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ドコモ、米国進出へ 高性能端末を武器に
NTTドコモが米国で、MVNO(仮想移動体通信事業者)として携帯電話事業の展開を検討していることが5日、分かった。米国の市場で高性能端末への需要が高まっていることから、来年中の事業開始を目指す。海外でのドコモブランドの展開は初めてとなる。ドコモは90年代に米市場で現地企業に巨額投資を行い失敗した例があり、投資リスクが低いとされるMVNO方式での再進出を狙う考えだ。
ドコモは日本の携帯電話市場が頭打ちの中、金融危機後も成長を続けている米国市場に着目。需要の中心が割安なサービスからネット接続など高性能サービスに移っていることから、世界最先端の機能を盛り込んだ端末を武器に、米国市場で事業拡大を目指す。
ドコモが米国に進出するMVNO方式は、既存の通信事業者から回線を有償で借り、携帯電話やデータ通信事業を行う事業手法だ。自前でインフラ整備をする投資リスクを避けられるため、通信ベンチャーや異業種企業が携帯電話事業に参入する際用いることが多い。ドコモの米市場参入では、提携関係にあるAT&TかTモバイルから回線を借り受ける可能性が高いとみられる。
ドコモは90年代から2000年代初めにかけ、AT&Tワイヤレスなど米通信大手に巨額投資を行い市場参入を目指したが、ITバブルの崩壊を受け1兆円以上の損失を出して撤退した経緯がある。
ドコモはその後、海外投資を控えてきたが、ここにきてインドや東南アジアなど成長が見込める新興国市場で投資活動を再開。役員などを派遣し、相手企業の経営にも積極的に参画する形で現地市場への進出を図ってきた。ただ米国では、過去の投資案件で失敗した例などを踏まえ、MVNO方式での参入を目指す考えだ。
米国では昨年秋のリーマン・ショックを受け景気の低迷が続いているが、携帯電話市場はスマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話の人気などを受け堅調に推移している。ドコモも米グーグルのOS(基本ソフト)を搭載したスマートフォンを発売するなど、同分野での事業を強化しており、それらの端末を軸に米市場でも事業展開を目指す可能性が高いとみられる。
日本国内のMVNO方式としては、ドコモ回線を借りる通信ベンチャーの日本通信や、ソフトバンクモバイルの回線を借りるウォルト・ディズニー・ジャパンなどが知られる。
携帯の不正音楽ダウンロード阻止でシステム構築へ
携帯電話にインターネットで配信される違法な音楽ファイルを締め出すため、総務省と通信業界、音楽業界が協力し、携帯端末で不正ダウンロードができないようにする世界初のシステムを来年度にも導入する方針であることが5日、明らかになった。
若者を中心に携帯電話で音楽を楽しむ傾向が強まる一方で後を絶たない著作権侵害に歯止めをかける狙いだ。
新システムは、日本レコード協会と電気通信事業者協会が中心となって今月16日に設立する「違法音楽配信対策協議会(仮称)」で検討を進める。総務省や関連企業・団体も参加し、官民一体で対策を強化する。
音楽業界などが不正防止に乗り出すのは、日本の携帯電話の音楽配信が約1000億円(2007年)と世界最大の市場規模を持つものの、違法ファイルの流通が市場の成長に悪影響を与えているためだ。
問題となっている違法コピーされた音楽ファイルは、不特定多数の利用者が携帯電話の掲示板サイトなどに無断で登録、無料でダウンロードされているものだ。その規模は年間約4億曲に達し、1曲当たり300円程度かかる正規のダウンロード数を約7000万曲上回っている。
検討されている不正防止システムは、利用者が携帯電話で音楽ファイルをダウンロードすると、楽曲の識別情報が携帯端末から照合用サーバーに自動送信される。サーバーは楽曲が正規の手続きで配信されたものかどうかを判定、違法コピーされたものであれば利用者の端末に警告メッセージが表示される仕組みだ。
さらに同じ端末で何度も違法コピーを繰り返すなど悪質なケースと判定した場合は、サーバーからの情報を受けて端末が自動的にダウンロードを中断したり、ダウンロードはできても曲を再生できないようにしたりする。協議会は専用サーバーの設置場所や運営コスト、システムに対応する携帯端末の開発などを詰める方針だ。
スズキがインドに新工場 現地生産計130万台、日本並み規模
【ニューデリー=黒沼勇史】スズキは2011年をメドにインドに新工場を建設する。フル稼働時の年産能力は30万台で、投資額は300億円程度。同国での生産能力は現在の約1.3倍の年130万台に増え、日本での生産能力に匹敵する規模になる。自動車業界では需要増が見込める新興国戦略が将来の成長のカギを握っており、5割近くのシェアを握るインドで積極投資に踏み切る。
新工場を設けるのは北部、首都ニューデリーの南西約50キロメートルのハリヤナ州マネサール。約54%出資する現地四輪子会社マルチ・スズキが主力の世界戦略車「スイフト」などをつくる年産30万台の生産拠点を構えており、その隣接地で同規模の新工場建設に着手する。
「ラブプラス」にネット熱狂!? mixi日記「注目のキーワード」1位に
9月3日に発売された、ニンテンドーDS用恋愛ゲーム「ラブプラス」(コナミデジタルエンタテインメント)がネットで話題になっている。mixi日記の急上昇キーワード「注目キーワード」で3日、ラブプラスが1位にランクイン。「2ちゃんねる」では、ソフトを複数本購入した“猛者”が名乗りを上げている。
ラブプラスは、高校を舞台にした恋愛シュミレーション。3人の女の子のうち1人を攻略して恋人にし、“彼女のいる高校生活”を楽しめる。ゲーム内の時間を、現実の時間や季節とリンクさせられるのも特徴だ。
「彼女ができました」――mixi日記には4日までに、こんなタイトルで、ラブプラスでできた“彼女”を紹介する日記が複数書かれている。日記でラブプラスを購入したことを伝えたり、「キュンキュンした」などプレイの感想を書いているユーザーも多い。
2ちゃんねるには、3人の女の子との生活を同時に楽しもうと、ラブプラスを3本購入して3台のDS本体にセットしたり、ラブプラス11本と、11台のDS本体を一緒に撮影した画像などがアップロードされている。
安値競争、秋商戦も熱く ダイエーは880円ジーンズ
秋商戦が本格化してきた小売業で早くも価格競争が激しさを増している。ダイエーは4日、従来の半値以下の880円のジーンズを5日に発売すると発表。J・フロントリテイリング傘下の大丸東京店(東京・千代田)は9月初旬としては異例の秋冬物衣料のセールを始めている。所得の低下に伴う消費不振で価格下落はしばらく続きそうで、収益確保に向けた仕入れ構造の見直しも急務だ。
ダイエーの格安ジーンズは中国で生産したプライベートブランド(PB=自主企画)商品。紳士、婦人、子供用を合わせて年間約50万本の販売を目指す。イオンもすでに880円のジーンズを発売しており、ともにファーストリテイリングの低価格ブランド「ジーユー」を110円下回る。量販店を中心に1000円未満のジーンズが広がりつつある。
野村のロンドン新拠点、賃料6年無料に 金融危機を逆手に
野村証券の英国現地法人である野村インターナショナル(ロンドン)は、来年に予定しているオフィスビルの移転に関連し、当初約6年間は賃借料が無料になる条件を獲得した。ロンドンでは金融危機以降、オフィス賃料が大幅に下落しているうえ空室も目立っており、危機を逆手に取った形だ。
新拠点は金融街「シティー」にある英国法人の本社に近い、テムズ川沿いに新築された12階建てのビル。賃借期間は20年で、このうち2015年までの賃料を無料にする契約で家主側と合意した。野村は近く入居に必要な工事に取りかかる。
失業率悪化受け「回復には時間」、米財務次官補
【ワシントン=御調昌邦】米財務省のクルーガー次官補は4日、同日発表の雇用統計で失業率が9.7%に上昇したことなどについて「労働市場が回復するまでには時間がかかるだろう」と記者団に語った。
同次官補はオバマ政権の雇用情勢の認識として「悪さが弱まったが、良いわけではない」と説明した。民間エコノミストが年後半に米経済のプラス成長を予測していることにも触れ「雇用は国内総生産(GDP)の成長より概して遅れる」との認識も示した。さらに「景気対策が無ければ、雇用への影響はもっと大きかっただろう」と付け加えた。
朝日社説
小沢幹事長―企業献金に自らとどめを (2009年9月5日)
民主党の新幹事長に、小沢一郎前代表が就くことになった。政府は鳩山首相、党務は小沢氏、という新政権の基本構図ができた。
「二重権力」になるのではないか。「闇将軍」にならないか。そんな懸念が党内外で語られてきた小沢氏の起用だが、鳩山氏の意図は明確だ。
第一は、来夏の参院選対策だ。
勝利すれば、衆参両院で民主党単独で過半数を固め、政権の基盤を盤石にできる。逆に、負けるようなことになれば、民意の旗じるしを野党に奪われ、政権運営は一気に難しくなる。
そのために小沢氏の手腕に頼りたい、ということだろう。07年の参院選、そして今回の衆院選を大勝に導いた小沢氏の力量は証明済みだ。
第二は、西松建設からの違法献金事件で秘書の公判を控える小沢氏を、閣僚として政府に抱えるわけにはいかない、というリスク管理である。閣僚は国会で答弁に立たねばならず、野党の追及にさらされる。展開次第で政権がつまずく危険もある。
幹事長は党のナンバー2であり、選挙のほか国会対策、政治資金の配分などで大きな権限を握る。小沢氏としても不満のない人事といえるだろう。
不安がないわけではない。140人を超える初当選組の大半は小沢氏が擁立し、面倒を見てきた。巨大化した民主党で、小沢氏の影響力、存在感もまた巨大になっている。
小沢氏も、「二重権力」を警戒する視線を十分、意識しているに違いない。かつて海部政権や細川政権で与党側の実権を握り、政権を牛耳った過去がある。その後も政党再編を仕掛けては失敗した。説明不足、強引、独断専行……。そんな批判を浴びてきた。
今回も、同じ轍(てつ)を踏むことはないか。鳩山氏がいくら「心配はない」と打ち消しても、それが本当かどうかは、やはり小沢氏自身の行動で示してもらわねばならない。
それには、名実ともに鳩山氏のリーダーシップを支える姿を明確にすることだ。定例の記者会見などに積極的に応じることも欠かせない。政権交代の実をあげるために経験と力を生かし、党を束ねていってもらいたい。
西松事件は終わっていない。前社長の判決で、小沢氏の秘書が公共工事の談合に強い影響力を持っていた事実が認定された。巨額献金の背景について誠実に説明する必要がある。
政官業の癒着を排するという民主党政権の姿勢を鮮明にするためにも、企業・団体献金の全面禁止を秋の臨時国会で仕上げる先頭に立つべきだ。
小沢氏の処遇が決まったことで、閣僚人事が本格的に動き出した。鳩山氏は国家戦略局担当相、財務相、外相ら主要閣僚を早く固め、現政権との政権移行作業を加速させることだ。
NTTドコモが米国で、MVNO(仮想移動体通信事業者)として携帯電話事業の展開を検討していることが5日、分かった。米国の市場で高性能端末への需要が高まっていることから、来年中の事業開始を目指す。海外でのドコモブランドの展開は初めてとなる。ドコモは90年代に米市場で現地企業に巨額投資を行い失敗した例があり、投資リスクが低いとされるMVNO方式での再進出を狙う考えだ。
ドコモは日本の携帯電話市場が頭打ちの中、金融危機後も成長を続けている米国市場に着目。需要の中心が割安なサービスからネット接続など高性能サービスに移っていることから、世界最先端の機能を盛り込んだ端末を武器に、米国市場で事業拡大を目指す。
ドコモが米国に進出するMVNO方式は、既存の通信事業者から回線を有償で借り、携帯電話やデータ通信事業を行う事業手法だ。自前でインフラ整備をする投資リスクを避けられるため、通信ベンチャーや異業種企業が携帯電話事業に参入する際用いることが多い。ドコモの米市場参入では、提携関係にあるAT&TかTモバイルから回線を借り受ける可能性が高いとみられる。
ドコモは90年代から2000年代初めにかけ、AT&Tワイヤレスなど米通信大手に巨額投資を行い市場参入を目指したが、ITバブルの崩壊を受け1兆円以上の損失を出して撤退した経緯がある。
ドコモはその後、海外投資を控えてきたが、ここにきてインドや東南アジアなど成長が見込める新興国市場で投資活動を再開。役員などを派遣し、相手企業の経営にも積極的に参画する形で現地市場への進出を図ってきた。ただ米国では、過去の投資案件で失敗した例などを踏まえ、MVNO方式での参入を目指す考えだ。
米国では昨年秋のリーマン・ショックを受け景気の低迷が続いているが、携帯電話市場はスマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話の人気などを受け堅調に推移している。ドコモも米グーグルのOS(基本ソフト)を搭載したスマートフォンを発売するなど、同分野での事業を強化しており、それらの端末を軸に米市場でも事業展開を目指す可能性が高いとみられる。
日本国内のMVNO方式としては、ドコモ回線を借りる通信ベンチャーの日本通信や、ソフトバンクモバイルの回線を借りるウォルト・ディズニー・ジャパンなどが知られる。
携帯の不正音楽ダウンロード阻止でシステム構築へ
携帯電話にインターネットで配信される違法な音楽ファイルを締め出すため、総務省と通信業界、音楽業界が協力し、携帯端末で不正ダウンロードができないようにする世界初のシステムを来年度にも導入する方針であることが5日、明らかになった。
若者を中心に携帯電話で音楽を楽しむ傾向が強まる一方で後を絶たない著作権侵害に歯止めをかける狙いだ。
新システムは、日本レコード協会と電気通信事業者協会が中心となって今月16日に設立する「違法音楽配信対策協議会(仮称)」で検討を進める。総務省や関連企業・団体も参加し、官民一体で対策を強化する。
音楽業界などが不正防止に乗り出すのは、日本の携帯電話の音楽配信が約1000億円(2007年)と世界最大の市場規模を持つものの、違法ファイルの流通が市場の成長に悪影響を与えているためだ。
問題となっている違法コピーされた音楽ファイルは、不特定多数の利用者が携帯電話の掲示板サイトなどに無断で登録、無料でダウンロードされているものだ。その規模は年間約4億曲に達し、1曲当たり300円程度かかる正規のダウンロード数を約7000万曲上回っている。
検討されている不正防止システムは、利用者が携帯電話で音楽ファイルをダウンロードすると、楽曲の識別情報が携帯端末から照合用サーバーに自動送信される。サーバーは楽曲が正規の手続きで配信されたものかどうかを判定、違法コピーされたものであれば利用者の端末に警告メッセージが表示される仕組みだ。
さらに同じ端末で何度も違法コピーを繰り返すなど悪質なケースと判定した場合は、サーバーからの情報を受けて端末が自動的にダウンロードを中断したり、ダウンロードはできても曲を再生できないようにしたりする。協議会は専用サーバーの設置場所や運営コスト、システムに対応する携帯端末の開発などを詰める方針だ。
スズキがインドに新工場 現地生産計130万台、日本並み規模
【ニューデリー=黒沼勇史】スズキは2011年をメドにインドに新工場を建設する。フル稼働時の年産能力は30万台で、投資額は300億円程度。同国での生産能力は現在の約1.3倍の年130万台に増え、日本での生産能力に匹敵する規模になる。自動車業界では需要増が見込める新興国戦略が将来の成長のカギを握っており、5割近くのシェアを握るインドで積極投資に踏み切る。
新工場を設けるのは北部、首都ニューデリーの南西約50キロメートルのハリヤナ州マネサール。約54%出資する現地四輪子会社マルチ・スズキが主力の世界戦略車「スイフト」などをつくる年産30万台の生産拠点を構えており、その隣接地で同規模の新工場建設に着手する。
「ラブプラス」にネット熱狂!? mixi日記「注目のキーワード」1位に
9月3日に発売された、ニンテンドーDS用恋愛ゲーム「ラブプラス」(コナミデジタルエンタテインメント)がネットで話題になっている。mixi日記の急上昇キーワード「注目キーワード」で3日、ラブプラスが1位にランクイン。「2ちゃんねる」では、ソフトを複数本購入した“猛者”が名乗りを上げている。
ラブプラスは、高校を舞台にした恋愛シュミレーション。3人の女の子のうち1人を攻略して恋人にし、“彼女のいる高校生活”を楽しめる。ゲーム内の時間を、現実の時間や季節とリンクさせられるのも特徴だ。
「彼女ができました」――mixi日記には4日までに、こんなタイトルで、ラブプラスでできた“彼女”を紹介する日記が複数書かれている。日記でラブプラスを購入したことを伝えたり、「キュンキュンした」などプレイの感想を書いているユーザーも多い。
2ちゃんねるには、3人の女の子との生活を同時に楽しもうと、ラブプラスを3本購入して3台のDS本体にセットしたり、ラブプラス11本と、11台のDS本体を一緒に撮影した画像などがアップロードされている。
安値競争、秋商戦も熱く ダイエーは880円ジーンズ
秋商戦が本格化してきた小売業で早くも価格競争が激しさを増している。ダイエーは4日、従来の半値以下の880円のジーンズを5日に発売すると発表。J・フロントリテイリング傘下の大丸東京店(東京・千代田)は9月初旬としては異例の秋冬物衣料のセールを始めている。所得の低下に伴う消費不振で価格下落はしばらく続きそうで、収益確保に向けた仕入れ構造の見直しも急務だ。
ダイエーの格安ジーンズは中国で生産したプライベートブランド(PB=自主企画)商品。紳士、婦人、子供用を合わせて年間約50万本の販売を目指す。イオンもすでに880円のジーンズを発売しており、ともにファーストリテイリングの低価格ブランド「ジーユー」を110円下回る。量販店を中心に1000円未満のジーンズが広がりつつある。
野村のロンドン新拠点、賃料6年無料に 金融危機を逆手に
野村証券の英国現地法人である野村インターナショナル(ロンドン)は、来年に予定しているオフィスビルの移転に関連し、当初約6年間は賃借料が無料になる条件を獲得した。ロンドンでは金融危機以降、オフィス賃料が大幅に下落しているうえ空室も目立っており、危機を逆手に取った形だ。
新拠点は金融街「シティー」にある英国法人の本社に近い、テムズ川沿いに新築された12階建てのビル。賃借期間は20年で、このうち2015年までの賃料を無料にする契約で家主側と合意した。野村は近く入居に必要な工事に取りかかる。
失業率悪化受け「回復には時間」、米財務次官補
【ワシントン=御調昌邦】米財務省のクルーガー次官補は4日、同日発表の雇用統計で失業率が9.7%に上昇したことなどについて「労働市場が回復するまでには時間がかかるだろう」と記者団に語った。
同次官補はオバマ政権の雇用情勢の認識として「悪さが弱まったが、良いわけではない」と説明した。民間エコノミストが年後半に米経済のプラス成長を予測していることにも触れ「雇用は国内総生産(GDP)の成長より概して遅れる」との認識も示した。さらに「景気対策が無ければ、雇用への影響はもっと大きかっただろう」と付け加えた。
朝日社説
小沢幹事長―企業献金に自らとどめを (2009年9月5日)
民主党の新幹事長に、小沢一郎前代表が就くことになった。政府は鳩山首相、党務は小沢氏、という新政権の基本構図ができた。
「二重権力」になるのではないか。「闇将軍」にならないか。そんな懸念が党内外で語られてきた小沢氏の起用だが、鳩山氏の意図は明確だ。
第一は、来夏の参院選対策だ。
勝利すれば、衆参両院で民主党単独で過半数を固め、政権の基盤を盤石にできる。逆に、負けるようなことになれば、民意の旗じるしを野党に奪われ、政権運営は一気に難しくなる。
そのために小沢氏の手腕に頼りたい、ということだろう。07年の参院選、そして今回の衆院選を大勝に導いた小沢氏の力量は証明済みだ。
第二は、西松建設からの違法献金事件で秘書の公判を控える小沢氏を、閣僚として政府に抱えるわけにはいかない、というリスク管理である。閣僚は国会で答弁に立たねばならず、野党の追及にさらされる。展開次第で政権がつまずく危険もある。
幹事長は党のナンバー2であり、選挙のほか国会対策、政治資金の配分などで大きな権限を握る。小沢氏としても不満のない人事といえるだろう。
不安がないわけではない。140人を超える初当選組の大半は小沢氏が擁立し、面倒を見てきた。巨大化した民主党で、小沢氏の影響力、存在感もまた巨大になっている。
小沢氏も、「二重権力」を警戒する視線を十分、意識しているに違いない。かつて海部政権や細川政権で与党側の実権を握り、政権を牛耳った過去がある。その後も政党再編を仕掛けては失敗した。説明不足、強引、独断専行……。そんな批判を浴びてきた。
今回も、同じ轍(てつ)を踏むことはないか。鳩山氏がいくら「心配はない」と打ち消しても、それが本当かどうかは、やはり小沢氏自身の行動で示してもらわねばならない。
それには、名実ともに鳩山氏のリーダーシップを支える姿を明確にすることだ。定例の記者会見などに積極的に応じることも欠かせない。政権交代の実をあげるために経験と力を生かし、党を束ねていってもらいたい。
西松事件は終わっていない。前社長の判決で、小沢氏の秘書が公共工事の談合に強い影響力を持っていた事実が認定された。巨額献金の背景について誠実に説明する必要がある。
政官業の癒着を排するという民主党政権の姿勢を鮮明にするためにも、企業・団体献金の全面禁止を秋の臨時国会で仕上げる先頭に立つべきだ。
小沢氏の処遇が決まったことで、閣僚人事が本格的に動き出した。鳩山氏は国家戦略局担当相、財務相、外相ら主要閣僚を早く固め、現政権との政権移行作業を加速させることだ。
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日本のゲーム会社が直面する「多様化と多極化」(COLUMN)
日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2009」が9月1~3日に横浜で開催された。参加者は昨年を上回る2500人。さらに、学生版CEDECと銘打って今年から始まった「業界研究フェア」にも1000人が集まった。規模は一段と拡大したが、それはゲーム業界の現場の開発者、経営者の双方が抱く危機感の表れでもある。
今年のCEDECの議論は、2つの軸でくくることができるだろう。「大規模化するプロジェクト」対「極小化するプロジェクト」、「国際化への対処」対「日本のローカル性の追求」の2つだ。この構図はまさに、今の日本のゲーム業界を示している。
■世界で何が起きているか
今回のCEDECでは、エンターブレインのリッキー谷本氏(マーケティング企画部)と筆者で、世界のゲーム産業の動向を概説するセッションを受け持った。国内外の調査データに通じる谷本氏は、「ゲーム市場そのものは拡大している」と述べ、理由として「多様化」と「多極化」という2つのキーワードを挙げた。
多様化とは、「iPhone」や「Facebook」などこれまでのゲームプラットフォームとは異なるさまざまなデバイスやコミュニティー空間の発展を指す。これにより、ゲームのプレーヤー人口自体は明らかに拡大しているが、大半は無料で手軽に遊べるゲームであり、既存のゲーム機市場には収益面で悪影響を及ぼす。
もう1つの多極化とは、中国、インド、南米などの新興国で誕生しているゲーム市場のことだ。こうした地域では、ネットカフェでオンラインゲームを遊んでもらうという形で市場が拡大しているが、日本のゲームは存在感がないに等しい。
谷本氏は、こうした分析を通じて日本のゲーム会社を取り巻く環境の厳しさを指摘したが、特に衝撃的だったのは中国市場の動向を示すデータだ。市場規模の推計は2008年が2388億円で、日本の家庭用ゲーム機ソフト市場の約3000億円に迫っている。早ければ09年にも日本を追い抜く可能性があるという。もちろん、一人あたりの売り上げは比較にならないが、巨大市場の出現である。
■海外強化が急務とわかってはいるが・・・
しかし中国は、政府の規制などの影響で、日本企業が極めて進出しにくい状況にある。着実に力を付けているのは中国企業であり、現地のニーズに合わせて市場を押さえられた結果、ますます進出が難しくなりつつある。
多極化への対応に日本企業が苦戦していることを示すよりわかりやすいデータは、日本の大手ゲーム会社の海外売上高比率である。任天堂を除く大手6社の08年度上半期の売上高は、どこも国内が75%以上を占めている。バンダイナムコ(76.8%)、スクウェア・エニックス(86.6%)、コナミ(74.8%)、カプコン(80.1%)、セガサミー(82.7%)、コーエー(91.8%)、テクモ(89.6%)という状況だ。時期により若干の変動はあるものの、海外比率はまだまだ低い。
一方で日本市場は、ハード・ソフトの2008年計で約6000億円。米国の約2兆1000億円、欧州の約2兆3000億円に比べれば3分の1以下で、全世界約5兆円の12%にすぎない。各社は海外で成果を出すことが急務と認識しているが、それが容易にいかないところに今の日本のゲーム会社の苦しさがある。パッケージソフトは欧米地域でも市場環境が厳しく、軽くて安いソーシャルゲームが拡大しているためだ。やむを得ず、国内パッケージ市場に頼らざるを得ないのである。
■1250万人が参加する「軽いゲーム」
その日本でも、ソーシャルゲームの攻勢は始まっている。携帯電話向けSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のグリーが代表格だ。同社の田中良和社長が講演を行った。
グリーは企業としての体裁が整い始めた創業2年目の06年初めに、「2010年にどのような社会がくるか」と予測を立て、それを基に企業戦略を策定した。つまり、携帯電話や携帯ゲーム機を中心とした市場が形成され、コミュニティーサービスがネットの中心になると予測し、SNSにゲームを付属させてそれらが融合するようにサービスを設計、展開したのだという。
会員数は、今年6月時点で1250万人にまで拡大している。最終的には2000万~3000万人が登録する日本最大のコミュニティーを目指すという。そのキラーコンテンツが、自社開発して質の高さで勝負するFlashで作られた軽いゲームだ。
例えば、ペットゲームの「クリノッペ」は、同時接続者数が常時10万人を超えるという。「ドラゴンクエストIX」(スクウェア・エニックス、DS)の出荷が370万本と大成功しているが、「人数ではそれに匹敵するゲームを創っている」と田中氏は自信をのぞかせていた。
グリーのゲームは日本ローカルで開発も低予算だが、オンラインゲームの基本的な収益源である広告とアイテム課金で高収益を上げている。09年6月期は売上高139億円で、営業利益は83億円。社員約100人としてはきわめて好業績である。
グリーは現時点では、海外戦略を発表していない。日本というローカル市場でモバイルに絞ってナンバーワンを目指しているが、家庭用ゲーム機市場のユーザー獲得まで念頭に入れている強力なライバルだ。
■カプコンの竹内氏が取り組んだ改革
ではゲーム会社はどのように海外をめざすべきか。日本企業では現在もっとも開発体制がうまく機能しているといわれる「バイオハザード5」(PS3、Xbox360)、「ロストプラネット2」(PS3、Xbox360)などのプロデューサーであるカプコンの竹内潤氏は、世界での競争力を高めるための取り組みについて講演した。
竹内氏は、開発体制を再編するために、「安い」「速い「美味い」をキーワードに、開発チームの総合力引き上げを目指したという。
安いとは、効率化のことであり、各チームがバラバラに作っていたゲームエンジンを「MTフレームワーク」という自社共通システムに統一した。速いとは、組織の見直しであり、7つの開発部門に分かれていた約600人の開発チームを段階的に統合し、1つの部署にまとめ直した。その結果、作業待ち状態の開発者が減り、ベテランのスタッフが新人を教育して学習速度が上がる効果も生まれたという。
3つめの美味いは、必ずしも流行っていない分野のゲームや日本では開発が難しいといわれる分野のゲームにあえて取り組み、ゲームのおもしろさを追求していくという意味だ。この体制で開発費20億円の「ロストプラネット」(Xbox360)を成功に導き、現在の「ロストプラネット2」の開発チームは、グリーの全社員より多い120人にも及ぶ。
■「すれちがい通信」と「Twitter」
アプローチはまったく違うグリーとカプコンだが、共通するのは日本というローカル性を強く意識している点だ。海外を狙うにしても、国内で最適化をはかるにしても、日本的な特性に根ざした戦略を打ち出している。今年のCEDECでは他のセッションでも、この点がテーマになっていた。
問題は、日本のローカル性がどこまで通用し続けるかにあり、谷本氏と筆者も議論を重ねたが、明快に予測することはできなかった。世界の市場そのものが劇的に変化しており、たどり着く場所が見えないためだ。ただ、谷本氏はモーションコントローラー、タッチスクリーン、音声認識などの新しい「インプット」や、ハイビジョン、立体視、拡張現実などの登場による「アウトプット」の多様性が、「新しいインタラクティブ体験」をもたらし、市場を活性化していくと予測していた。
1つは、ドラゴンクエストIXの「すれちがい通信」だ。基調講演の最中に、生みの親の堀井雄二氏が交換して大きな話題になったが、会場でも交換する人が多く目についた。堀井氏はドラクエについて「日本人が日本人のために作るゲームでいいのではないか」と、日本ローカルを肯定的に語っていた。
もう1つは、先端好きのゲーム開発者の集まりらしく、アップルの「iPhone」がそこらじゅうにあふれていたこと。そのiPhoneを使ってCEDECの会場から、米国発のソーシャルメディア「Twitter」で、みんながつぶやく。利用法をしらなかった人もいたが、口コミで次第に広がっていった。
「多様化と多極化」は会場の参加者にも起きているようだ。
ミクシィ、アプリ開発ベンチャーに18%出資 ゲームソフトなど外部調達を強化
交流サイト(SNS)「mixi」を運営するミクシィは4日、SNS向けアプリケーション(応用)ソフトを開発するベンチャー企業、空飛ぶ(東京・港)に18%出資したと発表した。空飛ぶが同日実施した2520万円の第三者割当増資を引き受け、7200株を取得した。mixi上で使えるソフトを開発する空飛ぶを資金面で支え、SNSとしての魅力向上につなげる。
ミクシィはSNS上で使えるソフトの拡充に力を入れている。従来はmixi上で提供するサービスは基本的に自社で用意していたが、このほど外部の開発者が作ったソフトも利用者に公開し始め、ソフト数を増やしている。空飛ぶも既に、ゲームなど12のソフトをmixi上で提供している。
グーグル中国法人社長、9月半ばに退社
【シリコンバレー=田中暁人】インターネット検索最大手の米グーグルは3日、中国法人社長で米本社の副社長も務める李開復(カイフー・リー)氏が9月半ばに退社すると発表した。同氏は2005年にマイクロソフト(MS)からグーグルに移籍。「雇用契約違反」としてMSがグーグルを訴え、法廷闘争の末にグーグルが獲得した有力社員の1人。退社後は北京で起業するもようだ。
李氏はグーグルの中国進出の中心人物として貢献した。台湾で生まれ、米国でコンピューターサイエンスの博士号を取得。米IT(情報技術)大手で成功した華人技術者として中国でも知られ、特に理工系学生の間では知名度が高い。
中国、国際貿易の元建て決済を外資に解禁 まず三菱UFJなど
【上海=戸田敬久】中国人民銀行(中央銀行)は、これまで中国系銀行に限定していた人民元の国際貿易決済業務を、三菱東京UFJ銀行の中国法人など外資にも解禁した。人民元の国際貿易決済は7月に試験的に一部地域で解禁。外資系にも解禁することで、人民元の国際化を促す。
外資系への決済業務解禁の最初の対象となるのは、三菱東京UFJ、三井住友銀行、英スタンダード・チャータード銀行、英HSBC、香港の東亜銀行の中国法人。みずほコーポレート銀行なども決済業務の認可を申請済みで、決済できる銀行数はさらに増えそうだ。
対日直接投資6割減 09年上期、春以降も戻り鈍く
外国企業による日本企業の買収や土地の取得動向などを示す対日直接投資が急減している。2009年上半期(1~6月)の投資額は前年同期比63%減少し、6年ぶりの落ち込み幅となった。昨年来の世界的な金融危機に伴い、経営が悪化した海外企業が投資を手控えているためだ。4~6月期に限っても、前年同期比61%減と大幅マイナス。危機が「最悪期」を脱し、世界の株式市場が持ち直した今春以降も、対日投資の戻りは鈍い。
国際収支統計によると、09年上半期の対日直接投資額は1兆7167億円で、過去最高だった前年同期に比べ3分の1程度に縮小した。直接投資のなかでも、外国企業による日本企業への出資が約7千億円と前年同期の4分の1に落ち込んだ。
リクルート、求人情報誌「ガテン」休刊へ
リクルートは、技術職に特化した求人情報誌「ガテン」を今月30日発売号で休刊すると2日に発表した。今後はフリーペーパー「TOWN WORK社員」で求人情報を一本化する予定。同社はホームページで「求職者のメディア選択の変化や、景気減退による求人数の減少」と休刊の理由を説明している。「ガテン」は平成3年に創刊。土木、建設など技術職に特化した求人情報誌で、首都圏で発行している。
日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2009」が9月1~3日に横浜で開催された。参加者は昨年を上回る2500人。さらに、学生版CEDECと銘打って今年から始まった「業界研究フェア」にも1000人が集まった。規模は一段と拡大したが、それはゲーム業界の現場の開発者、経営者の双方が抱く危機感の表れでもある。
今年のCEDECの議論は、2つの軸でくくることができるだろう。「大規模化するプロジェクト」対「極小化するプロジェクト」、「国際化への対処」対「日本のローカル性の追求」の2つだ。この構図はまさに、今の日本のゲーム業界を示している。
■世界で何が起きているか
今回のCEDECでは、エンターブレインのリッキー谷本氏(マーケティング企画部)と筆者で、世界のゲーム産業の動向を概説するセッションを受け持った。国内外の調査データに通じる谷本氏は、「ゲーム市場そのものは拡大している」と述べ、理由として「多様化」と「多極化」という2つのキーワードを挙げた。
多様化とは、「iPhone」や「Facebook」などこれまでのゲームプラットフォームとは異なるさまざまなデバイスやコミュニティー空間の発展を指す。これにより、ゲームのプレーヤー人口自体は明らかに拡大しているが、大半は無料で手軽に遊べるゲームであり、既存のゲーム機市場には収益面で悪影響を及ぼす。
もう1つの多極化とは、中国、インド、南米などの新興国で誕生しているゲーム市場のことだ。こうした地域では、ネットカフェでオンラインゲームを遊んでもらうという形で市場が拡大しているが、日本のゲームは存在感がないに等しい。
谷本氏は、こうした分析を通じて日本のゲーム会社を取り巻く環境の厳しさを指摘したが、特に衝撃的だったのは中国市場の動向を示すデータだ。市場規模の推計は2008年が2388億円で、日本の家庭用ゲーム機ソフト市場の約3000億円に迫っている。早ければ09年にも日本を追い抜く可能性があるという。もちろん、一人あたりの売り上げは比較にならないが、巨大市場の出現である。
■海外強化が急務とわかってはいるが・・・
しかし中国は、政府の規制などの影響で、日本企業が極めて進出しにくい状況にある。着実に力を付けているのは中国企業であり、現地のニーズに合わせて市場を押さえられた結果、ますます進出が難しくなりつつある。
多極化への対応に日本企業が苦戦していることを示すよりわかりやすいデータは、日本の大手ゲーム会社の海外売上高比率である。任天堂を除く大手6社の08年度上半期の売上高は、どこも国内が75%以上を占めている。バンダイナムコ(76.8%)、スクウェア・エニックス(86.6%)、コナミ(74.8%)、カプコン(80.1%)、セガサミー(82.7%)、コーエー(91.8%)、テクモ(89.6%)という状況だ。時期により若干の変動はあるものの、海外比率はまだまだ低い。
一方で日本市場は、ハード・ソフトの2008年計で約6000億円。米国の約2兆1000億円、欧州の約2兆3000億円に比べれば3分の1以下で、全世界約5兆円の12%にすぎない。各社は海外で成果を出すことが急務と認識しているが、それが容易にいかないところに今の日本のゲーム会社の苦しさがある。パッケージソフトは欧米地域でも市場環境が厳しく、軽くて安いソーシャルゲームが拡大しているためだ。やむを得ず、国内パッケージ市場に頼らざるを得ないのである。
■1250万人が参加する「軽いゲーム」
その日本でも、ソーシャルゲームの攻勢は始まっている。携帯電話向けSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のグリーが代表格だ。同社の田中良和社長が講演を行った。
グリーは企業としての体裁が整い始めた創業2年目の06年初めに、「2010年にどのような社会がくるか」と予測を立て、それを基に企業戦略を策定した。つまり、携帯電話や携帯ゲーム機を中心とした市場が形成され、コミュニティーサービスがネットの中心になると予測し、SNSにゲームを付属させてそれらが融合するようにサービスを設計、展開したのだという。
会員数は、今年6月時点で1250万人にまで拡大している。最終的には2000万~3000万人が登録する日本最大のコミュニティーを目指すという。そのキラーコンテンツが、自社開発して質の高さで勝負するFlashで作られた軽いゲームだ。
例えば、ペットゲームの「クリノッペ」は、同時接続者数が常時10万人を超えるという。「ドラゴンクエストIX」(スクウェア・エニックス、DS)の出荷が370万本と大成功しているが、「人数ではそれに匹敵するゲームを創っている」と田中氏は自信をのぞかせていた。
グリーのゲームは日本ローカルで開発も低予算だが、オンラインゲームの基本的な収益源である広告とアイテム課金で高収益を上げている。09年6月期は売上高139億円で、営業利益は83億円。社員約100人としてはきわめて好業績である。
グリーは現時点では、海外戦略を発表していない。日本というローカル市場でモバイルに絞ってナンバーワンを目指しているが、家庭用ゲーム機市場のユーザー獲得まで念頭に入れている強力なライバルだ。
■カプコンの竹内氏が取り組んだ改革
ではゲーム会社はどのように海外をめざすべきか。日本企業では現在もっとも開発体制がうまく機能しているといわれる「バイオハザード5」(PS3、Xbox360)、「ロストプラネット2」(PS3、Xbox360)などのプロデューサーであるカプコンの竹内潤氏は、世界での競争力を高めるための取り組みについて講演した。
竹内氏は、開発体制を再編するために、「安い」「速い「美味い」をキーワードに、開発チームの総合力引き上げを目指したという。
安いとは、効率化のことであり、各チームがバラバラに作っていたゲームエンジンを「MTフレームワーク」という自社共通システムに統一した。速いとは、組織の見直しであり、7つの開発部門に分かれていた約600人の開発チームを段階的に統合し、1つの部署にまとめ直した。その結果、作業待ち状態の開発者が減り、ベテランのスタッフが新人を教育して学習速度が上がる効果も生まれたという。
3つめの美味いは、必ずしも流行っていない分野のゲームや日本では開発が難しいといわれる分野のゲームにあえて取り組み、ゲームのおもしろさを追求していくという意味だ。この体制で開発費20億円の「ロストプラネット」(Xbox360)を成功に導き、現在の「ロストプラネット2」の開発チームは、グリーの全社員より多い120人にも及ぶ。
■「すれちがい通信」と「Twitter」
アプローチはまったく違うグリーとカプコンだが、共通するのは日本というローカル性を強く意識している点だ。海外を狙うにしても、国内で最適化をはかるにしても、日本的な特性に根ざした戦略を打ち出している。今年のCEDECでは他のセッションでも、この点がテーマになっていた。
問題は、日本のローカル性がどこまで通用し続けるかにあり、谷本氏と筆者も議論を重ねたが、明快に予測することはできなかった。世界の市場そのものが劇的に変化しており、たどり着く場所が見えないためだ。ただ、谷本氏はモーションコントローラー、タッチスクリーン、音声認識などの新しい「インプット」や、ハイビジョン、立体視、拡張現実などの登場による「アウトプット」の多様性が、「新しいインタラクティブ体験」をもたらし、市場を活性化していくと予測していた。
1つは、ドラゴンクエストIXの「すれちがい通信」だ。基調講演の最中に、生みの親の堀井雄二氏が交換して大きな話題になったが、会場でも交換する人が多く目についた。堀井氏はドラクエについて「日本人が日本人のために作るゲームでいいのではないか」と、日本ローカルを肯定的に語っていた。
もう1つは、先端好きのゲーム開発者の集まりらしく、アップルの「iPhone」がそこらじゅうにあふれていたこと。そのiPhoneを使ってCEDECの会場から、米国発のソーシャルメディア「Twitter」で、みんながつぶやく。利用法をしらなかった人もいたが、口コミで次第に広がっていった。
「多様化と多極化」は会場の参加者にも起きているようだ。
ミクシィ、アプリ開発ベンチャーに18%出資 ゲームソフトなど外部調達を強化
交流サイト(SNS)「mixi」を運営するミクシィは4日、SNS向けアプリケーション(応用)ソフトを開発するベンチャー企業、空飛ぶ(東京・港)に18%出資したと発表した。空飛ぶが同日実施した2520万円の第三者割当増資を引き受け、7200株を取得した。mixi上で使えるソフトを開発する空飛ぶを資金面で支え、SNSとしての魅力向上につなげる。
ミクシィはSNS上で使えるソフトの拡充に力を入れている。従来はmixi上で提供するサービスは基本的に自社で用意していたが、このほど外部の開発者が作ったソフトも利用者に公開し始め、ソフト数を増やしている。空飛ぶも既に、ゲームなど12のソフトをmixi上で提供している。
グーグル中国法人社長、9月半ばに退社
【シリコンバレー=田中暁人】インターネット検索最大手の米グーグルは3日、中国法人社長で米本社の副社長も務める李開復(カイフー・リー)氏が9月半ばに退社すると発表した。同氏は2005年にマイクロソフト(MS)からグーグルに移籍。「雇用契約違反」としてMSがグーグルを訴え、法廷闘争の末にグーグルが獲得した有力社員の1人。退社後は北京で起業するもようだ。
李氏はグーグルの中国進出の中心人物として貢献した。台湾で生まれ、米国でコンピューターサイエンスの博士号を取得。米IT(情報技術)大手で成功した華人技術者として中国でも知られ、特に理工系学生の間では知名度が高い。
中国、国際貿易の元建て決済を外資に解禁 まず三菱UFJなど
【上海=戸田敬久】中国人民銀行(中央銀行)は、これまで中国系銀行に限定していた人民元の国際貿易決済業務を、三菱東京UFJ銀行の中国法人など外資にも解禁した。人民元の国際貿易決済は7月に試験的に一部地域で解禁。外資系にも解禁することで、人民元の国際化を促す。
外資系への決済業務解禁の最初の対象となるのは、三菱東京UFJ、三井住友銀行、英スタンダード・チャータード銀行、英HSBC、香港の東亜銀行の中国法人。みずほコーポレート銀行なども決済業務の認可を申請済みで、決済できる銀行数はさらに増えそうだ。
対日直接投資6割減 09年上期、春以降も戻り鈍く
外国企業による日本企業の買収や土地の取得動向などを示す対日直接投資が急減している。2009年上半期(1~6月)の投資額は前年同期比63%減少し、6年ぶりの落ち込み幅となった。昨年来の世界的な金融危機に伴い、経営が悪化した海外企業が投資を手控えているためだ。4~6月期に限っても、前年同期比61%減と大幅マイナス。危機が「最悪期」を脱し、世界の株式市場が持ち直した今春以降も、対日投資の戻りは鈍い。
国際収支統計によると、09年上半期の対日直接投資額は1兆7167億円で、過去最高だった前年同期に比べ3分の1程度に縮小した。直接投資のなかでも、外国企業による日本企業への出資が約7千億円と前年同期の4分の1に落ち込んだ。
リクルート、求人情報誌「ガテン」休刊へ
リクルートは、技術職に特化した求人情報誌「ガテン」を今月30日発売号で休刊すると2日に発表した。今後はフリーペーパー「TOWN WORK社員」で求人情報を一本化する予定。同社はホームページで「求職者のメディア選択の変化や、景気減退による求人数の減少」と休刊の理由を説明している。「ガテン」は平成3年に創刊。土木、建設など技術職に特化した求人情報誌で、首都圏で発行している。
ネット「仮想空間」新技術で普及の兆し 登録不要、バナーから直接接続(COLUMN)
インターネット上で仮想空間を提供するサービスが普及する兆しを見せている。ウェブサイトから直接閲覧できる仕組みが広がり、手軽に利用できるようになったためだ。新たな収益源として期待する企業も出始めている。
NTTグループでインターネット上で仮想空間を構築する技術を開発・提供している3Di(東京都渋谷区)は、バナー広告に仮想空間を組み込むことができる技術を開発した。この技術を利用すると、利用者をネット通販企業の広告から、各企業が構築した仮想空間に開設された店舗に誘導する仕組み。商品が売れると仮想空間に並んだ商品が減っていくなど、実際に店頭で買い物をしているような臨場感を味わえるという。
この技術は、同社が4月に発表したウェブサイト上で仮想空間を構築、閲覧できるサービス「3Di OpenViewer(オープンビューワー)」を応用した。
仮想空間をめぐっては、2007年に日本でのサービスが始まった米リンデンラボの「セカンドライフ」が脚光を浴び、企業がこぞって出店した。しかし、閲覧には会員登録などが必要であり、「手間がかかり、利用者の誘導が難しかった」(業界関係者)という。
3Diのオープンビューワーは、事前に閲覧ソフトをダウンロードしておけば、画面をクリックするだけで仮想空間を閲覧できるのが特徴。OA機器大手のサンワサプライ(岡山市)が自社の通販サイト内に仮想空間を立ち上げるなど、複数の企業が自社サイト内に仮想空間を構築しており、写真や文章では伝わらない商品の形などを伝える手段として利用されている。
一方、サイバーエージェントが展開するブログサービス「アメーバブログ」上で今年2月に開始した仮想空間「アメーバピグ」も、ブログ記事を投稿するサイトから直接アクセスできる手軽さが人気だ。
アメーバ事業本部プラットフォームDivの山崎ひとみプロデューサーは「ネット環境やパソコンの性能にかかわらず、快適に操作ができるように空間内の建物をシンプルな作りにするなど工夫した」と話す。利用者は8月末で80万人を突破し、今秋には携帯電話向けのサービスも正式に開始する。
空間内で活動するアバター(分身)が着用する洋服を有料で購入する利用者も増加し、広告収入と並ぶ収益の柱として育成する計画だ。
フジテレビと日本テレビ、ヤフー連結子会社「GyaO」に出資へ
ヤフーは4日、フジテレビジョンと日本テレビ放送網の2社が、ヤフーの連結子会社である株式会社GyaOに出資することで合意したと発表した。
株式会社GyaOは、映像配信サービス「GyaO」を運営する企業。ヤフーでは、2009年4月にUSENから51%の株式を譲り受けて連結子会社化し、「GyaO」と「Yahoo!動画」の統合準備を進めている。
ヤフーとGyaOでは、インターネットで映像を視聴する文化を成熟させるために、ユーザーが安心して映像配信サービスを利用できるようにするとともに、映像の制作者や配信事業者を含めて、それぞれが利益を享受できる安全なシステム構築を進めているという。こうした中で、放送局との協業関係を一層強固なものにするため、フジテレビと日本テレビにGyaOへの出資を要請した。
出資の合意を受けて、フジテレビと日本テレビは、それぞれ7.0%のGyaO株式をヤフーから9月中に取得する予定。ヤフーでは合わせて、USENから14.0%分の株式を追加取得して、51.0%の出資比率を維持する。両社出資後の株主比率は、ヤフーが51.0%、USENが35.0%、フジテレビと日本テレビが各7.0%になる。なお、各社の株式取得額は非公表。
業務提携面では、フジテレビはGyaOが今後開始する予定の有料の動画配信サービスに対して、自社の「フジテレビ On Demand」を出店させる。日本テレビでは、映像事業に関する無料広告モデルや課金モデル、EC連携モデルなど、ビジネス全般にわたる協業を検討するとしている。
中古携帯、使えぬトラブル ローン未払い品出回る
携帯電話の中古品市場が広がる中、一部でトラブルが出始めている。ローン未払いの携帯が市場に出回り、通信会社が「犯罪に使用される可能性がある」として転売後の使用をストップしているためだ。事情を知らない中古購入者が突然、利用を制限されることになり、所有権を巡って訴訟に発展するケースも。専門家は「回線契約時に身分確認を徹底すべきだ」と話す。
ソフトバンクモバイル(SBM)は昨年12月から、契約時の割賦が未払いだった場合に、回線だけでなく端末自体の使用を制限。そのため未払いの人が中古市場に端末を売ると、事情を知らない購入者が数カ月後に使用制限をかけられる事態が起きる。パソコンや携帯の中古品販売店「イオシス」(大阪市)には月に数件「携帯が使えなくなった」などの問い合わせが入り、同等機種と交換するなどの対応を取っている。
「Facebook Mobile」利用者が6500万人突破
米Facebookは、同社の携帯向けサービス「Facebook Mobile」の利用者数が6500万人を突破したと発表した。Facebookの会員数は2億5000万人を超えていることから、単純に計算すると4人に1人がモバイルサイトを利用していることになる。
「Facebook Mobile」は2006年に公開されたが、ここ8カ月で2000万人の利用者数の増加が見られるなど、注目を集めている。
Facebookは2つのモバイル向けサイトを用意している。1つはどのモバイルブラウザからでも閲覧できるサイト、もう1つはiPhoneやAndroidなどタッチスクリーン式端末で利用できるサイトだ。これらのサイトは60以上の言語に翻訳されている。
また、Facebookのステータスやメッセージの通知をSMSで行うサービスも、世界25カ国、52キャリアに対応している。
さらに今回、Facebookのプロフィールなどの情報を外部サイトと連携できる機能「Facebook Connect」がモバイルでも利用できるようになった。これにより、自分のプロフィールをモバイルからWeb上の他のサイトにも反映させられる。また、友人のネット上の活動をどこにいても、いち早く知ることができ、交流を深めることができるとしている。
ちなみに、日本最大のSNSである「mixi」の会員数は、2009年6月末で約1741万人となっている。
中国携帯契約 7億件を突破 今秋iPhoneも上陸
【上海=河崎真澄】中国の携帯電話の契約数が今年7月末の段階で約7億300万件になったことが中国工業情報化省の調べで3日までに分かった。一方で固定電話は約3億2800万件と携帯電話の半分に満たない。内陸部などで固定電話よりも先に携帯電話が普及したことなどが背景にある。
7月末時点の省別携帯電話の契約数は、広東省が約8500万件で最も多く、4000万件台の山東、江蘇、浙江の各省が続く。
こうした「携帯王国」を狙い、米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」がついに中国に上陸する。通信大手、中国聯通と中国市場での販売契約を結んだ。
中国での販売価格は1台3000元(約4万2千円)程度になる見込み。中国聯通による第3世代(3G)携帯網が9月末に全国展開されるのを待って、10月に発売する。
聯通のほか、中国移動(チャイナモバイル)と中国電信(チャイナテレコム)の通信2社も中国で3Gサービスの運用を開始ずみ。ただ、聯通と電信はそれぞれが国際規格である「WCDMA」「CDMA2000」を利用しており、移動は中国の独自開発規格「TD-SCDMA」を採用した。このため、3社が別の規格で三つどもえの戦いを展開する事態となっている。
法人企業の経常益、4~6月期53%減 製造業は黒字転換
財務省が4日発表した2009年4~6月期の法人企業統計によると、企業の経常利益は前年同期比53.0%減の7兆2366億円となった。過去最大の減益率を記録した1~3月期の69.0%よりマイナス幅が縮小し、前期比では1年ぶりの増益に転じた。製造業は1~3月期の赤字から黒字に転換した。国内外の景気対策の効果で生産や輸出が改善し、企業収益も最悪期を脱しつつある。設備投資は前年同期比21.7%減の8兆5116億円となった。
資本金1千万円以上の企業の仮決算を財務省がまとめた。調査対象は約3万社で、約2万2千社が回答した。
売上高は前年同期比17.0%減の298兆円だった。日本の企業は08年1~3月期から6四半期連続で減収減益となっている。前年同期比でみた経常利益の減益は8四半期連続。季節調整済みの前期比では13.8%増え、4四半期ぶりの増益となった。
鳩山代表、金融規制強化の必要訴え 「政府の役割」
民主党の鳩山由紀夫代表は4日昼、都内で開いた「世界経済フォーラム」会議で講演し、金融規制のあり方に関して「市場原理主義一辺倒では正当化できない政府の役割が出てくる。市場主義の行き過ぎがもたらした反省がある」と、規制強化の必要性を訴えた。ただ「自由な市場主義と政府の果たすべき役割に適度な緊張関係を保つことが必要だ。規制は強ければいいというわけではない」とも語った。
【産経主張】東京五輪招致 夢の再現へ首相の出番だ
2016年夏季五輪の開催都市選考をめぐる国際オリンピック委員会(IOC)の評価報告書が発表された。IOCの評価委員会が今年4、5月に東京、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの立候補4都市を現地調査してまとめた報告書で、突出して評価の高い都市はなかった。
前評判の高かった東京にとってはやや厳しい内容ではあるが、それでも最有力の候補であることは変わらない。報告書をことさら否定的にとらえるのではなく、自信を持つことも必要だろう。
開催都市は1カ月後の10月2日、コペンハーゲンで開かれるIOC総会で正式に決定する。東京都をはじめ招致関係者は報告書の指摘を踏まえ、投票権を持つ世界のIOC委員に日本の良さ、東京の魅力を理解してもらうよう最後の働きかけを強めてほしい。
報告書によると、東京は計画がコンパクトで、政府の財政保証があることが評価された。一方で、施設の一部は改修や新設が必要なこと、選手村がやや狭いこと、国内の支持が低いことなどが懸念材料としてあげられている。
ほかの3都市では、南米初開催の意義を強調するリオデジャネイロの計画が「とても質が高い」と評価されているが、治安面では不安が大きい。シカゴ、マドリードはやや後退した印象だが、その分、巻き返しを強めるだろう。シカゴには地元出身のオバマ米大統領の総会出席というサプライズの可能性も残されている。
こうした中で、東京が勝ち抜くための最大の懸念材料は国内の支持率の低さだが、それでも55%は招致を支持している。2度目の五輪が実現すれば、日本の環境技術の高さを世界に示すことになるし、東京がより魅力的な国際都市に成長する機会にもなる。
五輪開催までの各種競技のプレ大会や各国選手の事前合宿に全国の施設が活用されるので、経済の波及効果は東京にとどまらない。消費拡大などの波及効果は全国で2・8兆円という試算もある。
混戦模様の招致レースを考えると、1カ月後のIOC総会では各国最後の演説が結果を大きく左右しそうだ。日本のメッセージの発信力を高める意味でも、ここは政治の指導者の出番である。次期政権を担う民主党の鳩山由紀夫代表には、ぜひ首相として総会に出席し、招致の決め手となる演説を行ってもらいたい。
インターネット上で仮想空間を提供するサービスが普及する兆しを見せている。ウェブサイトから直接閲覧できる仕組みが広がり、手軽に利用できるようになったためだ。新たな収益源として期待する企業も出始めている。
NTTグループでインターネット上で仮想空間を構築する技術を開発・提供している3Di(東京都渋谷区)は、バナー広告に仮想空間を組み込むことができる技術を開発した。この技術を利用すると、利用者をネット通販企業の広告から、各企業が構築した仮想空間に開設された店舗に誘導する仕組み。商品が売れると仮想空間に並んだ商品が減っていくなど、実際に店頭で買い物をしているような臨場感を味わえるという。
この技術は、同社が4月に発表したウェブサイト上で仮想空間を構築、閲覧できるサービス「3Di OpenViewer(オープンビューワー)」を応用した。
仮想空間をめぐっては、2007年に日本でのサービスが始まった米リンデンラボの「セカンドライフ」が脚光を浴び、企業がこぞって出店した。しかし、閲覧には会員登録などが必要であり、「手間がかかり、利用者の誘導が難しかった」(業界関係者)という。
3Diのオープンビューワーは、事前に閲覧ソフトをダウンロードしておけば、画面をクリックするだけで仮想空間を閲覧できるのが特徴。OA機器大手のサンワサプライ(岡山市)が自社の通販サイト内に仮想空間を立ち上げるなど、複数の企業が自社サイト内に仮想空間を構築しており、写真や文章では伝わらない商品の形などを伝える手段として利用されている。
一方、サイバーエージェントが展開するブログサービス「アメーバブログ」上で今年2月に開始した仮想空間「アメーバピグ」も、ブログ記事を投稿するサイトから直接アクセスできる手軽さが人気だ。
アメーバ事業本部プラットフォームDivの山崎ひとみプロデューサーは「ネット環境やパソコンの性能にかかわらず、快適に操作ができるように空間内の建物をシンプルな作りにするなど工夫した」と話す。利用者は8月末で80万人を突破し、今秋には携帯電話向けのサービスも正式に開始する。
空間内で活動するアバター(分身)が着用する洋服を有料で購入する利用者も増加し、広告収入と並ぶ収益の柱として育成する計画だ。
フジテレビと日本テレビ、ヤフー連結子会社「GyaO」に出資へ
ヤフーは4日、フジテレビジョンと日本テレビ放送網の2社が、ヤフーの連結子会社である株式会社GyaOに出資することで合意したと発表した。
株式会社GyaOは、映像配信サービス「GyaO」を運営する企業。ヤフーでは、2009年4月にUSENから51%の株式を譲り受けて連結子会社化し、「GyaO」と「Yahoo!動画」の統合準備を進めている。
ヤフーとGyaOでは、インターネットで映像を視聴する文化を成熟させるために、ユーザーが安心して映像配信サービスを利用できるようにするとともに、映像の制作者や配信事業者を含めて、それぞれが利益を享受できる安全なシステム構築を進めているという。こうした中で、放送局との協業関係を一層強固なものにするため、フジテレビと日本テレビにGyaOへの出資を要請した。
出資の合意を受けて、フジテレビと日本テレビは、それぞれ7.0%のGyaO株式をヤフーから9月中に取得する予定。ヤフーでは合わせて、USENから14.0%分の株式を追加取得して、51.0%の出資比率を維持する。両社出資後の株主比率は、ヤフーが51.0%、USENが35.0%、フジテレビと日本テレビが各7.0%になる。なお、各社の株式取得額は非公表。
業務提携面では、フジテレビはGyaOが今後開始する予定の有料の動画配信サービスに対して、自社の「フジテレビ On Demand」を出店させる。日本テレビでは、映像事業に関する無料広告モデルや課金モデル、EC連携モデルなど、ビジネス全般にわたる協業を検討するとしている。
中古携帯、使えぬトラブル ローン未払い品出回る
携帯電話の中古品市場が広がる中、一部でトラブルが出始めている。ローン未払いの携帯が市場に出回り、通信会社が「犯罪に使用される可能性がある」として転売後の使用をストップしているためだ。事情を知らない中古購入者が突然、利用を制限されることになり、所有権を巡って訴訟に発展するケースも。専門家は「回線契約時に身分確認を徹底すべきだ」と話す。
ソフトバンクモバイル(SBM)は昨年12月から、契約時の割賦が未払いだった場合に、回線だけでなく端末自体の使用を制限。そのため未払いの人が中古市場に端末を売ると、事情を知らない購入者が数カ月後に使用制限をかけられる事態が起きる。パソコンや携帯の中古品販売店「イオシス」(大阪市)には月に数件「携帯が使えなくなった」などの問い合わせが入り、同等機種と交換するなどの対応を取っている。
「Facebook Mobile」利用者が6500万人突破
米Facebookは、同社の携帯向けサービス「Facebook Mobile」の利用者数が6500万人を突破したと発表した。Facebookの会員数は2億5000万人を超えていることから、単純に計算すると4人に1人がモバイルサイトを利用していることになる。
「Facebook Mobile」は2006年に公開されたが、ここ8カ月で2000万人の利用者数の増加が見られるなど、注目を集めている。
Facebookは2つのモバイル向けサイトを用意している。1つはどのモバイルブラウザからでも閲覧できるサイト、もう1つはiPhoneやAndroidなどタッチスクリーン式端末で利用できるサイトだ。これらのサイトは60以上の言語に翻訳されている。
また、Facebookのステータスやメッセージの通知をSMSで行うサービスも、世界25カ国、52キャリアに対応している。
さらに今回、Facebookのプロフィールなどの情報を外部サイトと連携できる機能「Facebook Connect」がモバイルでも利用できるようになった。これにより、自分のプロフィールをモバイルからWeb上の他のサイトにも反映させられる。また、友人のネット上の活動をどこにいても、いち早く知ることができ、交流を深めることができるとしている。
ちなみに、日本最大のSNSである「mixi」の会員数は、2009年6月末で約1741万人となっている。
中国携帯契約 7億件を突破 今秋iPhoneも上陸
【上海=河崎真澄】中国の携帯電話の契約数が今年7月末の段階で約7億300万件になったことが中国工業情報化省の調べで3日までに分かった。一方で固定電話は約3億2800万件と携帯電話の半分に満たない。内陸部などで固定電話よりも先に携帯電話が普及したことなどが背景にある。
7月末時点の省別携帯電話の契約数は、広東省が約8500万件で最も多く、4000万件台の山東、江蘇、浙江の各省が続く。
こうした「携帯王国」を狙い、米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」がついに中国に上陸する。通信大手、中国聯通と中国市場での販売契約を結んだ。
中国での販売価格は1台3000元(約4万2千円)程度になる見込み。中国聯通による第3世代(3G)携帯網が9月末に全国展開されるのを待って、10月に発売する。
聯通のほか、中国移動(チャイナモバイル)と中国電信(チャイナテレコム)の通信2社も中国で3Gサービスの運用を開始ずみ。ただ、聯通と電信はそれぞれが国際規格である「WCDMA」「CDMA2000」を利用しており、移動は中国の独自開発規格「TD-SCDMA」を採用した。このため、3社が別の規格で三つどもえの戦いを展開する事態となっている。
法人企業の経常益、4~6月期53%減 製造業は黒字転換
財務省が4日発表した2009年4~6月期の法人企業統計によると、企業の経常利益は前年同期比53.0%減の7兆2366億円となった。過去最大の減益率を記録した1~3月期の69.0%よりマイナス幅が縮小し、前期比では1年ぶりの増益に転じた。製造業は1~3月期の赤字から黒字に転換した。国内外の景気対策の効果で生産や輸出が改善し、企業収益も最悪期を脱しつつある。設備投資は前年同期比21.7%減の8兆5116億円となった。
資本金1千万円以上の企業の仮決算を財務省がまとめた。調査対象は約3万社で、約2万2千社が回答した。
売上高は前年同期比17.0%減の298兆円だった。日本の企業は08年1~3月期から6四半期連続で減収減益となっている。前年同期比でみた経常利益の減益は8四半期連続。季節調整済みの前期比では13.8%増え、4四半期ぶりの増益となった。
鳩山代表、金融規制強化の必要訴え 「政府の役割」
民主党の鳩山由紀夫代表は4日昼、都内で開いた「世界経済フォーラム」会議で講演し、金融規制のあり方に関して「市場原理主義一辺倒では正当化できない政府の役割が出てくる。市場主義の行き過ぎがもたらした反省がある」と、規制強化の必要性を訴えた。ただ「自由な市場主義と政府の果たすべき役割に適度な緊張関係を保つことが必要だ。規制は強ければいいというわけではない」とも語った。
【産経主張】東京五輪招致 夢の再現へ首相の出番だ
2016年夏季五輪の開催都市選考をめぐる国際オリンピック委員会(IOC)の評価報告書が発表された。IOCの評価委員会が今年4、5月に東京、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの立候補4都市を現地調査してまとめた報告書で、突出して評価の高い都市はなかった。
前評判の高かった東京にとってはやや厳しい内容ではあるが、それでも最有力の候補であることは変わらない。報告書をことさら否定的にとらえるのではなく、自信を持つことも必要だろう。
開催都市は1カ月後の10月2日、コペンハーゲンで開かれるIOC総会で正式に決定する。東京都をはじめ招致関係者は報告書の指摘を踏まえ、投票権を持つ世界のIOC委員に日本の良さ、東京の魅力を理解してもらうよう最後の働きかけを強めてほしい。
報告書によると、東京は計画がコンパクトで、政府の財政保証があることが評価された。一方で、施設の一部は改修や新設が必要なこと、選手村がやや狭いこと、国内の支持が低いことなどが懸念材料としてあげられている。
ほかの3都市では、南米初開催の意義を強調するリオデジャネイロの計画が「とても質が高い」と評価されているが、治安面では不安が大きい。シカゴ、マドリードはやや後退した印象だが、その分、巻き返しを強めるだろう。シカゴには地元出身のオバマ米大統領の総会出席というサプライズの可能性も残されている。
こうした中で、東京が勝ち抜くための最大の懸念材料は国内の支持率の低さだが、それでも55%は招致を支持している。2度目の五輪が実現すれば、日本の環境技術の高さを世界に示すことになるし、東京がより魅力的な国際都市に成長する機会にもなる。
五輪開催までの各種競技のプレ大会や各国選手の事前合宿に全国の施設が活用されるので、経済の波及効果は東京にとどまらない。消費拡大などの波及効果は全国で2・8兆円という試算もある。
混戦模様の招致レースを考えると、1カ月後のIOC総会では各国最後の演説が結果を大きく左右しそうだ。日本のメッセージの発信力を高める意味でも、ここは政治の指導者の出番である。次期政権を担う民主党の鳩山由紀夫代表には、ぜひ首相として総会に出席し、招致の決め手となる演説を行ってもらいたい。
ソニーがグループスローガン 「make.believe」
ソニーは3日、グループ共通のコーポレートスローガン「make.believe(メーク・ドット・ビリーブ)」を導入したと発表した。電機部門だけでなくゲーム、音楽、映画、携帯電話などで共通化する。グループの一体感を高め、ブランド力の向上を狙う。
「make」には「実行する」や「形にする」、「believe」には「想像する」「夢見る」などの意味を込めた。広告、製品の梱包材、ホームページなどに「SONY」のロゴと合わせて記載する。
ソニーは2005年から09年3月まで「ライク・ノー・アザー」、90年代前半には「イッツ・ア・ソニー」のスローガンを電機部門のみで使ってきた。
三井住友と大和、合弁解消へ 大和SMBC、大和の100%子会社に
三井住友フィナンシャルグループと大和証券グループ本社が法人向け証券会社、大和証券SMBCの合弁を解消する方向で最終調整に入っていることが3日、明らかになった。三井住友が保有する大和SMBCの株式の持ち分すべてを大和が買い取り、100%子会社化する。銀行・証券を融合した事業を目指す三井住友と、独立した証券会社の立場を守りたい大和の経営戦略の違いから、10年の連携に終止符を打つ。
大和SMBCは1999年に大和と旧住友銀行(現三井住友)が共同で設立。現在、大和が60%、三井住友が40%を出資している。両社の複数の関係者によると、三井住友が全保有株式を大和に売却する方向で調整しており、来週にも共同出資契約の解消を正式に決める見通し。
「ワンダと巨像」プログラミングチームなどにCEDEC AWARDS ニコ動も受賞
ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2009」(主催・コンピュータエンターテインメント協会)は、優れたゲーム制作技術をたたえる「CEDEC AWARDS」の受賞者を発表した。「プログラミング・開発環境」部門は、ソニー・コンピュータエンタテインメント「ワンダと巨像」(PS2)のプログラミングチームが受賞した。
「ネットワーク」部門はニワンゴ「ニコニコ動画」開発チームが受賞。「いわゆるゲームとは異なるが、ネットワーク上でユーザー同士がコンテンツを提供し合ったり、それらとインタラクションを行うのは、広義のゲームである」として受賞対象になった。
マイスペース、メールサービス開始 利用者向け
交流サイト(SNS)のマイスペース(東京・渋谷)は3日、利用者向けにメールサービスを始めると発表した。従来はマイスペースの会員同士がSNS内でメッセージをやりとりする機能しかなかった。
会員には「@myspace.com」のメールアドレスを提供。外部の人にメールを送信できる。画像や音楽、動画などを添付することもできる。
バスキュール、ミクシィでアバター 人気ファッションショーと連動
ウェブコンテンツ制作のバスキュール(東京・港)は、東京・渋谷で5日開催の人気ファッションショー「東京ガールズコレクション(TGC)」と連動したアバター(ネット上の分身)サービスを、交流サイト「ミクシィ」で始めた。ミクシィアプリと呼ぶ仕組みでアバターソフトを開発した。
会員はアバターがまとう衣装や化粧を自由に選び、独自の分身を作れる。作成した分身はCG(コンピューターグラフィックス)で合成したTGC会場にモデルとして“出演”。仮想の舞台を行進する。
ポニーキャニオン、アクトビラ通じ映画などを配信
ポニーキャニオン(東京・港)は3日、テレビ向けインターネット事業のアクトビラ(東京・渋谷、木村純社長)を通じ、映画などのネット配信サービスを16日から始めると発表した。毎月6~7作品を配信する。
視聴料金は1作品につき、作品時間に応じて315円~735円。俳優の浅野忠信さん監督の「224466」や韓国の人気女優チェ・ジウさん主演の「連理の枝」などを配信する。海外のテレビシリーズも視聴でき、例えば全十数話をまとめて購入すれば2~3割安くなるといった割引パック商品も用意する。
高速無料化、慎重対応を 西日本高速・石田会長
民主党が政権公約(マニフェスト)で掲げた高速道路の無料化について、西日本高速道路の石田孝会長は3日、民主党政権で就任する次期国土交通相に対し、「競争原理から外れる」などと慎重な対応を求めていく方針を明らかにした。
東日本高速道路の八木重二郎会長や中日本高速道路の矢野弘典会長と1日に会談し、「8割方は無料化に異議を唱える考え方は変わらない」(石田会長)と確認したといい、旧道路公団3社の会長が共同で国交省トップとの意見交換の場を模索。民主党政権の目玉政策は事業主体からの“物言い”にさらされている。
この日、石田会長は大阪市内で記者会見し、「無料化は、便益を受ける人が料金を払う受益者負担の原則に反し、高速道路を使わない幅広い納税者にも負担を強いる」と持論を展開。競争原理に関係なく、無料化の反動で鉄道やフェリーなどの経営環境が一方的に悪化する負の側面にも議論を尽くすことを求めた。
外食店、LED照明増やす 改正省エネ法の本格施行にらむ
外食企業が発光ダイオード(LED)照明の導入を急いでいる。ワタミは今後3年でメーカーと共同開発したLED照明を100店の客席に導入する。吉野家は2009年度中に270店舗で看板をLEDに切り替える。10年4月の改正省エネ法の本格施行で、エネルギー使用量の報告が義務づけられる対象範囲が拡大するため、外食企業も対応を迫られている。
ワタミは2日、東京都千代田区で客席の照明にLED照明を使った居酒屋の新店を開いた。今春、同渋谷区の既存店に導入したのに次ぐ。LED導入店は従来の照明の店舗に比べて、電気使用量を約35%、二酸化炭素(CO2)排出量を約25%削減できるという。
サンリオ、中国で幼児用雑誌 凸版などと組む
サンリオは2010年中に、中国で幼児向けの知育雑誌の刊行に乗り出す。日本で定期刊行しているキャラクター付きの知育雑誌を凸版印刷が中国語に翻訳、現地大手出版社が毎月発行する。北京など大都市の1万店で販売、3年後に年間36万部の発行を見込む。
刊行するのは、日本で約2カ月おきに発行している2~5歳向けの「わんぱくぶっく」、4~6歳向けの「なかよしぶっく」で、凸版印刷が中国語に翻訳し、印刷する。中国の大手出版社である青島出版社(青島市)に雑誌発行のライセンスを供与し、売上高の一部をサンリオがライセンス料として受け取る。
欧州委、オラクルのサン買収計画調査へ 企業間競争制限の恐れ
【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は3日、ソフトウエア大手の米オラクルによるコンピューター大手のサン・マイクロシステムズの買収について、EU競争法(独占禁止法)に基づく本格的な調査に入ると発表した。IT(情報技術)企業大手の合併は域内の競争を制限する恐れがあるとみている。
欧州委は来年1月まで詳細な調査を実施、両社の合併の是非を最終的に判断するとしている。米司法省はすでに買収を承認しているが、欧州委の対応次第で買収計画に影響を与える可能性も出てきた。
脳死移植、半年ゼロ 法改正論議で家族に不安?
今年3月以降、脳死移植が1件も行われていない。6カ月連続ゼロは、過去最長の8カ月に次ぐ長さだ。7月に改正された臓器移植法を巡る議論で、脳死に対して提供者側の誤解や医療機関の萎縮を招いたと指摘する声もある。このままでは来年7月に改正法が完全施行されても、脳死移植が増えない恐れがあり、厚生労働省は「脳死移植の理解を深めたい」としている。
日本臓器移植ネットワーク(東京・港)の担当者は今年4月以降、臓器移植法改正を巡る議論が活発化したことが影響していると指摘する。議論では脳死と判定されても1カ月以上心臓が動き続ける「長期脳死」なども紹介された。「長期脳死」で回復したケースはないが、「家族が脳死移植に同意しにくくなっているのでは」と危惧する。
自公、動揺収まらず 自民は総裁選へ本命不在
衆院選大敗の余波に自民、公明両党が揺れている。麻生太郎首相(党総裁)の後継を選ぶ自民党総裁選は有力候補の1人である石原伸晃幹事長代理が出馬に慎重な姿勢を見せるなど、本命不在の状態が続く。執行部が決めた総裁選日程の前倒しを求める声も広がる。公明党は執行部人事の調整を急ぐが、来夏の参院選に向けた展望は描けていない。
石原氏は3日、所属する山崎派の山崎拓会長と会談、現時点では総裁選に出馬する考えがないと伝えた。この後の山崎派総会では、衆院選で落選した山崎氏を引き続き派閥会長とすることを決定した。
日経社説 関空の不振が映す「日本の空」の危機(9/4)
強い逆風のなかで、関西国際空港が4日、開港15周年を迎える。「関西の空の玄関」と期待された関空だが、昨秋以降の世界的な経済危機で減便に拍車がかかった。関空会社や国は小手先の対応ではなく、大胆な再建策を打ち出す必要がある。
関空会社の問題点は1兆1000億円強の有利子負債を抱えながら、航空会社の乗り入れや乗客が想定ほど増えず、十分な収入が上がらないことだ。従来は国の補助金でかろうじて経常黒字を維持してきたが、日本航空(JAL)などの路線撤退が相次ぐ中でそれも厳しくなった。
国土交通省は来年度予算で関空への補助金の増額を求めている。仮に民主党政権がそれを認めたとしても、対症療法にすぎない。
関空問題が浮き彫りにするのは、大阪周辺の空港の過剰だ。関空のほか、伊丹と神戸の3空港が乱立する。伊丹は関空の開港後、閉鎖の予定だったが、地元の要請などで存続が決まった。続いて神戸市が実質的な運営主体である神戸空港がオープンし、関空の第2滑走路もできた。限られたパイをめぐる競争は激しく、中心部から遠い関空は劣勢だ。
関空再生には有利子負債の削減が欠かせない。関空が多額の借金を抱えたのは民活方式で用地を造成したからだ。関空の整備計画が適切だったかという疑問は残るとしても、現実的には借金の一部を国や自治体が肩代わりせざるをえまい。
その上で関空会社と伊丹、神戸両空港の経営を一本化し、関西圏空港会社をつくるのも一案だろう。常に問題になる3空港のすみ分けについては、新会社の経営陣が自らの判断で決める。経営統合でコスト削減の余地も広がる。努力を尽くした上で、なお「3空港は多すぎる」という結論になれば、いずれかの空港を閉じるという選択もやむを得ない。
苦しいのは関空だけでない。目を航空会社に転じれば、JALの経営不振も深刻だ。航空・空港産業全体が危機にあえぐ。航空行政のあり方を含めて大胆に見直す時である。
国際的にみて割高な着陸料や、航空燃料税などを原資にして政府が日本各地につくった地方空港は、本当に必要だったのか。JALがいつまでたっても政府依存から脱却できない原因は何か。アジア各国の航空会社が躍進する中で、日本の航空産業は国際競争力を持ちうるのか。
航空や空港をめぐる政策課題は事欠かない。近く発足する鳩山政権は、不振会社の延命に手を貸すのではなく、「日本の空」を再生するための総合的なビジョンを示すべきだ。
ソニーは3日、グループ共通のコーポレートスローガン「make.believe(メーク・ドット・ビリーブ)」を導入したと発表した。電機部門だけでなくゲーム、音楽、映画、携帯電話などで共通化する。グループの一体感を高め、ブランド力の向上を狙う。
「make」には「実行する」や「形にする」、「believe」には「想像する」「夢見る」などの意味を込めた。広告、製品の梱包材、ホームページなどに「SONY」のロゴと合わせて記載する。
ソニーは2005年から09年3月まで「ライク・ノー・アザー」、90年代前半には「イッツ・ア・ソニー」のスローガンを電機部門のみで使ってきた。
三井住友と大和、合弁解消へ 大和SMBC、大和の100%子会社に
三井住友フィナンシャルグループと大和証券グループ本社が法人向け証券会社、大和証券SMBCの合弁を解消する方向で最終調整に入っていることが3日、明らかになった。三井住友が保有する大和SMBCの株式の持ち分すべてを大和が買い取り、100%子会社化する。銀行・証券を融合した事業を目指す三井住友と、独立した証券会社の立場を守りたい大和の経営戦略の違いから、10年の連携に終止符を打つ。
大和SMBCは1999年に大和と旧住友銀行(現三井住友)が共同で設立。現在、大和が60%、三井住友が40%を出資している。両社の複数の関係者によると、三井住友が全保有株式を大和に売却する方向で調整しており、来週にも共同出資契約の解消を正式に決める見通し。
「ワンダと巨像」プログラミングチームなどにCEDEC AWARDS ニコ動も受賞
ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2009」(主催・コンピュータエンターテインメント協会)は、優れたゲーム制作技術をたたえる「CEDEC AWARDS」の受賞者を発表した。「プログラミング・開発環境」部門は、ソニー・コンピュータエンタテインメント「ワンダと巨像」(PS2)のプログラミングチームが受賞した。
「ネットワーク」部門はニワンゴ「ニコニコ動画」開発チームが受賞。「いわゆるゲームとは異なるが、ネットワーク上でユーザー同士がコンテンツを提供し合ったり、それらとインタラクションを行うのは、広義のゲームである」として受賞対象になった。
マイスペース、メールサービス開始 利用者向け
交流サイト(SNS)のマイスペース(東京・渋谷)は3日、利用者向けにメールサービスを始めると発表した。従来はマイスペースの会員同士がSNS内でメッセージをやりとりする機能しかなかった。
会員には「@myspace.com」のメールアドレスを提供。外部の人にメールを送信できる。画像や音楽、動画などを添付することもできる。
バスキュール、ミクシィでアバター 人気ファッションショーと連動
ウェブコンテンツ制作のバスキュール(東京・港)は、東京・渋谷で5日開催の人気ファッションショー「東京ガールズコレクション(TGC)」と連動したアバター(ネット上の分身)サービスを、交流サイト「ミクシィ」で始めた。ミクシィアプリと呼ぶ仕組みでアバターソフトを開発した。
会員はアバターがまとう衣装や化粧を自由に選び、独自の分身を作れる。作成した分身はCG(コンピューターグラフィックス)で合成したTGC会場にモデルとして“出演”。仮想の舞台を行進する。
ポニーキャニオン、アクトビラ通じ映画などを配信
ポニーキャニオン(東京・港)は3日、テレビ向けインターネット事業のアクトビラ(東京・渋谷、木村純社長)を通じ、映画などのネット配信サービスを16日から始めると発表した。毎月6~7作品を配信する。
視聴料金は1作品につき、作品時間に応じて315円~735円。俳優の浅野忠信さん監督の「224466」や韓国の人気女優チェ・ジウさん主演の「連理の枝」などを配信する。海外のテレビシリーズも視聴でき、例えば全十数話をまとめて購入すれば2~3割安くなるといった割引パック商品も用意する。
高速無料化、慎重対応を 西日本高速・石田会長
民主党が政権公約(マニフェスト)で掲げた高速道路の無料化について、西日本高速道路の石田孝会長は3日、民主党政権で就任する次期国土交通相に対し、「競争原理から外れる」などと慎重な対応を求めていく方針を明らかにした。
東日本高速道路の八木重二郎会長や中日本高速道路の矢野弘典会長と1日に会談し、「8割方は無料化に異議を唱える考え方は変わらない」(石田会長)と確認したといい、旧道路公団3社の会長が共同で国交省トップとの意見交換の場を模索。民主党政権の目玉政策は事業主体からの“物言い”にさらされている。
この日、石田会長は大阪市内で記者会見し、「無料化は、便益を受ける人が料金を払う受益者負担の原則に反し、高速道路を使わない幅広い納税者にも負担を強いる」と持論を展開。競争原理に関係なく、無料化の反動で鉄道やフェリーなどの経営環境が一方的に悪化する負の側面にも議論を尽くすことを求めた。
外食店、LED照明増やす 改正省エネ法の本格施行にらむ
外食企業が発光ダイオード(LED)照明の導入を急いでいる。ワタミは今後3年でメーカーと共同開発したLED照明を100店の客席に導入する。吉野家は2009年度中に270店舗で看板をLEDに切り替える。10年4月の改正省エネ法の本格施行で、エネルギー使用量の報告が義務づけられる対象範囲が拡大するため、外食企業も対応を迫られている。
ワタミは2日、東京都千代田区で客席の照明にLED照明を使った居酒屋の新店を開いた。今春、同渋谷区の既存店に導入したのに次ぐ。LED導入店は従来の照明の店舗に比べて、電気使用量を約35%、二酸化炭素(CO2)排出量を約25%削減できるという。
サンリオ、中国で幼児用雑誌 凸版などと組む
サンリオは2010年中に、中国で幼児向けの知育雑誌の刊行に乗り出す。日本で定期刊行しているキャラクター付きの知育雑誌を凸版印刷が中国語に翻訳、現地大手出版社が毎月発行する。北京など大都市の1万店で販売、3年後に年間36万部の発行を見込む。
刊行するのは、日本で約2カ月おきに発行している2~5歳向けの「わんぱくぶっく」、4~6歳向けの「なかよしぶっく」で、凸版印刷が中国語に翻訳し、印刷する。中国の大手出版社である青島出版社(青島市)に雑誌発行のライセンスを供与し、売上高の一部をサンリオがライセンス料として受け取る。
欧州委、オラクルのサン買収計画調査へ 企業間競争制限の恐れ
【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は3日、ソフトウエア大手の米オラクルによるコンピューター大手のサン・マイクロシステムズの買収について、EU競争法(独占禁止法)に基づく本格的な調査に入ると発表した。IT(情報技術)企業大手の合併は域内の競争を制限する恐れがあるとみている。
欧州委は来年1月まで詳細な調査を実施、両社の合併の是非を最終的に判断するとしている。米司法省はすでに買収を承認しているが、欧州委の対応次第で買収計画に影響を与える可能性も出てきた。
脳死移植、半年ゼロ 法改正論議で家族に不安?
今年3月以降、脳死移植が1件も行われていない。6カ月連続ゼロは、過去最長の8カ月に次ぐ長さだ。7月に改正された臓器移植法を巡る議論で、脳死に対して提供者側の誤解や医療機関の萎縮を招いたと指摘する声もある。このままでは来年7月に改正法が完全施行されても、脳死移植が増えない恐れがあり、厚生労働省は「脳死移植の理解を深めたい」としている。
日本臓器移植ネットワーク(東京・港)の担当者は今年4月以降、臓器移植法改正を巡る議論が活発化したことが影響していると指摘する。議論では脳死と判定されても1カ月以上心臓が動き続ける「長期脳死」なども紹介された。「長期脳死」で回復したケースはないが、「家族が脳死移植に同意しにくくなっているのでは」と危惧する。
自公、動揺収まらず 自民は総裁選へ本命不在
衆院選大敗の余波に自民、公明両党が揺れている。麻生太郎首相(党総裁)の後継を選ぶ自民党総裁選は有力候補の1人である石原伸晃幹事長代理が出馬に慎重な姿勢を見せるなど、本命不在の状態が続く。執行部が決めた総裁選日程の前倒しを求める声も広がる。公明党は執行部人事の調整を急ぐが、来夏の参院選に向けた展望は描けていない。
石原氏は3日、所属する山崎派の山崎拓会長と会談、現時点では総裁選に出馬する考えがないと伝えた。この後の山崎派総会では、衆院選で落選した山崎氏を引き続き派閥会長とすることを決定した。
日経社説 関空の不振が映す「日本の空」の危機(9/4)
強い逆風のなかで、関西国際空港が4日、開港15周年を迎える。「関西の空の玄関」と期待された関空だが、昨秋以降の世界的な経済危機で減便に拍車がかかった。関空会社や国は小手先の対応ではなく、大胆な再建策を打ち出す必要がある。
関空会社の問題点は1兆1000億円強の有利子負債を抱えながら、航空会社の乗り入れや乗客が想定ほど増えず、十分な収入が上がらないことだ。従来は国の補助金でかろうじて経常黒字を維持してきたが、日本航空(JAL)などの路線撤退が相次ぐ中でそれも厳しくなった。
国土交通省は来年度予算で関空への補助金の増額を求めている。仮に民主党政権がそれを認めたとしても、対症療法にすぎない。
関空問題が浮き彫りにするのは、大阪周辺の空港の過剰だ。関空のほか、伊丹と神戸の3空港が乱立する。伊丹は関空の開港後、閉鎖の予定だったが、地元の要請などで存続が決まった。続いて神戸市が実質的な運営主体である神戸空港がオープンし、関空の第2滑走路もできた。限られたパイをめぐる競争は激しく、中心部から遠い関空は劣勢だ。
関空再生には有利子負債の削減が欠かせない。関空が多額の借金を抱えたのは民活方式で用地を造成したからだ。関空の整備計画が適切だったかという疑問は残るとしても、現実的には借金の一部を国や自治体が肩代わりせざるをえまい。
その上で関空会社と伊丹、神戸両空港の経営を一本化し、関西圏空港会社をつくるのも一案だろう。常に問題になる3空港のすみ分けについては、新会社の経営陣が自らの判断で決める。経営統合でコスト削減の余地も広がる。努力を尽くした上で、なお「3空港は多すぎる」という結論になれば、いずれかの空港を閉じるという選択もやむを得ない。
苦しいのは関空だけでない。目を航空会社に転じれば、JALの経営不振も深刻だ。航空・空港産業全体が危機にあえぐ。航空行政のあり方を含めて大胆に見直す時である。
国際的にみて割高な着陸料や、航空燃料税などを原資にして政府が日本各地につくった地方空港は、本当に必要だったのか。JALがいつまでたっても政府依存から脱却できない原因は何か。アジア各国の航空会社が躍進する中で、日本の航空産業は国際競争力を持ちうるのか。
航空や空港をめぐる政策課題は事欠かない。近く発足する鳩山政権は、不振会社の延命に手を貸すのではなく、「日本の空」を再生するための総合的なビジョンを示すべきだ。
デジタル家電向けCPU、国内勢が規格統一へ
富士通、東芝、パナソニックなど半導体・電機大手はデジタル家電や携帯電話に搭載する新型CPU(中央演算処理装置)の規格を統一する。基幹技術を共有化することで、一からソフトを開発する手間が省ける。新型の台頭を機に国内勢が結束し、CPU市場で圧倒的なシェアをもつ米インテルの牙城に挑む。2012年度を目標に業界標準の実現を目指す。
ルネサステクノロジ、NEC、日立製作所、キヤノンなども参加する。早稲田大学の笠原博徳教授が考案した省エネ性能に優れたソフト規格に対応する新型CPUを各社が開発し、性能を検証する。
ソニー、3Dテレビを2010年に投入 VAIOやPS3も3D対応へ
ソニーは9月2日、家庭用3Dテレビを2010年に投入するとドイツで開催の家電展示会IFAで発表した。
同社は3D対応BRAVIAを2010年に発売し、Blu-ray製品、VAIO、プレイステーション 3(PS3)なども3Dに対応させる計画だという。
同社の3Dテレビはフレームシーケンシャル表示方式とアクティブシャッター方式の3Dメガネを採用し、ソニー独自の高フレームレート技術で、左目用・右目用とも1920×1080ピクセルのフルHD(高精細)3D画像を実現するとしている。
ソニーはIFAのブースで3D対応1080p BRAVIAを展示、ゲーム、映画、スポーツなどの3D映像をデモしている。
実質値下げのPS3が販売開始 有楽町などでは試遊機も
ソニー・コンピュータエンタテインメントが実質1万円値下げした据え置き型ゲーム機「プレイステーション3」の新型モデルの発売が3日、全国の家電量販店などで始まった。価格は2万9980円。
PS3は、従来モデルに比べ、記憶容量が80ギガバイトから120ギガに上がったが、体積、重さは逆に現行機の3分の2となった。
発売に際しては、大手家電量販店のビックカメラが有楽町店(東京都千代田区)、池袋店(同豊島区)で、入り口に試遊機を置いて商品をPR。ヨドバシカメラなども店頭で実質値下げをアピールしている。
限定発売などではないため、目立った行列はないが、ビックカメラによると「予約が多く、会社帰りの夕方や、週末などにかけて売り場が盛り上がるのでは」と分析している。
Wii追撃するXbox 値下げに加えソフト100タイトル投入
マイクロソフト(MS)日本法人は2日、据え置き型ゲーム機「Xbox360」を10日から値下げすると発表した。120ギガバイトの記憶容量を持つ高性能モデル「エリート」を1万円値下げして、2万9800円にする。併せて、今後1年間で新作ゲームソフトを過去最高の100タイトル出すことも発表した。欧米に続く値下げとソフトの充実で国内販売をてこ入れし、全世界首位を走る任天堂「Wii」(2万5000円)を追撃する。
値下げは、「打倒Wii」に加え、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が3日から新モデルの「プレイステーション(PS)3」を実質1万円値下げし、2万9980円で販売するための対抗策とみられる。
勢いを支えているのは新作ソフトの投入だ。これまで年50~70タイトルの新作を出してきたが、2日の会見で、坂口城治Xboxマーケティング本部長は「今年は8月までにすでに61タイトルを市場投入。来年8月末までにさらに100タイトルを出す」と説明。自社開発の人気ソフト「Halo(へイロー)」の続編や、国内ゲームソフト大手からも新作ソフトが続々出る見込み。
これまでは、ソフトメーカーはその時代の人気ゲーム機向けにソフトを数多く出してきたが、「欧米向けはXbox、国内はPS3、家族で楽しむユーザー向けには、Wiiと、すみ分ける時代がきた」(国内ゲームソフト大手)とみられている。
米ユーチューブ、映画のネットレンタル検討
米インターネット検索大手、グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」が、ネットを通じた映画のレンタル事業に参入を検討していることが2日分かった。米メディアが伝えた。
一般利用者らの投稿を基に無料で短時間の動画を配信する現行サービスは広告収入に依存。不況の影響で苦戦しており、多角化を図る狙いだ。
利用料金は1作品当たり3.99ドル(約400円)程度となりそう。グーグル従業員がテストして実用性を高めた上で実際に事業化するかどうか決める。米国でトップクラスの知名度を活用し、有料顧客の掘り起こしを進める。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントなどに作品の提供を求めて交渉を進めている。
ネットを通じた映画配信分野で先行する米電子機器大手、アップルやネット小売り、アマゾン・コムを追い上げる。
「Hanako WEST」休刊へ 発行部数、ピーク時の半分
女性向け月刊生活情報誌「Hanako WEST」(マガジンハウス刊)が、12月末発売の来年2月号で休刊することが3日、分かった。
関西のグルメやショップ情報を発信する月刊誌として平成3年に創刊。発行部数はピーク時に約16万部あったが、数年前から7~8万部に落ち込んでいた。同社は「発行部数と広告収入の減少が休刊理由」としている。
ニコニコ動画、ユーザー生放送にアンケート機能を追加
ニワンゴが運営する「ニコニコ動画ββ」は3日、ユーザーが生放送番組を配信できる「ユーザー生放送」において、アンケート機能を追加した。
アンケート機能は、ニコニコ動画の運営生放送が使用していたもので、視聴中のユーザーへリアルタイムで2~4択の質問を行い、集計できる。ユーザーは動画再生画面に表示された選択肢をクリックして回答する。なお、「ユーザー生放送」でアンケート機能を使用できるのは、レベル25以上のコミュティに限られる。
また同日、動画へのコメントを映像の裏側に表示する「コメント裏流しモード」も追加した。同機能は、コミュニティレベルに関係なく使用できる。なお、「コメント裏流しモード」にした場合、映像の表示領域が縮小され、その裏にコメントが流れるようになる。
サーバー世界出荷額、4~6月は3割減 IDC調査
【シリコンバレー=岡田信行】米調査会社のIDCは2日、2009年4~6月の世界のサーバー出荷額が前年同期比30.1%減の98億1400万ドル(約9000億円)に落ち込んだと発表した。企業業績の回復遅れでシステム投資が冷え込んだことが響いた。同社が四半期ベースで調査を開始した1996年以来、最低の水準という。
主要メーカーの出荷額は軒並み25%以上減少した。メーカー別にみると、首位の米IBMが26.3%減の33億8500万ドル、米ヒューレット・パッカード(HP)が30.4%減の27億9800万ドル、米デルが26.8%減の12億2100万ドルとなった。このほか、企業向けソフト大手、米オラクルによる買収が決まっている米サン・マイクロシステムズは、9億8100万ドルと37.2%も落ち込んだ。
IDCは企業の情報システムの旧式化が進んでいると指摘。「将来に向けた投資の再開で、今年後半にはサーバー需要が回復に向かう」と予測している。
エリクソンとイー・モバイル、21Mbpsのエリアを大都市圏で拡大
エリクソンとイー・モバイルは、大都市圏でネットワーク設備を拡張する契約に調印したと発表した。これには、下り最大21MbpsのHSPA+のエリア拡充も含まれる。
今回の契約により、東京、横浜、名古屋、大阪などの大都市圏において、ネットワークの更新、拡張をエリクソンが担当することになる。エリクソンはイー・モバイルのHSPA+ネットワークの主要なサプライヤーとなっている。イー・モバイルは、7月24日から開始したHSPA+サービスについては、エリアを東名阪および主要政令都市の一部で開始すると発表しており、これをエリクソンが担当することになる。
噂の「まさゆき地図」は仕込みではなかった--開発者も驚くドラクエ9(COLUMN)
「皆さん、『まさゆき地図』は(開発者の)仕込みだと思っているでしょ。でも、大間違い。あれは偶然に生まれたもの」――ニンテンドーDS向けソフト「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」(ドラクエ9)の開発を担当したスクウェア・エニックスディレクターの藤澤仁氏はこう苦笑いする。
これは9月3日に開催された、ゲーム開発者向けイベント「CESA Developers Conference 2009」(CEDEC 2009)の基調講演での一幕だ。
まさゆき地図とは、ドラクエ9で遊べる宝の地図の1つ。地下15階に「メタルキング」というプレーヤーが経験値を稼げる敵しか現れないフロアがあり、レベルを上げるのに絶好の地図であるとして、ユーザーの間で口コミで広まった。この地図の第一発見者の名前が「まさゆき」であったことから、いつしかまさゆき地図と呼ばれるようになった。
ドラクエ9にはユーザー同士が通信して宝の地図を交換できる「すれちがい通信」という機能がある。まさゆき地図を求めてすれちがい通信をするユーザーも多い。
地図には発見者と、その地図で新たな宝を見つけた人が更新者として表示される。この仕組みを入れたのはゲームデザイナーの堀井雄二氏だ。「発見者と更新者が、ユーザーの間で有名になればいいかなと思った」と堀井氏は話すが、「まさゆき」は想定外だった。
「『(「竜王の地図」で)レベル99の竜王を倒したこの人はすごい』というように伝説ができればと思っていた」(スクウェア・エニックス プロデューサーの市村龍太郎)と、宝の地図内で登場するボスを倒した人が有名になるのが当初の考えだった。まさゆき地図のように、特別な敵が多く出る地図を発見した人が有名になるとまでは考えていなかったというのだ。
そもそも、すれちがい通信の人気自体、開発者にとっては想定以上だった。「もともとニンテンドーDSにあった機能を使ったので、どうしたらユーザーに遊んでもらえるかという責任感はあった。ただ、まさかこんなに遊ばれるとは思ってもいなかった」(藤澤氏)
ニンテンドーDSの通信機能は、ドラゴンクエストVIやVのニンテンドーDS版でも採用されていた。ただ、「ユーザーの密度の問題がある。みんながやればやるほど面白くなるからみんなやるという循環が生まれている」(堀井氏)
また、ただ通信をするだけではなく、宝の地図が手に入るというメリットを提供したことも、人気を博した理由ではないかという。「やっぱり人間、ものをもらうと燃えるから(笑)」(堀井氏)
実際、堀井氏はこれまでに1230人、藤澤氏も820人とすれ違っているとのこと。すれちがい通信では相手のレベルやプレイ時間、簡単な自己紹介などのコメントが見られるようになっており、見知らぬドラクエ9ユーザーとコミュニケーションしている気分が味わえる。
「バーチャルがリアルを侵食したら面白いと思っていたが、本当にできた。人って、人が好きなんだと思う。他人のデータを見るのがおもしろい。何かが起きそうなわくわく感がある」(堀井氏)
「ドラクエ9の発表会のときに、『コミュニケーションツールになることを目指す」といったが、まさにそんな感じになった。ブログのような、小さい情報発信としての役割を果たしているということが、時流に乗った感じがする。ここまですれちがい通信の人気が出るとは思わなかったが、仕掛けたことが何倍にもなって返ってきたのは面白い」(市村氏)と、すれちがい通信の魅力を分析していた。
富士通、東芝、パナソニックなど半導体・電機大手はデジタル家電や携帯電話に搭載する新型CPU(中央演算処理装置)の規格を統一する。基幹技術を共有化することで、一からソフトを開発する手間が省ける。新型の台頭を機に国内勢が結束し、CPU市場で圧倒的なシェアをもつ米インテルの牙城に挑む。2012年度を目標に業界標準の実現を目指す。
ルネサステクノロジ、NEC、日立製作所、キヤノンなども参加する。早稲田大学の笠原博徳教授が考案した省エネ性能に優れたソフト規格に対応する新型CPUを各社が開発し、性能を検証する。
ソニー、3Dテレビを2010年に投入 VAIOやPS3も3D対応へ
ソニーは9月2日、家庭用3Dテレビを2010年に投入するとドイツで開催の家電展示会IFAで発表した。
同社は3D対応BRAVIAを2010年に発売し、Blu-ray製品、VAIO、プレイステーション 3(PS3)なども3Dに対応させる計画だという。
同社の3Dテレビはフレームシーケンシャル表示方式とアクティブシャッター方式の3Dメガネを採用し、ソニー独自の高フレームレート技術で、左目用・右目用とも1920×1080ピクセルのフルHD(高精細)3D画像を実現するとしている。
ソニーはIFAのブースで3D対応1080p BRAVIAを展示、ゲーム、映画、スポーツなどの3D映像をデモしている。
実質値下げのPS3が販売開始 有楽町などでは試遊機も
ソニー・コンピュータエンタテインメントが実質1万円値下げした据え置き型ゲーム機「プレイステーション3」の新型モデルの発売が3日、全国の家電量販店などで始まった。価格は2万9980円。
PS3は、従来モデルに比べ、記憶容量が80ギガバイトから120ギガに上がったが、体積、重さは逆に現行機の3分の2となった。
発売に際しては、大手家電量販店のビックカメラが有楽町店(東京都千代田区)、池袋店(同豊島区)で、入り口に試遊機を置いて商品をPR。ヨドバシカメラなども店頭で実質値下げをアピールしている。
限定発売などではないため、目立った行列はないが、ビックカメラによると「予約が多く、会社帰りの夕方や、週末などにかけて売り場が盛り上がるのでは」と分析している。
Wii追撃するXbox 値下げに加えソフト100タイトル投入
マイクロソフト(MS)日本法人は2日、据え置き型ゲーム機「Xbox360」を10日から値下げすると発表した。120ギガバイトの記憶容量を持つ高性能モデル「エリート」を1万円値下げして、2万9800円にする。併せて、今後1年間で新作ゲームソフトを過去最高の100タイトル出すことも発表した。欧米に続く値下げとソフトの充実で国内販売をてこ入れし、全世界首位を走る任天堂「Wii」(2万5000円)を追撃する。
値下げは、「打倒Wii」に加え、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が3日から新モデルの「プレイステーション(PS)3」を実質1万円値下げし、2万9980円で販売するための対抗策とみられる。
勢いを支えているのは新作ソフトの投入だ。これまで年50~70タイトルの新作を出してきたが、2日の会見で、坂口城治Xboxマーケティング本部長は「今年は8月までにすでに61タイトルを市場投入。来年8月末までにさらに100タイトルを出す」と説明。自社開発の人気ソフト「Halo(へイロー)」の続編や、国内ゲームソフト大手からも新作ソフトが続々出る見込み。
これまでは、ソフトメーカーはその時代の人気ゲーム機向けにソフトを数多く出してきたが、「欧米向けはXbox、国内はPS3、家族で楽しむユーザー向けには、Wiiと、すみ分ける時代がきた」(国内ゲームソフト大手)とみられている。
米ユーチューブ、映画のネットレンタル検討
米インターネット検索大手、グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」が、ネットを通じた映画のレンタル事業に参入を検討していることが2日分かった。米メディアが伝えた。
一般利用者らの投稿を基に無料で短時間の動画を配信する現行サービスは広告収入に依存。不況の影響で苦戦しており、多角化を図る狙いだ。
利用料金は1作品当たり3.99ドル(約400円)程度となりそう。グーグル従業員がテストして実用性を高めた上で実際に事業化するかどうか決める。米国でトップクラスの知名度を活用し、有料顧客の掘り起こしを進める。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントなどに作品の提供を求めて交渉を進めている。
ネットを通じた映画配信分野で先行する米電子機器大手、アップルやネット小売り、アマゾン・コムを追い上げる。
「Hanako WEST」休刊へ 発行部数、ピーク時の半分
女性向け月刊生活情報誌「Hanako WEST」(マガジンハウス刊)が、12月末発売の来年2月号で休刊することが3日、分かった。
関西のグルメやショップ情報を発信する月刊誌として平成3年に創刊。発行部数はピーク時に約16万部あったが、数年前から7~8万部に落ち込んでいた。同社は「発行部数と広告収入の減少が休刊理由」としている。
ニコニコ動画、ユーザー生放送にアンケート機能を追加
ニワンゴが運営する「ニコニコ動画ββ」は3日、ユーザーが生放送番組を配信できる「ユーザー生放送」において、アンケート機能を追加した。
アンケート機能は、ニコニコ動画の運営生放送が使用していたもので、視聴中のユーザーへリアルタイムで2~4択の質問を行い、集計できる。ユーザーは動画再生画面に表示された選択肢をクリックして回答する。なお、「ユーザー生放送」でアンケート機能を使用できるのは、レベル25以上のコミュティに限られる。
また同日、動画へのコメントを映像の裏側に表示する「コメント裏流しモード」も追加した。同機能は、コミュニティレベルに関係なく使用できる。なお、「コメント裏流しモード」にした場合、映像の表示領域が縮小され、その裏にコメントが流れるようになる。
サーバー世界出荷額、4~6月は3割減 IDC調査
【シリコンバレー=岡田信行】米調査会社のIDCは2日、2009年4~6月の世界のサーバー出荷額が前年同期比30.1%減の98億1400万ドル(約9000億円)に落ち込んだと発表した。企業業績の回復遅れでシステム投資が冷え込んだことが響いた。同社が四半期ベースで調査を開始した1996年以来、最低の水準という。
主要メーカーの出荷額は軒並み25%以上減少した。メーカー別にみると、首位の米IBMが26.3%減の33億8500万ドル、米ヒューレット・パッカード(HP)が30.4%減の27億9800万ドル、米デルが26.8%減の12億2100万ドルとなった。このほか、企業向けソフト大手、米オラクルによる買収が決まっている米サン・マイクロシステムズは、9億8100万ドルと37.2%も落ち込んだ。
IDCは企業の情報システムの旧式化が進んでいると指摘。「将来に向けた投資の再開で、今年後半にはサーバー需要が回復に向かう」と予測している。
エリクソンとイー・モバイル、21Mbpsのエリアを大都市圏で拡大
エリクソンとイー・モバイルは、大都市圏でネットワーク設備を拡張する契約に調印したと発表した。これには、下り最大21MbpsのHSPA+のエリア拡充も含まれる。
今回の契約により、東京、横浜、名古屋、大阪などの大都市圏において、ネットワークの更新、拡張をエリクソンが担当することになる。エリクソンはイー・モバイルのHSPA+ネットワークの主要なサプライヤーとなっている。イー・モバイルは、7月24日から開始したHSPA+サービスについては、エリアを東名阪および主要政令都市の一部で開始すると発表しており、これをエリクソンが担当することになる。
噂の「まさゆき地図」は仕込みではなかった--開発者も驚くドラクエ9(COLUMN)
「皆さん、『まさゆき地図』は(開発者の)仕込みだと思っているでしょ。でも、大間違い。あれは偶然に生まれたもの」――ニンテンドーDS向けソフト「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」(ドラクエ9)の開発を担当したスクウェア・エニックスディレクターの藤澤仁氏はこう苦笑いする。
これは9月3日に開催された、ゲーム開発者向けイベント「CESA Developers Conference 2009」(CEDEC 2009)の基調講演での一幕だ。
まさゆき地図とは、ドラクエ9で遊べる宝の地図の1つ。地下15階に「メタルキング」というプレーヤーが経験値を稼げる敵しか現れないフロアがあり、レベルを上げるのに絶好の地図であるとして、ユーザーの間で口コミで広まった。この地図の第一発見者の名前が「まさゆき」であったことから、いつしかまさゆき地図と呼ばれるようになった。
ドラクエ9にはユーザー同士が通信して宝の地図を交換できる「すれちがい通信」という機能がある。まさゆき地図を求めてすれちがい通信をするユーザーも多い。
地図には発見者と、その地図で新たな宝を見つけた人が更新者として表示される。この仕組みを入れたのはゲームデザイナーの堀井雄二氏だ。「発見者と更新者が、ユーザーの間で有名になればいいかなと思った」と堀井氏は話すが、「まさゆき」は想定外だった。
「『(「竜王の地図」で)レベル99の竜王を倒したこの人はすごい』というように伝説ができればと思っていた」(スクウェア・エニックス プロデューサーの市村龍太郎)と、宝の地図内で登場するボスを倒した人が有名になるのが当初の考えだった。まさゆき地図のように、特別な敵が多く出る地図を発見した人が有名になるとまでは考えていなかったというのだ。
そもそも、すれちがい通信の人気自体、開発者にとっては想定以上だった。「もともとニンテンドーDSにあった機能を使ったので、どうしたらユーザーに遊んでもらえるかという責任感はあった。ただ、まさかこんなに遊ばれるとは思ってもいなかった」(藤澤氏)
ニンテンドーDSの通信機能は、ドラゴンクエストVIやVのニンテンドーDS版でも採用されていた。ただ、「ユーザーの密度の問題がある。みんながやればやるほど面白くなるからみんなやるという循環が生まれている」(堀井氏)
また、ただ通信をするだけではなく、宝の地図が手に入るというメリットを提供したことも、人気を博した理由ではないかという。「やっぱり人間、ものをもらうと燃えるから(笑)」(堀井氏)
実際、堀井氏はこれまでに1230人、藤澤氏も820人とすれ違っているとのこと。すれちがい通信では相手のレベルやプレイ時間、簡単な自己紹介などのコメントが見られるようになっており、見知らぬドラクエ9ユーザーとコミュニケーションしている気分が味わえる。
「バーチャルがリアルを侵食したら面白いと思っていたが、本当にできた。人って、人が好きなんだと思う。他人のデータを見るのがおもしろい。何かが起きそうなわくわく感がある」(堀井氏)
「ドラクエ9の発表会のときに、『コミュニケーションツールになることを目指す」といったが、まさにそんな感じになった。ブログのような、小さい情報発信としての役割を果たしているということが、時流に乗った感じがする。ここまですれちがい通信の人気が出るとは思わなかったが、仕掛けたことが何倍にもなって返ってきたのは面白い」(市村氏)と、すれちがい通信の魅力を分析していた。