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「日本の携帯電話に対応したFacebookを作る」Facebookが意欲を示す
宮崎県で「Infinity Ventures Summit 2009 Fall」が開催された。講演の模様をレポートする。
ディスカッションの冒頭は、Olivan氏によるFacebookの紹介から開始。現在3億のユーザーが1カ月以内に、150億のユーザーが毎日ログインしており、世界中で1日に80億分もの時間がFacebookに費やされているという。
Facebookは写真や動画、イベント、チャット機能などさまざまな要素を持っており、「つながっている人の中で何が起きているかを視覚化できる」とコメント。また、PCや携帯電話だけでなく最近ではニンテンドーDSやXbox 360にもFacebook対応機能の搭載を始めており、さまざまな環境からアクセスできるメリットを強調した。
開発者との関係も重視し、開発者の数は個人から大企業も含めて100万以上存在。国際化も進めており、「2年前は英語のみだったが、コミュニティに翻訳してもらい、一番いい翻訳を投票するという方法で、短期間で70カ国に対応できた」とし、「こうしたツールを開発者にオープンにし、コミュニティに権利を委譲して多言語化したことで、Facebookを世界中で共有できるようになった」と語った。
日本展開の概要も説明。現在日本におけるユーザー数は100万人、モバイルでのユーザー数が20万人規模だという。日本語に対応したのは2008年5月だが、そこから急激にアクセスが伸びており、2010年には東京オフィスを開設する予定。日本人開発者も採用し、「日本の携帯電話に対応したFacebookを作る」との意志を示した。
日本のSNSで勢いを見せるグリーの田中氏は、Facebookの日本展開について質問されると、「最近は過去の成功体験を捨てることを大事にしており、それはこういったFacebookの参戦など海外参入も含めて」とコメント。
日本でFacebookが展開するためのアドバイスは、という質問には「これまでもCyworldやMySpaceなどが日本展開してきたが、それほど使われた印象はない。しかしTwitterやFacebookは日本にオフィスもないのに使われているというのは大きな違い」とし、「まだ使っているのは特殊な層だろうが、それでも使われないサービスは今までにいくらでもあった」と見解を述べた。
FacebookのOlivan氏は日本展開について「文化の違いも、日本に独自の携帯電話があることも理解している」とした上で、「開発環境も含めてオフィスを開設するのは日本が初」とコメント。「ユーザーにとって最適なプロジェクトを届けるにはオフィスが重要」とし、「他のアジアは伸びているのに、なぜ人口が減少している日本に来たのか」という問いには「日本は世界第2位の経済大国で、技術的にも最先端。まだゲームオーバーとは思っていない」とした。
● 著名人で伸びたアメブロ。Twitterは「気軽につぶやけない」
サイバーエージェントの西條氏は同社が提供するサービスの現状を説明。広告収益は「アメーバブログが100億PVを超え、ナショナルクライアントが牽引する形で順調」とし、課金については「地味に利益貢献しているのはユーザー間のプレゼント機能」と説明。2009年2月に開始したアメーバピグもユーザーが100万人を超え、売上も伸びているという。
アメーバ成功の理由を聞かれると、西條氏は「著名人」と即答。現在は6000人近い著名人を囲い込んでおり、全PVの3割は芸能人だという。アメーバのオープン化については「mixiの伸びやモバゲーの参入などで温度感はかなり上がっており、具体的な開発は一切ないが議論は始めている」と語った。
12月8日にはつぶやきを投稿するTwitter型のサービス「Amebaなう」も新たに開始。「このサービスで業界トップに立てるのか」と質問されると西條氏は「Twitterは小難しいことを言わなければいけない気がする。何かを気軽につぶやくことができない」とし、Amebaなうでは気軽なコミュニケーションを重視する姿勢を示した。
● 予想以上に伸びたmixiアプリ。今後サーバー運営ノウハウもオープン化
mixiアプリの持つ意外なデータを質問された原田氏は「ネットレイティングスによるPCの滞在時間は9月のデータで、10月はあくまで感覚だが倍近い滞在時間になっているのでは」とコメント。「PCが早い段階で回復しており、予想よりも6カ月前倒ししているという立ち上がりの早さは嬉しい」とした。
また、「mixiアプリのモバイル版では、サンシャイン牧場を除けば日本勢が頑張っている」とし、「これもソーシャルアプリについて日本でコミュニティを作ってくれた内藤さんのおかげ」と、ドリコム内藤氏を評価。一方、「サーバー設備がローンチに間に合わずユーザーに迷惑をかけた。この点は今後改善していき、mixiの持つサーバーのノウハウもオープンにしていきたい」と語った。
● 「漢字テスト」などmixiアプリが好調なドリコム
mixiアプリが好調なドリコムの内藤氏は、収益に関する質問に「漢字テストでは1回20円のチケットを販売しているが、消費数が50~60万枚近い」との数字を明かし、「収益の数字が見えやすくなってきた」とコメント。人気アプリである「漢字テスト」成功の秘訣については「最初からうまくいくかはわからなかったが、ユーザーの動向を見ながらリニューアルしていくことでアクティブ数を維持できた」とし、「アプリは作る前よりも作ってからどう改善するかが重要」とした。
mixiアプリについては「とてもうまくオープン化されていて、漢字テストが200万を超えたのもmixiのおかげ」とした上で、「今後はお金を払うことをいかに慣れてもらうか。現状では課金っぽいことをちょっとやるだけでも“守銭奴”と言われてしまう」とコメント。これに対してミクシィの原田氏は「まったく同感で、課金に関しては着メロくらいの感覚で利用できなければいけない。課金の市場を一緒に作っていく努力をしたい」とした。
● ソーシャル市場はまだまだ伸びると期待。
今後のソーシャルアプリ市場については「広告はクリックされないので課金メインになるだろう」(守安氏)、「有料サービスを使ったことのない人のために小額決済が重要」(原田氏)、「コミュニケーションがつまがることで、市場規模の桁が1つは上がるのでは」(松本氏)とコメント。内藤氏は「市場が大きくなっても人口が増えるわけではなく、可処分所得も30万円程度と考えると、ユーザー規模は5000~6000万くらいではないか」とした。
ソーシャルゲームにも飽きが来るのではないか、との質問には、原田氏が「エンタメ性の強いものは短期間に火がつく。ソーシャルアプリはまずゲームから始まったが、今後は生活に浸透するアプリが重要になる」と指摘。守安氏は「ユーザーはいずれ飽きるものだが、オープン化はそのために意義があり、さまざまなタイトルを出し続けているときちんと伸ばせるのだろう」と語った。
「mixi、モバゲー、GREEのどれが伸びるか」という登壇者への質問
登壇者へ「mixi、モバゲー、GREEのどれが伸びるか」という質問には、「西條氏が「PCに期待しているのでmixi」とコメント。守安氏は自社サービスであるモバゲーを挙げたが、原田氏は自社サービスではなくモバゲーを挙げ、「mixiの市場規模は大きいが、パートナーへ還元してしまうため、売上規模はそれほど大きくならない」とコメント。内藤氏は「複数のプラットフォームそれぞれにアプリを開発するのは大変なので、どこか1社が他の2社を買収してくれないかといつも各社の株価を見ながら考えている」と冗談交じりにコメントした。
アプリ企業の海外進出について原田氏は「海外は過当競争で、RockYouですら苦戦するくらい。2010年中は海外進出よりも日本ユーザーの開拓を狙ったほうがいい」とし、守安氏は「PCはすでに開拓されており、海外を狙うならモバイルではないか」、内藤氏は「お金をかけないと厳しいマーケットだが、その腹はくくったつもり」とコメント。一方で西條氏は「すでにFaceBookではアプリを2つ出しており、うまくやればユーザーは獲得できる自信がついた」とコメント。「ARPUもかなり取れており、2010年にはアメーバピグを海外に出したい」とした。
7~9月期実質GDP、年率4.8%成長 政策が下支え
内閣府が16日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.2%増、年率換算では4.8%増となった。2四半期連続のプラス成長で、2年半ぶりの高い伸びを記録した。輸出や個人消費が伸び、設備投資も増加に転じた。ただ国内外の経済対策の効果が大きく、景気持ち直しの持続力には不安が残りそうだ。政府は物価の下落が続く「デフレ」を警戒しており、2009年度第2次補正予算案の具体化を急ぐ。
前期比年率の実質GDP成長率は1%程度といわれる日本の潜在成長率を超え、4~6月期の2.7%も上回った。日経グループのQUICKがまとめた民間予想の中心値(2.5%)よりも高かった。ただ実質GDPの水準自体は前年同期より4.5%低い。
一方、生活実感に近い名目GDPは0.3%減(前期比0.1%減)となった。6四半期連続のマイナスに終わった。
政府、「デフレ」を宣言へ
政府は日本の物価が持続的に下落する「デフレ」に陥っていると認定する方向で最終調整に入った。7~9月期の国内総生産(GDP)速報値で、国内の物価動向を示す内需デフレーターが51年ぶりの低水準にとどまったため。政府は2001年3月から06年8月までの月例経済報告で、日本経済がデフレの状態にあるとの判断を示しており、3年ぶりに同じ判断を復活させる見通しだ。
早ければ20日に公表する11月の月例報告に盛り込む。7~9月期の物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比0.2%上昇した。ただ国内需要デフレーターは2.6%下落し、1958年7~9月期(3.9%減)以来の大幅な落ち込みとなった。
テレビ自社生産を縮小 日立は国内1カ所に、東芝ベトナム撤退
日立製作所や東芝など大手電機メーカーが薄型テレビの自社生産を縮小する。日立は中国生産を打ち切り、国内に1工場だけを残す。東芝はベトナム生産から撤退する。薄型テレビは単価の下落が激しく、電子機器の受託製造サービス(EMS)への委託や事業縮小を加速し収益力の回復を急ぐ。来春には日本勢のテレビ工場数はピーク時に比べて3割減る見通しで、自社生産を軸としてきたビジネスモデルの見直しが加速しそうだ。
日立はさきごろ中国のテレビ生産子会社、日立数字映像(福建省)の操業を終えた。日立の2009年3月期の薄型テレビ世界販売台数は前の期比11%減の143万台で、中国向けは32万台。EMSを活用し、中国での販売は継続する。日立は3カ所あった海外テレビ工場での生産を今年に入りすべて終了させた。今期は販売台数の約5割にあたる70万台程度の生産を外部に委託する。
温暖化ガス25%削減、家計負担は最大年76万円増 政府部会試算
政府は16日午前、温暖化ガス削減の中期目標に関するタスクフォース(作業部会、座長・植田和弘京都大学教授)を開いた。2020年までに国内排出を1990年比25%減らすうえで必要になる年間の家計負担について、国立環境研究所などの研究機関が試算を提示した。25%すべてを国内の削減努力でまかなった場合、20年時点の可処分所得は13万~76.5万円減少するという。
政府は20年までに温暖化ガス排出を90年比25%減らす目標を掲げるが、国内だけの努力による「真水」の削減幅として10%、15%、20%、25%の4つを仮定し、それぞれのケースで家計に及ぶ負担を試算した。現状の経済成長を進めた場合、20年時点の可処分所得は現状よりも100万円程度増える見通し。試算ではこれに比べて20年時点の可処分所得がどの程度減るかを求めた。
宮崎県で「Infinity Ventures Summit 2009 Fall」が開催された。講演の模様をレポートする。
ディスカッションの冒頭は、Olivan氏によるFacebookの紹介から開始。現在3億のユーザーが1カ月以内に、150億のユーザーが毎日ログインしており、世界中で1日に80億分もの時間がFacebookに費やされているという。
Facebookは写真や動画、イベント、チャット機能などさまざまな要素を持っており、「つながっている人の中で何が起きているかを視覚化できる」とコメント。また、PCや携帯電話だけでなく最近ではニンテンドーDSやXbox 360にもFacebook対応機能の搭載を始めており、さまざまな環境からアクセスできるメリットを強調した。
開発者との関係も重視し、開発者の数は個人から大企業も含めて100万以上存在。国際化も進めており、「2年前は英語のみだったが、コミュニティに翻訳してもらい、一番いい翻訳を投票するという方法で、短期間で70カ国に対応できた」とし、「こうしたツールを開発者にオープンにし、コミュニティに権利を委譲して多言語化したことで、Facebookを世界中で共有できるようになった」と語った。
日本展開の概要も説明。現在日本におけるユーザー数は100万人、モバイルでのユーザー数が20万人規模だという。日本語に対応したのは2008年5月だが、そこから急激にアクセスが伸びており、2010年には東京オフィスを開設する予定。日本人開発者も採用し、「日本の携帯電話に対応したFacebookを作る」との意志を示した。
日本のSNSで勢いを見せるグリーの田中氏は、Facebookの日本展開について質問されると、「最近は過去の成功体験を捨てることを大事にしており、それはこういったFacebookの参戦など海外参入も含めて」とコメント。
日本でFacebookが展開するためのアドバイスは、という質問には「これまでもCyworldやMySpaceなどが日本展開してきたが、それほど使われた印象はない。しかしTwitterやFacebookは日本にオフィスもないのに使われているというのは大きな違い」とし、「まだ使っているのは特殊な層だろうが、それでも使われないサービスは今までにいくらでもあった」と見解を述べた。
FacebookのOlivan氏は日本展開について「文化の違いも、日本に独自の携帯電話があることも理解している」とした上で、「開発環境も含めてオフィスを開設するのは日本が初」とコメント。「ユーザーにとって最適なプロジェクトを届けるにはオフィスが重要」とし、「他のアジアは伸びているのに、なぜ人口が減少している日本に来たのか」という問いには「日本は世界第2位の経済大国で、技術的にも最先端。まだゲームオーバーとは思っていない」とした。
● 著名人で伸びたアメブロ。Twitterは「気軽につぶやけない」
サイバーエージェントの西條氏は同社が提供するサービスの現状を説明。広告収益は「アメーバブログが100億PVを超え、ナショナルクライアントが牽引する形で順調」とし、課金については「地味に利益貢献しているのはユーザー間のプレゼント機能」と説明。2009年2月に開始したアメーバピグもユーザーが100万人を超え、売上も伸びているという。
アメーバ成功の理由を聞かれると、西條氏は「著名人」と即答。現在は6000人近い著名人を囲い込んでおり、全PVの3割は芸能人だという。アメーバのオープン化については「mixiの伸びやモバゲーの参入などで温度感はかなり上がっており、具体的な開発は一切ないが議論は始めている」と語った。
12月8日にはつぶやきを投稿するTwitter型のサービス「Amebaなう」も新たに開始。「このサービスで業界トップに立てるのか」と質問されると西條氏は「Twitterは小難しいことを言わなければいけない気がする。何かを気軽につぶやくことができない」とし、Amebaなうでは気軽なコミュニケーションを重視する姿勢を示した。
● 予想以上に伸びたmixiアプリ。今後サーバー運営ノウハウもオープン化
mixiアプリの持つ意外なデータを質問された原田氏は「ネットレイティングスによるPCの滞在時間は9月のデータで、10月はあくまで感覚だが倍近い滞在時間になっているのでは」とコメント。「PCが早い段階で回復しており、予想よりも6カ月前倒ししているという立ち上がりの早さは嬉しい」とした。
また、「mixiアプリのモバイル版では、サンシャイン牧場を除けば日本勢が頑張っている」とし、「これもソーシャルアプリについて日本でコミュニティを作ってくれた内藤さんのおかげ」と、ドリコム内藤氏を評価。一方、「サーバー設備がローンチに間に合わずユーザーに迷惑をかけた。この点は今後改善していき、mixiの持つサーバーのノウハウもオープンにしていきたい」と語った。
● 「漢字テスト」などmixiアプリが好調なドリコム
mixiアプリが好調なドリコムの内藤氏は、収益に関する質問に「漢字テストでは1回20円のチケットを販売しているが、消費数が50~60万枚近い」との数字を明かし、「収益の数字が見えやすくなってきた」とコメント。人気アプリである「漢字テスト」成功の秘訣については「最初からうまくいくかはわからなかったが、ユーザーの動向を見ながらリニューアルしていくことでアクティブ数を維持できた」とし、「アプリは作る前よりも作ってからどう改善するかが重要」とした。
mixiアプリについては「とてもうまくオープン化されていて、漢字テストが200万を超えたのもmixiのおかげ」とした上で、「今後はお金を払うことをいかに慣れてもらうか。現状では課金っぽいことをちょっとやるだけでも“守銭奴”と言われてしまう」とコメント。これに対してミクシィの原田氏は「まったく同感で、課金に関しては着メロくらいの感覚で利用できなければいけない。課金の市場を一緒に作っていく努力をしたい」とした。
● ソーシャル市場はまだまだ伸びると期待。
今後のソーシャルアプリ市場については「広告はクリックされないので課金メインになるだろう」(守安氏)、「有料サービスを使ったことのない人のために小額決済が重要」(原田氏)、「コミュニケーションがつまがることで、市場規模の桁が1つは上がるのでは」(松本氏)とコメント。内藤氏は「市場が大きくなっても人口が増えるわけではなく、可処分所得も30万円程度と考えると、ユーザー規模は5000~6000万くらいではないか」とした。
ソーシャルゲームにも飽きが来るのではないか、との質問には、原田氏が「エンタメ性の強いものは短期間に火がつく。ソーシャルアプリはまずゲームから始まったが、今後は生活に浸透するアプリが重要になる」と指摘。守安氏は「ユーザーはいずれ飽きるものだが、オープン化はそのために意義があり、さまざまなタイトルを出し続けているときちんと伸ばせるのだろう」と語った。
「mixi、モバゲー、GREEのどれが伸びるか」という登壇者への質問
登壇者へ「mixi、モバゲー、GREEのどれが伸びるか」という質問には、「西條氏が「PCに期待しているのでmixi」とコメント。守安氏は自社サービスであるモバゲーを挙げたが、原田氏は自社サービスではなくモバゲーを挙げ、「mixiの市場規模は大きいが、パートナーへ還元してしまうため、売上規模はそれほど大きくならない」とコメント。内藤氏は「複数のプラットフォームそれぞれにアプリを開発するのは大変なので、どこか1社が他の2社を買収してくれないかといつも各社の株価を見ながら考えている」と冗談交じりにコメントした。
アプリ企業の海外進出について原田氏は「海外は過当競争で、RockYouですら苦戦するくらい。2010年中は海外進出よりも日本ユーザーの開拓を狙ったほうがいい」とし、守安氏は「PCはすでに開拓されており、海外を狙うならモバイルではないか」、内藤氏は「お金をかけないと厳しいマーケットだが、その腹はくくったつもり」とコメント。一方で西條氏は「すでにFaceBookではアプリを2つ出しており、うまくやればユーザーは獲得できる自信がついた」とコメント。「ARPUもかなり取れており、2010年にはアメーバピグを海外に出したい」とした。
7~9月期実質GDP、年率4.8%成長 政策が下支え
内閣府が16日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.2%増、年率換算では4.8%増となった。2四半期連続のプラス成長で、2年半ぶりの高い伸びを記録した。輸出や個人消費が伸び、設備投資も増加に転じた。ただ国内外の経済対策の効果が大きく、景気持ち直しの持続力には不安が残りそうだ。政府は物価の下落が続く「デフレ」を警戒しており、2009年度第2次補正予算案の具体化を急ぐ。
前期比年率の実質GDP成長率は1%程度といわれる日本の潜在成長率を超え、4~6月期の2.7%も上回った。日経グループのQUICKがまとめた民間予想の中心値(2.5%)よりも高かった。ただ実質GDPの水準自体は前年同期より4.5%低い。
一方、生活実感に近い名目GDPは0.3%減(前期比0.1%減)となった。6四半期連続のマイナスに終わった。
政府、「デフレ」を宣言へ
政府は日本の物価が持続的に下落する「デフレ」に陥っていると認定する方向で最終調整に入った。7~9月期の国内総生産(GDP)速報値で、国内の物価動向を示す内需デフレーターが51年ぶりの低水準にとどまったため。政府は2001年3月から06年8月までの月例経済報告で、日本経済がデフレの状態にあるとの判断を示しており、3年ぶりに同じ判断を復活させる見通しだ。
早ければ20日に公表する11月の月例報告に盛り込む。7~9月期の物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比0.2%上昇した。ただ国内需要デフレーターは2.6%下落し、1958年7~9月期(3.9%減)以来の大幅な落ち込みとなった。
テレビ自社生産を縮小 日立は国内1カ所に、東芝ベトナム撤退
日立製作所や東芝など大手電機メーカーが薄型テレビの自社生産を縮小する。日立は中国生産を打ち切り、国内に1工場だけを残す。東芝はベトナム生産から撤退する。薄型テレビは単価の下落が激しく、電子機器の受託製造サービス(EMS)への委託や事業縮小を加速し収益力の回復を急ぐ。来春には日本勢のテレビ工場数はピーク時に比べて3割減る見通しで、自社生産を軸としてきたビジネスモデルの見直しが加速しそうだ。
日立はさきごろ中国のテレビ生産子会社、日立数字映像(福建省)の操業を終えた。日立の2009年3月期の薄型テレビ世界販売台数は前の期比11%減の143万台で、中国向けは32万台。EMSを活用し、中国での販売は継続する。日立は3カ所あった海外テレビ工場での生産を今年に入りすべて終了させた。今期は販売台数の約5割にあたる70万台程度の生産を外部に委託する。
温暖化ガス25%削減、家計負担は最大年76万円増 政府部会試算
政府は16日午前、温暖化ガス削減の中期目標に関するタスクフォース(作業部会、座長・植田和弘京都大学教授)を開いた。2020年までに国内排出を1990年比25%減らすうえで必要になる年間の家計負担について、国立環境研究所などの研究機関が試算を提示した。25%すべてを国内の削減努力でまかなった場合、20年時点の可処分所得は13万~76.5万円減少するという。
政府は20年までに温暖化ガス排出を90年比25%減らす目標を掲げるが、国内だけの努力による「真水」の削減幅として10%、15%、20%、25%の4つを仮定し、それぞれのケースで家計に及ぶ負担を試算した。現状の経済成長を進めた場合、20年時点の可処分所得は現状よりも100万円程度増える見通し。試算ではこれに比べて20年時点の可処分所得がどの程度減るかを求めた。
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「ニコニコ静画」スタート みんなで静止画集めてスライドショーに
ニワンゴは、ニコニコ動画の新サービスとして、お題に合った静止画を複数のユーザーで投稿し合い、スライドショー表示する「ニコニコ静画」をスタートした。
お題を設定し、画像を1枚投稿すれば「スレッド」が完成。お題に合った画像やコメントを複数のユーザーで投稿し合い、スライドショーを作成できる。お題の投稿はプレミアム会員のみ可能だ。
スライドショー表示の例
画像はローカルPCからのアップロードのほか、画像URLを指定して外部のWebサイトからコピーすることもできる。お題投稿時は、指定したURL内にあるすべての画像をまとめて投稿することも可能だ。不適切な画像が投稿された場合は運営側に通報する機能も備えた。
ニコニコ動画の「@BGM」機能を使い、スライドショーにBGMを付けることもできる。
ニワンゴ取締役の西村博之氏によると、「ドワンゴ内定者の大学生が作ったテストプロジェクトで、面白いから本番投入が決まった」サービスという。
海賊版の携帯電話、中国で出荷急増 農村・途上国で広がる
【上海=戸田敬久】中国の正規ブランド品を模倣した“海賊版”携帯電話の出荷が急増している。米市場調査会社、アイサプライの予測によると2009年の出荷台数は前年比4割増の1億4500万台、12年には1億9200万台まで増える見通し。低価格を武器に中国の農村部や発展途上国で利用が広がっているためだが、海外では規制の動きも目立ってきた。
中国の海賊版携帯は主に広東省など南部の中小メーカーが生産しているといわれる。特許・デザイン料や税金などを支払っていないため、100元(約1300円)~500元と正規品の売れ筋(1000~2000元)に比べて格安だ。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を模倣した多機能型など種類も多い。
海外各国は中国産の海賊版携帯に対する締め付けを強めている。正規版携帯には1台ごとに「IMEI」と呼ばれる識別番号が割り当てられている。
エルピーダ、日台5社連合を構築 再浮上狙う
パソコンなどに使われるDRAMの専業メーカー、エルピーダメモリが、台湾メーカーと次々に提携し「日台5社連合」を誕生させた。半導体市況の冷え込みで一時は経営危機に直面したエルピーダだが、台湾勢に先端技術を供与することで陣営内に引き込んだ。社長の坂本幸雄(62)は、世界同時不況以来、刻々と変化する状況に苦慮しながらも、生き残りへ向けた体制固めにこぎつけた。
台湾メーカーとの提携は矢継ぎ早だった。6日に茂徳科技、11日に華邦電子とそれぞれDRAM生産委託の契約を締結。2003年から提携する力晶半導体、エルピーダと力晶の合弁会社である瑞晶電子を加えた5社連合が形成された。
ASEAN、大国と協力体制整う 経済連携構想、米と溝も
【シンガポール=牛山隆一】東南アジア諸国連合(ASEAN)は欧州、日中韓3カ国などとの首脳会議をそれぞれ開催してきた。今回、オバマ政権のアジア回帰を追い風に、米国との首脳会議が加わった。域外大国との関係強化に向けた一連の動きは「完成形」に近づいた。
台頭する中印両大国の間でASEANの存在感が希薄になるとの危機感もあり、「対米関係緊密化はASEANの格好の宣伝材料になる」(マレーシア政府筋)との期待は大きい。日中など大国間の自由貿易協定(FTA)が実現しないなか、ASEANは中印などと相次ぎFTAを締結。FTAネットワークの結節点であるASEANが、広域経済連携の核になる可能性も秘めている。
「食料、7割増産が必要」 FAO、サミット16日開幕
【ローマ=藤田剛】国連食糧農業機関(FAO)が16日からローマで開く「食料サミット」の共同宣言案が明らかになった。「2050年に90億人を突破する世界人口を養うためには食料生産量を今より70%増やす必要がある」と明記し、農業国には増産、先進国には政府開発援助(ODA)拡大を求めた。
食料サミットには発展途上国を中心に60カ国程度の首脳のほか、潘基文(バン・キムン)国連事務総長らが参加する予定で、宣言は初日の16日に採択される。
西川前社長「郵政見直しで非効率に」 分社再編を懸念
日本郵政の西川善文前社長は15日のテレビ朝日の番組で、政府の郵政事業見直しについて「非常に非効率な組織が生まれる」と懸念を表明した。政府は郵便・貯金・保険の事業を一体運営するよう、分社体制を再編する考え。西川氏は民営化前の日本郵政公社時代の体質に逆戻りしかねないとの見方を示したものとみられる。
政府は郵便局網を行政拠点として活用する方針も打ち出した。西川氏は収益がきちんと上がる経営が必要だとの見解を示した。「上場して市場規律を働かせ、(採算が悪化して)国民負担につながる事態は避けなければならない」と訴えた。
同番組には丹羽宇一郎・日本郵政前社外取締役(伊藤忠商事会長)も出演した。亀井静香郵政・金融担当相ら政府が主導した今回の郵政人事について「株式会社組織のガバナンスを無視している」と不満を述べ、会社法に沿った手続きを求めた。
米陸軍の自殺、過去最悪ペース 10月は16人、前月から倍増
【ワシントン支局】米陸軍は自殺とみられる兵士の死亡者数が10月は16人に上り、前月の7人に比べ倍増したと発表した。1月から10月までの合計では133人となり、年間の自殺者数がベトナム戦争以来最悪を記録した昨年の同期間の115人を上回っている。
イラク、アフガニスタンでの対テロ戦の長期化に伴い、兵士の「心のケア」は米軍の大きな課題となっており、陸軍は3月に「自殺防止タスクフォース」を新設した。先々週にはテキサス州の陸軍基地でアフガニスタンに派遣予定だった精神科軍医が銃を乱射、13人が死亡する事件も起きた。
タスクフォースの担当者は、兵士の間にカウンセリングを受けるのは恥だとの考えが根強いと指摘。早期の相談を呼び掛けていくと述べた。
「中高年」に群がる音楽業界(COLUMN)
10月末、音楽業界が大同団結した異例のキャンペーンが立ち上がった。
ユニバーサルミュージックやエイベックス マーケティング、EMIミュージック・ジャパンなど音楽レコード12社が共同で販売促進に乗り出したのだ。全国約1800店の小売店がキャンペーン専用の棚を作るなどして協力する。また購入者の中から抽選で旅館宿泊券やiPodが当たる仕掛けもある。音楽大手がこれほど手を組んで、小売店も巻き込む取り組みは過去にない。
音楽といえば主な購買層は学生をはじめとする若年層。特に携帯電話を使って好みの曲をダウンロードする買い方が時代の主流となっている。しかし、今回の販促のメーンターゲットは40~64歳の中高年層。その名も「大人の音楽」キャンペーンと言う。
稲垣潤一、中島みゆきら勢揃い
登場するミュージシャンは松山千春、稲垣潤一、徳永英明、中島みゆき、吉田拓郎、ABBA、カーペンターズ、ライオネル・リッチーら。対象CDやDVDには中高年のファンなら誰しも一度は耳にしたことのある懐かしい人気アーティストの作品がずらりと並ぶ。動画配信サイトの「YouTube(ユーチューブ)」なども活用する。
仕掛け人であるユニバーサルミュージックの深尾尚宏セールスマーケティング&デジタルセールス本部長は「各社が協力することで、大規模プロモーションの負担を軽減できる。今年3月に当社単独で同様のキャンペーンを仕掛けたところ、旧譜売り上げが1.7倍になるなど効果は大きかった。業界全体で大人の関心を音楽に向ける流れを作りたい」と狙いを説明する。
40~64歳の国内人口は約4200万人とされる。音楽配信よりカセットテープやCDで音楽を聴くのに慣れている世代だ。少子高齢化による若年層マーケットの縮小や、1曲当たり200円程度と単価の安い配信へのシフト。まさに音楽産業が抱える構造問題に正面から取り組むプロジェクトなのだ。
実はこのキャンペーン、9月中旬時点ではユニバーサル、エイベックス、テイチクエンタテインメントの3社のみだった。ところがその後、EMIミュージック・ジャパンやポニーキャニオンなどが続々と名乗りを上げ、12社にまで膨れ上がった。
今年に入ってCD離れが急加速
背景には、今年に入って国内音楽市場の縮小傾向が鮮明になっていることがある。日本レコード協会によれば、2009年1~9月のCDやDVDなど音楽ソフトの国内出荷金額は、前年同期比14%減と急速に落ち込んだ。
さらに頭が痛いのはCD出荷が減る中で、国内レコード会社の収益を支えてきた楽曲配信の成長も頭打ちになっていること。2009年4~6月には、2005年の統計開始以降初めて四半期ベースで前年実績を下回った。サービス普及が一巡したのに加えて、携帯事業者が2年契約を前提とする料金プランを導入したことで、配信を利用するきっかけとなる携帯電話の買い替えが減っているためだ。
ただし、消費者が音楽を見放したわけではない。9月9日に発売されたザ ビートルズのリマスター盤ボックスセットなどは3万5800円という価格にもかかわらず、アルバム換算で250万枚に迫る売れ行き。6月に急逝したマイケル ジャクソンの作品も映画公開の効果もあり好調な販売が続く。
日本レコード協会の石坂敬一会長は「根本的な問題は魅力的な楽曲を生み出せていないことにつきる」と語る。新たな時代を作るアーティストを生み出せるのか。それとも別のビジネスモデルを築けるのか。音楽産業はいよいよ岐路に立たされている。
ニワンゴは、ニコニコ動画の新サービスとして、お題に合った静止画を複数のユーザーで投稿し合い、スライドショー表示する「ニコニコ静画」をスタートした。
お題を設定し、画像を1枚投稿すれば「スレッド」が完成。お題に合った画像やコメントを複数のユーザーで投稿し合い、スライドショーを作成できる。お題の投稿はプレミアム会員のみ可能だ。
スライドショー表示の例
画像はローカルPCからのアップロードのほか、画像URLを指定して外部のWebサイトからコピーすることもできる。お題投稿時は、指定したURL内にあるすべての画像をまとめて投稿することも可能だ。不適切な画像が投稿された場合は運営側に通報する機能も備えた。
ニコニコ動画の「@BGM」機能を使い、スライドショーにBGMを付けることもできる。
ニワンゴ取締役の西村博之氏によると、「ドワンゴ内定者の大学生が作ったテストプロジェクトで、面白いから本番投入が決まった」サービスという。
海賊版の携帯電話、中国で出荷急増 農村・途上国で広がる
【上海=戸田敬久】中国の正規ブランド品を模倣した“海賊版”携帯電話の出荷が急増している。米市場調査会社、アイサプライの予測によると2009年の出荷台数は前年比4割増の1億4500万台、12年には1億9200万台まで増える見通し。低価格を武器に中国の農村部や発展途上国で利用が広がっているためだが、海外では規制の動きも目立ってきた。
中国の海賊版携帯は主に広東省など南部の中小メーカーが生産しているといわれる。特許・デザイン料や税金などを支払っていないため、100元(約1300円)~500元と正規品の売れ筋(1000~2000元)に比べて格安だ。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を模倣した多機能型など種類も多い。
海外各国は中国産の海賊版携帯に対する締め付けを強めている。正規版携帯には1台ごとに「IMEI」と呼ばれる識別番号が割り当てられている。
エルピーダ、日台5社連合を構築 再浮上狙う
パソコンなどに使われるDRAMの専業メーカー、エルピーダメモリが、台湾メーカーと次々に提携し「日台5社連合」を誕生させた。半導体市況の冷え込みで一時は経営危機に直面したエルピーダだが、台湾勢に先端技術を供与することで陣営内に引き込んだ。社長の坂本幸雄(62)は、世界同時不況以来、刻々と変化する状況に苦慮しながらも、生き残りへ向けた体制固めにこぎつけた。
台湾メーカーとの提携は矢継ぎ早だった。6日に茂徳科技、11日に華邦電子とそれぞれDRAM生産委託の契約を締結。2003年から提携する力晶半導体、エルピーダと力晶の合弁会社である瑞晶電子を加えた5社連合が形成された。
ASEAN、大国と協力体制整う 経済連携構想、米と溝も
【シンガポール=牛山隆一】東南アジア諸国連合(ASEAN)は欧州、日中韓3カ国などとの首脳会議をそれぞれ開催してきた。今回、オバマ政権のアジア回帰を追い風に、米国との首脳会議が加わった。域外大国との関係強化に向けた一連の動きは「完成形」に近づいた。
台頭する中印両大国の間でASEANの存在感が希薄になるとの危機感もあり、「対米関係緊密化はASEANの格好の宣伝材料になる」(マレーシア政府筋)との期待は大きい。日中など大国間の自由貿易協定(FTA)が実現しないなか、ASEANは中印などと相次ぎFTAを締結。FTAネットワークの結節点であるASEANが、広域経済連携の核になる可能性も秘めている。
「食料、7割増産が必要」 FAO、サミット16日開幕
【ローマ=藤田剛】国連食糧農業機関(FAO)が16日からローマで開く「食料サミット」の共同宣言案が明らかになった。「2050年に90億人を突破する世界人口を養うためには食料生産量を今より70%増やす必要がある」と明記し、農業国には増産、先進国には政府開発援助(ODA)拡大を求めた。
食料サミットには発展途上国を中心に60カ国程度の首脳のほか、潘基文(バン・キムン)国連事務総長らが参加する予定で、宣言は初日の16日に採択される。
西川前社長「郵政見直しで非効率に」 分社再編を懸念
日本郵政の西川善文前社長は15日のテレビ朝日の番組で、政府の郵政事業見直しについて「非常に非効率な組織が生まれる」と懸念を表明した。政府は郵便・貯金・保険の事業を一体運営するよう、分社体制を再編する考え。西川氏は民営化前の日本郵政公社時代の体質に逆戻りしかねないとの見方を示したものとみられる。
政府は郵便局網を行政拠点として活用する方針も打ち出した。西川氏は収益がきちんと上がる経営が必要だとの見解を示した。「上場して市場規律を働かせ、(採算が悪化して)国民負担につながる事態は避けなければならない」と訴えた。
同番組には丹羽宇一郎・日本郵政前社外取締役(伊藤忠商事会長)も出演した。亀井静香郵政・金融担当相ら政府が主導した今回の郵政人事について「株式会社組織のガバナンスを無視している」と不満を述べ、会社法に沿った手続きを求めた。
米陸軍の自殺、過去最悪ペース 10月は16人、前月から倍増
【ワシントン支局】米陸軍は自殺とみられる兵士の死亡者数が10月は16人に上り、前月の7人に比べ倍増したと発表した。1月から10月までの合計では133人となり、年間の自殺者数がベトナム戦争以来最悪を記録した昨年の同期間の115人を上回っている。
イラク、アフガニスタンでの対テロ戦の長期化に伴い、兵士の「心のケア」は米軍の大きな課題となっており、陸軍は3月に「自殺防止タスクフォース」を新設した。先々週にはテキサス州の陸軍基地でアフガニスタンに派遣予定だった精神科軍医が銃を乱射、13人が死亡する事件も起きた。
タスクフォースの担当者は、兵士の間にカウンセリングを受けるのは恥だとの考えが根強いと指摘。早期の相談を呼び掛けていくと述べた。
「中高年」に群がる音楽業界(COLUMN)
10月末、音楽業界が大同団結した異例のキャンペーンが立ち上がった。
ユニバーサルミュージックやエイベックス マーケティング、EMIミュージック・ジャパンなど音楽レコード12社が共同で販売促進に乗り出したのだ。全国約1800店の小売店がキャンペーン専用の棚を作るなどして協力する。また購入者の中から抽選で旅館宿泊券やiPodが当たる仕掛けもある。音楽大手がこれほど手を組んで、小売店も巻き込む取り組みは過去にない。
音楽といえば主な購買層は学生をはじめとする若年層。特に携帯電話を使って好みの曲をダウンロードする買い方が時代の主流となっている。しかし、今回の販促のメーンターゲットは40~64歳の中高年層。その名も「大人の音楽」キャンペーンと言う。
稲垣潤一、中島みゆきら勢揃い
登場するミュージシャンは松山千春、稲垣潤一、徳永英明、中島みゆき、吉田拓郎、ABBA、カーペンターズ、ライオネル・リッチーら。対象CDやDVDには中高年のファンなら誰しも一度は耳にしたことのある懐かしい人気アーティストの作品がずらりと並ぶ。動画配信サイトの「YouTube(ユーチューブ)」なども活用する。
仕掛け人であるユニバーサルミュージックの深尾尚宏セールスマーケティング&デジタルセールス本部長は「各社が協力することで、大規模プロモーションの負担を軽減できる。今年3月に当社単独で同様のキャンペーンを仕掛けたところ、旧譜売り上げが1.7倍になるなど効果は大きかった。業界全体で大人の関心を音楽に向ける流れを作りたい」と狙いを説明する。
40~64歳の国内人口は約4200万人とされる。音楽配信よりカセットテープやCDで音楽を聴くのに慣れている世代だ。少子高齢化による若年層マーケットの縮小や、1曲当たり200円程度と単価の安い配信へのシフト。まさに音楽産業が抱える構造問題に正面から取り組むプロジェクトなのだ。
実はこのキャンペーン、9月中旬時点ではユニバーサル、エイベックス、テイチクエンタテインメントの3社のみだった。ところがその後、EMIミュージック・ジャパンやポニーキャニオンなどが続々と名乗りを上げ、12社にまで膨れ上がった。
今年に入ってCD離れが急加速
背景には、今年に入って国内音楽市場の縮小傾向が鮮明になっていることがある。日本レコード協会によれば、2009年1~9月のCDやDVDなど音楽ソフトの国内出荷金額は、前年同期比14%減と急速に落ち込んだ。
さらに頭が痛いのはCD出荷が減る中で、国内レコード会社の収益を支えてきた楽曲配信の成長も頭打ちになっていること。2009年4~6月には、2005年の統計開始以降初めて四半期ベースで前年実績を下回った。サービス普及が一巡したのに加えて、携帯事業者が2年契約を前提とする料金プランを導入したことで、配信を利用するきっかけとなる携帯電話の買い替えが減っているためだ。
ただし、消費者が音楽を見放したわけではない。9月9日に発売されたザ ビートルズのリマスター盤ボックスセットなどは3万5800円という価格にもかかわらず、アルバム換算で250万枚に迫る売れ行き。6月に急逝したマイケル ジャクソンの作品も映画公開の効果もあり好調な販売が続く。
日本レコード協会の石坂敬一会長は「根本的な問題は魅力的な楽曲を生み出せていないことにつきる」と語る。新たな時代を作るアーティストを生み出せるのか。それとも別のビジネスモデルを築けるのか。音楽産業はいよいよ岐路に立たされている。
「SNS以上の時価総額で上場も」--Rekoo Japan代表に聞くソーシャルゲーム市場の展望
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上の知り合いたちと楽しむソーシャルゲーム開発で中国大手のRekoo Mediaは2009年11月10日、日本法人Rekoo Japanを10月27日付で設立したと発表した。
Rekoo Mediaが開発するソーシャルゲームは全世界で1200万人が毎日利用しているという。国内ではミクシィが運営するSNSmixi向けに「サンシャイン牧場」を提供しており、250万人超とすでに最大規模の利用者数となった。
同社が開発するソーシャルゲームが急成長した理由について話を聞いた。
-SNSにソーシャルゲームを提供するRekooのビジネスモデルは米Zingaなどの後追いだが、何が急成長を支えたのか。
リウ氏:その質問が出てくるのは「ソーシャルゲームは米国が一番進んでいる」との認識があるためだろう。確かに、ソーシャルゲームが生まれたのは米国だが、ゲーム産業、特にオンラインゲームは中国や韓国、日本の方が発達している。ソーシャルゲームで最大手の米Zingaさえ、中国や韓国で流行っているソーシャルゲームよりも一つ前の世代のゲームから始めている。中国で流行った「サンシャイン牧場」のような農場ゲームをコピーすることで、それをFacebookで流行らせるという逆輸入現象すら起きているのが実情だ。
また、Zingaの人気ゲーム「Mafia Wars」のようなゲームは攻撃的であり、表現力もシンプル。一方、サンシャイン牧場は友達にいたずらをしかけるなどの楽しい交流関係を築け、表現力も高いという特徴がある。
-そのようなゲームは従来からある。既存のゲームとソーシャルゲームの制作においては何が違っていて、何が勝敗を決定付けるのか。
田中氏:既存のゲーム会社はパブリッシャーと呼ばれる。しかし、ソーシャルゲームは出版するものではなく運営するもの。これが最大の違いだ。中国ではゲームオペレーターと呼ぶ職種が定着しているくらいで、運営を通じて利用者の要望や意見を汲み取ることで進化を遂げていく。ゲーム制作における開発部分は2割で、運営に8割の比重が置かれていると考えていいだろう。
また友達や家族と一緒に遊ぶゲームは楽しい。既存のゲームで言えば任天堂の据え置きゲーム機wiiの人気からもわかるだろう。しかし、Wiiは基本的に同じ場所で同じ時間に遊ぶ必要がある。一方、ソーシャルゲームは同じ場所にいる必要がなく、しかも友達と同じ時間に遊ばなければならないという制限もない。
利用者から支持される、本質を捉えたソーシャルゲームは、SNSやソーシャルサービスに慣れ親しんできた「SNSネイティブ」や「ソーシャルネイティブ」とでも呼べる人たちでなければ開発するのは難しいだろう。実際にあるベンチャー企業の社員にソーシャルゲームの企画をやらせたところ、ソーシャルサービスに慣れ親しんだ若い人たちから面白い企画が多数あがってきた。
-Rekoo Japanの役割は何か。今の話を聞いているとソーシャルゲーム運営で日本の強みはないことになる。日本のゲーム業界は世界的に評価は高いが、ソーシャルネイティブと呼べるような人がたくさんいるとは思えない。
携帯電話向けサービスのきめ細かな使い勝手においては日本が突出している。利用者の要求レベルも高い。これが最大の強みだ。この強みを生かせれば、携帯電話向けのソーシャルゲームの質をさらに高めて、これを世界に向けて発信することもできる。
ソーシャルゲームはゲーム業界とは別の進化をたどっている。このソーシャルゲームの制作に向いた才能が日本のどこに存在するかはまだ分からない。まずはFlashの技術を駆使する、才能ある日本のクリエーターを紹介した。
Rekoo Mediaが持つ中国特有の強みは、米国などへの海外展開と開発のスピードだ。日本企業は海外展開がうまくないし、開発スピードも中国に比べると遅い。それぞれの強みを生かしていく。
ソーシャルゲームは既存のゲームと全くスタイルが違う。ビジネスモデルも異なる。既存の大手ゲーム会社には真似しづらい。そのため、(既存の大手ゲーム会社である)米Electronic Artsが(ソーシャルゲーム会社の)英Playfishを買収するというような流れが生まれているのだろう。
--日本ではmixi以外のプラットフォームにもソーシャルゲームを提供する予定ですか。
もちろん計画を出されているDeNAさんとか、場合によってはそれ以外のプラットフォームにも環境が揃えば取り組んでいきたいです。
現在ではソーシャルゲームを公開できるオープンプラットフォームがmixiしかないですが、DeNAさんとも話はさせていただいております。
--日本ではどれくらいのユーザー数を獲得できますか。
プラットフォームの広がり方にもよりますが、1000万人には早めに到達したいと考えています。いままでの伸びを考えると比較的早い時期にそれは可能になると思います。
ターゲットは日本国民全員。おじいちゃんから子どもまで遊べるゲームなので、そのぐらいに広まってくれればいいなと思います。
1000万人はmixiだけでいけるのか、それまでにDeNAさんでもソーシャルゲームの提供が始まるかわからないですが、数カ月という単位で到達できればと思います。
--ソーシャルゲーム市場の展望をどう見ていますか。
いままでも予想をはるかに超えるスピードで伸びてきています。僕の予想では日本国内だけでも2、3年の間にソーシャルゲームの会社がいくつか、下手したらSNSの会社を超えるような時価総額をつけて上場することも十分にあり得ると思います。
それはグローバルに起きるでしょう。アジアでももっとスピードアップしていくと思います。非常に可能性があると思っています。
“農場ゲーム”が人気を集める2つの理由(COLUMN)
「Facebook」や「mixi」といったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上でさまざまなコンテンツが楽しめるソーシャルアプリ。このソーシャルアプリの中でも今最も人気のあるコンテンツが“農場ゲーム”です。
Facebookの人気ナンバーワンは米ジンガ(Zynga)の「FarmVille」という農場ゲーム。なんと毎日2500万人ものユーザーがこの農場ゲームを楽しんでおり、けた違いのスケールを誇っています。グローバルに展開するFacebookならではのスケールといえるでしょう。
一方、国内最大手のmixiにおいても、人気ナンバーワンのmixiアプリは農場ゲームである「サンシャイン牧場」。このアプリは中国第2位のソーシャルゲームメーカー、レクーメディア(Rekoo Media)が運営しているものです。
簡単に農場ゲームの概要を紹介します。FarmVilleの場合、最初にユーザーは正方形の自分の土地を与えられます。この土地を耕し、種をまき、収穫する。単純にいうとこの3つの動作を繰り返すことで農場自体をどんどん拡大させていくゲームです。
土地を耕すといっても実際は自分に与えられた土地スペースを1つ1つクリックするという単純な作業。地味な作業の繰り返しです。ゲームに長くかかわればかかわるほど、この作業は面倒になっていきます。ただ、レベルが上がることでトラクターを購入でき、一気に4倍のスピードで耕せるようになります。単純作業に飽きたタイミングでモチベーションを維持させるようトラクターが出現するという、絶妙なゲームバランスがポイントです。
次に耕した土地に種をまきます。種にはさまざまな種類があり、購入価格と収穫後の販売価格が異なり、収穫までにかかる時間も異なります。
例えば、イチゴは10コインで購入でき販売価格は35コイン。まいてから4時間で収穫できます。一方、コメは35コインで購入でき販売価格は115コイン。だだし、収穫まで3日かかるといった具合です。
作物が実って収穫可能になってから一定時間経過すると、その作物自体が枯れてしまいます。そのため、ユーザーは次にアクセスできる時間が何時になるのか自分のスケジュールを確認した上で購入する種を決めます。例えば、4時間後にアクセスが可能と判断すればイチゴを購入し、金曜日にアクセスして週末はパソコンに触れないつもりであれば3日後に収穫できるコメを植えればいいといった具合です。
収穫するときは実った作物の上をクリックするだけ。収穫した作物を販売して得られたお金でまた新しい種を購入して、作物を植えるというサイクルになります。
FarmVille大躍進の理由
さまざまなソーシャルアプリの中でなぜFarmVilleがこれだけの成功を収めているのか。実際にこのアプリで遊んでみていくつか気付いた点を紹介します。
まず、SNSの性質上、ユーザーは定期的にサイトにアクセスします。SNSにアクセスした、そのついでにアプリで遊ぶというのがソーシャルアプリ側からみたユーザーの獲得導線になります。また、ソーシャルアプリはいったんSNSにアクセスしてしまえば、IDやパスワードの入力が不要。スムーズにアプリを利用できるわけです。
そのため、新規ユーザー獲得のハードルは低く、成否のポイントは獲得したユーザーがいかにそのアプリを継続的に使うかになるのです。作物が育つまでに数時間、もしくは数日間待たなければならないというFarmVilleの仕組みは、ユーザーに次回もアクセスして収穫をしなくてはいけないという強い動機を与えることに成功しています。
また随所に見られる飽きさせない仕組みも重要です。FarmVilleは先ほど紹介したように単純作業に飽きてきたころに、農作業のスピードを向上させるアイテムが買えるようになります。また、レベルに応じて育てられる作物が増えたり、農場を大きくしたりできるわけです。こうしたゲームの設計バランスの良さがここまでのヒットアプリになった理由でしょう。
Farmvilleやサンシャイン牧場の成功を考えたときに、いったいこの農場ゲームの起源はどこにあるのかという点が気になり始めました。というのも、大成功したFarmVille以前にも農場ゲームはいくつか出ており、FarmVilleは決してオリジナルではありません。農場ゲームがFacebookで流行し始め、それらをアレンジしよりよいサービスにしてリリースしたものがFarmville。農場ゲームはソーシャルアプリの中でかなりの類似サービスが存在します。Facebookのような巨大プラットフォームでは2匹目のドジョウどころか5匹目、6匹目でもそれなりの会員を獲得できるため、ヒットコンテンツの類似サービスがはんらんする傾向があります。
農場をテーマにしたゲームはいくつかありますが、起源の1つになったと思われるゲームは、「アグリコラ」というボードゲームでした。ラテン語で「農民」という意味を持つアグリコラは2007年秋にドイツで発売されて一気にファンを獲得したゲームで、最大5人まで一緒に遊べます。内容はまさにソーシャルアプリの農場ゲームそのもの。さまざまなカードを使いながら、資材を集めて家を建て、家族を増やし、畑を耕し、牧場を作って家畜を飼い、自分の農場を豊かにしていくゲームです。
最初にソーシャルアプルに農場ゲームを投入した会社が、アグリコラを参考にしたかどうか正確なことは分かりません。しかし、別ジャンルでヒットしたコンテンツをソーシャルアプリのような高成長が見込まれるプラットフォームに対応させていくというのは非常に有効な戦略といえるでしょう。今回の農場ゲームもまた、環境に合わせたアレンジで成功した例。
SNSでヒットする原石は、案外ほかの分野に転がっているのかもしれませんね。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上の知り合いたちと楽しむソーシャルゲーム開発で中国大手のRekoo Mediaは2009年11月10日、日本法人Rekoo Japanを10月27日付で設立したと発表した。
Rekoo Mediaが開発するソーシャルゲームは全世界で1200万人が毎日利用しているという。国内ではミクシィが運営するSNSmixi向けに「サンシャイン牧場」を提供しており、250万人超とすでに最大規模の利用者数となった。
同社が開発するソーシャルゲームが急成長した理由について話を聞いた。
-SNSにソーシャルゲームを提供するRekooのビジネスモデルは米Zingaなどの後追いだが、何が急成長を支えたのか。
リウ氏:その質問が出てくるのは「ソーシャルゲームは米国が一番進んでいる」との認識があるためだろう。確かに、ソーシャルゲームが生まれたのは米国だが、ゲーム産業、特にオンラインゲームは中国や韓国、日本の方が発達している。ソーシャルゲームで最大手の米Zingaさえ、中国や韓国で流行っているソーシャルゲームよりも一つ前の世代のゲームから始めている。中国で流行った「サンシャイン牧場」のような農場ゲームをコピーすることで、それをFacebookで流行らせるという逆輸入現象すら起きているのが実情だ。
また、Zingaの人気ゲーム「Mafia Wars」のようなゲームは攻撃的であり、表現力もシンプル。一方、サンシャイン牧場は友達にいたずらをしかけるなどの楽しい交流関係を築け、表現力も高いという特徴がある。
-そのようなゲームは従来からある。既存のゲームとソーシャルゲームの制作においては何が違っていて、何が勝敗を決定付けるのか。
田中氏:既存のゲーム会社はパブリッシャーと呼ばれる。しかし、ソーシャルゲームは出版するものではなく運営するもの。これが最大の違いだ。中国ではゲームオペレーターと呼ぶ職種が定着しているくらいで、運営を通じて利用者の要望や意見を汲み取ることで進化を遂げていく。ゲーム制作における開発部分は2割で、運営に8割の比重が置かれていると考えていいだろう。
また友達や家族と一緒に遊ぶゲームは楽しい。既存のゲームで言えば任天堂の据え置きゲーム機wiiの人気からもわかるだろう。しかし、Wiiは基本的に同じ場所で同じ時間に遊ぶ必要がある。一方、ソーシャルゲームは同じ場所にいる必要がなく、しかも友達と同じ時間に遊ばなければならないという制限もない。
利用者から支持される、本質を捉えたソーシャルゲームは、SNSやソーシャルサービスに慣れ親しんできた「SNSネイティブ」や「ソーシャルネイティブ」とでも呼べる人たちでなければ開発するのは難しいだろう。実際にあるベンチャー企業の社員にソーシャルゲームの企画をやらせたところ、ソーシャルサービスに慣れ親しんだ若い人たちから面白い企画が多数あがってきた。
-Rekoo Japanの役割は何か。今の話を聞いているとソーシャルゲーム運営で日本の強みはないことになる。日本のゲーム業界は世界的に評価は高いが、ソーシャルネイティブと呼べるような人がたくさんいるとは思えない。
携帯電話向けサービスのきめ細かな使い勝手においては日本が突出している。利用者の要求レベルも高い。これが最大の強みだ。この強みを生かせれば、携帯電話向けのソーシャルゲームの質をさらに高めて、これを世界に向けて発信することもできる。
ソーシャルゲームはゲーム業界とは別の進化をたどっている。このソーシャルゲームの制作に向いた才能が日本のどこに存在するかはまだ分からない。まずはFlashの技術を駆使する、才能ある日本のクリエーターを紹介した。
Rekoo Mediaが持つ中国特有の強みは、米国などへの海外展開と開発のスピードだ。日本企業は海外展開がうまくないし、開発スピードも中国に比べると遅い。それぞれの強みを生かしていく。
ソーシャルゲームは既存のゲームと全くスタイルが違う。ビジネスモデルも異なる。既存の大手ゲーム会社には真似しづらい。そのため、(既存の大手ゲーム会社である)米Electronic Artsが(ソーシャルゲーム会社の)英Playfishを買収するというような流れが生まれているのだろう。
--日本ではmixi以外のプラットフォームにもソーシャルゲームを提供する予定ですか。
もちろん計画を出されているDeNAさんとか、場合によってはそれ以外のプラットフォームにも環境が揃えば取り組んでいきたいです。
現在ではソーシャルゲームを公開できるオープンプラットフォームがmixiしかないですが、DeNAさんとも話はさせていただいております。
--日本ではどれくらいのユーザー数を獲得できますか。
プラットフォームの広がり方にもよりますが、1000万人には早めに到達したいと考えています。いままでの伸びを考えると比較的早い時期にそれは可能になると思います。
ターゲットは日本国民全員。おじいちゃんから子どもまで遊べるゲームなので、そのぐらいに広まってくれればいいなと思います。
1000万人はmixiだけでいけるのか、それまでにDeNAさんでもソーシャルゲームの提供が始まるかわからないですが、数カ月という単位で到達できればと思います。
--ソーシャルゲーム市場の展望をどう見ていますか。
いままでも予想をはるかに超えるスピードで伸びてきています。僕の予想では日本国内だけでも2、3年の間にソーシャルゲームの会社がいくつか、下手したらSNSの会社を超えるような時価総額をつけて上場することも十分にあり得ると思います。
それはグローバルに起きるでしょう。アジアでももっとスピードアップしていくと思います。非常に可能性があると思っています。
“農場ゲーム”が人気を集める2つの理由(COLUMN)
「Facebook」や「mixi」といったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上でさまざまなコンテンツが楽しめるソーシャルアプリ。このソーシャルアプリの中でも今最も人気のあるコンテンツが“農場ゲーム”です。
Facebookの人気ナンバーワンは米ジンガ(Zynga)の「FarmVille」という農場ゲーム。なんと毎日2500万人ものユーザーがこの農場ゲームを楽しんでおり、けた違いのスケールを誇っています。グローバルに展開するFacebookならではのスケールといえるでしょう。
一方、国内最大手のmixiにおいても、人気ナンバーワンのmixiアプリは農場ゲームである「サンシャイン牧場」。このアプリは中国第2位のソーシャルゲームメーカー、レクーメディア(Rekoo Media)が運営しているものです。
簡単に農場ゲームの概要を紹介します。FarmVilleの場合、最初にユーザーは正方形の自分の土地を与えられます。この土地を耕し、種をまき、収穫する。単純にいうとこの3つの動作を繰り返すことで農場自体をどんどん拡大させていくゲームです。
土地を耕すといっても実際は自分に与えられた土地スペースを1つ1つクリックするという単純な作業。地味な作業の繰り返しです。ゲームに長くかかわればかかわるほど、この作業は面倒になっていきます。ただ、レベルが上がることでトラクターを購入でき、一気に4倍のスピードで耕せるようになります。単純作業に飽きたタイミングでモチベーションを維持させるようトラクターが出現するという、絶妙なゲームバランスがポイントです。
次に耕した土地に種をまきます。種にはさまざまな種類があり、購入価格と収穫後の販売価格が異なり、収穫までにかかる時間も異なります。
例えば、イチゴは10コインで購入でき販売価格は35コイン。まいてから4時間で収穫できます。一方、コメは35コインで購入でき販売価格は115コイン。だだし、収穫まで3日かかるといった具合です。
作物が実って収穫可能になってから一定時間経過すると、その作物自体が枯れてしまいます。そのため、ユーザーは次にアクセスできる時間が何時になるのか自分のスケジュールを確認した上で購入する種を決めます。例えば、4時間後にアクセスが可能と判断すればイチゴを購入し、金曜日にアクセスして週末はパソコンに触れないつもりであれば3日後に収穫できるコメを植えればいいといった具合です。
収穫するときは実った作物の上をクリックするだけ。収穫した作物を販売して得られたお金でまた新しい種を購入して、作物を植えるというサイクルになります。
FarmVille大躍進の理由
さまざまなソーシャルアプリの中でなぜFarmVilleがこれだけの成功を収めているのか。実際にこのアプリで遊んでみていくつか気付いた点を紹介します。
まず、SNSの性質上、ユーザーは定期的にサイトにアクセスします。SNSにアクセスした、そのついでにアプリで遊ぶというのがソーシャルアプリ側からみたユーザーの獲得導線になります。また、ソーシャルアプリはいったんSNSにアクセスしてしまえば、IDやパスワードの入力が不要。スムーズにアプリを利用できるわけです。
そのため、新規ユーザー獲得のハードルは低く、成否のポイントは獲得したユーザーがいかにそのアプリを継続的に使うかになるのです。作物が育つまでに数時間、もしくは数日間待たなければならないというFarmVilleの仕組みは、ユーザーに次回もアクセスして収穫をしなくてはいけないという強い動機を与えることに成功しています。
また随所に見られる飽きさせない仕組みも重要です。FarmVilleは先ほど紹介したように単純作業に飽きてきたころに、農作業のスピードを向上させるアイテムが買えるようになります。また、レベルに応じて育てられる作物が増えたり、農場を大きくしたりできるわけです。こうしたゲームの設計バランスの良さがここまでのヒットアプリになった理由でしょう。
Farmvilleやサンシャイン牧場の成功を考えたときに、いったいこの農場ゲームの起源はどこにあるのかという点が気になり始めました。というのも、大成功したFarmVille以前にも農場ゲームはいくつか出ており、FarmVilleは決してオリジナルではありません。農場ゲームがFacebookで流行し始め、それらをアレンジしよりよいサービスにしてリリースしたものがFarmville。農場ゲームはソーシャルアプリの中でかなりの類似サービスが存在します。Facebookのような巨大プラットフォームでは2匹目のドジョウどころか5匹目、6匹目でもそれなりの会員を獲得できるため、ヒットコンテンツの類似サービスがはんらんする傾向があります。
農場をテーマにしたゲームはいくつかありますが、起源の1つになったと思われるゲームは、「アグリコラ」というボードゲームでした。ラテン語で「農民」という意味を持つアグリコラは2007年秋にドイツで発売されて一気にファンを獲得したゲームで、最大5人まで一緒に遊べます。内容はまさにソーシャルアプリの農場ゲームそのもの。さまざまなカードを使いながら、資材を集めて家を建て、家族を増やし、畑を耕し、牧場を作って家畜を飼い、自分の農場を豊かにしていくゲームです。
最初にソーシャルアプルに農場ゲームを投入した会社が、アグリコラを参考にしたかどうか正確なことは分かりません。しかし、別ジャンルでヒットしたコンテンツをソーシャルアプリのような高成長が見込まれるプラットフォームに対応させていくというのは非常に有効な戦略といえるでしょう。今回の農場ゲームもまた、環境に合わせたアレンジで成功した例。
SNSでヒットする原石は、案外ほかの分野に転がっているのかもしれませんね。
今のウィルコムだから作れた大胆すぎるスマートフォン「HYBRID W-ZERO3」(COLUMN)
ウィルコムは11日、マイクロソフトの最新OS「Windows Mobile6.5」を搭載する新しいスマートフォン「HYBRID W-ZERO3」(シャープ製)を発表した。注目は従来のPHSに加えてW-CDMA(HSDPA/HSUPA)にも対応した「スマートフォン版ドッチーモ」に仕上がっている点だ。ウィルコムのデータ通信企画室室長である須永康弘氏に話を聞いた。
携帯電話各社の新製品が発表されるなか、トリを飾ったのはウィルコムだ。経営的には苦しい状態に置かれているが、かつて勢いがあったころを思わせる魂のこもった製品が登場する。
■「スマートフォンの父」がこだわったこと
今回、開発を担当した須永康弘氏は一貫してW-ZERO3シリーズを手がけてきた日本のスマートフォンの父といえるような存在。新製品を開発するにあたって意識せざるを得なかったのはアップル「iPhone」の存在だ。須永氏が語る。
「スマートフォン市場はiPhoneの影響が大きく、アップルを中心としたトレンドができつつある。ウィルコム単体では体力が続かないので、ワールドワイドの仕様に乗るべきだと判断した。Androidも選択肢にあったが、いまならWindows Mobile 6.5で戦えると判断した」
新製品はこれまでのW-ZERO3シリーズの反省点が十二分に生かされている。HYBRID W-ZERO3はまず、見た目が一般的なスライド式の携帯電話と変わらないようになった。これまで採用してきたQWERTY配列のキーボードは影も形もなくなっている。
「日本のユーザーを考えると、やはり通勤電車のなかでも使えるように片手で操作できることが重要。そのため、QWERTYではなくテンキータイプを選択した」
開発段階ではQWERTYとテンキーの両方を持つ「Advanced W-ZERO3es」を小型化する方向も探ったが、今回は割り切ってテンキーのみにしたという。世界のスマートフォンを見渡すと、かつてのW-ZERO3のように本体をスライドさせてQWERTYキーボードを出し、横画面にするものが増えている。だが、須永氏はあえて縦画面にこだわったという。
「iPhoneの爆発的なヒットにより、スマートフォンの世界では縦画面のコンテンツが一般的になろうとしている。そこであえてHYBRID W-ZERO3では縦画面での操作性を重視した」
■「Windows Live」に積極対応
HYBRID W-ZERO3はテンキーだけでなくタッチパネルでの操作も可能だ。さらに「Xcrawl(エクスクロール)」と呼ばれるカーソルキーにより、画面のスクロールやカーソル移動を容易にした。
Windows Mobileはユーザーインターフェースが使いやすいとはいえず、それはバージョンが6.5になってもすべて改善されているわけではない。しかし、ウィルコムとシャープではオリジナルのユーザーインターフェースを開発して、初心者でも使いやすいようにできるだけの配慮をしたという。
もう1つ、ウィルコムが力を入れたのが「Windows Live」のサポートだ。Windows Liveはマイクロソフトが提供するオンラインサービスで、メール、ブログ、メッセンジャーが利用可能となっている。また「My Phone」というサービスにより、本体に保存した連絡先や予定表、写真データなどを自動的にバックアップし、パソコンからも閲覧・編集できるようになっている。
「他社にはない試みとして、Windows Liveへのアクセス専用キーをつけた。現在、Windows Liveメールのアカウントを簡単に取得できるような仕組みをマイクロソフトにお願いしている段階だ」
これにより、従来のPHSのメールアカウントに加えて、Windows Liveメールが使え、しかも、プッシュで届くようになるという。もちろん、パスワードやIDの設定は不要となる見込みだ。
■SIMロックフリーでGSMモジュールも
HYBRID W-ZERO3はPHSでありながら、W-CDMA網にも対応する。ウィルコムはNTTドコモの回線をMVNO(仮想移動体通信事業者)として借り受けて「WILLCOM CORE 3G」という高速データ通信サービスを提供しており、このネットワークを使う。
ただ、PHS自体も「W-OAM typeG」と呼ばれる高度化通信規格に対応し、「速度が遅くて使えない」という従来のウィルコムPHSのイメージを払拭する仕様になっている。
さらにHYBRID W-ZERO3は無線ルーター機能も備える。無線LANの電波を周辺に飛ばし、パソコンや「ニンテンドーDS」「プレイステーション・ポータブル(PSP)」といった携帯ゲーム機をインターネットにつなげることも可能だ。
まず第1は、W-CDMA用のSIMカードスロットにロックがかかっていない点。これにより、国内であれば、WILLCOM CORE 3Gだけでなく、NTTドコモやソフトバンクモバイルの通信用SIMカードも利用することができる(イー・モバイルは1.7GHz帯のため非対応)。
2つめとして、PHS用の「W-SIM」と呼ばれるカードのオプションとして、GSMが使えるカードを用意した。HYBRID W-ZERO3にW-SIM型のGSMモジュールを挿せば、海外ではGSM対応スマートフォンになるのだ。
前述のとおり、SIMカードスロットにはロックがかかっていない。つまり、現地キャリアが発売するプリペイドのSIMカードを挿入すれば、現地の電話番号が使えるということだ。GSMモジュールとプリペイドのSIMカードがあれば、現地の安価な電話代で話せるわけである。
■プレスリリースにも出ていない驚きの仕掛け
さらにここからはウィルコムのプレスリリースにもない情報だが、背面パネルを開けると、なんとSIMカードスロットに2枚のカードを挿せるようになっている。中国など海外市場では2枚のSIMカードを使える携帯電話が売られているが、日本メーカー製では間違いなく「初」といえるだろう。
これが便利なのは特に海外での利用時だ。SIMカードスロットは1つめはデータ通信用、2つめは通話用という役割になっており、例えば、1つめに現地の高速データ通信用のSIMカードを挿し、2つめの通話用にはNTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクモバイルなど普段使用しているSIMカードを挿す。これによりHYBRID W-ZERO3が1台あれば、海外での通話を国際ローミングとして受け、さらにネットへのアクセスは現地のSIMカードで安く抑えるという離れ業が可能になる。
海外出張が多いユーザーにとっては、パソコンがなくても手軽に安く仕事をこなせる重宝な存在となるだろう。
今回用意されたW-SIM型のGSMモジュールを海外で利用可能なSIMカードと組み合わせることで、海外のGSMエリアでの利用が可能となる。このモジュールはPHSが普及する中国ではすでに商用化されているものだ。須永氏は言う。
「今後、中国のTD-SCDMAモジュールも登場する可能性がある。メーカーにとっては、海外展開しやすい製品になっている」
■「誰もが満足できるスマートフォン」を
ウィルコムは現在、次世代PHSと呼ばれていた高速通信サービス「XGP」を広げつつある。本来ならば、XGP対応のスマートフォンを出すべきところだが、「発熱やコストの問題もあり、パフォーマンスがついてこない」(須永氏)ことから、搭載が見送られた。その結果、W-CDMA/HSDPA対応になったのだという。
ここまでをみると、HYBRID W-ZERO3はもはやPHSというより、ハイスペックな携帯電話用端末という印象である。
ユーザーからすると、高速なHSDPAで接続できるなら、そちらを使い続けたいし、海外で現地キャリアが使えるなら、それで通信費を安く抑えたい。結果として、ウィルコムにはあまりメリットがないようにも思えるが、実際はどうなのか。
「とにかく既存のPHSユーザーを逃したくないという思いがあって、誰もが満足できるスマートフォンを作りたかった。安価に使いたいという人であればPHS網だけを使えばいいし、速度を求めるなら3G接続を選んでもらえればいい」
誰もが満足できるスマートフォンを実現するため、初期のW-ZERO3シリーズユーザーから要望の声があったブルートゥースやGPS(全地球測位システム)にも対応した。500万画素のカメラも実装した。
気になる月額料金は後日発表となる予定だが、「既存のW-ZERO3シリーズを使っているユーザーが乗り換えても高くはならない設定にする」(須永氏)という。つまり、PHSとW-CDMAの両方を使っても、単純に2つの料金プランの合算とはならないようだ。
■今のウィルコムだからこそ実現
今回のHYBRID W-ZERO3は、通信キャリアとしてはかなり思い切った商品である。経営状態が厳しいなかで「もはや、失うものは何もない」(ウィルコム関係者)という崖っぷちに立っているからこそ、実現できたように感じる。
前モデルの「WILLCOM 03」「WILLCOM D4」といった商品からは、「ウィルコム魂」みたいなものが伝わってこなかった。しかし、今回のHYBRID W-ZERO3はガジェット好きがうなるようなスペックに仕上がっている。
SIMロックフリーという仕様は、大手3キャリアが導入できるわけもなく、今のウィルコムだからこそ踏み切れた。開発元であるシャープは大手3キャリアすべてに納入するトップメーカーだけに、社内がSIMロックフリーの導入に相当難色を示したようだが、ウィルコムの強い思いによって製品化に至った。
iPhoneや「Android携帯」に脚光が当たる一方で、すっかり影が薄くなっているWindows Mobileを採用したことが強いて言えば弱点だが、HYBRID W-ZERO3が日本に新たな市場を作る可能性は大いにありそうだ。
家電組み立て世界最大手、液晶4位を合併 鴻海が「7兆円企業」に
【台北=新居耕治】電子製品の生産受託(EMS)世界最大手の台湾・鴻海グループは14日、液晶パネル世界4位の奇美電子を吸収合併すると発表した。携帯電話機、液晶テレビなど家電製品の組み立てに加え、部品生産にも本格参入する。鴻海と奇美の売上高を合計すると6兆8000億円弱(2008年)で、日本の家電大手や韓国のサムスン電子と肩を並べる企業グループが誕生する。日韓米などの有力企業との競争激化や合従連衡の動きが強まりそうだ。
株式交換方式で奇美を合併するのは鴻海グループ傘下の中小型液晶パネルメーカー、群創光電。奇美株2.05株に対し、群創が新たに発行する株式1株を割り当て、群創を存続会社にしたうえで社名を奇美電子に変更する。来年5月1日付で新会社に移行する予定。
群創は中小型パネルを生産し、主にモニター向けに出荷してきた。一方、奇美は液晶テレビなどに使う大型パネルが主力。群創は液晶パネルの品ぞろえを大型に拡大し、パネルで世界3位に浮上することを目指す。
米ニューズ、グーグルへの配信「中止」 数カ月内にも
米メディア大手ニューズ・コーポレーションは数カ月以内にも米グーグルの検索サービスから系列メディア企業のニュースを引き揚げる方針を明らかにした。英紙テレグラフ(電子版)が13日伝えた。ネット事業の収益拡大に悩む他社に同調を呼びかける考えだ。
ニューズでデジタル部門トップをつとめるジョナサン・ミラー氏が、モナコの業界イベントで「(検索・閲覧できなくするのは)数カ月先、あるいは数四半期先のこと」と話した。同社のマードック会長が9日、傘下企業のニュースをネット上で自由に検索・閲覧できないようにする考えを表明。具体的な実施予定などが注目されていた。
グーグルの「グーグル・ニュース」の対象から外れるにはグーグル側に要望を通知すればいいが、検索対象から外れると、自社サイトへのアクセス数が減少する恐れが出てくる。ミラー氏は、ニューズの単独行動は難しいと認めたうえで、ニュースの有料化に向けて「ニューズが(他社を)主導する」と述べた。
ウィルコムは11日、マイクロソフトの最新OS「Windows Mobile6.5」を搭載する新しいスマートフォン「HYBRID W-ZERO3」(シャープ製)を発表した。注目は従来のPHSに加えてW-CDMA(HSDPA/HSUPA)にも対応した「スマートフォン版ドッチーモ」に仕上がっている点だ。ウィルコムのデータ通信企画室室長である須永康弘氏に話を聞いた。
携帯電話各社の新製品が発表されるなか、トリを飾ったのはウィルコムだ。経営的には苦しい状態に置かれているが、かつて勢いがあったころを思わせる魂のこもった製品が登場する。
■「スマートフォンの父」がこだわったこと
今回、開発を担当した須永康弘氏は一貫してW-ZERO3シリーズを手がけてきた日本のスマートフォンの父といえるような存在。新製品を開発するにあたって意識せざるを得なかったのはアップル「iPhone」の存在だ。須永氏が語る。
「スマートフォン市場はiPhoneの影響が大きく、アップルを中心としたトレンドができつつある。ウィルコム単体では体力が続かないので、ワールドワイドの仕様に乗るべきだと判断した。Androidも選択肢にあったが、いまならWindows Mobile 6.5で戦えると判断した」
新製品はこれまでのW-ZERO3シリーズの反省点が十二分に生かされている。HYBRID W-ZERO3はまず、見た目が一般的なスライド式の携帯電話と変わらないようになった。これまで採用してきたQWERTY配列のキーボードは影も形もなくなっている。
「日本のユーザーを考えると、やはり通勤電車のなかでも使えるように片手で操作できることが重要。そのため、QWERTYではなくテンキータイプを選択した」
開発段階ではQWERTYとテンキーの両方を持つ「Advanced W-ZERO3es」を小型化する方向も探ったが、今回は割り切ってテンキーのみにしたという。世界のスマートフォンを見渡すと、かつてのW-ZERO3のように本体をスライドさせてQWERTYキーボードを出し、横画面にするものが増えている。だが、須永氏はあえて縦画面にこだわったという。
「iPhoneの爆発的なヒットにより、スマートフォンの世界では縦画面のコンテンツが一般的になろうとしている。そこであえてHYBRID W-ZERO3では縦画面での操作性を重視した」
■「Windows Live」に積極対応
HYBRID W-ZERO3はテンキーだけでなくタッチパネルでの操作も可能だ。さらに「Xcrawl(エクスクロール)」と呼ばれるカーソルキーにより、画面のスクロールやカーソル移動を容易にした。
Windows Mobileはユーザーインターフェースが使いやすいとはいえず、それはバージョンが6.5になってもすべて改善されているわけではない。しかし、ウィルコムとシャープではオリジナルのユーザーインターフェースを開発して、初心者でも使いやすいようにできるだけの配慮をしたという。
もう1つ、ウィルコムが力を入れたのが「Windows Live」のサポートだ。Windows Liveはマイクロソフトが提供するオンラインサービスで、メール、ブログ、メッセンジャーが利用可能となっている。また「My Phone」というサービスにより、本体に保存した連絡先や予定表、写真データなどを自動的にバックアップし、パソコンからも閲覧・編集できるようになっている。
「他社にはない試みとして、Windows Liveへのアクセス専用キーをつけた。現在、Windows Liveメールのアカウントを簡単に取得できるような仕組みをマイクロソフトにお願いしている段階だ」
これにより、従来のPHSのメールアカウントに加えて、Windows Liveメールが使え、しかも、プッシュで届くようになるという。もちろん、パスワードやIDの設定は不要となる見込みだ。
■SIMロックフリーでGSMモジュールも
HYBRID W-ZERO3はPHSでありながら、W-CDMA網にも対応する。ウィルコムはNTTドコモの回線をMVNO(仮想移動体通信事業者)として借り受けて「WILLCOM CORE 3G」という高速データ通信サービスを提供しており、このネットワークを使う。
ただ、PHS自体も「W-OAM typeG」と呼ばれる高度化通信規格に対応し、「速度が遅くて使えない」という従来のウィルコムPHSのイメージを払拭する仕様になっている。
さらにHYBRID W-ZERO3は無線ルーター機能も備える。無線LANの電波を周辺に飛ばし、パソコンや「ニンテンドーDS」「プレイステーション・ポータブル(PSP)」といった携帯ゲーム機をインターネットにつなげることも可能だ。
まず第1は、W-CDMA用のSIMカードスロットにロックがかかっていない点。これにより、国内であれば、WILLCOM CORE 3Gだけでなく、NTTドコモやソフトバンクモバイルの通信用SIMカードも利用することができる(イー・モバイルは1.7GHz帯のため非対応)。
2つめとして、PHS用の「W-SIM」と呼ばれるカードのオプションとして、GSMが使えるカードを用意した。HYBRID W-ZERO3にW-SIM型のGSMモジュールを挿せば、海外ではGSM対応スマートフォンになるのだ。
前述のとおり、SIMカードスロットにはロックがかかっていない。つまり、現地キャリアが発売するプリペイドのSIMカードを挿入すれば、現地の電話番号が使えるということだ。GSMモジュールとプリペイドのSIMカードがあれば、現地の安価な電話代で話せるわけである。
■プレスリリースにも出ていない驚きの仕掛け
さらにここからはウィルコムのプレスリリースにもない情報だが、背面パネルを開けると、なんとSIMカードスロットに2枚のカードを挿せるようになっている。中国など海外市場では2枚のSIMカードを使える携帯電話が売られているが、日本メーカー製では間違いなく「初」といえるだろう。
これが便利なのは特に海外での利用時だ。SIMカードスロットは1つめはデータ通信用、2つめは通話用という役割になっており、例えば、1つめに現地の高速データ通信用のSIMカードを挿し、2つめの通話用にはNTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクモバイルなど普段使用しているSIMカードを挿す。これによりHYBRID W-ZERO3が1台あれば、海外での通話を国際ローミングとして受け、さらにネットへのアクセスは現地のSIMカードで安く抑えるという離れ業が可能になる。
海外出張が多いユーザーにとっては、パソコンがなくても手軽に安く仕事をこなせる重宝な存在となるだろう。
今回用意されたW-SIM型のGSMモジュールを海外で利用可能なSIMカードと組み合わせることで、海外のGSMエリアでの利用が可能となる。このモジュールはPHSが普及する中国ではすでに商用化されているものだ。須永氏は言う。
「今後、中国のTD-SCDMAモジュールも登場する可能性がある。メーカーにとっては、海外展開しやすい製品になっている」
■「誰もが満足できるスマートフォン」を
ウィルコムは現在、次世代PHSと呼ばれていた高速通信サービス「XGP」を広げつつある。本来ならば、XGP対応のスマートフォンを出すべきところだが、「発熱やコストの問題もあり、パフォーマンスがついてこない」(須永氏)ことから、搭載が見送られた。その結果、W-CDMA/HSDPA対応になったのだという。
ここまでをみると、HYBRID W-ZERO3はもはやPHSというより、ハイスペックな携帯電話用端末という印象である。
ユーザーからすると、高速なHSDPAで接続できるなら、そちらを使い続けたいし、海外で現地キャリアが使えるなら、それで通信費を安く抑えたい。結果として、ウィルコムにはあまりメリットがないようにも思えるが、実際はどうなのか。
「とにかく既存のPHSユーザーを逃したくないという思いがあって、誰もが満足できるスマートフォンを作りたかった。安価に使いたいという人であればPHS網だけを使えばいいし、速度を求めるなら3G接続を選んでもらえればいい」
誰もが満足できるスマートフォンを実現するため、初期のW-ZERO3シリーズユーザーから要望の声があったブルートゥースやGPS(全地球測位システム)にも対応した。500万画素のカメラも実装した。
気になる月額料金は後日発表となる予定だが、「既存のW-ZERO3シリーズを使っているユーザーが乗り換えても高くはならない設定にする」(須永氏)という。つまり、PHSとW-CDMAの両方を使っても、単純に2つの料金プランの合算とはならないようだ。
■今のウィルコムだからこそ実現
今回のHYBRID W-ZERO3は、通信キャリアとしてはかなり思い切った商品である。経営状態が厳しいなかで「もはや、失うものは何もない」(ウィルコム関係者)という崖っぷちに立っているからこそ、実現できたように感じる。
前モデルの「WILLCOM 03」「WILLCOM D4」といった商品からは、「ウィルコム魂」みたいなものが伝わってこなかった。しかし、今回のHYBRID W-ZERO3はガジェット好きがうなるようなスペックに仕上がっている。
SIMロックフリーという仕様は、大手3キャリアが導入できるわけもなく、今のウィルコムだからこそ踏み切れた。開発元であるシャープは大手3キャリアすべてに納入するトップメーカーだけに、社内がSIMロックフリーの導入に相当難色を示したようだが、ウィルコムの強い思いによって製品化に至った。
iPhoneや「Android携帯」に脚光が当たる一方で、すっかり影が薄くなっているWindows Mobileを採用したことが強いて言えば弱点だが、HYBRID W-ZERO3が日本に新たな市場を作る可能性は大いにありそうだ。
家電組み立て世界最大手、液晶4位を合併 鴻海が「7兆円企業」に
【台北=新居耕治】電子製品の生産受託(EMS)世界最大手の台湾・鴻海グループは14日、液晶パネル世界4位の奇美電子を吸収合併すると発表した。携帯電話機、液晶テレビなど家電製品の組み立てに加え、部品生産にも本格参入する。鴻海と奇美の売上高を合計すると6兆8000億円弱(2008年)で、日本の家電大手や韓国のサムスン電子と肩を並べる企業グループが誕生する。日韓米などの有力企業との競争激化や合従連衡の動きが強まりそうだ。
株式交換方式で奇美を合併するのは鴻海グループ傘下の中小型液晶パネルメーカー、群創光電。奇美株2.05株に対し、群創が新たに発行する株式1株を割り当て、群創を存続会社にしたうえで社名を奇美電子に変更する。来年5月1日付で新会社に移行する予定。
群創は中小型パネルを生産し、主にモニター向けに出荷してきた。一方、奇美は液晶テレビなどに使う大型パネルが主力。群創は液晶パネルの品ぞろえを大型に拡大し、パネルで世界3位に浮上することを目指す。
米ニューズ、グーグルへの配信「中止」 数カ月内にも
米メディア大手ニューズ・コーポレーションは数カ月以内にも米グーグルの検索サービスから系列メディア企業のニュースを引き揚げる方針を明らかにした。英紙テレグラフ(電子版)が13日伝えた。ネット事業の収益拡大に悩む他社に同調を呼びかける考えだ。
ニューズでデジタル部門トップをつとめるジョナサン・ミラー氏が、モナコの業界イベントで「(検索・閲覧できなくするのは)数カ月先、あるいは数四半期先のこと」と話した。同社のマードック会長が9日、傘下企業のニュースをネット上で自由に検索・閲覧できないようにする考えを表明。具体的な実施予定などが注目されていた。
グーグルの「グーグル・ニュース」の対象から外れるにはグーグル側に要望を通知すればいいが、検索対象から外れると、自社サイトへのアクセス数が減少する恐れが出てくる。ミラー氏は、ニューズの単独行動は難しいと認めたうえで、ニュースの有料化に向けて「ニューズが(他社を)主導する」と述べた。
mixi社長「mixiアプリ登録数は1500万を超えた」
11月12日から2日間、宮崎県で「Infinity Ventures Summit(IVS)2009 Fall」が開催されている。
1日目のオープンSNSをテーマとしたセッションでは、すでにPC、モバイルともにアプリをオープン化したミクシィの笠原健治代表取締役社長と、まもなくオープン化を予定するモバゲーを運営するディー・エヌ・エー(DeNA)の守安功取締役ポータル事業本部長兼COOによるパネルディスカッションが行われた。
● mixiアプリ公開でPC、モバイルともに好調なmixi
笠原氏はmixiアプリ公開後の状況を紹介。mixiアプリの登録数は公開から2カ月で1500万を超え、2007年から緩やかに減少していたPCのPVがmixiアプリ公開後には2カ月で40%増加し、PV数のV字回復を果たしたという。
また、既存の日記やコミュニティといったコンテンツのPVも増加するなどmixi全体の活性化にもつながっており、PC版のユニークユーザー数は過去最高の記録を達成したと語った。10月27日に公開したばかりのmixiモバイルはさらに好調で、月間で1億PVを超えるmixiアプリが次々に登場しているという。
パートナー企業とは、mixiアプリ上の広告収入をPV単価0.03円で支払うほか、ミクシィが用意する課金システムでは、売上のうち20%をmiixが手数料として徴収し、残りをパートナーに支払う仕組み。笠原氏は「現状を踏まえて予想される収益規模は1日100~300万円程度、年間10億円規模のアプリも出てくるのではないか」と予測。mixiアプリ市場全体で「広告収益で200億円、課金で200億円の規模になると期待している」と語った。
● モバゲーは仮想通貨や広告、アイテム販売を開放
DeNAの守安氏はミクシィのプレゼンを受け、「せっかくのオープンプラットフォームで1位のアプリ(サンシャイン牧場)が海外製というのは非常に残念」「mixiモバイルのトラフィックに耐えられていない企業が多く、ベンチャーとして非常に大きな機会損失になっている」と指摘した上で、モバゲーのオープン化についてのプレゼンを開始した。
モバゲーではすでに仮想通貨「モバコイン」を導入しているが、オープン化にあたりこのモバコインをパートナー企業に開放。モバコインは携帯電話キャリア課金、クレジットカード、WebMoneyで購入でき、売上の3割を回収代行手数料DeNAが徴収する。
広告メニューも用意しており、モバゲー内にゲーム広告を出稿できるほか、広告を確認することでゲームのアイテムが手に入るといったインセンティブ付与も可能。また、ゲーム内で利用できるアバターもパートナー企業が販売できるが、こちらは回収代行手数料3割に加えて販売手数料を50~100円程度で徴収する。
このほか、まだ料金面では未定ながらもパートナー企業の支援策も検討。クラウドコンピュータによるインフラサポートや携帯電話端末によるデバッグ、運用サポートなどのメニューを考えているという。
守安氏は「人気のゲームはPVが1千万から数億へと膨れ上がり、それを運用するインフラも管理が大変だろう」と指摘。「モバゲーは数千台規模のサーバーを持っており、常時数百台程度の空きサーバーがあるために、急激なトラフィック増加にも対応が可能だ」と説明。「完全に検討段階であり、ニーズがあればやる、なければ提供自体をやめるという柔軟な考えでいる」と補足した。
パートナー企業の収益については自社製のゲーム3タイトルを例に挙げ「10月に公開した3タイトルで3億円を売り上げており、1タイトル1億円は中規模ヒット、大ヒットは3~5億円程度と想定している」とコメント。今後は海外展開も強化していく姿勢を見せた。
オープン化は「一気に全開放はリスクが高い」との考えから、先行パートナー30社程度のゲームを1月にリリース。2月に先行パートナーを拡大しつつ、3月には全公開するとのスケジュールを示した。
● SNSオープン化に2社とも期待。GREEは「永遠なる検討中」
アプリの一般公開による市場規模はミクシィが広告・課金合計で400億円との数値を示しており、モバゲーの想定数値も同程度との予測を見せるが、「課金7割・広告3割」というモバゲーに対し、笠原氏は「PVが思ったより出せているので、広告はきちんと売っていけるだろう」(笠原氏)。
課金については「mixiでは1ユーザー当たりの課金ボリュームはモバゲーより少ないだろうと考えており、課金は広告より遅れて推移するのでは」とコメント。将来の目標値についてはmixiが「2~3年後に3,000万ユーザー」、モバゲーが「月間で500億PVという規模もあり得る」とした。
オープン化については守安氏が「やってみなければわからないが、ゲームタイトルを増やすとリソースは厳しくなるものの、面白いゲームは追加しなければならない」という現状を踏まえ、オープン化によるゲームタイトルの拡充に期待していると述べた。
また、すでにオープン化しているmixiは「自社ですべてをコントロールできるメリットもある」とし、オープン化も一長一短であると指摘。
会場に参加していたグリーの田中良和代表取締役社長へ、GREEのオープン化に関して予告なく質問が飛ぶ場面もあり、田中氏は「オープン化を絶対にしないという原理主義ではないが、常に検討を続けている『永遠なる検討中』という段階」とコメント。
また、オープン化したmixiについてコメントを求められると、「サンシャイン牧場では知らない人でも友達を募集し合っており、リアル指向だったmixiがそうではなくなっている」と指摘。「リアル指向のSNSでは同じ価値で対抗できないというのがこの5年間の歴史だったが、mixiにリアル以外の嗜好が入ってきたことで同じ土俵に立てる」との考えを示した。
「サンシャイン牧場でゲームの楽しみを知り、GREEに興味を持ち始めるユーザーもいるようだ」と述べ、「この期に及んでまだmixiからユーザーを開拓できる。まだまだGREEはいけるのでは」とした。
● PlayFish、RockYou!、Rekoo経営陣が語るソーシャルゲーム
Electronic Artsによる買収が発表されたPlayfish、Facebookで人気を集め、mixiアプリにも提供を開始したRockYou!、「サンシャイン牧場」で話題を集めるRekooという海外ソーシャルゲーム事業者によるパネルディスカッションも開催された。3社はそれぞれ特徴のあるサービスを紹介しながらも、「ソーシャルゲームは従来のゲーム層とは異なる層をターゲットとしており、コミュニケーション要素が強い」という点で見解が一致していた。一方、ソーシャルゲームへの新規参入については、RockYou! が積極的な姿勢だった一方、Playfishは「大手が存在する市場では新規参入は難しい」との考えを示した。
ニコ動、今期は「確実に黒字化」 プレミアム会費が収入の7割
ドワンゴは11月13日、「ニコニコ動画」を2010年9月期通期で黒字化させる見通しを明らかにした。これまで目指していた前期(09年9月期)中の単月黒字化は果たせなかったが、今度は「確実に黒字化させる」と“黒字化担当”こと同社取締役の夏野剛氏は話す。
前期の同社ポータル事業(ほぼニコニコ動画)は、売上高が32億8100万円と前期比81.2%伸びたものの、計画を15億1800万円下回った。月額525円の「プレミアム会員」獲得が想定を大きく上回ったが、広告出稿が想定に届かなかった。
売上原価は50.8%増の42億7600万円。設備・回線への投資は落ち着いたが「ニコニコ生放送」の番組強化で費用がかさみ、売上総利益(粗利)段階で9億9500万円の赤字(前期は10億2500万円の赤字)となった。営業赤字は18億3000万円と、前期(15億1500万円の赤字)より拡大した。 総会員数は1420万人で、期初計画(1420万人)を達成。9月末時点でのプレミアム会員数は51万人と、期初計画の36万人を大きく上回った。プレミアム会員を優遇する仕組みを備えた「ニコニコ生放送」(ニコ生)の強化が、プレミアム会員獲得に寄与したという。
Wii販売、8カ月連続減少 ソフト不作響く
任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」は、世界最大のゲーム市場である米国での10月の販売台数が8カ月連続でマイナスだった。有力ソフトがなく、前年同月比37%減の50万6900台となった。
米市場調査会社NPDグループが発表した10月の販売台数は、ソニー・コンピュータエンタテインメントの家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」が同70%増の32万600台。ソニーに追随して値下げした米マイクロソフトの「Xbox360」は、同33%減の25万台となった。
東海東京調査センターの角田祐介アナリストは販売結果について、「Wiiの弱い数字に、もう投資家は慣れてきている」と述べ、「市場の関心の中心は、次のハード戦略がどうなるかだ」と話した。
Wii失速で業績が急下降、任天堂に新興勢力の影(COLUMN)
ゲーム最大手の任天堂は10月末、2010年3月期決算見通しを大幅に下方修正した。売上高が前期比18%減の1兆5000億円、営業利益が同33%減の3700億円となる公算だ。
携帯型ゲーム機「DS」でブームを巻き起こした同社はここ数年、破竹の勢いで業績を伸ばしてきた。前期は過去最高純利益を更新。今期も従来は増益計画だったがここに来て一転、6期ぶりの減益となる厳しい見通しとなった。
業績後退の理由は、据え置き型ゲーム機「Wii」の失速だ。DSと並ぶ収益柱のWii は、06年の発売以降、順調に販売を伸ばし、前期末に累計販売台数5000万台を突破。だが、この4~9月期は前年同期比43%も減少。つれて関連ソフトの販売も落ち込む散々な結果となった。
「これを失速と言わなければ、『能天気』と批判されても仕方ないでしょう」。決算発表当日に開かれた説明会の席上、岩田聡社長は率直に語った。前期投入したソフトをロングセラー化できなかったことなどをその原因とした。
問われる次の一手
Wii のブレーキは「(今期前半に)有力ソフトを出せなった影響が大きい」(野村証券の桜井雄太シニアアナリスト)と、一時的現象との見方もある。年末の最大商戦を控えて10月に5000円の値下げを実施。11月15日には大型ソフト「NewスーパーマリオブラザーズWii」を欧米で投入する(国内は12月)。これらが販売を押し上げることは間違いない。
ただ、威勢を完全に取り戻すのは難しいのではないか。
最大の障壁は携帯電話ゲームなど急成長中の新興勢力の存在。米アップルの「iPhone(アイフォーン)/iPod touch(タッチ)」は、ゲームなどのダウンロード数が20億件を超えた。SNS大手「mixi」でも無料ゲームの登録者が急増。携帯向けゲームを展開するグリーも会員数を伸ばす。手軽にゲームを楽しめることで支持を得ているようだ。
Wii は片手で動かすだけで遊べる画期的なコントローラーを採用、従来ゲームに無縁だった主婦層などのカジュアルユーザー(=初心者)を取り込んできた。だが「こうしたユーザーは新興勢力のユーザー層と重なる」と指摘する関係者は少なくない。「特に日本のような忙しい人が多い市場では、ユーザーが携帯ゲームなどへ流れているのは確かだろう」(ソフト幹部)。
新興勢力が台頭する中、任天堂に問われるのは次の一手である。11月22日にはDSシリーズの新モデル「DSi LL」を国内投入するが、競合の勢いをはね飛ばすには通信機能を使った画期的なサービスなどが求められる。
11月12日から2日間、宮崎県で「Infinity Ventures Summit(IVS)2009 Fall」が開催されている。
1日目のオープンSNSをテーマとしたセッションでは、すでにPC、モバイルともにアプリをオープン化したミクシィの笠原健治代表取締役社長と、まもなくオープン化を予定するモバゲーを運営するディー・エヌ・エー(DeNA)の守安功取締役ポータル事業本部長兼COOによるパネルディスカッションが行われた。
● mixiアプリ公開でPC、モバイルともに好調なmixi
笠原氏はmixiアプリ公開後の状況を紹介。mixiアプリの登録数は公開から2カ月で1500万を超え、2007年から緩やかに減少していたPCのPVがmixiアプリ公開後には2カ月で40%増加し、PV数のV字回復を果たしたという。
また、既存の日記やコミュニティといったコンテンツのPVも増加するなどmixi全体の活性化にもつながっており、PC版のユニークユーザー数は過去最高の記録を達成したと語った。10月27日に公開したばかりのmixiモバイルはさらに好調で、月間で1億PVを超えるmixiアプリが次々に登場しているという。
パートナー企業とは、mixiアプリ上の広告収入をPV単価0.03円で支払うほか、ミクシィが用意する課金システムでは、売上のうち20%をmiixが手数料として徴収し、残りをパートナーに支払う仕組み。笠原氏は「現状を踏まえて予想される収益規模は1日100~300万円程度、年間10億円規模のアプリも出てくるのではないか」と予測。mixiアプリ市場全体で「広告収益で200億円、課金で200億円の規模になると期待している」と語った。
● モバゲーは仮想通貨や広告、アイテム販売を開放
DeNAの守安氏はミクシィのプレゼンを受け、「せっかくのオープンプラットフォームで1位のアプリ(サンシャイン牧場)が海外製というのは非常に残念」「mixiモバイルのトラフィックに耐えられていない企業が多く、ベンチャーとして非常に大きな機会損失になっている」と指摘した上で、モバゲーのオープン化についてのプレゼンを開始した。
モバゲーではすでに仮想通貨「モバコイン」を導入しているが、オープン化にあたりこのモバコインをパートナー企業に開放。モバコインは携帯電話キャリア課金、クレジットカード、WebMoneyで購入でき、売上の3割を回収代行手数料DeNAが徴収する。
広告メニューも用意しており、モバゲー内にゲーム広告を出稿できるほか、広告を確認することでゲームのアイテムが手に入るといったインセンティブ付与も可能。また、ゲーム内で利用できるアバターもパートナー企業が販売できるが、こちらは回収代行手数料3割に加えて販売手数料を50~100円程度で徴収する。
このほか、まだ料金面では未定ながらもパートナー企業の支援策も検討。クラウドコンピュータによるインフラサポートや携帯電話端末によるデバッグ、運用サポートなどのメニューを考えているという。
守安氏は「人気のゲームはPVが1千万から数億へと膨れ上がり、それを運用するインフラも管理が大変だろう」と指摘。「モバゲーは数千台規模のサーバーを持っており、常時数百台程度の空きサーバーがあるために、急激なトラフィック増加にも対応が可能だ」と説明。「完全に検討段階であり、ニーズがあればやる、なければ提供自体をやめるという柔軟な考えでいる」と補足した。
パートナー企業の収益については自社製のゲーム3タイトルを例に挙げ「10月に公開した3タイトルで3億円を売り上げており、1タイトル1億円は中規模ヒット、大ヒットは3~5億円程度と想定している」とコメント。今後は海外展開も強化していく姿勢を見せた。
オープン化は「一気に全開放はリスクが高い」との考えから、先行パートナー30社程度のゲームを1月にリリース。2月に先行パートナーを拡大しつつ、3月には全公開するとのスケジュールを示した。
● SNSオープン化に2社とも期待。GREEは「永遠なる検討中」
アプリの一般公開による市場規模はミクシィが広告・課金合計で400億円との数値を示しており、モバゲーの想定数値も同程度との予測を見せるが、「課金7割・広告3割」というモバゲーに対し、笠原氏は「PVが思ったより出せているので、広告はきちんと売っていけるだろう」(笠原氏)。
課金については「mixiでは1ユーザー当たりの課金ボリュームはモバゲーより少ないだろうと考えており、課金は広告より遅れて推移するのでは」とコメント。将来の目標値についてはmixiが「2~3年後に3,000万ユーザー」、モバゲーが「月間で500億PVという規模もあり得る」とした。
オープン化については守安氏が「やってみなければわからないが、ゲームタイトルを増やすとリソースは厳しくなるものの、面白いゲームは追加しなければならない」という現状を踏まえ、オープン化によるゲームタイトルの拡充に期待していると述べた。
また、すでにオープン化しているmixiは「自社ですべてをコントロールできるメリットもある」とし、オープン化も一長一短であると指摘。
会場に参加していたグリーの田中良和代表取締役社長へ、GREEのオープン化に関して予告なく質問が飛ぶ場面もあり、田中氏は「オープン化を絶対にしないという原理主義ではないが、常に検討を続けている『永遠なる検討中』という段階」とコメント。
また、オープン化したmixiについてコメントを求められると、「サンシャイン牧場では知らない人でも友達を募集し合っており、リアル指向だったmixiがそうではなくなっている」と指摘。「リアル指向のSNSでは同じ価値で対抗できないというのがこの5年間の歴史だったが、mixiにリアル以外の嗜好が入ってきたことで同じ土俵に立てる」との考えを示した。
「サンシャイン牧場でゲームの楽しみを知り、GREEに興味を持ち始めるユーザーもいるようだ」と述べ、「この期に及んでまだmixiからユーザーを開拓できる。まだまだGREEはいけるのでは」とした。
● PlayFish、RockYou!、Rekoo経営陣が語るソーシャルゲーム
Electronic Artsによる買収が発表されたPlayfish、Facebookで人気を集め、mixiアプリにも提供を開始したRockYou!、「サンシャイン牧場」で話題を集めるRekooという海外ソーシャルゲーム事業者によるパネルディスカッションも開催された。3社はそれぞれ特徴のあるサービスを紹介しながらも、「ソーシャルゲームは従来のゲーム層とは異なる層をターゲットとしており、コミュニケーション要素が強い」という点で見解が一致していた。一方、ソーシャルゲームへの新規参入については、RockYou! が積極的な姿勢だった一方、Playfishは「大手が存在する市場では新規参入は難しい」との考えを示した。
ニコ動、今期は「確実に黒字化」 プレミアム会費が収入の7割
ドワンゴは11月13日、「ニコニコ動画」を2010年9月期通期で黒字化させる見通しを明らかにした。これまで目指していた前期(09年9月期)中の単月黒字化は果たせなかったが、今度は「確実に黒字化させる」と“黒字化担当”こと同社取締役の夏野剛氏は話す。
前期の同社ポータル事業(ほぼニコニコ動画)は、売上高が32億8100万円と前期比81.2%伸びたものの、計画を15億1800万円下回った。月額525円の「プレミアム会員」獲得が想定を大きく上回ったが、広告出稿が想定に届かなかった。
売上原価は50.8%増の42億7600万円。設備・回線への投資は落ち着いたが「ニコニコ生放送」の番組強化で費用がかさみ、売上総利益(粗利)段階で9億9500万円の赤字(前期は10億2500万円の赤字)となった。営業赤字は18億3000万円と、前期(15億1500万円の赤字)より拡大した。 総会員数は1420万人で、期初計画(1420万人)を達成。9月末時点でのプレミアム会員数は51万人と、期初計画の36万人を大きく上回った。プレミアム会員を優遇する仕組みを備えた「ニコニコ生放送」(ニコ生)の強化が、プレミアム会員獲得に寄与したという。
Wii販売、8カ月連続減少 ソフト不作響く
任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」は、世界最大のゲーム市場である米国での10月の販売台数が8カ月連続でマイナスだった。有力ソフトがなく、前年同月比37%減の50万6900台となった。
米市場調査会社NPDグループが発表した10月の販売台数は、ソニー・コンピュータエンタテインメントの家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」が同70%増の32万600台。ソニーに追随して値下げした米マイクロソフトの「Xbox360」は、同33%減の25万台となった。
東海東京調査センターの角田祐介アナリストは販売結果について、「Wiiの弱い数字に、もう投資家は慣れてきている」と述べ、「市場の関心の中心は、次のハード戦略がどうなるかだ」と話した。
Wii失速で業績が急下降、任天堂に新興勢力の影(COLUMN)
ゲーム最大手の任天堂は10月末、2010年3月期決算見通しを大幅に下方修正した。売上高が前期比18%減の1兆5000億円、営業利益が同33%減の3700億円となる公算だ。
携帯型ゲーム機「DS」でブームを巻き起こした同社はここ数年、破竹の勢いで業績を伸ばしてきた。前期は過去最高純利益を更新。今期も従来は増益計画だったがここに来て一転、6期ぶりの減益となる厳しい見通しとなった。
業績後退の理由は、据え置き型ゲーム機「Wii」の失速だ。DSと並ぶ収益柱のWii は、06年の発売以降、順調に販売を伸ばし、前期末に累計販売台数5000万台を突破。だが、この4~9月期は前年同期比43%も減少。つれて関連ソフトの販売も落ち込む散々な結果となった。
「これを失速と言わなければ、『能天気』と批判されても仕方ないでしょう」。決算発表当日に開かれた説明会の席上、岩田聡社長は率直に語った。前期投入したソフトをロングセラー化できなかったことなどをその原因とした。
問われる次の一手
Wii のブレーキは「(今期前半に)有力ソフトを出せなった影響が大きい」(野村証券の桜井雄太シニアアナリスト)と、一時的現象との見方もある。年末の最大商戦を控えて10月に5000円の値下げを実施。11月15日には大型ソフト「NewスーパーマリオブラザーズWii」を欧米で投入する(国内は12月)。これらが販売を押し上げることは間違いない。
ただ、威勢を完全に取り戻すのは難しいのではないか。
最大の障壁は携帯電話ゲームなど急成長中の新興勢力の存在。米アップルの「iPhone(アイフォーン)/iPod touch(タッチ)」は、ゲームなどのダウンロード数が20億件を超えた。SNS大手「mixi」でも無料ゲームの登録者が急増。携帯向けゲームを展開するグリーも会員数を伸ばす。手軽にゲームを楽しめることで支持を得ているようだ。
Wii は片手で動かすだけで遊べる画期的なコントローラーを採用、従来ゲームに無縁だった主婦層などのカジュアルユーザー(=初心者)を取り込んできた。だが「こうしたユーザーは新興勢力のユーザー層と重なる」と指摘する関係者は少なくない。「特に日本のような忙しい人が多い市場では、ユーザーが携帯ゲームなどへ流れているのは確かだろう」(ソフト幹部)。
新興勢力が台頭する中、任天堂に問われるのは次の一手である。11月22日にはDSシリーズの新モデル「DSi LL」を国内投入するが、競合の勢いをはね飛ばすには通信機能を使った画期的なサービスなどが求められる。