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「文化が滅びる」―都条例「非実在青少年」にあだち充さんや藤子不二雄Aさん、高橋留美子さんのほか、講談社や集英社、小学館も反対表明
「改正案が通れば、文化の根を断つことになる」――アニメ・漫画に登場する18歳未満のキャラクターは「非実在青少年」だとして、性的描写などの内容によっては不健全図書に指定して青少年への販売を禁じる「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(青少年育成条例)改正案に反対する漫画家などが3月15日、都議会民主党総務部会を訪ねて意見を伝え、都庁で会見を開いた(漫画・アニメの「非実在青少年」も対象に 東京都の青少年育成条例改正案)。
会見には、漫画家の里中満智子さんや永井豪さん、ちばてつやさん、竹宮惠子さんなどが参加。里中さんは「青少年を健全に育てたいという温かい気持ちから出た規制だろうが、表現規制は慎重に考えないと恐ろしい世の中になる」、ちばさんは「文化が興るときにはいろんな種類の花が咲き、地の底で根としてつながっている。根を絶つと文化が滅びる」などと強い懸念を示した。
4人に加え、この問題についてmixi日記で指摘し、周知の火付け役となった漫画評論家の藤本由香里さん、日本漫画学会長で評論家の呉智英さん、社会学者の宮台真司さん、明治大学准教授の森川嘉一郎さん、「松文館事件」で被告側弁護人を務めた弁護士の山口貴士さん、日本書籍出版協会の矢部敬一さんも会見に出席し、意見を述べた。
改正案に反対する漫画家として、あだち充さんや藤子不二雄Aさん、高橋留美子さん、萩尾望都さん、安彦良和さんなど約60人のリストも配られたほか、講談社や集英社、小学館などコミック発行10社も反対を表明している。
「ハレンチ学園」「風と樹の詩」も対象に?
「『ハレンチ学園』で世に出た」と話す永井さん
改正案の問題点として、(1)あいまいな規定でいくらでも恣意的に解釈でき、幅広い作品が対象になり得ること、(2)漫画などの表現に対する萎縮効果が高く、日本のコンテンツ産業に大きなマイナス影響を与える可能性があること、(3)審議期間が極端に短く、拙速に成立に向かっていること――などが指摘された。
藤本さんは「都は、過激な性表現のある作品のみが対象と言っているようだが、条文を照らすとそれは事実ではない」と指摘。現行条例でも不健全図書の規定がある中、改正案では「非実在青少年」に関する規定を新設しており、青少年の性を肯定的に描いたさまざまな作品が対象となり得ると懸念する。
永井豪さんは、40年前の「ハレンチ学園」発表当時、「めちゃくちゃに叩かれた」と振り返る。「当時も、青少年は異性への関心を持つのが健全な精神の育成だと思って描いていると説明した。異性に関心を持つことが罪悪と思って育つと、大人になった時の衝撃が強すぎる。成長段階に応じて少量ずつ与えていくことが重要」(永井さん)
「善意の規制」が闇を大きくする
改正案が「子どもを健全に育てたい」という善意の発想から成り立っていることへの危険性の指摘もあった。「規制側は、目の前の正義感や倫理観で話すのだろうが、表面的な正義が見えないところで闇を大きくする。キャラクターまで対象にするのは、子どもの環境をあまりに狭く考えすぎている」と里中さんは懸念する。
宮台さんは、「青少年の性行為を描いたコンテンツが青少年に悪影響を与えるという素朴な悪影響論は学問的には否定されている」とした上で、「誰と見るかなど、コンテンツの受容文脈をコントロールすることが最善」と指摘。「最善の策を取らずにいきなり次善の表現規制に飛び込むのは怠慢」と批判した。
条例では18歳未満を青少年と規定しているが、日本では女性は16歳で結婚でき、「高校3年生の半分近くが性体験をしている」(宮台さん)という状況で、高校生の性行為を肯定的に描写した作品が対象になれば表現への萎縮効果は高い。「普通のことをしている人に対して、『お前達は悪いことをやっている』というメッセージを出すことになり、副作用は大きい」(宮台さん)
山口弁護士は、「青少年性的視覚描写物」のまん延の防止を都の責務と規定した条文に絡み、「何を見て何を見てはいけないかについて、都が口を挟むのは非常に危険」と警鐘を鳴らした。
日本のコンテンツ産業発展を阻害する
「死ぬ前にひと言言っておかないと危ない」と冗談めかして語るちばさん
「文化が興るときにはいろんな種類の花が咲き、地の底で根としてつながっている。根を絶つと文化が滅ぶ」(ちばさん)――関係者には、漫画やアニメなど日本の文化やコンテンツ産業の発展を阻害するという危機感も強い。
「ハレンチ学園がなければ、その後の『マジンガーZ』もなく、各国に呼ばれて漫画やアニメについて講演することもなかった」と話す永井さんは、「自由な漫画の発想があったからこそ日本の漫画やアニメは発展し、世界に注目されてきた。表現規制を行った韓国は、漫画の発展が遅れた」という見方を示す。
「規制側には、良い漫画と悪い漫画を区別できるという暗黙の前提があるようだが……」――森川さんはその考え方自体が間違っていると指摘。青少年の性行為を描いた漫画や同人誌を描いた漫画家が、「文化庁メディア芸術祭」で受賞するケースも多いなど、多様な表現を許容する環境が漫画家のすそ野を広げていると紹介し、「改正案が通った場合の副作用がほとんど検討されていない」と危惧した。
「この条例を、『東京国際アニメフェア』を主催している都がやっているという意味は大きい」と藤本さんは指摘。会見やその後の集会では、享楽的な若者を描いた都知事の小説「太陽の季節」を皮肉る発言も複数の参加者からあった。
異常なスピード
改正案は2月24日に提出され、3月19日の都議会総務委で採決、3月末にも本会議で採決というスケジュールにも批判があった。「異常とも言えるほど短く、このような決め方は民主主義の原則に照らして大いに問題がある」(藤本さん)
集会は約300人が詰めかけ立ち見も
都議会会議室で開かれた集会には、会見の出席者に加え、漫画家のさそうあきらさんや齋藤なずなさん、都議の吉田康一郎(民主党)さんや福士敬子さん(無所属)、前衆院議員の保坂展人さん(社民党)など政治家も参加。用意された100席に、メディア関係者や出版関係者、一般市民など約300人が詰めかけ、立ち見の参加者で会場が埋まった。集会の様子はUstreamやニコニコ放送でもライブ配信され、注目を集めた。
改正案のベースとなった答申が出た段階から問題を感じていたという吉田都議は「児童の性的搾取を止めるためという手段の正当性の前に、方法論が議論されず、問題がなし崩しになっている。状況はまだ厳しいが、当たり前の妥当な結論が出よう頑張りたい」など話していた。
企業健保、保険料率上げ 日産やイオン、高齢者医療が重荷
大手企業の健康保険組合で、医療保険の保険料率を引き上げる動きが広がっている。日産自動車やNEC、イオンはそれぞれ、2009年度に続き10年度も料率を引き上げることを決めた。業績低迷で健康保険料のベースとなる給与が伸び悩むなか、高齢者医療への資金負担が増大し、健保財政が悪化しているためだ。全健保組合の平均保険料率は10年度、3年連続の上昇となる可能性が高い。
日産の健康保険組合は3月分から料率を8.02%と従来より0.74ポイント引き上げた。イオン健康保険組合も8.4%から8.8%とした。NECは4月分以降の引き上げを決めており、それぞれ2年連続の料率上げ。大日本印刷など、他の大手企業でも09年度に続き、料率引き上げに動く健保が目立つ。
ドラッグ店2社統合 ココカラとアライドハーツ、10月業界3位に
ドラッグストア大手のココカラファインホールディングスと同業で関西地盤のアライドハーツ・ホールディングスは10月1日付で経営統合することで合意した。統合後の売上高は約2700億円とマツモトキヨシなどに続く業界3位に浮上する。コンビニエンスストアなどによる一般用医薬品(大衆薬)販売参入のきっかけとなった2009年6月の改正薬事法の施行以降、初の業界再編となる。
16日午前に発表する。統合比率は最終的な調整に入っている。統合後は「ココカラファイン」を新社名とする持ち株会社を核に、現ココカラHD傘下の「セガミメディクス」「セイジョー」、アライドハーツHD傘下の「ライフォート」「ジップドラッグ」の4つの事業会社をぶら下げる形にする。
台湾・友達光電、中国にパネル工場 2700億円で江蘇省に
【台北=新居耕治】液晶パネル世界3位である台湾の友達光電(AUO)は15日、中国江蘇省昆山に液晶テレビ向けのパネル工場を建設することを決め、台湾の経済部(経済産業省)に申請した。台湾勢では初の中国進出案件。既に中国進出を決めた韓国勢に対抗する。中国では地元企業のパネル工場新設計画も相次いでおり、中国市場を巡る競争が一段と激化しそうだ。
AUOが申請したのは「第7.5世代」と呼ばれる大型パネルを使ったパネル工場。AUOは中国企業との合弁ではなく単独での進出を目指しており、投資額は30億ドル(約2700億円)。2011年末の量産を目指しており、生産能力は月産8万~9万枚になるとみられる。
台湾当局は今年2月、対中投資規制の緩和を発表しており、AUOの申請はこれを受けた措置。AUOは台湾当局の認可を得たうえで、中国当局に正式に投資を申請する計画だ。
ハーバード大学長「日本人生徒の減少懸念」 1年生わずか1人
今年の1年生で日本人は1人だけだ――。米ハーバード大学のドルー・ファウスト学長は都内での日本の大学関係者との懇談で、日本人留学生の減少に懸念を表明した。中国や韓国からの留学が増えるなか、日本人留学生の減少には「大学も注目している」と指摘。日本の学生に「内向き志向」からの転換を勧めた。
学長は「日本の学生は留学するより日本の大学に通ったほうが将来的に有利だと考えているようだ」と発言。「気候変動や感染症といった問題は世界中を見なければ答えは見つからない」と訴えた。その後、学長は鳩山由紀夫首相と会談し、海外留学を増やす必要があると強調した。
日産、中国にデザイン拠点 日本の自動車メーカーで初
【北京=多部田俊輔】日産自動車の中国法人は15日、2011年初めをめどに中国・北京にデザイン拠点を開設すると発表した。日本の自動車メーカーが中国にデザイン拠点を設けるのは初めて。中国の自動車市場は09年に米国を抜いて世界1位になり、10年も2ケタ成長の見通し。日産は中国の消費者ニーズを取り込んだ新車の投入で世界最大市場でのシェア拡大を狙う。
新しいデザイン拠点は、現地のデザイナーら約20人を採用する。投資額は約1200万元(約1億6000万円)。中国を含めた全世界で発売する新車やコンセプトカーなどのデザインを手掛けるという。
海外でのデザイン拠点は米英に次いで3カ所目で、国内もあわせると5カ所目。上海市に現地で提携しているメーカー向けに調査などを手掛けるデザイン事務所を開設していたが、新しいデザイン拠点に統合するとしている。
朝青龍引退が追い打ち?空席目立つ春場所
大相撲春場所2日目は空席が目立ち、初日に続く満員御礼とはならなかった。
15日間で前売り券が完売した日はなく、9軒のお茶屋をまとめる大阪相撲案内所組合の清水武組合長は「昨年より3~5%減。不況が原因だが、朝青龍引退が追い打ちをかけた」。朝青龍が優勝した今年の初場所は満員御礼が7日間だった。春場所は年6場所のうち「満員」の回数が過去2年連続トップだが、土俵の熱気で浪速のファンの人気をつなぎ留められるか。
日経社説 人ごとでない中国の成長のひずみ是正(3/16)
14日に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では所得分配が重要なテーマになった。広がり続ける格差が社会の安定を損ない政権を揺るがしかねないためだ。高成長の裏側で深まる社会のひずみをどう是正していくか。中国は新たな改革を問われている。
中国政府系のシンクタンクによると、中国の国内総生産(GDP)に対する労働者の総報酬の割合は1996年の53.4%から2005年に41.4%まで下がった。09年には40%を割り込んだとの報道もある。
この割合は大方の先進国では50%を超える。中国は経済の高成長の下で経営者と政府への富の集中が進み、社会の分裂を深めている。
賃金を巡る騒乱は相次いでいる。寡占を背景に高収益をあげている国有企業の従業員が賃金をもらい過ぎだ、との不満も高まっている。
08年のチベット騒乱や09年の新疆ウイグル自治区のウルムチでの騒乱などの大事件にも、高成長の分け前にあずかれる人々と、そうでない人々の間の分裂が読み取れた。
改革・開放政策に踏み出してから30年あまり。中国は経済の「量」の拡大を必死に追求してきたが、今や「質」を高める改革こそ重要な局面を迎えたようにみえる。
日本にとっても中国は今や大切な輸出相手国であり、中国が内需主導の成長へとかじを切ることは重要な意味を持つ。格差是正を通じて社会の安定を保ち、持続的な成長の条件を整えることは、世界全体にも大きな貢献となる。
外国との貿易取引で焦点になっているのは、08年夏からドルに事実上固定している人民元相場の弾力化だ。全人代の閉幕後に記者会見した温家宝首相は人民元の早期切り上げに慎重な姿勢を示した。輸出産業に職を得ている膨大な低所得層や競争力の低い農産物を生産している農民たちを守るため、急激な人民元の切り上げは避けたいのが本音だろう。
ただ日本の経験からも、ドル買い介入で自国通貨高に歯止めをかけ続けようとすると、介入資金が国内の過剰流動性を招き、不動産などのバブルを引き起こしかねない。最近の中国のバブル懸念は、人民元の上昇を嫌うあまり前車の轍(てつ)を踏んでいるようにみえてならない。
日本が中国に対して、相互の一層の市場開放や知的財産の保護など商取引慣行の改善を働きかける、経済対話の必要性は今まで以上に高まっている。バブルをはさむ時代の日本の経験を反面教師として伝えることも、中国への貢献となろう。
「改正案が通れば、文化の根を断つことになる」――アニメ・漫画に登場する18歳未満のキャラクターは「非実在青少年」だとして、性的描写などの内容によっては不健全図書に指定して青少年への販売を禁じる「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(青少年育成条例)改正案に反対する漫画家などが3月15日、都議会民主党総務部会を訪ねて意見を伝え、都庁で会見を開いた(漫画・アニメの「非実在青少年」も対象に 東京都の青少年育成条例改正案)。
会見には、漫画家の里中満智子さんや永井豪さん、ちばてつやさん、竹宮惠子さんなどが参加。里中さんは「青少年を健全に育てたいという温かい気持ちから出た規制だろうが、表現規制は慎重に考えないと恐ろしい世の中になる」、ちばさんは「文化が興るときにはいろんな種類の花が咲き、地の底で根としてつながっている。根を絶つと文化が滅びる」などと強い懸念を示した。
4人に加え、この問題についてmixi日記で指摘し、周知の火付け役となった漫画評論家の藤本由香里さん、日本漫画学会長で評論家の呉智英さん、社会学者の宮台真司さん、明治大学准教授の森川嘉一郎さん、「松文館事件」で被告側弁護人を務めた弁護士の山口貴士さん、日本書籍出版協会の矢部敬一さんも会見に出席し、意見を述べた。
改正案に反対する漫画家として、あだち充さんや藤子不二雄Aさん、高橋留美子さん、萩尾望都さん、安彦良和さんなど約60人のリストも配られたほか、講談社や集英社、小学館などコミック発行10社も反対を表明している。
「ハレンチ学園」「風と樹の詩」も対象に?
「『ハレンチ学園』で世に出た」と話す永井さん
改正案の問題点として、(1)あいまいな規定でいくらでも恣意的に解釈でき、幅広い作品が対象になり得ること、(2)漫画などの表現に対する萎縮効果が高く、日本のコンテンツ産業に大きなマイナス影響を与える可能性があること、(3)審議期間が極端に短く、拙速に成立に向かっていること――などが指摘された。
藤本さんは「都は、過激な性表現のある作品のみが対象と言っているようだが、条文を照らすとそれは事実ではない」と指摘。現行条例でも不健全図書の規定がある中、改正案では「非実在青少年」に関する規定を新設しており、青少年の性を肯定的に描いたさまざまな作品が対象となり得ると懸念する。
永井豪さんは、40年前の「ハレンチ学園」発表当時、「めちゃくちゃに叩かれた」と振り返る。「当時も、青少年は異性への関心を持つのが健全な精神の育成だと思って描いていると説明した。異性に関心を持つことが罪悪と思って育つと、大人になった時の衝撃が強すぎる。成長段階に応じて少量ずつ与えていくことが重要」(永井さん)
「善意の規制」が闇を大きくする
改正案が「子どもを健全に育てたい」という善意の発想から成り立っていることへの危険性の指摘もあった。「規制側は、目の前の正義感や倫理観で話すのだろうが、表面的な正義が見えないところで闇を大きくする。キャラクターまで対象にするのは、子どもの環境をあまりに狭く考えすぎている」と里中さんは懸念する。
宮台さんは、「青少年の性行為を描いたコンテンツが青少年に悪影響を与えるという素朴な悪影響論は学問的には否定されている」とした上で、「誰と見るかなど、コンテンツの受容文脈をコントロールすることが最善」と指摘。「最善の策を取らずにいきなり次善の表現規制に飛び込むのは怠慢」と批判した。
条例では18歳未満を青少年と規定しているが、日本では女性は16歳で結婚でき、「高校3年生の半分近くが性体験をしている」(宮台さん)という状況で、高校生の性行為を肯定的に描写した作品が対象になれば表現への萎縮効果は高い。「普通のことをしている人に対して、『お前達は悪いことをやっている』というメッセージを出すことになり、副作用は大きい」(宮台さん)
山口弁護士は、「青少年性的視覚描写物」のまん延の防止を都の責務と規定した条文に絡み、「何を見て何を見てはいけないかについて、都が口を挟むのは非常に危険」と警鐘を鳴らした。
日本のコンテンツ産業発展を阻害する
「死ぬ前にひと言言っておかないと危ない」と冗談めかして語るちばさん
「文化が興るときにはいろんな種類の花が咲き、地の底で根としてつながっている。根を絶つと文化が滅ぶ」(ちばさん)――関係者には、漫画やアニメなど日本の文化やコンテンツ産業の発展を阻害するという危機感も強い。
「ハレンチ学園がなければ、その後の『マジンガーZ』もなく、各国に呼ばれて漫画やアニメについて講演することもなかった」と話す永井さんは、「自由な漫画の発想があったからこそ日本の漫画やアニメは発展し、世界に注目されてきた。表現規制を行った韓国は、漫画の発展が遅れた」という見方を示す。
「規制側には、良い漫画と悪い漫画を区別できるという暗黙の前提があるようだが……」――森川さんはその考え方自体が間違っていると指摘。青少年の性行為を描いた漫画や同人誌を描いた漫画家が、「文化庁メディア芸術祭」で受賞するケースも多いなど、多様な表現を許容する環境が漫画家のすそ野を広げていると紹介し、「改正案が通った場合の副作用がほとんど検討されていない」と危惧した。
「この条例を、『東京国際アニメフェア』を主催している都がやっているという意味は大きい」と藤本さんは指摘。会見やその後の集会では、享楽的な若者を描いた都知事の小説「太陽の季節」を皮肉る発言も複数の参加者からあった。
異常なスピード
改正案は2月24日に提出され、3月19日の都議会総務委で採決、3月末にも本会議で採決というスケジュールにも批判があった。「異常とも言えるほど短く、このような決め方は民主主義の原則に照らして大いに問題がある」(藤本さん)
集会は約300人が詰めかけ立ち見も
都議会会議室で開かれた集会には、会見の出席者に加え、漫画家のさそうあきらさんや齋藤なずなさん、都議の吉田康一郎(民主党)さんや福士敬子さん(無所属)、前衆院議員の保坂展人さん(社民党)など政治家も参加。用意された100席に、メディア関係者や出版関係者、一般市民など約300人が詰めかけ、立ち見の参加者で会場が埋まった。集会の様子はUstreamやニコニコ放送でもライブ配信され、注目を集めた。
改正案のベースとなった答申が出た段階から問題を感じていたという吉田都議は「児童の性的搾取を止めるためという手段の正当性の前に、方法論が議論されず、問題がなし崩しになっている。状況はまだ厳しいが、当たり前の妥当な結論が出よう頑張りたい」など話していた。
企業健保、保険料率上げ 日産やイオン、高齢者医療が重荷
大手企業の健康保険組合で、医療保険の保険料率を引き上げる動きが広がっている。日産自動車やNEC、イオンはそれぞれ、2009年度に続き10年度も料率を引き上げることを決めた。業績低迷で健康保険料のベースとなる給与が伸び悩むなか、高齢者医療への資金負担が増大し、健保財政が悪化しているためだ。全健保組合の平均保険料率は10年度、3年連続の上昇となる可能性が高い。
日産の健康保険組合は3月分から料率を8.02%と従来より0.74ポイント引き上げた。イオン健康保険組合も8.4%から8.8%とした。NECは4月分以降の引き上げを決めており、それぞれ2年連続の料率上げ。大日本印刷など、他の大手企業でも09年度に続き、料率引き上げに動く健保が目立つ。
ドラッグ店2社統合 ココカラとアライドハーツ、10月業界3位に
ドラッグストア大手のココカラファインホールディングスと同業で関西地盤のアライドハーツ・ホールディングスは10月1日付で経営統合することで合意した。統合後の売上高は約2700億円とマツモトキヨシなどに続く業界3位に浮上する。コンビニエンスストアなどによる一般用医薬品(大衆薬)販売参入のきっかけとなった2009年6月の改正薬事法の施行以降、初の業界再編となる。
16日午前に発表する。統合比率は最終的な調整に入っている。統合後は「ココカラファイン」を新社名とする持ち株会社を核に、現ココカラHD傘下の「セガミメディクス」「セイジョー」、アライドハーツHD傘下の「ライフォート」「ジップドラッグ」の4つの事業会社をぶら下げる形にする。
台湾・友達光電、中国にパネル工場 2700億円で江蘇省に
【台北=新居耕治】液晶パネル世界3位である台湾の友達光電(AUO)は15日、中国江蘇省昆山に液晶テレビ向けのパネル工場を建設することを決め、台湾の経済部(経済産業省)に申請した。台湾勢では初の中国進出案件。既に中国進出を決めた韓国勢に対抗する。中国では地元企業のパネル工場新設計画も相次いでおり、中国市場を巡る競争が一段と激化しそうだ。
AUOが申請したのは「第7.5世代」と呼ばれる大型パネルを使ったパネル工場。AUOは中国企業との合弁ではなく単独での進出を目指しており、投資額は30億ドル(約2700億円)。2011年末の量産を目指しており、生産能力は月産8万~9万枚になるとみられる。
台湾当局は今年2月、対中投資規制の緩和を発表しており、AUOの申請はこれを受けた措置。AUOは台湾当局の認可を得たうえで、中国当局に正式に投資を申請する計画だ。
ハーバード大学長「日本人生徒の減少懸念」 1年生わずか1人
今年の1年生で日本人は1人だけだ――。米ハーバード大学のドルー・ファウスト学長は都内での日本の大学関係者との懇談で、日本人留学生の減少に懸念を表明した。中国や韓国からの留学が増えるなか、日本人留学生の減少には「大学も注目している」と指摘。日本の学生に「内向き志向」からの転換を勧めた。
学長は「日本の学生は留学するより日本の大学に通ったほうが将来的に有利だと考えているようだ」と発言。「気候変動や感染症といった問題は世界中を見なければ答えは見つからない」と訴えた。その後、学長は鳩山由紀夫首相と会談し、海外留学を増やす必要があると強調した。
日産、中国にデザイン拠点 日本の自動車メーカーで初
【北京=多部田俊輔】日産自動車の中国法人は15日、2011年初めをめどに中国・北京にデザイン拠点を開設すると発表した。日本の自動車メーカーが中国にデザイン拠点を設けるのは初めて。中国の自動車市場は09年に米国を抜いて世界1位になり、10年も2ケタ成長の見通し。日産は中国の消費者ニーズを取り込んだ新車の投入で世界最大市場でのシェア拡大を狙う。
新しいデザイン拠点は、現地のデザイナーら約20人を採用する。投資額は約1200万元(約1億6000万円)。中国を含めた全世界で発売する新車やコンセプトカーなどのデザインを手掛けるという。
海外でのデザイン拠点は米英に次いで3カ所目で、国内もあわせると5カ所目。上海市に現地で提携しているメーカー向けに調査などを手掛けるデザイン事務所を開設していたが、新しいデザイン拠点に統合するとしている。
朝青龍引退が追い打ち?空席目立つ春場所
大相撲春場所2日目は空席が目立ち、初日に続く満員御礼とはならなかった。
15日間で前売り券が完売した日はなく、9軒のお茶屋をまとめる大阪相撲案内所組合の清水武組合長は「昨年より3~5%減。不況が原因だが、朝青龍引退が追い打ちをかけた」。朝青龍が優勝した今年の初場所は満員御礼が7日間だった。春場所は年6場所のうち「満員」の回数が過去2年連続トップだが、土俵の熱気で浪速のファンの人気をつなぎ留められるか。
日経社説 人ごとでない中国の成長のひずみ是正(3/16)
14日に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では所得分配が重要なテーマになった。広がり続ける格差が社会の安定を損ない政権を揺るがしかねないためだ。高成長の裏側で深まる社会のひずみをどう是正していくか。中国は新たな改革を問われている。
中国政府系のシンクタンクによると、中国の国内総生産(GDP)に対する労働者の総報酬の割合は1996年の53.4%から2005年に41.4%まで下がった。09年には40%を割り込んだとの報道もある。
この割合は大方の先進国では50%を超える。中国は経済の高成長の下で経営者と政府への富の集中が進み、社会の分裂を深めている。
賃金を巡る騒乱は相次いでいる。寡占を背景に高収益をあげている国有企業の従業員が賃金をもらい過ぎだ、との不満も高まっている。
08年のチベット騒乱や09年の新疆ウイグル自治区のウルムチでの騒乱などの大事件にも、高成長の分け前にあずかれる人々と、そうでない人々の間の分裂が読み取れた。
改革・開放政策に踏み出してから30年あまり。中国は経済の「量」の拡大を必死に追求してきたが、今や「質」を高める改革こそ重要な局面を迎えたようにみえる。
日本にとっても中国は今や大切な輸出相手国であり、中国が内需主導の成長へとかじを切ることは重要な意味を持つ。格差是正を通じて社会の安定を保ち、持続的な成長の条件を整えることは、世界全体にも大きな貢献となる。
外国との貿易取引で焦点になっているのは、08年夏からドルに事実上固定している人民元相場の弾力化だ。全人代の閉幕後に記者会見した温家宝首相は人民元の早期切り上げに慎重な姿勢を示した。輸出産業に職を得ている膨大な低所得層や競争力の低い農産物を生産している農民たちを守るため、急激な人民元の切り上げは避けたいのが本音だろう。
ただ日本の経験からも、ドル買い介入で自国通貨高に歯止めをかけ続けようとすると、介入資金が国内の過剰流動性を招き、不動産などのバブルを引き起こしかねない。最近の中国のバブル懸念は、人民元の上昇を嫌うあまり前車の轍(てつ)を踏んでいるようにみえてならない。
日本が中国に対して、相互の一層の市場開放や知的財産の保護など商取引慣行の改善を働きかける、経済対話の必要性は今まで以上に高まっている。バブルをはさむ時代の日本の経験を反面教師として伝えることも、中国への貢献となろう。
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