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月々一律840円の割賦方式導入 KDDIが携帯5種に
KDDI(au)は12日、パナソニックモバイルコミュニケーションズなどの携帯電話機5機種に、24回払いで月々840円の新割賦方式を導入した。端末価格との差額は加入者が「頭金」として支払う仕組み。月々の支払額を抑えて買いやすくするうえ、販売店に頭金部分の値引き販売の余地を作ることで、販売をテコ入れする。
対象はパナソニック「W62P」や東芝「W64T」など今冬モデルを含む5機種。支払回数は12、18、24の3通り。店頭価格4万2120円の京セラ「W65K」の24回払いだと、月々の支払い額は従来より900円程度安い。端末価格と割賦払い分の差額2万1960円は頭金として購入時に支払う。
ソフトバンク、携帯の貸倒引当金が急増
ソフトバンクの携帯電話事業で貸倒引当金が急増している。2008年9月末の残高は810億円と1年で500億円弱膨らんだ。09年3月期末には1000億円近くに達する可能性がある。端末の割賦販売が拡大、景気悪化も背景に回収不能の恐れがある割賦債権や通話収入が増えているため。割賦は販売費用の削減に寄与したが、貸倒引当金の増加は営業利益の下押し要因となる。
携帯電話事業の貸倒引当金残高のうち、端末の割賦販売関連で約500億円を占める。今年4―9月で約100億円増え、下半期もさらに80億円前後増える見通し。通話収入に対する貸倒引当金の増加も大きく、4―9月で約110億円増え、残高は約310億円となった。下半期も100億円前後増える可能性がある。
貸倒引当金の新規繰り入れは営業費用に計上され、営業利益を圧迫する。4―9月期では約210億円、09年3月期通期では390億円前後となる見通しだ。
さくらや、新宿の主力店を閉鎖 12月末 激戦区で収益落ち込む
家電量販店大手のベスト電器は12月末、子会社のさくらや(東京・新宿)が運営する新宿西口駅前店(同)を閉鎖する。同店は売上高でさくらやの最大規模の店舗だが、近隣の大手量販店との競争で収益力が落ち込み、閉鎖が避けられないと判断した。消費低迷が深刻化するなか、家電量販店の生き残り競争が激しくなっている。
新宿西口駅前店は2000年12月に開設。JR新宿駅近くに立地し、店舗面積は約2500平方メートル。売上高は非公表だが、さくらやによると同社全16店のなかで最大という。
新宿駅周辺はビックカメラとヨドバシカメラが2店ずつを展開する有数の激戦区で、価格競争などでさくらやは押され気味だった。10年にはヤマダ電機も周辺に大型店の出店を計画しており、ベスト電器はさくらやの店舗の立て直しは困難と判断した。
中国、第3世代携帯免許を年末にも発行
【上海=渡辺園子】中国の第3世代携帯電話サービス免許が年末にも発行される見通しとなった。李毅中・工業情報化相が12日、「年末あるいは来年初めにも発行」と述べた。中国移動、中国電信、中国聯通の3社が取得予定で、09年の合計設備投資額は「2000億元(約2兆7000億円)以上の見込み」(李氏)としている。
携帯最大手の中国移動は中国の独自開発技術である「TD―SCDMA」方式、同2位の中国聯通は「W―CDMA」方式、固定通信最大手の中国電信は「CDMA2000」方式での免許を取得することになる。
中国政府は今年、通信業界の再編計画を発表。中国聯通と固定2位だった中国網通との合併などが実現。中国移動、中国電信、中国聯通の3社が固定から携帯までの一貫サービスを手掛ける体制となった。再編手続きが終了したことで、懸案だった第3世代免許を発行する。
ヤフー、携帯通販で他社サイトでも決済 手数料収入の増加狙う
ヤフーは自社の仮想商店街などでの決済サービスを来年1月から、他社の携帯電話サイトでも利用できるようにする。同社のポータル(玄関)サイトでクレジットカード情報や住所などを登録した顧客は、他社の携帯サイトでも新たに情報入力をせずに商品購入などができる。市場が拡大している携帯通販の利用者を取り込み、手数料収入を収益の柱に育てる考えだ。
ヤフーの決済サービス「ヤフー!ウォレット」は約1800万人が登録している。サービスを導入した企業の携帯サイトでは、画面上の表示を選ぶ操作だけで商品を購入でき、顧客はカード情報などを改めて入力する必要がない。
GM、北米20工場で25万台の大規模減産 来年1月
【ニューヨーク=小高航】米ゼネラル・モーターズ(GM)は12日、2009年1月に北米で大規模な減産に踏み切ると発表した。対象は米国やカナダ、メキシコの計20工場で、削減幅は計25万台。米国での新車販売が4割前後減っていることに対応する。
今年1月の生産実績に比べ、3割近い減産幅となる。20の完成車工場に加え、エンジン工場などでも減産する。米政府・議会によるビッグスリー(米自動車大手3社)の救済策策定が混迷しており、GMは追加減産で経営再建へ向けた自助努力を強調する狙いもあるとみられる。
米自動車救済、金融安定化法活用を検討 大統領、危機回避を優先
【ワシントン=大隅隆】米自動車大手の救済を巡る協議は、二転三転の末、米政府が金融安定化法の活用を軸に検討する見通しとなった。公的資金でつなぎ融資を実施、目先の経営破綻を回避する。ブッシュ大統領が米経済の危機回避を優先したためだが、最終決着までの道筋はなお波乱含みだ。
「現時点で、米経済をさらに弱体化させ、不安定にするのは無責任だ」。安定化法活用を表明した12日のペリーノ大統領報道官の声明には苦渋がにじむ。米メディアによれば、米財務省の広報担当者も同日、「米議会が再開するまで破綻を回避する用意ができている」と述べた。
シャープ、TV用液晶パネル2割減産 「亀山」体制を見直し
シャープは2009年1月からテレビ用液晶パネルの生産能力を2割強削減する。テレビ向け専用だった亀山工場(三重県亀山市)の生産ラインの一部を、産業機器用などの中小型パネルを生産できるように改造する。世界的な景気後退で液晶テレビの需要低迷が見込まれるなか、生産体制を見直し、ソニーと共同出資で運営する堺市の新工場稼働に備える。
亀山工場の「第1工場」を中小型生産に転用し、テレビ用パネルは06年稼働の「第2工場」に集約する。亀山工場全体のテレビ用パネルの生産能力は、32型換算で現在の月産210万台から2割強低下する。
政府・日銀、単独介入も視野 追加利下げ論も浮上 円一時88円台
急激な円高を受けて、財務省は12日、単独での円売り・ドル買い介入も視野に対応策の検討に入った。世界的な金融危機の影響で減速感が強まる日本経済に、円高が一段の打撃を与えかねないとの懸念を強めている。日本が最後に為替介入を実施したのは2004年3月。実施すれば約5年ぶりとなる。
7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は10月に「円の過度の変動を懸念する」と円高をけん制する声明を発表しており、財務省は「日本が単独で介入に踏み切る環境は整っている」(幹部)との立場だ。日銀内には追加利下げが選択肢として浮上してきた。15日に公表する企業短期経済観測調査(短観)は大幅悪化が見込まれ、18、19日に開く金融政策決定会合では景気判断を下方修正する方向だ。
WTO年内の大枠合意を断念 事務局長「閣僚会合の開催困難」
【ジュネーブ=藤田剛】世界貿易機関(WTO)のラミー事務局長は12日、主要国による大使級会合を開き、17日にも開始する予定だった閣僚会合の開催は困難だと発表した。目標としていた年内の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の大枠合意は事実上断念する。交渉のたたき台となる議長最終案を巡って米国とインド・中国が対立したため、閣僚会合を開いても合意は困難と判断した。
金融危機で世界景気が急激に悪化するなか、ドーハ・ラウンドの大枠合意が実現すれば、国際貿易の拡大と景気の下支えにつながると期待されていた。このまま交渉が頓挫したままだと、保護主義的な政策が世界各国に広がる恐れもある。
ラミー事務局長はさらに14日まで、米、インド、中国と再協議して妥協点を模索する考え。
生活防衛対策「緊急予備費」に1兆円 事業規模23兆円 首相発表
麻生太郎首相は12日、首相官邸で記者会見し、雇用情勢の悪化や景気後退に対応するための緊急対策の取りまとめを発表した。予期せぬ経済情勢の悪化に備えて政府の裁量で使える1兆円規模の「経済緊急対応予備費」を新設。事業規模は10月に発表した追加経済対策との重複分を含め約23兆円となる。首相は積極的な財政出動を掲げる一方で、景気回復を条件に2011年度に消費税を引き上げる意向を表明した。
対策の名称は「生活防衛のための緊急対策」。10月末の金融危機向けの追加経済対策(約27兆円)を補強する対策となり、重複分の約6兆円を除けば総額44兆円程度の事業規模となる。
日経社説 景気も改革も力不足の与党税制大綱(12/13)
2009年度の与党税制改正大綱は住宅ローン減税の拡大や証券優遇税制の延長など、国・地方で約1兆円(平年度ベース)の減税となった。景気悪化に一定の配慮はしたものの、一貫性のない政策減税の寄せ集めでは経済の浮揚には力不足である。中期の課題である消費税や法人税の抜本改革も踏み込めず、麻生政権の求心力低下を映した。
来年度も日本経済の停滞は濃厚で法人税などの大幅な落ち込みは必至だ。税収が減り、民間部門におカネが残ること自体が景気下降を抑える効果はあるが、税制面で経済を活性化することも必要だ。
政策減税の目玉は住宅ローン減税で、耐久性が高い「長期優良住宅」に入居した場合、10年間で過去最大の600万円まで税額控除を認める。省エネ改修の工事費は一部を所得控除する。土地売買にかかる税も軽くする。証券税制では上場株式の譲渡益などに対する10%(本則20%)の軽減税率を3年延長する。
中小企業の800万円以下の所得に対する法人税の軽減税率を2年間、22%から18%に引き下げ、欠損金に対する繰り戻し還付も認める。環境対応車については買った時の自動車重量税などを軽減する。
個々に効果はあるが、新エネルギーの導入促進や新しい産業分野の支援など、もっと戦略的で将来の需要拡大につながる税制優遇を打ち出すべきだった。利子や配当、株譲渡益などの損益を通算できる金融所得一体課税の導入も遠のいた。個人金融資産の有効活用につながる改革だけに、先延ばしは不満である。
与党税調には膨れる社会保障費の財源確保や財政健全化をにらんだ中期の税制改革についても道筋を示すことが求められたが、税制大綱の内容は不十分というほかない。
消費税率の引き上げ時期では麻生太郎首相が「3年後」と明記するよう求めたが、衆院選で不利になるとする公明党の抵抗で「経済状況の好転後に速やかに実施」などと、あいまいな表現に終わった。首相は12日の記者会見で、経済情勢をみたうえで「11年度から税制抜本改革をしたい」と改めて明言したものの、指導力の低下を印象づけた。
法人実効税率引き下げも言及したが、事実上消費税上げとセットで、実施が遠のきかねない。日本への立地を敬遠する動きが懸念される。
私たちは健康問題や税収確保の観点でたばこ税の増税が必要だと考える。社会保障の歳出抑制を巡る数字合わせの議論に終始し、与党が来年度の増税を見送ったのは残念だ。
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ビッグ3救済協議、米上院決裂 救済法廃案に
【ワシントン=渡辺浩生】経営危機に陥ったビッグスリー(米自動車3大メーカー)に対する最大140億ドル(約1兆3000億円)のつなぎ融資を柱とする救済法案をめぐり、上院の民主・共和両党は11日、一段と厳しいリストラを義務づける修正案を軸に交渉を続けたが、同日夜、最終合意に至らず決裂した。民主党のリード上院院内総務が明らかにした。ロイター通信によると、事実上廃案となった。
ホワイトハウスのフラトー大統領副報道官は上院の決裂を受け「我々は失望している」と述べるとともに、「今後、(他の)選択肢を模索していく」と救済に向けた取り組みを進める考えを示した。
年内に融資を受けなければ破綻の危険があるゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーは一段と厳しい状況に追い込まれた。
ドル円一時88.20円台、ビック3関連で=東京外為
東京午後のドル・円相場は急落。序盤より、米上院議員が自動車救済策の合意に対し悲観的な見方を示したことで、91円台半ばから徐々に値を下げる展開となった。その後、米自動車救済策が正式に廃案になったことを受けてリスク回避の動きが加速し、ドル・円は95年8月以来となる89円台を割り込み、一時88.20円台まで下値を切り下げた。また、日経平均株価が一時前日比600円超の下落となったことも売りの材料となった模様。
しかし、安値更新後は実需筋からの買いやショートカバーが入ったことで現在は89円台半ばまで回復している。また、クロス円も米自動車救済策が廃案との一報が伝わると急速に下げ足を速めた。ユーロ・円は117.70円台、ポンド・円は132.50円台をつけたが、現在はいずれも値を戻している。
日経平均、大幅反落 終値484円安の8235円、米自動車の救済難で
12日の東京株式市場で、日経平均株価は5営業日ぶりに大幅に反落した。大引けは前日比484円68銭(5.56%)安の8235円87銭だった。前日の米株安を嫌気した売りに加え、日本時間午後に入って、米上院で民主、共和両党による米自動車大手3社(ビッグスリー)救済法案の協議が決裂したと伝わり、失望売りが膨らんだ。ビッグスリー救済が失敗すれば米経済の混乱を通じて世界景気に大きな悪影響を与えるとの見方から、投資家心理が悪化した。外国為替市場で円相場が1ドル=88円台まで上昇し、円高が業績の押し下げ要因となる自動車やハイテク株などの輸出関連銘柄に売りが増えた。東証株価指数(TOPIX)も5営業日ぶりに反落した。
日経平均は前引けにかけて下げ渋る場面があった。海外メディアを通じ、「ビッグスリー救済に向けた修正法案が、共和、民主両党で暫定合意に達した」などと伝わり、下値で買いが増えた。
米バンカメ、最大3.5万人削減 統合・環境悪化を反映
【ニューヨーク=財満大介】米大手銀バンク・オブ・アメリカは11日、大手証券メリルリンチとの経営統合に伴い、向こう3年間で最大3万5000人の人員削減を行うと発表した。両社の社員の合計の11%超に相当する大規模リストラでコストを削減する。バンカメは削減の理由を「統合作業と経済環境の悪化の両方を反映したもの」と説明している。
バンカメは削減人数を「3万人から3万5000人」としており、2009年初めにも詳細を決める。対象はバンカメとメリル双方の全部門に及ぶ見通しという。
米国では幅広い業種でリストラが進み、11月には雇用者数が53万人減少した。金融ではシティグループが従業員の15%にあたる5万2000人の削減を発表しており、バンカメの削減計画はこれに次ぐ規模。
パチンコ台のテレビCM自粛、「子どもが見る」朝夕各4時間
パチンコ機器メーカー30社で作る「日本遊技機工業組合」(東京・中央区)は、来年4月から、午前5時~同9時と、午後5時~同9時の間、パチンコ台のテレビCMを自粛することを決めた。
パチンコのCMが近年増加していることに対し、「子どもが見ている時間帯にふさわしくない」といった批判が視聴者から高まっていることを受けたもの。
民間の調査機関「CM総合研究所」(東京・港区)によると、在京キー局5局でのパチンコ関連CMの年間放送回数は、2004年には2066回だったが、07年には1万3151回にまで急増。今年は1~10月だけで1万6443回に上っている。パチンコCMをめぐっては、今年4月、放送界の第三者機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の青少年委員会でも、問題視する声が上がっていた。
ニコニコ動画の有料会員、ユーザーの呼び掛けで増加
12月10付けの「ニコニコニュース」によると、ニコニコ動画有料会員「プレミアム会員」(月額525円)が増えている。きっかけは、ユーザーでSF作家の野尻抱介さんが自身のWebサイトで8日から個人的に始めた「大人はとっととプレミアム会員になろう」という呼び掛けという。
同日付けのプレミアム会員数は23万4000人。12月3日時点では22万7000人で、増加ペースは「1週間前と比べて6割から8割も増えている」という。「われわれ運営が不甲斐ないばかりに、みなさんには余計な心配をかけさせてしまって本当にすみません」
ニコニコニュースでは「こうしてユーザのみなさんの善意にすがるネットサービスというのも情けないやら恥ずかしいやらですので、サービスそのものの魅力でプレミアム会員になっていただけるようにいままで以上に知恵や陰謀をはりめぐらせたい」と意気込んでいる。
法人税下げ検討、消費税率は「複数税率」も…与党税制大綱
自民、公明両党が12日午後に発表する2009年度与党税制改正大綱の全容が判明した。大綱は、09年度に実施する税制改正の方針を列挙したほか、「税制抜本改革の全体像」と題した項目を設け、景気回復後に取り組む中長期的な税制改革の道筋を示した。
法人税については、企業の国際競争力強化などをにらんで、将来の税制抜本改革時に「税率の引き下げを検討する」と明記。所得税については「高所得者の税負担を引き上げるとともに、中低所得者世帯の負担の軽減を検討する」として、最高税率の引き上げや低所得者向けの給付付き税額控除などを導入する考えを示した。
最大の焦点となっていた消費税率の引き上げについては「現下の厳しい経済金融情勢をかえりみれば、今その実施のタイミングにはない」として時期や上げ幅は明示せず、「消費税を含む税制抜本改革を経済状況の好転後に速やかに実施し、2010年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」と記した。そのうえで「必要な法制上の措置をあらかじめ講じておく」と将来の引き上げに向けた法制上の準備は10年代半ばまでを待たず、事前に進める考えを示した。
消費税引き上げ時には、低所得者への配慮から「複数税率」を検討する考えを示し、食料品など生活必需品について軽減税率などを適用する意向を表明した。
法人税については、「社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベースの拡大とともに法人実効税率の引き下げを検討する」と表明した。
納税者に番号を付けて所得などを正確に把握しやすくする「納税者番号制度」の検討も盛り込んだ。
景気は当面悪化の可能性、デフレに逆戻りの懸念=内閣府
内閣府は12日、「日本経済2008─2009:急速に厳しさが増す景気後退」を発表した。今回の景気後退はすでに第二段階に入り、景気は当面悪化の方向に進む可能性が高いと指摘した。
また、日本経済がデフレに逆戻りする懸念があるとして、先行きに警戒感を示した。
内閣府によると、日本経済は2007年の年末頃までに景気後退局面に入った可能性が高く、緩やかなスピードだった今年半ば頃までの第一段階を経て「すでに第二段階に入っている」と分析。今秋の米大手金融機関破たん以降、企業部門は異例の速さで悪化しつつあり、生産などの減少テンポが加速するなか、景気後退は「急速に厳しさが増している」との現状認識を示した。
先行きについては、欧米での景気後退が深刻・長期化することや、国内調整圧力の高まりが見込まれるなか「景気は当面、悪化の方向に進む可能性が高い」との見通しを示した。景気後退が需要減退につながるメカニズムが働き始めているという。
景気の一段の下振れをもたらすリスクとしては、1)日本国内で雇用者数の減少を含む大規模な雇用調整が進むリスク、2)国内金融面から実体面への影響が顕在化するリスク、3)国際機関などの想定以上に世界経済の状況が悪化するリスク──を挙げた。経済協力開発機構(OECD)は、世界経済は2010年にプラス成長に転じると予測している。
さらに、景気後退のテンポが速まり長期化し、需給ギャップのマイナス幅拡大が続くようであれば「我が国経済がデフレに逆戻りする懸念もあり、この点には特に注視が必要」とした。
韓国の成長率、09年は2%に鈍化 通貨危機以来の低水準に
【ソウル=鈴木壮太郎】韓国銀行(中央銀行)は2009年の国内総生産(GDP)が実質で2%成長になるとの予測を発表した。世界景気の悪化で輸出が鈍化し、設備投資も冷え込むためで、通貨危機の影響でマイナス成長に陥った1998年(マイナス6.9%)以来の低水準となる。
09年の輸出の伸びは1.3%(08年は3.6%)に鈍化する。世界的な需要の冷え込みで自動車やハイテク製品の輸出が鈍化するのが響く。これを受け設備投資はマイナス3.8%(同マイナス0.2%)になる見通しだ。
デトロイト自動車ショー、ホンダが新車発表会を見送り
ホンダは11日、来年1月に米デトロイトで開催される北米国際自動車ショーで、メディア向けの新車発表会を見送る方針を明らかにした。最新モデルの出展は例年通り実施する。同ショーでは日産自動車や三菱自動車などが出展そのものを取りやめており、日本の大手メーカーで本格的に参加するのはトヨタ自動車のみとなる。
自動車ショーでは一般客向けの公開に先立ち、メディア向けの新車発表イベントを開く。各社の経営トップらが新モデルを披露し企業戦略を説明する場だが、ホンダはこの発表会を開催しない。
日経社説 信用収縮を食い止める十分な備えを(12/12)
自己資本が不足しそうな金融機関に前もって公的資金を注入可能にする金融機能強化法改正案が12日に成立する。金融不安を防ぐ最低限の土台となるが、信用収縮を抑え企業の資金繰りを助けるために、さらなる備えが不可欠だ。
金融機能強化法は3月に期限が切れ、秋以降の金融危機で復活論が台頭した。政府・与党は10月下旬に適用再開の法改正案を国会に出した。麻生太郎首相が衆院解散を先送りしたことに民主党などが反発し、成立は大幅に遅れた。
経済の血流を左右する金融の安定化策で、法案決定から成立まで1カ月半もかけたのは、政治の危機意識の欠如を示す。金融混乱はまだ続く。迅速な意思決定が今後も極めて重要になるのは言うまでもない。
中小企業はもとより、大手企業でも資金調達環境は悪化している。社債や約束手形の一種であるコマーシャルペーパー(CP)の金利が上がり、大企業が銀行からの借り入れに頼っている。全国銀行の11月の平均貸出残高は前年同月比3.6%増と16年ぶりの伸びだった。
金融機関も資金確保に躍起だ。東京銀行間取引金利(TIBOR)3カ月物は11日まで22営業日連続で上昇し、10年ぶりの高い水準にある。銀行は株安や景気悪化による倒産の増加で自己資本比率の低下圧力が高まり、融資拡大に慎重だ。日本でも信用収縮が広がれば、企業の破綻や設備投資の手控えで実体経済が一段と冷え込みかねない。この悪循環は阻止しなければならない。
二つの面で対応が必要になる。まず金融機関の資本を固め、融資の余力を保つことだ。自力の資本調達を進めるメガバンクに比べ、地方金融機関の余裕は乏しい。金融機能強化法による資金注入枠は2兆円では十分とはいえず、枠を大幅に増額すべきだ。銀行が株価に振り回されないよう、日銀による銀行保有株の買い取りを早期に再開するのも課題だ。
第二に企業への資金の流れを絶やさない手だてである。日銀は銀行に資金を貸す際の担保として低い格付けの社債を受け入れ、企業への資金供給を促す対策を決めたが、一層の円滑化策も考えるべきである。
中小企業対策では信用保証協会による緊急保証枠の拡大が重要だ。首相が第二次補正予算案の提出を先送りしたため、保証枠を6兆円から20兆円に広げる計画の実現も来年まわしになった。「現行枠で足りる」と首相は言うが、全国で保証の申し込みが殺到しており、保証枠拡大の緊急性は増している。
【ワシントン=渡辺浩生】経営危機に陥ったビッグスリー(米自動車3大メーカー)に対する最大140億ドル(約1兆3000億円)のつなぎ融資を柱とする救済法案をめぐり、上院の民主・共和両党は11日、一段と厳しいリストラを義務づける修正案を軸に交渉を続けたが、同日夜、最終合意に至らず決裂した。民主党のリード上院院内総務が明らかにした。ロイター通信によると、事実上廃案となった。
ホワイトハウスのフラトー大統領副報道官は上院の決裂を受け「我々は失望している」と述べるとともに、「今後、(他の)選択肢を模索していく」と救済に向けた取り組みを進める考えを示した。
年内に融資を受けなければ破綻の危険があるゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーは一段と厳しい状況に追い込まれた。
ドル円一時88.20円台、ビック3関連で=東京外為
東京午後のドル・円相場は急落。序盤より、米上院議員が自動車救済策の合意に対し悲観的な見方を示したことで、91円台半ばから徐々に値を下げる展開となった。その後、米自動車救済策が正式に廃案になったことを受けてリスク回避の動きが加速し、ドル・円は95年8月以来となる89円台を割り込み、一時88.20円台まで下値を切り下げた。また、日経平均株価が一時前日比600円超の下落となったことも売りの材料となった模様。
しかし、安値更新後は実需筋からの買いやショートカバーが入ったことで現在は89円台半ばまで回復している。また、クロス円も米自動車救済策が廃案との一報が伝わると急速に下げ足を速めた。ユーロ・円は117.70円台、ポンド・円は132.50円台をつけたが、現在はいずれも値を戻している。
日経平均、大幅反落 終値484円安の8235円、米自動車の救済難で
12日の東京株式市場で、日経平均株価は5営業日ぶりに大幅に反落した。大引けは前日比484円68銭(5.56%)安の8235円87銭だった。前日の米株安を嫌気した売りに加え、日本時間午後に入って、米上院で民主、共和両党による米自動車大手3社(ビッグスリー)救済法案の協議が決裂したと伝わり、失望売りが膨らんだ。ビッグスリー救済が失敗すれば米経済の混乱を通じて世界景気に大きな悪影響を与えるとの見方から、投資家心理が悪化した。外国為替市場で円相場が1ドル=88円台まで上昇し、円高が業績の押し下げ要因となる自動車やハイテク株などの輸出関連銘柄に売りが増えた。東証株価指数(TOPIX)も5営業日ぶりに反落した。
日経平均は前引けにかけて下げ渋る場面があった。海外メディアを通じ、「ビッグスリー救済に向けた修正法案が、共和、民主両党で暫定合意に達した」などと伝わり、下値で買いが増えた。
米バンカメ、最大3.5万人削減 統合・環境悪化を反映
【ニューヨーク=財満大介】米大手銀バンク・オブ・アメリカは11日、大手証券メリルリンチとの経営統合に伴い、向こう3年間で最大3万5000人の人員削減を行うと発表した。両社の社員の合計の11%超に相当する大規模リストラでコストを削減する。バンカメは削減の理由を「統合作業と経済環境の悪化の両方を反映したもの」と説明している。
バンカメは削減人数を「3万人から3万5000人」としており、2009年初めにも詳細を決める。対象はバンカメとメリル双方の全部門に及ぶ見通しという。
米国では幅広い業種でリストラが進み、11月には雇用者数が53万人減少した。金融ではシティグループが従業員の15%にあたる5万2000人の削減を発表しており、バンカメの削減計画はこれに次ぐ規模。
パチンコ台のテレビCM自粛、「子どもが見る」朝夕各4時間
パチンコ機器メーカー30社で作る「日本遊技機工業組合」(東京・中央区)は、来年4月から、午前5時~同9時と、午後5時~同9時の間、パチンコ台のテレビCMを自粛することを決めた。
パチンコのCMが近年増加していることに対し、「子どもが見ている時間帯にふさわしくない」といった批判が視聴者から高まっていることを受けたもの。
民間の調査機関「CM総合研究所」(東京・港区)によると、在京キー局5局でのパチンコ関連CMの年間放送回数は、2004年には2066回だったが、07年には1万3151回にまで急増。今年は1~10月だけで1万6443回に上っている。パチンコCMをめぐっては、今年4月、放送界の第三者機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の青少年委員会でも、問題視する声が上がっていた。
ニコニコ動画の有料会員、ユーザーの呼び掛けで増加
12月10付けの「ニコニコニュース」によると、ニコニコ動画有料会員「プレミアム会員」(月額525円)が増えている。きっかけは、ユーザーでSF作家の野尻抱介さんが自身のWebサイトで8日から個人的に始めた「大人はとっととプレミアム会員になろう」という呼び掛けという。
同日付けのプレミアム会員数は23万4000人。12月3日時点では22万7000人で、増加ペースは「1週間前と比べて6割から8割も増えている」という。「われわれ運営が不甲斐ないばかりに、みなさんには余計な心配をかけさせてしまって本当にすみません」
ニコニコニュースでは「こうしてユーザのみなさんの善意にすがるネットサービスというのも情けないやら恥ずかしいやらですので、サービスそのものの魅力でプレミアム会員になっていただけるようにいままで以上に知恵や陰謀をはりめぐらせたい」と意気込んでいる。
法人税下げ検討、消費税率は「複数税率」も…与党税制大綱
自民、公明両党が12日午後に発表する2009年度与党税制改正大綱の全容が判明した。大綱は、09年度に実施する税制改正の方針を列挙したほか、「税制抜本改革の全体像」と題した項目を設け、景気回復後に取り組む中長期的な税制改革の道筋を示した。
法人税については、企業の国際競争力強化などをにらんで、将来の税制抜本改革時に「税率の引き下げを検討する」と明記。所得税については「高所得者の税負担を引き上げるとともに、中低所得者世帯の負担の軽減を検討する」として、最高税率の引き上げや低所得者向けの給付付き税額控除などを導入する考えを示した。
最大の焦点となっていた消費税率の引き上げについては「現下の厳しい経済金融情勢をかえりみれば、今その実施のタイミングにはない」として時期や上げ幅は明示せず、「消費税を含む税制抜本改革を経済状況の好転後に速やかに実施し、2010年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」と記した。そのうえで「必要な法制上の措置をあらかじめ講じておく」と将来の引き上げに向けた法制上の準備は10年代半ばまでを待たず、事前に進める考えを示した。
消費税引き上げ時には、低所得者への配慮から「複数税率」を検討する考えを示し、食料品など生活必需品について軽減税率などを適用する意向を表明した。
法人税については、「社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベースの拡大とともに法人実効税率の引き下げを検討する」と表明した。
納税者に番号を付けて所得などを正確に把握しやすくする「納税者番号制度」の検討も盛り込んだ。
景気は当面悪化の可能性、デフレに逆戻りの懸念=内閣府
内閣府は12日、「日本経済2008─2009:急速に厳しさが増す景気後退」を発表した。今回の景気後退はすでに第二段階に入り、景気は当面悪化の方向に進む可能性が高いと指摘した。
また、日本経済がデフレに逆戻りする懸念があるとして、先行きに警戒感を示した。
内閣府によると、日本経済は2007年の年末頃までに景気後退局面に入った可能性が高く、緩やかなスピードだった今年半ば頃までの第一段階を経て「すでに第二段階に入っている」と分析。今秋の米大手金融機関破たん以降、企業部門は異例の速さで悪化しつつあり、生産などの減少テンポが加速するなか、景気後退は「急速に厳しさが増している」との現状認識を示した。
先行きについては、欧米での景気後退が深刻・長期化することや、国内調整圧力の高まりが見込まれるなか「景気は当面、悪化の方向に進む可能性が高い」との見通しを示した。景気後退が需要減退につながるメカニズムが働き始めているという。
景気の一段の下振れをもたらすリスクとしては、1)日本国内で雇用者数の減少を含む大規模な雇用調整が進むリスク、2)国内金融面から実体面への影響が顕在化するリスク、3)国際機関などの想定以上に世界経済の状況が悪化するリスク──を挙げた。経済協力開発機構(OECD)は、世界経済は2010年にプラス成長に転じると予測している。
さらに、景気後退のテンポが速まり長期化し、需給ギャップのマイナス幅拡大が続くようであれば「我が国経済がデフレに逆戻りする懸念もあり、この点には特に注視が必要」とした。
韓国の成長率、09年は2%に鈍化 通貨危機以来の低水準に
【ソウル=鈴木壮太郎】韓国銀行(中央銀行)は2009年の国内総生産(GDP)が実質で2%成長になるとの予測を発表した。世界景気の悪化で輸出が鈍化し、設備投資も冷え込むためで、通貨危機の影響でマイナス成長に陥った1998年(マイナス6.9%)以来の低水準となる。
09年の輸出の伸びは1.3%(08年は3.6%)に鈍化する。世界的な需要の冷え込みで自動車やハイテク製品の輸出が鈍化するのが響く。これを受け設備投資はマイナス3.8%(同マイナス0.2%)になる見通しだ。
デトロイト自動車ショー、ホンダが新車発表会を見送り
ホンダは11日、来年1月に米デトロイトで開催される北米国際自動車ショーで、メディア向けの新車発表会を見送る方針を明らかにした。最新モデルの出展は例年通り実施する。同ショーでは日産自動車や三菱自動車などが出展そのものを取りやめており、日本の大手メーカーで本格的に参加するのはトヨタ自動車のみとなる。
自動車ショーでは一般客向けの公開に先立ち、メディア向けの新車発表イベントを開く。各社の経営トップらが新モデルを披露し企業戦略を説明する場だが、ホンダはこの発表会を開催しない。
日経社説 信用収縮を食い止める十分な備えを(12/12)
自己資本が不足しそうな金融機関に前もって公的資金を注入可能にする金融機能強化法改正案が12日に成立する。金融不安を防ぐ最低限の土台となるが、信用収縮を抑え企業の資金繰りを助けるために、さらなる備えが不可欠だ。
金融機能強化法は3月に期限が切れ、秋以降の金融危機で復活論が台頭した。政府・与党は10月下旬に適用再開の法改正案を国会に出した。麻生太郎首相が衆院解散を先送りしたことに民主党などが反発し、成立は大幅に遅れた。
経済の血流を左右する金融の安定化策で、法案決定から成立まで1カ月半もかけたのは、政治の危機意識の欠如を示す。金融混乱はまだ続く。迅速な意思決定が今後も極めて重要になるのは言うまでもない。
中小企業はもとより、大手企業でも資金調達環境は悪化している。社債や約束手形の一種であるコマーシャルペーパー(CP)の金利が上がり、大企業が銀行からの借り入れに頼っている。全国銀行の11月の平均貸出残高は前年同月比3.6%増と16年ぶりの伸びだった。
金融機関も資金確保に躍起だ。東京銀行間取引金利(TIBOR)3カ月物は11日まで22営業日連続で上昇し、10年ぶりの高い水準にある。銀行は株安や景気悪化による倒産の増加で自己資本比率の低下圧力が高まり、融資拡大に慎重だ。日本でも信用収縮が広がれば、企業の破綻や設備投資の手控えで実体経済が一段と冷え込みかねない。この悪循環は阻止しなければならない。
二つの面で対応が必要になる。まず金融機関の資本を固め、融資の余力を保つことだ。自力の資本調達を進めるメガバンクに比べ、地方金融機関の余裕は乏しい。金融機能強化法による資金注入枠は2兆円では十分とはいえず、枠を大幅に増額すべきだ。銀行が株価に振り回されないよう、日銀による銀行保有株の買い取りを早期に再開するのも課題だ。
第二に企業への資金の流れを絶やさない手だてである。日銀は銀行に資金を貸す際の担保として低い格付けの社債を受け入れ、企業への資金供給を促す対策を決めたが、一層の円滑化策も考えるべきである。
中小企業対策では信用保証協会による緊急保証枠の拡大が重要だ。首相が第二次補正予算案の提出を先送りしたため、保証枠を6兆円から20兆円に広げる計画の実現も来年まわしになった。「現行枠で足りる」と首相は言うが、全国で保証の申し込みが殺到しており、保証枠拡大の緊急性は増している。
政府の景気対策40兆円規模に、資本注入枠10兆増
政府は11日、急激な景気後退や雇用の悪化に対応するため、追加景気対策を大幅に拡充する方針を固めた。
総事業規模約27兆円の「生活対策」や同2兆円規模の雇用対策を拡充するほか、国内の金融機関に予防的に公的資金を注入できる改正金融機能強化法が12日に成立するのに合わせ、公的資金の注入枠を現在の2兆円から12兆円に増額する。
追加景気対策の総事業規模は40兆円規模に拡大する見通しで、12日に麻生首相が記者会見して発表する。
追加景気対策の拡充は雇用、金融、税制が中心となる。
雇用対策は、業績が悪化した企業による学生の「内定切り」や、非正規労働者の解雇などの「派遣切り」が横行して社会問題化している中で、雇用の安定化を図ることや、解雇された労働者が年末年始を過ごす一時的な住居などを確保するための企業支援策などが盛り込まれる。
金融面では、金融機関の貸し渋りを解消し、中小企業の資金繰りを円滑化するため、金融機能強化法の公的資金枠を現在の2兆円から6倍の12兆円に増額し、地域金融機関などの健全性確保と金融システム安定化にも万全を期す。
同法を巡っては、11日の参院財政金融委で民主党修正案が可決されたが、修正案は12日に衆院に回付され、与党はこれを否決したうえで、政府案を再可決し、成立させる。
このほか、日本政策金融公庫など政府系金融機関を通じた中小企業融資の一段の拡充なども盛り込む。さらに、低燃費車を購入する時の自動車重量税と自動車取得税を減免するなど、2009年度税制改正で盛り込むことになった景気刺激効果のある減税措置も追加対策に加える見通しだ。
低価格パソコン向けMPU、米AMDも出荷へ
アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)のダーク・マイヤー社長兼最高経営責任者は11日、日本経済新聞記者と会い、低価格パソコン向けのMPU(超小型演算処理装置)の出荷を近く開始することを明らかにした。「2009年上期(1―6月)に新MPUを組み込んだパソコンが発売される」という。低価格パソコン向けMPUはインテルがほぼ独占していたが、これに対抗する。
新MPUの詳細は明らかにしていないが、従来製品に比べ小型で低価格としたもようだ。自社製の高機能な画像処理チップを搭載することなどでインテルとの違いを打ち出す。AMDの従来製品は15万円前後が相場のA4サイズのパソコン向けが中心だった。新製品では当初、10万円程度の小型パソコンに搭載される見通し。
ズスキとマツダ、エンジン開発効率化
国内の中堅自動車メーカーが四輪車エンジンの開発戦略を見直す。スズキは小型車向けの種類を3分の1に減らすほか、マツダはどの排気量にも対応できる部品を開発しコストを低減する。中堅各社は大手メーカーに比べ研究開発費が限られる。収益をけん引してきた海外販売が急減速しているうえ、生き残りの鍵を握る環境技術への投資負担がかさむため、経営資源の配分見直しを急ぐ。
エンジンの新規開発には最大で100億円超の投資が必要といわれる。小型車(排気量2000cc以下)向けでも50億円前後の資金が必要で、自動車メーカーにとっては大きな負担要因となっている。
「嵐」がシングル1、2位独占…オリコン年間ランキング
オリコンは11日、今年のシングル、アルバムの年間売り上げ枚数ランキングを発表した。
シングル部門では、人気グループ「嵐」の「truth/風の向こうへ」が約62万枚を売り上げ1位。同2位も「嵐」の「One Love」だった。アルバム部門では、約147万枚を売り上げたボーカル&ダンスユニット「EXILE」の「EXILE LOVE」が1位となった。
ぴあ、結婚関連と中国事業から撤退
経営再建中のぴあは11日、不採算の結婚事業と中国事業などから撤退すると発表した。経営資源を国内のチケット関連事業に集中し、本業と関連の薄い事業から撤退することで2010年3月期の黒字化を目指す。
結婚事業とアジア事業から今年度中に撤退する。結婚事業は1992年に創刊した情報誌「けっこんぴあ」や式場紹介を手がけてきたが、09年3月に雑誌を休刊して事業から撤退する。
中国のグループ会社「ぴあアジアパシフィック」(香港)の事業も今月末で休止する。中国でのチケット販売をにらんで05年に設立したが計画は進んでいなかった。
コロムビアミュージック、最大70人の早期退職者募集
コロムビアミュージックエンタテインメントは11日、全グループ社員を対象に最大70人の早期退職者を募集すると発表した。募集期間は15日から2009年1月6日までで、グループ従業員の最大で14%に当たる。通常を上回る退職金を払い、再就職先をあっせんする。人員削減に伴う費用は約2億円で、09年3月期に特別損失として計上する予定。
コロムビアは08年3月にも約2割の人員削減を実施したが、新人発掘・育成の遅れやCD・DVD市場の縮小などが響き、08年4―9月期の最終損益は1億4900万円の赤字だった。ゲームソフト開発など新規事業へ経営資源を投入するほか、営業や制作を再編成して再建を目指す。
JR東日本、首都圏の駅ホームを全面禁煙に
東日本旅客鉄道(JR東日本)は首都圏の17路線201駅のホームにある喫煙所を撤去し、全面禁煙にすると発表した。2009年4月から実施する。東京、新宿など4駅の壁で仕切った「喫煙ルーム」は残す。
JR東日本ではこれまでホームの端などに吸い殻入れを置いて喫煙所とし、朝の通勤時間帯を禁煙とするといった方法で「分煙」を図ってきた。ただ、吸わない人からの苦情も絶えなかったことから、全面禁煙にする。
日本の新BS放送、米NBC名乗り
放送のデジタル化で2011年7月以降に追加される新しいBSデジタル放送に、米メディア大手NBCユニバーサル(NBCU)が参入する計画であることが明らかになった。総務省から放送免許を取得できれば、ハリウッド映画やドラマの有料放送などを始める見通し。新BSには米ウォルト・ディズニーなども参入する意向を表明しており、国内放送市場で外資による攻勢が本格化することも予想される。
NBCUは新BSへの参入をテコに日本での売上高を5年以内に10倍の1000億円とする計画だ。
スイスがゼロ金利政策、0.5%利下げ 金融危機下、主要国で初
スイス国立銀行(スイス中央銀行)は11日、政策金利である3カ月物金利の誘導目標を上限・下限とも0.5%ずつ引き下げ、同日から0.0―1.0%にすると発表した。政策金利の下限がゼロ%になるのは、2004年9月以来、4年3カ月ぶり。金融危機の発生後、主要国の中銀で事実上のゼロ金利政策に踏み切るのは同行が初めて。今後は大量の資金供給といった非伝統的な金融政策も視野に入れているもようだ。
利下げは今年10月以降で4回目。スイス国立銀は「09年の経済成長率がマイナス0.5―マイナス1.0%に落ち込む見通しのため」と説明。金融システムの動揺が続いていることも背景だ。
世界の通信機器メーカーの業績低迷深刻に
世界の通信機器メーカーの業績低迷が深刻になっている。大手の今年7―9月期は軒並み減益。金融危機に伴い通信会社が設備投資を削り始めたほか、中国企業の攻勢で価格競争が激化したため。カナダのノーテル・ネットワークスなど経営危機に陥る会社も出てきた。
米ウォールストリート・ジャーナルは10日、ノーテルが破産法の適用申請に備え、法律事務所などの助言を求めたと報じた。同社は破産法申請の可能性を否定したが、株価は10日、前日比23%下落。同社は7―9月期にのれん代償却などで特別損失を計上、34億ドル(約3200億円)の最終赤字に転落し、9月末時点で約11億ドルの債務超過に陥っている。
韓国企業がリストラ加速
【ソウル=鈴木壮太郎】金融危機に端を発した景気の冷え込みで、韓国企業がリストラを加速している。半導体メモリー大手のハイニックス半導体は金融機関に最大1兆ウォン(664億円)の投融資を要請。中堅財閥の斗山グループは酒類事業を売却する。大手銀行も支店の統廃合に着手するなど、幅広い業種に広がっている。
ハイニックスは半導体メモリーの価格急落で7―9月期まで4・四半期連続の赤字に陥り、資金繰りも悪化している。金融機関への資金要請と並行し、希望退職の募集や役員の30%削減、全社員の年末年始(11日間)の無給休暇取得などのリストラに着手した。支援要請を受け、金融機関は8000億ウォンを投融資する方針だ。
毎日社説:たばこ増税 見送りで一件落着にするな
政府・与党がたばこ増税見送りの方針を固めた。「喫煙者だけに負担を押しつけるのは理由が立たない」「総選挙の前に増税はしたくない」など、与党内から反対が強まったためだ。
政府・与党内で、財源論や総選挙を意識した議論だけが先行し、たばこと健康についての冷静な議論が深まらなかったのは残念である。
たばこ増税の議論が社会保障の財源論に矮小化(わいしょうか)されてしまったのが、そもそも誤りだった。「増税でたばこ消費が減れば税収は増えない」という反対論だけでは、喫煙が健康に与える悪影響を食い止める方向に議論は広がらない。
政府は社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針を決め、その財源としてたばこ税を1本3円(1箱60円)程度引き上げ、千数百億円を充てようと検討が始まった。これまでも旧国鉄債務の肩代わりなどのために1本1円の増税が行われてきたが、今回も安易な議論に終始した。たばこと健康の問題や「たばこ煙ゼロ環境」の実現に向けて、広く国民的な議論をするチャンスだったのに、それができなかった。
世界保健機関(WHO)は、20世紀中に喫煙を理由とする疾病で1億人が死亡し、今世紀には10億人が亡くなると予測している。
禁煙が広がっていけば、健康被害が防止でき、医療費や職場の環境対策に使われる費用も節減できる。たばこ増税を行う最大の理由は、喫煙者の健康や環境問題を考えてのことであり、増税による財源を社会保障費に充てることが主目的ではない。
日本も締結している「WHOたばこ規制枠組み条約」は、たばこ消費を減少させて疾病や死亡を減らすこと、たばこ税の引き上げや禁煙指導の実施--などを各国に求めている。日本で今、議論しなければならないのは、同条約に沿ってどう対応するかだ。目先の財源論に目を奪われると、大局を見失ってしまう。
日本のたばこ税と価格は主要国に比べて相当に低い。たばこの価格を主要国並みに上げることの是非について議論し、合意を目指すのが政治の仕事である。
麻生太郎首相は、自民党税制調査会に、たばこ税の引き上げを要請したというが、結果的には見送られた。首相の求心力低下を指摘されても仕方ないだろう。たばこ規制枠組み条約に沿って禁煙対策に積極的に取り組んでいく意気込みが必要であり、強いリーダーシップを発揮してもらいたい。
来年度のたばこ税増税は見送りの方針だが、これで一件落着ではない。考えようによっては、1本3円増税などという、つじつま合わせの財源対策が見送られてよかったという面もある。たばこと健康問題についての議論を新たに始めるチャンスと考えればいいのではないか。
政府は11日、急激な景気後退や雇用の悪化に対応するため、追加景気対策を大幅に拡充する方針を固めた。
総事業規模約27兆円の「生活対策」や同2兆円規模の雇用対策を拡充するほか、国内の金融機関に予防的に公的資金を注入できる改正金融機能強化法が12日に成立するのに合わせ、公的資金の注入枠を現在の2兆円から12兆円に増額する。
追加景気対策の総事業規模は40兆円規模に拡大する見通しで、12日に麻生首相が記者会見して発表する。
追加景気対策の拡充は雇用、金融、税制が中心となる。
雇用対策は、業績が悪化した企業による学生の「内定切り」や、非正規労働者の解雇などの「派遣切り」が横行して社会問題化している中で、雇用の安定化を図ることや、解雇された労働者が年末年始を過ごす一時的な住居などを確保するための企業支援策などが盛り込まれる。
金融面では、金融機関の貸し渋りを解消し、中小企業の資金繰りを円滑化するため、金融機能強化法の公的資金枠を現在の2兆円から6倍の12兆円に増額し、地域金融機関などの健全性確保と金融システム安定化にも万全を期す。
同法を巡っては、11日の参院財政金融委で民主党修正案が可決されたが、修正案は12日に衆院に回付され、与党はこれを否決したうえで、政府案を再可決し、成立させる。
このほか、日本政策金融公庫など政府系金融機関を通じた中小企業融資の一段の拡充なども盛り込む。さらに、低燃費車を購入する時の自動車重量税と自動車取得税を減免するなど、2009年度税制改正で盛り込むことになった景気刺激効果のある減税措置も追加対策に加える見通しだ。
低価格パソコン向けMPU、米AMDも出荷へ
アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)のダーク・マイヤー社長兼最高経営責任者は11日、日本経済新聞記者と会い、低価格パソコン向けのMPU(超小型演算処理装置)の出荷を近く開始することを明らかにした。「2009年上期(1―6月)に新MPUを組み込んだパソコンが発売される」という。低価格パソコン向けMPUはインテルがほぼ独占していたが、これに対抗する。
新MPUの詳細は明らかにしていないが、従来製品に比べ小型で低価格としたもようだ。自社製の高機能な画像処理チップを搭載することなどでインテルとの違いを打ち出す。AMDの従来製品は15万円前後が相場のA4サイズのパソコン向けが中心だった。新製品では当初、10万円程度の小型パソコンに搭載される見通し。
ズスキとマツダ、エンジン開発効率化
国内の中堅自動車メーカーが四輪車エンジンの開発戦略を見直す。スズキは小型車向けの種類を3分の1に減らすほか、マツダはどの排気量にも対応できる部品を開発しコストを低減する。中堅各社は大手メーカーに比べ研究開発費が限られる。収益をけん引してきた海外販売が急減速しているうえ、生き残りの鍵を握る環境技術への投資負担がかさむため、経営資源の配分見直しを急ぐ。
エンジンの新規開発には最大で100億円超の投資が必要といわれる。小型車(排気量2000cc以下)向けでも50億円前後の資金が必要で、自動車メーカーにとっては大きな負担要因となっている。
「嵐」がシングル1、2位独占…オリコン年間ランキング
オリコンは11日、今年のシングル、アルバムの年間売り上げ枚数ランキングを発表した。
シングル部門では、人気グループ「嵐」の「truth/風の向こうへ」が約62万枚を売り上げ1位。同2位も「嵐」の「One Love」だった。アルバム部門では、約147万枚を売り上げたボーカル&ダンスユニット「EXILE」の「EXILE LOVE」が1位となった。
ぴあ、結婚関連と中国事業から撤退
経営再建中のぴあは11日、不採算の結婚事業と中国事業などから撤退すると発表した。経営資源を国内のチケット関連事業に集中し、本業と関連の薄い事業から撤退することで2010年3月期の黒字化を目指す。
結婚事業とアジア事業から今年度中に撤退する。結婚事業は1992年に創刊した情報誌「けっこんぴあ」や式場紹介を手がけてきたが、09年3月に雑誌を休刊して事業から撤退する。
中国のグループ会社「ぴあアジアパシフィック」(香港)の事業も今月末で休止する。中国でのチケット販売をにらんで05年に設立したが計画は進んでいなかった。
コロムビアミュージック、最大70人の早期退職者募集
コロムビアミュージックエンタテインメントは11日、全グループ社員を対象に最大70人の早期退職者を募集すると発表した。募集期間は15日から2009年1月6日までで、グループ従業員の最大で14%に当たる。通常を上回る退職金を払い、再就職先をあっせんする。人員削減に伴う費用は約2億円で、09年3月期に特別損失として計上する予定。
コロムビアは08年3月にも約2割の人員削減を実施したが、新人発掘・育成の遅れやCD・DVD市場の縮小などが響き、08年4―9月期の最終損益は1億4900万円の赤字だった。ゲームソフト開発など新規事業へ経営資源を投入するほか、営業や制作を再編成して再建を目指す。
JR東日本、首都圏の駅ホームを全面禁煙に
東日本旅客鉄道(JR東日本)は首都圏の17路線201駅のホームにある喫煙所を撤去し、全面禁煙にすると発表した。2009年4月から実施する。東京、新宿など4駅の壁で仕切った「喫煙ルーム」は残す。
JR東日本ではこれまでホームの端などに吸い殻入れを置いて喫煙所とし、朝の通勤時間帯を禁煙とするといった方法で「分煙」を図ってきた。ただ、吸わない人からの苦情も絶えなかったことから、全面禁煙にする。
日本の新BS放送、米NBC名乗り
放送のデジタル化で2011年7月以降に追加される新しいBSデジタル放送に、米メディア大手NBCユニバーサル(NBCU)が参入する計画であることが明らかになった。総務省から放送免許を取得できれば、ハリウッド映画やドラマの有料放送などを始める見通し。新BSには米ウォルト・ディズニーなども参入する意向を表明しており、国内放送市場で外資による攻勢が本格化することも予想される。
NBCUは新BSへの参入をテコに日本での売上高を5年以内に10倍の1000億円とする計画だ。
スイスがゼロ金利政策、0.5%利下げ 金融危機下、主要国で初
スイス国立銀行(スイス中央銀行)は11日、政策金利である3カ月物金利の誘導目標を上限・下限とも0.5%ずつ引き下げ、同日から0.0―1.0%にすると発表した。政策金利の下限がゼロ%になるのは、2004年9月以来、4年3カ月ぶり。金融危機の発生後、主要国の中銀で事実上のゼロ金利政策に踏み切るのは同行が初めて。今後は大量の資金供給といった非伝統的な金融政策も視野に入れているもようだ。
利下げは今年10月以降で4回目。スイス国立銀は「09年の経済成長率がマイナス0.5―マイナス1.0%に落ち込む見通しのため」と説明。金融システムの動揺が続いていることも背景だ。
世界の通信機器メーカーの業績低迷深刻に
世界の通信機器メーカーの業績低迷が深刻になっている。大手の今年7―9月期は軒並み減益。金融危機に伴い通信会社が設備投資を削り始めたほか、中国企業の攻勢で価格競争が激化したため。カナダのノーテル・ネットワークスなど経営危機に陥る会社も出てきた。
米ウォールストリート・ジャーナルは10日、ノーテルが破産法の適用申請に備え、法律事務所などの助言を求めたと報じた。同社は破産法申請の可能性を否定したが、株価は10日、前日比23%下落。同社は7―9月期にのれん代償却などで特別損失を計上、34億ドル(約3200億円)の最終赤字に転落し、9月末時点で約11億ドルの債務超過に陥っている。
韓国企業がリストラ加速
【ソウル=鈴木壮太郎】金融危機に端を発した景気の冷え込みで、韓国企業がリストラを加速している。半導体メモリー大手のハイニックス半導体は金融機関に最大1兆ウォン(664億円)の投融資を要請。中堅財閥の斗山グループは酒類事業を売却する。大手銀行も支店の統廃合に着手するなど、幅広い業種に広がっている。
ハイニックスは半導体メモリーの価格急落で7―9月期まで4・四半期連続の赤字に陥り、資金繰りも悪化している。金融機関への資金要請と並行し、希望退職の募集や役員の30%削減、全社員の年末年始(11日間)の無給休暇取得などのリストラに着手した。支援要請を受け、金融機関は8000億ウォンを投融資する方針だ。
毎日社説:たばこ増税 見送りで一件落着にするな
政府・与党がたばこ増税見送りの方針を固めた。「喫煙者だけに負担を押しつけるのは理由が立たない」「総選挙の前に増税はしたくない」など、与党内から反対が強まったためだ。
政府・与党内で、財源論や総選挙を意識した議論だけが先行し、たばこと健康についての冷静な議論が深まらなかったのは残念である。
たばこ増税の議論が社会保障の財源論に矮小化(わいしょうか)されてしまったのが、そもそも誤りだった。「増税でたばこ消費が減れば税収は増えない」という反対論だけでは、喫煙が健康に与える悪影響を食い止める方向に議論は広がらない。
政府は社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針を決め、その財源としてたばこ税を1本3円(1箱60円)程度引き上げ、千数百億円を充てようと検討が始まった。これまでも旧国鉄債務の肩代わりなどのために1本1円の増税が行われてきたが、今回も安易な議論に終始した。たばこと健康の問題や「たばこ煙ゼロ環境」の実現に向けて、広く国民的な議論をするチャンスだったのに、それができなかった。
世界保健機関(WHO)は、20世紀中に喫煙を理由とする疾病で1億人が死亡し、今世紀には10億人が亡くなると予測している。
禁煙が広がっていけば、健康被害が防止でき、医療費や職場の環境対策に使われる費用も節減できる。たばこ増税を行う最大の理由は、喫煙者の健康や環境問題を考えてのことであり、増税による財源を社会保障費に充てることが主目的ではない。
日本も締結している「WHOたばこ規制枠組み条約」は、たばこ消費を減少させて疾病や死亡を減らすこと、たばこ税の引き上げや禁煙指導の実施--などを各国に求めている。日本で今、議論しなければならないのは、同条約に沿ってどう対応するかだ。目先の財源論に目を奪われると、大局を見失ってしまう。
日本のたばこ税と価格は主要国に比べて相当に低い。たばこの価格を主要国並みに上げることの是非について議論し、合意を目指すのが政治の仕事である。
麻生太郎首相は、自民党税制調査会に、たばこ税の引き上げを要請したというが、結果的には見送られた。首相の求心力低下を指摘されても仕方ないだろう。たばこ規制枠組み条約に沿って禁煙対策に積極的に取り組んでいく意気込みが必要であり、強いリーダーシップを発揮してもらいたい。
来年度のたばこ税増税は見送りの方針だが、これで一件落着ではない。考えようによっては、1本3円増税などという、つじつま合わせの財源対策が見送られてよかったという面もある。たばこと健康問題についての議論を新たに始めるチャンスと考えればいいのではないか。
少額の株式投資、総額500万円まで非課税 税制大綱最終案
2009年度与党税制改正大綱の最終案が11日、判明した。年間100万円を上限に最長5年間、総額で500万円までの株式投資について配当と譲渡益を非課税にする制度を12年から導入する。中小企業の法人税の軽減税率は現行の22%を09年度から2年間18%に引き下げる。社会保障費の財源として焦点になっているたばこ税増税については与党は同日、見送りの方針を固めた。
最終案は同日午前の自民党税制調査会(津島雄二会長)の幹部会に提示された。同日午後の党税調小委員会、与党税制協議会を経て、12日に正式決定する。
米財政赤字、4000億ドル突破 09会計年度、2カ月で前年に近づく
【ワシントン=大隅隆】米財務省が発表した11月の財政収支は前年同月比67%増の1643億ドル(約15兆2400億円)の赤字となった。10月から始まった2009会計年度の赤字は2カ月で4015億ドルに達し、前年度合計の4547億ドルに迫る勢い。
景気後退で税収が減少する一方、金融安定化に投じる費用など歳出が膨らんでいるためだ。
米財務省、「人民元上昇容認を」 為替政策で報告書
【ワシントン=米山雄介】米財務省は10日、議会に半年に一度提出する国際経済と為替政策に関する報告書を発表した。中国政府に「人民元の対ドル相場のさらなる上昇を容認する必要がある」と注文をつける一方、主要な貿易相手国のうち、市場介入などで為替相場を不当に操作している国は「該当なし」と指摘。対中強硬派が求める中国の「為替操作国」認定は今回も見送った。
人民元相場を巡っては、今月上旬に北京で開いた米中戦略経済対話でも米側が対ドル相場の上昇を要請。中国は景気下支えのため人民元の下落を容認しており、米中間の火種となっている。報告書は中国の為替政策について「より迅速で決定的な改革が安定成長に不可欠だ」とも強調した。
報告書は日本にも言及。「戦後最長の景気回復が2008年の第2四半期で終わった」と指摘し、為替政策では「介入を実施していないにもかかわらず、外貨準備が利子所得などで増え続けている」と分析した。
自動車救済法案、米下院が可決 上院なお反対論、成立は流動的
【ワシントン=大隅隆】米下院は10日夜、米自動車大手へのつなぎ融資を柱とする救済法案の採決に踏み切り、賛成多数で可決した。ただ、上院では共和党の反対派が記者会見を開くなど採決のメドが立たない状況が続いている。ホワイトハウスと上院民主党指導部は法案の再修正も視野に反対派議員の説得工作に乗り出す構えだが、救済法案の成立はなお流動的な情勢だ。
下院では民主党指導部とホワイトハウスの大枠合意を踏まえた修正法案をフランク下院金融サービス委員長(民主)が提出。採決結果は賛成237、反対は170だった。民主党は下院435議席のうち235議席を支配していたが、賛成はこれをわずかに上回った。
法案の下院通過を受け、焦点は上院の法案審議の行方に移る。ブッシュ大統領は反対派を説得する考えだが、救済法案に批判的な共和党議員5人は10日、共同で記者会見し、今回のつなぎ融資を「(延命のための)頭金だ」(シェルビー上院議員)などと批判。法案採決には反対する意向を改めて示した。
「ミクシィ年賀状」の申し込み、20万枚以上に--サービス開始から2週間を目前に
ミクシィがソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」にて提供中の年賀状郵送サービス「ミクシィ年賀状」。同サービスで申し込まれた年賀状の枚数が、12月11日時点で20万枚を超えていることが明らかになった。
ミクシィ年賀状はmixi上のマイミクシィ(友人)や自分が参加するコミュニティのメンバーなどに年賀状を郵送できる11月28日開始の期間限定サービスだ。
利用にはまず、送り手のユーザーが受け手のユーザーを選択し、デザインの選択やメッセージを記入する。すると、受け手のユーザーに年賀状が送られる旨のメッセージが通知されるので、受け手のユーザーが自身の住所や本名を入力。この作業が完了することで年賀状が送信される。
年賀状の通常価格は1通98円。版権キャラクターなどをデザインしたプレミアムテンプレートは1通130円または180円、企業広告の入ったスポンサードテンプレートは1通48円となっている。
ミクシィによると、サービスを開始して以降、複数メディアでの報道やmixi内での告知によって申し込みをするユーザーが急増。システムに負荷がかかったため、数回サービスを停止し、システムの増強を実施しているという。
ヨドバシカメラ、京都新店は国内最大級に 5万平方メートル
ヨドバシカメラが京都市に計画している新店は店舗面積が約5万平方メートルと、国内最大級の家電量販店になることが10日、分かった。2010年に出店予定で、テナントを除いた直営家電売り場の広さも、大阪・梅田や東京・秋葉原にある同社の主力店に並ぶ規模になる可能性がある。
JR京都駅近くの近鉄百貨店跡地に出店する。ヨドバシの計画では、地上8階地下2階のビルを建て、6階以上を飲食店と駐車場にする。09年8月に着工し、10年10月の完成を目指す。具体的な売り場の配分は未定という。
グーグル世界検索ランキング、1位はペイリン知事 オバマ氏6位
インターネット検索最大手の米グーグルが発表した2008年の世界検索ランキングによると、米大統領選で敗れた共和党の副大統領候補ペイリン・アラスカ州知事が首位だった。2位は北京五輪。オバマ次期大統領は6位で、共和党初の女性副大統領候補だったペイリン氏への関心の高さを裏付けた。
前年と比べて検索頻度が増えたキーワードをランキングした。3位は人気ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「フェースブック」で、4位もスペイン語圏で人気のSNSサイト「Tuenti」。5位は、今年1月に急死した映画俳優のヒース・レジャー氏だった。
米国だけを対象としたランキングではオバマ氏が首位を獲得し、ペイリン氏は7位にとどまった。共和党の大統領候補だったマケイン氏は圏外だった。
米ヤフー、大株主がマイクロソフトへの検索事業売却を要求
【シリコンバレー=村山恵一】米ヤフー大株主の投資会社がヤフー取締役会に、インターネット検索事業のマイクロソフト(MS)への売却を求める書簡を送ったことが10日、明らかになった。複数のメディアが報じた。再編期待からヤフー株価は上昇し、同日終値は前日比10%高の13.40ドルとなった。
報道によると、ヤフーに1.5%出資するアイボリー・インベストメント・マネジメントは検索事業のMSへの売却で150億ドル以上の資金が得られると主張。収益改善でヤフー株価が24―29ドルに高まると試算した。MSはかねてヤフーの検索事業買収に関心を示しているが、MS首脳は先週時点では両社間に交渉はないと述べている。
ヤフーは人員削減などリストラ途上にあり、取締役会がジェリー・ヤン最高経営責任者の後任選びを進めている。株価が低迷し、株主の不満も強まっている。
ブラジル経済、変調の兆し 資源安で輸出減・雇用調整
新興国の中では健闘してきたブラジル経済に金融危機に端を発した世界同時不況の影響が及び始めた。資源価格下落を受け鉄鉱石世界最大手のヴァーレが人員整理を始めるなど雇用への影響が表面化。輸出減速で貿易黒字も縮小している。設備投資などへの悪影響を懸念し、ルラ政権は信用収縮を食い止めようと対策を強化している。
「みんなが失業を心配して消費を止めたら、雇用情勢はさらに悪化する」。ルラ大統領は国民にこう呼び掛けている。
中国、発注済み航空機のキャンセル要請 各社業績悪化で
【上海=渡辺園子】中国民用航空局は景気減速による国内航空各社の業績悪化を受け、各社に既に発注済みの航空機の発注取り消しや就航延期を呼びかけた。2009年に導入予定の飛行機が対象としている。中国の航空会社を有力顧客としている欧エアバスや米ボーイングの事業に影響が出る可能性もある。
民用航空局は航空業界の「安全で平穏な発展」のため9日付で10項目の対策を発表した。能力増の抑制策としては航空機の発注取り消しのほか、既存機の運航停止や売却などを奨励。航空会社の新規設立申請も10年まで受け付けないとしている。
シャープ、液晶パネルのライン閉鎖 三重・天理の2工場で
シャープは携帯電話やパソコン用の液晶パネルを生産する三重工場(三重県多気町)と天理工場(奈良県天理市)の旧世代の生産ラインを閉鎖する。パソコン用は液晶テレビ用パネルの需要が減退している亀山工場(三重県亀山市)に移管し、稼働率を引き上げる。ラインの閉鎖に伴い、契約社員など非正規雇用の従業員約300人を削減する見通し。シャープが稼働中の液晶パネルの生産ラインを閉めるのは初めて。
両工場とも1ラインずつを閉鎖する。1990年代前半に稼働した古いラインで、精細度が低い液晶パネルを生産している。これまで老朽化して使えなくなったラインを廃棄したことはあるが、稼働中のラインは閉鎖したことはなかった。
追い詰められる百貨店 改装投資の見直し相次ぐ(COLUMN)
百貨店業界で、売り上げの急減少を受けて、店舗への投資計画を見直す動きが出てきた。
東武百貨店は、池袋本店の2009年の改装をやめる。池袋本店は、毎年継続して改装しており、今年4月には09~11年度の投資額を45億円から73億円に上積みしたばかり。紳士服やリビング、婦人雑貨売り場を改装する予定だったが、これを見直し、商品政策に重点を置くことにした。
三越伊勢丹ホールディングスは、来年春に予定していた伊勢丹新宿本店の改装計画を、秋以降に延期した。三越日本橋本店は、07年に地下と1階を改装したが、売り上げが計画未達だったため昨年末から改装を見合わせている。改装しても売り上げが上がらなければ、意味がないからだ。
同社は、09年度からの3年間で、店舗投資に490億円をかけるとしているが、いずれも首都圏の大型店のみ。業界関係者によると、今年前半までは、規模は小さいものの伊勢丹府中店や伊勢丹相模原店を改装する計画が持ち上がっていたというが、その話は進んでいない模様だ。
11月13日のアナリスト向け決算説明会で、武藤信一会長(伊勢丹社長)が、経済変動のマグニチュードが過去最大なので、費用対効果が見込めず、経済環境が落ち着いてから、店舗を作り替えると説明したという。
日本百貨店協会によると、全国百貨店の売上高は10月まで8ヵ月連続で前年割れ。特に秋以降の不振は過去にも例を見ないほどで、10月は6.8%減、11月には松坂屋で19.2%減という数字が出た。
相次ぐ改装計画の見直しには、費用対効果が見込めないという事情がある。しかし、リニューアルにより客を引きつけるというのが百貨店ビジネスの基本。この基本を崩さざるをえないほどに、百貨店業界は厳しい状況に追い込まれている。
2009年度与党税制改正大綱の最終案が11日、判明した。年間100万円を上限に最長5年間、総額で500万円までの株式投資について配当と譲渡益を非課税にする制度を12年から導入する。中小企業の法人税の軽減税率は現行の22%を09年度から2年間18%に引き下げる。社会保障費の財源として焦点になっているたばこ税増税については与党は同日、見送りの方針を固めた。
最終案は同日午前の自民党税制調査会(津島雄二会長)の幹部会に提示された。同日午後の党税調小委員会、与党税制協議会を経て、12日に正式決定する。
米財政赤字、4000億ドル突破 09会計年度、2カ月で前年に近づく
【ワシントン=大隅隆】米財務省が発表した11月の財政収支は前年同月比67%増の1643億ドル(約15兆2400億円)の赤字となった。10月から始まった2009会計年度の赤字は2カ月で4015億ドルに達し、前年度合計の4547億ドルに迫る勢い。
景気後退で税収が減少する一方、金融安定化に投じる費用など歳出が膨らんでいるためだ。
米財務省、「人民元上昇容認を」 為替政策で報告書
【ワシントン=米山雄介】米財務省は10日、議会に半年に一度提出する国際経済と為替政策に関する報告書を発表した。中国政府に「人民元の対ドル相場のさらなる上昇を容認する必要がある」と注文をつける一方、主要な貿易相手国のうち、市場介入などで為替相場を不当に操作している国は「該当なし」と指摘。対中強硬派が求める中国の「為替操作国」認定は今回も見送った。
人民元相場を巡っては、今月上旬に北京で開いた米中戦略経済対話でも米側が対ドル相場の上昇を要請。中国は景気下支えのため人民元の下落を容認しており、米中間の火種となっている。報告書は中国の為替政策について「より迅速で決定的な改革が安定成長に不可欠だ」とも強調した。
報告書は日本にも言及。「戦後最長の景気回復が2008年の第2四半期で終わった」と指摘し、為替政策では「介入を実施していないにもかかわらず、外貨準備が利子所得などで増え続けている」と分析した。
自動車救済法案、米下院が可決 上院なお反対論、成立は流動的
【ワシントン=大隅隆】米下院は10日夜、米自動車大手へのつなぎ融資を柱とする救済法案の採決に踏み切り、賛成多数で可決した。ただ、上院では共和党の反対派が記者会見を開くなど採決のメドが立たない状況が続いている。ホワイトハウスと上院民主党指導部は法案の再修正も視野に反対派議員の説得工作に乗り出す構えだが、救済法案の成立はなお流動的な情勢だ。
下院では民主党指導部とホワイトハウスの大枠合意を踏まえた修正法案をフランク下院金融サービス委員長(民主)が提出。採決結果は賛成237、反対は170だった。民主党は下院435議席のうち235議席を支配していたが、賛成はこれをわずかに上回った。
法案の下院通過を受け、焦点は上院の法案審議の行方に移る。ブッシュ大統領は反対派を説得する考えだが、救済法案に批判的な共和党議員5人は10日、共同で記者会見し、今回のつなぎ融資を「(延命のための)頭金だ」(シェルビー上院議員)などと批判。法案採決には反対する意向を改めて示した。
「ミクシィ年賀状」の申し込み、20万枚以上に--サービス開始から2週間を目前に
ミクシィがソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」にて提供中の年賀状郵送サービス「ミクシィ年賀状」。同サービスで申し込まれた年賀状の枚数が、12月11日時点で20万枚を超えていることが明らかになった。
ミクシィ年賀状はmixi上のマイミクシィ(友人)や自分が参加するコミュニティのメンバーなどに年賀状を郵送できる11月28日開始の期間限定サービスだ。
利用にはまず、送り手のユーザーが受け手のユーザーを選択し、デザインの選択やメッセージを記入する。すると、受け手のユーザーに年賀状が送られる旨のメッセージが通知されるので、受け手のユーザーが自身の住所や本名を入力。この作業が完了することで年賀状が送信される。
年賀状の通常価格は1通98円。版権キャラクターなどをデザインしたプレミアムテンプレートは1通130円または180円、企業広告の入ったスポンサードテンプレートは1通48円となっている。
ミクシィによると、サービスを開始して以降、複数メディアでの報道やmixi内での告知によって申し込みをするユーザーが急増。システムに負荷がかかったため、数回サービスを停止し、システムの増強を実施しているという。
ヨドバシカメラ、京都新店は国内最大級に 5万平方メートル
ヨドバシカメラが京都市に計画している新店は店舗面積が約5万平方メートルと、国内最大級の家電量販店になることが10日、分かった。2010年に出店予定で、テナントを除いた直営家電売り場の広さも、大阪・梅田や東京・秋葉原にある同社の主力店に並ぶ規模になる可能性がある。
JR京都駅近くの近鉄百貨店跡地に出店する。ヨドバシの計画では、地上8階地下2階のビルを建て、6階以上を飲食店と駐車場にする。09年8月に着工し、10年10月の完成を目指す。具体的な売り場の配分は未定という。
グーグル世界検索ランキング、1位はペイリン知事 オバマ氏6位
インターネット検索最大手の米グーグルが発表した2008年の世界検索ランキングによると、米大統領選で敗れた共和党の副大統領候補ペイリン・アラスカ州知事が首位だった。2位は北京五輪。オバマ次期大統領は6位で、共和党初の女性副大統領候補だったペイリン氏への関心の高さを裏付けた。
前年と比べて検索頻度が増えたキーワードをランキングした。3位は人気ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「フェースブック」で、4位もスペイン語圏で人気のSNSサイト「Tuenti」。5位は、今年1月に急死した映画俳優のヒース・レジャー氏だった。
米国だけを対象としたランキングではオバマ氏が首位を獲得し、ペイリン氏は7位にとどまった。共和党の大統領候補だったマケイン氏は圏外だった。
米ヤフー、大株主がマイクロソフトへの検索事業売却を要求
【シリコンバレー=村山恵一】米ヤフー大株主の投資会社がヤフー取締役会に、インターネット検索事業のマイクロソフト(MS)への売却を求める書簡を送ったことが10日、明らかになった。複数のメディアが報じた。再編期待からヤフー株価は上昇し、同日終値は前日比10%高の13.40ドルとなった。
報道によると、ヤフーに1.5%出資するアイボリー・インベストメント・マネジメントは検索事業のMSへの売却で150億ドル以上の資金が得られると主張。収益改善でヤフー株価が24―29ドルに高まると試算した。MSはかねてヤフーの検索事業買収に関心を示しているが、MS首脳は先週時点では両社間に交渉はないと述べている。
ヤフーは人員削減などリストラ途上にあり、取締役会がジェリー・ヤン最高経営責任者の後任選びを進めている。株価が低迷し、株主の不満も強まっている。
ブラジル経済、変調の兆し 資源安で輸出減・雇用調整
新興国の中では健闘してきたブラジル経済に金融危機に端を発した世界同時不況の影響が及び始めた。資源価格下落を受け鉄鉱石世界最大手のヴァーレが人員整理を始めるなど雇用への影響が表面化。輸出減速で貿易黒字も縮小している。設備投資などへの悪影響を懸念し、ルラ政権は信用収縮を食い止めようと対策を強化している。
「みんなが失業を心配して消費を止めたら、雇用情勢はさらに悪化する」。ルラ大統領は国民にこう呼び掛けている。
中国、発注済み航空機のキャンセル要請 各社業績悪化で
【上海=渡辺園子】中国民用航空局は景気減速による国内航空各社の業績悪化を受け、各社に既に発注済みの航空機の発注取り消しや就航延期を呼びかけた。2009年に導入予定の飛行機が対象としている。中国の航空会社を有力顧客としている欧エアバスや米ボーイングの事業に影響が出る可能性もある。
民用航空局は航空業界の「安全で平穏な発展」のため9日付で10項目の対策を発表した。能力増の抑制策としては航空機の発注取り消しのほか、既存機の運航停止や売却などを奨励。航空会社の新規設立申請も10年まで受け付けないとしている。
シャープ、液晶パネルのライン閉鎖 三重・天理の2工場で
シャープは携帯電話やパソコン用の液晶パネルを生産する三重工場(三重県多気町)と天理工場(奈良県天理市)の旧世代の生産ラインを閉鎖する。パソコン用は液晶テレビ用パネルの需要が減退している亀山工場(三重県亀山市)に移管し、稼働率を引き上げる。ラインの閉鎖に伴い、契約社員など非正規雇用の従業員約300人を削減する見通し。シャープが稼働中の液晶パネルの生産ラインを閉めるのは初めて。
両工場とも1ラインずつを閉鎖する。1990年代前半に稼働した古いラインで、精細度が低い液晶パネルを生産している。これまで老朽化して使えなくなったラインを廃棄したことはあるが、稼働中のラインは閉鎖したことはなかった。
追い詰められる百貨店 改装投資の見直し相次ぐ(COLUMN)
百貨店業界で、売り上げの急減少を受けて、店舗への投資計画を見直す動きが出てきた。
東武百貨店は、池袋本店の2009年の改装をやめる。池袋本店は、毎年継続して改装しており、今年4月には09~11年度の投資額を45億円から73億円に上積みしたばかり。紳士服やリビング、婦人雑貨売り場を改装する予定だったが、これを見直し、商品政策に重点を置くことにした。
三越伊勢丹ホールディングスは、来年春に予定していた伊勢丹新宿本店の改装計画を、秋以降に延期した。三越日本橋本店は、07年に地下と1階を改装したが、売り上げが計画未達だったため昨年末から改装を見合わせている。改装しても売り上げが上がらなければ、意味がないからだ。
同社は、09年度からの3年間で、店舗投資に490億円をかけるとしているが、いずれも首都圏の大型店のみ。業界関係者によると、今年前半までは、規模は小さいものの伊勢丹府中店や伊勢丹相模原店を改装する計画が持ち上がっていたというが、その話は進んでいない模様だ。
11月13日のアナリスト向け決算説明会で、武藤信一会長(伊勢丹社長)が、経済変動のマグニチュードが過去最大なので、費用対効果が見込めず、経済環境が落ち着いてから、店舗を作り替えると説明したという。
日本百貨店協会によると、全国百貨店の売上高は10月まで8ヵ月連続で前年割れ。特に秋以降の不振は過去にも例を見ないほどで、10月は6.8%減、11月には松坂屋で19.2%減という数字が出た。
相次ぐ改装計画の見直しには、費用対効果が見込めないという事情がある。しかし、リニューアルにより客を引きつけるというのが百貨店ビジネスの基本。この基本を崩さざるをえないほどに、百貨店業界は厳しい状況に追い込まれている。
ウォン安対策、韓国に2.8兆円融通 日本政府方針、通貨危機防止
日本政府は通貨ウォン相場の急落で外貨不足の恐れのある韓国を支援するため、日韓で結んでいる協定を拡充する方針を固めた。ウォンと引き換えに円やドルを韓国に融通する通貨交換(スワップ)協定の資金枠をいまの130億ドル(約1兆2000億円)から300億ドル(2兆8000億円)規模に広げる方向で最終調整しており、中国も人民元の供給枠を増額する方向。13日の日中韓首脳会議で正式合意する。金融危機の打撃でウォンがアジア通貨危機以来の安値に急落する中で、連携強化により危機再発を防ぐ。
日韓が結んでいる現在の通貨交換協定には、中央銀行間でいつでもウォンと引き換えに円を融通する協定と、国際通貨基金(IMF)が緊急融資を発動するような「危機」時にドルを供給する協定の2種類がある。それぞれの枠は円が30億ドル分、ドルが100億ドルで、合わせて130億ドル相当になる。これを2.3倍に引き上げる方向だ。
インドの乗用車販売、11月は23.7%減 過去最大の落ち込み
【ニューデリー=小谷洋司】インド自動車工業会(SIAM)が10日まとめた11月の国内乗用車販売は、前年同月比23.7%減の9万9983台だった。減少幅は1995年に統計を取り始めて以来最大で、販売台数が10万台を割り込んだのは2年8カ月ぶり。金融機関の貸し渋りで販売が伸び悩んだ。
販売減少は2カ月連続。4月からの累計販売台数は前年同期比1.1%増の100万4885台にとどまっている。現地最大手のスズキを含め前年実績を割り込むメーカーが相次ぎ、業界全体の来年3月までの年間販売は昨年度を下回る公算が大きくなった。
販売低迷はローンを組めない消費者が続出しているため。中央銀行の金融緩和を受け、市中銀行が融資拡大を表明したが、SIAM首脳は「最大の問題は金融だ。(金融業界からの)意思表明と現場の実態はかけ離れている」と不満をあらわにしている。
EUの高齢化ペース加速、欧州景気は構造的低成長も
【ブリュッセル=下田敏】人口高齢化のペースが加速し、欧州景気が構造的な低成長に陥るリスクが高まってきた。欧州連合(EU)の推計では、2060年には65歳以上の高齢者の割合が現在の2倍近い30%に上るとみられ、労働力の不足や社会保障費のコスト負担が深刻化する。金融危機に伴う景気対策でEU加盟国の財政収支は急速な悪化が見込まれており、欧州委員会は警戒を強めている。
欧州委は人口高齢化の影響で、現在は2.4%前後のEUの潜在成長率が60年までに1.2%程度に下振れするとみている。潜在成長率は労働力や技術水準などからみて、将来的に達成が可能な経済成長率。経済活動を支える生産年齢人口(15歳から64歳)が60年にかけて5000万人程度減り、全人口に占める割合が現行の67%から56%にまで落ち込んでしまうためだ。
朝日新聞とテレ朝、KDDIと提携 テレ朝はリクルートとも
朝日新聞社とテレビ朝日はKDDI(au)と月内にも業務提携する。auの携帯電話を対象にニュースなどのコンテンツ供給を増やす。朝日新聞グループは情報通信やネットと連携し、新聞・放送両媒体のコンテンツ活用を急いでいる。10日にはテレビ朝日とリクルートの資本・業務提携も発表した。
朝日新聞はすでにau携帯の待ち受け画面のニュース・コーナーにニュース記事を無料閲覧用に供給している。今回の提携で新たに、有料配信用の記事供給を始める。テレビ朝日は動画コンテンツを供給。コンテンツから得られる有料課金収入や広告収入は供給元がKDDIと分け合う。
トヨタ、世界販売2年連続減へ 09年計画1割弱減の700万台前半
トヨタ自動車は2009年の世界販売計画(単体ベース)を700万台前半とする方針だ。世界景気減速で08年の販売は前年比5%減の800万台前後と10年ぶりの前年割れが確実だが、来年も厳しい環境が続くとみて、今年をさらに1割弱下回る計画を打ち出す。2年連続の販売減が収益を圧迫するのは必至で、生産体制見直しなど収益改善策が急務になる。
09年の国内販売はほぼ横ばいの140万台半ばを見込むが、北米や欧州が一段と減少。全体ではピークの07年(843万台)を1割強下回り、05年(727万台)をやや上回る水準になりそうだ。同社の販売が2年連続マイナスになるのは1991―93年の3年連続減以来。
「環境車」の税優遇拡大 自民税調方針、新規購入時3段階で
自民党税制調査会(津島雄二会長)は10日、2009年度税制改正で自動車重量税と自動車取得税について、低公害車を対象に3年間の時限的な軽減措置を設ける方針を固めた。電気自動車やハイブリッド車などの低公害車を新車で購入した場合、環境性能に応じて50、75、100%の3段階で両税を軽減する。対象台数は200万台程度で、1台当たり平均10万円程度、軽減額は年2000億円強になる見通し。
取得税について軽減措置を設けている現行の「グリーン税制」に重量税を加えて拡充する。グリーン税制は燃費や有害物質排出量などの基準に応じて取得税を軽減する仕組み。
民主、政権取ったら与党税調など廃止 「政府主導で決定」
民主党税調は税制改革大綱で、政権奪取後の与党税調と政府税調(首相の諮問機関)の廃止を打ち出す方針だ。与党主導では業界団体などに配慮した不透明な論議になりかねないとし、決定過程を抜本的に改める。民主党は国会議員を副大臣や政務官として政府に100人以上送り込む構想も示しており、新機関を置いて政府主導による税制改正を目指す。
現在は自民党税調が税制改正を主導し、「インナー」と呼ばれる一部の幹部が実権を握っている。決定過程がわかりにくいとの批判があり、学者や地方自治体の首長らで構成する政府税調は存在がかすみがちだ。民主党は中長期的な税制改革の方向性を議論する有識者会議の設置も検討する。
SCE、プレイステーション向けの仮想空間サービス開始
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は10日、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」向けに無料の仮想空間サービスを11日から始めると発表した。利用者はリアルなアバター(ネット上の分身)を動かして一緒にゲームで遊んだり会話したりできる。SCEはネットワークを活用してゲームの楽しみを深めることで、Wii(ウィー)など競合機種との差異化を図る狙い。
NTTとマイクロソフト、次世代ネットサービス共同開発へ
NTTと米マイクロソフト(MS)は10日、通信網とソフトウエアを組み合わせた新サービスを共同開発すると発表した。NTTが3月に商用化した信頼性の高い次世代ネットワーク(NGN)を経由して、MSの各種ソフトを企業や個人に提供するサービスなどの事業化を目指す。
NTT持ち株会社の主要子会社やMS、マイクロソフト日本法人でつくる検討チームを近く発足させる。NGNを経由してパソコンや携帯電話からMSのソフトをいつでもどこでも利用できるようにする考え。将来は海外でも事業を展開する方針だ。
NTTは不正アクセス防止機能を高めたNGNを使い、通常のインターネット経由のソフト利用に慎重だった大企業や官公庁の需要を掘り起こす考え。今年5月には米業務用ソフト大手セールスフォース・ドットコムと提携するなど、海外のソフト大手との連携を強化している。
ソニー、米TV生産から撤退 ピッツバーグ工場閉鎖
ソニーは10日、米ペンシルベニア州ピッツバーグにある液晶テレビ工場を閉鎖すると発表した。2009年2月末までに生産を停止して物流拠点に転換、10年3月末までに拠点自体を閉鎖する。従業員560人は解雇する方向で詰める。9日にエレクトロニクス事業の収益改善に向け、世界で5―6カ所の工場を閉鎖すると発表しており、その一環。ソニーはブラウン管時代から続けてきた米国でのテレビ生産から撤退する。
ソニーは4日に磁気テープを生産している仏ダックス工場(ランド県)を09年3月末をメドに閉鎖すると表明。9日に包括的なリストラ策を発表した際、「海外2工場での生産を08年度内に終了する」としていたが、残る1工場がどこかは公表していなかった。
ピッツバーグ工場は1990年にリアプロジェクション(背面投射型)テレビの生産拠点として設立。その後、ブラウン管テレビを素材から一貫生産する主力工場となったが、ブラウン管テレビなどの市場縮小に伴って液晶テレビの組み立て拠点に転換。北米市場向けに46型、52型の液晶テレビ「ブラビア」を組み立ていた。
NYタイムズなど米新聞大手、財務改善へ負債圧縮急ぐ
【ニューヨーク=小高航】米新聞大手のニューヨーク・タイムズとマクラッチーは9日、財務内容の改善へ向け負債の圧縮を進めると表明した。8日には同業のトリビューンが事実上、経営破綻した。ニューヨーク・タイムズも格付けが「投機的」水準になるなど財務内容が悪化しており、改善を急ぐ。
ニューヨーク・タイムズのジャネット・ロビンソン最高経営責任者(CEO)は9日、ニューヨーク市内での講演で「米メディアは過渡期にある」と指摘。広告収入が激減する中、銀行団などと債務の圧縮などについて協議しているとした。
同社は米格付け大手から先月、格付けを投機的水準に引き下げられ、資金調達環境が悪化している。8日には負債の返済原資として、昨年新設したばかりの本社ビル(ニューヨーク市)を担保に最大2億2500万ドル(約210億円)を借り入れると表明した。
広島女児殺害 拙速な審理が指弾された(12月11日付・読売社説)
裁判の迅速化と真相究明とを両立させる難しさが浮き彫りになった。
広島市で2005年11月、小学1年女児が殺害された事件のペルー人被告に対する控訴審で、広島高裁は、無期懲役とした1審判決を破棄し、広島地裁に審理のやり直しを命じた。「審理が尽くされていない」というのが理由である。
被告は、いたずら目的で女児を絞殺し、遺体を空き地に遺棄したとして起訴された。
1審は、来年5月に始まる裁判員制度を想定した審理の形式がとられた。
初公判前に計8回、裁判官、検察官、弁護人が争点を絞り込むための公判前整理手続きが行われた。公判は、5日連続の集中審理などを経て結審し、51日にして判決が言い渡された。
裁判員制度をめぐっては、審理のスピードアップを図るあまり、事実認定がなおざりにならないかといった懸念が示されている。
高裁は、これを裏付けるように、1審の審理について、事実認定があいまいになったと批判した。司法関係者は、これを厳しく受け止めなければなるまい。
高裁が、最も問題視したのは、犯行現場を特定しないまま、被告を無期懲役としたことだ。
自室での犯行と認定できる捜査段階での被告の調書があるのに、裁判官が証拠採用しなかったことなどについて、「まことに不可解」と指摘した。場所特定は「犯情を判断する重要な事実」であり、解明すべきだと強調した。
さらにペルーでの前歴資料を「判決に至っていない」として無視した点も、それが女児2人への性的犯罪であった以上、量刑判断で考慮すべき証拠だとした。
死刑の適否を争う重大な事件である。高裁の判断は、妥当なものと言えるだろう。1審の事実認定は粗雑に過ぎたのではないか。
そうなった原因として、公判前整理手続きにおける協議の詰めの甘さが挙げられる。
この手続きは、裁判員制度導入にあたり、裁判員に争点をわかりやすくし、裁判の迅速化を図るために取り入れられたものだ。
ただ、裁判官、検察官、弁護人による協議は、非公開で行われるため、手続きが適正かどうか、外部からチェック機能が働かないという批判がある。
裁判の迅速化は必要としても、それによって審理が拙速に終わってはならない。1審判決の問題点を検証し、それを教訓として生かしていく必要がある。
日本政府は通貨ウォン相場の急落で外貨不足の恐れのある韓国を支援するため、日韓で結んでいる協定を拡充する方針を固めた。ウォンと引き換えに円やドルを韓国に融通する通貨交換(スワップ)協定の資金枠をいまの130億ドル(約1兆2000億円)から300億ドル(2兆8000億円)規模に広げる方向で最終調整しており、中国も人民元の供給枠を増額する方向。13日の日中韓首脳会議で正式合意する。金融危機の打撃でウォンがアジア通貨危機以来の安値に急落する中で、連携強化により危機再発を防ぐ。
日韓が結んでいる現在の通貨交換協定には、中央銀行間でいつでもウォンと引き換えに円を融通する協定と、国際通貨基金(IMF)が緊急融資を発動するような「危機」時にドルを供給する協定の2種類がある。それぞれの枠は円が30億ドル分、ドルが100億ドルで、合わせて130億ドル相当になる。これを2.3倍に引き上げる方向だ。
インドの乗用車販売、11月は23.7%減 過去最大の落ち込み
【ニューデリー=小谷洋司】インド自動車工業会(SIAM)が10日まとめた11月の国内乗用車販売は、前年同月比23.7%減の9万9983台だった。減少幅は1995年に統計を取り始めて以来最大で、販売台数が10万台を割り込んだのは2年8カ月ぶり。金融機関の貸し渋りで販売が伸び悩んだ。
販売減少は2カ月連続。4月からの累計販売台数は前年同期比1.1%増の100万4885台にとどまっている。現地最大手のスズキを含め前年実績を割り込むメーカーが相次ぎ、業界全体の来年3月までの年間販売は昨年度を下回る公算が大きくなった。
販売低迷はローンを組めない消費者が続出しているため。中央銀行の金融緩和を受け、市中銀行が融資拡大を表明したが、SIAM首脳は「最大の問題は金融だ。(金融業界からの)意思表明と現場の実態はかけ離れている」と不満をあらわにしている。
EUの高齢化ペース加速、欧州景気は構造的低成長も
【ブリュッセル=下田敏】人口高齢化のペースが加速し、欧州景気が構造的な低成長に陥るリスクが高まってきた。欧州連合(EU)の推計では、2060年には65歳以上の高齢者の割合が現在の2倍近い30%に上るとみられ、労働力の不足や社会保障費のコスト負担が深刻化する。金融危機に伴う景気対策でEU加盟国の財政収支は急速な悪化が見込まれており、欧州委員会は警戒を強めている。
欧州委は人口高齢化の影響で、現在は2.4%前後のEUの潜在成長率が60年までに1.2%程度に下振れするとみている。潜在成長率は労働力や技術水準などからみて、将来的に達成が可能な経済成長率。経済活動を支える生産年齢人口(15歳から64歳)が60年にかけて5000万人程度減り、全人口に占める割合が現行の67%から56%にまで落ち込んでしまうためだ。
朝日新聞とテレ朝、KDDIと提携 テレ朝はリクルートとも
朝日新聞社とテレビ朝日はKDDI(au)と月内にも業務提携する。auの携帯電話を対象にニュースなどのコンテンツ供給を増やす。朝日新聞グループは情報通信やネットと連携し、新聞・放送両媒体のコンテンツ活用を急いでいる。10日にはテレビ朝日とリクルートの資本・業務提携も発表した。
朝日新聞はすでにau携帯の待ち受け画面のニュース・コーナーにニュース記事を無料閲覧用に供給している。今回の提携で新たに、有料配信用の記事供給を始める。テレビ朝日は動画コンテンツを供給。コンテンツから得られる有料課金収入や広告収入は供給元がKDDIと分け合う。
トヨタ、世界販売2年連続減へ 09年計画1割弱減の700万台前半
トヨタ自動車は2009年の世界販売計画(単体ベース)を700万台前半とする方針だ。世界景気減速で08年の販売は前年比5%減の800万台前後と10年ぶりの前年割れが確実だが、来年も厳しい環境が続くとみて、今年をさらに1割弱下回る計画を打ち出す。2年連続の販売減が収益を圧迫するのは必至で、生産体制見直しなど収益改善策が急務になる。
09年の国内販売はほぼ横ばいの140万台半ばを見込むが、北米や欧州が一段と減少。全体ではピークの07年(843万台)を1割強下回り、05年(727万台)をやや上回る水準になりそうだ。同社の販売が2年連続マイナスになるのは1991―93年の3年連続減以来。
「環境車」の税優遇拡大 自民税調方針、新規購入時3段階で
自民党税制調査会(津島雄二会長)は10日、2009年度税制改正で自動車重量税と自動車取得税について、低公害車を対象に3年間の時限的な軽減措置を設ける方針を固めた。電気自動車やハイブリッド車などの低公害車を新車で購入した場合、環境性能に応じて50、75、100%の3段階で両税を軽減する。対象台数は200万台程度で、1台当たり平均10万円程度、軽減額は年2000億円強になる見通し。
取得税について軽減措置を設けている現行の「グリーン税制」に重量税を加えて拡充する。グリーン税制は燃費や有害物質排出量などの基準に応じて取得税を軽減する仕組み。
民主、政権取ったら与党税調など廃止 「政府主導で決定」
民主党税調は税制改革大綱で、政権奪取後の与党税調と政府税調(首相の諮問機関)の廃止を打ち出す方針だ。与党主導では業界団体などに配慮した不透明な論議になりかねないとし、決定過程を抜本的に改める。民主党は国会議員を副大臣や政務官として政府に100人以上送り込む構想も示しており、新機関を置いて政府主導による税制改正を目指す。
現在は自民党税調が税制改正を主導し、「インナー」と呼ばれる一部の幹部が実権を握っている。決定過程がわかりにくいとの批判があり、学者や地方自治体の首長らで構成する政府税調は存在がかすみがちだ。民主党は中長期的な税制改革の方向性を議論する有識者会議の設置も検討する。
SCE、プレイステーション向けの仮想空間サービス開始
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は10日、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」向けに無料の仮想空間サービスを11日から始めると発表した。利用者はリアルなアバター(ネット上の分身)を動かして一緒にゲームで遊んだり会話したりできる。SCEはネットワークを活用してゲームの楽しみを深めることで、Wii(ウィー)など競合機種との差異化を図る狙い。
NTTとマイクロソフト、次世代ネットサービス共同開発へ
NTTと米マイクロソフト(MS)は10日、通信網とソフトウエアを組み合わせた新サービスを共同開発すると発表した。NTTが3月に商用化した信頼性の高い次世代ネットワーク(NGN)を経由して、MSの各種ソフトを企業や個人に提供するサービスなどの事業化を目指す。
NTT持ち株会社の主要子会社やMS、マイクロソフト日本法人でつくる検討チームを近く発足させる。NGNを経由してパソコンや携帯電話からMSのソフトをいつでもどこでも利用できるようにする考え。将来は海外でも事業を展開する方針だ。
NTTは不正アクセス防止機能を高めたNGNを使い、通常のインターネット経由のソフト利用に慎重だった大企業や官公庁の需要を掘り起こす考え。今年5月には米業務用ソフト大手セールスフォース・ドットコムと提携するなど、海外のソフト大手との連携を強化している。
ソニー、米TV生産から撤退 ピッツバーグ工場閉鎖
ソニーは10日、米ペンシルベニア州ピッツバーグにある液晶テレビ工場を閉鎖すると発表した。2009年2月末までに生産を停止して物流拠点に転換、10年3月末までに拠点自体を閉鎖する。従業員560人は解雇する方向で詰める。9日にエレクトロニクス事業の収益改善に向け、世界で5―6カ所の工場を閉鎖すると発表しており、その一環。ソニーはブラウン管時代から続けてきた米国でのテレビ生産から撤退する。
ソニーは4日に磁気テープを生産している仏ダックス工場(ランド県)を09年3月末をメドに閉鎖すると表明。9日に包括的なリストラ策を発表した際、「海外2工場での生産を08年度内に終了する」としていたが、残る1工場がどこかは公表していなかった。
ピッツバーグ工場は1990年にリアプロジェクション(背面投射型)テレビの生産拠点として設立。その後、ブラウン管テレビを素材から一貫生産する主力工場となったが、ブラウン管テレビなどの市場縮小に伴って液晶テレビの組み立て拠点に転換。北米市場向けに46型、52型の液晶テレビ「ブラビア」を組み立ていた。
NYタイムズなど米新聞大手、財務改善へ負債圧縮急ぐ
【ニューヨーク=小高航】米新聞大手のニューヨーク・タイムズとマクラッチーは9日、財務内容の改善へ向け負債の圧縮を進めると表明した。8日には同業のトリビューンが事実上、経営破綻した。ニューヨーク・タイムズも格付けが「投機的」水準になるなど財務内容が悪化しており、改善を急ぐ。
ニューヨーク・タイムズのジャネット・ロビンソン最高経営責任者(CEO)は9日、ニューヨーク市内での講演で「米メディアは過渡期にある」と指摘。広告収入が激減する中、銀行団などと債務の圧縮などについて協議しているとした。
同社は米格付け大手から先月、格付けを投機的水準に引き下げられ、資金調達環境が悪化している。8日には負債の返済原資として、昨年新設したばかりの本社ビル(ニューヨーク市)を担保に最大2億2500万ドル(約210億円)を借り入れると表明した。
広島女児殺害 拙速な審理が指弾された(12月11日付・読売社説)
裁判の迅速化と真相究明とを両立させる難しさが浮き彫りになった。
広島市で2005年11月、小学1年女児が殺害された事件のペルー人被告に対する控訴審で、広島高裁は、無期懲役とした1審判決を破棄し、広島地裁に審理のやり直しを命じた。「審理が尽くされていない」というのが理由である。
被告は、いたずら目的で女児を絞殺し、遺体を空き地に遺棄したとして起訴された。
1審は、来年5月に始まる裁判員制度を想定した審理の形式がとられた。
初公判前に計8回、裁判官、検察官、弁護人が争点を絞り込むための公判前整理手続きが行われた。公判は、5日連続の集中審理などを経て結審し、51日にして判決が言い渡された。
裁判員制度をめぐっては、審理のスピードアップを図るあまり、事実認定がなおざりにならないかといった懸念が示されている。
高裁は、これを裏付けるように、1審の審理について、事実認定があいまいになったと批判した。司法関係者は、これを厳しく受け止めなければなるまい。
高裁が、最も問題視したのは、犯行現場を特定しないまま、被告を無期懲役としたことだ。
自室での犯行と認定できる捜査段階での被告の調書があるのに、裁判官が証拠採用しなかったことなどについて、「まことに不可解」と指摘した。場所特定は「犯情を判断する重要な事実」であり、解明すべきだと強調した。
さらにペルーでの前歴資料を「判決に至っていない」として無視した点も、それが女児2人への性的犯罪であった以上、量刑判断で考慮すべき証拠だとした。
死刑の適否を争う重大な事件である。高裁の判断は、妥当なものと言えるだろう。1審の事実認定は粗雑に過ぎたのではないか。
そうなった原因として、公判前整理手続きにおける協議の詰めの甘さが挙げられる。
この手続きは、裁判員制度導入にあたり、裁判員に争点をわかりやすくし、裁判の迅速化を図るために取り入れられたものだ。
ただ、裁判官、検察官、弁護人による協議は、非公開で行われるため、手続きが適正かどうか、外部からチェック機能が働かないという批判がある。
裁判の迅速化は必要としても、それによって審理が拙速に終わってはならない。1審判決の問題点を検証し、それを教訓として生かしていく必要がある。