00430000s@merumo.ne.jp に空メールすると、ブログと同じ内容のメルマガをが配信されます。twitterはhttps://twitter.com/wataru4 です。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
太陽に10分→通話1分…「ソーラーケータイ」今夏登場
太陽光で充電できる国内初の携帯電話が今年夏、KDDI(au)から発売される見通しとなった。
防水機能も備えた「ソーラーケータイ」は世界初。キャンプやスポーツなどの野外活動のほか、充電用の電源が得られない災害時などでも威力を発揮しそうだ。
シャープ製で、電話本体の表側にある小型太陽電池パネルで充電する。太陽光を直接10分間当てると、待ち受けなら約2時間、通話なら約1分間分の充電ができる。従来通りの家庭用電源での充電も可能。価格は4万~6万円程度となる見込み。
米政府、GMに債務株式化を指示 メディア報道、4兆8000億円
【ニューヨーク=小高航】ロイター通信は17日、米政府がゼネラル・モーターズ(GM)に、債権者や全米自動車労組(UAW)に対して抱える債務のうち、480億ドル(約4兆8000億円)を株式で支払うよう指示したと報じた。GMは2週間以内に債権者やUAWにこうした債務削減策を提示する見通しという。
米政府は昨年12月、約275億ドルの無担保債務の3分の2と、UAW向けの医療保険関連の債務約200億ドルの半分を株式で支払うよう指示していた。今回、株式化の額として提示する480億ドルの内訳は不明だが、GMの財務内容の健全化へ向け、政府が債務の圧縮幅を拡大するよう求めた格好だ。
一方、米紙デトロイト・ニュースは17日、米政府が週明けにもGMとクライスラーに対し、追加の短期融資を発表する見通しだと伝えた。GMは50億ドル(約5000億円)、クライスラーは5億ドル(約500億円)程度の融資を受けられる見通しとしている。GMのヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は17日の電話会見で「4―6月期に約50億ドルの追加的な政府融資が必要」と述べていた。
GM向け部品の債権保証、日本勢が米政府に申請 デンソー検討
米自動車大手の経営危機が続く中、日本の部品メーカーが取引のリスク回避に米政府の支援制度を活用する動きが出てきた。独立系メーカーのヨロズはゼネラル・モーターズ(GM)向け債権の保証を申請。やはりGMとの取引があるデンソーなども制度利用の検討に入った。GMとクライスラーは米政府の追加支援を得るため経営再建計画を策定中だが先行きは不透明で、関係する日本企業によるリスク管理の動きはさらに広がる可能性がある。
GMやクライスラーが連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請などに追い込まれた場合、取引のある部品メーカーも未回収の代金である売掛金の回収が困難になる見通し。このため米財務省は3月19日、最大50億ドル(5000億円弱)の公的資金をもとに、2社向け部品の売掛金回収に保証をつけるほか、売掛債権を引き受ける形で資金繰りを支援する策を打ち出していた。
コンビニ「車の充電拠点に」 社会貢献策で経産省研究会
コンビニエンスストアに電気自動車の充電スタンドを整備すれば、電気自動車普及に弾みがつく――。有識者やコンビニ大手などで構成する経済産業省の研究会が、コンビニ業界が連携して取り組むべき社会貢献策を報告書にまとめた。深夜営業や食品の大量廃棄でコンビニの環境への配慮が問われるなかで、温暖化ガスの排出削減につながる充電スタンドの設置を盛り込んだ。防犯や防災、地域活性化など社会貢献につながる取り組みを幅広く提言する。
研究会にはセブン―イレブン・ジャパンやローソンなどコンビニチェーン経営者のほか、学識者や自治体も加わった。報告書は週明けにも公表し、これをもとに近くコンビニ業界が「共同宣言」をまとめる。
「ミニ保育所」設立支援、厚労省方針 待機児童削減へ
厚生労働省は都市部の保育所の拡充に向けて、1つの保育所を中心に複数の小さな保育所(分園)を運営する事業主を支援する方針だ。現在は認可保育所が賃貸ビルなどを借りて定員20人以上の分園を設けた場合、国が原則として賃借料の半額を拠出しているが、年内に定員要件を撤廃する。小規模の分園の設立を促し、増加する待機児童を減らしたい考えだ。
景気の低迷でパートに出る専業主婦が増えたこともあり、こどもを保育所へ預けたいが入所できない待機児童が増えている。待機児童数は2008年10月時点で前年同月比9%増の4万人強になった。特に都市部では深刻とされる。
パナソニック、液晶TVの中南米生産2.4倍 成長市場に照準
パナソニックは中南米向けに液晶テレビを増産する。メキシコの生産拠点に新たに中南米市場向け専用ラインを設置。ブラジルでも生産を拡大し、中南米向けの現地生産台数を2009年度に45万台と前年度の2.4倍に増やす。現地の液晶テレビの市場は中国などよりは小さいが年率3割前後の伸びが続き、10年にも日本を抜く見通し。生産拡大でコスト低減も進め、成長市場での供給体制を強化する。
月内にメキシコ市のブラウン管テレビ工場に26―37型の液晶テレビ組み立てラインを新設、稼働させる。09年度の当初年間生産計画は25万台で、半分はペルーやベネズエラ、パナマなど中南米に輸出。残りはメキシコ国内に供給する。
民法、2011年にも抜本改正へ 法務省、消費者の保護重視
法務省は民法が定める契約ルールを抜本改正する方針を固めた。主な内容は(1)企業や消費者が結ぶ「契約」に関する基本原則を明文化(2)契約違反などが起きた場合の賠償責任の考え方を最近の実態に合わせて改める――など。トラブル防止や紛争解決の迅速化、消費者保護につなげる狙いだ。
法制審議会(法相の諮問機関)の議論を経て、早ければ2011年の通常国会への法案提出を目指す。契約ルールの全面改正は1896年(明治29年)の民法制定以来、初めて。
ペット保険、販路幅広く 銀行やインターネットでも
犬や猫の治療費を補償するペット保険の購入ルートが広がっている。従来はペットショップが中心だったが、保険会社が銀行やインターネット経由での販売に力を入れ始めているからだ。日本のペット保険の普及率はまだ2%程度といわれ、欧米と比べて低い。ペットを家族の一員のように飼う人も増え、保険各社が市場開拓を競っている。保険の選択肢も広がりそうだ。
最大手のアニコムホールディングスは今年3月に広島銀行で保険の販売に乗り出した。銀行窓口での販売は業界初。知名度が高く、幅広い店舗網を持つ金融機関で販売することで、新たな顧客を開拓する。今後も信用金庫などにも販路を広げ、2009年度は新規契約数を10万件と前年度比4割増やす計画だ。
新自由主義とケインズ主義(COLUMN)
最近の日本の経済論壇をみると、大きく二つの方向性に分類できるだろう。すなわち、(1)構造改革をさらに進めて日本の成長力を強化すべきだ、という意見と、(2)行き過ぎだった「改革」を是正して日本のよさを見直すべきだ、という考え方だ。その底流には、経済学の視点でみると、「新自由主義」と「ケインズ主義」の対立がある。だが今の経済危機にあって、新自由主義だ、ケインズだと言い争っている場合ではない。対立を超えて、危機脱出の政策を提言することが最も重要だ。
簡単に言うと、新自由主義は、「小さな政府」「規制緩和」「市場メカニズム重視」。一方、ケインズ主義は、「大きな政府」「社会福祉の拡充」「政府による市場の是正」の立場だ。
80年前後の米レーガン政権、英サッチャー政権の登場以降、米英を中心に新自由主義が勢いを持ち、日本の構造改革もその延長上にあった。しかし、特に今回の金融危機が深刻化するにつれ、新自由主義や構造改革への批判が強まっている。
この流れを象徴するのが、かつて新自由主義の立場から構造改革の旗を振った中谷巌三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長の“転向”だ。
中谷氏は小渕恵三首相の諮問機関「経済戦略会議」の議長代理として熱心に構造改革を説き、当初は小泉純一郎内閣の改革も支持していたが、いまではその誤りを認めている。中谷氏はケインズ主義者に宗旨替えしたわけではないが、行き過ぎた改革の是正を訴えるようになった。ざんげの書「資本主義はなぜ自壊したのか」(集英社インターナショナル)を昨年末に出版、「文芸春秋」3月号で「竹中平蔵君、僕は間違えた」との手記を発表して注目を集める。
これをどう思うか、小泉改革を担った竹中平蔵元総務相に尋ねると「日本から一歩外へ出れば、そのような議論は全然聞こえてこない。全く気にしていない」と一蹴(いっしゅう)。「小泉首相と『新自由主義の政策でやりましょう』などと話したことは一度もない」といい、新自由主義者と呼ばれることに拒否反応を示す。さらに「郵政民営化は規制緩和だが、銀行に対しては不良債権を強制的に処理させ、むしろ規制を強化した」と反論する。
現在の世界同時不況の局面では米国をはじめ各国が財政出動に動いている。「公共投資は効果が乏しく弊害が大きい」と批判してきた新自由主義の声が弱まり、政府の役割を重視するケインズ主義が息を吹き返した形だ。
日本のケインズ主義者は、ここ20年ぐらい「時代遅れ」と言われていたので、うっ屈したものがたまっているのかもしれない。だから両者の対立は必要以上に過激になってしまう。知り合いのケインズ支持の学者の多くは、中谷氏に対しても「いまさら何を言っているのか」と冷ややかだ。
だが、最近の経済学の世界では、新自由主義とケインズ主義の対立は、それほど重要視されなくなっている。市場に任せておけばうまくいくという新自由主義の立場も、政府の裁量で経済をコントロールできるとするケインズ主義の立場も、それだけでは複雑な現実に対応するには不十分という認識が共有されるようになってきた。むしろ前者は経済を長期的な視野でとらえ、後者は短期的な視点に立つと整理して、両者をうまく融合させようというのが、マクロ経済学の今の姿だと私は理解している。
「派遣切り」に代表される雇用問題にしても、規制緩和を主張した新自由主義者を批判するだけでは解決しない。確かに非正規従業員を正社員と同じように解雇しにくくすれば、短期的には雇用を守れるかもしれない。しかし、その結果、新自由主義者が指摘するように長期的には「企業は海外に逃げていく」「産業の構造転換が遅れて、日本は国際競争に負けてしまう」という問題を突きつけられる。
必要なのは、緊急避難として派遣契約の雇い止めを見直すなど短期的な政策を採りながら、長期的な成長を図り日本経済全体のパイを拡大させることだ。そのためには少子・高齢化に歯止めをかけ、労働力と消費者を増やしながら成長産業を育てるしかない。
「週刊エコノミスト」で今年初め、国内の著名エコノミストの日本経済への提言を特集したが、具体策をみると、住宅政策など理論的な立場を超えて意外に共通点も多い。
「経済学者が10人集まると11通りの処方せんがある」という言葉がある。経済学者の意見はそれほどバラバラで当てにならないということを皮肉った表現だが、経済学者やエコノミストは思想的・理論的な非難合戦は脇に置いて、長期・短期の両方の視点で政策を提言し合い、日本経済の再生に貢献してほしい。
太陽光で充電できる国内初の携帯電話が今年夏、KDDI(au)から発売される見通しとなった。
防水機能も備えた「ソーラーケータイ」は世界初。キャンプやスポーツなどの野外活動のほか、充電用の電源が得られない災害時などでも威力を発揮しそうだ。
シャープ製で、電話本体の表側にある小型太陽電池パネルで充電する。太陽光を直接10分間当てると、待ち受けなら約2時間、通話なら約1分間分の充電ができる。従来通りの家庭用電源での充電も可能。価格は4万~6万円程度となる見込み。
米政府、GMに債務株式化を指示 メディア報道、4兆8000億円
【ニューヨーク=小高航】ロイター通信は17日、米政府がゼネラル・モーターズ(GM)に、債権者や全米自動車労組(UAW)に対して抱える債務のうち、480億ドル(約4兆8000億円)を株式で支払うよう指示したと報じた。GMは2週間以内に債権者やUAWにこうした債務削減策を提示する見通しという。
米政府は昨年12月、約275億ドルの無担保債務の3分の2と、UAW向けの医療保険関連の債務約200億ドルの半分を株式で支払うよう指示していた。今回、株式化の額として提示する480億ドルの内訳は不明だが、GMの財務内容の健全化へ向け、政府が債務の圧縮幅を拡大するよう求めた格好だ。
一方、米紙デトロイト・ニュースは17日、米政府が週明けにもGMとクライスラーに対し、追加の短期融資を発表する見通しだと伝えた。GMは50億ドル(約5000億円)、クライスラーは5億ドル(約500億円)程度の融資を受けられる見通しとしている。GMのヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は17日の電話会見で「4―6月期に約50億ドルの追加的な政府融資が必要」と述べていた。
GM向け部品の債権保証、日本勢が米政府に申請 デンソー検討
米自動車大手の経営危機が続く中、日本の部品メーカーが取引のリスク回避に米政府の支援制度を活用する動きが出てきた。独立系メーカーのヨロズはゼネラル・モーターズ(GM)向け債権の保証を申請。やはりGMとの取引があるデンソーなども制度利用の検討に入った。GMとクライスラーは米政府の追加支援を得るため経営再建計画を策定中だが先行きは不透明で、関係する日本企業によるリスク管理の動きはさらに広がる可能性がある。
GMやクライスラーが連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請などに追い込まれた場合、取引のある部品メーカーも未回収の代金である売掛金の回収が困難になる見通し。このため米財務省は3月19日、最大50億ドル(5000億円弱)の公的資金をもとに、2社向け部品の売掛金回収に保証をつけるほか、売掛債権を引き受ける形で資金繰りを支援する策を打ち出していた。
コンビニ「車の充電拠点に」 社会貢献策で経産省研究会
コンビニエンスストアに電気自動車の充電スタンドを整備すれば、電気自動車普及に弾みがつく――。有識者やコンビニ大手などで構成する経済産業省の研究会が、コンビニ業界が連携して取り組むべき社会貢献策を報告書にまとめた。深夜営業や食品の大量廃棄でコンビニの環境への配慮が問われるなかで、温暖化ガスの排出削減につながる充電スタンドの設置を盛り込んだ。防犯や防災、地域活性化など社会貢献につながる取り組みを幅広く提言する。
研究会にはセブン―イレブン・ジャパンやローソンなどコンビニチェーン経営者のほか、学識者や自治体も加わった。報告書は週明けにも公表し、これをもとに近くコンビニ業界が「共同宣言」をまとめる。
「ミニ保育所」設立支援、厚労省方針 待機児童削減へ
厚生労働省は都市部の保育所の拡充に向けて、1つの保育所を中心に複数の小さな保育所(分園)を運営する事業主を支援する方針だ。現在は認可保育所が賃貸ビルなどを借りて定員20人以上の分園を設けた場合、国が原則として賃借料の半額を拠出しているが、年内に定員要件を撤廃する。小規模の分園の設立を促し、増加する待機児童を減らしたい考えだ。
景気の低迷でパートに出る専業主婦が増えたこともあり、こどもを保育所へ預けたいが入所できない待機児童が増えている。待機児童数は2008年10月時点で前年同月比9%増の4万人強になった。特に都市部では深刻とされる。
パナソニック、液晶TVの中南米生産2.4倍 成長市場に照準
パナソニックは中南米向けに液晶テレビを増産する。メキシコの生産拠点に新たに中南米市場向け専用ラインを設置。ブラジルでも生産を拡大し、中南米向けの現地生産台数を2009年度に45万台と前年度の2.4倍に増やす。現地の液晶テレビの市場は中国などよりは小さいが年率3割前後の伸びが続き、10年にも日本を抜く見通し。生産拡大でコスト低減も進め、成長市場での供給体制を強化する。
月内にメキシコ市のブラウン管テレビ工場に26―37型の液晶テレビ組み立てラインを新設、稼働させる。09年度の当初年間生産計画は25万台で、半分はペルーやベネズエラ、パナマなど中南米に輸出。残りはメキシコ国内に供給する。
民法、2011年にも抜本改正へ 法務省、消費者の保護重視
法務省は民法が定める契約ルールを抜本改正する方針を固めた。主な内容は(1)企業や消費者が結ぶ「契約」に関する基本原則を明文化(2)契約違反などが起きた場合の賠償責任の考え方を最近の実態に合わせて改める――など。トラブル防止や紛争解決の迅速化、消費者保護につなげる狙いだ。
法制審議会(法相の諮問機関)の議論を経て、早ければ2011年の通常国会への法案提出を目指す。契約ルールの全面改正は1896年(明治29年)の民法制定以来、初めて。
ペット保険、販路幅広く 銀行やインターネットでも
犬や猫の治療費を補償するペット保険の購入ルートが広がっている。従来はペットショップが中心だったが、保険会社が銀行やインターネット経由での販売に力を入れ始めているからだ。日本のペット保険の普及率はまだ2%程度といわれ、欧米と比べて低い。ペットを家族の一員のように飼う人も増え、保険各社が市場開拓を競っている。保険の選択肢も広がりそうだ。
最大手のアニコムホールディングスは今年3月に広島銀行で保険の販売に乗り出した。銀行窓口での販売は業界初。知名度が高く、幅広い店舗網を持つ金融機関で販売することで、新たな顧客を開拓する。今後も信用金庫などにも販路を広げ、2009年度は新規契約数を10万件と前年度比4割増やす計画だ。
新自由主義とケインズ主義(COLUMN)
最近の日本の経済論壇をみると、大きく二つの方向性に分類できるだろう。すなわち、(1)構造改革をさらに進めて日本の成長力を強化すべきだ、という意見と、(2)行き過ぎだった「改革」を是正して日本のよさを見直すべきだ、という考え方だ。その底流には、経済学の視点でみると、「新自由主義」と「ケインズ主義」の対立がある。だが今の経済危機にあって、新自由主義だ、ケインズだと言い争っている場合ではない。対立を超えて、危機脱出の政策を提言することが最も重要だ。
簡単に言うと、新自由主義は、「小さな政府」「規制緩和」「市場メカニズム重視」。一方、ケインズ主義は、「大きな政府」「社会福祉の拡充」「政府による市場の是正」の立場だ。
80年前後の米レーガン政権、英サッチャー政権の登場以降、米英を中心に新自由主義が勢いを持ち、日本の構造改革もその延長上にあった。しかし、特に今回の金融危機が深刻化するにつれ、新自由主義や構造改革への批判が強まっている。
この流れを象徴するのが、かつて新自由主義の立場から構造改革の旗を振った中谷巌三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長の“転向”だ。
中谷氏は小渕恵三首相の諮問機関「経済戦略会議」の議長代理として熱心に構造改革を説き、当初は小泉純一郎内閣の改革も支持していたが、いまではその誤りを認めている。中谷氏はケインズ主義者に宗旨替えしたわけではないが、行き過ぎた改革の是正を訴えるようになった。ざんげの書「資本主義はなぜ自壊したのか」(集英社インターナショナル)を昨年末に出版、「文芸春秋」3月号で「竹中平蔵君、僕は間違えた」との手記を発表して注目を集める。
これをどう思うか、小泉改革を担った竹中平蔵元総務相に尋ねると「日本から一歩外へ出れば、そのような議論は全然聞こえてこない。全く気にしていない」と一蹴(いっしゅう)。「小泉首相と『新自由主義の政策でやりましょう』などと話したことは一度もない」といい、新自由主義者と呼ばれることに拒否反応を示す。さらに「郵政民営化は規制緩和だが、銀行に対しては不良債権を強制的に処理させ、むしろ規制を強化した」と反論する。
現在の世界同時不況の局面では米国をはじめ各国が財政出動に動いている。「公共投資は効果が乏しく弊害が大きい」と批判してきた新自由主義の声が弱まり、政府の役割を重視するケインズ主義が息を吹き返した形だ。
日本のケインズ主義者は、ここ20年ぐらい「時代遅れ」と言われていたので、うっ屈したものがたまっているのかもしれない。だから両者の対立は必要以上に過激になってしまう。知り合いのケインズ支持の学者の多くは、中谷氏に対しても「いまさら何を言っているのか」と冷ややかだ。
だが、最近の経済学の世界では、新自由主義とケインズ主義の対立は、それほど重要視されなくなっている。市場に任せておけばうまくいくという新自由主義の立場も、政府の裁量で経済をコントロールできるとするケインズ主義の立場も、それだけでは複雑な現実に対応するには不十分という認識が共有されるようになってきた。むしろ前者は経済を長期的な視野でとらえ、後者は短期的な視点に立つと整理して、両者をうまく融合させようというのが、マクロ経済学の今の姿だと私は理解している。
「派遣切り」に代表される雇用問題にしても、規制緩和を主張した新自由主義者を批判するだけでは解決しない。確かに非正規従業員を正社員と同じように解雇しにくくすれば、短期的には雇用を守れるかもしれない。しかし、その結果、新自由主義者が指摘するように長期的には「企業は海外に逃げていく」「産業の構造転換が遅れて、日本は国際競争に負けてしまう」という問題を突きつけられる。
必要なのは、緊急避難として派遣契約の雇い止めを見直すなど短期的な政策を採りながら、長期的な成長を図り日本経済全体のパイを拡大させることだ。そのためには少子・高齢化に歯止めをかけ、労働力と消費者を増やしながら成長産業を育てるしかない。
「週刊エコノミスト」で今年初め、国内の著名エコノミストの日本経済への提言を特集したが、具体策をみると、住宅政策など理論的な立場を超えて意外に共通点も多い。
「経済学者が10人集まると11通りの処方せんがある」という言葉がある。経済学者の意見はそれほどバラバラで当てにならないということを皮肉った表現だが、経済学者やエコノミストは思想的・理論的な非難合戦は脇に置いて、長期・短期の両方の視点で政策を提言し合い、日本経済の再生に貢献してほしい。
PR
「ドコモにできないことを」 KDDI高橋氏に聞く「auらしさ」
2009年春モデルの発表会で「今年はauらしさを回復する」と宣言したKDDI。若手が中心となってデザイン重視の新ブランド「iida(イーダ)」を立ち上げるなど、かつての勢いを取り戻す努力が形となりはじめた。これからの「auらしさ」とは何なのか、KDDI取締役執行役員常務の高橋誠氏に聞いた。
高橋氏はコンテンツ・メディア本部長として04年に「着うたフル」を始め、「音楽に強いau」というブランドイメージを築いた。現在はコンシューマ商品統括本部長として端末からコンテンツ・サービスまでを統括し、「ユーザーのライフスタイルを大事にするのがauの強み」と語る。
■夏モデルは操作感を大きく改善
――2008年度の契約純増数は4キャリア中4位。苦戦が続いています。
この2年間は、独自開発したプラットフォーム「KCP+(プラス)」に苦しみました。開発の遅れもありましたし、端末がこなれるまでにだいぶ時間がかかりました。
ボタンの反応速度が遅いなど、操作にはまだ「もっさり感」が残っています。これはもうちょっとで取り除けます。春モデルではだいぶ改善しましたが、夏モデルはもう一段速くなります。
これは生命線だと思っているので、1、2週間に1回のペースで端末のパフォーマンス評価会議を開いてきました。NTTドコモの端末などと比較しながら、どこまでできるかをチェックしています。
――米グーグルが無償公開した「Android(アンドロイド)」をはじめ、新しい携帯プラットフォームが登場しています。
日本の携帯電話はいい悪いはともかく、だれもが使いこなせるようなインターネット環境を作ってきました。そこにアンドロイド端末が入ってくると、セキュリティーはどうなのかといった懸念がいろいろ出てくる。携帯電話ではなくインターネットの人が作ったOSだというところが懸念材料です。ただ、アンドロイドのようにオープン性を持った開発環境が今後は当たり前になっていくだろうとは思っています。
――インターネットサービス「EZweb」が4月14日に10周年を迎えました。
(端末を見せながら)これは1号機なんですよ。「cdmaOne」にEZwebを載せた1号機。僕の机の中にこの1台だけ残しているんです。日立製作所が作ってくれたのですが、今からみても格好いい。
4月14日はKDDIにとって歴史的な日です。まだKDDとDDI、IDOの合併前でしたが、この日にcdmaOneの全国一斉サービスが始まりました。同時にEZweb(IDOは当時「EZaccess」という名称で展開)を導入しました。
■携帯電話にインターネット?
――EZwebはどのような経緯で開発を始めたのですか。
スタートの2年ほど前、米アンワイヤード・プラネットが日本に来て小野寺正社長(当時は副社長)にモバイルインターネットの事業提案をしました。そこで、小野寺社長から「検討してみろ」と言われたんです。
僕からすると、その頃はインターネットなんて興味なかった。DDIで用地取得や他の電話会社との相互接続の協議をやってきた人だし、サービスといっても留守番電話を一生懸命やっていましたからね。ちょうどDDIポケットの“20文字”を送信できる「Pメール」が流行っていたころです。携帯電話にインターネットが載るということも、最初は意味が分かりませんでした。
一方、同じタイミングでNTTドコモの「iモード」を立ち上げた夏野剛さんはネットベンチャーだったハイパーネット出身のインターネットのスペシャリストでしょう。振り返ってみると、大変な状況でしたね。
■最初のEZwebはオープン化を目指していた
――携帯向けサイトを記述するための規格として「HTML」を採用したiモードに対し、EZwebは世界標準化を目指していた「WAP」を選択しました。
夏野さんからは散々、HTML陣営、WAP陣営と言われ続けてきたけれど、当時はWAPが世界標準になると思っていましたからね。実際、僕みたいな人がやっているから、ほかによい選択ができたわけではない。
考えてみると、EZwebはいま「オープン化」と言われることをやろうとしていました。アンワイヤード・プラネットの提案は、ウェブメールとブラウザーを積んで、そのオープンなインターネットの中で好き勝手にコンテンツを作れる“ザ・インターネット”だったんです。
当初はサービスを我々が提供するのではなく、ISPであるDIONのサービスにすることを考えていました。モバイルインターネットを使うユーザーは必ずDIONに加入し、「@dion」のアドレスを使うということです。今のインターネットと同じように、ISPがサービスを提供するものなのかなと思っていました。
ただ、ISPとなるDIONが、モバイルインターネットがこれだけ発展するとは思わなかったのでしょう。モバイルはあくまで付加サービスという位置付けで検討し始めたので、それなら自分たちでやろうとauのサービスに切り替えました。
――スタートしてみると、iモードは約1年半で1000万契約を達成しました。
向こうのビジネスモデルはよくできていましたよね。課金の仕組みが1年以上、先行していた。EZwebは、コンテンツプロバイダーの課金代行ができなかったですから。
僕もさすがにiモードのやり方はいいなあと思ったし、コンテンツプロバイダーを一生懸命回っている若手からも「課金の仕組みを作らないと無理です」と言われていました。焦りが強かったですね。2000年7月の3社合併の直後には、契約数が純減になったこともありました。
WAPをHTML対応にしたのが2001年。GPSや動画配信を取り入れて立ち上げました。
■「EZフラット」と音楽を武器に巻き返し
――手ごたえを感じ始めたのはいつからですか。
auが巻き返したのは、2003年11月にパケット通信料の定額サービス「EZフラット」を出してからです。パソコンでは定額制のサービスがありましたが、携帯電話では初めて。これまでやってきた会見の中で、皆さんに一番驚かれた発表だったと思います。
僕は、どうしても携帯電話で音楽配信をやりたいと思っていた。モバイルインターネットがどんどん成長して、表現できる素材が単音の着メロから3和音、16和音と拡大して、着うたになった。着うたは当社が先行していたし、NTTドコモにキャッチアップできた部分でした。これを深堀りしていくと、1曲まるごと配信する「着うたフル」に行き着く。
ところが、業界ではすでに携帯電話の音楽配信サービスは無理だと烙印を押されていました。パケットでダウンロードすると、1パケット0.3円換算で1曲5000円くらいかかるからです。着うたフルの実現にはどうしても定額制が必要でした。
もちろん社内からは定額制では設備がもたないと強い反対が出ました。ものすごい議論と技術陣のサポートを経て、何とかEZフラットを実現した。着うたフルも、データ圧縮技術を開発して1曲のダウンロード時間を30秒くらいに抑えた。この音楽と定額を我々の武器にして、ドコモのモバイルインターネットに対抗していきました。
■ビット単価の安さはドコモにはマネできない
――NTTドコモはどういう存在ですか。
むちゃくちゃ大きいですね。NTTドコモにはできないことを常に考えてきたような気がします。
我々にはデータに特化した通信規格「EV―DO(CDMA2000 1xEV-DO)」があり、当時でいえば、ビット単価の安さはNTTドコモには絶対にマネができなかった。だから「ダブル定額」もいち早く実現した。NTTドコモが導入したのは昨年秋でしょう。ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)が「着うた」の提案を我々のところに持ち込んだのも、EV―DOがあったからです。着うたから「リスモ」まで、音楽では常に先を越してきました。
ライフスタイルを言い続けてきたのも我々です。NTTドコモはiモード以上の世界観を作ろうとはしていませんが、auは音楽やスポーツの「におい」がするものでありたい。例えば、マイクロソフトとアップルであればアップルに音楽のにおいがするでしょう。
■携帯がすべてのパスポートに
――携帯電話向けインターネットの将来像をどのように描いていますか。着うたのような革命はこの先もあるのでしょうか。
これから革命を起こすのは難しいことだとは感じています。もう台数が売れていた時代ではない。ワンセグが1年で普及したような技術革新は厳しいかもしれないなあとは思っています。
プラットフォームのオープン化がどのような方向に行くかは分かりませんが、テレビ、カメラ、カーナビなど、どんなデバイスも必ず通信機能を持つようになると思っています。WiMAXがいい例ですよね。チップセットがパソコンに入る。パソコンでは当たり前に感じるかもしれませんが、カーナビなどは近いうちに通信機能が行き渡るでしょう。
そうなると10年後くらいには、どこからでも同じIDとパスワードでアクセスし、同じ環境でなんでも実現できる時代になると思う。今は「au one net」にログインすると、携帯電話でもパソコンでも同じものが見られますよね。このように、どこに行ってもパッと開けばそこに自分用の環境がある世界を想定して、何ができるかを考えていけばいいと思っています。
ただし、媒体が多様になっても、自分とネットをつなぐパスポートが携帯電話であることは変わりません。勝手な想像をすれば、ビジネスホテルで部屋の鍵を挿すと電気がつくように、携帯電話をかざすとテレビがつき、そこで僕のEメールが見られるような世界をイメージしています。携帯電話がすべてのパスポートになるということです。
■iコンシェルは機械的、ライフスタイルからの提案を
――NTTドコモが利用者の住所や趣味に応じた情報を配信する「iコンシェル」を2008年11月に始めました。KDDIも09年3月にキャラクターが対話をする「ケータイパートナー(β版)」をスタートしています。
ケータイパートナーは愛着あるキャラクターを前面に出してますが、僕らにはこんなノリの方が合っているでしょう。いずれiコンシェルのように発展していくのですが、僕からすると、iコンシェルはやや“機械くさい”と感じています。
相手に合わせて情報を自動配信するエージェントの歴史はずいぶん古い。僕らもJavaアプリケーション「ezplus」を始めたころに、オムロンと一緒に手がけていました。キャラクターが出てきて、自分の代わりにニュースや天気予報を持ってくる。これが、なかなか流行らなかったんですね。
やはり、ある次元を超えるとウザい。天気予報や渋滞情報ならまだしも、サザンオールスターズが好きなのに、48歳だからといって古い曲を薦められたら怒るでしょう。
小野寺社長が最近、「アンビエント社会」「いまだけ、ここだけ、あなただけ」というキーワードで携帯の未来像を提起していますが、これはエージェントの仕組みそのものをストレートに目指すことではないと思っています。
これまでどんなユーザーがどんなコンテンツを買っているかというデータをかなり丁寧にとってきましたが、やはり音楽やスポーツといった、ユーザーが大事にしているライフスタイルがあって、その中から提案をしていくことが本当のアンビエントだと僕は定義しています。
2009年春モデルの発表会で「今年はauらしさを回復する」と宣言したKDDI。若手が中心となってデザイン重視の新ブランド「iida(イーダ)」を立ち上げるなど、かつての勢いを取り戻す努力が形となりはじめた。これからの「auらしさ」とは何なのか、KDDI取締役執行役員常務の高橋誠氏に聞いた。
高橋氏はコンテンツ・メディア本部長として04年に「着うたフル」を始め、「音楽に強いau」というブランドイメージを築いた。現在はコンシューマ商品統括本部長として端末からコンテンツ・サービスまでを統括し、「ユーザーのライフスタイルを大事にするのがauの強み」と語る。
■夏モデルは操作感を大きく改善
――2008年度の契約純増数は4キャリア中4位。苦戦が続いています。
この2年間は、独自開発したプラットフォーム「KCP+(プラス)」に苦しみました。開発の遅れもありましたし、端末がこなれるまでにだいぶ時間がかかりました。
ボタンの反応速度が遅いなど、操作にはまだ「もっさり感」が残っています。これはもうちょっとで取り除けます。春モデルではだいぶ改善しましたが、夏モデルはもう一段速くなります。
これは生命線だと思っているので、1、2週間に1回のペースで端末のパフォーマンス評価会議を開いてきました。NTTドコモの端末などと比較しながら、どこまでできるかをチェックしています。
――米グーグルが無償公開した「Android(アンドロイド)」をはじめ、新しい携帯プラットフォームが登場しています。
日本の携帯電話はいい悪いはともかく、だれもが使いこなせるようなインターネット環境を作ってきました。そこにアンドロイド端末が入ってくると、セキュリティーはどうなのかといった懸念がいろいろ出てくる。携帯電話ではなくインターネットの人が作ったOSだというところが懸念材料です。ただ、アンドロイドのようにオープン性を持った開発環境が今後は当たり前になっていくだろうとは思っています。
――インターネットサービス「EZweb」が4月14日に10周年を迎えました。
(端末を見せながら)これは1号機なんですよ。「cdmaOne」にEZwebを載せた1号機。僕の机の中にこの1台だけ残しているんです。日立製作所が作ってくれたのですが、今からみても格好いい。
4月14日はKDDIにとって歴史的な日です。まだKDDとDDI、IDOの合併前でしたが、この日にcdmaOneの全国一斉サービスが始まりました。同時にEZweb(IDOは当時「EZaccess」という名称で展開)を導入しました。
■携帯電話にインターネット?
――EZwebはどのような経緯で開発を始めたのですか。
スタートの2年ほど前、米アンワイヤード・プラネットが日本に来て小野寺正社長(当時は副社長)にモバイルインターネットの事業提案をしました。そこで、小野寺社長から「検討してみろ」と言われたんです。
僕からすると、その頃はインターネットなんて興味なかった。DDIで用地取得や他の電話会社との相互接続の協議をやってきた人だし、サービスといっても留守番電話を一生懸命やっていましたからね。ちょうどDDIポケットの“20文字”を送信できる「Pメール」が流行っていたころです。携帯電話にインターネットが載るということも、最初は意味が分かりませんでした。
一方、同じタイミングでNTTドコモの「iモード」を立ち上げた夏野剛さんはネットベンチャーだったハイパーネット出身のインターネットのスペシャリストでしょう。振り返ってみると、大変な状況でしたね。
■最初のEZwebはオープン化を目指していた
――携帯向けサイトを記述するための規格として「HTML」を採用したiモードに対し、EZwebは世界標準化を目指していた「WAP」を選択しました。
夏野さんからは散々、HTML陣営、WAP陣営と言われ続けてきたけれど、当時はWAPが世界標準になると思っていましたからね。実際、僕みたいな人がやっているから、ほかによい選択ができたわけではない。
考えてみると、EZwebはいま「オープン化」と言われることをやろうとしていました。アンワイヤード・プラネットの提案は、ウェブメールとブラウザーを積んで、そのオープンなインターネットの中で好き勝手にコンテンツを作れる“ザ・インターネット”だったんです。
当初はサービスを我々が提供するのではなく、ISPであるDIONのサービスにすることを考えていました。モバイルインターネットを使うユーザーは必ずDIONに加入し、「@dion」のアドレスを使うということです。今のインターネットと同じように、ISPがサービスを提供するものなのかなと思っていました。
ただ、ISPとなるDIONが、モバイルインターネットがこれだけ発展するとは思わなかったのでしょう。モバイルはあくまで付加サービスという位置付けで検討し始めたので、それなら自分たちでやろうとauのサービスに切り替えました。
――スタートしてみると、iモードは約1年半で1000万契約を達成しました。
向こうのビジネスモデルはよくできていましたよね。課金の仕組みが1年以上、先行していた。EZwebは、コンテンツプロバイダーの課金代行ができなかったですから。
僕もさすがにiモードのやり方はいいなあと思ったし、コンテンツプロバイダーを一生懸命回っている若手からも「課金の仕組みを作らないと無理です」と言われていました。焦りが強かったですね。2000年7月の3社合併の直後には、契約数が純減になったこともありました。
WAPをHTML対応にしたのが2001年。GPSや動画配信を取り入れて立ち上げました。
■「EZフラット」と音楽を武器に巻き返し
――手ごたえを感じ始めたのはいつからですか。
auが巻き返したのは、2003年11月にパケット通信料の定額サービス「EZフラット」を出してからです。パソコンでは定額制のサービスがありましたが、携帯電話では初めて。これまでやってきた会見の中で、皆さんに一番驚かれた発表だったと思います。
僕は、どうしても携帯電話で音楽配信をやりたいと思っていた。モバイルインターネットがどんどん成長して、表現できる素材が単音の着メロから3和音、16和音と拡大して、着うたになった。着うたは当社が先行していたし、NTTドコモにキャッチアップできた部分でした。これを深堀りしていくと、1曲まるごと配信する「着うたフル」に行き着く。
ところが、業界ではすでに携帯電話の音楽配信サービスは無理だと烙印を押されていました。パケットでダウンロードすると、1パケット0.3円換算で1曲5000円くらいかかるからです。着うたフルの実現にはどうしても定額制が必要でした。
もちろん社内からは定額制では設備がもたないと強い反対が出ました。ものすごい議論と技術陣のサポートを経て、何とかEZフラットを実現した。着うたフルも、データ圧縮技術を開発して1曲のダウンロード時間を30秒くらいに抑えた。この音楽と定額を我々の武器にして、ドコモのモバイルインターネットに対抗していきました。
■ビット単価の安さはドコモにはマネできない
――NTTドコモはどういう存在ですか。
むちゃくちゃ大きいですね。NTTドコモにはできないことを常に考えてきたような気がします。
我々にはデータに特化した通信規格「EV―DO(CDMA2000 1xEV-DO)」があり、当時でいえば、ビット単価の安さはNTTドコモには絶対にマネができなかった。だから「ダブル定額」もいち早く実現した。NTTドコモが導入したのは昨年秋でしょう。ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)が「着うた」の提案を我々のところに持ち込んだのも、EV―DOがあったからです。着うたから「リスモ」まで、音楽では常に先を越してきました。
ライフスタイルを言い続けてきたのも我々です。NTTドコモはiモード以上の世界観を作ろうとはしていませんが、auは音楽やスポーツの「におい」がするものでありたい。例えば、マイクロソフトとアップルであればアップルに音楽のにおいがするでしょう。
■携帯がすべてのパスポートに
――携帯電話向けインターネットの将来像をどのように描いていますか。着うたのような革命はこの先もあるのでしょうか。
これから革命を起こすのは難しいことだとは感じています。もう台数が売れていた時代ではない。ワンセグが1年で普及したような技術革新は厳しいかもしれないなあとは思っています。
プラットフォームのオープン化がどのような方向に行くかは分かりませんが、テレビ、カメラ、カーナビなど、どんなデバイスも必ず通信機能を持つようになると思っています。WiMAXがいい例ですよね。チップセットがパソコンに入る。パソコンでは当たり前に感じるかもしれませんが、カーナビなどは近いうちに通信機能が行き渡るでしょう。
そうなると10年後くらいには、どこからでも同じIDとパスワードでアクセスし、同じ環境でなんでも実現できる時代になると思う。今は「au one net」にログインすると、携帯電話でもパソコンでも同じものが見られますよね。このように、どこに行ってもパッと開けばそこに自分用の環境がある世界を想定して、何ができるかを考えていけばいいと思っています。
ただし、媒体が多様になっても、自分とネットをつなぐパスポートが携帯電話であることは変わりません。勝手な想像をすれば、ビジネスホテルで部屋の鍵を挿すと電気がつくように、携帯電話をかざすとテレビがつき、そこで僕のEメールが見られるような世界をイメージしています。携帯電話がすべてのパスポートになるということです。
■iコンシェルは機械的、ライフスタイルからの提案を
――NTTドコモが利用者の住所や趣味に応じた情報を配信する「iコンシェル」を2008年11月に始めました。KDDIも09年3月にキャラクターが対話をする「ケータイパートナー(β版)」をスタートしています。
ケータイパートナーは愛着あるキャラクターを前面に出してますが、僕らにはこんなノリの方が合っているでしょう。いずれiコンシェルのように発展していくのですが、僕からすると、iコンシェルはやや“機械くさい”と感じています。
相手に合わせて情報を自動配信するエージェントの歴史はずいぶん古い。僕らもJavaアプリケーション「ezplus」を始めたころに、オムロンと一緒に手がけていました。キャラクターが出てきて、自分の代わりにニュースや天気予報を持ってくる。これが、なかなか流行らなかったんですね。
やはり、ある次元を超えるとウザい。天気予報や渋滞情報ならまだしも、サザンオールスターズが好きなのに、48歳だからといって古い曲を薦められたら怒るでしょう。
小野寺社長が最近、「アンビエント社会」「いまだけ、ここだけ、あなただけ」というキーワードで携帯の未来像を提起していますが、これはエージェントの仕組みそのものをストレートに目指すことではないと思っています。
これまでどんなユーザーがどんなコンテンツを買っているかというデータをかなり丁寧にとってきましたが、やはり音楽やスポーツといった、ユーザーが大事にしているライフスタイルがあって、その中から提案をしていくことが本当のアンビエントだと僕は定義しています。
主要企業の国内工場、閉鎖100カ所超 08年度下期、上期の4倍
世界同時不況に伴う需要の急減を受け、製造業が設備過剰の解消を急いでいる。主要企業が2008年度下期(10月―09年3月)に閉鎖を決めた国内工場は100カ所を超え、上期(08年4―9月)に比べ4倍に急増した。電機や機械、食品など幅広い業種が不採算事業を縮小。中国など新興国を中心とする成長市場の開拓に軸足を移し、事業構造を転換する。
08年度に国内工場の閉鎖を公表した大手企業を日本経済新聞が独自集計したところ、下期は計110カ所で上期の28カ所に比べ大幅に増えた。このうち09年1―3月は94カ所と全体の7割を占め、閉鎖の勢いは増している。
GMのCEO「5000億円の追加支援必要」 4ブランドに集中
【ニューヨーク=小高航】経営再建中の米ゼネラル・モーターズ(GM)のヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は17日の電話会見で、近く50億ドル(約5000億円)の追加政府支援が必要になることを明らかにした。GMは既に134億ドルの政府融資を受けているが、販売低迷やリストラ費用の増加で資金不足が深刻化しているとみられる。米市場では「シボレー」など4ブランドに集中する姿勢を強調した。
GMは6月1日の再建策提出期限へ向け、債権者などとの協議を急いでいる。ヘンダーソン氏は「破産法を活用しないで再建を目指すが、(債権者らと合意できなければ)破産法申請もあり得る」と改めて述べた。
ブランドの統廃合では、シボレーと「キャデラック」「ビュイック」「GMC」の4ブランドに集中。GMCを売却するとの米報道については否定した。傘下の独オペルの売却交渉では6社が関心を示していることを明らかにした。
米ユーチューブ、映画とテレビ番組の無料ネット配信開始
米グーグル傘下で、動画共有サイト最大手のユーチューブは16日、映画とテレビ番組の無料インターネット配信を始めたと発表した。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントやライオンズゲート、英BBCなどと提携。旧作を中心に映画を数百本、テレビ番組を数千本規模で配信し、ネット広告収入の獲得を目指す。
新サービスは米国内の視聴者が対象。映画「クリフハンガー」や、アニメ番組などを全編配信する。他のコンテンツ各社との提携も目指す。ユーチューブはこれまでも一部テレビ番組を無料配信していたが、コンテンツ数を大幅に増やし、専用チャンネルも設けて利用者が好みの動画を探しやすくする。
米国ではニューズ・コーポレーションとNBCユニバーサルが共同で動画配信サイトを設立、人気テレビ番組などを無料配信している。動画サイト最大手のユーチューブが本格参入することで、公式コンテンツの無料配信市場の拡大に弾みがつきそうだ。
東芝、非正規雇用を3900人削減 正社員3000人を配置転換
東芝は17日、設備投資の4割圧縮を柱とする2009年度のリストラ策を発表した。非正規従業員を3900人削減するなど人件費を含むあらゆるコスト要因を見直し、固定費を3000億円圧縮。半導体や家電製品事業の正社員3000人を、成長が見込める原子力などの分野に配置転換するなど「選択と集中」を推進する。収益回復を急ぐとともに、中長期の成長戦略が描ける体制を早期に整える。
同日会見した村岡富美雄専務は、「足元の事業環境は楽観できず、09年度も厳しい状況が続く」として、同年度の設備投資を2500億円と前年度比42%減らすことを明らかにした。09年3月期に2800億円の営業赤字を見込む半導体事業では、08年度の2300億円から1000億円未満に絞り込む。
英ソニー・エリクソンの1―3月、最終赤字380億円
【ロンドン=清水泰雅】携帯電話機大手の英ソニー・エリクソンが17日発表した2009年1―3月期決算は、最終損益が2億9300万ユーロ(約380億円)の赤字(前年同期は1億3300万ユーロの黒字)だった。携帯電話機の販売台数が前年同期比35%減と大幅に落ち込んだことが響いた。また追加リストラ策として、2000人の人員削減を実施する。世界景気の後退で、販売不振が長引いており、苦しい業績が続きそうだ。
同社が最終赤字を計上するのは3四半期連続で、赤字幅は徐々に膨らんでいる。携帯電話機の乱売を防ぐため、値引き競争を避けた結果、販売台数は同35%減の1450万台となった。昨年まで8%程度だった市場シェアは、6%程度まで落ち込んだという。売上高は同36%減の17億3600万ユーロだった。
当初は09年1―3月期が業績の底で、今年後半から徐々に回復するとしていたが、「予想したより厳しい状況は続いており、回復時期はずれ込みそう」(小宮山英樹社長)とみている。
百貨店売上高が大幅落ち込み 消費税率引き上げ時と並ぶ
日本百貨店協会が17日発表した平成20年度の全国百貨店売上高(既存店ベース)は前年度比6・8%減の7兆1741億円と3年連続でマイナスだった。減少幅は消費税率を引き上げた9年度(6・8%減)と並び、昭和40年度の統計開始以来最大。景気悪化に伴う消費者の節約志向の高まりで、衣料品や高額品の販売が大きく落ち込んだのが影響した。
3月単月は前年同月比13・1%減の5730億円と13カ月連続で減少した。2けた減は2カ月連続。天候不順で春物衣料販売の苦戦が響いた。落ち幅は消費税率を上げた9年4月(14・0%減)と、駆け込み需要の反動の出た10年3月(20・8%減)を除けば過去最大だった。
商品分野別では、衣料品が17・4%減と10年3月(19・6%減)以来のマイナス幅だったほか、食料品も4・2%減だった。
2020年度の発電時CO2排出原単位、3割減へ 電気事業連合
電気事業連合会は17日、2020年度の発電1キロワット時あたりの二酸化炭素(CO2)排出量(CO2排出原単位)目標を08年度見通し(0.45キログラム)に比べて3割減となる0.33キログラムに設定したと発表した。20年度までに10基の原子力発電所が新たに稼働するほか、太陽光発電所の新設などで原単位を削減する。
法科大学院、司法試験合格下位校は統廃合を…中教審提言
法科大学院のあり方を検討している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会は17日、法科大学院改革を巡る提言の最終報告をまとめた。
司法試験の合格率が低い大学院などに入学定員の自主的な削減や大学院同士の統廃合を検討するよう求めた。法曹の質と量を向上させるため、2004年に一斉開学した法科大学院にとって厳しい内容で、文科省は今後、最終報告書を各大学院に送付し、自主改革を迫る。
ソフトバンク:ベスト電器の会社名をヘルメットから削除
ソフトバンクは17日、スポンサー契約を結ぶベスト電器の会社名をヘルメットから削除し、本拠地のヤフードーム内にある同社の看板を差し替えると発表した。
球団によると、ベスト電器側から17日に「社会的な影響を考え、ヘルメットのシールとドームの看板を一時的に自粛したい」と連絡があった。契約はヘルメット、看板とも開幕から1年間で契約の解消はしていない。
新たな財政健全化目標を、首相が設定指示
麻生首相は17日の経済財政諮問会議で、新たな財政健全化目標を設定するよう指示した。
6月に決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針2009)に盛り込む。政府は、財政出動が15兆円超に上る追加景気対策をまとめたが、一方で財政再建の取り組みを進める必要があるためだ。
麻生首相は「中期の財政責任をきちんと果たさなければいけない。信頼性のある財政再建の取り組み方針は、通貨や国債の信認にもつながる」と述べた。
経済の急激な悪化により、政府が掲げてきた「国と地方の基礎的財政収支を2011年度に黒字化する」との目標の達成は絶望的になり、新たな目標として、国内総生産(GDP)に対する債務残高比率の引き下げや、債務の絶対額の縮減などが検討対象になる見通しだ。
バイオエタノール、米で生産会社破綻相次ぐ 原油安で価格低迷
【シカゴ=毛利靖子】米国でバイオエタノール生産会社の経営破綻が相次いでいる。原油価格の下落をきっかけに事業採算が悪化しているのが原因だ。一方、オバマ政権がエタノール利用を奨励し続けるとみる石油大手や穀物大手は、割安になった工場を買収する機会をうかがっている。業界再編が加速しそうだ。
業界大手の米アベンティン・リニューアブル・エナジー・ホールディングスは、デラウェア州の裁判所に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。原料のトウモロコシを投機目的で高値で買う一方、ガソリン需要の減退などでエタノール販売価格が低迷。資金繰りに行き詰まり、社債の利払いができなくなった。
ソウル近郊で部品展示会 日本と韓国、思惑が一致
日韓両国政府は16、17の両日、「日韓部品素材調達・供給展示会」をソウル近郊の京畿道高陽市で開いた。日本から買い手として35社が参加、数百億円規模の取引が浮上したもよう。対日貿易赤字削減を狙う韓国政府と、日韓経済連携協定(EPA)の交渉再開への地ならしを狙う日本政府の思惑が表面上は一致した形だが、韓国側が狙う日本企業の対韓直接投資拡大には課題が残る。
展示会の開催は2008年春の日韓首脳会談の合意に基づくもので、韓国の対日貿易赤字の削減が目的の1つ。東芝や三菱電機が参加するなど、昨年来のウォン安で日本側の購買意欲は旺盛だったが、運営は極めて政治的な色彩が濃かった。
毎日社説:イチロー選手 今後もあっぱれ連発を
またイチロー選手から元気をもらった。
張本勲さんが持つ3085安打の日本プロ野球記録に「あと2本」でシーズンに臨んだ大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手。自身の開幕戦となった15日(日本時間16日)のエンゼルス戦の2安打で記録に並び、翌日も3086本目の安打を放って28年ぶりに張本さんの記録を塗り替えた。
タイ記録の3085本目は満塁の走者を置いての本塁打。最高の舞台設定で自ら祝砲を打ち上げたイチロー選手の強運と勝負強さには改めて驚かされる。新記録は右前へのクリーンヒット。スタンドで観戦した張本さんの目の前での記録更新で、後輩の歴史的な一瞬を見届けた張本さんも満足したことだろう。
日米での合算で、正式な「記録」とはいいがたく、イチロー選手には一つの通過点だったろうが、そうとばかりいえない事情もあった。
日本野球が連覇を達成した3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。イチロー選手は最後の最後、韓国との決勝戦で決勝タイムリー安打を放ったものの、それまではイチロー選手らしからぬ不本意な打撃が続いた。そのストレスが影響したのか、4月の大リーグ開幕直前には出血性の胃かいようと診断され、初めての故障者リスト入り。マリナーズの開幕から8試合を欠場する事態となった。
誰よりも早く球場に入り、入念なトレーニングで体調を維持し続けてきたイチロー選手だが、10月には36歳になる。過去の名選手が直面した「年齢の壁」にイチロー選手も突き当たったのではないか、と「引退の危機」に言及する報道もあった。そんな周囲の不安をイチロー選手がバットで一掃してみせた。
イチロー選手は大リーグ1年目の01年にジョー・ジャクソンの新人最多安打記録を90年ぶりに更新し、04年にはジョージ・シスラーのシーズン最多安打を84年ぶりに塗り替えるなど次々と大リーグの過去の歴史に光を当ててきた。
3085本目を打った15日は62年前、黒人選手として初めて大リーグにデビューしたジャッキー・ロビンソンの記念日で、全球団の選手がロビンソンのつけていた背番号「42」でプレーした。日米で安打を積み上げてきたイチロー選手の節目の記録達成にはふさわしい日でもあった。
イチロー選手の次の目標は大リーグ通算2000安打(あと192本)、前人未到の9年連続200安打(あと197本)。世界経済の低迷が続く中、本場の野球ファンをうならせ、日本中を元気付け、勇気を与える活躍を今後も期待したい。
世界同時不況に伴う需要の急減を受け、製造業が設備過剰の解消を急いでいる。主要企業が2008年度下期(10月―09年3月)に閉鎖を決めた国内工場は100カ所を超え、上期(08年4―9月)に比べ4倍に急増した。電機や機械、食品など幅広い業種が不採算事業を縮小。中国など新興国を中心とする成長市場の開拓に軸足を移し、事業構造を転換する。
08年度に国内工場の閉鎖を公表した大手企業を日本経済新聞が独自集計したところ、下期は計110カ所で上期の28カ所に比べ大幅に増えた。このうち09年1―3月は94カ所と全体の7割を占め、閉鎖の勢いは増している。
GMのCEO「5000億円の追加支援必要」 4ブランドに集中
【ニューヨーク=小高航】経営再建中の米ゼネラル・モーターズ(GM)のヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は17日の電話会見で、近く50億ドル(約5000億円)の追加政府支援が必要になることを明らかにした。GMは既に134億ドルの政府融資を受けているが、販売低迷やリストラ費用の増加で資金不足が深刻化しているとみられる。米市場では「シボレー」など4ブランドに集中する姿勢を強調した。
GMは6月1日の再建策提出期限へ向け、債権者などとの協議を急いでいる。ヘンダーソン氏は「破産法を活用しないで再建を目指すが、(債権者らと合意できなければ)破産法申請もあり得る」と改めて述べた。
ブランドの統廃合では、シボレーと「キャデラック」「ビュイック」「GMC」の4ブランドに集中。GMCを売却するとの米報道については否定した。傘下の独オペルの売却交渉では6社が関心を示していることを明らかにした。
米ユーチューブ、映画とテレビ番組の無料ネット配信開始
米グーグル傘下で、動画共有サイト最大手のユーチューブは16日、映画とテレビ番組の無料インターネット配信を始めたと発表した。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントやライオンズゲート、英BBCなどと提携。旧作を中心に映画を数百本、テレビ番組を数千本規模で配信し、ネット広告収入の獲得を目指す。
新サービスは米国内の視聴者が対象。映画「クリフハンガー」や、アニメ番組などを全編配信する。他のコンテンツ各社との提携も目指す。ユーチューブはこれまでも一部テレビ番組を無料配信していたが、コンテンツ数を大幅に増やし、専用チャンネルも設けて利用者が好みの動画を探しやすくする。
米国ではニューズ・コーポレーションとNBCユニバーサルが共同で動画配信サイトを設立、人気テレビ番組などを無料配信している。動画サイト最大手のユーチューブが本格参入することで、公式コンテンツの無料配信市場の拡大に弾みがつきそうだ。
東芝、非正規雇用を3900人削減 正社員3000人を配置転換
東芝は17日、設備投資の4割圧縮を柱とする2009年度のリストラ策を発表した。非正規従業員を3900人削減するなど人件費を含むあらゆるコスト要因を見直し、固定費を3000億円圧縮。半導体や家電製品事業の正社員3000人を、成長が見込める原子力などの分野に配置転換するなど「選択と集中」を推進する。収益回復を急ぐとともに、中長期の成長戦略が描ける体制を早期に整える。
同日会見した村岡富美雄専務は、「足元の事業環境は楽観できず、09年度も厳しい状況が続く」として、同年度の設備投資を2500億円と前年度比42%減らすことを明らかにした。09年3月期に2800億円の営業赤字を見込む半導体事業では、08年度の2300億円から1000億円未満に絞り込む。
英ソニー・エリクソンの1―3月、最終赤字380億円
【ロンドン=清水泰雅】携帯電話機大手の英ソニー・エリクソンが17日発表した2009年1―3月期決算は、最終損益が2億9300万ユーロ(約380億円)の赤字(前年同期は1億3300万ユーロの黒字)だった。携帯電話機の販売台数が前年同期比35%減と大幅に落ち込んだことが響いた。また追加リストラ策として、2000人の人員削減を実施する。世界景気の後退で、販売不振が長引いており、苦しい業績が続きそうだ。
同社が最終赤字を計上するのは3四半期連続で、赤字幅は徐々に膨らんでいる。携帯電話機の乱売を防ぐため、値引き競争を避けた結果、販売台数は同35%減の1450万台となった。昨年まで8%程度だった市場シェアは、6%程度まで落ち込んだという。売上高は同36%減の17億3600万ユーロだった。
当初は09年1―3月期が業績の底で、今年後半から徐々に回復するとしていたが、「予想したより厳しい状況は続いており、回復時期はずれ込みそう」(小宮山英樹社長)とみている。
百貨店売上高が大幅落ち込み 消費税率引き上げ時と並ぶ
日本百貨店協会が17日発表した平成20年度の全国百貨店売上高(既存店ベース)は前年度比6・8%減の7兆1741億円と3年連続でマイナスだった。減少幅は消費税率を引き上げた9年度(6・8%減)と並び、昭和40年度の統計開始以来最大。景気悪化に伴う消費者の節約志向の高まりで、衣料品や高額品の販売が大きく落ち込んだのが影響した。
3月単月は前年同月比13・1%減の5730億円と13カ月連続で減少した。2けた減は2カ月連続。天候不順で春物衣料販売の苦戦が響いた。落ち幅は消費税率を上げた9年4月(14・0%減)と、駆け込み需要の反動の出た10年3月(20・8%減)を除けば過去最大だった。
商品分野別では、衣料品が17・4%減と10年3月(19・6%減)以来のマイナス幅だったほか、食料品も4・2%減だった。
2020年度の発電時CO2排出原単位、3割減へ 電気事業連合
電気事業連合会は17日、2020年度の発電1キロワット時あたりの二酸化炭素(CO2)排出量(CO2排出原単位)目標を08年度見通し(0.45キログラム)に比べて3割減となる0.33キログラムに設定したと発表した。20年度までに10基の原子力発電所が新たに稼働するほか、太陽光発電所の新設などで原単位を削減する。
法科大学院、司法試験合格下位校は統廃合を…中教審提言
法科大学院のあり方を検討している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会は17日、法科大学院改革を巡る提言の最終報告をまとめた。
司法試験の合格率が低い大学院などに入学定員の自主的な削減や大学院同士の統廃合を検討するよう求めた。法曹の質と量を向上させるため、2004年に一斉開学した法科大学院にとって厳しい内容で、文科省は今後、最終報告書を各大学院に送付し、自主改革を迫る。
ソフトバンク:ベスト電器の会社名をヘルメットから削除
ソフトバンクは17日、スポンサー契約を結ぶベスト電器の会社名をヘルメットから削除し、本拠地のヤフードーム内にある同社の看板を差し替えると発表した。
球団によると、ベスト電器側から17日に「社会的な影響を考え、ヘルメットのシールとドームの看板を一時的に自粛したい」と連絡があった。契約はヘルメット、看板とも開幕から1年間で契約の解消はしていない。
新たな財政健全化目標を、首相が設定指示
麻生首相は17日の経済財政諮問会議で、新たな財政健全化目標を設定するよう指示した。
6月に決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針2009)に盛り込む。政府は、財政出動が15兆円超に上る追加景気対策をまとめたが、一方で財政再建の取り組みを進める必要があるためだ。
麻生首相は「中期の財政責任をきちんと果たさなければいけない。信頼性のある財政再建の取り組み方針は、通貨や国債の信認にもつながる」と述べた。
経済の急激な悪化により、政府が掲げてきた「国と地方の基礎的財政収支を2011年度に黒字化する」との目標の達成は絶望的になり、新たな目標として、国内総生産(GDP)に対する債務残高比率の引き下げや、債務の絶対額の縮減などが検討対象になる見通しだ。
バイオエタノール、米で生産会社破綻相次ぐ 原油安で価格低迷
【シカゴ=毛利靖子】米国でバイオエタノール生産会社の経営破綻が相次いでいる。原油価格の下落をきっかけに事業採算が悪化しているのが原因だ。一方、オバマ政権がエタノール利用を奨励し続けるとみる石油大手や穀物大手は、割安になった工場を買収する機会をうかがっている。業界再編が加速しそうだ。
業界大手の米アベンティン・リニューアブル・エナジー・ホールディングスは、デラウェア州の裁判所に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。原料のトウモロコシを投機目的で高値で買う一方、ガソリン需要の減退などでエタノール販売価格が低迷。資金繰りに行き詰まり、社債の利払いができなくなった。
ソウル近郊で部品展示会 日本と韓国、思惑が一致
日韓両国政府は16、17の両日、「日韓部品素材調達・供給展示会」をソウル近郊の京畿道高陽市で開いた。日本から買い手として35社が参加、数百億円規模の取引が浮上したもよう。対日貿易赤字削減を狙う韓国政府と、日韓経済連携協定(EPA)の交渉再開への地ならしを狙う日本政府の思惑が表面上は一致した形だが、韓国側が狙う日本企業の対韓直接投資拡大には課題が残る。
展示会の開催は2008年春の日韓首脳会談の合意に基づくもので、韓国の対日貿易赤字の削減が目的の1つ。東芝や三菱電機が参加するなど、昨年来のウォン安で日本側の購買意欲は旺盛だったが、運営は極めて政治的な色彩が濃かった。
毎日社説:イチロー選手 今後もあっぱれ連発を
またイチロー選手から元気をもらった。
張本勲さんが持つ3085安打の日本プロ野球記録に「あと2本」でシーズンに臨んだ大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手。自身の開幕戦となった15日(日本時間16日)のエンゼルス戦の2安打で記録に並び、翌日も3086本目の安打を放って28年ぶりに張本さんの記録を塗り替えた。
タイ記録の3085本目は満塁の走者を置いての本塁打。最高の舞台設定で自ら祝砲を打ち上げたイチロー選手の強運と勝負強さには改めて驚かされる。新記録は右前へのクリーンヒット。スタンドで観戦した張本さんの目の前での記録更新で、後輩の歴史的な一瞬を見届けた張本さんも満足したことだろう。
日米での合算で、正式な「記録」とはいいがたく、イチロー選手には一つの通過点だったろうが、そうとばかりいえない事情もあった。
日本野球が連覇を達成した3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。イチロー選手は最後の最後、韓国との決勝戦で決勝タイムリー安打を放ったものの、それまではイチロー選手らしからぬ不本意な打撃が続いた。そのストレスが影響したのか、4月の大リーグ開幕直前には出血性の胃かいようと診断され、初めての故障者リスト入り。マリナーズの開幕から8試合を欠場する事態となった。
誰よりも早く球場に入り、入念なトレーニングで体調を維持し続けてきたイチロー選手だが、10月には36歳になる。過去の名選手が直面した「年齢の壁」にイチロー選手も突き当たったのではないか、と「引退の危機」に言及する報道もあった。そんな周囲の不安をイチロー選手がバットで一掃してみせた。
イチロー選手は大リーグ1年目の01年にジョー・ジャクソンの新人最多安打記録を90年ぶりに更新し、04年にはジョージ・シスラーのシーズン最多安打を84年ぶりに塗り替えるなど次々と大リーグの過去の歴史に光を当ててきた。
3085本目を打った15日は62年前、黒人選手として初めて大リーグにデビューしたジャッキー・ロビンソンの記念日で、全球団の選手がロビンソンのつけていた背番号「42」でプレーした。日米で安打を積み上げてきたイチロー選手の節目の記録達成にはふさわしい日でもあった。
イチロー選手の次の目標は大リーグ通算2000安打(あと192本)、前人未到の9年連続200安打(あと197本)。世界経済の低迷が続く中、本場の野球ファンをうならせ、日本中を元気付け、勇気を与える活躍を今後も期待したい。
日経社説 中国経済は内需主導で底打ちできるか(4/17)
中国国家統計局は16日、1―3月の国内総生産(GDP)が前年同期に比べ実質6.1%増えたと発表した。2008年10―12月の同6.8%をさらに下回り、07年の半分以下の伸び率。中国経済が一段と減速したことが明らかになった。
ただ投資や消費、生産などの動きをつぶさにみると回復の兆しも一部に出ている。2年余りで総額4兆元(約58兆円)を投じる内需拡大策の効果が表れ始めており、統計局高官は「国民経済に積極的変化が表れた」と指摘した。中国経済は世界に先駆けて底を打つのだろうか。
景気対策の効果じわり
1―3月の統計で印象的なのは設備投資や建設投資を合わせた固定資産投資の伸びが28.8%の大幅増となったこと。昨年10―12月の伸び率に比べ3ポイント以上も高まった。
引っ張っているのは公共投資だ。08年秋から10年末までに4兆元を投じる内需拡大策で最大の柱となるのは鉄道や道路、飛行場など重要インフラの整備で、1兆5000億元を割り当てる計画。これが本格的に動き始めている。
08年後半に急落した鉄鉱石など1次産品の相場や海運市況が今年に入り一部反発したのは、中国の公共投資に伴う需要増を先取りした面が強かった。日本の建設機械メーカーや鉄道設備メーカーなどにも商機をもたらしており、中国の景気対策は世界経済を下支えする効果も発揮しつつある。
消費面でも変化がみられる。3月の自動車販売台数は前年同月比5%増の110万9800台と、過去最高を記録した。08年半ばからの前年割れ傾向に歯止めがかかり、販売台数では米国を抜いて世界最大の自動車市場となっている。
好転の要因は1月から排気量1600cc以下の自動車の取得税を5%に半減した消費促進策。このクラスの乗用車の1―3月の販売台数は前年同期比22%増え、日系メーカーなども恩恵を受けている。
農民が燃費の悪いオート三輪などから小型車に買い替えた場合に補助金を出す制度も導入した。日本の追加経済対策に先行した形である。
もっとも、この制度が適用されるのは「主に民族系メーカーが生産している小型車で、外資にとってうまみは小さい」との指摘もある。家電製品の農村への普及を促す制度を含めて、中国政府が内外無差別の原則を徹底することを求めたい。
代表的な株価指標の上海総合指数は昨秋の安値から4割以上上昇し、世界で先陣を切ってリーマン・ショック前の水準を上回った。工業生産の回復を裏付ける統計も出ており、中国の一部エコノミストからは「景気はすでに底を打ち回復軌道に乗った」との声が上がり始めた。
ただ、中国国内の専門家の大勢は「景気の回復は今年後半以降だろう」とする慎重な見方。不安な要素が決して少なくないからだ。
中国メディアによると3月の発電量は前年同月を0.7%下回った。主に工場の稼働率が低下しているためとみられ「製造業の実情は政府の統計に表れているよりも悪いのではないか」との観測を招いている。
インフラ投資の拡大を見込み鉄鋼製品の価格は年初に上昇し、原料である鉄鉱石の輸入量も3月に過去最高となった。ところが一方で鉄鋼製品の価格は急落しており、需要回復は期待されたほどではない。
1978年に改革・開放政策に踏み出して以来、中国が世界的な不況に直面したのは初めてだ。政策担当者も企業経営者も景気循環への対応には不慣れな面があり、景気の回復を見込んで在庫を過剰に積み増したり、老朽化した生産設備の操業を再開したりして、結果的に鉄鋼製品の市況をかく乱した可能性もある。
雇用情勢の悪化も懸念材料だ。消費の足を引っぱるだけでなく、社会不安の火種になりかねない。特に近年数が増えている大学卒業生が就職難で、事態は深刻である。
追加対策になお余地
もともと中国経済は外需への依存度が高く、08年の輸出のGDPに対する割合は30%を超えていた。世界不況で外需が急にしぼんだため政府はかねて唱えてきた「内需主導の成長への転換」に真剣に取り組まざるを得なくなったのが実情だ。ただ80年代の日本の経験が示すようにこの転換は容易でない。
温家宝首相は3月に「十分な弾薬を備えている」と追加の景気対策を準備する方針を示した。仮に追加対策を実施しない場合、今年末の公債発行残高のGDP比は20%と低い水準にとどまる見込みで、150%を上回る日本に比べれば新たな財政出動の余地は大きい。
一層の金融緩和策などの政策も使える環境にある。世界最大の外貨準備も保有している。世界経済への影響力が増した中国が、これらの政策資源を適切に活用するよう望む。
「au BOX」などでハリウッド映画の半額キャンペーン
KDDIと沖縄セルラーは、動画配信サービスでハリウッド映画を半額で視聴できるキャンペーンを実施する。合わせて、尾崎豊の未公開映像をau限定で配信する。キャンペーン期間は4月24日~5月31日で、尾崎豊の映像配信は4月25日~5月31日。
今回実施されるキャンペーンでは、KDDIが指定するハリウッド映画、約350作品が半額の視聴料配信される。au BOXと、パソコン向けLISMO Video Storeおよびひかりoneの「MOVIE SPLASH」で実施される。
欧州中銀総裁、国際的な金融監督体制の必要性強調
欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は17日、東京都内で講演し、5月上旬の定例理事会で「異例の措置」を決めるとの考えを示した。また国際的な金融監督体制について「効率的な解決策が不可欠だ」と発言。国際業務を手掛ける金融機関の監督体制を見直して、主要国の金融当局が緊密に連携しながら資産査定する枠組みが必要だとの認識を示した。金融機関の資産劣化や資金繰りの悪化を中銀が早期に把握し、金融危機の再発防止を防ぐ狙いがある。
トリシェ総裁は危機の原因は「金融機関が短期的な収益を確保しようとして与信を拡大しすぎたことにある」と説明。幹部社員の報酬体系に問題があったとの見方をにじませた。さらに「証券化商品が複雑になりすぎた」と指摘し、投資家がリスクを正確に把握できなくなっていたと分析した。
一方、世界的な景気減速を克服するために主要国は「短期的な財政・金融の刺激策を実施すべきだ」と強調した。ただ、財政の持続性と物価安定を図るため、「しっかりとした財政再建へのコミットメントが必要」と述べ、財政規律を厳守するよう注文を付けた。
日本企業の格下げ急増 08年度4倍、過度の不安は後退
日本企業の格付けの引き下げが急増している。格付投資情報センター(R&I)など格付け大手4社が2008年度に格下げした企業は203社と前の年度に比べ約4倍に増え、格上げの社数(90社)を5年ぶりに上回った。世界的な景気後退で自動車や電機などの輸出企業を中心に業績悪化が相次いだためで、今年に入って拍車がかかった。4月以降、過度な信用不安は後退しているものの、当面は資金調達コストの上昇につながりそうだ。
格付けは企業が発行する債券などの元利払いの能力を示す。一般に「A」や「AA」といった数段階の記号で評価する。08年度の格上げ社数は前の年度の約4分の1に急減した。
東大とシャープ、世界最速の有機トランジスタ 曲がるディスプレーに道
東京大学とシャープは共同で、動作速度が世界最速の有機トランジスタを開発した。プラズマや液晶に次ぐ次世代パネルの制御回路に使う計画で、紙のように折ったり丸めたりできる有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレーの実現につながる。5年以内の実用化を目指す。
有機トランジスタは電子回路を構成する基本素子であるトランジスタを炭素原子からなる有機材料の半導体で作ったもの。シリコン製トランジスタと違って折り曲げられるが、動作が非常に遅く実用化が難しかった。新開発のトランジスタは動作速度を表す「遮断周波数」が従来の約10倍に向上。有機ELディスプレーの駆動回路に使えるレベルに達したという。
改正電波法・放送法が成立
2011年の地上デジタル放送への移行を進め、空き周波数帯を使った携帯端末向け多チャンネル放送の開始をめざす改正電波法と改正放送法が17日午前の参院本会議で可決、成立した。経済的理由で地デジ受信機の購入が難しい人を支援するため、電波利用料を充てられるようにするほか、携帯放送に必要な専用基地局を計画的に整備させることなどが柱だ。
「石原氏がまた妄言」と韓国メディア
東京都の石原慎太郎知事が16日の記者会見で「日本の(朝鮮半島)統治は公平で優しかったと故朴正煕元大統領から聞いた」などと発言したことについて、韓国メディアは17日、「妄言」と伝えた。
聯合ニュースは東京発の記事で「石原氏がまた妄言」と報道。内容に加えて、石原知事について「以前にも人種差別や性差別的な発言をした」と指摘し「日本の保守・右傾化を主導している」とした。KBSテレビも「妄言」として内容を報じた。
石原知事は16日、国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会による現地調査の初日を終えての記者会見で「欧州の植民地統治に比べ、日本の統治は公平で優しかったと故朴正煕元大統領から聞いた」などと述べた。
3月の全国百貨店売上高、13.1%減 春物衣料が不振
日本百貨店協会が17日発表した3月の全国百貨店売上高は、前年同月比13.1%減(既存店ベース)の5730億円だった。前年割れは13カ月連続。土曜日が前年より1日少なかったほか、天候不順で春物衣料が苦戦したことなどが響いた。同時に発表した2008年度の売上高は前年度比6.8%減と、3年連続で前年度割れした。
原発部品メーカーに開発補助 最高10億円、競争力を後押し
日本の原子力産業を支える中堅・中小企業の“オンリーワン技術”を強化するため、政府が原子力発電所の基幹部品を製造するメーカーの技術開発を対象とした補助制度を新設することが16日、分かった。米国や新興国を中心に原発需要が高まっており、東芝など大手が受注獲得に動いている。一方、国内には世界屈指の技術を持つ中小企業も多く、海外の安全規格に沿った部品の技術開発などに最大で1社に10億円程度を補助。中堅・中小メーカーの海外進出を後押しして、日本の国際競争力を高める狙いだ。
対象となる技術開発の提案を国内メーカーから公募し、7~8件を選定、開発費の3分の2(上限10億円程度)を補助する。09年度中に補助を実施する考えで、10年度以降も制度を継続させる方向だ。
英グラクソと米ファイザー、抗エイズ薬の合弁会社設立
【フランクフルト=下田英一郎】英製薬大手のグラクソ・スミスクライン(GSK)は16日、米ファイザーと抗エイズウイルス(HIV)薬事業を統合すると発表した。年内にGSKが85%、ファイザーが15%をそれぞれ出資する合弁会社を設立する。GSKは主力の抗ウイルス事業を強化。ファイザーは同業の米ワイス買収で補強したバイオ医薬品の開発に集中する。
製薬業界は新薬の特許の期限切れなどに伴い、有望な新薬の開発に重点投資する必要に迫られている。M&A(合併・買収)と並行し、今回のような事業の統廃合も加速しそうだ。
新会社はHIV関連薬で計11製品をそろえ、売上高は24億ドル(約2400億円)にのぼる。二ケタ成長が見込める抗HIV薬市場ではシェア19%を握る大手となる。新薬候補物質も6品目あり、うち4品目が開発中期の段階にある。
中国国家統計局は16日、1―3月の国内総生産(GDP)が前年同期に比べ実質6.1%増えたと発表した。2008年10―12月の同6.8%をさらに下回り、07年の半分以下の伸び率。中国経済が一段と減速したことが明らかになった。
ただ投資や消費、生産などの動きをつぶさにみると回復の兆しも一部に出ている。2年余りで総額4兆元(約58兆円)を投じる内需拡大策の効果が表れ始めており、統計局高官は「国民経済に積極的変化が表れた」と指摘した。中国経済は世界に先駆けて底を打つのだろうか。
景気対策の効果じわり
1―3月の統計で印象的なのは設備投資や建設投資を合わせた固定資産投資の伸びが28.8%の大幅増となったこと。昨年10―12月の伸び率に比べ3ポイント以上も高まった。
引っ張っているのは公共投資だ。08年秋から10年末までに4兆元を投じる内需拡大策で最大の柱となるのは鉄道や道路、飛行場など重要インフラの整備で、1兆5000億元を割り当てる計画。これが本格的に動き始めている。
08年後半に急落した鉄鉱石など1次産品の相場や海運市況が今年に入り一部反発したのは、中国の公共投資に伴う需要増を先取りした面が強かった。日本の建設機械メーカーや鉄道設備メーカーなどにも商機をもたらしており、中国の景気対策は世界経済を下支えする効果も発揮しつつある。
消費面でも変化がみられる。3月の自動車販売台数は前年同月比5%増の110万9800台と、過去最高を記録した。08年半ばからの前年割れ傾向に歯止めがかかり、販売台数では米国を抜いて世界最大の自動車市場となっている。
好転の要因は1月から排気量1600cc以下の自動車の取得税を5%に半減した消費促進策。このクラスの乗用車の1―3月の販売台数は前年同期比22%増え、日系メーカーなども恩恵を受けている。
農民が燃費の悪いオート三輪などから小型車に買い替えた場合に補助金を出す制度も導入した。日本の追加経済対策に先行した形である。
もっとも、この制度が適用されるのは「主に民族系メーカーが生産している小型車で、外資にとってうまみは小さい」との指摘もある。家電製品の農村への普及を促す制度を含めて、中国政府が内外無差別の原則を徹底することを求めたい。
代表的な株価指標の上海総合指数は昨秋の安値から4割以上上昇し、世界で先陣を切ってリーマン・ショック前の水準を上回った。工業生産の回復を裏付ける統計も出ており、中国の一部エコノミストからは「景気はすでに底を打ち回復軌道に乗った」との声が上がり始めた。
ただ、中国国内の専門家の大勢は「景気の回復は今年後半以降だろう」とする慎重な見方。不安な要素が決して少なくないからだ。
中国メディアによると3月の発電量は前年同月を0.7%下回った。主に工場の稼働率が低下しているためとみられ「製造業の実情は政府の統計に表れているよりも悪いのではないか」との観測を招いている。
インフラ投資の拡大を見込み鉄鋼製品の価格は年初に上昇し、原料である鉄鉱石の輸入量も3月に過去最高となった。ところが一方で鉄鋼製品の価格は急落しており、需要回復は期待されたほどではない。
1978年に改革・開放政策に踏み出して以来、中国が世界的な不況に直面したのは初めてだ。政策担当者も企業経営者も景気循環への対応には不慣れな面があり、景気の回復を見込んで在庫を過剰に積み増したり、老朽化した生産設備の操業を再開したりして、結果的に鉄鋼製品の市況をかく乱した可能性もある。
雇用情勢の悪化も懸念材料だ。消費の足を引っぱるだけでなく、社会不安の火種になりかねない。特に近年数が増えている大学卒業生が就職難で、事態は深刻である。
追加対策になお余地
もともと中国経済は外需への依存度が高く、08年の輸出のGDPに対する割合は30%を超えていた。世界不況で外需が急にしぼんだため政府はかねて唱えてきた「内需主導の成長への転換」に真剣に取り組まざるを得なくなったのが実情だ。ただ80年代の日本の経験が示すようにこの転換は容易でない。
温家宝首相は3月に「十分な弾薬を備えている」と追加の景気対策を準備する方針を示した。仮に追加対策を実施しない場合、今年末の公債発行残高のGDP比は20%と低い水準にとどまる見込みで、150%を上回る日本に比べれば新たな財政出動の余地は大きい。
一層の金融緩和策などの政策も使える環境にある。世界最大の外貨準備も保有している。世界経済への影響力が増した中国が、これらの政策資源を適切に活用するよう望む。
「au BOX」などでハリウッド映画の半額キャンペーン
KDDIと沖縄セルラーは、動画配信サービスでハリウッド映画を半額で視聴できるキャンペーンを実施する。合わせて、尾崎豊の未公開映像をau限定で配信する。キャンペーン期間は4月24日~5月31日で、尾崎豊の映像配信は4月25日~5月31日。
今回実施されるキャンペーンでは、KDDIが指定するハリウッド映画、約350作品が半額の視聴料配信される。au BOXと、パソコン向けLISMO Video Storeおよびひかりoneの「MOVIE SPLASH」で実施される。
欧州中銀総裁、国際的な金融監督体制の必要性強調
欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は17日、東京都内で講演し、5月上旬の定例理事会で「異例の措置」を決めるとの考えを示した。また国際的な金融監督体制について「効率的な解決策が不可欠だ」と発言。国際業務を手掛ける金融機関の監督体制を見直して、主要国の金融当局が緊密に連携しながら資産査定する枠組みが必要だとの認識を示した。金融機関の資産劣化や資金繰りの悪化を中銀が早期に把握し、金融危機の再発防止を防ぐ狙いがある。
トリシェ総裁は危機の原因は「金融機関が短期的な収益を確保しようとして与信を拡大しすぎたことにある」と説明。幹部社員の報酬体系に問題があったとの見方をにじませた。さらに「証券化商品が複雑になりすぎた」と指摘し、投資家がリスクを正確に把握できなくなっていたと分析した。
一方、世界的な景気減速を克服するために主要国は「短期的な財政・金融の刺激策を実施すべきだ」と強調した。ただ、財政の持続性と物価安定を図るため、「しっかりとした財政再建へのコミットメントが必要」と述べ、財政規律を厳守するよう注文を付けた。
日本企業の格下げ急増 08年度4倍、過度の不安は後退
日本企業の格付けの引き下げが急増している。格付投資情報センター(R&I)など格付け大手4社が2008年度に格下げした企業は203社と前の年度に比べ約4倍に増え、格上げの社数(90社)を5年ぶりに上回った。世界的な景気後退で自動車や電機などの輸出企業を中心に業績悪化が相次いだためで、今年に入って拍車がかかった。4月以降、過度な信用不安は後退しているものの、当面は資金調達コストの上昇につながりそうだ。
格付けは企業が発行する債券などの元利払いの能力を示す。一般に「A」や「AA」といった数段階の記号で評価する。08年度の格上げ社数は前の年度の約4分の1に急減した。
東大とシャープ、世界最速の有機トランジスタ 曲がるディスプレーに道
東京大学とシャープは共同で、動作速度が世界最速の有機トランジスタを開発した。プラズマや液晶に次ぐ次世代パネルの制御回路に使う計画で、紙のように折ったり丸めたりできる有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレーの実現につながる。5年以内の実用化を目指す。
有機トランジスタは電子回路を構成する基本素子であるトランジスタを炭素原子からなる有機材料の半導体で作ったもの。シリコン製トランジスタと違って折り曲げられるが、動作が非常に遅く実用化が難しかった。新開発のトランジスタは動作速度を表す「遮断周波数」が従来の約10倍に向上。有機ELディスプレーの駆動回路に使えるレベルに達したという。
改正電波法・放送法が成立
2011年の地上デジタル放送への移行を進め、空き周波数帯を使った携帯端末向け多チャンネル放送の開始をめざす改正電波法と改正放送法が17日午前の参院本会議で可決、成立した。経済的理由で地デジ受信機の購入が難しい人を支援するため、電波利用料を充てられるようにするほか、携帯放送に必要な専用基地局を計画的に整備させることなどが柱だ。
「石原氏がまた妄言」と韓国メディア
東京都の石原慎太郎知事が16日の記者会見で「日本の(朝鮮半島)統治は公平で優しかったと故朴正煕元大統領から聞いた」などと発言したことについて、韓国メディアは17日、「妄言」と伝えた。
聯合ニュースは東京発の記事で「石原氏がまた妄言」と報道。内容に加えて、石原知事について「以前にも人種差別や性差別的な発言をした」と指摘し「日本の保守・右傾化を主導している」とした。KBSテレビも「妄言」として内容を報じた。
石原知事は16日、国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会による現地調査の初日を終えての記者会見で「欧州の植民地統治に比べ、日本の統治は公平で優しかったと故朴正煕元大統領から聞いた」などと述べた。
3月の全国百貨店売上高、13.1%減 春物衣料が不振
日本百貨店協会が17日発表した3月の全国百貨店売上高は、前年同月比13.1%減(既存店ベース)の5730億円だった。前年割れは13カ月連続。土曜日が前年より1日少なかったほか、天候不順で春物衣料が苦戦したことなどが響いた。同時に発表した2008年度の売上高は前年度比6.8%減と、3年連続で前年度割れした。
原発部品メーカーに開発補助 最高10億円、競争力を後押し
日本の原子力産業を支える中堅・中小企業の“オンリーワン技術”を強化するため、政府が原子力発電所の基幹部品を製造するメーカーの技術開発を対象とした補助制度を新設することが16日、分かった。米国や新興国を中心に原発需要が高まっており、東芝など大手が受注獲得に動いている。一方、国内には世界屈指の技術を持つ中小企業も多く、海外の安全規格に沿った部品の技術開発などに最大で1社に10億円程度を補助。中堅・中小メーカーの海外進出を後押しして、日本の国際競争力を高める狙いだ。
対象となる技術開発の提案を国内メーカーから公募し、7~8件を選定、開発費の3分の2(上限10億円程度)を補助する。09年度中に補助を実施する考えで、10年度以降も制度を継続させる方向だ。
英グラクソと米ファイザー、抗エイズ薬の合弁会社設立
【フランクフルト=下田英一郎】英製薬大手のグラクソ・スミスクライン(GSK)は16日、米ファイザーと抗エイズウイルス(HIV)薬事業を統合すると発表した。年内にGSKが85%、ファイザーが15%をそれぞれ出資する合弁会社を設立する。GSKは主力の抗ウイルス事業を強化。ファイザーは同業の米ワイス買収で補強したバイオ医薬品の開発に集中する。
製薬業界は新薬の特許の期限切れなどに伴い、有望な新薬の開発に重点投資する必要に迫られている。M&A(合併・買収)と並行し、今回のような事業の統廃合も加速しそうだ。
新会社はHIV関連薬で計11製品をそろえ、売上高は24億ドル(約2400億円)にのぼる。二ケタ成長が見込める抗HIV薬市場ではシェア19%を握る大手となる。新薬候補物質も6品目あり、うち4品目が開発中期の段階にある。
IMF、経済危機は「異例に長期的で深刻なものになる」
【ワシントン=渡辺浩生】国際通貨基金(IMF)は16日、2009年春の世界経済見通し(WEO)の分析部分を公表し、米国発の金融危機と世界的な同時不況が重なった今回の景気後退は「異例に長期的で深刻なものになる」との厳しい見通しを示した。
対応策としては金融安定化策に加えて、強力な財政出動の有効性を強調した。
IMFは1960年以降の先進21カ国の景気循環を分析。今回を除くと、金融危機を伴った景気後退は日本や北欧など15回あり、10カ国以上で同時発生した景気後退は石油ショックの1975年のほか、80、92年の3回あった。
典型的な景気後退は1年程度で終わり、回復力も力強い。しかし、金融危機を伴う景気後退は一般的に深刻で、長期化する。家計が債務圧縮のため貯蓄率を上げるため、消費が落ち込むためだ。世界同時発生の景気後退は外需の縮小により、通常より1・5倍、後退が長期化するという。
このため、金融危機と世界的同時不況が組み合わさると、「かつてないほど深刻で長期的な景気後退をもたらす公算が大きい」との見解を示した。一方、世界的な景気後退への対応として、協調的な金融・財政政策が必要と指摘。過去の最も重要な教訓として「マクロ経済政策の効力を発揮するには金融部門の信頼回復が不可欠」と結論づけた。
半導体業界の再編加速へ 東芝、富士通の動向が焦点
半導体大手のルネサステクノロジとNECエレクトロニクスが月内にも経営統合で合意する見通しとなったが、業界では、さらなる業界再編が不可避だ。世界同時不況の直撃を受け半導体需要は急減し、各社の業績も急降下している。過当競争が続く中、世界的に生き残れるメーカーは多くはない。NECエレとの統合を模索していた東芝のほか、たびたび再編候補に挙がる富士通の動向が今後の焦点となるほか、国境を越えたグローバルな再編も浮上しそうだ。
ルネサスとNECエレはいずれも、デジタル家電や自動車、通信機器を制御するシステムLSI(大規模集積回路)や、CPU(中央演算処理装置)などを組み込んだマイコンを手掛けている。
とりわけマイコンでは統合により、世界トップの3割強のシェアを握ることができる。「取引先との価格交渉を優位に進めることができる」(国内半導体大手)など、規模拡大のメリットは大きい。
一方で、課題もある。両社ともに半導体市況の悪化に加え、過剰設備を抱え、稼働率が低下。平成21年3月期は、両社合計の最終赤字は2700億円規模にも達する。
みずほインベスターズ証券の石田雄一シニアアナリストは「売り上げ規模では一気に世界3位に躍り出るが、収益力では上位勢に比べて劣る。早ければ統合前にでも、製造ラインや人員のリストラを進める必要があり、統合はそう簡単にいかない」と指摘する。
ただ、両社の統合が、さらなる再編を誘発するのは確実だ。焦点は、出遅れた形となった半導体部門を本体で抱える東芝と富士通だ。特に、東芝は不振のLSI部門を分社化して「積極的に業界再編を進める」(西田厚聰社長)とし、NECエレを軸に交渉を模索していただけに、出ばなをくじかれた形となる。
ただ、東芝に限らず、再編相手となる国内半導体メーカーは残り少なく、「今後は海外メーカーのほか、パナソニックのような主に自社製品向けに半導体を扱っているメーカーも含めた再編が進んでいく」(石田氏)との見方は多い。
半導体メモリー事業では、国内唯一のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)専業メーカー、エルピーダメモリが台湾企業との統合交渉を進めている。“半導体不況”の出口が見えない中、国際的な業界再編が加速するのは必至だ。
バイオ燃料、本格普及へ ブラジル大手、首都圏に進出
ブラジル国営石油会社のペトロブラスは今夏にも首都圏でガソリンにバイオエタノールを3%混ぜたバイオ燃料の販売を始める。年内に6カ所の独立系スタンドで売り出し、将来は商社などと組み全国展開を目指す。6月には新日本石油も全国1000カ所のスタンドでバイオ燃料を発売する。同燃料は米国やブラジルでは広く普及しており、出遅れた日本でも環境対策などを目的に本格的な普及期を迎えそうだ。
ペトロブラスが50%出資する日伯エタノール(東京・中央)が千葉県袖ケ浦市に2億円程度を投じ、バイオ燃料の生産設備を整えた。月間1000キロリットル程度を製造し「E3」の名称で販売する。通常のガソリンに比べ製造コストは割高だが、3年間は環境省の補助を受けるため、税込みの販売価格はレギュラーガソリンと同程度になる見込み。
米不動産ゼネラル・グロース、破産法申請 負債最大の2.7兆円
【ニューヨーク=杉本晶子】経営難に陥っていた米商業用不動産2位ゼネラル・グロース・プロパティーズは16日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。負債総額は272億ドル(約2兆7000億円)で、米企業の倒産としては今年最大規模。同社は約200のショッピングモールを保有し、信用収縮による資金繰り悪化に加え、不動産市場の低迷と個人消費の冷え込みが追い打ちをかけた。
ゼネラル・グロースは大型モールの開発から運営までを手掛け、多額の不動産担保証券を発行して積極的な投資を続けてきた。債権者にシティグループやドイツ銀行など大手金融機関が名を連ね、昨年から繰り返し、負債返済の先延ばしに応じていた。
スタッフサービス、従業員をピークの半数に 今期、1300人削減
リクルート系の人材派遣最大手、スタッフサービス・ホールディングス(東京・千代田)は大幅な人員削減を進める。グループで2009年3月期に約1500人を削減したのに続き、今期も約1300人を減らす。来年4月の従業員数はピーク時の08年4月から半減の3000人となる。派遣スタッフの稼働者数が急減しており、規模縮小で採算改善を目指す。
人員削減のため2010年春入社の新卒採用を凍結。契約社員も契約満了後は更新をしない。通常、年間1000人以上いる中途採用も取りやめる。担当業務や地域によっては割増退職金をつけて、退職を促す。従業員数は08年4月に過去最高の5882人だったが、今年4月で4328人に減少、来年4月には3000人体制に絞り込む。
「長尺CM」じわり増加 商品や世界観をしっかり説明
景気後退で企業が広告出稿をしぼるなか、30秒を超える長尺テレビCMがじわり増加している。商品の特徴やブランドイメージをしっかり訴えることができ、広告効果が高いと評判だ。
ユニリーバ・ジャパンは13日から、テレビ東京系列局でヘアケアブランド「LUX」の5分間の長尺CMを放映し始めた。ハリウッド女優のキャサリン・ゼタ・ジョーンズさんを起用し、3月発売の新商品をPRするもの。インターネット向けに制作した短編映画を「ブランドの持つ世界観を、ネットを利用しない人にも伝えたい」(広報マネジャー)とCM向けに再編成した。5月以降、他局でも分単位のCMを放送する予定だ。
CM総合研究所によると、日本のCMは15秒物が約8割と圧倒的だ。商品を視聴者に印象づけるのが主なねらいとなる。
推計人口、過去最多の40道府県で減少 08年10月1日現在
総務省は16日、2008年10月1日現在の都道府県別、年齢別の推計人口を発表した。都道府県別にみると、東京都など7都県で前年より人口が増えたものの、40道府県で人口が減少した。人口減少県の数は前年より3県増え過去最多。
75歳以上の人口が年少人口(14歳以下)を上回った県は、前年の6県から12県に倍増。「人口減少社会」の本格的な到来と少子高齢化の加速がデータで裏付けられた格好だ。
中国の為替操作国認定見送る 米、経済で対立避ける
【ワシントン=大隅隆】ガイトナー財務長官が15日、中国を為替操作国として認定することを見送る報告書を議会に提出した。オバマ政権が柔軟路線に転じたことで、政権発足前後にぎくしゃくした米中の経済関係はひとまず小康状態に入る公算が大きい。ただ、米国の景気悪化が長期化し、雇用情勢がさらに悪化すれば、対中貿易赤字削減を求める強硬派が再び台頭する懸念もなおくすぶる。
報告書で目立ったのは、中国の景気対策を評価する文言だ。中国が内需拡大に動けば、世界経済が米国の個人消費に依存する「一本足打法」が是正される。経常赤字(資金不足)が米国に蓄積し、経常黒字(資金余剰)が中国にたまる世界的な不均衡も是正される。為替に関しても「中国は人民元の柔軟性を高める努力をしてきたし、これからもそうすると確約している」と操作国認定をあっさりと見送った。
グーグル増収増益 1-3月期、ネット広告切り替え需要取り込む
【ニューヨーク=清水石珠実】米ネット検索最大手グーグルが16日に発表した1―3月期決算は、売上高が前年同期比6%増の55億900万ドル、純利益が同9%増の14億2300万ドルだった。1株利益は4.49ドル。広告予算のネット広告への切り替え需要を取り込み、景気後退局面でも増収増益を実現した。
前の四半期との比較では売上高が3%減少。売り上げが前の期を下回るのは、約4年半前の新規株式公開(IPO)以降初めてという。
【産経主張】週刊新潮 まず誤報の責任を明確に
週刊新潮が朝日新聞阪神支局襲撃事件(昭和62年)などの「実行犯」を名乗る男性の告白手記を掲載した問題で、同誌は16日発売号で誤報を認め、読者に謝罪した。雑誌ジャーナリズムの根幹を揺るがしかねない失態である。
謝罪記事は「『週刊新潮』はこうして『ニセ実行犯』に騙(だま)された」とのタイトルで、10ページにわたり誤報に至った経緯が書かれ、最大の原因は「裏付け取材の不足」にあったとしている。それは当然のこととして、遅きに失した感は否めない。
最後の部分に、「ありもしない証言内容を『捏造(ねつぞう)』したわけでもない」「報道機関が誤報から100%免れることは不可能」「週刊誌の使命は、真偽がはっきりしない段階にある『事象』や『疑惑』にまで踏み込んで取材することにある」といった弁解とも居直りとも受け取れる表現があり、本当に反省しているのか疑問だ。
今後の編集態勢についても、次々号から編集長が交代すると書かれているだけで、社内で誰がどう責任を取ったかは不明確だ。誤報を防ぐため、どんなチェック態勢を敷いていくのかも、よく分からない。全体として、中途半端な謝罪記事である。
朝日新聞阪神支局襲撃をはじめとする一連の警察庁指定116号事件は、言論機関に加えられた許しがたいテロだ。阪神支局の事件では、記者2人が散弾銃で死傷した。新潮社には、そうした重大事件を誤報したことへの同じ言論機関としての真摯(しんし)な反省の気持ちが薄いようにも思われる。
週刊新潮は出版社系週刊誌のトップを切って、昭和31年に創刊された。新聞や新聞社系週刊誌とは違ったジャンルに挑戦し、週刊誌ブームを巻き起こしてきた。それだけに、誤報に至った責任の所在を明確にし、チェック態勢を整えてから再出発すべきだ。
誤報は週刊誌だけの問題ではない。朝日新聞の写真記者が沖縄でサンゴに文字を書いて傷つけ、環境破壊のケースとして報じた「サンゴ事件」(平成元年)では、当時の社長が辞任した。最近では、日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ!」が虚偽の証言に基づいて岐阜県に裏金があると誤報し、社長が辞任した。
読者や視聴者の目はますます厳しくなっている。誤報を防ぐ十分な裏付け取材とチェックの大切さを改めて肝に銘じたい。
【ワシントン=渡辺浩生】国際通貨基金(IMF)は16日、2009年春の世界経済見通し(WEO)の分析部分を公表し、米国発の金融危機と世界的な同時不況が重なった今回の景気後退は「異例に長期的で深刻なものになる」との厳しい見通しを示した。
対応策としては金融安定化策に加えて、強力な財政出動の有効性を強調した。
IMFは1960年以降の先進21カ国の景気循環を分析。今回を除くと、金融危機を伴った景気後退は日本や北欧など15回あり、10カ国以上で同時発生した景気後退は石油ショックの1975年のほか、80、92年の3回あった。
典型的な景気後退は1年程度で終わり、回復力も力強い。しかし、金融危機を伴う景気後退は一般的に深刻で、長期化する。家計が債務圧縮のため貯蓄率を上げるため、消費が落ち込むためだ。世界同時発生の景気後退は外需の縮小により、通常より1・5倍、後退が長期化するという。
このため、金融危機と世界的同時不況が組み合わさると、「かつてないほど深刻で長期的な景気後退をもたらす公算が大きい」との見解を示した。一方、世界的な景気後退への対応として、協調的な金融・財政政策が必要と指摘。過去の最も重要な教訓として「マクロ経済政策の効力を発揮するには金融部門の信頼回復が不可欠」と結論づけた。
半導体業界の再編加速へ 東芝、富士通の動向が焦点
半導体大手のルネサステクノロジとNECエレクトロニクスが月内にも経営統合で合意する見通しとなったが、業界では、さらなる業界再編が不可避だ。世界同時不況の直撃を受け半導体需要は急減し、各社の業績も急降下している。過当競争が続く中、世界的に生き残れるメーカーは多くはない。NECエレとの統合を模索していた東芝のほか、たびたび再編候補に挙がる富士通の動向が今後の焦点となるほか、国境を越えたグローバルな再編も浮上しそうだ。
ルネサスとNECエレはいずれも、デジタル家電や自動車、通信機器を制御するシステムLSI(大規模集積回路)や、CPU(中央演算処理装置)などを組み込んだマイコンを手掛けている。
とりわけマイコンでは統合により、世界トップの3割強のシェアを握ることができる。「取引先との価格交渉を優位に進めることができる」(国内半導体大手)など、規模拡大のメリットは大きい。
一方で、課題もある。両社ともに半導体市況の悪化に加え、過剰設備を抱え、稼働率が低下。平成21年3月期は、両社合計の最終赤字は2700億円規模にも達する。
みずほインベスターズ証券の石田雄一シニアアナリストは「売り上げ規模では一気に世界3位に躍り出るが、収益力では上位勢に比べて劣る。早ければ統合前にでも、製造ラインや人員のリストラを進める必要があり、統合はそう簡単にいかない」と指摘する。
ただ、両社の統合が、さらなる再編を誘発するのは確実だ。焦点は、出遅れた形となった半導体部門を本体で抱える東芝と富士通だ。特に、東芝は不振のLSI部門を分社化して「積極的に業界再編を進める」(西田厚聰社長)とし、NECエレを軸に交渉を模索していただけに、出ばなをくじかれた形となる。
ただ、東芝に限らず、再編相手となる国内半導体メーカーは残り少なく、「今後は海外メーカーのほか、パナソニックのような主に自社製品向けに半導体を扱っているメーカーも含めた再編が進んでいく」(石田氏)との見方は多い。
半導体メモリー事業では、国内唯一のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)専業メーカー、エルピーダメモリが台湾企業との統合交渉を進めている。“半導体不況”の出口が見えない中、国際的な業界再編が加速するのは必至だ。
バイオ燃料、本格普及へ ブラジル大手、首都圏に進出
ブラジル国営石油会社のペトロブラスは今夏にも首都圏でガソリンにバイオエタノールを3%混ぜたバイオ燃料の販売を始める。年内に6カ所の独立系スタンドで売り出し、将来は商社などと組み全国展開を目指す。6月には新日本石油も全国1000カ所のスタンドでバイオ燃料を発売する。同燃料は米国やブラジルでは広く普及しており、出遅れた日本でも環境対策などを目的に本格的な普及期を迎えそうだ。
ペトロブラスが50%出資する日伯エタノール(東京・中央)が千葉県袖ケ浦市に2億円程度を投じ、バイオ燃料の生産設備を整えた。月間1000キロリットル程度を製造し「E3」の名称で販売する。通常のガソリンに比べ製造コストは割高だが、3年間は環境省の補助を受けるため、税込みの販売価格はレギュラーガソリンと同程度になる見込み。
米不動産ゼネラル・グロース、破産法申請 負債最大の2.7兆円
【ニューヨーク=杉本晶子】経営難に陥っていた米商業用不動産2位ゼネラル・グロース・プロパティーズは16日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。負債総額は272億ドル(約2兆7000億円)で、米企業の倒産としては今年最大規模。同社は約200のショッピングモールを保有し、信用収縮による資金繰り悪化に加え、不動産市場の低迷と個人消費の冷え込みが追い打ちをかけた。
ゼネラル・グロースは大型モールの開発から運営までを手掛け、多額の不動産担保証券を発行して積極的な投資を続けてきた。債権者にシティグループやドイツ銀行など大手金融機関が名を連ね、昨年から繰り返し、負債返済の先延ばしに応じていた。
スタッフサービス、従業員をピークの半数に 今期、1300人削減
リクルート系の人材派遣最大手、スタッフサービス・ホールディングス(東京・千代田)は大幅な人員削減を進める。グループで2009年3月期に約1500人を削減したのに続き、今期も約1300人を減らす。来年4月の従業員数はピーク時の08年4月から半減の3000人となる。派遣スタッフの稼働者数が急減しており、規模縮小で採算改善を目指す。
人員削減のため2010年春入社の新卒採用を凍結。契約社員も契約満了後は更新をしない。通常、年間1000人以上いる中途採用も取りやめる。担当業務や地域によっては割増退職金をつけて、退職を促す。従業員数は08年4月に過去最高の5882人だったが、今年4月で4328人に減少、来年4月には3000人体制に絞り込む。
「長尺CM」じわり増加 商品や世界観をしっかり説明
景気後退で企業が広告出稿をしぼるなか、30秒を超える長尺テレビCMがじわり増加している。商品の特徴やブランドイメージをしっかり訴えることができ、広告効果が高いと評判だ。
ユニリーバ・ジャパンは13日から、テレビ東京系列局でヘアケアブランド「LUX」の5分間の長尺CMを放映し始めた。ハリウッド女優のキャサリン・ゼタ・ジョーンズさんを起用し、3月発売の新商品をPRするもの。インターネット向けに制作した短編映画を「ブランドの持つ世界観を、ネットを利用しない人にも伝えたい」(広報マネジャー)とCM向けに再編成した。5月以降、他局でも分単位のCMを放送する予定だ。
CM総合研究所によると、日本のCMは15秒物が約8割と圧倒的だ。商品を視聴者に印象づけるのが主なねらいとなる。
推計人口、過去最多の40道府県で減少 08年10月1日現在
総務省は16日、2008年10月1日現在の都道府県別、年齢別の推計人口を発表した。都道府県別にみると、東京都など7都県で前年より人口が増えたものの、40道府県で人口が減少した。人口減少県の数は前年より3県増え過去最多。
75歳以上の人口が年少人口(14歳以下)を上回った県は、前年の6県から12県に倍増。「人口減少社会」の本格的な到来と少子高齢化の加速がデータで裏付けられた格好だ。
中国の為替操作国認定見送る 米、経済で対立避ける
【ワシントン=大隅隆】ガイトナー財務長官が15日、中国を為替操作国として認定することを見送る報告書を議会に提出した。オバマ政権が柔軟路線に転じたことで、政権発足前後にぎくしゃくした米中の経済関係はひとまず小康状態に入る公算が大きい。ただ、米国の景気悪化が長期化し、雇用情勢がさらに悪化すれば、対中貿易赤字削減を求める強硬派が再び台頭する懸念もなおくすぶる。
報告書で目立ったのは、中国の景気対策を評価する文言だ。中国が内需拡大に動けば、世界経済が米国の個人消費に依存する「一本足打法」が是正される。経常赤字(資金不足)が米国に蓄積し、経常黒字(資金余剰)が中国にたまる世界的な不均衡も是正される。為替に関しても「中国は人民元の柔軟性を高める努力をしてきたし、これからもそうすると確約している」と操作国認定をあっさりと見送った。
グーグル増収増益 1-3月期、ネット広告切り替え需要取り込む
【ニューヨーク=清水石珠実】米ネット検索最大手グーグルが16日に発表した1―3月期決算は、売上高が前年同期比6%増の55億900万ドル、純利益が同9%増の14億2300万ドルだった。1株利益は4.49ドル。広告予算のネット広告への切り替え需要を取り込み、景気後退局面でも増収増益を実現した。
前の四半期との比較では売上高が3%減少。売り上げが前の期を下回るのは、約4年半前の新規株式公開(IPO)以降初めてという。
【産経主張】週刊新潮 まず誤報の責任を明確に
週刊新潮が朝日新聞阪神支局襲撃事件(昭和62年)などの「実行犯」を名乗る男性の告白手記を掲載した問題で、同誌は16日発売号で誤報を認め、読者に謝罪した。雑誌ジャーナリズムの根幹を揺るがしかねない失態である。
謝罪記事は「『週刊新潮』はこうして『ニセ実行犯』に騙(だま)された」とのタイトルで、10ページにわたり誤報に至った経緯が書かれ、最大の原因は「裏付け取材の不足」にあったとしている。それは当然のこととして、遅きに失した感は否めない。
最後の部分に、「ありもしない証言内容を『捏造(ねつぞう)』したわけでもない」「報道機関が誤報から100%免れることは不可能」「週刊誌の使命は、真偽がはっきりしない段階にある『事象』や『疑惑』にまで踏み込んで取材することにある」といった弁解とも居直りとも受け取れる表現があり、本当に反省しているのか疑問だ。
今後の編集態勢についても、次々号から編集長が交代すると書かれているだけで、社内で誰がどう責任を取ったかは不明確だ。誤報を防ぐため、どんなチェック態勢を敷いていくのかも、よく分からない。全体として、中途半端な謝罪記事である。
朝日新聞阪神支局襲撃をはじめとする一連の警察庁指定116号事件は、言論機関に加えられた許しがたいテロだ。阪神支局の事件では、記者2人が散弾銃で死傷した。新潮社には、そうした重大事件を誤報したことへの同じ言論機関としての真摯(しんし)な反省の気持ちが薄いようにも思われる。
週刊新潮は出版社系週刊誌のトップを切って、昭和31年に創刊された。新聞や新聞社系週刊誌とは違ったジャンルに挑戦し、週刊誌ブームを巻き起こしてきた。それだけに、誤報に至った責任の所在を明確にし、チェック態勢を整えてから再出発すべきだ。
誤報は週刊誌だけの問題ではない。朝日新聞の写真記者が沖縄でサンゴに文字を書いて傷つけ、環境破壊のケースとして報じた「サンゴ事件」(平成元年)では、当時の社長が辞任した。最近では、日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ!」が虚偽の証言に基づいて岐阜県に裏金があると誤報し、社長が辞任した。
読者や視聴者の目はますます厳しくなっている。誤報を防ぐ十分な裏付け取材とチェックの大切さを改めて肝に銘じたい。