開の事業者公聴会への出席後に会見したソフトバンクの孫正義社長は、「赤字の原因となっている山間部などの通常の電話回線と光ファイバー回線の維持管理コストの二重化を排除でき、安価に光回線を国民に提供できる」として、光回線部門の分社化の必要性を強調した。
 孫社長は分社化により、通常の電話回線の維持管理コストがなくなることで「分離したアクセス会社は年額で3000億円以上の増益になる」と効果を強調した。
 またNTTがアクセス会社の分離により技術革新などが停滞すると反対していることについては、「増益になれば技術開発などの原資に余裕が出る」とNTTの見方を否定した。



三菱電、大証の上場廃止を申請へ 取引高低迷
 三菱電機は23日、大阪証券取引所と海外の2証券取引所の上場廃止を申請すると発表した。金融危機後の取引高の低迷で、「資金調達方法の多様化などの役割を終えた」(広報部)と判断した。
 東京、ロンドン両証取の上場は維持する。上場廃止を申請するのは大証のほか、フランクフルト証取とユーロネクスト(アムステルダム)証取。今後、順次申請を始め、各証取の受理後1~5カ月程度で上場廃止になる見込みだ。
 同社は昭和24年に大証に上場。49年にはフランクフルト、ユーロネクスト両証取に上場したが、「取引高はほとんどなかった」(同)という。
 このため上場廃止による株主への影響は小さく、有価証券報告書の提出など事務手続きやそれに伴う費用も削減できるため、申請を決めた。



東京株今年最安値、時価総額280兆円割れ 政策対応の遅れで強まる不透明感
 週明け23日の東京市場は、同日行われた菅直人首相と白川方明日銀総裁による電話会談で具体的な円高対策や金融緩和策が打ち出されなかったことを受け、日経平均株価が一時9100円を割り込み、終値でも今年最安値を更新した。時価総額も前週末比1兆6438億円減の279兆9012億円と、昨年11月末以来、約9カ月ぶりに280兆円を割り込んだ。政府の政策対応が遅れるなか、株式市場の先行きに不透明感が強まっている。
 同日の株式市場では、前週末のニューヨーク市場でダウ工業株30種平均が約1カ月ぶりの安値水準をつけた流れを受け、小幅続落して取引が始まり、首相と日銀総裁の電話会談を控え積極的な取引は手控えられた。電話会談で為替市場への介入や金融緩和策が協議されなかったとの発表を受けた午後の取引開始直後には輸出関連株を中心に幅広い銘柄が売られ、日経平均は一時9090円96銭まで値を下げた。終値はその後やや持ち直したものの、先週末終値比62円69円銭安い9116円69銭と終値ベースで今年の最安値を記録した。東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は4.80ポイント安の824.79。
 具体的な政策対応の発表がずれ込むなか、積極的な取引きが手控えられた結果、東証1部の売買代金は8800億円余りと、今年4番目に少ない規模となった。
 市場関係者の間には、株安が政府電話会談に続く具体的な行動を催促したものとの見方も出ている。



TCLが上半期赤字転落か
中国の液晶テレビ市場に異変
 中国の大手テレビメーカーTCLが、今年上半期の最終損益が赤字に陥る可能性があると表明し、話題を呼んでいる。
 中国の液晶テレビ市場は、強力な政府の後押しもあり、リーマンショックからいち早く立ち直り、急速に販売台数を伸ばしてきた。米ディスプレイサーチによれば、いまや中国は年間3000万台を販売する世界第3位の市場となり(2008年度)、11年度には北米を抜き去って世界第1位の市場に躍り出ると予測されている。
 その時流に乗り、わが世の春を謳歌してきたはずの中国メーカーが、赤字転落しかねないという事態に、関係者は驚きを隠さない。いったい中国のテレビ市場で何が起こっているのか。そこにはいくつかの“異変”があった。
 まず、今年に入りテレビの売れ行きが失速した。昨年は4四半期とも前年同期比100%増を達成し、1年で最も売れる10月の国慶節では、前年同月比130%増の売り上げを記録した。ところが、今年の第1四半期は前年同期比82%増と昨年よりも売れ行きが鈍化。もっとも、「昨年が売れ過ぎた。今年は通常のペースに戻っただけ」と多くの関係者は口を揃える。
 だが、この影響は深刻だった。昨年の好業績に気を大きくした中国メーカーは今年の販売量を過大に見積もっており、液晶パネルを大量に仕入れてしまっている。それが、販売量の低減により、通常の倍近くの在庫を抱えることになり、収益を圧迫している。
 しかも、需要が旺盛なためパネル価格は高止まりしており、販売価格を下げられない。中国の液晶テレビ普及率は20%程度だが、富裕層の多い沿岸部にはすでに行き渡り、今は2台目、3台目需要が中心だ。また、内陸の農村部でも液晶テレビが花盛りだが、こちらの競合相手は1000元前後のブラウン管テレビ。そのため、価格が下がらなければ、販売量が伸びづらい構図となっている。
 加えて今年は海外のテレビメーカーの中国攻略が本格化した。たとえばソニーは、台湾のODM(相手先ブランドでの製造)メーカー、フォックスコンと組んで中国向けに32型3000元という戦略商品を投入した。
 その結果、中国メーカーと海外メーカーとの価格差は1年前の30%から10%にまで縮まった。いきおい海外メーカーのシェアは伸び、一方のTCLのシェアは12%から7~8%に落ち込んでしまった模様だ。そのうえTCLは、海外ビジネスのリストラなど特殊要因が重なり、赤字見通しになったとみられる。
 TCLに限らず、「他の中国メーカーも同様に厳しい」と複数の関係者は指摘する。成長著しい中国市場にあって、コスト競争力の高い中国メーカーですら苦しむ液晶テレビ事業。今後も苛烈な競争は続くだろう。



菅・白川会談 政策協調で景気の失速防げ(8月24日付・読売社説)
 景気の急激な減速や、経済の実力以上に進んだ円高にどう手を打つか。政府・日銀の政策が問われている。
 菅首相と白川日銀総裁が23日午前、電話で会談した。為替を含め、経済情勢について15分間ほど意見交換し、「緊密なコミュニケーションが重要」との認識で一致したという。
 政府は近く追加経済対策をまとめる方針で、その効果を高めるため、日銀との連携をアピールする狙いがあるのだろう。
 だが、為替も株価もほとんど反応しなかった。実質的な内容が乏しいと市場は判断したようだ。
 円高とデフレが日本経済の体力を奪っている。政府・日銀は機動的に政策協調し、景気の失速を防がねばならない。
 4~6月の経済成長率は実質でほぼ横ばい、実感に近い名目ではマイナスとなり、景気が足踏みする「踊り場」入りしたとの見方が強まっている。
 このため政府は、今年度予算の予備費などを活用し、住宅版エコポイント制度の延長や失業者の就職支援などを行うことにした。
 消費喚起や雇用対策は、景気の腰折れを防ぐ妥当な政策だろう。だが、対策の規模は2兆円足らずにとどまると見られる。
 与党内に対策の規模拡大を望む声はあるが、厳しい財政事情に照らせば国債増発は避けるべきだ。急な増税も現実的ではない。
 ならば、優先度の低い政策を縮小し、財源をひねり出すほかあるまい。子ども手当をはじめ、経済効果に疑問のある政策を「景気優先」の物差しで仕分けし、もっと賢い予算の使い方はないか、ゼロベースで見直すべきである。
 さらに緊急の課題が、円高だ。弊害は輸出の減少にとどまらず、企業の海外流出やデフレの悪化など広範に及ぶ。
 今回の電話会談で、為替介入に関する話題は「全く出なかった」(仙谷官房長官)というが、真偽のほどはわからない。
 日本が為替介入に弱腰と見られれば、投機筋につけ込まれかねない。今後、さらに円高が進むようなら、首相は日銀総裁と直接会談し、対策を協議すべきだろう。
 カギを握るのが日銀の対応である。金融緩和は、財政出動による金利上昇圧力を抑え、円安を促す効果もある。日銀は一段の量的金融緩和に踏み切るべきだ。
 政府が円売り介入で市場に放出した資金を日銀が吸い上げず、緩和効果を高める手法も、過去に実績がある。検討に値しよう。
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