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日本の情報通信メーカーの業績回復が遅れる理由(COLUMN)
韓国経済は、2009年4~6月期の実質GDPが前期比2.3%増に回復し、ウォン安による輸出増などで5年半ぶりの高い成長率となった。情報通信大手のサムスン電子、LG電子はいずれも08年10~12月期の赤字転落の後、2四半期連続で黒字を確保し、サムスン電子の営業利益は前年同期比で5%増と、世界同時不況以前の水準に戻した。薄型テレビや携帯電話などの世界的な需要回復の波頭をとらえ、韓国勢が業績回復で日本勢に先行している。
一方、「エコポイント」による内需喚起で活力を取り戻しつつある日本の情報通信メーカーは、薄型テレビなどのデジタル製品で世界シェアが高いにもかかわらず、なぜ業績回復が遅れているのだろうか。その一因を探るために、日本の情報通信関連機器の輸出入動向を分析してみよう。
■対アジアのデジタル製品の輸出と輸入が同時に増加
パソコン、通信機器、テレビ・ビデオ、事務用機器など情報通信関連の機器を製造する部門(情報通信関連製造業)における1995年以降の地域別輸出入額を比較してみた。北米や西欧との輸出入額が横ばいまたは低下しているのに対し、アジアとの輸出入額は上昇傾向を続け、特にアジアからの輸入が急増している。なお、アジア域内で国別にみると、中国との輸出入、特に輸入が急上昇している。
次に、個別のデジタル製品をみてみよう。「ビデオ機器」を例とし、地域別輸出入額の推移をみてみた。輸出では対アジアが急増し、対北米、対西欧と肩を並べる規模になってきているが、輸入では対アジアだけが伸び続けている傾向にある。これを国別にみると、やはり中国からの輸入が急増している状況にある。
このように、日本とアジアとの間では、デジタル製品の輸出と輸入が同時に増加する傾向がみられる。
■アジア域内での産業内貿易が深化
なぜ同じ製品なのに、輸出と輸入が同時に伸びる現象が起こるのだろうか。
国際貿易論では、「産業内貿易」という考え方がある。産業内貿易とは、同一産業内に属する製品が各国間で同時に輸出入される取引を指す。グローバル化が進展し国際分業が複雑化するなかで、アジア域内でこの産業内貿易が増加しつつある。2006年版通商白書によると、デジタル製品を含む電気機械では、部品(中間財)と最終財のいずれもこの産業内貿易が東アジア地域内で増加している。また、これらの産業内貿易は、日本と海外で生産工程を分割する垂直分業が中心であるものの、日本と海外で部品や完成品を相互に取引する水平分業も活発化しつつある。つまり、アジア域内では、
(1)単純で労働集約的な部品を生産して輸出
(2)高度な部品を生産して輸出
(3)高度な部品を輸入し、パーツやロースペックの完成品を組立・加工して輸出
(4)ハイスペックな完成品を生産して輸出
などといった産業内での水平・垂直分業が著しく深化し、技術力や賃金水準などに応じて国際的な分業構造が形成されていると推測される。日本は主として(2)や(4)を担い、ビデオ機器の例でいえば、日本からの輸出は光素子などの高度な部品やDVDレコーダー、ブルーレイ・ディスク(BD)レコーダーなどのハイスペック機器が中心と考えられる。
国際的な分業が進むということは、デジタル製品の国内生産が輸入に依存する比率が高まるということでもある。日本における主なデジタル製品の国内自給率の推移をみてみると、前述のビデオ機器の国内自給率は2007年時点で28.7%まで低下している。同様に自給率の低いパーソナルコンピューター(パソコン)、電子計算機本体(除パソコン)、電子計算機付属装置でも、アジア地域との輸出入が同時に上昇する傾向が見られる。
■国際分業が進み日本企業は高付加価値品に特化
デジタル製品の国内自給率は、価格とも密接な関係がある。2000年を100とした場合の2007年の価格指数でみると、ビデオ機器は38.6、パソコンは15.5、電子計算機本体(除パソコン)は24.5、電子計算機付属装置は58.3で、4~8割強の価格低下となる。
アジア域内の国際分業を構築するうえで、日本企業は前述の(2)や(4)といった高付加価値部分の生産を担うことで競争優位を確保してきた。しかし、賃金格差を武器に生産拠点を獲得して工業化に成功した新興国は、先進国から労働集約的で他産業との結びつきが弱い工業品(部品等)の生産を徐々に獲得しながら、関連する産業の熟度を高め、より技術水準の高い工業品を生産するような発展プロセスをとる。
その結果、中国などは、前述の(1)や(3)といった低付加価値品の生産で競争力を発揮し、韓国や台湾は日本企業と同様の高付加価値品で競争力を発揮するようになってきた。日本企業は、これらの高付加価値品での価格競争に対処しながら、さらにハイスペックの製品群の生産に徐々にシフトし、利益を確保しようとする。アジア域内の国際分業の深化は、このような形で日本企業の得意としてきたデジタル製品に価格競争を持ち込んだ。
ここに世界同時不況が発生し、必需性の低いものから支出を削られることとなった。高画質・高機能のテレビから映るだけのテレビへと需要が低付加価値品にシフトし、日本が生産する高付加価値品は、中国や韓国、台湾よりも大きな打撃を受けた。世界的な需要回復の恩恵も、最後に巡ってくることになるだろう。
しかし、人口減少下で外需に依存せざるを得ず、賃金格差を考えれば高付加価値品に特化するしかないなかで、ほかに良い選択肢があっただろうか。
「エコポイント」で一息ついている日本の情報通信メーカーは、次の一手をどう打つべきか。米アップルのように追随を許さない高機能品の開発にかけるか、国内自給率をさらに落としてコストを削減し、新興市場向けの低価格品で勝負するか、IBMのようにサービスにシフトするか、それとも大胆な合従連衡に動くのか。いずれにせよ、現在の延長線上に解がないことだけは間違いなさそうだ。
川崎重工、二輪の国内生産縮小…タイに移管
川崎重工業は22日、中・大型二輪車の生産を2010年度以降、段階的に人件費が安いタイ工場に移管し、国内生産を縮小する方針を固めた。
先進国が主要な市場である大型車の生産を新興国に切り替えるのは、国内大手では初めて。二輪業界は世界同時不況で販売不振が続いており、最大手のホンダも中型車の生産を国内からタイ工場へ移す検討を始めている。今後、二輪車生産の新興国への移管が広がりそうだ。
川崎重工は現在、主力の明石工場(兵庫県明石市)で、排気量251cc以上の中・大型車を中心に生産し、タイ工場は小型車と一部中型車を生産している。
川崎重工は、09年3月期連結決算で、二輪車を中心とする汎用機部門の売上高が前期比22%減の3364億円、営業利益は101億円の赤字に転落した。10年3月期は営業赤字がさらに拡大する見通しで、生産費削減が急務となっていた。
製造業大手、アジアで収益急回復 4~6月、中国けん引
製造業のアジアでの収益が急回復している。2009年4~6月期の主要30社の地域別損益を集計したところ、アジアなど新興国の営業利益は1~3月期の19倍に伸びた。中国政府などの財政出動の効果で需要が増加した自動車、電機で改善が目立つ。欧州や日本では赤字が続き、北米でも利益水準は低い。企業業績の回復はアジア頼みの構図が鮮明になっている。
自動車、電機、精密、機械の4業種について、主要30社の4~6月期決算から地域別損益を集計した。「アジアなどその他地域」の営業利益は合計で約2200億円。前年同期比では53%減だが、世界的な需要急減が直撃した1~3月期(約117億円)からは急回復した。連結営業赤字が続くなか、アジアへの依存度が増している。
欧米大手、途上国向けに低価格品 低所得層に照準
日用品大手の英蘭ユニリーバなど欧米大手企業が発展途上国の低所得層に照準を合わせたビジネスを拡大している。先進国向けの高価格帯商品の需要が先細りするなかで、人口が多く購買力の向上が見込める途上国の低所得者層向けに低・中価格帯の商品・サービスを売り込む戦略だ。同時に所得向上につながる仕事を提供し、貧困削減と新市場獲得の両立を狙う。日本でも経済産業省が8月に研究会を発足させるなど途上国市場開拓の動きが目立ち始めた。
ユニリーバはインド農村でのシャンプーや洗剤の訪問販売を拡大する。小容量化で低所得層でも買いやすい価格としたほか、販売員に地元女性を採用することで自立支援につなげる。昨年末に約4万5千人だった販売員を2010年末までに10万人に増やし、対象の農村も10万超から50万カ所に拡大する。同社のインドでのシャンプー売り上げの5割を農村での販売が占める。
「テレワーク」1千万人に 国交省推計
インターネットなどの情報技術(IT)を活用し、本来の職場ではない自宅や取引先などで働く「テレワーク」に週8時間以上従事している人が、平成20年度で就業者の15・2%、約1千万人に達していると推計されることが22日、国土交通省の調査で分かった。
就業者に占めるテレワーカーの比率は17年度の前回調査から4・8ポイント上昇。1千万人のうち330万人は短時間でも自宅で働く「在宅型」とみられる。同省は「ブロードバンドや携帯端末が急速に普及し、在宅勤務を取り入れる企業も増えたため」と分析している。
日経社説 レアメタル確保へ備蓄・開発の強化急げ(8/23)
経済産業省は希少金属(レアメタル)の安定確保に向け、備蓄やリサイクル、資源開発などを柱とする強化策をまとめた。ほぼ全量を輸入に頼るレアメタルはハイブリッド車、電気自動車など日本の成長を担う製品に欠かせない。新戦略も十分とはいえず、一段の強化を求めたい。
ここ数年で需要が急増したレアメタルには、液晶テレビに使うインジウムや発光ダイオード向けのガリウム、ハイブリッド車の駆動モーターをはじめ高性能磁石原料の希土類などがある。
ネオジムなど希土類と呼ばれる鉱物の産出は、中国が世界の97%を握る。しかし中国は鉱石の輸出を抑制し、自国で付加価値の高い製品にする戦略を進める。輸入が不足すれば自動車だけではなく、パソコンのハードディスク駆動装置(HDD)、洗濯機など高性能磁石を使う幅広い製品に影響する。
だが1983年に始まった希少金属の備蓄制度は、鉄鋼生産に使う7金属を対象にしており、コバルトも最近の需要変化でリチウムイオン電池などの比重が高まったにすぎない。産業構造の変化や省エネルギー型商品の成長に合わせ、対象品目の見直しと備蓄量の拡大は急務だ。
経産省の強化策は、インジウムとガリウムを備蓄対象に加えたものの、希土類や自動車の排ガス処理触媒に使うプラチナなどは検討品目にとどまる。地球環境に配慮した自動車や家電製品を経済成長のけん引役と位置づける一方で、政府は生産の根幹を揺るがしかねない資源不足への危機感が足りない。
中国は希少金属など資源備蓄の目的を「国家非常事態に備える」とし、企業買収などで海外の権益確保も急ぐ。だがインジウム消費の世界シェアが8割に及ぶ希少金属の輸入大国でありながら、日本の確保戦略は甘さが否めない。民間企業がどれだけ保有しているのか、在庫統計さえない金属が多いのは問題だ。
住友商事がカザフスタンでウラン鉱石から希土類を取り出す事業に参入するなど企業主導で資源確保の動きは進む。ただ市場規模が小さい割に投資額は大きく、地政学リスクも負う希少金属の資源開発に政府支援は欠かせない。
韓国経済は、2009年4~6月期の実質GDPが前期比2.3%増に回復し、ウォン安による輸出増などで5年半ぶりの高い成長率となった。情報通信大手のサムスン電子、LG電子はいずれも08年10~12月期の赤字転落の後、2四半期連続で黒字を確保し、サムスン電子の営業利益は前年同期比で5%増と、世界同時不況以前の水準に戻した。薄型テレビや携帯電話などの世界的な需要回復の波頭をとらえ、韓国勢が業績回復で日本勢に先行している。
一方、「エコポイント」による内需喚起で活力を取り戻しつつある日本の情報通信メーカーは、薄型テレビなどのデジタル製品で世界シェアが高いにもかかわらず、なぜ業績回復が遅れているのだろうか。その一因を探るために、日本の情報通信関連機器の輸出入動向を分析してみよう。
■対アジアのデジタル製品の輸出と輸入が同時に増加
パソコン、通信機器、テレビ・ビデオ、事務用機器など情報通信関連の機器を製造する部門(情報通信関連製造業)における1995年以降の地域別輸出入額を比較してみた。北米や西欧との輸出入額が横ばいまたは低下しているのに対し、アジアとの輸出入額は上昇傾向を続け、特にアジアからの輸入が急増している。なお、アジア域内で国別にみると、中国との輸出入、特に輸入が急上昇している。
次に、個別のデジタル製品をみてみよう。「ビデオ機器」を例とし、地域別輸出入額の推移をみてみた。輸出では対アジアが急増し、対北米、対西欧と肩を並べる規模になってきているが、輸入では対アジアだけが伸び続けている傾向にある。これを国別にみると、やはり中国からの輸入が急増している状況にある。
このように、日本とアジアとの間では、デジタル製品の輸出と輸入が同時に増加する傾向がみられる。
■アジア域内での産業内貿易が深化
なぜ同じ製品なのに、輸出と輸入が同時に伸びる現象が起こるのだろうか。
国際貿易論では、「産業内貿易」という考え方がある。産業内貿易とは、同一産業内に属する製品が各国間で同時に輸出入される取引を指す。グローバル化が進展し国際分業が複雑化するなかで、アジア域内でこの産業内貿易が増加しつつある。2006年版通商白書によると、デジタル製品を含む電気機械では、部品(中間財)と最終財のいずれもこの産業内貿易が東アジア地域内で増加している。また、これらの産業内貿易は、日本と海外で生産工程を分割する垂直分業が中心であるものの、日本と海外で部品や完成品を相互に取引する水平分業も活発化しつつある。つまり、アジア域内では、
(1)単純で労働集約的な部品を生産して輸出
(2)高度な部品を生産して輸出
(3)高度な部品を輸入し、パーツやロースペックの完成品を組立・加工して輸出
(4)ハイスペックな完成品を生産して輸出
などといった産業内での水平・垂直分業が著しく深化し、技術力や賃金水準などに応じて国際的な分業構造が形成されていると推測される。日本は主として(2)や(4)を担い、ビデオ機器の例でいえば、日本からの輸出は光素子などの高度な部品やDVDレコーダー、ブルーレイ・ディスク(BD)レコーダーなどのハイスペック機器が中心と考えられる。
国際的な分業が進むということは、デジタル製品の国内生産が輸入に依存する比率が高まるということでもある。日本における主なデジタル製品の国内自給率の推移をみてみると、前述のビデオ機器の国内自給率は2007年時点で28.7%まで低下している。同様に自給率の低いパーソナルコンピューター(パソコン)、電子計算機本体(除パソコン)、電子計算機付属装置でも、アジア地域との輸出入が同時に上昇する傾向が見られる。
■国際分業が進み日本企業は高付加価値品に特化
デジタル製品の国内自給率は、価格とも密接な関係がある。2000年を100とした場合の2007年の価格指数でみると、ビデオ機器は38.6、パソコンは15.5、電子計算機本体(除パソコン)は24.5、電子計算機付属装置は58.3で、4~8割強の価格低下となる。
アジア域内の国際分業を構築するうえで、日本企業は前述の(2)や(4)といった高付加価値部分の生産を担うことで競争優位を確保してきた。しかし、賃金格差を武器に生産拠点を獲得して工業化に成功した新興国は、先進国から労働集約的で他産業との結びつきが弱い工業品(部品等)の生産を徐々に獲得しながら、関連する産業の熟度を高め、より技術水準の高い工業品を生産するような発展プロセスをとる。
その結果、中国などは、前述の(1)や(3)といった低付加価値品の生産で競争力を発揮し、韓国や台湾は日本企業と同様の高付加価値品で競争力を発揮するようになってきた。日本企業は、これらの高付加価値品での価格競争に対処しながら、さらにハイスペックの製品群の生産に徐々にシフトし、利益を確保しようとする。アジア域内の国際分業の深化は、このような形で日本企業の得意としてきたデジタル製品に価格競争を持ち込んだ。
ここに世界同時不況が発生し、必需性の低いものから支出を削られることとなった。高画質・高機能のテレビから映るだけのテレビへと需要が低付加価値品にシフトし、日本が生産する高付加価値品は、中国や韓国、台湾よりも大きな打撃を受けた。世界的な需要回復の恩恵も、最後に巡ってくることになるだろう。
しかし、人口減少下で外需に依存せざるを得ず、賃金格差を考えれば高付加価値品に特化するしかないなかで、ほかに良い選択肢があっただろうか。
「エコポイント」で一息ついている日本の情報通信メーカーは、次の一手をどう打つべきか。米アップルのように追随を許さない高機能品の開発にかけるか、国内自給率をさらに落としてコストを削減し、新興市場向けの低価格品で勝負するか、IBMのようにサービスにシフトするか、それとも大胆な合従連衡に動くのか。いずれにせよ、現在の延長線上に解がないことだけは間違いなさそうだ。
川崎重工、二輪の国内生産縮小…タイに移管
川崎重工業は22日、中・大型二輪車の生産を2010年度以降、段階的に人件費が安いタイ工場に移管し、国内生産を縮小する方針を固めた。
先進国が主要な市場である大型車の生産を新興国に切り替えるのは、国内大手では初めて。二輪業界は世界同時不況で販売不振が続いており、最大手のホンダも中型車の生産を国内からタイ工場へ移す検討を始めている。今後、二輪車生産の新興国への移管が広がりそうだ。
川崎重工は現在、主力の明石工場(兵庫県明石市)で、排気量251cc以上の中・大型車を中心に生産し、タイ工場は小型車と一部中型車を生産している。
川崎重工は、09年3月期連結決算で、二輪車を中心とする汎用機部門の売上高が前期比22%減の3364億円、営業利益は101億円の赤字に転落した。10年3月期は営業赤字がさらに拡大する見通しで、生産費削減が急務となっていた。
製造業大手、アジアで収益急回復 4~6月、中国けん引
製造業のアジアでの収益が急回復している。2009年4~6月期の主要30社の地域別損益を集計したところ、アジアなど新興国の営業利益は1~3月期の19倍に伸びた。中国政府などの財政出動の効果で需要が増加した自動車、電機で改善が目立つ。欧州や日本では赤字が続き、北米でも利益水準は低い。企業業績の回復はアジア頼みの構図が鮮明になっている。
自動車、電機、精密、機械の4業種について、主要30社の4~6月期決算から地域別損益を集計した。「アジアなどその他地域」の営業利益は合計で約2200億円。前年同期比では53%減だが、世界的な需要急減が直撃した1~3月期(約117億円)からは急回復した。連結営業赤字が続くなか、アジアへの依存度が増している。
欧米大手、途上国向けに低価格品 低所得層に照準
日用品大手の英蘭ユニリーバなど欧米大手企業が発展途上国の低所得層に照準を合わせたビジネスを拡大している。先進国向けの高価格帯商品の需要が先細りするなかで、人口が多く購買力の向上が見込める途上国の低所得者層向けに低・中価格帯の商品・サービスを売り込む戦略だ。同時に所得向上につながる仕事を提供し、貧困削減と新市場獲得の両立を狙う。日本でも経済産業省が8月に研究会を発足させるなど途上国市場開拓の動きが目立ち始めた。
ユニリーバはインド農村でのシャンプーや洗剤の訪問販売を拡大する。小容量化で低所得層でも買いやすい価格としたほか、販売員に地元女性を採用することで自立支援につなげる。昨年末に約4万5千人だった販売員を2010年末までに10万人に増やし、対象の農村も10万超から50万カ所に拡大する。同社のインドでのシャンプー売り上げの5割を農村での販売が占める。
「テレワーク」1千万人に 国交省推計
インターネットなどの情報技術(IT)を活用し、本来の職場ではない自宅や取引先などで働く「テレワーク」に週8時間以上従事している人が、平成20年度で就業者の15・2%、約1千万人に達していると推計されることが22日、国土交通省の調査で分かった。
就業者に占めるテレワーカーの比率は17年度の前回調査から4・8ポイント上昇。1千万人のうち330万人は短時間でも自宅で働く「在宅型」とみられる。同省は「ブロードバンドや携帯端末が急速に普及し、在宅勤務を取り入れる企業も増えたため」と分析している。
日経社説 レアメタル確保へ備蓄・開発の強化急げ(8/23)
経済産業省は希少金属(レアメタル)の安定確保に向け、備蓄やリサイクル、資源開発などを柱とする強化策をまとめた。ほぼ全量を輸入に頼るレアメタルはハイブリッド車、電気自動車など日本の成長を担う製品に欠かせない。新戦略も十分とはいえず、一段の強化を求めたい。
ここ数年で需要が急増したレアメタルには、液晶テレビに使うインジウムや発光ダイオード向けのガリウム、ハイブリッド車の駆動モーターをはじめ高性能磁石原料の希土類などがある。
ネオジムなど希土類と呼ばれる鉱物の産出は、中国が世界の97%を握る。しかし中国は鉱石の輸出を抑制し、自国で付加価値の高い製品にする戦略を進める。輸入が不足すれば自動車だけではなく、パソコンのハードディスク駆動装置(HDD)、洗濯機など高性能磁石を使う幅広い製品に影響する。
だが1983年に始まった希少金属の備蓄制度は、鉄鋼生産に使う7金属を対象にしており、コバルトも最近の需要変化でリチウムイオン電池などの比重が高まったにすぎない。産業構造の変化や省エネルギー型商品の成長に合わせ、対象品目の見直しと備蓄量の拡大は急務だ。
経産省の強化策は、インジウムとガリウムを備蓄対象に加えたものの、希土類や自動車の排ガス処理触媒に使うプラチナなどは検討品目にとどまる。地球環境に配慮した自動車や家電製品を経済成長のけん引役と位置づける一方で、政府は生産の根幹を揺るがしかねない資源不足への危機感が足りない。
中国は希少金属など資源備蓄の目的を「国家非常事態に備える」とし、企業買収などで海外の権益確保も急ぐ。だがインジウム消費の世界シェアが8割に及ぶ希少金属の輸入大国でありながら、日本の確保戦略は甘さが否めない。民間企業がどれだけ保有しているのか、在庫統計さえない金属が多いのは問題だ。
住友商事がカザフスタンでウラン鉱石から希土類を取り出す事業に参入するなど企業主導で資源確保の動きは進む。ただ市場規模が小さい割に投資額は大きく、地政学リスクも負う希少金属の資源開発に政府支援は欠かせない。
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ソニー、「グーグル携帯」を投入 ドコモに供給再開
ドコモはソニー・エリクソンからグーグル携帯を調達し、来年初めにも発売する。
ドコモは7月から日本初のグーグル携帯(台湾HTC製)を発売しており、これに続く導入となる。端末価格は未定だが、実質3万円前後で購入できるようにするとみられる。
ソニー・エリクソンは開発費の高騰などの理由から、08年夏モデルを最後にドコモ向けの端末供給を中止し、KDDI向けに絞り込んでいた。汎用OSを搭載するスマートフォンは基本仕様が世界共通で、日本語対応など最低限の追加コストで供給できることから再開する。
FF13はほぼ完成、今冬発売予定の「FINAL FANTASY XIII」の最新情報が明らかに
ドイツで行われているヨーロッパ最大級のゲーム業界の見本市「GamesCom」において、2009年冬に発売される予定となっているスクウェア・エニックスのRPGソフト「ファイナルファンタジー13」の最新情報が明らかになった。
プロデューサーの北瀬佳範氏とシナリオを担当するディレクターの鳥山求氏へのインタビューによると、2009年冬にPS3向けに発売される予定となっている国内版FF13の制作状況は90パーセントが完成した状態だそうだ。また、海外向けに発売される予定のXbox360バージョンはおよそ70パーセントが完成しているとのこと。
90パーセントが完成しているということは、年末商戦に間に合う可能性がある。もし年内に発売されるのであれば、クリスマス商戦に加えてPS3本体が値下がりしたことも相まって、大きな売り上げが見込めそうだ。
書籍デジタル化に異議 米MSなど、グーグルに対抗
ソフトウエア最大手の米マイクロソフト(MS)は21日、米ネット検索大手グーグルが進める書籍のデジタル化計画に異議を申し立てる予定であることを明らかにした。米メディアによると、米インターネット検索大手ヤフーとネット小売りのアマゾン・コムも同調する方向という。
MSなどは、米国の図書館関連団体などで組織する「オープンブックアライアンス」に参加、グーグルの動きに反対する。訴訟を検討するほか、米司法省などに調査を促す。
グーグルは昨年10月、一定の著作権料を支払った上で書籍のデジタル化を進める内容で米国の作家らと合意した。反対陣営は、デジタル化された書籍を図書館などが利用する際の料金について、デジタル書籍分野で独占的な立場にあるグーグルが一方的に決定することになると主張している。
「社員引き抜き自粛を」アップルの要請、パーム側が拒否
2年前、電子機器大手アップルのジョブズCEO(最高経営責任者)が、競合する米パームに互いの社員の引き抜きに自制を呼びかけ、パームのエド・コリガンCEO(当時)がこれを拒否していたことが分かった。ブルームバーグ・ニュースが両氏の意見交換記録の文書を精査し、明らかにした。
両氏がぶつかったのは、携帯端末の開発競争が激化した2007年8月のことだ。その2カ月前にはアップルが「iPhone(アイフォーン)」を発売。それとほぼ同時期に、パームがアップルの幹部ジョン・ルービンシュタイン氏を採用し、新規スマートフォン(多機能携帯端末)の開発を指揮する取締役会長に据えた。
ルービンシュタイン氏はアップルのノートパソコン開発を担った人物で、15年以上もジョブズ氏とともにアップルを支えたてきた。06年に同社を去る直前には「iPod(アイポッド)」開発部門の責任者であった。
意見交換記録によると、ジョブズCEOは、パームに移ったルービンシュタイン氏がアップルの社員を引き抜いているとの懸念を表明、互いの社員の採用自粛をコリガン氏に提案した。これに対しコリガン氏は「個々の従業員の希望を無視するもので、不適切というだけでなく法律に触れる可能性もある」として拒否したという。
ジョブズ氏の提案内容の詳細までは分からないが、ジョブズ氏は「最終的に法廷で争うことになっても、アップルには特許権があり、パームよりも潤沢な資金がある」と述べた。
ともにシリコンバレーに拠点を置く両社の間では、これまでも多くの人材の移動があった。しかし、今回判明したやり取りからは、ルービンシュタイン氏を迎えたことでパームの業績が好転し、アップルとパームの関係に緊張が高まった経緯が浮き彫りになった。
その後、ルービンシュタイン氏の指揮のもとでパームは携帯端末用の基本ソフト(OS)「Web OS」を開発。6月には新機種「プレ」を発売し、スマートフォン市場で「iPhone」に対抗している。1月に「プレ」の仕様が明らかになった際、アップルのティム・クックCOO(最高執行責任者)は、iPhoneの特徴を模倣する企業は看過しないと述べ、アップルの知的財産を守るために「使える武器は全部使う」と牽制(けんせい)した。
DRAM世界シェア、韓国2社で55.8%
市場調査会社のアイサプライによると、DRAM市場におけるサムスン電子の4-6月期の売上高は15億4000万ドル(約1450億円)に達し、世界シェアは1位の34.1%だった。2位のハイニックス半導体(21.7%)を合わせると、両社のシェアは55.8%に達し、過去最高だった今年1-3月期(55.5%)を上回った。
4-6月期のDRAM市場の規模は、1-3月期に比べ34%拡大した。この間にサムスン電子とハイニックス半導体の増収率はそれぞれ35.0%、36.8%に達した。半導体市場が回復軌道に乗る中、韓国メーカーの競争力を見せつけた格好だ。
市況も好転し、DRAM価格は年初より74%上昇した。パソコンや携帯電話端末など完成品メーカーが下期のDRAM確保に乗り出し、需要が拡大したためだ。アイサプライは当初、DRAM出荷量が4-6月期に6.2%増加すると予想していたが、実際には14%増加した。
「ダウ平均」売却検討 ダウ・ジョーンズの株指数算出部門
米経済情報大手のダウ・ジョーンズが株価指数のダウ工業株30種平均などを算出する部門の売却を検討していることが分かった。同社の傘下にある米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が21日伝えた。売却が決まれば、株価指数をめぐるビジネスの勢力図にも影響を与えそうだ。
ダウ・ジョーンズの親会社である米メディア大手のニューズ・コーポレーションがグループ事業の見直しを進める中で浮上したとみられる。検討は途中段階で、最終的に売却に至らない可能性もあると報じられている。
一連の手続きは米金融大手のゴールドマン・サックスが関与して進められているという。売却先の候補として、金融大手モルガン・スタンレーの株価指数部門などの名前が取りざたされている。世界的な知名度のあるダウ平均は1896年に使われ始め、米国を代表する企業30社で構成する。
電気自動車、ホンダも参入 米で環境規制強化の動き、対応急ぐ
ホンダは電気自動車(EV)を開発し、2010年代前半をめどに米国市場に投入する。米オバマ政権が環境規制強化を打ち出しており、大手メーカーは排出ガスが出ないEVなどの販売を増やすよう求められる見通しのため。環境対応車では先行して普及し始めたハイブリッド車に続きトヨタ自動車、日産自動車を加えた国内3強が出そろい、米国のメーカーなども含めた競争激化が価格低下や普及を後押しする可能性がある。
車の開発を手掛ける本田技術研究所(栃木県芳賀町)が既に作業に着手。10月開催の東京モーターショーで試作車を公開する。車体は軽自動車並みの大きさ。生産技術などを手掛けるホンダエンジニアリング(同)も10年をめどに同研究所の隣接地に設備を設け、グループを挙げて商品化を急ぐ。発売時期は市場動向などをみて決める。
米クライスラー、北米トヨタ出身の副CEO退任へ 米紙報道
米クライスラーのジム・プレス副最高経営責任者(CEO)が11月末に退任する見通しとなった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)などが21日、報じた。プレス氏は2007年に北米トヨタ自動車社長からクライスラーに引き抜かれ話題を呼んだが、伊フィアットの傘下入りした新生クライスラーでの役割は小さくなっていた。
1970年に米国トヨタ販売(TMS)に入社したプレス氏は販売拡大に寄与。07年6月に日本人以外で初めてトヨタ本体の専務取締役に抜てきされた。だが同年9月にクライスラーに副会長兼社長として移籍。その直後にはTMS幹部のジム・ファーリー氏がフォード・モーター副社長に移籍するなど、トヨタの「人材流出」が話題になった。
プレス氏は販売統括としてクライスラーの再建に尽力したが、同社は今年4月に破産法を申請。資本・業務提携先のフィアットの傘下に入った後は、副CEOとしてマルキオーネCEOの補佐役を務めてきたが、販売統括など主要な役割は担っていなかった。
憲法改正 「国づくり」の基本を論じよう(8月22日付・読売社説)
この国をどの方向へ導こうとしているのか。各党の政権公約をみても、いま一つ判然としない、と感じている人は少なくないだろう。
「政権選択」の選挙だといわれる。とするなら、目指すべき社会の姿や国家の進路について各党の見解を聞く必要がある。そのためには、「国のかたち」とも言うべき憲法の論戦が不可欠だ。
しかし、選挙戦も終盤なのに、憲法改正論議がほとんど聞こえてこない。どうしたことか。
自民党は、政権公約でこそ、「自民党新憲法草案」に基づいて早期改正を実現する、と強調している。
だが、その自主憲法制定論も、麻生首相をはじめとする「景気対策最優先」の訴えの前に、かき消されがちだ。
民主党の鳩山代表は、改憲論者として知られる。だが、民主党の政権公約は、憲法問題について、「慎重かつ積極的に検討」すると書いている。前向きなのか、後ろ向きなのか。これでは有権者は戸惑うだけだろう。
社民党は、「護憲」一辺倒である。民主党が、社民党との選挙協力や連立協議の混乱、不調を恐れて憲法論議を忌避しているとすれば、極めて残念なことだ。
ただ、今回の選挙で当選する衆院議員は、憲法問題に、否応(いやおう)なく向き合うことになる。
憲法改正手続きを定めた国民投票法が来年5月には施行されるからだ。法律上は、憲法改正原案の国会提出が可能になる。
衆院選で各党が掲げている子育てや教育支援、雇用対策、地方分権などの公約も、憲法に深いかかわりをもっている。
選挙後は、インド洋での海上自衛隊による給油活動の継続の是非が、再び与野党の争点になる。こうした自衛隊の国際平和協力活動を憲法にどう明文化するかは、憲法改正の一つの論点である。
北朝鮮の弾道ミサイルに対処するため、集団的自衛権行使を禁ずる政府解釈を変更するかどうかも、避けて通れぬ政治課題だ。
選挙後の国会では、休眠状態にあった衆院憲法審査会を本格始動させなければならない。
読売新聞が先に実施した立候補予定者アンケートによれば、自民党では98%、民主党でも62%が、「今の憲法を改正する方がよい」と答えていた。
新しい「国づくり」に向けて、各党、候補者は、憲法について大いに論じ合うべきである。
ドコモはソニー・エリクソンからグーグル携帯を調達し、来年初めにも発売する。
ドコモは7月から日本初のグーグル携帯(台湾HTC製)を発売しており、これに続く導入となる。端末価格は未定だが、実質3万円前後で購入できるようにするとみられる。
ソニー・エリクソンは開発費の高騰などの理由から、08年夏モデルを最後にドコモ向けの端末供給を中止し、KDDI向けに絞り込んでいた。汎用OSを搭載するスマートフォンは基本仕様が世界共通で、日本語対応など最低限の追加コストで供給できることから再開する。
FF13はほぼ完成、今冬発売予定の「FINAL FANTASY XIII」の最新情報が明らかに
ドイツで行われているヨーロッパ最大級のゲーム業界の見本市「GamesCom」において、2009年冬に発売される予定となっているスクウェア・エニックスのRPGソフト「ファイナルファンタジー13」の最新情報が明らかになった。
プロデューサーの北瀬佳範氏とシナリオを担当するディレクターの鳥山求氏へのインタビューによると、2009年冬にPS3向けに発売される予定となっている国内版FF13の制作状況は90パーセントが完成した状態だそうだ。また、海外向けに発売される予定のXbox360バージョンはおよそ70パーセントが完成しているとのこと。
90パーセントが完成しているということは、年末商戦に間に合う可能性がある。もし年内に発売されるのであれば、クリスマス商戦に加えてPS3本体が値下がりしたことも相まって、大きな売り上げが見込めそうだ。
書籍デジタル化に異議 米MSなど、グーグルに対抗
ソフトウエア最大手の米マイクロソフト(MS)は21日、米ネット検索大手グーグルが進める書籍のデジタル化計画に異議を申し立てる予定であることを明らかにした。米メディアによると、米インターネット検索大手ヤフーとネット小売りのアマゾン・コムも同調する方向という。
MSなどは、米国の図書館関連団体などで組織する「オープンブックアライアンス」に参加、グーグルの動きに反対する。訴訟を検討するほか、米司法省などに調査を促す。
グーグルは昨年10月、一定の著作権料を支払った上で書籍のデジタル化を進める内容で米国の作家らと合意した。反対陣営は、デジタル化された書籍を図書館などが利用する際の料金について、デジタル書籍分野で独占的な立場にあるグーグルが一方的に決定することになると主張している。
「社員引き抜き自粛を」アップルの要請、パーム側が拒否
2年前、電子機器大手アップルのジョブズCEO(最高経営責任者)が、競合する米パームに互いの社員の引き抜きに自制を呼びかけ、パームのエド・コリガンCEO(当時)がこれを拒否していたことが分かった。ブルームバーグ・ニュースが両氏の意見交換記録の文書を精査し、明らかにした。
両氏がぶつかったのは、携帯端末の開発競争が激化した2007年8月のことだ。その2カ月前にはアップルが「iPhone(アイフォーン)」を発売。それとほぼ同時期に、パームがアップルの幹部ジョン・ルービンシュタイン氏を採用し、新規スマートフォン(多機能携帯端末)の開発を指揮する取締役会長に据えた。
ルービンシュタイン氏はアップルのノートパソコン開発を担った人物で、15年以上もジョブズ氏とともにアップルを支えたてきた。06年に同社を去る直前には「iPod(アイポッド)」開発部門の責任者であった。
意見交換記録によると、ジョブズCEOは、パームに移ったルービンシュタイン氏がアップルの社員を引き抜いているとの懸念を表明、互いの社員の採用自粛をコリガン氏に提案した。これに対しコリガン氏は「個々の従業員の希望を無視するもので、不適切というだけでなく法律に触れる可能性もある」として拒否したという。
ジョブズ氏の提案内容の詳細までは分からないが、ジョブズ氏は「最終的に法廷で争うことになっても、アップルには特許権があり、パームよりも潤沢な資金がある」と述べた。
ともにシリコンバレーに拠点を置く両社の間では、これまでも多くの人材の移動があった。しかし、今回判明したやり取りからは、ルービンシュタイン氏を迎えたことでパームの業績が好転し、アップルとパームの関係に緊張が高まった経緯が浮き彫りになった。
その後、ルービンシュタイン氏の指揮のもとでパームは携帯端末用の基本ソフト(OS)「Web OS」を開発。6月には新機種「プレ」を発売し、スマートフォン市場で「iPhone」に対抗している。1月に「プレ」の仕様が明らかになった際、アップルのティム・クックCOO(最高執行責任者)は、iPhoneの特徴を模倣する企業は看過しないと述べ、アップルの知的財産を守るために「使える武器は全部使う」と牽制(けんせい)した。
DRAM世界シェア、韓国2社で55.8%
市場調査会社のアイサプライによると、DRAM市場におけるサムスン電子の4-6月期の売上高は15億4000万ドル(約1450億円)に達し、世界シェアは1位の34.1%だった。2位のハイニックス半導体(21.7%)を合わせると、両社のシェアは55.8%に達し、過去最高だった今年1-3月期(55.5%)を上回った。
4-6月期のDRAM市場の規模は、1-3月期に比べ34%拡大した。この間にサムスン電子とハイニックス半導体の増収率はそれぞれ35.0%、36.8%に達した。半導体市場が回復軌道に乗る中、韓国メーカーの競争力を見せつけた格好だ。
市況も好転し、DRAM価格は年初より74%上昇した。パソコンや携帯電話端末など完成品メーカーが下期のDRAM確保に乗り出し、需要が拡大したためだ。アイサプライは当初、DRAM出荷量が4-6月期に6.2%増加すると予想していたが、実際には14%増加した。
「ダウ平均」売却検討 ダウ・ジョーンズの株指数算出部門
米経済情報大手のダウ・ジョーンズが株価指数のダウ工業株30種平均などを算出する部門の売却を検討していることが分かった。同社の傘下にある米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が21日伝えた。売却が決まれば、株価指数をめぐるビジネスの勢力図にも影響を与えそうだ。
ダウ・ジョーンズの親会社である米メディア大手のニューズ・コーポレーションがグループ事業の見直しを進める中で浮上したとみられる。検討は途中段階で、最終的に売却に至らない可能性もあると報じられている。
一連の手続きは米金融大手のゴールドマン・サックスが関与して進められているという。売却先の候補として、金融大手モルガン・スタンレーの株価指数部門などの名前が取りざたされている。世界的な知名度のあるダウ平均は1896年に使われ始め、米国を代表する企業30社で構成する。
電気自動車、ホンダも参入 米で環境規制強化の動き、対応急ぐ
ホンダは電気自動車(EV)を開発し、2010年代前半をめどに米国市場に投入する。米オバマ政権が環境規制強化を打ち出しており、大手メーカーは排出ガスが出ないEVなどの販売を増やすよう求められる見通しのため。環境対応車では先行して普及し始めたハイブリッド車に続きトヨタ自動車、日産自動車を加えた国内3強が出そろい、米国のメーカーなども含めた競争激化が価格低下や普及を後押しする可能性がある。
車の開発を手掛ける本田技術研究所(栃木県芳賀町)が既に作業に着手。10月開催の東京モーターショーで試作車を公開する。車体は軽自動車並みの大きさ。生産技術などを手掛けるホンダエンジニアリング(同)も10年をめどに同研究所の隣接地に設備を設け、グループを挙げて商品化を急ぐ。発売時期は市場動向などをみて決める。
米クライスラー、北米トヨタ出身の副CEO退任へ 米紙報道
米クライスラーのジム・プレス副最高経営責任者(CEO)が11月末に退任する見通しとなった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)などが21日、報じた。プレス氏は2007年に北米トヨタ自動車社長からクライスラーに引き抜かれ話題を呼んだが、伊フィアットの傘下入りした新生クライスラーでの役割は小さくなっていた。
1970年に米国トヨタ販売(TMS)に入社したプレス氏は販売拡大に寄与。07年6月に日本人以外で初めてトヨタ本体の専務取締役に抜てきされた。だが同年9月にクライスラーに副会長兼社長として移籍。その直後にはTMS幹部のジム・ファーリー氏がフォード・モーター副社長に移籍するなど、トヨタの「人材流出」が話題になった。
プレス氏は販売統括としてクライスラーの再建に尽力したが、同社は今年4月に破産法を申請。資本・業務提携先のフィアットの傘下に入った後は、副CEOとしてマルキオーネCEOの補佐役を務めてきたが、販売統括など主要な役割は担っていなかった。
憲法改正 「国づくり」の基本を論じよう(8月22日付・読売社説)
この国をどの方向へ導こうとしているのか。各党の政権公約をみても、いま一つ判然としない、と感じている人は少なくないだろう。
「政権選択」の選挙だといわれる。とするなら、目指すべき社会の姿や国家の進路について各党の見解を聞く必要がある。そのためには、「国のかたち」とも言うべき憲法の論戦が不可欠だ。
しかし、選挙戦も終盤なのに、憲法改正論議がほとんど聞こえてこない。どうしたことか。
自民党は、政権公約でこそ、「自民党新憲法草案」に基づいて早期改正を実現する、と強調している。
だが、その自主憲法制定論も、麻生首相をはじめとする「景気対策最優先」の訴えの前に、かき消されがちだ。
民主党の鳩山代表は、改憲論者として知られる。だが、民主党の政権公約は、憲法問題について、「慎重かつ積極的に検討」すると書いている。前向きなのか、後ろ向きなのか。これでは有権者は戸惑うだけだろう。
社民党は、「護憲」一辺倒である。民主党が、社民党との選挙協力や連立協議の混乱、不調を恐れて憲法論議を忌避しているとすれば、極めて残念なことだ。
ただ、今回の選挙で当選する衆院議員は、憲法問題に、否応(いやおう)なく向き合うことになる。
憲法改正手続きを定めた国民投票法が来年5月には施行されるからだ。法律上は、憲法改正原案の国会提出が可能になる。
衆院選で各党が掲げている子育てや教育支援、雇用対策、地方分権などの公約も、憲法に深いかかわりをもっている。
選挙後は、インド洋での海上自衛隊による給油活動の継続の是非が、再び与野党の争点になる。こうした自衛隊の国際平和協力活動を憲法にどう明文化するかは、憲法改正の一つの論点である。
北朝鮮の弾道ミサイルに対処するため、集団的自衛権行使を禁ずる政府解釈を変更するかどうかも、避けて通れぬ政治課題だ。
選挙後の国会では、休眠状態にあった衆院憲法審査会を本格始動させなければならない。
読売新聞が先に実施した立候補予定者アンケートによれば、自民党では98%、民主党でも62%が、「今の憲法を改正する方がよい」と答えていた。
新しい「国づくり」に向けて、各党、候補者は、憲法について大いに論じ合うべきである。
NTTドコモ、スマートフォン拡充 「グーグル携帯」など
NTTドコモは携帯電話機世界第2位の韓国サムスン電子と同5位の英ソニー・エリクソンからパソコンに近い性能を持つスマートフォン(高機能携帯電話)を調達する。現在は東芝など4社から調達しているが、来年初めにも2社の製品を1機種ずつ発売する。2008年度の国内の携帯電話出荷台数は前年度比で3割減ったが、スマートフォンは5割増。成長分野の品ぞろえを強化し、シェア拡大と収益力向上を目指す。
サムスンから調達するのは、米マイクロソフトの携帯向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズモバイル」を搭載した機種。サムスンはソフトバンクモバイルに現在、通常の携帯電話5機種を供給しているが、海外で30機種以上販売するスマートフォンを日本市場に投入するのは初めて。
「3D家電」商戦本格化…対応テレビ、来年登場
映像が飛び出して見える3D(3次元)映画が脚光を浴びている。
パナソニックと20世紀フォックス映画は21日、年末公開予定の実写版3D映画の映像を公開した。
パナソニックは来年中に家庭用3Dテレビや3Dに対応したブルーレイレコーダーを投入する考えで、ソニーなども歩調を合わせる見通しだ。米国での人気が火付け役となり、国内メーカーを巻き込んだ「3D商戦」が本格化しそうだ。
21日に映像が公開されたのは、「タイタニック」で知られるジェームズ・キャメロン監督のSF映画「アバター」だ。専用メガネをかけると、登場人物が浮き出して見え、その場にいるかのような臨場感がある。本格的な実写版3D映画として注目を集めており、パナソニックは技術面で協力した。
映画の本場、米国では2008年ごろから3D映画の公開が増えた。日本でも今夏、ウォルト・ディズニーの3Dアニメ映画「ボルト」が公開された。
◆単価アップ狙う◆
3D映画の普及に向けて、電機などの関連業界も協力体制を整える。ソニーやパナソニック、ディズニーなど電機、映画会社で作る業界団体は、年内にも3D対応ブルーレイの国際的な標準規格を決める方針だ。パナソニックは10年中に、3Dに対応したプラズマテレビ、ブルーレイレコーダーを商品化する。西口史郎役員は「今年は3D映画元年。10年は家庭での3Dテレビ元年にしたい」と意気込む。
ソニーも、3D映画撮影用カメラや映写装置などに力を入れており、液晶テレビやゲーム機を中心に事業化を検討している模様だ。
3D映像に映画業界が力を入れるのは、高画質なハイビジョン映像による3Dが可能になったことに加え、観客動員が伸び悩む中、通常よりも料金設定を高くできるためだ。家電業界も激しい価格競争に苦しんでおり、3Dで付加価値を高め、デジタル家電の単価アップにつなげたい考えだ。
NY原油が上昇、73ドル台 一時10カ月ぶり高値に
【NQNニューヨーク=古江敦子】21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は上昇。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)でこの日から期近物となった10月物は前日比0.98ドル高の1バレル73.89ドルで終えた。一時74.72ドルまで上昇し、期近物として昨年10月21日以来10カ月ぶりの高値を付けた。世界景気の回復への期待が強まったことから、買いが優勢だった。
金融情報会社マークイットがまとめた8月のユーロ圏の製造業とサービス業の購買担当者景気指数(PMI、速報値)が前月比で上昇した。米国では7月の中古住宅販売件数が前月比で4カ月連続で増加した。経済指標の改善を背景に米欧の株式相場が堅調に推移する中、先行きの原油需要が増加するとの思惑が広がった。
外国為替市場でドルが対ユーロで下落したことも、ドル建てで取引される原油の割安感を誘い、買いにつながった。この日の安値は72.03ドル。
東京都、社会福祉法人の再編促す 経営基準を検討
東京都は保育園や特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人の事業再編に取り組む。経営の健全度を測る独自の基準を設け、経営不振の法人に合併や事業譲渡の受け皿を紹介する制度を2011年度にも導入する。小規模で基盤が弱い社会福祉法人の経営を改善し、利用者に影響が出る事態を未然に防ぐ狙い。
学識経験者や公認会計士などで構成する「社会福祉法人経営適正化検討会」を設立。売上高人件費比率、負債比率など法人の財務状況や、理事会の意思決定など組織運営の適正さを見極める基準を検討する。09年度中に試案をつくる。
米農地価格、22年ぶり下落 穀物値下がり、農家向け融資細る
【シカゴ=毛利靖子】世界的な食料高騰などを背景に上昇を続けてきた米国の農地価格が22年ぶりに下落に転じた。金融・経済危機の影響で穀物が値下がりしているためで、穀倉地帯の米中西部ではなお下落基調が続いている。作物価格の有力な先行指標である農地の下落を受け、米農家が消費や経営規模の拡大にさらに慎重になる可能性がある。
米農務省によると、耕作地や牧草地、関連施設の平均価格は2009年1月1日時点で1エーカー(約0.4ヘクタール)当たりで2100ドル。過去最高を記録した1年前に比べて約3%下落した。農地が値下がりに転じるのは1987年以来となる。穀物の値上がり期待から、農地を買収してきた投資ファンドが金融危機で打撃を受けた。
NY証取、トレーダーが初のジーンズ姿 ギャップ40周年記念で
【ニューヨーク=河内真帆】ニューヨーク証券取引所(NYSE)で21日、フロアのトレーダーが初めてジーンズ姿で取引に臨んだ。米衣料チェーン最大手ギャップが創業40周年を記念し、今秋新発売する「1969プレミアム・デニム・ジーンズ」を、販促活動の一環としてトレーダーに配った。同社は1997年にもカーキーパンツの発売を記念して配布したことがある。
1800年代にはトレーダーがトップハットにチョウネクタイを締めた正装で取引していたほど、NYSEのフロアは保守的な場として知られる。現在でも取引の際はジャケット着用が原則だ。
この日は12のスタイルのジーンズを、1200人のトレーダーに配った。終業のカネはギャップ北米部門のトップと、創業一族のフィッシャー家のメンバーが壇上で鳴らした。
タミフル、日本向けに改良 中外製薬、10月出荷へ
スイス製薬大手ロシュ子会社の中外製薬は10月をメドに、日本向けに改良したインフルエンザ治療薬「タミフル」を出荷する。これまでタミフルは全量を輸入し、国内では日本向けの包装などの加工だけだったが、初めて国内で製造する。高温多湿の日本に合わせて吸湿しにくいように改良した粉末タイプで、患者は水に混ぜて服用する。品質の劣化をおさえることで現在2年間の有効期限を3年間に延長する。
国内で製造するのは小児や高齢者でも飲みやすいように水に混ぜて飲む粉末状の「ドライシロップ」と呼ばれるタイプ。藤枝工場(静岡県藤枝市)に製造ラインを新設した。生産能力は最大で月間50万人分。タミフルの有効成分をスイスから輸入し、日本で添加物を混ぜて製品化する。現在はドライシロップをスイスから輸入して日本で瓶詰めしているが、国産に順次切り替える。
自民支持層、揺らぐ 日経世論調査、「比例で投票」75%どまり
衆院選を控え、自民党の支持基盤が揺らいでいる。日本経済新聞社が18日~20日に実施した世論調査によると、自民党支持層のうち、衆院選の比例代表で自民に投票すると答えたのは75%にとどまり、10%は民主党に投票するとした。民主支持層の89%が民主に投票すると答えたのとは対照的だった。選挙戦の現場でも、支援者が盛り上がらないという嘆きが聞こえてくる。
「関係団体もフルに動いてくれて、雰囲気もいい。なのに、世論調査の数字は悪い。どうしたらいいんだ」。東北地方の自民ベテラン候補は首をかしげる。
世論調査では、内閣支持率は20%で7月下旬の緊急調査と同じだった。不支持率は9ポイント低い62%。民主党の支持率は38%で2ポイント低下し、自民党も29%で1ポイント下がった。ここ数カ月、この状況は続いているが「衆院選の投票先」を聞くと、支持率以上の大きな差がついてしまう。
民主・鳩山氏「地位協定の改定も必要」 6党首討論
与野党の6党首は21日、テレビ東京番組の収録で、外交・安全保障政策を巡って討論した。民主党の鳩山由紀夫代表は日米関係について「オバマ大統領が対話協調路線に転じており、対等な日米関係を築けるタイミングだ」と強調。日米地位協定についても「基本的には改定も必要だ」と述べ、政権を獲得すれば、日米同盟の包括的な見直しの中で検討していく考えを明らかにした。
日本が米国の核の傘の下にあることについては「北朝鮮の情勢をみればやむを得ない。今すぐ核の傘から出るべきだとは主張するつもりはない」と語った。
麻生太郎首相(自民党総裁)は民主党が米国に核兵器の先制不使用を求める方針を示したことについて「日本と同盟を持つ米国に核の先制不使用を言うのは、日本の安全を考える上で現実的ではない」と述べ、北朝鮮が核実験をしたことなどを挙げて反対する考えを示した。
日立再建 脱・総合電機への険しい道(読売社説)
日立製作所が「総合電機」の路線から転換し、復活を目指す。大胆な改革で、収益力を向上させることが急務だ。
日立は、日立マクセルなど上場子会社5社に対し、株式公開買い付け(TOB)を開始した。5~7割の出資比率を100%に引き上げ、今年度内に完全子会社化する方針である。
日立は今年3月期決算で、国内企業で最大の7873億円の連結最終赤字となった。今期も巨額赤字が予想される。
重厚長大を代表する日本のトップ企業だった日立が、新興国企業の追い上げなど、激変する経営環境への対応につまずき、業績低迷から抜け出せない。
原子力発電から半導体、家電まで、何でも手がける「総合電機」は、総花的な経営を招き、苦境に陥る要因になったといえよう。
日立本社とは対照的に、日立マクセルなど5社は、ハイブリッド車向けのリチウムイオン電池や、次世代情報システムなど有望な成長ビジネスを手がける。
好調な子会社を完全に取り込み、日立グループの底上げを狙うのは妥当な判断だろう。
これを機に、事業の「選択と集中」を進め、総合電機からの脱却に弾みをつける必要がある。
親会社と子会社がともに上場する「親子上場」は、日本企業独特の経営手法とされる。日立がこれを見直す利点は、5社が稼いだ利益を少数株主への配当などでグループ外に流出させず、収益増を期待できることだ。
しかし、巨艦・日立が業績を早期に回復できるかどうか、展望は不透明だ。5社を囲い込んでも、巨額赤字の穴埋めには、とても及ばないからだ。甘い企業体質の抜本的な改革が欠かせない。
日立の上場子会社は、5社以外にも11社あり、連結子会社は900社超に上る。
巨大グループに分散する重複事業を再編して、効率化を図り、経営資源を成長分野に集中できるかどうか。赤字事業からの撤退、非中核部門の子会社売却など、課題は山積している。
リストラ頼みで事業を縮小するだけではなく、技術革新などで競争力を回復し、収益基盤を強化することが大事だ。
こうした日立の試みは、世界不況の克服をめざす日本の産業界にとっても教訓になる。
新興国市場の急成長など、世界が激動する中、新たな成長戦略を描き、有望な事業拡大に先手を打つ姿勢が各社に求められよう。
NTTドコモは携帯電話機世界第2位の韓国サムスン電子と同5位の英ソニー・エリクソンからパソコンに近い性能を持つスマートフォン(高機能携帯電話)を調達する。現在は東芝など4社から調達しているが、来年初めにも2社の製品を1機種ずつ発売する。2008年度の国内の携帯電話出荷台数は前年度比で3割減ったが、スマートフォンは5割増。成長分野の品ぞろえを強化し、シェア拡大と収益力向上を目指す。
サムスンから調達するのは、米マイクロソフトの携帯向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズモバイル」を搭載した機種。サムスンはソフトバンクモバイルに現在、通常の携帯電話5機種を供給しているが、海外で30機種以上販売するスマートフォンを日本市場に投入するのは初めて。
「3D家電」商戦本格化…対応テレビ、来年登場
映像が飛び出して見える3D(3次元)映画が脚光を浴びている。
パナソニックと20世紀フォックス映画は21日、年末公開予定の実写版3D映画の映像を公開した。
パナソニックは来年中に家庭用3Dテレビや3Dに対応したブルーレイレコーダーを投入する考えで、ソニーなども歩調を合わせる見通しだ。米国での人気が火付け役となり、国内メーカーを巻き込んだ「3D商戦」が本格化しそうだ。
21日に映像が公開されたのは、「タイタニック」で知られるジェームズ・キャメロン監督のSF映画「アバター」だ。専用メガネをかけると、登場人物が浮き出して見え、その場にいるかのような臨場感がある。本格的な実写版3D映画として注目を集めており、パナソニックは技術面で協力した。
映画の本場、米国では2008年ごろから3D映画の公開が増えた。日本でも今夏、ウォルト・ディズニーの3Dアニメ映画「ボルト」が公開された。
◆単価アップ狙う◆
3D映画の普及に向けて、電機などの関連業界も協力体制を整える。ソニーやパナソニック、ディズニーなど電機、映画会社で作る業界団体は、年内にも3D対応ブルーレイの国際的な標準規格を決める方針だ。パナソニックは10年中に、3Dに対応したプラズマテレビ、ブルーレイレコーダーを商品化する。西口史郎役員は「今年は3D映画元年。10年は家庭での3Dテレビ元年にしたい」と意気込む。
ソニーも、3D映画撮影用カメラや映写装置などに力を入れており、液晶テレビやゲーム機を中心に事業化を検討している模様だ。
3D映像に映画業界が力を入れるのは、高画質なハイビジョン映像による3Dが可能になったことに加え、観客動員が伸び悩む中、通常よりも料金設定を高くできるためだ。家電業界も激しい価格競争に苦しんでおり、3Dで付加価値を高め、デジタル家電の単価アップにつなげたい考えだ。
NY原油が上昇、73ドル台 一時10カ月ぶり高値に
【NQNニューヨーク=古江敦子】21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は上昇。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)でこの日から期近物となった10月物は前日比0.98ドル高の1バレル73.89ドルで終えた。一時74.72ドルまで上昇し、期近物として昨年10月21日以来10カ月ぶりの高値を付けた。世界景気の回復への期待が強まったことから、買いが優勢だった。
金融情報会社マークイットがまとめた8月のユーロ圏の製造業とサービス業の購買担当者景気指数(PMI、速報値)が前月比で上昇した。米国では7月の中古住宅販売件数が前月比で4カ月連続で増加した。経済指標の改善を背景に米欧の株式相場が堅調に推移する中、先行きの原油需要が増加するとの思惑が広がった。
外国為替市場でドルが対ユーロで下落したことも、ドル建てで取引される原油の割安感を誘い、買いにつながった。この日の安値は72.03ドル。
東京都、社会福祉法人の再編促す 経営基準を検討
東京都は保育園や特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人の事業再編に取り組む。経営の健全度を測る独自の基準を設け、経営不振の法人に合併や事業譲渡の受け皿を紹介する制度を2011年度にも導入する。小規模で基盤が弱い社会福祉法人の経営を改善し、利用者に影響が出る事態を未然に防ぐ狙い。
学識経験者や公認会計士などで構成する「社会福祉法人経営適正化検討会」を設立。売上高人件費比率、負債比率など法人の財務状況や、理事会の意思決定など組織運営の適正さを見極める基準を検討する。09年度中に試案をつくる。
米農地価格、22年ぶり下落 穀物値下がり、農家向け融資細る
【シカゴ=毛利靖子】世界的な食料高騰などを背景に上昇を続けてきた米国の農地価格が22年ぶりに下落に転じた。金融・経済危機の影響で穀物が値下がりしているためで、穀倉地帯の米中西部ではなお下落基調が続いている。作物価格の有力な先行指標である農地の下落を受け、米農家が消費や経営規模の拡大にさらに慎重になる可能性がある。
米農務省によると、耕作地や牧草地、関連施設の平均価格は2009年1月1日時点で1エーカー(約0.4ヘクタール)当たりで2100ドル。過去最高を記録した1年前に比べて約3%下落した。農地が値下がりに転じるのは1987年以来となる。穀物の値上がり期待から、農地を買収してきた投資ファンドが金融危機で打撃を受けた。
NY証取、トレーダーが初のジーンズ姿 ギャップ40周年記念で
【ニューヨーク=河内真帆】ニューヨーク証券取引所(NYSE)で21日、フロアのトレーダーが初めてジーンズ姿で取引に臨んだ。米衣料チェーン最大手ギャップが創業40周年を記念し、今秋新発売する「1969プレミアム・デニム・ジーンズ」を、販促活動の一環としてトレーダーに配った。同社は1997年にもカーキーパンツの発売を記念して配布したことがある。
1800年代にはトレーダーがトップハットにチョウネクタイを締めた正装で取引していたほど、NYSEのフロアは保守的な場として知られる。現在でも取引の際はジャケット着用が原則だ。
この日は12のスタイルのジーンズを、1200人のトレーダーに配った。終業のカネはギャップ北米部門のトップと、創業一族のフィッシャー家のメンバーが壇上で鳴らした。
タミフル、日本向けに改良 中外製薬、10月出荷へ
スイス製薬大手ロシュ子会社の中外製薬は10月をメドに、日本向けに改良したインフルエンザ治療薬「タミフル」を出荷する。これまでタミフルは全量を輸入し、国内では日本向けの包装などの加工だけだったが、初めて国内で製造する。高温多湿の日本に合わせて吸湿しにくいように改良した粉末タイプで、患者は水に混ぜて服用する。品質の劣化をおさえることで現在2年間の有効期限を3年間に延長する。
国内で製造するのは小児や高齢者でも飲みやすいように水に混ぜて飲む粉末状の「ドライシロップ」と呼ばれるタイプ。藤枝工場(静岡県藤枝市)に製造ラインを新設した。生産能力は最大で月間50万人分。タミフルの有効成分をスイスから輸入し、日本で添加物を混ぜて製品化する。現在はドライシロップをスイスから輸入して日本で瓶詰めしているが、国産に順次切り替える。
自民支持層、揺らぐ 日経世論調査、「比例で投票」75%どまり
衆院選を控え、自民党の支持基盤が揺らいでいる。日本経済新聞社が18日~20日に実施した世論調査によると、自民党支持層のうち、衆院選の比例代表で自民に投票すると答えたのは75%にとどまり、10%は民主党に投票するとした。民主支持層の89%が民主に投票すると答えたのとは対照的だった。選挙戦の現場でも、支援者が盛り上がらないという嘆きが聞こえてくる。
「関係団体もフルに動いてくれて、雰囲気もいい。なのに、世論調査の数字は悪い。どうしたらいいんだ」。東北地方の自民ベテラン候補は首をかしげる。
世論調査では、内閣支持率は20%で7月下旬の緊急調査と同じだった。不支持率は9ポイント低い62%。民主党の支持率は38%で2ポイント低下し、自民党も29%で1ポイント下がった。ここ数カ月、この状況は続いているが「衆院選の投票先」を聞くと、支持率以上の大きな差がついてしまう。
民主・鳩山氏「地位協定の改定も必要」 6党首討論
与野党の6党首は21日、テレビ東京番組の収録で、外交・安全保障政策を巡って討論した。民主党の鳩山由紀夫代表は日米関係について「オバマ大統領が対話協調路線に転じており、対等な日米関係を築けるタイミングだ」と強調。日米地位協定についても「基本的には改定も必要だ」と述べ、政権を獲得すれば、日米同盟の包括的な見直しの中で検討していく考えを明らかにした。
日本が米国の核の傘の下にあることについては「北朝鮮の情勢をみればやむを得ない。今すぐ核の傘から出るべきだとは主張するつもりはない」と語った。
麻生太郎首相(自民党総裁)は民主党が米国に核兵器の先制不使用を求める方針を示したことについて「日本と同盟を持つ米国に核の先制不使用を言うのは、日本の安全を考える上で現実的ではない」と述べ、北朝鮮が核実験をしたことなどを挙げて反対する考えを示した。
日立再建 脱・総合電機への険しい道(読売社説)
日立製作所が「総合電機」の路線から転換し、復活を目指す。大胆な改革で、収益力を向上させることが急務だ。
日立は、日立マクセルなど上場子会社5社に対し、株式公開買い付け(TOB)を開始した。5~7割の出資比率を100%に引き上げ、今年度内に完全子会社化する方針である。
日立は今年3月期決算で、国内企業で最大の7873億円の連結最終赤字となった。今期も巨額赤字が予想される。
重厚長大を代表する日本のトップ企業だった日立が、新興国企業の追い上げなど、激変する経営環境への対応につまずき、業績低迷から抜け出せない。
原子力発電から半導体、家電まで、何でも手がける「総合電機」は、総花的な経営を招き、苦境に陥る要因になったといえよう。
日立本社とは対照的に、日立マクセルなど5社は、ハイブリッド車向けのリチウムイオン電池や、次世代情報システムなど有望な成長ビジネスを手がける。
好調な子会社を完全に取り込み、日立グループの底上げを狙うのは妥当な判断だろう。
これを機に、事業の「選択と集中」を進め、総合電機からの脱却に弾みをつける必要がある。
親会社と子会社がともに上場する「親子上場」は、日本企業独特の経営手法とされる。日立がこれを見直す利点は、5社が稼いだ利益を少数株主への配当などでグループ外に流出させず、収益増を期待できることだ。
しかし、巨艦・日立が業績を早期に回復できるかどうか、展望は不透明だ。5社を囲い込んでも、巨額赤字の穴埋めには、とても及ばないからだ。甘い企業体質の抜本的な改革が欠かせない。
日立の上場子会社は、5社以外にも11社あり、連結子会社は900社超に上る。
巨大グループに分散する重複事業を再編して、効率化を図り、経営資源を成長分野に集中できるかどうか。赤字事業からの撤退、非中核部門の子会社売却など、課題は山積している。
リストラ頼みで事業を縮小するだけではなく、技術革新などで競争力を回復し、収益基盤を強化することが大事だ。
こうした日立の試みは、世界不況の克服をめざす日本の産業界にとっても教訓になる。
新興国市場の急成長など、世界が激動する中、新たな成長戦略を描き、有望な事業拡大に先手を打つ姿勢が各社に求められよう。
「PS3」ようやく値下げ SCEの勝算と課題(COLUMN)
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は19日、小型・軽量化した新型「プレイステーション3(PS3)」を発表した。日本では300万台を超えたところで伸び悩んでいるPS3だが、全体に盛り上がりを欠く家庭用ゲーム機市場にどのようなインパクトを与えるだろうか。
国内では9月3日から価格を現行より1万円引き下げて2万9980円で販売する。19日に都内で会見したSCEジャパンのプレジデント、ショーン・レイデン氏は「今からが、年末商戦のつもりで挑む」と覚悟を語った。
■欧州で発表した理由
新型PS3は、独ケルンで19日に開幕したゲーム見本市「2009 GamesCom expo」に合わせ、18日に現地の会見でお披露目された。SCEにとって欧州は、ゲーム機競争の今後の趨勢を決定づける重要な市場になっている。世界のなかで欧州を最初の発表場所として選んだのは、それだけ同市場を重視していることの表れだろう。
PS3は現行世代の家庭用ゲーム機の日米欧合計シェアで、3位という位置から抜け出せないでいる。過去のハードウエア競争では、何とか収益を出せるのは2位までであり、3位で赤字から抜け出すのは難しい。
任天堂「Wii」は日米欧の各市場で首位に立ち、すでに5000万台以上を出荷している(各種データより筆者推計、以下同じ)。Wiiのこの世代での優位はほぼ決定的となりつつある。
2位のマイクロソフト「Xbox360」は、日本では110万台程度しか販売できていないが、世界合計では3000万台を超えている。一方、PS3は世界で2370万台にとどまる。
特に苦しいのは北米市場で、Xbox360の1800万台に対して、PS3は900万台とダブルスコアの差を付けられている。
今のSCEにとって欧州は、Xbox360と互角に2位を争えている唯一の海外主要市場だ。Xbox360の1200万台に対して、PS3は1000万台と善戦している。2008年1月当時、欧州法人SCEEからは「08年夏にはXbox360を追い抜く」という威勢のいい発言が聞こえていた。
しかし、実際には08年9月にマイクロソフトが299ユーロのモデルを主力とする実質的な値下げ戦略を打ち出し、399ユーロのPS3は年末商戦まで勢いを持続できずに終わった。
ゲームソフト会社からは、「PS3の競争力回復のためには、一刻も早い値下げが必要」という声が上がっていた。19日の日本での発表会見場でも、記者団からレーデン氏に「1年前にこの価格が出せればもっとインパクトがあったのでは?」という質問が相次いだ。
しかし現実問題として、それは不可能だっただろう。SCEの戦略はPS、PS2とまったく同じで、ムーアの法則による技術革新に合わせてハードをコンパクト化して値下げしていく手法だからだ。PS2の小型機が発売されたのは、今回同様に初代機からほぼ3年後であった。
■チップの小型化が可能にした値下げ
今回の新型PS3の低価格化は、心臓部となるマイクロプロセッサー「Cell」チップに回路線幅45ナノメートルのより微細な加工技術を導入し、サイズを縮小したことで実現したものだ。チップサイズが小さくなれば、それだけ製造原価を下げられる。06年11月に発売した初代PS3は90ナノで、07年11月の値下げバージョンは65ナノだった。
新型PS3がハード単体で黒字化したかどうかについて、会見したレーデン氏は言及を避けたが、SCEとしてはかなりぎりぎりの価格設定で挑んでいると推測できる。米国の299ドル、欧州の299ユーロという価格は、普及が大きく進む「マジックプライス」とも言われており、欧州では再び攻勢に出る大きなきっかけになると思われる。
■日本市場はソフト不足
一方、PS3には課題も多い。特に日本では市場を牽引するソフトが不足している。
レイデン氏はソフト戦略については、「東京ゲームショウで明らかにする」と述べた。初日の9月24日に平井一夫社長兼グループCEOの基調講演が予定されており、その場で新たな発表があるとみられるが、現状ではコマ不足は否めない。
PS3向けタイトルで質の高さが評価されているのは、Xbox360とのマルチプラットフォーム展開が必要ないSCE傘下の開発会社のゲームだ。PS3のパフォーマンスをフルに使いこなせる段階にようやく到達しつつあり、実際クオリティーは高い。
今後発売される新作では、米国法人SCEAが開発している「Uncharted 2」「God of War 3」、SCEEが開発している「リトルビッグプラネット」の追加コンテンツ「Underwater」といったタイトルが期待できるだろう。
一方、サードパーティーのタイトルで確実なヒットが見込めるのは、前作で1000万本以上を売った「Call of Duty: Modern Warfare 2」(アクティビジョン、PS3、Xbox360、日本発売未定)だ。ただし、マルチプラットフォーム対応であるため、必ずしもPS3だけの追い風となるわけではない。
日本市場での最大の問題は、これらの大型タイトルがいずれも欧米テイストのゲーム、いわゆる「洋ゲー」である点だ。日本製では、「ファイナルファンタジーXIII」(スクウェア・エニックス)の発売を待たなければならない状況だが、まだ発売日は見えていない。
SCEは過去にも欧米テイストのタイトルを日本で成功させるマーケティングに手を焼いたが、PS3巻き返しという勝負がかかった今回はまさにその力量が問われることになる。
■周辺機器の「格差」が招くデメリット
もう1つの課題として挙げられるのは、周辺機器の問題だ。PS3のプレー体験をリッチにするにはいくつかの周辺機器が必要だが、追加で買うにはそこそこの出費がかかる。その結果、ユーザーの周辺機器環境にかなりばらつきが出ている。
オンラインで他のユーザーとプレーできるサービス「アドホックパーティ」が人気を集めているが、遊んでいるとその「格差」の存在を感じる。周辺機器環境のあるなしによって、ユーザーの意思疎通能力に露骨な差が出てしまうのだ。
例えばボイスチャットをするには、公式な周辺機器では「ワイヤレスヘッドセット」か「PlayStation Eye」、テキスト入力するためにはコントローラーに接続する「ワイヤレスキーパッド」が必要だが、いずれも5000円程度する。
実際には公式な機器でなくとも、パソコン用の廉価なUSBヘッドセットやキーボードで使用できるのだが、公式のサポートページには何の情報も掲載されていない。そのため、ボイスチャットやテキスト入力ができないまま我慢して遊んでいるユーザーもいるのではないか。
周辺機器がないと、仮想空間サービスの「PlayStation Home」や「メタルギアオンライン」(コナミ)などのタイトルを遊んでいても、露骨にストレスを感じる。ユーザー間の周辺機器環境が統一されていないことでプレーに無駄が生じ、コミュニティーの発達も阻害しているように思える。それを解決するために、安価で迷わないで済む解決案を提供する必要があるだろう。
今回ドイツで発表になったペット育成ゲーム「EyePet」は、「PlayStation Eye」を同梱して50ユーロと戦略的な価格設定を行った。これは、任天堂が「街へいこうよ どうぶつの森」でマイク機能を付けた「Wiiスピーク」を同梱したケースに近い。日本でヒットさせられれば、周辺環境格差の解消につながる可能性がある。
■マイクロソフト、任天堂の対抗策は?
PS3の値下げは、他のハードベンダーの動きにも影響を与えるだろう。SCEに対抗する戦略を首尾一貫して採るマイクロソフトは、メーンプロセッサーを45ナノプロセスにした小型版Xbox360の準備を進めているようだ。ただ、新型機の発売は来年に持ち越される可能性がある。その場合、現行機を対抗値下げする可能性もあるだろう。
一方、任天堂は値下げという単純な戦略は採らないとみられる。市場競争力があることは十分証明されているためだ。「ニンテンドーDS」と同じ戦略とすれば、付加価値を高めたマイナーアップデートバージョンのリリースがあり得る。「Wiiモーションプラス」のバンドル版の展開や、ハイビジョンテレビに対応した機能強化などで、価格自体は現状を維持すると思われる。
とはいえ、PS3はブルーレイ・ディスク(BD)やDVDプレーヤーとしては、コストパフォーマンスに優れ画質もよいという大きなアドバンテージがある。ハイビジョンテレビを持っているユーザーにとって、再生機としての価値は絶大だ。
SCEにとっては厳しい戦いが続くと考えられるが、価格の高さから購入をためらっていた多くのユーザーに購入を促す絶好のチャンスである。欧米だけでなく日本のゲーム機市場に大きな刺激を与えてほしいと思っている。
契約減続くウィルコム、社長が辞任 ファンドの意向か
PHSのウィルコムは21日、喜久川政樹社長(46)が副会長に退き、ソニー出身の久保田幸雄氏(59)が社長に就任する人事を発表した。
26日開催の臨時取締役会で承認を得た後、同日就任する。木下龍一会長(67)も相談役に退き、後任の会長には安達保取締役(55)が就任する。
喜久川、木下両氏は、ウィルコムの前身、DDIポケット出身で、ウィルコム創業時から同社の経営を中心的に担っていた。
ただ、ウィルコムは主力のPHS事業で新規契約を解約が上回る契約数の純減が続いており、両氏はその経営責任を取る形で現職を辞任する。
後任の久保田氏はソニー業務執行役員などを務め、今年6月からウィルコムのアドバイザーに就任していた。同氏の社長就任は、ウィルコムの発行済み株式の60%を保有する投資ファンドのカーライルの強い意向があったという。新会長の安達氏もカーライル出身。
カーライルは、ウィルコムの増資を引き受けるとの観測が一時強まったが、現在まで増資は行われていないという。
ウィルコムは10月から「XGP」と呼ばれる次世代高速無線通信サービスを開始する計画。今回の人事は、新サービスの開始を前に、カーライル側が改めてウィルコムの経営に全面的に関与する姿勢を強調したものともいえそうだ。
「ミニ保険会社」急増 地震対策など、ニッチ分野補完
通常の保険会社より緩やかな条件で設立が認められる少額短期保険業者(ミニ保険会社)が急増している。現在、ミニ保険会社の数は65社に達し、2008年3月末時点に比べて倍増した。地震で住宅が壊れた際の再建に備える保険や、糖尿病を抱える人向けの保険など、大手保険会社が提供する商品のすき間を埋めるニッチ保険が相次ぎ登場している。
ミニ保険会社の制度が創設されたのは06年4月。06年度に財務局に登録した会社はわずか2社だったが、その後は07年度に29社、08年度には33社が開業。4月以降も2社が開業し、登録企業の数は計66社(うち1社は6月に撤退)に達した。保険料収入も08年度は業界全体で400億円規模になったとみられる。
ノキア、ネットブック市場への参入を検討中--The Economic Times報道
世界最大の携帯電話メーカーであるNokiaは、数々の製品でにぎわうネットブック市場参入の準備を進めている可能性が高い。
The Economic Timesによれば、Nokiaの最高経営責任者(CEO)であるOlli-Pekka Kallasvuo氏は現地時間8月19日、インドで開催されたプレスイベントに集まる報道陣に対して、「今後はPCと携帯電話の垣根がなくなっていくことになり、その融合すら進むことだろう」と語ったという。また、Kallasvuo氏は、Nokiaがこのコンバージェンスに多くのチャンスを見出しており、「どのような機会が開けることになるのかを見極めるため、ネットブック市場を注視しているところだ」と述べた。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は19日、小型・軽量化した新型「プレイステーション3(PS3)」を発表した。日本では300万台を超えたところで伸び悩んでいるPS3だが、全体に盛り上がりを欠く家庭用ゲーム機市場にどのようなインパクトを与えるだろうか。
国内では9月3日から価格を現行より1万円引き下げて2万9980円で販売する。19日に都内で会見したSCEジャパンのプレジデント、ショーン・レイデン氏は「今からが、年末商戦のつもりで挑む」と覚悟を語った。
■欧州で発表した理由
新型PS3は、独ケルンで19日に開幕したゲーム見本市「2009 GamesCom expo」に合わせ、18日に現地の会見でお披露目された。SCEにとって欧州は、ゲーム機競争の今後の趨勢を決定づける重要な市場になっている。世界のなかで欧州を最初の発表場所として選んだのは、それだけ同市場を重視していることの表れだろう。
PS3は現行世代の家庭用ゲーム機の日米欧合計シェアで、3位という位置から抜け出せないでいる。過去のハードウエア競争では、何とか収益を出せるのは2位までであり、3位で赤字から抜け出すのは難しい。
任天堂「Wii」は日米欧の各市場で首位に立ち、すでに5000万台以上を出荷している(各種データより筆者推計、以下同じ)。Wiiのこの世代での優位はほぼ決定的となりつつある。
2位のマイクロソフト「Xbox360」は、日本では110万台程度しか販売できていないが、世界合計では3000万台を超えている。一方、PS3は世界で2370万台にとどまる。
特に苦しいのは北米市場で、Xbox360の1800万台に対して、PS3は900万台とダブルスコアの差を付けられている。
今のSCEにとって欧州は、Xbox360と互角に2位を争えている唯一の海外主要市場だ。Xbox360の1200万台に対して、PS3は1000万台と善戦している。2008年1月当時、欧州法人SCEEからは「08年夏にはXbox360を追い抜く」という威勢のいい発言が聞こえていた。
しかし、実際には08年9月にマイクロソフトが299ユーロのモデルを主力とする実質的な値下げ戦略を打ち出し、399ユーロのPS3は年末商戦まで勢いを持続できずに終わった。
ゲームソフト会社からは、「PS3の競争力回復のためには、一刻も早い値下げが必要」という声が上がっていた。19日の日本での発表会見場でも、記者団からレーデン氏に「1年前にこの価格が出せればもっとインパクトがあったのでは?」という質問が相次いだ。
しかし現実問題として、それは不可能だっただろう。SCEの戦略はPS、PS2とまったく同じで、ムーアの法則による技術革新に合わせてハードをコンパクト化して値下げしていく手法だからだ。PS2の小型機が発売されたのは、今回同様に初代機からほぼ3年後であった。
■チップの小型化が可能にした値下げ
今回の新型PS3の低価格化は、心臓部となるマイクロプロセッサー「Cell」チップに回路線幅45ナノメートルのより微細な加工技術を導入し、サイズを縮小したことで実現したものだ。チップサイズが小さくなれば、それだけ製造原価を下げられる。06年11月に発売した初代PS3は90ナノで、07年11月の値下げバージョンは65ナノだった。
新型PS3がハード単体で黒字化したかどうかについて、会見したレーデン氏は言及を避けたが、SCEとしてはかなりぎりぎりの価格設定で挑んでいると推測できる。米国の299ドル、欧州の299ユーロという価格は、普及が大きく進む「マジックプライス」とも言われており、欧州では再び攻勢に出る大きなきっかけになると思われる。
■日本市場はソフト不足
一方、PS3には課題も多い。特に日本では市場を牽引するソフトが不足している。
レイデン氏はソフト戦略については、「東京ゲームショウで明らかにする」と述べた。初日の9月24日に平井一夫社長兼グループCEOの基調講演が予定されており、その場で新たな発表があるとみられるが、現状ではコマ不足は否めない。
PS3向けタイトルで質の高さが評価されているのは、Xbox360とのマルチプラットフォーム展開が必要ないSCE傘下の開発会社のゲームだ。PS3のパフォーマンスをフルに使いこなせる段階にようやく到達しつつあり、実際クオリティーは高い。
今後発売される新作では、米国法人SCEAが開発している「Uncharted 2」「God of War 3」、SCEEが開発している「リトルビッグプラネット」の追加コンテンツ「Underwater」といったタイトルが期待できるだろう。
一方、サードパーティーのタイトルで確実なヒットが見込めるのは、前作で1000万本以上を売った「Call of Duty: Modern Warfare 2」(アクティビジョン、PS3、Xbox360、日本発売未定)だ。ただし、マルチプラットフォーム対応であるため、必ずしもPS3だけの追い風となるわけではない。
日本市場での最大の問題は、これらの大型タイトルがいずれも欧米テイストのゲーム、いわゆる「洋ゲー」である点だ。日本製では、「ファイナルファンタジーXIII」(スクウェア・エニックス)の発売を待たなければならない状況だが、まだ発売日は見えていない。
SCEは過去にも欧米テイストのタイトルを日本で成功させるマーケティングに手を焼いたが、PS3巻き返しという勝負がかかった今回はまさにその力量が問われることになる。
■周辺機器の「格差」が招くデメリット
もう1つの課題として挙げられるのは、周辺機器の問題だ。PS3のプレー体験をリッチにするにはいくつかの周辺機器が必要だが、追加で買うにはそこそこの出費がかかる。その結果、ユーザーの周辺機器環境にかなりばらつきが出ている。
オンラインで他のユーザーとプレーできるサービス「アドホックパーティ」が人気を集めているが、遊んでいるとその「格差」の存在を感じる。周辺機器環境のあるなしによって、ユーザーの意思疎通能力に露骨な差が出てしまうのだ。
例えばボイスチャットをするには、公式な周辺機器では「ワイヤレスヘッドセット」か「PlayStation Eye」、テキスト入力するためにはコントローラーに接続する「ワイヤレスキーパッド」が必要だが、いずれも5000円程度する。
実際には公式な機器でなくとも、パソコン用の廉価なUSBヘッドセットやキーボードで使用できるのだが、公式のサポートページには何の情報も掲載されていない。そのため、ボイスチャットやテキスト入力ができないまま我慢して遊んでいるユーザーもいるのではないか。
周辺機器がないと、仮想空間サービスの「PlayStation Home」や「メタルギアオンライン」(コナミ)などのタイトルを遊んでいても、露骨にストレスを感じる。ユーザー間の周辺機器環境が統一されていないことでプレーに無駄が生じ、コミュニティーの発達も阻害しているように思える。それを解決するために、安価で迷わないで済む解決案を提供する必要があるだろう。
今回ドイツで発表になったペット育成ゲーム「EyePet」は、「PlayStation Eye」を同梱して50ユーロと戦略的な価格設定を行った。これは、任天堂が「街へいこうよ どうぶつの森」でマイク機能を付けた「Wiiスピーク」を同梱したケースに近い。日本でヒットさせられれば、周辺環境格差の解消につながる可能性がある。
■マイクロソフト、任天堂の対抗策は?
PS3の値下げは、他のハードベンダーの動きにも影響を与えるだろう。SCEに対抗する戦略を首尾一貫して採るマイクロソフトは、メーンプロセッサーを45ナノプロセスにした小型版Xbox360の準備を進めているようだ。ただ、新型機の発売は来年に持ち越される可能性がある。その場合、現行機を対抗値下げする可能性もあるだろう。
一方、任天堂は値下げという単純な戦略は採らないとみられる。市場競争力があることは十分証明されているためだ。「ニンテンドーDS」と同じ戦略とすれば、付加価値を高めたマイナーアップデートバージョンのリリースがあり得る。「Wiiモーションプラス」のバンドル版の展開や、ハイビジョンテレビに対応した機能強化などで、価格自体は現状を維持すると思われる。
とはいえ、PS3はブルーレイ・ディスク(BD)やDVDプレーヤーとしては、コストパフォーマンスに優れ画質もよいという大きなアドバンテージがある。ハイビジョンテレビを持っているユーザーにとって、再生機としての価値は絶大だ。
SCEにとっては厳しい戦いが続くと考えられるが、価格の高さから購入をためらっていた多くのユーザーに購入を促す絶好のチャンスである。欧米だけでなく日本のゲーム機市場に大きな刺激を与えてほしいと思っている。
契約減続くウィルコム、社長が辞任 ファンドの意向か
PHSのウィルコムは21日、喜久川政樹社長(46)が副会長に退き、ソニー出身の久保田幸雄氏(59)が社長に就任する人事を発表した。
26日開催の臨時取締役会で承認を得た後、同日就任する。木下龍一会長(67)も相談役に退き、後任の会長には安達保取締役(55)が就任する。
喜久川、木下両氏は、ウィルコムの前身、DDIポケット出身で、ウィルコム創業時から同社の経営を中心的に担っていた。
ただ、ウィルコムは主力のPHS事業で新規契約を解約が上回る契約数の純減が続いており、両氏はその経営責任を取る形で現職を辞任する。
後任の久保田氏はソニー業務執行役員などを務め、今年6月からウィルコムのアドバイザーに就任していた。同氏の社長就任は、ウィルコムの発行済み株式の60%を保有する投資ファンドのカーライルの強い意向があったという。新会長の安達氏もカーライル出身。
カーライルは、ウィルコムの増資を引き受けるとの観測が一時強まったが、現在まで増資は行われていないという。
ウィルコムは10月から「XGP」と呼ばれる次世代高速無線通信サービスを開始する計画。今回の人事は、新サービスの開始を前に、カーライル側が改めてウィルコムの経営に全面的に関与する姿勢を強調したものともいえそうだ。
「ミニ保険会社」急増 地震対策など、ニッチ分野補完
通常の保険会社より緩やかな条件で設立が認められる少額短期保険業者(ミニ保険会社)が急増している。現在、ミニ保険会社の数は65社に達し、2008年3月末時点に比べて倍増した。地震で住宅が壊れた際の再建に備える保険や、糖尿病を抱える人向けの保険など、大手保険会社が提供する商品のすき間を埋めるニッチ保険が相次ぎ登場している。
ミニ保険会社の制度が創設されたのは06年4月。06年度に財務局に登録した会社はわずか2社だったが、その後は07年度に29社、08年度には33社が開業。4月以降も2社が開業し、登録企業の数は計66社(うち1社は6月に撤退)に達した。保険料収入も08年度は業界全体で400億円規模になったとみられる。
ノキア、ネットブック市場への参入を検討中--The Economic Times報道
世界最大の携帯電話メーカーであるNokiaは、数々の製品でにぎわうネットブック市場参入の準備を進めている可能性が高い。
The Economic Timesによれば、Nokiaの最高経営責任者(CEO)であるOlli-Pekka Kallasvuo氏は現地時間8月19日、インドで開催されたプレスイベントに集まる報道陣に対して、「今後はPCと携帯電話の垣根がなくなっていくことになり、その融合すら進むことだろう」と語ったという。また、Kallasvuo氏は、Nokiaがこのコンバージェンスに多くのチャンスを見出しており、「どのような機会が開けることになるのかを見極めるため、ネットブック市場を注視しているところだ」と述べた。
ローソン、2000店に電子看板 ドコモと連携
ローソンはNTTドコモと組み、デジタルサイネージ(電子看板)を使った情報発信事業に乗り出す。店外へ向け大型ディスプレーを設置、独自番組や企業広告を放送する。画面に携帯電話を近づけると、放送に連動した詳しい情報が得られる。2012年までに首都圏2千店に設置する。
電子看板はスーパーなどで利用され始めたが、ローソンの導入計画は小売業では最大規模。フル稼働すれば年間60億円程度の広告収入につながるとみており、消費不振で落ち込んでいる収益の補完を狙う。
「おサイフケータイ」で注文・決済 マクドナルドが全国の店舗で
日本マクドナルドは20日、決済機能付き携帯電話「おサイフケータイ」の機能を使ったサービスを全国の店舗に拡大すると発表した。携帯電話に割引クーポンを配信し、店頭の読み取り機にかざすだけで注文や決済ができる。サービス内容も拡充し、利用客の囲い込みにつなげる。
すでに導入している首都圏などに加え、28日には岩手県や石川県、島根県など20県の約800店で新たに「かざすクーポン」サービスを始める。利用できる店舗は約3700店になる。NTTドコモの決済サービス「iD」や、電子マネー「Edy(エディ)」も利用でき、クーポン使用時に組み合わせると携帯電話ひとつで注文と決済ができる。
かざすクーポン利用者は現在約450万人。全国導入に合わせて購入回数に応じた特別クーポンを配信するなどサービスを拡充し、利用客数の底上げを目指す。
検索エンジンの国内利用者数、5年前の2倍に 08年度月平均
総務省が20日発表したインターネット検索エンジンの市場調査によると、2008年度の国内利用者数は月平均で延べ4775万人と5年前の2倍に膨らんだ。ブロードバンド環境の整備が進む中で検索精度や速度など性能が上がり、利用しやすくなったことが影響しているようだ。
NECとモトローラ、KDDIの次世代携帯向け基地局を納入
NECとモトローラは20日、KDDIが2012年12月に商用化を予定する次世代携帯電話「LTE」に必要な無線基地局を、同社に納入すると発表した。KDDIはLTEの設備投資に14年度末までに累計5150億円を投じる計画。両社の最終的な受注額はそれぞれ数百億円規模になるとみられる。
KDDIは今回、無線基地局のメーカー選定に当たって中国勢や欧州勢を含む大手通信機器ベンダー各社から幅広く提案を募った。技術力と価格などを総合的に判断したという。LTEの基幹設備を構築するメーカーには日立製作所を選定済み。
NEC製の無線基地局はNTTドコモが10年12月に商用化を予定するLTEでも採用が決まっている。ドコモ向けには無線基地局だけでなく基幹設備や端末なども納入する予定。
じぶん銀、外貨定期預金の取り扱い開始
インターネット専業銀行のじぶん銀行は、外貨定期預金の取り扱いを始めた。対象通貨は米ドル、ユーロ、豪ドルの3種類。円普通預金口座から外貨定期預金への預け入れや残高照会など、携帯電話ですべての取引を終えることができる。1通貨単位あたりの手数料は米ドルとユーロが1回25銭、豪ドルが1回50銭。
正社員の離職10万人超 08年秋以降、退職応募に2万3000人
金融危機が深まった昨年9月以降、上場企業が正社員を対象に募集した希望退職に2万3千人余りが応じたことが、日本経済新聞の集計で明らかになった。企業倒産による失職も8万5千人に達しており、国内で10万人を超える正社員が離職した。自動車など製造業を中心に生産は底入れ感が出ているものの、雇用の本格的な回復には時間がかかりそうだ。
昨年9月以降に希望退職や退職勧奨、解雇など具体的な方法を明らかにして正社員(グループ会社含む)を削減すると発表した上場企業は延べ185社(複数回募集した13社含む)。うち従業員の削減数を明らかにした173社を集計した。大幅な人員削減を発表したものの具体的な方法を公表していないソニーやパナソニックなどは含まない。
GM、新型車発売を撤回 「迅速な意思決定を実践」
【ニューヨーク=小高航】米ゼネラル・モーターズ(GM)は19日、6日に発表したばかりの新型車の発売を取りやめることを明らかにした。一部の消費者に事前公開した際の評判が悪かったためという。自動車大手がいったん発表した新車の販売を撤回するのは異例。同社首脳は「新生GMは消費者重視の姿勢と、迅速な意思決定を実践する」と企業体質の変革ぶりを強調している。
新車開発を統括するトム・スティーブンス副会長が自社のブログで販売取りやめを明らかにした。撤回するのは「ビュイック」ブランドの新しい小型SUV(多目的スポーツ車)。同副会長が6日に2010年後半の発売を表明していた。
中国の米国債保有額「減らすのは道理に合う」 人民日報
中国共産党機関紙の人民日報(海外版)は20日、6月末の中国の米国債保有額が大幅に減ったことについて「外貨準備運用の多様化を追求している表れである」とする論説記事を掲載した。記事では、外貨準備を使って中国企業の海外進出を後押しし、先端技術や資源などを手に入れるべきだと主張、ドル資産に偏った運用を早急に見直す必要があるとの認識を強く打ち出した。
中国は世界最大の米国債保有国だが、6月末の保有残高は前月末比251億ドル減の7764億ドルと、9年ぶりの大幅な減少となった。人民日報の論説は「米国債は見た目が安全であっても、ドルが下落基調にある中で知らぬ間に価値を下げている」と指摘。そのうえで「保有米国債を減らすのは道理に合っている」と言い切った。
中国がイメージ向上作戦 海外での振舞い注意
中国政府が海外でのイメージアップに動き出した。国防省は20日、軍事費のデータ、武器・装備に関する情報、最新ニュースなどを紹介するホームページを開設。外務省は国民に海外での振る舞いに気をつけるよう提唱し始めた。10月1日の建国60周年を控え、世界での信頼を高める作戦だ。
国防省のホームページは中国語版と英語版がある。軍の法規、武器・装備の紹介のほか、軍縮に向けた動き、航空宇宙開発なども説明。最近の軍の記者会見の内容なども詳細に載せている。中国は国防予算が21年連続で2ケタの伸びを示す一方、情報開示に乏しいとの指摘がある。情報開示を進め、対外的なイメージの向上を狙う。
中国国営の新華社によると、外務省は海外居住者や旅行者に海外でのイメージ改善を提唱。今年の海外渡航者は延べ5千万人を突破する見通しで「法律を守り、友好関係を築き、海外で良い印象を持ってもらうことが重要」(領事局幹部)としている。
民主、圧勝の勢い 300議席超が当選圏 衆院選情勢調査
日本経済新聞社は30日に投票日を迎える第45回衆院選を前に全国世論調査を実施し、情勢を探った。全480議席のうち民主党は小選挙区と比例代表を合わせて単独過半数(241議席)を突破、300議席超が当選圏に入っている。自民党は100議席弱の当選圏にとどまっており、公示前勢力(300議席)に比べ議席を半数以下に減らすのは必至の情勢。民主党圧勝による政権交代の可能性が強まっている。
全国の有権者約21万人を対象に約11万人から有効回答を得た。取材も加味して情勢を読み取ったが、300小選挙区で24%、180の比例代表で17%がまだ投票先を決めていない。投開票日に向け流動的要素も残っている。
「月に100店単位で潰れる」 パチスロが大ピンチ(COLUMN)
遊技人口の減少が指摘されているパチンコ業界に、さらに逆風が吹いている。パチンコ機の出荷は微増しているものの、パチスロの市場規模が、なんと1年で「半減」。「4号」と呼ばれる「ハイリスク・ハイリターン」な機種が禁止されたのがその理由で、業界団体では、「月に100店単位でつぶれている」と悲鳴をあげている。
わずか1年でパチスロ機出荷が半減
調査会社の矢野経済研究所は2009年8月19日、パチンコ関連機器市場に関する調査結果を発表した。それによると、08年度のパチンコ関連機器の市場規模は1兆2981億円で、前年度比14.8%のマイナス成長だった。
その内訳に目を向けてみると、興味深い事実が明らかになる。パチンコ機については前年度比5.2%増の9005億円で、市場規模は拡大している。ところが、パチスロ機が大きく足を引っ張っている形で、市場規模は前年度比51.6%減の2423億円。わずか1年で市場の半分が吹き飛ぶという異例の事態だ。
金額ベースだけでなく、実際の店舗に出回っている台数ベースで見ても、この傾向は同じだ。パチンコホールでつくる業界団体の全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)の統計によると、07年末の段階で全国に295万台あったパチンコ台は08年末には308万台と4.1%の伸びを見せているものの、パチスロ台は164万台あったものが145万台。11.4%も落ち込んでいる。これと比例するかのように、07年末には1万3585あった店舗が08年末には1万2937にまで減少。わずか1年で、全国の4.8%の店舗が姿を消した。
この背景にあるのが、パチスロをめぐる規制の強化だ。かつては「ハイリスク・ハイリターン」で人気だった「4号機」と呼ばれる機種が出回っていたが、04年に遊技機規則が改正され、07年から4号機の使用が禁止された。「大当たり」をする利用者がいる一方で、「大損」をする利用者が続出したことが問題視された末の規制強化だった。
07年から4号機の使用が禁止されたのが大きい
後継として、射幸性の比較的低い「5号機」が登場したが、これが「パチスロの魅力が少なくなった」として利用者離れを引き起こした。4号機と5号機の併存期間が終わったこともあって、08年度になって影響が一気に統計上の数字に表れたようだ。
全日遊連では、
「景気が悪くなって、利用者がパチンコ業界に落とす金額が減っているということがあります。ですが、やはり4号機が禁止されたことの影響が大きい。店舗が月に100件単位で潰れています。特に、パチスロ専業店の閉鎖が増えています」
と窮状を明かす。パチスロ機製造会社の業界団体である日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)でも、プラス材料を見いだせていない様子で、射幸性についての規制緩和の見通しがない以上、市場縮小後の規模で当分は辛抱せざるを得ないとの立場だ。
一方、前出の統計にもあるように、パチンコ台については台数も金額も増加傾向だ。テレビCMの出稿も目立つなど、「好景気」にも見える。ところが、これが必ずしもホール側に恩恵をもたらす訳ではないようで、前出の全日遊連では
「(キャラクターをあしらった)版権ものになると、1台あたりの価格が上がってきます。その分、ホール側からすると負担は増えるのですが、人気機種を次々に入れ替えないと、お客様に来ていただけませんので、入れ替えをせざるを得ない。いわば『自転車操業』なんです」
と内情を明かした。
パチンコ業界の「冬の時代」が終わる兆しは見えないままだ。
ローソンはNTTドコモと組み、デジタルサイネージ(電子看板)を使った情報発信事業に乗り出す。店外へ向け大型ディスプレーを設置、独自番組や企業広告を放送する。画面に携帯電話を近づけると、放送に連動した詳しい情報が得られる。2012年までに首都圏2千店に設置する。
電子看板はスーパーなどで利用され始めたが、ローソンの導入計画は小売業では最大規模。フル稼働すれば年間60億円程度の広告収入につながるとみており、消費不振で落ち込んでいる収益の補完を狙う。
「おサイフケータイ」で注文・決済 マクドナルドが全国の店舗で
日本マクドナルドは20日、決済機能付き携帯電話「おサイフケータイ」の機能を使ったサービスを全国の店舗に拡大すると発表した。携帯電話に割引クーポンを配信し、店頭の読み取り機にかざすだけで注文や決済ができる。サービス内容も拡充し、利用客の囲い込みにつなげる。
すでに導入している首都圏などに加え、28日には岩手県や石川県、島根県など20県の約800店で新たに「かざすクーポン」サービスを始める。利用できる店舗は約3700店になる。NTTドコモの決済サービス「iD」や、電子マネー「Edy(エディ)」も利用でき、クーポン使用時に組み合わせると携帯電話ひとつで注文と決済ができる。
かざすクーポン利用者は現在約450万人。全国導入に合わせて購入回数に応じた特別クーポンを配信するなどサービスを拡充し、利用客数の底上げを目指す。
検索エンジンの国内利用者数、5年前の2倍に 08年度月平均
総務省が20日発表したインターネット検索エンジンの市場調査によると、2008年度の国内利用者数は月平均で延べ4775万人と5年前の2倍に膨らんだ。ブロードバンド環境の整備が進む中で検索精度や速度など性能が上がり、利用しやすくなったことが影響しているようだ。
NECとモトローラ、KDDIの次世代携帯向け基地局を納入
NECとモトローラは20日、KDDIが2012年12月に商用化を予定する次世代携帯電話「LTE」に必要な無線基地局を、同社に納入すると発表した。KDDIはLTEの設備投資に14年度末までに累計5150億円を投じる計画。両社の最終的な受注額はそれぞれ数百億円規模になるとみられる。
KDDIは今回、無線基地局のメーカー選定に当たって中国勢や欧州勢を含む大手通信機器ベンダー各社から幅広く提案を募った。技術力と価格などを総合的に判断したという。LTEの基幹設備を構築するメーカーには日立製作所を選定済み。
NEC製の無線基地局はNTTドコモが10年12月に商用化を予定するLTEでも採用が決まっている。ドコモ向けには無線基地局だけでなく基幹設備や端末なども納入する予定。
じぶん銀、外貨定期預金の取り扱い開始
インターネット専業銀行のじぶん銀行は、外貨定期預金の取り扱いを始めた。対象通貨は米ドル、ユーロ、豪ドルの3種類。円普通預金口座から外貨定期預金への預け入れや残高照会など、携帯電話ですべての取引を終えることができる。1通貨単位あたりの手数料は米ドルとユーロが1回25銭、豪ドルが1回50銭。
正社員の離職10万人超 08年秋以降、退職応募に2万3000人
金融危機が深まった昨年9月以降、上場企業が正社員を対象に募集した希望退職に2万3千人余りが応じたことが、日本経済新聞の集計で明らかになった。企業倒産による失職も8万5千人に達しており、国内で10万人を超える正社員が離職した。自動車など製造業を中心に生産は底入れ感が出ているものの、雇用の本格的な回復には時間がかかりそうだ。
昨年9月以降に希望退職や退職勧奨、解雇など具体的な方法を明らかにして正社員(グループ会社含む)を削減すると発表した上場企業は延べ185社(複数回募集した13社含む)。うち従業員の削減数を明らかにした173社を集計した。大幅な人員削減を発表したものの具体的な方法を公表していないソニーやパナソニックなどは含まない。
GM、新型車発売を撤回 「迅速な意思決定を実践」
【ニューヨーク=小高航】米ゼネラル・モーターズ(GM)は19日、6日に発表したばかりの新型車の発売を取りやめることを明らかにした。一部の消費者に事前公開した際の評判が悪かったためという。自動車大手がいったん発表した新車の販売を撤回するのは異例。同社首脳は「新生GMは消費者重視の姿勢と、迅速な意思決定を実践する」と企業体質の変革ぶりを強調している。
新車開発を統括するトム・スティーブンス副会長が自社のブログで販売取りやめを明らかにした。撤回するのは「ビュイック」ブランドの新しい小型SUV(多目的スポーツ車)。同副会長が6日に2010年後半の発売を表明していた。
中国の米国債保有額「減らすのは道理に合う」 人民日報
中国共産党機関紙の人民日報(海外版)は20日、6月末の中国の米国債保有額が大幅に減ったことについて「外貨準備運用の多様化を追求している表れである」とする論説記事を掲載した。記事では、外貨準備を使って中国企業の海外進出を後押しし、先端技術や資源などを手に入れるべきだと主張、ドル資産に偏った運用を早急に見直す必要があるとの認識を強く打ち出した。
中国は世界最大の米国債保有国だが、6月末の保有残高は前月末比251億ドル減の7764億ドルと、9年ぶりの大幅な減少となった。人民日報の論説は「米国債は見た目が安全であっても、ドルが下落基調にある中で知らぬ間に価値を下げている」と指摘。そのうえで「保有米国債を減らすのは道理に合っている」と言い切った。
中国がイメージ向上作戦 海外での振舞い注意
中国政府が海外でのイメージアップに動き出した。国防省は20日、軍事費のデータ、武器・装備に関する情報、最新ニュースなどを紹介するホームページを開設。外務省は国民に海外での振る舞いに気をつけるよう提唱し始めた。10月1日の建国60周年を控え、世界での信頼を高める作戦だ。
国防省のホームページは中国語版と英語版がある。軍の法規、武器・装備の紹介のほか、軍縮に向けた動き、航空宇宙開発なども説明。最近の軍の記者会見の内容なども詳細に載せている。中国は国防予算が21年連続で2ケタの伸びを示す一方、情報開示に乏しいとの指摘がある。情報開示を進め、対外的なイメージの向上を狙う。
中国国営の新華社によると、外務省は海外居住者や旅行者に海外でのイメージ改善を提唱。今年の海外渡航者は延べ5千万人を突破する見通しで「法律を守り、友好関係を築き、海外で良い印象を持ってもらうことが重要」(領事局幹部)としている。
民主、圧勝の勢い 300議席超が当選圏 衆院選情勢調査
日本経済新聞社は30日に投票日を迎える第45回衆院選を前に全国世論調査を実施し、情勢を探った。全480議席のうち民主党は小選挙区と比例代表を合わせて単独過半数(241議席)を突破、300議席超が当選圏に入っている。自民党は100議席弱の当選圏にとどまっており、公示前勢力(300議席)に比べ議席を半数以下に減らすのは必至の情勢。民主党圧勝による政権交代の可能性が強まっている。
全国の有権者約21万人を対象に約11万人から有効回答を得た。取材も加味して情勢を読み取ったが、300小選挙区で24%、180の比例代表で17%がまだ投票先を決めていない。投開票日に向け流動的要素も残っている。
「月に100店単位で潰れる」 パチスロが大ピンチ(COLUMN)
遊技人口の減少が指摘されているパチンコ業界に、さらに逆風が吹いている。パチンコ機の出荷は微増しているものの、パチスロの市場規模が、なんと1年で「半減」。「4号」と呼ばれる「ハイリスク・ハイリターン」な機種が禁止されたのがその理由で、業界団体では、「月に100店単位でつぶれている」と悲鳴をあげている。
わずか1年でパチスロ機出荷が半減
調査会社の矢野経済研究所は2009年8月19日、パチンコ関連機器市場に関する調査結果を発表した。それによると、08年度のパチンコ関連機器の市場規模は1兆2981億円で、前年度比14.8%のマイナス成長だった。
その内訳に目を向けてみると、興味深い事実が明らかになる。パチンコ機については前年度比5.2%増の9005億円で、市場規模は拡大している。ところが、パチスロ機が大きく足を引っ張っている形で、市場規模は前年度比51.6%減の2423億円。わずか1年で市場の半分が吹き飛ぶという異例の事態だ。
金額ベースだけでなく、実際の店舗に出回っている台数ベースで見ても、この傾向は同じだ。パチンコホールでつくる業界団体の全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)の統計によると、07年末の段階で全国に295万台あったパチンコ台は08年末には308万台と4.1%の伸びを見せているものの、パチスロ台は164万台あったものが145万台。11.4%も落ち込んでいる。これと比例するかのように、07年末には1万3585あった店舗が08年末には1万2937にまで減少。わずか1年で、全国の4.8%の店舗が姿を消した。
この背景にあるのが、パチスロをめぐる規制の強化だ。かつては「ハイリスク・ハイリターン」で人気だった「4号機」と呼ばれる機種が出回っていたが、04年に遊技機規則が改正され、07年から4号機の使用が禁止された。「大当たり」をする利用者がいる一方で、「大損」をする利用者が続出したことが問題視された末の規制強化だった。
07年から4号機の使用が禁止されたのが大きい
後継として、射幸性の比較的低い「5号機」が登場したが、これが「パチスロの魅力が少なくなった」として利用者離れを引き起こした。4号機と5号機の併存期間が終わったこともあって、08年度になって影響が一気に統計上の数字に表れたようだ。
全日遊連では、
「景気が悪くなって、利用者がパチンコ業界に落とす金額が減っているということがあります。ですが、やはり4号機が禁止されたことの影響が大きい。店舗が月に100件単位で潰れています。特に、パチスロ専業店の閉鎖が増えています」
と窮状を明かす。パチスロ機製造会社の業界団体である日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)でも、プラス材料を見いだせていない様子で、射幸性についての規制緩和の見通しがない以上、市場縮小後の規模で当分は辛抱せざるを得ないとの立場だ。
一方、前出の統計にもあるように、パチンコ台については台数も金額も増加傾向だ。テレビCMの出稿も目立つなど、「好景気」にも見える。ところが、これが必ずしもホール側に恩恵をもたらす訳ではないようで、前出の全日遊連では
「(キャラクターをあしらった)版権ものになると、1台あたりの価格が上がってきます。その分、ホール側からすると負担は増えるのですが、人気機種を次々に入れ替えないと、お客様に来ていただけませんので、入れ替えをせざるを得ない。いわば『自転車操業』なんです」
と内情を明かした。
パチンコ業界の「冬の時代」が終わる兆しは見えないままだ。