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ついに純増2位に浮上、イー・モバイルの実力とは?(COLUMN)
11月10日、電気通信事業者協会(TCA)が2008年10月の携帯電話契約数を発表した。詳しくはニュース記事に譲るが、純増数1位はソフトバンクモバイル。ひと頃より勢いは落ちたものの、それでも純増首位記録を連続18カ月に伸ばしている。一方で、NTTドコモとKDDI (au)の大手2社は、コンシューマを中心とした純新規市場の飽和と、冬商戦前の買い控え期であったこともあり、新規契約の伸びが低迷。ドコモが4位、KDDIが3位という結果となっている。とはいえ、ドコモやKDDIの大手2社は、すでに多くの契約者と稼働シェアを確保しているため、重要なのは毎月の純増数/純増シェアよりも、解約率の低減の方だ。その点で見ると、ドコモの解約率は「過去最低の水準」(NTTドコモ)であり、キャリアとしての競争力はむしろ高くなっていると言える。
各キャリアの市場競争において、ここにきて著しい成長が見られるのが、新興キャリアである「イー・モバイル」である。同社は2007年3月に携帯電話市場に参入。データ通信分野を中心に成長し、10月の純増数ではソフトバンクモバイルに食らいつく純増シェア2位となった。同社がいまだサービスエリア拡大中であることを考えると、これは十分に快挙と言えるだろう。
●今後の成長が期待できる「2台目市場」で競争力
なぜ、イー・モバイルはこれほど早期に“成長軌道”に乗ることができたのか。
まず、表面的な理由として挙げられるのが、同社の市場競争力が「高速・低価格なPC向け定額データ通信サービス」と、「魅力的なスマートフォン向け料金プラン」に、しっかりと“選択と集中”されていることだ。この2つの分野でのみ見比べれば、その価格競争力とサービスの使い勝手のよさは随一である。携帯キャリア3社はもとより、データ通信やスマートフォン分野の草分けであるウィルコムと比べても、高い訴求力がある。
PC向けデータ通信市場とスマートフォン市場は、携帯電話・PHS市場全体で見れば全体の1割にも満たない。しかし、まだビジネス規模の小さいイー・モバイルからすれば、既存マーケットでシェアを獲得していくだけでも当面の成長をする上で十分な「母数」になる。さらに両分野とも、超小型PCやスマートフォンの進化、モバイル市場の多様化とユーザーの使い分けニーズの拡大などもあり、「2台目市場」として今後の成長が見込める領域でもある。また、逆説的だが、2台目市場が成長の牽引役であることは、すでに飽和・息切れしている“既存のコンシューマ向け携帯電話市場”の成長鈍化の影響も受けにくい。「今あるケータイ」とは別のベクトルで、成長しているからだ。
このように当初から「データ通信サービス」と「スマートフォン」に選択と集中し、新興市場を成長の足がかりにしていることは、イー・モバイルの優位性になっている。
●サービスエリア内ならば、インフラの質は高い
イー・モバイルが“急成長”している理由は、それだけではない。
筆者はあと2つ、同社の台頭には大きな要因があると見ている。それが「インフラ」と「マーケティング」における高い実力だ。
まず前者のインフラ力であるが、サービスエリアの広さだけ見れば、イー・モバイルのそれは他キャリアに追いついていない。新規参入から2年も経っていないことを考えれば、それは当然だ。筆者が注目しているのは、すでにサービスエリア化された場所での「インフラの質」の部分である。
筆者はイー・モバイルのデータ通信サービスを、サービス開始時から利用しているが、同社のインフラはドコモ並みにクオリティが高いと感じている。サービスエリア内では屋外はもちろん、屋内でもかなりの確率でつながる。屋内浸透で比較的有利な1.7GHz帯を使っていることもあるが、イー・モバイルの接続率は悪くない。例えば、先週筆者は日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考で大磯プリンスホテルに宿泊した。筆者が泊まった部屋ではソフトバンクモバイルは圏外だったが、イー・モバイルはドコモやauと同じく、しっかりとつながった。
確かに絶対的な全国エリアの広さや、駅や商業ビル内への屋内基地局整備では、イー・モバイルは他社よりも遅れを取っている。だが、サービスエリア化された地域での、屋外・屋内での“つながりやすさ”は十分に実用的であり、クオリティは高いと感じている。
さらにデータ通信サービスの「実効速度(スループット)」においても、イー・モバイルは健闘している。当初はユーザー数が少なかったので、実効速度が速いのは当たり前だった。しかし、ユーザー数が急増した今も、都市部での利用でも著しくスピードが落ちるといった印象はない。イー・モバイルは後発の強みを生かして小型基地局を中心にエリア展開をし、当初から「ブロードバンド時代の需要や利用を見越したエリア設計にしている」(イー・モバイル幹部)と聞く。その取り組みの成果はしっかり出ているようだ。
ユーザー数が急増し、PCを中心に大容量のデータ通信が行われていても、十分な実効速度が出ている。いまだサービスエリア拡大中のため、どうしても見えにくくなりがちだが、イー・モバイルのインフラの実力値はかなり高い。
●トレンドにきっちり乗る、たくみなマーケティング
もう1つの「マーケティング」の部分では、データ通信分野の“トレンドにきっちり乗っている”のが、イー・モバイルの特徴になっている。
それが顕著に現れたのが、通称“100円PC”と呼ばれたNetbookとのセット販売だろう。これは低廉な超小型PCであるNetbookを、データ通信サービスでの2年間契約を条件に破格で売るというもの。これは携帯電話販売でかつて主流となり、総務省に問題視された挙げ句に廃された「販売奨励金モデル」をそのまま廉価版PCに用いたものだ。
形を変えた販売奨励金モデルの復活には、むろん是非があるだろう。特に大手キャリア幹部の中には、「今さら、アレ(販売奨励金による100円PC)が許されるのか」という非難の声もある。
だが筆者は、Netbookを“ゼロから立ち上がる新たな市場”と判断して、躊躇なく販売奨励金モデルを投入したイー・モバイルは、マーケティングのセンスがあると見ている。なぜなら、販売奨励金モデルはまったく新しい市場の創出に向けた端末普及の施策としては極めて有効であり、一概に“悪いこと”とは言えないからだ。販売奨励金モデルの弊害や矛盾が出るのは、普及拡大期が終了し、買い換えが中心で契約者数は増えない循環期に入ったときである。Netbookは普及拡大期の兆しが見えたばかりであり、そこにいち早く布石を打ったイー・モバイルのフットワークのよさは評価できる。 100円PCは顕著な例であるが、人気のスマートフォン「Touch Diamond」のいち早い投入や、積極的なデータ通信サービスの高速化、“通話ができる面白データ端末”「H11LC」のラインアップなど、イー・モバイルの取り組みは市場トレンドに無理なく“乗っている”。このあたりのマーケティングのたくみさも、同社の強さと言えるだろう。
かつて、データ通信市場やスマートフォン市場のキャスティングボートを握るのはウィルコムであった。しかし今では、躍進するイー・モバイルがその役割を奪い、成長の土台にしている。
来年以降、データ通信市場の“裾野の拡大”と、スマートフォン市場の“普及拡大期に向けた取り組み”は、新たな2台目市場の創出に向けて重要性を増してくる。その中で、イー・モバイルがどのような取り組みをしていくのか。それは同社の今後の成長のみならず、業界全体の動向を見ていく上でも、注目すべき要素の1つになりそうだ。
日経平均大幅続落、終値570円安 3週間ぶり8000円割れ
20日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続落した。終値は前日比570円18銭(6.89%)安の7703円4銭と安値引け。10月28日以来、約3週間ぶりに8000円を割り込んだ。19日の米株の急落や外国為替市場での円高・ドル安を嫌気し、主力株中心に全面安だった。前日発表した9月中間決算で業績悪化が鮮明となった損保ジャパンなど保険株は値幅制限の下限(ストップ安)まで売られる銘柄が続出した。東証株価指数(TOPIX)も大幅に3日続落し、下げ幅は5%を超えた。
米ゼネラル・モーターズ(GM)を始めとした米自動車3社の経営危機や米金融機関の業績及び財務に対する警戒感が再燃。世界的な景気悪化懸念が強まった。前場には公的年金の買い期待を指摘する声があったものの、期待されたような買いは見られず、後場は失望売りが膨らんだ。アジア株安やGLOBEX(シカゴ先物取引システム)で米株価指数先物が下落したため、世界連鎖株安への懸念にもつながった。
ビッグ3緊急融資の民主党案、週内の採決撤回 米メディア報道
【ワシントン=武類雅典】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は19日、米民主党のリード上院院内総務が、経営難のビッグスリー(米自動車大手3社)に緊急融資する支援案を週内に採決する方針を撤回したと報じた。同党は金融安定化法で用意した公的資金7000億ドル(約67兆円)の一部を使う案を検討していたが、ブッシュ政権や共和党から支持を得られておらず、早期の採決は難しくなった。ビッグスリー支援の行方は不透明になっている。
上下両院の民主党は環境対応車生産を支援するための250億ドルの低利融資とは別に、金融安定化法による公的資金を使う250億ドルの緊急融資を検討していた。だが、金融機関以外の支援に使うことに共和党などの反対姿勢は根強く、週内の採決は難しいと判断したもようだ。
一方、ブッシュ政権や共和党は環境対応車向け低利融資枠を緊急融資に回す支援策を検討中だが、この案には下院民主党などが反対している。
保護主義を回避 APEC共同声明案、金融危機で協調対応
【リマ=御調昌邦】ペルーの首都リマで19日開幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議の共同声明案が明らかになった。世界的な金融危機について「迅速で有効な対応で協調することが最優先課題だ」と指摘、参加国・地域が金融安定化策や景気刺激策の実施で協調する方針を確認する。保護主義の回避と自由貿易の堅持に全力を挙げる意向も表明する。
APEC閣僚会議には日米中など21カ国・地域が参加。域内の国内総生産(GDP)は世界全体の約6割に及ぶ。2日間の討議を終え、20日昼(日本時間21日未明)に共同声明を採択して閉幕する。
10月の世界粗鋼生産、12%の大幅減 中国や米国落ち込む
世界鉄鋼協会(ワールドスチール、旧国際鉄鋼協会=IISI)が20日まとめた10月の世界粗鋼生産(速報値、66カ国・地域)は1億51万トンで、前年同月比12.4%減と大幅に落ち込んだ。世界の生産の3分の1を占める中国の減少に歯止めがかからなかったほか、世界規模の景気減速の影響を受け日米欧でもそろって減少。9月は6年9カ月ぶりに前年実績を下回ったが、引き続きマイナスとなった。
中国の生産量は3590万トンと前年同月より17.0%も減少。米国は同16.8%減の705万トンだった。日本も1%台のプラスから2.7%のマイナスに転じた。
10月の輸出額、01年12月以来の大幅減 貿易赤字639億円
財務省が20日発表した10月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出総額は前年同月比7.7%減の6兆9261億円となった。世界的な金融危機と景気低迷の影響で、2001年12月以来、約7年ぶりの大幅な減少率を記録した。欧米向けに加え、アジア向けの輸出も6年8カ月ぶりの減少に転じた。貿易収支は639億円の赤字で、10月としては1980年以来、28年ぶりの赤字となった。
日本の貿易収支は8月に3321億円の赤字となり、1月を除いて約26年ぶりの赤字を記録した。金融危機の打撃で世界経済が冷え込み、10月は2カ月ぶりの赤字となった。
ヤフー買収「過去のもの」 マイクロソフトCEO
【シリコンバレー=村山恵一】米マイクロソフト(MS)のスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は19日「ヤフーを買収する議論は過去のものだ」と述べ、再び買収に乗り出す可能性を否定した。インターネット検索に限ったヤフーとの提携には意欲を示したが、同日の株式市場でヤフー株は急落。終値は5年8カ月ぶりに10ドルを割り込んだ。
バルマー氏はワシントン州での株主総会で「買収についてのヤフーとの議論は終わった。ネット検索での事業協力には引き続き興味がある」と発言した。MSは買収交渉決裂後の7月、ヤフーの検索事業を10億ドルで取得することを柱に提携策を提案したが、ヤフーが拒否した経緯がある。バルマー氏は提携についても「現時点で交渉はない」と説明した。
MS傘下入りに消極的だったとされるヤフーのジェリー・ヤンCEOは17日に辞意を表明。再編期待からヤフー株は急騰していたが、19日終値は9.14ドルと前日比21%下落した。10ドルを下回るのは2003年3月以来。
mixiに新機能 注目度の高いコミュニティをランキング化
ミクシィは11月20日、SNS「mixi」に、注目を集めているコミュニティをランキングで紹介する機能「コミュニティランキング」を追加した。試験的なサービスを公開する「インディーズ機能」の1つで、5月20日までに期間限定だ。
215万以上あるコミュニティの中から、注目を集めているものをピックアップして、ランキングで表示する。書き込み数の推移などを分析しており、前日と比べて書き込みが急増しているコミュニティなどが上位になる仕組みだ。
カテゴリー別ランキングや、注目されているトピックを紹介するランキングも用意した。ランクインしたコミュニティとトピックについて日記を書く機能もある。ユーザーからの評判が良ければ、正式サービス化を検討する。
「興味があるコミュニティを発見しやすくなるほか、ユーザーが注目している事柄を把握しやすくなることで、コミュニケーションが活性化されることを期待している」としている。
Googleの仮想空間サービス「Lively」が12月末で終了
Googleは19日、3D仮想空間サービス「Lively」を12月31日で終了することを明らかにした。検索や広告、アプリケーションビジネスなどの中核事業に注力するためと説明しており、Livelyは7月のベータ版公開から半年で終焉を迎えることになった。
Livelyは、3D仮想世界に自分のアバターや部屋を作成し、友人と交流できるサービス。自分の部屋をブログやサイトに貼り付け、友人とテキストチャットを楽しめる機能などを提供している。
GoogleはLivelyのユーザーに対して、サービス終了までに、これまで作成した部屋の動画やスクリーンショットを撮影しておくことを勧めている。
コンビニ売上高、10月8.1%増 タスポ効果続く
日本フランチャイズチェーン協会が20日まとめた10月のコンビニエンスストア売上高(11社、既存店ベース)は前年同月比8.1%増の6347億円だった。前年実績を上回るのは6カ月連続。たばこ自動販売機用成人識別ICカード「taspo(タスポ)」導入で、店頭でのたばこの販売が増えたことが、引き続き寄与した。
来店客数が11億753万人と7.4%増えたほか、平均客単価も0.6%伸びた。
11月10日、電気通信事業者協会(TCA)が2008年10月の携帯電話契約数を発表した。詳しくはニュース記事に譲るが、純増数1位はソフトバンクモバイル。ひと頃より勢いは落ちたものの、それでも純増首位記録を連続18カ月に伸ばしている。一方で、NTTドコモとKDDI (au)の大手2社は、コンシューマを中心とした純新規市場の飽和と、冬商戦前の買い控え期であったこともあり、新規契約の伸びが低迷。ドコモが4位、KDDIが3位という結果となっている。とはいえ、ドコモやKDDIの大手2社は、すでに多くの契約者と稼働シェアを確保しているため、重要なのは毎月の純増数/純増シェアよりも、解約率の低減の方だ。その点で見ると、ドコモの解約率は「過去最低の水準」(NTTドコモ)であり、キャリアとしての競争力はむしろ高くなっていると言える。
各キャリアの市場競争において、ここにきて著しい成長が見られるのが、新興キャリアである「イー・モバイル」である。同社は2007年3月に携帯電話市場に参入。データ通信分野を中心に成長し、10月の純増数ではソフトバンクモバイルに食らいつく純増シェア2位となった。同社がいまだサービスエリア拡大中であることを考えると、これは十分に快挙と言えるだろう。
●今後の成長が期待できる「2台目市場」で競争力
なぜ、イー・モバイルはこれほど早期に“成長軌道”に乗ることができたのか。
まず、表面的な理由として挙げられるのが、同社の市場競争力が「高速・低価格なPC向け定額データ通信サービス」と、「魅力的なスマートフォン向け料金プラン」に、しっかりと“選択と集中”されていることだ。この2つの分野でのみ見比べれば、その価格競争力とサービスの使い勝手のよさは随一である。携帯キャリア3社はもとより、データ通信やスマートフォン分野の草分けであるウィルコムと比べても、高い訴求力がある。
PC向けデータ通信市場とスマートフォン市場は、携帯電話・PHS市場全体で見れば全体の1割にも満たない。しかし、まだビジネス規模の小さいイー・モバイルからすれば、既存マーケットでシェアを獲得していくだけでも当面の成長をする上で十分な「母数」になる。さらに両分野とも、超小型PCやスマートフォンの進化、モバイル市場の多様化とユーザーの使い分けニーズの拡大などもあり、「2台目市場」として今後の成長が見込める領域でもある。また、逆説的だが、2台目市場が成長の牽引役であることは、すでに飽和・息切れしている“既存のコンシューマ向け携帯電話市場”の成長鈍化の影響も受けにくい。「今あるケータイ」とは別のベクトルで、成長しているからだ。
このように当初から「データ通信サービス」と「スマートフォン」に選択と集中し、新興市場を成長の足がかりにしていることは、イー・モバイルの優位性になっている。
●サービスエリア内ならば、インフラの質は高い
イー・モバイルが“急成長”している理由は、それだけではない。
筆者はあと2つ、同社の台頭には大きな要因があると見ている。それが「インフラ」と「マーケティング」における高い実力だ。
まず前者のインフラ力であるが、サービスエリアの広さだけ見れば、イー・モバイルのそれは他キャリアに追いついていない。新規参入から2年も経っていないことを考えれば、それは当然だ。筆者が注目しているのは、すでにサービスエリア化された場所での「インフラの質」の部分である。
筆者はイー・モバイルのデータ通信サービスを、サービス開始時から利用しているが、同社のインフラはドコモ並みにクオリティが高いと感じている。サービスエリア内では屋外はもちろん、屋内でもかなりの確率でつながる。屋内浸透で比較的有利な1.7GHz帯を使っていることもあるが、イー・モバイルの接続率は悪くない。例えば、先週筆者は日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考で大磯プリンスホテルに宿泊した。筆者が泊まった部屋ではソフトバンクモバイルは圏外だったが、イー・モバイルはドコモやauと同じく、しっかりとつながった。
確かに絶対的な全国エリアの広さや、駅や商業ビル内への屋内基地局整備では、イー・モバイルは他社よりも遅れを取っている。だが、サービスエリア化された地域での、屋外・屋内での“つながりやすさ”は十分に実用的であり、クオリティは高いと感じている。
さらにデータ通信サービスの「実効速度(スループット)」においても、イー・モバイルは健闘している。当初はユーザー数が少なかったので、実効速度が速いのは当たり前だった。しかし、ユーザー数が急増した今も、都市部での利用でも著しくスピードが落ちるといった印象はない。イー・モバイルは後発の強みを生かして小型基地局を中心にエリア展開をし、当初から「ブロードバンド時代の需要や利用を見越したエリア設計にしている」(イー・モバイル幹部)と聞く。その取り組みの成果はしっかり出ているようだ。
ユーザー数が急増し、PCを中心に大容量のデータ通信が行われていても、十分な実効速度が出ている。いまだサービスエリア拡大中のため、どうしても見えにくくなりがちだが、イー・モバイルのインフラの実力値はかなり高い。
●トレンドにきっちり乗る、たくみなマーケティング
もう1つの「マーケティング」の部分では、データ通信分野の“トレンドにきっちり乗っている”のが、イー・モバイルの特徴になっている。
それが顕著に現れたのが、通称“100円PC”と呼ばれたNetbookとのセット販売だろう。これは低廉な超小型PCであるNetbookを、データ通信サービスでの2年間契約を条件に破格で売るというもの。これは携帯電話販売でかつて主流となり、総務省に問題視された挙げ句に廃された「販売奨励金モデル」をそのまま廉価版PCに用いたものだ。
形を変えた販売奨励金モデルの復活には、むろん是非があるだろう。特に大手キャリア幹部の中には、「今さら、アレ(販売奨励金による100円PC)が許されるのか」という非難の声もある。
だが筆者は、Netbookを“ゼロから立ち上がる新たな市場”と判断して、躊躇なく販売奨励金モデルを投入したイー・モバイルは、マーケティングのセンスがあると見ている。なぜなら、販売奨励金モデルはまったく新しい市場の創出に向けた端末普及の施策としては極めて有効であり、一概に“悪いこと”とは言えないからだ。販売奨励金モデルの弊害や矛盾が出るのは、普及拡大期が終了し、買い換えが中心で契約者数は増えない循環期に入ったときである。Netbookは普及拡大期の兆しが見えたばかりであり、そこにいち早く布石を打ったイー・モバイルのフットワークのよさは評価できる。 100円PCは顕著な例であるが、人気のスマートフォン「Touch Diamond」のいち早い投入や、積極的なデータ通信サービスの高速化、“通話ができる面白データ端末”「H11LC」のラインアップなど、イー・モバイルの取り組みは市場トレンドに無理なく“乗っている”。このあたりのマーケティングのたくみさも、同社の強さと言えるだろう。
かつて、データ通信市場やスマートフォン市場のキャスティングボートを握るのはウィルコムであった。しかし今では、躍進するイー・モバイルがその役割を奪い、成長の土台にしている。
来年以降、データ通信市場の“裾野の拡大”と、スマートフォン市場の“普及拡大期に向けた取り組み”は、新たな2台目市場の創出に向けて重要性を増してくる。その中で、イー・モバイルがどのような取り組みをしていくのか。それは同社の今後の成長のみならず、業界全体の動向を見ていく上でも、注目すべき要素の1つになりそうだ。
日経平均大幅続落、終値570円安 3週間ぶり8000円割れ
20日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続落した。終値は前日比570円18銭(6.89%)安の7703円4銭と安値引け。10月28日以来、約3週間ぶりに8000円を割り込んだ。19日の米株の急落や外国為替市場での円高・ドル安を嫌気し、主力株中心に全面安だった。前日発表した9月中間決算で業績悪化が鮮明となった損保ジャパンなど保険株は値幅制限の下限(ストップ安)まで売られる銘柄が続出した。東証株価指数(TOPIX)も大幅に3日続落し、下げ幅は5%を超えた。
米ゼネラル・モーターズ(GM)を始めとした米自動車3社の経営危機や米金融機関の業績及び財務に対する警戒感が再燃。世界的な景気悪化懸念が強まった。前場には公的年金の買い期待を指摘する声があったものの、期待されたような買いは見られず、後場は失望売りが膨らんだ。アジア株安やGLOBEX(シカゴ先物取引システム)で米株価指数先物が下落したため、世界連鎖株安への懸念にもつながった。
ビッグ3緊急融資の民主党案、週内の採決撤回 米メディア報道
【ワシントン=武類雅典】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は19日、米民主党のリード上院院内総務が、経営難のビッグスリー(米自動車大手3社)に緊急融資する支援案を週内に採決する方針を撤回したと報じた。同党は金融安定化法で用意した公的資金7000億ドル(約67兆円)の一部を使う案を検討していたが、ブッシュ政権や共和党から支持を得られておらず、早期の採決は難しくなった。ビッグスリー支援の行方は不透明になっている。
上下両院の民主党は環境対応車生産を支援するための250億ドルの低利融資とは別に、金融安定化法による公的資金を使う250億ドルの緊急融資を検討していた。だが、金融機関以外の支援に使うことに共和党などの反対姿勢は根強く、週内の採決は難しいと判断したもようだ。
一方、ブッシュ政権や共和党は環境対応車向け低利融資枠を緊急融資に回す支援策を検討中だが、この案には下院民主党などが反対している。
保護主義を回避 APEC共同声明案、金融危機で協調対応
【リマ=御調昌邦】ペルーの首都リマで19日開幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議の共同声明案が明らかになった。世界的な金融危機について「迅速で有効な対応で協調することが最優先課題だ」と指摘、参加国・地域が金融安定化策や景気刺激策の実施で協調する方針を確認する。保護主義の回避と自由貿易の堅持に全力を挙げる意向も表明する。
APEC閣僚会議には日米中など21カ国・地域が参加。域内の国内総生産(GDP)は世界全体の約6割に及ぶ。2日間の討議を終え、20日昼(日本時間21日未明)に共同声明を採択して閉幕する。
10月の世界粗鋼生産、12%の大幅減 中国や米国落ち込む
世界鉄鋼協会(ワールドスチール、旧国際鉄鋼協会=IISI)が20日まとめた10月の世界粗鋼生産(速報値、66カ国・地域)は1億51万トンで、前年同月比12.4%減と大幅に落ち込んだ。世界の生産の3分の1を占める中国の減少に歯止めがかからなかったほか、世界規模の景気減速の影響を受け日米欧でもそろって減少。9月は6年9カ月ぶりに前年実績を下回ったが、引き続きマイナスとなった。
中国の生産量は3590万トンと前年同月より17.0%も減少。米国は同16.8%減の705万トンだった。日本も1%台のプラスから2.7%のマイナスに転じた。
10月の輸出額、01年12月以来の大幅減 貿易赤字639億円
財務省が20日発表した10月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出総額は前年同月比7.7%減の6兆9261億円となった。世界的な金融危機と景気低迷の影響で、2001年12月以来、約7年ぶりの大幅な減少率を記録した。欧米向けに加え、アジア向けの輸出も6年8カ月ぶりの減少に転じた。貿易収支は639億円の赤字で、10月としては1980年以来、28年ぶりの赤字となった。
日本の貿易収支は8月に3321億円の赤字となり、1月を除いて約26年ぶりの赤字を記録した。金融危機の打撃で世界経済が冷え込み、10月は2カ月ぶりの赤字となった。
ヤフー買収「過去のもの」 マイクロソフトCEO
【シリコンバレー=村山恵一】米マイクロソフト(MS)のスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は19日「ヤフーを買収する議論は過去のものだ」と述べ、再び買収に乗り出す可能性を否定した。インターネット検索に限ったヤフーとの提携には意欲を示したが、同日の株式市場でヤフー株は急落。終値は5年8カ月ぶりに10ドルを割り込んだ。
バルマー氏はワシントン州での株主総会で「買収についてのヤフーとの議論は終わった。ネット検索での事業協力には引き続き興味がある」と発言した。MSは買収交渉決裂後の7月、ヤフーの検索事業を10億ドルで取得することを柱に提携策を提案したが、ヤフーが拒否した経緯がある。バルマー氏は提携についても「現時点で交渉はない」と説明した。
MS傘下入りに消極的だったとされるヤフーのジェリー・ヤンCEOは17日に辞意を表明。再編期待からヤフー株は急騰していたが、19日終値は9.14ドルと前日比21%下落した。10ドルを下回るのは2003年3月以来。
mixiに新機能 注目度の高いコミュニティをランキング化
ミクシィは11月20日、SNS「mixi」に、注目を集めているコミュニティをランキングで紹介する機能「コミュニティランキング」を追加した。試験的なサービスを公開する「インディーズ機能」の1つで、5月20日までに期間限定だ。
215万以上あるコミュニティの中から、注目を集めているものをピックアップして、ランキングで表示する。書き込み数の推移などを分析しており、前日と比べて書き込みが急増しているコミュニティなどが上位になる仕組みだ。
カテゴリー別ランキングや、注目されているトピックを紹介するランキングも用意した。ランクインしたコミュニティとトピックについて日記を書く機能もある。ユーザーからの評判が良ければ、正式サービス化を検討する。
「興味があるコミュニティを発見しやすくなるほか、ユーザーが注目している事柄を把握しやすくなることで、コミュニケーションが活性化されることを期待している」としている。
Googleの仮想空間サービス「Lively」が12月末で終了
Googleは19日、3D仮想空間サービス「Lively」を12月31日で終了することを明らかにした。検索や広告、アプリケーションビジネスなどの中核事業に注力するためと説明しており、Livelyは7月のベータ版公開から半年で終焉を迎えることになった。
Livelyは、3D仮想世界に自分のアバターや部屋を作成し、友人と交流できるサービス。自分の部屋をブログやサイトに貼り付け、友人とテキストチャットを楽しめる機能などを提供している。
GoogleはLivelyのユーザーに対して、サービス終了までに、これまで作成した部屋の動画やスクリーンショットを撮影しておくことを勧めている。
コンビニ売上高、10月8.1%増 タスポ効果続く
日本フランチャイズチェーン協会が20日まとめた10月のコンビニエンスストア売上高(11社、既存店ベース)は前年同月比8.1%増の6347億円だった。前年実績を上回るのは6カ月連続。たばこ自動販売機用成人識別ICカード「taspo(タスポ)」導入で、店頭でのたばこの販売が増えたことが、引き続き寄与した。
来店客数が11億753万人と7.4%増えたほか、平均客単価も0.6%伸びた。
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カシオ日立、NECに携帯開発を委託 ソフトバンク向け
カシオ日立モバイルコミュニケーションズ(東京都東大和市、大石健樹社長)は今冬商戦でソフトバンクモバイルに供給する携帯電話の開発・生産をNECに委託する。カシオ日立は開発コストを抑えながら販路拡大を狙い、NECは受託で生産ラインの稼働率を高める。携帯電話機の市場が縮小する中、今後も生き残りに向けた提携が広がる可能性もある。
開発・生産委託の第1号は21日にソフトバンクが発売する「830CA」。カシオ日立はこれまで国内でKDDI(au)に製品を供給してきた。ソフトバンクやNTTドコモが採用する通信規格「W―CDMA」向けは初めてで、実績のあるNECに開発・生産を委託する。
8000ドル割れ=5年8カ月ぶり-NY株
【ニューヨーク19日時事】19日のニューヨーク株式相場は住宅市場の冷え込みが長引き、金融機関の損失が一段と拡大するとの懸念から銀行株が急落し、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比427.47ドル安の7997.28ドルと2003年3月以来、約5年8カ月ぶりに8000ドル台を割り込んで引けた。
ロシア経済の減速鮮明に 09年成長率見通し3%台、目標の半分
【モスクワ=坂井光】ロシア経済の減速が鮮明になってきた。2008年の実質国内総生産(GDP)の伸び率は当初見通しの前年比7―8%台から6%程度に下方修正され、09年は3%台にとどまる見通し。プラス成長は維持するものの、新興国の一角として存在感を高めたロシアは金融危機と原油価格の下落で転機を迎えている。経済成長を求心力にしてきたメドベージェフ政権にとっては逆風となりそうだ。
ロシア経済発展省は原油価格の下落を受けて、6―7%と見ていた来年のGDPの伸びが3.5%になるとの見通しを示した。下院が承認した09年予算案では年平均の石油価格(ロシア産ウラルス)は1バレル95ドルを前提にしているが、すでに同50ドルを割った。同省が3.5%成長の条件としている50ドルを下回れば、さらなる下方修正もあり得る。
伊藤忠、中国食品最大手に出資 700億円で20%、現地市場を開拓
伊藤忠商事は中国の加工食品で最大のシェアを持つ頂新グループに20%出資する。出資額は700億円。伊藤忠は同グループと日本企業との提携を支援、食の安全や品質にかかわる日本の技術を生かして中国市場を開拓する。伊藤忠は8月に穀物輸入などを手掛ける大手食料企業、中糧集団とも提携している。高い成長が見込める中国市場で複数の日本メーカーを巻き込んで原料から加工、物流、販売に広がるネットワークを構築する。円高を背景に日本企業による海外での出資や買収が加速してきた。
頂新グループは中国の即席めん最大手「康師傅」(本部・天津市)や、コンビニエンスストアの「ファミリーマート」を展開する「頂全」(本部・上海)など、有力食品関連企業を傘下に持つ。伊藤忠は同グループの持ち株会社(本部・台北)に出資する。
<シャープ>グーグルOS携帯の商品化へ 来年にも発売か
シャープは19日、都内で開かれた携帯電話の秋冬モデルの説明会で、米グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」を使った携帯電話の商品化を検討していることを明らかにした。同社のスマートフォンは、これまで「ウインドウズ・モバイル」を採用しているが、松本雅史副社長が「アンドロイド端末を出してほしいという要求も出ている。技術的な素地はあるので、キャリアの意向に合わせる」と述べ、来年にも発売したい意向を示した。
同社は、リナックスOSを使った携帯情報端末「ザウルス」を開発しており、松本副社長は「アンドロイド端末の開発も同じくリナックスベースなので、効率が悪くない形で考えたい」とし、海外展開も検討するという。
同社では、国内と海外の台数シェアを「半々にする」ことを目指し、欧米向けのスマートフォンビジネスの規模を拡大する方針。併せて中国市場でのシェア拡大に力を入れる。松本副社長は「スマートフォンのビジネスは伸びる。中国では、アクオステレビのブランドを生かして販売していきたい」と期待する。また「国内で通用するヒット商品は、海外では値ごろ感などが合わないこともある。海外専用モデルの開発が中国向けとしても必要。中国では高機能機種だけでなく、普及価格帯もラインナップに入れたい」と話した。
一般の携帯電話では、大手3社から秋冬モデルとして8機種を発売。NTTドコモ2機種、ソフトバンクモバイル1機種には、800万画素CCDカメラと超高感度画像処理エンジンを初めて搭載。今後、順次CCDに置き換えていくという。長谷川祥典・通信システム事業本部長は「ライバルはコンパクトデジタルカメラ。多くの人が携帯電話とデジカメの両方を持っているが、携帯電話だけで済むようにしたい」と話した。
10月の米住宅着工、4.5%減の79万戸 過去最低の水準に
【ワシントン支局】米商務省が19日発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で79万1000戸となり、前月から4.5%減った。1959年の統計開始以来、過去最低の水準に落ち込んだ。市場予想の平均(78万戸)を上回ったが、マイナスは4カ月連続。前年同月比では38.0%減った。先行指数とされる許可件数は前月比12.0%減の70万8000戸となり、1960年の統計開始以来、過去最低になった。金融危機による貸し渋りの影響も加わり、住宅投資の失速が鮮明になった。
住宅価格が下がる一方で、失業率は10月に14年7カ月ぶりに高い6.5%に上昇しており、市場では消費者が住宅購入を引き続き控えるとの見方が大半だ。建設業者はだぶつく在庫を抱えており、住宅市場が回復する兆しは見えない。
住宅着工件数の内訳を見ると、主力の一戸建て住宅が27年ぶり低水準となる53万千戸となり、前月から3.3%減った。地域別に見ると、西部の着工件数が前月から7.5%、最大市場の南部でも1.5%増えたものの、北東部で31.0%、中西部では13.7%落ち込み、全体を押し下げた。
いすゞ、全非正規社員との契約打ち切り 1400人、期中解約も
いすゞ自動車は19日、国内に約1400人いる非正規従業員(派遣従業員と期間従業員)との契約をすべて打ち切る方針を明らかにした。年内に全員削減、半数強は契約期間中の解約となる見通し。2009年初めから工場稼働率を落としトラックを当初計画に比べ3割減産する。世界的な販売低迷で自動車大手は減産に動いているが、非正規従業員の期中解約に踏み込むのは極めて異例だ。
トラックを生産する藤沢工場(神奈川県藤沢市)とエンジン生産の栃木工場(栃木県大平町)で働く非正規社員が対象になる。藤沢工場では車両組み立てラインの操業体制を現行の二直から、来年初めから一直にする。これに伴い非正規社員を削減、正規社員のみの操業にする。
08年度のトラック生産台数は計画に比べ1割前後少なくなる見通し。日本と北米での販売不振に加え、需要が旺盛だった新興国でも、金融不安を受けたローン契約停滞で販売が急減している。
半導体製造装置の受注額、5年ぶり低水準 10月52%減
日本半導体製造装置協会(SEAJ)は19日、10月の日本製装置の世界での受注額(暫定値、前3カ月の平均値)が前年同月比52.1%減の609億円だったと発表した。受注額が600億円台に落ち込むのは、ITバブル崩壊の影響が残っていた2003年4月以来5年6カ月ぶり。半導体メーカーの投資絞り込みが一段と進んでいる。
受注額は03年半ばから1000億円を超える水準でほぼ推移、07年1月には単月で2200億円に達した。その後、半導体メーカーの投資サイクルが「底」に入ったところを市況悪化と金融危機が直撃。10月以降は「米インテル以外の大手が新規投資をほぼ止めている状態」(装置大手幹部)で、10月のマイナス幅は8月の前年同月比37%減、9月の38%減に比べ大きくなった。
ITバブル崩壊後の01年には月間受注額が200億円台に落ち込んだこともあるが、「影響の大きさは今回の方が大きい」(東哲郎・東京エレクトロン会長)との見方もある。このため各社は相次ぎ、2009年3月通期の業績予想を下方修正している。
大手損保、5社最終減益 自動車保険は全社減収
大手損保6社の平成20年9月中間連結決算が19日、出そろった。世界的な金融危機による市場の混乱で運用資産にからむ損失や破綻(はたん)企業への保険金支払いが増えたほか、新車販売の不振で主力の自動車保険の販売も低迷し、日本興亜損害保険を除く5社が最終減益に見舞われた。
一般企業の売上高にあたる正味収入保険料は、景気低迷や、4月から自賠責保険の保険料が大幅に引き下げられた影響で、東京海上ホールディングス(HD)を除く5社で減少した。収入保険料の半分近くを占める主力の自動車保険は全社が減収となった。
また昨年6月の改正建築基準法施行の影響で住宅着工戸数が落ち込み、火災保険も振るわなかった。世界的な不況に伴う米国向けの自動車輸出の低迷で、貨物向けの海上保険も落ち込んだ。
利益面では、有価証券評価損に圧迫され、東京海上HDが310億円、三井住友海上グループHDが450億円の損失を計上した。さらに三井住友海上HDは、英国子会社の企業向け信用保険で400億円の支払いが発生し、業績の足を引っ張った。
21年3月期業績予想でも、損害保険ジャパンが、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)関連の保険金支払いや有価証券の評価損により通期で1430億円の損失が発生するとして、最終損益を従来予想の540億円の黒字から520億円の赤字に大幅に下方修正した。
中国の成長率「09年は8%割れも」 人民銀幹部
【北京=高橋哲史】中国人民銀行(中央銀行)の金融政策委員で、著名な経済学者の樊綱氏は19日付の中国紙「中国証券報」のインタビューで「中国経済はかつてない減速局面のまっただ中にある」と語った。そのうえで「2009年の成長率は8%を下回る可能性があり、下回らなければ上出来だ」との見通しを明らかにした。
中国共産党・政府は雇用確保に必要な成長率とされる「8%」の維持を目指して、9日に総投資額4兆元(約57兆円)にのぼる大規模な景気刺激策を打ち出した。樊綱氏の発言は景気刺激策を実施しても、来年は8%の達成が難しいことを示唆したものとして注目を集めている。
樊綱氏は景気刺激策の財源にも言及。「09年に7500億元(10兆8000億円)の国債増発を検討してもいい」と述べ、当面は財政が悪化しても景気対策を優先すべきだとの考えを強調した。
上場企業、減益局面でも配当増額・維持75%
上場企業が積極的な配当政策を続けている。2009年3月期の年間配当を増額または維持する予定の企業は全体の75%に上り、減配企業を大きく上回る。今期は過半の企業が業績悪化を見込むなど経営環境は厳しさを増すが、良好な財務基盤を生かして株主へ報いることで、株価を下支えする狙いもある。一方で大企業を中心に賃金は伸び悩んでおり、景気後退が鮮明になる中で、利益配分を巡る議論が今後活発になりそうだ。
「個人株主への利益配分を重視している」。ホンダの北條陽一取締役は、北米の販売不振で今期の業績予想を下方修正したにもかかわらず、年間配当を予定通り前期比2円増の88円とする理由をこう説明する。ソニーも増益予想から一転、大幅減益となるが、前期比2倍の増配予定は変更しなかった。
欧州主要国、企業支援でEUに規制緩和要求
【ブリュッセル=下田敏】金融危機に伴う景気後退を踏まえ、フランスやドイツなど欧州主要国が企業支援の拡充に動き始めた。欧州連合(EU)に対して過剰な企業支援を禁止する規制の緩和を要求。EUの欧州委員会も短期間の企業支援に限って法令の弾力運用を認める方向だ。米政府が自動車業界への支援拡大に動くなど、欧米で経済保護主義が広がる恐れが出てきた。
EU議長国フランスのジュイエ欧州問題担当相は欧州議会で「景気後退で深刻な危機にさらされる民間企業を(各国政府が)支援するため、EU規制を柔軟に運用すべきだ」と語った。フランスは金融危機による影響を緩和するため、一時的に大規模な企業支援を認める案を提示した。ドイツは雇用を維持する観点から同様の支援規制の緩和を求めている。
09年度米GDP、マイナスの可能性 FRBが下方修正
【ワシントン=大隅隆】米連邦準備理事会(FRB)は19日、2009年度の実質国内総生産(GDP)成長率がマイナスに転じる可能性があるとの見通しを発表した。金融危機に伴う実体経済の悪化などを織り込んで6月時点の見通しを下方修正したもので、失業率は最大で7.6%まで上昇すると予測している。
09年度の成長率予測はマイナス0.2―1.1%。6月時点が2.0―2.8%だった。失業率は7.1―7.6%。6月時点は5.3―5.8%と予測していた。
日経社説 APECは日本の存在感を示す好機だ(11/20)
太平洋を取り囲む21カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)がペルーの首都リマで始まった。東アジアを含む環太平洋地域は、世界の経済成長の中核である。金融危機の激震が走る現在の局面で、同地域の首脳、閣僚が一堂に会する意義は大きい。
会議の最大の焦点は、金融危機への対応だ。先週末の20カ国・地域(G20)による緊急首脳会合(金融サミット)は、危機の克服に向けて様々な協調行動を取ることで合意した。APECメンバーも足並みをそろえ、金融安定化を目指す強い意志を示す必要がある。
政権交代期に入る米国に、強力な指導力を期待するのは難しい。日本にとってAPECという大舞台は、国際社会に存在感を示す絶好の機会となるはずだ。麻生太郎首相は多様な意見を束ね、議論をリードする気構えで首脳会合に臨んでほしい。
1989年のAPEC発足時に、日本はオーストラリアとともに主導的な役割を果たした経緯がある。日米間の貿易摩擦が激しい時期に、あえて協力の仕組みを築いた意気込みを日本自身が忘れてはならない。
G20が先進国と新興国の集まりであるのに対し、APECは共通の地域を基盤として経済連携を目指す枠組みである。世界経済全体が安定するには、まず世界の各地域がそれぞれ安定性を高める必要がある。
経済規模が世界全体の約6割を占めるAPEC地域が、とりわけ重要であるのは間違いない。その中心である東アジアは、世界経済の成長センターと呼ばれながら、債券市場など金融インフラが必ずしも十分に整備されていない。APECで議論を深めるべき課題は多いはずだ。
焦点は金融安定化だけではない。金融システムが不安定な今こそ、実体経済を盤石にする方策を練るべきである。そのためには世界各国が互いに市場を開放し、新たな需要とビジネス機会を提供し合う自由貿易体制の強化が欠かせない。
世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)が停滞している。これは保護主義の台頭を招く極めて危険な状態だと考えるべきだ。APECに臨む首脳らが団結し、交渉進展を促す強い意志を示すことを期待する。
同時に、APEC域内の貿易自由化でも掘り下げた議論が必要だ。域内の貿易額は年間11兆ドルに上り、世界全体の約半分を占める。世界経済がさらに深刻な事態に陥らないために、APECは自由化と経済連携の速度を上げなければならない。
カシオ日立モバイルコミュニケーションズ(東京都東大和市、大石健樹社長)は今冬商戦でソフトバンクモバイルに供給する携帯電話の開発・生産をNECに委託する。カシオ日立は開発コストを抑えながら販路拡大を狙い、NECは受託で生産ラインの稼働率を高める。携帯電話機の市場が縮小する中、今後も生き残りに向けた提携が広がる可能性もある。
開発・生産委託の第1号は21日にソフトバンクが発売する「830CA」。カシオ日立はこれまで国内でKDDI(au)に製品を供給してきた。ソフトバンクやNTTドコモが採用する通信規格「W―CDMA」向けは初めてで、実績のあるNECに開発・生産を委託する。
8000ドル割れ=5年8カ月ぶり-NY株
【ニューヨーク19日時事】19日のニューヨーク株式相場は住宅市場の冷え込みが長引き、金融機関の損失が一段と拡大するとの懸念から銀行株が急落し、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比427.47ドル安の7997.28ドルと2003年3月以来、約5年8カ月ぶりに8000ドル台を割り込んで引けた。
ロシア経済の減速鮮明に 09年成長率見通し3%台、目標の半分
【モスクワ=坂井光】ロシア経済の減速が鮮明になってきた。2008年の実質国内総生産(GDP)の伸び率は当初見通しの前年比7―8%台から6%程度に下方修正され、09年は3%台にとどまる見通し。プラス成長は維持するものの、新興国の一角として存在感を高めたロシアは金融危機と原油価格の下落で転機を迎えている。経済成長を求心力にしてきたメドベージェフ政権にとっては逆風となりそうだ。
ロシア経済発展省は原油価格の下落を受けて、6―7%と見ていた来年のGDPの伸びが3.5%になるとの見通しを示した。下院が承認した09年予算案では年平均の石油価格(ロシア産ウラルス)は1バレル95ドルを前提にしているが、すでに同50ドルを割った。同省が3.5%成長の条件としている50ドルを下回れば、さらなる下方修正もあり得る。
伊藤忠、中国食品最大手に出資 700億円で20%、現地市場を開拓
伊藤忠商事は中国の加工食品で最大のシェアを持つ頂新グループに20%出資する。出資額は700億円。伊藤忠は同グループと日本企業との提携を支援、食の安全や品質にかかわる日本の技術を生かして中国市場を開拓する。伊藤忠は8月に穀物輸入などを手掛ける大手食料企業、中糧集団とも提携している。高い成長が見込める中国市場で複数の日本メーカーを巻き込んで原料から加工、物流、販売に広がるネットワークを構築する。円高を背景に日本企業による海外での出資や買収が加速してきた。
頂新グループは中国の即席めん最大手「康師傅」(本部・天津市)や、コンビニエンスストアの「ファミリーマート」を展開する「頂全」(本部・上海)など、有力食品関連企業を傘下に持つ。伊藤忠は同グループの持ち株会社(本部・台北)に出資する。
<シャープ>グーグルOS携帯の商品化へ 来年にも発売か
シャープは19日、都内で開かれた携帯電話の秋冬モデルの説明会で、米グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」を使った携帯電話の商品化を検討していることを明らかにした。同社のスマートフォンは、これまで「ウインドウズ・モバイル」を採用しているが、松本雅史副社長が「アンドロイド端末を出してほしいという要求も出ている。技術的な素地はあるので、キャリアの意向に合わせる」と述べ、来年にも発売したい意向を示した。
同社は、リナックスOSを使った携帯情報端末「ザウルス」を開発しており、松本副社長は「アンドロイド端末の開発も同じくリナックスベースなので、効率が悪くない形で考えたい」とし、海外展開も検討するという。
同社では、国内と海外の台数シェアを「半々にする」ことを目指し、欧米向けのスマートフォンビジネスの規模を拡大する方針。併せて中国市場でのシェア拡大に力を入れる。松本副社長は「スマートフォンのビジネスは伸びる。中国では、アクオステレビのブランドを生かして販売していきたい」と期待する。また「国内で通用するヒット商品は、海外では値ごろ感などが合わないこともある。海外専用モデルの開発が中国向けとしても必要。中国では高機能機種だけでなく、普及価格帯もラインナップに入れたい」と話した。
一般の携帯電話では、大手3社から秋冬モデルとして8機種を発売。NTTドコモ2機種、ソフトバンクモバイル1機種には、800万画素CCDカメラと超高感度画像処理エンジンを初めて搭載。今後、順次CCDに置き換えていくという。長谷川祥典・通信システム事業本部長は「ライバルはコンパクトデジタルカメラ。多くの人が携帯電話とデジカメの両方を持っているが、携帯電話だけで済むようにしたい」と話した。
10月の米住宅着工、4.5%減の79万戸 過去最低の水準に
【ワシントン支局】米商務省が19日発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で79万1000戸となり、前月から4.5%減った。1959年の統計開始以来、過去最低の水準に落ち込んだ。市場予想の平均(78万戸)を上回ったが、マイナスは4カ月連続。前年同月比では38.0%減った。先行指数とされる許可件数は前月比12.0%減の70万8000戸となり、1960年の統計開始以来、過去最低になった。金融危機による貸し渋りの影響も加わり、住宅投資の失速が鮮明になった。
住宅価格が下がる一方で、失業率は10月に14年7カ月ぶりに高い6.5%に上昇しており、市場では消費者が住宅購入を引き続き控えるとの見方が大半だ。建設業者はだぶつく在庫を抱えており、住宅市場が回復する兆しは見えない。
住宅着工件数の内訳を見ると、主力の一戸建て住宅が27年ぶり低水準となる53万千戸となり、前月から3.3%減った。地域別に見ると、西部の着工件数が前月から7.5%、最大市場の南部でも1.5%増えたものの、北東部で31.0%、中西部では13.7%落ち込み、全体を押し下げた。
いすゞ、全非正規社員との契約打ち切り 1400人、期中解約も
いすゞ自動車は19日、国内に約1400人いる非正規従業員(派遣従業員と期間従業員)との契約をすべて打ち切る方針を明らかにした。年内に全員削減、半数強は契約期間中の解約となる見通し。2009年初めから工場稼働率を落としトラックを当初計画に比べ3割減産する。世界的な販売低迷で自動車大手は減産に動いているが、非正規従業員の期中解約に踏み込むのは極めて異例だ。
トラックを生産する藤沢工場(神奈川県藤沢市)とエンジン生産の栃木工場(栃木県大平町)で働く非正規社員が対象になる。藤沢工場では車両組み立てラインの操業体制を現行の二直から、来年初めから一直にする。これに伴い非正規社員を削減、正規社員のみの操業にする。
08年度のトラック生産台数は計画に比べ1割前後少なくなる見通し。日本と北米での販売不振に加え、需要が旺盛だった新興国でも、金融不安を受けたローン契約停滞で販売が急減している。
半導体製造装置の受注額、5年ぶり低水準 10月52%減
日本半導体製造装置協会(SEAJ)は19日、10月の日本製装置の世界での受注額(暫定値、前3カ月の平均値)が前年同月比52.1%減の609億円だったと発表した。受注額が600億円台に落ち込むのは、ITバブル崩壊の影響が残っていた2003年4月以来5年6カ月ぶり。半導体メーカーの投資絞り込みが一段と進んでいる。
受注額は03年半ばから1000億円を超える水準でほぼ推移、07年1月には単月で2200億円に達した。その後、半導体メーカーの投資サイクルが「底」に入ったところを市況悪化と金融危機が直撃。10月以降は「米インテル以外の大手が新規投資をほぼ止めている状態」(装置大手幹部)で、10月のマイナス幅は8月の前年同月比37%減、9月の38%減に比べ大きくなった。
ITバブル崩壊後の01年には月間受注額が200億円台に落ち込んだこともあるが、「影響の大きさは今回の方が大きい」(東哲郎・東京エレクトロン会長)との見方もある。このため各社は相次ぎ、2009年3月通期の業績予想を下方修正している。
大手損保、5社最終減益 自動車保険は全社減収
大手損保6社の平成20年9月中間連結決算が19日、出そろった。世界的な金融危機による市場の混乱で運用資産にからむ損失や破綻(はたん)企業への保険金支払いが増えたほか、新車販売の不振で主力の自動車保険の販売も低迷し、日本興亜損害保険を除く5社が最終減益に見舞われた。
一般企業の売上高にあたる正味収入保険料は、景気低迷や、4月から自賠責保険の保険料が大幅に引き下げられた影響で、東京海上ホールディングス(HD)を除く5社で減少した。収入保険料の半分近くを占める主力の自動車保険は全社が減収となった。
また昨年6月の改正建築基準法施行の影響で住宅着工戸数が落ち込み、火災保険も振るわなかった。世界的な不況に伴う米国向けの自動車輸出の低迷で、貨物向けの海上保険も落ち込んだ。
利益面では、有価証券評価損に圧迫され、東京海上HDが310億円、三井住友海上グループHDが450億円の損失を計上した。さらに三井住友海上HDは、英国子会社の企業向け信用保険で400億円の支払いが発生し、業績の足を引っ張った。
21年3月期業績予想でも、損害保険ジャパンが、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)関連の保険金支払いや有価証券の評価損により通期で1430億円の損失が発生するとして、最終損益を従来予想の540億円の黒字から520億円の赤字に大幅に下方修正した。
中国の成長率「09年は8%割れも」 人民銀幹部
【北京=高橋哲史】中国人民銀行(中央銀行)の金融政策委員で、著名な経済学者の樊綱氏は19日付の中国紙「中国証券報」のインタビューで「中国経済はかつてない減速局面のまっただ中にある」と語った。そのうえで「2009年の成長率は8%を下回る可能性があり、下回らなければ上出来だ」との見通しを明らかにした。
中国共産党・政府は雇用確保に必要な成長率とされる「8%」の維持を目指して、9日に総投資額4兆元(約57兆円)にのぼる大規模な景気刺激策を打ち出した。樊綱氏の発言は景気刺激策を実施しても、来年は8%の達成が難しいことを示唆したものとして注目を集めている。
樊綱氏は景気刺激策の財源にも言及。「09年に7500億元(10兆8000億円)の国債増発を検討してもいい」と述べ、当面は財政が悪化しても景気対策を優先すべきだとの考えを強調した。
上場企業、減益局面でも配当増額・維持75%
上場企業が積極的な配当政策を続けている。2009年3月期の年間配当を増額または維持する予定の企業は全体の75%に上り、減配企業を大きく上回る。今期は過半の企業が業績悪化を見込むなど経営環境は厳しさを増すが、良好な財務基盤を生かして株主へ報いることで、株価を下支えする狙いもある。一方で大企業を中心に賃金は伸び悩んでおり、景気後退が鮮明になる中で、利益配分を巡る議論が今後活発になりそうだ。
「個人株主への利益配分を重視している」。ホンダの北條陽一取締役は、北米の販売不振で今期の業績予想を下方修正したにもかかわらず、年間配当を予定通り前期比2円増の88円とする理由をこう説明する。ソニーも増益予想から一転、大幅減益となるが、前期比2倍の増配予定は変更しなかった。
欧州主要国、企業支援でEUに規制緩和要求
【ブリュッセル=下田敏】金融危機に伴う景気後退を踏まえ、フランスやドイツなど欧州主要国が企業支援の拡充に動き始めた。欧州連合(EU)に対して過剰な企業支援を禁止する規制の緩和を要求。EUの欧州委員会も短期間の企業支援に限って法令の弾力運用を認める方向だ。米政府が自動車業界への支援拡大に動くなど、欧米で経済保護主義が広がる恐れが出てきた。
EU議長国フランスのジュイエ欧州問題担当相は欧州議会で「景気後退で深刻な危機にさらされる民間企業を(各国政府が)支援するため、EU規制を柔軟に運用すべきだ」と語った。フランスは金融危機による影響を緩和するため、一時的に大規模な企業支援を認める案を提示した。ドイツは雇用を維持する観点から同様の支援規制の緩和を求めている。
09年度米GDP、マイナスの可能性 FRBが下方修正
【ワシントン=大隅隆】米連邦準備理事会(FRB)は19日、2009年度の実質国内総生産(GDP)成長率がマイナスに転じる可能性があるとの見通しを発表した。金融危機に伴う実体経済の悪化などを織り込んで6月時点の見通しを下方修正したもので、失業率は最大で7.6%まで上昇すると予測している。
09年度の成長率予測はマイナス0.2―1.1%。6月時点が2.0―2.8%だった。失業率は7.1―7.6%。6月時点は5.3―5.8%と予測していた。
日経社説 APECは日本の存在感を示す好機だ(11/20)
太平洋を取り囲む21カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)がペルーの首都リマで始まった。東アジアを含む環太平洋地域は、世界の経済成長の中核である。金融危機の激震が走る現在の局面で、同地域の首脳、閣僚が一堂に会する意義は大きい。
会議の最大の焦点は、金融危機への対応だ。先週末の20カ国・地域(G20)による緊急首脳会合(金融サミット)は、危機の克服に向けて様々な協調行動を取ることで合意した。APECメンバーも足並みをそろえ、金融安定化を目指す強い意志を示す必要がある。
政権交代期に入る米国に、強力な指導力を期待するのは難しい。日本にとってAPECという大舞台は、国際社会に存在感を示す絶好の機会となるはずだ。麻生太郎首相は多様な意見を束ね、議論をリードする気構えで首脳会合に臨んでほしい。
1989年のAPEC発足時に、日本はオーストラリアとともに主導的な役割を果たした経緯がある。日米間の貿易摩擦が激しい時期に、あえて協力の仕組みを築いた意気込みを日本自身が忘れてはならない。
G20が先進国と新興国の集まりであるのに対し、APECは共通の地域を基盤として経済連携を目指す枠組みである。世界経済全体が安定するには、まず世界の各地域がそれぞれ安定性を高める必要がある。
経済規模が世界全体の約6割を占めるAPEC地域が、とりわけ重要であるのは間違いない。その中心である東アジアは、世界経済の成長センターと呼ばれながら、債券市場など金融インフラが必ずしも十分に整備されていない。APECで議論を深めるべき課題は多いはずだ。
焦点は金融安定化だけではない。金融システムが不安定な今こそ、実体経済を盤石にする方策を練るべきである。そのためには世界各国が互いに市場を開放し、新たな需要とビジネス機会を提供し合う自由貿易体制の強化が欠かせない。
世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)が停滞している。これは保護主義の台頭を招く極めて危険な状態だと考えるべきだ。APECに臨む首脳らが団結し、交渉進展を促す強い意志を示すことを期待する。
同時に、APEC域内の貿易自由化でも掘り下げた議論が必要だ。域内の貿易額は年間11兆ドルに上り、世界全体の約半分を占める。世界経済がさらに深刻な事態に陥らないために、APECは自由化と経済連携の速度を上げなければならない。
20代、3人に1人はニコニコ動画--メディアパワーと若者に支持される理由(COLUMN)
11月11日に開催されたカンファレンス「CNET Japan Innovation Conference 2008~いよいよ本格化する動画ビジネス最前線~」(CJIC 2008)にて、ドワンゴの顧問で、慶應義塾大学 政策メディア研究科 特別招聘教授の夏野剛氏は、ニコニコ動画のビジネスについて講演した。
ニコニコ動画の登録者数は、2007年3月のスタートから約1年半で約980万人、まもなく今月中にも1000万人に達するという(後に11月12日に1000万人を突破したと発表)。
10代や20代にはYouTubeなど外国系のサービスよりも圧倒的な支持を得ており、人口統計からいくと20代は3人に1人はニコニコ動画のユーザーだという。
しかし現実には、「ニコニコ動画は、30代以降の世代にはすごく過小評価されているメディア。その誤解を解いて、メディアパワーをお伝えするのもニコ動に参加した1つの理由」とドワンゴの顧問に就任した理由を説明した。
「980万人の登録者数がいるということは、980万人のメールアドレスを持っているということ。(他の動画サービスは)登録制にしていないところも多く、オープンプラットフォームという観点からはそのほうが便利なこともあるが、カスタマイズページを用意できるなど、登録制のメリットは大きい」と夏野氏は言う。
モバイル会員は2007年5月にクローズドベータをスタートして、255万9000人。「モバイルは、もっと強化する余地があると思っている。PC側のアップグレードが優先だが、少しずつ強化していきたい」と話す。
980万人のうち、有料のプレミアム会員は約21万人。プレミアム会員の特徴はプレミアム専用回線が用意されており、アクセス混雑時でも優先的に接続できることだ。
しかし、「すぐに設備投資をしてしまうので、無料会員でもすぐにアクセスできるようになると、有料会員の数字の伸びは緩やかになる。最近はまたお客様が増えて少し接続しにくくなったので、有料会員が伸び始めてきた。今の回線はほぼISP級で、おそらく日本で一番太い回線を引いているコンテンツサービス」と複雑な現状を明かした。
ニコニコ動画は単に動画だけでなく、コメントとともに動画を楽しめるのが特徴だ。「動画を共有しているのではなく、動画を見ているというその場を共有するもの」と夏野氏は言う。
他社との差別化について、「ほかは、動画のバリューが100%。ニコ動の場合は、動画のバリューは50%で、それをはやし立てるコメントのバリューが50%というところが最大の違い。単なる動画共有サービスではないし、そういう意味では競合ではない。むしろ補完関係にある」と独自の優位性について説明した。
1日の平均利用状況は、約6500万PV。コメント数は約260万で、動画のアップロードは5000件にも及ぶという。ドワンゴがもっとも重要視するのは、訪問者数(UU)で、UUは230万人/日。
「PVはサイトの構成によって変えられるが、UUはビジター数なのでそのままメディアパワーと考えられる。動画再生回数は1900万回で、平均滞在時間も34.5分。1PVあたりの滞在時間は3分14秒と非常に長い。これをなんとかビジネスにできないかというのが、私の大きなミッション」と黒字化への意欲を見せた。
「われわれはインターネットの常識に反する試みをしている」と夏野氏が語る取り組みが、その時間にアクセスしないと見られない“生放送”だ。同時接続できる人数は最大1万人。1万人の範囲内で、3000人限定など人数を制限することもできるという。
「ブロードキャスト型の生放送は、インターネットでは向かないのがこれまでの常識。しかし、インターネットは時間も場所も関係ないことを逆手にとって始めた“生放送”は反響がある」と話す。
9月24日に行ったソフトバンク対オリックスの生中継では、合計4万人(人が入れ替わった数もカウント)がアクセスし、40万ものコメントが付いたという。
「三振すれば『あーーーー』というコメントで埋め尽くされるし、歓声やヤジなどもとぶ。一方で野球解説する人もいるし、球場にいって野球を見ている雰囲気をインターネットで味わえるということ」と夏野氏は笑う。今後は映画の試写会をやってみたいと意欲を見せた。
最近の傾向としては、政治家がニコニコ動画に注目し、実際に活用し始めているという。通常、ドワンゴではニコニコ動画にテレビの動画が上がっていると削除する方針だ。その方針に従い、国会中継の映像を削除したところ、ある政治家から「なぜ削除するのか」と抗議が来たという。
国会の中継映像は、放送される政治家の了解がとれれば使っていいことが後に判明。復活させたエピソードがあったという。後日談として、その政治家の質問が鋭く、内容がよかったことによって、若年層の入党が増えたというエピソードを披露した。
たとえば、日本共産党の志位和夫委員長は、ニコニコ動画では「Cさん」と呼ばれ、志位和夫チャンネルがある。10月には自民党の麻生太郎総裁を特集した麻生自民党チャンネルが開設され、このほかにも多くの政治家がチャンネルを持っている。
「若者は国会の生中継はあまり見ないが、ネットに上がることによって、しかもコメント付きだといままで触れなかった映像を見るきっかけになり、新しい発見がある」とニコニコ動画ならではの価値をアピールした。
今年の7月には、アンケート大人数でリアルタイムアンケートがとれる「ニコ割アンケート」を開始した。ニコニコ動画を視聴している全ユーザーの画面に割り込んで、アンケートを出すしくみ。90秒のアンケートで、7~8万件の回答が集まるという。
ニコ割りは、いつアンケートをとるといった予告をしない。突然割り込むとユーザーは予測できないため、フラットなアンケートができるという。
「麻生氏内閣の支持調査を行ったときは、午後9時半に約20万人いた。急にアンケートを割り込ませて答えてもらった。支持率の結果は43.4%となり、若者に偏っているが、固定電話の支持率調査とほぼ同じ。おもしろいのは、プレミアムユーザーは意見が異なること。一般ユーザーを含めると、通常の世論調査と変わらないので、おもしろいと思っている」と明かした。
ドワンゴでは、ニコニコ動画のアップグレードを12月4日に予定しているという。「今日はお話できないが、大幅に全面的に変える仕掛けを用意している。1000万人メディアから2000万人メディアにし、それ以上のメディアになるための仕掛けを考えている。サービスの構成も進化し、構造も変化する」とした。発表会の様子は、ニコニコ動画でも生放送される予定だ。
金融危機 企業・貿易対策で協力 経産相、APECで表明へ
【リマ=御調昌邦】日本政府は19日午前(日本時間同日深夜)に開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、金融危機を克服していくうえで、中小企業や貿易金融への資金供給を確保することが重要との認識を示す。二階俊博経済産業相が閣僚会議で表明する。日本が各国・地域の政策対応に、協力する姿勢も打ち出す。アジア各国が個人消費の拡大に取り組む必要性も指摘する予定だ。
今回のAPECでは、米欧を中心とした金融危機が実体経済に波及しないように、適切な政策を協調して運営していくことを議論する。金融機関が中小企業への資金貸し出しを抑制する懸念もあるため、日本は1990年代の金融危機の経験を踏まえ、域内の中小企業向け金融機関の連携や信用保証制度のノウハウの提供などで協力する意向を表明する。
オバマ氏が環境政策 温暖化ガス「90年水準に」 20年削減目標
【ワシントン=米山雄介】オバマ次期米大統領は18日、ロサンゼルスで開いた気候変動問題に関する国際会議でビデオ演説し、次期政権としての環境政策構想を明らかにした。2020年までに温暖化ガスの排出量を1990年の水準まで削減する中期目標を設定。これに向け、年ごとの厳格な削減目標を設ける。20年以降は、50年までに温暖化ガスをさらに80%削減する長期目標も示した。ガス排出削減に消極的なブッシュ政権から大きな政策転換となる。
オバマ氏が個別の政策について政権構想を明らかにしたのは、大統領選での勝利後初めて。ビデオ演説で「気候変動問題は深刻で、無視したり、対策を遅らせることはできない」と指摘したうえで、「米国のリーダーシップの新たな一章を刻む」と述べ、地球環境問題の解決へ積極的に貢献する考えを示した。
国連気候変動枠組み条約事務局によると米国の06年時点の温暖化ガス排出量は90年比で14.4%増加している。
米百貨店サックス、8―10月赤字転落 富裕層の購買意欲が減退
【ニューヨーク=杉本晶子】米高級百貨店サックスが18日発表した8―10月期決算は、最終損益が4270万ドルの赤字(前年同期は2150万ドルの黒字)だった。売上高は12.3%減の6億9800万ドル。9月の金融危機をきっかけに富裕層の購買意欲が急減速し、靴やかばん、衣料品など幅広い商品群が伸び悩んだ。
売上高は既存店比較でも11.5%減と大幅に落ち込んだ。特に、全体の2割を占めるニューヨークの旗艦店の販売が前四半期までの好調から一転し、急減速した。「金融機関の経営難や人員削減のニュースが相次いだうえ、観光客の入りが鈍った」(スティーブン・サドブ最高経営責任者=CEO)。
百貨店業務に特化するため、女児向け衣料品チェーン「クラブ・リビー・ルー」事業から来年初めまでに撤退。2010年1月期の設備投資額は、今期見通しに比べて40%減らし、7500万ドルにとどめる。
GM会長「自力では無理」 政府によるつなぎ融資を正式要請
【ワシントン=大隅隆】米ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長は18日、上院公聴会で証言した。ワゴナー会長は「我々が行き詰まったのはグローバルな金融危機と(それに伴う)戦後最悪の自動車販売の落ち込みだ」と指摘。「GMは過去100年、米国の重要な役割を担ってきたが、現下の情勢では自力では無理だ」と話し、政府によるつなぎ融資を求める考えを正式に表明した。
ワゴナー会長は「自動車産業は米国の実体経済を担っている。(リストラも実施してきており)成功のために十分なことをしてこなかったと指摘する人には同意できない」と発言。自動車メーカーの破綻は「雇用減少、所得の減少、税収の減少など、悲惨な結果をもたらす。今回の(政府支援の)件は『デトロイト』というより米経済を悲惨な破綻からどう救うかという話」と強調した。
KDDI、「島耕作ケータイ」を限定発売 「初芝製」で
KDDIは19日、人気漫画「社長 島耕作」仕様の携帯電話を限定発売すると発表した。主人公の島耕作が社長を務める「初芝五洋ホールディングス」傘下の電機メーカー「初芝電器産業」を表す「HATSUSHIBA」のロゴを本体に刻印したほか、コンテンツとして特別待ち受け画面、電子書籍「島耕作のビジネス哲学」などを盛り込んだ。ベースとした本体はパナソニックの「W62P」。
初芝五洋ホールディングスの社章や、登場キャラクターの社員証も付属する。KDDIのサイト「ケータイdeコミックフェア」内で、20日から予約を受け付ける。販売台数は3000台で、価格は4万2480円。30―40代男性の購入を見込む。
フリーターを介護職員に 厚労省、雇用事業者に助成金
厚生労働省は2009年度にも年長のフリーターを介護職員として雇用した介護事業者への助成制度を始める。25歳以上40歳未満のフリーターが対象で、1人当たり年100万円を1回助成する。就職環境の厳しい年長のフリーターを人材の不足する介護分野に誘導する狙い。19日午前に開かれた自民党の雇用・生活調査会で報告した。
助成金は採用6カ月後に50万円、その6カ月後に50万円を支給する。介護事業者ごとに最大3人までを助成対象とする。
厚労省は12月から、介護事業者が介護業務の経験のない人を採用した場合に年50万円を支給する制度を始める計画。この制度とは別に、年長のフリーターを対象にした助成策を設けることにした。
【産経主張】海賊被害続発 日本は傍観者でよいのか
アフリカ・ソマリア周辺海域で海賊被害がまた頻発している。日本関係船舶も海賊に乗っ取られた。日本にとってこの海域はアジアと欧州を結ぶきわめて重要な海上交通路(シーレーン)だ。対岸の火事ではない。
国際社会の海賊抑止行動も始まっており、日本も共に担う国際責務を負っている。だが、日本の現実は海賊対処などの国家安全保障の論議すら深めようとしていない。政争の具にする愚かしさに気付かないのか。
ソマリア周辺のインド洋海域で、日本の海運会社が運航している船舶は年間約2000隻にのぼる。日本全体の1割だ。年初から10月下旬までにソマリア周辺での海賊襲撃は72件を数え、うち3件が日本関係だ。
これに加え、15日には東京都の海運会社が管理するパナマ船籍の2万トン級貨物船、さらにはサウジアラビアの約32万トンの巨大タンカーがそれぞれ海賊に乗っ取られた。14日には沖縄県の久貝豊和さんが船長を務める中国漁船が被害に遭った。
国連安全保障理事会は6月に続いて10月、関心を持つ国に対し、海賊抑圧のために軍用機、艦艇を派遣することを求める決議を全会一致で採択した。日本は米英などとともに共同提案国である。
これらを踏まえて、北大西洋条約機構(NATO)は10月下旬、国際援助物資を輸送する船舶を護衛する艦船を出動させた。マレーシア、韓国、インドなども艦艇派遣や派遣用意を表明している。
だが、当事国でもある日本は傍観しているだけだ。先月には衆院で海賊対策に自衛隊を活用する構想が民主党から提起されたものの、成案作りには至らない。
民主党は18日に予定していた参院外交防衛委員会での新テロ対策特別措置法改正案の採決を拒否した。麻生太郎首相が党首会談で第2次補正予算案の今国会提出を確約しなかったためという。
日本はインド洋での多国籍海軍に給油支援を行っているが、期限切れとなる来年1月以降も支援を延長することが最低限の責務だろう。海賊に襲撃された日本タンカーが4月、多国籍海軍に助けられたことを忘れてはなるまい。
民主党は国連決議に基づいた行動に積極参加と言っていたのではなかったか。海賊対応などの安保政策では党派を超えた行動が民主党の信頼を高めることになる。
11月11日に開催されたカンファレンス「CNET Japan Innovation Conference 2008~いよいよ本格化する動画ビジネス最前線~」(CJIC 2008)にて、ドワンゴの顧問で、慶應義塾大学 政策メディア研究科 特別招聘教授の夏野剛氏は、ニコニコ動画のビジネスについて講演した。
ニコニコ動画の登録者数は、2007年3月のスタートから約1年半で約980万人、まもなく今月中にも1000万人に達するという(後に11月12日に1000万人を突破したと発表)。
10代や20代にはYouTubeなど外国系のサービスよりも圧倒的な支持を得ており、人口統計からいくと20代は3人に1人はニコニコ動画のユーザーだという。
しかし現実には、「ニコニコ動画は、30代以降の世代にはすごく過小評価されているメディア。その誤解を解いて、メディアパワーをお伝えするのもニコ動に参加した1つの理由」とドワンゴの顧問に就任した理由を説明した。
「980万人の登録者数がいるということは、980万人のメールアドレスを持っているということ。(他の動画サービスは)登録制にしていないところも多く、オープンプラットフォームという観点からはそのほうが便利なこともあるが、カスタマイズページを用意できるなど、登録制のメリットは大きい」と夏野氏は言う。
モバイル会員は2007年5月にクローズドベータをスタートして、255万9000人。「モバイルは、もっと強化する余地があると思っている。PC側のアップグレードが優先だが、少しずつ強化していきたい」と話す。
980万人のうち、有料のプレミアム会員は約21万人。プレミアム会員の特徴はプレミアム専用回線が用意されており、アクセス混雑時でも優先的に接続できることだ。
しかし、「すぐに設備投資をしてしまうので、無料会員でもすぐにアクセスできるようになると、有料会員の数字の伸びは緩やかになる。最近はまたお客様が増えて少し接続しにくくなったので、有料会員が伸び始めてきた。今の回線はほぼISP級で、おそらく日本で一番太い回線を引いているコンテンツサービス」と複雑な現状を明かした。
ニコニコ動画は単に動画だけでなく、コメントとともに動画を楽しめるのが特徴だ。「動画を共有しているのではなく、動画を見ているというその場を共有するもの」と夏野氏は言う。
他社との差別化について、「ほかは、動画のバリューが100%。ニコ動の場合は、動画のバリューは50%で、それをはやし立てるコメントのバリューが50%というところが最大の違い。単なる動画共有サービスではないし、そういう意味では競合ではない。むしろ補完関係にある」と独自の優位性について説明した。
1日の平均利用状況は、約6500万PV。コメント数は約260万で、動画のアップロードは5000件にも及ぶという。ドワンゴがもっとも重要視するのは、訪問者数(UU)で、UUは230万人/日。
「PVはサイトの構成によって変えられるが、UUはビジター数なのでそのままメディアパワーと考えられる。動画再生回数は1900万回で、平均滞在時間も34.5分。1PVあたりの滞在時間は3分14秒と非常に長い。これをなんとかビジネスにできないかというのが、私の大きなミッション」と黒字化への意欲を見せた。
「われわれはインターネットの常識に反する試みをしている」と夏野氏が語る取り組みが、その時間にアクセスしないと見られない“生放送”だ。同時接続できる人数は最大1万人。1万人の範囲内で、3000人限定など人数を制限することもできるという。
「ブロードキャスト型の生放送は、インターネットでは向かないのがこれまでの常識。しかし、インターネットは時間も場所も関係ないことを逆手にとって始めた“生放送”は反響がある」と話す。
9月24日に行ったソフトバンク対オリックスの生中継では、合計4万人(人が入れ替わった数もカウント)がアクセスし、40万ものコメントが付いたという。
「三振すれば『あーーーー』というコメントで埋め尽くされるし、歓声やヤジなどもとぶ。一方で野球解説する人もいるし、球場にいって野球を見ている雰囲気をインターネットで味わえるということ」と夏野氏は笑う。今後は映画の試写会をやってみたいと意欲を見せた。
最近の傾向としては、政治家がニコニコ動画に注目し、実際に活用し始めているという。通常、ドワンゴではニコニコ動画にテレビの動画が上がっていると削除する方針だ。その方針に従い、国会中継の映像を削除したところ、ある政治家から「なぜ削除するのか」と抗議が来たという。
国会の中継映像は、放送される政治家の了解がとれれば使っていいことが後に判明。復活させたエピソードがあったという。後日談として、その政治家の質問が鋭く、内容がよかったことによって、若年層の入党が増えたというエピソードを披露した。
たとえば、日本共産党の志位和夫委員長は、ニコニコ動画では「Cさん」と呼ばれ、志位和夫チャンネルがある。10月には自民党の麻生太郎総裁を特集した麻生自民党チャンネルが開設され、このほかにも多くの政治家がチャンネルを持っている。
「若者は国会の生中継はあまり見ないが、ネットに上がることによって、しかもコメント付きだといままで触れなかった映像を見るきっかけになり、新しい発見がある」とニコニコ動画ならではの価値をアピールした。
今年の7月には、アンケート大人数でリアルタイムアンケートがとれる「ニコ割アンケート」を開始した。ニコニコ動画を視聴している全ユーザーの画面に割り込んで、アンケートを出すしくみ。90秒のアンケートで、7~8万件の回答が集まるという。
ニコ割りは、いつアンケートをとるといった予告をしない。突然割り込むとユーザーは予測できないため、フラットなアンケートができるという。
「麻生氏内閣の支持調査を行ったときは、午後9時半に約20万人いた。急にアンケートを割り込ませて答えてもらった。支持率の結果は43.4%となり、若者に偏っているが、固定電話の支持率調査とほぼ同じ。おもしろいのは、プレミアムユーザーは意見が異なること。一般ユーザーを含めると、通常の世論調査と変わらないので、おもしろいと思っている」と明かした。
ドワンゴでは、ニコニコ動画のアップグレードを12月4日に予定しているという。「今日はお話できないが、大幅に全面的に変える仕掛けを用意している。1000万人メディアから2000万人メディアにし、それ以上のメディアになるための仕掛けを考えている。サービスの構成も進化し、構造も変化する」とした。発表会の様子は、ニコニコ動画でも生放送される予定だ。
金融危機 企業・貿易対策で協力 経産相、APECで表明へ
【リマ=御調昌邦】日本政府は19日午前(日本時間同日深夜)に開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、金融危機を克服していくうえで、中小企業や貿易金融への資金供給を確保することが重要との認識を示す。二階俊博経済産業相が閣僚会議で表明する。日本が各国・地域の政策対応に、協力する姿勢も打ち出す。アジア各国が個人消費の拡大に取り組む必要性も指摘する予定だ。
今回のAPECでは、米欧を中心とした金融危機が実体経済に波及しないように、適切な政策を協調して運営していくことを議論する。金融機関が中小企業への資金貸し出しを抑制する懸念もあるため、日本は1990年代の金融危機の経験を踏まえ、域内の中小企業向け金融機関の連携や信用保証制度のノウハウの提供などで協力する意向を表明する。
オバマ氏が環境政策 温暖化ガス「90年水準に」 20年削減目標
【ワシントン=米山雄介】オバマ次期米大統領は18日、ロサンゼルスで開いた気候変動問題に関する国際会議でビデオ演説し、次期政権としての環境政策構想を明らかにした。2020年までに温暖化ガスの排出量を1990年の水準まで削減する中期目標を設定。これに向け、年ごとの厳格な削減目標を設ける。20年以降は、50年までに温暖化ガスをさらに80%削減する長期目標も示した。ガス排出削減に消極的なブッシュ政権から大きな政策転換となる。
オバマ氏が個別の政策について政権構想を明らかにしたのは、大統領選での勝利後初めて。ビデオ演説で「気候変動問題は深刻で、無視したり、対策を遅らせることはできない」と指摘したうえで、「米国のリーダーシップの新たな一章を刻む」と述べ、地球環境問題の解決へ積極的に貢献する考えを示した。
国連気候変動枠組み条約事務局によると米国の06年時点の温暖化ガス排出量は90年比で14.4%増加している。
米百貨店サックス、8―10月赤字転落 富裕層の購買意欲が減退
【ニューヨーク=杉本晶子】米高級百貨店サックスが18日発表した8―10月期決算は、最終損益が4270万ドルの赤字(前年同期は2150万ドルの黒字)だった。売上高は12.3%減の6億9800万ドル。9月の金融危機をきっかけに富裕層の購買意欲が急減速し、靴やかばん、衣料品など幅広い商品群が伸び悩んだ。
売上高は既存店比較でも11.5%減と大幅に落ち込んだ。特に、全体の2割を占めるニューヨークの旗艦店の販売が前四半期までの好調から一転し、急減速した。「金融機関の経営難や人員削減のニュースが相次いだうえ、観光客の入りが鈍った」(スティーブン・サドブ最高経営責任者=CEO)。
百貨店業務に特化するため、女児向け衣料品チェーン「クラブ・リビー・ルー」事業から来年初めまでに撤退。2010年1月期の設備投資額は、今期見通しに比べて40%減らし、7500万ドルにとどめる。
GM会長「自力では無理」 政府によるつなぎ融資を正式要請
【ワシントン=大隅隆】米ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長は18日、上院公聴会で証言した。ワゴナー会長は「我々が行き詰まったのはグローバルな金融危機と(それに伴う)戦後最悪の自動車販売の落ち込みだ」と指摘。「GMは過去100年、米国の重要な役割を担ってきたが、現下の情勢では自力では無理だ」と話し、政府によるつなぎ融資を求める考えを正式に表明した。
ワゴナー会長は「自動車産業は米国の実体経済を担っている。(リストラも実施してきており)成功のために十分なことをしてこなかったと指摘する人には同意できない」と発言。自動車メーカーの破綻は「雇用減少、所得の減少、税収の減少など、悲惨な結果をもたらす。今回の(政府支援の)件は『デトロイト』というより米経済を悲惨な破綻からどう救うかという話」と強調した。
KDDI、「島耕作ケータイ」を限定発売 「初芝製」で
KDDIは19日、人気漫画「社長 島耕作」仕様の携帯電話を限定発売すると発表した。主人公の島耕作が社長を務める「初芝五洋ホールディングス」傘下の電機メーカー「初芝電器産業」を表す「HATSUSHIBA」のロゴを本体に刻印したほか、コンテンツとして特別待ち受け画面、電子書籍「島耕作のビジネス哲学」などを盛り込んだ。ベースとした本体はパナソニックの「W62P」。
初芝五洋ホールディングスの社章や、登場キャラクターの社員証も付属する。KDDIのサイト「ケータイdeコミックフェア」内で、20日から予約を受け付ける。販売台数は3000台で、価格は4万2480円。30―40代男性の購入を見込む。
フリーターを介護職員に 厚労省、雇用事業者に助成金
厚生労働省は2009年度にも年長のフリーターを介護職員として雇用した介護事業者への助成制度を始める。25歳以上40歳未満のフリーターが対象で、1人当たり年100万円を1回助成する。就職環境の厳しい年長のフリーターを人材の不足する介護分野に誘導する狙い。19日午前に開かれた自民党の雇用・生活調査会で報告した。
助成金は採用6カ月後に50万円、その6カ月後に50万円を支給する。介護事業者ごとに最大3人までを助成対象とする。
厚労省は12月から、介護事業者が介護業務の経験のない人を採用した場合に年50万円を支給する制度を始める計画。この制度とは別に、年長のフリーターを対象にした助成策を設けることにした。
【産経主張】海賊被害続発 日本は傍観者でよいのか
アフリカ・ソマリア周辺海域で海賊被害がまた頻発している。日本関係船舶も海賊に乗っ取られた。日本にとってこの海域はアジアと欧州を結ぶきわめて重要な海上交通路(シーレーン)だ。対岸の火事ではない。
国際社会の海賊抑止行動も始まっており、日本も共に担う国際責務を負っている。だが、日本の現実は海賊対処などの国家安全保障の論議すら深めようとしていない。政争の具にする愚かしさに気付かないのか。
ソマリア周辺のインド洋海域で、日本の海運会社が運航している船舶は年間約2000隻にのぼる。日本全体の1割だ。年初から10月下旬までにソマリア周辺での海賊襲撃は72件を数え、うち3件が日本関係だ。
これに加え、15日には東京都の海運会社が管理するパナマ船籍の2万トン級貨物船、さらにはサウジアラビアの約32万トンの巨大タンカーがそれぞれ海賊に乗っ取られた。14日には沖縄県の久貝豊和さんが船長を務める中国漁船が被害に遭った。
国連安全保障理事会は6月に続いて10月、関心を持つ国に対し、海賊抑圧のために軍用機、艦艇を派遣することを求める決議を全会一致で採択した。日本は米英などとともに共同提案国である。
これらを踏まえて、北大西洋条約機構(NATO)は10月下旬、国際援助物資を輸送する船舶を護衛する艦船を出動させた。マレーシア、韓国、インドなども艦艇派遣や派遣用意を表明している。
だが、当事国でもある日本は傍観しているだけだ。先月には衆院で海賊対策に自衛隊を活用する構想が民主党から提起されたものの、成案作りには至らない。
民主党は18日に予定していた参院外交防衛委員会での新テロ対策特別措置法改正案の採決を拒否した。麻生太郎首相が党首会談で第2次補正予算案の今国会提出を確約しなかったためという。
日本はインド洋での多国籍海軍に給油支援を行っているが、期限切れとなる来年1月以降も支援を延長することが最低限の責務だろう。海賊に襲撃された日本タンカーが4月、多国籍海軍に助けられたことを忘れてはなるまい。
民主党は国連決議に基づいた行動に積極参加と言っていたのではなかったか。海賊対応などの安保政策では党派を超えた行動が民主党の信頼を高めることになる。
ドコモが「グーグル携帯」 無償ソフト採用、低価格で09年発売
NTTドコモは韓国の携帯通信大手と共同で、米グーグルの無償ソフトを採用しパソコン並みの性能を持つ多機能携帯電話(スマートフォン)を開発する。インターネット機能を強化し、価格は2割程度安くする。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」などに対抗する日韓初の「グーグル携帯」として2009年の発売を目指す。国内市場の飽和感が強まるなか、ドコモが同分野で攻勢を強めることで、携帯電話の競争は新段階に入る。
ドコモは10%強を出資し協力関係にある韓国2位の携帯通信会社、KTフリーテル(KTF)と連携。グーグルの携帯無償ソフト群「アンドロイド」を採用する。端末開発には国内外のメーカーも参加。キーボードやタッチパネルを搭載し、グーグルが提供する検索や動画共有、メールなどのサービスを容易に使えるようにする。
米国債保有、中国が首位に 9月末、日本は2位転落
米財務省が18日発表した9月の国際資本統計によると、中国が日本を抜いて世界最大の米国債の保有国になった。国・地域別の米国債保有残高は9月末時点で中国が5850億ドル(約56兆8800億円、香港は含まず)。日本は5732億ドルにとどまった。
米国発の金融危機にもかかわらず、中国は米国債への投資を拡大。米財政赤字が膨らむ中、米中の経済的な相互依存関係の深まりを示した。
9月末の中国の米国債保有残高は前月に比べ436億ドル増加。日本は128億ドル減った。3位は英国で3384億ドル。海外全体では前月に比べ1106億ドル増え、2兆8605億ドルとなった。
日産ゴーン社長、下半期の利益ゼロに 米紙インタビューで
【ワシントン=武類雅典】日産自動車のカルロス・ゴーン社長は18日、米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで、「今年度下期は利益がゼロになりそうだ」と述べた。社長を兼務する仏ルノーの「2009年営業利益率6%」の達成目標も、世界景気減速を理由に取り下げたことを明らかにした。
ゴーン社長は「過去50年の中でも09年は自動車産業にとり困難な年になる」と指摘。日産とルノーは事業から得るフリーキャッシュフロー(現金収支)を黒字に保つことを最優先目標に定めた。米民主党などが提案するビッグスリー(米自動車大手3社)向け金融支援など追加策は言及を控えたが、米政府が決めた環境対応車生産向けの250億ドルの低利融資策は「道理にかなう。日本や欧州も同様の措置をとるべきだ」と話した。
ウィルコム、PHSと内線電話を融合し低額サービス 大企業向け
ウィルコムは18日、PHS回線と企業の内線を融合する大企業向けの低額サービスを20日から始めると発表した。オフィスの内外でPHSを内線電話として使用でき、料金プランによっては社員同士の通話が無料となる。従来は中小企業向けだったが、PHSを100台以上使う大企業の需要を取り込む。
昨年10月に中小向けに始めた「W―VPN」サービスを拡充する。同時に23通話まで可能な専用回線を月額料金3万1500円で提供する。PHS100台程度を利用する企業に適した回線。回線数を増やして多数のPHSにも対応できる。
半導体の世界市場、09年に8年ぶり減へ 再編・淘汰の動き加速
世界の景気後退の影響で、半導体市場の減速が鮮明になってきた。世界主要メーカーの調査によると、2008年の半導体出荷(金額ベース)は前年比2.5%の微増、09年は同2.2%の減少となることが分かった。マイナス成長はITバブルが崩壊した01年以来、8年ぶり。国内では富士通が半導体事業を子会社化したほかエルピーダメモリが中国の工場建設を延期するなど事業の見直しを進めている。今後、世界規模で再編や淘汰の動きが一段と加速しそうだ。
半導体関連の66社が加盟する世界半導体市場統計(WSTS、カリフォルニア州)が18日、08―10年までの市場予測を発表。08年は前年比2.5%増の2619億ドル。09年には同2.2%減の2561億ドルとした。
韓国の上場企業、1―9月純利益20%減 株・ウォン安響く
【ソウル=島谷英明】韓国の証券先物取引所が18日発表した上場企業(12月期決算で比較可能な570社)の1―9月の純利益は、34兆8700億ウォン(約2兆3300億円)と前年同期比20%減った。株価と通貨ウォンの下落で保有株や外貨建て債務の評価損が膨らみ、4社に1社が最終赤字となった。
売上高は同25%増の649兆6400億ウォン。9月までは2割前後の堅調な伸びが続いていた輸出が内需の低迷を補い、増収にこぎ着けた。営業利益もウォン安による為替差益が原材料の輸入価格高騰を吸収し、同15%増えた。
ただ7―9月の営業利益は4―6月に比べ3割減と失速している。米国発の金融危機による実体経済の悪化が企業収益に本格的に表れるのは10月以降とみられる。このため市場関係者の間では2008年通期の業績悪化を見込む声が多い。
6大銀の中間決算、純利益57%減 三菱UFJは64%減の920億円
大手銀行6グループの2008年9月中間決算が18日出そろった。連結純利益の合計は3983億円と前年同期に比べ57%減少し、中間期としては4年ぶりの低水準に落ち込んだ。09年3月期通期も前期比50%減と低迷する見通し。融資先の破綻などで不良債権処理損失が増えたうえ、株安により保有株式の時価が目減りしたことも利益を押し下げた。世界的な金融危機の影響が邦銀の業績にも深刻な影響を与え始めた。
6グループは三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、りそなホールディングス、住友信託銀行、中央三井トラスト・ホールディングス。
18日に発表した三菱UFJの9月中間期の連結純利益は64%減の920億円。不良債権処理損失が54%増えたうえ、保有株式の価格下落による減損処理が2.8倍に膨らんだ。
中国、最低賃金引き上げを一時凍結 中小企業を支援
中国政府は業績が悪化している労働集約型の中小企業を支援するため、最低賃金の引き上げを一時凍結する。新華社電が政府の通知として伝えた。景気減速に対応し、企業の人件費を軽減するとともに、雇用確保に配慮するのが狙いだ。
最低賃金は主に工場で働く出稼ぎ労働者などに適用される。各都市ごとに決め、年1回改定されるのが一般的。凍結の期間は明示していない。
中国では経済発展や物価高騰に伴い賃金が大幅に上昇。特に1月の労働契約法施行後は人件費や労働争議の増加に拍車がかかった。広東省深セン市の経済特区では、最低賃金が7月から月1000元(約1万4120円)に引き上げられた。
トヨタ、08年の中国販売を下方修正 計画10万台下回る
トヨタ自動車は2008年の中国での販売台数(輸入車含む)計画について、当初の目標を10万台下回る合計60万台に修正した。40%を見込んでいた前年比伸び率は20%にとどまる見通し。中国の景気減速で販売が伸び悩む中、2010年代初頭を目標に年間販売100万台を掲げていた中国での中期計画も見直す。
18日、広東省広州市で佐々木昭専務が明らかにした。広州汽車集団との合弁会社、広州トヨタは世界戦略車「カムリ」に加えて、6月に小型車「ヤリス(日本名ヴィッツ)」を発売し2車種に拡充したものの、売れ行きは低迷。08年に20%以上の販売増を計画していた広州トヨタの1―10月の実績は、2%増の約13万9700台にとどまっている。第一汽車集団(吉林省)との合弁会社、一汽トヨタは1―10月の販売台数が約5割伸びたが、広州トヨタの減速を補えない。
「ネット時代も新聞生き残る」マードック氏が強調
【シドニー=岡崎哲】「世界のメディア王」として知られる米ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック会長は16日、豪ABCラジオの番組に出演し、インターネットの普及で世界的に発行部数の減少が続く新聞業界の未来像について、「インターネットが新聞を葬り去るとの悲観論は見当違いだ」と述べ、新聞とインターネットはこれからも共存できるとの見通しを示した。
マードック氏は「新聞が読者の信頼に足るニュースを提供する役割は今後も変わらない。配信方法が変わっても、読者は何倍にも増える」と述べ、ニューズ社傘下の主要2紙の成功例を挙げた。
同氏によると、発行部数では約61万部の英ザ・タイムズ紙が、ウェブサイトで世界中に毎月2600万人の読者を獲得。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「信頼できるビジネス情報への需要拡大で、米紙では唯一、ウェブサイト部門で収益を上げた」という。
そのうえで、マードック氏は、インターネットや携帯電話など多様化する媒体に新聞業界が適応する必要性を強調。
「読者の趣向にあわせて多様な方法で配信することで、(文字通りの)新聞からニュースのブランドへと進化しなければならない」と語った。
リクルート、「R25」携帯サイト刷新 参加型企画が充実
リクルートは無料誌「R25(アールニジュウゴ)」の携帯電話向けサイトを24日、大幅刷新する。ニュースやサイト独自の記事を強化するほか、読者参加型の企画を充実させる。20―30代のビジネスマンを対象にコンテンツを絞り込み、サイトへの親近感を高めてもらう。
「R25式モバイル」は2005年7月の開設で利用は無料。ニュースやスポーツ速報、独自の読み物のほか、乗り換え案内や占い、テレビ番組表などの「便利ツール」から構成される。
NHKの番組ネット配信、大手芸能事務所が容認へ
NHKが12月1日から始めるインターネットの有料番組配信サービス「NHKオンデマンド」に合わせ、大手芸能事務所で所属タレントの出演番組の配信を容認する動きが広がっている。NHKはホリプロやアミューズと交渉中で、本来の出演料に配信に伴う一定の対価を上乗せする条件で許可を取り付ける考え。
テレビで放送した番組のネット配信では著作権を持つ出演者らの許可が必要。合意すればNHKはホリプロ所属の人気俳優、妻夫木聡さんが主演する2009年の次期大河ドラマ「天地人」や、アミューズ所属の福山雅治さんの出演が決まった10年の大河ドラマ「龍馬伝」も配信する考え。
日経社説 メガバンクは守りも攻めも手を抜くな(11/19)
メガバンクなど大手銀行グループ6行の2008年9月中間決算は連結純利益が前年同期を約6割も下回る厳しい内容だった。企業倒産の増加で不良債権処理の負担が拡大し、金融危機による株価急落も足を引っ張った。景気悪化の中で守りの経営を強いられるが、邦銀の傷は欧米勢に比べればなお浅い。攻めも手を抜かないでほしい。
みずほ、三菱UFJ、三井住友の三大金融グループは連結ベースでそれぞれ約7割、6割、5割の減益と大幅に落ち込んだ。大手銀6行合計の中間純利益は4年ぶりの低水準で、09年3月期の通期も前期に比べて半減が見込まれている。
苦戦を招いた第一の背景は景気失速である。不動産市況の悪化で建設や不動産の破綻が相次いだほか「8月ころから製造業やサービス業にも悪化が拡大した」と三菱UFJフィナンシャル・グループの畔柳信雄社長は言う。中小企業向けの貸倒引当金を積み増すことなどで、三メガ銀の不良債権処理損失は約8割増えた。国内の資金需要も低迷した。
もう一つは金融危機による市場の混乱である。9月以降の金融不安に伴う急速な株安で保有株式の減損処理が相次ぎ、証券化商品に関連した損失も目立った。金利以外の収益源として力を入れた投資信託や保険商品の販売も振るわなかった。
数少ない好材料の一つは海外向け貸出金が増えたことだ。欧米の銀行が資本不足懸念に直面するのをよそに、海外企業から融資要請が相次ぎ、収益の落ち込みを多少は埋め合わせた。ただ日米欧の主要国は同時に景気後退に直面しており、今年度の下期は一段と厳しい環境になる。
大手銀行の自己資本比率は引き続き10%を超す健全な水準を保っているが、市場環境の急変や思わぬ損失の拡大といった下向きのリスクがある。自己資本が手薄になれば貸し出し余力が低下し、企業への資金供給に目詰まりが起きかねない。
みずほフィナンシャルグループと三菱UFJが自力での資本増強に動き出したのは好ましい方向だ。三井住友も資本増強を検討中とされる。金融の円滑化に心を配ってほしい。
守りの経営も大事だが、大手銀行には海外への事業展開など攻めの姿勢も欠かせない。メガバンクは今年に入って米英の大手金融機関に出資したが、今後はなお経済成長が続くアジア地域での存在感も一段と高めてほしい。公的資金注入などで足かせがはまった欧米金融機関に比べ、日本の金融機関の自由度は高い。この好機を逸してはならない。
NTTドコモは韓国の携帯通信大手と共同で、米グーグルの無償ソフトを採用しパソコン並みの性能を持つ多機能携帯電話(スマートフォン)を開発する。インターネット機能を強化し、価格は2割程度安くする。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」などに対抗する日韓初の「グーグル携帯」として2009年の発売を目指す。国内市場の飽和感が強まるなか、ドコモが同分野で攻勢を強めることで、携帯電話の競争は新段階に入る。
ドコモは10%強を出資し協力関係にある韓国2位の携帯通信会社、KTフリーテル(KTF)と連携。グーグルの携帯無償ソフト群「アンドロイド」を採用する。端末開発には国内外のメーカーも参加。キーボードやタッチパネルを搭載し、グーグルが提供する検索や動画共有、メールなどのサービスを容易に使えるようにする。
米国債保有、中国が首位に 9月末、日本は2位転落
米財務省が18日発表した9月の国際資本統計によると、中国が日本を抜いて世界最大の米国債の保有国になった。国・地域別の米国債保有残高は9月末時点で中国が5850億ドル(約56兆8800億円、香港は含まず)。日本は5732億ドルにとどまった。
米国発の金融危機にもかかわらず、中国は米国債への投資を拡大。米財政赤字が膨らむ中、米中の経済的な相互依存関係の深まりを示した。
9月末の中国の米国債保有残高は前月に比べ436億ドル増加。日本は128億ドル減った。3位は英国で3384億ドル。海外全体では前月に比べ1106億ドル増え、2兆8605億ドルとなった。
日産ゴーン社長、下半期の利益ゼロに 米紙インタビューで
【ワシントン=武類雅典】日産自動車のカルロス・ゴーン社長は18日、米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで、「今年度下期は利益がゼロになりそうだ」と述べた。社長を兼務する仏ルノーの「2009年営業利益率6%」の達成目標も、世界景気減速を理由に取り下げたことを明らかにした。
ゴーン社長は「過去50年の中でも09年は自動車産業にとり困難な年になる」と指摘。日産とルノーは事業から得るフリーキャッシュフロー(現金収支)を黒字に保つことを最優先目標に定めた。米民主党などが提案するビッグスリー(米自動車大手3社)向け金融支援など追加策は言及を控えたが、米政府が決めた環境対応車生産向けの250億ドルの低利融資策は「道理にかなう。日本や欧州も同様の措置をとるべきだ」と話した。
ウィルコム、PHSと内線電話を融合し低額サービス 大企業向け
ウィルコムは18日、PHS回線と企業の内線を融合する大企業向けの低額サービスを20日から始めると発表した。オフィスの内外でPHSを内線電話として使用でき、料金プランによっては社員同士の通話が無料となる。従来は中小企業向けだったが、PHSを100台以上使う大企業の需要を取り込む。
昨年10月に中小向けに始めた「W―VPN」サービスを拡充する。同時に23通話まで可能な専用回線を月額料金3万1500円で提供する。PHS100台程度を利用する企業に適した回線。回線数を増やして多数のPHSにも対応できる。
半導体の世界市場、09年に8年ぶり減へ 再編・淘汰の動き加速
世界の景気後退の影響で、半導体市場の減速が鮮明になってきた。世界主要メーカーの調査によると、2008年の半導体出荷(金額ベース)は前年比2.5%の微増、09年は同2.2%の減少となることが分かった。マイナス成長はITバブルが崩壊した01年以来、8年ぶり。国内では富士通が半導体事業を子会社化したほかエルピーダメモリが中国の工場建設を延期するなど事業の見直しを進めている。今後、世界規模で再編や淘汰の動きが一段と加速しそうだ。
半導体関連の66社が加盟する世界半導体市場統計(WSTS、カリフォルニア州)が18日、08―10年までの市場予測を発表。08年は前年比2.5%増の2619億ドル。09年には同2.2%減の2561億ドルとした。
韓国の上場企業、1―9月純利益20%減 株・ウォン安響く
【ソウル=島谷英明】韓国の証券先物取引所が18日発表した上場企業(12月期決算で比較可能な570社)の1―9月の純利益は、34兆8700億ウォン(約2兆3300億円)と前年同期比20%減った。株価と通貨ウォンの下落で保有株や外貨建て債務の評価損が膨らみ、4社に1社が最終赤字となった。
売上高は同25%増の649兆6400億ウォン。9月までは2割前後の堅調な伸びが続いていた輸出が内需の低迷を補い、増収にこぎ着けた。営業利益もウォン安による為替差益が原材料の輸入価格高騰を吸収し、同15%増えた。
ただ7―9月の営業利益は4―6月に比べ3割減と失速している。米国発の金融危機による実体経済の悪化が企業収益に本格的に表れるのは10月以降とみられる。このため市場関係者の間では2008年通期の業績悪化を見込む声が多い。
6大銀の中間決算、純利益57%減 三菱UFJは64%減の920億円
大手銀行6グループの2008年9月中間決算が18日出そろった。連結純利益の合計は3983億円と前年同期に比べ57%減少し、中間期としては4年ぶりの低水準に落ち込んだ。09年3月期通期も前期比50%減と低迷する見通し。融資先の破綻などで不良債権処理損失が増えたうえ、株安により保有株式の時価が目減りしたことも利益を押し下げた。世界的な金融危機の影響が邦銀の業績にも深刻な影響を与え始めた。
6グループは三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、りそなホールディングス、住友信託銀行、中央三井トラスト・ホールディングス。
18日に発表した三菱UFJの9月中間期の連結純利益は64%減の920億円。不良債権処理損失が54%増えたうえ、保有株式の価格下落による減損処理が2.8倍に膨らんだ。
中国、最低賃金引き上げを一時凍結 中小企業を支援
中国政府は業績が悪化している労働集約型の中小企業を支援するため、最低賃金の引き上げを一時凍結する。新華社電が政府の通知として伝えた。景気減速に対応し、企業の人件費を軽減するとともに、雇用確保に配慮するのが狙いだ。
最低賃金は主に工場で働く出稼ぎ労働者などに適用される。各都市ごとに決め、年1回改定されるのが一般的。凍結の期間は明示していない。
中国では経済発展や物価高騰に伴い賃金が大幅に上昇。特に1月の労働契約法施行後は人件費や労働争議の増加に拍車がかかった。広東省深セン市の経済特区では、最低賃金が7月から月1000元(約1万4120円)に引き上げられた。
トヨタ、08年の中国販売を下方修正 計画10万台下回る
トヨタ自動車は2008年の中国での販売台数(輸入車含む)計画について、当初の目標を10万台下回る合計60万台に修正した。40%を見込んでいた前年比伸び率は20%にとどまる見通し。中国の景気減速で販売が伸び悩む中、2010年代初頭を目標に年間販売100万台を掲げていた中国での中期計画も見直す。
18日、広東省広州市で佐々木昭専務が明らかにした。広州汽車集団との合弁会社、広州トヨタは世界戦略車「カムリ」に加えて、6月に小型車「ヤリス(日本名ヴィッツ)」を発売し2車種に拡充したものの、売れ行きは低迷。08年に20%以上の販売増を計画していた広州トヨタの1―10月の実績は、2%増の約13万9700台にとどまっている。第一汽車集団(吉林省)との合弁会社、一汽トヨタは1―10月の販売台数が約5割伸びたが、広州トヨタの減速を補えない。
「ネット時代も新聞生き残る」マードック氏が強調
【シドニー=岡崎哲】「世界のメディア王」として知られる米ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック会長は16日、豪ABCラジオの番組に出演し、インターネットの普及で世界的に発行部数の減少が続く新聞業界の未来像について、「インターネットが新聞を葬り去るとの悲観論は見当違いだ」と述べ、新聞とインターネットはこれからも共存できるとの見通しを示した。
マードック氏は「新聞が読者の信頼に足るニュースを提供する役割は今後も変わらない。配信方法が変わっても、読者は何倍にも増える」と述べ、ニューズ社傘下の主要2紙の成功例を挙げた。
同氏によると、発行部数では約61万部の英ザ・タイムズ紙が、ウェブサイトで世界中に毎月2600万人の読者を獲得。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「信頼できるビジネス情報への需要拡大で、米紙では唯一、ウェブサイト部門で収益を上げた」という。
そのうえで、マードック氏は、インターネットや携帯電話など多様化する媒体に新聞業界が適応する必要性を強調。
「読者の趣向にあわせて多様な方法で配信することで、(文字通りの)新聞からニュースのブランドへと進化しなければならない」と語った。
リクルート、「R25」携帯サイト刷新 参加型企画が充実
リクルートは無料誌「R25(アールニジュウゴ)」の携帯電話向けサイトを24日、大幅刷新する。ニュースやサイト独自の記事を強化するほか、読者参加型の企画を充実させる。20―30代のビジネスマンを対象にコンテンツを絞り込み、サイトへの親近感を高めてもらう。
「R25式モバイル」は2005年7月の開設で利用は無料。ニュースやスポーツ速報、独自の読み物のほか、乗り換え案内や占い、テレビ番組表などの「便利ツール」から構成される。
NHKの番組ネット配信、大手芸能事務所が容認へ
NHKが12月1日から始めるインターネットの有料番組配信サービス「NHKオンデマンド」に合わせ、大手芸能事務所で所属タレントの出演番組の配信を容認する動きが広がっている。NHKはホリプロやアミューズと交渉中で、本来の出演料に配信に伴う一定の対価を上乗せする条件で許可を取り付ける考え。
テレビで放送した番組のネット配信では著作権を持つ出演者らの許可が必要。合意すればNHKはホリプロ所属の人気俳優、妻夫木聡さんが主演する2009年の次期大河ドラマ「天地人」や、アミューズ所属の福山雅治さんの出演が決まった10年の大河ドラマ「龍馬伝」も配信する考え。
日経社説 メガバンクは守りも攻めも手を抜くな(11/19)
メガバンクなど大手銀行グループ6行の2008年9月中間決算は連結純利益が前年同期を約6割も下回る厳しい内容だった。企業倒産の増加で不良債権処理の負担が拡大し、金融危機による株価急落も足を引っ張った。景気悪化の中で守りの経営を強いられるが、邦銀の傷は欧米勢に比べればなお浅い。攻めも手を抜かないでほしい。
みずほ、三菱UFJ、三井住友の三大金融グループは連結ベースでそれぞれ約7割、6割、5割の減益と大幅に落ち込んだ。大手銀6行合計の中間純利益は4年ぶりの低水準で、09年3月期の通期も前期に比べて半減が見込まれている。
苦戦を招いた第一の背景は景気失速である。不動産市況の悪化で建設や不動産の破綻が相次いだほか「8月ころから製造業やサービス業にも悪化が拡大した」と三菱UFJフィナンシャル・グループの畔柳信雄社長は言う。中小企業向けの貸倒引当金を積み増すことなどで、三メガ銀の不良債権処理損失は約8割増えた。国内の資金需要も低迷した。
もう一つは金融危機による市場の混乱である。9月以降の金融不安に伴う急速な株安で保有株式の減損処理が相次ぎ、証券化商品に関連した損失も目立った。金利以外の収益源として力を入れた投資信託や保険商品の販売も振るわなかった。
数少ない好材料の一つは海外向け貸出金が増えたことだ。欧米の銀行が資本不足懸念に直面するのをよそに、海外企業から融資要請が相次ぎ、収益の落ち込みを多少は埋め合わせた。ただ日米欧の主要国は同時に景気後退に直面しており、今年度の下期は一段と厳しい環境になる。
大手銀行の自己資本比率は引き続き10%を超す健全な水準を保っているが、市場環境の急変や思わぬ損失の拡大といった下向きのリスクがある。自己資本が手薄になれば貸し出し余力が低下し、企業への資金供給に目詰まりが起きかねない。
みずほフィナンシャルグループと三菱UFJが自力での資本増強に動き出したのは好ましい方向だ。三井住友も資本増強を検討中とされる。金融の円滑化に心を配ってほしい。
守りの経営も大事だが、大手銀行には海外への事業展開など攻めの姿勢も欠かせない。メガバンクは今年に入って米英の大手金融機関に出資したが、今後はなお経済成長が続くアジア地域での存在感も一段と高めてほしい。公的資金注入などで足かせがはまった欧米金融機関に比べ、日本の金融機関の自由度は高い。この好機を逸してはならない。
KDDI 携帯事業転換 端末販売期間を柔軟設定
携帯電話端末市場が急激に冷え込むなか、携帯電話事業者が端末販売施策の見直しを進めている。5日にシリーズ変更を発表したNTTドコモに続き、KDDIも来春から新シリーズを導入することが明らかになった。商戦期ごとにフルモデルチェンジを繰り返す既存の施策を見直し、端末の販売期間を柔軟に設定できるようにし、メーカーの収益悪化に歯止めをかける狙いがある。
これまで新商品の発表は年に3回行われ、メーカーは仕様を大幅に変更した端末を各商戦期に発売してきた。KDDIは現在、第3世代携帯電話(3G)の「A」シリーズと、通信速度の速い3.5Gの「W」シリーズの2つを設定し、各メーカーが季節ごとに端末を開発してきた。
しかし、端末市況が悪化し、開発コストがメーカーの負担増を招いており、来春発売の新モデルでは「メーカーがより長期間端末を販売できるよう、ラインアップ構造を変更する」(中馬和彦・KDDI商品戦略グループリーダー)。具体的には、端末の仕様をマイナーチェンジしながら、長期間販売できるシリーズを設定するとみられる。
端末販売戦略の変更では、すでにNTTドコモが秋冬モデルから、高機能端末と廉価版端末に分けた既存シリーズを取りやめ、薄さやファッション性などを特徴とした4シリーズを設定。外側の変更などで新端末を発売できるシリーズを設定することで、メーカー側は開発負担を減らし、同種類の端末を長期間販売することができる。ドコモ側も端末の調達価格を抑えられるメリットがある。
ソフトバンクモバイルも、外枠の色の変更などで長期間販売できる「パントーン」「GENT」などのシリーズを2007年から販売している。
携帯電話端末市場は普及台数が1億台を突破する一方、各事業者が長期間端末を使い続ける代わりに通信料金を割り引く新販売制度などを導入した結果、市場の伸びが急激に鈍化した。市場が縮小する中、メーカーと携帯電話事業者にとっては、端末の開発コストをいかに抑えるかが重要課題となっている。
◇
【予報図】
■競争力強化はメーカー次第
携帯電話市場では三菱電機が端末製造から撤退、シャープも携帯事業悪化で9月中間決算が4割近い減益に落ち込むなど、メーカーを取り巻く環境が厳しさを増している。
ただ、仕様のマイナーチェンジによる端末販売期間の長期化だけでは、市場拡大は困難。KDDIは、端末の製造コスト引き下げを目的に、高機能ソフトウエアをあらかじめ組み合わせた「共通ソフト」の開発を進めており、これらのソフトの活用も市場活性化のカギになる。
メーカーの不調が続く一方、ドコモやKDDIは、販売奨励金削減で中間決算は大幅増益を記録。端末販売の長期化は、いわば対症療法で、メーカーにとって端末事業の延命策に過ぎない面もある。本来の競争力強化はメーカー自身に委ねられる。
米フォード、マツダ株売却 20%程度、生損保や商社などに
米フォード・モーターは現在33.4%強出資しているマツダ株の20%程度を売却することを決めた。日本生命保険や住友生命保険、地方銀行の広島銀行、山口フィナンシャルグループに打診しているほか、住友商事や伊藤忠商事、損害保険ジャパンなど損害保険会社や自動車部品の取引先であるデンソーなどが引き受けるもようだ。マツダ自体も一部を取得する方針。18日午後にも発表する。
フォードは7―9月期の最終損益が1億2900万ドルの赤字となるなど経営不振が続いている。6月末から9月末までの3カ月間で77億ドルの資金が流出するなど、手元資金が厳しい状態で資産の売却を急いでいる。長年、提携関係にあったマツダ株についても一部売却に踏み切った。十数社がそれぞれ0.25―1%程度を引き受ける。20%の株式は直近の株価で見ると約500億円に相当する。売却後も業務提携は継続する。
経財相、プラス成長「自信ない」 09年度、低迷続くと示唆
与謝野馨経済財政担当相は18日の記者会見で、2009年度の日本の経済成長率について「プラス(成長)となる自信は現時点ではない」と述べ、マイナス成長となる可能性があるとの見方を示した。政府は12月に09年度の経済見通しをまとめる予定。成長率の予測は極めて低くなる公算が大きくなってきた。
経財相は世界経済が減速する中で、日本経済は輸出や設備投資の停滞が避けられず、低迷が続くとの認識を表明。「国内外の条件をそろえても、プラス(成長)に貢献する要素はなかなか見つけられない」と指摘した。
政府は毎年、年末の予算編成で税収などを試算する前提となる翌年度の経済成長率などの見通しをまとめる。昨年12月にまとめた08年度の予測は物価変動の影響を除いた実質で2.0%。経済情勢の悪化を受け、7月に1.3%に下方修正した。過去の経済見通しで実質をマイナス成長としたことは一度もない。
イー・モバイル、スマートフォン全機種対象の「冬の大感謝祭」
イー・モバイルは、11月20日~12月31日にかけて、月額利用料を割り引くキャンペーン「イー・モバイル冬の大感謝祭 スマートフォンキャンペーン」を実施する。
今回のキャンペーンは、対象機種を音声通話対応の料金プラン「ケータイプラン(新にねん)」で新規契約する際に、あわせて「アシスト1600(アシスト1000)」と「定額パック24」を同時に申し込むと、割引などの特典が適用されるというもの。通常、「ケータイプラン」で契約すると、データ通信料は月額1000円~4980円だが、今回のキャンペーン中の契約であれば、2年契約が満了するまで、データ通信料が月額0円~4980円で利用できる。この場合、無料通信分は含まれない。
また、イー・モバイルユーザー同士(発信者がイー・モバイルエリア内の場合)の通話が24時間話し放題になる、月額980円のオプションサービス「定額パック24」については、契約初月から最大3カ月間、月額利用料が無料になる。
対象機種はTouch Diamond(S21HT)、EMONSTER lite(S12HT)、EMONSTER(S11HT)の3機種となっている。
au Smart Sportsの「Run&Walk」、会員が50万人に
KDDIと沖縄セルラーは、「au Smart Sports」の第1弾サービス「Run&Walk」の会員数が17日付けで50万人を突破したと発表した。
「au Smart Sports」は、スポーツする際に携帯電話が活用されることを目指して、今年1月31日より提供されているサービス。第1弾の「Run&Walk」は、ランニングやウォーキング、サイクリングする際に携帯電話で移動距離などを計測し、消費カロリーを算出できる。サービス開始から約9カ月半で、会員数が50万人を突破した。同社が9月に開催した会見では、8月末時点の会員が約40万人であることが明らかにされていた。
「Run&Walk」では、無料の「ライト会員」、月額105円(2009年1月末まで無料)の「ベーシック会員」、全機能が利用できる月額315円の「プレミアム会員」と3コース用意されているが、会員数の内訳は明らかにされていない。
第2弾サービスの「Karada Manager」は11月13日より提供されており、こちらは体重などを管理できる機能が提供されている。
米ヤフーのヤンCEOが辞任へ 業績不振で引責
インターネットサービス大手の米ヤフーは17日、ジェリー・ヤン最高経営責任者(CEO、40)が辞任する方針を固め、取締役会が後継者探しを始めたと発表した。ヤン氏は経営立て直しのため2007年6月にCEOに就任したが、マイクロソフト(MS)との買収交渉の決裂などで株価は低迷しており、実質的な引責辞任といえそうだ。
ヤン氏は同日「CEOの役割とヤフーの世界の人材を新たなリーダーに手渡す時期だ」との声明を出した。ヤン氏はCEO辞任後も取締役にとどまり、「チーフ・ヤフー」の肩書で技術戦略の方向性などを先導する役割を担う。同社によると後継CEOは社内、社外両方の人材を候補に選定を進める。具体的な交代時期など詳細は明らかにしていない。
ヤフーはネット広告事業での出遅れなどから業績が低迷。7―9月期には純利益が前年同期比で6割以上減った。今年5月にMSとの買収交渉が決裂したうえ、11月には収益改善の切り札と位置づけたグーグルとの広告提携も頓挫し、株価は10ドルぎりぎりの水準で低迷している。
ビートルズの幻の曲、41年ぶり発表か マッカートニーさん意向
【ロンドン17日共同】ビートルズのメンバーだったポール・マッカートニーさん(66)は17日までに、英BBC放送系のラジオ番組で、1967年に録音して「冒険的過ぎる」との理由から公開を見送った「幻の曲」を、約41年ぶりに発表する意向を明らかにした。
曲のタイトルは「CARNIVAL OF LIGHT」で14分間。マッカートニーさんは、アルバム「アンソロジー」に収録したいと考えたが、他のメンバーの賛同を得られず、一度しか公演されないままお蔵入りとなった。
日本製紙、広告不況で最新鋭機を稼働停止
日本製紙は17日、石巻工場(宮城県石巻市)の最新鋭抄紙機の稼働を10日から停止したことを明らかにした。チラシ広告に使われる微塗工紙などを生産していたが、国内の広告不況で需要が減少しているうえ、出荷の半分を占める輸出用が円高で採算割れしていた。年内は稼働を停止する方針。この設備は、約630億円を投じて、昨年11月に稼働し、工場全体の約3割に当たる月3万トンを生産していた。
10月の百貨店売上高6.8%減、8カ月連続でマイナス
日本百貨店協会が18日まとめた10月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は前年同月比6.8%減の5845億円だった。前年実績を下回るのは8カ月連続。プロ野球の優勝セールなどプラス要因もあったが、米国発の金融危機の影響で消費が冷え込み、衣料品、ハンドバッグや靴などの身の回り品、雑貨などが振るわなかった。
気温が高めに推移したことも打撃となり、秋冬商品を並べた衣料品は9.6%の減少。美術・宝飾品など高額商品も2ケタの減少となった。一方、食料品は1.6%増加した。
地域別では主要10都市すべてで前年の実績を下回った。仙台は9.1%減と落ち込みが最も大きく、神戸(8.5%減)、東京(8.4%減)が続いた。
米民主、ビッグ3支援法案を提出 審議は難航必至
【ワシントン=米山雄介】米上院民主党のリード院内総務は17日、経営危機に陥っている自動車大手3社(ビッグスリー)を公的資金で支援する法案の提出を正式に発表した。政府による最大250億ドル(約2兆4000億円)の低利融資が柱。金融安定化法で定めた最大7000億ドルの公的資金枠を活用する。米ホワイトハウスや共和党は公的資金による個別企業の救済に反対しており、審議は難航必至だ。
法案は総額1000億ドル(約9兆6000億円)の総合経済対策。道路や橋の建設など公共事業のほか失業給付の拡大、財政が悪化している州政府への支援なども盛り込んだ。
インテル、新型CPU「i7」発表 処理速度4割向上
インテルは18日、パソコン向けの最新CPU「Core(コア)i7」の販売を始めたと発表した。内蔵する4つのコアそれぞれの処理速度を自動的に調整することで、消費電力を増加させずに処理速度を従来製品に比べ最大4割高めた。インターネットを通じた動画のやりとりや動画の編集、立体映像を駆使したゲームなど、同時に大量の情報を処理するのに向く。
発表会では動画をやり取りしながら編集するなどCPUに負荷のかかる状況での、スムーズな処理を実演した。吉田和正インテル日本法人社長は「世界最高の処理性能」と自賛。最近はネットブックやノートパソコンなどに需要がシフトしているが、処理能力を高めることで「新しいアプリケーションが世の中に出てくる」と話し、デスクトップパソコン市場のてこ入れに意欲を示した。
発表会での吉田社長との主な一問一答は以下のとおり。
――「i7」の言葉の意味は?
ハイエンドのイメージを出したいということで数字の「7」をつけた。クロックが自由に動くとか、中身を説明するとややこしい。分かりやすく違いを名前で打ち出していこうと考えた。「i」はインテルのiだ。ブランドのロゴに黒と青を採用したのも新製品をよく知ってもらうためだ。
――経済環境が悪くパソコンの価格も下がっているなかで、新製品が持つ意味は。
不況であっても新しい世界を実現するには新しい製品が必要だ。i7を使ったシステムを基に新しいものができる。そこでインテルの果たす役割は大きい。
――インテルはネットブック向けCPU「Atom」を出している。
日本で販売されたパソコンの7割はノートだ。どんどん小さくなって外に持ち出される。デスクトップは元気がないが、自宅ですごい(性能)と感じられるようにすることで、デスクトップのコンピューターの新しい市場をもう一度作っていきたい。
――新製品と従来製品のコア2との関係は?
リプレースではない。コア2の評価も高い。最高のものが欲しい、というときは(最上位の)i7-965を使ってもらいたい。先週末、秋葉原でのイベントでは初日に完売した。下位の製品はコア2と重なるところはあるが、プラスアルファで上のところに位置するイメージだ。
携帯電話端末市場が急激に冷え込むなか、携帯電話事業者が端末販売施策の見直しを進めている。5日にシリーズ変更を発表したNTTドコモに続き、KDDIも来春から新シリーズを導入することが明らかになった。商戦期ごとにフルモデルチェンジを繰り返す既存の施策を見直し、端末の販売期間を柔軟に設定できるようにし、メーカーの収益悪化に歯止めをかける狙いがある。
これまで新商品の発表は年に3回行われ、メーカーは仕様を大幅に変更した端末を各商戦期に発売してきた。KDDIは現在、第3世代携帯電話(3G)の「A」シリーズと、通信速度の速い3.5Gの「W」シリーズの2つを設定し、各メーカーが季節ごとに端末を開発してきた。
しかし、端末市況が悪化し、開発コストがメーカーの負担増を招いており、来春発売の新モデルでは「メーカーがより長期間端末を販売できるよう、ラインアップ構造を変更する」(中馬和彦・KDDI商品戦略グループリーダー)。具体的には、端末の仕様をマイナーチェンジしながら、長期間販売できるシリーズを設定するとみられる。
端末販売戦略の変更では、すでにNTTドコモが秋冬モデルから、高機能端末と廉価版端末に分けた既存シリーズを取りやめ、薄さやファッション性などを特徴とした4シリーズを設定。外側の変更などで新端末を発売できるシリーズを設定することで、メーカー側は開発負担を減らし、同種類の端末を長期間販売することができる。ドコモ側も端末の調達価格を抑えられるメリットがある。
ソフトバンクモバイルも、外枠の色の変更などで長期間販売できる「パントーン」「GENT」などのシリーズを2007年から販売している。
携帯電話端末市場は普及台数が1億台を突破する一方、各事業者が長期間端末を使い続ける代わりに通信料金を割り引く新販売制度などを導入した結果、市場の伸びが急激に鈍化した。市場が縮小する中、メーカーと携帯電話事業者にとっては、端末の開発コストをいかに抑えるかが重要課題となっている。
◇
【予報図】
■競争力強化はメーカー次第
携帯電話市場では三菱電機が端末製造から撤退、シャープも携帯事業悪化で9月中間決算が4割近い減益に落ち込むなど、メーカーを取り巻く環境が厳しさを増している。
ただ、仕様のマイナーチェンジによる端末販売期間の長期化だけでは、市場拡大は困難。KDDIは、端末の製造コスト引き下げを目的に、高機能ソフトウエアをあらかじめ組み合わせた「共通ソフト」の開発を進めており、これらのソフトの活用も市場活性化のカギになる。
メーカーの不調が続く一方、ドコモやKDDIは、販売奨励金削減で中間決算は大幅増益を記録。端末販売の長期化は、いわば対症療法で、メーカーにとって端末事業の延命策に過ぎない面もある。本来の競争力強化はメーカー自身に委ねられる。
米フォード、マツダ株売却 20%程度、生損保や商社などに
米フォード・モーターは現在33.4%強出資しているマツダ株の20%程度を売却することを決めた。日本生命保険や住友生命保険、地方銀行の広島銀行、山口フィナンシャルグループに打診しているほか、住友商事や伊藤忠商事、損害保険ジャパンなど損害保険会社や自動車部品の取引先であるデンソーなどが引き受けるもようだ。マツダ自体も一部を取得する方針。18日午後にも発表する。
フォードは7―9月期の最終損益が1億2900万ドルの赤字となるなど経営不振が続いている。6月末から9月末までの3カ月間で77億ドルの資金が流出するなど、手元資金が厳しい状態で資産の売却を急いでいる。長年、提携関係にあったマツダ株についても一部売却に踏み切った。十数社がそれぞれ0.25―1%程度を引き受ける。20%の株式は直近の株価で見ると約500億円に相当する。売却後も業務提携は継続する。
経財相、プラス成長「自信ない」 09年度、低迷続くと示唆
与謝野馨経済財政担当相は18日の記者会見で、2009年度の日本の経済成長率について「プラス(成長)となる自信は現時点ではない」と述べ、マイナス成長となる可能性があるとの見方を示した。政府は12月に09年度の経済見通しをまとめる予定。成長率の予測は極めて低くなる公算が大きくなってきた。
経財相は世界経済が減速する中で、日本経済は輸出や設備投資の停滞が避けられず、低迷が続くとの認識を表明。「国内外の条件をそろえても、プラス(成長)に貢献する要素はなかなか見つけられない」と指摘した。
政府は毎年、年末の予算編成で税収などを試算する前提となる翌年度の経済成長率などの見通しをまとめる。昨年12月にまとめた08年度の予測は物価変動の影響を除いた実質で2.0%。経済情勢の悪化を受け、7月に1.3%に下方修正した。過去の経済見通しで実質をマイナス成長としたことは一度もない。
イー・モバイル、スマートフォン全機種対象の「冬の大感謝祭」
イー・モバイルは、11月20日~12月31日にかけて、月額利用料を割り引くキャンペーン「イー・モバイル冬の大感謝祭 スマートフォンキャンペーン」を実施する。
今回のキャンペーンは、対象機種を音声通話対応の料金プラン「ケータイプラン(新にねん)」で新規契約する際に、あわせて「アシスト1600(アシスト1000)」と「定額パック24」を同時に申し込むと、割引などの特典が適用されるというもの。通常、「ケータイプラン」で契約すると、データ通信料は月額1000円~4980円だが、今回のキャンペーン中の契約であれば、2年契約が満了するまで、データ通信料が月額0円~4980円で利用できる。この場合、無料通信分は含まれない。
また、イー・モバイルユーザー同士(発信者がイー・モバイルエリア内の場合)の通話が24時間話し放題になる、月額980円のオプションサービス「定額パック24」については、契約初月から最大3カ月間、月額利用料が無料になる。
対象機種はTouch Diamond(S21HT)、EMONSTER lite(S12HT)、EMONSTER(S11HT)の3機種となっている。
au Smart Sportsの「Run&Walk」、会員が50万人に
KDDIと沖縄セルラーは、「au Smart Sports」の第1弾サービス「Run&Walk」の会員数が17日付けで50万人を突破したと発表した。
「au Smart Sports」は、スポーツする際に携帯電話が活用されることを目指して、今年1月31日より提供されているサービス。第1弾の「Run&Walk」は、ランニングやウォーキング、サイクリングする際に携帯電話で移動距離などを計測し、消費カロリーを算出できる。サービス開始から約9カ月半で、会員数が50万人を突破した。同社が9月に開催した会見では、8月末時点の会員が約40万人であることが明らかにされていた。
「Run&Walk」では、無料の「ライト会員」、月額105円(2009年1月末まで無料)の「ベーシック会員」、全機能が利用できる月額315円の「プレミアム会員」と3コース用意されているが、会員数の内訳は明らかにされていない。
第2弾サービスの「Karada Manager」は11月13日より提供されており、こちらは体重などを管理できる機能が提供されている。
米ヤフーのヤンCEOが辞任へ 業績不振で引責
インターネットサービス大手の米ヤフーは17日、ジェリー・ヤン最高経営責任者(CEO、40)が辞任する方針を固め、取締役会が後継者探しを始めたと発表した。ヤン氏は経営立て直しのため2007年6月にCEOに就任したが、マイクロソフト(MS)との買収交渉の決裂などで株価は低迷しており、実質的な引責辞任といえそうだ。
ヤン氏は同日「CEOの役割とヤフーの世界の人材を新たなリーダーに手渡す時期だ」との声明を出した。ヤン氏はCEO辞任後も取締役にとどまり、「チーフ・ヤフー」の肩書で技術戦略の方向性などを先導する役割を担う。同社によると後継CEOは社内、社外両方の人材を候補に選定を進める。具体的な交代時期など詳細は明らかにしていない。
ヤフーはネット広告事業での出遅れなどから業績が低迷。7―9月期には純利益が前年同期比で6割以上減った。今年5月にMSとの買収交渉が決裂したうえ、11月には収益改善の切り札と位置づけたグーグルとの広告提携も頓挫し、株価は10ドルぎりぎりの水準で低迷している。
ビートルズの幻の曲、41年ぶり発表か マッカートニーさん意向
【ロンドン17日共同】ビートルズのメンバーだったポール・マッカートニーさん(66)は17日までに、英BBC放送系のラジオ番組で、1967年に録音して「冒険的過ぎる」との理由から公開を見送った「幻の曲」を、約41年ぶりに発表する意向を明らかにした。
曲のタイトルは「CARNIVAL OF LIGHT」で14分間。マッカートニーさんは、アルバム「アンソロジー」に収録したいと考えたが、他のメンバーの賛同を得られず、一度しか公演されないままお蔵入りとなった。
日本製紙、広告不況で最新鋭機を稼働停止
日本製紙は17日、石巻工場(宮城県石巻市)の最新鋭抄紙機の稼働を10日から停止したことを明らかにした。チラシ広告に使われる微塗工紙などを生産していたが、国内の広告不況で需要が減少しているうえ、出荷の半分を占める輸出用が円高で採算割れしていた。年内は稼働を停止する方針。この設備は、約630億円を投じて、昨年11月に稼働し、工場全体の約3割に当たる月3万トンを生産していた。
10月の百貨店売上高6.8%減、8カ月連続でマイナス
日本百貨店協会が18日まとめた10月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は前年同月比6.8%減の5845億円だった。前年実績を下回るのは8カ月連続。プロ野球の優勝セールなどプラス要因もあったが、米国発の金融危機の影響で消費が冷え込み、衣料品、ハンドバッグや靴などの身の回り品、雑貨などが振るわなかった。
気温が高めに推移したことも打撃となり、秋冬商品を並べた衣料品は9.6%の減少。美術・宝飾品など高額商品も2ケタの減少となった。一方、食料品は1.6%増加した。
地域別では主要10都市すべてで前年の実績を下回った。仙台は9.1%減と落ち込みが最も大きく、神戸(8.5%減)、東京(8.4%減)が続いた。
米民主、ビッグ3支援法案を提出 審議は難航必至
【ワシントン=米山雄介】米上院民主党のリード院内総務は17日、経営危機に陥っている自動車大手3社(ビッグスリー)を公的資金で支援する法案の提出を正式に発表した。政府による最大250億ドル(約2兆4000億円)の低利融資が柱。金融安定化法で定めた最大7000億ドルの公的資金枠を活用する。米ホワイトハウスや共和党は公的資金による個別企業の救済に反対しており、審議は難航必至だ。
法案は総額1000億ドル(約9兆6000億円)の総合経済対策。道路や橋の建設など公共事業のほか失業給付の拡大、財政が悪化している州政府への支援なども盛り込んだ。
インテル、新型CPU「i7」発表 処理速度4割向上
インテルは18日、パソコン向けの最新CPU「Core(コア)i7」の販売を始めたと発表した。内蔵する4つのコアそれぞれの処理速度を自動的に調整することで、消費電力を増加させずに処理速度を従来製品に比べ最大4割高めた。インターネットを通じた動画のやりとりや動画の編集、立体映像を駆使したゲームなど、同時に大量の情報を処理するのに向く。
発表会では動画をやり取りしながら編集するなどCPUに負荷のかかる状況での、スムーズな処理を実演した。吉田和正インテル日本法人社長は「世界最高の処理性能」と自賛。最近はネットブックやノートパソコンなどに需要がシフトしているが、処理能力を高めることで「新しいアプリケーションが世の中に出てくる」と話し、デスクトップパソコン市場のてこ入れに意欲を示した。
発表会での吉田社長との主な一問一答は以下のとおり。
――「i7」の言葉の意味は?
ハイエンドのイメージを出したいということで数字の「7」をつけた。クロックが自由に動くとか、中身を説明するとややこしい。分かりやすく違いを名前で打ち出していこうと考えた。「i」はインテルのiだ。ブランドのロゴに黒と青を採用したのも新製品をよく知ってもらうためだ。
――経済環境が悪くパソコンの価格も下がっているなかで、新製品が持つ意味は。
不況であっても新しい世界を実現するには新しい製品が必要だ。i7を使ったシステムを基に新しいものができる。そこでインテルの果たす役割は大きい。
――インテルはネットブック向けCPU「Atom」を出している。
日本で販売されたパソコンの7割はノートだ。どんどん小さくなって外に持ち出される。デスクトップは元気がないが、自宅ですごい(性能)と感じられるようにすることで、デスクトップのコンピューターの新しい市場をもう一度作っていきたい。
――新製品と従来製品のコア2との関係は?
リプレースではない。コア2の評価も高い。最高のものが欲しい、というときは(最上位の)i7-965を使ってもらいたい。先週末、秋葉原でのイベントでは初日に完売した。下位の製品はコア2と重なるところはあるが、プラスアルファで上のところに位置するイメージだ。