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「Windows 7」登場までパソコンの“買い替え”を待つべきか?(COLUMN)
いよいよ、「Windows 7」の全貌が公になりつつある。10月にアメリカで行われたイベントで公式に発表されたのだ。
Windows 7とは、「Windows Vista」の後続のOSである。「Windows XP」の次にWindows Vistaが登場し、さらにその次のWindows 7が姿を現し始めたのだ。
実のところ、Windows Vistaの評判は、あまり芳しくない。だが、Windows XPが登場した際も、しばらくは評判はよくなかった。とはいえ、およそ6年間も使い続けられている間に、多くのパソコンがWindows XPとなり、結果として圧倒的なシェアに到達したのは記憶に新しいところだ。
その結果、すでにWindows Vistaが登場して2年が経過しようとしているものの、いまだにWindows XPを利用しているユーザーが多い。また、Windows XPがこの冬まで売られているのも、Windows Vista以降へユーザーが移行する妨げになっているのだろう。話題の「ネットブック」も、多くがWindows XP搭載のモデルである。
そんな状況だから、ユーザーの多くは「まだ、Windows Vistaにも乗り換えていないのに次のOSなんて気が早いのではないか」と感じているだろう。
実は、10年程前には、2~3年でOSが変わるパターンは当たり前だった。言い換えれば、Windows XPがやたらに長期間売られ続けていただけだ。
さて、新しいOSが登場すると、必ず「パソコンを買い換えずに待ち続けるべきか」という議論になる。いったいどうするのがよいのだろうか?ボーナスで買い替えを考えている人も多いなか、現在の情報から推測してみよう。
まず、肝心の「Windows 7」の登場時期だが、これは早くて2010年春だと思われる。もちろん、これは完全な予想で、正確なことはまだ誰にもわからない。何しろまだ開発中なので、予想外に遅れる自体もあり得るのだ。
だが、これだけ景気が悪いことを考えると、パソコン業界関係者の総意としては、「早く登場して欲しい」というのがホンネであることは確かだ。マイクロソフトとしても、Windows Vistaの人気がイマイチなのだから、早く出したいのはやまやまだろう。こんな時には、案外早く出て来るものだ。
ただし、当初の予想と違っているのが、「大幅な進化をしない公算が強い」と言われていること。1年ほど前まで、Windows 7では、「64ビット化」が予想されてきた。だが、市場では現在も64ビットと32ビットのWindows Vistaが同時に市販されており、中心となっているのはいまだ32ビットだ。
これに対して、先進的なユーザーは、たくさんのメモリーが利用でき、ヘビーな処理を楽にこなせる64ビットを望んでいる。そのため、このようなユーザーの大多数が興味を抱かないと、OSの移行は進まないだろう。
このような背景には、Windows XPからWindows Vistaへ移行する際の変革で、「落ちこぼれ組」が多数出たことの「二の舞を避けたい」という判断が、マイクロソフト側にあることも間違いない。
もし次も64ビットと32ビットが併売されれば、32ビット版が主流になる可能性が高い。その結果、主流は相変わらず32ビットになり、市販ソフトの64ビット対応が遅々として進まないことになる。いつかは、64ビット主流へと舵を切るべきなのだが、現段階で考えるに、それはWindows 7の次以降のOSになりそうだ。
Windows 7を持つ必要はないが
コスト面を考えればお得な場合も
それでは、ズバリ、「Windows 7を買うべきか買わないべきか」と言えば、現段階の予想では「買う必要はない」と僕は考える。
Windows 7のデキが悪いというわけでは決してないが、「新しい機能を追加して来るより、ユーザーがWindows Vistaに抱いている不満をつぶしたOSとして登場する可能性が強い」と予想するからだ。
つまり、「できること」がWindows Vistaと大差ないなら、あえて待つ意味もないというわけだ。現段階でリリースされている試作バージョンでも、Windows Vistaとの違いはあまりないと言う声が多い。
振り返れば、Windows Vistaも、登場当初から1年ほどは確かに動きが遅く感じたものだ。しかし、最近はパソコンの処理性能が向上し、ずいぶん快適になってきた。10万円クラスのノートパソコンを購入しても、そこそこ快適に使えるだろう。
結果として、今使っているパソコンが不調になったり、容量不足などで買い換えたいなら、Windows 7のことは考えずに購入してよいだろう。1年ほど経ってWindows 7が登場し、評判がよければ改めてインストールすればよいだけである。
とはいえ、もし今使っているWindows XPが気に入っていたとしても、いつかは使えなくなる。ならば、Windows Vistaではなく、Windows 7を待ってもよい。あと1年ほど経てば、Windows 7へ優待でアップデートできる販売方法がアナウンスされるはずだ。
そのときにWindows Vistaマシンを購入するのが、一番賢い方法だろう。Windows VistaとWindows 7を両方入手でき、安定している方を選んで使えるからだ。
気になるのが、最近はやっているネットブックである。皆、あまり気づいていないが、ネットブックは初期状態でインストールされているOSしかサポートされていない。だから、Windows 7が登場し、素晴らしいOSだったとしても入れ替えることはできない。延々とWindows XPのみを使い続けるハメになる。
米、追加利下げの公算 15日からFOMC、量的緩和も視野
【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)は15日から2日間の日程で、当面の金融政策運営を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。景気後退の深刻化を受け、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を過去最低の年1.0%からさらに引き下げる公算が大きい。市場への資金供給量を増やす「量的緩和」も検討する見通しだ。
政策決定の結果は16日午後(日本時間17日未明)に発表する予定。11月の雇用者数が約34年ぶりの大幅な減少を記録するなど、米景気の落ち込みは深刻になっている。FRBが追加の金融緩和に動くのは確実な情勢で、政策金利の誘導目標が初めて1%を割り込む見通しだ。
欧州主要国、財政赤字が急増 仏伊など、ユーロ圏協定抵触も
【パリ=野見山祐史】欧州主要国の財政赤字が急拡大している。フランス、イタリア、スペインの赤字額は2010年にかけて急増し、対国内総生産(GDP)比がユーロ圏の安定・成長協定(財政協定)で定める3%の上限を突破する見通しだ。景気対策や景気減速に伴う税収減少が財政悪化の要因。財政状況にばらつきが生じれば、欧州内で経済政策運営を巡る足並みが乱れかねない。
経済協力開発機構(OECD)が各国の成長予測や11月までの景気対策の実施状況を織り込み、10年までの財政収支のGDP比を推計した。
【東京新聞社説】
週のはじめに考える 『百年に一度』と財政出動
「異常な世界」が幕を開けようとしています。景気悪化というより、崩落に近い感じも。失業と倒産ラッシュを避けるには、政府の役割が不可欠です。
工作機械の受注額が先日、発表されました。十一月の速報値が前年同月比で、なんと62%減。普通の商店でも、こんなに注文が減ったら、とてもやっていけないでしょう。景気は「坂道を転げ落ちる」どころか「足場が崩れ、がけから転落した」ような状態です。
麻生太郎首相は先週末、異例の緊急記者会見を開いて追加景気対策を発表しました。
◆債務GDP比率が鍵に
政府が危機感を募らせて、対応策に本腰を入れるのは結構なのですが、一方で、多くの人は財政赤字の拡大も心配しています。
財政再建路線から景気刺激の大盤振る舞いへ。あまりに急激な展開なので、とまどうのも当然です。どう考えたらいいのか。
財政赤字について、よく引用される数字は「国と地方を合わせた長期債務」。これは、二〇〇八年度末で約七百七十八兆円に上る見込みです。
たしかに巨額なのですが、これには注意が必要です。家計のローンと同じに考えて「借金は全部返済しなければならない」と思いがちですが、実は国の借金は必ずしも全額を返済する必要はありません。というのは、家計と違い「国は永遠に続く」という前提があるからです。借り換えを続けていけば、返済期限は無限の先に引き延ばせます。
そうだとすると、財政破たんはありえないのか。ありえます。
鍵を握るのは、債務の国内総生産(GDP)比。借金の額そのものではなく、国の経済規模に比べた借金の大きさです。家計と同じで、年収(経済規模)が高い人なら、借金が多くても問題ない。
◆無策なら失業と倒産が
でも、この比率が年々増えていくようだと、やがて国債を買う人がいなくなります。「この国は危ない。国債が紙切れになるかもしれない」と考えるからです。
国はそのとき破たんする。国債の金利は跳ね上がり、為替も暴落する。経済は縮小し、国民の生活も苦しくならざるをえません。
日本の債務GDP比率をみると、181%に上っています(国と地方、社会保障基金の合計)。米国は63%、英国は48%、フランスが73%、イタリアで116%ですから、日本の赤字は突出しています。しかも毎年上昇している。破たんが間近なのでしょうか。
債務GDP比率がいくらになったら国が破たんするのか、一致した定説はありません。経済学者によると「大体、200%くらいではないか」ともいわれるのですが、先進国が実際に破たんした例もないので、根拠は薄弱です。
さらに、もう一つ。
総債務額ではなく「そこから国の資産を引いた純債務でみるべきだ」という意見もある。借金が大きくても、それに見合う資産があるなら健全といえるからです。
経済協力開発機構(OECD)によれば、日本の純債務GDP比率は90%、米国は45%、英国とフランスは40%、イタリアが89%(いずれも〇八年)で、総債務比率ほど、ひどくはありません。それは国の資産が大きいからです。日本が「大きな政府」とされる理由の一つは、ここにあります。
景気が落ち込んだときに、財政出動するのは、経済学のイロハです。企業が設備投資を抑え、個人消費も冷えているのに、政府までが支出を抑制すれば、経済の総需要が落ち込んで、景気は一層ひどくなる。その先にあるのは失業と倒産の嵐です。
今回の景気悪化は世界的規模に広がり、輸出で稼ぐのは期待できません。経済政策の教科書通りに米欧はじめ中国も前例のない巨額財政出動に踏み切る構えで、まさに世界中の政府が国民経済の下支えに必死になっているのです。
百年に一度といわれる危機の中で、日本だけが自律回復を待っていられるでしょうか。人々の暮らしと安全を守る。それこそが政府の仕事とすれば、一時の財政悪化を受け入れても、景気崩落の阻止を最優先すべきでしょう。
問題は何にカネを使うのか。
景気対策といえば、公共事業を思い浮かべます。しかし、それは「昨日まで自動車やパソコンを造っていた人に、シャベルを持て」というようなピンぼけ政策ではないでしょうか。
◆金は成長を促す政策に
目先の下支えが重要ではあっても、できる限り、明日の日本経済の成長をけん引するような政策に貴重な資金を投じるべきです。
教育や研究開発、先端技術など制限を緩やかにして、幅広く民間の力を引き出せるような枠組みを考える。政府も縦割り省庁的発想から脱却する必要があります。
いよいよ、「Windows 7」の全貌が公になりつつある。10月にアメリカで行われたイベントで公式に発表されたのだ。
Windows 7とは、「Windows Vista」の後続のOSである。「Windows XP」の次にWindows Vistaが登場し、さらにその次のWindows 7が姿を現し始めたのだ。
実のところ、Windows Vistaの評判は、あまり芳しくない。だが、Windows XPが登場した際も、しばらくは評判はよくなかった。とはいえ、およそ6年間も使い続けられている間に、多くのパソコンがWindows XPとなり、結果として圧倒的なシェアに到達したのは記憶に新しいところだ。
その結果、すでにWindows Vistaが登場して2年が経過しようとしているものの、いまだにWindows XPを利用しているユーザーが多い。また、Windows XPがこの冬まで売られているのも、Windows Vista以降へユーザーが移行する妨げになっているのだろう。話題の「ネットブック」も、多くがWindows XP搭載のモデルである。
そんな状況だから、ユーザーの多くは「まだ、Windows Vistaにも乗り換えていないのに次のOSなんて気が早いのではないか」と感じているだろう。
実は、10年程前には、2~3年でOSが変わるパターンは当たり前だった。言い換えれば、Windows XPがやたらに長期間売られ続けていただけだ。
さて、新しいOSが登場すると、必ず「パソコンを買い換えずに待ち続けるべきか」という議論になる。いったいどうするのがよいのだろうか?ボーナスで買い替えを考えている人も多いなか、現在の情報から推測してみよう。
まず、肝心の「Windows 7」の登場時期だが、これは早くて2010年春だと思われる。もちろん、これは完全な予想で、正確なことはまだ誰にもわからない。何しろまだ開発中なので、予想外に遅れる自体もあり得るのだ。
だが、これだけ景気が悪いことを考えると、パソコン業界関係者の総意としては、「早く登場して欲しい」というのがホンネであることは確かだ。マイクロソフトとしても、Windows Vistaの人気がイマイチなのだから、早く出したいのはやまやまだろう。こんな時には、案外早く出て来るものだ。
ただし、当初の予想と違っているのが、「大幅な進化をしない公算が強い」と言われていること。1年ほど前まで、Windows 7では、「64ビット化」が予想されてきた。だが、市場では現在も64ビットと32ビットのWindows Vistaが同時に市販されており、中心となっているのはいまだ32ビットだ。
これに対して、先進的なユーザーは、たくさんのメモリーが利用でき、ヘビーな処理を楽にこなせる64ビットを望んでいる。そのため、このようなユーザーの大多数が興味を抱かないと、OSの移行は進まないだろう。
このような背景には、Windows XPからWindows Vistaへ移行する際の変革で、「落ちこぼれ組」が多数出たことの「二の舞を避けたい」という判断が、マイクロソフト側にあることも間違いない。
もし次も64ビットと32ビットが併売されれば、32ビット版が主流になる可能性が高い。その結果、主流は相変わらず32ビットになり、市販ソフトの64ビット対応が遅々として進まないことになる。いつかは、64ビット主流へと舵を切るべきなのだが、現段階で考えるに、それはWindows 7の次以降のOSになりそうだ。
Windows 7を持つ必要はないが
コスト面を考えればお得な場合も
それでは、ズバリ、「Windows 7を買うべきか買わないべきか」と言えば、現段階の予想では「買う必要はない」と僕は考える。
Windows 7のデキが悪いというわけでは決してないが、「新しい機能を追加して来るより、ユーザーがWindows Vistaに抱いている不満をつぶしたOSとして登場する可能性が強い」と予想するからだ。
つまり、「できること」がWindows Vistaと大差ないなら、あえて待つ意味もないというわけだ。現段階でリリースされている試作バージョンでも、Windows Vistaとの違いはあまりないと言う声が多い。
振り返れば、Windows Vistaも、登場当初から1年ほどは確かに動きが遅く感じたものだ。しかし、最近はパソコンの処理性能が向上し、ずいぶん快適になってきた。10万円クラスのノートパソコンを購入しても、そこそこ快適に使えるだろう。
結果として、今使っているパソコンが不調になったり、容量不足などで買い換えたいなら、Windows 7のことは考えずに購入してよいだろう。1年ほど経ってWindows 7が登場し、評判がよければ改めてインストールすればよいだけである。
とはいえ、もし今使っているWindows XPが気に入っていたとしても、いつかは使えなくなる。ならば、Windows Vistaではなく、Windows 7を待ってもよい。あと1年ほど経てば、Windows 7へ優待でアップデートできる販売方法がアナウンスされるはずだ。
そのときにWindows Vistaマシンを購入するのが、一番賢い方法だろう。Windows VistaとWindows 7を両方入手でき、安定している方を選んで使えるからだ。
気になるのが、最近はやっているネットブックである。皆、あまり気づいていないが、ネットブックは初期状態でインストールされているOSしかサポートされていない。だから、Windows 7が登場し、素晴らしいOSだったとしても入れ替えることはできない。延々とWindows XPのみを使い続けるハメになる。
米、追加利下げの公算 15日からFOMC、量的緩和も視野
【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)は15日から2日間の日程で、当面の金融政策運営を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。景気後退の深刻化を受け、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を過去最低の年1.0%からさらに引き下げる公算が大きい。市場への資金供給量を増やす「量的緩和」も検討する見通しだ。
政策決定の結果は16日午後(日本時間17日未明)に発表する予定。11月の雇用者数が約34年ぶりの大幅な減少を記録するなど、米景気の落ち込みは深刻になっている。FRBが追加の金融緩和に動くのは確実な情勢で、政策金利の誘導目標が初めて1%を割り込む見通しだ。
欧州主要国、財政赤字が急増 仏伊など、ユーロ圏協定抵触も
【パリ=野見山祐史】欧州主要国の財政赤字が急拡大している。フランス、イタリア、スペインの赤字額は2010年にかけて急増し、対国内総生産(GDP)比がユーロ圏の安定・成長協定(財政協定)で定める3%の上限を突破する見通しだ。景気対策や景気減速に伴う税収減少が財政悪化の要因。財政状況にばらつきが生じれば、欧州内で経済政策運営を巡る足並みが乱れかねない。
経済協力開発機構(OECD)が各国の成長予測や11月までの景気対策の実施状況を織り込み、10年までの財政収支のGDP比を推計した。
【東京新聞社説】
週のはじめに考える 『百年に一度』と財政出動
「異常な世界」が幕を開けようとしています。景気悪化というより、崩落に近い感じも。失業と倒産ラッシュを避けるには、政府の役割が不可欠です。
工作機械の受注額が先日、発表されました。十一月の速報値が前年同月比で、なんと62%減。普通の商店でも、こんなに注文が減ったら、とてもやっていけないでしょう。景気は「坂道を転げ落ちる」どころか「足場が崩れ、がけから転落した」ような状態です。
麻生太郎首相は先週末、異例の緊急記者会見を開いて追加景気対策を発表しました。
◆債務GDP比率が鍵に
政府が危機感を募らせて、対応策に本腰を入れるのは結構なのですが、一方で、多くの人は財政赤字の拡大も心配しています。
財政再建路線から景気刺激の大盤振る舞いへ。あまりに急激な展開なので、とまどうのも当然です。どう考えたらいいのか。
財政赤字について、よく引用される数字は「国と地方を合わせた長期債務」。これは、二〇〇八年度末で約七百七十八兆円に上る見込みです。
たしかに巨額なのですが、これには注意が必要です。家計のローンと同じに考えて「借金は全部返済しなければならない」と思いがちですが、実は国の借金は必ずしも全額を返済する必要はありません。というのは、家計と違い「国は永遠に続く」という前提があるからです。借り換えを続けていけば、返済期限は無限の先に引き延ばせます。
そうだとすると、財政破たんはありえないのか。ありえます。
鍵を握るのは、債務の国内総生産(GDP)比。借金の額そのものではなく、国の経済規模に比べた借金の大きさです。家計と同じで、年収(経済規模)が高い人なら、借金が多くても問題ない。
◆無策なら失業と倒産が
でも、この比率が年々増えていくようだと、やがて国債を買う人がいなくなります。「この国は危ない。国債が紙切れになるかもしれない」と考えるからです。
国はそのとき破たんする。国債の金利は跳ね上がり、為替も暴落する。経済は縮小し、国民の生活も苦しくならざるをえません。
日本の債務GDP比率をみると、181%に上っています(国と地方、社会保障基金の合計)。米国は63%、英国は48%、フランスが73%、イタリアで116%ですから、日本の赤字は突出しています。しかも毎年上昇している。破たんが間近なのでしょうか。
債務GDP比率がいくらになったら国が破たんするのか、一致した定説はありません。経済学者によると「大体、200%くらいではないか」ともいわれるのですが、先進国が実際に破たんした例もないので、根拠は薄弱です。
さらに、もう一つ。
総債務額ではなく「そこから国の資産を引いた純債務でみるべきだ」という意見もある。借金が大きくても、それに見合う資産があるなら健全といえるからです。
経済協力開発機構(OECD)によれば、日本の純債務GDP比率は90%、米国は45%、英国とフランスは40%、イタリアが89%(いずれも〇八年)で、総債務比率ほど、ひどくはありません。それは国の資産が大きいからです。日本が「大きな政府」とされる理由の一つは、ここにあります。
景気が落ち込んだときに、財政出動するのは、経済学のイロハです。企業が設備投資を抑え、個人消費も冷えているのに、政府までが支出を抑制すれば、経済の総需要が落ち込んで、景気は一層ひどくなる。その先にあるのは失業と倒産の嵐です。
今回の景気悪化は世界的規模に広がり、輸出で稼ぐのは期待できません。経済政策の教科書通りに米欧はじめ中国も前例のない巨額財政出動に踏み切る構えで、まさに世界中の政府が国民経済の下支えに必死になっているのです。
百年に一度といわれる危機の中で、日本だけが自律回復を待っていられるでしょうか。人々の暮らしと安全を守る。それこそが政府の仕事とすれば、一時の財政悪化を受け入れても、景気崩落の阻止を最優先すべきでしょう。
問題は何にカネを使うのか。
景気対策といえば、公共事業を思い浮かべます。しかし、それは「昨日まで自動車やパソコンを造っていた人に、シャベルを持て」というようなピンぼけ政策ではないでしょうか。
◆金は成長を促す政策に
目先の下支えが重要ではあっても、できる限り、明日の日本経済の成長をけん引するような政策に貴重な資金を投じるべきです。
教育や研究開発、先端技術など制限を緩やかにして、幅広く民間の力を引き出せるような枠組みを考える。政府も縦割り省庁的発想から脱却する必要があります。
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KDDI最後の切り札「音楽特化ケータイ」は支持されるか? <COLUMN>
KDDIは8日、冬モデルの最後を飾る、音楽機能に特化した携帯電話端末「Walkman Phone, Xmini」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製)を発表した。今秋、KDDIはAV関連サービスの強化を印象づけるため、3つのフェーズに分けて新製品やサービスを発表してきた。第1弾は9月25日のセットトップボックス「au BOX」、第2弾は10月27日に発表した高画質にフォーカスした端末3モデル、そしてトリを飾ったのが音楽特化モデルのXminiというわけだ。
■GPSも搭載しない割り切り
Xminiはコンパクトな筐体が特徴だ。かつてソニー・エリクソンがNTTドコモ向けに投入した「premini」を連想させる大きさに仕上がっている。本体には4GBの内蔵メモリーを備え、着うたフルであれば約2300曲を保存できる。
ただし、音楽に特化する一方で、「ワンセグ」「おサイフケータイ」などの機能には一切対応しない。au端末では標準的に搭載されているGPS機能もなしという割り切りぶりだ。「microSD」といった外部メモリーも使えない。
いずれもコンパクトな本体サイズを実現するためだという。
■「着うたフルプラス」でCDに迫る音質に
KDDIはこのモデルから、従来の「着うたフル」に加えてより音質を高めた「着うたフルプラス」を、12月下旬にスタートさせる。着うたフルの圧縮コーデックは「HE-AAC」、ビットレートは48kbps程度だったが、着うたフルプラスは「AAC」を採用し、ビットレートも320kbpsと大幅にスペックアップする。
着うたフルはデータサイズを小さくするために高音域を絞っていたが、着うたフルプラスでは高音域を絞ることなく、オリジナルのクオリティーに近づけている。実際に同じ曲を聞き比べてみると、ハッキリと違いを感じられるほどだ。
■「ダウンロードに3分」
CDに迫る音質になったのは喜ばしいが、着うたフルでは平均1.5MBだったファイルサイズが、着うたフルプラスでは平均10MBまで大きくなってしまう。「ダウンロードし終わるのに3分程度かかる」(KDDI)ということだった。従来はちょっとした時間にサクッとダウンロードするという使い方だったが、着うたフルプラスではかなり待たされることを覚悟しなくてはいけないだろう。
気になる価格は「コンテンツ供給側が設定するが、従来と変わらないはず」(KDDI)という。着うたフルプラスはXminiに加え、すでに発売済みの「W65T」(東芝製)も対応する。来年の春モデルでは端末プラットフォーム「KCP+」搭載の全機種で聞けるようになる見通しだ。
着うたフルプラス対応の楽曲が本格的に増えるのもその時期になると見られている。
■違法着うたフルに頭を悩ます音楽業界
CDの売り上げが伸び悩むなか、音楽業界にとって携帯電話向けの楽曲配信は、重要な稼ぎ頭になっている。着メロなども含めた2007年の市場規模は約680億円で、そのうち着うたフルが約344億円を占めている。
2008年1―9月のデータを見ても、モバイル向けは約593億円に達しており、前年から順調に成長を遂げている。しかし、音楽業界が頭を抱えているのが「違法着うた」「違法着うたフル」の存在だ。
著作権者に無断で音楽ファイルをインターネットにアップロードし、不特定多数のユーザーがダウンロードできるケータイサイトが後を絶たない。日本レコード協会の調査によると、違法な音楽ファイルは年間で3億9900万ファイルもダウンロードされているという。レーベルモバイルの今野敏博社長も「有料配信と同じくらい違法配信がある」と語る。
最近、違法配信サイトの運営者が逮捕されたが、焼け石に水の状態だ。
■きちんと買ってほしい音楽業界
ある音楽関係者は「親が子どもに『公式サイトからダウンロードするとお金がかかるから、無料のやつにしなさい』と、違法サイトを使うように仕向けるケースも目立つ。著作権に対する認識がない親が多い」と、現状を嘆く。
違法ダウンロードが広まってしまい、無料で音楽を取得することが常識になってしまっては、結果、音楽業界にとってダメージとなり、優良な音楽が日本から姿を消すことにもなりかねない。
今回、着うたフルプラスが楽曲のファイルサイズを拡大し音質を強化した背景には、「違法着うた」「違法着うたフル」とクオリティーで差を付け、ユーザーにきっちりと対価を払って購入してもらいたいという音楽業界の狙いがあるようだ。
■思い切った割り切りが支持されるか
今回のXminiは、音楽サービスで人気を集めたauらしい商品に仕上がっている。着うたフルプラスという新サービスも用意し、さらにソニー・エリクソンファンを振り向かせるだけの商品力もあるといえる。ソニー・エリクソンは、ドコモ向けの商品計画を見直しているだけに、ドコモから同様の商品が出ることは考えにくい。Xminiの超小型ボディーは、かつてドコモでpreminiを購入したユーザーをauに引きつけるインパクトもある。
冬商戦の大トリだけあって、魅力的な商品ではあるが、やはり気になるのが機能を割り切りすぎているという点だ。
夏モデルとして発売された「Sportio」(東芝製)は、スポーツ支援サービス「au Smart Sports」を楽しむためにデザインされた運動特化モデルだったが、ワンセグやおサイフケータイに非対応ということもあり、実際はあまり売れなかった。「シンプル一括」という基本料金が安くなるうえ端末価格も大幅に割り引いた「お買い得モデル」として在庫がさばかれたもようだ。
割賦販売制度が前提となり、高機能モデルに人気が集中するなか、「Walkmanブランド」と超小型筐体がどこまでユーザーの支持を獲得できるのか興味深いところだ。
トヨタ、役員賞与ゼロ検討 21年3月期、業績悪化で
トヨタ自動車が世界的な金融危機を受けた業績の急速な悪化を受け、平成21年3月期の役員賞与(ボーナス)について、ゼロにすることも含めた大幅減額を検討していることが14日、分かった。
トヨタはすでに今冬、管理職の賞与を前年より1割減額している。来年の春闘にも厳しい姿勢で臨む方針で、役員賞与を大幅にカットする方針を固め、経費削減を進める経営陣の姿勢を示す。
町村氏VS中川氏、自民・最大派閥の2極化鮮明に
激震・麻生政権
自民党最大派閥の町村派が揺れている。もともとライバル関係にある町村信孝・前官房長官と中川秀直・元幹事長の両代表世話人の軋轢(あつれき)が、麻生首相との距離を巡る路線論争と重なり、派内を二分する争いに発展する可能性もある。
11日の町村派総会では、町村氏と中川氏の間に緊張した空気が流れた。
たばこ税の増税反対の持論を展開していた町村氏の隣に座っていた中川氏が、突然、「国民の6割がたばこ税を上げろと言っているんだ」といら立ちの声を上げたためだ。
町村氏は、麻生首相を支える姿勢を鮮明にすることで、派内の実力者で首相に近い森、安倍両元首相との連携を深め、派内の基盤を固めようとしている。9日には首相官邸に麻生首相を訪ね、「首相の主張を来年度予算で実現してもらうことが大切だ」と激励した。
森、安倍氏と盛んに接触しており、「町村氏は『ポスト麻生』として次の党総裁選に名乗りを上げるための布石を打っている」との見方すら出ている。
一方の中川氏は9日に「郵政民営化を堅持し推進する集い」、11日には「生活安心保障勉強会」の準備会を開催した。「集い」は出席者63人中25人、準備会は57人中26人が町村派で、派内の中堅、若手に影響力があるところを見せた。
いずれのグループも麻生政権後を見据えた「政界再編の布石」と見られており、首相との関係は芳しくない。関係者によると、経済人が仲介して12日に首相と中川氏との会談が予定されたが、結局、実現しなかった。
かつて側近として支えた森氏との関係は冷え込む一方で、10日に都内で開かれた森氏のパーティーには、町村氏が2年連続で呼ばれたが、昨年呼ばれた中川氏の姿はなかった。
派内の対立が先鋭化することを懸念して安倍元首相が中川氏の勉強会にも参加するなど町村、中川両氏の間を取り持つ役回りを果たそうとしているが、派内には「二極化が分裂につながらなければいいが」と心配する声も多い。
加藤・山崎氏、菅・亀井氏との連携表明 政界再編に向け
自民党の加藤紘一元幹事長、山崎拓前副総裁は14日、民主党の菅直人代表代行、国民新党の亀井静香代表代行とそろってテレビ朝日番組に出演し、次期衆院選後の政界再編に向け、与野党を超えて4人で緊密に連携していく考えを表明した。ただ、衆院選前の自民党離党については「今は考えていない」(加藤氏)と述べた。
加藤氏は、麻生内閣支持率の急落を念頭に「自民党の歴史的使命は終わった」と指摘。自民、社民、さきがけの三党連立政権時代、菅氏とともに政権を支えた経緯を紹介した上で「われわれは話し合えるという思いで共通している」と述べた。基本政策では、対米外交、過剰な規制緩和の見直し、地域問題などで4人の認識はほぼ一致しているとの見方を示した。
山崎氏は、衆院選で自民、民主のいずれの政党が相手の議席を上回っても「政界再編は間違いなく起きる」と言明。さらに「この4人は政界再編の軸になり得る」とした。
日中韓首脳会談 定期対話で「共益」を目指せ(12月14日付・読売社説)
幅広い分野で重層的な日中韓協力を続けることが、安定した未来志向の3か国関係の構築につながるだろう。
麻生首相、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領が福岡県で会談した。
日中韓首脳会談は1999年以降、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の国際会議の際に開かれてきた。独立した形式の開催は今回が初めてで、今後は年1回、定期開催される。日中韓関係は新たな段階に入ったと言える。
会談では、世界的な金融危機対策や北朝鮮の核問題で日中韓が緊密に連携することで一致した。
金融危機に伴う韓国のウォン安対策では、日中韓の外貨スワップ(交換)枠の拡大が決まった。世界とアジアの危機を克服するため、巨額の外貨準備高を持つ日本と中国は重い役割を担う。
北朝鮮は先の6か国協議で、核のサンプル(試料)採取の文書化を拒否した。実効性のある検証の実現には、日米は無論、日中韓も足並みをそろえ、北朝鮮に受け入れを迫ることが肝心だ。
3首脳が署名した共同声明は、日中韓協力の原則として「開放性、透明性、相互の信頼、共益及び多様な文化の尊重」を掲げた。
日中韓の協力には、様々な可能性がある。他のアジア諸国とも協調し、地域全体の平和と繁栄に貢献する視点が重要だ。同時に、3か国が具体的な「共益」を享受できる協力を目指すべきだ。
発表された行動計画には、政治、経済など5分野で、投資、エネルギー、環境、科学技術、青少年交流、観光、アフリカ支援など31項目の協力が盛り込まれた。
それぞれの項目の協力は、既に動き出している。
11月の日中韓保健相会合は、新型インフルエンザに関する情報共有や早期封じ込め策で合意した。次回会合では、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件など「食の安全」も議題とする予定だ。
3か国が共通の課題について連携を深めることは、日中、日韓、中韓の2国間関係にも好影響を与えるだろう。
一方で、隣国の日中韓の間には、歴史認識や領土をめぐる問題が存在しているのも事実だ。
麻生首相は日中首脳会談で、中国の海洋調査船が今月上旬、尖閣諸島付近の日本の領海を侵犯したことに遺憾の意を表明した。
首相の抗議は当然だ。中国は、日中の戦略的互恵関係に障害をもたらすような行動を繰り返してはなるまい。
KDDIは8日、冬モデルの最後を飾る、音楽機能に特化した携帯電話端末「Walkman Phone, Xmini」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製)を発表した。今秋、KDDIはAV関連サービスの強化を印象づけるため、3つのフェーズに分けて新製品やサービスを発表してきた。第1弾は9月25日のセットトップボックス「au BOX」、第2弾は10月27日に発表した高画質にフォーカスした端末3モデル、そしてトリを飾ったのが音楽特化モデルのXminiというわけだ。
■GPSも搭載しない割り切り
Xminiはコンパクトな筐体が特徴だ。かつてソニー・エリクソンがNTTドコモ向けに投入した「premini」を連想させる大きさに仕上がっている。本体には4GBの内蔵メモリーを備え、着うたフルであれば約2300曲を保存できる。
ただし、音楽に特化する一方で、「ワンセグ」「おサイフケータイ」などの機能には一切対応しない。au端末では標準的に搭載されているGPS機能もなしという割り切りぶりだ。「microSD」といった外部メモリーも使えない。
いずれもコンパクトな本体サイズを実現するためだという。
■「着うたフルプラス」でCDに迫る音質に
KDDIはこのモデルから、従来の「着うたフル」に加えてより音質を高めた「着うたフルプラス」を、12月下旬にスタートさせる。着うたフルの圧縮コーデックは「HE-AAC」、ビットレートは48kbps程度だったが、着うたフルプラスは「AAC」を採用し、ビットレートも320kbpsと大幅にスペックアップする。
着うたフルはデータサイズを小さくするために高音域を絞っていたが、着うたフルプラスでは高音域を絞ることなく、オリジナルのクオリティーに近づけている。実際に同じ曲を聞き比べてみると、ハッキリと違いを感じられるほどだ。
■「ダウンロードに3分」
CDに迫る音質になったのは喜ばしいが、着うたフルでは平均1.5MBだったファイルサイズが、着うたフルプラスでは平均10MBまで大きくなってしまう。「ダウンロードし終わるのに3分程度かかる」(KDDI)ということだった。従来はちょっとした時間にサクッとダウンロードするという使い方だったが、着うたフルプラスではかなり待たされることを覚悟しなくてはいけないだろう。
気になる価格は「コンテンツ供給側が設定するが、従来と変わらないはず」(KDDI)という。着うたフルプラスはXminiに加え、すでに発売済みの「W65T」(東芝製)も対応する。来年の春モデルでは端末プラットフォーム「KCP+」搭載の全機種で聞けるようになる見通しだ。
着うたフルプラス対応の楽曲が本格的に増えるのもその時期になると見られている。
■違法着うたフルに頭を悩ます音楽業界
CDの売り上げが伸び悩むなか、音楽業界にとって携帯電話向けの楽曲配信は、重要な稼ぎ頭になっている。着メロなども含めた2007年の市場規模は約680億円で、そのうち着うたフルが約344億円を占めている。
2008年1―9月のデータを見ても、モバイル向けは約593億円に達しており、前年から順調に成長を遂げている。しかし、音楽業界が頭を抱えているのが「違法着うた」「違法着うたフル」の存在だ。
著作権者に無断で音楽ファイルをインターネットにアップロードし、不特定多数のユーザーがダウンロードできるケータイサイトが後を絶たない。日本レコード協会の調査によると、違法な音楽ファイルは年間で3億9900万ファイルもダウンロードされているという。レーベルモバイルの今野敏博社長も「有料配信と同じくらい違法配信がある」と語る。
最近、違法配信サイトの運営者が逮捕されたが、焼け石に水の状態だ。
■きちんと買ってほしい音楽業界
ある音楽関係者は「親が子どもに『公式サイトからダウンロードするとお金がかかるから、無料のやつにしなさい』と、違法サイトを使うように仕向けるケースも目立つ。著作権に対する認識がない親が多い」と、現状を嘆く。
違法ダウンロードが広まってしまい、無料で音楽を取得することが常識になってしまっては、結果、音楽業界にとってダメージとなり、優良な音楽が日本から姿を消すことにもなりかねない。
今回、着うたフルプラスが楽曲のファイルサイズを拡大し音質を強化した背景には、「違法着うた」「違法着うたフル」とクオリティーで差を付け、ユーザーにきっちりと対価を払って購入してもらいたいという音楽業界の狙いがあるようだ。
■思い切った割り切りが支持されるか
今回のXminiは、音楽サービスで人気を集めたauらしい商品に仕上がっている。着うたフルプラスという新サービスも用意し、さらにソニー・エリクソンファンを振り向かせるだけの商品力もあるといえる。ソニー・エリクソンは、ドコモ向けの商品計画を見直しているだけに、ドコモから同様の商品が出ることは考えにくい。Xminiの超小型ボディーは、かつてドコモでpreminiを購入したユーザーをauに引きつけるインパクトもある。
冬商戦の大トリだけあって、魅力的な商品ではあるが、やはり気になるのが機能を割り切りすぎているという点だ。
夏モデルとして発売された「Sportio」(東芝製)は、スポーツ支援サービス「au Smart Sports」を楽しむためにデザインされた運動特化モデルだったが、ワンセグやおサイフケータイに非対応ということもあり、実際はあまり売れなかった。「シンプル一括」という基本料金が安くなるうえ端末価格も大幅に割り引いた「お買い得モデル」として在庫がさばかれたもようだ。
割賦販売制度が前提となり、高機能モデルに人気が集中するなか、「Walkmanブランド」と超小型筐体がどこまでユーザーの支持を獲得できるのか興味深いところだ。
トヨタ、役員賞与ゼロ検討 21年3月期、業績悪化で
トヨタ自動車が世界的な金融危機を受けた業績の急速な悪化を受け、平成21年3月期の役員賞与(ボーナス)について、ゼロにすることも含めた大幅減額を検討していることが14日、分かった。
トヨタはすでに今冬、管理職の賞与を前年より1割減額している。来年の春闘にも厳しい姿勢で臨む方針で、役員賞与を大幅にカットする方針を固め、経費削減を進める経営陣の姿勢を示す。
町村氏VS中川氏、自民・最大派閥の2極化鮮明に
激震・麻生政権
自民党最大派閥の町村派が揺れている。もともとライバル関係にある町村信孝・前官房長官と中川秀直・元幹事長の両代表世話人の軋轢(あつれき)が、麻生首相との距離を巡る路線論争と重なり、派内を二分する争いに発展する可能性もある。
11日の町村派総会では、町村氏と中川氏の間に緊張した空気が流れた。
たばこ税の増税反対の持論を展開していた町村氏の隣に座っていた中川氏が、突然、「国民の6割がたばこ税を上げろと言っているんだ」といら立ちの声を上げたためだ。
町村氏は、麻生首相を支える姿勢を鮮明にすることで、派内の実力者で首相に近い森、安倍両元首相との連携を深め、派内の基盤を固めようとしている。9日には首相官邸に麻生首相を訪ね、「首相の主張を来年度予算で実現してもらうことが大切だ」と激励した。
森、安倍氏と盛んに接触しており、「町村氏は『ポスト麻生』として次の党総裁選に名乗りを上げるための布石を打っている」との見方すら出ている。
一方の中川氏は9日に「郵政民営化を堅持し推進する集い」、11日には「生活安心保障勉強会」の準備会を開催した。「集い」は出席者63人中25人、準備会は57人中26人が町村派で、派内の中堅、若手に影響力があるところを見せた。
いずれのグループも麻生政権後を見据えた「政界再編の布石」と見られており、首相との関係は芳しくない。関係者によると、経済人が仲介して12日に首相と中川氏との会談が予定されたが、結局、実現しなかった。
かつて側近として支えた森氏との関係は冷え込む一方で、10日に都内で開かれた森氏のパーティーには、町村氏が2年連続で呼ばれたが、昨年呼ばれた中川氏の姿はなかった。
派内の対立が先鋭化することを懸念して安倍元首相が中川氏の勉強会にも参加するなど町村、中川両氏の間を取り持つ役回りを果たそうとしているが、派内には「二極化が分裂につながらなければいいが」と心配する声も多い。
加藤・山崎氏、菅・亀井氏との連携表明 政界再編に向け
自民党の加藤紘一元幹事長、山崎拓前副総裁は14日、民主党の菅直人代表代行、国民新党の亀井静香代表代行とそろってテレビ朝日番組に出演し、次期衆院選後の政界再編に向け、与野党を超えて4人で緊密に連携していく考えを表明した。ただ、衆院選前の自民党離党については「今は考えていない」(加藤氏)と述べた。
加藤氏は、麻生内閣支持率の急落を念頭に「自民党の歴史的使命は終わった」と指摘。自民、社民、さきがけの三党連立政権時代、菅氏とともに政権を支えた経緯を紹介した上で「われわれは話し合えるという思いで共通している」と述べた。基本政策では、対米外交、過剰な規制緩和の見直し、地域問題などで4人の認識はほぼ一致しているとの見方を示した。
山崎氏は、衆院選で自民、民主のいずれの政党が相手の議席を上回っても「政界再編は間違いなく起きる」と言明。さらに「この4人は政界再編の軸になり得る」とした。
日中韓首脳会談 定期対話で「共益」を目指せ(12月14日付・読売社説)
幅広い分野で重層的な日中韓協力を続けることが、安定した未来志向の3か国関係の構築につながるだろう。
麻生首相、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領が福岡県で会談した。
日中韓首脳会談は1999年以降、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の国際会議の際に開かれてきた。独立した形式の開催は今回が初めてで、今後は年1回、定期開催される。日中韓関係は新たな段階に入ったと言える。
会談では、世界的な金融危機対策や北朝鮮の核問題で日中韓が緊密に連携することで一致した。
金融危機に伴う韓国のウォン安対策では、日中韓の外貨スワップ(交換)枠の拡大が決まった。世界とアジアの危機を克服するため、巨額の外貨準備高を持つ日本と中国は重い役割を担う。
北朝鮮は先の6か国協議で、核のサンプル(試料)採取の文書化を拒否した。実効性のある検証の実現には、日米は無論、日中韓も足並みをそろえ、北朝鮮に受け入れを迫ることが肝心だ。
3首脳が署名した共同声明は、日中韓協力の原則として「開放性、透明性、相互の信頼、共益及び多様な文化の尊重」を掲げた。
日中韓の協力には、様々な可能性がある。他のアジア諸国とも協調し、地域全体の平和と繁栄に貢献する視点が重要だ。同時に、3か国が具体的な「共益」を享受できる協力を目指すべきだ。
発表された行動計画には、政治、経済など5分野で、投資、エネルギー、環境、科学技術、青少年交流、観光、アフリカ支援など31項目の協力が盛り込まれた。
それぞれの項目の協力は、既に動き出している。
11月の日中韓保健相会合は、新型インフルエンザに関する情報共有や早期封じ込め策で合意した。次回会合では、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件など「食の安全」も議題とする予定だ。
3か国が共通の課題について連携を深めることは、日中、日韓、中韓の2国間関係にも好影響を与えるだろう。
一方で、隣国の日中韓の間には、歴史認識や領土をめぐる問題が存在しているのも事実だ。
麻生首相は日中首脳会談で、中国の海洋調査船が今月上旬、尖閣諸島付近の日本の領海を侵犯したことに遺憾の意を表明した。
首相の抗議は当然だ。中国は、日中の戦略的互恵関係に障害をもたらすような行動を繰り返してはなるまい。
Tax cuts alone won't dispel anxiety
Although the ruling parties' outline of fiscal 2009 tax system reform includes a series of tax cuts, it will not help dispel public anxiety about the future. This is because no prospect has emerged for the government to find a stable financial source to fund snowballing social security costs.
The tax system reform outline finalized by the Liberal Democratic Party and New Komeito on Friday features an abundance of tax cuts, including the biggest-ever housing loan tax breaks, waived or reduced automobile taxes for eco-friendly vehicles and a lower corporate tax rate for small and medium-sized companies.
Under the outline, if a taxpayer buys a newly built house that is officially designated as being earthquake-resistant and durable enough to qualify as "200-year housing," he or she is entitled to reductions in income and residential taxes worth up to 6 million yen over 10 years. The automobile weight tax and automobile acquisition tax will be waived for hybrid cars. These tax incentives are expected to help invigorate the market.
Set date for sales tax hike
The domestic economy is steadily worsening as consumption slumps and anxiety over employment spreads. It is understandable for the government to put priority on economic pump-priming measures and try to stimulate demand for housing and automobiles, given its large spillover effects on domestic demand.
We must say, however, that in failing to propose specifics on hiking the consumption tax--the other focal point in compiling the tax system reform outline--the ruling parties were overcautious.
The outline calls for transforming the consumption tax into a social security purpose tax by clearly stating that "all revenues from the consumption tax will be used to pay social security benefits--pension, medical and nursing care for elderly people--and [to finance] policy measures to deal with the declining fertility rate."
However, the outline falls short of clarifying the essential point--the timing of the tax raise--and merely states that "the government will establish a sustainable fiscal structure by the mid-2010s." It made no mention about how much the consumption tax rate should be raised.
The government will find it has left things too late in trying to achieve its goal if it waits for the nation's economy to recover before raising the consumption tax. Unless meticulous preparations are made in advance, it will be difficult to raise the consumption tax swiftly.
Prime minister lacks clout
Prime Minister Taro Aso had instructed the ruling parties to clearly state that the consumption tax will be raised in three years' time, and the LDP Research Commission on the Tax System was preparing to do so. But the outline failed to provide a time frame for raising the tax in the face of strong opposition from New Komeito, which was alarmed by the possible ramifications that such a stipulation would have on the outcome of the next House of Representatives election, and other factors.
The ruling parties decided against hiking the tobacco tax, which the prime minister had requested as a means to supplement a shortfall in revenues to cover social security costs for next fiscal year. They failed to secure a stopgap financial source necessary for next fiscal year, let alone find a stable financial source for the future. It is almost unbearable to see the prime minister's leadership waning so much.
Under such circumstances, it is doubtful whether the government will be able to fix the economy in three years, as Aso asserted. Unless the people stop worrying about their livelihood in the future, they will not loosen their purse strings, no matter how loudly the government trumpets tax cuts.
The government and ruling parties plan to shortly compile a "midterm program" that will serve as a road map for sweeping tax reforms to be taken in the medium term, based on the ruling parties' tax system reform outline.
Aso still has a chance to reverse his fortunes in regard to raising the consumption tax. The prime minister should have the government and ruling parties go a step further and clearly draw up a road map for raising the tax.
Although the ruling parties' outline of fiscal 2009 tax system reform includes a series of tax cuts, it will not help dispel public anxiety about the future. This is because no prospect has emerged for the government to find a stable financial source to fund snowballing social security costs.
The tax system reform outline finalized by the Liberal Democratic Party and New Komeito on Friday features an abundance of tax cuts, including the biggest-ever housing loan tax breaks, waived or reduced automobile taxes for eco-friendly vehicles and a lower corporate tax rate for small and medium-sized companies.
Under the outline, if a taxpayer buys a newly built house that is officially designated as being earthquake-resistant and durable enough to qualify as "200-year housing," he or she is entitled to reductions in income and residential taxes worth up to 6 million yen over 10 years. The automobile weight tax and automobile acquisition tax will be waived for hybrid cars. These tax incentives are expected to help invigorate the market.
Set date for sales tax hike
The domestic economy is steadily worsening as consumption slumps and anxiety over employment spreads. It is understandable for the government to put priority on economic pump-priming measures and try to stimulate demand for housing and automobiles, given its large spillover effects on domestic demand.
We must say, however, that in failing to propose specifics on hiking the consumption tax--the other focal point in compiling the tax system reform outline--the ruling parties were overcautious.
The outline calls for transforming the consumption tax into a social security purpose tax by clearly stating that "all revenues from the consumption tax will be used to pay social security benefits--pension, medical and nursing care for elderly people--and [to finance] policy measures to deal with the declining fertility rate."
However, the outline falls short of clarifying the essential point--the timing of the tax raise--and merely states that "the government will establish a sustainable fiscal structure by the mid-2010s." It made no mention about how much the consumption tax rate should be raised.
The government will find it has left things too late in trying to achieve its goal if it waits for the nation's economy to recover before raising the consumption tax. Unless meticulous preparations are made in advance, it will be difficult to raise the consumption tax swiftly.
Prime minister lacks clout
Prime Minister Taro Aso had instructed the ruling parties to clearly state that the consumption tax will be raised in three years' time, and the LDP Research Commission on the Tax System was preparing to do so. But the outline failed to provide a time frame for raising the tax in the face of strong opposition from New Komeito, which was alarmed by the possible ramifications that such a stipulation would have on the outcome of the next House of Representatives election, and other factors.
The ruling parties decided against hiking the tobacco tax, which the prime minister had requested as a means to supplement a shortfall in revenues to cover social security costs for next fiscal year. They failed to secure a stopgap financial source necessary for next fiscal year, let alone find a stable financial source for the future. It is almost unbearable to see the prime minister's leadership waning so much.
Under such circumstances, it is doubtful whether the government will be able to fix the economy in three years, as Aso asserted. Unless the people stop worrying about their livelihood in the future, they will not loosen their purse strings, no matter how loudly the government trumpets tax cuts.
The government and ruling parties plan to shortly compile a "midterm program" that will serve as a road map for sweeping tax reforms to be taken in the medium term, based on the ruling parties' tax system reform outline.
Aso still has a chance to reverse his fortunes in regard to raising the consumption tax. The prime minister should have the government and ruling parties go a step further and clearly draw up a road map for raising the tax.
トヨタ、大型投資先送り 業績悪化、見直し最大規模
トヨタ自動車は世界販売の急減を受け、国内外で大型投資を先送りする。中国やブラジルの工場増強を延期、国内主力工場の投資も先延ばしする。販売不振と円高進行で業績が悪化しており、過去最大規模の投資計画見直しに踏み切る。トヨタが収益改善に向け投資を先送りすることで、部品や素材、設備など幅広い業種に影響が出るのは確実。世界の自動車需要は急落しており、他の自動車メーカーが工場の新増設延期や統廃合に動く可能性も高い。
トヨタはここ数年、世界で工場を新増設し、年間1兆5000億円規模の設備投資を続けてきた。今回の見直しにより、来年度の投資は大きく落ち込む見通し。右肩上がりで生産能力を増強してきたトヨタの経営は大きな転換点を迎える。
インドの携帯利用者、4年後に倍増の6億5千万人に
【ニューデリー=永田和男】インドのシン首相は11日、ニューデリーでの電気通信業界の会合であいさつし、同国の携帯電話利用者が2012年に現在の倍に当たる6億5000万人に達する、との見通しを発表した。
07年後半に販売台数世界一に躍り出たインド携帯電話市場は、金融危機の影響で国内景気全般がしぼむ中でも拡大が続き、インド電気通信規制局によると新規加入者は9、10月の2か月連続で1000万人を突破、10月末現在の加入者総数は3億2500万人。
シン首相は、「農村部の新規加入が毎月300万人を超している点が最近の進歩だ」と指摘した。首相によると、携帯、固定電話を合わせた加入率が、総人口の7割を占める農村部では13%にとどまっており、拡大の余地は大きいという。
任天堂、Xマス“独り占め” Wii、11月米販売が倍増
任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」の11月の米販売台数が前年同月比2倍以上になったことが調査会社NPDグループの集計で分かった。米国のリセッション(景気後退)に苦戦するゲーム業界に明るい話題を提供した格好だ。
NPDの発表文によると、11月の販売台数は204万台。12月を除き、単月の過去最高を記録した。任天堂の米子会社、ニンテンドー・オブ・アメリカ(NOA)のレジー・フィセメ社長が明らかにした。昨年11月は98万1000台だった。
米マイクロソフトによると、同社の家庭用ゲーム機「Xbox360」の11月の米販売台数は83万6000台。NPDによると、ソニーの「プレイステーション3(PS3)」は37万8000台だった。
NPDによると、2007年第4四半期(10~12月期)、Wiiの販売台数は285万台。フィセメ社長によると、昨年は品不足が発生し販売にブレーキがかかったため、08年第4四半期には、米国向け出荷を50%増やしている。
任天堂(日本)の岩田聡社長によれば、増産の効果で感謝祭後の、いわゆる「ブラックフライデー週間」のセールでWiiは80万台弱と、前年比2倍の売り上げを記録した。
また、フィセメ社長によると、11月のゲーム産業の伸び(前年同月比)のうちの71%はWiiなど任天堂のゲーム機やゲームソフトによるものだった。
好調な任天堂と対照的にゲームソフト世界2位の米エレクトロニック・アーツ(EA)は、低調な年末シーズンの売り上げ見通しで、09年度(08年4~09年3月)の利益と売上高の予想を下方修正した。
BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、エドワード・ウィリアムズ氏は「今年の年末商戦は任天堂のためにあるようなもの」と指摘。その他の業界各社は「今年はサンタクロースが来るだろうか?」と不安を感じているという。
PDAの草分け「ザウルス」生産停止、高機能携帯に押され
シャープが、1990年代に大ヒットした携帯情報端末(PDA)「ザウルス」の生産を停止していたことが13日、わかった。
日本のPDAでは草分け的存在だが、パソコン並みの機能を備えた携帯電話「スマートフォン」の登場などで、役割を終えた。在庫がなくなり次第、販売も中止する。修理などのアフターサービスは続ける。
ザウルスは93年発売。液晶画面にタッチパネル方式で文字などを入力できる仕組みをいち早く採用したほか、パソコン通信やカラー液晶など時代を先取りする機能を次々に盛り込み、ビジネスマンらの支持を集めた。
ザウルスの登場後、PDA市場にはソニーやカシオ計算機なども参入。市場は2000年に100万台まで急拡大。しかし、携帯電話の高機能化などの影響から市場が縮小し、シャープも06年3月のモデルを最後に新製品の発売を停止していた。
シャープは現在、携帯電話機の国内市場シェア(占有率)でトップ。担当者は「ザウルスの機能は携帯電話に受け継がれている。ザウルスのブランドを冠した新たな商品を投入することも検討している」と説明している。
世界経済、09年は1%成長に 内閣府、世界同時不況のリスクも
内閣府は13日、2008年下半期(7―12月)の「世界経済の潮流」をまとめた。09年の世界経済について「大きく減速し、実質経済成長率は1%程度にとどまる」と指摘。米欧の景気回復の遅れや中国経済の減速といった下振れのリスクも大きく「世界同時不況に陥る可能性がある」と警鐘を鳴らした。
内閣府は年2回、世界経済に関する報告書を発表している。今回の副題は「世界金融危機と今後の世界経済」。
世界経済は09年の「非常に低い成長」を経て、10年に緩やかに回復するとの見通しを示した。ただ金融危機の長期化による下振れリスクも大きいと指摘。米国では金融機関の貸し渋りや雇用情勢の悪化で景気回復のスピードが遅くなる恐れがあり、その場合には中国の09年の成長率も5―6%程度に減速するとした。
日経金融機関ランキング、ソニー銀が首位 顧客満足度で2年連続
日本経済新聞社が3大都市圏の個人を対象に実施した第5回日経金融機関ランキングは、顧客満足度でインターネット専業のソニー銀行が昨年に続いて首位になった。2位はセブン銀行、3位は新生銀行だった。昨年開業した住信SBIネット銀行やイオン銀行が上位に入るなど、新規参入銀の顧客満足度が比較的高かった。大手ではりそな銀行が8位から5位に浮上。昨年、民営化したゆうちょ銀行は26位にとどまった。
調査は首都圏、近畿圏、中京圏の20―69歳の男女8000人を対象に10月中下旬に実施。主に利用する金融機関の満足度を聞き、4105人から回答を得た。
国の住宅・不動産緊急対策、大型都市開発に出資 民都機構を活用
政府が15日にもまとめる「住宅・不動産市場活性化のための緊急対策」の全容が判明した。大型の都市開発事業を手掛ける業者に対し、総額110億円の支援を実施。国土交通省の外郭団体である民間都市開発推進機構(民都機構)が業者に出資したり、業者が発行する社債を引き受けたりする。住宅ローン減税の拡充や中小不動産業者向け低利融資なども盛り込む。
民都機構の出資や社債引き受けは、国土交通相が認定した都市開発プロジェクトを扱う業者が対象。500億円前後の大規模な事業を扱う業者には、民都機構の「都市再生ファンド」(官民出資)を通じて出資や社債の引き受けに乗り出す。100億円以下の小規模な事業を扱う業者には、民都機構が直接出資する。
米商業不動産大手、借金返済を相次ぎ延期
【ニューヨーク=杉本晶子】米商業用不動産大手は相次いで借入金の返済先延ばしを余儀なくされている。テナントである小売り・外食チェーンの閉店が加速し、資金繰り難に陥っているため。これが商業用不動産ローン担保証券(CMBS)の一段の値下がりを呼ぶ悪循環となっている。
ハワイの「アラモアナ・センター」など有力モールを全米で約200カ所運営する業界2位のゼネラル・グロース・プロパティーズは12月までに、資金繰り難から計約10億ドル(900億円)の借入金の返済延期を金融機関に認めてもらった。年末までに借り換えが必要な資金の手当てにめどがついていないという。
オバマ氏、経済危機終息へ「まず住宅問題を解決」
【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ次期米大統領は13日、週末恒例のインターネットとラジオを通じた演説で、住宅都市開発長官にニューヨーク市の住宅保全開発局長を務めるショーン・ドノバン氏(42)を指名すると発表した。オバマ氏は「経済危機の終息には、まず住宅ローン危機を終わらせねばならない」と指摘。政府一丸となって住宅問題に取り組むと表明した。
オバマ氏は住宅政策について「古いワシントンのやり方を継続することはできない。新しいアイデア、指導力が必要だ」と期待を表明した。ブルームバーグ・ニューヨーク市長のもとでドノバン氏が取り組んだ低・中所得者を対象とする住宅政策の改革の実績を評価し、起用を決めた。
ドノバン氏はクリントン政権では住宅都市開発省の副次官補を務めた。民間企業を経て、2004年3月から現職。
米ビッグ3 支援法案廃案で瀬戸際に(読売社説)
経営危機に陥った米自動車大手3社(ビッグスリー)に対する支援法案が米国議会上院で廃案となり、早期救済の見通しが立たなくなった。
このままでは、特に経営が苦しいゼネラル・モーターズ(GM)が、年末にも資金繰りに行き詰まりかねない。破綻(はたん)を回避できるのか、重大な局面を迎えている。
これを悲観した東京市場では、円相場が13年ぶりに1ドル=88円台に急騰し、株価は急落した。ニューヨーク市場の株価も下落しており、動揺の広がりや、世界経済への悪影響に警戒が必要だ。
上院は11日、前日に可決した下院に続き、ビッグスリーに最大140億ドル(約1兆3000億円)をつなぎ融資する支援法案の採決を目指した。融資の見返りに、抜本的な経営再建策を3社に義務づける内容だった。
しかし、共和党議員らは安易な救済に反対した。民主党指導部は、より厳しい経営改革を求めるなどの法案修正で妥協を図ろうとしたが、協議はまとまらなかった。残念な事態と言えよう。
ビッグスリーの経営再建は、時間との戦いになっている。政府の緊急融資が実現しないと、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11章の適用が現実味を帯びる。
部品など関連産業が多いビッグスリーの経営が行き詰まれば、失業が急増し、個人消費が一段と冷え込むことが懸念される。景気後退入りした米国経済の低迷が長期化するのは確実だろう。
そうした事態を恐れたブッシュ政権が自動車業界への救済を模索し、オバマ次期米大統領も、追加リストラ策などを条件に、政府による支援を支持した。しかし、議会の危機感は薄かったようだ。
賃金の大幅カットを全米自動車労組(UAW)が拒否したことも、法案の修正協議が不調に終わった原因だ。UAWの強硬姿勢は批判されるべきだろう。
次の焦点は、ブッシュ政権が新たな対策を早期にまとめることができるかどうかだ。7000億ドルの公的資金枠を持つ金融安定化法を活用した新支援策が浮上する可能性もあるが、上院などの反発も予想され、展望は不透明だ。
議会は、これで年内の審議を打ち切る公算が大きい。1月に発足するオバマ新政権と、新議会に問題を先送りする構えだろう。
土俵際に追い込まれたGMなどの選択肢は乏しい。説得力あるリストラ策をまとめ議会の理解を改めて求めるのか。それとも破綻への道か。事態は緊迫してきた。
トヨタ自動車は世界販売の急減を受け、国内外で大型投資を先送りする。中国やブラジルの工場増強を延期、国内主力工場の投資も先延ばしする。販売不振と円高進行で業績が悪化しており、過去最大規模の投資計画見直しに踏み切る。トヨタが収益改善に向け投資を先送りすることで、部品や素材、設備など幅広い業種に影響が出るのは確実。世界の自動車需要は急落しており、他の自動車メーカーが工場の新増設延期や統廃合に動く可能性も高い。
トヨタはここ数年、世界で工場を新増設し、年間1兆5000億円規模の設備投資を続けてきた。今回の見直しにより、来年度の投資は大きく落ち込む見通し。右肩上がりで生産能力を増強してきたトヨタの経営は大きな転換点を迎える。
インドの携帯利用者、4年後に倍増の6億5千万人に
【ニューデリー=永田和男】インドのシン首相は11日、ニューデリーでの電気通信業界の会合であいさつし、同国の携帯電話利用者が2012年に現在の倍に当たる6億5000万人に達する、との見通しを発表した。
07年後半に販売台数世界一に躍り出たインド携帯電話市場は、金融危機の影響で国内景気全般がしぼむ中でも拡大が続き、インド電気通信規制局によると新規加入者は9、10月の2か月連続で1000万人を突破、10月末現在の加入者総数は3億2500万人。
シン首相は、「農村部の新規加入が毎月300万人を超している点が最近の進歩だ」と指摘した。首相によると、携帯、固定電話を合わせた加入率が、総人口の7割を占める農村部では13%にとどまっており、拡大の余地は大きいという。
任天堂、Xマス“独り占め” Wii、11月米販売が倍増
任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」の11月の米販売台数が前年同月比2倍以上になったことが調査会社NPDグループの集計で分かった。米国のリセッション(景気後退)に苦戦するゲーム業界に明るい話題を提供した格好だ。
NPDの発表文によると、11月の販売台数は204万台。12月を除き、単月の過去最高を記録した。任天堂の米子会社、ニンテンドー・オブ・アメリカ(NOA)のレジー・フィセメ社長が明らかにした。昨年11月は98万1000台だった。
米マイクロソフトによると、同社の家庭用ゲーム機「Xbox360」の11月の米販売台数は83万6000台。NPDによると、ソニーの「プレイステーション3(PS3)」は37万8000台だった。
NPDによると、2007年第4四半期(10~12月期)、Wiiの販売台数は285万台。フィセメ社長によると、昨年は品不足が発生し販売にブレーキがかかったため、08年第4四半期には、米国向け出荷を50%増やしている。
任天堂(日本)の岩田聡社長によれば、増産の効果で感謝祭後の、いわゆる「ブラックフライデー週間」のセールでWiiは80万台弱と、前年比2倍の売り上げを記録した。
また、フィセメ社長によると、11月のゲーム産業の伸び(前年同月比)のうちの71%はWiiなど任天堂のゲーム機やゲームソフトによるものだった。
好調な任天堂と対照的にゲームソフト世界2位の米エレクトロニック・アーツ(EA)は、低調な年末シーズンの売り上げ見通しで、09年度(08年4~09年3月)の利益と売上高の予想を下方修正した。
BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、エドワード・ウィリアムズ氏は「今年の年末商戦は任天堂のためにあるようなもの」と指摘。その他の業界各社は「今年はサンタクロースが来るだろうか?」と不安を感じているという。
PDAの草分け「ザウルス」生産停止、高機能携帯に押され
シャープが、1990年代に大ヒットした携帯情報端末(PDA)「ザウルス」の生産を停止していたことが13日、わかった。
日本のPDAでは草分け的存在だが、パソコン並みの機能を備えた携帯電話「スマートフォン」の登場などで、役割を終えた。在庫がなくなり次第、販売も中止する。修理などのアフターサービスは続ける。
ザウルスは93年発売。液晶画面にタッチパネル方式で文字などを入力できる仕組みをいち早く採用したほか、パソコン通信やカラー液晶など時代を先取りする機能を次々に盛り込み、ビジネスマンらの支持を集めた。
ザウルスの登場後、PDA市場にはソニーやカシオ計算機なども参入。市場は2000年に100万台まで急拡大。しかし、携帯電話の高機能化などの影響から市場が縮小し、シャープも06年3月のモデルを最後に新製品の発売を停止していた。
シャープは現在、携帯電話機の国内市場シェア(占有率)でトップ。担当者は「ザウルスの機能は携帯電話に受け継がれている。ザウルスのブランドを冠した新たな商品を投入することも検討している」と説明している。
世界経済、09年は1%成長に 内閣府、世界同時不況のリスクも
内閣府は13日、2008年下半期(7―12月)の「世界経済の潮流」をまとめた。09年の世界経済について「大きく減速し、実質経済成長率は1%程度にとどまる」と指摘。米欧の景気回復の遅れや中国経済の減速といった下振れのリスクも大きく「世界同時不況に陥る可能性がある」と警鐘を鳴らした。
内閣府は年2回、世界経済に関する報告書を発表している。今回の副題は「世界金融危機と今後の世界経済」。
世界経済は09年の「非常に低い成長」を経て、10年に緩やかに回復するとの見通しを示した。ただ金融危機の長期化による下振れリスクも大きいと指摘。米国では金融機関の貸し渋りや雇用情勢の悪化で景気回復のスピードが遅くなる恐れがあり、その場合には中国の09年の成長率も5―6%程度に減速するとした。
日経金融機関ランキング、ソニー銀が首位 顧客満足度で2年連続
日本経済新聞社が3大都市圏の個人を対象に実施した第5回日経金融機関ランキングは、顧客満足度でインターネット専業のソニー銀行が昨年に続いて首位になった。2位はセブン銀行、3位は新生銀行だった。昨年開業した住信SBIネット銀行やイオン銀行が上位に入るなど、新規参入銀の顧客満足度が比較的高かった。大手ではりそな銀行が8位から5位に浮上。昨年、民営化したゆうちょ銀行は26位にとどまった。
調査は首都圏、近畿圏、中京圏の20―69歳の男女8000人を対象に10月中下旬に実施。主に利用する金融機関の満足度を聞き、4105人から回答を得た。
国の住宅・不動産緊急対策、大型都市開発に出資 民都機構を活用
政府が15日にもまとめる「住宅・不動産市場活性化のための緊急対策」の全容が判明した。大型の都市開発事業を手掛ける業者に対し、総額110億円の支援を実施。国土交通省の外郭団体である民間都市開発推進機構(民都機構)が業者に出資したり、業者が発行する社債を引き受けたりする。住宅ローン減税の拡充や中小不動産業者向け低利融資なども盛り込む。
民都機構の出資や社債引き受けは、国土交通相が認定した都市開発プロジェクトを扱う業者が対象。500億円前後の大規模な事業を扱う業者には、民都機構の「都市再生ファンド」(官民出資)を通じて出資や社債の引き受けに乗り出す。100億円以下の小規模な事業を扱う業者には、民都機構が直接出資する。
米商業不動産大手、借金返済を相次ぎ延期
【ニューヨーク=杉本晶子】米商業用不動産大手は相次いで借入金の返済先延ばしを余儀なくされている。テナントである小売り・外食チェーンの閉店が加速し、資金繰り難に陥っているため。これが商業用不動産ローン担保証券(CMBS)の一段の値下がりを呼ぶ悪循環となっている。
ハワイの「アラモアナ・センター」など有力モールを全米で約200カ所運営する業界2位のゼネラル・グロース・プロパティーズは12月までに、資金繰り難から計約10億ドル(900億円)の借入金の返済延期を金融機関に認めてもらった。年末までに借り換えが必要な資金の手当てにめどがついていないという。
オバマ氏、経済危機終息へ「まず住宅問題を解決」
【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ次期米大統領は13日、週末恒例のインターネットとラジオを通じた演説で、住宅都市開発長官にニューヨーク市の住宅保全開発局長を務めるショーン・ドノバン氏(42)を指名すると発表した。オバマ氏は「経済危機の終息には、まず住宅ローン危機を終わらせねばならない」と指摘。政府一丸となって住宅問題に取り組むと表明した。
オバマ氏は住宅政策について「古いワシントンのやり方を継続することはできない。新しいアイデア、指導力が必要だ」と期待を表明した。ブルームバーグ・ニューヨーク市長のもとでドノバン氏が取り組んだ低・中所得者を対象とする住宅政策の改革の実績を評価し、起用を決めた。
ドノバン氏はクリントン政権では住宅都市開発省の副次官補を務めた。民間企業を経て、2004年3月から現職。
米ビッグ3 支援法案廃案で瀬戸際に(読売社説)
経営危機に陥った米自動車大手3社(ビッグスリー)に対する支援法案が米国議会上院で廃案となり、早期救済の見通しが立たなくなった。
このままでは、特に経営が苦しいゼネラル・モーターズ(GM)が、年末にも資金繰りに行き詰まりかねない。破綻(はたん)を回避できるのか、重大な局面を迎えている。
これを悲観した東京市場では、円相場が13年ぶりに1ドル=88円台に急騰し、株価は急落した。ニューヨーク市場の株価も下落しており、動揺の広がりや、世界経済への悪影響に警戒が必要だ。
上院は11日、前日に可決した下院に続き、ビッグスリーに最大140億ドル(約1兆3000億円)をつなぎ融資する支援法案の採決を目指した。融資の見返りに、抜本的な経営再建策を3社に義務づける内容だった。
しかし、共和党議員らは安易な救済に反対した。民主党指導部は、より厳しい経営改革を求めるなどの法案修正で妥協を図ろうとしたが、協議はまとまらなかった。残念な事態と言えよう。
ビッグスリーの経営再建は、時間との戦いになっている。政府の緊急融資が実現しないと、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11章の適用が現実味を帯びる。
部品など関連産業が多いビッグスリーの経営が行き詰まれば、失業が急増し、個人消費が一段と冷え込むことが懸念される。景気後退入りした米国経済の低迷が長期化するのは確実だろう。
そうした事態を恐れたブッシュ政権が自動車業界への救済を模索し、オバマ次期米大統領も、追加リストラ策などを条件に、政府による支援を支持した。しかし、議会の危機感は薄かったようだ。
賃金の大幅カットを全米自動車労組(UAW)が拒否したことも、法案の修正協議が不調に終わった原因だ。UAWの強硬姿勢は批判されるべきだろう。
次の焦点は、ブッシュ政権が新たな対策を早期にまとめることができるかどうかだ。7000億ドルの公的資金枠を持つ金融安定化法を活用した新支援策が浮上する可能性もあるが、上院などの反発も予想され、展望は不透明だ。
議会は、これで年内の審議を打ち切る公算が大きい。1月に発足するオバマ新政権と、新議会に問題を先送りする構えだろう。
土俵際に追い込まれたGMなどの選択肢は乏しい。説得力あるリストラ策をまとめ議会の理解を改めて求めるのか。それとも破綻への道か。事態は緊迫してきた。
スク・エニが「ドラクエ9」「10」で描くシナリオ <COLUMN>
スクウェア・エニックスが10日に開催した「ドラゴンクエストIX」の発売日発表の記者会見で、次作の「X」を任天堂の「Wii」向けに開発することが表明された。新作の発売前に次期作のプラットホームを明らかにするという前代未聞のできごとである。話題作りとしては見事なサプライズで、正直「やられた」と感じた。
ドラクエ9の発売のメドがついたタイミングで10の影を見せ、継続的にユーザーの期待を高め、ブランド価値を持続する。また投資家の注目も集めることができる。スク・エニは、ドラクエという強力なブランドを利用して、現行ゲーム機世代におけるゲーム開発と経営の両面で自社の立場を強化する土壌をうまく作ろうとしている。
■競争の先行きが見えてきた現世代ハード
家庭用ゲーム機のハードウエア競争は、世代交代がスタートしてからほぼ3年が経過して将来予測が明快になってきた。「プレイステーション3(PS3)」と「Xbox360」が形成するハイエンドの据置機市場、Wiiが単体で作り上げたローエンドの据置機市場、「ニンテンドーDS」と「プレイステーション・ポータブル(PSP)」による携帯ゲーム機市場の3つのセグメントの共存だ。
どのハードも、前の世代の「プレイステーション2(PS2)」のように圧倒的な独占を達成することなく、それぞれのハードの特性に合った最適なゲームが人気を博すという状況にある。これは、欧米を中心に市場の拡大が続いたために、それらが併存できるだけ市場のキャパシティーが広がったことが大きな要因と私は考えている。
また、ハードごとにユーザーから期待されるゲームの嗜好性も変わりつつある。ハイエンド機が得意な技術で勝負するゲームをWiiで展開してもうまくいかないし、その逆もいえる。
■ドラクエとFFを使い分け
そうした状況のなかで、スク・エニは自社の2大ブランドを使い分けて、今後の変化に対応する戦略に出てきた。
技術志向が強く、海外でも高いブランド力を持つ「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズは、ハイエンド市場の2機種を中心に開発し、世界を前提として戦略を立てる。
一方で、今後もハイエンドな技術を必要とせず、日本国内でブランド力があるドラクエは、WiiとDSをターゲットにするという区分けだ。そこには、「ドラクエというジャンル」を確立しようという意図があるように見える。
スク・エニの和田洋一社長は、10月の東京ゲームショウでの基調講演パネルで、FFはロールプレイングゲーム(RPG)というより「FFというジャンル」と発言している。実際、FF13は同じ世界観を共有する3タイトルの開発が同時に進められ、過去のFFシリーズも独自展開が推し進められている。同じロジックをドラクエに使っても、何一つ不思議ではない。
「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」(DS、06年)は150万本以上のヒットとなり、タイトーのアーケード機用の「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」(07年)もヒットしている。原作者の堀井雄二氏が直接関わっていないドラクエブランドのタイトルは現在も数を増やしており、一つのシリーズを超えたジャンルとしての展開は今後さらに加速すると考えられる。
■ドラクエ10の発売準備はすでに始まっている?
ドラクエは「6」以降、次の新作が発売されるまで、4年あまりの開発期間がかかるのが普通になっている。その法則をそのまま当てはめると、10は2013年発売ということになる。それほど先であれば、このタイミングでWii向け開発を発表するということはあり得ないだろう。
今から5年後といえば、下手をするとWiiの次世代機への移行が始まっている時期だ。つまり、10はすでに具体的な発売日設定が行われ、別チームによる準備が始まっていると考えてよいだろう。
堀井氏は、すべてのシナリオやダンジョンなどを自ら徹底してチェックする丁寧な作り手であることは有名だ。ただ、それが開発期間を遅らせる理由でもあった。10日の会見の中でも「他の人が育ってきていろいろ任せられるようになってきている」と述べている。これは、堀井氏がすべてに関わらなくともよい開発体制に移行しつつあることを意味しているともとれる。
そのためスク・エニは、ドラクエブランドではDSとWii向けの2本柱で、毎年何らかの新作を出す体制を整えてくると予想される。
■海外では弱いドラクエブランド
ただし、ドラクエは日本のローカルなブランドであり、日本人が感じるようなブランド力は海外ではない。それは露骨に販売結果に表れている。
スク・エニの2009年3月期第2四半期決算説明会資料によると、「ドラゴンクエスト4」(DS、07年)の販売は、日本が119万本なのに対して、北米は9万本、欧州は14万本だった。「ドラゴンクエスト ソード」(Wii、07年)も日本の50万本に対して、北米は11万本、欧州は10万本と、海外販売比率が低い。
前作の「ドラゴンクエスト8」(PS2、04年)は、国内で350万本という大成功の後、海外に展開した。海外版は完璧なローカライズが行われ、高い完成度が評価されたが、それでも欧米市場全体で90万本にとどまっている。これはヒットではあるが、大型タイトル相応の大成功にはほど遠い。
FFが世界の各市場で最低100万本の規模であることと比較すると、いかに海外でドラクエブランドが通用しないかがわかる。
8が苦戦した理由は、欧米ではコマンド選択をして戦闘するシステムという一番古典的なRPGの形式を現在も守っており、これがユーザーには古いゲームシステムと評価された点がある。またキャラクターも日本的なデフォルメで、欧米人の好みと異なることも人気を得にくい理由と考えられている。
■ドラクエ9の1000万本販売は可能か?
ただ、逆の考え方もできる。日本で形成した巨大なブランドを海外に展開できていないということは、それだけビジネスチャンスを広げられる可能性があるとも言えるのだ。少なくともゲームの質に関しては、それほど心配がないと思えるため、マーケティング的な仕掛けが成功すれば海外でも大きく化ける可能性はある。
和田社長は、5月の会見でドラクエ9の販売本数について、「1000万本も、ニンテンドーDSではありえない話ではない」と発言し、それが「非現実的な数字ではないか」と波紋を呼んだ。そして、その数字が独り歩きしてしまったために2008年9月の中間決算発表時には、目標販売本数を発表しないというスタンスに切り替えた。
ただ、その意味するところは明確だ。この年末商戦でDSは1億台突破の可能性さえ見せ、しかも世界のそれぞれの市場で販売台数にそれほど大きな差がない。そのうちの10%、つまり日本、北米、欧州で各300万本ずつ販売することができれば、1000万本到達の可能性があるという単純なポテンシャルの問題だ。
■任天堂が支援を約束
最大の敵は、8と変わらない。今年になって欧米のゲームメディアでは、日本のRPGを分類する「JRPG」という言葉が蔑称に近い響きを帯び始めている。日本人が海外ゲームを「洋ゲー」と呼ぶニュアンスと変わらない。欧米でのドラクエのブランド確立はその壁との戦いになるだろう。
10日の会見にサプライズ登場した任天堂の岩田聡社長は、会見で「ドラゴンクエストをより海外で普及させるためにしっかりやっていきたい」と述べており、海外市場でのサポートをその場で約束している。実際、任天堂はJRPGにも関わらず、JRPGと分類されない「ポケモンというジャンル」を持っていて、海外でも成功を収めている。
そのため、ドラクエは、「ポケモン」と同じような存在になれるのかという問いに置き換えることもできる。鍵を握るのは、まだ、全体像が明瞭でない、オンライン対戦機能あたりにありそうだ。
ドラクエ9は今後、国内外で「ドラクエというジャンル」を確立する基盤を作れるかどうかを左右するだけでなく、スク・エニの将来の成長性を決める重要な存在であることは間違いないだろう。
トヨタ、下期は赤字転落
トヨタ自動車が、平成21年3月期の連結業績予想を再度下方修正する方向で調整していることが13日、わかった。下期(10-3月)の営業損益は1000億円規模の赤字に転落する見通し。半期ベースの営業赤字は米国会計基準を導入した11年以降で初めて。金融危機に伴う景気悪化で新車販売台数は世界的に落ち込んでいるほか、1ドル=90円を突破する急激な円高も利益を圧迫する。
トヨタは11月の中間決算発表時に通期の連結業績予想を大幅に下方修正。営業利益は従来予想を1兆円も下回る6000億円(前年同期比73・6%減)となる見通しを示し、市場では「トヨタ・ショック」と呼ばれた。
トヨタの上期の連結営業利益が5820億円。もともと下期の営業利益はわずか180億円にとどまる見通しだったが、これがすべて吹き飛ぶ形だ。
金融危機以降、トヨタが「ドル箱」にしてきた米新車市場の落ち込みが止まらない。これまで競争力の高かった日本車も販売減を余儀なくされており、トヨタの11月の米新車販売台数は前年同月比34%減の13万307台となった。また、中国やロシアなど新興国市場も減速が著しい。
追い打ちをかけたのが急激な円高ドル安。トヨタは下期の想定レートを1ドル=100円とみていたが、実際は90円台前半で推移している。海外販売の多いトヨタは為替感応度も高く、対ドルで1円、円高が進むと営業利益は年間で400億円減少する。仮に年度末までの3カ月間1ドル=90円の円高水準が続けば、それだけで営業利益が1000億円減少する計算だ。
携帯電話の年間純増数、ソフトバンクが初の首位へ
携帯電話の新規契約数から解約数を差し引いた年間純増数で、ソフトバンクモバイルが2008年に初の首位となることがほぼ確実となった。
電気通信事業者協会によると、08年1~11月の純増数はソフトバンクが225万1100件だったのに対し、06~07年と2年連続首位のKDDIは95万9400件で、約130万件差を12月に逆転するのは困難な状況となっている。
ソフトバンクは、月額基本料980円の「ホワイトプラン」などで契約数を伸ばし、7月に発売した米アップル製の新型携帯電話機「iPhone(アイフォーン)・3G」も新規契約増に貢献したという。
浜岡原発2基を廃炉 中部電力が検討
中部電力が耐震強度の向上工事のため長期運転停止中の浜岡原発1号機、2号機(静岡県御前崎市)の廃炉を検討していることが13日、分かった。両機の耐震工事が当初想定の規模を超え、計画通りの2011年度からの運転再開が難しくなる可能性が出てきたためだ。老朽化した原発の廃炉・更新は電力業界での課題となっている。
浜岡原発1、2号機はそれぞれ1976年、78年に運転を開始。配管破断事故などで1号機は01年、2号機は04年から耐震強度を高める長期の点検・工事に入った。炉心を覆う隔壁のシュラウドの交換や国が想定した地震動を上回る1000ガル(加速度の単位)の強度に対応する工事のため、10年度中の作業完了が困難との見通しが出ている。工事費用も数千億円規模に膨らみ、浜岡原発の隣接地に新たな原発を設置した方が経済的との意見も出ていた。
中部電の発電電力量のうち、原発が占める比率は07年度で18%と、業界平均の約3割を大きく下回る。原油など燃料価格の高騰に直面し、コストの安い原発の増設が経営課題となっている。
パソコン値下げ急ピッチ 今秋冬モデル早くも3割安
パソコンが急ピッチで値下がりしている。大手家電量販店では今秋発売の人気モデルが発売開始からわずか2―3カ月で5万円(30%)前後下落。前年の同じ時期に比べ、値下がり幅も1万―2万円拡大している。店頭価格が5万円前後の「超小型パソコン(ウルトラモバイル)」の台頭で、パソコンの価格体系が大きく変動してきた。
値下がりが目立つのがパソコン各社が9月に投入した「秋冬モデル」。東京・秋葉原のヨドバシカメラ マルチメディアAkibaでは人気の富士通のノート型パソコン「FMV―BIBLO NF/B70」が11万9800円と発売時より5万円下がった。
スクウェア・エニックスが10日に開催した「ドラゴンクエストIX」の発売日発表の記者会見で、次作の「X」を任天堂の「Wii」向けに開発することが表明された。新作の発売前に次期作のプラットホームを明らかにするという前代未聞のできごとである。話題作りとしては見事なサプライズで、正直「やられた」と感じた。
ドラクエ9の発売のメドがついたタイミングで10の影を見せ、継続的にユーザーの期待を高め、ブランド価値を持続する。また投資家の注目も集めることができる。スク・エニは、ドラクエという強力なブランドを利用して、現行ゲーム機世代におけるゲーム開発と経営の両面で自社の立場を強化する土壌をうまく作ろうとしている。
■競争の先行きが見えてきた現世代ハード
家庭用ゲーム機のハードウエア競争は、世代交代がスタートしてからほぼ3年が経過して将来予測が明快になってきた。「プレイステーション3(PS3)」と「Xbox360」が形成するハイエンドの据置機市場、Wiiが単体で作り上げたローエンドの据置機市場、「ニンテンドーDS」と「プレイステーション・ポータブル(PSP)」による携帯ゲーム機市場の3つのセグメントの共存だ。
どのハードも、前の世代の「プレイステーション2(PS2)」のように圧倒的な独占を達成することなく、それぞれのハードの特性に合った最適なゲームが人気を博すという状況にある。これは、欧米を中心に市場の拡大が続いたために、それらが併存できるだけ市場のキャパシティーが広がったことが大きな要因と私は考えている。
また、ハードごとにユーザーから期待されるゲームの嗜好性も変わりつつある。ハイエンド機が得意な技術で勝負するゲームをWiiで展開してもうまくいかないし、その逆もいえる。
■ドラクエとFFを使い分け
そうした状況のなかで、スク・エニは自社の2大ブランドを使い分けて、今後の変化に対応する戦略に出てきた。
技術志向が強く、海外でも高いブランド力を持つ「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズは、ハイエンド市場の2機種を中心に開発し、世界を前提として戦略を立てる。
一方で、今後もハイエンドな技術を必要とせず、日本国内でブランド力があるドラクエは、WiiとDSをターゲットにするという区分けだ。そこには、「ドラクエというジャンル」を確立しようという意図があるように見える。
スク・エニの和田洋一社長は、10月の東京ゲームショウでの基調講演パネルで、FFはロールプレイングゲーム(RPG)というより「FFというジャンル」と発言している。実際、FF13は同じ世界観を共有する3タイトルの開発が同時に進められ、過去のFFシリーズも独自展開が推し進められている。同じロジックをドラクエに使っても、何一つ不思議ではない。
「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」(DS、06年)は150万本以上のヒットとなり、タイトーのアーケード機用の「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」(07年)もヒットしている。原作者の堀井雄二氏が直接関わっていないドラクエブランドのタイトルは現在も数を増やしており、一つのシリーズを超えたジャンルとしての展開は今後さらに加速すると考えられる。
■ドラクエ10の発売準備はすでに始まっている?
ドラクエは「6」以降、次の新作が発売されるまで、4年あまりの開発期間がかかるのが普通になっている。その法則をそのまま当てはめると、10は2013年発売ということになる。それほど先であれば、このタイミングでWii向け開発を発表するということはあり得ないだろう。
今から5年後といえば、下手をするとWiiの次世代機への移行が始まっている時期だ。つまり、10はすでに具体的な発売日設定が行われ、別チームによる準備が始まっていると考えてよいだろう。
堀井氏は、すべてのシナリオやダンジョンなどを自ら徹底してチェックする丁寧な作り手であることは有名だ。ただ、それが開発期間を遅らせる理由でもあった。10日の会見の中でも「他の人が育ってきていろいろ任せられるようになってきている」と述べている。これは、堀井氏がすべてに関わらなくともよい開発体制に移行しつつあることを意味しているともとれる。
そのためスク・エニは、ドラクエブランドではDSとWii向けの2本柱で、毎年何らかの新作を出す体制を整えてくると予想される。
■海外では弱いドラクエブランド
ただし、ドラクエは日本のローカルなブランドであり、日本人が感じるようなブランド力は海外ではない。それは露骨に販売結果に表れている。
スク・エニの2009年3月期第2四半期決算説明会資料によると、「ドラゴンクエスト4」(DS、07年)の販売は、日本が119万本なのに対して、北米は9万本、欧州は14万本だった。「ドラゴンクエスト ソード」(Wii、07年)も日本の50万本に対して、北米は11万本、欧州は10万本と、海外販売比率が低い。
前作の「ドラゴンクエスト8」(PS2、04年)は、国内で350万本という大成功の後、海外に展開した。海外版は完璧なローカライズが行われ、高い完成度が評価されたが、それでも欧米市場全体で90万本にとどまっている。これはヒットではあるが、大型タイトル相応の大成功にはほど遠い。
FFが世界の各市場で最低100万本の規模であることと比較すると、いかに海外でドラクエブランドが通用しないかがわかる。
8が苦戦した理由は、欧米ではコマンド選択をして戦闘するシステムという一番古典的なRPGの形式を現在も守っており、これがユーザーには古いゲームシステムと評価された点がある。またキャラクターも日本的なデフォルメで、欧米人の好みと異なることも人気を得にくい理由と考えられている。
■ドラクエ9の1000万本販売は可能か?
ただ、逆の考え方もできる。日本で形成した巨大なブランドを海外に展開できていないということは、それだけビジネスチャンスを広げられる可能性があるとも言えるのだ。少なくともゲームの質に関しては、それほど心配がないと思えるため、マーケティング的な仕掛けが成功すれば海外でも大きく化ける可能性はある。
和田社長は、5月の会見でドラクエ9の販売本数について、「1000万本も、ニンテンドーDSではありえない話ではない」と発言し、それが「非現実的な数字ではないか」と波紋を呼んだ。そして、その数字が独り歩きしてしまったために2008年9月の中間決算発表時には、目標販売本数を発表しないというスタンスに切り替えた。
ただ、その意味するところは明確だ。この年末商戦でDSは1億台突破の可能性さえ見せ、しかも世界のそれぞれの市場で販売台数にそれほど大きな差がない。そのうちの10%、つまり日本、北米、欧州で各300万本ずつ販売することができれば、1000万本到達の可能性があるという単純なポテンシャルの問題だ。
■任天堂が支援を約束
最大の敵は、8と変わらない。今年になって欧米のゲームメディアでは、日本のRPGを分類する「JRPG」という言葉が蔑称に近い響きを帯び始めている。日本人が海外ゲームを「洋ゲー」と呼ぶニュアンスと変わらない。欧米でのドラクエのブランド確立はその壁との戦いになるだろう。
10日の会見にサプライズ登場した任天堂の岩田聡社長は、会見で「ドラゴンクエストをより海外で普及させるためにしっかりやっていきたい」と述べており、海外市場でのサポートをその場で約束している。実際、任天堂はJRPGにも関わらず、JRPGと分類されない「ポケモンというジャンル」を持っていて、海外でも成功を収めている。
そのため、ドラクエは、「ポケモン」と同じような存在になれるのかという問いに置き換えることもできる。鍵を握るのは、まだ、全体像が明瞭でない、オンライン対戦機能あたりにありそうだ。
ドラクエ9は今後、国内外で「ドラクエというジャンル」を確立する基盤を作れるかどうかを左右するだけでなく、スク・エニの将来の成長性を決める重要な存在であることは間違いないだろう。
トヨタ、下期は赤字転落
トヨタ自動車が、平成21年3月期の連結業績予想を再度下方修正する方向で調整していることが13日、わかった。下期(10-3月)の営業損益は1000億円規模の赤字に転落する見通し。半期ベースの営業赤字は米国会計基準を導入した11年以降で初めて。金融危機に伴う景気悪化で新車販売台数は世界的に落ち込んでいるほか、1ドル=90円を突破する急激な円高も利益を圧迫する。
トヨタは11月の中間決算発表時に通期の連結業績予想を大幅に下方修正。営業利益は従来予想を1兆円も下回る6000億円(前年同期比73・6%減)となる見通しを示し、市場では「トヨタ・ショック」と呼ばれた。
トヨタの上期の連結営業利益が5820億円。もともと下期の営業利益はわずか180億円にとどまる見通しだったが、これがすべて吹き飛ぶ形だ。
金融危機以降、トヨタが「ドル箱」にしてきた米新車市場の落ち込みが止まらない。これまで競争力の高かった日本車も販売減を余儀なくされており、トヨタの11月の米新車販売台数は前年同月比34%減の13万307台となった。また、中国やロシアなど新興国市場も減速が著しい。
追い打ちをかけたのが急激な円高ドル安。トヨタは下期の想定レートを1ドル=100円とみていたが、実際は90円台前半で推移している。海外販売の多いトヨタは為替感応度も高く、対ドルで1円、円高が進むと営業利益は年間で400億円減少する。仮に年度末までの3カ月間1ドル=90円の円高水準が続けば、それだけで営業利益が1000億円減少する計算だ。
携帯電話の年間純増数、ソフトバンクが初の首位へ
携帯電話の新規契約数から解約数を差し引いた年間純増数で、ソフトバンクモバイルが2008年に初の首位となることがほぼ確実となった。
電気通信事業者協会によると、08年1~11月の純増数はソフトバンクが225万1100件だったのに対し、06~07年と2年連続首位のKDDIは95万9400件で、約130万件差を12月に逆転するのは困難な状況となっている。
ソフトバンクは、月額基本料980円の「ホワイトプラン」などで契約数を伸ばし、7月に発売した米アップル製の新型携帯電話機「iPhone(アイフォーン)・3G」も新規契約増に貢献したという。
浜岡原発2基を廃炉 中部電力が検討
中部電力が耐震強度の向上工事のため長期運転停止中の浜岡原発1号機、2号機(静岡県御前崎市)の廃炉を検討していることが13日、分かった。両機の耐震工事が当初想定の規模を超え、計画通りの2011年度からの運転再開が難しくなる可能性が出てきたためだ。老朽化した原発の廃炉・更新は電力業界での課題となっている。
浜岡原発1、2号機はそれぞれ1976年、78年に運転を開始。配管破断事故などで1号機は01年、2号機は04年から耐震強度を高める長期の点検・工事に入った。炉心を覆う隔壁のシュラウドの交換や国が想定した地震動を上回る1000ガル(加速度の単位)の強度に対応する工事のため、10年度中の作業完了が困難との見通しが出ている。工事費用も数千億円規模に膨らみ、浜岡原発の隣接地に新たな原発を設置した方が経済的との意見も出ていた。
中部電の発電電力量のうち、原発が占める比率は07年度で18%と、業界平均の約3割を大きく下回る。原油など燃料価格の高騰に直面し、コストの安い原発の増設が経営課題となっている。
パソコン値下げ急ピッチ 今秋冬モデル早くも3割安
パソコンが急ピッチで値下がりしている。大手家電量販店では今秋発売の人気モデルが発売開始からわずか2―3カ月で5万円(30%)前後下落。前年の同じ時期に比べ、値下がり幅も1万―2万円拡大している。店頭価格が5万円前後の「超小型パソコン(ウルトラモバイル)」の台頭で、パソコンの価格体系が大きく変動してきた。
値下がりが目立つのがパソコン各社が9月に投入した「秋冬モデル」。東京・秋葉原のヨドバシカメラ マルチメディアAkibaでは人気の富士通のノート型パソコン「FMV―BIBLO NF/B70」が11万9800円と発売時より5万円下がった。