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ICTインフラの国際ランキング、日本が首位守る 総務省調査
総務省は17日、24の国と地域のICT(情報通信技術)インフラを比較評価した報告書を公表した。電話の基本料金やインターネット普及率など12項目によって国際ランキングを作成したところ、日本は12項目の指標を平均した総合評価で前回調査(2008年3月公表)に続き1位となった。日本はブロードバンド(高速大容量)の通信速度などで世界をリードしており、2位以下との差を広げた。
国際比較に当たっては、国際電気通信連合(ITU)などの国際機関が公表しているデータを利用した。
総合評価の上位3カ国に順位の変動はなく、2位は光ファイバーや第3世代携帯電話の比率が高い韓国。3位は「ボット」と呼ばれるコンピューターウイルスに感染したコンピューターの割合が低いフィンランドだった。総合評価の上位10カ国中、北欧が3カ国、アジアが4カ国ランクインした。
英ソニー・エリクソン社長にノルドバーグ氏 初のエリクソン出身
【ロンドン=清水泰雅】携帯電話大手の英ソニー・エリクソンは17日、スウェーデンのエリクソン社のバート・ノルドバーグ・エグゼクティブ・バイス・プレジデント(EVP、53)が社長に就任すると発表した。9月1日付で共同社長となり、10月15日に正式に社長に就任する。小宮山英樹社長(66)は10月15日にエグゼクティブ・アドバイザーに就任後、12月末で退任する予定。
小宮山社長は景気後退で同社の業績が悪化した責任を取る形だ。ソニーとエリクソンの合弁である同社では、会社設立から3代続けてソニー出身者が社長に就任したが、今回は初めてエリクソン出身の社長となる。
新社長を指名したのはソニーのハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)という。ストリンガー氏はエリクソンのスヴァンベリCEOに代わってソニー・エリクソンの新取締役会議長に就任する。ストリンガー氏の支援の下、エリクソン式の大胆なリストラを実行するとみられる。
「CA003」がJATE通過──auの次期新モデルか
JATE(電気通信端末機器審査協会)が8月17日、2009年7月16日から31日に認定した端末機器一覧を更新した。
新たに認定を受けた機器のうち、携帯電話らしき型番は、カシオ日立モバイルコミュニケーションズ製の「CA003」(認定日:2009年7月17日、認定番号:AD09-0257001)、NEC製の「831N」(認定日:2009年7月21日、認定番号:AD09-0250001)、シャープ製の「936SH」(認定日:2009年7月24日、認定番号:AD09-0267001)、LGエレクトロニクス製の「L-07A」(認定日:2009年7月31日、認定番号:AD09-0259001)の4モデル。
シャープの936SHは、8月14日から販売が始まったソフトバンクモバイル向けの太陽光充電対応モデル「SOLAR HYBRID 936SH」のこと。またNECの831Nは、緊急地震速報に対応した使いやすさにこだわったモデルとして、9月中旬の発売が予定されている(緊急地震速報は11月からサービス開始予定)。いずれもすでにこの春に発表済みのモデルだ。
一方カシオ日立のCA003は、5月25日に発表された夏モデル「CA002」に次ぐ、au向けの新モデルと予想される。例年KDDIは秋冬モデルと称して新モデルの発表を9月末から10月ごろに行っているので、今年も同時期に新モデルが発表される可能性がありそうだ。
LGエレクトロニクスのL-07Aは、公開されている米FCCなどの認定情報によると、どうやらHSUPA対応のデータ通信端末のようだ。すでにHSUPAに対応したデータ通信端末は「L-05A」というUSBタイプのモデルが存在するので、カード型など別の形状の端末が登場するのかもしれない。
京阪神の百貨店売上高7月12%減──長梅雨・夏物衣料セール息切れ
関西の百貨店が厳しい夏商戦に直面している。近畿百貨店協会が17日発表した京阪神地区の7月の売上高は前年同月比12.0%減の1308億円。減収率は6月より約4ポイント悪化し、再び2ケタ台に落ち込んだ。梅雨明けの遅れや前倒しした夏物衣料セールの息切れが響いた。各社は客足が比較的堅調な物産展などを増やし、値引きシールも配布して底上げを目指す。
7月は大阪、京都、神戸地区とも12%前後の減収率だった。商品別では主力の婦人服が17.7%減、宝飾品を含む雑貨も15.7%減と落ち込みが大きい。長梅雨で日傘やブラウスなどの季節商品が低調。夏のボーナス減額などを背景に高額品や定価販売品が振るわず、中元ギフトも前年割れに終わった。
7月の対中直接投資、35.7%減 減少率が大幅に拡大
【北京=高橋哲史】中国商務省は17日、7月の海外から中国への直接投資額(実行ベース)が前年同月比35.7%減の53億5900万ドル(約5000億円)だったと発表した。10カ月連続のマイナスで、減少率は6月の6.8%より大幅に拡大した。いったん下げ止まりの兆しがみられた対中直接投資は、再び減少傾向が鮮明になっている。
商務省の姚堅報道官は同日の記者会見で「金融危機の影響を受け、世界的に国境を越えた投資の減少傾向がはっきりとしている」と述べ、対中投資の減少が中国側の要因によるものではないとの立場を強調した。そのうえで「我々は中長期的に中国が外資を引き付け続けることに十分な自信がある」と語り、対中投資の回復に向けて努力する考えを示した。
中国経済は大規模な公共投資を柱とする景気刺激策の効果で回復傾向が鮮明になっている。しかし、外需の落ち込みが続く中で公共投資が息切れすれば、景気は再び減速する恐れもある。中国政府は個人消費の振興策に力を入れると同時に、海外からの直接投資もてこ入れする必要があると判断している。
海外インフラ受注支援 経産省、10年度予算で要求へ
経済産業省はアジアや中東など新興国でインフラ関連の受注を目指す日本企業の包括的な支援に乗り出す。水ビジネスや太陽光発電、鉄道整備などに必要な部品や製品の供給から保守・管理までを一括して請け負う事業スタイルを後押しする。自動車や電機のように、これまで日本勢が強かった分野以外でも、企業が安定的に収益を上げられる事業構造への転換を促す。
インフラ事業の支援策を2010年度予算の概算要求に盛り込む重点政策の柱と位置づけ、20日に開く産業構造審議会(経産相の諮問機関)の総会に報告する。
「文化の違い認めよ」 映画・音楽の流通規制で中国が反論
中国商務省の姚堅報道官は17日の記者会見で、中国が音楽CDや映画のDVDの流通規制を巡って世界貿易機関(WTO)で敗訴した問題について「上訴に向けて積極的に準備をしている」と明らかにした。
中国の文化産品の流通規制は米国がWTOに訴えた。WTO紛争処理小委員会(パネル)は12日に米側の主張を認める報告書を発表。中国側の敗訴が決まった。姚堅報道官は「各国にはそれぞれの歴史や文化、伝統にのっとった文化・教育産品の管理方法がある」と述べ、パネルの判断に強い不満を表明した。
日経社説 09衆院選 政策を問う 政権を選ぶ歴史的な選挙の幕が開く(8/18)
自民、公明両党の連立政権の継続か、それとも民主党を中心とする政権を選ぶのか。第45回衆院選が18日公示され、30日の投票日に向け、各党は本格的な選挙戦に入る。政権交代の是非が最大の焦点となる歴史的な衆院選が幕を開ける。
かつての社会党など野党勢力が非力だったこともあり、衆院選はこれまで本来の機能である政権を選択する選挙になっていなかった。今回は有権者が政権を選ぶ事実上初めての選挙といえる。
定着してきた政権公約
2003年にマニフェスト(政権公約)が導入されてから、今回で3回目の衆院選だ。7月21日の解散日から投票日まで40日間という、現行憲法下で最長の期間になったこともあり、政権公約をめぐる論戦はすでに活発になっている。12日間の選挙戦で、国の将来像などを競う骨太の政策論争を期待したい。
前回の05年の衆院選は、小泉純一郎首相が郵政民営化の是非の一点に争点を絞り込み、他の政策課題は脇に追いやられた。今回は自民、民主両党の政権公約を中心に、子育て支援、農業政策、消費税など多岐にわたるテーマで論戦が行われている。衆院選の判断材料として政権公約はようやく定着してきた。
政権交代が現実味を帯び、野党・民主党の政権公約は、かつてないほど注目されている。与党からの批判や各種団体の意見などを踏まえ、民主党は国と地方の協議の場の法制化などを追加したり、日米自由貿易協定(FTA)の記述を変更したりする政権公約の修正版を発表した。
政権公約の修正自体は必ずしも悪いことではない。しかし今回の修正は、一部幹部だけでまとめた政権公約の中身が生煮えで、農業団体などからの批判を受けて慌てふためいたという印象が否めない。党内で十分に検討したうえで、もっと早い時期に原案を示すなど政権公約の作成手順を改善しなければならない。
公示に先立ち、日本記者クラブは各党党首の討論会を開催した。
麻生太郎首相(自民党総裁)は「責任力」を重ねてアピールした。17日に発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値が年率換算で3.7%増となった成果を挙げ、引き続き景気回復に取り組む考えを示した。同時に「戦略なきば(、)ら(、)ま(、)き(、)では経済は成長しない」と述べ、民主党への対抗心をむき出しにした。
一方、民主党の鳩山由紀夫代表は官僚任せの政治に終止符を打つとして、自民党の長期政権からのチェンジ(政権交代)を呼びかけた。
民主党の優勢が伝えられていることから、鳩山氏への質問が目立つ展開となった。麻生氏と公明党の太田昭宏代表は、民主党が政権公約に盛り込んだ子ども手当などの財源や、今年度補正予算を組み替える場合に削減する項目を示すよう求めた。
鳩山氏は今回の討論でも具体的な削減内容を明らかにしなかったが、政権をとれば直ちに直面する補正予算の組み替え方針などは具体策を示して審判を仰ぐのが筋である。
鳩山氏は自らの秘書が政治資金収支報告書の虚偽記載をした事実を認め、これがアキレスけんになっている。太田氏は、秘書が虚偽記載した場合に国会議員の公民権を停止する法改正への賛否をただしたが、鳩山氏は「民主党としても前向きに対処すべきと考えている」と答えた。
連立の基本方針も示せ
平行線の議論が多かったが、首相と鳩山氏が選挙結果にかかわらず、年金などの社会保障改革は超党派で検討すべきだとの認識で一致したことは評価したい。少子高齢化が進むなかで、年金、医療などの抜本改革をどのように進めていくのか。政権公約では十分に説明されていない社会保障改革についても、議論を深めてもらいたい。
選挙結果によっては連立政権の枠組みも焦点になる。自民、公明両党の政権が続く場合は、衆院で3分の2の多数を失っている公算が大きく、これまで以上に国会運営は困難になる。首相はどのようにして政権公約を実現するつもりなのか。
民主党は先に社民、国民新両党との共通政策を発表したが、安全保障政策に言及していないなど政権運営に不安を残す内容だった。17日の討論でも、海上自衛隊によるインド洋上での給油活動からの撤退時期やソマリア沖の海賊対策への自衛隊派遣を巡り、鳩山氏と社民党の福島瑞穂党首の意見は食い違ったままだ。
参院で安定的な勢力を確保するためには、自民、民主のどちらが第1党になっても連立は不可避の情勢だ。「建設的野党」の立場を打ち出した共産党を含め、各党は選挙後の連立政権に臨む基本方針を示して、有権者の判断を仰ぐ必要がある。
総務省は17日、24の国と地域のICT(情報通信技術)インフラを比較評価した報告書を公表した。電話の基本料金やインターネット普及率など12項目によって国際ランキングを作成したところ、日本は12項目の指標を平均した総合評価で前回調査(2008年3月公表)に続き1位となった。日本はブロードバンド(高速大容量)の通信速度などで世界をリードしており、2位以下との差を広げた。
国際比較に当たっては、国際電気通信連合(ITU)などの国際機関が公表しているデータを利用した。
総合評価の上位3カ国に順位の変動はなく、2位は光ファイバーや第3世代携帯電話の比率が高い韓国。3位は「ボット」と呼ばれるコンピューターウイルスに感染したコンピューターの割合が低いフィンランドだった。総合評価の上位10カ国中、北欧が3カ国、アジアが4カ国ランクインした。
英ソニー・エリクソン社長にノルドバーグ氏 初のエリクソン出身
【ロンドン=清水泰雅】携帯電話大手の英ソニー・エリクソンは17日、スウェーデンのエリクソン社のバート・ノルドバーグ・エグゼクティブ・バイス・プレジデント(EVP、53)が社長に就任すると発表した。9月1日付で共同社長となり、10月15日に正式に社長に就任する。小宮山英樹社長(66)は10月15日にエグゼクティブ・アドバイザーに就任後、12月末で退任する予定。
小宮山社長は景気後退で同社の業績が悪化した責任を取る形だ。ソニーとエリクソンの合弁である同社では、会社設立から3代続けてソニー出身者が社長に就任したが、今回は初めてエリクソン出身の社長となる。
新社長を指名したのはソニーのハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)という。ストリンガー氏はエリクソンのスヴァンベリCEOに代わってソニー・エリクソンの新取締役会議長に就任する。ストリンガー氏の支援の下、エリクソン式の大胆なリストラを実行するとみられる。
「CA003」がJATE通過──auの次期新モデルか
JATE(電気通信端末機器審査協会)が8月17日、2009年7月16日から31日に認定した端末機器一覧を更新した。
新たに認定を受けた機器のうち、携帯電話らしき型番は、カシオ日立モバイルコミュニケーションズ製の「CA003」(認定日:2009年7月17日、認定番号:AD09-0257001)、NEC製の「831N」(認定日:2009年7月21日、認定番号:AD09-0250001)、シャープ製の「936SH」(認定日:2009年7月24日、認定番号:AD09-0267001)、LGエレクトロニクス製の「L-07A」(認定日:2009年7月31日、認定番号:AD09-0259001)の4モデル。
シャープの936SHは、8月14日から販売が始まったソフトバンクモバイル向けの太陽光充電対応モデル「SOLAR HYBRID 936SH」のこと。またNECの831Nは、緊急地震速報に対応した使いやすさにこだわったモデルとして、9月中旬の発売が予定されている(緊急地震速報は11月からサービス開始予定)。いずれもすでにこの春に発表済みのモデルだ。
一方カシオ日立のCA003は、5月25日に発表された夏モデル「CA002」に次ぐ、au向けの新モデルと予想される。例年KDDIは秋冬モデルと称して新モデルの発表を9月末から10月ごろに行っているので、今年も同時期に新モデルが発表される可能性がありそうだ。
LGエレクトロニクスのL-07Aは、公開されている米FCCなどの認定情報によると、どうやらHSUPA対応のデータ通信端末のようだ。すでにHSUPAに対応したデータ通信端末は「L-05A」というUSBタイプのモデルが存在するので、カード型など別の形状の端末が登場するのかもしれない。
京阪神の百貨店売上高7月12%減──長梅雨・夏物衣料セール息切れ
関西の百貨店が厳しい夏商戦に直面している。近畿百貨店協会が17日発表した京阪神地区の7月の売上高は前年同月比12.0%減の1308億円。減収率は6月より約4ポイント悪化し、再び2ケタ台に落ち込んだ。梅雨明けの遅れや前倒しした夏物衣料セールの息切れが響いた。各社は客足が比較的堅調な物産展などを増やし、値引きシールも配布して底上げを目指す。
7月は大阪、京都、神戸地区とも12%前後の減収率だった。商品別では主力の婦人服が17.7%減、宝飾品を含む雑貨も15.7%減と落ち込みが大きい。長梅雨で日傘やブラウスなどの季節商品が低調。夏のボーナス減額などを背景に高額品や定価販売品が振るわず、中元ギフトも前年割れに終わった。
7月の対中直接投資、35.7%減 減少率が大幅に拡大
【北京=高橋哲史】中国商務省は17日、7月の海外から中国への直接投資額(実行ベース)が前年同月比35.7%減の53億5900万ドル(約5000億円)だったと発表した。10カ月連続のマイナスで、減少率は6月の6.8%より大幅に拡大した。いったん下げ止まりの兆しがみられた対中直接投資は、再び減少傾向が鮮明になっている。
商務省の姚堅報道官は同日の記者会見で「金融危機の影響を受け、世界的に国境を越えた投資の減少傾向がはっきりとしている」と述べ、対中投資の減少が中国側の要因によるものではないとの立場を強調した。そのうえで「我々は中長期的に中国が外資を引き付け続けることに十分な自信がある」と語り、対中投資の回復に向けて努力する考えを示した。
中国経済は大規模な公共投資を柱とする景気刺激策の効果で回復傾向が鮮明になっている。しかし、外需の落ち込みが続く中で公共投資が息切れすれば、景気は再び減速する恐れもある。中国政府は個人消費の振興策に力を入れると同時に、海外からの直接投資もてこ入れする必要があると判断している。
海外インフラ受注支援 経産省、10年度予算で要求へ
経済産業省はアジアや中東など新興国でインフラ関連の受注を目指す日本企業の包括的な支援に乗り出す。水ビジネスや太陽光発電、鉄道整備などに必要な部品や製品の供給から保守・管理までを一括して請け負う事業スタイルを後押しする。自動車や電機のように、これまで日本勢が強かった分野以外でも、企業が安定的に収益を上げられる事業構造への転換を促す。
インフラ事業の支援策を2010年度予算の概算要求に盛り込む重点政策の柱と位置づけ、20日に開く産業構造審議会(経産相の諮問機関)の総会に報告する。
「文化の違い認めよ」 映画・音楽の流通規制で中国が反論
中国商務省の姚堅報道官は17日の記者会見で、中国が音楽CDや映画のDVDの流通規制を巡って世界貿易機関(WTO)で敗訴した問題について「上訴に向けて積極的に準備をしている」と明らかにした。
中国の文化産品の流通規制は米国がWTOに訴えた。WTO紛争処理小委員会(パネル)は12日に米側の主張を認める報告書を発表。中国側の敗訴が決まった。姚堅報道官は「各国にはそれぞれの歴史や文化、伝統にのっとった文化・教育産品の管理方法がある」と述べ、パネルの判断に強い不満を表明した。
日経社説 09衆院選 政策を問う 政権を選ぶ歴史的な選挙の幕が開く(8/18)
自民、公明両党の連立政権の継続か、それとも民主党を中心とする政権を選ぶのか。第45回衆院選が18日公示され、30日の投票日に向け、各党は本格的な選挙戦に入る。政権交代の是非が最大の焦点となる歴史的な衆院選が幕を開ける。
かつての社会党など野党勢力が非力だったこともあり、衆院選はこれまで本来の機能である政権を選択する選挙になっていなかった。今回は有権者が政権を選ぶ事実上初めての選挙といえる。
定着してきた政権公約
2003年にマニフェスト(政権公約)が導入されてから、今回で3回目の衆院選だ。7月21日の解散日から投票日まで40日間という、現行憲法下で最長の期間になったこともあり、政権公約をめぐる論戦はすでに活発になっている。12日間の選挙戦で、国の将来像などを競う骨太の政策論争を期待したい。
前回の05年の衆院選は、小泉純一郎首相が郵政民営化の是非の一点に争点を絞り込み、他の政策課題は脇に追いやられた。今回は自民、民主両党の政権公約を中心に、子育て支援、農業政策、消費税など多岐にわたるテーマで論戦が行われている。衆院選の判断材料として政権公約はようやく定着してきた。
政権交代が現実味を帯び、野党・民主党の政権公約は、かつてないほど注目されている。与党からの批判や各種団体の意見などを踏まえ、民主党は国と地方の協議の場の法制化などを追加したり、日米自由貿易協定(FTA)の記述を変更したりする政権公約の修正版を発表した。
政権公約の修正自体は必ずしも悪いことではない。しかし今回の修正は、一部幹部だけでまとめた政権公約の中身が生煮えで、農業団体などからの批判を受けて慌てふためいたという印象が否めない。党内で十分に検討したうえで、もっと早い時期に原案を示すなど政権公約の作成手順を改善しなければならない。
公示に先立ち、日本記者クラブは各党党首の討論会を開催した。
麻生太郎首相(自民党総裁)は「責任力」を重ねてアピールした。17日に発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値が年率換算で3.7%増となった成果を挙げ、引き続き景気回復に取り組む考えを示した。同時に「戦略なきば(、)ら(、)ま(、)き(、)では経済は成長しない」と述べ、民主党への対抗心をむき出しにした。
一方、民主党の鳩山由紀夫代表は官僚任せの政治に終止符を打つとして、自民党の長期政権からのチェンジ(政権交代)を呼びかけた。
民主党の優勢が伝えられていることから、鳩山氏への質問が目立つ展開となった。麻生氏と公明党の太田昭宏代表は、民主党が政権公約に盛り込んだ子ども手当などの財源や、今年度補正予算を組み替える場合に削減する項目を示すよう求めた。
鳩山氏は今回の討論でも具体的な削減内容を明らかにしなかったが、政権をとれば直ちに直面する補正予算の組み替え方針などは具体策を示して審判を仰ぐのが筋である。
鳩山氏は自らの秘書が政治資金収支報告書の虚偽記載をした事実を認め、これがアキレスけんになっている。太田氏は、秘書が虚偽記載した場合に国会議員の公民権を停止する法改正への賛否をただしたが、鳩山氏は「民主党としても前向きに対処すべきと考えている」と答えた。
連立の基本方針も示せ
平行線の議論が多かったが、首相と鳩山氏が選挙結果にかかわらず、年金などの社会保障改革は超党派で検討すべきだとの認識で一致したことは評価したい。少子高齢化が進むなかで、年金、医療などの抜本改革をどのように進めていくのか。政権公約では十分に説明されていない社会保障改革についても、議論を深めてもらいたい。
選挙結果によっては連立政権の枠組みも焦点になる。自民、公明両党の政権が続く場合は、衆院で3分の2の多数を失っている公算が大きく、これまで以上に国会運営は困難になる。首相はどのようにして政権公約を実現するつもりなのか。
民主党は先に社民、国民新両党との共通政策を発表したが、安全保障政策に言及していないなど政権運営に不安を残す内容だった。17日の討論でも、海上自衛隊によるインド洋上での給油活動からの撤退時期やソマリア沖の海賊対策への自衛隊派遣を巡り、鳩山氏と社民党の福島瑞穂党首の意見は食い違ったままだ。
参院で安定的な勢力を確保するためには、自民、民主のどちらが第1党になっても連立は不可避の情勢だ。「建設的野党」の立場を打ち出した共産党を含め、各党は選挙後の連立政権に臨む基本方針を示して、有権者の判断を仰ぐ必要がある。
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GDP、実質3.7%成長 4~6月年率、5四半期ぶりプラス
内閣府が17日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%増、年率換算では3.7%増となった。プラス成長は5四半期ぶり。アジア向けの輸出が伸びたほか、追加経済対策による公共投資も成長に寄与した。エコカー減税などの追い風を受け、個人消費も3期ぶりに増えた。ただGDPの水準はピークをつけた昨年1~3月期と比べると7.5%小さく、戦後最悪のマイナス成長から持ち直すにはなお時間がかかる。
4~6月期の成長率は1%程度とされる日本の潜在成長率を大きく上回った。ただ、生活実感に近い名目成長率は0.2%減(年率0.7%減)と、5四半期連続でマイナスに陥っている。
内閣府は過去の成長率も改定した。この結果、戦後最悪の落ち込みは2008年10~12月期の前期比3.5%減(年率13.1%減)となった。2番目が1974年1~3月期(年率13.1%減)で、3番目は前の期である09年1~3月期(同11.7%減)となった。
景気「持ち直しに向かうと期待」、林経財相 4~6月GDPで
林芳正経済財政担当相は17日、4~6月期の国内総生産(GDP)発表後の記者会見で、実質GDPが5四半期ぶりに前期比プラスに転じたことについて「累次の経済対策の効果が公共投資と個人消費を中心にあらわれてきたことを反映したものだ」との認識を示した。景気の先行きについては、雇用の悪化や世界経済の下振れなどリスク要因に留意する必要性を強調したうえで、「持ち直しに向かうと期待される」と指摘した。
日本経済は主要国で最も早く持ち直しに転じ始めた形となる。経財相はその要因として、政府・与党が昨秋以降に打ち出してきた経済対策の効果を強調。(1)公共工事の請負金額が3月から5カ月連続で前年比プラスで推移(2)エコカー減税の効果などで、乗用車の登録台数(季節調整値)が4月から4カ月連続で前月比で増加(3)エコポイントや定額給付金の効果でテレビなどの売り上げが5月後半以降好調――など、持ち直しの動きが出てきた分野を列挙した。
日経平均大幅反落、終値328円安の1万268円
17日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落。大引けは前週末比328円72銭(3.1%)安の1万268円61銭で、この日の安値で引けた。朝方発表の4~6月期国内総生産(GDP)速報値が5四半期ぶりにプラス成長になったものの、市場の事前予測は下回った。米個人消費に対する先行き懸念が強まったこともあり、目先の利益をひとまず確定する売りがじわりと加速。下値模索の展開となった。
東証1部の売買代金は概算1兆3929億円(速報ベース)。
消費増税「景気回復、肌で実感が前提」 党首討論会で首相
与野党6党首は17日、日本記者クラブ主催の党首討論会で舌戦を繰り広げた。麻生太郎首相(自民党総裁)は景気対策に引き続き全力を挙げるとともに、消費税率の引き上げは景気回復を実感できる段階になってから実行する考えを表明した。民主党の鳩山由紀夫代表は日米FTA(自由貿易協定)について「国益を守りながら交渉は十分できる」とコメなどの除外を表明。政治資金規正法の罰則強化にも前向きに対応する考えを示した。
首相は4~6月期の国内総生産(GDP)速報値が5四半期ぶりにプラスに転じたことに触れ「経済対策の成果だ」と主張した。消費税率の引き上げは「数字また実感としても双方ともに景気回復が浸透していけるような段階までどうやってするかかが今最大の問題。消費税はその段階になってから」と説明した。
4~6月期の雇用者報酬、最悪の4.7%減 夏ボーナス減響く
4~6月期の雇用者報酬は戦後最悪の落ち込みを記録した。1人当たり賃金と雇用者の数を掛け合わせて算出する国内総生産(GDP)統計ベースの雇用者報酬は、名目値で前年同期に比べて4.7%減になった。過去最悪だった04年1~3月期(4.3%減)を超え、比較可能な1956年以降で1番大きい下落率となった。
戦後最大の落ち込みとなった要因は夏のボーナスが減ったことにある。4~6月期の1人当たりの名目賃金が4.7%減となるなど、働く人の手取りが大きく減った。
失業率も6月は過去最悪の水準に迫る5.4%に悪化。雇用者数も4~6月期は前の年に比べて1.7%減った。企業の人材過剰感は依然として強く、雇用者報酬の弱さは先行きの個人消費の下振れリスクになる。
ニコ動、衆院選期間中は政治家公式動画のコメント非表示に
ニワンゴは8月17日、18日~30日の衆院選選挙期間中、「ニコニコ動画」の「政治チャンネル」で公開している政治家や政党の公式動画で、コメントの投稿や表示を自粛すると発表した。理由は明らかにしていないが、公職選挙法に対応した自主規制とみられる。
「麻生自民党チャンネル」「民主党チャンネル」「志位和夫チャンネル」「福島みずほチャンネル」など政党・政治家の公式8チャンネルのすべての動画で、18日午前0時~30日午後8時まで、コメント投稿や表示をできなくする。ユーザーによるタグ編集や、動画からの「ニコニコ広場」(ユーザー同士がリアルタイムで交流できるサービス)への遷移も止める。
公職選挙法はWebサイトを使った選挙運動を禁じていると解釈されており、各政党や候補者などは、選挙期間中はWebサイトの更新を自粛している。
自民両党、「インターネットによる選挙活動は解禁すべき」と明言
インターネットを利用した選挙活動は解禁するべき――楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏らが提出した「eビジネス振興のための政策に対する質問状」に対する回答の中で、自由民主党(自民党)、民主党いずれも選挙活動におけるインターネット利用の解禁に前向きなことが明らかになった。両党の回答は楽天がポータルサイト「Infoseek」において8月16日に公開した。
自民党は「誹謗中傷などに対する一定の規制を課した上で認め、速やかに解禁すべき」、民主党は「なるべく早い段階でインターネット選挙運動を解禁するべき」と、いずれも積極的な姿勢を示している。
ただし、内容には若干差がある。自民党は「ホームページ(ブログや掲示板等を含む)に限って、すべての選挙を対象に、第三者による利用も含め解禁すべきであり、メール(メルマガやブログ等の更新お知らせメールを含む)については解禁しない」とし、現行公選法の文書図画、郵便や電話に対する規制とも整合性がとれる新たな規制が必要だとした。
これに対し、民主党は「政党や候補者に加え、第三者もホームページ・ブログ・メールなどインターネットのあらゆる形態を使って選挙運動ができるようにするべき」と全面解禁を訴えている。
丸善 大阪市内から9月に撤退 なんばOCAT店を閉店
書店大手の丸善が大阪市内で唯一営業している大阪シティエアターミナル(OCAT、大阪市浪速区)内の「丸善なんばOCAT店」を9月末で閉店することが分かった。同店はOCAT開業に伴い、平成8年3月から出店していた核テナントだったが、赤字が続いていた。丸善は創業の東京・日本橋に次いで、国内2店目を構えたゆかりの地・大阪市から姿を消すことになる。
丸善側は今年3月末、OCATを運営する湊町開発センター(同浪速区)に退店の方針を伝えた。閉店後のテナントは未定。
丸善によると、出店当初から来客数が伸びず赤字が続いており、数年前から撤退の意向を同センターに伝えていたが、テナント料の引き下げなどもあって出店を継続してきたという。
この間、文具売り場の面積を縮小するなど、コスト削減を進めてきたが、採算改善のメドがたたず、閉店を決めた。「当初は関西空港の玄関口として周辺の開発も進むと聞いていたが、客足は増えず、これ以上の経費削減も困難となった」(同社)という。
丸善は明治2年に創業の老舗書店で、美術書など専門書のほか、高級文具などを扱う。
Jポップ、米で売り込め 複合商業施設がオープン
【サンフランシスコ=共同】日本のポップカルチャー関連の商品を専門に扱う複合商業施設「ニューピープル」が15日、米サンフランシスコの日系人街「ジャパンタウン」にオープンした。関係者は「米国初のJポップ複合商業施設ではないか」としている。
ガラス張りのモダンなデザインの地上3階建てビルでは、本やおもちゃ、インテリアなどの商品を販売。2階には「かわいいファッション」で知られる原宿の「6%DOKIDOKI」などが出店、地下に映画館、3階に画廊もある。
この施設は、サンフランシスコを拠点に英訳版の少年ジャンプなど日本の漫画やアニメを米国で広めてきた堀淵清治・ビズピクチャーズ社長が中心となって実現。オープン記念イベントにはコスプレ姿の若い米国人ら千人以上が集まった。
価格.com、クチコミ掲示板の書き込みが1000万件突破
カカクコムは、同社が運営する価格比較サイト「価格.com」において、「クチコミ掲示板」の累計書き込み件数が8月15日に1000万件を突破したと発表した。同社は2000年3月にクチコミ掲示板を設置。2009年7月末時点で月間利用者数は約900万人に上るという。
これを記念して、ユーザーの評判が特に良かった製品をプレゼントするキャンペーンを実施する。デジタル一眼レフカメラやパソコンなど6ジャンルから選んだ製品を抽選でプレゼントする。応募締め切りは8月31日。
本国提携で日本のMS・ヤフーがメディアビッグバンの核になる!?(COLUMN)
2009年7月29日、米マイクロソフト(MS)と米ヤフーが、インターネット検索と広告事業での提携で合意をしたと発表した。今後、ヤフーは自前の検索エンジンを捨て、MSの検索エンジン「Bing」を採用する。
その結果、8%程度にすぎないBingの米国でのシェアに、ヤフーの持つ20%程度のシェアが一気に加わり、65%のシェアを持つ米グーグルに挑むことになる。
気になるのは、日本への影響だが、じつは日本では、すでにMSとヤフーの連携は深い。
ヤフーの創業者ジェリー・ヤンがMSのことを毛嫌いしていたために、米国での両社の提携は進まなかったといわれているが、日本では、ヤフーの検索連動型広告をMSに提供しているし、動画配信でも連携し、すでにがっちりとタッグを組んでいる。
米国と異なり、日本ヤフーのシェアは75%と高い。一方のMSは、OSをほぼ独占している。そのことを思えば、両社が組むことは、米国での場合よりインパクトがある。いわばネットへの入り口を押さえるようなものだからだ。
「これまでは、子ども(日本法人)同士は仲がよかったのに、親(米国法人)同士が喧嘩していた」(ヤフー関係者)状態にあった。そのため、今後、米国での提携が進めば、日本での連携にいっそうの弾みがつく可能性は高い。
日本では10年をメドに情報通信法が策定される。多数ある通信と放送にかかわる法律は、策定後は一本化され、業態を超えた統合、「メディアビッグバン」が起こると見込まれている。
もしかしたら、今回の米国での提携は、日本のMS・ヤフー連合が、メディア再編の一つの核になる可能性を高めたかもしれない。
内閣府が17日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%増、年率換算では3.7%増となった。プラス成長は5四半期ぶり。アジア向けの輸出が伸びたほか、追加経済対策による公共投資も成長に寄与した。エコカー減税などの追い風を受け、個人消費も3期ぶりに増えた。ただGDPの水準はピークをつけた昨年1~3月期と比べると7.5%小さく、戦後最悪のマイナス成長から持ち直すにはなお時間がかかる。
4~6月期の成長率は1%程度とされる日本の潜在成長率を大きく上回った。ただ、生活実感に近い名目成長率は0.2%減(年率0.7%減)と、5四半期連続でマイナスに陥っている。
内閣府は過去の成長率も改定した。この結果、戦後最悪の落ち込みは2008年10~12月期の前期比3.5%減(年率13.1%減)となった。2番目が1974年1~3月期(年率13.1%減)で、3番目は前の期である09年1~3月期(同11.7%減)となった。
景気「持ち直しに向かうと期待」、林経財相 4~6月GDPで
林芳正経済財政担当相は17日、4~6月期の国内総生産(GDP)発表後の記者会見で、実質GDPが5四半期ぶりに前期比プラスに転じたことについて「累次の経済対策の効果が公共投資と個人消費を中心にあらわれてきたことを反映したものだ」との認識を示した。景気の先行きについては、雇用の悪化や世界経済の下振れなどリスク要因に留意する必要性を強調したうえで、「持ち直しに向かうと期待される」と指摘した。
日本経済は主要国で最も早く持ち直しに転じ始めた形となる。経財相はその要因として、政府・与党が昨秋以降に打ち出してきた経済対策の効果を強調。(1)公共工事の請負金額が3月から5カ月連続で前年比プラスで推移(2)エコカー減税の効果などで、乗用車の登録台数(季節調整値)が4月から4カ月連続で前月比で増加(3)エコポイントや定額給付金の効果でテレビなどの売り上げが5月後半以降好調――など、持ち直しの動きが出てきた分野を列挙した。
日経平均大幅反落、終値328円安の1万268円
17日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落。大引けは前週末比328円72銭(3.1%)安の1万268円61銭で、この日の安値で引けた。朝方発表の4~6月期国内総生産(GDP)速報値が5四半期ぶりにプラス成長になったものの、市場の事前予測は下回った。米個人消費に対する先行き懸念が強まったこともあり、目先の利益をひとまず確定する売りがじわりと加速。下値模索の展開となった。
東証1部の売買代金は概算1兆3929億円(速報ベース)。
消費増税「景気回復、肌で実感が前提」 党首討論会で首相
与野党6党首は17日、日本記者クラブ主催の党首討論会で舌戦を繰り広げた。麻生太郎首相(自民党総裁)は景気対策に引き続き全力を挙げるとともに、消費税率の引き上げは景気回復を実感できる段階になってから実行する考えを表明した。民主党の鳩山由紀夫代表は日米FTA(自由貿易協定)について「国益を守りながら交渉は十分できる」とコメなどの除外を表明。政治資金規正法の罰則強化にも前向きに対応する考えを示した。
首相は4~6月期の国内総生産(GDP)速報値が5四半期ぶりにプラスに転じたことに触れ「経済対策の成果だ」と主張した。消費税率の引き上げは「数字また実感としても双方ともに景気回復が浸透していけるような段階までどうやってするかかが今最大の問題。消費税はその段階になってから」と説明した。
4~6月期の雇用者報酬、最悪の4.7%減 夏ボーナス減響く
4~6月期の雇用者報酬は戦後最悪の落ち込みを記録した。1人当たり賃金と雇用者の数を掛け合わせて算出する国内総生産(GDP)統計ベースの雇用者報酬は、名目値で前年同期に比べて4.7%減になった。過去最悪だった04年1~3月期(4.3%減)を超え、比較可能な1956年以降で1番大きい下落率となった。
戦後最大の落ち込みとなった要因は夏のボーナスが減ったことにある。4~6月期の1人当たりの名目賃金が4.7%減となるなど、働く人の手取りが大きく減った。
失業率も6月は過去最悪の水準に迫る5.4%に悪化。雇用者数も4~6月期は前の年に比べて1.7%減った。企業の人材過剰感は依然として強く、雇用者報酬の弱さは先行きの個人消費の下振れリスクになる。
ニコ動、衆院選期間中は政治家公式動画のコメント非表示に
ニワンゴは8月17日、18日~30日の衆院選選挙期間中、「ニコニコ動画」の「政治チャンネル」で公開している政治家や政党の公式動画で、コメントの投稿や表示を自粛すると発表した。理由は明らかにしていないが、公職選挙法に対応した自主規制とみられる。
「麻生自民党チャンネル」「民主党チャンネル」「志位和夫チャンネル」「福島みずほチャンネル」など政党・政治家の公式8チャンネルのすべての動画で、18日午前0時~30日午後8時まで、コメント投稿や表示をできなくする。ユーザーによるタグ編集や、動画からの「ニコニコ広場」(ユーザー同士がリアルタイムで交流できるサービス)への遷移も止める。
公職選挙法はWebサイトを使った選挙運動を禁じていると解釈されており、各政党や候補者などは、選挙期間中はWebサイトの更新を自粛している。
自民両党、「インターネットによる選挙活動は解禁すべき」と明言
インターネットを利用した選挙活動は解禁するべき――楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏らが提出した「eビジネス振興のための政策に対する質問状」に対する回答の中で、自由民主党(自民党)、民主党いずれも選挙活動におけるインターネット利用の解禁に前向きなことが明らかになった。両党の回答は楽天がポータルサイト「Infoseek」において8月16日に公開した。
自民党は「誹謗中傷などに対する一定の規制を課した上で認め、速やかに解禁すべき」、民主党は「なるべく早い段階でインターネット選挙運動を解禁するべき」と、いずれも積極的な姿勢を示している。
ただし、内容には若干差がある。自民党は「ホームページ(ブログや掲示板等を含む)に限って、すべての選挙を対象に、第三者による利用も含め解禁すべきであり、メール(メルマガやブログ等の更新お知らせメールを含む)については解禁しない」とし、現行公選法の文書図画、郵便や電話に対する規制とも整合性がとれる新たな規制が必要だとした。
これに対し、民主党は「政党や候補者に加え、第三者もホームページ・ブログ・メールなどインターネットのあらゆる形態を使って選挙運動ができるようにするべき」と全面解禁を訴えている。
丸善 大阪市内から9月に撤退 なんばOCAT店を閉店
書店大手の丸善が大阪市内で唯一営業している大阪シティエアターミナル(OCAT、大阪市浪速区)内の「丸善なんばOCAT店」を9月末で閉店することが分かった。同店はOCAT開業に伴い、平成8年3月から出店していた核テナントだったが、赤字が続いていた。丸善は創業の東京・日本橋に次いで、国内2店目を構えたゆかりの地・大阪市から姿を消すことになる。
丸善側は今年3月末、OCATを運営する湊町開発センター(同浪速区)に退店の方針を伝えた。閉店後のテナントは未定。
丸善によると、出店当初から来客数が伸びず赤字が続いており、数年前から撤退の意向を同センターに伝えていたが、テナント料の引き下げなどもあって出店を継続してきたという。
この間、文具売り場の面積を縮小するなど、コスト削減を進めてきたが、採算改善のメドがたたず、閉店を決めた。「当初は関西空港の玄関口として周辺の開発も進むと聞いていたが、客足は増えず、これ以上の経費削減も困難となった」(同社)という。
丸善は明治2年に創業の老舗書店で、美術書など専門書のほか、高級文具などを扱う。
Jポップ、米で売り込め 複合商業施設がオープン
【サンフランシスコ=共同】日本のポップカルチャー関連の商品を専門に扱う複合商業施設「ニューピープル」が15日、米サンフランシスコの日系人街「ジャパンタウン」にオープンした。関係者は「米国初のJポップ複合商業施設ではないか」としている。
ガラス張りのモダンなデザインの地上3階建てビルでは、本やおもちゃ、インテリアなどの商品を販売。2階には「かわいいファッション」で知られる原宿の「6%DOKIDOKI」などが出店、地下に映画館、3階に画廊もある。
この施設は、サンフランシスコを拠点に英訳版の少年ジャンプなど日本の漫画やアニメを米国で広めてきた堀淵清治・ビズピクチャーズ社長が中心となって実現。オープン記念イベントにはコスプレ姿の若い米国人ら千人以上が集まった。
価格.com、クチコミ掲示板の書き込みが1000万件突破
カカクコムは、同社が運営する価格比較サイト「価格.com」において、「クチコミ掲示板」の累計書き込み件数が8月15日に1000万件を突破したと発表した。同社は2000年3月にクチコミ掲示板を設置。2009年7月末時点で月間利用者数は約900万人に上るという。
これを記念して、ユーザーの評判が特に良かった製品をプレゼントするキャンペーンを実施する。デジタル一眼レフカメラやパソコンなど6ジャンルから選んだ製品を抽選でプレゼントする。応募締め切りは8月31日。
本国提携で日本のMS・ヤフーがメディアビッグバンの核になる!?(COLUMN)
2009年7月29日、米マイクロソフト(MS)と米ヤフーが、インターネット検索と広告事業での提携で合意をしたと発表した。今後、ヤフーは自前の検索エンジンを捨て、MSの検索エンジン「Bing」を採用する。
その結果、8%程度にすぎないBingの米国でのシェアに、ヤフーの持つ20%程度のシェアが一気に加わり、65%のシェアを持つ米グーグルに挑むことになる。
気になるのは、日本への影響だが、じつは日本では、すでにMSとヤフーの連携は深い。
ヤフーの創業者ジェリー・ヤンがMSのことを毛嫌いしていたために、米国での両社の提携は進まなかったといわれているが、日本では、ヤフーの検索連動型広告をMSに提供しているし、動画配信でも連携し、すでにがっちりとタッグを組んでいる。
米国と異なり、日本ヤフーのシェアは75%と高い。一方のMSは、OSをほぼ独占している。そのことを思えば、両社が組むことは、米国での場合よりインパクトがある。いわばネットへの入り口を押さえるようなものだからだ。
「これまでは、子ども(日本法人)同士は仲がよかったのに、親(米国法人)同士が喧嘩していた」(ヤフー関係者)状態にあった。そのため、今後、米国での提携が進めば、日本での連携にいっそうの弾みがつく可能性は高い。
日本では10年をメドに情報通信法が策定される。多数ある通信と放送にかかわる法律は、策定後は一本化され、業態を超えた統合、「メディアビッグバン」が起こると見込まれている。
もしかしたら、今回の米国での提携は、日本のMS・ヤフー連合が、メディア再編の一つの核になる可能性を高めたかもしれない。
大手メディアが決して報じない、「メディア改革」という重要政策の中身(COLUMN)
・政府の記者会見をすべてのメディアに開放し、既存のマスメディアの記者クラブ権益を剥奪する。
・クロスメディア(新聞社とテレビ局の系列化)のあり方を見直す。
・日本版FCC(米連邦通信委員会のように行政から独立した通信・放送委員会)を設立し、放送免許の付与権限を総務省から切り離す。
・NHKの放送波の削減を検討する・・・等々
これらの政策はいずれもマニフェストには載っていないが、民主党の正式な政策だ。記者会見の開放はマニフェスト発表の記者会見で鳩山由紀夫代表自身がはっきりと明言しているし、その他はすべて『民主党政策集INDEX2009』に明記されている。
お読みいただければわかるように、民主党政権では、マスメディア自身が主たる既得権益者として改革の対象となっている。そして、不思議なことにその事実はまだほとんどの人に知られていない。
メディア改革は民主党の主要政策の一部
知られていない理由は、大手マスメディアが民主党のメディア政策をまったくと言っていいほど取り上げようとしないからだ。これらの政策が自分たちに都合が悪いからなのか、それともこうした政策をそれほど重要とは考えていないからなのか、その真意は定かではない。
メディア政策は多くの有権者に影響が及ぶし、おそらく関心も高い、けっこう重要な政策だと筆者は思うのだが、どこのマスメディアもそれを良いとも悪いとも言わない。実に不思議なことだ。
7月27日のマニフェスト発表の会見でのことだ。民主党がこれまで維持してきた「記者会見を記者クラブ以外のメディアに開放する」方針がマニフェストに入っていない理由を問うた筆者に対して、鳩山由紀夫代表は「マニフェストに入れるまでもないと考えた」とした上で、「民主党政権では記者会見はオープンにする」と、政権を取ってからも記者会見を開放する方針を貫く意思を明確に公言している。
ところが、翌日の新聞やテレビで、この下りを報じたところは、筆者の知る限り、1つとしてなかった。各メディアとも、マニフェストの内容や記者会見のやりとりは相当のスペースや時間を割いて詳しく報じているにもかかわらず、である。全国紙やテレビといった大手マスメディアの報道のみを情報源とする方にとって、そのようなやりとりはこの世に存在しなかったことになっているに違いない。これは民主党が、現在の日本の最大のタブーに手を突っ込もうとしていることを意味するのだろうか。
なぜ記者会見の開放が重要なのか
民主主義とフリープレス(報道の自由)を標榜する国で、記者会見への出席が特定の報道機関にしか認められていないことなど、そもそもあり得ないことだ。したがって、いまさら議論をするのも小っ恥ずかしいのだが、政府の記者会見がオープンになることの意味は大きい。記者会見が大手メディアの既得権益、つまり利権の温床ではなくなり、そうなることで、主要メディアと政治家や政党、主要官僚との間の談合が通用しなくなるからだ。
過去半世紀にわたり、日本には新しい大手マスメディア(全国紙や全国ネットの放送局)が登場していない。そんな業界は他にないはずだ。そんな国も他にはないはずだ。そしてその最たる理由は、記者クラブ制度をはじめとするさまざまなメディア権益が、一部の主要メディアに独占されているためだ。長年権益を独占してきたメディア企業は、いまやいずれも巨大なコングロマリットとして君臨している。日本のメディア市場に新規参入する事業者は、それらの権益なしで、巨大ライバルに立ち向かわなければならない。
しかし、記者会見の開放には、大手マスメディアから既得権益を剥奪する以上の重要な意味がある。それは記者会見というものが、ジャーナリズムが基本的な機能を果たす上で、必須の要素だからだ。会見がオープンになれば、記者は政治家に何を聞いてもよくなる。厳しい質問をして政治家や党職員から嫌われても、オープンである以上、記者会見から排除される心配をしなくていいからだ。そのため記者会見が真剣勝負の場となる。
夜討ち朝駆け等々、日本のメディア固有の密室談合に参加して、記事にできないインサイド情報をもらい、酒の席でそれを披瀝して悦に入るか、何でも聞けるし何でも書けるが、談合の輪には入れてもらえない記者となる道を選ぶかは、それぞれの記者の判断になる。要するに、オープンにすることでやっと記者会見が国際標準になるのだ。
メディアの構造問題と「やれるものならやってみろ」
筆者は日本のメディア業界がこうした構造的な問題を抱え、そのために国際競争力をつけることに失敗しているばかりか、ジャーナリズムの公共的な機能さえも果たせなくなっていることを、機会あるごとに指摘してきた。
特に「記者クラブ」、「クロスオーナーシップ」(新聞とテレビの業際保有の英語表現。民主党は「クロスメディア」と表現しているが意味は同じ)、「再販売価格維持制度」(メーカーの定めた定価での販売を小売業者に義務付ける制度。日本では独占禁止法で原則禁止されているが、例外として新聞や書籍などに認められている)のメディア特権3点セットが、産業としての、そしてジャーナリズム機関としてのメディア業界をダメにしているとして、メディアの構造改革の必要性を訴えてきた。
最近筆者はこれに、政府が放送免許を直接付与する制度を改めるための「日本版FCC=独立行政委員会」問題を加え、メディア構造問題4点セットとして、問題提起を行っている。
政府が放送免許を直接付与している現在の制度は、どう考えてもおかしい。報道機関を兼ねる放送局にとって、政府は監視対象のはずだ。その政府から免許を頂いていては、ジャーナリズムの機能など最初から果たせるはずがない。
新聞社が再販売価格維持制度を通じて政府の保護を受けていることも、新聞社の経営は大いに助けているが、その分日本のジャーナリズムを政治に対して脆弱にしている。先進国でいまだに新聞社を再販制度によって保護している国は、日本くらいのものである。
筆者は民主党のメディア改革に関する政策提言は、もう何年、いや何十年も前に行われていなければならなかった、当たり前過ぎるくらい当たり前のものにすぎないと考えている。むしろ、個人的にはまだまだ甘いと思っているくらいだ。
しかし今のところ、改革対象となっている当の大手マスメディアは、民主党のメディア関連政策をほとんど黙殺し、良いとも悪いとも言っていない。ちょっと不気味である。「触らぬ神に祟りなし」なのか、決戦の狼煙があがるまでは力を温存しているのか。いやむしろ、「できるものならやってみろ」と、高を括っている可能性が濃厚だ。何せメディア利権というものは、過去半世紀にわたり、一度も脅かされたことのない、日本の最後にして最大の権益と言っても過言ではないほど、巨大な利権なのだ。
その意味で民主党は、大変リスキーな政策を打ち出していると見ることもできる。なぜならば、この政策によって民主党政権は、強大な大手マスメディア全体を敵に回す可能性が大いにあるからだ。
メディアを敵に回すことのリスクをどう考えるか
民主党が政権を獲得した際、マニフェストや政策集で公約した政策を実現していくためには、その過程で生じるさまざまな対立や摩擦を乗り越えていかなければならない。
特にいろいろなところから財源を見つけてこなければならない最初の4年間は、おそらく既得権益剥がしの4年になるはずだ。それがどれほどの抵抗に遭うかは、想像に難くない。いや、きっと想像を絶するものになるだろう。小泉政権下における道路公団や郵政民営化騒ぎの際にも、また最近では内閣人事・行政管理局の局長人事でも、われわれは抵抗勢力の凄(すさ)まじさと強(したた)かさを目の当たりにしてきた。
民主党の既得権益剥がしが本当に実現できるかどうかも、やはり小泉政権が1つのモデルを提示している。中身の評価はともかく、どんなに「抵抗勢力」の抵抗が激しかろうとも、世論の後押しを受けた政権が本気になれば、何だって為せば成るということを、小泉政権は身をもって証明したのではないだろうか。つまり、われわれ市民が民主党のチャレンジする政策をどこまでサポートするかに、その成否はかかっていることになる。
しかし、である。その際に、マスメディア報道が市民に与える影響はかなり大きいのではないか。われわれの多くは、依然として、政治、経済、社会など世の中のあらゆるできごとに関する情報を、大手マスメディアから得ているはずだ。そうしたメディアの報じ方次第で、改革に抵抗する勢力が、既得権益に胡座をかいた腹黒い拝金主義者集団に見えることもあれば、逆に、誤った改革を阻止するために身を挺して戦う正義の味方に見えることもあるだろう。
たとえば、明らかにムダの温床となっている特殊法人を、民主党政権が公約に則って廃止しようとしたとする。主要メディアが、その特殊法人が天下りの温床として、いかにこれまでムダを垂れ流してきたかを、実態を含めて詳しく報じれば、たとえ特殊法人側が激しく抵抗しようとも、多くの人は民主党の政策を最後まで支持するに違いない。
しかし、逆に主要メディアが、その特殊法人が多少は意味のある活動もやっていた(どんなに無駄な事業でも、それがまったくなくなれば困る人は多少はいるものだ)という事実や、その特殊法人が解散させられることで、倒産の憂き目に遭う取引業者(何の罪もない下請けの清掃業者など)に焦点を当てたリポートなどを次々と流せば、次第に民主党への市民のサポートが細ってしまう可能性はないだろうか。
ウェブを含めた多様なメディアから情報を入手できる時代になり、われわれの多くは大手マスメディアのデタラメな報道についてかなり見抜けるようになってきてはいる。しかし、もし主要メディア、つまり日本中の新聞社とテレビ局と通信社(主に地方紙に全国の記事を配信している共同通信社と時事通信社)が、こぞって民主党の改革に対してネガティブ・キャンペーンを張り始めたとしたら、はたしてわれわれはそれを見抜き、民主党の政策を支持し続けることができるだろうか。
民主党が日本をよりオープンでフェアな社会に変えていく一環として、マスメディアを改革の対象としていることは、十分評価に値する。今日、日本が多くの問題をなかなか解決できない理由の少なくとも一端には、日本で真に公正で公共的なジャーナリズムが機能していないという事実があると筆者は考えている。おそらくその点には、多くの人が同意されるだろう。
しかし、民主党政権が現実となった際の政策の成否が、主要メディアの報道に影響される面が少なからずあることもまた、否定できない事実だ。
その意味で、民主党政権が、前門に改革に抵抗する既得権益勢力を抱えながら、後門にも大手マスメディアというもう1つの敵(既得権益勢力)を抱えなければならなくなる可能性があることを、心配せずにいられない。歴史を見ても、2正面作戦が失敗に終わることは少なくない。
何にしてもまず、民主党政権では大手マスメディア自身が、主たる既得権益者として改革の対象となっているという重大な事実が、広く認識されることが必要だ。そうすれば、そのメディアが伝える報道内容に注意が必要になるという認識は、すぐに広まっていくはずだ。少なくとも現時点では、そうはなっていないように思う。
特に民主党のメディア政策に関する報道を見るときは、それを報じている当人が改革の対象となっていることを、片時も忘れないでおいて欲しい。
・政府の記者会見をすべてのメディアに開放し、既存のマスメディアの記者クラブ権益を剥奪する。
・クロスメディア(新聞社とテレビ局の系列化)のあり方を見直す。
・日本版FCC(米連邦通信委員会のように行政から独立した通信・放送委員会)を設立し、放送免許の付与権限を総務省から切り離す。
・NHKの放送波の削減を検討する・・・等々
これらの政策はいずれもマニフェストには載っていないが、民主党の正式な政策だ。記者会見の開放はマニフェスト発表の記者会見で鳩山由紀夫代表自身がはっきりと明言しているし、その他はすべて『民主党政策集INDEX2009』に明記されている。
お読みいただければわかるように、民主党政権では、マスメディア自身が主たる既得権益者として改革の対象となっている。そして、不思議なことにその事実はまだほとんどの人に知られていない。
メディア改革は民主党の主要政策の一部
知られていない理由は、大手マスメディアが民主党のメディア政策をまったくと言っていいほど取り上げようとしないからだ。これらの政策が自分たちに都合が悪いからなのか、それともこうした政策をそれほど重要とは考えていないからなのか、その真意は定かではない。
メディア政策は多くの有権者に影響が及ぶし、おそらく関心も高い、けっこう重要な政策だと筆者は思うのだが、どこのマスメディアもそれを良いとも悪いとも言わない。実に不思議なことだ。
7月27日のマニフェスト発表の会見でのことだ。民主党がこれまで維持してきた「記者会見を記者クラブ以外のメディアに開放する」方針がマニフェストに入っていない理由を問うた筆者に対して、鳩山由紀夫代表は「マニフェストに入れるまでもないと考えた」とした上で、「民主党政権では記者会見はオープンにする」と、政権を取ってからも記者会見を開放する方針を貫く意思を明確に公言している。
ところが、翌日の新聞やテレビで、この下りを報じたところは、筆者の知る限り、1つとしてなかった。各メディアとも、マニフェストの内容や記者会見のやりとりは相当のスペースや時間を割いて詳しく報じているにもかかわらず、である。全国紙やテレビといった大手マスメディアの報道のみを情報源とする方にとって、そのようなやりとりはこの世に存在しなかったことになっているに違いない。これは民主党が、現在の日本の最大のタブーに手を突っ込もうとしていることを意味するのだろうか。
なぜ記者会見の開放が重要なのか
民主主義とフリープレス(報道の自由)を標榜する国で、記者会見への出席が特定の報道機関にしか認められていないことなど、そもそもあり得ないことだ。したがって、いまさら議論をするのも小っ恥ずかしいのだが、政府の記者会見がオープンになることの意味は大きい。記者会見が大手メディアの既得権益、つまり利権の温床ではなくなり、そうなることで、主要メディアと政治家や政党、主要官僚との間の談合が通用しなくなるからだ。
過去半世紀にわたり、日本には新しい大手マスメディア(全国紙や全国ネットの放送局)が登場していない。そんな業界は他にないはずだ。そんな国も他にはないはずだ。そしてその最たる理由は、記者クラブ制度をはじめとするさまざまなメディア権益が、一部の主要メディアに独占されているためだ。長年権益を独占してきたメディア企業は、いまやいずれも巨大なコングロマリットとして君臨している。日本のメディア市場に新規参入する事業者は、それらの権益なしで、巨大ライバルに立ち向かわなければならない。
しかし、記者会見の開放には、大手マスメディアから既得権益を剥奪する以上の重要な意味がある。それは記者会見というものが、ジャーナリズムが基本的な機能を果たす上で、必須の要素だからだ。会見がオープンになれば、記者は政治家に何を聞いてもよくなる。厳しい質問をして政治家や党職員から嫌われても、オープンである以上、記者会見から排除される心配をしなくていいからだ。そのため記者会見が真剣勝負の場となる。
夜討ち朝駆け等々、日本のメディア固有の密室談合に参加して、記事にできないインサイド情報をもらい、酒の席でそれを披瀝して悦に入るか、何でも聞けるし何でも書けるが、談合の輪には入れてもらえない記者となる道を選ぶかは、それぞれの記者の判断になる。要するに、オープンにすることでやっと記者会見が国際標準になるのだ。
メディアの構造問題と「やれるものならやってみろ」
筆者は日本のメディア業界がこうした構造的な問題を抱え、そのために国際競争力をつけることに失敗しているばかりか、ジャーナリズムの公共的な機能さえも果たせなくなっていることを、機会あるごとに指摘してきた。
特に「記者クラブ」、「クロスオーナーシップ」(新聞とテレビの業際保有の英語表現。民主党は「クロスメディア」と表現しているが意味は同じ)、「再販売価格維持制度」(メーカーの定めた定価での販売を小売業者に義務付ける制度。日本では独占禁止法で原則禁止されているが、例外として新聞や書籍などに認められている)のメディア特権3点セットが、産業としての、そしてジャーナリズム機関としてのメディア業界をダメにしているとして、メディアの構造改革の必要性を訴えてきた。
最近筆者はこれに、政府が放送免許を直接付与する制度を改めるための「日本版FCC=独立行政委員会」問題を加え、メディア構造問題4点セットとして、問題提起を行っている。
政府が放送免許を直接付与している現在の制度は、どう考えてもおかしい。報道機関を兼ねる放送局にとって、政府は監視対象のはずだ。その政府から免許を頂いていては、ジャーナリズムの機能など最初から果たせるはずがない。
新聞社が再販売価格維持制度を通じて政府の保護を受けていることも、新聞社の経営は大いに助けているが、その分日本のジャーナリズムを政治に対して脆弱にしている。先進国でいまだに新聞社を再販制度によって保護している国は、日本くらいのものである。
筆者は民主党のメディア改革に関する政策提言は、もう何年、いや何十年も前に行われていなければならなかった、当たり前過ぎるくらい当たり前のものにすぎないと考えている。むしろ、個人的にはまだまだ甘いと思っているくらいだ。
しかし今のところ、改革対象となっている当の大手マスメディアは、民主党のメディア関連政策をほとんど黙殺し、良いとも悪いとも言っていない。ちょっと不気味である。「触らぬ神に祟りなし」なのか、決戦の狼煙があがるまでは力を温存しているのか。いやむしろ、「できるものならやってみろ」と、高を括っている可能性が濃厚だ。何せメディア利権というものは、過去半世紀にわたり、一度も脅かされたことのない、日本の最後にして最大の権益と言っても過言ではないほど、巨大な利権なのだ。
その意味で民主党は、大変リスキーな政策を打ち出していると見ることもできる。なぜならば、この政策によって民主党政権は、強大な大手マスメディア全体を敵に回す可能性が大いにあるからだ。
メディアを敵に回すことのリスクをどう考えるか
民主党が政権を獲得した際、マニフェストや政策集で公約した政策を実現していくためには、その過程で生じるさまざまな対立や摩擦を乗り越えていかなければならない。
特にいろいろなところから財源を見つけてこなければならない最初の4年間は、おそらく既得権益剥がしの4年になるはずだ。それがどれほどの抵抗に遭うかは、想像に難くない。いや、きっと想像を絶するものになるだろう。小泉政権下における道路公団や郵政民営化騒ぎの際にも、また最近では内閣人事・行政管理局の局長人事でも、われわれは抵抗勢力の凄(すさ)まじさと強(したた)かさを目の当たりにしてきた。
民主党の既得権益剥がしが本当に実現できるかどうかも、やはり小泉政権が1つのモデルを提示している。中身の評価はともかく、どんなに「抵抗勢力」の抵抗が激しかろうとも、世論の後押しを受けた政権が本気になれば、何だって為せば成るということを、小泉政権は身をもって証明したのではないだろうか。つまり、われわれ市民が民主党のチャレンジする政策をどこまでサポートするかに、その成否はかかっていることになる。
しかし、である。その際に、マスメディア報道が市民に与える影響はかなり大きいのではないか。われわれの多くは、依然として、政治、経済、社会など世の中のあらゆるできごとに関する情報を、大手マスメディアから得ているはずだ。そうしたメディアの報じ方次第で、改革に抵抗する勢力が、既得権益に胡座をかいた腹黒い拝金主義者集団に見えることもあれば、逆に、誤った改革を阻止するために身を挺して戦う正義の味方に見えることもあるだろう。
たとえば、明らかにムダの温床となっている特殊法人を、民主党政権が公約に則って廃止しようとしたとする。主要メディアが、その特殊法人が天下りの温床として、いかにこれまでムダを垂れ流してきたかを、実態を含めて詳しく報じれば、たとえ特殊法人側が激しく抵抗しようとも、多くの人は民主党の政策を最後まで支持するに違いない。
しかし、逆に主要メディアが、その特殊法人が多少は意味のある活動もやっていた(どんなに無駄な事業でも、それがまったくなくなれば困る人は多少はいるものだ)という事実や、その特殊法人が解散させられることで、倒産の憂き目に遭う取引業者(何の罪もない下請けの清掃業者など)に焦点を当てたリポートなどを次々と流せば、次第に民主党への市民のサポートが細ってしまう可能性はないだろうか。
ウェブを含めた多様なメディアから情報を入手できる時代になり、われわれの多くは大手マスメディアのデタラメな報道についてかなり見抜けるようになってきてはいる。しかし、もし主要メディア、つまり日本中の新聞社とテレビ局と通信社(主に地方紙に全国の記事を配信している共同通信社と時事通信社)が、こぞって民主党の改革に対してネガティブ・キャンペーンを張り始めたとしたら、はたしてわれわれはそれを見抜き、民主党の政策を支持し続けることができるだろうか。
民主党が日本をよりオープンでフェアな社会に変えていく一環として、マスメディアを改革の対象としていることは、十分評価に値する。今日、日本が多くの問題をなかなか解決できない理由の少なくとも一端には、日本で真に公正で公共的なジャーナリズムが機能していないという事実があると筆者は考えている。おそらくその点には、多くの人が同意されるだろう。
しかし、民主党政権が現実となった際の政策の成否が、主要メディアの報道に影響される面が少なからずあることもまた、否定できない事実だ。
その意味で、民主党政権が、前門に改革に抵抗する既得権益勢力を抱えながら、後門にも大手マスメディアというもう1つの敵(既得権益勢力)を抱えなければならなくなる可能性があることを、心配せずにいられない。歴史を見ても、2正面作戦が失敗に終わることは少なくない。
何にしてもまず、民主党政権では大手マスメディア自身が、主たる既得権益者として改革の対象となっているという重大な事実が、広く認識されることが必要だ。そうすれば、そのメディアが伝える報道内容に注意が必要になるという認識は、すぐに広まっていくはずだ。少なくとも現時点では、そうはなっていないように思う。
特に民主党のメディア政策に関する報道を見るときは、それを報じている当人が改革の対象となっていることを、片時も忘れないでおいて欲しい。
東芝ブルーレイ参入 歓迎と苦言(COLUMN)
東芝は10日、ブルーレイ・ディスク(BD)規格の運営団体ブルーレイ・ディスク・アソシエーション(BDA)に加盟を申請したと発表した。6月24日の株主総会で西田厚聡社長(現会長)が参入を検討していると匂わせて以来、動向が注目されていたが、ついに正式発表となった。東芝のBD参入は、東芝にとってもBD業界にとっても、日本の記録メディア業界にとっても重要な意義を持つ出来事ではないかと私は思う。
まずはBDプレーヤーとBDドライブ内蔵パソコンから始める予定という話だ。プレーヤーは自社開発では間に合わないので、OEM調達だと思われる。プレーヤーをやるなら、まずはアメリカ市場からであろう。レコーダーなら日本だが。
確かにパソコンの人達はいまさらDVDドライブしか積めないのなんて、まったく商売にならないとぼやいていたから援軍になろう。しかし、OEMのBDプレーヤーぐらいでは、“真面目に参入”とは言えない。東芝なら、得意の「RD」レコーダーをBDで、自社開発できちんと出さない限り、ユーザーは歓迎しないであろう。
私の基本的なスタンスは「東芝はぜひBDへ参加すべきである」で一貫していた。それは東芝が「HD-DVD」規格を進め、BD陣営と覇権を争っていた当時からの主張である。
「東芝はHD-DVDへの思いがあるだろう。HD-DVDは捨てなくていいから、今後主流になるであろうBDを真剣に検討し、参入を薦めたい」ということである。
■HD-DVD「終息宣言」に至る経緯
当時の状況を簡単に振り返ってみよう。東芝はまず06年3月にHD-DVDプレーヤー、同年秋にレコーダーを発売した。一方のBDは同年秋にプレーヤーが米で発売され、日本でも同時期にレコーダーが出て市場が急速に立ち上がった。
そして運命の08年1月4日、米映画大手ワーナー・ブラザーズがHD-DVDとBD向けソフトの併売を中止し、BDに一本化すると発表した。HD-DVD陣営が大騒ぎになったのは言うまでもない。米ラスベガスの「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」で予定されていた全ての公式行事は取りやめになった。
その後、東芝は低価格プレーヤーの投入で巻き返しを図るも失敗。08年2月19日に西田社長が会見して、「終息」宣言を出した。
HD-DVD終息宣言の発表会見で、「BDに参入する予定は?」と質問された西田社長は「東芝はBDには参入しない」と断言し、「DVDをさらに追求するだけ」と続けた。つまり、BDのステップを飛び越え、その次の次世代記録メディアとなるSDメディアとネットワークで展開を図る意欲をにじませたのである。
このときのニュアンスは、今年1月に米ラスベガスで開催されたCESの日本人記者向け会見で、東芝アメリカ家電社の内山善晃上級副社長が語ったことにも引き継がれている。
記者からの「BDをやらなくていいのか」という質問に対し、内山氏は「BDをやっていたら今ごろは採算が合わなくて大変でしたでしょう。BDの方たちは大変なのではないでしょうか。東芝はBDに参入しなくて本当によかった」と述べた。この発言を聞く限り、東芝は未来永劫BDをやらないだろうと観測された。個人的にはとても残念だと思った。が、急転直下のこの状況である。
■BD拒絶から一転参入の理由
なぜ東芝がBD参入を決断したのか? 理由の1つにはBD市場の急激な伸びがある。
薄型テレビの市場が世界的に伸びるにつれ、BDへのニーズが高まった。米国はプレーヤー文化、日本はレコーダー文化と違いはあるが、市場が拡大していることに変わりはない。日本では金額ベースでレコーダー市場の8割をBDが占めるまでになった。
しかし、東芝のラインアップにはDVDのプレーヤーとレコーダーしかない。つまり、市場の2割しか対象にできないのだ。このようなことが果たして、経営の観点から許されるだろうか。
2番目に「リンクの先がない」ことが挙げられる。リンク先とは、薄型テレビと接続する機器のことである。パナソニックはBDと薄型テレビ「ビエラ」を「ビエラリンク」で結び、同時購買を促すマーケティングを追求している。同じようにシャープは「ファミリンク」で「アクオス」を、ソニーは「ブラビアリンク」で「ブラビア」を自社のBDレコーダーと結ぶことを訴求している。
つまり、薄型テレビとBDを結ぶことで、販売が相互に促進されているのだ。東芝は薄型テレビ「レグザ」そのものの販売は好調でも、伴って売れるものがDVDしかない。BDがラインアップにないと、レグザの足も引っ張ることになるのだ。
プレーヤー市場、レコーダー市場はこれからも伸びることが予測される。日本はもともとレコーダー文化だったが、今年あたりからプレーヤーも買われるようになってきた。BDがプレーヤー文化を築き、ゆくゆくはホームシアターという形になって普及していくだろう。
最後に、東芝の企業イメージ戦略上も、BDはあったほうがいい。東芝はいまや、原子力発電所などに代表される社会インフラ事業がメーンストリームだ。しかし、東芝のイメージを形作っている要素は明らかに民生用の機器だ。レグザだけに奮闘させてはいられない。
以上のように様々な理由があり、参入に至った。
■マニア垂涎の的 東芝「RD」の秘密
私自身の07年当時の感触から言うと、HD-DVD陣営の敗色は決定的に濃いわけではなかった。にもかかわらず、なぜ東芝にBD参入を呼びかけたのか。それは、東芝の持つDVDレコーダーの技術の重要性を知っていたからだ。その技術がBDに採用されることをファン自身が待ち望んでいると確信していた。
この意味をひも解くには、そもそもDVDレコーダーの話から始めなければならない。
DVDレコーダーの起源は、1999年にパイオニアが発売したDVD-RW対応の「DVR-1000」にある。2000年に入ると、松下電器産業(現パナソニック)がDVD-RAMに対応した「DMR-E10」を発売。東芝は遅れて01年に「RD-2000」を発売した。
この東芝のDVDレコーダー参入後、「RD」という型番はマニアの憧れの的になる。なぜなら、編集機能において圧倒的な利便性、機能性を持ち、他の追随を許さなかったからだ。
初期のDVDレコーダーにはそもそもハードディスク(HD)がなく、DVD記録メディアに直接書き込むタイプの製品だった。しかし、東芝はHDをレコーダーに内蔵し、さらに録画した内容をDVDメディアにダビングする仕組みを開発した。このHDとメディアドライブを1台に備えたハイブリッドシステムはそのまま、ディスクレコーダーのスタンダートとなり、現在のBDレコーダーにも受け継がれている。
ここでポイントとなるのは、他社も同じようにHDに録画してDVDにダビングするスタイルのレコーダーを発売したものの、東芝のRDとは圧倒的に操作性が違ったということだ。
パナソニック、ソニー、シャープなどの製品は、基本的にHDは一時の退避場所であり、番組単位で記録メディアにダビングするという設計思想だった。ダビングができるところは新しいが、根本的にはVHSのテープがディスクに置き換わっただけともいえる。しかし東芝は違った。編集してダビングする流れの「編集」に非常に重きを置き、素晴らしく優秀な操作性、機能性を生み出したのだ。
■ダビング10時代に真価を発揮するRD
ここで思うのは、時代の変化だ。08年7月以前であれば、RDのような編集自在のBDレコーダーが発売されても、その真価がすべて発揮されることはなかっただろう。
というのも「コピーワンス」の制限の下では、プレイリストを作って1度ダビングすれば「1回」とカウントされ、HDからムーブされてしまうからだ。これでは編集をしようにもあまりに怖くてできなかった。
しかし、今は1つのコンテンツについて10回までダビング可能な「ダビング10」が導入されている。「最近3カ月のPerfume」「お気に入りベストソングPerfume」といったように、同じコンテンツをベースに2つ以上のコレクションを作ることもできる。ダビング10時代だからこそ、RDが生きるのだ。
東芝はHD-DVDではサバイバルに失敗した。しかし、もう1つの宝であるRDをBDの波に乗せることができれば、知財戦略上の意味も大きいだろう。何より喜ばしいのは、編集を待ち望んでいたマニア層にその機会が訪れることである。
■前言撤回にはきちんと落とし前をつけて
以上のとおり、私も東芝のBD参入を素直に歓迎したいのだが、手放しで「歓迎」といえるほど事態は甘くない。それは、BD参入に至る経過が明確でないこと、それ以上にHD-DVDを推進していた当時、きわめて強烈にBDを批判したことの落とし前がついていないからである。そんなにものすごく性能が劣るBDになぜ参入するのか。整合性がとれない。
ここで06年3月31日のHD-DVDプレーヤー発表会で藤井氏が述べた「BDは戦艦大和だ」という説を少し振り返ってみよう。
このとき藤井氏は、BDのメリットとされていたことに対し徹底的に攻撃を加えた。BDの「宣伝」に過ぎないと藤井氏が認識していたことは以下の5つ。
(1)BDはカバー層が0.1ミリで多層化しやすい
(2)表面硬化処理を導入している
(3)1080pのハイビジョン画質が出力できる
(4)インタラクティブ機能など、PCとの親和性はBDの方が優れている
(5)「BD+」という強力な著作権規制がある
(1)について藤井氏は、0.6ミリのカバー層を採用するHD-DVDの優位性を強調しつつ、「BDの0.1ミリの薄膜は多層化など加工が難しい。にもかかわらず、BDディスク1枚で50GBといった大容量を掲げるのはどうか。少なくとも発売時期を明確にすべきだ」と語った。 (2)の表面硬化処理については、「HD-DVDはカバー層が0.6ミリのため、元々必要ない」と述べ、「新技術というより笑止千万」と切り捨てた。また、(3)については「プレーヤーではなくテレビ側の問題である」と語り、「無意味だ」とまで言った。(4)のPCとの親和性は、HD-DVDの機能の方がはるかに上だとし、(5)にいたっては「理解不能」「こんなことを要求するコンテンツ会社はないだろう」と論じたうえで、「HD-DVDが劣るところは1つもない」と言い切った。
そして、この会見の最後に有名な土下座発言が出てくる。
「BDがすごく良いという可能性もゼロではない。そのときは土下座して謝るが、それはないだろう」
この会見のときは、「HD-DVDとBDの趨勢は06年年末には決まる」と言っていた藤井氏だったが、実際は08年まで決まらず、予想とは逆にHD-DVD撤退、BD一本化という結末に終わった。「それ」はあったのだ。
規格戦争の中では様々なことが起こる。だが、負けた側は勝利した方に乗り、上手に生き抜くのが賢い。かつて見事にやり遂げたのがソニーだ。「VHS対ベータ」戦争で負けたソニーは、OEM調達から始め、ついには立派なVHS商品を世に出し、最後を飾った。
そういう意味で、東芝も遅ればせながら参入を決めたのは望ましいことと思う。ディスクメディアに対しては社内の空気も冷たく、ディスクよりSDメディアという流れも出そうになっていたようだが、SDメディア時代の到来までは、ディスクメディアで製品開発を追求しないといけないと悟ったのだろう。
まず年内にプレーヤーとパソコンを発売するということだが、できるだけ早く、東芝の本領を発揮できるBDのRDレコーダーを出してほしい。私は真っ先に使うぞ!
東芝は10日、ブルーレイ・ディスク(BD)規格の運営団体ブルーレイ・ディスク・アソシエーション(BDA)に加盟を申請したと発表した。6月24日の株主総会で西田厚聡社長(現会長)が参入を検討していると匂わせて以来、動向が注目されていたが、ついに正式発表となった。東芝のBD参入は、東芝にとってもBD業界にとっても、日本の記録メディア業界にとっても重要な意義を持つ出来事ではないかと私は思う。
まずはBDプレーヤーとBDドライブ内蔵パソコンから始める予定という話だ。プレーヤーは自社開発では間に合わないので、OEM調達だと思われる。プレーヤーをやるなら、まずはアメリカ市場からであろう。レコーダーなら日本だが。
確かにパソコンの人達はいまさらDVDドライブしか積めないのなんて、まったく商売にならないとぼやいていたから援軍になろう。しかし、OEMのBDプレーヤーぐらいでは、“真面目に参入”とは言えない。東芝なら、得意の「RD」レコーダーをBDで、自社開発できちんと出さない限り、ユーザーは歓迎しないであろう。
私の基本的なスタンスは「東芝はぜひBDへ参加すべきである」で一貫していた。それは東芝が「HD-DVD」規格を進め、BD陣営と覇権を争っていた当時からの主張である。
「東芝はHD-DVDへの思いがあるだろう。HD-DVDは捨てなくていいから、今後主流になるであろうBDを真剣に検討し、参入を薦めたい」ということである。
■HD-DVD「終息宣言」に至る経緯
当時の状況を簡単に振り返ってみよう。東芝はまず06年3月にHD-DVDプレーヤー、同年秋にレコーダーを発売した。一方のBDは同年秋にプレーヤーが米で発売され、日本でも同時期にレコーダーが出て市場が急速に立ち上がった。
そして運命の08年1月4日、米映画大手ワーナー・ブラザーズがHD-DVDとBD向けソフトの併売を中止し、BDに一本化すると発表した。HD-DVD陣営が大騒ぎになったのは言うまでもない。米ラスベガスの「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」で予定されていた全ての公式行事は取りやめになった。
その後、東芝は低価格プレーヤーの投入で巻き返しを図るも失敗。08年2月19日に西田社長が会見して、「終息」宣言を出した。
HD-DVD終息宣言の発表会見で、「BDに参入する予定は?」と質問された西田社長は「東芝はBDには参入しない」と断言し、「DVDをさらに追求するだけ」と続けた。つまり、BDのステップを飛び越え、その次の次世代記録メディアとなるSDメディアとネットワークで展開を図る意欲をにじませたのである。
このときのニュアンスは、今年1月に米ラスベガスで開催されたCESの日本人記者向け会見で、東芝アメリカ家電社の内山善晃上級副社長が語ったことにも引き継がれている。
記者からの「BDをやらなくていいのか」という質問に対し、内山氏は「BDをやっていたら今ごろは採算が合わなくて大変でしたでしょう。BDの方たちは大変なのではないでしょうか。東芝はBDに参入しなくて本当によかった」と述べた。この発言を聞く限り、東芝は未来永劫BDをやらないだろうと観測された。個人的にはとても残念だと思った。が、急転直下のこの状況である。
■BD拒絶から一転参入の理由
なぜ東芝がBD参入を決断したのか? 理由の1つにはBD市場の急激な伸びがある。
薄型テレビの市場が世界的に伸びるにつれ、BDへのニーズが高まった。米国はプレーヤー文化、日本はレコーダー文化と違いはあるが、市場が拡大していることに変わりはない。日本では金額ベースでレコーダー市場の8割をBDが占めるまでになった。
しかし、東芝のラインアップにはDVDのプレーヤーとレコーダーしかない。つまり、市場の2割しか対象にできないのだ。このようなことが果たして、経営の観点から許されるだろうか。
2番目に「リンクの先がない」ことが挙げられる。リンク先とは、薄型テレビと接続する機器のことである。パナソニックはBDと薄型テレビ「ビエラ」を「ビエラリンク」で結び、同時購買を促すマーケティングを追求している。同じようにシャープは「ファミリンク」で「アクオス」を、ソニーは「ブラビアリンク」で「ブラビア」を自社のBDレコーダーと結ぶことを訴求している。
つまり、薄型テレビとBDを結ぶことで、販売が相互に促進されているのだ。東芝は薄型テレビ「レグザ」そのものの販売は好調でも、伴って売れるものがDVDしかない。BDがラインアップにないと、レグザの足も引っ張ることになるのだ。
プレーヤー市場、レコーダー市場はこれからも伸びることが予測される。日本はもともとレコーダー文化だったが、今年あたりからプレーヤーも買われるようになってきた。BDがプレーヤー文化を築き、ゆくゆくはホームシアターという形になって普及していくだろう。
最後に、東芝の企業イメージ戦略上も、BDはあったほうがいい。東芝はいまや、原子力発電所などに代表される社会インフラ事業がメーンストリームだ。しかし、東芝のイメージを形作っている要素は明らかに民生用の機器だ。レグザだけに奮闘させてはいられない。
以上のように様々な理由があり、参入に至った。
■マニア垂涎の的 東芝「RD」の秘密
私自身の07年当時の感触から言うと、HD-DVD陣営の敗色は決定的に濃いわけではなかった。にもかかわらず、なぜ東芝にBD参入を呼びかけたのか。それは、東芝の持つDVDレコーダーの技術の重要性を知っていたからだ。その技術がBDに採用されることをファン自身が待ち望んでいると確信していた。
この意味をひも解くには、そもそもDVDレコーダーの話から始めなければならない。
DVDレコーダーの起源は、1999年にパイオニアが発売したDVD-RW対応の「DVR-1000」にある。2000年に入ると、松下電器産業(現パナソニック)がDVD-RAMに対応した「DMR-E10」を発売。東芝は遅れて01年に「RD-2000」を発売した。
この東芝のDVDレコーダー参入後、「RD」という型番はマニアの憧れの的になる。なぜなら、編集機能において圧倒的な利便性、機能性を持ち、他の追随を許さなかったからだ。
初期のDVDレコーダーにはそもそもハードディスク(HD)がなく、DVD記録メディアに直接書き込むタイプの製品だった。しかし、東芝はHDをレコーダーに内蔵し、さらに録画した内容をDVDメディアにダビングする仕組みを開発した。このHDとメディアドライブを1台に備えたハイブリッドシステムはそのまま、ディスクレコーダーのスタンダートとなり、現在のBDレコーダーにも受け継がれている。
ここでポイントとなるのは、他社も同じようにHDに録画してDVDにダビングするスタイルのレコーダーを発売したものの、東芝のRDとは圧倒的に操作性が違ったということだ。
パナソニック、ソニー、シャープなどの製品は、基本的にHDは一時の退避場所であり、番組単位で記録メディアにダビングするという設計思想だった。ダビングができるところは新しいが、根本的にはVHSのテープがディスクに置き換わっただけともいえる。しかし東芝は違った。編集してダビングする流れの「編集」に非常に重きを置き、素晴らしく優秀な操作性、機能性を生み出したのだ。
■ダビング10時代に真価を発揮するRD
ここで思うのは、時代の変化だ。08年7月以前であれば、RDのような編集自在のBDレコーダーが発売されても、その真価がすべて発揮されることはなかっただろう。
というのも「コピーワンス」の制限の下では、プレイリストを作って1度ダビングすれば「1回」とカウントされ、HDからムーブされてしまうからだ。これでは編集をしようにもあまりに怖くてできなかった。
しかし、今は1つのコンテンツについて10回までダビング可能な「ダビング10」が導入されている。「最近3カ月のPerfume」「お気に入りベストソングPerfume」といったように、同じコンテンツをベースに2つ以上のコレクションを作ることもできる。ダビング10時代だからこそ、RDが生きるのだ。
東芝はHD-DVDではサバイバルに失敗した。しかし、もう1つの宝であるRDをBDの波に乗せることができれば、知財戦略上の意味も大きいだろう。何より喜ばしいのは、編集を待ち望んでいたマニア層にその機会が訪れることである。
■前言撤回にはきちんと落とし前をつけて
以上のとおり、私も東芝のBD参入を素直に歓迎したいのだが、手放しで「歓迎」といえるほど事態は甘くない。それは、BD参入に至る経過が明確でないこと、それ以上にHD-DVDを推進していた当時、きわめて強烈にBDを批判したことの落とし前がついていないからである。そんなにものすごく性能が劣るBDになぜ参入するのか。整合性がとれない。
ここで06年3月31日のHD-DVDプレーヤー発表会で藤井氏が述べた「BDは戦艦大和だ」という説を少し振り返ってみよう。
このとき藤井氏は、BDのメリットとされていたことに対し徹底的に攻撃を加えた。BDの「宣伝」に過ぎないと藤井氏が認識していたことは以下の5つ。
(1)BDはカバー層が0.1ミリで多層化しやすい
(2)表面硬化処理を導入している
(3)1080pのハイビジョン画質が出力できる
(4)インタラクティブ機能など、PCとの親和性はBDの方が優れている
(5)「BD+」という強力な著作権規制がある
(1)について藤井氏は、0.6ミリのカバー層を採用するHD-DVDの優位性を強調しつつ、「BDの0.1ミリの薄膜は多層化など加工が難しい。にもかかわらず、BDディスク1枚で50GBといった大容量を掲げるのはどうか。少なくとも発売時期を明確にすべきだ」と語った。 (2)の表面硬化処理については、「HD-DVDはカバー層が0.6ミリのため、元々必要ない」と述べ、「新技術というより笑止千万」と切り捨てた。また、(3)については「プレーヤーではなくテレビ側の問題である」と語り、「無意味だ」とまで言った。(4)のPCとの親和性は、HD-DVDの機能の方がはるかに上だとし、(5)にいたっては「理解不能」「こんなことを要求するコンテンツ会社はないだろう」と論じたうえで、「HD-DVDが劣るところは1つもない」と言い切った。
そして、この会見の最後に有名な土下座発言が出てくる。
「BDがすごく良いという可能性もゼロではない。そのときは土下座して謝るが、それはないだろう」
この会見のときは、「HD-DVDとBDの趨勢は06年年末には決まる」と言っていた藤井氏だったが、実際は08年まで決まらず、予想とは逆にHD-DVD撤退、BD一本化という結末に終わった。「それ」はあったのだ。
規格戦争の中では様々なことが起こる。だが、負けた側は勝利した方に乗り、上手に生き抜くのが賢い。かつて見事にやり遂げたのがソニーだ。「VHS対ベータ」戦争で負けたソニーは、OEM調達から始め、ついには立派なVHS商品を世に出し、最後を飾った。
そういう意味で、東芝も遅ればせながら参入を決めたのは望ましいことと思う。ディスクメディアに対しては社内の空気も冷たく、ディスクよりSDメディアという流れも出そうになっていたようだが、SDメディア時代の到来までは、ディスクメディアで製品開発を追求しないといけないと悟ったのだろう。
まず年内にプレーヤーとパソコンを発売するということだが、できるだけ早く、東芝の本領を発揮できるBDのRDレコーダーを出してほしい。私は真っ先に使うぞ!
日経社説 09衆院選 政策を問う 成長と改革抜きに語れぬ財政健全化(8/16)
著しく悪化した日本の財政を立て直すことは、党派を問わず、将来世代に対する政治の重い責任である。ところが、衆院選の政策論議をみる限り、自民党と民主党はその責任を果たそうとしているか疑問だ。十分な経済成長と大胆な制度改革がない限り、財政健全化は実現できない。この視点が徹底していない。
国と地方で日本政府の長期債務は国内総生産(GDP)の1.7倍にのぼる。長期金利が大幅に上昇すれば、多額の国債発行の利払い費が膨らみ、財政は一層苦しくなる。当面の景気対応とともに、中長期の財政健全化の道筋を示すことが、金融市場の信頼を保つ意味でも不可欠だ。
衆院選のマニフェスト(政権公約)は両党とも不十分な内容だ。
自民党は現状の健全化目標を踏襲する。国・地方の基礎的財政収支の黒字化を今後10年以内に達成し、2020年代初めには債務残高の対GDP比率を安定的に下げる。11年度までに消費税率引き上げなど税制の抜本改革で法律上の措置を整え、経済好転後に遅れずに実施する。
中期の数値目標や税制改革のメドを具体的に掲げたのはいいが、旧来の財政構造をどう変え、目標をどう達成するかの道筋が見えない。
民主党は子ども手当などの生活支援策を優先し、財源確保へ予算の構造を根本的に見直す。公共事業や天下り法人への支出削減などで9兆円余りの無駄をなくす。財政健全化の目標は政権獲得後、10年度予算編成の時に示すという。4年間は消費税率を上げない。
新たな発想で予算の組み替えに取り組むのは評価できるが、党内の抵抗を排して大胆に事業を削る決意はあるのか。財政健全化の目安も示さずに信を問うのも疑問がある。
数合わせの発想で財政健全化を進めるのは誤りだ。日本経済が成長しない限り、十分な税収は上がらない。自民党も民主党も成長戦略という言葉は掲げるが、経済を支える企業部門の供給力を高める規制改革などにはどちらも及び腰だ。
支出膨張を抑えるには少子高齢化で給付が増える年金や医療といった社会保障の根本的な制度改革が不可欠だが、明確なビジョンはない。
目下は景気回復が最優先だ。国際的に表明した財政出動の規模を落とすべきではない。だが、その後の中期的な財政安定をどう達成するかについて、自民、民主両党はもっと真剣に構想を語るべきである。
子会社からの配当、非課税に 政府、法人税制で検討
政府は企業グループに対する法人税制について見直しに入った。親会社がグループ内の100%子会社から受け取った配当を課税所得に算入しない仕組みを導入。グループ経営が広がるなか、グループ内の資金移動の妨げになる税制を見直し、グループの余剰資金を設備投資などに振り向けやすくすることで企業活動の活性化を促す。同時に、大企業の100%子会社について中小企業向けの軽減税率の対象から外す措置も検討する。
経済産業省、財務省、金融庁、中小企業庁に民間有識者を加えた「資本に関係する取引等にかかる税制についての勉強会」が報告書を策定。経産省などは報告書の内容を税制改正要望に反映させたい意向だ。仮に民主党政権になった場合は、税制改正の決定権を握る現在の与党税制調査会を廃止し、財務相の下に新しい税制調査会を置く方針で、新税調が改正の必要性を判断する。
車・電機大手、コスト削減5兆円 トヨタは8500億円
自動車、電機大手が人件費、研究開発費などの固定費と原材料費などの変動費を絞り込む。2009年度のコスト削減計画額はトヨタ自動車が8500億円、ソニーが8000億円以上を見込むなど乗用車7社と電機大手9社の合計で約5兆円に達する。乗用車7社の今期の売上高予想が前期より約9兆円減るなど市場収縮が続く中、損益分岐点を引き下げ国際競争力の回復を急ぐ。
乗用車7社と電機9社のコスト削減額は、各社の公表値をもとに算出した。総額が非公表の場合は判明している項目ごとの金額を積み上げており、数値は削減計画の下限に相当する。減収に伴う変動費の減少を含む。
GM新型車、燃費計算で「世紀の誇張」か 米誌
米消費者団体専門誌コンシューマー・リポート電子版は15日までに、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が家庭で充電可能な新型のプラグインハイブリッド車「シボレー・ボルト」の燃費を「ガソリン1ガロン当たり230マイル」(1リットル当たり約97キロ)と発表したことについて「世紀の誇張の可能性がある」と酷評した。
GMはボルトを経営再建の切り札と期待。米メディアは、燃費効率が「米国の新基準ではトヨタ自動車のハイブリッド車『プリウス』の4倍程度」と伝えていた。
ボルトは40マイル(約64キロ)までは家庭で充電した電池のみで走行でき、その後は再充電のためガソリンエンジンが動力源となる。
同誌は、GMがボルトの詳細を明らかにした11日の発表を「誇大広告」と指摘。最初の40マイルに使う電気の料金を考慮に入れると「ガソリン1ガロン当たり100マイル相当」の方が妥当である上、その基準とした電気料金も適切でないなどと疑問点を列挙し「誤解につながる発表は誰のためにもならない。GMはリスクを生み出している」と警告した。
中国とASEAN、投資協定に署名 10年1月発効
【バンコク=三河正久】東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は15日、バンコクで経済相会議を開き、他国と自国の投資家を平等に扱うことなどを決めた投資協定に署名した。既に物品の貿易やサービス分野の自由貿易協定(FTA)は発効しており、今回の署名により来年1月には投資協定が発効し、約19億人市場の自由貿易圏が誕生する。
中国からASEANへの海外直接投資額は2008年に61億ドル(約5780億円)。日本からASEANへの投資額(同76億ドル)より小さいが、タイ商業省は協定発効により中国からの投資額が「12年までに最大60%増える可能性がある」とみている。また同日の経済相会議で、中国は100億ドル規模の「ASEAN投資基金」の設置と150億ドルの融資実施を改めて提案した。
中・ASEAN投資協定は今年4月にタイ中部パタヤで開催予定だったASEAN関連首脳会議で署名される予定だった。同会議がタイの政情不安で中止となり、署名が延期されていた。
世界のREIT、時価総額36兆円に回復 2月末から55%増
世界の不動産投資信託(REIT)市場が急回復している。日米欧など主要国のREITの時価総額合計は7月末で約36兆円と、今年で最低だった2月末(23兆円強)から55%増えた。金融危機による市場の混乱が収まり、不動産売買の主な担い手のREITにも投資マネーが流入している。完全な回復軌道に乗ったという状況ではないが、増資などの資金調達が容易になりREITによる物件取得が進めば、不動産市況の低迷に歯止めがかかる可能性もある。
REITは投資口(株式に相当)を証券取引所に上場し、投資家は株式と同様に売買できる。大和総研によると、日米欧豪など主要8カ国・地域のREIT時価総額は2007年5月末に過去最高の約94兆円を記録。その後は減少し、昨年9月のリーマン・ショック後は急速に縮小した。このため物件取得の資金を調達できなくなり、不動産市況が低迷する一因となっていた。
魚値上がり、アジ・サバ・サンマ1~5割高 豪雨で漁獲量減
アジ、サバ、サンマなど大衆魚の卸値が軒並み1~5割高騰している。豪雨や台風でしけが続き漁獲量が減ったためだ。東京都中央卸売市場への入荷量は前年比で2~3割程度少ない。野菜の卸値も日照不足で収穫が減り依然高い。天候不順が食卓の生鮮価格を全般に押し上げている格好だ。ただ、消費不振のなかスーパーなどが戦略的に値下げする動きもあり、店頭への影響は限られそうだ。
東京都中央卸売市場の取引の大半を占める築地市場では、豪雨や台風の影響で入荷が大幅に減り、旬の大衆魚の卸値が軒並み高値を付けている。8月第2週(7~13日)の平均卸値は、アジが1キロ665円と前年同期比で43%値上がりし、サバも1キロ406円と16%上昇した。ほかにサンマが490円と8%高く、カツオも914円と45%上げた。
民主選対委員長「260議席超の勢い」 衆院選見通し
民主党の赤松広隆選対委員長は15日、鹿児島県奄美市で記者会見し、衆院選での民主党の獲得議席について「260を超える勢いであることは間違いない」と述べ、定数480のうちで単独過半数を大きく上回るとの見通しを示した。
民主党の選挙担当者が衆院選公示前にもかかわらず、結果について楽観的見通しを述べたのは異例。自民党に対し優勢を保っていることに自信を示した発言だ。
赤松氏は「政権交代に対する国民の期待は変わっていない。民主党支持は上がることがあっても下がっていない」と指摘。今後の取り組みについては「当落線上の候補を中心に幹部の応援態勢を取りたい」と述べた。
エイサー「脱PC」加速 5年内にテレビ・電子書籍参入
世界3位のパソコン(PC)メーカー、台湾のエイサーの創業者、スタン・シー氏(64)は、パソコン産業が減速するなかで5年以内にテレビや電子書籍市場に参入する方針を表明した。
シー氏はこのほど、台北のオフィスでインタビューに応じ、「パソコンは成熟産業」と指摘した上で、「パソコンからテレビへ拡大する余地はある」と語った。
◆「差別化」できるか
エイサーは、成長するテレビや電子書籍市場で先行する韓国のサムスン電子や米アマゾン・ドット・コムのライバルとして名乗りを上げようと考えている。
今年、2001年来で初めてPCの売上高が減少すると予想されるなか、PC事業以外への拡大をもくろむ。
元大証券(台北)のビンセント・チェン氏は、エイサーが他事業での成功を収められるかどうかについて「疑問視せざるを得ない。ビジネスモデルは異なるし、(PC産業と)テレビ産業ではまったく質が違ってくる」と指摘した。それでも同氏はエイサーの投資判断を「買い」としている。
米市場調査会社IDCの7月15日の発表によると、世界規模のリセッション(景気後退)の影響で低価格ノートPCの売り上げが伸びており、エイサーの今年4~6月のPC出荷高は前年同期比24%増加で同業上位5社中トップだった。米ヒューレット・パッカード(HP)、米デルが後に続いた。
エイサーの株価は年初来59%上昇しており、台湾の代表的な株価指数である加権指数の同52%上昇を上回っている。
大和証券グループ(台北)のアナリスト、カルヴァン・フアン氏は「エイサーが電子書籍事業で差別化を図るのは難しい。模倣製品みたいなものだ」と手厳しい。
エイサーは2月に初めてスマートフォン市場への進出を発表。非PC分野の収益を伸ばすなか、11年までに売り上げの1割を同市場で獲得するという目標を掲げた。
◆タイミングがカギ
市場が成熟するまでエイサーは電子書籍端末の投入を控えており、現在は液晶テレビの試験的な販売を行っている。
米調査会社ディスプレーサーチ(テキサス州)の6月17日の発表では、世界の液晶テレビ出荷高は昨年1億500万台だったが、13年には2億300万台に増加する見込み。
同社によると、1~3月のテレビ売上高の61%をサムスン電子、LG電子、ソニーなど業界上位5社が占めていた。
シー氏によると、エイサーはPC同様、テレビや電子書籍端末の製造も外部発注する予定。米調査会社アイサプライによると、今年のパソコン出荷は4%減と、01年以来初のマイナスが見込まれている。
同氏は電子書籍産業は未成熟だと述べ、市場は「PC企業にとって大きなチャンスだ」ときっぱり。さらに「業界が固まる前に参入しなくてはならない。早すぎず、遅すぎないタイミングを見極める必要がある」と語った。
著しく悪化した日本の財政を立て直すことは、党派を問わず、将来世代に対する政治の重い責任である。ところが、衆院選の政策論議をみる限り、自民党と民主党はその責任を果たそうとしているか疑問だ。十分な経済成長と大胆な制度改革がない限り、財政健全化は実現できない。この視点が徹底していない。
国と地方で日本政府の長期債務は国内総生産(GDP)の1.7倍にのぼる。長期金利が大幅に上昇すれば、多額の国債発行の利払い費が膨らみ、財政は一層苦しくなる。当面の景気対応とともに、中長期の財政健全化の道筋を示すことが、金融市場の信頼を保つ意味でも不可欠だ。
衆院選のマニフェスト(政権公約)は両党とも不十分な内容だ。
自民党は現状の健全化目標を踏襲する。国・地方の基礎的財政収支の黒字化を今後10年以内に達成し、2020年代初めには債務残高の対GDP比率を安定的に下げる。11年度までに消費税率引き上げなど税制の抜本改革で法律上の措置を整え、経済好転後に遅れずに実施する。
中期の数値目標や税制改革のメドを具体的に掲げたのはいいが、旧来の財政構造をどう変え、目標をどう達成するかの道筋が見えない。
民主党は子ども手当などの生活支援策を優先し、財源確保へ予算の構造を根本的に見直す。公共事業や天下り法人への支出削減などで9兆円余りの無駄をなくす。財政健全化の目標は政権獲得後、10年度予算編成の時に示すという。4年間は消費税率を上げない。
新たな発想で予算の組み替えに取り組むのは評価できるが、党内の抵抗を排して大胆に事業を削る決意はあるのか。財政健全化の目安も示さずに信を問うのも疑問がある。
数合わせの発想で財政健全化を進めるのは誤りだ。日本経済が成長しない限り、十分な税収は上がらない。自民党も民主党も成長戦略という言葉は掲げるが、経済を支える企業部門の供給力を高める規制改革などにはどちらも及び腰だ。
支出膨張を抑えるには少子高齢化で給付が増える年金や医療といった社会保障の根本的な制度改革が不可欠だが、明確なビジョンはない。
目下は景気回復が最優先だ。国際的に表明した財政出動の規模を落とすべきではない。だが、その後の中期的な財政安定をどう達成するかについて、自民、民主両党はもっと真剣に構想を語るべきである。
子会社からの配当、非課税に 政府、法人税制で検討
政府は企業グループに対する法人税制について見直しに入った。親会社がグループ内の100%子会社から受け取った配当を課税所得に算入しない仕組みを導入。グループ経営が広がるなか、グループ内の資金移動の妨げになる税制を見直し、グループの余剰資金を設備投資などに振り向けやすくすることで企業活動の活性化を促す。同時に、大企業の100%子会社について中小企業向けの軽減税率の対象から外す措置も検討する。
経済産業省、財務省、金融庁、中小企業庁に民間有識者を加えた「資本に関係する取引等にかかる税制についての勉強会」が報告書を策定。経産省などは報告書の内容を税制改正要望に反映させたい意向だ。仮に民主党政権になった場合は、税制改正の決定権を握る現在の与党税制調査会を廃止し、財務相の下に新しい税制調査会を置く方針で、新税調が改正の必要性を判断する。
車・電機大手、コスト削減5兆円 トヨタは8500億円
自動車、電機大手が人件費、研究開発費などの固定費と原材料費などの変動費を絞り込む。2009年度のコスト削減計画額はトヨタ自動車が8500億円、ソニーが8000億円以上を見込むなど乗用車7社と電機大手9社の合計で約5兆円に達する。乗用車7社の今期の売上高予想が前期より約9兆円減るなど市場収縮が続く中、損益分岐点を引き下げ国際競争力の回復を急ぐ。
乗用車7社と電機9社のコスト削減額は、各社の公表値をもとに算出した。総額が非公表の場合は判明している項目ごとの金額を積み上げており、数値は削減計画の下限に相当する。減収に伴う変動費の減少を含む。
GM新型車、燃費計算で「世紀の誇張」か 米誌
米消費者団体専門誌コンシューマー・リポート電子版は15日までに、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が家庭で充電可能な新型のプラグインハイブリッド車「シボレー・ボルト」の燃費を「ガソリン1ガロン当たり230マイル」(1リットル当たり約97キロ)と発表したことについて「世紀の誇張の可能性がある」と酷評した。
GMはボルトを経営再建の切り札と期待。米メディアは、燃費効率が「米国の新基準ではトヨタ自動車のハイブリッド車『プリウス』の4倍程度」と伝えていた。
ボルトは40マイル(約64キロ)までは家庭で充電した電池のみで走行でき、その後は再充電のためガソリンエンジンが動力源となる。
同誌は、GMがボルトの詳細を明らかにした11日の発表を「誇大広告」と指摘。最初の40マイルに使う電気の料金を考慮に入れると「ガソリン1ガロン当たり100マイル相当」の方が妥当である上、その基準とした電気料金も適切でないなどと疑問点を列挙し「誤解につながる発表は誰のためにもならない。GMはリスクを生み出している」と警告した。
中国とASEAN、投資協定に署名 10年1月発効
【バンコク=三河正久】東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は15日、バンコクで経済相会議を開き、他国と自国の投資家を平等に扱うことなどを決めた投資協定に署名した。既に物品の貿易やサービス分野の自由貿易協定(FTA)は発効しており、今回の署名により来年1月には投資協定が発効し、約19億人市場の自由貿易圏が誕生する。
中国からASEANへの海外直接投資額は2008年に61億ドル(約5780億円)。日本からASEANへの投資額(同76億ドル)より小さいが、タイ商業省は協定発効により中国からの投資額が「12年までに最大60%増える可能性がある」とみている。また同日の経済相会議で、中国は100億ドル規模の「ASEAN投資基金」の設置と150億ドルの融資実施を改めて提案した。
中・ASEAN投資協定は今年4月にタイ中部パタヤで開催予定だったASEAN関連首脳会議で署名される予定だった。同会議がタイの政情不安で中止となり、署名が延期されていた。
世界のREIT、時価総額36兆円に回復 2月末から55%増
世界の不動産投資信託(REIT)市場が急回復している。日米欧など主要国のREITの時価総額合計は7月末で約36兆円と、今年で最低だった2月末(23兆円強)から55%増えた。金融危機による市場の混乱が収まり、不動産売買の主な担い手のREITにも投資マネーが流入している。完全な回復軌道に乗ったという状況ではないが、増資などの資金調達が容易になりREITによる物件取得が進めば、不動産市況の低迷に歯止めがかかる可能性もある。
REITは投資口(株式に相当)を証券取引所に上場し、投資家は株式と同様に売買できる。大和総研によると、日米欧豪など主要8カ国・地域のREIT時価総額は2007年5月末に過去最高の約94兆円を記録。その後は減少し、昨年9月のリーマン・ショック後は急速に縮小した。このため物件取得の資金を調達できなくなり、不動産市況が低迷する一因となっていた。
魚値上がり、アジ・サバ・サンマ1~5割高 豪雨で漁獲量減
アジ、サバ、サンマなど大衆魚の卸値が軒並み1~5割高騰している。豪雨や台風でしけが続き漁獲量が減ったためだ。東京都中央卸売市場への入荷量は前年比で2~3割程度少ない。野菜の卸値も日照不足で収穫が減り依然高い。天候不順が食卓の生鮮価格を全般に押し上げている格好だ。ただ、消費不振のなかスーパーなどが戦略的に値下げする動きもあり、店頭への影響は限られそうだ。
東京都中央卸売市場の取引の大半を占める築地市場では、豪雨や台風の影響で入荷が大幅に減り、旬の大衆魚の卸値が軒並み高値を付けている。8月第2週(7~13日)の平均卸値は、アジが1キロ665円と前年同期比で43%値上がりし、サバも1キロ406円と16%上昇した。ほかにサンマが490円と8%高く、カツオも914円と45%上げた。
民主選対委員長「260議席超の勢い」 衆院選見通し
民主党の赤松広隆選対委員長は15日、鹿児島県奄美市で記者会見し、衆院選での民主党の獲得議席について「260を超える勢いであることは間違いない」と述べ、定数480のうちで単独過半数を大きく上回るとの見通しを示した。
民主党の選挙担当者が衆院選公示前にもかかわらず、結果について楽観的見通しを述べたのは異例。自民党に対し優勢を保っていることに自信を示した発言だ。
赤松氏は「政権交代に対する国民の期待は変わっていない。民主党支持は上がることがあっても下がっていない」と指摘。今後の取り組みについては「当落線上の候補を中心に幹部の応援態勢を取りたい」と述べた。
エイサー「脱PC」加速 5年内にテレビ・電子書籍参入
世界3位のパソコン(PC)メーカー、台湾のエイサーの創業者、スタン・シー氏(64)は、パソコン産業が減速するなかで5年以内にテレビや電子書籍市場に参入する方針を表明した。
シー氏はこのほど、台北のオフィスでインタビューに応じ、「パソコンは成熟産業」と指摘した上で、「パソコンからテレビへ拡大する余地はある」と語った。
◆「差別化」できるか
エイサーは、成長するテレビや電子書籍市場で先行する韓国のサムスン電子や米アマゾン・ドット・コムのライバルとして名乗りを上げようと考えている。
今年、2001年来で初めてPCの売上高が減少すると予想されるなか、PC事業以外への拡大をもくろむ。
元大証券(台北)のビンセント・チェン氏は、エイサーが他事業での成功を収められるかどうかについて「疑問視せざるを得ない。ビジネスモデルは異なるし、(PC産業と)テレビ産業ではまったく質が違ってくる」と指摘した。それでも同氏はエイサーの投資判断を「買い」としている。
米市場調査会社IDCの7月15日の発表によると、世界規模のリセッション(景気後退)の影響で低価格ノートPCの売り上げが伸びており、エイサーの今年4~6月のPC出荷高は前年同期比24%増加で同業上位5社中トップだった。米ヒューレット・パッカード(HP)、米デルが後に続いた。
エイサーの株価は年初来59%上昇しており、台湾の代表的な株価指数である加権指数の同52%上昇を上回っている。
大和証券グループ(台北)のアナリスト、カルヴァン・フアン氏は「エイサーが電子書籍事業で差別化を図るのは難しい。模倣製品みたいなものだ」と手厳しい。
エイサーは2月に初めてスマートフォン市場への進出を発表。非PC分野の収益を伸ばすなか、11年までに売り上げの1割を同市場で獲得するという目標を掲げた。
◆タイミングがカギ
市場が成熟するまでエイサーは電子書籍端末の投入を控えており、現在は液晶テレビの試験的な販売を行っている。
米調査会社ディスプレーサーチ(テキサス州)の6月17日の発表では、世界の液晶テレビ出荷高は昨年1億500万台だったが、13年には2億300万台に増加する見込み。
同社によると、1~3月のテレビ売上高の61%をサムスン電子、LG電子、ソニーなど業界上位5社が占めていた。
シー氏によると、エイサーはPC同様、テレビや電子書籍端末の製造も外部発注する予定。米調査会社アイサプライによると、今年のパソコン出荷は4%減と、01年以来初のマイナスが見込まれている。
同氏は電子書籍産業は未成熟だと述べ、市場は「PC企業にとって大きなチャンスだ」ときっぱり。さらに「業界が固まる前に参入しなくてはならない。早すぎず、遅すぎないタイミングを見極める必要がある」と語った。