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「守り」に入ったソフトバンクと「攻め」のドコモ(COLUMN)
携帯電話各社の2009年3月期決算が出そろった。端末販売の落ち込みなどにより売上高は減少したが、本業の儲けを示す営業利益はいずれも拡大し、KDDI、ソフトバンクは過去最高益を更新した。
■不況下で見せたインフラ事業の底力
外需の落ち込みにより苦戦する製造業を尻目に、収益面で堅調さを見せた携帯電話各社。NTTドコモが売上高4兆4479億円で営業利益が8309億円。KDDIは売上高3兆4975億円、営業利益は4432億円。ソフトバンクは売上高が2兆6730億円、営業利益が3591億円となった。世界不況のさなかだが、景気の影響を受けにくいインフラ事業の底力を改めて示したかたちだ。
いずれも端末の売り上げが前の期に比べて2~3割程度落ち、売上高が減少に転じているが、それに伴う販売奨励金が減ったために利益が伸びた。
この傾向はしばらく続くと見られるが、いずれは割賦販売制度が一巡して、販売奨励金の削減効果も薄れると見られている。なぜなら割賦販売制度と引き換えに導入した基本料金の割引制度が将来的に重荷になっていくからだ。
実際、NTTドコモは2010年3月期の予想として、基本料金の売り上げ減少分を1840億円、うちバリュープランの影響を1300億円と見積もっている。一方でパケット収入の増加は520億円しかない。そのため、販売奨励金やネットワークコストの削減によって、前期並みの利益を確保しようとしている。
■ソフトバンクが「守り」に
今回、3社の決算会見を見て感じたのは、ソフトバンクが「守り」に入る一方で、NTTドコモに「攻め」の姿勢が見られたことだ。
孫社長は「収穫期に入った」と明言し、「今期は増収増益の見込み」「3年間でフリーキャッシュフローを1兆円前後確保」「14年度には純有利子負債をゼロに」と公約。純有利子負債をゼロにするまで、大規模な投資は行わないとまで宣言した。
しかも、これまで株主総会で株主から何度となく要求され、頑なに拒んできた「増配」についても、10年3月期に2.5円増配して5円とし、将来のさらなる増配を約束した。
ソフトバンクはボーダフォンの買収により携帯電話事業を手に入れ、中国でもオークションやオンラインショッピング事業を成功に導きつつあるなど、いずれの事業も種まきの時期から刈り取りの段階に進んでいる。
孫社長は「これまでのソフトバンクは借金をして荒っぽい経営というイメージだった。その残存イメージをこれからは変えていく。借金経営からキャッシュフロー経営になっていく」と経営体質の転換を再三、アピールしていた。
■誰も予想しなかったドコモの料金見直し
一方、ここにきて攻めの姿勢を明確に見せだしたのがNTTドコモだ。山田隆持社長体制になって1年弱。「お客様満足度の向上」を目標に掲げてきたが、決算発表に合わせて4月28日に、誰も予想しなかった「料金見直し」を発表した。
パケット料金プラン「パケ・ホーダイダブル」は、これまで1029円から4410円までの2段階の定額制だったが、この下限を1029円から490円に値下げする(5月1日から実施、スマートフォンに適用される「Biz・ホーダイダブル」も同様)。NTTドコモとしては、2008年12月現在で契約率36%にとどまるパケ・ホーダイユーザーを何としても増やしたいのだろう。
従量制プランのユーザーは、このご時勢で毎月「いかにパケットを使わないか」に苦心している。たとえば、「パケットパック10」(昨年末で新規受付は終了)は月額1050円まで無料で、その後はパケット単価が1パケット0.105円。しかし、パケ・ホーダイダブルであれば、とりあえず最低料金が半額以下になる。それなら契約してもいいという気になるはずだ。
ただし、定額制プランに入ってしまうと、つい安心して動画コンテンツなども視聴してしまうもの。結果として、毎月の請求額は上限の4410円に近づいていくことになる。
■ドコモ山田社長「弾込めの時期」
NTTドコモは今夏モデルからiモードコンテンツの画面の一部で動画を再生する「インラインFlash」を導入する。定額制と動画コンテンツの充実という両輪でパケットARPU(1人当たりの月額利用料)の向上を狙っていく。
昨年から今年にかけて、NTTドコモはインドの通信会社やテレビ通販会社に出資したり、イオングループと新会社を立ち上げたりと、モバイルとシナジーのありそうな事業領域に積極的に進出している。13年3月期には営業利益9000億円以上を目指しており、山田社長は今期をそのための「弾を込める時期」と位置づける。
ユーザーの満足度を向上させ「囲い込む」ことで収益の基盤を安定させつつ、料金の見直しで他社との体力勝負に持ち込む。さらに成長しそうな分野への投資を惜しまないのが、攻めに転じたいまのNTTドコモの姿だ。
■KDDIが選んだネットワーク戦略
今回の決算会見では、今後のネットワーク戦略についても各社の方向性が見えてきた。特にKDDIは、12年のLTE導入前に、現行システムのEV-DO Rev.Aをマルチキャリア化して通信速度をさらに引き上げることを明らかにした。EV-DO Rev.Aのマルチキャリア化はKDDIだけでなく、他国のCDMA2000陣営でも導入が検討されているという。
LTEまでのつなぎとして現行システムを活用し、世界的に機材を調達することでコスト面での競争力を確保するという考えである。
日本でCDMA2000を採用したKDDIは、同じCDMA2000でも世界とは異なる周波数の使い方をしており、独自に端末などを調達しなくてはならない。そのため、コストがかさんでいる状態だ。
国際動向や端末の汎用性、将来の発展性を考えれば、LTEをすぐにでも導入したい。しかし、LTEの初期段階で導入するとなると、ネットワーク機器の調達コストも割高になる。初期投資額が下がる時期まで導入を先送りにすると、他社との競争力が落ちかねない。そこで、1つの答えとして出てきたのが、EV-DO Rev.Aのマルチキャリア化だったのだろう。
■LTE導入で駆け引き
一方、W-CDMA/HSDPA陣営は、スムーズなロードマップを描いている。
NTTドコモは現行のHSDPA(下り7.2Mbps、上り384kbps)を、今年6月にHSPA(HSUPA)化する計画だ。これにより、上りの速度は5.7Mbpsにアップする。その後、2010年にLTEを導入する予定だ。世界のトップを切るのではなく、あくまで「先頭集団」としてのスタートを狙っている。
ソフトバンクモバイルは「2~3年以内には(LTEを)始めたい」(孫社長)という。「急いで導入しても、W―CDMAの時のドコモのように失敗する。初期段階では、ネットワーク機器は高額で品質も悪い。LTE対応端末が出揃うのを待ってからでも遅くない。それまではHSPA+(下り28Mbps、上り11Mbps)を段階的に導入していく」と明言した。
世界では、LTEの導入を積極的に表明するキャリアがある一方で、まずはHSPAの発展型としてHSPA+を採用して様子を見ようというキャリアも存在する。
孫社長は「NTTドコモの動向よりも世界的な流れを見てLTE導入のタイミングを判断したい」と語っている。これから数年は、各社とも国内と海外の動向をにらみつつ、LTEをどのように導入していくかが経営の課題となっていきそうだ。
4月の国内自動車販売、28%減 20万台割れに
日本自動車販売協会連合会(自販連)は1日、4月の国内新車販売台数(軽自動車を除く登録車)が前年同月比28.6%減の16万6365台だったと発表した。前年実績を下回るのは9カ月連続。4月単月でみると、統計のある1968年(18万9360台)以来の20万台割れで、過去最低の水準となった。
4月から環境対応車向けの優遇税制(エコカー減税)が始まったが、自販連は「需要減に歯止めをかけるには至らなかった」と分析。対前年の減少率は2月や3月に比べ若干縮小しているが、「期待が外れた」(自販連)格好だ。ただ、新車買い替え補助金制度(スクラップ・インセンティブ)が本格的に始まれば、「底割れは免れるのではないか」という。
3月の失業率4.8%、最大の67万人増 雇用、急激に悪化
雇用情勢が急激に悪化している。総務省が1日発表した3月の完全失業率(季節調整値)は4.8%と前月比0.4ポイント上昇。失業者数は前年より67万人増え、増加幅としては過去最高に並ぶ高水準となった。厚生労働省によると、3月は解雇などによる正社員の離職も2万人を超え、雇用不安は深刻さを増している。一方で総務省が発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は生鮮食品を除く総合で1年半ぶりのマイナスとなり、デフレ懸念も強まってきた。
失業率は15歳以上の働く意思のある人のうち全く職についていない人の比率。同率が4.8%に乗せたのは04年8月以来。完全失業者数は335万人と前年同月比67万人増え、5カ月連続の増加となった。
単月での悪化幅は0.5ポイント上昇した1967年3月以来の大きさ。業績不振企業が非正規社員だけでなく、正規社員の雇用調整にまで踏み込むようになり、雇用の悪化スピードが加速している。
3月の消費者物価0.1%下落、1年半ぶりマイナス
総務省が1日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は、変動の激しい生鮮食品を除くベースで100.7となり、前年同月比で0.1%低下した。物価が下落に転じるのは2007年9月以来、1年半ぶり。
クライスラーの動向、二階経産相「慎重に見極めたい」
二階俊博経済産業相は1日、閣議後の記者会見で、米自動車3位のクライスラーが連邦破産法11条の適用を申請したことに関連し「情勢を見極めしっかりとした対応がとれるようにしたい」と述べ、日本国内の自動車業界への影響を注視していくとの認識を示した。クライスラーと関係を持つ日本の自動車・部品メーカーへの資金面などでの支援については「米国の自動車産業の安定を図ってもらうことが第一。今のところは慎重に動向を見極めたい」と述べるにとどめた。
米保険ハートフォード、日本での新規販売停止を発表
【ニューヨーク=米州総局】米保険大手ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループは6月1日付で日本での新規保険販売を停止すると発表した。世界的な金融危機で運用成績が低迷、新規販売は採算に合わないと判断した。
日本法人のハートフォード生命保険を通じて販売する変額年金保険や定額年金保険などが対象。既存顧客へのサービスは続ける。日本での「人員削減数などは4―6月期中に決める」という。
ハートフォードの日本での保険契約高は3月末時点で55万5000件、資産総額は3兆2670億円。日本では2000年12月に変額年金保険販売を始め、販売シェア首位を維持してきた。同日発表した1―3月期決算は、12億ドルの最終損失だった。
携帯電話各社の2009年3月期決算が出そろった。端末販売の落ち込みなどにより売上高は減少したが、本業の儲けを示す営業利益はいずれも拡大し、KDDI、ソフトバンクは過去最高益を更新した。
■不況下で見せたインフラ事業の底力
外需の落ち込みにより苦戦する製造業を尻目に、収益面で堅調さを見せた携帯電話各社。NTTドコモが売上高4兆4479億円で営業利益が8309億円。KDDIは売上高3兆4975億円、営業利益は4432億円。ソフトバンクは売上高が2兆6730億円、営業利益が3591億円となった。世界不況のさなかだが、景気の影響を受けにくいインフラ事業の底力を改めて示したかたちだ。
いずれも端末の売り上げが前の期に比べて2~3割程度落ち、売上高が減少に転じているが、それに伴う販売奨励金が減ったために利益が伸びた。
この傾向はしばらく続くと見られるが、いずれは割賦販売制度が一巡して、販売奨励金の削減効果も薄れると見られている。なぜなら割賦販売制度と引き換えに導入した基本料金の割引制度が将来的に重荷になっていくからだ。
実際、NTTドコモは2010年3月期の予想として、基本料金の売り上げ減少分を1840億円、うちバリュープランの影響を1300億円と見積もっている。一方でパケット収入の増加は520億円しかない。そのため、販売奨励金やネットワークコストの削減によって、前期並みの利益を確保しようとしている。
■ソフトバンクが「守り」に
今回、3社の決算会見を見て感じたのは、ソフトバンクが「守り」に入る一方で、NTTドコモに「攻め」の姿勢が見られたことだ。
孫社長は「収穫期に入った」と明言し、「今期は増収増益の見込み」「3年間でフリーキャッシュフローを1兆円前後確保」「14年度には純有利子負債をゼロに」と公約。純有利子負債をゼロにするまで、大規模な投資は行わないとまで宣言した。
しかも、これまで株主総会で株主から何度となく要求され、頑なに拒んできた「増配」についても、10年3月期に2.5円増配して5円とし、将来のさらなる増配を約束した。
ソフトバンクはボーダフォンの買収により携帯電話事業を手に入れ、中国でもオークションやオンラインショッピング事業を成功に導きつつあるなど、いずれの事業も種まきの時期から刈り取りの段階に進んでいる。
孫社長は「これまでのソフトバンクは借金をして荒っぽい経営というイメージだった。その残存イメージをこれからは変えていく。借金経営からキャッシュフロー経営になっていく」と経営体質の転換を再三、アピールしていた。
■誰も予想しなかったドコモの料金見直し
一方、ここにきて攻めの姿勢を明確に見せだしたのがNTTドコモだ。山田隆持社長体制になって1年弱。「お客様満足度の向上」を目標に掲げてきたが、決算発表に合わせて4月28日に、誰も予想しなかった「料金見直し」を発表した。
パケット料金プラン「パケ・ホーダイダブル」は、これまで1029円から4410円までの2段階の定額制だったが、この下限を1029円から490円に値下げする(5月1日から実施、スマートフォンに適用される「Biz・ホーダイダブル」も同様)。NTTドコモとしては、2008年12月現在で契約率36%にとどまるパケ・ホーダイユーザーを何としても増やしたいのだろう。
従量制プランのユーザーは、このご時勢で毎月「いかにパケットを使わないか」に苦心している。たとえば、「パケットパック10」(昨年末で新規受付は終了)は月額1050円まで無料で、その後はパケット単価が1パケット0.105円。しかし、パケ・ホーダイダブルであれば、とりあえず最低料金が半額以下になる。それなら契約してもいいという気になるはずだ。
ただし、定額制プランに入ってしまうと、つい安心して動画コンテンツなども視聴してしまうもの。結果として、毎月の請求額は上限の4410円に近づいていくことになる。
■ドコモ山田社長「弾込めの時期」
NTTドコモは今夏モデルからiモードコンテンツの画面の一部で動画を再生する「インラインFlash」を導入する。定額制と動画コンテンツの充実という両輪でパケットARPU(1人当たりの月額利用料)の向上を狙っていく。
昨年から今年にかけて、NTTドコモはインドの通信会社やテレビ通販会社に出資したり、イオングループと新会社を立ち上げたりと、モバイルとシナジーのありそうな事業領域に積極的に進出している。13年3月期には営業利益9000億円以上を目指しており、山田社長は今期をそのための「弾を込める時期」と位置づける。
ユーザーの満足度を向上させ「囲い込む」ことで収益の基盤を安定させつつ、料金の見直しで他社との体力勝負に持ち込む。さらに成長しそうな分野への投資を惜しまないのが、攻めに転じたいまのNTTドコモの姿だ。
■KDDIが選んだネットワーク戦略
今回の決算会見では、今後のネットワーク戦略についても各社の方向性が見えてきた。特にKDDIは、12年のLTE導入前に、現行システムのEV-DO Rev.Aをマルチキャリア化して通信速度をさらに引き上げることを明らかにした。EV-DO Rev.Aのマルチキャリア化はKDDIだけでなく、他国のCDMA2000陣営でも導入が検討されているという。
LTEまでのつなぎとして現行システムを活用し、世界的に機材を調達することでコスト面での競争力を確保するという考えである。
日本でCDMA2000を採用したKDDIは、同じCDMA2000でも世界とは異なる周波数の使い方をしており、独自に端末などを調達しなくてはならない。そのため、コストがかさんでいる状態だ。
国際動向や端末の汎用性、将来の発展性を考えれば、LTEをすぐにでも導入したい。しかし、LTEの初期段階で導入するとなると、ネットワーク機器の調達コストも割高になる。初期投資額が下がる時期まで導入を先送りにすると、他社との競争力が落ちかねない。そこで、1つの答えとして出てきたのが、EV-DO Rev.Aのマルチキャリア化だったのだろう。
■LTE導入で駆け引き
一方、W-CDMA/HSDPA陣営は、スムーズなロードマップを描いている。
NTTドコモは現行のHSDPA(下り7.2Mbps、上り384kbps)を、今年6月にHSPA(HSUPA)化する計画だ。これにより、上りの速度は5.7Mbpsにアップする。その後、2010年にLTEを導入する予定だ。世界のトップを切るのではなく、あくまで「先頭集団」としてのスタートを狙っている。
ソフトバンクモバイルは「2~3年以内には(LTEを)始めたい」(孫社長)という。「急いで導入しても、W―CDMAの時のドコモのように失敗する。初期段階では、ネットワーク機器は高額で品質も悪い。LTE対応端末が出揃うのを待ってからでも遅くない。それまではHSPA+(下り28Mbps、上り11Mbps)を段階的に導入していく」と明言した。
世界では、LTEの導入を積極的に表明するキャリアがある一方で、まずはHSPAの発展型としてHSPA+を採用して様子を見ようというキャリアも存在する。
孫社長は「NTTドコモの動向よりも世界的な流れを見てLTE導入のタイミングを判断したい」と語っている。これから数年は、各社とも国内と海外の動向をにらみつつ、LTEをどのように導入していくかが経営の課題となっていきそうだ。
4月の国内自動車販売、28%減 20万台割れに
日本自動車販売協会連合会(自販連)は1日、4月の国内新車販売台数(軽自動車を除く登録車)が前年同月比28.6%減の16万6365台だったと発表した。前年実績を下回るのは9カ月連続。4月単月でみると、統計のある1968年(18万9360台)以来の20万台割れで、過去最低の水準となった。
4月から環境対応車向けの優遇税制(エコカー減税)が始まったが、自販連は「需要減に歯止めをかけるには至らなかった」と分析。対前年の減少率は2月や3月に比べ若干縮小しているが、「期待が外れた」(自販連)格好だ。ただ、新車買い替え補助金制度(スクラップ・インセンティブ)が本格的に始まれば、「底割れは免れるのではないか」という。
3月の失業率4.8%、最大の67万人増 雇用、急激に悪化
雇用情勢が急激に悪化している。総務省が1日発表した3月の完全失業率(季節調整値)は4.8%と前月比0.4ポイント上昇。失業者数は前年より67万人増え、増加幅としては過去最高に並ぶ高水準となった。厚生労働省によると、3月は解雇などによる正社員の離職も2万人を超え、雇用不安は深刻さを増している。一方で総務省が発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は生鮮食品を除く総合で1年半ぶりのマイナスとなり、デフレ懸念も強まってきた。
失業率は15歳以上の働く意思のある人のうち全く職についていない人の比率。同率が4.8%に乗せたのは04年8月以来。完全失業者数は335万人と前年同月比67万人増え、5カ月連続の増加となった。
単月での悪化幅は0.5ポイント上昇した1967年3月以来の大きさ。業績不振企業が非正規社員だけでなく、正規社員の雇用調整にまで踏み込むようになり、雇用の悪化スピードが加速している。
3月の消費者物価0.1%下落、1年半ぶりマイナス
総務省が1日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は、変動の激しい生鮮食品を除くベースで100.7となり、前年同月比で0.1%低下した。物価が下落に転じるのは2007年9月以来、1年半ぶり。
クライスラーの動向、二階経産相「慎重に見極めたい」
二階俊博経済産業相は1日、閣議後の記者会見で、米自動車3位のクライスラーが連邦破産法11条の適用を申請したことに関連し「情勢を見極めしっかりとした対応がとれるようにしたい」と述べ、日本国内の自動車業界への影響を注視していくとの認識を示した。クライスラーと関係を持つ日本の自動車・部品メーカーへの資金面などでの支援については「米国の自動車産業の安定を図ってもらうことが第一。今のところは慎重に動向を見極めたい」と述べるにとどめた。
米保険ハートフォード、日本での新規販売停止を発表
【ニューヨーク=米州総局】米保険大手ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループは6月1日付で日本での新規保険販売を停止すると発表した。世界的な金融危機で運用成績が低迷、新規販売は採算に合わないと判断した。
日本法人のハートフォード生命保険を通じて販売する変額年金保険や定額年金保険などが対象。既存顧客へのサービスは続ける。日本での「人員削減数などは4―6月期中に決める」という。
ハートフォードの日本での保険契約高は3月末時点で55万5000件、資産総額は3兆2670億円。日本では2000年12月に変額年金保険販売を始め、販売シェア首位を維持してきた。同日発表した1―3月期決算は、12億ドルの最終損失だった。
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孫社長「大規模投資せず負債完済」 ソフトバンク09年3月期決算
ソフトバンクが30日発表した2009年3月期の連結決算は、売上高が前の期比4%減の2兆6730億円、営業利益が同11%増の3591億円だった。ヤフーの好調に加えブロードバンドインフラ事業のコスト削減が寄与し、4期連続で営業最高益を更新した。孫正義社長は会見で「大きな先行投資の時代から収穫のステージへと入った」と語った。
孫社長は約1.9兆円の純有利子負債について「2010年3月期には半減、15年3月期にはゼロにすることを公言する」と述べた。09年3月期のフリーキャッシュフローは1815億円のプラスで、今後3年間で累計1兆円前後を目指すという。純有利子負債の完済までは「大規模な投資はしない」(孫社長)とも明言した。
10年3月期の連結営業利益の見通しは前期比17%増の4200億円。売上高の予想は開示していないが増収増益を見込むとしている。
会見での孫社長の主な一問一答は以下の通り。
――今月、大規模なシステムダウンがあったが原因は。
システムダウンは設備投資を省略したためではなく設計の人為的なミスによるものだ。対応のメドはついている。少なくとも今後は同じ理由で大規模なシステムダウンがないようにする。NTTドコモとauも同じくらいの頻度でシステムが落ちているが、我々が落ちているとなぜか大きく報道されるという面もある。
――ドコモと比べ解約率が高いが。
新規のお客は解約率が高い。我々は純増数が伸びている間は他社より解約率が若干高くなる。今年度は2Gの停波もあるため、2Gのお客の解約もあるだろう。
iPhoneのユーザーの大半は他社から我々に乗り換えてきた。最近はiPhoneの販売が伸びている。もう1つ、法人マーケットやマシンtoマシンのような新しいマーケットも純増の機動力になる。
――純有利子負債の返却が終わるまでは大規模投資をしないとのことだが、今後、移行期に入るLTEへの投資はどうするのか。
LTEにも積極的に取り組んでいく。ただし、設備投資で一番お金がかかるのは鉄塔。鉄塔を建てるのに土地の買収や地主との交渉、工事作業が必要となる。ハイテク機器は実は安い。既に鉄塔は建ててあるため、今後の投資額は従来の範囲内で済む。LTEへの投資を始めるのは2、3年以内ではないかと思う。一気にどんとやるのではなく着実に広げていく。投資額は1000億円を超えると思うが、何年かに分散する。
――ブロードバンドの将来をどのように考えているか。
私は毎日iPhoneを使っているが、インターネットへのアクセス頻度はおそらく5倍くらいに増えた。一方、パソコンを使ってインターネットにアクセスする頻度は10分の1に減った。では光ファイバー通信はどのくらい必要なのだろう、と思う。
もしかしたら光ファイバー通信を使う人はインターネットの使い方では少し遅れた人なのではないか。つまり、最先端の人は家に帰る前には仕事はすべて終わっている。私の例でいくと、以前は家に帰ってからパソコンを1時間か2時間開いていた。今は5分も開かない。「光の次はiPhone」とみんなの認識が変わる時代が来るのではないか。
もちろん、光通信もあったほうがいい。設備投資が小さければ邪魔にはならない。人々があまり必要としないかもしれないものに大きな設備投資をするというのは、時代の読み方としていかがなものか。
――2010年3月期は増収増益を予想しているが内訳は。
携帯端末の販売台数はやってみないと分からないが、極端に増えたり減ったりすることはないだろう。通信料収入は増収となる。移動体通信事業全体の売上高がどうなるかは分からないが、底堅くいけるだろう。他の事業分野もうまくやっていける。
クライスラー破産法申請 製造業では過去最大規模
【デトロイト=小高航】米自動車3位のクライスラーが連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、法的整理を活用した経営再建を目指す。米政府が30日、明らかにした。政府の追加支援を受け、イタリア・フィアットとの提携を軸に再建を急ぐ。クライスラーの資産規模は約500億ドルで米での製造業の破産法申請では過去最大規模。世界の自動車産業を主導してきたビッグスリーの一角であるクライスラーの破産法申請は、米ゼネラル・モーターズ(GM)の再建計画にも影響を与えそうだ。
新型インフル、日本初の感染疑い カナダ帰り、横浜の高校生
舛添要一厚生労働相は1日、豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザに感染した疑いがある患者を日本で初めて確認したと発表した。患者は横浜市在住の男子高生(17)で、カナダから帰国した後、国内で発症した。
厚労省は新型のウイルス株を入手できておらず、現状では確定診断はできない。高校生は新型でない季節性のAソ連型の可能性も残っており、同省は米疾病対策センター(CDC)からウイルス株を入手するなどして、確定診断も急ぐ。
厚労相によると、高校生は4月10日から25日までカナダのブリティッシュコロンビア州に滞在。同30日に発熱やせきなどの症状があり、医療機関を受診。簡易検査で新型インフルエンザと同じタイプのA型が陽性だったという。厚労省は高校生の国内での行動や接触者の状況を調査している。
株式市場新聞、5月1日付で廃刊=53年の歴史に幕-自己破産を申請する予定
市場新聞社は30日、株式専門紙の株式市場新聞を5月1日付を最後に廃刊することを明らかにした。部数低迷に苦しんでいたところに昨秋以降景気悪化で広告収入が大幅に落ち込んだためで、「この状況で会社存続は無理」(園田純三社長)と判断した。従業員25人は全員解雇し、今後、自己破産を申請する予定だ。
同紙は56年に創刊。かつては株式新聞、日本証券新聞と並ぶ証券三大紙の一角を占めていた。証券専門紙では、最大手の株式新聞も00年に民事再生法を申請。ネットでの情報配信を強化して収益を補い、昨年4月に投信の評価会社モーニングスターと合併した。
米タイムワーナー、AOLを近く分離
【ニューヨーク=杉本晶子】米メディア大手タイムワーナー(TW)は傘下のインターネットサービス部門AOLを近く分離すると発表した。2001年の合併で統合したAOLはグーグルやヤフーに押され、収益が低迷。テレビや映画を核とする本業との相乗効果が薄れたため、保有するAOL株95%のすべて、または一部を切り離す計画。
ジェフリー・ビューケス最高経営責任者(CEO)は「近くAOL分離の枠組みを公表する」と言明した。現在はAOL株の95%をTWが、残る5%をグーグルがそれぞれ保有。2月にグーグルが5%分を売却する方針を示したのを機に再建策を検討していた。AOLが単独で生き残るのは難しいとみられ、グーグルに代わるネット大手との提携など業界再編につながる可能性もある。
日興コーデと日興シティ統合 三井住友、買収で検討
三井住友フィナンシャルグループは30日、米シティグループから、今秋買収する日興コーディアル証券と、日興シティグループ証券の大部分を統合する方向で検討に入った。1999年以降、個人部門と法人部門で分かれていた日興2社を統合することで経営の効率性を高め、早期に買収効果を引き出す狙いがある。
三井住友と米シティは1日午後、日興買収に関する契約を正式に締結、記者会見して発表する。日興コーデは人員や資産を含めて事業を丸ごと買収するが、日興シティについては資産や負債を引き継がず、株式や債券引受部門など数百人規模の人員のみを譲り受ける見通しだ。三井住友が買収後にどう組織再編を進めるかが焦点となっている。
債務残高、GDP比168%に 財務省09年度見通し
財務省は30日、2009年度末の国内総生産(GDP)に対する国・地方の長期債務残高比率が168.5%になるとの見通しを公表した。今年度補正予算案や政府経済見通しの下方修正を反映した数値で、前年度末と比べ10.8ポイント上昇する。与謝野馨財務・金融・経済財政相は、同比率の引き下げを新たな財政健全化目標とする意向で、具体的な引き下げ幅などを巡る検討が焦点となりそうだ。
国債残高と借入金を合わせた国の長期債務残高は年々増え続けている。政府が4月に取りまとめた追加経済対策では、財源として10兆8000億円の新規国債を増発。その結果、今年度末の国と地方の長期債務残高は前年度末より29兆円増え、816兆円に達する見込みだ。内閣府がGDPの成長率見通しを下方修正したことも比率の上昇につながった。
日経社説 国内の感染発生にもうろたえぬ対応を(5/1)
世界保健機関(WHO)が豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザの警戒レベルをさらに1段階上げた。レベルは世界的大流行(パンデミック)の一歩手前。日本人でも初の感染疑い例が出てよそ事ではなくなった。ただ、発生は相次ぐとみて、うろたえぬ対応が重要だ。
警戒レベルを1週間足らずで2段階も上げざるを得ないほど、新型ウイルスの感染力は強い。発生地と目されるメキシコ以外では重症例が少なく、弱毒性とみられているが、自然治癒にまかせて済む病気ではない。感染を重ねるうちに強毒性に変異する可能性もあり、新型ウイルスを侮ることはできない。
政府は検疫強化など水際対策に力を入れている。初の感染疑い例はこれが功を奏して捕捉できた。だが、大事なのは検疫でつかめずに発生した場合の初動だ。患者隔離や周辺への二次感染防止の対応が遅れると、感染拡大の防止は難しくなる。感染の世界的広がりを考えれば検疫での発見はますます困難になり、発生時対応の重要性が増してこよう。
WHOは封じ込めは困難として警戒レベルを上げても渡航制限や国境閉鎖を求めていない。世界的不況のなかでモノや人の移動制限は経済回復を妨げかねない。弱毒性という点も加味し発生地域での封じ込めをあきらめ、各国に発生時の抑え込みを委ねたと言えるだろう。
これは世界的まん延の覚悟も迫っている。感染が検査や隔離治療の能力のある先進国にとどまれば収束の可能性があるが、対策が不十分な発展途上国に感染が飛び火すれば手に負えない状況になる。収束できても各国に散った病原ウイルスが後で息を吹き返す恐れもある。
その意味で新型ウイルスとの戦いは短期戦で終わらない。長期化し発生国が増えれば国内侵入の可能性は高まる。感染者は初期に治療薬を投与すれば重症化を防げるが、本人が医療機関に行かなかったり、連絡や隔離が遅れたりすれば感染の広がりは止められないだろう。
疑わしい症状の帰国者、入国者を収容する施設の確保や病院の診察体制強化は急がなければならない。と同時に、旅行者、帰国者に感染防止の責任を自覚させることも重要だ。不要不急の渡航は極力避けるのが望ましい。疑わしい症状が出たら周辺に感染を拡大しないよう、素早い対応を求めておくべきだろう。
発生国が増え、渡航制限も緩いままなら感染の機会は増える。国内発生の頻発は不可避とみて、機動性ある態勢づくりを急ぐ必要がある。
ソフトバンクが30日発表した2009年3月期の連結決算は、売上高が前の期比4%減の2兆6730億円、営業利益が同11%増の3591億円だった。ヤフーの好調に加えブロードバンドインフラ事業のコスト削減が寄与し、4期連続で営業最高益を更新した。孫正義社長は会見で「大きな先行投資の時代から収穫のステージへと入った」と語った。
孫社長は約1.9兆円の純有利子負債について「2010年3月期には半減、15年3月期にはゼロにすることを公言する」と述べた。09年3月期のフリーキャッシュフローは1815億円のプラスで、今後3年間で累計1兆円前後を目指すという。純有利子負債の完済までは「大規模な投資はしない」(孫社長)とも明言した。
10年3月期の連結営業利益の見通しは前期比17%増の4200億円。売上高の予想は開示していないが増収増益を見込むとしている。
会見での孫社長の主な一問一答は以下の通り。
――今月、大規模なシステムダウンがあったが原因は。
システムダウンは設備投資を省略したためではなく設計の人為的なミスによるものだ。対応のメドはついている。少なくとも今後は同じ理由で大規模なシステムダウンがないようにする。NTTドコモとauも同じくらいの頻度でシステムが落ちているが、我々が落ちているとなぜか大きく報道されるという面もある。
――ドコモと比べ解約率が高いが。
新規のお客は解約率が高い。我々は純増数が伸びている間は他社より解約率が若干高くなる。今年度は2Gの停波もあるため、2Gのお客の解約もあるだろう。
iPhoneのユーザーの大半は他社から我々に乗り換えてきた。最近はiPhoneの販売が伸びている。もう1つ、法人マーケットやマシンtoマシンのような新しいマーケットも純増の機動力になる。
――純有利子負債の返却が終わるまでは大規模投資をしないとのことだが、今後、移行期に入るLTEへの投資はどうするのか。
LTEにも積極的に取り組んでいく。ただし、設備投資で一番お金がかかるのは鉄塔。鉄塔を建てるのに土地の買収や地主との交渉、工事作業が必要となる。ハイテク機器は実は安い。既に鉄塔は建ててあるため、今後の投資額は従来の範囲内で済む。LTEへの投資を始めるのは2、3年以内ではないかと思う。一気にどんとやるのではなく着実に広げていく。投資額は1000億円を超えると思うが、何年かに分散する。
――ブロードバンドの将来をどのように考えているか。
私は毎日iPhoneを使っているが、インターネットへのアクセス頻度はおそらく5倍くらいに増えた。一方、パソコンを使ってインターネットにアクセスする頻度は10分の1に減った。では光ファイバー通信はどのくらい必要なのだろう、と思う。
もしかしたら光ファイバー通信を使う人はインターネットの使い方では少し遅れた人なのではないか。つまり、最先端の人は家に帰る前には仕事はすべて終わっている。私の例でいくと、以前は家に帰ってからパソコンを1時間か2時間開いていた。今は5分も開かない。「光の次はiPhone」とみんなの認識が変わる時代が来るのではないか。
もちろん、光通信もあったほうがいい。設備投資が小さければ邪魔にはならない。人々があまり必要としないかもしれないものに大きな設備投資をするというのは、時代の読み方としていかがなものか。
――2010年3月期は増収増益を予想しているが内訳は。
携帯端末の販売台数はやってみないと分からないが、極端に増えたり減ったりすることはないだろう。通信料収入は増収となる。移動体通信事業全体の売上高がどうなるかは分からないが、底堅くいけるだろう。他の事業分野もうまくやっていける。
クライスラー破産法申請 製造業では過去最大規模
【デトロイト=小高航】米自動車3位のクライスラーが連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、法的整理を活用した経営再建を目指す。米政府が30日、明らかにした。政府の追加支援を受け、イタリア・フィアットとの提携を軸に再建を急ぐ。クライスラーの資産規模は約500億ドルで米での製造業の破産法申請では過去最大規模。世界の自動車産業を主導してきたビッグスリーの一角であるクライスラーの破産法申請は、米ゼネラル・モーターズ(GM)の再建計画にも影響を与えそうだ。
新型インフル、日本初の感染疑い カナダ帰り、横浜の高校生
舛添要一厚生労働相は1日、豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザに感染した疑いがある患者を日本で初めて確認したと発表した。患者は横浜市在住の男子高生(17)で、カナダから帰国した後、国内で発症した。
厚労省は新型のウイルス株を入手できておらず、現状では確定診断はできない。高校生は新型でない季節性のAソ連型の可能性も残っており、同省は米疾病対策センター(CDC)からウイルス株を入手するなどして、確定診断も急ぐ。
厚労相によると、高校生は4月10日から25日までカナダのブリティッシュコロンビア州に滞在。同30日に発熱やせきなどの症状があり、医療機関を受診。簡易検査で新型インフルエンザと同じタイプのA型が陽性だったという。厚労省は高校生の国内での行動や接触者の状況を調査している。
株式市場新聞、5月1日付で廃刊=53年の歴史に幕-自己破産を申請する予定
市場新聞社は30日、株式専門紙の株式市場新聞を5月1日付を最後に廃刊することを明らかにした。部数低迷に苦しんでいたところに昨秋以降景気悪化で広告収入が大幅に落ち込んだためで、「この状況で会社存続は無理」(園田純三社長)と判断した。従業員25人は全員解雇し、今後、自己破産を申請する予定だ。
同紙は56年に創刊。かつては株式新聞、日本証券新聞と並ぶ証券三大紙の一角を占めていた。証券専門紙では、最大手の株式新聞も00年に民事再生法を申請。ネットでの情報配信を強化して収益を補い、昨年4月に投信の評価会社モーニングスターと合併した。
米タイムワーナー、AOLを近く分離
【ニューヨーク=杉本晶子】米メディア大手タイムワーナー(TW)は傘下のインターネットサービス部門AOLを近く分離すると発表した。2001年の合併で統合したAOLはグーグルやヤフーに押され、収益が低迷。テレビや映画を核とする本業との相乗効果が薄れたため、保有するAOL株95%のすべて、または一部を切り離す計画。
ジェフリー・ビューケス最高経営責任者(CEO)は「近くAOL分離の枠組みを公表する」と言明した。現在はAOL株の95%をTWが、残る5%をグーグルがそれぞれ保有。2月にグーグルが5%分を売却する方針を示したのを機に再建策を検討していた。AOLが単独で生き残るのは難しいとみられ、グーグルに代わるネット大手との提携など業界再編につながる可能性もある。
日興コーデと日興シティ統合 三井住友、買収で検討
三井住友フィナンシャルグループは30日、米シティグループから、今秋買収する日興コーディアル証券と、日興シティグループ証券の大部分を統合する方向で検討に入った。1999年以降、個人部門と法人部門で分かれていた日興2社を統合することで経営の効率性を高め、早期に買収効果を引き出す狙いがある。
三井住友と米シティは1日午後、日興買収に関する契約を正式に締結、記者会見して発表する。日興コーデは人員や資産を含めて事業を丸ごと買収するが、日興シティについては資産や負債を引き継がず、株式や債券引受部門など数百人規模の人員のみを譲り受ける見通しだ。三井住友が買収後にどう組織再編を進めるかが焦点となっている。
債務残高、GDP比168%に 財務省09年度見通し
財務省は30日、2009年度末の国内総生産(GDP)に対する国・地方の長期債務残高比率が168.5%になるとの見通しを公表した。今年度補正予算案や政府経済見通しの下方修正を反映した数値で、前年度末と比べ10.8ポイント上昇する。与謝野馨財務・金融・経済財政相は、同比率の引き下げを新たな財政健全化目標とする意向で、具体的な引き下げ幅などを巡る検討が焦点となりそうだ。
国債残高と借入金を合わせた国の長期債務残高は年々増え続けている。政府が4月に取りまとめた追加経済対策では、財源として10兆8000億円の新規国債を増発。その結果、今年度末の国と地方の長期債務残高は前年度末より29兆円増え、816兆円に達する見込みだ。内閣府がGDPの成長率見通しを下方修正したことも比率の上昇につながった。
日経社説 国内の感染発生にもうろたえぬ対応を(5/1)
世界保健機関(WHO)が豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザの警戒レベルをさらに1段階上げた。レベルは世界的大流行(パンデミック)の一歩手前。日本人でも初の感染疑い例が出てよそ事ではなくなった。ただ、発生は相次ぐとみて、うろたえぬ対応が重要だ。
警戒レベルを1週間足らずで2段階も上げざるを得ないほど、新型ウイルスの感染力は強い。発生地と目されるメキシコ以外では重症例が少なく、弱毒性とみられているが、自然治癒にまかせて済む病気ではない。感染を重ねるうちに強毒性に変異する可能性もあり、新型ウイルスを侮ることはできない。
政府は検疫強化など水際対策に力を入れている。初の感染疑い例はこれが功を奏して捕捉できた。だが、大事なのは検疫でつかめずに発生した場合の初動だ。患者隔離や周辺への二次感染防止の対応が遅れると、感染拡大の防止は難しくなる。感染の世界的広がりを考えれば検疫での発見はますます困難になり、発生時対応の重要性が増してこよう。
WHOは封じ込めは困難として警戒レベルを上げても渡航制限や国境閉鎖を求めていない。世界的不況のなかでモノや人の移動制限は経済回復を妨げかねない。弱毒性という点も加味し発生地域での封じ込めをあきらめ、各国に発生時の抑え込みを委ねたと言えるだろう。
これは世界的まん延の覚悟も迫っている。感染が検査や隔離治療の能力のある先進国にとどまれば収束の可能性があるが、対策が不十分な発展途上国に感染が飛び火すれば手に負えない状況になる。収束できても各国に散った病原ウイルスが後で息を吹き返す恐れもある。
その意味で新型ウイルスとの戦いは短期戦で終わらない。長期化し発生国が増えれば国内侵入の可能性は高まる。感染者は初期に治療薬を投与すれば重症化を防げるが、本人が医療機関に行かなかったり、連絡や隔離が遅れたりすれば感染の広がりは止められないだろう。
疑わしい症状の帰国者、入国者を収容する施設の確保や病院の診察体制強化は急がなければならない。と同時に、旅行者、帰国者に感染防止の責任を自覚させることも重要だ。不要不急の渡航は極力避けるのが望ましい。疑わしい症状が出たら周辺に感染を拡大しないよう、素早い対応を求めておくべきだろう。
発生国が増え、渡航制限も緩いままなら感染の機会は増える。国内発生の頻発は不可避とみて、機動性ある態勢づくりを急ぐ必要がある。
ニコニコ動画、100億再生目前
ニワンゴは、「ニコニコ動画」の累計再生回数が4月30日までに約99億回となり、ゴールデンウィーク期間中に100億回を突破する見通しだと発表した。
100億回の突破を記念し、5月4~7日の午前0時に、ニコニコ動画の人気キャラクターたちが動画再生画面に登場する「ニコニコパレード」を開催する。
pixiv、80万会員突破 約40日で10万人増
ピクシブは4月30日、イラストSNS「pixiv」の会員数が4月28日付けで80万を突破したと発表した。3月20日に70万を突破してから約40日で10万人増えた。
月間ページビュー(PV)は約6億2000万、1人当たりの1日平均PVは31。投稿されたイラスト総数は約400万枚、1日の投稿数は約1万3000枚となっている。
JT、3工場閉鎖を正式発表 生産体制の合理化で対応
日本たばこ産業(JT)は今後1―2年以内に国内3工場を閉鎖する。対象は盛岡工場(盛岡市)、小田原工場(神奈川県小田原市)、米子工場(鳥取県米子市)。閉鎖後にJTの国内工場は計6カ所となる。健康志向の高まりや喫煙規制により、たばこの販売本数は10年連続で減少。最新鋭機を導入するなど生産体制の合理化で需要減に対応する。30日午後に発表した。
08年度の国内たばこ販売数量は前年度比4.9%減の2458億本。ピークだった1996年度の3483億本から約29%減少している。JTは03年に25あった工場を漸次減らし、今年3月には金沢工場(金沢市)を閉鎖したばかり。今後も年4―5%の市場縮小が続くとみて、残る拠点での生産合理化を急ぐ。
北関東工場(宇都宮市)や東海工場(静岡県磐田市)など主力4工場に、生産性の高い最新鋭ラインを順次導入する。生産量のほぼ半数を占める「マイルドセブン」シリーズなど主力銘柄を最新鋭設備で大量生産し、少量銘柄は小規模な2工場で生産する。
アップル、独自の半導体設計のため自社チームを構築
米アップルは、半導体を自ら設計するため、著しい能力を構築しようとしている。この戦略シフトが他にはない性能を自社デバイスにもたらし、自社技術を他社から守ることにつながるとアップルは期待している。
流行の仕掛け役であるアップルは、ソフトウエアやその他のタスクを実行する携帯電話機向けの多機能チップのエンジニアなど、半導体業界の多様な分野の人材を採用している。
アップルの計画に詳しい筋によると、同社は人気の携帯電話機「iPhone(アイフォーン)」や携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)タッチ」の消費電力を大幅に削減するために自社開発の半導体を利用するほか、リアルなゲームソフトや高精細の動画の再生に役立つグラフィックチップを加える可能性がある。
クライスラー、破産法申請の公算…一部債権者と交渉不調で
【ニューヨーク=池松洋】米クライスラーが30日にも連邦破産法11章(日本の民事再生法)の適用申請を行う可能性が高まった。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)などの複数の米メディアが報じた。米財務省と、債権の大幅削減に難色を示す一部債権者との交渉が不調に終わったため、破産法の適用申請がほぼ確実になったという。
クライスラーは裁判所の管理下で事業を継続しながら、債務の大幅圧縮を進め、米政府による追加支援や伊フィアットとの提携を受けて再建を図る考え。
米財務省は、30日のクライスラーの再建計画の再提出期限までに、すべての債権者から債権の大幅削減の同意を取り付けなければ、破産法の適用申請を求める方針を示していた。
債権(69億ドル)の7割以上を占める大手金融機関など大口債権者は、債権の7割を放棄することで合意していたが、残るヘッジファンドなどの小口債権者は、この計画に反対していた。
財務省は29日に債権放棄額をやや縮小する妥協案を提示したが、ヘッジファンドなどは反対姿勢を崩さなかったという。ただ、全米自動車労働組合(UAW)は29日の組合員投票で、人件費の大幅削減を正式決定した。米政府は、破産法を申請しても、大きな混乱は避けられ、早期に経営を再建できると見込んでいる。
日立、テレビ海外販売から撤退
4月1日付で就任した日立製作所の川村隆会長兼社長は28日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、テレビの海外販売から事実上撤退する方針を明らかにした。日立は世界同時不況の影響などで2009年3月期に約7000億円の巨額赤字を計上する見通し。このため事業の選択と集中を進めて経営の立て直しを図る方針を打ち出しており、今回の措置もその一環となる。
川村社長は今後の事業展開について、重電分野と情報システム分野を融合させた独自の社会インフラ事業である「社会イノベーション事業」を中核に据えると改めて強調。その上で、これと関係が薄い事業は「距離を遠ざけることもある」として、事業の撤退や売却を積極的に進める考えを明らかにした。
具体策として、7月に薄型テレビなどの部門を分社化するのにからみ、中国などの一部の地域を除いて、テレビの海外販売から撤退する方針を示した。
ただ、国内では「近い将来、テレビが家庭向けの社会イノベーション事業の鍵となる機器になる」として、これまで通り継続する。
ソフトバンク、増配公算 10年3月期の1.5―2.5円増
ソフトバンクは2010年3月期の年間配当を前期推定比で1.5―2.5円増の4―5円に引き上げる公算が大きい。主力の携帯電話事業が堅調なうえ、主要連結子会社のヤフーも増益基調を維持するなど、ソフトバンクの連結営業利益は今期も過去最高益を更新する見通し。個人を中心に要請が強い増配に踏み切ることで、株主配分を増やす。
同社の増配は実質4年ぶり。前回の増配は株式分割に伴い端数を切り上げた形だったが、今回は業績拡大に加え、フリーキャッシュフロー(純現金収支)も前期にプラスに転じたことを背景に、増配できる環境が整ったと判断したとみられる。
不謹慎ネットゲームに世界の宗教家が激怒
イエス・キリストやイスラム教のムハンマド、仏教のブッダなど各宗教の開祖を“キャラクター”にして格闘させるネットゲームが登場し、各国の宗教家、信者らが激怒している。
このゲームはイタリアのクリエーター集団「Molleindustria」が開発したネットゲーム「フェイス・ファイター」。同集団が運営するサイトから無料でダウンロードできる。
同ゲームには各宗教の開祖がアニメ調のキャラクターとして登場。丸々と太ったブッダや、やせて骨と皮ばかりのキリスト-など、極端にデフォルメされた各キャラクターが素手でバトルを繰り広げる。それぞれに「火の玉を落とす」などの“必殺技”が設けられているのが特徴だ。
このゲームの動画がユーチューブに投稿されたことで、全世界のネットユーザーが知るところとなった。
英メトロ紙によると、宗教をパロディーにしたことで、多くの宗教関係者や信者は拒否反応を示している。なかでも宗教上の教えにより開祖ムハンマドの姿を描くことを禁じられているイスラム教の関係者は「われわれの信仰を侮辱している」と怒り心頭だという。
モバイル通販激動期に突入~ドコモがTV通販会社を傘下に~
モバイルコンテンツ市場規模が2007年1兆1464億円になった。そのうち着信音系や、ゲームなどデジタルコンテンツではない、いわゆる通信販売に属するモバイルコマース市場は7231億円と、デジタルコンテンツを凌駕するまでに成長しています。2008年にはモバイルコマース単体で、1兆円に迫る規模になると予想されています。
モバイルコマースは、物品を予約・購入する物販系と、チケット購入などのサービス系、公営ギャンブルなどの手数料収入にあたるトランザクション系の3つのセクターから形成されています。その中で市場規模が最も大きいセクターが物販系です。
最近の通販ブームは、景気低迷の中、右肩上がりの状態です。特に伸びを牽引しているのは、ネット通販、テレビ通販の成長といわれています。ネット通販は楽天市場を筆頭に、Amazon、Yahoo!ショッピングなど、大手モールの寡占状態になっています。
しかし、消費者との接点を多様化させるために通常の小売店(リアル店舗)も多くネット通販に参入してきています。同様にテレビ通販も4000億円規模に成長しています。
そんな中、モバイル通販の動向もにわかに動き始めています。
大きな流れが、4月に発表された、NTTドコモが2007年ビリーズビートキャンプで大ブレークしたショップジャパンことテレビ通販会社オークローンマーケティング(OLM)を傘下に収めた、というニュースです。
通信キャリアは通信以外の副次収入を模索し、OLMは新しいメディアへと消費者との接点を広げようとした両社の思いが一致したことが話を進ませた要因でしょう。OLMは通販業界で大手です。ケータイ業界というよりも通販業界では大きな話題になっています。
一方ドコモには2011年以降のアナログテレビ放送停波後の跡地に、マルチメディア放送を実施する予定で準備が進められております。
いわゆる携帯電話上でのテレビと通信の融合サービスです。このプラットフォーム上でのキラーコンテンツとして、テレビ通販のノウハウに期待を持っているのかもしれません。いずれにしても、次世代の携帯電話ビジネスを暗示する一つの兆しであることは、間違いないでしょう。
日経社説 電子図書館構築へ日本も基盤整備急げ(4/30)
米グーグルが始めた書籍検索サービスが日本の出版業界に電子化への対応を迫っている。同社は世界の図書館の本をデジタル化し、電子図書館作りを進めている。著作権侵害を理由に米国の出版社が訴えていたが和解が成立、日本の書籍も対象に含まれることになったからだ。
グーグルのサービスは絶版となった書籍をスキャナーで読み取ってデータベース化し、本文の一部か全体を検索閲覧できるようにした。各国の有力大学と協力して、すでに約700万冊の情報を取り込んだ。
現物を入手できない本をインターネットで検索閲覧できれば学術研究に役立つし一般の読者にも便利。そのための書籍複製は米国著作権法のフェアユース(公正利用)に当たると同社は正当性を主張している。
和解案では、絶版となった本を電子化した場合、グーグルは60ドルをまず権利者に支払い、商用利用した場合には収益の63%を分配する。権利者は同社にデータベースからの削除を求めることもできる。
問題は今回の決定が米国の集団訴訟に基づく和解という点だ。日米両国は国際条約により著作権を相互に保護する義務がある。このため日本の出版社も共通の利害関係者となり和解の効力が及ぶ。グーグルは削除の意思表示がない限り、権利料を支払うことでいわば自動的に日本の書籍も電子化できることになる。
多くの出版社はグーグルと和解したうえで削除を求める方針。米国の著作権法や訴訟法の効果が日本の権利者にも及ぶことには疑問を禁じ得ないが、やむを得ない対応である。
日本の書籍は絶版かどうかの判断が米国では難しい。電子化する前に入念に調査するとともに、商用利用する場合には収益の還元方法を日本の出版社や著作権者に明確に示すようグーグルに求める必要がある。
フランスなど欧州では電子図書館作りを国策で進めている国も多い。日本は古書の電子化は保存目的で行っているが、書籍の検索サービスは著作権法上認められていない。日本でも書籍の検索サービスを歓迎する声は多く、対応が求められよう。
今国会提出の著作権法改正案には国立国会図書館に書籍の電子化を認める条項が入った。日本も電子図書館作りを急いで進めたい。さらに日本にもフェアユースの明確な規定を導入し、グーグルの事業を法的に監視できるようにすべきだ。
グーグルの検索技術は先進的だが法的な課題も多い。国内法制度を整備する一方、政府間で新たなルール作りを進めていく必要もあろう。
ニワンゴは、「ニコニコ動画」の累計再生回数が4月30日までに約99億回となり、ゴールデンウィーク期間中に100億回を突破する見通しだと発表した。
100億回の突破を記念し、5月4~7日の午前0時に、ニコニコ動画の人気キャラクターたちが動画再生画面に登場する「ニコニコパレード」を開催する。
pixiv、80万会員突破 約40日で10万人増
ピクシブは4月30日、イラストSNS「pixiv」の会員数が4月28日付けで80万を突破したと発表した。3月20日に70万を突破してから約40日で10万人増えた。
月間ページビュー(PV)は約6億2000万、1人当たりの1日平均PVは31。投稿されたイラスト総数は約400万枚、1日の投稿数は約1万3000枚となっている。
JT、3工場閉鎖を正式発表 生産体制の合理化で対応
日本たばこ産業(JT)は今後1―2年以内に国内3工場を閉鎖する。対象は盛岡工場(盛岡市)、小田原工場(神奈川県小田原市)、米子工場(鳥取県米子市)。閉鎖後にJTの国内工場は計6カ所となる。健康志向の高まりや喫煙規制により、たばこの販売本数は10年連続で減少。最新鋭機を導入するなど生産体制の合理化で需要減に対応する。30日午後に発表した。
08年度の国内たばこ販売数量は前年度比4.9%減の2458億本。ピークだった1996年度の3483億本から約29%減少している。JTは03年に25あった工場を漸次減らし、今年3月には金沢工場(金沢市)を閉鎖したばかり。今後も年4―5%の市場縮小が続くとみて、残る拠点での生産合理化を急ぐ。
北関東工場(宇都宮市)や東海工場(静岡県磐田市)など主力4工場に、生産性の高い最新鋭ラインを順次導入する。生産量のほぼ半数を占める「マイルドセブン」シリーズなど主力銘柄を最新鋭設備で大量生産し、少量銘柄は小規模な2工場で生産する。
アップル、独自の半導体設計のため自社チームを構築
米アップルは、半導体を自ら設計するため、著しい能力を構築しようとしている。この戦略シフトが他にはない性能を自社デバイスにもたらし、自社技術を他社から守ることにつながるとアップルは期待している。
流行の仕掛け役であるアップルは、ソフトウエアやその他のタスクを実行する携帯電話機向けの多機能チップのエンジニアなど、半導体業界の多様な分野の人材を採用している。
アップルの計画に詳しい筋によると、同社は人気の携帯電話機「iPhone(アイフォーン)」や携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)タッチ」の消費電力を大幅に削減するために自社開発の半導体を利用するほか、リアルなゲームソフトや高精細の動画の再生に役立つグラフィックチップを加える可能性がある。
クライスラー、破産法申請の公算…一部債権者と交渉不調で
【ニューヨーク=池松洋】米クライスラーが30日にも連邦破産法11章(日本の民事再生法)の適用申請を行う可能性が高まった。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)などの複数の米メディアが報じた。米財務省と、債権の大幅削減に難色を示す一部債権者との交渉が不調に終わったため、破産法の適用申請がほぼ確実になったという。
クライスラーは裁判所の管理下で事業を継続しながら、債務の大幅圧縮を進め、米政府による追加支援や伊フィアットとの提携を受けて再建を図る考え。
米財務省は、30日のクライスラーの再建計画の再提出期限までに、すべての債権者から債権の大幅削減の同意を取り付けなければ、破産法の適用申請を求める方針を示していた。
債権(69億ドル)の7割以上を占める大手金融機関など大口債権者は、債権の7割を放棄することで合意していたが、残るヘッジファンドなどの小口債権者は、この計画に反対していた。
財務省は29日に債権放棄額をやや縮小する妥協案を提示したが、ヘッジファンドなどは反対姿勢を崩さなかったという。ただ、全米自動車労働組合(UAW)は29日の組合員投票で、人件費の大幅削減を正式決定した。米政府は、破産法を申請しても、大きな混乱は避けられ、早期に経営を再建できると見込んでいる。
日立、テレビ海外販売から撤退
4月1日付で就任した日立製作所の川村隆会長兼社長は28日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、テレビの海外販売から事実上撤退する方針を明らかにした。日立は世界同時不況の影響などで2009年3月期に約7000億円の巨額赤字を計上する見通し。このため事業の選択と集中を進めて経営の立て直しを図る方針を打ち出しており、今回の措置もその一環となる。
川村社長は今後の事業展開について、重電分野と情報システム分野を融合させた独自の社会インフラ事業である「社会イノベーション事業」を中核に据えると改めて強調。その上で、これと関係が薄い事業は「距離を遠ざけることもある」として、事業の撤退や売却を積極的に進める考えを明らかにした。
具体策として、7月に薄型テレビなどの部門を分社化するのにからみ、中国などの一部の地域を除いて、テレビの海外販売から撤退する方針を示した。
ただ、国内では「近い将来、テレビが家庭向けの社会イノベーション事業の鍵となる機器になる」として、これまで通り継続する。
ソフトバンク、増配公算 10年3月期の1.5―2.5円増
ソフトバンクは2010年3月期の年間配当を前期推定比で1.5―2.5円増の4―5円に引き上げる公算が大きい。主力の携帯電話事業が堅調なうえ、主要連結子会社のヤフーも増益基調を維持するなど、ソフトバンクの連結営業利益は今期も過去最高益を更新する見通し。個人を中心に要請が強い増配に踏み切ることで、株主配分を増やす。
同社の増配は実質4年ぶり。前回の増配は株式分割に伴い端数を切り上げた形だったが、今回は業績拡大に加え、フリーキャッシュフロー(純現金収支)も前期にプラスに転じたことを背景に、増配できる環境が整ったと判断したとみられる。
不謹慎ネットゲームに世界の宗教家が激怒
イエス・キリストやイスラム教のムハンマド、仏教のブッダなど各宗教の開祖を“キャラクター”にして格闘させるネットゲームが登場し、各国の宗教家、信者らが激怒している。
このゲームはイタリアのクリエーター集団「Molleindustria」が開発したネットゲーム「フェイス・ファイター」。同集団が運営するサイトから無料でダウンロードできる。
同ゲームには各宗教の開祖がアニメ調のキャラクターとして登場。丸々と太ったブッダや、やせて骨と皮ばかりのキリスト-など、極端にデフォルメされた各キャラクターが素手でバトルを繰り広げる。それぞれに「火の玉を落とす」などの“必殺技”が設けられているのが特徴だ。
このゲームの動画がユーチューブに投稿されたことで、全世界のネットユーザーが知るところとなった。
英メトロ紙によると、宗教をパロディーにしたことで、多くの宗教関係者や信者は拒否反応を示している。なかでも宗教上の教えにより開祖ムハンマドの姿を描くことを禁じられているイスラム教の関係者は「われわれの信仰を侮辱している」と怒り心頭だという。
モバイル通販激動期に突入~ドコモがTV通販会社を傘下に~
モバイルコンテンツ市場規模が2007年1兆1464億円になった。そのうち着信音系や、ゲームなどデジタルコンテンツではない、いわゆる通信販売に属するモバイルコマース市場は7231億円と、デジタルコンテンツを凌駕するまでに成長しています。2008年にはモバイルコマース単体で、1兆円に迫る規模になると予想されています。
モバイルコマースは、物品を予約・購入する物販系と、チケット購入などのサービス系、公営ギャンブルなどの手数料収入にあたるトランザクション系の3つのセクターから形成されています。その中で市場規模が最も大きいセクターが物販系です。
最近の通販ブームは、景気低迷の中、右肩上がりの状態です。特に伸びを牽引しているのは、ネット通販、テレビ通販の成長といわれています。ネット通販は楽天市場を筆頭に、Amazon、Yahoo!ショッピングなど、大手モールの寡占状態になっています。
しかし、消費者との接点を多様化させるために通常の小売店(リアル店舗)も多くネット通販に参入してきています。同様にテレビ通販も4000億円規模に成長しています。
そんな中、モバイル通販の動向もにわかに動き始めています。
大きな流れが、4月に発表された、NTTドコモが2007年ビリーズビートキャンプで大ブレークしたショップジャパンことテレビ通販会社オークローンマーケティング(OLM)を傘下に収めた、というニュースです。
通信キャリアは通信以外の副次収入を模索し、OLMは新しいメディアへと消費者との接点を広げようとした両社の思いが一致したことが話を進ませた要因でしょう。OLMは通販業界で大手です。ケータイ業界というよりも通販業界では大きな話題になっています。
一方ドコモには2011年以降のアナログテレビ放送停波後の跡地に、マルチメディア放送を実施する予定で準備が進められております。
いわゆる携帯電話上でのテレビと通信の融合サービスです。このプラットフォーム上でのキラーコンテンツとして、テレビ通販のノウハウに期待を持っているのかもしれません。いずれにしても、次世代の携帯電話ビジネスを暗示する一つの兆しであることは、間違いないでしょう。
日経社説 電子図書館構築へ日本も基盤整備急げ(4/30)
米グーグルが始めた書籍検索サービスが日本の出版業界に電子化への対応を迫っている。同社は世界の図書館の本をデジタル化し、電子図書館作りを進めている。著作権侵害を理由に米国の出版社が訴えていたが和解が成立、日本の書籍も対象に含まれることになったからだ。
グーグルのサービスは絶版となった書籍をスキャナーで読み取ってデータベース化し、本文の一部か全体を検索閲覧できるようにした。各国の有力大学と協力して、すでに約700万冊の情報を取り込んだ。
現物を入手できない本をインターネットで検索閲覧できれば学術研究に役立つし一般の読者にも便利。そのための書籍複製は米国著作権法のフェアユース(公正利用)に当たると同社は正当性を主張している。
和解案では、絶版となった本を電子化した場合、グーグルは60ドルをまず権利者に支払い、商用利用した場合には収益の63%を分配する。権利者は同社にデータベースからの削除を求めることもできる。
問題は今回の決定が米国の集団訴訟に基づく和解という点だ。日米両国は国際条約により著作権を相互に保護する義務がある。このため日本の出版社も共通の利害関係者となり和解の効力が及ぶ。グーグルは削除の意思表示がない限り、権利料を支払うことでいわば自動的に日本の書籍も電子化できることになる。
多くの出版社はグーグルと和解したうえで削除を求める方針。米国の著作権法や訴訟法の効果が日本の権利者にも及ぶことには疑問を禁じ得ないが、やむを得ない対応である。
日本の書籍は絶版かどうかの判断が米国では難しい。電子化する前に入念に調査するとともに、商用利用する場合には収益の還元方法を日本の出版社や著作権者に明確に示すようグーグルに求める必要がある。
フランスなど欧州では電子図書館作りを国策で進めている国も多い。日本は古書の電子化は保存目的で行っているが、書籍の検索サービスは著作権法上認められていない。日本でも書籍の検索サービスを歓迎する声は多く、対応が求められよう。
今国会提出の著作権法改正案には国立国会図書館に書籍の電子化を認める条項が入った。日本も電子図書館作りを急いで進めたい。さらに日本にもフェアユースの明確な規定を導入し、グーグルの事業を法的に監視できるようにすべきだ。
グーグルの検索技術は先進的だが法的な課題も多い。国内法制度を整備する一方、政府間で新たなルール作りを進めていく必要もあろう。
【新型インフル】フェーズ5に引き上げ WHO
【ニューヨーク=松尾理也】新型インフルエンザの感染が拡大する中、世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は29日夜(日本時間30日未明)、警戒水準(フェーズ)を現在の「4」から、世界的大流行(パンデミック)の一歩手前で、複数の国で人から人への感染が進んでいる証拠があることを示す「5」へ引き上げると発表した。チャン事務局長は「パンデミックが差し迫っているとの強い警告」と述べ、人類全体が深刻な危機にさらされているとの認識を示した。
フェーズ5は、新型ウイルスによる感染が単独の地域内だけにとどまらず、少なくとも2つ以上の地域で発生するに至った場合に宣告される。新型インフルエンザの警戒レベルは6段階で、もっとも高いフェーズ6はパンデミックの発生を意味する。
警戒水準を引き上げた理由として、チャン事務局長は、メキシコや米国で、持続的な人から人への感染が確認されたことを挙げ、大流行に向けて高いレベルでの警戒態勢を維持するよう各国に要請した。
また、チャン事務局長は、新型インフルエンザは非常に早いスピードで進化しており、各国による極めて深刻な封じ込めへの取り組みが必要だと語った。同席したフクダ事務局長補代理も、新型インフルエンザが「大流行は初期段階にある」との認識を示した。
新型インフルエンザの感染者は世界的に拡大する傾向にあり、最大被害国のメキシコでは約2500人の感染が疑われ、うち159人が死亡したとみられる。米国でも91人の感染が確認され、被害は計10カ国に広がっている。
厚労相「対策を着実に実施」 WHO、警戒水準「5」に
世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒水準(フェーズ)を「4」から「5」に引き上げたことを受け、舛添要一厚生労働相は30日、厚労省で緊急に記者会見し、「現時点で国内に患者が発生している状況ではない。これまで通り必要な対策を着実に実施する」と述べた。そのうえで「国民は引き続き正しい情報に基づき、冷静に対応してほしい」と求めた。
舛添厚労相は、国内で発生した場合に備え、医療機関に院内感染に対応する発熱外来の設置の要請や治療薬の在庫の迅速に把握する体制の整備を進める。また新型インフルエンザのウイルス株を速やかに入手し、今回のウイルスの危険性を配慮しつつ、重症化を予防するワクチンの製造に取り組むという。
米1-3月期GDP、6.1%減 3期連続マイナス成長
【ワシントン=大隅隆】米商務省が29日発表した1―3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期の08年10―12月と比べ年率換算(季節調整済み)で6.1%減少した。3期連続のマイナス成長で市場予測の平均(4.7%減)も下回ったが、縮小幅は前期(6.3%)より小さかった。
3四半期連続のマイナス成長はオイルショック後の1974年7月―75年3月以来。
GDPの約7割を占める個人消費は2.2%増で08年4―6月期以来3四半期ぶりにプラスに転じた。昨秋の金融危機で消費に急ブレーキをかけた反動が出た格好で、GDPを1.5%押し上げた。自動車などの耐久消費財、日用品、サービスがそろって減少が止まっている。
市場予想より悪化 “楽観論”吹き飛ぶ 米GDP3期連続減 【ワシントン=渡辺浩生】米国の1~3月期の実質国内総生産(GDP)が6・1%減と市場の予想を上回るマイナス成長となったことで、一部で広がっていた景気底入れ期待はしぼんだ。金融安定化は道半ばで、ゼネラル・モーターズ(GM)の破綻(はたん)懸念もくすぶる。米国でも死者が出た新型インフルエンザ問題が景気を一段と冷え込ませる恐れも出てきた。金融・自動車・インフルという“3つの不安”が、「年後半の回復」を掲げるオバマ大統領の前に立ちふさがっている。
29日に就任100日を迎えたオバマ大統領にとって、“祝砲”になるはずだった1~3月期のGDPは、その期待を裏切り、楽観論を吹き飛ばした。
オバマ政権は発足以降、過去最大の大型景気対策や住宅ローン支援策を矢継ぎ早に打ち出し、景気悪化を下支えしてきた。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和の効果も表れ、宅ローン金利は歴史的低水準となり、貸し出し増加の動きが出ている。
オバマ大統領も「かすかな希望が見えてきた」と連日の演説で強調。先にワシントンで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でも、米主導で「年内回復開始」の一文を共同声明にねじ込んだ。
実際、1~3月期のGDPには明るい材料も多い。個人消費が3四半期ぶりにプラスに転じ、「消費者心理に薄日が差してきた」との見方が出ている。
さらに今回のGDPでは最大のマイナス要因になった在庫の大幅な取り崩しも、今後、在庫調整が進み、経済活動の回復の芽となる可能性が高い。
ただ設備投資や輸出の記録的な悪化は、需要の縮小で、企業部門を中心に景気後退が深刻化していることを裏付けた。
さらに先行き不安要因も多い。5月4日公表される大手銀行に対する資産査定(ストレステスト)ではシティグループなどに対し、資本増強が必要との判断が下される見通し。資本不足による貸し渋りが続いており、ウォール街が抵抗する公的資金の追加投入が急務との指摘は多い。
6月1日に再建計画策定の期限を迎えるGMが、破綻に追い込まれれば、部品メーカーや販売店が連鎖破綻し、8・5%に上昇した失業率がさらに悪化する懸念がある。
新型インフルの感染拡大についても、「景気に与える影響を判断するには時期尚早」(ギブズ大統領報道官)とするが、航空、観光、食肉業界を中心に打撃が及ぶのは必至だ。政策総動員が求められる非常事態は依然として続いている。
危機即応、異例の布陣 主要企業、09年のトップ交代
主要企業のトップ交代がほぼ出そろった。急速に悪化する業績を立て直すために、企業は異例ともいえる危機対応型の布陣を敷き始めた。トヨタ自動車で創業家出身者が社長に就いたり、日立製作所やソニー、スズキで「会長兼社長」が登場したりしたのは危機克服へ求心力を高めるのが狙いだ。事業構造の抜本見直しや業界再編に備え、M&A(合併・買収)で高い実績を残した人材の登用も目立っている。
「自動車業界が21世紀も必要とされるのか、今が瀬戸際だ」。6月下旬にトヨタ自動車の社長に就任する豊田章男副社長(52)は危機感を隠さない。同社は2009年3月期に戦後初の営業赤字に転落、今期も赤字が続く見通し。創業家の求心力で販売会社や部品会社などグループ全体で業績回復を急ぐ。
IT認証制度を1年延期 中国、対象は政府調達
中国がセキュリティー関係の情報技術(IT)製品に関する新たな強制認証制度の導入を検討している問題で、中国国家認証認可監督管理委員会は29日、実施を来年5月1日に1年延期し、適用範囲を政府調達に絞ると発表した。
IT認証制度は、外国企業が通信ネットワークのファイアウオール(安全隔壁)やICカードの基本ソフト(OS)などのソフトウエア13品目を中国に輸出する際、中国政府の強制認証が必要となる仕組み。
これに対し、日米欧の産業界は、中国側への技術情報の流出を懸念して「中国以外では例がない制度だ」と強く反発、再考を求めていた。
今回の決定について、同委員会は「国内外の企業などから広範囲に意見を聴取した上で、実施範囲と時期を決定した」と説明している。29日に日米欧韓の業界関係者らに通報した。
三井住友FG、オリックス系消費者金融を買収へ
三井住友フィナンシャルグループ(FG)が、リース最大手オリックスの消費者金融子会社「オリックス・クレジット」を買収する方向で最終調整していることが29日、分かった。
関係者によると、三井住友は、クレジットの株式100%を保有するオリックスから51%を取得して傘下に収める方針。取得金額は200億~300億円程度で、近く合意に達する見通しという。オリックス・クレジットは、中小企業経営者ら高所得者向けに強みを持つ。買収により、三井住友は個人向けサービスを強化する。
米国に新幹線売り込み 政府、国交副大臣を派遣
政府は米国への新幹線の売り込みを本格化する。オバマ米政権が高速鉄道の整備に130億ドル(約1兆2500億円)を投じる計画を公表したのを受け、5月初旬に加納時男国土交通副大臣が訪米してラフード運輸長官と会談。日本の新幹線の採用を働きかける。
オバマ政権は4月、ロサンゼルス―サンフランシスコ、ニューヨーク―ワシントンなどに高速鉄道を整備する計画を公表した。政権公約である地球温暖化対策への取り組みの一環だ。
イエローハット、愛知の物流拠点を閉鎖 販売低迷で
イエローハットは愛知県春日井市にある物流拠点を4月末で閉鎖する。これまでは愛知と宮城、埼玉、山口の4県にある拠点で全国のカー用品販売店向けの物流をまかなっていたが、5月以降は3拠点体制とする。新車販売台数の減少や景気悪化が響き、同社のカー用品販売は低迷している。物流拠点の統廃合で経営効率を改善する。
愛知県の物流拠点がカー用品を配送していた地域の販売店への配送業務は今後、埼玉県と山口県の物流拠点が担う。閉鎖により、来年以降に年間で数億円のコスト削減効果を見込めるという。
【産経主張】日中首脳会談 表面的互恵で済ませるな
日中の戦略的互恵関係が、言葉だけにとどまっていることを見せつけたのではないか。
中国は外国企業に対し、IT(情報技術)製品の設計図を強制的に開示させる制度を導入しようとしている。ソフトウエアが簡単にコピーされ、知的財産権が侵害される懸念がある。麻生太郎首相は日中首脳会談で「貿易の障壁になるようなことは避けてほしい」と撤回を求めたが、温家宝首相は応じなかった。
強制的な開示制度は、知的財産保護という世界的な流れを真っ向から否定する。中国側は会談当日になって、来年5月まで1年間実施を延期すると発表したが、それでは解決にならない。あくまでも撤回を求めていくべきだ。
「最も重要な2国間関係」(温首相)とうたいながら、平気で難題を突きつけてくる相手である。知的財産権に加え、主権にかかわる領土問題など、国益を守る主張を緩めてはならない。
中国が導入を予定しているのは中国国内で製造・販売するデジタル家電などのIT製品について、ソフトウエアの設計図である「ソースコード」の開示を義務づけるもので、世界にも例がない。
中国側はソフトの欠陥を狙ったコンピューターウイルスの侵入防止などが目的だと説明するが、軍事転用可能な技術情報や国家機密の漏洩(ろうえい)につながる可能性も指摘されている。温首相が制度の適用は政府が調達する製品に限定すると説明したのに対し、麻生首相が「中国では政府調達の範囲が広い」と反論したのは当然だ。
導入されれば、対中貿易は大きな影響を受ける。現地法人を含め、中国における日系企業の年間出荷額は計1兆円に上るといわれる。知的財産権の侵害を恐れ、中国への製品輸出をためらう企業も出てこよう。今後、中国が各国別に制度を緩めるなど分断を図ってくるかもしれない。それを受け入れれば相手の思うつぼだ。世界経済の利益にならないし、中国自身にもマイナスではないか。
東シナ海の共同開発問題で、中国側は継続協議中のガス田を一方的に開発し、尖閣諸島沖の日本領海を海洋調査船で侵犯したが、政府が根本的解決に取り組んできたとはいえまい。環境・省エネルギーなど協力分野を拡大するのはよい。主権や国益のぶつかり合いを避け、表面的な友好を演出する訪中に終わらせてはならない。
【ニューヨーク=松尾理也】新型インフルエンザの感染が拡大する中、世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は29日夜(日本時間30日未明)、警戒水準(フェーズ)を現在の「4」から、世界的大流行(パンデミック)の一歩手前で、複数の国で人から人への感染が進んでいる証拠があることを示す「5」へ引き上げると発表した。チャン事務局長は「パンデミックが差し迫っているとの強い警告」と述べ、人類全体が深刻な危機にさらされているとの認識を示した。
フェーズ5は、新型ウイルスによる感染が単独の地域内だけにとどまらず、少なくとも2つ以上の地域で発生するに至った場合に宣告される。新型インフルエンザの警戒レベルは6段階で、もっとも高いフェーズ6はパンデミックの発生を意味する。
警戒水準を引き上げた理由として、チャン事務局長は、メキシコや米国で、持続的な人から人への感染が確認されたことを挙げ、大流行に向けて高いレベルでの警戒態勢を維持するよう各国に要請した。
また、チャン事務局長は、新型インフルエンザは非常に早いスピードで進化しており、各国による極めて深刻な封じ込めへの取り組みが必要だと語った。同席したフクダ事務局長補代理も、新型インフルエンザが「大流行は初期段階にある」との認識を示した。
新型インフルエンザの感染者は世界的に拡大する傾向にあり、最大被害国のメキシコでは約2500人の感染が疑われ、うち159人が死亡したとみられる。米国でも91人の感染が確認され、被害は計10カ国に広がっている。
厚労相「対策を着実に実施」 WHO、警戒水準「5」に
世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒水準(フェーズ)を「4」から「5」に引き上げたことを受け、舛添要一厚生労働相は30日、厚労省で緊急に記者会見し、「現時点で国内に患者が発生している状況ではない。これまで通り必要な対策を着実に実施する」と述べた。そのうえで「国民は引き続き正しい情報に基づき、冷静に対応してほしい」と求めた。
舛添厚労相は、国内で発生した場合に備え、医療機関に院内感染に対応する発熱外来の設置の要請や治療薬の在庫の迅速に把握する体制の整備を進める。また新型インフルエンザのウイルス株を速やかに入手し、今回のウイルスの危険性を配慮しつつ、重症化を予防するワクチンの製造に取り組むという。
米1-3月期GDP、6.1%減 3期連続マイナス成長
【ワシントン=大隅隆】米商務省が29日発表した1―3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期の08年10―12月と比べ年率換算(季節調整済み)で6.1%減少した。3期連続のマイナス成長で市場予測の平均(4.7%減)も下回ったが、縮小幅は前期(6.3%)より小さかった。
3四半期連続のマイナス成長はオイルショック後の1974年7月―75年3月以来。
GDPの約7割を占める個人消費は2.2%増で08年4―6月期以来3四半期ぶりにプラスに転じた。昨秋の金融危機で消費に急ブレーキをかけた反動が出た格好で、GDPを1.5%押し上げた。自動車などの耐久消費財、日用品、サービスがそろって減少が止まっている。
市場予想より悪化 “楽観論”吹き飛ぶ 米GDP3期連続減 【ワシントン=渡辺浩生】米国の1~3月期の実質国内総生産(GDP)が6・1%減と市場の予想を上回るマイナス成長となったことで、一部で広がっていた景気底入れ期待はしぼんだ。金融安定化は道半ばで、ゼネラル・モーターズ(GM)の破綻(はたん)懸念もくすぶる。米国でも死者が出た新型インフルエンザ問題が景気を一段と冷え込ませる恐れも出てきた。金融・自動車・インフルという“3つの不安”が、「年後半の回復」を掲げるオバマ大統領の前に立ちふさがっている。
29日に就任100日を迎えたオバマ大統領にとって、“祝砲”になるはずだった1~3月期のGDPは、その期待を裏切り、楽観論を吹き飛ばした。
オバマ政権は発足以降、過去最大の大型景気対策や住宅ローン支援策を矢継ぎ早に打ち出し、景気悪化を下支えしてきた。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和の効果も表れ、宅ローン金利は歴史的低水準となり、貸し出し増加の動きが出ている。
オバマ大統領も「かすかな希望が見えてきた」と連日の演説で強調。先にワシントンで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でも、米主導で「年内回復開始」の一文を共同声明にねじ込んだ。
実際、1~3月期のGDPには明るい材料も多い。個人消費が3四半期ぶりにプラスに転じ、「消費者心理に薄日が差してきた」との見方が出ている。
さらに今回のGDPでは最大のマイナス要因になった在庫の大幅な取り崩しも、今後、在庫調整が進み、経済活動の回復の芽となる可能性が高い。
ただ設備投資や輸出の記録的な悪化は、需要の縮小で、企業部門を中心に景気後退が深刻化していることを裏付けた。
さらに先行き不安要因も多い。5月4日公表される大手銀行に対する資産査定(ストレステスト)ではシティグループなどに対し、資本増強が必要との判断が下される見通し。資本不足による貸し渋りが続いており、ウォール街が抵抗する公的資金の追加投入が急務との指摘は多い。
6月1日に再建計画策定の期限を迎えるGMが、破綻に追い込まれれば、部品メーカーや販売店が連鎖破綻し、8・5%に上昇した失業率がさらに悪化する懸念がある。
新型インフルの感染拡大についても、「景気に与える影響を判断するには時期尚早」(ギブズ大統領報道官)とするが、航空、観光、食肉業界を中心に打撃が及ぶのは必至だ。政策総動員が求められる非常事態は依然として続いている。
危機即応、異例の布陣 主要企業、09年のトップ交代
主要企業のトップ交代がほぼ出そろった。急速に悪化する業績を立て直すために、企業は異例ともいえる危機対応型の布陣を敷き始めた。トヨタ自動車で創業家出身者が社長に就いたり、日立製作所やソニー、スズキで「会長兼社長」が登場したりしたのは危機克服へ求心力を高めるのが狙いだ。事業構造の抜本見直しや業界再編に備え、M&A(合併・買収)で高い実績を残した人材の登用も目立っている。
「自動車業界が21世紀も必要とされるのか、今が瀬戸際だ」。6月下旬にトヨタ自動車の社長に就任する豊田章男副社長(52)は危機感を隠さない。同社は2009年3月期に戦後初の営業赤字に転落、今期も赤字が続く見通し。創業家の求心力で販売会社や部品会社などグループ全体で業績回復を急ぐ。
IT認証制度を1年延期 中国、対象は政府調達
中国がセキュリティー関係の情報技術(IT)製品に関する新たな強制認証制度の導入を検討している問題で、中国国家認証認可監督管理委員会は29日、実施を来年5月1日に1年延期し、適用範囲を政府調達に絞ると発表した。
IT認証制度は、外国企業が通信ネットワークのファイアウオール(安全隔壁)やICカードの基本ソフト(OS)などのソフトウエア13品目を中国に輸出する際、中国政府の強制認証が必要となる仕組み。
これに対し、日米欧の産業界は、中国側への技術情報の流出を懸念して「中国以外では例がない制度だ」と強く反発、再考を求めていた。
今回の決定について、同委員会は「国内外の企業などから広範囲に意見を聴取した上で、実施範囲と時期を決定した」と説明している。29日に日米欧韓の業界関係者らに通報した。
三井住友FG、オリックス系消費者金融を買収へ
三井住友フィナンシャルグループ(FG)が、リース最大手オリックスの消費者金融子会社「オリックス・クレジット」を買収する方向で最終調整していることが29日、分かった。
関係者によると、三井住友は、クレジットの株式100%を保有するオリックスから51%を取得して傘下に収める方針。取得金額は200億~300億円程度で、近く合意に達する見通しという。オリックス・クレジットは、中小企業経営者ら高所得者向けに強みを持つ。買収により、三井住友は個人向けサービスを強化する。
米国に新幹線売り込み 政府、国交副大臣を派遣
政府は米国への新幹線の売り込みを本格化する。オバマ米政権が高速鉄道の整備に130億ドル(約1兆2500億円)を投じる計画を公表したのを受け、5月初旬に加納時男国土交通副大臣が訪米してラフード運輸長官と会談。日本の新幹線の採用を働きかける。
オバマ政権は4月、ロサンゼルス―サンフランシスコ、ニューヨーク―ワシントンなどに高速鉄道を整備する計画を公表した。政権公約である地球温暖化対策への取り組みの一環だ。
イエローハット、愛知の物流拠点を閉鎖 販売低迷で
イエローハットは愛知県春日井市にある物流拠点を4月末で閉鎖する。これまでは愛知と宮城、埼玉、山口の4県にある拠点で全国のカー用品販売店向けの物流をまかなっていたが、5月以降は3拠点体制とする。新車販売台数の減少や景気悪化が響き、同社のカー用品販売は低迷している。物流拠点の統廃合で経営効率を改善する。
愛知県の物流拠点がカー用品を配送していた地域の販売店への配送業務は今後、埼玉県と山口県の物流拠点が担う。閉鎖により、来年以降に年間で数億円のコスト削減効果を見込めるという。
【産経主張】日中首脳会談 表面的互恵で済ませるな
日中の戦略的互恵関係が、言葉だけにとどまっていることを見せつけたのではないか。
中国は外国企業に対し、IT(情報技術)製品の設計図を強制的に開示させる制度を導入しようとしている。ソフトウエアが簡単にコピーされ、知的財産権が侵害される懸念がある。麻生太郎首相は日中首脳会談で「貿易の障壁になるようなことは避けてほしい」と撤回を求めたが、温家宝首相は応じなかった。
強制的な開示制度は、知的財産保護という世界的な流れを真っ向から否定する。中国側は会談当日になって、来年5月まで1年間実施を延期すると発表したが、それでは解決にならない。あくまでも撤回を求めていくべきだ。
「最も重要な2国間関係」(温首相)とうたいながら、平気で難題を突きつけてくる相手である。知的財産権に加え、主権にかかわる領土問題など、国益を守る主張を緩めてはならない。
中国が導入を予定しているのは中国国内で製造・販売するデジタル家電などのIT製品について、ソフトウエアの設計図である「ソースコード」の開示を義務づけるもので、世界にも例がない。
中国側はソフトの欠陥を狙ったコンピューターウイルスの侵入防止などが目的だと説明するが、軍事転用可能な技術情報や国家機密の漏洩(ろうえい)につながる可能性も指摘されている。温首相が制度の適用は政府が調達する製品に限定すると説明したのに対し、麻生首相が「中国では政府調達の範囲が広い」と反論したのは当然だ。
導入されれば、対中貿易は大きな影響を受ける。現地法人を含め、中国における日系企業の年間出荷額は計1兆円に上るといわれる。知的財産権の侵害を恐れ、中国への製品輸出をためらう企業も出てこよう。今後、中国が各国別に制度を緩めるなど分断を図ってくるかもしれない。それを受け入れれば相手の思うつぼだ。世界経済の利益にならないし、中国自身にもマイナスではないか。
東シナ海の共同開発問題で、中国側は継続協議中のガス田を一方的に開発し、尖閣諸島沖の日本領海を海洋調査船で侵犯したが、政府が根本的解決に取り組んできたとはいえまい。環境・省エネルギーなど協力分野を拡大するのはよい。主権や国益のぶつかり合いを避け、表面的な友好を演出する訪中に終わらせてはならない。
Govt must act now to prevent pandemic
It must be an anguished decision.
The World Health Organization on Monday raised its global alert level as a result of swine flu--which has spread from Mexico to other parts of the world--from Phase 3 to Phase 4, one level closer to the highest level of Phase 6, the pandemic phase.
The decision by the WHO means that it is internationally recognized that the current virus is no longer one transmitted only among animals and that a new strain of influenza, which can be transmitted among humans, has emerged.
The virus is spreading around the world, so it will not be just an epidemic of limited scale. The WHO's attempt to contain the new strain of influenza at the initial stage of the outbreak has completely failed.
===
WHO urging countermeasures
How can we minimize the scale of the outbreak? How can we reduce the impact of the epidemic on society and the economy?
By raising the alert level, the WHO apparently is urging governments around the world to implement crisis management measures. Japan must take swift action to deal with the situation.
One thing to keep in mind is that, except for Mexico where the virus is believed to have killed more than 100 people, infected people in the United States, Europe and other nations have shown relatively mild symptoms.
This indicates it is highly likely that the same type of medical treatment used to treat ordinary influenza, the type that occurs every year, might be effective in fighting this worrying virus. It is expected to take several months to develop and provide a vaccine, but antiviral drugs such as Tamiflu are said to be effective.
Keeping this in mind, first of all, national countermeasures taken at the national borders must be strengthened to ensure infected people are quarantined.
However, this can never be a fail-safe measure due to the large number of tourists entering or returning to this country.
Therefore, it is important to detect those infected with the virus at an early stage, give a diagnosis and offer proper treatment. Appropriate advice aimed at preventing further infection must be given to such people as well. The new-type influenza should steadily weaken if thorough countermeasures are taken.
The public's understanding and cooperation are indispensable for such measures to be carried out effectively.
However, the government's initial response to the epidemic appears shaky. Initially, Cabinet ministers, bureaucrats and experts differed widely in their opinions about how to develop a vaccine and how to conduct quarantine inspections aboard aircraft.
Ministries and agencies have yet to draw up their respective countermeasures and explain them to the public.
These efforts contrast sharply with the response of the United States, which immediately declared a public health emergency, began providing updated information concerning the infection via the Internet everyday and made an appeal to the public for a calm response based on the information.
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Govt action plan insufficient?
The Japanese government's response to the latest epidemic is based on an action plan to deal with new strains of influenza, which was revised in February. However, the action plan was drawn up based on the assumption that a highly virulent bird flu virus would mutate into one that spread among humans. Therefore, the action plan may not, in some cases, be suited to this new strain of influenza.
Swiftness and flexibility are essential in crisis management. Failing to take flexible and timely measures will only lead to increased confusion across the nation.
It must be an anguished decision.
The World Health Organization on Monday raised its global alert level as a result of swine flu--which has spread from Mexico to other parts of the world--from Phase 3 to Phase 4, one level closer to the highest level of Phase 6, the pandemic phase.
The decision by the WHO means that it is internationally recognized that the current virus is no longer one transmitted only among animals and that a new strain of influenza, which can be transmitted among humans, has emerged.
The virus is spreading around the world, so it will not be just an epidemic of limited scale. The WHO's attempt to contain the new strain of influenza at the initial stage of the outbreak has completely failed.
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WHO urging countermeasures
How can we minimize the scale of the outbreak? How can we reduce the impact of the epidemic on society and the economy?
By raising the alert level, the WHO apparently is urging governments around the world to implement crisis management measures. Japan must take swift action to deal with the situation.
One thing to keep in mind is that, except for Mexico where the virus is believed to have killed more than 100 people, infected people in the United States, Europe and other nations have shown relatively mild symptoms.
This indicates it is highly likely that the same type of medical treatment used to treat ordinary influenza, the type that occurs every year, might be effective in fighting this worrying virus. It is expected to take several months to develop and provide a vaccine, but antiviral drugs such as Tamiflu are said to be effective.
Keeping this in mind, first of all, national countermeasures taken at the national borders must be strengthened to ensure infected people are quarantined.
However, this can never be a fail-safe measure due to the large number of tourists entering or returning to this country.
Therefore, it is important to detect those infected with the virus at an early stage, give a diagnosis and offer proper treatment. Appropriate advice aimed at preventing further infection must be given to such people as well. The new-type influenza should steadily weaken if thorough countermeasures are taken.
The public's understanding and cooperation are indispensable for such measures to be carried out effectively.
However, the government's initial response to the epidemic appears shaky. Initially, Cabinet ministers, bureaucrats and experts differed widely in their opinions about how to develop a vaccine and how to conduct quarantine inspections aboard aircraft.
Ministries and agencies have yet to draw up their respective countermeasures and explain them to the public.
These efforts contrast sharply with the response of the United States, which immediately declared a public health emergency, began providing updated information concerning the infection via the Internet everyday and made an appeal to the public for a calm response based on the information.
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Govt action plan insufficient?
The Japanese government's response to the latest epidemic is based on an action plan to deal with new strains of influenza, which was revised in February. However, the action plan was drawn up based on the assumption that a highly virulent bird flu virus would mutate into one that spread among humans. Therefore, the action plan may not, in some cases, be suited to this new strain of influenza.
Swiftness and flexibility are essential in crisis management. Failing to take flexible and timely measures will only lead to increased confusion across the nation.