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キム・ヨナやサムスンに“脅威論”が噴出 「日本はもう韓国に勝てない」は本当か?(COLUMN)
日本はもう韓国に勝てないのではないか――。バンクーバー五輪が終わった後、日本でそんな世論がにわかに広まっている。
その背景には、五輪の女子フィギュアスケートで、優勝を期待されていた日本の浅田真央選手が、韓国のキム・ヨナ選手に敗れたことが影響していると言われる。
スポーツ分野ばかりではない。産業分野では、電機メーカー各社が熾烈な開発競争を繰り広げている薄型テレビ市場などで、韓国のサムスンがいつの間にか世界最大のシェアを握っているのが現実だ。
日本の「お家芸」と言われたエレクトロニクスで最も勢いがあるのは、「今やパナソニックでも東芝でもソニーでもない」という見方もある。
では、「日本はもう韓国に勝てない」という“韓国脅威論”は、本当だろうか?
経済面で見れば、確かに最近の韓国企業の躍進は目覚しい。IT分野などでは、すでにわが国企業が韓国企業の後塵を拝している。
韓国企業の強さの要因としては、まず一握りの財閥のパワーが圧倒的に大きいため、少数の有力企業に技術者などの経営資源が集中していることが上げられる。
また、人口約4800万人(世界26位)、GDP約9500億ドル(同15位)を誇る韓国の政府当局は、強力な産業政策によって、主力輸出企業をサポートする姿勢を鮮明に示していることも強力な追い風になっている。
ある韓国通は、「サムソンはある意味で韓国そのもの」と指摘していた。言い換えれば、一部の有力企業は公的な支援を受けながら、効率的に経営を行なうことが可能になっている。
ただ、成長著しい韓国の対日貿易収支が赤字傾向を続けていることは、あまり知られていない。2009年の韓国の貿易収支(暫定値)は、409億8000万ドル(約3兆8100億円)と史上最高の黒字だった。
しかし、対日貿易赤字は前年比19%改善したものの、それでも264億ドルの赤字である。マクロベースで見ると、韓国企業はわが国から工作機械や主要部品などを輸入し、多額の特許使用料を支払っているのである。
それを見る限り、韓国企業が、主要技術や機械の供給などのかなりの部分を、まだわが国に頼っている姿が浮き彫りになる。こうした状況を見ると、「もう韓国に勝てない」と過度に悲観的になる必要がないことがおわかりだろう。
日本は韓国に大らか過ぎた?
技術移転で躍進した韓国企業
わが国の有力電気メーカーの経営者の1人は、「1980年代、わが国の企業は韓国に対し、あまりに人がよくて無防備だった」と悔しがっていた。
彼の言葉は、わが国が80年代に“世界の工場”として君臨していた当時、韓国企業にあまりにも気前よく技術やノウハウを教示し過ぎたことを指している。
韓国企業は、わが国企業から受け継いだ技術を予想以上に上手く使かったため、今では本家ともいうべきわが国企業を凌ぐ勢いの分野も多い。その一例が半導体、液晶パネル、鉄鋼、造船などの分野ということができる。
歴史的に見ると、韓国の経済発展は朝鮮戦争以降、かなり遅れていた。ところが、ベトナム戦争への派兵やわが国からの経済・技術援助をきっかけとして、いわゆる“漢江の奇跡”と呼ばれるほどの高成長を遂げた。
その結果、1990年代に新興工業経済地域 (NIEs) の1つに名を連ねるようになり、1996年にはアジアではわが国についで2番目となる「先進国クラブ」と称されるOECD(経済協力開発機構)の加盟国になった。
もう1つ、韓国に関して忘れてはならない要素がある。それは、韓国が、旧自由主義諸国にとって、重要な戦略的ポジションにあることだ。
韓国の隣には北朝鮮がある。北朝鮮の隣国は中国とロシアだ。韓国は、「旧共産権諸国からの脅威を朝鮮半島の北緯38度線で食い止める」という大切な役割を担っていた。
それは、世界の安全保障上、かなり重要なファクターなのである。そうした大切な役割を担う韓国を、「経済的に困窮させられない」という思惑が先進諸国にあったことは、想像に難くない。
もちろん、同国自身の努力が最も大きいのだが、今日の韓国の発展には、ある意味「恵まれた機会を有効に生かせた」という側面があるだろう。
とはいえ、飛躍的な経済発展を遂げる韓国にも、いくつかの問題がある。
その1つは、半導体の製造装置などの生産財において、国内供給能力の拡大ペースが遅れていることだ。韓国のIT分野は、サムソンに代表されるように、世界屈指の有力企業が揃っている。
しかし、そうした大企業が使う集約性の高い部品や製造装置といった生産財の国内供給が、追いついていないのが現状だ。そのため、どうしても部品や工作機械を海外、特にわが国などから輸入せざるを得ない構造になっている。
ある韓国政府の高官は、「韓国が得ている貿易黒字の多くは、日本に献上するために稼いでいるようなものだ」と指摘していた。
また、為替相場が大きく変動するリスクのなかで、主要企業の輸入依存度が高いことは、それだけの危険負担があることを意味する。企業の収益状態は、自国通貨であるウォンの変動に左右される可能性がある。それは、韓国経済全体にとって好ましいことではないはずだ。
さらに、韓国の経済専門家が指摘する潜在的なリスクは、いわゆる“サンドイッチ現象”だ。
日本や欧米企業の技術開発が進み、新製品の開発テンポが加速された場合、技術や部品、製造装置の一部まで海外企業に頼っていると、自国の企業がその流れから取り残される懸念がある。
また、技術集約性の低い製品については、人件費の安い中国やベトナムなどで製造することが可能になる。その結果、韓国企業が中国・ベトナム企業からの追い上げに苦しむことも懸念される。
上からは取り残され、下からは追い上げられる――。それが“サンドイッチ現象”の正体だ。主要国の多くが経験した苦難を、韓国もいずれかの段階で、味わうことになるだろう。
韓国企業は、そうしたハードルを上手く乗り切ることができるか否か。注目に値するところだ。
さて、こうして韓国の現状を考えてみると、「わが国企業にもまだ十分勝機がある」ということができる。しかし、だからと言って安穏としているわけにはいかない。
韓国には、わが国にはない企業に対する政府の支援体制や、効率的な企業戦略がある。それらが、わが国企業にとって大きな脅威であることは間違いない。
現在のわが国政府は、企業よりも家計部門に対する厚生を重視しているようだ。人口減少に悩むわが国には、そうした政策運営がある程度必要であることに異論はない。
しかし一方で、「企業を強くする視点」が必要であることも、忘れてはならない。何故なら、わが国の高い生活水準を維持するためには、どうしても、それなりの経済的価値を稼ぎ出すことが求められるからだ。
収益を稼ぎ出すことができるのは、企業しかない。企業が強力な競争力を持って利益を上げられるからこそ、政府はそこから上がる税収で、国民の福利厚生を厚くする政策が打てるのである。
むろん家計部門も、企業が作る付加価値の分け前を得て、消費活動ができるのである。それを忘れるべきではない。
わが国企業の税負担は、世界的にかなり高水準にある。わが国の有力な電気メーカーの経営者は、「実効税率40%のわが国と、25%の韓国企業では競争にならない」と言っていた。
仮に、日本企業と韓国企業が100億円の利益を手にしたとする。その場合、韓国企業の納税額が25億円に対して、わが国企業は40億円の納税を行なわなければならない。その差額は、実に15億円。儲けの差で、どうしても設備投資などに当てられる資金量に違いが出てしまう。
一方、責任は政府ばかりにあるわけではない。企業の経営者にも大きな責任がある。
経営者には、常に動きの早い経済動向を適切に分析して、迅速で有効な経営判断を行なうことが求められる。そうした役割期待を十分に果たすことができれば、わが国企業が韓国企業に勝てるチャンスは十分あるはずだ。
フィギュアスケートの浅田選手は、雪辱を期して次の五輪に挑むという。我々も、そうした気概を忘れるべきではない。
フェースブック、グーグル抜く 米国内のサイト訪問シェア
インターネット調査の米ヒットワイズが15日発表した3月第2週の米ウェブサイト訪問者数シェアで、交流サイト(SNS)最大手の米フェースブックがネット検索最大手の米グーグルを抜いて初めて首位に立った。フェースブックは全世界に4億人の利用者をもち、的を絞ったマーケティング活動の場としての価値が一段と高まりそうだ。
ヒットワイズの調査によると、3月7~13日の週はフェースブックが前週比0.13ポイント増の7.07%で首位。グーグルは0.03ポイント増の7.03%で2位だった。フェースブックはクリスマスや元日などに1日単位で首位に立ったことはあるが、週間首位は初めてだという。
フェースブックは匿名参加が一般的な日本のSNSとは異なり、実名登録・参加が基本。米国では若い世代を中心に、不特定多数に配信できる電子メールを避け、フェースブック経由でメッセージや画像などを交換することが一般的。ゲームなどフェースブック向けコンテンツ(情報の内容)も人気を集めている。
診療履歴、共通データ網 IT戦略案、全国病院で引き出し
政府のIT戦略本部(本部長・鳩山由紀夫首相)が取りまとめるIT(情報技術)戦略の骨格が16日、分かった。診療履歴に基づいた適切な医療を全国のどこでも受けられるようにするためのデータベースを整備するなど、医療分野でのIT化推進を柱とする。5月に必要な法整備や予算措置を盛り込んだ工程表をつくる予定で、新成長戦略と歩調を合わせて2020年までに完成させる方向だ。
19日の戦略本部会合で(1)国民本位の電子行政の実現(2)地域の絆(きずな)の再生(3)新市場の創出と国際展開――を柱に据えた骨子を示し、4月をメドに決定する。
コンデナスト日本法人、iPadに雑誌有料配信
米出版大手コンデナスト・パブリケーションズの日本法人は16日、米アップルの新型携帯端末「iPad(アイパッド)」に、米有力ファッション誌の日本版「VOGUE NIPPON」など3誌を有料配信すると発表した。IT(情報技術)ベンチャーのヤッパ(東京・渋谷)が閲覧ソフト開発で協力、4月末のiPad日本発売にあわせ配信を始める。
「VOGUE HOMMES JAPAN」「GQ JAPAN」を含めた3誌が対象で記事全編を購読できる。料金は雑誌の価格(1号あたり580~700円)より、若干安く設定する。画面サイズが大きいiPadの特色を生かし、記事に関連した動画や写真も提供する。
高吸水樹脂、アジア開拓 日本触媒など、新工場や設備増強
化学各社が紙おむつ原料となる吸水性の高い高機能樹脂でアジア市場の開拓を本格化する。世界最大手の日本触媒は50億~100億円を投じ、2013年にもインドネシアに新工場を建設。三菱化学と三洋化成工業の共同出資会社サンダイヤポリマー(東京・中央)は中国向けの設備を増強する。米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など衛生用品大手のアジア事業拡大を好機とみて需要取り込みに動く。
日本触媒のインドネシアの新工場は年産能力3万~6万トンで、東南アジアや中国、インドに製品を供給する。工場は原料のアクリル酸を製造するインドネシアの子会社の敷地内に新設する。
日本はもう韓国に勝てないのではないか――。バンクーバー五輪が終わった後、日本でそんな世論がにわかに広まっている。
その背景には、五輪の女子フィギュアスケートで、優勝を期待されていた日本の浅田真央選手が、韓国のキム・ヨナ選手に敗れたことが影響していると言われる。
スポーツ分野ばかりではない。産業分野では、電機メーカー各社が熾烈な開発競争を繰り広げている薄型テレビ市場などで、韓国のサムスンがいつの間にか世界最大のシェアを握っているのが現実だ。
日本の「お家芸」と言われたエレクトロニクスで最も勢いがあるのは、「今やパナソニックでも東芝でもソニーでもない」という見方もある。
では、「日本はもう韓国に勝てない」という“韓国脅威論”は、本当だろうか?
経済面で見れば、確かに最近の韓国企業の躍進は目覚しい。IT分野などでは、すでにわが国企業が韓国企業の後塵を拝している。
韓国企業の強さの要因としては、まず一握りの財閥のパワーが圧倒的に大きいため、少数の有力企業に技術者などの経営資源が集中していることが上げられる。
また、人口約4800万人(世界26位)、GDP約9500億ドル(同15位)を誇る韓国の政府当局は、強力な産業政策によって、主力輸出企業をサポートする姿勢を鮮明に示していることも強力な追い風になっている。
ある韓国通は、「サムソンはある意味で韓国そのもの」と指摘していた。言い換えれば、一部の有力企業は公的な支援を受けながら、効率的に経営を行なうことが可能になっている。
ただ、成長著しい韓国の対日貿易収支が赤字傾向を続けていることは、あまり知られていない。2009年の韓国の貿易収支(暫定値)は、409億8000万ドル(約3兆8100億円)と史上最高の黒字だった。
しかし、対日貿易赤字は前年比19%改善したものの、それでも264億ドルの赤字である。マクロベースで見ると、韓国企業はわが国から工作機械や主要部品などを輸入し、多額の特許使用料を支払っているのである。
それを見る限り、韓国企業が、主要技術や機械の供給などのかなりの部分を、まだわが国に頼っている姿が浮き彫りになる。こうした状況を見ると、「もう韓国に勝てない」と過度に悲観的になる必要がないことがおわかりだろう。
日本は韓国に大らか過ぎた?
技術移転で躍進した韓国企業
わが国の有力電気メーカーの経営者の1人は、「1980年代、わが国の企業は韓国に対し、あまりに人がよくて無防備だった」と悔しがっていた。
彼の言葉は、わが国が80年代に“世界の工場”として君臨していた当時、韓国企業にあまりにも気前よく技術やノウハウを教示し過ぎたことを指している。
韓国企業は、わが国企業から受け継いだ技術を予想以上に上手く使かったため、今では本家ともいうべきわが国企業を凌ぐ勢いの分野も多い。その一例が半導体、液晶パネル、鉄鋼、造船などの分野ということができる。
歴史的に見ると、韓国の経済発展は朝鮮戦争以降、かなり遅れていた。ところが、ベトナム戦争への派兵やわが国からの経済・技術援助をきっかけとして、いわゆる“漢江の奇跡”と呼ばれるほどの高成長を遂げた。
その結果、1990年代に新興工業経済地域 (NIEs) の1つに名を連ねるようになり、1996年にはアジアではわが国についで2番目となる「先進国クラブ」と称されるOECD(経済協力開発機構)の加盟国になった。
もう1つ、韓国に関して忘れてはならない要素がある。それは、韓国が、旧自由主義諸国にとって、重要な戦略的ポジションにあることだ。
韓国の隣には北朝鮮がある。北朝鮮の隣国は中国とロシアだ。韓国は、「旧共産権諸国からの脅威を朝鮮半島の北緯38度線で食い止める」という大切な役割を担っていた。
それは、世界の安全保障上、かなり重要なファクターなのである。そうした大切な役割を担う韓国を、「経済的に困窮させられない」という思惑が先進諸国にあったことは、想像に難くない。
もちろん、同国自身の努力が最も大きいのだが、今日の韓国の発展には、ある意味「恵まれた機会を有効に生かせた」という側面があるだろう。
とはいえ、飛躍的な経済発展を遂げる韓国にも、いくつかの問題がある。
その1つは、半導体の製造装置などの生産財において、国内供給能力の拡大ペースが遅れていることだ。韓国のIT分野は、サムソンに代表されるように、世界屈指の有力企業が揃っている。
しかし、そうした大企業が使う集約性の高い部品や製造装置といった生産財の国内供給が、追いついていないのが現状だ。そのため、どうしても部品や工作機械を海外、特にわが国などから輸入せざるを得ない構造になっている。
ある韓国政府の高官は、「韓国が得ている貿易黒字の多くは、日本に献上するために稼いでいるようなものだ」と指摘していた。
また、為替相場が大きく変動するリスクのなかで、主要企業の輸入依存度が高いことは、それだけの危険負担があることを意味する。企業の収益状態は、自国通貨であるウォンの変動に左右される可能性がある。それは、韓国経済全体にとって好ましいことではないはずだ。
さらに、韓国の経済専門家が指摘する潜在的なリスクは、いわゆる“サンドイッチ現象”だ。
日本や欧米企業の技術開発が進み、新製品の開発テンポが加速された場合、技術や部品、製造装置の一部まで海外企業に頼っていると、自国の企業がその流れから取り残される懸念がある。
また、技術集約性の低い製品については、人件費の安い中国やベトナムなどで製造することが可能になる。その結果、韓国企業が中国・ベトナム企業からの追い上げに苦しむことも懸念される。
上からは取り残され、下からは追い上げられる――。それが“サンドイッチ現象”の正体だ。主要国の多くが経験した苦難を、韓国もいずれかの段階で、味わうことになるだろう。
韓国企業は、そうしたハードルを上手く乗り切ることができるか否か。注目に値するところだ。
さて、こうして韓国の現状を考えてみると、「わが国企業にもまだ十分勝機がある」ということができる。しかし、だからと言って安穏としているわけにはいかない。
韓国には、わが国にはない企業に対する政府の支援体制や、効率的な企業戦略がある。それらが、わが国企業にとって大きな脅威であることは間違いない。
現在のわが国政府は、企業よりも家計部門に対する厚生を重視しているようだ。人口減少に悩むわが国には、そうした政策運営がある程度必要であることに異論はない。
しかし一方で、「企業を強くする視点」が必要であることも、忘れてはならない。何故なら、わが国の高い生活水準を維持するためには、どうしても、それなりの経済的価値を稼ぎ出すことが求められるからだ。
収益を稼ぎ出すことができるのは、企業しかない。企業が強力な競争力を持って利益を上げられるからこそ、政府はそこから上がる税収で、国民の福利厚生を厚くする政策が打てるのである。
むろん家計部門も、企業が作る付加価値の分け前を得て、消費活動ができるのである。それを忘れるべきではない。
わが国企業の税負担は、世界的にかなり高水準にある。わが国の有力な電気メーカーの経営者は、「実効税率40%のわが国と、25%の韓国企業では競争にならない」と言っていた。
仮に、日本企業と韓国企業が100億円の利益を手にしたとする。その場合、韓国企業の納税額が25億円に対して、わが国企業は40億円の納税を行なわなければならない。その差額は、実に15億円。儲けの差で、どうしても設備投資などに当てられる資金量に違いが出てしまう。
一方、責任は政府ばかりにあるわけではない。企業の経営者にも大きな責任がある。
経営者には、常に動きの早い経済動向を適切に分析して、迅速で有効な経営判断を行なうことが求められる。そうした役割期待を十分に果たすことができれば、わが国企業が韓国企業に勝てるチャンスは十分あるはずだ。
フィギュアスケートの浅田選手は、雪辱を期して次の五輪に挑むという。我々も、そうした気概を忘れるべきではない。
フェースブック、グーグル抜く 米国内のサイト訪問シェア
インターネット調査の米ヒットワイズが15日発表した3月第2週の米ウェブサイト訪問者数シェアで、交流サイト(SNS)最大手の米フェースブックがネット検索最大手の米グーグルを抜いて初めて首位に立った。フェースブックは全世界に4億人の利用者をもち、的を絞ったマーケティング活動の場としての価値が一段と高まりそうだ。
ヒットワイズの調査によると、3月7~13日の週はフェースブックが前週比0.13ポイント増の7.07%で首位。グーグルは0.03ポイント増の7.03%で2位だった。フェースブックはクリスマスや元日などに1日単位で首位に立ったことはあるが、週間首位は初めてだという。
フェースブックは匿名参加が一般的な日本のSNSとは異なり、実名登録・参加が基本。米国では若い世代を中心に、不特定多数に配信できる電子メールを避け、フェースブック経由でメッセージや画像などを交換することが一般的。ゲームなどフェースブック向けコンテンツ(情報の内容)も人気を集めている。
診療履歴、共通データ網 IT戦略案、全国病院で引き出し
政府のIT戦略本部(本部長・鳩山由紀夫首相)が取りまとめるIT(情報技術)戦略の骨格が16日、分かった。診療履歴に基づいた適切な医療を全国のどこでも受けられるようにするためのデータベースを整備するなど、医療分野でのIT化推進を柱とする。5月に必要な法整備や予算措置を盛り込んだ工程表をつくる予定で、新成長戦略と歩調を合わせて2020年までに完成させる方向だ。
19日の戦略本部会合で(1)国民本位の電子行政の実現(2)地域の絆(きずな)の再生(3)新市場の創出と国際展開――を柱に据えた骨子を示し、4月をメドに決定する。
コンデナスト日本法人、iPadに雑誌有料配信
米出版大手コンデナスト・パブリケーションズの日本法人は16日、米アップルの新型携帯端末「iPad(アイパッド)」に、米有力ファッション誌の日本版「VOGUE NIPPON」など3誌を有料配信すると発表した。IT(情報技術)ベンチャーのヤッパ(東京・渋谷)が閲覧ソフト開発で協力、4月末のiPad日本発売にあわせ配信を始める。
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化学各社が紙おむつ原料となる吸水性の高い高機能樹脂でアジア市場の開拓を本格化する。世界最大手の日本触媒は50億~100億円を投じ、2013年にもインドネシアに新工場を建設。三菱化学と三洋化成工業の共同出資会社サンダイヤポリマー(東京・中央)は中国向けの設備を増強する。米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など衛生用品大手のアジア事業拡大を好機とみて需要取り込みに動く。
日本触媒のインドネシアの新工場は年産能力3万~6万トンで、東南アジアや中国、インドに製品を供給する。工場は原料のアクリル酸を製造するインドネシアの子会社の敷地内に新設する。
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ソフトバンクによるウィルコム支援の本当の狙い(COLUMN)
経営破綻に至ったウィルコムに対し、東京地裁は12日に会社更生手続きの開始を決定した。企業再生支援機構が経営支援を正式決定し、ソフトバンク、アドバンテッジパートナーズ(AP)の出資によるウィルコムの再生計画がようやく本決まりになった。
今回の再生計画によると、現行のPHS事業はウィルコムがAPのファンド(APファンド)の出資を受けて継続する。一方、次世代PHSの「XGP」事業はウィルコムから切り離し、APファンドとソフトバンク、その他の企業が出資する新会社に譲渡する。
12日に発表された「再生支援に関する基本合意書」によると、この新会社はXGP事業だけでなく、ウィルコムの「基地局ロケーション」も譲り受けるという。「基地局ロケーション」という言葉が何を指すのかは今一つはっきりしないが、後述するようにこれが再生計画の重要なポイントとなるのは間違いないだろう。
■機構はなぜ支援に踏み切ったか
その前にまず、機構がウィルコムの支援に加わった理由を振り返っておこう。機構はウィルコムに出資はしないものの、最大120億円の融資枠を設ける。もともと中堅・中小企業の再生が設立目的の機構がウィルコムを支援することには批判もあったが、あえて支援に踏み切るのは、ウィルコムが破綻すれば世間に与える影響が大きいためだ。
ウィルコムの契約件数は2月末現在で417万件。1億1151万契約という携帯市場全体からみれば4%弱のシェアにすぎないが、PHSの「省電力」という特性を生かして携帯電話が進出できない分野に食い込んでいる。特に、医療分野は「機器に影響を及ぼさない」という理由でウィルコムの独擅場だ。
企業内の内線通話も、無線LANをベースとしたIP電話端末は運用やネットワーク構築が難しく、あまり導入が進んでいない。これに対し、交換機ベースの構内PHSは今も契約が微増傾向にあり、端末が足りないほどともいわれている。オフィス内だけでなく、外出先でも内線のように使えるウィルコムのソリューションは評判がいい。
携帯電話会社はデータ通信サービスを高速化し、家族や企業向けに24時間無料通話プランも用意している。とはいえ、ウィルコムのユーザーをすべて他社に移行させるのは難しく、機構も支援に応じる必要があると判断したようだ。
しかし、ウィルコムのPHS事業は限られた既存市場では必要とされても、再び成長軌道に乗れるような新規市場は見当たらない。当然、相当なリストラを突きつけられることになる。内部の情報では、1000人を超える正社員が7割程度に圧縮される見通しで、ユーザーが200万件以下に減っても耐えられる程度まで減量を余儀なくされるだろう。
■飛躍のチャンスはあったが・・・
15年に渡るウィルコムの歴史を振り返ると、現在の状況が「最悪」ではなかったことがわかる。実際、契約者数がもっとも落ち込んだのは2004年1月ころのことで、289万8100件と今の3分の2の水準だった。
当時から携帯電話にユーザーを奪われ、厳しい状態に変わりはなかった。唯一、定額データ通信サービスが堅調だったが、それでもユーザーが爆発的に増えることはなかった。 そんななかで、救世主となったのが日本IBMや日本テレコムなど経て05年に社長に就任した八剣洋一郎氏だ。当時のDDIポケットという社名をウィルコムに変更。新たに導入した月額2900円で24時間無料通話の「ウィルコム定額プラン」は、何時間でも話していたい学生やカップルを中心にユーザー数を急回復させる原動力となった。さらに日本のスマートフォンの先駆けともいえる「W-ZERO3」シリーズをヒットさせるなど、当時のウィルコムはニッチなニーズを的確に捉え、携帯電話会社の先を行く戦略を見せていた。
かつてPHSは「ピッチ」と呼ばれて親しまれたが、いつしか高速移動に弱くつながりにくいというイメージが付いてしまった。八剣社長は、社名変更でイメージを一新するとともに、ユーザーを再び拡大して次世代PHSにつなげ、株式を公開することを狙っていた。
しかし、ここで思わぬ伏兵が登場する。社内の抵抗勢力が八剣体制に反旗を翻し、八剣社長は結局ウィルコムから去ることになったのだ。
新体制は上場の道筋もつけられないまま、いたずらに時間が過ぎていった。そうこうしているうちにソフトバンクモバイルが「ホワイトプラン」で台頭し、次第にウィルコムの優位性が薄れていく。さらにイー・モバイルなど携帯電話各社が始めた定額の高速データ通信サービスが、速度に不満を持つウィルコムユーザーの流出に拍車をかけた。
もし、05~06年当時にウィルコムが上場していれば、XGP事業に必要な設備投資資金も容易に調達できていたかもしれない。今回の破綻劇も避けられたはずだ。
再生計画により、ウィルコムのPHS事業とXGP事業は分離される。一見、前途多難のようだが、実はウィルコム社内では「結果オーライ」ととらえる向きもあるようだ。
もともと2.5GHzの周波数帯がウィルコムに割り当てられた当時から、社内にはXGPと既存の事業を分割したほうがいいという意見があったという。XGPを「通信事業者のためのキャリア」として展開し、MVNO(仮想移動体通信事業者)を開拓するには、既存事業からの独立性が高いほうが有利という考え方からだ。しかし、ここでも社内は一つにまとまらなかった。今回の経営破綻でウィルコムは2つに分割されるが、「経緯はともあれ、当初の狙い通りの形になった。ハードランディングではあるが理想型」と言う関係者もいる。
■「基地局ロケーション」の価値とは
XGP事業の新会社は、ソフトバンクが30億円、APが優先株を含めて50億円を出資し、他の事業者からも合計30億円の出資を募る。ソフトバンクの出資額が30億円と中途半端なのは、総務省が2.5GHz帯の免許を割り当てる際に「3G事業者は3分の1までしか出資できない」という規制を設けたためだ。
だが、ソフトバンクはこれにより大きな見返りを得る。新会社にはウィルコムが所有する大半の「基地局ロケーション」が譲渡されることになるためだ。つまり、全国に16万あるとされる基地局の大半が、ソフトバンクが出資する会社のものになるのである。
この「基地局ロケーション」という言葉は実に巧妙で、一般には「基地局を設置している場所」を指すが、拡大解釈も可能だ。適用範囲について内部で協議が続いているようだが、いずれにせよソフトバンクがかなりのメリットを得られるのは間違いない。
実はウィルコムはXGP事業の展開に備えて、基地局周りをこつこつと整備してきた。従来、基地局間はNTTの交換機を経由していてNTTにアクセスチャージ(接続料)を支払う必要があったが、IPネットワークで構築したウィルコムの回線にバイパスする「ITX(IP Transit eXchange)」という仕組みを全国規模で導入してきたのである。
このITXとその先につながるウィルコムの独自ネットワークはバーチャルLANに対応し、1つの基地局の設置場所にPHSやXGP、さらには3Gと無線LAN(Wi-Fi)を接続することも可能という。ソフトバンクモバイルは現在、「iPhone」が人気でネットワークのトラフィックが逼迫している。ウィルコムのITX網を早期に利用できるようになれば、ネットワーク品質は大幅に改善するだろう。
例えば、都心のように基地局が密集した場所は、3GとWi-Fiのハイブリッドで運用すれば、相当な改善を期待できる。ソフトバンクがすでに使っている他社ネットワークもITX経由にすれば、かなりのコスト削減になるだろう。
■中国との連携も視野に
新会社は、中長期的にみればXGPだけに専念する必要もない。中国は現在、TD-LTEという次世代技術の実用化に動き出している。これが中国で本格的に稼働すれば、基地局などのコストは劇的に下がると予想されている。
ただ、TD-LTEは電波に指向性を持たせることができるアダプティブアレイといった技術を持ち合わせておらず、その点で勝るXGPについて中国から技術者が頻繁に東京・虎ノ門のウィルコム本社を訪れてヒヤリングを繰り返していたという。
こうした経緯もあり、新会社は今後、中国におけるTD-LTEの動向を横目で見つつ、XGPを展開していくことになるだろう。日本にTD-LTEを導入する、あるいは逆に中国でTD-LTEの次世代バージョンとしてXGPを売り込むといった展開も考えられる。中国での事業展開に積極的な孫正義社長だけに、この分野でもシナジーを狙ってくる可能性は十分にある。
新会社の「基地局ロケーション」を手にすることで、ソフトバンクモバイルはネットワーク品質やエリア拡充の足がかりをつかめる。さらには、次世代通信での選択肢も広がることになる。そう考えると、ソフトバンクは30億円で実にいい買い物をしたのではないか。まずはITXによるネットワークを生かすためにどれだけ追加資金を投入してくるかが注目される。
カプコン、「モンスターハンターポータブル3rd」を発表 発売は2010年末を予定
都内で開催された発表会には立ち見が出るほどの多くの報道陣、関係者が詰めかけた。オープニングでいきなりムービーが流され、全く新しい和風の村「ユクモ村」の様子や新しいモンスター、新フィールドなどが映し出され、数々の新しい要素が確認された。しかし発表会で挨拶を行なった辻本良三プロデューサーは「発表したばかりで明らかにできる点は少ない」とコメント。今後発表されるであろう情報が楽しみなところ。
この日開かれた発表会には、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の平井一夫社長が登場。16歳の息子から「PSP版の新作は出ないのか」と聞かれたというエピソードを明かし、「SCEとしても、これまでを上回るようなムーブメントを協力して作り上げていきたい」と語った。
光回線敷設新会社、NTT反発
政府が、光ファイバー回線を敷設する専門会社を新設する方向で検討に入ったのは、経済成長の基盤となる情報インフラの整備を加速させるためだ。
だが、NTTの再分割や、全国一律サービスの固定電話の負担のあり方にも絡むだけに、利用者である国民の視点を踏まえた議論が不可欠だ。
政府は、全家庭に光回線が普及すれば、行政、医療、教育などの分野での情報のやり取りが一気に効率化できると期待している。自宅で夜間でも住民票などの行政書類を入手したり、医療機関は患者のカルテを共有したりできる。学校の教材も紙から電子教科書に置き換わり、理解を深める動画データなどを取り込むことも可能になりそうだ。
光回線の敷設も、事実上「NTT任せ」となっている現在の枠組みを変えようというものだ。
これに対しNTTの三浦惺社長は、「携帯電話だけでいいと言う人にも超高速通信網を押しつけるのか。利用者の選択に任せるべきだ」などと、政府主導での光回線敷設に反発している。
NTTによると、山間部などを除けば、光回線は各家庭の近くまで敷設されているという。光回線の普及が思うように進まないのは、動画など大容量の情報のやり取りを必要としない利用者が、「銅線の電話線で十分」などと判断したからだと、NTTは主張している。独自に回線を敷設してきたケーブルテレビ(CATV)会社も、「これまでの投資がムダになる」との懸念を抱いている。
さらに、光回線の普及率が100%になれば、銅線の電話線は、全国一律サービスを担う通信インフラとしての役目を終える可能性が高い。この撤去費用などを誰が負担するのかも考えなければならなくなる。原口総務相の私的懇談会が新会社の具体像を検討し、5月中旬に方向性を打ち出す予定だ。
モデルは英BTの「機能分離」
NTT東西の光回線事業を分離する手法の一つとして検討されているのが、英国の大手通信会社ブリティッシュ・テレコム(BT)が2006年に行った「機能分離」の方法だ。
資産は本体に残すが、事業の管理運営や会計処理は本体と切り離す仕組みだ。「組織にとって痛みが少ない」(日本政府関係者)とされる。
NTTを機能分離した場合、光回線の敷設を終えた専門会社は、公平な条件で回線を貸し出す管理運営業務を担うことになるとみられる。
ソニー、マイケルのアルバム販売権に最大230億円 音楽史上最高額と米紙報道
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)などは15日、米音楽大手ソニー・ミュージックエンタテインメントが人気歌手の故マイケル・ジャクソンさんの資産管理団体と、音楽アルバムの販売権などとして最大2億5千万ドル(約230億円)を支払う巨額契約を結ぶことで合意したと伝えた。音楽史上最高額だとしている。
合意したのは、7年間で10枚のアルバムを販売する権利など。契約には、未発表曲も含まれているという。
ソニーはテレビゲームや映画など幅広い用途に向けてコンテンツを展開する。資産管理団体は、ジャクソンさんが生前に背負った負債の返済などに得られた資金を充てていく。
米通信委、1億世帯に高速通信網を構想
米政府で通信・放送行政を担当する米連邦通信委員会(FCC)は15日、2020年までに米国内の1億世帯に対して現在より20倍以上速いブロードバンド(高速大容量)回線を整備するとの構想をまとめた。ネットビジネスなどの発展を通じて経済成長を促すとともに、雇用創出やIT(情報技術)の向上も目指す。米国は日韓などに比べて高速通信網の整備が遅れており、集中投資により世界最大のネット市場の構築を狙う。
必要な事業費に関して一部の報道では200億ドル(約1兆8千億円)を上回るとの見方も流れている。
FCCは16日、ブロードバンド網の整備に関する計画を米議会に提出する。米国内のほとんどの世帯に対し、手ごろな価格で毎秒100メガ(メガは100万)ビットのサービスが受けられるようにすることなどが柱だ。実現すれば、米国の現状の20倍以上の高速データ通信が可能になるという。20メガ~60メガビット程度とされる日韓も上回る。
経営破綻に至ったウィルコムに対し、東京地裁は12日に会社更生手続きの開始を決定した。企業再生支援機構が経営支援を正式決定し、ソフトバンク、アドバンテッジパートナーズ(AP)の出資によるウィルコムの再生計画がようやく本決まりになった。
今回の再生計画によると、現行のPHS事業はウィルコムがAPのファンド(APファンド)の出資を受けて継続する。一方、次世代PHSの「XGP」事業はウィルコムから切り離し、APファンドとソフトバンク、その他の企業が出資する新会社に譲渡する。
12日に発表された「再生支援に関する基本合意書」によると、この新会社はXGP事業だけでなく、ウィルコムの「基地局ロケーション」も譲り受けるという。「基地局ロケーション」という言葉が何を指すのかは今一つはっきりしないが、後述するようにこれが再生計画の重要なポイントとなるのは間違いないだろう。
■機構はなぜ支援に踏み切ったか
その前にまず、機構がウィルコムの支援に加わった理由を振り返っておこう。機構はウィルコムに出資はしないものの、最大120億円の融資枠を設ける。もともと中堅・中小企業の再生が設立目的の機構がウィルコムを支援することには批判もあったが、あえて支援に踏み切るのは、ウィルコムが破綻すれば世間に与える影響が大きいためだ。
ウィルコムの契約件数は2月末現在で417万件。1億1151万契約という携帯市場全体からみれば4%弱のシェアにすぎないが、PHSの「省電力」という特性を生かして携帯電話が進出できない分野に食い込んでいる。特に、医療分野は「機器に影響を及ぼさない」という理由でウィルコムの独擅場だ。
企業内の内線通話も、無線LANをベースとしたIP電話端末は運用やネットワーク構築が難しく、あまり導入が進んでいない。これに対し、交換機ベースの構内PHSは今も契約が微増傾向にあり、端末が足りないほどともいわれている。オフィス内だけでなく、外出先でも内線のように使えるウィルコムのソリューションは評判がいい。
携帯電話会社はデータ通信サービスを高速化し、家族や企業向けに24時間無料通話プランも用意している。とはいえ、ウィルコムのユーザーをすべて他社に移行させるのは難しく、機構も支援に応じる必要があると判断したようだ。
しかし、ウィルコムのPHS事業は限られた既存市場では必要とされても、再び成長軌道に乗れるような新規市場は見当たらない。当然、相当なリストラを突きつけられることになる。内部の情報では、1000人を超える正社員が7割程度に圧縮される見通しで、ユーザーが200万件以下に減っても耐えられる程度まで減量を余儀なくされるだろう。
■飛躍のチャンスはあったが・・・
15年に渡るウィルコムの歴史を振り返ると、現在の状況が「最悪」ではなかったことがわかる。実際、契約者数がもっとも落ち込んだのは2004年1月ころのことで、289万8100件と今の3分の2の水準だった。
当時から携帯電話にユーザーを奪われ、厳しい状態に変わりはなかった。唯一、定額データ通信サービスが堅調だったが、それでもユーザーが爆発的に増えることはなかった。 そんななかで、救世主となったのが日本IBMや日本テレコムなど経て05年に社長に就任した八剣洋一郎氏だ。当時のDDIポケットという社名をウィルコムに変更。新たに導入した月額2900円で24時間無料通話の「ウィルコム定額プラン」は、何時間でも話していたい学生やカップルを中心にユーザー数を急回復させる原動力となった。さらに日本のスマートフォンの先駆けともいえる「W-ZERO3」シリーズをヒットさせるなど、当時のウィルコムはニッチなニーズを的確に捉え、携帯電話会社の先を行く戦略を見せていた。
かつてPHSは「ピッチ」と呼ばれて親しまれたが、いつしか高速移動に弱くつながりにくいというイメージが付いてしまった。八剣社長は、社名変更でイメージを一新するとともに、ユーザーを再び拡大して次世代PHSにつなげ、株式を公開することを狙っていた。
しかし、ここで思わぬ伏兵が登場する。社内の抵抗勢力が八剣体制に反旗を翻し、八剣社長は結局ウィルコムから去ることになったのだ。
新体制は上場の道筋もつけられないまま、いたずらに時間が過ぎていった。そうこうしているうちにソフトバンクモバイルが「ホワイトプラン」で台頭し、次第にウィルコムの優位性が薄れていく。さらにイー・モバイルなど携帯電話各社が始めた定額の高速データ通信サービスが、速度に不満を持つウィルコムユーザーの流出に拍車をかけた。
もし、05~06年当時にウィルコムが上場していれば、XGP事業に必要な設備投資資金も容易に調達できていたかもしれない。今回の破綻劇も避けられたはずだ。
再生計画により、ウィルコムのPHS事業とXGP事業は分離される。一見、前途多難のようだが、実はウィルコム社内では「結果オーライ」ととらえる向きもあるようだ。
もともと2.5GHzの周波数帯がウィルコムに割り当てられた当時から、社内にはXGPと既存の事業を分割したほうがいいという意見があったという。XGPを「通信事業者のためのキャリア」として展開し、MVNO(仮想移動体通信事業者)を開拓するには、既存事業からの独立性が高いほうが有利という考え方からだ。しかし、ここでも社内は一つにまとまらなかった。今回の経営破綻でウィルコムは2つに分割されるが、「経緯はともあれ、当初の狙い通りの形になった。ハードランディングではあるが理想型」と言う関係者もいる。
■「基地局ロケーション」の価値とは
XGP事業の新会社は、ソフトバンクが30億円、APが優先株を含めて50億円を出資し、他の事業者からも合計30億円の出資を募る。ソフトバンクの出資額が30億円と中途半端なのは、総務省が2.5GHz帯の免許を割り当てる際に「3G事業者は3分の1までしか出資できない」という規制を設けたためだ。
だが、ソフトバンクはこれにより大きな見返りを得る。新会社にはウィルコムが所有する大半の「基地局ロケーション」が譲渡されることになるためだ。つまり、全国に16万あるとされる基地局の大半が、ソフトバンクが出資する会社のものになるのである。
この「基地局ロケーション」という言葉は実に巧妙で、一般には「基地局を設置している場所」を指すが、拡大解釈も可能だ。適用範囲について内部で協議が続いているようだが、いずれにせよソフトバンクがかなりのメリットを得られるのは間違いない。
実はウィルコムはXGP事業の展開に備えて、基地局周りをこつこつと整備してきた。従来、基地局間はNTTの交換機を経由していてNTTにアクセスチャージ(接続料)を支払う必要があったが、IPネットワークで構築したウィルコムの回線にバイパスする「ITX(IP Transit eXchange)」という仕組みを全国規模で導入してきたのである。
このITXとその先につながるウィルコムの独自ネットワークはバーチャルLANに対応し、1つの基地局の設置場所にPHSやXGP、さらには3Gと無線LAN(Wi-Fi)を接続することも可能という。ソフトバンクモバイルは現在、「iPhone」が人気でネットワークのトラフィックが逼迫している。ウィルコムのITX網を早期に利用できるようになれば、ネットワーク品質は大幅に改善するだろう。
例えば、都心のように基地局が密集した場所は、3GとWi-Fiのハイブリッドで運用すれば、相当な改善を期待できる。ソフトバンクがすでに使っている他社ネットワークもITX経由にすれば、かなりのコスト削減になるだろう。
■中国との連携も視野に
新会社は、中長期的にみればXGPだけに専念する必要もない。中国は現在、TD-LTEという次世代技術の実用化に動き出している。これが中国で本格的に稼働すれば、基地局などのコストは劇的に下がると予想されている。
ただ、TD-LTEは電波に指向性を持たせることができるアダプティブアレイといった技術を持ち合わせておらず、その点で勝るXGPについて中国から技術者が頻繁に東京・虎ノ門のウィルコム本社を訪れてヒヤリングを繰り返していたという。
こうした経緯もあり、新会社は今後、中国におけるTD-LTEの動向を横目で見つつ、XGPを展開していくことになるだろう。日本にTD-LTEを導入する、あるいは逆に中国でTD-LTEの次世代バージョンとしてXGPを売り込むといった展開も考えられる。中国での事業展開に積極的な孫正義社長だけに、この分野でもシナジーを狙ってくる可能性は十分にある。
新会社の「基地局ロケーション」を手にすることで、ソフトバンクモバイルはネットワーク品質やエリア拡充の足がかりをつかめる。さらには、次世代通信での選択肢も広がることになる。そう考えると、ソフトバンクは30億円で実にいい買い物をしたのではないか。まずはITXによるネットワークを生かすためにどれだけ追加資金を投入してくるかが注目される。
カプコン、「モンスターハンターポータブル3rd」を発表 発売は2010年末を予定
都内で開催された発表会には立ち見が出るほどの多くの報道陣、関係者が詰めかけた。オープニングでいきなりムービーが流され、全く新しい和風の村「ユクモ村」の様子や新しいモンスター、新フィールドなどが映し出され、数々の新しい要素が確認された。しかし発表会で挨拶を行なった辻本良三プロデューサーは「発表したばかりで明らかにできる点は少ない」とコメント。今後発表されるであろう情報が楽しみなところ。
この日開かれた発表会には、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の平井一夫社長が登場。16歳の息子から「PSP版の新作は出ないのか」と聞かれたというエピソードを明かし、「SCEとしても、これまでを上回るようなムーブメントを協力して作り上げていきたい」と語った。
光回線敷設新会社、NTT反発
政府が、光ファイバー回線を敷設する専門会社を新設する方向で検討に入ったのは、経済成長の基盤となる情報インフラの整備を加速させるためだ。
だが、NTTの再分割や、全国一律サービスの固定電話の負担のあり方にも絡むだけに、利用者である国民の視点を踏まえた議論が不可欠だ。
政府は、全家庭に光回線が普及すれば、行政、医療、教育などの分野での情報のやり取りが一気に効率化できると期待している。自宅で夜間でも住民票などの行政書類を入手したり、医療機関は患者のカルテを共有したりできる。学校の教材も紙から電子教科書に置き換わり、理解を深める動画データなどを取り込むことも可能になりそうだ。
光回線の敷設も、事実上「NTT任せ」となっている現在の枠組みを変えようというものだ。
これに対しNTTの三浦惺社長は、「携帯電話だけでいいと言う人にも超高速通信網を押しつけるのか。利用者の選択に任せるべきだ」などと、政府主導での光回線敷設に反発している。
NTTによると、山間部などを除けば、光回線は各家庭の近くまで敷設されているという。光回線の普及が思うように進まないのは、動画など大容量の情報のやり取りを必要としない利用者が、「銅線の電話線で十分」などと判断したからだと、NTTは主張している。独自に回線を敷設してきたケーブルテレビ(CATV)会社も、「これまでの投資がムダになる」との懸念を抱いている。
さらに、光回線の普及率が100%になれば、銅線の電話線は、全国一律サービスを担う通信インフラとしての役目を終える可能性が高い。この撤去費用などを誰が負担するのかも考えなければならなくなる。原口総務相の私的懇談会が新会社の具体像を検討し、5月中旬に方向性を打ち出す予定だ。
モデルは英BTの「機能分離」
NTT東西の光回線事業を分離する手法の一つとして検討されているのが、英国の大手通信会社ブリティッシュ・テレコム(BT)が2006年に行った「機能分離」の方法だ。
資産は本体に残すが、事業の管理運営や会計処理は本体と切り離す仕組みだ。「組織にとって痛みが少ない」(日本政府関係者)とされる。
NTTを機能分離した場合、光回線の敷設を終えた専門会社は、公平な条件で回線を貸し出す管理運営業務を担うことになるとみられる。
ソニー、マイケルのアルバム販売権に最大230億円 音楽史上最高額と米紙報道
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)などは15日、米音楽大手ソニー・ミュージックエンタテインメントが人気歌手の故マイケル・ジャクソンさんの資産管理団体と、音楽アルバムの販売権などとして最大2億5千万ドル(約230億円)を支払う巨額契約を結ぶことで合意したと伝えた。音楽史上最高額だとしている。
合意したのは、7年間で10枚のアルバムを販売する権利など。契約には、未発表曲も含まれているという。
ソニーはテレビゲームや映画など幅広い用途に向けてコンテンツを展開する。資産管理団体は、ジャクソンさんが生前に背負った負債の返済などに得られた資金を充てていく。
米通信委、1億世帯に高速通信網を構想
米政府で通信・放送行政を担当する米連邦通信委員会(FCC)は15日、2020年までに米国内の1億世帯に対して現在より20倍以上速いブロードバンド(高速大容量)回線を整備するとの構想をまとめた。ネットビジネスなどの発展を通じて経済成長を促すとともに、雇用創出やIT(情報技術)の向上も目指す。米国は日韓などに比べて高速通信網の整備が遅れており、集中投資により世界最大のネット市場の構築を狙う。
必要な事業費に関して一部の報道では200億ドル(約1兆8千億円)を上回るとの見方も流れている。
FCCは16日、ブロードバンド網の整備に関する計画を米議会に提出する。米国内のほとんどの世帯に対し、手ごろな価格で毎秒100メガ(メガは100万)ビットのサービスが受けられるようにすることなどが柱だ。実現すれば、米国の現状の20倍以上の高速データ通信が可能になるという。20メガ~60メガビット程度とされる日韓も上回る。
「文化が滅びる」―都条例「非実在青少年」にあだち充さんや藤子不二雄Aさん、高橋留美子さんのほか、講談社や集英社、小学館も反対表明
「改正案が通れば、文化の根を断つことになる」――アニメ・漫画に登場する18歳未満のキャラクターは「非実在青少年」だとして、性的描写などの内容によっては不健全図書に指定して青少年への販売を禁じる「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(青少年育成条例)改正案に反対する漫画家などが3月15日、都議会民主党総務部会を訪ねて意見を伝え、都庁で会見を開いた(漫画・アニメの「非実在青少年」も対象に 東京都の青少年育成条例改正案)。
会見には、漫画家の里中満智子さんや永井豪さん、ちばてつやさん、竹宮惠子さんなどが参加。里中さんは「青少年を健全に育てたいという温かい気持ちから出た規制だろうが、表現規制は慎重に考えないと恐ろしい世の中になる」、ちばさんは「文化が興るときにはいろんな種類の花が咲き、地の底で根としてつながっている。根を絶つと文化が滅びる」などと強い懸念を示した。
4人に加え、この問題についてmixi日記で指摘し、周知の火付け役となった漫画評論家の藤本由香里さん、日本漫画学会長で評論家の呉智英さん、社会学者の宮台真司さん、明治大学准教授の森川嘉一郎さん、「松文館事件」で被告側弁護人を務めた弁護士の山口貴士さん、日本書籍出版協会の矢部敬一さんも会見に出席し、意見を述べた。
改正案に反対する漫画家として、あだち充さんや藤子不二雄Aさん、高橋留美子さん、萩尾望都さん、安彦良和さんなど約60人のリストも配られたほか、講談社や集英社、小学館などコミック発行10社も反対を表明している。
「ハレンチ学園」「風と樹の詩」も対象に?
「『ハレンチ学園』で世に出た」と話す永井さん
改正案の問題点として、(1)あいまいな規定でいくらでも恣意的に解釈でき、幅広い作品が対象になり得ること、(2)漫画などの表現に対する萎縮効果が高く、日本のコンテンツ産業に大きなマイナス影響を与える可能性があること、(3)審議期間が極端に短く、拙速に成立に向かっていること――などが指摘された。
藤本さんは「都は、過激な性表現のある作品のみが対象と言っているようだが、条文を照らすとそれは事実ではない」と指摘。現行条例でも不健全図書の規定がある中、改正案では「非実在青少年」に関する規定を新設しており、青少年の性を肯定的に描いたさまざまな作品が対象となり得ると懸念する。
永井豪さんは、40年前の「ハレンチ学園」発表当時、「めちゃくちゃに叩かれた」と振り返る。「当時も、青少年は異性への関心を持つのが健全な精神の育成だと思って描いていると説明した。異性に関心を持つことが罪悪と思って育つと、大人になった時の衝撃が強すぎる。成長段階に応じて少量ずつ与えていくことが重要」(永井さん)
「善意の規制」が闇を大きくする
改正案が「子どもを健全に育てたい」という善意の発想から成り立っていることへの危険性の指摘もあった。「規制側は、目の前の正義感や倫理観で話すのだろうが、表面的な正義が見えないところで闇を大きくする。キャラクターまで対象にするのは、子どもの環境をあまりに狭く考えすぎている」と里中さんは懸念する。
宮台さんは、「青少年の性行為を描いたコンテンツが青少年に悪影響を与えるという素朴な悪影響論は学問的には否定されている」とした上で、「誰と見るかなど、コンテンツの受容文脈をコントロールすることが最善」と指摘。「最善の策を取らずにいきなり次善の表現規制に飛び込むのは怠慢」と批判した。
条例では18歳未満を青少年と規定しているが、日本では女性は16歳で結婚でき、「高校3年生の半分近くが性体験をしている」(宮台さん)という状況で、高校生の性行為を肯定的に描写した作品が対象になれば表現への萎縮効果は高い。「普通のことをしている人に対して、『お前達は悪いことをやっている』というメッセージを出すことになり、副作用は大きい」(宮台さん)
山口弁護士は、「青少年性的視覚描写物」のまん延の防止を都の責務と規定した条文に絡み、「何を見て何を見てはいけないかについて、都が口を挟むのは非常に危険」と警鐘を鳴らした。
日本のコンテンツ産業発展を阻害する
「死ぬ前にひと言言っておかないと危ない」と冗談めかして語るちばさん
「文化が興るときにはいろんな種類の花が咲き、地の底で根としてつながっている。根を絶つと文化が滅ぶ」(ちばさん)――関係者には、漫画やアニメなど日本の文化やコンテンツ産業の発展を阻害するという危機感も強い。
「ハレンチ学園がなければ、その後の『マジンガーZ』もなく、各国に呼ばれて漫画やアニメについて講演することもなかった」と話す永井さんは、「自由な漫画の発想があったからこそ日本の漫画やアニメは発展し、世界に注目されてきた。表現規制を行った韓国は、漫画の発展が遅れた」という見方を示す。
「規制側には、良い漫画と悪い漫画を区別できるという暗黙の前提があるようだが……」――森川さんはその考え方自体が間違っていると指摘。青少年の性行為を描いた漫画や同人誌を描いた漫画家が、「文化庁メディア芸術祭」で受賞するケースも多いなど、多様な表現を許容する環境が漫画家のすそ野を広げていると紹介し、「改正案が通った場合の副作用がほとんど検討されていない」と危惧した。
「この条例を、『東京国際アニメフェア』を主催している都がやっているという意味は大きい」と藤本さんは指摘。会見やその後の集会では、享楽的な若者を描いた都知事の小説「太陽の季節」を皮肉る発言も複数の参加者からあった。
異常なスピード
改正案は2月24日に提出され、3月19日の都議会総務委で採決、3月末にも本会議で採決というスケジュールにも批判があった。「異常とも言えるほど短く、このような決め方は民主主義の原則に照らして大いに問題がある」(藤本さん)
集会は約300人が詰めかけ立ち見も
都議会会議室で開かれた集会には、会見の出席者に加え、漫画家のさそうあきらさんや齋藤なずなさん、都議の吉田康一郎(民主党)さんや福士敬子さん(無所属)、前衆院議員の保坂展人さん(社民党)など政治家も参加。用意された100席に、メディア関係者や出版関係者、一般市民など約300人が詰めかけ、立ち見の参加者で会場が埋まった。集会の様子はUstreamやニコニコ放送でもライブ配信され、注目を集めた。
改正案のベースとなった答申が出た段階から問題を感じていたという吉田都議は「児童の性的搾取を止めるためという手段の正当性の前に、方法論が議論されず、問題がなし崩しになっている。状況はまだ厳しいが、当たり前の妥当な結論が出よう頑張りたい」など話していた。
企業健保、保険料率上げ 日産やイオン、高齢者医療が重荷
大手企業の健康保険組合で、医療保険の保険料率を引き上げる動きが広がっている。日産自動車やNEC、イオンはそれぞれ、2009年度に続き10年度も料率を引き上げることを決めた。業績低迷で健康保険料のベースとなる給与が伸び悩むなか、高齢者医療への資金負担が増大し、健保財政が悪化しているためだ。全健保組合の平均保険料率は10年度、3年連続の上昇となる可能性が高い。
日産の健康保険組合は3月分から料率を8.02%と従来より0.74ポイント引き上げた。イオン健康保険組合も8.4%から8.8%とした。NECは4月分以降の引き上げを決めており、それぞれ2年連続の料率上げ。大日本印刷など、他の大手企業でも09年度に続き、料率引き上げに動く健保が目立つ。
ドラッグ店2社統合 ココカラとアライドハーツ、10月業界3位に
ドラッグストア大手のココカラファインホールディングスと同業で関西地盤のアライドハーツ・ホールディングスは10月1日付で経営統合することで合意した。統合後の売上高は約2700億円とマツモトキヨシなどに続く業界3位に浮上する。コンビニエンスストアなどによる一般用医薬品(大衆薬)販売参入のきっかけとなった2009年6月の改正薬事法の施行以降、初の業界再編となる。
16日午前に発表する。統合比率は最終的な調整に入っている。統合後は「ココカラファイン」を新社名とする持ち株会社を核に、現ココカラHD傘下の「セガミメディクス」「セイジョー」、アライドハーツHD傘下の「ライフォート」「ジップドラッグ」の4つの事業会社をぶら下げる形にする。
台湾・友達光電、中国にパネル工場 2700億円で江蘇省に
【台北=新居耕治】液晶パネル世界3位である台湾の友達光電(AUO)は15日、中国江蘇省昆山に液晶テレビ向けのパネル工場を建設することを決め、台湾の経済部(経済産業省)に申請した。台湾勢では初の中国進出案件。既に中国進出を決めた韓国勢に対抗する。中国では地元企業のパネル工場新設計画も相次いでおり、中国市場を巡る競争が一段と激化しそうだ。
AUOが申請したのは「第7.5世代」と呼ばれる大型パネルを使ったパネル工場。AUOは中国企業との合弁ではなく単独での進出を目指しており、投資額は30億ドル(約2700億円)。2011年末の量産を目指しており、生産能力は月産8万~9万枚になるとみられる。
台湾当局は今年2月、対中投資規制の緩和を発表しており、AUOの申請はこれを受けた措置。AUOは台湾当局の認可を得たうえで、中国当局に正式に投資を申請する計画だ。
ハーバード大学長「日本人生徒の減少懸念」 1年生わずか1人
今年の1年生で日本人は1人だけだ――。米ハーバード大学のドルー・ファウスト学長は都内での日本の大学関係者との懇談で、日本人留学生の減少に懸念を表明した。中国や韓国からの留学が増えるなか、日本人留学生の減少には「大学も注目している」と指摘。日本の学生に「内向き志向」からの転換を勧めた。
学長は「日本の学生は留学するより日本の大学に通ったほうが将来的に有利だと考えているようだ」と発言。「気候変動や感染症といった問題は世界中を見なければ答えは見つからない」と訴えた。その後、学長は鳩山由紀夫首相と会談し、海外留学を増やす必要があると強調した。
日産、中国にデザイン拠点 日本の自動車メーカーで初
【北京=多部田俊輔】日産自動車の中国法人は15日、2011年初めをめどに中国・北京にデザイン拠点を開設すると発表した。日本の自動車メーカーが中国にデザイン拠点を設けるのは初めて。中国の自動車市場は09年に米国を抜いて世界1位になり、10年も2ケタ成長の見通し。日産は中国の消費者ニーズを取り込んだ新車の投入で世界最大市場でのシェア拡大を狙う。
新しいデザイン拠点は、現地のデザイナーら約20人を採用する。投資額は約1200万元(約1億6000万円)。中国を含めた全世界で発売する新車やコンセプトカーなどのデザインを手掛けるという。
海外でのデザイン拠点は米英に次いで3カ所目で、国内もあわせると5カ所目。上海市に現地で提携しているメーカー向けに調査などを手掛けるデザイン事務所を開設していたが、新しいデザイン拠点に統合するとしている。
朝青龍引退が追い打ち?空席目立つ春場所
大相撲春場所2日目は空席が目立ち、初日に続く満員御礼とはならなかった。
15日間で前売り券が完売した日はなく、9軒のお茶屋をまとめる大阪相撲案内所組合の清水武組合長は「昨年より3~5%減。不況が原因だが、朝青龍引退が追い打ちをかけた」。朝青龍が優勝した今年の初場所は満員御礼が7日間だった。春場所は年6場所のうち「満員」の回数が過去2年連続トップだが、土俵の熱気で浪速のファンの人気をつなぎ留められるか。
日経社説 人ごとでない中国の成長のひずみ是正(3/16)
14日に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では所得分配が重要なテーマになった。広がり続ける格差が社会の安定を損ない政権を揺るがしかねないためだ。高成長の裏側で深まる社会のひずみをどう是正していくか。中国は新たな改革を問われている。
中国政府系のシンクタンクによると、中国の国内総生産(GDP)に対する労働者の総報酬の割合は1996年の53.4%から2005年に41.4%まで下がった。09年には40%を割り込んだとの報道もある。
この割合は大方の先進国では50%を超える。中国は経済の高成長の下で経営者と政府への富の集中が進み、社会の分裂を深めている。
賃金を巡る騒乱は相次いでいる。寡占を背景に高収益をあげている国有企業の従業員が賃金をもらい過ぎだ、との不満も高まっている。
08年のチベット騒乱や09年の新疆ウイグル自治区のウルムチでの騒乱などの大事件にも、高成長の分け前にあずかれる人々と、そうでない人々の間の分裂が読み取れた。
改革・開放政策に踏み出してから30年あまり。中国は経済の「量」の拡大を必死に追求してきたが、今や「質」を高める改革こそ重要な局面を迎えたようにみえる。
日本にとっても中国は今や大切な輸出相手国であり、中国が内需主導の成長へとかじを切ることは重要な意味を持つ。格差是正を通じて社会の安定を保ち、持続的な成長の条件を整えることは、世界全体にも大きな貢献となる。
外国との貿易取引で焦点になっているのは、08年夏からドルに事実上固定している人民元相場の弾力化だ。全人代の閉幕後に記者会見した温家宝首相は人民元の早期切り上げに慎重な姿勢を示した。輸出産業に職を得ている膨大な低所得層や競争力の低い農産物を生産している農民たちを守るため、急激な人民元の切り上げは避けたいのが本音だろう。
ただ日本の経験からも、ドル買い介入で自国通貨高に歯止めをかけ続けようとすると、介入資金が国内の過剰流動性を招き、不動産などのバブルを引き起こしかねない。最近の中国のバブル懸念は、人民元の上昇を嫌うあまり前車の轍(てつ)を踏んでいるようにみえてならない。
日本が中国に対して、相互の一層の市場開放や知的財産の保護など商取引慣行の改善を働きかける、経済対話の必要性は今まで以上に高まっている。バブルをはさむ時代の日本の経験を反面教師として伝えることも、中国への貢献となろう。
「改正案が通れば、文化の根を断つことになる」――アニメ・漫画に登場する18歳未満のキャラクターは「非実在青少年」だとして、性的描写などの内容によっては不健全図書に指定して青少年への販売を禁じる「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(青少年育成条例)改正案に反対する漫画家などが3月15日、都議会民主党総務部会を訪ねて意見を伝え、都庁で会見を開いた(漫画・アニメの「非実在青少年」も対象に 東京都の青少年育成条例改正案)。
会見には、漫画家の里中満智子さんや永井豪さん、ちばてつやさん、竹宮惠子さんなどが参加。里中さんは「青少年を健全に育てたいという温かい気持ちから出た規制だろうが、表現規制は慎重に考えないと恐ろしい世の中になる」、ちばさんは「文化が興るときにはいろんな種類の花が咲き、地の底で根としてつながっている。根を絶つと文化が滅びる」などと強い懸念を示した。
4人に加え、この問題についてmixi日記で指摘し、周知の火付け役となった漫画評論家の藤本由香里さん、日本漫画学会長で評論家の呉智英さん、社会学者の宮台真司さん、明治大学准教授の森川嘉一郎さん、「松文館事件」で被告側弁護人を務めた弁護士の山口貴士さん、日本書籍出版協会の矢部敬一さんも会見に出席し、意見を述べた。
改正案に反対する漫画家として、あだち充さんや藤子不二雄Aさん、高橋留美子さん、萩尾望都さん、安彦良和さんなど約60人のリストも配られたほか、講談社や集英社、小学館などコミック発行10社も反対を表明している。
「ハレンチ学園」「風と樹の詩」も対象に?
「『ハレンチ学園』で世に出た」と話す永井さん
改正案の問題点として、(1)あいまいな規定でいくらでも恣意的に解釈でき、幅広い作品が対象になり得ること、(2)漫画などの表現に対する萎縮効果が高く、日本のコンテンツ産業に大きなマイナス影響を与える可能性があること、(3)審議期間が極端に短く、拙速に成立に向かっていること――などが指摘された。
藤本さんは「都は、過激な性表現のある作品のみが対象と言っているようだが、条文を照らすとそれは事実ではない」と指摘。現行条例でも不健全図書の規定がある中、改正案では「非実在青少年」に関する規定を新設しており、青少年の性を肯定的に描いたさまざまな作品が対象となり得ると懸念する。
永井豪さんは、40年前の「ハレンチ学園」発表当時、「めちゃくちゃに叩かれた」と振り返る。「当時も、青少年は異性への関心を持つのが健全な精神の育成だと思って描いていると説明した。異性に関心を持つことが罪悪と思って育つと、大人になった時の衝撃が強すぎる。成長段階に応じて少量ずつ与えていくことが重要」(永井さん)
「善意の規制」が闇を大きくする
改正案が「子どもを健全に育てたい」という善意の発想から成り立っていることへの危険性の指摘もあった。「規制側は、目の前の正義感や倫理観で話すのだろうが、表面的な正義が見えないところで闇を大きくする。キャラクターまで対象にするのは、子どもの環境をあまりに狭く考えすぎている」と里中さんは懸念する。
宮台さんは、「青少年の性行為を描いたコンテンツが青少年に悪影響を与えるという素朴な悪影響論は学問的には否定されている」とした上で、「誰と見るかなど、コンテンツの受容文脈をコントロールすることが最善」と指摘。「最善の策を取らずにいきなり次善の表現規制に飛び込むのは怠慢」と批判した。
条例では18歳未満を青少年と規定しているが、日本では女性は16歳で結婚でき、「高校3年生の半分近くが性体験をしている」(宮台さん)という状況で、高校生の性行為を肯定的に描写した作品が対象になれば表現への萎縮効果は高い。「普通のことをしている人に対して、『お前達は悪いことをやっている』というメッセージを出すことになり、副作用は大きい」(宮台さん)
山口弁護士は、「青少年性的視覚描写物」のまん延の防止を都の責務と規定した条文に絡み、「何を見て何を見てはいけないかについて、都が口を挟むのは非常に危険」と警鐘を鳴らした。
日本のコンテンツ産業発展を阻害する
「死ぬ前にひと言言っておかないと危ない」と冗談めかして語るちばさん
「文化が興るときにはいろんな種類の花が咲き、地の底で根としてつながっている。根を絶つと文化が滅ぶ」(ちばさん)――関係者には、漫画やアニメなど日本の文化やコンテンツ産業の発展を阻害するという危機感も強い。
「ハレンチ学園がなければ、その後の『マジンガーZ』もなく、各国に呼ばれて漫画やアニメについて講演することもなかった」と話す永井さんは、「自由な漫画の発想があったからこそ日本の漫画やアニメは発展し、世界に注目されてきた。表現規制を行った韓国は、漫画の発展が遅れた」という見方を示す。
「規制側には、良い漫画と悪い漫画を区別できるという暗黙の前提があるようだが……」――森川さんはその考え方自体が間違っていると指摘。青少年の性行為を描いた漫画や同人誌を描いた漫画家が、「文化庁メディア芸術祭」で受賞するケースも多いなど、多様な表現を許容する環境が漫画家のすそ野を広げていると紹介し、「改正案が通った場合の副作用がほとんど検討されていない」と危惧した。
「この条例を、『東京国際アニメフェア』を主催している都がやっているという意味は大きい」と藤本さんは指摘。会見やその後の集会では、享楽的な若者を描いた都知事の小説「太陽の季節」を皮肉る発言も複数の参加者からあった。
異常なスピード
改正案は2月24日に提出され、3月19日の都議会総務委で採決、3月末にも本会議で採決というスケジュールにも批判があった。「異常とも言えるほど短く、このような決め方は民主主義の原則に照らして大いに問題がある」(藤本さん)
集会は約300人が詰めかけ立ち見も
都議会会議室で開かれた集会には、会見の出席者に加え、漫画家のさそうあきらさんや齋藤なずなさん、都議の吉田康一郎(民主党)さんや福士敬子さん(無所属)、前衆院議員の保坂展人さん(社民党)など政治家も参加。用意された100席に、メディア関係者や出版関係者、一般市民など約300人が詰めかけ、立ち見の参加者で会場が埋まった。集会の様子はUstreamやニコニコ放送でもライブ配信され、注目を集めた。
改正案のベースとなった答申が出た段階から問題を感じていたという吉田都議は「児童の性的搾取を止めるためという手段の正当性の前に、方法論が議論されず、問題がなし崩しになっている。状況はまだ厳しいが、当たり前の妥当な結論が出よう頑張りたい」など話していた。
企業健保、保険料率上げ 日産やイオン、高齢者医療が重荷
大手企業の健康保険組合で、医療保険の保険料率を引き上げる動きが広がっている。日産自動車やNEC、イオンはそれぞれ、2009年度に続き10年度も料率を引き上げることを決めた。業績低迷で健康保険料のベースとなる給与が伸び悩むなか、高齢者医療への資金負担が増大し、健保財政が悪化しているためだ。全健保組合の平均保険料率は10年度、3年連続の上昇となる可能性が高い。
日産の健康保険組合は3月分から料率を8.02%と従来より0.74ポイント引き上げた。イオン健康保険組合も8.4%から8.8%とした。NECは4月分以降の引き上げを決めており、それぞれ2年連続の料率上げ。大日本印刷など、他の大手企業でも09年度に続き、料率引き上げに動く健保が目立つ。
ドラッグ店2社統合 ココカラとアライドハーツ、10月業界3位に
ドラッグストア大手のココカラファインホールディングスと同業で関西地盤のアライドハーツ・ホールディングスは10月1日付で経営統合することで合意した。統合後の売上高は約2700億円とマツモトキヨシなどに続く業界3位に浮上する。コンビニエンスストアなどによる一般用医薬品(大衆薬)販売参入のきっかけとなった2009年6月の改正薬事法の施行以降、初の業界再編となる。
16日午前に発表する。統合比率は最終的な調整に入っている。統合後は「ココカラファイン」を新社名とする持ち株会社を核に、現ココカラHD傘下の「セガミメディクス」「セイジョー」、アライドハーツHD傘下の「ライフォート」「ジップドラッグ」の4つの事業会社をぶら下げる形にする。
台湾・友達光電、中国にパネル工場 2700億円で江蘇省に
【台北=新居耕治】液晶パネル世界3位である台湾の友達光電(AUO)は15日、中国江蘇省昆山に液晶テレビ向けのパネル工場を建設することを決め、台湾の経済部(経済産業省)に申請した。台湾勢では初の中国進出案件。既に中国進出を決めた韓国勢に対抗する。中国では地元企業のパネル工場新設計画も相次いでおり、中国市場を巡る競争が一段と激化しそうだ。
AUOが申請したのは「第7.5世代」と呼ばれる大型パネルを使ったパネル工場。AUOは中国企業との合弁ではなく単独での進出を目指しており、投資額は30億ドル(約2700億円)。2011年末の量産を目指しており、生産能力は月産8万~9万枚になるとみられる。
台湾当局は今年2月、対中投資規制の緩和を発表しており、AUOの申請はこれを受けた措置。AUOは台湾当局の認可を得たうえで、中国当局に正式に投資を申請する計画だ。
ハーバード大学長「日本人生徒の減少懸念」 1年生わずか1人
今年の1年生で日本人は1人だけだ――。米ハーバード大学のドルー・ファウスト学長は都内での日本の大学関係者との懇談で、日本人留学生の減少に懸念を表明した。中国や韓国からの留学が増えるなか、日本人留学生の減少には「大学も注目している」と指摘。日本の学生に「内向き志向」からの転換を勧めた。
学長は「日本の学生は留学するより日本の大学に通ったほうが将来的に有利だと考えているようだ」と発言。「気候変動や感染症といった問題は世界中を見なければ答えは見つからない」と訴えた。その後、学長は鳩山由紀夫首相と会談し、海外留学を増やす必要があると強調した。
日産、中国にデザイン拠点 日本の自動車メーカーで初
【北京=多部田俊輔】日産自動車の中国法人は15日、2011年初めをめどに中国・北京にデザイン拠点を開設すると発表した。日本の自動車メーカーが中国にデザイン拠点を設けるのは初めて。中国の自動車市場は09年に米国を抜いて世界1位になり、10年も2ケタ成長の見通し。日産は中国の消費者ニーズを取り込んだ新車の投入で世界最大市場でのシェア拡大を狙う。
新しいデザイン拠点は、現地のデザイナーら約20人を採用する。投資額は約1200万元(約1億6000万円)。中国を含めた全世界で発売する新車やコンセプトカーなどのデザインを手掛けるという。
海外でのデザイン拠点は米英に次いで3カ所目で、国内もあわせると5カ所目。上海市に現地で提携しているメーカー向けに調査などを手掛けるデザイン事務所を開設していたが、新しいデザイン拠点に統合するとしている。
朝青龍引退が追い打ち?空席目立つ春場所
大相撲春場所2日目は空席が目立ち、初日に続く満員御礼とはならなかった。
15日間で前売り券が完売した日はなく、9軒のお茶屋をまとめる大阪相撲案内所組合の清水武組合長は「昨年より3~5%減。不況が原因だが、朝青龍引退が追い打ちをかけた」。朝青龍が優勝した今年の初場所は満員御礼が7日間だった。春場所は年6場所のうち「満員」の回数が過去2年連続トップだが、土俵の熱気で浪速のファンの人気をつなぎ留められるか。
日経社説 人ごとでない中国の成長のひずみ是正(3/16)
14日に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では所得分配が重要なテーマになった。広がり続ける格差が社会の安定を損ない政権を揺るがしかねないためだ。高成長の裏側で深まる社会のひずみをどう是正していくか。中国は新たな改革を問われている。
中国政府系のシンクタンクによると、中国の国内総生産(GDP)に対する労働者の総報酬の割合は1996年の53.4%から2005年に41.4%まで下がった。09年には40%を割り込んだとの報道もある。
この割合は大方の先進国では50%を超える。中国は経済の高成長の下で経営者と政府への富の集中が進み、社会の分裂を深めている。
賃金を巡る騒乱は相次いでいる。寡占を背景に高収益をあげている国有企業の従業員が賃金をもらい過ぎだ、との不満も高まっている。
08年のチベット騒乱や09年の新疆ウイグル自治区のウルムチでの騒乱などの大事件にも、高成長の分け前にあずかれる人々と、そうでない人々の間の分裂が読み取れた。
改革・開放政策に踏み出してから30年あまり。中国は経済の「量」の拡大を必死に追求してきたが、今や「質」を高める改革こそ重要な局面を迎えたようにみえる。
日本にとっても中国は今や大切な輸出相手国であり、中国が内需主導の成長へとかじを切ることは重要な意味を持つ。格差是正を通じて社会の安定を保ち、持続的な成長の条件を整えることは、世界全体にも大きな貢献となる。
外国との貿易取引で焦点になっているのは、08年夏からドルに事実上固定している人民元相場の弾力化だ。全人代の閉幕後に記者会見した温家宝首相は人民元の早期切り上げに慎重な姿勢を示した。輸出産業に職を得ている膨大な低所得層や競争力の低い農産物を生産している農民たちを守るため、急激な人民元の切り上げは避けたいのが本音だろう。
ただ日本の経験からも、ドル買い介入で自国通貨高に歯止めをかけ続けようとすると、介入資金が国内の過剰流動性を招き、不動産などのバブルを引き起こしかねない。最近の中国のバブル懸念は、人民元の上昇を嫌うあまり前車の轍(てつ)を踏んでいるようにみえてならない。
日本が中国に対して、相互の一層の市場開放や知的財産の保護など商取引慣行の改善を働きかける、経済対話の必要性は今まで以上に高まっている。バブルをはさむ時代の日本の経験を反面教師として伝えることも、中国への貢献となろう。
東京都の2次元児童ポルノ規制、ちばてつやらが反対の記者会見
子供の性行為を描く漫画など「2次元児童ポルノ」規制のため、東京都が今定例議会に提出した青少年健全育成条例の改正案で、改正案に反対する漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんらが15日、都庁で記者会見を開いた。
ちばさんらは都議会最大会派の民主党に意見書を提出。会見で、ちばさんは「文化や表現など新しいものが起きるときはいろんな種類の花が咲く。スミレやサクラなどかれんな花もあれば、ジャングルで形もにおいもすごいラフレシアのような花もあるが、根っこですべて繋がっている。『この花は汚い』と根を断つと、植物群全体が滅ぶ」と改正案を批判。また、漫画家の永井豪さんは「私は『ハレンチ学園』で世に出てきた。当時もたたかれたが、規制が始まるとこの作品も確実に出せない。くさい物にはふたをしろと規制するとかえってゆがんだ人間が増える」と述べた。このほか藤子不二雄Aさんやさいとう・たかをさん、萩尾望都さん、西岸良平さんら著名な漫画家らが反対者リストに名を連ねている。
改正案は漫画やアニメ、ゲームなどに登場する18歳未満と推定されるキャラクターを「非実在青少年」と規定。こうしたキャラとの性行為を描写する2次元児童ポルノの販売について、業界に自主規制を求め、婦女暴行などのシーンがある「悪質商品」は「不健全図書」に指定、青少年への販売と閲覧と禁じる。改正案は19日の都議会総務委員会で採決される。
出版業界震撼!「青少年育成条例」改正でロリマンガが消滅する!?
東京都が都議会に提出した「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(青少年育成条例)の改正案が、現在ネット上を中心に話題になっている。
今回追加された条文は、青少年の健全な育成に配慮した携帯端末の推奨、不健全なWebサイトへのフィルタリング、児童ポルノ根絶への気運醸成。そして「非実在青少年」を対象とする性的描写の規制である。
その中でも特に大きな波紋を呼んでいるのが、「非実在青少年」(マンガなどに出てくる青少年)への自主規制項目が追加されたという点についてだ。該当箇所である「第三章 不健全な図書類等の販売等の規制」の追加条文は以下の通りである。
「年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識することができる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」
この文面だけを読めば、「18歳未満に見えるキャラクターをエロ目的で描写したらアウト」と判断できるが、実際のところはどうなのだろうか。東京都庁に問い合わせたところ、
「単純に未成年のように見えるからといって、全て規制するものではありません。例えば設定上は30歳だけど、セーラー服を着て、外見的に学生に見えるキャラクターの性描写だからダメだというわけではないです。ただし、年齢が18歳未満という明確な描写があれば自主規制対象となります」
との答えが返ってきた。
また、今回の条例改正案が通過する事で、ロリ系成人マンガや小説も一掃されるのか、という質問については、
「すでに『成人指定』マークが入っているものに関しては、従来通りの判断をしていきます。今回は、『成人指定』されていないものに関して、青少年に健全な育成を促すようにしてもらおうという意味での改正になります」
との回答が得られた。
その他、しばしばネット上で挙げられる例として、「ドラえもんのしずかちゃんのお風呂シーンもアウトだから、ドラえもんも規制対象になるのか」のような話題については、
「そのシーンがどういうものかは想像せずに答えますと、問題にはなりません。テレビなどで普通に放送されているようなものは問題ないと判断します」
とのこと。そもそもテレビで放送するものなら問題ないという判断基準自体曖昧なものではないか? という疑問も残るが、条例が改正されたからといって即お色気シーンやロリ系成人コミックが消滅する、ということはなさそうだ。
一方で今回の一件を笑って見過ごせないと思われるのが、当事者たる成人向け書籍を発行している出版社である。
青少年と思しき登場人物による性交を描いている作品も少なくない中、さぞかし慌てふためいているかと思いきや、とある成人向けコミック誌編集者は、
「編集部も状況を注視しています。ただ、編集部内ではゾーニングされていない雑誌、マンガを規制することが今回の目的ではないかとの予測がされています。例えば成人指定されていない過激な性描写のある少女マンガや、暴力マンガの規制が主眼なのではないでしょうか。どちらかといえば、昨年の陵辱ものアダルトゲームへの圧力の方が、業界全体の危機感が強かったように感じます」
と予想外に落ち着いた様子で語る。
また、今回の条例改正が言論統制につながるという危機感をもっている議員や文化人も多く、様々な意見や議論がTwitterをはじめとするWebメディアを中心で交わされている。
東京都条例に関する問題とはいえ、日本における出版社の大半が在京ということから、条例改正が実現した場合ほぼ日本全土が規制されるのと同義だ、という論調もある。このようにさまざまな立場で、さまざまな意見が飛び交っているのが現状である。一番の問題は、事象の一側面だけを捉えてヒステリックな判断をすることなのかもしれない。
頻繁に話題にのぼっては沈静化していくこの手の表現の自由と規制の問題だが、今回の条例改正についてはこれまで以上に実現の可能性が高いと言われている。これを機会に、もう一度表現の自由とは何か。健全な社会とは何なのかを、考え直してみるのもいいかもしれない。
都の青少年健全育成条例改正、グーグルやMS、楽天なども反対意見
ネットビジネスイノベーション研究コンソーシアムは、東京都議会に提出されている青少年健全育成条例の改正案について反対意見を表明した。
同コンソーシアムは、ディー・エヌ・エー、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、楽天が幹事を務め、ケンコーコムや、慶應義塾大学の國領二郎氏(総合政策学部長)、同じく金正勲氏(政策・メディア研究科特別研究准教授)らもメンバーとして参加している。国の政策決定について課題を検討するなどの活動を行っており、2008年には一般医薬品のネット販売規制についての反対声明を出したことがある。
今回、コンソーシアムが反対している条例改正案では、「インターネット利用環境の整備等に関する規定を改めるほか、規定を整備する必要がある」(改正案)として、フィルタリングの水準に言及した規定や、青少年が利用するのに適した携帯電話端末を都知事が推奨する制度の導入、保護者が携帯フィルタリングを解除する際に「理由書」の提出を求める規定などを盛り込んだ。
コンソーシアムでは改正案について、「インターネットを基盤とする社会・文化・産業全般のイノベーション及び将来においてそれを担う青少年の育成に対する重大な阻害要因を含んでいる」と指摘。以下の4項目について、条例に盛り込むべきではないとしている。
ルネサス、業界初の携帯電話向け地デジフルセグ対応LSI
ルネサス テクノロジは15日、携帯電話向けアプリケーションプロセッサで業界初という、地上デジタルテレビ放送のフルセグ視聴/録画に対応した「SH-Mobile MT1」(SH73704)を発表。4月からサンプル出荷を行なう。サンプル価格はSiP/407ピンBGAが3,500円で、単品/449ピンBGAが2,800円(いずれも1万個ロット時)。
携帯電話向けの動画/音声アプリケーション処理用LSI「SH-Mobileシリーズ」の新製品。同社は既にワンセグ対応や、フルHDビデオ録画/再生に対応した製品を量産しているが、フルセグの視聴/録画を可能にするために「SH-Mobile MT1」を開発した。携帯電話端末や、モバイル民生機器、車載機器などでの利用を想定している。
BATジャパン、たばこ値上げを取り下げ
国内たばこ3位のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATジャパン)は15日、財務省に2月下旬に申請していたたばこ1箱(20本入り)当たり20円の値上げを取り下げたと発表した。
たばこ会社が値上げ申請を取り下げるのは異例。消費者から困惑する声が寄せられたことなどを理由に挙げている。申請が認められれば、「ケント」など全50銘柄を6月1日から値上げする予定だった。
厚生労働省が2月末に、公共的な空間を原則として全面禁煙にするよう自治体に通知を出し、喫煙場所がさらに制限される可能性が出てきたことも背景という。財務省は今月4日、国内たばこ2位のフィリップ・モリス・ジャパンが申請していた1箱当たり20円の値上げを認可。同社については、6月1日から全銘柄が値上げされる。
鳩山元総務相が離党届 園田氏は幹事長代理辞任 自民執行部にダメージ
自民党の鳩山邦夫元総務相は15日午後、執行部に対し離党届を提出した。園田博之幹事長代理もこの日、大島理森幹事長に役職辞任を申し出、了承された。2人はいずれも党の在り方を批判していた。
閣僚経験者である鳩山氏の離党や執行部メンバーの園田氏の役職辞任で、党再生を目指す谷垣禎一総裁ら執行部のダメージは避けられない。
鳩山氏は4月末からの連休前に新党結成を目指す意向を表明したばかりで、今後の動きが注目される。園田氏は、月刊誌に谷垣執行部批判の論文を載せた与謝野馨元財務相に同調する考えを表明し、新党結成も辞さない構えを示している。
野党転落後、現職議員の離党者はこれで6人。衆院議員では初。
3D映画「アリス」、興行2億ドル突破 「アバター」超えも
【ニューヨーク=共同】米国で5日に公開された3D映画「アリス・イン・ワンダーランド」(ティム・バートン監督)の国内興行収入が14日までに2億860万ドル(約189億円)と、今年の公開作品で初めて2億ドルを超えたことが分かった。AP通信などが伝えた。
公開第1週の興行成績は「アバター」(ジェームズ・キャメロン監督)を上回り、同作以上の大ヒットとなる可能性も出てきた。
革新的な3D映像が評判となった「アバター」に続き、3D映画の高い人気を裏付けた。英国など40カ国でも公開されたが、海外での興行収入も計4億3千万ドルと順調。日本では4月17日に公開予定。
「アリス・イン・ワンダーランド」は英作家ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」をベースにしたウォルト・ディズニーのファンタジー映画で、米国の人気俳優ジョニー・デップさんの出演などで公開前から話題を呼んでいた。
国税、消費頼み鮮明 09年度、法人税激減が背景に
国の税収が消費に依存する構図が鮮明になってきた。企業業績の低迷で法人税収が激減しているのが背景。対照的に、2009年度で見ると法人税などに比べて景気に左右されにくい消費税収の税収全体に占める比率は過去最高の24%に達する見込みだ。たばこ税などを含めた間接税の比率も48%まで上昇する。景気が不安定ななかでも、消費税収が比較的安定していることを示したといえそうだ。
自民党政権時代の政府は、税収を安定させるには消費税の比率を増やすなどして直間比率を是正する努力が必要としてきた。その後、税制改革のスローガンは「所得、消費、資産の課税バランス適正化」など時代と共に変化したが、財務省や一部識者の間では消費税重視の考え方はほぼ定着した。財政余力が一段と乏しくなるなかで、鳩山政権がこの問題にどう取り組むかが今後の経済運営の焦点のひとつとなる。
子供の性行為を描く漫画など「2次元児童ポルノ」規制のため、東京都が今定例議会に提出した青少年健全育成条例の改正案で、改正案に反対する漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんらが15日、都庁で記者会見を開いた。
ちばさんらは都議会最大会派の民主党に意見書を提出。会見で、ちばさんは「文化や表現など新しいものが起きるときはいろんな種類の花が咲く。スミレやサクラなどかれんな花もあれば、ジャングルで形もにおいもすごいラフレシアのような花もあるが、根っこですべて繋がっている。『この花は汚い』と根を断つと、植物群全体が滅ぶ」と改正案を批判。また、漫画家の永井豪さんは「私は『ハレンチ学園』で世に出てきた。当時もたたかれたが、規制が始まるとこの作品も確実に出せない。くさい物にはふたをしろと規制するとかえってゆがんだ人間が増える」と述べた。このほか藤子不二雄Aさんやさいとう・たかをさん、萩尾望都さん、西岸良平さんら著名な漫画家らが反対者リストに名を連ねている。
改正案は漫画やアニメ、ゲームなどに登場する18歳未満と推定されるキャラクターを「非実在青少年」と規定。こうしたキャラとの性行為を描写する2次元児童ポルノの販売について、業界に自主規制を求め、婦女暴行などのシーンがある「悪質商品」は「不健全図書」に指定、青少年への販売と閲覧と禁じる。改正案は19日の都議会総務委員会で採決される。
出版業界震撼!「青少年育成条例」改正でロリマンガが消滅する!?
東京都が都議会に提出した「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(青少年育成条例)の改正案が、現在ネット上を中心に話題になっている。
今回追加された条文は、青少年の健全な育成に配慮した携帯端末の推奨、不健全なWebサイトへのフィルタリング、児童ポルノ根絶への気運醸成。そして「非実在青少年」を対象とする性的描写の規制である。
その中でも特に大きな波紋を呼んでいるのが、「非実在青少年」(マンガなどに出てくる青少年)への自主規制項目が追加されたという点についてだ。該当箇所である「第三章 不健全な図書類等の販売等の規制」の追加条文は以下の通りである。
「年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識することができる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」
この文面だけを読めば、「18歳未満に見えるキャラクターをエロ目的で描写したらアウト」と判断できるが、実際のところはどうなのだろうか。東京都庁に問い合わせたところ、
「単純に未成年のように見えるからといって、全て規制するものではありません。例えば設定上は30歳だけど、セーラー服を着て、外見的に学生に見えるキャラクターの性描写だからダメだというわけではないです。ただし、年齢が18歳未満という明確な描写があれば自主規制対象となります」
との答えが返ってきた。
また、今回の条例改正案が通過する事で、ロリ系成人マンガや小説も一掃されるのか、という質問については、
「すでに『成人指定』マークが入っているものに関しては、従来通りの判断をしていきます。今回は、『成人指定』されていないものに関して、青少年に健全な育成を促すようにしてもらおうという意味での改正になります」
との回答が得られた。
その他、しばしばネット上で挙げられる例として、「ドラえもんのしずかちゃんのお風呂シーンもアウトだから、ドラえもんも規制対象になるのか」のような話題については、
「そのシーンがどういうものかは想像せずに答えますと、問題にはなりません。テレビなどで普通に放送されているようなものは問題ないと判断します」
とのこと。そもそもテレビで放送するものなら問題ないという判断基準自体曖昧なものではないか? という疑問も残るが、条例が改正されたからといって即お色気シーンやロリ系成人コミックが消滅する、ということはなさそうだ。
一方で今回の一件を笑って見過ごせないと思われるのが、当事者たる成人向け書籍を発行している出版社である。
青少年と思しき登場人物による性交を描いている作品も少なくない中、さぞかし慌てふためいているかと思いきや、とある成人向けコミック誌編集者は、
「編集部も状況を注視しています。ただ、編集部内ではゾーニングされていない雑誌、マンガを規制することが今回の目的ではないかとの予測がされています。例えば成人指定されていない過激な性描写のある少女マンガや、暴力マンガの規制が主眼なのではないでしょうか。どちらかといえば、昨年の陵辱ものアダルトゲームへの圧力の方が、業界全体の危機感が強かったように感じます」
と予想外に落ち着いた様子で語る。
また、今回の条例改正が言論統制につながるという危機感をもっている議員や文化人も多く、様々な意見や議論がTwitterをはじめとするWebメディアを中心で交わされている。
東京都条例に関する問題とはいえ、日本における出版社の大半が在京ということから、条例改正が実現した場合ほぼ日本全土が規制されるのと同義だ、という論調もある。このようにさまざまな立場で、さまざまな意見が飛び交っているのが現状である。一番の問題は、事象の一側面だけを捉えてヒステリックな判断をすることなのかもしれない。
頻繁に話題にのぼっては沈静化していくこの手の表現の自由と規制の問題だが、今回の条例改正についてはこれまで以上に実現の可能性が高いと言われている。これを機会に、もう一度表現の自由とは何か。健全な社会とは何なのかを、考え直してみるのもいいかもしれない。
都の青少年健全育成条例改正、グーグルやMS、楽天なども反対意見
ネットビジネスイノベーション研究コンソーシアムは、東京都議会に提出されている青少年健全育成条例の改正案について反対意見を表明した。
同コンソーシアムは、ディー・エヌ・エー、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、楽天が幹事を務め、ケンコーコムや、慶應義塾大学の國領二郎氏(総合政策学部長)、同じく金正勲氏(政策・メディア研究科特別研究准教授)らもメンバーとして参加している。国の政策決定について課題を検討するなどの活動を行っており、2008年には一般医薬品のネット販売規制についての反対声明を出したことがある。
今回、コンソーシアムが反対している条例改正案では、「インターネット利用環境の整備等に関する規定を改めるほか、規定を整備する必要がある」(改正案)として、フィルタリングの水準に言及した規定や、青少年が利用するのに適した携帯電話端末を都知事が推奨する制度の導入、保護者が携帯フィルタリングを解除する際に「理由書」の提出を求める規定などを盛り込んだ。
コンソーシアムでは改正案について、「インターネットを基盤とする社会・文化・産業全般のイノベーション及び将来においてそれを担う青少年の育成に対する重大な阻害要因を含んでいる」と指摘。以下の4項目について、条例に盛り込むべきではないとしている。
ルネサス、業界初の携帯電話向け地デジフルセグ対応LSI
ルネサス テクノロジは15日、携帯電話向けアプリケーションプロセッサで業界初という、地上デジタルテレビ放送のフルセグ視聴/録画に対応した「SH-Mobile MT1」(SH73704)を発表。4月からサンプル出荷を行なう。サンプル価格はSiP/407ピンBGAが3,500円で、単品/449ピンBGAが2,800円(いずれも1万個ロット時)。
携帯電話向けの動画/音声アプリケーション処理用LSI「SH-Mobileシリーズ」の新製品。同社は既にワンセグ対応や、フルHDビデオ録画/再生に対応した製品を量産しているが、フルセグの視聴/録画を可能にするために「SH-Mobile MT1」を開発した。携帯電話端末や、モバイル民生機器、車載機器などでの利用を想定している。
BATジャパン、たばこ値上げを取り下げ
国内たばこ3位のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATジャパン)は15日、財務省に2月下旬に申請していたたばこ1箱(20本入り)当たり20円の値上げを取り下げたと発表した。
たばこ会社が値上げ申請を取り下げるのは異例。消費者から困惑する声が寄せられたことなどを理由に挙げている。申請が認められれば、「ケント」など全50銘柄を6月1日から値上げする予定だった。
厚生労働省が2月末に、公共的な空間を原則として全面禁煙にするよう自治体に通知を出し、喫煙場所がさらに制限される可能性が出てきたことも背景という。財務省は今月4日、国内たばこ2位のフィリップ・モリス・ジャパンが申請していた1箱当たり20円の値上げを認可。同社については、6月1日から全銘柄が値上げされる。
鳩山元総務相が離党届 園田氏は幹事長代理辞任 自民執行部にダメージ
自民党の鳩山邦夫元総務相は15日午後、執行部に対し離党届を提出した。園田博之幹事長代理もこの日、大島理森幹事長に役職辞任を申し出、了承された。2人はいずれも党の在り方を批判していた。
閣僚経験者である鳩山氏の離党や執行部メンバーの園田氏の役職辞任で、党再生を目指す谷垣禎一総裁ら執行部のダメージは避けられない。
鳩山氏は4月末からの連休前に新党結成を目指す意向を表明したばかりで、今後の動きが注目される。園田氏は、月刊誌に谷垣執行部批判の論文を載せた与謝野馨元財務相に同調する考えを表明し、新党結成も辞さない構えを示している。
野党転落後、現職議員の離党者はこれで6人。衆院議員では初。
3D映画「アリス」、興行2億ドル突破 「アバター」超えも
【ニューヨーク=共同】米国で5日に公開された3D映画「アリス・イン・ワンダーランド」(ティム・バートン監督)の国内興行収入が14日までに2億860万ドル(約189億円)と、今年の公開作品で初めて2億ドルを超えたことが分かった。AP通信などが伝えた。
公開第1週の興行成績は「アバター」(ジェームズ・キャメロン監督)を上回り、同作以上の大ヒットとなる可能性も出てきた。
革新的な3D映像が評判となった「アバター」に続き、3D映画の高い人気を裏付けた。英国など40カ国でも公開されたが、海外での興行収入も計4億3千万ドルと順調。日本では4月17日に公開予定。
「アリス・イン・ワンダーランド」は英作家ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」をベースにしたウォルト・ディズニーのファンタジー映画で、米国の人気俳優ジョニー・デップさんの出演などで公開前から話題を呼んでいた。
国税、消費頼み鮮明 09年度、法人税激減が背景に
国の税収が消費に依存する構図が鮮明になってきた。企業業績の低迷で法人税収が激減しているのが背景。対照的に、2009年度で見ると法人税などに比べて景気に左右されにくい消費税収の税収全体に占める比率は過去最高の24%に達する見込みだ。たばこ税などを含めた間接税の比率も48%まで上昇する。景気が不安定ななかでも、消費税収が比較的安定していることを示したといえそうだ。
自民党政権時代の政府は、税収を安定させるには消費税の比率を増やすなどして直間比率を是正する努力が必要としてきた。その後、税制改革のスローガンは「所得、消費、資産の課税バランス適正化」など時代と共に変化したが、財務省や一部識者の間では消費税重視の考え方はほぼ定着した。財政余力が一段と乏しくなるなかで、鳩山政権がこの問題にどう取り組むかが今後の経済運営の焦点のひとつとなる。
ウィルコム、人員最大3割減 10年度末まで、希望退職・転籍で
会社更生手続き中のPHS最大手ウィルコムが2010年度末までに全社員の約3割にあたる最大300人の削減を計画していることが14日、明らかになった。月内にも希望退職の募集を始めるほか、事業再生計画の一環で分離する次世代PHS事業の受け皿として、支援企業のソフトバンクなどが設立する新会社にも一部を転籍させる。組織の見直しに伴う人員削減で固定費を圧縮、収益の改善を急ぐ。
ウィルコムの正社員数は1月末時点で1058人。希望退職の募集人数は未定だが、自然減と合わせて11年3月末までに約230人を削減する計画だ。早期割増退職金を支払うため、09年度と10年度に合計で約15億円の特別損失を計上する。
新型“DS2”はゲームキューブ相当のパワー、2010年末に発売?
海外サイトRPaDが、かねてより噂のニンテンドーDS後継機(“Nintendo DS2”)について、GDCで「DS2でゲーム開発に取り組んでいる、ある開発者がもらした情報」として、その概要を伝えてる。
DSのような二画面を持つが、画面はより大きく、より高解像度になり、二つの画面の隙間がかなり小さくなり、二画面をひとつの巨大画面のように使うことができる。(二画面の隙間が小さくなることで、DSのように二画面を前提としたゲームだけでなく、一画面のゲーム開発も想定される、とのこと)
そのほか、加速度センサーを搭載、開発キットはゲームキューブと同様のパワーとのこと。(GCやWiiの経験者は容易に開発可能なシステム、噂のNvidia Tegraは使われないだろう、との推測も)
情報提供をした、DS2対応ゲームに取り組んでいる(とされる)匿名の開発者は、年末にもゲームを完成させるとしており、任天堂はE3でDS2を発表、2010年末に発売、という予測も出ている。
光ファイバー回線敷設で新会社検討…政府
政府が、光ファイバー回線を敷設する専門会社を新設する方向で検討に入ったことが、14日明らかになった。
NTT東日本、西日本が保有する光回線事業の一部を分離して母体とする案が有力だ。これにより、超高速ブロードバンド(大容量通信)の家庭への普及率を現在の約30%から2015年をめどに100%に高めるとしているが、NTTの再分割につながる構想だけに議論を呼びそうだ。
構想では、新会社は、NTT東西が敷設してきた基幹回線から家庭や事務所までをつなぐ末端回線を敷設する。基幹を含む全回線を管理して、NTTや他の通信各社へ公平な条件で貸し出す。
山間部など採算性の低い地域も含め普及率を100%に高めるためには、敷設費用として新たに2兆~3兆円程度かかるとの試算があり、政府は、新会社向け融資に政府保証を付けるなどして支援する構想だ。
事業分離の手法については、NTTに基幹回線などの資産を残す「英国方式」で新会社が管理運営のみを担うか、資産ごと新会社に移管するかなど複数の案がある。
大卒採用、低水準続く 11年春計画「減らす」3割超、日経調査
日本経済新聞社は14日、2011年春の採用計画調査(1次集計)をまとめた。大卒採用計画数は10年春見込みに比べ3.1%増となった。経済危機に伴い10年春採用を大幅に減らした反動で、2年ぶりのプラスに転じた。ただ採用数は依然低水準で、減らす計画の企業も34.5%を占める。計画が決まっていない大手企業も目立つなど、景気や業績の先行き不透明感から企業は慎重な姿勢を崩していない。
10年春は経済危機の影響で銀行や証券、電機、自動車など幅広い業種が採用数を絞り、大卒採用は19.6%減(最終集計)と大きく落ち込んだ。急激に採用を減らしていた企業の一部がその後の景気底入れを受けて計画を見直し、11年春は反動増となった。日興コーディアル証券やNECの採用数は前年比3倍。回答した1333社のうち約半数が増やす計画だ。
パソコン販売台数、2年ぶり前年割れ 薄型TVに需要シフト
パソコン販売の伸び悩みが深刻になってきた。家電量販店の販売動向を調べるBCN(東京・文京)によると、2月の販売台数は2年ぶりに前年同月実績を割り込んだ。金額では15カ月連続の減少。これまで低価格で小型の「ネットブック」がけん引して台数は伸びていたが、薄型テレビや高機能携帯電話(スマートフォン)などに需要が移っているようだ。
2月の販売台数は前年同月比2%減で、マイナス成長は7%減だった2008年2月以来。金額は5%減だった。ネットブック人気が盛り上がった09年1月に台数は36%伸びたが、その後の伸びは徐々に鈍っていた。
敦賀原発1号機、運転開始40年 「高齢化時代」に突入
日本原子力発電・敦賀原発1号機(福井県敦賀市、出力35万7000キロワット)が14日、国内の原発で初めて運転開始から40年を超えた。11月には関西電力・美浜1号機(福井県美浜町)も40年を迎える。温暖化対策などで原発への期待は高まっているが新規立地は進まず、「高齢原発」の使用が今後相次ぐ見通しだ。
原発の寿命は当初30~40年とされていた。敦賀1号機は1970年に運転を始めた日本最古の軽水炉。今年の運転完了を見込んでいたが後継機の建設が遅れ、日本原電は昨年9月に2016年までの寿命延長を決めた。
現在稼働中の原発は54基で、国内の発電電力量の約3割を担う。しかし平均稼働率は60%台と低迷。しかも18基が運転30年を超えている。
ゆうちょ銀、米国債3000億円購入 民営化後で初
日本郵政グループのゆうちょ銀行が2009年10~12月期に、07年10月の郵政民営化後で初めて米国債を約3千億円購入していたことが分かった。同行は190兆円に上る資金運用の8割を日本国債が占めており、運用先の多様化を進めるのが狙いだ。ただ、鳩山政権下で民営化路線の修正が進む中で、為替リスクを伴う外債投資をどこまで進めるべきかは意見が分かれている。
ゆうちょ銀行は民営化時に、株式や外債などリスク資産の保有をいったん減らした経緯がある。民営化後に郵貯残高の減少が続く中、利回りの向上を求めて円建て外債やユーロ建て国債など外債での運用も徐々に増やしてきた。米ドル建ての社債も保有しているとみられる。
中国、当面は景気重視 全人代が閉幕、バブル対策踏み込めず
【北京=高橋哲史】中国の温家宝首相は14日の記者会見で、景気が再び悪化する二番底のリスクに言及し、当面は景気に軸足を置いたマクロ経済政策運営を続ける考えを強調した。不動産価格の高騰で「バブル対策」を求める声は日ごとに強まっているが、利上げや人民元相場の切り上げ再開といった本格的なバブル退治に踏み出す時期は読みにくくなっている。
温首相は回復の兆しが表れている世界経済の先行きに強い懸念を表明した。失業率の高止まりやギリシャの経済危機などを念頭に「経済の回復傾向が反転し、二番底を探る可能性すらある」と指摘。足元で好調な中国経済も、世界経済が再び減速すれば「無関係ではいられない」と訴えた。
中国人民銀行(中央銀行)は1月以降、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を2度にわたって引き上げた。市場では「中国が政策を平時の状態に戻す『出口』に向かい始めた」との憶測が広がる。
中国首相、人民元切り上げ論に反発 「過小評価でない」
【北京=戸田敬久】中国の温家宝首相は14日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕後に記者会見し、海外からの人民元の切り上げ圧力に対し「元相場は過小評価ではない。圧力は元の制度改革の不利益になる」と発言、当面は人民元相場の安定を保つ考えを明らかにした。
温首相は元相場について、2005年7月に実施した元の制度改革で対米ドル相場が21%上昇したことを強調。中国は金融危機後も元の安定を保ち「世界経済の回復に寄与した」と誇示した。一方、「強制的な方法で切り上げを迫るやり方には反対する」と述べ、米など海外からの元切り上げ圧力に強く反発した。
景気回復を受けて金融引き締め観測が強まっているが、温首相は回復の腰折れ懸念を示し、金融緩和の枠組みを当面守る考えを明らかにした。同時に不動産価格の高騰やインフレ懸念も「心配している」と語り、状況の変化に応じた金利引き上げには含みを残した。
中国首相「法律順守外資を歓迎」 グーグル問題で譲らず
インターネット検索最大手の米グーグルが中国からの撤退をかけて検閲撤廃を求めている問題を巡り、中国の温家宝首相は14日の記者会見で、「法律を順守して中国市場に参入する外資企業を歓迎する」と述べ、検閲撤廃で譲歩しない姿勢を改めて強調した。
英紙フィナンシャル・タイムズは13日、グーグルと中国当局の交渉が行き詰まったために、グーグルが中国でのネット検索サービスを閉鎖する計画だと報じた。温首相が検閲問題で妥協しない姿勢を示したことで、グーグルが撤退する可能性が高まった。同紙によると、グーグルは中国で展開するネット検索サービス「Google.cn」を閉鎖する。研究開発などは継続する可能性が高く、北京や上海の拠点も維持するとみられる。
温首相は外資企業に法律順守を要求する一方で、「外資企業との接触が足りなかった。機会を増やして(企業側)の)意見も聞きたい」と述べ、研究開発拠点の誘致を進める意向も示した。
【産経主張】高速割引 国民欺く建設費への転用
「休日上限1000円」など高速道路料金の現行割引制度を見直すことで浮かせた財源の一部を、新規の道路建設にも転用できるようにする法改正案が閣議決定され、今国会に提出された。
道路を含むムダな公共事業の徹底排除は、鳩山由紀夫内閣の発足以来の基本政策だったはずだ。高速道路への税金投入についても「道路公団の民営化の趣旨に反する」などと強く否定してきた。
今回の法改正は、そうした政権の基本方針と明らかに矛盾する。その場しのぎで国民を欺く“ご都合主義”といわざるをえない。
そもそも昨年の総選挙で首相が掲げた公約は、首都高速、阪神高速を除く高速道路の全面無料化だった。平成24年度の完全実施をうたい、最終的には1兆3千億円の財源を確保するとしていた。
ところが、6月から社会実験として始める無料化区間は37路線50区間計1626キロと、対象全体の2割弱にとどまった。予算もわずか1千億円にすぎない。
このため政府が新たに打ち出したのが、無料化される一部区間以外については、一定の走行距離を超えると料金が上がらない「上限制」とする考えである。乗用車は2000円とする方向だ。
財源は、前政権が21年度から10年間で総額3兆円を確保した「休日上限1000円」向けの原資をあてる方針だ。国土交通省は財源の一部を、いったん凍結した高速道路の車線拡幅や分断区間をつなぐ新規工事などに回すという。
だが、これによって財源はさらに細るため、新たな割引制度は現行制度より「(曜日や時間帯によっては)値上げになる」(前原誠司国交相)とされている。
今回の法改正は、民主党の小沢一郎幹事長が昨年12月に政府に申し入れた重点要望を踏まえたものだ。今夏の参院選に向け、高速道路の整備推進を求める地方の声の高まりが背景にある。
しかし、上限制導入であれ、無料化であれ、税金を投じての高速料金の大幅な割引には、競合する鉄道やフェリー業界などが猛反発している。環境への影響などのマイナス面も指摘されている。
首相や国交相にすれば、選挙で国民の支持を得た政策だということだろうが、その後の経過を見れば、政策趣旨は当初の姿から大きく変質した。政権公約をかくも安易に変える鳩山政権は国民の信頼を軽く考えすぎている。
会社更生手続き中のPHS最大手ウィルコムが2010年度末までに全社員の約3割にあたる最大300人の削減を計画していることが14日、明らかになった。月内にも希望退職の募集を始めるほか、事業再生計画の一環で分離する次世代PHS事業の受け皿として、支援企業のソフトバンクなどが設立する新会社にも一部を転籍させる。組織の見直しに伴う人員削減で固定費を圧縮、収益の改善を急ぐ。
ウィルコムの正社員数は1月末時点で1058人。希望退職の募集人数は未定だが、自然減と合わせて11年3月末までに約230人を削減する計画だ。早期割増退職金を支払うため、09年度と10年度に合計で約15億円の特別損失を計上する。
新型“DS2”はゲームキューブ相当のパワー、2010年末に発売?
海外サイトRPaDが、かねてより噂のニンテンドーDS後継機(“Nintendo DS2”)について、GDCで「DS2でゲーム開発に取り組んでいる、ある開発者がもらした情報」として、その概要を伝えてる。
DSのような二画面を持つが、画面はより大きく、より高解像度になり、二つの画面の隙間がかなり小さくなり、二画面をひとつの巨大画面のように使うことができる。(二画面の隙間が小さくなることで、DSのように二画面を前提としたゲームだけでなく、一画面のゲーム開発も想定される、とのこと)
そのほか、加速度センサーを搭載、開発キットはゲームキューブと同様のパワーとのこと。(GCやWiiの経験者は容易に開発可能なシステム、噂のNvidia Tegraは使われないだろう、との推測も)
情報提供をした、DS2対応ゲームに取り組んでいる(とされる)匿名の開発者は、年末にもゲームを完成させるとしており、任天堂はE3でDS2を発表、2010年末に発売、という予測も出ている。
光ファイバー回線敷設で新会社検討…政府
政府が、光ファイバー回線を敷設する専門会社を新設する方向で検討に入ったことが、14日明らかになった。
NTT東日本、西日本が保有する光回線事業の一部を分離して母体とする案が有力だ。これにより、超高速ブロードバンド(大容量通信)の家庭への普及率を現在の約30%から2015年をめどに100%に高めるとしているが、NTTの再分割につながる構想だけに議論を呼びそうだ。
構想では、新会社は、NTT東西が敷設してきた基幹回線から家庭や事務所までをつなぐ末端回線を敷設する。基幹を含む全回線を管理して、NTTや他の通信各社へ公平な条件で貸し出す。
山間部など採算性の低い地域も含め普及率を100%に高めるためには、敷設費用として新たに2兆~3兆円程度かかるとの試算があり、政府は、新会社向け融資に政府保証を付けるなどして支援する構想だ。
事業分離の手法については、NTTに基幹回線などの資産を残す「英国方式」で新会社が管理運営のみを担うか、資産ごと新会社に移管するかなど複数の案がある。
大卒採用、低水準続く 11年春計画「減らす」3割超、日経調査
日本経済新聞社は14日、2011年春の採用計画調査(1次集計)をまとめた。大卒採用計画数は10年春見込みに比べ3.1%増となった。経済危機に伴い10年春採用を大幅に減らした反動で、2年ぶりのプラスに転じた。ただ採用数は依然低水準で、減らす計画の企業も34.5%を占める。計画が決まっていない大手企業も目立つなど、景気や業績の先行き不透明感から企業は慎重な姿勢を崩していない。
10年春は経済危機の影響で銀行や証券、電機、自動車など幅広い業種が採用数を絞り、大卒採用は19.6%減(最終集計)と大きく落ち込んだ。急激に採用を減らしていた企業の一部がその後の景気底入れを受けて計画を見直し、11年春は反動増となった。日興コーディアル証券やNECの採用数は前年比3倍。回答した1333社のうち約半数が増やす計画だ。
パソコン販売台数、2年ぶり前年割れ 薄型TVに需要シフト
パソコン販売の伸び悩みが深刻になってきた。家電量販店の販売動向を調べるBCN(東京・文京)によると、2月の販売台数は2年ぶりに前年同月実績を割り込んだ。金額では15カ月連続の減少。これまで低価格で小型の「ネットブック」がけん引して台数は伸びていたが、薄型テレビや高機能携帯電話(スマートフォン)などに需要が移っているようだ。
2月の販売台数は前年同月比2%減で、マイナス成長は7%減だった2008年2月以来。金額は5%減だった。ネットブック人気が盛り上がった09年1月に台数は36%伸びたが、その後の伸びは徐々に鈍っていた。
敦賀原発1号機、運転開始40年 「高齢化時代」に突入
日本原子力発電・敦賀原発1号機(福井県敦賀市、出力35万7000キロワット)が14日、国内の原発で初めて運転開始から40年を超えた。11月には関西電力・美浜1号機(福井県美浜町)も40年を迎える。温暖化対策などで原発への期待は高まっているが新規立地は進まず、「高齢原発」の使用が今後相次ぐ見通しだ。
原発の寿命は当初30~40年とされていた。敦賀1号機は1970年に運転を始めた日本最古の軽水炉。今年の運転完了を見込んでいたが後継機の建設が遅れ、日本原電は昨年9月に2016年までの寿命延長を決めた。
現在稼働中の原発は54基で、国内の発電電力量の約3割を担う。しかし平均稼働率は60%台と低迷。しかも18基が運転30年を超えている。
ゆうちょ銀、米国債3000億円購入 民営化後で初
日本郵政グループのゆうちょ銀行が2009年10~12月期に、07年10月の郵政民営化後で初めて米国債を約3千億円購入していたことが分かった。同行は190兆円に上る資金運用の8割を日本国債が占めており、運用先の多様化を進めるのが狙いだ。ただ、鳩山政権下で民営化路線の修正が進む中で、為替リスクを伴う外債投資をどこまで進めるべきかは意見が分かれている。
ゆうちょ銀行は民営化時に、株式や外債などリスク資産の保有をいったん減らした経緯がある。民営化後に郵貯残高の減少が続く中、利回りの向上を求めて円建て外債やユーロ建て国債など外債での運用も徐々に増やしてきた。米ドル建ての社債も保有しているとみられる。
中国、当面は景気重視 全人代が閉幕、バブル対策踏み込めず
【北京=高橋哲史】中国の温家宝首相は14日の記者会見で、景気が再び悪化する二番底のリスクに言及し、当面は景気に軸足を置いたマクロ経済政策運営を続ける考えを強調した。不動産価格の高騰で「バブル対策」を求める声は日ごとに強まっているが、利上げや人民元相場の切り上げ再開といった本格的なバブル退治に踏み出す時期は読みにくくなっている。
温首相は回復の兆しが表れている世界経済の先行きに強い懸念を表明した。失業率の高止まりやギリシャの経済危機などを念頭に「経済の回復傾向が反転し、二番底を探る可能性すらある」と指摘。足元で好調な中国経済も、世界経済が再び減速すれば「無関係ではいられない」と訴えた。
中国人民銀行(中央銀行)は1月以降、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を2度にわたって引き上げた。市場では「中国が政策を平時の状態に戻す『出口』に向かい始めた」との憶測が広がる。
中国首相、人民元切り上げ論に反発 「過小評価でない」
【北京=戸田敬久】中国の温家宝首相は14日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕後に記者会見し、海外からの人民元の切り上げ圧力に対し「元相場は過小評価ではない。圧力は元の制度改革の不利益になる」と発言、当面は人民元相場の安定を保つ考えを明らかにした。
温首相は元相場について、2005年7月に実施した元の制度改革で対米ドル相場が21%上昇したことを強調。中国は金融危機後も元の安定を保ち「世界経済の回復に寄与した」と誇示した。一方、「強制的な方法で切り上げを迫るやり方には反対する」と述べ、米など海外からの元切り上げ圧力に強く反発した。
景気回復を受けて金融引き締め観測が強まっているが、温首相は回復の腰折れ懸念を示し、金融緩和の枠組みを当面守る考えを明らかにした。同時に不動産価格の高騰やインフレ懸念も「心配している」と語り、状況の変化に応じた金利引き上げには含みを残した。
中国首相「法律順守外資を歓迎」 グーグル問題で譲らず
インターネット検索最大手の米グーグルが中国からの撤退をかけて検閲撤廃を求めている問題を巡り、中国の温家宝首相は14日の記者会見で、「法律を順守して中国市場に参入する外資企業を歓迎する」と述べ、検閲撤廃で譲歩しない姿勢を改めて強調した。
英紙フィナンシャル・タイムズは13日、グーグルと中国当局の交渉が行き詰まったために、グーグルが中国でのネット検索サービスを閉鎖する計画だと報じた。温首相が検閲問題で妥協しない姿勢を示したことで、グーグルが撤退する可能性が高まった。同紙によると、グーグルは中国で展開するネット検索サービス「Google.cn」を閉鎖する。研究開発などは継続する可能性が高く、北京や上海の拠点も維持するとみられる。
温首相は外資企業に法律順守を要求する一方で、「外資企業との接触が足りなかった。機会を増やして(企業側)の)意見も聞きたい」と述べ、研究開発拠点の誘致を進める意向も示した。
【産経主張】高速割引 国民欺く建設費への転用
「休日上限1000円」など高速道路料金の現行割引制度を見直すことで浮かせた財源の一部を、新規の道路建設にも転用できるようにする法改正案が閣議決定され、今国会に提出された。
道路を含むムダな公共事業の徹底排除は、鳩山由紀夫内閣の発足以来の基本政策だったはずだ。高速道路への税金投入についても「道路公団の民営化の趣旨に反する」などと強く否定してきた。
今回の法改正は、そうした政権の基本方針と明らかに矛盾する。その場しのぎで国民を欺く“ご都合主義”といわざるをえない。
そもそも昨年の総選挙で首相が掲げた公約は、首都高速、阪神高速を除く高速道路の全面無料化だった。平成24年度の完全実施をうたい、最終的には1兆3千億円の財源を確保するとしていた。
ところが、6月から社会実験として始める無料化区間は37路線50区間計1626キロと、対象全体の2割弱にとどまった。予算もわずか1千億円にすぎない。
このため政府が新たに打ち出したのが、無料化される一部区間以外については、一定の走行距離を超えると料金が上がらない「上限制」とする考えである。乗用車は2000円とする方向だ。
財源は、前政権が21年度から10年間で総額3兆円を確保した「休日上限1000円」向けの原資をあてる方針だ。国土交通省は財源の一部を、いったん凍結した高速道路の車線拡幅や分断区間をつなぐ新規工事などに回すという。
だが、これによって財源はさらに細るため、新たな割引制度は現行制度より「(曜日や時間帯によっては)値上げになる」(前原誠司国交相)とされている。
今回の法改正は、民主党の小沢一郎幹事長が昨年12月に政府に申し入れた重点要望を踏まえたものだ。今夏の参院選に向け、高速道路の整備推進を求める地方の声の高まりが背景にある。
しかし、上限制導入であれ、無料化であれ、税金を投じての高速料金の大幅な割引には、競合する鉄道やフェリー業界などが猛反発している。環境への影響などのマイナス面も指摘されている。
首相や国交相にすれば、選挙で国民の支持を得た政策だということだろうが、その後の経過を見れば、政策趣旨は当初の姿から大きく変質した。政権公約をかくも安易に変える鳩山政権は国民の信頼を軽く考えすぎている。