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三井住友と大和、包括提携へ…証券事業の統合も検討
三井住友フィナンシャルグループと大和証券グループ本社が包括提携へ向けた本格協議に入ることが27日、明らかになった。
三井住友は、米大手金融シティグループ傘下の日興コーディアル証券の買収で優先交渉権を獲得しており、買収と提携が実現すれば大和、日興の2大証券が三井住友と連携した巨大金融グループが誕生する。
三井住友と大和の両社首脳は27日会談し、協議入りで合意。三井住友側は、日興コーデの買収後も、大和との提携強化を図る方針を示し、大和側も基本的に了承した。連休明けにも資本・業務両面での提携の具体的な検討作業を開始する。
当面は資本関係の強化などが課題となり、三井住友の大和への出資比率を現在約2%から引き上げる案などを検討するとみられる。将来的には日興コーデを含め個人向け証券事業を再編統合する案も検討されそうだ。
三井住友は1999年、大和と合弁で法人向け証券の大和証券SBCM(現・大和証券SMBC)を設立し、三井住友が40%、大和が60%それぞれ出資している。ただ、個人向け証券部門での提携関係はなく、他の大手行に比べ見劣りしていた。大和の社内には証券戦略の独自性を維持すべきだとの意見もあり、交渉は曲折も予想される。
豚インフル、警戒水準「4」に引き上げ WHO、感染増の証拠
世界保健機関(WHO)が豚インフルエンザの流行に関し、国際的な警戒態勢をフェーズ(段階)「3」から、「4」に引き上げた。日本政府は事前に定められた「行動計画」と「ガイドライン」に沿って、さまざまなウイルス拡散防止策をとることになる。国民生活に制限を求める項目もあり、影響は甚大だ。
政府の「行動計画」と「ガイドライン」では、「4」段階の行動は、日本国内で感染例が確認されない限り、「海外発生期・第一段階、改訂前の4A)」としての行動が整備されている。これが、日本国内で確認された場合は、「国内発生早期・第2段階、改訂前の4B)」として、さらに厳しい体勢が整備されている。
政府は平成17年から、鳥インフルエンザから由来する新型インフルエンザの発生を想定して、「行動計画」と「ガイドライン」を策定し、改訂を重ねてきた。
「海外発生期・第一段階)」では、政府は全閣僚からなる「新型インフルエンザ対策本部」を設置。「ウイルスの侵入をできるだけ阻止する」「国内発生に備えて体制の整備を行う」の2つを目的にしたさまざまな体制をとる。
厚労省では、「感染が疑われる人と同乗してきた人には、できるだけ自宅にいるように協力を求めたい」としており影響は大きい。
国が、航空会社や船舶会社に、発生地域との行き来の自粛を要請する場合もある。
「予防や蔓延防止」以外には、「ワクチン」の製造に向けた体制が組まれる。具体的には、国内のワクチン製造会社に豚インフルエンザウイルスの株(標本)が入り次第、ワクチン製造をするように要請する。ワクチンができた場合には、医療従事者らに先行的な接種がされる。
国内で感染者が確認された場合には、「国内発生早期・第2段階」として規定されている対策がとられる。その段階では、国民に対し可能なかぎり外出を控えるよう要請するほか、国内発生地域での映画館、遊園地の営業の自粛勧告、不要不急の大規模集会の開催自粛、全国規模で学校の休校措置がとられるなど、社会活動を大きく制限する。
ウイルスが強い感染力を持っていた場合、WHOのフェーズは、次の「5」(かなりの人から人への感染がある)、「6」(パンデミック期)へと数週間で一気に進む可能性もある。
このうち「予防や蔓延(まんえん)防止」を目的にした対策では、検疫体制や密入国対策の強化が図られる。感染者が発生した国の人が日本を訪れる際のビザ(査証)審査の厳格化や発給停止策もとられる。
海外からの旅客機については、着陸できる飛行場は「成田」「関西」「中部」「福岡」に制限される。集中した検疫体制を取るためだ。感染している可能性がある人がいた場合には医療施設に隔離される。その人と行動を共にしていた人も空港そばに国が確保したホテルに10日間程度、停留される。健康に異常がない場合でも、保健所を通じて10日間程度、健康監視がされる。
厚労省、新型インフル発生宣言 官邸連絡室、官邸対策室に格上げ
世界保健機関(WHO)が各地で流行する豚インフルエンザを巡り警戒水準(フェーズ)を「4」に引き上げたことを受け、舛添要一厚生労働相は28日、感染症法に基づく「新型インフルエンザ等感染症」の発生を正式に宣言した。厚労省は今後、国の行動計画に沿って、まん延防止対策を進める方針。
また、政府は同日、首相官邸の官邸連絡室を官邸対策室に格上げした。
米GM、追加リストラ策発表 「ポンティアック」廃止、6工場を閉鎖
【ニューヨーク=小高航】経営再建中の米ゼネラル・モーターズ(GM)は27日、追加リストラ策を発表した。債権者に対して新しい債務削減策を要求するなど、合計440億ドル(約4兆3000億円)以上の負債圧縮を目指す。主要ブランド「ポンティアック」を廃止するほか、追加で6工場を閉鎖する。経営再建の期限が6月1日に迫るなか、政府が求める条件達成へ向けた瀬戸際の再建作業がヤマ場を迎える。
ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)、ヤング最高財務責任者(CFO)らが米デトロイトの本社で発表した。債務削減では米政府からの計154億ドルの融資と全米自動車労組(UAW)が運営する医療保険基金への拠出義務(約200億ドル)のそれぞれ半分以上を株式で返済。さらに270億ドルの無担保債務の債権者に対しては、額面1000ドルの債権をGMの普通株225株と交換する要求を提示。一連の施策で計440億ドル以上の負債を圧縮する。
NECエレ社長「赤字スタートせず」 ルネサスとの統合発表
半導体国内2位のルネサステクノロジと同3位のNECエレクトロニクスは27日、来年4月の経営統合で合意したと正式発表した。余剰生産ラインの削減などリストラを前倒しし、新会社は統合初年度の2010年度から黒字にする考えを明らかにした。公的資金の活用も視野に入れて財務体質を強化。世界的な再編が進む半導体業界で生き残りを目指す。
半導体不況の直撃でNECエレ、ルネサスの09年3月期の最終赤字額は合計で2700億円にのぼる。工場ラインの大幅削減などで10年3月末までに両社合計で2000億円の固定費を圧縮する。従来計画より300億円積み増す。「赤字を抱えたままのスタートにはしない」(NECエレクトロニクス中島俊雄社長)として、新会社は発足初年度から黒字化を目指す。
統合前のルネサスの資本増強策について日立の川村隆社長は「公的資金の活用も選択肢の1つに入っている」と説明。日本政策投資銀行による資本注入を検討する考えを示した。
任天堂、「DS」の用途拡大 学校で自作教材を配信
任天堂は携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の利用方法を広げる。学校で先生がつくった独自の教材をDSに配信し生徒が解答できるようにしたり、博物館で展示物の解説をDSで聞けるようにしたりする。公共施設などが目的に合わせて独自のコンテンツを簡単に作成し、DSに配信できるシステムを新たに開発した。
例えば学校が導入する場合、生徒にあらかじめDSを配布。教員がパソコンからDSに自作の教材を無線で配信すれば、テストなどの解答を教師のパソコンで一覧できるようになる。学校側は必要なソフトをパソコンに組み込んで使う。設備としては無線LAN(構内情報通信網)対応の装置を導入すれば利用できる。
EU、ファンドに認可制 自己資本規制も導入
【ブリュッセル=瀬能繁】金融危機の再発防止をにらんで、欧州連合(EU)が導入するファンド規制案が明らかになった。国際的に検討が進んでいる金融規制の強化策を先取りし、金融当局による認可制や自己資本規制を新たに導入するのが柱となる。EUはファンドの活動が金融危機時の混乱を招いたとみて規制を強めており、過剰な介入を嫌う米国と対立する恐れもある。
EUの執行機関である欧州委員会が29日にファンド規制の指令案(法案)を提示する。欧州議会などの承認を得たうえで2010年に実行する構え。広範囲の規制を通じて金融市場を安定させるのが狙いで、日米の規制づくりにも一定の影響を与えそうだ。
「FX倍率制限の議論は慎重に」 東京金融取引所社長
東京金融取引所の斎藤次郎社長は27日の記者会見で、同取引所が提供している外為証拠金取引(FX)サービスの証拠金倍率について「(高い倍率に対する)投資家の需要はある」と述べた。金融庁はFXの証拠金倍率の上限を20―30倍前後に規制することを検討している。同取引所は米国などの事例を参考に最大100倍に設定しており、証拠金倍率の上限規制には慎重な議論が必要だとの認識を示した。
日経社説 補正予算案、国会は中身の徹底審議を(4/28)
政府は27日、追加経済対策の裏付けとなる2009年度補正予算案を国会に提出した。同時に09年度の政府経済見通しも下方修正した。景気が急速に落ち込むなかで追加対策は必要だが、政府案にはばらまきにつながりかねない歳出もまぎれこんでいる。国会では対策の中身を徹底審議し、必要に応じ与野党が協力して修正すべきだ。
政府・与党は4月10日に財政支出規模15兆4000億円にのぼる「過去最大規模」というふれこみの追加経済対策を決めた。今回の補正予算案の歳出規模は補正予算案としては過去最大の約13兆9000億円、財源調達のため約10兆8000億円の新規国債を増発する。
政府の新年度予算の執行が始まったばかりの4月に補正予算案を提出するのは極めて異例だ。米国の金融危機に端を発した世界同時不況に対応して、各国は追加の財政出動に動いており、迅速に景気対策を実施するのは必要なことだ。
ただ、政府の補正予算案を点検すると気掛かりな点も多い。短時間で規模を大きくするために、景気対策として効果の薄い歳出まで含まれているとみられるからだ。
例えば約1兆円の予算がついた農林漁業分野。農業の集積促進、コメ粉の生産・需要拡大策、林業再生などの項目が並ぶが、農業の構造改革につながる対策になるのかどうかは不透明だ。教育予算でも、教室の耐震化や温暖化対策のための太陽光パネル設置はいいにしても、電子黒板の設置など緊急性や効果に疑問のある歳出も入っている。
就学前3年間の子どもへの手当を今年度に限り第1子にも支給する措置は、景気対策としても少子化対策としても中途半端だ。
補正予算案通りに国債を追加発行すれば、09年度全体での国債新規発行額は約44兆円に達する。歳入のうち、どの程度を税金で賄っているかを示す税収比率は45%と過去最低になる。
限られた財源は、本当に有効な景気対策に使われるのか。国会では補正予算案の審議を通じて、歳出の中身を十分に吟味すべきだ。緊急対応だからといって非効率なばらまきをしても、長い目でみた日本の成長力強化にはつながらない。
政府・与党は、景気対策の早期実施を名目に政府案の早期成立を目指す構えだが、対策の中身をより効果的にするためならば、補正予算案の修正もためらうべきではない。経済危機への緊急対応というならば、与野党が協力すべき時だ。
三井住友フィナンシャルグループと大和証券グループ本社が包括提携へ向けた本格協議に入ることが27日、明らかになった。
三井住友は、米大手金融シティグループ傘下の日興コーディアル証券の買収で優先交渉権を獲得しており、買収と提携が実現すれば大和、日興の2大証券が三井住友と連携した巨大金融グループが誕生する。
三井住友と大和の両社首脳は27日会談し、協議入りで合意。三井住友側は、日興コーデの買収後も、大和との提携強化を図る方針を示し、大和側も基本的に了承した。連休明けにも資本・業務両面での提携の具体的な検討作業を開始する。
当面は資本関係の強化などが課題となり、三井住友の大和への出資比率を現在約2%から引き上げる案などを検討するとみられる。将来的には日興コーデを含め個人向け証券事業を再編統合する案も検討されそうだ。
三井住友は1999年、大和と合弁で法人向け証券の大和証券SBCM(現・大和証券SMBC)を設立し、三井住友が40%、大和が60%それぞれ出資している。ただ、個人向け証券部門での提携関係はなく、他の大手行に比べ見劣りしていた。大和の社内には証券戦略の独自性を維持すべきだとの意見もあり、交渉は曲折も予想される。
豚インフル、警戒水準「4」に引き上げ WHO、感染増の証拠
世界保健機関(WHO)が豚インフルエンザの流行に関し、国際的な警戒態勢をフェーズ(段階)「3」から、「4」に引き上げた。日本政府は事前に定められた「行動計画」と「ガイドライン」に沿って、さまざまなウイルス拡散防止策をとることになる。国民生活に制限を求める項目もあり、影響は甚大だ。
政府の「行動計画」と「ガイドライン」では、「4」段階の行動は、日本国内で感染例が確認されない限り、「海外発生期・第一段階、改訂前の4A)」としての行動が整備されている。これが、日本国内で確認された場合は、「国内発生早期・第2段階、改訂前の4B)」として、さらに厳しい体勢が整備されている。
政府は平成17年から、鳥インフルエンザから由来する新型インフルエンザの発生を想定して、「行動計画」と「ガイドライン」を策定し、改訂を重ねてきた。
「海外発生期・第一段階)」では、政府は全閣僚からなる「新型インフルエンザ対策本部」を設置。「ウイルスの侵入をできるだけ阻止する」「国内発生に備えて体制の整備を行う」の2つを目的にしたさまざまな体制をとる。
厚労省では、「感染が疑われる人と同乗してきた人には、できるだけ自宅にいるように協力を求めたい」としており影響は大きい。
国が、航空会社や船舶会社に、発生地域との行き来の自粛を要請する場合もある。
「予防や蔓延防止」以外には、「ワクチン」の製造に向けた体制が組まれる。具体的には、国内のワクチン製造会社に豚インフルエンザウイルスの株(標本)が入り次第、ワクチン製造をするように要請する。ワクチンができた場合には、医療従事者らに先行的な接種がされる。
国内で感染者が確認された場合には、「国内発生早期・第2段階」として規定されている対策がとられる。その段階では、国民に対し可能なかぎり外出を控えるよう要請するほか、国内発生地域での映画館、遊園地の営業の自粛勧告、不要不急の大規模集会の開催自粛、全国規模で学校の休校措置がとられるなど、社会活動を大きく制限する。
ウイルスが強い感染力を持っていた場合、WHOのフェーズは、次の「5」(かなりの人から人への感染がある)、「6」(パンデミック期)へと数週間で一気に進む可能性もある。
このうち「予防や蔓延(まんえん)防止」を目的にした対策では、検疫体制や密入国対策の強化が図られる。感染者が発生した国の人が日本を訪れる際のビザ(査証)審査の厳格化や発給停止策もとられる。
海外からの旅客機については、着陸できる飛行場は「成田」「関西」「中部」「福岡」に制限される。集中した検疫体制を取るためだ。感染している可能性がある人がいた場合には医療施設に隔離される。その人と行動を共にしていた人も空港そばに国が確保したホテルに10日間程度、停留される。健康に異常がない場合でも、保健所を通じて10日間程度、健康監視がされる。
厚労省、新型インフル発生宣言 官邸連絡室、官邸対策室に格上げ
世界保健機関(WHO)が各地で流行する豚インフルエンザを巡り警戒水準(フェーズ)を「4」に引き上げたことを受け、舛添要一厚生労働相は28日、感染症法に基づく「新型インフルエンザ等感染症」の発生を正式に宣言した。厚労省は今後、国の行動計画に沿って、まん延防止対策を進める方針。
また、政府は同日、首相官邸の官邸連絡室を官邸対策室に格上げした。
米GM、追加リストラ策発表 「ポンティアック」廃止、6工場を閉鎖
【ニューヨーク=小高航】経営再建中の米ゼネラル・モーターズ(GM)は27日、追加リストラ策を発表した。債権者に対して新しい債務削減策を要求するなど、合計440億ドル(約4兆3000億円)以上の負債圧縮を目指す。主要ブランド「ポンティアック」を廃止するほか、追加で6工場を閉鎖する。経営再建の期限が6月1日に迫るなか、政府が求める条件達成へ向けた瀬戸際の再建作業がヤマ場を迎える。
ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)、ヤング最高財務責任者(CFO)らが米デトロイトの本社で発表した。債務削減では米政府からの計154億ドルの融資と全米自動車労組(UAW)が運営する医療保険基金への拠出義務(約200億ドル)のそれぞれ半分以上を株式で返済。さらに270億ドルの無担保債務の債権者に対しては、額面1000ドルの債権をGMの普通株225株と交換する要求を提示。一連の施策で計440億ドル以上の負債を圧縮する。
NECエレ社長「赤字スタートせず」 ルネサスとの統合発表
半導体国内2位のルネサステクノロジと同3位のNECエレクトロニクスは27日、来年4月の経営統合で合意したと正式発表した。余剰生産ラインの削減などリストラを前倒しし、新会社は統合初年度の2010年度から黒字にする考えを明らかにした。公的資金の活用も視野に入れて財務体質を強化。世界的な再編が進む半導体業界で生き残りを目指す。
半導体不況の直撃でNECエレ、ルネサスの09年3月期の最終赤字額は合計で2700億円にのぼる。工場ラインの大幅削減などで10年3月末までに両社合計で2000億円の固定費を圧縮する。従来計画より300億円積み増す。「赤字を抱えたままのスタートにはしない」(NECエレクトロニクス中島俊雄社長)として、新会社は発足初年度から黒字化を目指す。
統合前のルネサスの資本増強策について日立の川村隆社長は「公的資金の活用も選択肢の1つに入っている」と説明。日本政策投資銀行による資本注入を検討する考えを示した。
任天堂、「DS」の用途拡大 学校で自作教材を配信
任天堂は携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の利用方法を広げる。学校で先生がつくった独自の教材をDSに配信し生徒が解答できるようにしたり、博物館で展示物の解説をDSで聞けるようにしたりする。公共施設などが目的に合わせて独自のコンテンツを簡単に作成し、DSに配信できるシステムを新たに開発した。
例えば学校が導入する場合、生徒にあらかじめDSを配布。教員がパソコンからDSに自作の教材を無線で配信すれば、テストなどの解答を教師のパソコンで一覧できるようになる。学校側は必要なソフトをパソコンに組み込んで使う。設備としては無線LAN(構内情報通信網)対応の装置を導入すれば利用できる。
EU、ファンドに認可制 自己資本規制も導入
【ブリュッセル=瀬能繁】金融危機の再発防止をにらんで、欧州連合(EU)が導入するファンド規制案が明らかになった。国際的に検討が進んでいる金融規制の強化策を先取りし、金融当局による認可制や自己資本規制を新たに導入するのが柱となる。EUはファンドの活動が金融危機時の混乱を招いたとみて規制を強めており、過剰な介入を嫌う米国と対立する恐れもある。
EUの執行機関である欧州委員会が29日にファンド規制の指令案(法案)を提示する。欧州議会などの承認を得たうえで2010年に実行する構え。広範囲の規制を通じて金融市場を安定させるのが狙いで、日米の規制づくりにも一定の影響を与えそうだ。
「FX倍率制限の議論は慎重に」 東京金融取引所社長
東京金融取引所の斎藤次郎社長は27日の記者会見で、同取引所が提供している外為証拠金取引(FX)サービスの証拠金倍率について「(高い倍率に対する)投資家の需要はある」と述べた。金融庁はFXの証拠金倍率の上限を20―30倍前後に規制することを検討している。同取引所は米国などの事例を参考に最大100倍に設定しており、証拠金倍率の上限規制には慎重な議論が必要だとの認識を示した。
日経社説 補正予算案、国会は中身の徹底審議を(4/28)
政府は27日、追加経済対策の裏付けとなる2009年度補正予算案を国会に提出した。同時に09年度の政府経済見通しも下方修正した。景気が急速に落ち込むなかで追加対策は必要だが、政府案にはばらまきにつながりかねない歳出もまぎれこんでいる。国会では対策の中身を徹底審議し、必要に応じ与野党が協力して修正すべきだ。
政府・与党は4月10日に財政支出規模15兆4000億円にのぼる「過去最大規模」というふれこみの追加経済対策を決めた。今回の補正予算案の歳出規模は補正予算案としては過去最大の約13兆9000億円、財源調達のため約10兆8000億円の新規国債を増発する。
政府の新年度予算の執行が始まったばかりの4月に補正予算案を提出するのは極めて異例だ。米国の金融危機に端を発した世界同時不況に対応して、各国は追加の財政出動に動いており、迅速に景気対策を実施するのは必要なことだ。
ただ、政府の補正予算案を点検すると気掛かりな点も多い。短時間で規模を大きくするために、景気対策として効果の薄い歳出まで含まれているとみられるからだ。
例えば約1兆円の予算がついた農林漁業分野。農業の集積促進、コメ粉の生産・需要拡大策、林業再生などの項目が並ぶが、農業の構造改革につながる対策になるのかどうかは不透明だ。教育予算でも、教室の耐震化や温暖化対策のための太陽光パネル設置はいいにしても、電子黒板の設置など緊急性や効果に疑問のある歳出も入っている。
就学前3年間の子どもへの手当を今年度に限り第1子にも支給する措置は、景気対策としても少子化対策としても中途半端だ。
補正予算案通りに国債を追加発行すれば、09年度全体での国債新規発行額は約44兆円に達する。歳入のうち、どの程度を税金で賄っているかを示す税収比率は45%と過去最低になる。
限られた財源は、本当に有効な景気対策に使われるのか。国会では補正予算案の審議を通じて、歳出の中身を十分に吟味すべきだ。緊急対応だからといって非効率なばらまきをしても、長い目でみた日本の成長力強化にはつながらない。
政府・与党は、景気対策の早期実施を名目に政府案の早期成立を目指す構えだが、対策の中身をより効果的にするためならば、補正予算案の修正もためらうべきではない。経済危機への緊急対応というならば、与野党が協力すべき時だ。
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日本全体の課題を50代だけで議論してよいのか?(COLUMN)
人材の多様化。この必要性は今までもさんざん語られてきたが、いっこうに実現されない日本の大きな弱点である。閉塞感の漂う日本社会、日本経済において、今こそ大胆に人材多様化を進められないだろうか。
■日本の組織は「下積み」重視
そもそも日本の組織は人材の多様化を嫌う。何十年も「同じ釜の飯」を食って初めてその組織の長となる。何十年も同じ会社に勤めて初めて経営者になれる。
行政機関の事務方のトップになるには、大学卒業時にその道を選ばなければならない。首相や大臣を目指すのならば何回も選挙に勝って国会議員を務めることが必要。専門知識よりも当選回数。判断能力よりも年功。
このような「下積み」重視型のリーダーの利点はある。それは、組織の中の人間の気持ちがわかり、安心感があり、地位継承の混乱を招かない。前任者否定といった悪い意味での脅威もない代わりに、いい意味でのサプライズもない。
誰がリーダーであっても変わらない組織、会社が理想型とされ、リーダーになることは責任よりも恩賞を意味する。日本経済全体が安定成長してきた懐かしい時代のシステムを未だに色濃く残すこれらの仕組み。
■過去のシステムだとわかっているが…
さすがに皆わかっている。もうこのシステムはワークしない。しかし今のリーダー層は、これらの果実を自分のものにするために、頑なに過去のシステムを守ろうとしているかに見える。
この10年のIT革命は、旧世代リーダーたちの指導力を徹底的に暴露してしまった。彼らも自分の若い頃の常識は全く通用しないことはさすがにわかっている。一人1台PCで仕事をすることなんてあり得なかった。パソコンやケータイを使いこなす若い世代の方が、確かに生産性は高そうだ。
新しい仕事のやり方、新しいトレンドもまったく理解できない。なんでこんな商品が売れるのだろう。なんだか複雑そうなことを簡単にやってるなあ。
しかし上役は俺だ。俺の方が偉いんだ。若い頃はずいぶん貢献したもんだ。この会社は誰のおかげでここまできたと思ってるんだ。近頃の若いやつは難しいご託は並べるが、精神修養ができてない。黙って言うこと聞け。いちいち反論するな。
■世代間の断絶と貧富の格差
日本は過去一度もないほどに世代間の断絶と貧富の格差が生まれていると思う。
年金逃げ切り世代の50代は給与が高いにも関わらず失業率は低い。どの会社も新入社員の採用を減らして、高齢社員の雇用を維持しようとするから、定年までは何とか勤め上げられそう。50代以上で、1400兆円にのぼる日本の個人金融資産の80%近く(60代以上で6割)を保持している。日本の繁栄を味わえる最後の世代。
これに対して、30代はロストジェネレーションと呼ばれ、大学卒業時にはすでにバブル崩壊。就職は氷河期。年金は払う額以上に受け取れないこともはっきりしている。
貯蓄からローンなどの借り入れを引くと、平均はマイナス、つまり債務超過。悠々余裕の上司世代の生活は望むべくもなく、管理職になれる年齢もどんどん上がっている。昇給もスロー、昇進も超スロー。
20代はさらにひどい。人件費は50代の3分の1以下で、パソコンもケータイも使いこなせるのに、失業率は何倍も高い。接待交際費とかタクシー券なんて使ったこともないし見たこともない。昔はなんだかすごかったんだなあ。
■ツケはすべて若い世代に
同じ国で、これほどの世代間格差があるのは尋常でないのではないか。極端なことを言えば、最後の日本の繁栄を謳歌している世代の無策が、今の日本をこんなに沈滞させているとも言えるのに、そのツケはすべて若い世代に押しつけられている。
せめてもの救いは、貧しい世代の親に当たるのが余裕世代で、晩婚、同居、大人になってもお小遣い、などという形で、家族内所得移転が日常的に行われていることか。そのせいか、男女ともに若い世代の晩婚化、高齢出産、少子化に歯止めがかからず、日本民族は衰退傾向にある。
■とりあえず自分が生きている間だけ?
余裕世代はまた、新しいものはなかなか受け入れない。ケータイが普通になると子供への規制を訴える。いわゆるリーダー層の方が、未成年には持たせる必要がないという極論を平気でぶつ。
インターネットもあまり使ったことがないから、簡単に大衆薬のネット販売・通信販売を規制しようとしてしまう。なぜネット企業や、100万人以上のユーザーが規制反対の署名をするのか理解できない。強引に自分たちの「良識」を押しつけようとする。
企業のリーダーも同じ。長期の成長戦略よりも今期の利益。会社の将来よりも自分の任期。新しいことよりも過去からの延長線。自分はあまり向いてないとわかっていても前任者と同じくらいは居座るつもり。
経済状況が厳しいことも、このままではダメなこともわかってはいるけど、何をしたらいいのか、何を変えたらいいのかわからないし、まあ、自分の任期中はいいか、と先送り。
とりあえず自分が生きてる間だけ日本が持てばいい、自分が勤めている間だけ会社が持てばいいとでも思っているのだろうか。
■日本全体の課題を特定世代だけで議論するのは危険
もちろん50代のすべての人がそうだとは言わない。こんな無責任な方々はむしろ例外なのだろう。ただ実際にマネジメント層になるまで生き残っている人の中には、出る杭打たれず、誰にも脅威を与えずに昇進してきたというタイプも多いから、苦しんでいる若い世代から見れば無責任と見えるようなおじさんも少なからずいる。
日本の大企業の多くは、50代以上の男性役員がほとんどを占める。政府の諮問委員会やテレビの討論番組も同じ。日本全体の課題を議論するのに、ある年代に過度に集中するのは危険ではないか。
しかもこの10年で環境は激変した。昔の常識は参考になるが絶対ではない。
■偏見のない多角的な議論を
全員変えろとは言わない。せめて半分変えませんか。人生経験が豊富で、大人の判断のできる50代が半分。あとはそれより若い世代、あるいは60代以上のもっと経験のある方々を混ぜて、偏見のない、そして多角的な議論をしませんか。
もちろん同じ組織の中だけで世代をミックスするだけではダメ。2割くらいはほかの組織の経験者を入れませんか。自分の組織の気づかなかった常識、自分の年代にしか効かない通念などが浮き彫りになって、市場により近くなること請け合いです。
無理ですよね。そんなことしたら、自分のポジションがなくなっちゃうかもしれませんよね。国の未来、会社、組織の未来よりも、自分の幸せですよねえ。
半導体大手2社の来春統合 正式発表 国内首位へ、業界再編加速
日立製作所と三菱電機が共同出資する半導体大手ルネサステクノロジと、NEC子会社のNECエレクトロニクスは27日、来年4月1日をめどに事業統合することで合意したと正式に発表した。半導体の売上高で東芝を抜き国内で首位、世界でも第3位の企業が誕生する。
世界同時不況の直撃を受けて半導体の需要は激減しており、統合により国際競争力を強化し生き残りを図る。他社との連携に出遅れた東芝、富士通を軸に今後、半導体業界の再編が加速するのは必至だ。
NECエレは東京証券取引所第1部上場の企業で、両社は統合後も上場を維持する方向で検討している。今年7月末をめどに統合に関する契約を結ぶ予定で、それまでに統合比率を詰める。公的資金を使った政府の一般企業への資本強化の制度活用も検討する見通しだ。
与謝野氏「民需の自律的回復促す」 衆院で財政演説
与謝野馨財務相は27日午後の衆院本会議で財政演説した。政府・与党がとりまとめた15兆円規模の追加経済対策について「経済の下支えに必要な施策や将来の成長力を高める施策を厳選した。果断な実施で、民需の自律的回復を促す」と訴え、対策を裏付ける2009年度補正予算案の早期成立へ理解を求めた。
財務相は経済危機を脱するために必要な政策課題について「外需依存から内需主導による成長へと、経済の体質転換を進める」と強調。同時に「財政政策が成長や雇用の下支えにとって重要であることは国際社会の共通認識だ」とも述べ、一定規模の財政出動を求める米国などと歩調を合わせる考えを示した。
中期的には財政健全化が必要との認識も示した。消費税を含む税制抜本改革への道筋を示す「中期プログラム」の改定を念頭に、「財政規律の維持や持続可能な社会保障構築と、その安定財源確保に向けた取り組みを着実に進める」と説明した。
映画ポスターで喫煙…シャネル締め出し
【パリ=山口昌子】モードの女王、シャネルの半生を描いたフランス映画「ココ・アヴァン・シャネル(シャネル以前のココ)」(アンヌ・フォンテーヌ監督)の宣伝用ポスターが、「たばこ」を理由に地下鉄やバスなどの公共交通機関から締め出され、「行きすぎた規制だ」との議論が起きている。
問題となったのは、ポスターで使われたたばこを指に挟んだ「シャネル」の写真。これが、たばこやアルコールを公共機関で広告することを禁止した1991年発効の「エバン法」に違反するというのだ。「シャネル」の指からたばこを消す案も検討されたが、映画会社側が拒否してポスターは締め出された。
フランスでは以前にも、作家アンドレ・マルローのくわえたばこの肖像を使った切手や、国立図書館の展覧会に展示された哲学者サルトルの写真からたばこが削除され、論議を呼んだ。
フランスでは昨年1月から、レストランやカフェでも全面禁煙措置が取られている。
イラク市街戦ゲーム、コナミが商品化断念
ゲームソフト会社「コナミデジタルエンタテインメント」(東京)は27日、イラク中部・ファルージャで米軍などが行った市街戦の様子を扱ったゲーム作品の商品化を一時検討していたことを明らかにした。同社は「新しいジャンルに取り組もうとしたが、社内外の声などを総合的に判断し、取り扱わないことを決めた」としている。
この作品は「シックス・デイズ・イン・ファルージャ」で、米国のゲーム会社が開発。コナミが商品化の権利取得を検討していた。
今月上旬に米国でコナミの現地法人が来年以降に登場する作品の一つとしてゲーム専門誌対象のイベントで紹介。その後、コナミ側に批判を含む複数の意見が寄せられたという。
ファルージャでは2004年に米軍と武装勢力の大規模な戦闘が起きた。
化粧品業界、新型インフル対策で指針 接客自粛も
化粧品メーカーなどで作る日本化粧品工業連合会は27日、「新型インフルエンザ対策ガイドライン」を策定したと発表した。鳥インフルエンザのほか、メキシコや米国で患者が発生した豚インフルエンザなどが「新型」と認定された場合を想定し、感染拡大を防ぐために営業を自粛するなどの対応方針を定めた。
ガイドラインによると、海外で新型の発生が確認された「第1段階」では、接客などの際にマスクを着け、店頭で顧客に化粧をする「実技」を自粛する。国内で患者が出た「第2段階」では接客活動全体を自粛し、営業も極力控える内容だ。ただ、せっけんなどの必需品を扱う企業もあるため、最終的には各社の判断に委ねるとしている。
人材の多様化。この必要性は今までもさんざん語られてきたが、いっこうに実現されない日本の大きな弱点である。閉塞感の漂う日本社会、日本経済において、今こそ大胆に人材多様化を進められないだろうか。
■日本の組織は「下積み」重視
そもそも日本の組織は人材の多様化を嫌う。何十年も「同じ釜の飯」を食って初めてその組織の長となる。何十年も同じ会社に勤めて初めて経営者になれる。
行政機関の事務方のトップになるには、大学卒業時にその道を選ばなければならない。首相や大臣を目指すのならば何回も選挙に勝って国会議員を務めることが必要。専門知識よりも当選回数。判断能力よりも年功。
このような「下積み」重視型のリーダーの利点はある。それは、組織の中の人間の気持ちがわかり、安心感があり、地位継承の混乱を招かない。前任者否定といった悪い意味での脅威もない代わりに、いい意味でのサプライズもない。
誰がリーダーであっても変わらない組織、会社が理想型とされ、リーダーになることは責任よりも恩賞を意味する。日本経済全体が安定成長してきた懐かしい時代のシステムを未だに色濃く残すこれらの仕組み。
■過去のシステムだとわかっているが…
さすがに皆わかっている。もうこのシステムはワークしない。しかし今のリーダー層は、これらの果実を自分のものにするために、頑なに過去のシステムを守ろうとしているかに見える。
この10年のIT革命は、旧世代リーダーたちの指導力を徹底的に暴露してしまった。彼らも自分の若い頃の常識は全く通用しないことはさすがにわかっている。一人1台PCで仕事をすることなんてあり得なかった。パソコンやケータイを使いこなす若い世代の方が、確かに生産性は高そうだ。
新しい仕事のやり方、新しいトレンドもまったく理解できない。なんでこんな商品が売れるのだろう。なんだか複雑そうなことを簡単にやってるなあ。
しかし上役は俺だ。俺の方が偉いんだ。若い頃はずいぶん貢献したもんだ。この会社は誰のおかげでここまできたと思ってるんだ。近頃の若いやつは難しいご託は並べるが、精神修養ができてない。黙って言うこと聞け。いちいち反論するな。
■世代間の断絶と貧富の格差
日本は過去一度もないほどに世代間の断絶と貧富の格差が生まれていると思う。
年金逃げ切り世代の50代は給与が高いにも関わらず失業率は低い。どの会社も新入社員の採用を減らして、高齢社員の雇用を維持しようとするから、定年までは何とか勤め上げられそう。50代以上で、1400兆円にのぼる日本の個人金融資産の80%近く(60代以上で6割)を保持している。日本の繁栄を味わえる最後の世代。
これに対して、30代はロストジェネレーションと呼ばれ、大学卒業時にはすでにバブル崩壊。就職は氷河期。年金は払う額以上に受け取れないこともはっきりしている。
貯蓄からローンなどの借り入れを引くと、平均はマイナス、つまり債務超過。悠々余裕の上司世代の生活は望むべくもなく、管理職になれる年齢もどんどん上がっている。昇給もスロー、昇進も超スロー。
20代はさらにひどい。人件費は50代の3分の1以下で、パソコンもケータイも使いこなせるのに、失業率は何倍も高い。接待交際費とかタクシー券なんて使ったこともないし見たこともない。昔はなんだかすごかったんだなあ。
■ツケはすべて若い世代に
同じ国で、これほどの世代間格差があるのは尋常でないのではないか。極端なことを言えば、最後の日本の繁栄を謳歌している世代の無策が、今の日本をこんなに沈滞させているとも言えるのに、そのツケはすべて若い世代に押しつけられている。
せめてもの救いは、貧しい世代の親に当たるのが余裕世代で、晩婚、同居、大人になってもお小遣い、などという形で、家族内所得移転が日常的に行われていることか。そのせいか、男女ともに若い世代の晩婚化、高齢出産、少子化に歯止めがかからず、日本民族は衰退傾向にある。
■とりあえず自分が生きている間だけ?
余裕世代はまた、新しいものはなかなか受け入れない。ケータイが普通になると子供への規制を訴える。いわゆるリーダー層の方が、未成年には持たせる必要がないという極論を平気でぶつ。
インターネットもあまり使ったことがないから、簡単に大衆薬のネット販売・通信販売を規制しようとしてしまう。なぜネット企業や、100万人以上のユーザーが規制反対の署名をするのか理解できない。強引に自分たちの「良識」を押しつけようとする。
企業のリーダーも同じ。長期の成長戦略よりも今期の利益。会社の将来よりも自分の任期。新しいことよりも過去からの延長線。自分はあまり向いてないとわかっていても前任者と同じくらいは居座るつもり。
経済状況が厳しいことも、このままではダメなこともわかってはいるけど、何をしたらいいのか、何を変えたらいいのかわからないし、まあ、自分の任期中はいいか、と先送り。
とりあえず自分が生きてる間だけ日本が持てばいい、自分が勤めている間だけ会社が持てばいいとでも思っているのだろうか。
■日本全体の課題を特定世代だけで議論するのは危険
もちろん50代のすべての人がそうだとは言わない。こんな無責任な方々はむしろ例外なのだろう。ただ実際にマネジメント層になるまで生き残っている人の中には、出る杭打たれず、誰にも脅威を与えずに昇進してきたというタイプも多いから、苦しんでいる若い世代から見れば無責任と見えるようなおじさんも少なからずいる。
日本の大企業の多くは、50代以上の男性役員がほとんどを占める。政府の諮問委員会やテレビの討論番組も同じ。日本全体の課題を議論するのに、ある年代に過度に集中するのは危険ではないか。
しかもこの10年で環境は激変した。昔の常識は参考になるが絶対ではない。
■偏見のない多角的な議論を
全員変えろとは言わない。せめて半分変えませんか。人生経験が豊富で、大人の判断のできる50代が半分。あとはそれより若い世代、あるいは60代以上のもっと経験のある方々を混ぜて、偏見のない、そして多角的な議論をしませんか。
もちろん同じ組織の中だけで世代をミックスするだけではダメ。2割くらいはほかの組織の経験者を入れませんか。自分の組織の気づかなかった常識、自分の年代にしか効かない通念などが浮き彫りになって、市場により近くなること請け合いです。
無理ですよね。そんなことしたら、自分のポジションがなくなっちゃうかもしれませんよね。国の未来、会社、組織の未来よりも、自分の幸せですよねえ。
半導体大手2社の来春統合 正式発表 国内首位へ、業界再編加速
日立製作所と三菱電機が共同出資する半導体大手ルネサステクノロジと、NEC子会社のNECエレクトロニクスは27日、来年4月1日をめどに事業統合することで合意したと正式に発表した。半導体の売上高で東芝を抜き国内で首位、世界でも第3位の企業が誕生する。
世界同時不況の直撃を受けて半導体の需要は激減しており、統合により国際競争力を強化し生き残りを図る。他社との連携に出遅れた東芝、富士通を軸に今後、半導体業界の再編が加速するのは必至だ。
NECエレは東京証券取引所第1部上場の企業で、両社は統合後も上場を維持する方向で検討している。今年7月末をめどに統合に関する契約を結ぶ予定で、それまでに統合比率を詰める。公的資金を使った政府の一般企業への資本強化の制度活用も検討する見通しだ。
与謝野氏「民需の自律的回復促す」 衆院で財政演説
与謝野馨財務相は27日午後の衆院本会議で財政演説した。政府・与党がとりまとめた15兆円規模の追加経済対策について「経済の下支えに必要な施策や将来の成長力を高める施策を厳選した。果断な実施で、民需の自律的回復を促す」と訴え、対策を裏付ける2009年度補正予算案の早期成立へ理解を求めた。
財務相は経済危機を脱するために必要な政策課題について「外需依存から内需主導による成長へと、経済の体質転換を進める」と強調。同時に「財政政策が成長や雇用の下支えにとって重要であることは国際社会の共通認識だ」とも述べ、一定規模の財政出動を求める米国などと歩調を合わせる考えを示した。
中期的には財政健全化が必要との認識も示した。消費税を含む税制抜本改革への道筋を示す「中期プログラム」の改定を念頭に、「財政規律の維持や持続可能な社会保障構築と、その安定財源確保に向けた取り組みを着実に進める」と説明した。
映画ポスターで喫煙…シャネル締め出し
【パリ=山口昌子】モードの女王、シャネルの半生を描いたフランス映画「ココ・アヴァン・シャネル(シャネル以前のココ)」(アンヌ・フォンテーヌ監督)の宣伝用ポスターが、「たばこ」を理由に地下鉄やバスなどの公共交通機関から締め出され、「行きすぎた規制だ」との議論が起きている。
問題となったのは、ポスターで使われたたばこを指に挟んだ「シャネル」の写真。これが、たばこやアルコールを公共機関で広告することを禁止した1991年発効の「エバン法」に違反するというのだ。「シャネル」の指からたばこを消す案も検討されたが、映画会社側が拒否してポスターは締め出された。
フランスでは以前にも、作家アンドレ・マルローのくわえたばこの肖像を使った切手や、国立図書館の展覧会に展示された哲学者サルトルの写真からたばこが削除され、論議を呼んだ。
フランスでは昨年1月から、レストランやカフェでも全面禁煙措置が取られている。
イラク市街戦ゲーム、コナミが商品化断念
ゲームソフト会社「コナミデジタルエンタテインメント」(東京)は27日、イラク中部・ファルージャで米軍などが行った市街戦の様子を扱ったゲーム作品の商品化を一時検討していたことを明らかにした。同社は「新しいジャンルに取り組もうとしたが、社内外の声などを総合的に判断し、取り扱わないことを決めた」としている。
この作品は「シックス・デイズ・イン・ファルージャ」で、米国のゲーム会社が開発。コナミが商品化の権利取得を検討していた。
今月上旬に米国でコナミの現地法人が来年以降に登場する作品の一つとしてゲーム専門誌対象のイベントで紹介。その後、コナミ側に批判を含む複数の意見が寄せられたという。
ファルージャでは2004年に米軍と武装勢力の大規模な戦闘が起きた。
化粧品業界、新型インフル対策で指針 接客自粛も
化粧品メーカーなどで作る日本化粧品工業連合会は27日、「新型インフルエンザ対策ガイドライン」を策定したと発表した。鳥インフルエンザのほか、メキシコや米国で患者が発生した豚インフルエンザなどが「新型」と認定された場合を想定し、感染拡大を防ぐために営業を自粛するなどの対応方針を定めた。
ガイドラインによると、海外で新型の発生が確認された「第1段階」では、接客などの際にマスクを着け、店頭で顧客に化粧をする「実技」を自粛する。国内で患者が出た「第2段階」では接客活動全体を自粛し、営業も極力控える内容だ。ただ、せっけんなどの必需品を扱う企業もあるため、最終的には各社の判断に委ねるとしている。
サーバー管理者に閲覧禁止措置要請へ/警視庁、子供の閲覧防止求め
わいせつ画像や未成年との交際を求める書き込みなど、18歳未満の子供に有害な情報がインターネットにあふれていることを受け、警視庁が「ミクシィ」など多数の会員を抱えるサイトやサーバーの管理者に対し、子供が有害情報を閲覧できない措置を取るよう協力要請を検討していることが26日、分かった。インターネット上の有害な情報から子供を守るための「青少年インターネット環境整備法」の施行に伴うもので、週内にも業者など数カ所に要請文を手渡す方針だ。
4月1日に施行された同法では、ウェブサイトやサーバーに有害な情報があった場合、子供が閲覧できないように年齢確認やパスワードを入力させるなどの対策を取ることを「管理者の努力義務」として求めている。「ミクシィ」や「モバゲータウン」などの会員制交流サイト内で会員がコミュニティー(グループ)を作った場合、そのグループの管理をする会員も「管理者」とみなされ、同様の努力義務を負う。
昨年12月の出会い系サイト規制法改正で、異性との交際を目的とする書き込みは「出会い系サイト」とみなされ、届け出や年齢確認などが必要となった。しかし、ミクシィなどの会員制サイトには会員が作った出会いを求めるコミュニティーが多数あり、警視庁少年育成課は2~3月、運営会社6社に削除を要請した。
同課はさらに、こうした有害な情報を発信するサイトの管理者が自主的に子供に閲覧できない措置を取るよう協力要請を検討。ミクシィなど利用者50万人以上のサイト管理者やサーバー管理者に対し、早ければ週内にも要請文を渡す方針。
内閣支持率32%、7ポイント上昇 日経世論調査
日本経済新聞社とテレビ東京が24―26日に共同で実施した世論調査で、麻生内閣の支持率は3月の前回調査から7ポイント上昇し、32%となった。不支持率は8ポイント低下し59%だった。自民党の支持率は前回から3ポイント上昇し36%で、2ポイント低下した民主党を2カ月連続で上回った。政府の追加経済対策の策定や、民主の小沢一郎代表の政治資金問題などが影響したとみられる。
麻生内閣を支持する理由を複数回答で聞くと「自民党の内閣だから」が39%でトップ。次いで「国際感覚がある」が26%、「人柄が信頼できる」が20%で続いた。支持しない理由は「指導力がない」の49%が最も多く、「安定感がない」の48%、「政策が悪い」の42%などが上位だった。
次期衆院選の比例代表の投票先は自民が3ポイント上昇して31%になり、横ばいだった民主と並んだ。昨年12月からの4回の調査では民主が自民を上回っていた。
国民年金納付率、最低に 08年度62%前後 目標の8割弱
2008年度の国民年金保険料の納付率は62%前後と過去最低だった02年度(62.8%)を下回ったもようだ。3年連続の低下で、政府が目標とする80%との乖離(かいり)が広がっている。徴収を担当する社会保険庁が年金記録漏れ問題の対応に追われたほか、雇用情勢の悪化も響いた。国民皆年金をうたう現行の社会保険方式の空洞化が進めば、国民の年金不信につながる可能性もある。
国民年金は20歳以上60歳未満の全員が加入し、低所得者ら保険料を猶予・免除された人を除く全員に保険料を納める義務が発生する。対象者のうち実際に納めた人の比率を示す納付率は公表済みの昨年4月から12月分までで60.9%どまり。週明けに発表する1月分のほか、2―3月分を加えても「過去最低の02年度を下回る」(社保庁幹部)情勢という。
IMF国際通貨委、共同声明を採択…資金調達新たに検討を
【ワシントン=山田滋】国際通貨基金(IMF)の国際通貨金融委員会(IMFC)は25日午後(日本時間26日未明)、IMFの資金基盤の増強や、市場借り入れによる資金調達を新たに検討することなどを盛り込んだ共同声明を採択し、閉幕した。
声明では、焦点となっている各国の出資割り当て額と議決権の見直しに関し、中国などの新興国や途上国の出資比率を引き上げて発言力を高めることに期待を表明。出資比率の見直しを2011年1月までに完了するよう、早急に検討を開始することで一致した。
IMFの資金基盤増強では、日本や欧州などによる約2500億ドルの新たな融資を歓迎し、こうした融資を通じて補完的な資金枠である新規借り入れ取り決め(NAB)を最大5000億ドルに増強することを確認した。
また、銀行の健全性確保や国内貸し出しの回復に向け、各国の協調が重要との認識を示し、保護主義的な政策をとらないことでも合意した。
IMFCでは、日銀の白川方明総裁が演説し、「IMFは国際社会が求める機能強化と改革を実現するため正念場を迎えている」と指摘。資金面だけでなく人的資源の面でも、日本としてIMF改革に積極的に協力する考えを表明した。
原油価格安定へ、先物市場の監視強化…アジア・エネルギー会合
アジア地域の主要産油国と消費国が、エネルギー問題を協議する「アジア・エネルギー産消国閣僚会合」が26日、都内で開かれ、原油価格を安定させるため、原油先物市場への監視強化などを求めることで合意した。
また日本は、産油国との連携強化のため、中東から今後3年間で2000人の研修生を受け入れる。
投機資金による原油価格の乱高下を防ぐため、原油先物市場で取引量制限の導入など、各国の金融当局に規制を求めることで一致した。
油田開発への投資が減って景気回復後に原油の供給が不足しないよう、十分な投資を呼び込む方策を引き続き検討する。原油需要は、アジア地域での増大が見込まれるため、今後約10年間を目安としたアジアのエネルギー需給見通しを作成することでも一致した。
WHO、豚インフルで「緊急事態」 監視強化を各国に要請
【ジュネーブ=藤田剛】世界保健機関(WHO)は25日夜(日本時間26日朝)、メキシコ、米国での豚インフルエンザの人への感染を受けて同日開いた緊急委員会の結果、「最近の状況は国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」との認識で一致したとする声明を発表した。メキシコ政府は25日、感染が原因とみられる死者が81人になったと発表。米でも感染者が21人に増えた。26日にはニュージーランドでもメキシコから帰国した高校生10人に感染の疑いがあることが判明するなど世界各地で疑い例が相次ぎ、他地域への感染拡大の懸念が出てきた。
WHOのチャン事務局長は声明の中で全加盟国にインフルエンザに似た症例への監視を強化するよう要請した。同委員会では新型インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)に備えて6段階に設定されている警戒水準(フェーズ)の引き上げについても協議したが、「さらに詳細な情報が必要」とし、決定を先送りした。
金総書記の三男、国防委に配属か 韓国通信社報道
【ソウル=島谷英明】聯合ニュースは26日、北朝鮮の金正日総書記の三男、正雲(ジョンウン)氏が国防委員会に配属されたことが分かったと報じた。消息筋の話として伝えた。正雲氏には「指導員」の肩書が与えられたが、具体的な業務内容は不明という。
グーグル図書館 活字文化とどう共存するか(4月27日付・読売社説)
電子書籍のデータベース化が日本の出版界に与える影響は、とりあえず最小限に食い止められそうだ。しかし、活字文化の将来に及ぼす影響について考えさせられる。
検索大手のグーグルが進めている世界中の書籍の全文をデータベース化する計画をめぐり、全米作家組合などが著作権侵害を訴えていた裁判で、近く和解が成立することが決まった。
和解の結果、グーグルはデータベースの利用権の販売などが可能となり、著作権者には収入の63%が分配される。
問題は、米国の集団訴訟制度により、和解の効力が訴訟の当事者以外にも及ぶことだ。
著作権に関する国際条約(ベルヌ条約)により、日本人の著作権者も和解拒否の通告をしなければ和解に参加したと見なされる。
和解拒否の通告期限は来月5日に迫っている。ただし、和解に参加した上で、個々の著作物をデータベースから削除出来る。一部に反発もあるが、大半の著作権者は和解に参加すると見られる。
閲覧は米国内に限られる。また絶版になる以前の書籍は、原則として閲覧できない。
当面多大の影響はないと見られるが、絶版の定義や、現在のルールがいつまで維持されるかなど不明の点も多い。
書籍の本文をデジタル化して巨大な「電子図書館」に集積し、ネットを通じて提供するグーグルの事業計画は、出版界に新しいビジネスモデルを提示している。
日本でも普及すれば、読者は希少な本を簡単に閲覧出来るようになるだろう。読者層の広がりは、執筆者にも歓迎されるはずだ。
だが、そのために出版社の経営が先細りになれば、執筆者と編集者の連携を通じて育まれてきた日本の活字文化が変容を迫られる可能性もある。
グーグル型の大規模な電子図書館を構築する構想は、日本国内では打ち出されていない。
国立国会図書館は、著作権が切れた明治、大正時代の書籍を中心に電子化の作業を進めている。
今国会で審議中の改正著作権法案には、国会図書館の資料は著作権者の許可なしに電子化して保存できることが明記された。
資料の損傷を防ぐための措置だが、国会図書館の電子データベースの拡充につながるだろう。
書籍の電子化の時代を迎え、活字文化をいかに育てていくべきなのか。グーグル問題を契機に、さらに議論を深める必要がある。
【産経主張】豚インフル 正しい情報で沈着対応を
「豚インフルエンザ」が人から人へと感染し、メキシコでは1000人以上の患者が出て多くの人が亡くなっている。アメリカの一部の州でも感染者が出た。事態を重く見た世界保健機関(WHO)は設立以来初となる緊急委員会を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと発表した。
それにしても不明な点が多い。本来は人に感染しにくいはずの豚インフルエンザが、なぜ人・人感染まで引き起こしたのか。高齢者や幼児でなく、どうして若い世代に感染者が多く、短期間にかなりの死者が出たのか。ほかの感染症との重複感染があるのか。こうした疑問をひとつひとつ解明していくことが大切である。
豚インフルエンザといっても、個人レベルの対策は冬場のインフルエンザ予防と変わらない。もし国内で流行し始めたら、人込みは避け、帰宅したら手洗いとうがいを忘れないことだ。日ごろの健康維持も、糖尿病などの持病のある人はとくに気を付けたい。罹患(りかん)してもインフルエンザ治療薬のタミフルやリレンザが有効とされ、過度に心配する必要はない。
厚生労働省は「正しい情報に基づいた冷静な対応」を呼びかけているが、まさにその通りだ。
今回の事態については、各国が国際機関や関係国と緊密な連絡を取り合い、正確な情報を共有して適切な対策を早めに打ち、WHOが懸念するパンデミック(世界的大流行)は未然に防がなければならない。
日本も先週末、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置するとともに関係省庁による会議を開いて対策を協議した。厚労省は水際でウイルスの侵入を防ぐために空港での検疫を強化し、メキシコなどからの帰国者を対象に電話相談も開始した。
感染症対策には、こうした素早い、しかもきめの細かな対応が重要だ。航空機など交通機関が発達した現代は、世界のどこかで感染力の強い未知の感染症が発生すると、あっという間に全世界に広がるからである。
今回の豚インフルエンザウイルスが新型インフルエンザにつながるものかどうかについてはWHOが検証を進めているが、日本は新型についても危機管理体制をこれまで積み上げてきた。その成果を十分生かし、感染防止対策に万全を期してほしい。
わいせつ画像や未成年との交際を求める書き込みなど、18歳未満の子供に有害な情報がインターネットにあふれていることを受け、警視庁が「ミクシィ」など多数の会員を抱えるサイトやサーバーの管理者に対し、子供が有害情報を閲覧できない措置を取るよう協力要請を検討していることが26日、分かった。インターネット上の有害な情報から子供を守るための「青少年インターネット環境整備法」の施行に伴うもので、週内にも業者など数カ所に要請文を手渡す方針だ。
4月1日に施行された同法では、ウェブサイトやサーバーに有害な情報があった場合、子供が閲覧できないように年齢確認やパスワードを入力させるなどの対策を取ることを「管理者の努力義務」として求めている。「ミクシィ」や「モバゲータウン」などの会員制交流サイト内で会員がコミュニティー(グループ)を作った場合、そのグループの管理をする会員も「管理者」とみなされ、同様の努力義務を負う。
昨年12月の出会い系サイト規制法改正で、異性との交際を目的とする書き込みは「出会い系サイト」とみなされ、届け出や年齢確認などが必要となった。しかし、ミクシィなどの会員制サイトには会員が作った出会いを求めるコミュニティーが多数あり、警視庁少年育成課は2~3月、運営会社6社に削除を要請した。
同課はさらに、こうした有害な情報を発信するサイトの管理者が自主的に子供に閲覧できない措置を取るよう協力要請を検討。ミクシィなど利用者50万人以上のサイト管理者やサーバー管理者に対し、早ければ週内にも要請文を渡す方針。
内閣支持率32%、7ポイント上昇 日経世論調査
日本経済新聞社とテレビ東京が24―26日に共同で実施した世論調査で、麻生内閣の支持率は3月の前回調査から7ポイント上昇し、32%となった。不支持率は8ポイント低下し59%だった。自民党の支持率は前回から3ポイント上昇し36%で、2ポイント低下した民主党を2カ月連続で上回った。政府の追加経済対策の策定や、民主の小沢一郎代表の政治資金問題などが影響したとみられる。
麻生内閣を支持する理由を複数回答で聞くと「自民党の内閣だから」が39%でトップ。次いで「国際感覚がある」が26%、「人柄が信頼できる」が20%で続いた。支持しない理由は「指導力がない」の49%が最も多く、「安定感がない」の48%、「政策が悪い」の42%などが上位だった。
次期衆院選の比例代表の投票先は自民が3ポイント上昇して31%になり、横ばいだった民主と並んだ。昨年12月からの4回の調査では民主が自民を上回っていた。
国民年金納付率、最低に 08年度62%前後 目標の8割弱
2008年度の国民年金保険料の納付率は62%前後と過去最低だった02年度(62.8%)を下回ったもようだ。3年連続の低下で、政府が目標とする80%との乖離(かいり)が広がっている。徴収を担当する社会保険庁が年金記録漏れ問題の対応に追われたほか、雇用情勢の悪化も響いた。国民皆年金をうたう現行の社会保険方式の空洞化が進めば、国民の年金不信につながる可能性もある。
国民年金は20歳以上60歳未満の全員が加入し、低所得者ら保険料を猶予・免除された人を除く全員に保険料を納める義務が発生する。対象者のうち実際に納めた人の比率を示す納付率は公表済みの昨年4月から12月分までで60.9%どまり。週明けに発表する1月分のほか、2―3月分を加えても「過去最低の02年度を下回る」(社保庁幹部)情勢という。
IMF国際通貨委、共同声明を採択…資金調達新たに検討を
【ワシントン=山田滋】国際通貨基金(IMF)の国際通貨金融委員会(IMFC)は25日午後(日本時間26日未明)、IMFの資金基盤の増強や、市場借り入れによる資金調達を新たに検討することなどを盛り込んだ共同声明を採択し、閉幕した。
声明では、焦点となっている各国の出資割り当て額と議決権の見直しに関し、中国などの新興国や途上国の出資比率を引き上げて発言力を高めることに期待を表明。出資比率の見直しを2011年1月までに完了するよう、早急に検討を開始することで一致した。
IMFの資金基盤増強では、日本や欧州などによる約2500億ドルの新たな融資を歓迎し、こうした融資を通じて補完的な資金枠である新規借り入れ取り決め(NAB)を最大5000億ドルに増強することを確認した。
また、銀行の健全性確保や国内貸し出しの回復に向け、各国の協調が重要との認識を示し、保護主義的な政策をとらないことでも合意した。
IMFCでは、日銀の白川方明総裁が演説し、「IMFは国際社会が求める機能強化と改革を実現するため正念場を迎えている」と指摘。資金面だけでなく人的資源の面でも、日本としてIMF改革に積極的に協力する考えを表明した。
原油価格安定へ、先物市場の監視強化…アジア・エネルギー会合
アジア地域の主要産油国と消費国が、エネルギー問題を協議する「アジア・エネルギー産消国閣僚会合」が26日、都内で開かれ、原油価格を安定させるため、原油先物市場への監視強化などを求めることで合意した。
また日本は、産油国との連携強化のため、中東から今後3年間で2000人の研修生を受け入れる。
投機資金による原油価格の乱高下を防ぐため、原油先物市場で取引量制限の導入など、各国の金融当局に規制を求めることで一致した。
油田開発への投資が減って景気回復後に原油の供給が不足しないよう、十分な投資を呼び込む方策を引き続き検討する。原油需要は、アジア地域での増大が見込まれるため、今後約10年間を目安としたアジアのエネルギー需給見通しを作成することでも一致した。
WHO、豚インフルで「緊急事態」 監視強化を各国に要請
【ジュネーブ=藤田剛】世界保健機関(WHO)は25日夜(日本時間26日朝)、メキシコ、米国での豚インフルエンザの人への感染を受けて同日開いた緊急委員会の結果、「最近の状況は国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」との認識で一致したとする声明を発表した。メキシコ政府は25日、感染が原因とみられる死者が81人になったと発表。米でも感染者が21人に増えた。26日にはニュージーランドでもメキシコから帰国した高校生10人に感染の疑いがあることが判明するなど世界各地で疑い例が相次ぎ、他地域への感染拡大の懸念が出てきた。
WHOのチャン事務局長は声明の中で全加盟国にインフルエンザに似た症例への監視を強化するよう要請した。同委員会では新型インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)に備えて6段階に設定されている警戒水準(フェーズ)の引き上げについても協議したが、「さらに詳細な情報が必要」とし、決定を先送りした。
金総書記の三男、国防委に配属か 韓国通信社報道
【ソウル=島谷英明】聯合ニュースは26日、北朝鮮の金正日総書記の三男、正雲(ジョンウン)氏が国防委員会に配属されたことが分かったと報じた。消息筋の話として伝えた。正雲氏には「指導員」の肩書が与えられたが、具体的な業務内容は不明という。
グーグル図書館 活字文化とどう共存するか(4月27日付・読売社説)
電子書籍のデータベース化が日本の出版界に与える影響は、とりあえず最小限に食い止められそうだ。しかし、活字文化の将来に及ぼす影響について考えさせられる。
検索大手のグーグルが進めている世界中の書籍の全文をデータベース化する計画をめぐり、全米作家組合などが著作権侵害を訴えていた裁判で、近く和解が成立することが決まった。
和解の結果、グーグルはデータベースの利用権の販売などが可能となり、著作権者には収入の63%が分配される。
問題は、米国の集団訴訟制度により、和解の効力が訴訟の当事者以外にも及ぶことだ。
著作権に関する国際条約(ベルヌ条約)により、日本人の著作権者も和解拒否の通告をしなければ和解に参加したと見なされる。
和解拒否の通告期限は来月5日に迫っている。ただし、和解に参加した上で、個々の著作物をデータベースから削除出来る。一部に反発もあるが、大半の著作権者は和解に参加すると見られる。
閲覧は米国内に限られる。また絶版になる以前の書籍は、原則として閲覧できない。
当面多大の影響はないと見られるが、絶版の定義や、現在のルールがいつまで維持されるかなど不明の点も多い。
書籍の本文をデジタル化して巨大な「電子図書館」に集積し、ネットを通じて提供するグーグルの事業計画は、出版界に新しいビジネスモデルを提示している。
日本でも普及すれば、読者は希少な本を簡単に閲覧出来るようになるだろう。読者層の広がりは、執筆者にも歓迎されるはずだ。
だが、そのために出版社の経営が先細りになれば、執筆者と編集者の連携を通じて育まれてきた日本の活字文化が変容を迫られる可能性もある。
グーグル型の大規模な電子図書館を構築する構想は、日本国内では打ち出されていない。
国立国会図書館は、著作権が切れた明治、大正時代の書籍を中心に電子化の作業を進めている。
今国会で審議中の改正著作権法案には、国会図書館の資料は著作権者の許可なしに電子化して保存できることが明記された。
資料の損傷を防ぐための措置だが、国会図書館の電子データベースの拡充につながるだろう。
書籍の電子化の時代を迎え、活字文化をいかに育てていくべきなのか。グーグル問題を契機に、さらに議論を深める必要がある。
【産経主張】豚インフル 正しい情報で沈着対応を
「豚インフルエンザ」が人から人へと感染し、メキシコでは1000人以上の患者が出て多くの人が亡くなっている。アメリカの一部の州でも感染者が出た。事態を重く見た世界保健機関(WHO)は設立以来初となる緊急委員会を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと発表した。
それにしても不明な点が多い。本来は人に感染しにくいはずの豚インフルエンザが、なぜ人・人感染まで引き起こしたのか。高齢者や幼児でなく、どうして若い世代に感染者が多く、短期間にかなりの死者が出たのか。ほかの感染症との重複感染があるのか。こうした疑問をひとつひとつ解明していくことが大切である。
豚インフルエンザといっても、個人レベルの対策は冬場のインフルエンザ予防と変わらない。もし国内で流行し始めたら、人込みは避け、帰宅したら手洗いとうがいを忘れないことだ。日ごろの健康維持も、糖尿病などの持病のある人はとくに気を付けたい。罹患(りかん)してもインフルエンザ治療薬のタミフルやリレンザが有効とされ、過度に心配する必要はない。
厚生労働省は「正しい情報に基づいた冷静な対応」を呼びかけているが、まさにその通りだ。
今回の事態については、各国が国際機関や関係国と緊密な連絡を取り合い、正確な情報を共有して適切な対策を早めに打ち、WHOが懸念するパンデミック(世界的大流行)は未然に防がなければならない。
日本も先週末、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置するとともに関係省庁による会議を開いて対策を協議した。厚労省は水際でウイルスの侵入を防ぐために空港での検疫を強化し、メキシコなどからの帰国者を対象に電話相談も開始した。
感染症対策には、こうした素早い、しかもきめの細かな対応が重要だ。航空機など交通機関が発達した現代は、世界のどこかで感染力の強い未知の感染症が発生すると、あっという間に全世界に広がるからである。
今回の豚インフルエンザウイルスが新型インフルエンザにつながるものかどうかについてはWHOが検証を進めているが、日本は新型についても危機管理体制をこれまで積み上げてきた。その成果を十分生かし、感染防止対策に万全を期してほしい。
Rocky path lies ahead to economic recovery
Is the pace of the global economic downturn really slowing?
"Economic activity should begin to recover later this year," finance ministers and central bankers from the Group of Seven industrial powers said in a joint communique issued after their meeting held Friday in Washington.
This was the first time for G-7 finance chiefs to predict when the global economy will recover since the financial crisis pushed the world into recession last autumn. They apparently found hope in recent data suggesting that the pace of the economic decline has been slowing somewhat.
But the finance chiefs from Japan, Britain, Canada, France, Germany, Italy and the United States also said in the joint statement that the global economy is still filled with "downside risks," warning against overoptimism. All countries need to maintain policy coordination and continue striving to restore economic growth by the end of this year.
Leaders of the Group of 20 economies who met earlier this month in London pledged to take economic measures amounting to a total of 5 trillion dollars (500 trillion yen) with the aim of bringing the world economy back to 2 percent growth by the end of 2010.
Along with this agreement of their leaders, G-7 finance chiefs also confirmed that their governments would continue to take every step possible, including measures to increase public spending and stabilize the global financial system.
===
U.S. banks undercapitalized
Japan has already decided additional economic measures that involve a total of 15 trillion yen in actual fiscal spending to boost its gross domestic product in fiscal 2009. European countries remain cautious about additional public spending programs, but the G-20 countries, in particular China and India, must work together to realize the agreement.
But we are concerned that the future of the global economy is still uncertain. There are no clear signs indicating when the economic crisis will end and the world economy will bottom out.
The International Monetary Fund said Wednesday that the world economy likely will contract 1.3 percent this year, drastically revising downward its earlier forecast for global growth. It also warned that financial institutions around the world will suffer a total of more than 4 trillion dollars in losses in 2009.
The turnaround of the economy in the United States--the epicenter of the latest economic crisis--is particularly slow, impeding the global recovery.
Major banks in the United States reported strong earnings in the January-March quarter, but their bad debts seem to be increasing. The launch of the bad-bank rescue program that will buy up banks' toxic assets with public and private funds has been delayed, too.
The G-7 statement urged the U.S. government to provide undercapitalized banks with public money and help banks accelerate the disposal of their bad assets. Washington needs to act quickly to break the cycle of the financial crisis and the consequent economic downturn.
===
G-7's significance at stake
G-7 finance chiefs also reconfirmed the necessity of tightening the regulation of financial institutions and money markets, which was agreed at the G-20 meeting, but they put off discussing its details. Tighter and more effective regulations need to be set as soon as possible.
The significance of the G-20 countries, which include the G-7 and emerging economies is increasing. Global attention is now focused on how the G-7 industrialized countries can retain their economic clout, given their dwindling influence. The G-7 will see its influence continue to wane if the major economies fail to make visible achievements in overcoming the economic crisis and reviving the global economy.
Is the pace of the global economic downturn really slowing?
"Economic activity should begin to recover later this year," finance ministers and central bankers from the Group of Seven industrial powers said in a joint communique issued after their meeting held Friday in Washington.
This was the first time for G-7 finance chiefs to predict when the global economy will recover since the financial crisis pushed the world into recession last autumn. They apparently found hope in recent data suggesting that the pace of the economic decline has been slowing somewhat.
But the finance chiefs from Japan, Britain, Canada, France, Germany, Italy and the United States also said in the joint statement that the global economy is still filled with "downside risks," warning against overoptimism. All countries need to maintain policy coordination and continue striving to restore economic growth by the end of this year.
Leaders of the Group of 20 economies who met earlier this month in London pledged to take economic measures amounting to a total of 5 trillion dollars (500 trillion yen) with the aim of bringing the world economy back to 2 percent growth by the end of 2010.
Along with this agreement of their leaders, G-7 finance chiefs also confirmed that their governments would continue to take every step possible, including measures to increase public spending and stabilize the global financial system.
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U.S. banks undercapitalized
Japan has already decided additional economic measures that involve a total of 15 trillion yen in actual fiscal spending to boost its gross domestic product in fiscal 2009. European countries remain cautious about additional public spending programs, but the G-20 countries, in particular China and India, must work together to realize the agreement.
But we are concerned that the future of the global economy is still uncertain. There are no clear signs indicating when the economic crisis will end and the world economy will bottom out.
The International Monetary Fund said Wednesday that the world economy likely will contract 1.3 percent this year, drastically revising downward its earlier forecast for global growth. It also warned that financial institutions around the world will suffer a total of more than 4 trillion dollars in losses in 2009.
The turnaround of the economy in the United States--the epicenter of the latest economic crisis--is particularly slow, impeding the global recovery.
Major banks in the United States reported strong earnings in the January-March quarter, but their bad debts seem to be increasing. The launch of the bad-bank rescue program that will buy up banks' toxic assets with public and private funds has been delayed, too.
The G-7 statement urged the U.S. government to provide undercapitalized banks with public money and help banks accelerate the disposal of their bad assets. Washington needs to act quickly to break the cycle of the financial crisis and the consequent economic downturn.
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G-7's significance at stake
G-7 finance chiefs also reconfirmed the necessity of tightening the regulation of financial institutions and money markets, which was agreed at the G-20 meeting, but they put off discussing its details. Tighter and more effective regulations need to be set as soon as possible.
The significance of the G-20 countries, which include the G-7 and emerging economies is increasing. Global attention is now focused on how the G-7 industrialized countries can retain their economic clout, given their dwindling influence. The G-7 will see its influence continue to wane if the major economies fail to make visible achievements in overcoming the economic crisis and reviving the global economy.
出会い系規制でSNSを標的にする「ボタンの掛け違い」(COLUMN1)
4月2日、ミクシィやグリー、モバゲータウンといったSNSサイトを運営する6社に対して警視庁が異例の削除要請を行い、すでにミクシィが300以上のコミュニティーを削除したと報道された。いくつかのコミュニティーでの書き込みが、出会い系サイト規制法に違反する異性の出会いを仲介するものと判断されたとみられる。
関係者によると今回の警視庁からの削除要請は、実際に会う目的だけでなくネット上で交流を求める書き込みまでが削除要請の対象となったという。規制されるべき書き込みの定義について事業者との間で認識に齟齬(そご)があったとされる。
■「健全サイト」にも削除要請
出会い系サイト規制法は以前から、サイト運営事業者がビジネスとして異性間の出会いを仲介している場合に限らず、結果として仲介していれば規制対象になるとの解釈基準が示されてきた。約款で異性と実際に出会うことを禁止している場合でも、書き込みを知りながら放置していると規制対象になる場合があるという。さらに昨年12月施行の改正で届出義務や年齢確認義務が盛り込まれ、出会い系サイトと認定され得るにも関わらず、届け出ていない場合や、厳しい年齢確認を課していない場合は法律違反となった。
今回、削除要請を受けた事業者のいくつかは、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)の認定を受けた「健全サイト」としてフィルタリング対象から除外されており、未成年に対してもサービスを提供している。約300のコミュニティーを削除したと報道されているミクシィはコミュニティー機能の提供を18歳以上に限っているが、実際には虚偽の年齢で多くの未成年が利用していると指摘されていた。未成年にもサービスを提供する「健全サイト」で男女の出会いに関係する書き込みが数多く発見されたことを指して読売新聞は「健全サイト、実は不健全」と批判している。
事業者としては自社のサービスが出会い系サイトとみなされ、未成年の利用が禁止されて厳しい本人確認義務を課されると大きな痛手となる。そのため警視庁からの削除依頼を受けて、約款違反のコミュニティーを削除するなど対応に迫られたのだろう。
■買春の舞台は出会い系サイト「以外」へ
警察がSNS等のコミュニティーサイトに対する監視の目を強める背景として、児童買春の舞台がいわゆる出会い系サイトからSNSや「プロフ」など「出会い系サイト以外」に移りつつある状況がある。
青少年インターネット利用環境整備法が4月1日から施行され、保護者が解除しない限りは18歳未満の児童の携帯電話にはフィルタリングがかけられる。しかしトラブルが起きているサイトのなかには、EMAから健全サイトと認定されてフィルタリングの対象外となっているサイトも含まれる。出会いを求める書き込みの削除が昨年末から段階的に行われたにも関わらず、青少年インターネット利用環境整備法の施行に合わせたかのように、削除要請の件が派手に報じられたのには違和感が残る。
■ソーシャルメディア全てが「出会い系」?
携帯電話を使った児童買春の被害を防ぐことが重要であることはいうまでもないが、現行の出会い系サイト規制法が対象とするサイトの定義はあまりに広い。この基準を杓子定規に当てはめると、「ミニブログ」のTwitterやSNSのFacebook、ネットワークゲームなど、ここ数年で急速に発展したソーシャルメディアのほとんどが「出会い系サイト」に該当してしまう。確かにこれらのサイトを通じて出会った男女は少なからずいるだろうが、全てに届出義務や年齢確認義務を課す必要があるのだろうか。
出会い系サイト規制法違反と判断される情報の範囲に法律上の定義はなく、いまのところ違法情報にも有害情報にも当たらないため、利用者による出会いを求める書き込みについて通報を受けたとしても事業者は対応が難しい。この法律には域外規定がなく、国外にサーバーを置く海外の事業者は規制の対象とならない。
いまのところ児童買春の舞台が国内事業者に集中しているのは、被害にあった児童の9割超が携帯電話からサイトにアクセスしており、海外サービスの多くが日本の携帯電話に対応していないからだと考えられる。しかし携帯電話のプラットフォーム共通化が進めば、日本の携帯電話から海外のサイトにアクセスするのが容易になるという別の問題も予想される。
今後はゲームやコミュニティーサイトだけでなく、テレビや音楽プレーヤーといった家電でも利用者間インタラクションが重要となる。クラウド・コンピューティングなどのサービスが充実したことで、サーバーを海外に置くことの敷居は非常に低くなった。利用者が海外のサービスに流出し、事業者も海外を拠点にすれば法執行が難しくなることも考えられる。日本国内の事業者だけを曖昧な法律で厳しく締め付けても、長期的には日本の国際競争力を削ぐだけということになりかねない。
■大人同士への規制は行き過ぎ
最初のボタンの掛け違いは「出会い系サイト」の隠語である「出会い」を杓子定規に捉え、性的関係を必ずしも目的としないネット上での出会いまで幅広く網をかけてしまった点にある。児童買春の被害を防ぐことは重要だし、トラブルが絶えないとされるサイトが健全を標榜し、フィルタリングの対象から外されていることには、子を持つ親として違和感もあるが、コミュニティーを通じた大人同士の人脈形成まで一律に規制する対応は行き過ぎではないか。出会い系サイト規制法で取り締まるのは、手っ取り早い性的関係を目的とした出会いを仲介するサイトの運営者に限定すべきだろう。
■過剰な削除要請は表現の自由を危うくする
そういった意味で今回の警視庁による削除要請は例外的な動きだが、悪用する書き込みを行った人物を摘発していない点で抜本的な解決になっていない。そもそも警察が違法でも有害でもない情報について事業者に対して削除要請を行い、数多くの出会いやオフ会を目的とするコミュニティーを削除させたとすれば「表現の自由」「結社の自由」「集会の自由」等を保障する憲法に違反する疑義もある。
出会いを求める書き込みを放置することが出会い系サイト規制法違反に当たることを警察から事業者に警告し、事業者が約款違反を理由に自主的に書き込みを削除したとすれば法的体裁は整う。だが、新聞各社は警視庁が各事業者に対して書き込みの削除要請を行ったと報じている。それが事実だとすれば、表現の自由を重んじる報道機関が、警視庁からサイト運営者への削除要請を無批判に報じていることも理解に苦しむところだ。
児童の犯罪被害を防ぐには、ネットを悪用した児童誘引などの手口を法律で禁じ、児童を標的とする犯罪者を取り締まるべきだ。例えば児童買春を防止するのであれば、出会い系サイトに限らず、面識のない未成年を誘引する書き込み、児童買春を誘引する書き込み、ペアレンタルコントロールを回避するために虚偽年齢でサイトに登録する行為を法律で禁止し、発信者情報開示のための手続き簡素化など摘発強化へ向けた枠組みを考えてはどうか。
サイト運営者の対応すべき範囲が明確となり、現場も運用で対応できれば、迅速に犯罪を誘引する書き込みを削除して発信者を通報、摘発に結び付けられる可能性がある。問題視すべきネットの悪用を定義しないまま、サイト運営者に対する締め付けばかり強めても、善意の利用者が窮屈な思いをするばかりで問題は解決しない。
世界的ケインズ政策 成否の鍵は日本に(COLUMN2)
≪IMF「実験」の狙い≫
国際通貨基金(IMF、本部ワシントン)はケインズ政策を史上初めて世界規模で実験しようとしている。失敗すれば世界は経済の羅針盤を失い、漂流しかねない。IMFは先週、2009年の世界経済の実質成長率見通しをマイナス1・3%と発表した。執拗(しつよう)に経済見通しの下方修正を重ね、「今年後半からの景気底打ち」など一部で出始めていた楽観ムードに冷水を浴びせた。狙いはケインズ理論に基づく各国の大規模な財政出動で、2010年も継続を勧告する。
戦後の国際通貨金融体制の要であるIMFは発足以来、ときの米政権の強い影響下に置かれてきた。1997年のアジア通貨危機で、IMFは緊急支援と引き換えにアジア各国に緊縮財政を強要した。当時のクリントン政権でウォール街の利害を代表するR・ルービン財務長官はIMFを通じて、財政支出拡大で不況脱出を試みるタイ、インドネシア、韓国などアジア各国政府を押さえ込んだ。
財政重視は英国のJ・M・ケインズ卿の、市場重視は米国のM・フリードマン教授の理論に基づいている。米国は80年代のレーガン政権がそれまでの主流だったケインズ主義を「大きな政府」として葬った。以来、歴代政権は市場機能にまかせる「小さな政府」路線をとってきた。野放図な金融商品の粗製乱造が作り出した天文学的な規模のバブルと、その崩壊により引き起こされた未曾有の金融危機は市場原理主義のなれの果てだった。危機勃発(ぼっぱつ)後でも、レーガン路線を踏襲するブッシュ前政権は市場優先主義の立場に立ち、思い切った財政出動をためらった。
≪大転換のかじ切った米政権≫
1月に発足したオバマ政権の内外には、ケインズ主義者がひしめいている。主役がL・サマーズ国家経済会議議長であり、政権は一挙に大転換のかじを切った。財政赤字を省みない、政府主導による景気刺激策である。IMFは手のひらを返して、さっさとケインズ主義に転換した。
IMFの姉妹機関である世界銀行も同調し、R・ゼーリック総裁は先のロンドンでの主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)前夜の講演で、「ケインズは市場経済を救おうとした」と称賛した。
1930年代の大恐慌期に生まれたケインズ理論が今でも役立つだろうか。ケインズ自身、「大きな規模で試されたことがない政策が有効だと証明するのは極めて難しい」と吐露している。
ケインズは一国単位での財政出動の限界を見抜いていた。その「一般理論」では「すべての国が一丸となった」財政出動の必要性を説いている。そんな機会はないまま、ケインズ主義は米国など主要国でお蔵入りしていた。そして今、世界各地でほこりが払われた。
成否の鍵は米国に次ぐ経済規模の日本にある。IMF見通しでは、2009年の日本の実質成長率はマイナス6・2%と先進国中最悪だ。日本は1990年代のバブル崩壊不況時に公共投資を中心にした財政支出で内需拡大を図った。成果は不明なままだが、膨張した政府の累積債務が残された。結局、円安に後押しされた外需主導に逆戻りしてやっと不況から脱けたが、ケインズが失業増加の主因と断じたデフレはもう10年も放置され、社会を疲弊させている。
≪官僚主導方式の限界≫
麻生太郎内閣はロンドン・サミット合意に沿って、総事業規模で56・8兆円、財政支出15・4兆円という戦後最大の財政対策を打ち出した。デフレ脱出の道筋には触れず、「一つひとつの政策を積み上げていった」(麻生首相)。各省庁から出された対策を寄せ集める官僚主導方式を膨らませた。にぎわうのはお役所仕事、太るのは官僚だ。
恐るべきことに、これから追加発行する約16兆円の国債を消化するゆとりに乏しい。高齢化社会の日本の家計貯蓄率は急落し、慢性赤字の米国に逆転される情勢だ。貯蓄こそは赤字国債の吸収源なのだが、年間で6兆円と10年前の6分の1にすぎない。このままでは、長期金利が急上昇し、住宅ローン金利が跳ね上がる。少々の規模で相続税を減免して住宅需要を刺激しても、幅広い層がマイホームの夢をあきらめる羽目になる。デフレ不況に拍車がかかる。小手先の対策に終始する官僚主導の限界だ。
このままでは世界最後の希望として無理やり蘇生(そせい)させられたケインズは日本で野垂れ死にするだろう。
4月2日、ミクシィやグリー、モバゲータウンといったSNSサイトを運営する6社に対して警視庁が異例の削除要請を行い、すでにミクシィが300以上のコミュニティーを削除したと報道された。いくつかのコミュニティーでの書き込みが、出会い系サイト規制法に違反する異性の出会いを仲介するものと判断されたとみられる。
関係者によると今回の警視庁からの削除要請は、実際に会う目的だけでなくネット上で交流を求める書き込みまでが削除要請の対象となったという。規制されるべき書き込みの定義について事業者との間で認識に齟齬(そご)があったとされる。
■「健全サイト」にも削除要請
出会い系サイト規制法は以前から、サイト運営事業者がビジネスとして異性間の出会いを仲介している場合に限らず、結果として仲介していれば規制対象になるとの解釈基準が示されてきた。約款で異性と実際に出会うことを禁止している場合でも、書き込みを知りながら放置していると規制対象になる場合があるという。さらに昨年12月施行の改正で届出義務や年齢確認義務が盛り込まれ、出会い系サイトと認定され得るにも関わらず、届け出ていない場合や、厳しい年齢確認を課していない場合は法律違反となった。
今回、削除要請を受けた事業者のいくつかは、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)の認定を受けた「健全サイト」としてフィルタリング対象から除外されており、未成年に対してもサービスを提供している。約300のコミュニティーを削除したと報道されているミクシィはコミュニティー機能の提供を18歳以上に限っているが、実際には虚偽の年齢で多くの未成年が利用していると指摘されていた。未成年にもサービスを提供する「健全サイト」で男女の出会いに関係する書き込みが数多く発見されたことを指して読売新聞は「健全サイト、実は不健全」と批判している。
事業者としては自社のサービスが出会い系サイトとみなされ、未成年の利用が禁止されて厳しい本人確認義務を課されると大きな痛手となる。そのため警視庁からの削除依頼を受けて、約款違反のコミュニティーを削除するなど対応に迫られたのだろう。
■買春の舞台は出会い系サイト「以外」へ
警察がSNS等のコミュニティーサイトに対する監視の目を強める背景として、児童買春の舞台がいわゆる出会い系サイトからSNSや「プロフ」など「出会い系サイト以外」に移りつつある状況がある。
青少年インターネット利用環境整備法が4月1日から施行され、保護者が解除しない限りは18歳未満の児童の携帯電話にはフィルタリングがかけられる。しかしトラブルが起きているサイトのなかには、EMAから健全サイトと認定されてフィルタリングの対象外となっているサイトも含まれる。出会いを求める書き込みの削除が昨年末から段階的に行われたにも関わらず、青少年インターネット利用環境整備法の施行に合わせたかのように、削除要請の件が派手に報じられたのには違和感が残る。
■ソーシャルメディア全てが「出会い系」?
携帯電話を使った児童買春の被害を防ぐことが重要であることはいうまでもないが、現行の出会い系サイト規制法が対象とするサイトの定義はあまりに広い。この基準を杓子定規に当てはめると、「ミニブログ」のTwitterやSNSのFacebook、ネットワークゲームなど、ここ数年で急速に発展したソーシャルメディアのほとんどが「出会い系サイト」に該当してしまう。確かにこれらのサイトを通じて出会った男女は少なからずいるだろうが、全てに届出義務や年齢確認義務を課す必要があるのだろうか。
出会い系サイト規制法違反と判断される情報の範囲に法律上の定義はなく、いまのところ違法情報にも有害情報にも当たらないため、利用者による出会いを求める書き込みについて通報を受けたとしても事業者は対応が難しい。この法律には域外規定がなく、国外にサーバーを置く海外の事業者は規制の対象とならない。
いまのところ児童買春の舞台が国内事業者に集中しているのは、被害にあった児童の9割超が携帯電話からサイトにアクセスしており、海外サービスの多くが日本の携帯電話に対応していないからだと考えられる。しかし携帯電話のプラットフォーム共通化が進めば、日本の携帯電話から海外のサイトにアクセスするのが容易になるという別の問題も予想される。
今後はゲームやコミュニティーサイトだけでなく、テレビや音楽プレーヤーといった家電でも利用者間インタラクションが重要となる。クラウド・コンピューティングなどのサービスが充実したことで、サーバーを海外に置くことの敷居は非常に低くなった。利用者が海外のサービスに流出し、事業者も海外を拠点にすれば法執行が難しくなることも考えられる。日本国内の事業者だけを曖昧な法律で厳しく締め付けても、長期的には日本の国際競争力を削ぐだけということになりかねない。
■大人同士への規制は行き過ぎ
最初のボタンの掛け違いは「出会い系サイト」の隠語である「出会い」を杓子定規に捉え、性的関係を必ずしも目的としないネット上での出会いまで幅広く網をかけてしまった点にある。児童買春の被害を防ぐことは重要だし、トラブルが絶えないとされるサイトが健全を標榜し、フィルタリングの対象から外されていることには、子を持つ親として違和感もあるが、コミュニティーを通じた大人同士の人脈形成まで一律に規制する対応は行き過ぎではないか。出会い系サイト規制法で取り締まるのは、手っ取り早い性的関係を目的とした出会いを仲介するサイトの運営者に限定すべきだろう。
■過剰な削除要請は表現の自由を危うくする
そういった意味で今回の警視庁による削除要請は例外的な動きだが、悪用する書き込みを行った人物を摘発していない点で抜本的な解決になっていない。そもそも警察が違法でも有害でもない情報について事業者に対して削除要請を行い、数多くの出会いやオフ会を目的とするコミュニティーを削除させたとすれば「表現の自由」「結社の自由」「集会の自由」等を保障する憲法に違反する疑義もある。
出会いを求める書き込みを放置することが出会い系サイト規制法違反に当たることを警察から事業者に警告し、事業者が約款違反を理由に自主的に書き込みを削除したとすれば法的体裁は整う。だが、新聞各社は警視庁が各事業者に対して書き込みの削除要請を行ったと報じている。それが事実だとすれば、表現の自由を重んじる報道機関が、警視庁からサイト運営者への削除要請を無批判に報じていることも理解に苦しむところだ。
児童の犯罪被害を防ぐには、ネットを悪用した児童誘引などの手口を法律で禁じ、児童を標的とする犯罪者を取り締まるべきだ。例えば児童買春を防止するのであれば、出会い系サイトに限らず、面識のない未成年を誘引する書き込み、児童買春を誘引する書き込み、ペアレンタルコントロールを回避するために虚偽年齢でサイトに登録する行為を法律で禁止し、発信者情報開示のための手続き簡素化など摘発強化へ向けた枠組みを考えてはどうか。
サイト運営者の対応すべき範囲が明確となり、現場も運用で対応できれば、迅速に犯罪を誘引する書き込みを削除して発信者を通報、摘発に結び付けられる可能性がある。問題視すべきネットの悪用を定義しないまま、サイト運営者に対する締め付けばかり強めても、善意の利用者が窮屈な思いをするばかりで問題は解決しない。
世界的ケインズ政策 成否の鍵は日本に(COLUMN2)
≪IMF「実験」の狙い≫
国際通貨基金(IMF、本部ワシントン)はケインズ政策を史上初めて世界規模で実験しようとしている。失敗すれば世界は経済の羅針盤を失い、漂流しかねない。IMFは先週、2009年の世界経済の実質成長率見通しをマイナス1・3%と発表した。執拗(しつよう)に経済見通しの下方修正を重ね、「今年後半からの景気底打ち」など一部で出始めていた楽観ムードに冷水を浴びせた。狙いはケインズ理論に基づく各国の大規模な財政出動で、2010年も継続を勧告する。
戦後の国際通貨金融体制の要であるIMFは発足以来、ときの米政権の強い影響下に置かれてきた。1997年のアジア通貨危機で、IMFは緊急支援と引き換えにアジア各国に緊縮財政を強要した。当時のクリントン政権でウォール街の利害を代表するR・ルービン財務長官はIMFを通じて、財政支出拡大で不況脱出を試みるタイ、インドネシア、韓国などアジア各国政府を押さえ込んだ。
財政重視は英国のJ・M・ケインズ卿の、市場重視は米国のM・フリードマン教授の理論に基づいている。米国は80年代のレーガン政権がそれまでの主流だったケインズ主義を「大きな政府」として葬った。以来、歴代政権は市場機能にまかせる「小さな政府」路線をとってきた。野放図な金融商品の粗製乱造が作り出した天文学的な規模のバブルと、その崩壊により引き起こされた未曾有の金融危機は市場原理主義のなれの果てだった。危機勃発(ぼっぱつ)後でも、レーガン路線を踏襲するブッシュ前政権は市場優先主義の立場に立ち、思い切った財政出動をためらった。
≪大転換のかじ切った米政権≫
1月に発足したオバマ政権の内外には、ケインズ主義者がひしめいている。主役がL・サマーズ国家経済会議議長であり、政権は一挙に大転換のかじを切った。財政赤字を省みない、政府主導による景気刺激策である。IMFは手のひらを返して、さっさとケインズ主義に転換した。
IMFの姉妹機関である世界銀行も同調し、R・ゼーリック総裁は先のロンドンでの主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)前夜の講演で、「ケインズは市場経済を救おうとした」と称賛した。
1930年代の大恐慌期に生まれたケインズ理論が今でも役立つだろうか。ケインズ自身、「大きな規模で試されたことがない政策が有効だと証明するのは極めて難しい」と吐露している。
ケインズは一国単位での財政出動の限界を見抜いていた。その「一般理論」では「すべての国が一丸となった」財政出動の必要性を説いている。そんな機会はないまま、ケインズ主義は米国など主要国でお蔵入りしていた。そして今、世界各地でほこりが払われた。
成否の鍵は米国に次ぐ経済規模の日本にある。IMF見通しでは、2009年の日本の実質成長率はマイナス6・2%と先進国中最悪だ。日本は1990年代のバブル崩壊不況時に公共投資を中心にした財政支出で内需拡大を図った。成果は不明なままだが、膨張した政府の累積債務が残された。結局、円安に後押しされた外需主導に逆戻りしてやっと不況から脱けたが、ケインズが失業増加の主因と断じたデフレはもう10年も放置され、社会を疲弊させている。
≪官僚主導方式の限界≫
麻生太郎内閣はロンドン・サミット合意に沿って、総事業規模で56・8兆円、財政支出15・4兆円という戦後最大の財政対策を打ち出した。デフレ脱出の道筋には触れず、「一つひとつの政策を積み上げていった」(麻生首相)。各省庁から出された対策を寄せ集める官僚主導方式を膨らませた。にぎわうのはお役所仕事、太るのは官僚だ。
恐るべきことに、これから追加発行する約16兆円の国債を消化するゆとりに乏しい。高齢化社会の日本の家計貯蓄率は急落し、慢性赤字の米国に逆転される情勢だ。貯蓄こそは赤字国債の吸収源なのだが、年間で6兆円と10年前の6分の1にすぎない。このままでは、長期金利が急上昇し、住宅ローン金利が跳ね上がる。少々の規模で相続税を減免して住宅需要を刺激しても、幅広い層がマイホームの夢をあきらめる羽目になる。デフレ不況に拍車がかかる。小手先の対策に終始する官僚主導の限界だ。
このままでは世界最後の希望として無理やり蘇生(そせい)させられたケインズは日本で野垂れ死にするだろう。