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日本のネットで本当に残念なこと 「梅田発言」の波紋(COLUMN)
「日本のウェブは残念」「ウェブ上での人体実験を終了することにした」――。ITコンサルタントで「ウェブ進化論」の著者として知られる梅田望夫氏の発言がネット上で話題となっている。梅田氏は、著書やインタビューなどで日米のネット事情を分かりやすく伝え啓発する「伝道師」的な役割を担ってきただけに、ブロガーなどからも落胆の声も上がっている。
■「日本のWebは残念」に1500のブックマーク
発端は6月1日にニュースサイト「ITmedia」が掲載したインタビュー記事にある。『日本のWebは「残念」梅田望夫さんに聞く(前編)』の中で梅田氏は、ネットが知的な人々が切磋琢磨するインフラとなっている英語圏(米国)と異なり、「サブカルチャー領域以外ではほとんど使わない、“上の人”が隠れて表に出てこない、という日本の現実に対して残念だという思いはあります」と語った。さらに11日には梅田氏本人がミニブログ「Twitter」に「2006年2月よりずっと続けてきたウェブ上での人体実験を、今日にて終了することにした。そして新しいことを始める準備に入ろう」と書き込んだのだ。
インタビュー記事には1500を超える「はてなブックマーク」が付き、ニュースサイトや掲示板などでも次々と取り上げられて、多くの著名ブロガーが反応した。「日本のネットのどこが残念なのか」「発言に共感できる」など、さまざまな意見がネット上にあふれ、議論が巻き起こっている。
梅田氏は、Web2.0と呼ばれたネットの新たな潮流を中高年に分かりやすく紹介するとともに、ブログなどで日本の古い価値観に囚われることなく自分の道を進むべきと若者に訴え、多くのネットユーザーから支持されてきた。それだけに梅田発言は大きな波紋となり広がった。
■「日本はダメ」という新しくない議論
米国と比較して「日本がダメだ」という議論は何度も繰り返されてきた。ブログに関しても「米国では専門家などが質の高いブログを書いているのに、日本ではほとんどが身辺雑記の日記で取るに足りない」といった批判がある。だが、実は米国でもサイトの閲覧回数ランキングの上位には、芸能情報や世界各地の仰天ニュースを伝えるブログが入り、ネガティブな書き込みが殺到する「炎上」も起きている。
また、梅田氏は米国のようにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)がキャリアや学習といった人生のインフラになり得ていないとも指摘しているが、これも日本のブログ批判と同様の指摘だろう。ニューヨークのIT企業で働く美谷広海氏はブログで「IT業界以外の業界の人のSNSへの参加率はまだまだ低いのが米国での(特にシリコンバレー以外では)実情だというのが実感」と書いている。
そもそも、日米では社会構造が違う。米国では卒業生などのネットワークがキャリアに重要な役割を果たしているため、積極的にSNSをツールとして利用する。一方、日本は終身雇用が長く続いたため、社会人になってからのネットワークづくりは組織内に重点がおかれた。ネットでの実名での情報発信は、組織の和を乱すと見られることもあり、キャリアや学習より、コミュニケーションのツールとしての利用が中心になった。
日本におけるネットの位置付けは、さまざまな要因を経て崩れつつある。日本でも多くの政治家がブログやウェブサイトを持ち、弁護士や医師、研究者らのブログも多数存在するようになった。新聞やテレビといったマスメディアでは扱われない専門的な情報が流通し始めている。ブログをきっかけに事業を興したり、仕事を得たりした事例もある。子育て中の主婦を支えるウェブサイトなどは人生のインフラといってもいいほどの存在感がある。
■知的エリートの革命は日本では起こりえない
梅田氏の著書や発言を読むと、選ばれし知的ネットエリートによる「革命待望論」があるように見える。しかし、日本も変化しつつあるとはいえ、米国ほどには社会が階層化されておらず、教育レベルの高い中間階級が政策立案や企業活動や支え、中高年が年功序列で意思決定を握っている。シリコンバレーならいざ知らず、日本の構造では起こりえない話だ。
シリコンバレー在住で「パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本」の著書がある海部美知氏はブログで、梅田氏がネットによって登場を期待したのは知的な議論が行われ、実行に移される「バーチャル・アテネの学堂」だったとし、「彼は日本(あるいは日本語世界)の知的エリートたちがふがいないことを攻撃している。同時に、知的エリートの世界に参加したいと潜在的に思っている人たちをつまらない嫉妬で引きずりおろそうとする『大衆の愚』に怒っている」と分析している。
「知的エリート」や「上の人」が具体的に誰をさすのかはわからないが、国や企業、研究の意思決定を行う人々だとすれば、何もせずにバーチャル学堂をつくることは難しい。
なぜなら新たなメディアは従来の枠組みや序列といったパラダイムを変化させる力があるだけに、中高年にはネットに参加するメリットが少ない。既存メディアとともに既得権益を守ったほうが得だからだ。一方、ネットの「大衆」は40代以下が中心で、従来のコミュニティーから締め出された人々も少なくない。このような世代間対立を内包した日本のネットの状況を解きほぐさなければ、ネットを知のインフラにし、日本発のサービスを世界に展開することはできない。
■中高年の理解なしには進まない日本
元ライブドア取締役の小飼弾氏は、梅田氏がブログで、人を褒めずネガティブな言葉ばかり言うダメな大人を否定し「直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け」と主張したにもかかわらず、「ニコニコ動画」や「クックパッド」といった日本発のウェブサービスを褒めないことに「自分の言葉を裏切っているのは、残念としかいいようがない」とブログで批判している。
梅田氏の功績は「ウェブ進化論」で中高年を中心とした「こちら側」と若いネットユーザーである「あちら側」をつないだことにあるだろう。新聞やテレビ、雑誌でポジティブに紹介されれば、ニコニコ動画やクックパッドを知らない中高年からも社会的、経済的なサポートを得ることができる。「ウェブ進化論」効果で資金調達できたり、事業が伸びたりしたネットベンチャーは少なくない。
日本でチャンスを得るためには、意思決定を行う中高年が「知っている」ことが重要なのだ。ブログや掲示板に書かれた梅田氏への批判は「日本のネットを応援してくれていたはずなのに…」という若いネットユーザーの期待の裏返しとも言える。
■日本のネットのためには「大人」が必要
日本のネット企業はアマゾンやグーグルと比べれば小粒だが、ミクシィや楽天など世界展開が狙えるサービスも存在している。技術的なことは詳しくないが、日本発のプログラム言語「Ruby」は非常に注目されているし、「Perl」のコミュニティーでは多くの日本人技術者が世界的に貢献している。これらは決して「サブカルチャー」ではない。
世界有数のブロードバンド環境と高性能な携帯市場もあり、技術者の潜在的スキルは高い。地域おこしや企業の商品開発・イノベーションといった問題を解決するアイデアやイベントもネットを通じてやり取りされるようになっている。
梅田発言を受け、ブロガーネットワークを運営するアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)社長の徳力基彦氏は、日本のウェブを盛り上げようと「ウェブイノベーションサミット(仮)」の開催を呼びかけた。これには1日で90人近い賛同者がメーリングリストに登録している。ネットユーザーの中には、知的な興奮やイノベーションにオープンに協力していく層が確実に登場している。ただし、中高年とは断絶しているのが現状だ。
さらに、ネットを取り巻く社会環境は曲がり角に来ている。ネットベンチャーの一部は、ネット上の誹謗中傷を放置しているといった声や携帯サイトが未成年の出会いを助長しているといった批判に十分に対応できず、社会とのコンフリクトを修正できていない。
政治や行政へのロビー活動やメディア対応も未熟で、マスメディアでネガティブに取り上げられることも多くなっている。社会になかったものを生み出すベンチャーには企業と社会を調整する「大人」が不足している。
日本のネットサービスをもっと伸ばすためには世代をつなぐ人物が必要だ。日本で最近強まりつつあるネットへの規制は、ネットが社会の中で大きな存在となり、無視できなくなっていることの表れでもある。日本のネットが曲がり角を迎えている局面で、梅田氏の「日本のウェブは残念」発言が中高年に広がるようなことになれば、日本のネットの勢いはますます削がれるだろう。
本当に残念なのは、ブームとしてネットを取り上げるのではなく、粘り強く中高年に可能性を伝え、若い経営者には問題を解決して社会とのコンフリクトを減らすように助言・指導する「大人」が少ないことが、いっそう明らかになったことではないだろうか。
アップルのジョブズCEOが肝臓移植 米紙報道「順調に回復」
米紙ウォールストリート・ジャーナルは20日、アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO、54)が約2カ月前にテネシー州で肝臓移植手術を受けていたと報じた。順調に回復しており、予定通り6月末までに職務に復帰するという。
報道によると、ジョブズ氏は当初パートタイムでの業務再開となる見通し。ティム・クック最高執行責任者(COO)の役割がさらに高まり、クック氏が取締役に任命される可能性もあるとしている。
ジョブズ氏は2008年、体重が急激に減る症状に見舞われて健康不安が浮上。詳細を明らかにしないまま今年1月から半年間の病気療養に入っていた。アップルの経営はカリスマ創業者であるジョブズ氏の手腕に依存し、業界内でも同氏の健康問題への関心が高い。
「アジア版IMF」意欲 比大統領会見、日本での技術者就労拡大促す
来日したフィリピンのアロヨ大統領は20日、都内で日本経済新聞など一部日本メディアと会見し、アジア域内のより強固な金融安定化のため「次に検討課題となるのはアジア通貨基金(AMF)だろう」と述べた。アジア版の国際通貨基金(IMF)の設立に向けて意欲を示した。日比の経済連携協定(EPA)に関連して「(フィリピンの)英語教師やIT(情報技術)技術者らも(日本で)就労できるはずだ」と指摘、日本に一層の労働市場開放を促した。
アロヨ大統領は5月に東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日本、中国、韓国)が金融危機を防止するため外貨を相互に融通する枠組み「チェンマイ・イニシアチブ」の拡大で合意したことを「大きな成果」と評価。今後はアジアの政府や企業が現地通貨建ての債券を発行するマーケットの活性化が課題になると指摘した。
アイフォーンにマンガ有料配信 講談社、角川書店など
講談社、角川書店など日本の大手出版社が、米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」向けにマンガ作品などの本格的な有料配信を始める。新型のアイフォーンが26日から国内で発売されるのを受け、人気作品の提供体制を整える。
講談社が「巨人の星」を、角川書店が「エヴァンゲリオン」「ケロロ軍曹」などを順次売り出す。書籍版のマンガより4割前後安い価格で発売するもよう。
「日本のウェブは残念」「ウェブ上での人体実験を終了することにした」――。ITコンサルタントで「ウェブ進化論」の著者として知られる梅田望夫氏の発言がネット上で話題となっている。梅田氏は、著書やインタビューなどで日米のネット事情を分かりやすく伝え啓発する「伝道師」的な役割を担ってきただけに、ブロガーなどからも落胆の声も上がっている。
■「日本のWebは残念」に1500のブックマーク
発端は6月1日にニュースサイト「ITmedia」が掲載したインタビュー記事にある。『日本のWebは「残念」梅田望夫さんに聞く(前編)』の中で梅田氏は、ネットが知的な人々が切磋琢磨するインフラとなっている英語圏(米国)と異なり、「サブカルチャー領域以外ではほとんど使わない、“上の人”が隠れて表に出てこない、という日本の現実に対して残念だという思いはあります」と語った。さらに11日には梅田氏本人がミニブログ「Twitter」に「2006年2月よりずっと続けてきたウェブ上での人体実験を、今日にて終了することにした。そして新しいことを始める準備に入ろう」と書き込んだのだ。
インタビュー記事には1500を超える「はてなブックマーク」が付き、ニュースサイトや掲示板などでも次々と取り上げられて、多くの著名ブロガーが反応した。「日本のネットのどこが残念なのか」「発言に共感できる」など、さまざまな意見がネット上にあふれ、議論が巻き起こっている。
梅田氏は、Web2.0と呼ばれたネットの新たな潮流を中高年に分かりやすく紹介するとともに、ブログなどで日本の古い価値観に囚われることなく自分の道を進むべきと若者に訴え、多くのネットユーザーから支持されてきた。それだけに梅田発言は大きな波紋となり広がった。
■「日本はダメ」という新しくない議論
米国と比較して「日本がダメだ」という議論は何度も繰り返されてきた。ブログに関しても「米国では専門家などが質の高いブログを書いているのに、日本ではほとんどが身辺雑記の日記で取るに足りない」といった批判がある。だが、実は米国でもサイトの閲覧回数ランキングの上位には、芸能情報や世界各地の仰天ニュースを伝えるブログが入り、ネガティブな書き込みが殺到する「炎上」も起きている。
また、梅田氏は米国のようにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)がキャリアや学習といった人生のインフラになり得ていないとも指摘しているが、これも日本のブログ批判と同様の指摘だろう。ニューヨークのIT企業で働く美谷広海氏はブログで「IT業界以外の業界の人のSNSへの参加率はまだまだ低いのが米国での(特にシリコンバレー以外では)実情だというのが実感」と書いている。
そもそも、日米では社会構造が違う。米国では卒業生などのネットワークがキャリアに重要な役割を果たしているため、積極的にSNSをツールとして利用する。一方、日本は終身雇用が長く続いたため、社会人になってからのネットワークづくりは組織内に重点がおかれた。ネットでの実名での情報発信は、組織の和を乱すと見られることもあり、キャリアや学習より、コミュニケーションのツールとしての利用が中心になった。
日本におけるネットの位置付けは、さまざまな要因を経て崩れつつある。日本でも多くの政治家がブログやウェブサイトを持ち、弁護士や医師、研究者らのブログも多数存在するようになった。新聞やテレビといったマスメディアでは扱われない専門的な情報が流通し始めている。ブログをきっかけに事業を興したり、仕事を得たりした事例もある。子育て中の主婦を支えるウェブサイトなどは人生のインフラといってもいいほどの存在感がある。
■知的エリートの革命は日本では起こりえない
梅田氏の著書や発言を読むと、選ばれし知的ネットエリートによる「革命待望論」があるように見える。しかし、日本も変化しつつあるとはいえ、米国ほどには社会が階層化されておらず、教育レベルの高い中間階級が政策立案や企業活動や支え、中高年が年功序列で意思決定を握っている。シリコンバレーならいざ知らず、日本の構造では起こりえない話だ。
シリコンバレー在住で「パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本」の著書がある海部美知氏はブログで、梅田氏がネットによって登場を期待したのは知的な議論が行われ、実行に移される「バーチャル・アテネの学堂」だったとし、「彼は日本(あるいは日本語世界)の知的エリートたちがふがいないことを攻撃している。同時に、知的エリートの世界に参加したいと潜在的に思っている人たちをつまらない嫉妬で引きずりおろそうとする『大衆の愚』に怒っている」と分析している。
「知的エリート」や「上の人」が具体的に誰をさすのかはわからないが、国や企業、研究の意思決定を行う人々だとすれば、何もせずにバーチャル学堂をつくることは難しい。
なぜなら新たなメディアは従来の枠組みや序列といったパラダイムを変化させる力があるだけに、中高年にはネットに参加するメリットが少ない。既存メディアとともに既得権益を守ったほうが得だからだ。一方、ネットの「大衆」は40代以下が中心で、従来のコミュニティーから締め出された人々も少なくない。このような世代間対立を内包した日本のネットの状況を解きほぐさなければ、ネットを知のインフラにし、日本発のサービスを世界に展開することはできない。
■中高年の理解なしには進まない日本
元ライブドア取締役の小飼弾氏は、梅田氏がブログで、人を褒めずネガティブな言葉ばかり言うダメな大人を否定し「直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け」と主張したにもかかわらず、「ニコニコ動画」や「クックパッド」といった日本発のウェブサービスを褒めないことに「自分の言葉を裏切っているのは、残念としかいいようがない」とブログで批判している。
梅田氏の功績は「ウェブ進化論」で中高年を中心とした「こちら側」と若いネットユーザーである「あちら側」をつないだことにあるだろう。新聞やテレビ、雑誌でポジティブに紹介されれば、ニコニコ動画やクックパッドを知らない中高年からも社会的、経済的なサポートを得ることができる。「ウェブ進化論」効果で資金調達できたり、事業が伸びたりしたネットベンチャーは少なくない。
日本でチャンスを得るためには、意思決定を行う中高年が「知っている」ことが重要なのだ。ブログや掲示板に書かれた梅田氏への批判は「日本のネットを応援してくれていたはずなのに…」という若いネットユーザーの期待の裏返しとも言える。
■日本のネットのためには「大人」が必要
日本のネット企業はアマゾンやグーグルと比べれば小粒だが、ミクシィや楽天など世界展開が狙えるサービスも存在している。技術的なことは詳しくないが、日本発のプログラム言語「Ruby」は非常に注目されているし、「Perl」のコミュニティーでは多くの日本人技術者が世界的に貢献している。これらは決して「サブカルチャー」ではない。
世界有数のブロードバンド環境と高性能な携帯市場もあり、技術者の潜在的スキルは高い。地域おこしや企業の商品開発・イノベーションといった問題を解決するアイデアやイベントもネットを通じてやり取りされるようになっている。
梅田発言を受け、ブロガーネットワークを運営するアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)社長の徳力基彦氏は、日本のウェブを盛り上げようと「ウェブイノベーションサミット(仮)」の開催を呼びかけた。これには1日で90人近い賛同者がメーリングリストに登録している。ネットユーザーの中には、知的な興奮やイノベーションにオープンに協力していく層が確実に登場している。ただし、中高年とは断絶しているのが現状だ。
さらに、ネットを取り巻く社会環境は曲がり角に来ている。ネットベンチャーの一部は、ネット上の誹謗中傷を放置しているといった声や携帯サイトが未成年の出会いを助長しているといった批判に十分に対応できず、社会とのコンフリクトを修正できていない。
政治や行政へのロビー活動やメディア対応も未熟で、マスメディアでネガティブに取り上げられることも多くなっている。社会になかったものを生み出すベンチャーには企業と社会を調整する「大人」が不足している。
日本のネットサービスをもっと伸ばすためには世代をつなぐ人物が必要だ。日本で最近強まりつつあるネットへの規制は、ネットが社会の中で大きな存在となり、無視できなくなっていることの表れでもある。日本のネットが曲がり角を迎えている局面で、梅田氏の「日本のウェブは残念」発言が中高年に広がるようなことになれば、日本のネットの勢いはますます削がれるだろう。
本当に残念なのは、ブームとしてネットを取り上げるのではなく、粘り強く中高年に可能性を伝え、若い経営者には問題を解決して社会とのコンフリクトを減らすように助言・指導する「大人」が少ないことが、いっそう明らかになったことではないだろうか。
アップルのジョブズCEOが肝臓移植 米紙報道「順調に回復」
米紙ウォールストリート・ジャーナルは20日、アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO、54)が約2カ月前にテネシー州で肝臓移植手術を受けていたと報じた。順調に回復しており、予定通り6月末までに職務に復帰するという。
報道によると、ジョブズ氏は当初パートタイムでの業務再開となる見通し。ティム・クック最高執行責任者(COO)の役割がさらに高まり、クック氏が取締役に任命される可能性もあるとしている。
ジョブズ氏は2008年、体重が急激に減る症状に見舞われて健康不安が浮上。詳細を明らかにしないまま今年1月から半年間の病気療養に入っていた。アップルの経営はカリスマ創業者であるジョブズ氏の手腕に依存し、業界内でも同氏の健康問題への関心が高い。
「アジア版IMF」意欲 比大統領会見、日本での技術者就労拡大促す
来日したフィリピンのアロヨ大統領は20日、都内で日本経済新聞など一部日本メディアと会見し、アジア域内のより強固な金融安定化のため「次に検討課題となるのはアジア通貨基金(AMF)だろう」と述べた。アジア版の国際通貨基金(IMF)の設立に向けて意欲を示した。日比の経済連携協定(EPA)に関連して「(フィリピンの)英語教師やIT(情報技術)技術者らも(日本で)就労できるはずだ」と指摘、日本に一層の労働市場開放を促した。
アロヨ大統領は5月に東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日本、中国、韓国)が金融危機を防止するため外貨を相互に融通する枠組み「チェンマイ・イニシアチブ」の拡大で合意したことを「大きな成果」と評価。今後はアジアの政府や企業が現地通貨建ての債券を発行するマーケットの活性化が課題になると指摘した。
アイフォーンにマンガ有料配信 講談社、角川書店など
講談社、角川書店など日本の大手出版社が、米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」向けにマンガ作品などの本格的な有料配信を始める。新型のアイフォーンが26日から国内で発売されるのを受け、人気作品の提供体制を整える。
講談社が「巨人の星」を、角川書店が「エヴァンゲリオン」「ケロロ軍曹」などを順次売り出す。書籍版のマンガより4割前後安い価格で発売するもよう。
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大作ゲーム路線の限界示すセガ米国法人幹部の転身 <COLUMN>
業績が悪化している欧米ゲーム会社が開発中のタイトルは、いわゆる「続編」ばかりだ。そして、ジャンルも絞られてきた。銃や剣で戦うアクションゲーム、ギターを弾くような音楽ゲーム、アメフトやゴルフなどのスポーツゲーム、それにレースゲームといったところである。
米ロサンゼルスで6月2~4日に開催されたゲーム見本市「E3」で発表になった新作タイトルを見て、様々な意味で、既存のゲーム産業は大きな壁にぶち当たっていると感じた。もちろん、個人的に遊んでみたいと思うようなゲームはたくさんある。ただ、技術が向上し、目に見える表現がリッチになっているにもかかわらず、ゲーム表現の幅は狭まっているという印象がぬぐえない。
■美しい映像表現とゲーム内容のギャップ
E3で発表された大型タイトルのなかで、その意味で興味深かったのが、仏UBIの「アサシンクリード2」(Xbox360、PS3)だ。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の基調講演でデモンストレーションが行われた。
舞台は、ルネサンス時代のベネチアで、当時の都市を丸ごと3次元グラフィックスで再現している。プレーヤーは街のどこにでも行けるという「グランドセプトオート」シリーズで一般化した方式のゲームだ。
お祭りの最中という設定で、夜の街に花火が上がるなかをプレーヤーが人混みを縫って進んでいく。そして、ゲームならではの面白さだが、鐘楼で見つけたレオナルド・ダ・ヴィンチのハンググライダーに乗り込んで、狭い水路をたどりながらサン・マルコ広場上空へとたどり着く。それは見事な映像美で、2年の開発期間でここまで作り上げてくるUBIモントリオールスタジオの実力に驚かされる。
しかし、問題はその先だ。このゲームは「要人の暗殺」をテーマにしている。人混みに紛れて敵に発見されないよう侵入し、ターゲットに近づき、倒して、街から脱出する。サン・マルコ広場は本当に美しく表現されているが、そこでできるのは「人を倒す」ことだけ。何か決定的なバランスの悪さを感じる。
このゲームは、通行人の一人ひとりまで人工知能(AI)でリアルに動かすなど、最新技術を山のように盛り込んでいる。美しい空間を莫大な人材と予算で作り上げ、プレーヤーの気持ちを盛り上げる演出を完璧に整える。少なく見積もっても20億円以上はかかるであろうことは容易に想像がつく。
それでも、この空間が実現するインタラクティブ性は「相手を倒す」ことでしかない。今年発表された各社の目玉ゲームの大半がこうしたものだった。
■ハード性能や開発予算が制約に
2007年の「ゲーム開発者会議(GDC)」で、ベテランゲームデザイナーのアーネスト・アダムス氏が、現在のゲーム開発環境がいかに優れたものかをとうとうと話した後に、ひとこと言った。「この開発環境を、そろそろ、人殺し以外の目的に使おう!」
聴衆からは大爆笑と拍手の嵐が起きた。北米の開発者も思いは同じなのかと内心笑ったが、それが容易ではないこともみな知っている。今のゲーム開発環境やハード性能、開発予算の制約のなかでは、インタラクションの幅を絞り込まざるを得ないからだ。
人間の現実世界のような自由度をそのまま表現するには、現行世代のゲーム機でも性能は足りず、限られた技術のなかですべてを人力で開発し続ければ、天井知らずのコストがかかるだろう。その制約がそのまま、ジャンルの幅の狭さや続編という形で現れてくる。
ゲーム開発者のウィル・ライト氏が04年のGDCの講演で語った有名なジョークがある。最初に「シムズ」を開発した際の開発者数は25人だったが、プロジェクトの規模は指数関数的に増大しており、あと10年もすれば1つのゲームに250万人の開発者と5000億ドルもの予算が必要になるという話だ。5年前には完全に冗談だったが、今はこのことがコンシューマー機向けゲームに立ちはだかる巨大な壁となっている。
■セガオブアメリカから、iPhone用ゲームのベンチャーへ
例年、E3の終了後には大きな人の動きがある。今年はセガの北米現地法人セガオブアメリカ(SOA)のCOOであるサイモン・ジェフリー氏の退任という突然の発表が6月15日にあった。しかも、「iPhone」専用のゲーム販売ベンチャーである「ngmoco:)(エヌジーモコ)」に移籍するという。
行き詰まる大作ゲームからiPhone向けゲームへという転身は、まさに今年のE3、今のゲーム業界を象徴している。
セガは日本のソフト会社のなかでは欧米市場で最も成功しており、それはジェフリー氏の功績でもあった。直近でも欧米市場では堅調で、08年4月に映画の公開にあわせて発売された「Iron Man」(日本未発売、PS3、Xbox360、Wiiなど)は268万本、同6月の「超人ハルク(The Incredible Hulk)」(日本未発売、PS3、Xbox360、Wiiなど)は148万本を売り上げている。
日本のゲーム会社でありながら北米市場に向けた自主戦略を採るという路線こそ、05年にCOOに就任したジェフリー氏が敷いたものだった。「Iron Man」や「Hulk」といった映画とのタイアップを推し進めたり、日本では無名だがリアルタイムストラテジーゲーム「Total War」シリーズで知られる開発会社The Creative Assemblyを買収したりしている。
08年10月に米「Game Developers Magazine」誌が発表した「トップ20パブリッシャー2008」でも、セガは7位にランクインしており、10位のスクウェア・エニックスや11位のコナミなどを上回っている。こうしたデータからも欧米市場での存在感の大きさがわかる。
しかし、そのジェフリー氏がSOAを去った。
■iPhoneゲーム向けソーシャルネットワークの可能性
ジェフリー氏はエヌジーモコで「Publishing Plus」という他社製ゲームにも開かれた「ソーシャルネットワーク」の立ち上げを担当するようだ。
これは、エヌジーモコが販売する様々なゲームのユーザー間のコミュニケーションをサポートする機能を中心としたシステムとみられる。マイクロソフトの「Xbox Live」などに近い仕組みだろう。オープンなプラットフォームをいち早く提供して多くの企業に利用してもらうことで、iPhone市場でのデファクトスタンダードを確立する戦略と考えられ、数週間以内に概要が発表になる見通しだ。
つまり、ウィル・ライト氏のジョークが現実になるということである。こうしたソーシャルネットワークこそが、250万人の開発者を集められるシステムだからだ。
労働の意味は、広義に考えればプログラムの開発にとどまらず、テキストでブログを書いたり、ゲームの結果を提供したりすることまで含むだろう。このアプローチは、技術的な発展によってさらに広がる。遠からず仮想のベネチアに山のようなインタラクションを、様々な人が組み込む段階にたどり着くだろう。
ジェフリー氏は、未上場のベンチャーだが今後急成長する可能性を持つエヌジーモコの将来性を見込んで移籍したに違いない。大規模ゲームのリスクが高まり限界が見えてくる一方で、大きな可能性を持つ新しい分野が出現している。時代の変化が、一人の人物の転身からも鮮明に見える。
「家計所得を2割増」民主党、マニフェスト骨格固める
民主党は、次期衆院選の政権公約(マニフェスト)の骨格を固めた。
政権交代に向け、鳩山代表が掲げる「友愛社会」の具体策として「家計の可処分所得の2割増」を打ち出し、生活重視の姿勢を明確にしている。
可処分所得の増加は、鳩山氏が5月の代表選で公約に盛り込んだ。具体的には、中学卒業まで1人あたり月額2万6000円の「子ども手当」などで、家計への直接的な支援を増やすほか、高校教育の無償化や高速道路の無料化などで生活コストの抑制を図る。
党のマニフェスト検討準備委員会での議論を踏まえ、骨格は50項目の重点施策を5本柱に集約。〈1〉年金一元化や子ども手当創設など「暮らし重視の社会構築」〈2〉国会議員の定数削減や世襲制限など「自ら範を示す政治の実現」〈3〉消費税率の4年間据え置きや無駄な予算の削減など「財源改革」〈4〉次世代産業の育成など「未来への投資」〈5〉環境問題、核軍縮など「友愛外交の推進」――で、月内の取りまとめを目指して最終調整する。
中国での低俗情報問題 グーグル「当局との面会、解決に必要」
【シリコンバレー=田中暁人】低俗情報を提供しているとして中国当局が米グーグルのサービスを問題視していることに関し、同社は19日、「(中国)政府代表と面会した」ことを明らかにした。グーグルの中国向けサイトを通じた外国語の検索結果で提供されるポルノ情報が問題視されており、グーグルは声明文で「問題の解決に必要な措置を取っている。今後も政府との面会を続ける」とした。
蓮池薫さん「北」の暮らし語る…読売新聞単独インタビュー
北朝鮮拉致被害者の蓮池薫さん(51)が読売新聞の単独インタビューに答え、帰国後7年で初めて、拉致された時の状況や北朝鮮での暮らしぶりを語った。言葉を選ぶように振り返った「北」での生活は、家族のために望郷の思いも封印、ただ、必死に生きたというものだった。
◇
2002年10月15日、一時帰国の形で24年ぶりに故国の地を踏んだ夜、東京・赤坂のホテルから見た景色が今も胸に残るという。マスコミのカメラを避けるため閉じていたカーテンを、深夜、妻の祐木子さん(53)とそっと開けた。眼前には、輝くばかりの夜景。前日に見た平壌の暗い夜との落差に「拉致の記憶がよみがえった」。
それは突然だった。祐木子さんと新潟・柏崎の海岸を歩いていた1978年7月31日夜。男たちに袋に押し込まれ、ボートで連れ去られた。殴られ腫れた目に柏崎の街の灯がにじんだ。「優しい光でした。が、2日後に着いた北朝鮮で見たのは、アパートの窓からこぼれる裸電球の暗い光。その差に、ああ、全く違う所に連れて来られたんだと」
「日本に帰りたい」という思いは、80年に結婚、やがて2人の子供が生まれたのを機に消し去った。「子供が少しでもまともに暮らせるようにするので精いっぱい」だったという。
とはいえ、時には心が揺れた。韓国人歌手キム・ヨンジャさんが平壌で朝鮮半島の統一を祈る「イムジン河」を歌った時のこと。鳥ならば空を飛び、南北を分断する川を越えられるのに、という歌詞に、望郷の念で涙腺がゆるんだ。自分もギターを手に、何度も「イムジン河」を口ずさんでは心を慰めた。「でも(北朝鮮の人は)南北の統一を願っているとしか思わなかったでしょう」
誰にも理解してもらえぬ孤独――。平壌で公衆電話を見つけ、思わず受話器を取り、ダイヤルを回した時にも感じたことだった。「もちろん、かける相手はいないし、日本に通じるはずもない。なのに、私が秘密の電話をしていたと密告されてしまった」
生きることに努力が必要だった。米の作柄が悪ければ、配られる穀物の9割が雑穀になる。冬場の貴重な食料のキムチは、一家4人で毎年1・4トン漬けた。停電が続けば山で薪を拾った。
だから帰国後は、何にでもチャレンジできるのがうれしかった。市役所に勤めたが、05年5月には韓国小説「孤将」を訳して翻訳家デビュー。新たな道を選んだ背景には、子供たちへの思いがある。「私は韓国語ができる。『北』での暮らしを空白にせず、負も生かす道があると教えたかった。『北』で生まれた自分を否定するな、とも」。誇らしげな父の顔になった。
拉致問題への世間の関心が低くなっていることに不安を覚える。どうすれば世論を喚起できるか。答えの一つが取材を受けることだった。24日には拉致への思い、北朝鮮での生活などをつづった手記「半島へ、ふたたび」(新潮社)を出す。
「まだ話せないことがある。けれど、話せると判断したことは話していく。被害者として何ができるかを考え、残された人が一日も早く帰れるよう努めたい」
業績が悪化している欧米ゲーム会社が開発中のタイトルは、いわゆる「続編」ばかりだ。そして、ジャンルも絞られてきた。銃や剣で戦うアクションゲーム、ギターを弾くような音楽ゲーム、アメフトやゴルフなどのスポーツゲーム、それにレースゲームといったところである。
米ロサンゼルスで6月2~4日に開催されたゲーム見本市「E3」で発表になった新作タイトルを見て、様々な意味で、既存のゲーム産業は大きな壁にぶち当たっていると感じた。もちろん、個人的に遊んでみたいと思うようなゲームはたくさんある。ただ、技術が向上し、目に見える表現がリッチになっているにもかかわらず、ゲーム表現の幅は狭まっているという印象がぬぐえない。
■美しい映像表現とゲーム内容のギャップ
E3で発表された大型タイトルのなかで、その意味で興味深かったのが、仏UBIの「アサシンクリード2」(Xbox360、PS3)だ。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の基調講演でデモンストレーションが行われた。
舞台は、ルネサンス時代のベネチアで、当時の都市を丸ごと3次元グラフィックスで再現している。プレーヤーは街のどこにでも行けるという「グランドセプトオート」シリーズで一般化した方式のゲームだ。
お祭りの最中という設定で、夜の街に花火が上がるなかをプレーヤーが人混みを縫って進んでいく。そして、ゲームならではの面白さだが、鐘楼で見つけたレオナルド・ダ・ヴィンチのハンググライダーに乗り込んで、狭い水路をたどりながらサン・マルコ広場上空へとたどり着く。それは見事な映像美で、2年の開発期間でここまで作り上げてくるUBIモントリオールスタジオの実力に驚かされる。
しかし、問題はその先だ。このゲームは「要人の暗殺」をテーマにしている。人混みに紛れて敵に発見されないよう侵入し、ターゲットに近づき、倒して、街から脱出する。サン・マルコ広場は本当に美しく表現されているが、そこでできるのは「人を倒す」ことだけ。何か決定的なバランスの悪さを感じる。
このゲームは、通行人の一人ひとりまで人工知能(AI)でリアルに動かすなど、最新技術を山のように盛り込んでいる。美しい空間を莫大な人材と予算で作り上げ、プレーヤーの気持ちを盛り上げる演出を完璧に整える。少なく見積もっても20億円以上はかかるであろうことは容易に想像がつく。
それでも、この空間が実現するインタラクティブ性は「相手を倒す」ことでしかない。今年発表された各社の目玉ゲームの大半がこうしたものだった。
■ハード性能や開発予算が制約に
2007年の「ゲーム開発者会議(GDC)」で、ベテランゲームデザイナーのアーネスト・アダムス氏が、現在のゲーム開発環境がいかに優れたものかをとうとうと話した後に、ひとこと言った。「この開発環境を、そろそろ、人殺し以外の目的に使おう!」
聴衆からは大爆笑と拍手の嵐が起きた。北米の開発者も思いは同じなのかと内心笑ったが、それが容易ではないこともみな知っている。今のゲーム開発環境やハード性能、開発予算の制約のなかでは、インタラクションの幅を絞り込まざるを得ないからだ。
人間の現実世界のような自由度をそのまま表現するには、現行世代のゲーム機でも性能は足りず、限られた技術のなかですべてを人力で開発し続ければ、天井知らずのコストがかかるだろう。その制約がそのまま、ジャンルの幅の狭さや続編という形で現れてくる。
ゲーム開発者のウィル・ライト氏が04年のGDCの講演で語った有名なジョークがある。最初に「シムズ」を開発した際の開発者数は25人だったが、プロジェクトの規模は指数関数的に増大しており、あと10年もすれば1つのゲームに250万人の開発者と5000億ドルもの予算が必要になるという話だ。5年前には完全に冗談だったが、今はこのことがコンシューマー機向けゲームに立ちはだかる巨大な壁となっている。
■セガオブアメリカから、iPhone用ゲームのベンチャーへ
例年、E3の終了後には大きな人の動きがある。今年はセガの北米現地法人セガオブアメリカ(SOA)のCOOであるサイモン・ジェフリー氏の退任という突然の発表が6月15日にあった。しかも、「iPhone」専用のゲーム販売ベンチャーである「ngmoco:)(エヌジーモコ)」に移籍するという。
行き詰まる大作ゲームからiPhone向けゲームへという転身は、まさに今年のE3、今のゲーム業界を象徴している。
セガは日本のソフト会社のなかでは欧米市場で最も成功しており、それはジェフリー氏の功績でもあった。直近でも欧米市場では堅調で、08年4月に映画の公開にあわせて発売された「Iron Man」(日本未発売、PS3、Xbox360、Wiiなど)は268万本、同6月の「超人ハルク(The Incredible Hulk)」(日本未発売、PS3、Xbox360、Wiiなど)は148万本を売り上げている。
日本のゲーム会社でありながら北米市場に向けた自主戦略を採るという路線こそ、05年にCOOに就任したジェフリー氏が敷いたものだった。「Iron Man」や「Hulk」といった映画とのタイアップを推し進めたり、日本では無名だがリアルタイムストラテジーゲーム「Total War」シリーズで知られる開発会社The Creative Assemblyを買収したりしている。
08年10月に米「Game Developers Magazine」誌が発表した「トップ20パブリッシャー2008」でも、セガは7位にランクインしており、10位のスクウェア・エニックスや11位のコナミなどを上回っている。こうしたデータからも欧米市場での存在感の大きさがわかる。
しかし、そのジェフリー氏がSOAを去った。
■iPhoneゲーム向けソーシャルネットワークの可能性
ジェフリー氏はエヌジーモコで「Publishing Plus」という他社製ゲームにも開かれた「ソーシャルネットワーク」の立ち上げを担当するようだ。
これは、エヌジーモコが販売する様々なゲームのユーザー間のコミュニケーションをサポートする機能を中心としたシステムとみられる。マイクロソフトの「Xbox Live」などに近い仕組みだろう。オープンなプラットフォームをいち早く提供して多くの企業に利用してもらうことで、iPhone市場でのデファクトスタンダードを確立する戦略と考えられ、数週間以内に概要が発表になる見通しだ。
つまり、ウィル・ライト氏のジョークが現実になるということである。こうしたソーシャルネットワークこそが、250万人の開発者を集められるシステムだからだ。
労働の意味は、広義に考えればプログラムの開発にとどまらず、テキストでブログを書いたり、ゲームの結果を提供したりすることまで含むだろう。このアプローチは、技術的な発展によってさらに広がる。遠からず仮想のベネチアに山のようなインタラクションを、様々な人が組み込む段階にたどり着くだろう。
ジェフリー氏は、未上場のベンチャーだが今後急成長する可能性を持つエヌジーモコの将来性を見込んで移籍したに違いない。大規模ゲームのリスクが高まり限界が見えてくる一方で、大きな可能性を持つ新しい分野が出現している。時代の変化が、一人の人物の転身からも鮮明に見える。
「家計所得を2割増」民主党、マニフェスト骨格固める
民主党は、次期衆院選の政権公約(マニフェスト)の骨格を固めた。
政権交代に向け、鳩山代表が掲げる「友愛社会」の具体策として「家計の可処分所得の2割増」を打ち出し、生活重視の姿勢を明確にしている。
可処分所得の増加は、鳩山氏が5月の代表選で公約に盛り込んだ。具体的には、中学卒業まで1人あたり月額2万6000円の「子ども手当」などで、家計への直接的な支援を増やすほか、高校教育の無償化や高速道路の無料化などで生活コストの抑制を図る。
党のマニフェスト検討準備委員会での議論を踏まえ、骨格は50項目の重点施策を5本柱に集約。〈1〉年金一元化や子ども手当創設など「暮らし重視の社会構築」〈2〉国会議員の定数削減や世襲制限など「自ら範を示す政治の実現」〈3〉消費税率の4年間据え置きや無駄な予算の削減など「財源改革」〈4〉次世代産業の育成など「未来への投資」〈5〉環境問題、核軍縮など「友愛外交の推進」――で、月内の取りまとめを目指して最終調整する。
中国での低俗情報問題 グーグル「当局との面会、解決に必要」
【シリコンバレー=田中暁人】低俗情報を提供しているとして中国当局が米グーグルのサービスを問題視していることに関し、同社は19日、「(中国)政府代表と面会した」ことを明らかにした。グーグルの中国向けサイトを通じた外国語の検索結果で提供されるポルノ情報が問題視されており、グーグルは声明文で「問題の解決に必要な措置を取っている。今後も政府との面会を続ける」とした。
蓮池薫さん「北」の暮らし語る…読売新聞単独インタビュー
北朝鮮拉致被害者の蓮池薫さん(51)が読売新聞の単独インタビューに答え、帰国後7年で初めて、拉致された時の状況や北朝鮮での暮らしぶりを語った。言葉を選ぶように振り返った「北」での生活は、家族のために望郷の思いも封印、ただ、必死に生きたというものだった。
◇
2002年10月15日、一時帰国の形で24年ぶりに故国の地を踏んだ夜、東京・赤坂のホテルから見た景色が今も胸に残るという。マスコミのカメラを避けるため閉じていたカーテンを、深夜、妻の祐木子さん(53)とそっと開けた。眼前には、輝くばかりの夜景。前日に見た平壌の暗い夜との落差に「拉致の記憶がよみがえった」。
それは突然だった。祐木子さんと新潟・柏崎の海岸を歩いていた1978年7月31日夜。男たちに袋に押し込まれ、ボートで連れ去られた。殴られ腫れた目に柏崎の街の灯がにじんだ。「優しい光でした。が、2日後に着いた北朝鮮で見たのは、アパートの窓からこぼれる裸電球の暗い光。その差に、ああ、全く違う所に連れて来られたんだと」
「日本に帰りたい」という思いは、80年に結婚、やがて2人の子供が生まれたのを機に消し去った。「子供が少しでもまともに暮らせるようにするので精いっぱい」だったという。
とはいえ、時には心が揺れた。韓国人歌手キム・ヨンジャさんが平壌で朝鮮半島の統一を祈る「イムジン河」を歌った時のこと。鳥ならば空を飛び、南北を分断する川を越えられるのに、という歌詞に、望郷の念で涙腺がゆるんだ。自分もギターを手に、何度も「イムジン河」を口ずさんでは心を慰めた。「でも(北朝鮮の人は)南北の統一を願っているとしか思わなかったでしょう」
誰にも理解してもらえぬ孤独――。平壌で公衆電話を見つけ、思わず受話器を取り、ダイヤルを回した時にも感じたことだった。「もちろん、かける相手はいないし、日本に通じるはずもない。なのに、私が秘密の電話をしていたと密告されてしまった」
生きることに努力が必要だった。米の作柄が悪ければ、配られる穀物の9割が雑穀になる。冬場の貴重な食料のキムチは、一家4人で毎年1・4トン漬けた。停電が続けば山で薪を拾った。
だから帰国後は、何にでもチャレンジできるのがうれしかった。市役所に勤めたが、05年5月には韓国小説「孤将」を訳して翻訳家デビュー。新たな道を選んだ背景には、子供たちへの思いがある。「私は韓国語ができる。『北』での暮らしを空白にせず、負も生かす道があると教えたかった。『北』で生まれた自分を否定するな、とも」。誇らしげな父の顔になった。
拉致問題への世間の関心が低くなっていることに不安を覚える。どうすれば世論を喚起できるか。答えの一つが取材を受けることだった。24日には拉致への思い、北朝鮮での生活などをつづった手記「半島へ、ふたたび」(新潮社)を出す。
「まだ話せないことがある。けれど、話せると判断したことは話していく。被害者として何ができるかを考え、残された人が一日も早く帰れるよう努めたい」
フルタッチ携帯になじめない日本ユーザーの「ガラパゴス」現象 <COLUMN>
シンガポールで6月16日に開幕したアジア最大級の通信関連イベント「Communic Asia 2009」を現地からリポートする。ノキアやソニー・エリクソンといった欧州系大手は出展していないが、韓国サムスン電子やLGエレクトロニクス、中国ZTEやファーウェイといったアジア企業が大きなブースを構えている。
なかでも、気合いが入っているのがサムスン電子だ。
展示会前日の15日には、シンガポールのチャンギ国際空港近くにある別のコンベンションセンターを借り切り、アジアのメディアなどを集めて大規模な発表会を開催した。ドバイとロンドンでも同じ日に発表会を開いており、まさにグローバルな展開だ。
サムスン電子は昨年、タッチパネルを搭載した携帯電話「OMNIA」を世界に先駆けてシンガポールで発売した。アジア市場ではシンガポールを重視していることがうかがえる。
■携帯電話もCPU性能で選ぶ時代?
15日にサムスンが発表した新製品「Jet」は3.1インチのWVGA有機ELディスプレーを搭載したフルタッチパネル端末だ。今回から新たに「TOUCH WIZ 2.0 UI」と呼ばれるユーザーインターフェースを採用し、片手で画像やウェブページを拡大縮小できるようにした。
CPUは駆動周波数が800MHzと高速な自社製チップ。プラットフォームも同じく独自の「SHP(Samsung Handset Platform)」で、キビキビと動く快適な操作性を実現している。
この発表会では800MHzというスペックを前面に押し出していた。6月8日にアップルが米サンフランシスコで開催した開発者向けイベント「WWDC」で発表した「iPhone 3G S」も、処理速度の向上を売りの一つとしている。
また、6月20日に日本で発売になるNTTドコモの「T-01A」(東芝製)も、CPUの駆動周波数が1GHzの米クアルコム製チップセット「スナップドラゴン」を世界で初めて採用したことで注目されている。
スマートフォンの訴求ポイントとして処理速度を押し出すメーカーが増えてきた。もはや携帯電話もCPUのクロック数で選ぶ時代が来たのかもしれない。
■「TOUCH WIZ」にみるサムスンのブランド戦略
Jetはマイクロソフトの携帯用OS「Windows Mobile」ではなく独自プラットフォームだが、マイクロソフトの「Exchangeサーバー」に対応するなどビジネス用途で使える仕様になっている。ただ、3.1インチ画面のコンパクトな設計で映像処理にも力を入れるなど、スマートフォン市場だけでなく音声端末として使う一般ユーザーもターゲットにしているようだ。
Jetの日本展開について、サムスン電子のMongsik Cho東アジアセールス&マーケティング担当上級副社長は「採用してくれるかはキャリアの意向次第」と話した。
一方、サムスン電子は今回から、Windows Mobileを搭載する正統派スマートフォンの製品群を「OMNIAファミリー」として位置付けし直した(日本は除く)。3.7インチの大画面ハイスペックモデルである「OMNIA II」、カナダRIMの「ブラックベリー」や台湾HTCの製品の対抗馬となりそうなキーボード搭載タイプの「OMNIA PRO」、スマートフォンの入門機的な位置付けとなる「OMNIA LITE」がそのファミリーとなっている。
その半面、今年2月にスペイン・バルセロナで開催されたイベント「MWC」でお披露目していた「OMNIA HD」は、シンビアンOSを搭載しているため「i8910 HD」と名称を変更している。
「Jet」と「i8910HD」、それに「OMNIAファミリー」のタッチパネル機種は、プラットフォームによってそれぞれブランド名が異なるものの、「TOUCH WIZ」のユーザーインターフェースで見た目や操作性は同じとなっている。「TOUCH WIZ」がサムスン電子を代表する1つのブランドになろうとしているのだ。
■透明なテンキーが圧巻のLGエレクトロニクス
一方、同じ韓国のLGは派手な新製品こそなかったが、こちらもタッチユーザーインターフェースを前面に押し出した記者会見を開いた。
LGでは操作体系に「Sクラスユーザーインターフェース」という名称を付けているが、現地で特に注目を集めたのはやはり、クリスタルタッチパッドを搭載した「GD900 クリスタル」だった。
本体をスライドさせると、透明なテンキー部分が現れる。向こう側が透けて見えるこのキーパッドで数字が打てること自体が驚きなのだが、さらにこの部分がパソコンのタッチパッドのように機能するのだから圧巻だ。
透明な部分を指でこすればウェブページや画像をスクロールできる。2本の指をパッドに当てて開けば画像が拡大する。テンキーの上で大きく「A」といったアルファベットを手書きするとショートカットが働き、特定の機能が起動するようにもなっている。文字を入力したければ、パッド上で手書きすればいい。
デザインと操作性を見事に融合させたかたちで、携帯を進化させたといっていい。
サムスン、LGもアップルのiPhoneと同様に、画面上で指を横にスライドさせることで複数の画面を切り替えるユーザーインターフェースを採用している。携帯電話の狭い画面を効率的に使う努力が垣間見える。
■独自の進化を遂げたのは携帯ではなく日本人
シンガポールに来て改めて感じたのは、iPhoneが先駆者となったタッチユーザーインターフェースが確実に世界に広がっているということだ。日本でもシャープや富士通、NECが懸命にタッチパネルの操作性を追求しており、新製品が出るたびに進化している。
しかし、日本ではユーザー側がフルタッチパネルの機器を敬遠する傾向が強く(iPhoneユーザーの一部を除く)、日本で製品を投入するからにはどうしてもテンキーも載せざるを得ない状況にある。
日本ではメールの利用が多いだけに、「文字入力はテンキー」という使い方が求められる。世界がフルタッチパネル化の流れを加速していくなか、日本メーカーはテンキーを併用するユーザーインターフェースの呪縛から逃れられないのだ。ユーザーの利便性を考えれば、テンキーは必須ともいえる仕様になっている。
昨今、日本の携帯業界は「ガラパゴス」と言われているが、技術やサービスの面ではガラパゴスではないだろう。むしろ、日本が世界をリードしている状況であり、確実に世界が日本を追いかけている。
しかし、ユーザーの「使い方」においてはガラパゴスになってしまっているのかもしれない。10年以上もテンキーでメールを打ち続けてきたことで、日本人は「テンキーで文字を打つ」という独自の進化を遂げ、逆に世界のトレンドであるタッチパネルに適応できなくなってしまったのだ。
メール文化によって生態系が世界とは異なってしまったのかもしれない。日本でフルタッチパネルのケータイが一般に広く受け入れられる日は来るのだろうか。
ソフトバンク「NTT光」全国販売 ADSL低迷
ソフトバンクはNTT東西地域会社の光通信回線「フレッツ光」の販売地域を、7月1日から全国に拡大する。主力のADSL(電話線を使ったデジタル高速通信)事業は通信速度で上回る光回線への切り替えが進み、契約者が減少している。自社ブランドで提供してきた光回線は採算が合わないため、競争相手のNTTの商品を全国規模で代理販売する苦肉の策となる。
ソフトバンクはNTTの光回線を借り、料金を独自に設定した「ヤフー!BB光」を2004年から提供してきた。NTTの回線貸出料金が高く採算がとれないため、料金引き下げを総務省に要望してきたが認められなかった。今年2月から、まず10都道府県で「フレッツ光」の代理販売に踏み切った。
中国政府、グーグル中国に海外サイト検索停止命令 管理強化へ
【北京=多部田俊輔】中国国営の新華社は19日、中国政府当局が米グーグルに対し、同社中国語サイト「グーグル中国」がポルノなどの低俗情報を提供しているとして、海外サイトの検索サービスなどの暫時停止を命じると伝えた。中国政府は天安門事件20周年や建国60周年を迎え、1月からインターネット上の情報管理を強化しており、その一環とみられる。
グーグル中国については、中国インターネット違法・有害情報通報センター(CIIRC)が18日、ポルノなどを提供していると強く非難し、政府当局に制裁を科すよう勧告した。政府当局は同日午後、グーグル中国の責任者を呼び、アクセスを遮断するように警告したという。
新華社によると、政府は工業情報化省や公安省などと協力し、5月からネット上の低俗情報などの摘発を本格化。過去1カ月余りで約1000の有害サイトに閉鎖を命じた。最近は携帯電話サイトの取り締まりを強化している。
「日本企業は淘汰進むべき」英誌が論評 公的支援は「大きな害」
【ロンドン=石井一乗】英エコノミスト誌は最新号(20~26日号)で、日本企業について「さらに淘汰が進むべきだ」とする論評を掲載した。経営が悪化した民間企業を公的資金で支援する動きについて、同誌は「大きな害になるだけ」と批判。欧米による金融機関や自動車産業の支援については「例外的」とした半面、「日本ではそれがシステムの中心になっている」と論じた。
今年の企業倒産件数は西欧で前年比3割増、米国で同4割増が見込まれる一方、日本では同15%増にとどまるとも指摘。「通常なら経済の活発さを示すが、日本の場合は経済の弱さを示している」と、競争力を失いながら市場から淘汰されないままでいる企業の増加に警鐘を鳴らした。
同誌は別の記事で「一部日本企業は早期に経費削減に乗り出しているが、事業モデルの見直しなどは不十分」とも指摘した。
全国百貨店売上高、5月は12.3%減 4カ月連続2けたマイナス
日本百貨店協会が19日発表した5月の全国百貨店売上高は前年同月比12.3%減(既存店ベース)の5112億円だった。2けたの売り上げ減は4カ月連続。中旬以降に新型インフルエンザの感染が拡大したことで、関西の店舗を中心に外出を控える消費者が増えたことが響いた。高額衣料も引き続き不振だった。
前年割れは15カ月連続となった。地区別では国内で初めて新型インフルエンザの2次感染が確認された神戸で20.6%減となったほか、大阪(12.9%減)、東京(14%減)と、初期に感染が広がった地域で下落幅が大きかった。
主力の衣料品は気温の高い日が多かったため、ブラウスやシャツなど夏物商品の売れ行きが好調だった。高額品は依然として低迷し、紳士服が16.9%減、婦人服は15%減とそれぞれ大幅減となった。
米、車買い替えに補助金 「ビッグ3」保護、色濃く
米議会上院が18日、自動車の買い替え法案を可決、近く成立する見通しとなった。燃費が悪い古い車を低燃費車に置き換えることで、環境汚染の防止と新車販売のテコ入れを狙うものだが、実際にはビッグスリー(米自動車3社)の保護策の色合いがにじむ。
上院が可決した内容は、古い車を低燃費の新車に買い替える際に3500―4500ドル(約34万―44万円)の補助金を支払う。比較的小型な乗用車で補助を受けるにはガソリン1ガロン当たり最低4マイルの燃費改善が必要。
シンガポールで6月16日に開幕したアジア最大級の通信関連イベント「Communic Asia 2009」を現地からリポートする。ノキアやソニー・エリクソンといった欧州系大手は出展していないが、韓国サムスン電子やLGエレクトロニクス、中国ZTEやファーウェイといったアジア企業が大きなブースを構えている。
なかでも、気合いが入っているのがサムスン電子だ。
展示会前日の15日には、シンガポールのチャンギ国際空港近くにある別のコンベンションセンターを借り切り、アジアのメディアなどを集めて大規模な発表会を開催した。ドバイとロンドンでも同じ日に発表会を開いており、まさにグローバルな展開だ。
サムスン電子は昨年、タッチパネルを搭載した携帯電話「OMNIA」を世界に先駆けてシンガポールで発売した。アジア市場ではシンガポールを重視していることがうかがえる。
■携帯電話もCPU性能で選ぶ時代?
15日にサムスンが発表した新製品「Jet」は3.1インチのWVGA有機ELディスプレーを搭載したフルタッチパネル端末だ。今回から新たに「TOUCH WIZ 2.0 UI」と呼ばれるユーザーインターフェースを採用し、片手で画像やウェブページを拡大縮小できるようにした。
CPUは駆動周波数が800MHzと高速な自社製チップ。プラットフォームも同じく独自の「SHP(Samsung Handset Platform)」で、キビキビと動く快適な操作性を実現している。
この発表会では800MHzというスペックを前面に押し出していた。6月8日にアップルが米サンフランシスコで開催した開発者向けイベント「WWDC」で発表した「iPhone 3G S」も、処理速度の向上を売りの一つとしている。
また、6月20日に日本で発売になるNTTドコモの「T-01A」(東芝製)も、CPUの駆動周波数が1GHzの米クアルコム製チップセット「スナップドラゴン」を世界で初めて採用したことで注目されている。
スマートフォンの訴求ポイントとして処理速度を押し出すメーカーが増えてきた。もはや携帯電話もCPUのクロック数で選ぶ時代が来たのかもしれない。
■「TOUCH WIZ」にみるサムスンのブランド戦略
Jetはマイクロソフトの携帯用OS「Windows Mobile」ではなく独自プラットフォームだが、マイクロソフトの「Exchangeサーバー」に対応するなどビジネス用途で使える仕様になっている。ただ、3.1インチ画面のコンパクトな設計で映像処理にも力を入れるなど、スマートフォン市場だけでなく音声端末として使う一般ユーザーもターゲットにしているようだ。
Jetの日本展開について、サムスン電子のMongsik Cho東アジアセールス&マーケティング担当上級副社長は「採用してくれるかはキャリアの意向次第」と話した。
一方、サムスン電子は今回から、Windows Mobileを搭載する正統派スマートフォンの製品群を「OMNIAファミリー」として位置付けし直した(日本は除く)。3.7インチの大画面ハイスペックモデルである「OMNIA II」、カナダRIMの「ブラックベリー」や台湾HTCの製品の対抗馬となりそうなキーボード搭載タイプの「OMNIA PRO」、スマートフォンの入門機的な位置付けとなる「OMNIA LITE」がそのファミリーとなっている。
その半面、今年2月にスペイン・バルセロナで開催されたイベント「MWC」でお披露目していた「OMNIA HD」は、シンビアンOSを搭載しているため「i8910 HD」と名称を変更している。
「Jet」と「i8910HD」、それに「OMNIAファミリー」のタッチパネル機種は、プラットフォームによってそれぞれブランド名が異なるものの、「TOUCH WIZ」のユーザーインターフェースで見た目や操作性は同じとなっている。「TOUCH WIZ」がサムスン電子を代表する1つのブランドになろうとしているのだ。
■透明なテンキーが圧巻のLGエレクトロニクス
一方、同じ韓国のLGは派手な新製品こそなかったが、こちらもタッチユーザーインターフェースを前面に押し出した記者会見を開いた。
LGでは操作体系に「Sクラスユーザーインターフェース」という名称を付けているが、現地で特に注目を集めたのはやはり、クリスタルタッチパッドを搭載した「GD900 クリスタル」だった。
本体をスライドさせると、透明なテンキー部分が現れる。向こう側が透けて見えるこのキーパッドで数字が打てること自体が驚きなのだが、さらにこの部分がパソコンのタッチパッドのように機能するのだから圧巻だ。
透明な部分を指でこすればウェブページや画像をスクロールできる。2本の指をパッドに当てて開けば画像が拡大する。テンキーの上で大きく「A」といったアルファベットを手書きするとショートカットが働き、特定の機能が起動するようにもなっている。文字を入力したければ、パッド上で手書きすればいい。
デザインと操作性を見事に融合させたかたちで、携帯を進化させたといっていい。
サムスン、LGもアップルのiPhoneと同様に、画面上で指を横にスライドさせることで複数の画面を切り替えるユーザーインターフェースを採用している。携帯電話の狭い画面を効率的に使う努力が垣間見える。
■独自の進化を遂げたのは携帯ではなく日本人
シンガポールに来て改めて感じたのは、iPhoneが先駆者となったタッチユーザーインターフェースが確実に世界に広がっているということだ。日本でもシャープや富士通、NECが懸命にタッチパネルの操作性を追求しており、新製品が出るたびに進化している。
しかし、日本ではユーザー側がフルタッチパネルの機器を敬遠する傾向が強く(iPhoneユーザーの一部を除く)、日本で製品を投入するからにはどうしてもテンキーも載せざるを得ない状況にある。
日本ではメールの利用が多いだけに、「文字入力はテンキー」という使い方が求められる。世界がフルタッチパネル化の流れを加速していくなか、日本メーカーはテンキーを併用するユーザーインターフェースの呪縛から逃れられないのだ。ユーザーの利便性を考えれば、テンキーは必須ともいえる仕様になっている。
昨今、日本の携帯業界は「ガラパゴス」と言われているが、技術やサービスの面ではガラパゴスではないだろう。むしろ、日本が世界をリードしている状況であり、確実に世界が日本を追いかけている。
しかし、ユーザーの「使い方」においてはガラパゴスになってしまっているのかもしれない。10年以上もテンキーでメールを打ち続けてきたことで、日本人は「テンキーで文字を打つ」という独自の進化を遂げ、逆に世界のトレンドであるタッチパネルに適応できなくなってしまったのだ。
メール文化によって生態系が世界とは異なってしまったのかもしれない。日本でフルタッチパネルのケータイが一般に広く受け入れられる日は来るのだろうか。
ソフトバンク「NTT光」全国販売 ADSL低迷
ソフトバンクはNTT東西地域会社の光通信回線「フレッツ光」の販売地域を、7月1日から全国に拡大する。主力のADSL(電話線を使ったデジタル高速通信)事業は通信速度で上回る光回線への切り替えが進み、契約者が減少している。自社ブランドで提供してきた光回線は採算が合わないため、競争相手のNTTの商品を全国規模で代理販売する苦肉の策となる。
ソフトバンクはNTTの光回線を借り、料金を独自に設定した「ヤフー!BB光」を2004年から提供してきた。NTTの回線貸出料金が高く採算がとれないため、料金引き下げを総務省に要望してきたが認められなかった。今年2月から、まず10都道府県で「フレッツ光」の代理販売に踏み切った。
中国政府、グーグル中国に海外サイト検索停止命令 管理強化へ
【北京=多部田俊輔】中国国営の新華社は19日、中国政府当局が米グーグルに対し、同社中国語サイト「グーグル中国」がポルノなどの低俗情報を提供しているとして、海外サイトの検索サービスなどの暫時停止を命じると伝えた。中国政府は天安門事件20周年や建国60周年を迎え、1月からインターネット上の情報管理を強化しており、その一環とみられる。
グーグル中国については、中国インターネット違法・有害情報通報センター(CIIRC)が18日、ポルノなどを提供していると強く非難し、政府当局に制裁を科すよう勧告した。政府当局は同日午後、グーグル中国の責任者を呼び、アクセスを遮断するように警告したという。
新華社によると、政府は工業情報化省や公安省などと協力し、5月からネット上の低俗情報などの摘発を本格化。過去1カ月余りで約1000の有害サイトに閉鎖を命じた。最近は携帯電話サイトの取り締まりを強化している。
「日本企業は淘汰進むべき」英誌が論評 公的支援は「大きな害」
【ロンドン=石井一乗】英エコノミスト誌は最新号(20~26日号)で、日本企業について「さらに淘汰が進むべきだ」とする論評を掲載した。経営が悪化した民間企業を公的資金で支援する動きについて、同誌は「大きな害になるだけ」と批判。欧米による金融機関や自動車産業の支援については「例外的」とした半面、「日本ではそれがシステムの中心になっている」と論じた。
今年の企業倒産件数は西欧で前年比3割増、米国で同4割増が見込まれる一方、日本では同15%増にとどまるとも指摘。「通常なら経済の活発さを示すが、日本の場合は経済の弱さを示している」と、競争力を失いながら市場から淘汰されないままでいる企業の増加に警鐘を鳴らした。
同誌は別の記事で「一部日本企業は早期に経費削減に乗り出しているが、事業モデルの見直しなどは不十分」とも指摘した。
全国百貨店売上高、5月は12.3%減 4カ月連続2けたマイナス
日本百貨店協会が19日発表した5月の全国百貨店売上高は前年同月比12.3%減(既存店ベース)の5112億円だった。2けたの売り上げ減は4カ月連続。中旬以降に新型インフルエンザの感染が拡大したことで、関西の店舗を中心に外出を控える消費者が増えたことが響いた。高額衣料も引き続き不振だった。
前年割れは15カ月連続となった。地区別では国内で初めて新型インフルエンザの2次感染が確認された神戸で20.6%減となったほか、大阪(12.9%減)、東京(14%減)と、初期に感染が広がった地域で下落幅が大きかった。
主力の衣料品は気温の高い日が多かったため、ブラウスやシャツなど夏物商品の売れ行きが好調だった。高額品は依然として低迷し、紳士服が16.9%減、婦人服は15%減とそれぞれ大幅減となった。
米、車買い替えに補助金 「ビッグ3」保護、色濃く
米議会上院が18日、自動車の買い替え法案を可決、近く成立する見通しとなった。燃費が悪い古い車を低燃費車に置き換えることで、環境汚染の防止と新車販売のテコ入れを狙うものだが、実際にはビッグスリー(米自動車3社)の保護策の色合いがにじむ。
上院が可決した内容は、古い車を低燃費の新車に買い替える際に3500―4500ドル(約34万―44万円)の補助金を支払う。比較的小型な乗用車で補助を受けるにはガソリン1ガロン当たり最低4マイルの燃費改善が必要。
SNS三国時代、グリーの猛追で勢力図が大激変!(COLUMN)
ミクシィと、ディー・エヌ・エーが運営するモバゲーが覇を競ってきたSNS(交流サイト)業界が、三国時代に突入している。
二強を猛追するのが、2004年に創業したグリーだ。今年4月には会員数が1000万人を突破し、ミクシィの1700万人、モバゲーの1400万人に迫る。業績もうなぎ上りで、09年6月期の営業利益は前期比では約7倍、75億円に急拡大する見込み。対してミクシィの営業利益は37・7億円と横ばい、ディー・エヌ・エーは前期比25%増の158億円(両社とも09年3月期)と伸びは続くものの、かつての勢いは衰えた。こうしたスピードの違いはどこから来ているのか。
急成長の原動力は巧妙な課金の仕組み
明暗を分けたのは課金ビジネスの成果だ。グリーの収益源は携帯ゲームで遊ぶときに使うアイテムの販売だが、単純なプログラムゆえに原価はほぼゼロ。ライバルと比べてもず抜けた利益率を誇っている。
たとえば、主力の魚釣りゲーム「釣り★スタ」。最初は無料でも、大物や珍魚を釣り上げようとすると、特別な竿やエサなどの「アイテム」が必要となり、ポイントを貯めて購入しなければならない。グリーから直接ポイントを購入できるが、それ以外でもポイントを積み上げるために新しい会員を紹介したり、グリーに広告を掲載する携帯サイトへ加入するなど、会員は“奔走”する。また、SNSの特性を生かして釣り大会を催し、ランキングも表示。会員の競争意識をくすぐり、おカネを使ってしまう仕組みが巧みにちりばめられている。他のゲームでも基本的な収益構造はほぼ変わらない。
課金収入が大半を占めるグリーにとって成長持続には会員数拡大が不可欠。このため新規獲得を最優先課題に掲げ、ここぞとばかりにテレビコマーシャルを中心に積極的な広告宣伝を展開する。今下半期だけで約21億円の広告宣伝費を投入し、10年6月期も通期40億円を注ぎ込み、先行する2社を抜き去る構えだ。
追われるディー・エヌ・エーも、グリーと同じく携帯ゲームが屋台骨。運営しているモバゲーでもアイテム販売が収益源だが、主力はSNSの自己紹介画面に表示する「アバター」。アバターとは、いわば自分の分身として使うキャラクターで、洋服やアクセサリーなどさまざまなアイテムで着飾れる。これが友達と違った個性的なアバターを作りたいというニーズをとらえて大ヒットした。利益急増を牽引してきたが、目新しさが薄れたため、08年以降はアイテム販売が頭打ちに。既存会員の利用が低調になってきたのだ。
テコ入れを狙って、アバターが全身を使って動き踊れる機能を拡充している。“動き”を新アイテムとして販売する戦略について「かなりの手応えを感じている」(春田真取締役)と自信を見せる。さらにSNS内にとどまっていたアバターを、ゲームの中でも使えるようにするなど、利用シーンの拡大も計画。立ち遅れていたSNS連動型ゲームでも「開発リソースを重点的に投入して強化する」(春田取締役)と言う。
苦戦ミクシィが方針転換 グリーは1000万の壁
一方、最大の会員を擁しながら、最も苦戦を強いられているのがミクシィ。その要因は、課金型のグリー、ディー・エヌ・エーと違い、広告収入に依存したビジネスモデルにある。会員利用が伸び悩んだところに、景気悪化に伴う広告市場の急速な冷え込みが追い打ちをかけた。
そこで同社では打開策として「ミクシィアプリ」に力を注いでいる。仕様を公開することで、誰でも自由にゲームやコミュニケーションツールなどのアプリを開発し、SNS上に公開できる。米国ではゲームを中心にSNSアプリが普及しており、利用増加が見られるという。アプリ用のテストサイトをすでに稼働、開発者向けの資金支援プログラムなども用意して開発を促している。利用者向けには8月以降、本格的にアプリのサービスを開始する。
笠原健治社長も「アプリにより、日記に限られていたミクシィの利用シーンが多様化する」と期待する。アプリ販売による課金収益や、サイトの再活性化で収益拡大を図る。
さらに10月からは、ミクシィの代名詞ともいえる「招待制」を廃止する。ブームが一段落したことで招待制による会員獲得は難しくなっており、自由登録制への大転換で「(手薄だった)30歳代後半以降や地方の会員を掘り起こす」(笠原社長)。 招待制という独特の仕組みが利用者の安心感を生み、会員数を伸ばしてきた一方、閉鎖性がネックだった。これが膨大な会員数を抱えるにもかかわらず、マス広告を企画する足かせになっていた。自由登録によってこうしたタガを外す狙いもある。
アクセルを踏み直す先行2社に、破竹の勢いで迫るグリー。だが、そのグリーも楽観はできない。ミクシィもディー・エヌ・エーも会員数が1000万人を超えたあたりから勢いが鈍り、利益も伸び悩んだ。ちょうどそこへ達し、今後さらなる高みに突き抜けられるのか。重要な局面を迎えている。
ストリンガー・ソニー会長、ソフトとハードの「ワンツーパンチで勝利」 総会で
ソニーは19日、都内で株主総会を開いた。出席した株主からは同社の今後の事業戦略や経営方針に関する質問が目立った。ハワード・ストリンガー会長兼社長は他社の音楽携帯端末やゲーム機の競争力が向上したことを認めながら「我々はネットワークの時代で再び打ち負かされることはない。優れたハードウエアの技術にソフトウエアを組み合わせ、ワンツーパンチで勝利する」と強調した。
ソニーは2009年3月期に989億円の最終赤字を計上、10年3月期も1200億円の赤字見通しを示している。ストリンガー会長は4月に行ったエレクトロニクス事業とゲーム事業を中心とする機構改革の狙いなどを改めて説明。「ビジネスは改善しており、数カ月、数年にわたり株主価値が上がるよう努力していく」と語った。
株主からは「ワクワクする製品がない」「昔の技術のソニーを復活させてほしい」との質問が相次ぎ、ストリンガー会長が社長を兼務する理由を問う声もあった。
エコポイントの交換商品を発表 「Suica」「おこめ券」など
経済産業省などは19日、省エネルギー家電の購入時にもらえる「エコポイント」の交換商品を発表した。商品券・プリペイドカードでは、JR東日本の「Suica」や「全国共通おこめ券」など207品目。地域産品では北海道キヨスクの「北の特急便」や山形テレビの「山形屋」など55事業者が取り扱う商品。省エネ製品では伊藤忠商事の「MOTTAINAIキャンペーン」や千趣会の「ベルメゾンのエコ商品」など9事業者が扱う商品が対象。地域産品と省エネ製品の具体的な商品リストは6月末までに発表する。
イー・アクセスとソフトバンク、WiMAXで“健全な競争環境”を要望
イー・アクセスとソフトバンクBBは、UQコミュニケーションズが7月1日よりモバイルWiMAX方式による高速データ通信サービス「UQ WiMAX」を提供するにあたり、健全な競争環境を確保できるよう、総務省に要望書を提出した。
要望書では、UQコミュニケーションズが独立性を確保することが必要と指摘し、議決権比率は変更ないもののKDDIからUQへの出資比率が高まっていることに注視するよう求めている。2007年12月の免許割当時の方針として、既存通信事業者の構成が1/3以下となる必要があるとされていたが、今後も継続して同方針を踏まえた健全な競争が確保できるよう、国内唯一のWiMAX提供事業者であるUQに対して、KDDIやKDDIグループ企業を優先するような営業行為、回線提供が行われないこと、あるいはMVNOもUQ WiMAXと同時期にサービスを開始できるよう条件設定などが行われることの確認を要望している。
イー・アクセスでは、「具体的に何らかの行為があったわけではないが、正式サービス開始の前に初心に立ち返って確認しておきたいということで、この時期に要望することにした。また“1/3ルール”というものがあり、議決権なしながらKDDIの出資比率が44.1%まで上昇していることから、もう一度確認する必要があると考えた」としている。
「アジア中間層」開拓を 09年版通商白書
二階俊博経済産業相は19日の閣議に、2009年版の通商白書を提出した。金融危機で日本経済が深刻な打撃を被ったのは、自動車や電機などの米欧向け輸出を柱にした産業構造が一因と分析。アジアの中間層が1990年比で6.2倍の8億8000万人に達しており、日本企業にとって「成長性の高い市場に進出することが重要な課題」と指摘している。経産省としても市場開拓を支援していく方針だ。
02~07年の景気回復を主導した輸出は、対米向けの自動車など高付加価値商品の割合が高かったと指摘。このため米国など先進国の需要が急減した今回の金融危機では輸出が急減し、景気の足を引っ張った。
一方、中国やインドなどアジアの新興国は金融危機で景気が減速したものの、プラス成長を維持している。新興国は米欧向け輸出を中心にした経済構造から、国内需要の拡大に経済政策の軸を移しつつあり、消費市場としての重要性が急速に高まっている。
割安タクシーを規制、特別措置法成立…値上げの懸念も
タクシー規制を強化する特別措置法案が19日の参院本会議で可決、成立した。
10月に施行される。
低賃金に苦しむ運転手の待遇改善が狙いで、運賃が割安のタクシーに対する認可の審査が厳しくなるほか、タクシー会社が共同で台数を減らすことが可能になる。利用者にとっては、値上げや利便性の低下につながる懸念もある。
タクシー運賃は現在、全国約90の地区ごとに国土交通省が定めた料金幅の範囲内であれば自動的に認可され、下限より安くても「不当な低運賃」でなければ認められる。
新法では、下限割れ運賃の申請に対する審査が強化され、「初乗り500円タクシー」などが値上げを迫られる可能性がある。
湾岸産油国、財政黒字へ サウジやカタール、原油高続けば好転
【テヘラン=松尾博文】原油価格の上昇基調を受け、中東・湾岸産油国の財政が好転し始めた。原油相場が予算編成の前提の2倍近くに上昇し、歳入の大部分を占める原油収入の減少を見込んで2009年度は赤字予算を強いられたサウジアラビアやカタールなどは、一転して財政黒字になる可能性が強まっている。原油収入の増加は各国の財政出動を底支えしそうで、世界市場でのオイルマネーの動きも再び活発になりそうだ。
湾岸各国は原油相場が1バレル35~45ドルで推移することを前提に今年度予算を策定。サウジ、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、クウェート、オマーンの6カ国で構成する湾岸協力会議(GCC)では、均衡予算を組んだUAEを除く5カ国が赤字予算となり、赤字の合計は240億ドル(約2兆3000億円)に達していた。
ミクシィと、ディー・エヌ・エーが運営するモバゲーが覇を競ってきたSNS(交流サイト)業界が、三国時代に突入している。
二強を猛追するのが、2004年に創業したグリーだ。今年4月には会員数が1000万人を突破し、ミクシィの1700万人、モバゲーの1400万人に迫る。業績もうなぎ上りで、09年6月期の営業利益は前期比では約7倍、75億円に急拡大する見込み。対してミクシィの営業利益は37・7億円と横ばい、ディー・エヌ・エーは前期比25%増の158億円(両社とも09年3月期)と伸びは続くものの、かつての勢いは衰えた。こうしたスピードの違いはどこから来ているのか。
急成長の原動力は巧妙な課金の仕組み
明暗を分けたのは課金ビジネスの成果だ。グリーの収益源は携帯ゲームで遊ぶときに使うアイテムの販売だが、単純なプログラムゆえに原価はほぼゼロ。ライバルと比べてもず抜けた利益率を誇っている。
たとえば、主力の魚釣りゲーム「釣り★スタ」。最初は無料でも、大物や珍魚を釣り上げようとすると、特別な竿やエサなどの「アイテム」が必要となり、ポイントを貯めて購入しなければならない。グリーから直接ポイントを購入できるが、それ以外でもポイントを積み上げるために新しい会員を紹介したり、グリーに広告を掲載する携帯サイトへ加入するなど、会員は“奔走”する。また、SNSの特性を生かして釣り大会を催し、ランキングも表示。会員の競争意識をくすぐり、おカネを使ってしまう仕組みが巧みにちりばめられている。他のゲームでも基本的な収益構造はほぼ変わらない。
課金収入が大半を占めるグリーにとって成長持続には会員数拡大が不可欠。このため新規獲得を最優先課題に掲げ、ここぞとばかりにテレビコマーシャルを中心に積極的な広告宣伝を展開する。今下半期だけで約21億円の広告宣伝費を投入し、10年6月期も通期40億円を注ぎ込み、先行する2社を抜き去る構えだ。
追われるディー・エヌ・エーも、グリーと同じく携帯ゲームが屋台骨。運営しているモバゲーでもアイテム販売が収益源だが、主力はSNSの自己紹介画面に表示する「アバター」。アバターとは、いわば自分の分身として使うキャラクターで、洋服やアクセサリーなどさまざまなアイテムで着飾れる。これが友達と違った個性的なアバターを作りたいというニーズをとらえて大ヒットした。利益急増を牽引してきたが、目新しさが薄れたため、08年以降はアイテム販売が頭打ちに。既存会員の利用が低調になってきたのだ。
テコ入れを狙って、アバターが全身を使って動き踊れる機能を拡充している。“動き”を新アイテムとして販売する戦略について「かなりの手応えを感じている」(春田真取締役)と自信を見せる。さらにSNS内にとどまっていたアバターを、ゲームの中でも使えるようにするなど、利用シーンの拡大も計画。立ち遅れていたSNS連動型ゲームでも「開発リソースを重点的に投入して強化する」(春田取締役)と言う。
苦戦ミクシィが方針転換 グリーは1000万の壁
一方、最大の会員を擁しながら、最も苦戦を強いられているのがミクシィ。その要因は、課金型のグリー、ディー・エヌ・エーと違い、広告収入に依存したビジネスモデルにある。会員利用が伸び悩んだところに、景気悪化に伴う広告市場の急速な冷え込みが追い打ちをかけた。
そこで同社では打開策として「ミクシィアプリ」に力を注いでいる。仕様を公開することで、誰でも自由にゲームやコミュニケーションツールなどのアプリを開発し、SNS上に公開できる。米国ではゲームを中心にSNSアプリが普及しており、利用増加が見られるという。アプリ用のテストサイトをすでに稼働、開発者向けの資金支援プログラムなども用意して開発を促している。利用者向けには8月以降、本格的にアプリのサービスを開始する。
笠原健治社長も「アプリにより、日記に限られていたミクシィの利用シーンが多様化する」と期待する。アプリ販売による課金収益や、サイトの再活性化で収益拡大を図る。
さらに10月からは、ミクシィの代名詞ともいえる「招待制」を廃止する。ブームが一段落したことで招待制による会員獲得は難しくなっており、自由登録制への大転換で「(手薄だった)30歳代後半以降や地方の会員を掘り起こす」(笠原社長)。 招待制という独特の仕組みが利用者の安心感を生み、会員数を伸ばしてきた一方、閉鎖性がネックだった。これが膨大な会員数を抱えるにもかかわらず、マス広告を企画する足かせになっていた。自由登録によってこうしたタガを外す狙いもある。
アクセルを踏み直す先行2社に、破竹の勢いで迫るグリー。だが、そのグリーも楽観はできない。ミクシィもディー・エヌ・エーも会員数が1000万人を超えたあたりから勢いが鈍り、利益も伸び悩んだ。ちょうどそこへ達し、今後さらなる高みに突き抜けられるのか。重要な局面を迎えている。
ストリンガー・ソニー会長、ソフトとハードの「ワンツーパンチで勝利」 総会で
ソニーは19日、都内で株主総会を開いた。出席した株主からは同社の今後の事業戦略や経営方針に関する質問が目立った。ハワード・ストリンガー会長兼社長は他社の音楽携帯端末やゲーム機の競争力が向上したことを認めながら「我々はネットワークの時代で再び打ち負かされることはない。優れたハードウエアの技術にソフトウエアを組み合わせ、ワンツーパンチで勝利する」と強調した。
ソニーは2009年3月期に989億円の最終赤字を計上、10年3月期も1200億円の赤字見通しを示している。ストリンガー会長は4月に行ったエレクトロニクス事業とゲーム事業を中心とする機構改革の狙いなどを改めて説明。「ビジネスは改善しており、数カ月、数年にわたり株主価値が上がるよう努力していく」と語った。
株主からは「ワクワクする製品がない」「昔の技術のソニーを復活させてほしい」との質問が相次ぎ、ストリンガー会長が社長を兼務する理由を問う声もあった。
エコポイントの交換商品を発表 「Suica」「おこめ券」など
経済産業省などは19日、省エネルギー家電の購入時にもらえる「エコポイント」の交換商品を発表した。商品券・プリペイドカードでは、JR東日本の「Suica」や「全国共通おこめ券」など207品目。地域産品では北海道キヨスクの「北の特急便」や山形テレビの「山形屋」など55事業者が取り扱う商品。省エネ製品では伊藤忠商事の「MOTTAINAIキャンペーン」や千趣会の「ベルメゾンのエコ商品」など9事業者が扱う商品が対象。地域産品と省エネ製品の具体的な商品リストは6月末までに発表する。
イー・アクセスとソフトバンク、WiMAXで“健全な競争環境”を要望
イー・アクセスとソフトバンクBBは、UQコミュニケーションズが7月1日よりモバイルWiMAX方式による高速データ通信サービス「UQ WiMAX」を提供するにあたり、健全な競争環境を確保できるよう、総務省に要望書を提出した。
要望書では、UQコミュニケーションズが独立性を確保することが必要と指摘し、議決権比率は変更ないもののKDDIからUQへの出資比率が高まっていることに注視するよう求めている。2007年12月の免許割当時の方針として、既存通信事業者の構成が1/3以下となる必要があるとされていたが、今後も継続して同方針を踏まえた健全な競争が確保できるよう、国内唯一のWiMAX提供事業者であるUQに対して、KDDIやKDDIグループ企業を優先するような営業行為、回線提供が行われないこと、あるいはMVNOもUQ WiMAXと同時期にサービスを開始できるよう条件設定などが行われることの確認を要望している。
イー・アクセスでは、「具体的に何らかの行為があったわけではないが、正式サービス開始の前に初心に立ち返って確認しておきたいということで、この時期に要望することにした。また“1/3ルール”というものがあり、議決権なしながらKDDIの出資比率が44.1%まで上昇していることから、もう一度確認する必要があると考えた」としている。
「アジア中間層」開拓を 09年版通商白書
二階俊博経済産業相は19日の閣議に、2009年版の通商白書を提出した。金融危機で日本経済が深刻な打撃を被ったのは、自動車や電機などの米欧向け輸出を柱にした産業構造が一因と分析。アジアの中間層が1990年比で6.2倍の8億8000万人に達しており、日本企業にとって「成長性の高い市場に進出することが重要な課題」と指摘している。経産省としても市場開拓を支援していく方針だ。
02~07年の景気回復を主導した輸出は、対米向けの自動車など高付加価値商品の割合が高かったと指摘。このため米国など先進国の需要が急減した今回の金融危機では輸出が急減し、景気の足を引っ張った。
一方、中国やインドなどアジアの新興国は金融危機で景気が減速したものの、プラス成長を維持している。新興国は米欧向け輸出を中心にした経済構造から、国内需要の拡大に経済政策の軸を移しつつあり、消費市場としての重要性が急速に高まっている。
割安タクシーを規制、特別措置法成立…値上げの懸念も
タクシー規制を強化する特別措置法案が19日の参院本会議で可決、成立した。
10月に施行される。
低賃金に苦しむ運転手の待遇改善が狙いで、運賃が割安のタクシーに対する認可の審査が厳しくなるほか、タクシー会社が共同で台数を減らすことが可能になる。利用者にとっては、値上げや利便性の低下につながる懸念もある。
タクシー運賃は現在、全国約90の地区ごとに国土交通省が定めた料金幅の範囲内であれば自動的に認可され、下限より安くても「不当な低運賃」でなければ認められる。
新法では、下限割れ運賃の申請に対する審査が強化され、「初乗り500円タクシー」などが値上げを迫られる可能性がある。
湾岸産油国、財政黒字へ サウジやカタール、原油高続けば好転
【テヘラン=松尾博文】原油価格の上昇基調を受け、中東・湾岸産油国の財政が好転し始めた。原油相場が予算編成の前提の2倍近くに上昇し、歳入の大部分を占める原油収入の減少を見込んで2009年度は赤字予算を強いられたサウジアラビアやカタールなどは、一転して財政黒字になる可能性が強まっている。原油収入の増加は各国の財政出動を底支えしそうで、世界市場でのオイルマネーの動きも再び活発になりそうだ。
湾岸各国は原油相場が1バレル35~45ドルで推移することを前提に今年度予算を策定。サウジ、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、クウェート、オマーンの6カ国で構成する湾岸協力会議(GCC)では、均衡予算を組んだUAEを除く5カ国が赤字予算となり、赤字の合計は240億ドル(約2兆3000億円)に達していた。
NPO化の必要性まで議論される 米国新聞崩壊の惨状と教訓(COLUMN)
日本の新聞社の経営は苦しくなっていますが、米国でも、シカゴ・トリビューンなどを発行しているトリビューン社が昨年破産申請をするなど、日本以上に大変な状況になっています。
そうした苦境に対する日米の新聞社の対応の違いを見ていると、日米の企業のダイナミズムの差が如実に現れているように思います。日本の新聞社はじっと耐えるだけで抜本的な構造改革に乗り出さないのに比べ、米国では新聞の再生に向けて様々な議論が行われ、また取り組みが実践されているからです。
裏を返して言えば、米国での試行錯誤は、いずれ追い込まれてドラスティックな対応をせざるを得ない日本の新聞社にとって、貴重な先例となり、また重要な教訓を物語っています。それにも関わらず、残念ながら米国での議論や取り組みが日本では十分には紹介されてないように思えます。
日本以上に深刻な広告のマスメディア離れ
その前提として、日米の新聞には二つの大きな違いがあることをご理解いただければと思います。
第一の違いは、米国では新聞は基本的にローカルメディアだということです。全国紙と言えるのは2紙(USAトゥデイとウォール・ストリート・ジャーナル)しかなく、それ以外は基本的にローカル新聞です。大新聞であるニューヨーク・タイムズだってローカル新聞です。これに対して、日本には全国紙がたくさんあります。読売、朝日、日経、毎日、産経と5紙もあるのです。東京新聞も加えると6紙になります。
もちろん、だからと言って一概にどちらがいいとは言えません。国土の大きさなどの様々な要因が影響しているからです。米国ではプロスポーツはローカルなものであり、例えばニューヨーク・ヤンキースのファンは基本的にニューヨーク州の人だけなのに対し、日本では読売ジャイアンツという全国区の人気のプロスポーツ・チームが存在するのと同じです。
第二の違いは新聞社の収入構成の違いです。米国の新聞の主要な収入源は広告収入であるのに対して、日本の新聞では購読料収入の方が広告収入より多いのです。ざっくりと言って、広告収入と購読料収入の構成比は米国が3:1であるのに対して、日本では1:2となっています。だから、広告のマスメディア離れという現象は日本以上に米国の新聞社に大きく影響しているのです。
救うべきは新聞社ではなく新聞でありジャーナリズム
さて、米国での新聞の再生を巡る議論や取り組みをフォローしていますと、大きく分けて3つの論点について議論されているように感じます。
第一の論点は、インターネットをいかに新聞のビジネスモデルに取り込むかです。企業の広告支出がマスメディアからネットにどんどんシフトする中で、この数年の間様々な取り組みが実際に行われてきました。その取り組みを分類学的に整理すると、広告収入型、個人課金型、ハイブリッド型に分かれます。
広告収入型とは、マスメディアからネットにシフトする広告費を取り戻そうとするものであり、ユーザはネット上で無料で新聞が読め、新聞社は広告収入でその対価を得るというものです。
これまでは大半の新聞がこのアプローチを採っていましたが、実はこのモデルには本質的に致命的な欠陥があります。その欠陥が今回の経済危機で露呈し、現在はこのモデルをどう見直すかという議論が盛んに行われています。その見直しの方向とは、簡単に言えば広告収入型から個人課金型への移行です。
第二の論点は、新聞社の非営利法人化とでもいうような流れです。一言で言えば、新聞社の収益が急速に悪化する一方で、新聞はジャーナリズムという民主主義の維持に不可欠な機能を担っているのだから、新聞社を今の苦境から救うためには寄付金で運営できるようにすべきでは、そのために必要な制度上の手当てを行うべきでは、といった議論です。事実上、新聞社の組織をNPO化しようという議論と言ってもいいと思います。
もちろんまだ議論の段階に過ぎず、実践されている例はありませんが、米国議会でもこうした方向性について公聴会が開催されている位に、米国の新聞社の苦境は厳しいのです。救いは、今回の経済危機で米国でもモラルハザードが横行し、GMを筆頭に一般企業にまで公的資金が投入されているにも関わらず、新聞社にも公的資金を投入すべきという議論はほとんど皆無であることではないでしょうか。
第三の論点は、救うべきは新聞と新聞社のどちらなのか、という点です。即ち、新聞社を救う必要はないのではないか、別の組織やアプローチによってジャーナリズムが維持されれば良いのではないか、という議論です。
実は個人的にはこの議論が一番大事ではないかと思っています。上述の二つの論点は、平たく言えば新聞社のビジネスモデルをどう組み直すか、新たな収入をどうやって得るかを議論しているに過ぎません。寄付だって収入には変わりがないのですから。そして、その前提として、新聞社というこれまで新聞を発行してきた組織は存続されるべきという価値判断が入っています。
しかし、そうした前提から新聞=ジャーナリズムを支えるビジネスモデルを考えるのは間違っていると思います。ジャーナリズムは社会の公器であり、民主主義の維持のためには不可欠です。だからこそ、それぞれの国で異なる民主主義の成熟度を踏まえ、デジタル/ネット時代におけるジャーナリズムの維持の方法を考えなければいけないのではないでしょうか。
NTTドコモ、専用のデジタルフォトフレームに写真を届ける新サービス
NTTドコモは、無線通信を使って専用のデジタルフォトフレームに写真を届ける新サービスを7月1日に始めると発表した。携帯電話やパソコンから写真データを添付した電子メールを送信するだけで、撮ったばかりの写真を離れて暮らす家族や友人らのもとに届けられる。ソフトバンクモバイルも同様のサービスを始めており、携帯電話網の新たな活用法として注目を集めそうだ。
ドコモの新サービス「お便りフォトサービス」を利用するには、携帯電話のデータ通信機能を搭載した専用フォトフレーム「フォトパネル01」が必要となる。当初は1000台を限定販売する計画で、通販サイトで購入する場合の価格は1万9800円。
DeNA、「モバゲー」にケータイ小説投稿サイトを連携
ディー・エヌ・エー(DeNA)は、携帯総合情報サイト「モバゲータウン」と、ゴマブックスなどが運営するケータイ小説投稿サイト「おりおん☆」を連携させると発表した。同投稿サイトで人気を呼び、書籍や映画になった作品を中心にモバゲーで読めるようにする。DeNAは他サイトの人気作品を配信して利用者のすそ野を広げる。
まず18日に、映画化が決まった「天使の恋」や2007年にヒットした「もしもキミが。」など6作品を配信。22日には08年に映画とドラマになった「赤い糸」シリーズを配信する。毎週、数作品を投入する見通し。
日商会頭:「世界2位の経済大国」固執する時代は終わり
日本商工会議所の岡村正会頭は18日の会見で、中国の国内総生産(GDP)について「成長率の見通しが上方修正され、今年中に(日本を)逆転するかもしれない」と述べ、09年の中国のGDPが日本を上回り、米国に次ぐ世界2位になる可能性があるとの見方を示した。
岡村氏は「日本が『世界2位の経済大国』というアイデンティティー(自己同一性)に固執する時代は終わっている。次の国の姿を描かなければならない」と指摘。新たな国家像について「環境問題など世界的問題を解決する『技術開発大国』を目指す論争を巻き起こすべきだ」と述べた。
17日にあった麻生太郎首相と民主党の鳩山由紀夫代表による党首討論にも触れ、「どういう国にしていくかという大きな論争を期待したが、個別案件にとどまり、残念だ」と述べた。
「ドラクエIXの協力プレイ、当初からDSワイヤレスプレイのみ」とスク・エニ
7月11日発売予定のニンテンドーDS用ソフト「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」で、無線LAN通信機能「Wi-Fiコネクション」を使ったオンライン協力プレイができないことを悲しむ声が、ネットで上がっている。
「開発期間が足りず、Wi-Fi協力プレイ機能を省略したのでは」という憶測もあるが、スクウェア・エニックスによると、Wi-Fi協力プレイを可能にする予定はもともとなく、機能を省いたわけではないらしい。
ドラクエIXは、「DSワイヤレスプレイ」機能を使い、近くにいる3人までの人と通信して協力プレイできるのが売りだが、公式サイトに「Wi-Fiコネクション対応」とあったことなどから、インターネット経由で見知らぬ人とも協力プレイできるのでは――と期待するユーザーもいた。
これは誤解だったようで、同社の広報担当者は、「開発当初から、Wi-Fiではなく、DSワイヤレスプレイを使って協力プレイする仕様だった」と話す。Wi-Fiは、追加クエストのダウンロード機能などで活用している。
旅行大手、海外へ共同チャーター便 JTB・近ツーなど
JTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行などの旅行大手が国際チャーター便の利用で提携する。2010年にもチャーター便を共同調達し、それぞれがツアー商品を企画・販売できるようにする。旅行会社1社単独では負担の重かった調達コストを軽減することで、12年度に08年度比60%増の約9200便(片道)に増えると見ている。定期便のない地域に運航できるチャーター便の拡大は、低迷する海外旅行需要を底上げし、地方の利用者らの旅行費用引き下げにもつながりそうだ。
旅行会社で組織する日本旅行業協会でチャーター便利用拡大の協議を進め、秋をメドに詳細を決める。協議には旅行大手のほか、阪急交通社、エイチ・アイ・エス、ジャルパックが参加し、日本航空や全日本空輸もオブザーバーとして加わる。
重電各社、海外展開を加速 日立や三菱重工など
日立製作所、三菱重工業、東芝の重電メーカー3社が海外展開を加速する。原子力発電や二酸化炭素(CO2)排出量を抑える火力発電、自然エネルギーなどの技術を武器に、発電所が老朽化する欧米や電力需要が伸びる新興国で、受注拡大を目指す。国際エネルギー機関(IEA)の予測では2030年の世界の発電能力は06年比7割増の約75億キロワットに達する見込み。原発3000基に相当する新規需要を巡り、米ゼネラル・エレクトリック(GE)や仏アレバなどと競う構えだ。
日立製作所は18日、電力分野の事業計画を発表した。火力、原子力発電に新エネルギーを加え、11年度の売上高を2割増の1兆円に引き上げる。海外市場での受注を強化し、08年度に42%だった海外売上高比率を50%に高める方針だ。
原油確認埋蔵量、再び増加 石油メジャー、開発投資実る
【ロンドン=清水泰雅】世界の石油メジャーの確認埋蔵量が2008年に上昇に転じたことが明らかになった。04年ごろを境に各社とも減少傾向にあったが、探鉱など開発部門への投資が実り、確保する原油や天然ガスの埋蔵量が増えた。各社は探鉱・生産コストが上昇した後も投資水準を落としていないことから、今後も埋蔵量の増加は続くとみられる。
大和総研ヨーロッパが集計した。2000年ごろまで原油価格が1バレル10ドル台に低迷した影響で、石油開発への投資が減少した結果、各社の確認埋蔵量は次第に減少。米シェブロンや仏トタルは03年、英BPは04年にピークに達し、以降は埋蔵量が落ち込んできていた。
米、対話外交が手詰まり 政権内に温度差、共和党も猛反発
【ワシントン=大石格】オバマ米大統領の持論である対話外交に手詰まり感が漂い始めた。政権発足以来、敵対国との話し合いの糸口を探ってきたが、北朝鮮が核実験、イランが改革派封じ込めに動くなど成果はあまり出ていない。圧力路線に切り替える踏ん切りもつかず、政権内に足並みの乱れも見える。共和党は「中途半端な対応が挑発行為を助長している」と批判を強めている。
「イラン国民は票を数えられる権利がある」。クリントン米国務長官は17日の記者会見でイラン大統領選の結果に重ねて疑問を示し、票の数え直しの必要性を強調した。
日本の新聞社の経営は苦しくなっていますが、米国でも、シカゴ・トリビューンなどを発行しているトリビューン社が昨年破産申請をするなど、日本以上に大変な状況になっています。
そうした苦境に対する日米の新聞社の対応の違いを見ていると、日米の企業のダイナミズムの差が如実に現れているように思います。日本の新聞社はじっと耐えるだけで抜本的な構造改革に乗り出さないのに比べ、米国では新聞の再生に向けて様々な議論が行われ、また取り組みが実践されているからです。
裏を返して言えば、米国での試行錯誤は、いずれ追い込まれてドラスティックな対応をせざるを得ない日本の新聞社にとって、貴重な先例となり、また重要な教訓を物語っています。それにも関わらず、残念ながら米国での議論や取り組みが日本では十分には紹介されてないように思えます。
日本以上に深刻な広告のマスメディア離れ
その前提として、日米の新聞には二つの大きな違いがあることをご理解いただければと思います。
第一の違いは、米国では新聞は基本的にローカルメディアだということです。全国紙と言えるのは2紙(USAトゥデイとウォール・ストリート・ジャーナル)しかなく、それ以外は基本的にローカル新聞です。大新聞であるニューヨーク・タイムズだってローカル新聞です。これに対して、日本には全国紙がたくさんあります。読売、朝日、日経、毎日、産経と5紙もあるのです。東京新聞も加えると6紙になります。
もちろん、だからと言って一概にどちらがいいとは言えません。国土の大きさなどの様々な要因が影響しているからです。米国ではプロスポーツはローカルなものであり、例えばニューヨーク・ヤンキースのファンは基本的にニューヨーク州の人だけなのに対し、日本では読売ジャイアンツという全国区の人気のプロスポーツ・チームが存在するのと同じです。
第二の違いは新聞社の収入構成の違いです。米国の新聞の主要な収入源は広告収入であるのに対して、日本の新聞では購読料収入の方が広告収入より多いのです。ざっくりと言って、広告収入と購読料収入の構成比は米国が3:1であるのに対して、日本では1:2となっています。だから、広告のマスメディア離れという現象は日本以上に米国の新聞社に大きく影響しているのです。
救うべきは新聞社ではなく新聞でありジャーナリズム
さて、米国での新聞の再生を巡る議論や取り組みをフォローしていますと、大きく分けて3つの論点について議論されているように感じます。
第一の論点は、インターネットをいかに新聞のビジネスモデルに取り込むかです。企業の広告支出がマスメディアからネットにどんどんシフトする中で、この数年の間様々な取り組みが実際に行われてきました。その取り組みを分類学的に整理すると、広告収入型、個人課金型、ハイブリッド型に分かれます。
広告収入型とは、マスメディアからネットにシフトする広告費を取り戻そうとするものであり、ユーザはネット上で無料で新聞が読め、新聞社は広告収入でその対価を得るというものです。
これまでは大半の新聞がこのアプローチを採っていましたが、実はこのモデルには本質的に致命的な欠陥があります。その欠陥が今回の経済危機で露呈し、現在はこのモデルをどう見直すかという議論が盛んに行われています。その見直しの方向とは、簡単に言えば広告収入型から個人課金型への移行です。
第二の論点は、新聞社の非営利法人化とでもいうような流れです。一言で言えば、新聞社の収益が急速に悪化する一方で、新聞はジャーナリズムという民主主義の維持に不可欠な機能を担っているのだから、新聞社を今の苦境から救うためには寄付金で運営できるようにすべきでは、そのために必要な制度上の手当てを行うべきでは、といった議論です。事実上、新聞社の組織をNPO化しようという議論と言ってもいいと思います。
もちろんまだ議論の段階に過ぎず、実践されている例はありませんが、米国議会でもこうした方向性について公聴会が開催されている位に、米国の新聞社の苦境は厳しいのです。救いは、今回の経済危機で米国でもモラルハザードが横行し、GMを筆頭に一般企業にまで公的資金が投入されているにも関わらず、新聞社にも公的資金を投入すべきという議論はほとんど皆無であることではないでしょうか。
第三の論点は、救うべきは新聞と新聞社のどちらなのか、という点です。即ち、新聞社を救う必要はないのではないか、別の組織やアプローチによってジャーナリズムが維持されれば良いのではないか、という議論です。
実は個人的にはこの議論が一番大事ではないかと思っています。上述の二つの論点は、平たく言えば新聞社のビジネスモデルをどう組み直すか、新たな収入をどうやって得るかを議論しているに過ぎません。寄付だって収入には変わりがないのですから。そして、その前提として、新聞社というこれまで新聞を発行してきた組織は存続されるべきという価値判断が入っています。
しかし、そうした前提から新聞=ジャーナリズムを支えるビジネスモデルを考えるのは間違っていると思います。ジャーナリズムは社会の公器であり、民主主義の維持のためには不可欠です。だからこそ、それぞれの国で異なる民主主義の成熟度を踏まえ、デジタル/ネット時代におけるジャーナリズムの維持の方法を考えなければいけないのではないでしょうか。
NTTドコモ、専用のデジタルフォトフレームに写真を届ける新サービス
NTTドコモは、無線通信を使って専用のデジタルフォトフレームに写真を届ける新サービスを7月1日に始めると発表した。携帯電話やパソコンから写真データを添付した電子メールを送信するだけで、撮ったばかりの写真を離れて暮らす家族や友人らのもとに届けられる。ソフトバンクモバイルも同様のサービスを始めており、携帯電話網の新たな活用法として注目を集めそうだ。
ドコモの新サービス「お便りフォトサービス」を利用するには、携帯電話のデータ通信機能を搭載した専用フォトフレーム「フォトパネル01」が必要となる。当初は1000台を限定販売する計画で、通販サイトで購入する場合の価格は1万9800円。
DeNA、「モバゲー」にケータイ小説投稿サイトを連携
ディー・エヌ・エー(DeNA)は、携帯総合情報サイト「モバゲータウン」と、ゴマブックスなどが運営するケータイ小説投稿サイト「おりおん☆」を連携させると発表した。同投稿サイトで人気を呼び、書籍や映画になった作品を中心にモバゲーで読めるようにする。DeNAは他サイトの人気作品を配信して利用者のすそ野を広げる。
まず18日に、映画化が決まった「天使の恋」や2007年にヒットした「もしもキミが。」など6作品を配信。22日には08年に映画とドラマになった「赤い糸」シリーズを配信する。毎週、数作品を投入する見通し。
日商会頭:「世界2位の経済大国」固執する時代は終わり
日本商工会議所の岡村正会頭は18日の会見で、中国の国内総生産(GDP)について「成長率の見通しが上方修正され、今年中に(日本を)逆転するかもしれない」と述べ、09年の中国のGDPが日本を上回り、米国に次ぐ世界2位になる可能性があるとの見方を示した。
岡村氏は「日本が『世界2位の経済大国』というアイデンティティー(自己同一性)に固執する時代は終わっている。次の国の姿を描かなければならない」と指摘。新たな国家像について「環境問題など世界的問題を解決する『技術開発大国』を目指す論争を巻き起こすべきだ」と述べた。
17日にあった麻生太郎首相と民主党の鳩山由紀夫代表による党首討論にも触れ、「どういう国にしていくかという大きな論争を期待したが、個別案件にとどまり、残念だ」と述べた。
「ドラクエIXの協力プレイ、当初からDSワイヤレスプレイのみ」とスク・エニ
7月11日発売予定のニンテンドーDS用ソフト「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」で、無線LAN通信機能「Wi-Fiコネクション」を使ったオンライン協力プレイができないことを悲しむ声が、ネットで上がっている。
「開発期間が足りず、Wi-Fi協力プレイ機能を省略したのでは」という憶測もあるが、スクウェア・エニックスによると、Wi-Fi協力プレイを可能にする予定はもともとなく、機能を省いたわけではないらしい。
ドラクエIXは、「DSワイヤレスプレイ」機能を使い、近くにいる3人までの人と通信して協力プレイできるのが売りだが、公式サイトに「Wi-Fiコネクション対応」とあったことなどから、インターネット経由で見知らぬ人とも協力プレイできるのでは――と期待するユーザーもいた。
これは誤解だったようで、同社の広報担当者は、「開発当初から、Wi-Fiではなく、DSワイヤレスプレイを使って協力プレイする仕様だった」と話す。Wi-Fiは、追加クエストのダウンロード機能などで活用している。
旅行大手、海外へ共同チャーター便 JTB・近ツーなど
JTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行などの旅行大手が国際チャーター便の利用で提携する。2010年にもチャーター便を共同調達し、それぞれがツアー商品を企画・販売できるようにする。旅行会社1社単独では負担の重かった調達コストを軽減することで、12年度に08年度比60%増の約9200便(片道)に増えると見ている。定期便のない地域に運航できるチャーター便の拡大は、低迷する海外旅行需要を底上げし、地方の利用者らの旅行費用引き下げにもつながりそうだ。
旅行会社で組織する日本旅行業協会でチャーター便利用拡大の協議を進め、秋をメドに詳細を決める。協議には旅行大手のほか、阪急交通社、エイチ・アイ・エス、ジャルパックが参加し、日本航空や全日本空輸もオブザーバーとして加わる。
重電各社、海外展開を加速 日立や三菱重工など
日立製作所、三菱重工業、東芝の重電メーカー3社が海外展開を加速する。原子力発電や二酸化炭素(CO2)排出量を抑える火力発電、自然エネルギーなどの技術を武器に、発電所が老朽化する欧米や電力需要が伸びる新興国で、受注拡大を目指す。国際エネルギー機関(IEA)の予測では2030年の世界の発電能力は06年比7割増の約75億キロワットに達する見込み。原発3000基に相当する新規需要を巡り、米ゼネラル・エレクトリック(GE)や仏アレバなどと競う構えだ。
日立製作所は18日、電力分野の事業計画を発表した。火力、原子力発電に新エネルギーを加え、11年度の売上高を2割増の1兆円に引き上げる。海外市場での受注を強化し、08年度に42%だった海外売上高比率を50%に高める方針だ。
原油確認埋蔵量、再び増加 石油メジャー、開発投資実る
【ロンドン=清水泰雅】世界の石油メジャーの確認埋蔵量が2008年に上昇に転じたことが明らかになった。04年ごろを境に各社とも減少傾向にあったが、探鉱など開発部門への投資が実り、確保する原油や天然ガスの埋蔵量が増えた。各社は探鉱・生産コストが上昇した後も投資水準を落としていないことから、今後も埋蔵量の増加は続くとみられる。
大和総研ヨーロッパが集計した。2000年ごろまで原油価格が1バレル10ドル台に低迷した影響で、石油開発への投資が減少した結果、各社の確認埋蔵量は次第に減少。米シェブロンや仏トタルは03年、英BPは04年にピークに達し、以降は埋蔵量が落ち込んできていた。
米、対話外交が手詰まり 政権内に温度差、共和党も猛反発
【ワシントン=大石格】オバマ米大統領の持論である対話外交に手詰まり感が漂い始めた。政権発足以来、敵対国との話し合いの糸口を探ってきたが、北朝鮮が核実験、イランが改革派封じ込めに動くなど成果はあまり出ていない。圧力路線に切り替える踏ん切りもつかず、政権内に足並みの乱れも見える。共和党は「中途半端な対応が挑発行為を助長している」と批判を強めている。
「イラン国民は票を数えられる権利がある」。クリントン米国務長官は17日の記者会見でイラン大統領選の結果に重ねて疑問を示し、票の数え直しの必要性を強調した。