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日経社説 繁栄と平和と地球環境を子や孫にも(1/1)
きのうで、団塊の世代は全員が還暦を迎えた。1947年から49年までに生まれた670万人。この世代は高度成長期に育ち、平和と繁栄を謳歌(おうか)した。戦後世代を象徴する人々である。
この団塊の世代の子や孫は、親や祖父母より幸福な人生を送れるだろうか。そこに大きな疑問符がつく。
将来世代にツケ回すな
経済の面では、デフレ基調が長く続き、今年度の1人当たり名目国内総生産(GDP)は10年前に比べ約5%少ない見通しだ。派遣社員など非正規社員の割合が3割を超え、所得格差も広がってきた。
何より、財政や社会保障で若い世代ほど負担が重くなる。5年前の経済財政白書によれば、60歳代以上の人は、生涯を通じて政府に払う税金や社会保険料よりも、政府から受け取る年金給付や医療保険の補助など行政サービスが4875万円多い。一方、20歳代は受け取りが支払いより1660万円少ない。両世代の差は約6500万円にもなる。
増税や年金給付の削減などの改革をしなければ、100年後に生まれる日本人たちは、今の貨幣価値で2493兆円もの公的純債務を負う(島沢諭秋田大准教授の試算)。
負担をないがしろにして財政支出を続け、その帳尻を国債発行で埋めてきたツケが、今の若い世代や未来の世代にずしりとのしかかる。
平和はどうだろう。冷戦終結から20年たったが、北朝鮮の核開発にみられるように20世紀型の脅威は去っていない。中国の21年連続での国防費2ケタ増加も、東アジアの長期的な安定にどんな影響を及ぼすか読めない。鳩山政権は日米同盟について前政権とは一線を画すように見えるが、それは賢明なのかどうか。
長い目でみて最も深刻なのは地球温暖化問題である。大量の二酸化炭素排出によって温暖化が進み、このままでは海面の上昇だけでなく、異常な暑さや寒さ、大型台風や干ばつの多発など、人類の生存環境そのものが脅かされる、と多くの科学者が警告している。
われわれ現世代は子や孫の世代を犠牲にして、繁栄や平和をたのしんではいないだろうか。自分たちが生み出した問題は自分たちで処理する。それが未来への責任だろう。
敗戦から65年、日米安保条約改定から50年、年金増額など福祉元年から37年、温暖化防止の京都議定書から13年、21世紀の10年目。今年を日本の未来を考える元年にしたい。
経済を長いデフレ基調から引き戻すには、財政・金融面から需要を喚起するだけでなく、長期の視点から経済体質を変える必要がある。
デフレの原因として、時代を映した需要の変化に供給側が対応し切れていないことも大きいからだ。たとえば公共事業が激減し民間の需要も低迷する建設業界では、バブル最盛期の89年(約580万人)とそう変わらない517万人が働いている。転業などをせずに、皆が食べていくのはまず不可能である。
潜在的に大きな需要があるのに、政府の規制などで供給が出てこない分野もある。自由診療や新しい医療技術開発に制約がある医療、新規参入にまだ壁がある電力や農業、保育、介護なども、競争を促進すれば、実は潜在的な成長分野である。
若い人や将来世代が格差なく良い仕事に就けるよう人材の育成に力を入れなければならない。この面では政府とともに企業の責任も重い。
向こう10年間が勝負
財政や社会保障を持続可能にするには、年金・医療給付や保険料、税金などの面から、現世代が解決策を出すべきだ。景気が持ち直した後に実施できるよう準備を急ぎたい。
安全保障に関しては、日米同盟の意味合いを、未来の視点からもう一度考えてみる発想が大切である。
地球環境を守るのは負担だけとは限らない。米中などの大量排出国を巻き込んだ二酸化炭素削減の枠組みができれば、低炭素社会に向けて、先進国は産業構造を大きく変え、新たな成長を開始する。技術力の高い日本は優位に立つはずである。
これら未来に向けた改革を進める上での問題は「改革の担い手はだれか」だ。投票率が高い高齢者の人口に占める割合は高まり、現状維持を好む高齢者の声が政治に反映されやすくなった。この状況を変えるにはもっと若い人にも選挙権を与えるとともに、各界の指導者に若い人を登用する寛容さと勇気が求められる。 過去10年間、経済や社会保障の基本的な問題を解決できなかった。今から10年後には65歳以上の人口が29.2%と3割に近づく。この10年が勝負であろう。若い世代や将来世代の生活を守ることを真剣に考え、早く行動を起こすべきである。
環境車の安全に日本案 国連採用、世界標準に
【ジュネーブ=藤田剛】自動車の世界標準を決める国連の専門組織は2010年3月に国際協定を改正し、ハイブリッド車や電気自動車の安全基準を新設する。31日までの交渉で、日本の提案した基準がほぼそのまま世界標準に採用されることが固まった。トヨタ自動車の「プリウス」、ホンダの「インサイト」などは現行仕様のまま世界各国で販売できるため、シェア拡大の追い風となりそうだ。
国連欧州本部にある「自動車基準調和世界フォーラム」が安全基準を新設する。同フォーラムには日米欧や中国など53カ国・地域が参加。各国はここで決まった基準に合わせて国内基準を策定する。
アジア自由貿易圏へ弾み 32億人市場、一体化進む
【シンガポール=牛山隆一】アジア域内の巨大な自由貿易圏に向けた動きが1日、一挙に加速する。インドと東南アジア諸国連合(ASEAN)の自由貿易協定(FTA)、インドと韓国の経済連携協定(EPA)がともに同日付で発効。中国と韓国はASEANとの間で大半の品目の関税を相互に撤廃する。日本もASEANとEPAを発効済みで、ASEANを軸に約32億人の巨大市場の一体化が進む。域内での貿易・投資競争に弾みがつくのは確実で、日本企業のアジア戦略にも大きく影響しそうだ。
インドは1日、シンガポール、マレーシアなどASEANの一部の国とFTAを発効。国内手続きが遅れている他の加盟国との協定も順次発効する。双方はテレビやプラスチック製品など貿易品目の8割について、関税を2016年末までに段階的に撤廃する。
09年CD販売、100万枚超え3作どまり 新譜不振
2009年に100万枚以上売れたミリオンセラーの音楽CDは3作品にとどまり、過去最低水準となる見通しとなった。3作品はいずれもアルバムで、そのうち2作品は旧譜ヒット曲を収めたベスト盤。7作品あった08年より4作品減った。CD市場が右肩下がりで縮小する中、新譜の力不足が鮮明になった格好だ。
日本レコード協会によると、09年ミリオンセラーを記録した3作品は「塩、コショウ」(アーティストはGReeeeN)と「All the BEST!1999―2009」(嵐)、「ayaka’s History 2006―2009」(絢香)。オリジナルアルバムは「塩、コショウ」のみだった。
<コミックマーケット>3日間51万人来場も不況の波 “デフレ傾向”で客単価下落
東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた日本最大のマンガの祭典「コミックマーケット77」最終日の31日、約19万人が来場した。3日間で計約51万人が参加し、冬のコミケでは昨年と並ぶ過去最高の来場者数を記録したが、企業ブースでは不況を反映して、グッズの“デフレ傾向”が進んでいるようだ。
この日は、創作系を中心に約1万1000サークルが出展。ゲームメーカー「セガ」のブースでバーチャルアイドル「初音ミク」のグッズが約1時間で完売したのをはじめ、各ブースとも人気キャラクターの限定グッズは午前中で次々と売れ切れた。
出展企業などによると、これまでのコミケでは、5000円~1万円の限定商品が人気だったが、今回は不況の影響もあって、ストラップやテレホンカードなど1000円前後の商品が多かったといい、ゲームメーカーのスタッフは「人気商品は飛ぶように売れるが、それ以外の商品は以前ほどの売れ方ではない。手ごろな価格の商品に人気が集まり、客単価は下がっている」と話していた。
東電など電力各社、次世代送電網に1兆円 「太陽光」急増に備え
東京電力や関西電力など電力各社がIT(情報技術)を使って電力を効率的に供給する次世代送電網「スマートグリッド」構築に向けた大型投資に乗り出す。通信機能を備えたスマートメーターを全世帯に導入する検討を始めたほか、太陽光発電の急増に備えた送配電設備を増強する。2020年までに関連設備投資は合計で1兆円を超える見通し。温暖化ガス削減につながるが、設備費が電力料金に反映し、消費者負担が増える懸念もある。
スマートメーターは次世代送電網の中核機器とされ、各家庭の電力消費の動向や家庭の太陽光発電量などの情報をリアルタイムで把握できる。東電は10年にもスマートメーターの導入を始め、一般家庭を中心に2千万強のメーターを設置する。関電は10年3月末までに40万世帯に導入し、将来は1200万のメーターをスマートメーターに切り替える。
「持続可能な成長、企業がけん引を」同友会代表幹事が年頭所感
経済同友会の桜井正光代表幹事は2010年の年頭所感を発表し、「自律的かつ持続可能な経済成長には企業自身が成長戦略を描き、けん引役にならなければならない」との認識を示した。日本商工会議所の岡村正会頭も「日本は経済地位の低下が現実に避けられない中、世界一の科学技術創造立国を目指す方向性を打ち出すべきだ」との所感を公表した。
一方、連合の古賀伸明会長は「日本全体に拡大した格差の是正が急務。成長戦略を軌道に乗せ『中間層』を復活させることが中期的に目指すべき社会像だ」と訴えた。
中国人民元、05年改革以来初の値下がり 年間ベース
中国・人民元の対米ドルレートが2005年の制度改革後、年間ベースで初めて値下がりした。31日の上海外為市場では1ドル=6.827元で取引を終え、わずかながらも前年末(1ドル=6.823元)よりも人民元安になった。海外から人民元切り上げ圧力を受けながらも、輸出産業支援など景気テコ入れを最優先する中国政府の姿勢が改めて鮮明になった格好だ。
09年1~11月末までの中国の輸出額は1兆709億ドル(約98兆5200億円)と前年同期比19%減。繊維など軽工業品を中心に回復が遅れているものの、貿易黒字は1779億ドルと高水準で、欧米からは人民元切り上げ圧力が高まっている。だが、温家宝首相は12月下旬、国営新華社のインタビューに対し「人民元の上昇圧力には絶対に屈しない」と強調した。
もっとも、足元では食料品価格などが上昇中。為替介入による人民元の流通量増加が07、08年のような物価上昇を招きかねないと金融当局は神経をとがらせている。中国人民銀行(中央銀行)の政策委員で著名エコノミストの樊綱氏は「人民元が下がる理由は無い」と指摘している。
「鳩山首相、オバマ氏を見習って」 米教授ら米紙に寄稿
金融危機を予測したことで知られるヌリエル・ルービニ米ニューヨーク大学教授らは31日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿、鳩山由紀夫首相はオバマ米大統領を見習い、選挙公約にこだわりすぎない現実的な政策運営を進めるよう提言。「『ハトヤマ氏』は『ハトバマ氏』になる必要がある」と呼びかけた。ルービニ氏らは米軍普天間基地の移設を巡る日米関係悪化などを挙げ、鳩山首相の政策目標は「非現実的」と指摘。医療保険制度改革などで妥協したオバマ大統領と比較した。
きのうで、団塊の世代は全員が還暦を迎えた。1947年から49年までに生まれた670万人。この世代は高度成長期に育ち、平和と繁栄を謳歌(おうか)した。戦後世代を象徴する人々である。
この団塊の世代の子や孫は、親や祖父母より幸福な人生を送れるだろうか。そこに大きな疑問符がつく。
将来世代にツケ回すな
経済の面では、デフレ基調が長く続き、今年度の1人当たり名目国内総生産(GDP)は10年前に比べ約5%少ない見通しだ。派遣社員など非正規社員の割合が3割を超え、所得格差も広がってきた。
何より、財政や社会保障で若い世代ほど負担が重くなる。5年前の経済財政白書によれば、60歳代以上の人は、生涯を通じて政府に払う税金や社会保険料よりも、政府から受け取る年金給付や医療保険の補助など行政サービスが4875万円多い。一方、20歳代は受け取りが支払いより1660万円少ない。両世代の差は約6500万円にもなる。
増税や年金給付の削減などの改革をしなければ、100年後に生まれる日本人たちは、今の貨幣価値で2493兆円もの公的純債務を負う(島沢諭秋田大准教授の試算)。
負担をないがしろにして財政支出を続け、その帳尻を国債発行で埋めてきたツケが、今の若い世代や未来の世代にずしりとのしかかる。
平和はどうだろう。冷戦終結から20年たったが、北朝鮮の核開発にみられるように20世紀型の脅威は去っていない。中国の21年連続での国防費2ケタ増加も、東アジアの長期的な安定にどんな影響を及ぼすか読めない。鳩山政権は日米同盟について前政権とは一線を画すように見えるが、それは賢明なのかどうか。
長い目でみて最も深刻なのは地球温暖化問題である。大量の二酸化炭素排出によって温暖化が進み、このままでは海面の上昇だけでなく、異常な暑さや寒さ、大型台風や干ばつの多発など、人類の生存環境そのものが脅かされる、と多くの科学者が警告している。
われわれ現世代は子や孫の世代を犠牲にして、繁栄や平和をたのしんではいないだろうか。自分たちが生み出した問題は自分たちで処理する。それが未来への責任だろう。
敗戦から65年、日米安保条約改定から50年、年金増額など福祉元年から37年、温暖化防止の京都議定書から13年、21世紀の10年目。今年を日本の未来を考える元年にしたい。
経済を長いデフレ基調から引き戻すには、財政・金融面から需要を喚起するだけでなく、長期の視点から経済体質を変える必要がある。
デフレの原因として、時代を映した需要の変化に供給側が対応し切れていないことも大きいからだ。たとえば公共事業が激減し民間の需要も低迷する建設業界では、バブル最盛期の89年(約580万人)とそう変わらない517万人が働いている。転業などをせずに、皆が食べていくのはまず不可能である。
潜在的に大きな需要があるのに、政府の規制などで供給が出てこない分野もある。自由診療や新しい医療技術開発に制約がある医療、新規参入にまだ壁がある電力や農業、保育、介護なども、競争を促進すれば、実は潜在的な成長分野である。
若い人や将来世代が格差なく良い仕事に就けるよう人材の育成に力を入れなければならない。この面では政府とともに企業の責任も重い。
向こう10年間が勝負
財政や社会保障を持続可能にするには、年金・医療給付や保険料、税金などの面から、現世代が解決策を出すべきだ。景気が持ち直した後に実施できるよう準備を急ぎたい。
安全保障に関しては、日米同盟の意味合いを、未来の視点からもう一度考えてみる発想が大切である。
地球環境を守るのは負担だけとは限らない。米中などの大量排出国を巻き込んだ二酸化炭素削減の枠組みができれば、低炭素社会に向けて、先進国は産業構造を大きく変え、新たな成長を開始する。技術力の高い日本は優位に立つはずである。
これら未来に向けた改革を進める上での問題は「改革の担い手はだれか」だ。投票率が高い高齢者の人口に占める割合は高まり、現状維持を好む高齢者の声が政治に反映されやすくなった。この状況を変えるにはもっと若い人にも選挙権を与えるとともに、各界の指導者に若い人を登用する寛容さと勇気が求められる。 過去10年間、経済や社会保障の基本的な問題を解決できなかった。今から10年後には65歳以上の人口が29.2%と3割に近づく。この10年が勝負であろう。若い世代や将来世代の生活を守ることを真剣に考え、早く行動を起こすべきである。
環境車の安全に日本案 国連採用、世界標準に
【ジュネーブ=藤田剛】自動車の世界標準を決める国連の専門組織は2010年3月に国際協定を改正し、ハイブリッド車や電気自動車の安全基準を新設する。31日までの交渉で、日本の提案した基準がほぼそのまま世界標準に採用されることが固まった。トヨタ自動車の「プリウス」、ホンダの「インサイト」などは現行仕様のまま世界各国で販売できるため、シェア拡大の追い風となりそうだ。
国連欧州本部にある「自動車基準調和世界フォーラム」が安全基準を新設する。同フォーラムには日米欧や中国など53カ国・地域が参加。各国はここで決まった基準に合わせて国内基準を策定する。
アジア自由貿易圏へ弾み 32億人市場、一体化進む
【シンガポール=牛山隆一】アジア域内の巨大な自由貿易圏に向けた動きが1日、一挙に加速する。インドと東南アジア諸国連合(ASEAN)の自由貿易協定(FTA)、インドと韓国の経済連携協定(EPA)がともに同日付で発効。中国と韓国はASEANとの間で大半の品目の関税を相互に撤廃する。日本もASEANとEPAを発効済みで、ASEANを軸に約32億人の巨大市場の一体化が進む。域内での貿易・投資競争に弾みがつくのは確実で、日本企業のアジア戦略にも大きく影響しそうだ。
インドは1日、シンガポール、マレーシアなどASEANの一部の国とFTAを発効。国内手続きが遅れている他の加盟国との協定も順次発効する。双方はテレビやプラスチック製品など貿易品目の8割について、関税を2016年末までに段階的に撤廃する。
09年CD販売、100万枚超え3作どまり 新譜不振
2009年に100万枚以上売れたミリオンセラーの音楽CDは3作品にとどまり、過去最低水準となる見通しとなった。3作品はいずれもアルバムで、そのうち2作品は旧譜ヒット曲を収めたベスト盤。7作品あった08年より4作品減った。CD市場が右肩下がりで縮小する中、新譜の力不足が鮮明になった格好だ。
日本レコード協会によると、09年ミリオンセラーを記録した3作品は「塩、コショウ」(アーティストはGReeeeN)と「All the BEST!1999―2009」(嵐)、「ayaka’s History 2006―2009」(絢香)。オリジナルアルバムは「塩、コショウ」のみだった。
<コミックマーケット>3日間51万人来場も不況の波 “デフレ傾向”で客単価下落
東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた日本最大のマンガの祭典「コミックマーケット77」最終日の31日、約19万人が来場した。3日間で計約51万人が参加し、冬のコミケでは昨年と並ぶ過去最高の来場者数を記録したが、企業ブースでは不況を反映して、グッズの“デフレ傾向”が進んでいるようだ。
この日は、創作系を中心に約1万1000サークルが出展。ゲームメーカー「セガ」のブースでバーチャルアイドル「初音ミク」のグッズが約1時間で完売したのをはじめ、各ブースとも人気キャラクターの限定グッズは午前中で次々と売れ切れた。
出展企業などによると、これまでのコミケでは、5000円~1万円の限定商品が人気だったが、今回は不況の影響もあって、ストラップやテレホンカードなど1000円前後の商品が多かったといい、ゲームメーカーのスタッフは「人気商品は飛ぶように売れるが、それ以外の商品は以前ほどの売れ方ではない。手ごろな価格の商品に人気が集まり、客単価は下がっている」と話していた。
東電など電力各社、次世代送電網に1兆円 「太陽光」急増に備え
東京電力や関西電力など電力各社がIT(情報技術)を使って電力を効率的に供給する次世代送電網「スマートグリッド」構築に向けた大型投資に乗り出す。通信機能を備えたスマートメーターを全世帯に導入する検討を始めたほか、太陽光発電の急増に備えた送配電設備を増強する。2020年までに関連設備投資は合計で1兆円を超える見通し。温暖化ガス削減につながるが、設備費が電力料金に反映し、消費者負担が増える懸念もある。
スマートメーターは次世代送電網の中核機器とされ、各家庭の電力消費の動向や家庭の太陽光発電量などの情報をリアルタイムで把握できる。東電は10年にもスマートメーターの導入を始め、一般家庭を中心に2千万強のメーターを設置する。関電は10年3月末までに40万世帯に導入し、将来は1200万のメーターをスマートメーターに切り替える。
「持続可能な成長、企業がけん引を」同友会代表幹事が年頭所感
経済同友会の桜井正光代表幹事は2010年の年頭所感を発表し、「自律的かつ持続可能な経済成長には企業自身が成長戦略を描き、けん引役にならなければならない」との認識を示した。日本商工会議所の岡村正会頭も「日本は経済地位の低下が現実に避けられない中、世界一の科学技術創造立国を目指す方向性を打ち出すべきだ」との所感を公表した。
一方、連合の古賀伸明会長は「日本全体に拡大した格差の是正が急務。成長戦略を軌道に乗せ『中間層』を復活させることが中期的に目指すべき社会像だ」と訴えた。
中国人民元、05年改革以来初の値下がり 年間ベース
中国・人民元の対米ドルレートが2005年の制度改革後、年間ベースで初めて値下がりした。31日の上海外為市場では1ドル=6.827元で取引を終え、わずかながらも前年末(1ドル=6.823元)よりも人民元安になった。海外から人民元切り上げ圧力を受けながらも、輸出産業支援など景気テコ入れを最優先する中国政府の姿勢が改めて鮮明になった格好だ。
09年1~11月末までの中国の輸出額は1兆709億ドル(約98兆5200億円)と前年同期比19%減。繊維など軽工業品を中心に回復が遅れているものの、貿易黒字は1779億ドルと高水準で、欧米からは人民元切り上げ圧力が高まっている。だが、温家宝首相は12月下旬、国営新華社のインタビューに対し「人民元の上昇圧力には絶対に屈しない」と強調した。
もっとも、足元では食料品価格などが上昇中。為替介入による人民元の流通量増加が07、08年のような物価上昇を招きかねないと金融当局は神経をとがらせている。中国人民銀行(中央銀行)の政策委員で著名エコノミストの樊綱氏は「人民元が下がる理由は無い」と指摘している。
「鳩山首相、オバマ氏を見習って」 米教授ら米紙に寄稿
金融危機を予測したことで知られるヌリエル・ルービニ米ニューヨーク大学教授らは31日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿、鳩山由紀夫首相はオバマ米大統領を見習い、選挙公約にこだわりすぎない現実的な政策運営を進めるよう提言。「『ハトヤマ氏』は『ハトバマ氏』になる必要がある」と呼びかけた。ルービニ氏らは米軍普天間基地の移設を巡る日米関係悪化などを挙げ、鳩山首相の政策目標は「非現実的」と指摘。医療保険制度改革などで妥協したオバマ大統領と比較した。
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キーワードは「停滞と変化」――2009年のモバイル業界を振り返る(COLUMN)
2009年も、あと少しで終わろうとしている。
これはモバイル業界に限ったことではないが、2009年の市場環境はとても厳しいものだった。リーマン・ショック後の景気後退と需要急減の余波は収まらず、筆者のもう1つの専門分野である自動車業界では、「100年に1度の不況」があらゆるスピーチの枕詞になるありさまだった。 モバイル業界を見ても、端末販売市場は全体的に冷え込み、キャリア間の競争も盛り上がりに欠けた。特に2009年前半は多くのユーザーが端末買い替えサイクルの狭間に入ったこともあり、市場全体に停滞感や閉塞感があったのは事実だろう。
しかしその一方で、新たな変化の兆しが見られたのも事実だ。キャリア各社は2010年以降に向けて新たなサービスやビジネスの種をまき、次世代に向けた新サービスもいくつか提案された。逆風下の端末市場でも、「iPhone 3GS」の躍進やAndroid端末の登場、モバイルデータ通信端末の販売数がかつてない伸びを示すなど変化が起き始めている。
2009年はどのような年だったのか。そして2010年はどのような1年になるのか。筆者の率直な感想と評価を述べたい思う。
安定基盤の下に、種蒔きに成功したドコモ
NTTドコモの山田隆持社長は、2009年を評して「種蒔きの年」と語った。まさに今年のドコモは、解約率の低さに支えながら、種蒔きに終始していたといってもいいだろう。
まず足元の競争環境で見れば、2009年はドコモの「2年契約割引(ファミ割MAX50/ひとりでも割)」と、販売規模の多かった905iシリーズの「2年割賦払い」というダブルの“2年縛り”が明ける直前に位置し、それが解約率の驚異的な低さにつながった。さらにドコモはこの数年間、携帯電話キャリアにとって重要な「インフラ強化」を地道に続け、同社のFOMAインフラはエリアの広さ・通信品質のよさで随一のものになった。
端末ラインアップをつぶさに見れば、ドコモの競争力が圧倒的というわけではないのだが、それでもドコモが安定的な成長ができたのは、料金プラン・販売モデルによる囲い込み効果と、インフラ力による安心感からくる解約抑制効果によるものが大きい。そして、この“足元の安定”により、ドコモは2009年、大小様々な未来への投資を行った。
それらの種まきの中で、もっとも重要なものが「オートGPS対応iコンシェル」と「スマートフォン」だろう。
iコンシェルは従来のiモードの延長線上に位置するが、そのコンセプトやサービス内容は時代を先取りしている。今後のモバイルインターネットでは「リアル連携」を軸に、コンテンツやサービスの洗練された提供が重要になる。iコンシェルではGPSや非接触IC(おサイフケータイ)を用いて、そこに独自のアプローチをしている。これはAppleやGoogleのモバイル戦略と並んで、注目の取り組みだ。
iコンシェルはまだ発展途上であり、PC向けWebサービスとの連携の弱さや、オートGPS対応iコンシェルに対応したモデルが主力のSTYLEシリーズに少ないなど、課題も多く残されている。また後述するスマートフォン分野ではなく従来型の携帯電話向けサービスのため、「海外市場への発展性はあるのか。またもや日本固有のサービスでメーカー・コンテンツプロバイダーの負担になるのではないか」という不安や批判も生じるだろう。来年、ドコモはこれらの問題をいち早く解消し、iコンシェルの可能性を引き出す必要がある。
一方、スマートフォンについてもドコモは積極的だ。同社はiPhoneの販売権を逃して以降、この分野で後れを取っているが、国内初のAndroid端末である「HT-03A」や、「T-01A」を始めとする多数のWindows Phoneラインアップの投入、さらにはRIMの「BlackBerry Bold」を拡販するなど、今年はスマートフォン重視の姿勢をさらに強くした。またiPhone 3GSの好調ぶりに経営陣は神経をとがらせており、山田社長が会議で「なぜ、うち(ドコモ)のスマートフォンはiPhoneに負けるのか」と檄を飛ばすことが度々あったという。
このようにドコモはスマートフォンを重視してはいるものの、Appleとソフトバンクモバイルの「iPhoneタッグ」に結局は勝てなかった。その原因の1つは“iPhone並みに魅力的なスマートフォンを獲得できなかった”ことにあるが、一方でドコモが従来型の携帯電話ラインアップに配慮し、ソフトバンクモバイルがiPhoneに対して行ったほどの厚遇を、自社のスマートフォンに向けられなかったことも理由だろう。ドコモは2010年、ソニー・エリクソンの「XPERIA X10」を筆頭に、魅力的なスマートフォンを獲得できる可能性が高い。その際に、料金プランや販売施策において、iPhone並みの優遇や厚遇ができるか。ここがドコモにとって試金石になりそうだ。
一方で、ドコモの今後に不安があるとすると、長期的・大型の将来投資は充実している反面、短期的な店頭競争でのトレンド変化への対応力がやや弱いと感じるところだ。とりわけそれを強く感じるのがデータ通信端末での競争で、イー・モバイルの「Pocket WiFi」のような製品をいち早く出せなかったところに、ドコモのフットワークの悪さが垣間見える。非携帯電話のデータ通信端末市場は2010年にさらに広がる見込みであり、従来型の携帯電話のようなオーダーメイド型の製品だけでなく、既存の端末を組み合わせた形の商品やサービスも続々と出てくるだろう。ここでは店頭トレンドを先読みする力と、商品化に向けた決断と行動の速さが求められるのだが、それがドコモには乏しいのだ。
現実路線で建て直し――しかし課題も残るau
2009年、auの大きなテーマは「競争体制の建て直し」だった。
端末の共通プラットフォーム「KCP+」の導入でつまずき、ドコモ追随路線とソフトバンクモバイルの攻勢でキャリアとしての個性と競争優位性を損ない、市場流動性低下と端末販売不況によって旗下の端末メーカーが経営不振や撤退の憂き目にあう。2009年初めのauは、これまで好調だった要因がすべて裏目に出るという満身創痍の状況だった。しかし、この1年の努力で、その状況はずいぶんと改善した。
まず、懸案だった端末ラインアップだが、KCP+の成熟と不評だったUIの見直しが進み、ひと頃に比べるとかなりマシになった。特に2009年の冬モデル以降はUIの改善が進み、使いにくさはかなり解消されている。また他キャリアに比べてラインアップ数を絞ったことや、KCP+導入によるコスト削減効果も生まれて、流通在庫の圧縮や端末調達コストの低減に成功した。実際、この冬商戦では「最新モデルでもミドルクラス端末は新規契約で1万円以下」という価格を実現。新販売モデル以降、端末価格の割高感を覚えている消費者に、“新モデルの割安感”でアピールしている。
一方、キャリアとしての競争力向上では、今年8月に導入した「指定通話定額(ガンガントーク)」と、11月から投入した「ガンガンメール」により、コミュニケーションの割安感を訴求。両者は主婦層や学生層の利用スタイルに合致した割引サービスとして、効果を発揮している。
このように端末と料金プランにおいて、auのテコ入れは“現実路線”で進んでおり、実際の効果も出はじめている。しかし、その一方で、auにはいまだ解消されていない弱点や課題も残されている。
その中でも代表的なものが、スマートフォン分野の出遅れだろう。KDDIでは2009年になっても「スマートフォンはまだ早い」(KDDIの小野寺正社長)という姿勢を貫いており、市場規模が拡大してから本格参入する方針だ。実際の販売台数で見れば、確かに国内スマートフォン市場はiPhone効果をプラスしても従来型の携帯電話よりも小さい。「ドコモみたいにムダ弾は撃てない。そんな余裕はない」(KDDI幹部)という堅実路線のKDDIにとって、手を出しにくい領域というのは理解できなくはない。しかし、昨年のiPhone 3G登場以降、スマートフォンは市場規模こそ小さいものの、モバイルでのコンテンツサービスや新ビジネスにおける影響力・存在感が急速に拡大している。iPhoneがないのはしかたないにしても、コンシューマー向けのスマートフォンがまったくないという現状は、auがモバイルインターネットの次世代トレンドに乗り遅れてしまうリスクになっている。auはいち早くコンシューマー向けのスマートフォンを市場投入し、それを積極的に後押しして育てる必要があるだろう。
iPhone効果とともに、問題も見え始めたソフトバンク
ソフトバンクモバイルにとって2009年は、「iPhoneの年」だったといってもいいだろう。さまざまなキャンペーンの効果もあり、2009年前半から販売が伸び始めたiPhoneは、夏のiPhone 3GS投入によって人気が一般層にまで波及。都市部では女性ユーザーも増え始め、スマートフォンとして初めて“一般ユーザーも使っている”モデルになった。
このブレイクは、iPhoneそのものの魅力が高く、さらにiPhoneのアプリやアクサリーの増加など、利用環境が整ってきた効果ももちろんあるが、ソフトバンクモバイルが料金プランや販売施策で異例ともいえる厚遇をしたからという理由も少なからず影響している。
しかし、その一方で、同社の「iPhone頼み」ともいえる現状は、通信インフラの負担増大や事業バランスの悪化というリスクにもつながっている。
とりわけ深刻なのが、iPhoneによるインフラ負担の増大だ。
周知のとおりiPhoneは従来型の携帯電話よりもデータ通信利用量が多く、PC向けデータ通信サービス並みにインフラに負担をかける。さらにiPhoneの販売は著しく都市部に偏在しており、実際の販売台数以上に局所的なインフラ負担の増大が起きるのだ。“通信インフラの利用量を平準化し、効率よく収益化する”という通信キャリアの常識からすると、今のiPhoneの売れ方は「時限爆弾を抱え込むようなもの。通信品質の維持からすると悪夢のような状態」(キャリアの設備担当関係者)なのだ。
ソフトバンクモバイルは今年、スマートフォンだけでなく従来型の携帯電話でも無線LAN(Wi-Fi)利用を促し、一方でユーザーの速度制限にも踏み込むなど、インフラ負担の軽減に腐心している。しかし、来年もiPhoneの勢いが止まらず、さらに販売数が伸びることが予想される中で、これらの施策は焼け石に水だろう。抜本的な対策は「3Gインフラの増強」しかない。それも通信品質を重視し、コストをかけて行う骨太のインフラ投資だ。
それができなければ来年、iPhoneは一転してソフトバンクモバイルの重荷になることすら考えられる。またAppleにとっても、3Gインフラの逼迫問題・通信速度の低下がiPhoneのユーザビリティとブランドを損なう「ソフトバンク・リスク」になりかねない。繰り返しになるが、今年のiPhone好調を今後の追い風にできるかどうかの鍵は、3Gインフラの増強にかかっている。
ソフトバンクモバイルにとって2010年は、今年以上に舵取りの難しい1年になるだろう。iPhone獲得にいち早く動いたように、同社の次世代のトレンドをつかむ能力は高い。CM大量投入による空中戦や、家電量販店での店頭キャンペーン競争といった地上戦も巧みだ。しかし、来年ソフトバンクモバイルが直面する課題は、「インフラ増強がきちんとできるか」「地方でのエリア拡充とマーケティングがしっかりできるか」「中庸なユーザー向けのサービスやサポート体制を強化できるか」といった地道さが求められるものばかりである。2006年の携帯電話事業参入から3年あまり。ここまで急速に成長してきたソフトバンクモバイルにとって、2010年はキャリアとしての基礎体力とユーザーからの信頼が得られるかどうかが試される1年になりそうだ。
2009年も、あと少しで終わろうとしている。
これはモバイル業界に限ったことではないが、2009年の市場環境はとても厳しいものだった。リーマン・ショック後の景気後退と需要急減の余波は収まらず、筆者のもう1つの専門分野である自動車業界では、「100年に1度の不況」があらゆるスピーチの枕詞になるありさまだった。 モバイル業界を見ても、端末販売市場は全体的に冷え込み、キャリア間の競争も盛り上がりに欠けた。特に2009年前半は多くのユーザーが端末買い替えサイクルの狭間に入ったこともあり、市場全体に停滞感や閉塞感があったのは事実だろう。
しかしその一方で、新たな変化の兆しが見られたのも事実だ。キャリア各社は2010年以降に向けて新たなサービスやビジネスの種をまき、次世代に向けた新サービスもいくつか提案された。逆風下の端末市場でも、「iPhone 3GS」の躍進やAndroid端末の登場、モバイルデータ通信端末の販売数がかつてない伸びを示すなど変化が起き始めている。
2009年はどのような年だったのか。そして2010年はどのような1年になるのか。筆者の率直な感想と評価を述べたい思う。
安定基盤の下に、種蒔きに成功したドコモ
NTTドコモの山田隆持社長は、2009年を評して「種蒔きの年」と語った。まさに今年のドコモは、解約率の低さに支えながら、種蒔きに終始していたといってもいいだろう。
まず足元の競争環境で見れば、2009年はドコモの「2年契約割引(ファミ割MAX50/ひとりでも割)」と、販売規模の多かった905iシリーズの「2年割賦払い」というダブルの“2年縛り”が明ける直前に位置し、それが解約率の驚異的な低さにつながった。さらにドコモはこの数年間、携帯電話キャリアにとって重要な「インフラ強化」を地道に続け、同社のFOMAインフラはエリアの広さ・通信品質のよさで随一のものになった。
端末ラインアップをつぶさに見れば、ドコモの競争力が圧倒的というわけではないのだが、それでもドコモが安定的な成長ができたのは、料金プラン・販売モデルによる囲い込み効果と、インフラ力による安心感からくる解約抑制効果によるものが大きい。そして、この“足元の安定”により、ドコモは2009年、大小様々な未来への投資を行った。
それらの種まきの中で、もっとも重要なものが「オートGPS対応iコンシェル」と「スマートフォン」だろう。
iコンシェルは従来のiモードの延長線上に位置するが、そのコンセプトやサービス内容は時代を先取りしている。今後のモバイルインターネットでは「リアル連携」を軸に、コンテンツやサービスの洗練された提供が重要になる。iコンシェルではGPSや非接触IC(おサイフケータイ)を用いて、そこに独自のアプローチをしている。これはAppleやGoogleのモバイル戦略と並んで、注目の取り組みだ。
iコンシェルはまだ発展途上であり、PC向けWebサービスとの連携の弱さや、オートGPS対応iコンシェルに対応したモデルが主力のSTYLEシリーズに少ないなど、課題も多く残されている。また後述するスマートフォン分野ではなく従来型の携帯電話向けサービスのため、「海外市場への発展性はあるのか。またもや日本固有のサービスでメーカー・コンテンツプロバイダーの負担になるのではないか」という不安や批判も生じるだろう。来年、ドコモはこれらの問題をいち早く解消し、iコンシェルの可能性を引き出す必要がある。
一方、スマートフォンについてもドコモは積極的だ。同社はiPhoneの販売権を逃して以降、この分野で後れを取っているが、国内初のAndroid端末である「HT-03A」や、「T-01A」を始めとする多数のWindows Phoneラインアップの投入、さらにはRIMの「BlackBerry Bold」を拡販するなど、今年はスマートフォン重視の姿勢をさらに強くした。またiPhone 3GSの好調ぶりに経営陣は神経をとがらせており、山田社長が会議で「なぜ、うち(ドコモ)のスマートフォンはiPhoneに負けるのか」と檄を飛ばすことが度々あったという。
このようにドコモはスマートフォンを重視してはいるものの、Appleとソフトバンクモバイルの「iPhoneタッグ」に結局は勝てなかった。その原因の1つは“iPhone並みに魅力的なスマートフォンを獲得できなかった”ことにあるが、一方でドコモが従来型の携帯電話ラインアップに配慮し、ソフトバンクモバイルがiPhoneに対して行ったほどの厚遇を、自社のスマートフォンに向けられなかったことも理由だろう。ドコモは2010年、ソニー・エリクソンの「XPERIA X10」を筆頭に、魅力的なスマートフォンを獲得できる可能性が高い。その際に、料金プランや販売施策において、iPhone並みの優遇や厚遇ができるか。ここがドコモにとって試金石になりそうだ。
一方で、ドコモの今後に不安があるとすると、長期的・大型の将来投資は充実している反面、短期的な店頭競争でのトレンド変化への対応力がやや弱いと感じるところだ。とりわけそれを強く感じるのがデータ通信端末での競争で、イー・モバイルの「Pocket WiFi」のような製品をいち早く出せなかったところに、ドコモのフットワークの悪さが垣間見える。非携帯電話のデータ通信端末市場は2010年にさらに広がる見込みであり、従来型の携帯電話のようなオーダーメイド型の製品だけでなく、既存の端末を組み合わせた形の商品やサービスも続々と出てくるだろう。ここでは店頭トレンドを先読みする力と、商品化に向けた決断と行動の速さが求められるのだが、それがドコモには乏しいのだ。
現実路線で建て直し――しかし課題も残るau
2009年、auの大きなテーマは「競争体制の建て直し」だった。
端末の共通プラットフォーム「KCP+」の導入でつまずき、ドコモ追随路線とソフトバンクモバイルの攻勢でキャリアとしての個性と競争優位性を損ない、市場流動性低下と端末販売不況によって旗下の端末メーカーが経営不振や撤退の憂き目にあう。2009年初めのauは、これまで好調だった要因がすべて裏目に出るという満身創痍の状況だった。しかし、この1年の努力で、その状況はずいぶんと改善した。
まず、懸案だった端末ラインアップだが、KCP+の成熟と不評だったUIの見直しが進み、ひと頃に比べるとかなりマシになった。特に2009年の冬モデル以降はUIの改善が進み、使いにくさはかなり解消されている。また他キャリアに比べてラインアップ数を絞ったことや、KCP+導入によるコスト削減効果も生まれて、流通在庫の圧縮や端末調達コストの低減に成功した。実際、この冬商戦では「最新モデルでもミドルクラス端末は新規契約で1万円以下」という価格を実現。新販売モデル以降、端末価格の割高感を覚えている消費者に、“新モデルの割安感”でアピールしている。
一方、キャリアとしての競争力向上では、今年8月に導入した「指定通話定額(ガンガントーク)」と、11月から投入した「ガンガンメール」により、コミュニケーションの割安感を訴求。両者は主婦層や学生層の利用スタイルに合致した割引サービスとして、効果を発揮している。
このように端末と料金プランにおいて、auのテコ入れは“現実路線”で進んでおり、実際の効果も出はじめている。しかし、その一方で、auにはいまだ解消されていない弱点や課題も残されている。
その中でも代表的なものが、スマートフォン分野の出遅れだろう。KDDIでは2009年になっても「スマートフォンはまだ早い」(KDDIの小野寺正社長)という姿勢を貫いており、市場規模が拡大してから本格参入する方針だ。実際の販売台数で見れば、確かに国内スマートフォン市場はiPhone効果をプラスしても従来型の携帯電話よりも小さい。「ドコモみたいにムダ弾は撃てない。そんな余裕はない」(KDDI幹部)という堅実路線のKDDIにとって、手を出しにくい領域というのは理解できなくはない。しかし、昨年のiPhone 3G登場以降、スマートフォンは市場規模こそ小さいものの、モバイルでのコンテンツサービスや新ビジネスにおける影響力・存在感が急速に拡大している。iPhoneがないのはしかたないにしても、コンシューマー向けのスマートフォンがまったくないという現状は、auがモバイルインターネットの次世代トレンドに乗り遅れてしまうリスクになっている。auはいち早くコンシューマー向けのスマートフォンを市場投入し、それを積極的に後押しして育てる必要があるだろう。
iPhone効果とともに、問題も見え始めたソフトバンク
ソフトバンクモバイルにとって2009年は、「iPhoneの年」だったといってもいいだろう。さまざまなキャンペーンの効果もあり、2009年前半から販売が伸び始めたiPhoneは、夏のiPhone 3GS投入によって人気が一般層にまで波及。都市部では女性ユーザーも増え始め、スマートフォンとして初めて“一般ユーザーも使っている”モデルになった。
このブレイクは、iPhoneそのものの魅力が高く、さらにiPhoneのアプリやアクサリーの増加など、利用環境が整ってきた効果ももちろんあるが、ソフトバンクモバイルが料金プランや販売施策で異例ともいえる厚遇をしたからという理由も少なからず影響している。
しかし、その一方で、同社の「iPhone頼み」ともいえる現状は、通信インフラの負担増大や事業バランスの悪化というリスクにもつながっている。
とりわけ深刻なのが、iPhoneによるインフラ負担の増大だ。
周知のとおりiPhoneは従来型の携帯電話よりもデータ通信利用量が多く、PC向けデータ通信サービス並みにインフラに負担をかける。さらにiPhoneの販売は著しく都市部に偏在しており、実際の販売台数以上に局所的なインフラ負担の増大が起きるのだ。“通信インフラの利用量を平準化し、効率よく収益化する”という通信キャリアの常識からすると、今のiPhoneの売れ方は「時限爆弾を抱え込むようなもの。通信品質の維持からすると悪夢のような状態」(キャリアの設備担当関係者)なのだ。
ソフトバンクモバイルは今年、スマートフォンだけでなく従来型の携帯電話でも無線LAN(Wi-Fi)利用を促し、一方でユーザーの速度制限にも踏み込むなど、インフラ負担の軽減に腐心している。しかし、来年もiPhoneの勢いが止まらず、さらに販売数が伸びることが予想される中で、これらの施策は焼け石に水だろう。抜本的な対策は「3Gインフラの増強」しかない。それも通信品質を重視し、コストをかけて行う骨太のインフラ投資だ。
それができなければ来年、iPhoneは一転してソフトバンクモバイルの重荷になることすら考えられる。またAppleにとっても、3Gインフラの逼迫問題・通信速度の低下がiPhoneのユーザビリティとブランドを損なう「ソフトバンク・リスク」になりかねない。繰り返しになるが、今年のiPhone好調を今後の追い風にできるかどうかの鍵は、3Gインフラの増強にかかっている。
ソフトバンクモバイルにとって2010年は、今年以上に舵取りの難しい1年になるだろう。iPhone獲得にいち早く動いたように、同社の次世代のトレンドをつかむ能力は高い。CM大量投入による空中戦や、家電量販店での店頭キャンペーン競争といった地上戦も巧みだ。しかし、来年ソフトバンクモバイルが直面する課題は、「インフラ増強がきちんとできるか」「地方でのエリア拡充とマーケティングがしっかりできるか」「中庸なユーザー向けのサービスやサポート体制を強化できるか」といった地道さが求められるものばかりである。2006年の携帯電話事業参入から3年あまり。ここまで急速に成長してきたソフトバンクモバイルにとって、2010年はキャリアとしての基礎体力とユーザーからの信頼が得られるかどうかが試される1年になりそうだ。
ソニー再生、道半ば アップル、アマゾン追撃へ(COLUMN)
トヨタ、ホンダ、ソニー、東芝、日立…。2009年は日本を代表する大手メーカーで軒並みトップが交代した。従来路線の延長では未曾有の世界同時不況を打破できないとの危機感が背景にある。中でもソニーは中鉢良治社長が退き、ハワード・ストリンガー会長が社長を兼務する超異例の人事を断行。“双子の赤字”といわれる薄型テレビと家庭用ゲーム機事業の立て直しやハードとソフトの融合などを打ち出した。だが、数々のヒット商品を生み出した“輝き”を取り戻すまでには至っていない。ソニー再生は道半ばだ。
「社長を兼務してからの間、これまで以上の改革を達成した。縦型のサイロを崩し、4人の若くて有能な役員に運営を任せたことで、対話が生まれ、効率的になっている」
ストリンガー社長は、吉岡浩副社長ら4役員を“四銃士”と呼ぶ。
筆頭格の吉岡副社長は「やっと危機感を共有できる態勢になった」と手応えを口にする。
09年3月期に14年ぶりの989億円の最終赤字に転落。10年3月期も950億円の赤字を見込み、11年3月期の黒字転換を必達に掲げる。
まず手を付けたのが、コスト削減だ。生産拠点の集約や部品の共通化、調達の見直しで、今期中に3300億円を目標としているコスト削減は、9月中間期までに8割程度を達成した。
11月に開いた経営戦略発表会では、課題の薄型テレビと家庭用ゲーム機について、生産の外部委託などによる黒字化策を打ち出した。
ただ、薄型テレビは、安値合戦の激化が価格の下落が一段と加速している。ゲーム機のプレイステーション3も9月の値下げで、任天堂の「Wii(ウィー)」を猛追しているが、普及が一巡しており、大幅な販売増は期待しにくい。
さらに、市場では、双子の赤字の解消だけでは、再生に不十分との声が多い。「度重なるリストラで疲弊している。社内では士気の低下もみられる」(米銀行系証券アナリスト)との指摘もある。
再生には市場に対しても、社内に対しても、明確な成長戦略を示すことが欠かせない。
ソニーも懸命に成長ビジネスを模索している。その一つが、来春にもスタートさせる「ソニーオンラインサービス(仮称)」だ。音楽や映画、ゲーム、書籍などのデジタルコンテンツをネットで提供するサービスで、流通コストがかからず、利益率が高い。
あらゆるソニーの製品がネットワークにつながることで、製品の魅力も高まる。「ハード(機器)を売るためにはソフトが必要だし、ソフトが売れればハードも売れる」-。長年の課題だったハードとソフトの融合の実践だ。
ライバルの米アップルが、アイフォーンなどの携帯端末で構築したビジネスモデルで、出遅れ感はある。しかし、映画などの豊富なコンテンツと多様なデジタル家電のラインアップで、一気に差を詰めたい考えだ。
さらに米国で販売している電子書籍端末の国内投入に向けた出版社との交渉にも着手。米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」の日本侵入を阻止する構えだ。
09年はソニー・ブランドを不動の地位に押し上げた「ウォークマン」の発売30周年だった。音楽をいつも持ち歩けるようになり、人々のライフスタイルを大きく変えたウォークマンのような製品やサービスを世に送り出すことができるのか。10年はまさにソニー再生の正念場だ。
中国、外資導入はハイテクに重点 産業構造の転換狙う
【北京=高橋哲史】中国国務院(政府)は30日、温家宝首相の主宰で基本政策を話し合う常務会議を開き、今後の外資導入についてハイテク産業やサービス業などの分野に重点を置く方針を決めた。これまで中国に進出する外国企業は安い労働力を当て込んだ労働集約型の産業が多かったが、より付加価値の高い業種を呼び込み、産業構造の転換を目指す。
会議は「外資の利用は我が国の対外開放政策の重要な部分だ」と指摘し、今後も積極的に外資を導入する考えを表明。重点分野として最先端の製造業、ハイテク産業、サービス業、新エネルギー・環境産業を挙げた。
沿海部に比べて発展が遅れている中西部地域に、外国企業が投資を増やすよう促す方針も表明。投資の形式に関しても、従来のような単なる工場建設だけでなく、企業の合併や買収などを通じて外資を国内産業の再編に絡ませる必要があるとの認識を打ち出した。
海外から中国への直接投資額(実行ベース)は今年1~11月に前年同期比9.9%減の778億9000万ドル(約7兆2000億円)だった。
中国、石炭化学の設備増強を3年間凍結 過剰生産抑制に本腰
【北京=高橋哲史】中国のマクロ経済政策を統括する国家発展改革委員会は30日の記者会見で、生産能力の過剰が深刻な石炭化学産業について、生産設備の増強を3年間は認めない方針を明らかにした。景気の回復傾向が鮮明な中国では過剰生産が大きなリスク要因に浮上しており、政府は無駄な設備投資の抑制に本腰を入れる。
対象となるのはコークスやカーバイド、メチルアルコールなど石炭化学製品の生産設備。今後3年間は「新工場の建設や生産能力の単純な拡大を認めない」とした。
北朝鮮、外貨使用禁止は1月1日から 中国メディア報道
【北京=尾崎実】中国中央テレビは30日、北朝鮮人民保安省が来年1月1日から、国内でドルやユーロなど外貨の使用、流通を禁止する公告を発表したと報じた。外国人にも外貨を北朝鮮の通貨に交換して使用するよう求めている。
公告は「関係機関が措置を実施し、厳格な国家通貨流通秩序を構築する」と明記。実施後は空港やホテルでも外貨を使えなくなるという。中国国営新華社電によると、北朝鮮は通貨ウォンのデノミネーション(通貨呼称単位の変更)を11月30日から実施しており、通貨統制を強める狙いがありそうだ。
違反した企業や社会団体、個人に対しては、政府が営業停止や解散を命じ、取引した資金や物品は没収する。外貨による売買や高利での貸し付け行為などは法に基づいて厳正に処分するという。
09年時価総額、日産が2.5倍に 自動車・資源関連が復調
2009年は日経平均株価が3年ぶりに上昇した。東京証券取引所第1部の時価総額をみると、新興国需要を取り込んだ自動車や資源関連株が増加する一方、需要低迷で市場縮小に直面する通信、電力など内需関連株の目減りが目立った。主要国の政策協調と金融緩和を支えに投資マネーは株式回帰の動きを見せたものの、銘柄を選別する傾向も鮮明だった。
東証1部全体の時価総額は9%増の306兆円。8年連続首位のトヨタ自動車は13兆円で前年末に比べて3兆3600億円増えた。自動車メーカーは日米欧の販売急減で大きな打撃を受けたが、アジアなど新興国需要が持ち直し、株価も反転。中国で販売台数を伸ばす日産自動車は30日も年初来高値を更新し、時価総額は一年で2.5倍に膨らんだ。日経平均の採用銘柄の年間上昇率でもトップだった。
年を越すお札、9年ぶり減少 デフレも影響
日銀は30日、家計や企業、金融機関の金庫などで年を越すお札(日銀券)の合計が前年末より0.6%少ない80兆9542億円になると発表した。減少は9年ぶり。景気低迷を背景に個人消費などが伸び悩んでおり、年末年始に向けたお札の需要が膨らまなかったとみられる。大手企業のボーナス支給額が減るなど、デフレの進行で経済活動が萎縮していることも映しているといえそうだ。
9年前に減少した2000年12月末は、コンピューターの「西暦2000年問題」で当時として過去最高に膨らんだ1999年末の反動との面が強かった。こうした特殊要因なしに減少に転じたのは、経済の縮み志向を反映したものといえる。
<日航>国際線撤退案が浮上 全日空に統合 国交省は反対
日本航空と全日本空輸の2社体制となっている国内航空会社の国際線を全日空に統合する国際線1社体制案が30日、政府内で浮上した。日航の再建策を検討する同日の関係閣僚などの会談で、1社体制と2社体制の比較が議論された模様だ。
同案は法的整理を前提にしたもので、企業再生支援機構が日航を支援する場合、3年以内の再生見込みが条件となるため、経営の重荷となっている国際線を切り離す案。ただ、国土交通省などは2社体制の維持を強く主張している。支援機構は1月中旬をめどに日航の支援策を詰める予定だが、支援対象となるには「3年以内に事業再生が見込まれること」が要件となっている。
日航は不採算の国内外約50路線を廃止するほか、グループ全体で1万人以上の人員削減を行う方針だが、「昨年の金融危機以降、急激に収益が悪化した国際線のリストラは不十分」との指摘は根強く、「国際線を切り離して国内線に特化すれば、いい会社になると思う」(日航幹部)との見方は以前からあった。
日経社説 成長には競争と投資促す改革が必要だ(12/31)
鳩山政権が新しい経済成長戦略の基本方針を閣議で決めた。2020年までに環境、健康、観光の3分野で100兆円を超す新たな需要を掘り起こし、年平均で名目3%、実質2%を上回る経済成長を目指す。
政権公約に盛り込んだ個々の政策へのこだわりが強く、経済政策全体を見るマクロの司令塔機能が不在だった鳩山内閣が、中長期の経済運営の見取り図を示したのは初めてだ。経済のパイを広げる視点を欠いていた政権が重点分野と目標を明示したのは、とりあえず前進といえる。
日本はデフレと低成長に悩み、財政悪化と少子高齢化による制約も大きい。持続的な成長と雇用創出の原動力となるのは民間の投資である。来年6月に正式な「工程表」を示すというが、それまでに予算や税制、規制改革といった政策の肉付けを徹底し、民間の投資を導き出す環境を整えなければならない。
基本方針は環境・エネルギー、健康、アジア、観光・地域活性化、科学・技術、雇用・人材の6つを戦略分野とした。環境で50兆円超の市場と140万人の雇用、医療や介護などで45兆円の市場と280万人の雇用を新たに生むという目標だ。
具体的な政策としては、風力や太陽光などによる電力を固定価格で買う制度の拡充や、インターネットを利用して電力利用を効率的にするスマートグリッドの構築に触れた。先端医療の実用化や高齢者用住宅の改修支援、民間資金も使った大都市圏の交通基盤の整備も掲げている。
幼稚園と保育園の一体化で育児の環境を向上させ、一定区域での自由な活動を認める「特区」で地域振興を狙うといった、規制の緩和・改革に言及したのも評価できる。
それでも成長戦略としては力不足だ。日本経済が今の実力をすべて発揮して達成できる潜在成長率は0.5%程度に下がっている。実質2%成長には需要の発掘に加え、産業構造を変えて競争を促し、生産性を高める努力が欠かせない。
電力の自由化や雇用・医療の規制緩和、農業を含む貿易自由化など、抵抗の強い改革に踏み込む覚悟がいる。製造業の派遣労働の原則禁止など経済効率を低下させるような政策に傾くべきではない。福祉充実とともに競争を促して高成長を実現したスウェーデンに学ぶべきだ。
年平均3%以上の名目成長を目指すが、その始まりとなる10年度の政府見通しは0.4%にとどまる。デフレ克服が当面の最優先課題だ。政府・日銀が連携し、早くデフレを止める政策対応が必要である。
トヨタ、ホンダ、ソニー、東芝、日立…。2009年は日本を代表する大手メーカーで軒並みトップが交代した。従来路線の延長では未曾有の世界同時不況を打破できないとの危機感が背景にある。中でもソニーは中鉢良治社長が退き、ハワード・ストリンガー会長が社長を兼務する超異例の人事を断行。“双子の赤字”といわれる薄型テレビと家庭用ゲーム機事業の立て直しやハードとソフトの融合などを打ち出した。だが、数々のヒット商品を生み出した“輝き”を取り戻すまでには至っていない。ソニー再生は道半ばだ。
「社長を兼務してからの間、これまで以上の改革を達成した。縦型のサイロを崩し、4人の若くて有能な役員に運営を任せたことで、対話が生まれ、効率的になっている」
ストリンガー社長は、吉岡浩副社長ら4役員を“四銃士”と呼ぶ。
筆頭格の吉岡副社長は「やっと危機感を共有できる態勢になった」と手応えを口にする。
09年3月期に14年ぶりの989億円の最終赤字に転落。10年3月期も950億円の赤字を見込み、11年3月期の黒字転換を必達に掲げる。
まず手を付けたのが、コスト削減だ。生産拠点の集約や部品の共通化、調達の見直しで、今期中に3300億円を目標としているコスト削減は、9月中間期までに8割程度を達成した。
11月に開いた経営戦略発表会では、課題の薄型テレビと家庭用ゲーム機について、生産の外部委託などによる黒字化策を打ち出した。
ただ、薄型テレビは、安値合戦の激化が価格の下落が一段と加速している。ゲーム機のプレイステーション3も9月の値下げで、任天堂の「Wii(ウィー)」を猛追しているが、普及が一巡しており、大幅な販売増は期待しにくい。
さらに、市場では、双子の赤字の解消だけでは、再生に不十分との声が多い。「度重なるリストラで疲弊している。社内では士気の低下もみられる」(米銀行系証券アナリスト)との指摘もある。
再生には市場に対しても、社内に対しても、明確な成長戦略を示すことが欠かせない。
ソニーも懸命に成長ビジネスを模索している。その一つが、来春にもスタートさせる「ソニーオンラインサービス(仮称)」だ。音楽や映画、ゲーム、書籍などのデジタルコンテンツをネットで提供するサービスで、流通コストがかからず、利益率が高い。
あらゆるソニーの製品がネットワークにつながることで、製品の魅力も高まる。「ハード(機器)を売るためにはソフトが必要だし、ソフトが売れればハードも売れる」-。長年の課題だったハードとソフトの融合の実践だ。
ライバルの米アップルが、アイフォーンなどの携帯端末で構築したビジネスモデルで、出遅れ感はある。しかし、映画などの豊富なコンテンツと多様なデジタル家電のラインアップで、一気に差を詰めたい考えだ。
さらに米国で販売している電子書籍端末の国内投入に向けた出版社との交渉にも着手。米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」の日本侵入を阻止する構えだ。
09年はソニー・ブランドを不動の地位に押し上げた「ウォークマン」の発売30周年だった。音楽をいつも持ち歩けるようになり、人々のライフスタイルを大きく変えたウォークマンのような製品やサービスを世に送り出すことができるのか。10年はまさにソニー再生の正念場だ。
中国、外資導入はハイテクに重点 産業構造の転換狙う
【北京=高橋哲史】中国国務院(政府)は30日、温家宝首相の主宰で基本政策を話し合う常務会議を開き、今後の外資導入についてハイテク産業やサービス業などの分野に重点を置く方針を決めた。これまで中国に進出する外国企業は安い労働力を当て込んだ労働集約型の産業が多かったが、より付加価値の高い業種を呼び込み、産業構造の転換を目指す。
会議は「外資の利用は我が国の対外開放政策の重要な部分だ」と指摘し、今後も積極的に外資を導入する考えを表明。重点分野として最先端の製造業、ハイテク産業、サービス業、新エネルギー・環境産業を挙げた。
沿海部に比べて発展が遅れている中西部地域に、外国企業が投資を増やすよう促す方針も表明。投資の形式に関しても、従来のような単なる工場建設だけでなく、企業の合併や買収などを通じて外資を国内産業の再編に絡ませる必要があるとの認識を打ち出した。
海外から中国への直接投資額(実行ベース)は今年1~11月に前年同期比9.9%減の778億9000万ドル(約7兆2000億円)だった。
中国、石炭化学の設備増強を3年間凍結 過剰生産抑制に本腰
【北京=高橋哲史】中国のマクロ経済政策を統括する国家発展改革委員会は30日の記者会見で、生産能力の過剰が深刻な石炭化学産業について、生産設備の増強を3年間は認めない方針を明らかにした。景気の回復傾向が鮮明な中国では過剰生産が大きなリスク要因に浮上しており、政府は無駄な設備投資の抑制に本腰を入れる。
対象となるのはコークスやカーバイド、メチルアルコールなど石炭化学製品の生産設備。今後3年間は「新工場の建設や生産能力の単純な拡大を認めない」とした。
北朝鮮、外貨使用禁止は1月1日から 中国メディア報道
【北京=尾崎実】中国中央テレビは30日、北朝鮮人民保安省が来年1月1日から、国内でドルやユーロなど外貨の使用、流通を禁止する公告を発表したと報じた。外国人にも外貨を北朝鮮の通貨に交換して使用するよう求めている。
公告は「関係機関が措置を実施し、厳格な国家通貨流通秩序を構築する」と明記。実施後は空港やホテルでも外貨を使えなくなるという。中国国営新華社電によると、北朝鮮は通貨ウォンのデノミネーション(通貨呼称単位の変更)を11月30日から実施しており、通貨統制を強める狙いがありそうだ。
違反した企業や社会団体、個人に対しては、政府が営業停止や解散を命じ、取引した資金や物品は没収する。外貨による売買や高利での貸し付け行為などは法に基づいて厳正に処分するという。
09年時価総額、日産が2.5倍に 自動車・資源関連が復調
2009年は日経平均株価が3年ぶりに上昇した。東京証券取引所第1部の時価総額をみると、新興国需要を取り込んだ自動車や資源関連株が増加する一方、需要低迷で市場縮小に直面する通信、電力など内需関連株の目減りが目立った。主要国の政策協調と金融緩和を支えに投資マネーは株式回帰の動きを見せたものの、銘柄を選別する傾向も鮮明だった。
東証1部全体の時価総額は9%増の306兆円。8年連続首位のトヨタ自動車は13兆円で前年末に比べて3兆3600億円増えた。自動車メーカーは日米欧の販売急減で大きな打撃を受けたが、アジアなど新興国需要が持ち直し、株価も反転。中国で販売台数を伸ばす日産自動車は30日も年初来高値を更新し、時価総額は一年で2.5倍に膨らんだ。日経平均の採用銘柄の年間上昇率でもトップだった。
年を越すお札、9年ぶり減少 デフレも影響
日銀は30日、家計や企業、金融機関の金庫などで年を越すお札(日銀券)の合計が前年末より0.6%少ない80兆9542億円になると発表した。減少は9年ぶり。景気低迷を背景に個人消費などが伸び悩んでおり、年末年始に向けたお札の需要が膨らまなかったとみられる。大手企業のボーナス支給額が減るなど、デフレの進行で経済活動が萎縮していることも映しているといえそうだ。
9年前に減少した2000年12月末は、コンピューターの「西暦2000年問題」で当時として過去最高に膨らんだ1999年末の反動との面が強かった。こうした特殊要因なしに減少に転じたのは、経済の縮み志向を反映したものといえる。
<日航>国際線撤退案が浮上 全日空に統合 国交省は反対
日本航空と全日本空輸の2社体制となっている国内航空会社の国際線を全日空に統合する国際線1社体制案が30日、政府内で浮上した。日航の再建策を検討する同日の関係閣僚などの会談で、1社体制と2社体制の比較が議論された模様だ。
同案は法的整理を前提にしたもので、企業再生支援機構が日航を支援する場合、3年以内の再生見込みが条件となるため、経営の重荷となっている国際線を切り離す案。ただ、国土交通省などは2社体制の維持を強く主張している。支援機構は1月中旬をめどに日航の支援策を詰める予定だが、支援対象となるには「3年以内に事業再生が見込まれること」が要件となっている。
日航は不採算の国内外約50路線を廃止するほか、グループ全体で1万人以上の人員削減を行う方針だが、「昨年の金融危機以降、急激に収益が悪化した国際線のリストラは不十分」との指摘は根強く、「国際線を切り離して国内線に特化すれば、いい会社になると思う」(日航幹部)との見方は以前からあった。
日経社説 成長には競争と投資促す改革が必要だ(12/31)
鳩山政権が新しい経済成長戦略の基本方針を閣議で決めた。2020年までに環境、健康、観光の3分野で100兆円を超す新たな需要を掘り起こし、年平均で名目3%、実質2%を上回る経済成長を目指す。
政権公約に盛り込んだ個々の政策へのこだわりが強く、経済政策全体を見るマクロの司令塔機能が不在だった鳩山内閣が、中長期の経済運営の見取り図を示したのは初めてだ。経済のパイを広げる視点を欠いていた政権が重点分野と目標を明示したのは、とりあえず前進といえる。
日本はデフレと低成長に悩み、財政悪化と少子高齢化による制約も大きい。持続的な成長と雇用創出の原動力となるのは民間の投資である。来年6月に正式な「工程表」を示すというが、それまでに予算や税制、規制改革といった政策の肉付けを徹底し、民間の投資を導き出す環境を整えなければならない。
基本方針は環境・エネルギー、健康、アジア、観光・地域活性化、科学・技術、雇用・人材の6つを戦略分野とした。環境で50兆円超の市場と140万人の雇用、医療や介護などで45兆円の市場と280万人の雇用を新たに生むという目標だ。
具体的な政策としては、風力や太陽光などによる電力を固定価格で買う制度の拡充や、インターネットを利用して電力利用を効率的にするスマートグリッドの構築に触れた。先端医療の実用化や高齢者用住宅の改修支援、民間資金も使った大都市圏の交通基盤の整備も掲げている。
幼稚園と保育園の一体化で育児の環境を向上させ、一定区域での自由な活動を認める「特区」で地域振興を狙うといった、規制の緩和・改革に言及したのも評価できる。
それでも成長戦略としては力不足だ。日本経済が今の実力をすべて発揮して達成できる潜在成長率は0.5%程度に下がっている。実質2%成長には需要の発掘に加え、産業構造を変えて競争を促し、生産性を高める努力が欠かせない。
電力の自由化や雇用・医療の規制緩和、農業を含む貿易自由化など、抵抗の強い改革に踏み込む覚悟がいる。製造業の派遣労働の原則禁止など経済効率を低下させるような政策に傾くべきではない。福祉充実とともに競争を促して高成長を実現したスウェーデンに学ぶべきだ。
年平均3%以上の名目成長を目指すが、その始まりとなる10年度の政府見通しは0.4%にとどまる。デフレ克服が当面の最優先課題だ。政府・日銀が連携し、早くデフレを止める政策対応が必要である。
2010年に向けて 変化が当たり前の国、日本へ(COLUMN)
21世紀の最初の10年は日本にとって試練の時であった。一歩進んで二歩下がる。政治の面では小泉政権による大変革で一歩進み、その後の3首相で二歩下がる。株式市場ではベンチャー上場ラッシュで一歩進み、ベンチャーバブルの崩壊で二歩下がる。大銀行を中心とする金融再編で一歩進み、金融危機で二歩下がる。
各産業も一歩進んで二歩下がった。通信では携帯とブロードバンドの普及で大きな一歩を進めたが、最近では薬のネット販売規制や青少年の携帯規制、総務省の携帯販売ビジネスモデルへの介入など、新しい流れを受け入れたくない人たちの反撃で二歩下がっている。学校教育もゆとり教育で個性重視への道を開いたことで一歩進み、平均学力低下の顕在化により揺り戻しで二歩下がろうとしているようだ。
しかし単に二歩下がって90年代に戻ったわけではない。下がった結果は政治不安、経済低迷、雇用不安、成長率の失速、世代間格差の拡大、教育現場の崩壊など、「よかった昔」に戻っているのではなく、未曾有の社会・経済危機に陥っている。
次の10年、日本は危機を脱し、進化することができるのだろうか。
■リーダー国としてやれることはある
やはり最も必要なことはオバマ米大統領ではないが「変化」であろう。
最近の政界、経済界のリーダーの発言や態度を見ていると、いわゆる「不況慣れ」「低成長慣れ」しているように感じる。確かに90年代前半のバブル崩壊以降、低迷を続ける日本経済、日本企業は過去の成功を忘れつつあるように見える。勢いや積極果敢な挑戦は珍しくなり、低成長でも安定、未来の夢は描けなくても現在の生活がそこそこであればそれでいい、という雰囲気が蔓延している。
しかし、この低成長の20年近くの間に日本は大きな成果も出してきた。世界最先端のITインフラが整備されたり、携帯電話で生活が一変したり。個人金融資産は金融危機後の株価低迷にも関わらず1400兆円を超え、玉石混交の00年代前半上場組ベンチャーの中から大手へと成長しつつある企業も出てきている。
状況は実はそんなに悪くないのではないか。あるいは日本だけが悪いわけではないのではないか。まだまだ世界のリーダー国としてやれることがあるのではないか。経済大国といわれた20年前よりも国民も、政治家も、企業も進化しているのではないか。さまざまな困難を超え、学習しているのではないか。
■昔流のやり方では時代は切り開けない
自信喪失による悲観主義、そして日本人の美徳といわれてきた謙虚さからくる諦観。どうせ何をやってもそんなに効果は上がらないだろう。一人の力ではどうしようもない。ムキになると敵も作るし、面倒だ。黙っていれば過ぎていく。テキトーに妥協すれば生活には影響ないし、まあ、いいか。そんな心の声が透けて見えるような経営者が増えている。
そんななか、指導力を発揮しようとして頑張っているリーダーもいる。これらのリーダーは、単に悲観主義に浸かって何もしようとしないリーダーと比べれば格段にマシである。が、昔からのやり方をもう一度試そう、あるいは昔の世界を取り戻そうという試みであればおそらく失敗するであろう。民営化をとどめる動き。規制を強める動き。予算を肥大化させようとする動き。何百人もの団体外交訪問で権力を見せつけようとする動きに至っては、時代錯誤感に虚しささえ付きまとう。
そう、時代は変わっているのだ。昔流のやり方を復活させることでは時代は切り開けない。新しい試み、新しいやり方をどんどんトライしなければならない。
米国でもオバマ流の政策運営は前政権時代とは違う。中国も首脳陣が入れ替わればやり方は変わる。欧州はEUという連合体の運営に苦労しながらも確実に以前とは違う次元の国家運営となった。企業も同じ。CEOが変わればやり方が変わるのは常識。中国企業に至っては、朝令暮改のようなことは当たり前に行われる。サムソン電子やLGエレクトロニクスといった韓国企業も10年前とはまるで別の企業のようになった。
■政府も企業も実態ある行動を
日本は今夏の政権交代で新しい試みがどんどんトライされるかと思われたが、結局失速し、昔に戻そう、あるいは昔のやり方を復活させて国を直していこうとする動きになっている。企業もベンチャー投資やリスクの高い海外進出に懲りて、できるだけ堅い投資、ローリスクローリターンの海外進出という昔のやり方に頼ろうとしているように見える。
しかし、外交もどれだけ経済的に「ウィン-ウィン」になれるかという具体論を伴わなければ表敬訪問の域を越えないし、企業も昔のように拠点を日本に置いたまま国際化を叫んでも競争力は生まれない。実態ある行動が政府にも企業にも求められている。
政府も企業も、今こそ思いきった国際戦略、思いきった斬新な成長戦略を打ち出さなければならないのではないか。そんな2010年になってほしい。
100兆円の需要創出 4年後に失業率3%台 新成長戦略基本方針を決定
政府は30日午前の臨時閣議で、平成32年までの新成長戦略の基本方針を閣議決定した。環境や医療・介護などで計100兆円超の新たな需要を創出し産業を育成。さらにアジアの経済成長も取り込むことで、国内総生産(GDP)の平均成長率を名目3%、実質2%以上とすることを目指す。民主党政権は、子ども手当や農業の戸別所得補償などばらまき型の政策が中心と批判されてきたが、政権発足100日を過ぎて、ようやく経済成長戦略策定に乗り出した。
「輝きのある日本へ」との副題で、政治のリーダーシップにより「新需要創造」「需要からの成長」を目指すとしている。日本の強みが発揮できる環境・エネルギーと健康(医療・介護)分野での産業育成に注力するとともに、世界の成長センターであるアジアへの展開強化、市場開拓が遅れていた観光・地域活性化を重要課題とした。これら施策で、名目GDPを473兆円(21年度見込み)から650兆円程度にまで拡大。現在5%台の完全失業率を4年後に3%台まで改善するとしている。
今後さらに具体的な施策を検討し、来年6月までに最終的な成長戦略をまとめる。また各政策の工程表を作り、達成状況を評価・検証する仕組みも構築する。
基本方針では、各分野の数値目標を明示した。環境・エネルギー分野では、太陽光、風力など再生可能エネルギーの普及を進め、蓄電池や次世代自動車など革新的技術の開発を前倒し。32年までに50兆円超の新市場、140万人の新規雇用を生む。医療・介護分野は、新薬や再生医療などの研究を促進し、約45兆円の新規市場、280万人の雇用創出が目標だ。
アジアの成長力を取り込むため、アジア太平洋自由貿易地域(FTAAP)実現を目指す。また「アジアの所得倍増」を目標に掲げ、鉄道や水、エネルギー分野などのインフラ整備を支援する。観光分野では、観光ビザの取得手続きを簡略化するなどして、中国人を中心に観光客を2500万人に増やし、10兆円の経済波及効果と56万人の新規雇用を創出する。
こうした成長を支えるため、官民の科学技術への研究開発投資をGDP比4%以上まで高める。また求職者の支援制度の強化などで約170万人のフリーターを半減させるとしている。
グーグル、「Android」関連会見を開催へ--新携帯端末「Nexus One」を発表か
Googleは、「Android」関連の記者会見を米国時間1月5日に開催することを発表した。12月29日にメディア各社へと送付された招待状によると、同会見は、Google本社で開催されるという。この会見に対して、Googleが携帯端末「Nexus One」を発表し、消費者向けに同端末の直接的な販売を開始するのでは、という期待が高まっている。
日経平均、終値1万546円 昨年末比19%高、3年ぶり上昇
2009年大納会の30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比91円62銭(0.86%)安の1万0546円44銭となり、昨年末(8859円56銭)に比べて19%上昇した。2006年以来、3年ぶりの上昇。年間の上昇率としては、2005年(40.2%高)以来、4年ぶりの大きさだ。昨年9月に起きたリーマン・ショックをきっかけとした世界的な金融危機が徐々に解消され、今年3月の安値である7000円近くから回復過程をたどった。
もっとも、リーマン・ショック直前の水準である1万2000円台にはほど遠く、主要国の中で日本株は出遅れが目立った。
東証株価指数(TOPIX)の年間上昇率は5.6%だった。日経平均と同様、上昇は2006年以来、3年ぶり。2005年(43.5%上昇)以来の上昇率の大きさだった。
LGとサムスン、北米市場でモバイルテレビ端末発売
米国の移動体向け放送規格を共同開発したLG電子とサムスン電子は、新年から北米のモバイルテレビ市場の攻略に本格的に乗り出す。
LG電子は1月7日に米ラスベガスで開幕する世界最大の家電見本市CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、北米方式のモバイルデジタルテレビ規格を支援する世界初のポータブルDVDプレーヤー「DP570MH」をはじめ、携帯電話端末3機種を発表する。サムスン電子も北米式モバイルデジタルテレビを視聴可能なスマートフォンを展示する予定だ。
これに先立ち、米デジタル放送標準化機構(ATSC)は今年10月、両社が共同開発したモバイルデジタルテレビ技術「ATSC-M/H」を米モバイル放送の共通規格に指定した。同技術は時速290キロで走る移動体の中でも高画質のテレビ放送を受信できる。
日経社説 日印関係は飛躍的な拡大ができる(12/30)
鳩山由紀夫首相は29日、訪問先のニューデリーでインドのシン首相と会談し、自由貿易協定(FTA)に相当する経済連携協定(EPA)の締結へ「交渉を加速する」とうたった共同声明を発表した。
日本とインドはそれぞれアジアで1位と3位の経済大国だが、日本にとってインドは、遠い国である。両国関係の現状はその潜在力に見合った水準には及ばない。経済のみならず、多層的な関係拡大は双方に利益であり、両首脳はEPA早期妥結の方針を打ち出した。
日印間の貿易は増加傾向にあるが、インドの貿易総額の伸びに比べ勢いは見劣りする。規模は中国・インド貿易の3分の1程度で、韓国・インド貿易にも及ばない。日中間に比べれば20分の1だ。
インドは2009年も7%程度の成長が見込まれる有望市場。10年1月1日には韓国とインドのFTAが発効する予定で、日本は官民ともに危機感をもってインド戦略に取り組むべきだ。
日印双方が利益を期待できる分野は、インド経済の弱点であるインフラの整備だろう。共同声明が打ち出したデリーとムンバイを結ぶ貨物専用鉄道の実現を急いでほしい。
原子力発電も有望だ。インドは石炭火力への依存度が高く原発の潜在的な需要は膨大なのに対し、日本は世界的メーカーの東芝と日立製作所を擁するからだ。ただ協力の具体化には、日本の核不拡散政策と折り合いをつける必要がある。
鳩山首相は包括的核実験禁止条約(CTBT)への参加を要請したが、シン首相は自主的に核実験を凍結してきたと説明し、理解を求めるにとどまった。打開に向けて一層の外交努力を双方に求めたい。
両首脳は外務・防衛次官級による安全保障対話を毎年開くことなどを定めた行動計画に署名した。インド洋のシーレーン(海上交通路)防衛やアフリカ・ソマリア沖での海賊対策での協力強化も打ち出した。
9月の発足以来、鳩山政権は中国を重視する姿勢が目立っていた。日本と同じく中国の軍拡の風圧を強く感じているインドと安全保障面で関係強化の方針を示したのは、バランスをとる意味でも歓迎したい。
中国に続く新興の大国として存在感を高めるインドだが、世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)や地球温暖化防止交渉では途上国としての利害にこだわる強硬姿勢が目立つ。インドの懸念を解きほぐしながら大国として責任を果たすよう促したい。
21世紀の最初の10年は日本にとって試練の時であった。一歩進んで二歩下がる。政治の面では小泉政権による大変革で一歩進み、その後の3首相で二歩下がる。株式市場ではベンチャー上場ラッシュで一歩進み、ベンチャーバブルの崩壊で二歩下がる。大銀行を中心とする金融再編で一歩進み、金融危機で二歩下がる。
各産業も一歩進んで二歩下がった。通信では携帯とブロードバンドの普及で大きな一歩を進めたが、最近では薬のネット販売規制や青少年の携帯規制、総務省の携帯販売ビジネスモデルへの介入など、新しい流れを受け入れたくない人たちの反撃で二歩下がっている。学校教育もゆとり教育で個性重視への道を開いたことで一歩進み、平均学力低下の顕在化により揺り戻しで二歩下がろうとしているようだ。
しかし単に二歩下がって90年代に戻ったわけではない。下がった結果は政治不安、経済低迷、雇用不安、成長率の失速、世代間格差の拡大、教育現場の崩壊など、「よかった昔」に戻っているのではなく、未曾有の社会・経済危機に陥っている。
次の10年、日本は危機を脱し、進化することができるのだろうか。
■リーダー国としてやれることはある
やはり最も必要なことはオバマ米大統領ではないが「変化」であろう。
最近の政界、経済界のリーダーの発言や態度を見ていると、いわゆる「不況慣れ」「低成長慣れ」しているように感じる。確かに90年代前半のバブル崩壊以降、低迷を続ける日本経済、日本企業は過去の成功を忘れつつあるように見える。勢いや積極果敢な挑戦は珍しくなり、低成長でも安定、未来の夢は描けなくても現在の生活がそこそこであればそれでいい、という雰囲気が蔓延している。
しかし、この低成長の20年近くの間に日本は大きな成果も出してきた。世界最先端のITインフラが整備されたり、携帯電話で生活が一変したり。個人金融資産は金融危機後の株価低迷にも関わらず1400兆円を超え、玉石混交の00年代前半上場組ベンチャーの中から大手へと成長しつつある企業も出てきている。
状況は実はそんなに悪くないのではないか。あるいは日本だけが悪いわけではないのではないか。まだまだ世界のリーダー国としてやれることがあるのではないか。経済大国といわれた20年前よりも国民も、政治家も、企業も進化しているのではないか。さまざまな困難を超え、学習しているのではないか。
■昔流のやり方では時代は切り開けない
自信喪失による悲観主義、そして日本人の美徳といわれてきた謙虚さからくる諦観。どうせ何をやってもそんなに効果は上がらないだろう。一人の力ではどうしようもない。ムキになると敵も作るし、面倒だ。黙っていれば過ぎていく。テキトーに妥協すれば生活には影響ないし、まあ、いいか。そんな心の声が透けて見えるような経営者が増えている。
そんななか、指導力を発揮しようとして頑張っているリーダーもいる。これらのリーダーは、単に悲観主義に浸かって何もしようとしないリーダーと比べれば格段にマシである。が、昔からのやり方をもう一度試そう、あるいは昔の世界を取り戻そうという試みであればおそらく失敗するであろう。民営化をとどめる動き。規制を強める動き。予算を肥大化させようとする動き。何百人もの団体外交訪問で権力を見せつけようとする動きに至っては、時代錯誤感に虚しささえ付きまとう。
そう、時代は変わっているのだ。昔流のやり方を復活させることでは時代は切り開けない。新しい試み、新しいやり方をどんどんトライしなければならない。
米国でもオバマ流の政策運営は前政権時代とは違う。中国も首脳陣が入れ替わればやり方は変わる。欧州はEUという連合体の運営に苦労しながらも確実に以前とは違う次元の国家運営となった。企業も同じ。CEOが変わればやり方が変わるのは常識。中国企業に至っては、朝令暮改のようなことは当たり前に行われる。サムソン電子やLGエレクトロニクスといった韓国企業も10年前とはまるで別の企業のようになった。
■政府も企業も実態ある行動を
日本は今夏の政権交代で新しい試みがどんどんトライされるかと思われたが、結局失速し、昔に戻そう、あるいは昔のやり方を復活させて国を直していこうとする動きになっている。企業もベンチャー投資やリスクの高い海外進出に懲りて、できるだけ堅い投資、ローリスクローリターンの海外進出という昔のやり方に頼ろうとしているように見える。
しかし、外交もどれだけ経済的に「ウィン-ウィン」になれるかという具体論を伴わなければ表敬訪問の域を越えないし、企業も昔のように拠点を日本に置いたまま国際化を叫んでも競争力は生まれない。実態ある行動が政府にも企業にも求められている。
政府も企業も、今こそ思いきった国際戦略、思いきった斬新な成長戦略を打ち出さなければならないのではないか。そんな2010年になってほしい。
100兆円の需要創出 4年後に失業率3%台 新成長戦略基本方針を決定
政府は30日午前の臨時閣議で、平成32年までの新成長戦略の基本方針を閣議決定した。環境や医療・介護などで計100兆円超の新たな需要を創出し産業を育成。さらにアジアの経済成長も取り込むことで、国内総生産(GDP)の平均成長率を名目3%、実質2%以上とすることを目指す。民主党政権は、子ども手当や農業の戸別所得補償などばらまき型の政策が中心と批判されてきたが、政権発足100日を過ぎて、ようやく経済成長戦略策定に乗り出した。
「輝きのある日本へ」との副題で、政治のリーダーシップにより「新需要創造」「需要からの成長」を目指すとしている。日本の強みが発揮できる環境・エネルギーと健康(医療・介護)分野での産業育成に注力するとともに、世界の成長センターであるアジアへの展開強化、市場開拓が遅れていた観光・地域活性化を重要課題とした。これら施策で、名目GDPを473兆円(21年度見込み)から650兆円程度にまで拡大。現在5%台の完全失業率を4年後に3%台まで改善するとしている。
今後さらに具体的な施策を検討し、来年6月までに最終的な成長戦略をまとめる。また各政策の工程表を作り、達成状況を評価・検証する仕組みも構築する。
基本方針では、各分野の数値目標を明示した。環境・エネルギー分野では、太陽光、風力など再生可能エネルギーの普及を進め、蓄電池や次世代自動車など革新的技術の開発を前倒し。32年までに50兆円超の新市場、140万人の新規雇用を生む。医療・介護分野は、新薬や再生医療などの研究を促進し、約45兆円の新規市場、280万人の雇用創出が目標だ。
アジアの成長力を取り込むため、アジア太平洋自由貿易地域(FTAAP)実現を目指す。また「アジアの所得倍増」を目標に掲げ、鉄道や水、エネルギー分野などのインフラ整備を支援する。観光分野では、観光ビザの取得手続きを簡略化するなどして、中国人を中心に観光客を2500万人に増やし、10兆円の経済波及効果と56万人の新規雇用を創出する。
こうした成長を支えるため、官民の科学技術への研究開発投資をGDP比4%以上まで高める。また求職者の支援制度の強化などで約170万人のフリーターを半減させるとしている。
グーグル、「Android」関連会見を開催へ--新携帯端末「Nexus One」を発表か
Googleは、「Android」関連の記者会見を米国時間1月5日に開催することを発表した。12月29日にメディア各社へと送付された招待状によると、同会見は、Google本社で開催されるという。この会見に対して、Googleが携帯端末「Nexus One」を発表し、消費者向けに同端末の直接的な販売を開始するのでは、という期待が高まっている。
日経平均、終値1万546円 昨年末比19%高、3年ぶり上昇
2009年大納会の30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比91円62銭(0.86%)安の1万0546円44銭となり、昨年末(8859円56銭)に比べて19%上昇した。2006年以来、3年ぶりの上昇。年間の上昇率としては、2005年(40.2%高)以来、4年ぶりの大きさだ。昨年9月に起きたリーマン・ショックをきっかけとした世界的な金融危機が徐々に解消され、今年3月の安値である7000円近くから回復過程をたどった。
もっとも、リーマン・ショック直前の水準である1万2000円台にはほど遠く、主要国の中で日本株は出遅れが目立った。
東証株価指数(TOPIX)の年間上昇率は5.6%だった。日経平均と同様、上昇は2006年以来、3年ぶり。2005年(43.5%上昇)以来の上昇率の大きさだった。
LGとサムスン、北米市場でモバイルテレビ端末発売
米国の移動体向け放送規格を共同開発したLG電子とサムスン電子は、新年から北米のモバイルテレビ市場の攻略に本格的に乗り出す。
LG電子は1月7日に米ラスベガスで開幕する世界最大の家電見本市CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、北米方式のモバイルデジタルテレビ規格を支援する世界初のポータブルDVDプレーヤー「DP570MH」をはじめ、携帯電話端末3機種を発表する。サムスン電子も北米式モバイルデジタルテレビを視聴可能なスマートフォンを展示する予定だ。
これに先立ち、米デジタル放送標準化機構(ATSC)は今年10月、両社が共同開発したモバイルデジタルテレビ技術「ATSC-M/H」を米モバイル放送の共通規格に指定した。同技術は時速290キロで走る移動体の中でも高画質のテレビ放送を受信できる。
日経社説 日印関係は飛躍的な拡大ができる(12/30)
鳩山由紀夫首相は29日、訪問先のニューデリーでインドのシン首相と会談し、自由貿易協定(FTA)に相当する経済連携協定(EPA)の締結へ「交渉を加速する」とうたった共同声明を発表した。
日本とインドはそれぞれアジアで1位と3位の経済大国だが、日本にとってインドは、遠い国である。両国関係の現状はその潜在力に見合った水準には及ばない。経済のみならず、多層的な関係拡大は双方に利益であり、両首脳はEPA早期妥結の方針を打ち出した。
日印間の貿易は増加傾向にあるが、インドの貿易総額の伸びに比べ勢いは見劣りする。規模は中国・インド貿易の3分の1程度で、韓国・インド貿易にも及ばない。日中間に比べれば20分の1だ。
インドは2009年も7%程度の成長が見込まれる有望市場。10年1月1日には韓国とインドのFTAが発効する予定で、日本は官民ともに危機感をもってインド戦略に取り組むべきだ。
日印双方が利益を期待できる分野は、インド経済の弱点であるインフラの整備だろう。共同声明が打ち出したデリーとムンバイを結ぶ貨物専用鉄道の実現を急いでほしい。
原子力発電も有望だ。インドは石炭火力への依存度が高く原発の潜在的な需要は膨大なのに対し、日本は世界的メーカーの東芝と日立製作所を擁するからだ。ただ協力の具体化には、日本の核不拡散政策と折り合いをつける必要がある。
鳩山首相は包括的核実験禁止条約(CTBT)への参加を要請したが、シン首相は自主的に核実験を凍結してきたと説明し、理解を求めるにとどまった。打開に向けて一層の外交努力を双方に求めたい。
両首脳は外務・防衛次官級による安全保障対話を毎年開くことなどを定めた行動計画に署名した。インド洋のシーレーン(海上交通路)防衛やアフリカ・ソマリア沖での海賊対策での協力強化も打ち出した。
9月の発足以来、鳩山政権は中国を重視する姿勢が目立っていた。日本と同じく中国の軍拡の風圧を強く感じているインドと安全保障面で関係強化の方針を示したのは、バランスをとる意味でも歓迎したい。
中国に続く新興の大国として存在感を高めるインドだが、世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)や地球温暖化防止交渉では途上国としての利害にこだわる強硬姿勢が目立つ。インドの懸念を解きほぐしながら大国として責任を果たすよう促したい。
ブログ、ピグ、なう――Amebaが目指すもの(COLUMN)
サイバーエージェントが運営するブログを中核としたネットサービス「Ameba」(アメーバ)事業が拡大している。今年に入ってアバターコミュニティー「アメーバピグ」、ミニブログ「Amebaなう」を投入。Amebaシリーズの総登録者数は10月時点で676万人に上る。
急成長の背景には長期的な拡大戦略があったに違いない。そう考えて同社を取材すると肩すかしを食らう。「中長期的なビジョンはなく、先のことは考えていない」――同社で藤田晋社長とともにAmebaサービスを統括してきた長瀬慶重 新規開発局局長はこう言い切る。
ただ「ネットを使う全員をターゲットにすえ、国内最大規模のネットメディアを目指す」という目標にはぶれがない。新サービス投入時も、「誰でも迷わず使えるUI」を重視するという。
流行のサービスも分かりやすくかみ砕き、ユーザーテストを繰り返した上で、誰でも使えると判断できれば公開。人気が出れば機能改善を加え、Amebaシリーズのほかサービスとの連携も強めて主力サービスに育てる――という流れだ。
「なう」はブログやピグのユーザー向け
2月にスタートした「アメーバピグ」は、流行の仮想空間やアバターを、Amebaなりに消化したサービスだ。操作や導入が難しかったSecond Lifeなどと異なり、ITリテラシーの低いユーザーでも使いやすいようインタフェースを工夫。アバターデザインもかわいらしくし、取っつきやすくした。
ほかのアバターのメニューをワンクリックするだけで相手に興味があることを示せる「グッピグ」など会話のきっかけも豊富に用意。「何をしていいか分からない」「見知らぬ人とは交流しづらい」など迷うことがないよう工夫した。仮想空間で撮影した写真をブログに掲載するなどアメブロとも密接に連携。ブログとの相乗効果もあって、オープン10カ月で会員は180万にまで拡大している。
ミニブログ「Amebaなう」も、ブログやピグのユーザー向けに企画したサービスだ。「ブログに書くほどでもないちょっとしたことを、瞬発的につぶやくサービス」として設計。つぶやきは1カ月後には消える仕様だ。ピグのアバターをプロフィールに表示するなど、ほかのサービスとの連携機能も備えている。
UIはTwitterにかなり似ている。ただまねをしたのではなく、さまざまなパターンでユーザーテストを繰り返した結果、このUIが最も使いやすかったため採用したという。
なうは、CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)脆弱性をついたいたずらにも悩まされた。長瀬さんによると、この脆弱性はあらかじめ把握していたという。「新サービスは常に外部のセキュリティ企業のチェックを受け、危険度が高い順に対応している。指摘されたCSRF脆弱性は危険度のレベルが最高より1段階低かったため、年明けごろ修正する予定だった」が、問題が起きた翌日には修正した。
中長期的なビジョンは「ない」 個別最適を目指す
Amebaサービスは、ブログ、ピグ、なうに加え、ニュースサイト「アメーバニュース」、動画投稿「Ameba Vision」、コミュニティーサービス「グルっぽ」などがあり、それぞれが単体サービスとして使え、お互い連携もしている。
全体で見るとSNSに近い機能がそろっており、Amebaのユーザートップページもmixiに似た構成。ブログの使用感もmixi日記に近く、友人登録した人限定で公開する「アメンバー」機能や、訪問ユーザーの足あとを確認できる「ペタ」などもある。
モバイル版「Amebaモバイル」(アメモバ)のユーザートップページも「モバゲータウン」「GREE」など携帯SNSに似ている。GREEの「クリノッペ」のようにペットをかわいがれる「ブーシュカ」や、無料ゲームも備えている。
AmebaはmixiやモバゲーのようなSNSを目指しているのだろうか。長瀬さんは「違う」と言う。「SNSを目指すのかとか、将来どうなりたいのかなどよく聞かれるが、中長期的なビジョンはない。どういうサービスを出せば面白いか短いスパンで考えて個別最適を目指し、サービス同士の連携もその都度考えている」
PV倍増へ 広告と課金を半々に
Amebaサービス全体(PC、携帯含む)の月間ページビュー(PV)は、2008年9月に56億3000万だったが、09年9月には107億とほぼ倍増。10年9月はさらに倍の200億を目指している。
「PC版AmebaブログのPVはロボットによるアクセスを排除しておらず、ほかのブログサービスよりPVが多く出る仕掛けになっている」という批判もある。同社のIR情報にある9月のPV(約53億)は、第三者機関・ネットレイティングスが計測したPV(約19億)の倍以上だ。だが長瀬さんは「集計の仕方はほかのネットメディアと変わらない」と話す。
「例えば、FC2の媒体資料を見ると、PVはネットレイティングスベースの2倍~3倍出ている。それと比べればAmebaブログのPVもおかしくないのでは」
Amebaサービス事業は09年7~9月期に初めて黒字化。収入の7割をブログなどに掲載する広告が占めているが、「ピグ」のアバターアイテムからの課金収入も急成長している。今後は課金にさらに力を入れ、広告と課金の割合を半々にしていく計画だ。
ただ短期的なマネタイズよりは使いやすいサービス設計を優先。ユーザー規模をさらに拡大した上で、「スケールの大きな成功」を目指している。ピグは来春から海外展開するなど、世界を舞台にビジネスを広げていきたい考えだ。
国の借金、家計の貯蓄頼み限界 個人資産の7割に
政府が家計の貯蓄に頼って借金を重ねる構図に限界がみえ始めた。政府の負債残高が膨張し、9月末は家計資産に対する比率は66%まで上昇した。これは過去最高の水準だ。今後も政府負債の膨張が止まらず、少子高齢化を背景に家計の貯蓄が減少に向かえば、2020年までに家計資産を逆転する可能性もある。家計の高貯蓄という日本経済の強みは薄れつつあり、財政の抜本改革が急務になっている。
政府は歳出のうち税収などで賄えない分を国債発行で穴埋めする。国債発行は1990年代以降の景気対策の財源を賄う目的で急増した。
中国、IT開示対象を縮小…日本なお撤廃要求
【北京=幸内康、ワシントン=岡田章裕】中国政府が来年5月の適用開始を予定している情報技術(IT)製品の中核情報をメーカーに強制的に開示させる対象を縮小する方針であることが29日わかった。
規制対象を中国政府が直接調達する製品に限定し国有企業が購入する製品は制度の対象外とする。
この制度を巡っては、企業ノウハウの中国側への流出を警戒して日米欧が撤廃を求め、中国は4月に、制度の適用を政府が調達する製品にとどめる考えを表明した。だが、各国の反発が収まらないため、中国は政府調達に含まれるとみられていた国有企業の購入品を対象から外して、追加譲歩をすることになった。これに対し、日本政府は「知的財産権の流出などの懸念はぬぐえない」として、中国側に引き続き、制度の撤廃を求める方針だ。
中国が2008年1月に明らかにした「情報安全製品の強制認証制度」は、IT製品を制御するソフトウエアの設計図「ソースコード」などを企業に強制的に開示させるものだ。非接触ICカードやデジタル複写機などが対象になる可能性がある。開示を拒否すれば、その製品の中国への輸出や中国での現地生産・販売が一切禁止される。
中国政府が調達する製品の規模は08年で3兆元(約39兆円)にものぼるとされる。中国の工業生産額(付加価値ベース)に占める国有企業の割合は4割弱とされ、存在感は大きい。中国側は、国有企業を外したことで、日本の対中輸出に与える影響はほとんどなくなったと説明しているという。
住信SBIネット銀、預金残高9000億円超す 2年3カ月で
インターネット専業銀行の住信SBIネット銀行は29日、12月28日時点で預金残高(外貨預金の円換算なども含む)が9000億円を突破したと発表した。2007年9月24日の営業開始から約2年3カ月で達成した。特に今年に入っての伸びが急で、08年末時点の約5520億円から大幅に上積みした。ネット専業行で預金残高のトップはソニー銀行の1兆3242億円(11月末時点)。住信SBIは、これに次ぐ水準だ。
大手行より低めの住宅ローン金利を設定したり、ATMの出金手数料を一部無料にしたりするなどして預金を集めた。口座数は28日時点で約63万に上るという。
“巣ごもり消費”に狙い カード各社がネット登録を促進
クレジットカード会社が、会員のインターネットでのカード利用を拡大するため、「ID登録」の促進に取り組んでいる。外出を控える“巣ごもり消費”の影響もあり、ネットショッピングが急拡大しているためだ。ID登録すると、利用状況などをネットで確認できるため、明細書の送付が不要になり、経費の節減にもなる。各社では、キャンペーンの実施や新しいサイトの開設などあの手この手で会員をネットに誘導している。
ネットショッピングでカード決済を行うには、安全性の面から、カード番号とは別のIDやパスワードを登録する必要がある。ただ、手間がかかることもあり、ID登録を躊躇(ちゅうちょ)する会員も多いという。
このため、カード各社では、ID登録を促進するため、お得なキャンペーンなどを実施している。
学習塾最大手の栄光、2位株主にZ会 教材や顧客を融通
学習塾最大手の栄光は29日、通信添削大手の増進会出版社(Z会、静岡県長泉町)が同社の2位株主になると発表した。来年1月14日に、総発行済み株式の15.9%分を約12億円で売却する。Z会は教材の販路拡大などのため学習塾大手への出資を広げており、首都圏で幅広い層に向けて塾を展開する栄光とも提携する。
栄光は「栄光ゼミナール」などの学習塾を約400教室運営。生徒数は7万人を超える。Z会は栄光向けのほか、栄光の連結子会社であるエデュケーショナルネットワーク(東京・中央)を通じて添削用教材や教育用映像商品の販売を増やしたい考え。栄光側も、財務基盤を強化できるほか、Z会が得意とする成績上位層の生徒への指導・試験ノウハウなども得られると判断した。
Z会は2008年には首都圏地盤の市進、関西地盤のウィザスとも資本・業務提携している。学習塾業界では少子化で競争が激化しており、ナガセが四谷大塚(東京・中野)を買収するなど再編も活発になっている。
ノキアが米アップルを特許侵害で提訴、iPodも対象
[ヘルシンキ 29日 ロイター] 世界最大手の携帯電話機メーカー、フィンランドのノキアは29日、米アップルが7件の特許を侵害したとして米国際貿易委員会(ITC)に提訴した。
アップルが販売した「ほぼすべての携帯電話機、携帯音楽プレーヤー、コンピューター」で自社の特許が侵害されていると主張している。
ノキアは声明で、問題となっている7つの特許について、アップルのユーザーインターフェース、カメラ、アンテナ、パワーマネジメント技術などの機能に使用されていると説明した。
今回の訴えではアップルの携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」およびパソコンの「iMac(アイマック)」も対象となっており、両社の特許侵害をめぐる争いが一段と激化している。
ノキアの広報担当はITCが訴状調査に入るかどうか決定するのに30日程度かかる見込みだと述べた。
争点となっている特許を使用したアップル商品の販売差し止めは、少なくとも2011年初めまでは行われない見通し。
アップルのコメントは得られていない。
サイバーエージェントが運営するブログを中核としたネットサービス「Ameba」(アメーバ)事業が拡大している。今年に入ってアバターコミュニティー「アメーバピグ」、ミニブログ「Amebaなう」を投入。Amebaシリーズの総登録者数は10月時点で676万人に上る。
急成長の背景には長期的な拡大戦略があったに違いない。そう考えて同社を取材すると肩すかしを食らう。「中長期的なビジョンはなく、先のことは考えていない」――同社で藤田晋社長とともにAmebaサービスを統括してきた長瀬慶重 新規開発局局長はこう言い切る。
ただ「ネットを使う全員をターゲットにすえ、国内最大規模のネットメディアを目指す」という目標にはぶれがない。新サービス投入時も、「誰でも迷わず使えるUI」を重視するという。
流行のサービスも分かりやすくかみ砕き、ユーザーテストを繰り返した上で、誰でも使えると判断できれば公開。人気が出れば機能改善を加え、Amebaシリーズのほかサービスとの連携も強めて主力サービスに育てる――という流れだ。
「なう」はブログやピグのユーザー向け
2月にスタートした「アメーバピグ」は、流行の仮想空間やアバターを、Amebaなりに消化したサービスだ。操作や導入が難しかったSecond Lifeなどと異なり、ITリテラシーの低いユーザーでも使いやすいようインタフェースを工夫。アバターデザインもかわいらしくし、取っつきやすくした。
ほかのアバターのメニューをワンクリックするだけで相手に興味があることを示せる「グッピグ」など会話のきっかけも豊富に用意。「何をしていいか分からない」「見知らぬ人とは交流しづらい」など迷うことがないよう工夫した。仮想空間で撮影した写真をブログに掲載するなどアメブロとも密接に連携。ブログとの相乗効果もあって、オープン10カ月で会員は180万にまで拡大している。
ミニブログ「Amebaなう」も、ブログやピグのユーザー向けに企画したサービスだ。「ブログに書くほどでもないちょっとしたことを、瞬発的につぶやくサービス」として設計。つぶやきは1カ月後には消える仕様だ。ピグのアバターをプロフィールに表示するなど、ほかのサービスとの連携機能も備えている。
UIはTwitterにかなり似ている。ただまねをしたのではなく、さまざまなパターンでユーザーテストを繰り返した結果、このUIが最も使いやすかったため採用したという。
なうは、CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)脆弱性をついたいたずらにも悩まされた。長瀬さんによると、この脆弱性はあらかじめ把握していたという。「新サービスは常に外部のセキュリティ企業のチェックを受け、危険度が高い順に対応している。指摘されたCSRF脆弱性は危険度のレベルが最高より1段階低かったため、年明けごろ修正する予定だった」が、問題が起きた翌日には修正した。
中長期的なビジョンは「ない」 個別最適を目指す
Amebaサービスは、ブログ、ピグ、なうに加え、ニュースサイト「アメーバニュース」、動画投稿「Ameba Vision」、コミュニティーサービス「グルっぽ」などがあり、それぞれが単体サービスとして使え、お互い連携もしている。
全体で見るとSNSに近い機能がそろっており、Amebaのユーザートップページもmixiに似た構成。ブログの使用感もmixi日記に近く、友人登録した人限定で公開する「アメンバー」機能や、訪問ユーザーの足あとを確認できる「ペタ」などもある。
モバイル版「Amebaモバイル」(アメモバ)のユーザートップページも「モバゲータウン」「GREE」など携帯SNSに似ている。GREEの「クリノッペ」のようにペットをかわいがれる「ブーシュカ」や、無料ゲームも備えている。
AmebaはmixiやモバゲーのようなSNSを目指しているのだろうか。長瀬さんは「違う」と言う。「SNSを目指すのかとか、将来どうなりたいのかなどよく聞かれるが、中長期的なビジョンはない。どういうサービスを出せば面白いか短いスパンで考えて個別最適を目指し、サービス同士の連携もその都度考えている」
PV倍増へ 広告と課金を半々に
Amebaサービス全体(PC、携帯含む)の月間ページビュー(PV)は、2008年9月に56億3000万だったが、09年9月には107億とほぼ倍増。10年9月はさらに倍の200億を目指している。
「PC版AmebaブログのPVはロボットによるアクセスを排除しておらず、ほかのブログサービスよりPVが多く出る仕掛けになっている」という批判もある。同社のIR情報にある9月のPV(約53億)は、第三者機関・ネットレイティングスが計測したPV(約19億)の倍以上だ。だが長瀬さんは「集計の仕方はほかのネットメディアと変わらない」と話す。
「例えば、FC2の媒体資料を見ると、PVはネットレイティングスベースの2倍~3倍出ている。それと比べればAmebaブログのPVもおかしくないのでは」
Amebaサービス事業は09年7~9月期に初めて黒字化。収入の7割をブログなどに掲載する広告が占めているが、「ピグ」のアバターアイテムからの課金収入も急成長している。今後は課金にさらに力を入れ、広告と課金の割合を半々にしていく計画だ。
ただ短期的なマネタイズよりは使いやすいサービス設計を優先。ユーザー規模をさらに拡大した上で、「スケールの大きな成功」を目指している。ピグは来春から海外展開するなど、世界を舞台にビジネスを広げていきたい考えだ。
国の借金、家計の貯蓄頼み限界 個人資産の7割に
政府が家計の貯蓄に頼って借金を重ねる構図に限界がみえ始めた。政府の負債残高が膨張し、9月末は家計資産に対する比率は66%まで上昇した。これは過去最高の水準だ。今後も政府負債の膨張が止まらず、少子高齢化を背景に家計の貯蓄が減少に向かえば、2020年までに家計資産を逆転する可能性もある。家計の高貯蓄という日本経済の強みは薄れつつあり、財政の抜本改革が急務になっている。
政府は歳出のうち税収などで賄えない分を国債発行で穴埋めする。国債発行は1990年代以降の景気対策の財源を賄う目的で急増した。
中国、IT開示対象を縮小…日本なお撤廃要求
【北京=幸内康、ワシントン=岡田章裕】中国政府が来年5月の適用開始を予定している情報技術(IT)製品の中核情報をメーカーに強制的に開示させる対象を縮小する方針であることが29日わかった。
規制対象を中国政府が直接調達する製品に限定し国有企業が購入する製品は制度の対象外とする。
この制度を巡っては、企業ノウハウの中国側への流出を警戒して日米欧が撤廃を求め、中国は4月に、制度の適用を政府が調達する製品にとどめる考えを表明した。だが、各国の反発が収まらないため、中国は政府調達に含まれるとみられていた国有企業の購入品を対象から外して、追加譲歩をすることになった。これに対し、日本政府は「知的財産権の流出などの懸念はぬぐえない」として、中国側に引き続き、制度の撤廃を求める方針だ。
中国が2008年1月に明らかにした「情報安全製品の強制認証制度」は、IT製品を制御するソフトウエアの設計図「ソースコード」などを企業に強制的に開示させるものだ。非接触ICカードやデジタル複写機などが対象になる可能性がある。開示を拒否すれば、その製品の中国への輸出や中国での現地生産・販売が一切禁止される。
中国政府が調達する製品の規模は08年で3兆元(約39兆円)にものぼるとされる。中国の工業生産額(付加価値ベース)に占める国有企業の割合は4割弱とされ、存在感は大きい。中国側は、国有企業を外したことで、日本の対中輸出に与える影響はほとんどなくなったと説明しているという。
住信SBIネット銀、預金残高9000億円超す 2年3カ月で
インターネット専業銀行の住信SBIネット銀行は29日、12月28日時点で預金残高(外貨預金の円換算なども含む)が9000億円を突破したと発表した。2007年9月24日の営業開始から約2年3カ月で達成した。特に今年に入っての伸びが急で、08年末時点の約5520億円から大幅に上積みした。ネット専業行で預金残高のトップはソニー銀行の1兆3242億円(11月末時点)。住信SBIは、これに次ぐ水準だ。
大手行より低めの住宅ローン金利を設定したり、ATMの出金手数料を一部無料にしたりするなどして預金を集めた。口座数は28日時点で約63万に上るという。
“巣ごもり消費”に狙い カード各社がネット登録を促進
クレジットカード会社が、会員のインターネットでのカード利用を拡大するため、「ID登録」の促進に取り組んでいる。外出を控える“巣ごもり消費”の影響もあり、ネットショッピングが急拡大しているためだ。ID登録すると、利用状況などをネットで確認できるため、明細書の送付が不要になり、経費の節減にもなる。各社では、キャンペーンの実施や新しいサイトの開設などあの手この手で会員をネットに誘導している。
ネットショッピングでカード決済を行うには、安全性の面から、カード番号とは別のIDやパスワードを登録する必要がある。ただ、手間がかかることもあり、ID登録を躊躇(ちゅうちょ)する会員も多いという。
このため、カード各社では、ID登録を促進するため、お得なキャンペーンなどを実施している。
学習塾最大手の栄光、2位株主にZ会 教材や顧客を融通
学習塾最大手の栄光は29日、通信添削大手の増進会出版社(Z会、静岡県長泉町)が同社の2位株主になると発表した。来年1月14日に、総発行済み株式の15.9%分を約12億円で売却する。Z会は教材の販路拡大などのため学習塾大手への出資を広げており、首都圏で幅広い層に向けて塾を展開する栄光とも提携する。
栄光は「栄光ゼミナール」などの学習塾を約400教室運営。生徒数は7万人を超える。Z会は栄光向けのほか、栄光の連結子会社であるエデュケーショナルネットワーク(東京・中央)を通じて添削用教材や教育用映像商品の販売を増やしたい考え。栄光側も、財務基盤を強化できるほか、Z会が得意とする成績上位層の生徒への指導・試験ノウハウなども得られると判断した。
Z会は2008年には首都圏地盤の市進、関西地盤のウィザスとも資本・業務提携している。学習塾業界では少子化で競争が激化しており、ナガセが四谷大塚(東京・中野)を買収するなど再編も活発になっている。
ノキアが米アップルを特許侵害で提訴、iPodも対象
[ヘルシンキ 29日 ロイター] 世界最大手の携帯電話機メーカー、フィンランドのノキアは29日、米アップルが7件の特許を侵害したとして米国際貿易委員会(ITC)に提訴した。
アップルが販売した「ほぼすべての携帯電話機、携帯音楽プレーヤー、コンピューター」で自社の特許が侵害されていると主張している。
ノキアは声明で、問題となっている7つの特許について、アップルのユーザーインターフェース、カメラ、アンテナ、パワーマネジメント技術などの機能に使用されていると説明した。
今回の訴えではアップルの携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」およびパソコンの「iMac(アイマック)」も対象となっており、両社の特許侵害をめぐる争いが一段と激化している。
ノキアの広報担当はITCが訴状調査に入るかどうか決定するのに30日程度かかる見込みだと述べた。
争点となっている特許を使用したアップル商品の販売差し止めは、少なくとも2011年初めまでは行われない見通し。
アップルのコメントは得られていない。